JP2014059160A - 電気泳動用試験具およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度かつ信頼性の高い電気泳動を行うことができる電気泳動用試験具を提供すること。
【解決手段】酸性側から塩基性側に向かうpH勾配を有するゲルを備え、
前記ゲルは、主要領域と、該主要領域と隣接する緩衝領域とを備え、
前記緩衝領域のpH値が略一定であることを特徴とする電気泳動用試験具。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気泳動用試験具およびその製造方法に関する。
電気泳動法は、溶液またはこれに浸漬した親水性の支持体などの媒体に電圧をかけることによって、該媒体中の荷電物質がその電荷に応じて電界中を移動する現象を利用した分離分析法である。特に、媒体としてゲルを用いる電気泳動(ゲル電気泳動法)は、タンパク質および核酸のような生体高分子を分離する手法として、生化学、分子生物学などの生命科学分野や臨床検査の分野などにおいて広く利用されている。
タンパク質の電気泳動法には、主として、タンパク質の大きさ(分子量)により分離する方法と、電荷(等電点)により分離する方法とがある。分子量による分離には、ポリアクリルアミドゲルを用いて、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の存在下で行う電気泳動(SDS-PAGE法)が広く利用されている。SDS-PAGE法では、タンパク質は一定の割合でSDSと結合してその電荷密度が一定となり、この状態でタンパク質が網目状構造を有するポリアクリルアミド中を移動することで、タンパク質は分子ふるい効果により、その分子量に応じて分離される。
等電点による分離には、pH勾配の存在下で行う電気泳動(等電点電気泳動法)が利用されている。等電点電気泳動法では、pH勾配中で、タンパク質が自身の等電点と等しいpHの位置に集まることによって、タンパク質が分離される。等電点電気泳動法の媒体として、従来は両性担体が用いられていたが、近年では、通電中にpH勾配が崩れることのない固定化pH勾配(Immobilized pH Gradient:IPG)ゲルがよく用いられている。
近年では、生物が有する全タンパク質の構造および機能を網羅的に解析することを目的とするプロテオーム解析の一環として、前記の2つの電気泳動法を組み合わせた二次元電気泳動法が利用されている。二次元電気泳動法では、一次元目に等電点電気泳動が行われ、続く二次元目にSDS-PAGEが行われる。これにより、数千種類ものタンパク質を高い分解能で一挙に分離することが可能となった。
このように、ゲル電気泳動法はタンパク質などの生体高分子の分離分析に不可欠な手法であるが、いずれの電気泳動法においても分析の精度および再現性は、用いるゲルの品質によるところが大きい。したがって、当該分野においては、分解能の高いゲルを搭載した電気泳動用試験具を安定して製造可能な技術の開発が望まれている。
例えば、特許文献1には、濃度が異なる2種類のゲル原液を撹拌槽で混合し、その混合液をゲル容器内へ底部から導入してゲル化(重合)させることにより濃度勾配を有するゲルシートを作製する方法が開示されている。この場合、ゲル容器内へ導入する混合液中の各ゲル原液の割合を変化させることによって、所定の濃度勾配を有するSDS-PAGE用ゲルシートが得られる。また、特許文献1に記載のグラジェントメイカーを用い、pHが異なる2種類のゲル原液を撹拌槽で混合し、その混合液をゲル容器内へ底部から導入してゲル化させることによりpH勾配を有するゲルシートを作製することができる。この場合、ゲル容器内へ導入する混合液中の各ゲル原液の割合を変化させることによって、所定のpH勾配を有するゲルシートが得られ、このゲルシートをpH勾配方向に所定の幅で切断して細長いプレート上に貼り付けることにより、等電点電気泳動用のゲルプレートが得られる。
特許文献1に記載のゲルプレート製造方法では、ゲル容器内でのpH勾配の管理が難しく、安定した品質のゲルプレートが得られ難いという面があった。そこで、pH勾配を精度よく管理できる技術として、プレート上にモノマー溶液を塗布するゲルプレート製造方法(インクジェット法)が特許文献2に開示されている。すなわち、基材上に液たまりを形成し、液たまりにモノマー溶液を吐出した後、重合開始剤を塗布して塗布膜をゲル化させることにより、基材上にゲル層を形成する。この場合、pHが異なる2種類のモノマー溶液を塗布量を変化させながら液たまりに塗布することにより、所定のpH勾配を有する等電点電気泳動用のゲルプレートが得られる。
特開昭62−167459号公報 特開2012−2739号公報
図9(A)は特許文献2の電気泳動用試験具およびその製造方法を説明する概念図であり、図9(B)は図9(A)に示す方法でpH緩衝溶液を塗布した直後の状態を説明する概念図である。なお、図9(A)および(B)はそれぞれ上段、中段および下段から構成されている。図9(A)および(B)の上段は、後述するゲル製造時に用いる2種類のpH緩衝溶液である酸性モノマー溶液と塩基性モノマー溶液の塗布量の変化を面積で示している。図9(A)および(B)の中段は、酸性モノマー溶液(細線)と塩基性モノマー溶液(太線)の塗布量の変化を線グラフで示している。図9(A)および(B)の下段は、ゲル層の電気泳動方向位置におけるpHを線グラフで示している。
特許文献2の場合、図9(A)の下段の線グラフのようなpH勾配となるよう、すなわち、基材Sの一端S1から他端S2に向かってpH値が直線的に増加するように、インクジェットヘッドにて塗布量を変化させながら酸性モノマー溶液と塩基性モノマー溶液を液たまりに塗布する(図9(A)の上段および中段参照)。しかしながら、図9(B)の上段に示すように、このようなインクジェット塗布において、特に溶液量が多くなる基材Sの一端S1側の塗布始端領域Iおよび他端S2側の塗布終端領域IIでは液膜形状を直角に維持することができず、溶液量が減少してしまう。そのため、図9(B)の中段に示すように、溶液量のバランスが当初から崩れてしまい、図9(B)の下段に示すように、塗布始端領域Iおよび塗布終端領域IIでのpH位置ずれ(pH値ずれ)が生じ、pH勾配が逆勾配になる場合がある。このように、ゲルの電気泳動方向の両端でpH勾配の逆勾配が形成されると、このゲルを用いた電気泳動によるタンパク質の分離精度が低下する。なお、このようなpH勾配の逆勾配はインクジェット塗布のみで生じる訳ではなく、ピペッター、ディスペンサー等を用いた塗布によっても生じるおそれがある。
また、一般的にゲルの電気泳動方向の両端に電極を接触して所定電圧を印加する電気泳動時において、ゲル中の不純物が一方の電極側(正極側または負極側)に引き寄せられて溜まるため、不純物が溜まるゲル端部は本来タンパク質の分離に不向きな部分である。ここで、「不純物」とは、ゲルチップ製造時の残存化合物(未反応モノマー化合物、重合剤など)、評価タンパク質試料に含まれる不純物、電気泳動試薬(泳動バッファ)の不純物などが挙げられる。
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、高精度かつ信頼性の高い電気泳動を行うことができる電気泳動用試験具、およびこの試験具を容易に製造できる製造方法を提供することを目的とする。
かくして、本発明によれば、酸性側から塩基性側に向かうpH勾配を有するゲルを備え、
前記ゲルは、主要領域と、該主要領域と隣接する緩衝領域とを備え、
前記緩衝領域のpH値が略一定(緩衝領域のpH勾配は主要領域のpH勾配よりも緩やか)である電気泳動用試験具が提供される。
また、本発明の別の観点によれば、基材上にゲル材料を塗布し液たまりを形成するゲル材料塗布工程と、該ゲル材料塗布工程後の前記液たまり上にpH緩衝溶液を塗布するpH緩衝溶液塗布工程と、該pH緩衝溶液塗布工程後の塗布膜をゲル化するゲル化工程とを含み、
前記pH緩衝溶液塗布工程において、基材上の塗布領域は、主要領域と、該主要領域と隣接する緩衝領域とを形成すべき領域に区分されており、
前記主要領域を形成すべき領域においては、pH緩衝溶液の単位面積あたりの塗布量を連続的に緩やかに変化させながらpH緩衝溶液を塗布し、
前記緩衝領域を形成すべき領域においては、pH緩衝溶液の単位面積あたりの塗布量の変化率が前記主要領域における変化率よりも低くなるようにpH緩衝溶液を塗布する電気泳動用試験具の製造方法が提供される。
本発明の電気泳動用試験具におけるゲルは、線形のpH勾配を有する主要領域と、主要領域の酸性側端部と塩基性側端部のうち少なくとも一方に(好ましくは両方に)隣接する緩衝領域とを有し、この緩衝領域のpH勾配は前記主要領域のpH勾配よりも緩やかであり、かつ緩衝領域のpH値が略一定である。例えば、主要領域がpH3〜10の線形なpH勾配を有していれば、主要領域の酸性側にpH3で一定な緩衝領域を設け、主要領域の塩基性側にpH10で一定な緩衝領域を設けることができる。
図9(B)で説明したように、従来の塗布法で形成したゲルでは、塗布始端領域Iおよび塗布終端領域IIのpH勾配(すなわち、主要領域のpH勾配)が逆勾配となってしまう場合があるが、本発明では塗布始端領域Iと塗布終端領域IIのうち少なくとも一方(好ましくは両方)を意図的に緩衝領域とすることによって、主要領域の電気泳動方向の端部にpH勾配の逆勾配が形成されずに線形なpH勾配が形成されるようにすることができる。
また、本発明の電気泳動用試験具は、電気泳動時にゲル中の不純物が溜まるためタンパク質の分離に不向きなゲル端部を緩衝領域として用いるため好都合であり、主要領域の電気泳動方向の長さが実質的に短くなることはない。
よって、本発明の電気泳動用試験具は、電気泳動時において、ゲルの主要領域にてタンパク質の高精度な分離測定を行うことができ、信頼性の高い分析結果を得ることができる。
また、本発明の電気泳動用試験具の製造方法によれば、塗布始端領域Iと塗布終端領域IIで溶液塗布量が変化しても主要領域のpH勾配には影響がないようにしている。この結果、高精度なタンパク質の分離測定を行うことができるゲルを備えた電気泳動用試験具を製造することができる。
本発明の実施形態1の等電点電気泳動用試験具の使用可能な状態を示す斜視図である。 図1(A)の等電点電気泳動用試験具におけるゲル層を乾燥した後の保存可能な状態を示す斜視図である。 実施形態1の電気泳動用試験具およびその製造方法を説明する概念図である。 図2(A)に示す方法でpH緩衝溶液を塗布した直後の状態を説明する概念図である。 実施形態1の電気泳動用試験具を製造することができる装置を示す構成図である。 図3の製造装置におけるインクジェットヘッドを下方から見た概略底面図である。 図3の製造装置におけるインクジェットヘッドのノズル孔群を示す拡大図である。 図3の製造装置を用いて基材へ酸性モノマー溶液を塗布する状態を示す説明図である。 図6(A)から引き続いて基材へ塩基性モノマー溶液を塗布する状態を示す説明図である。 図6(B)から引き続いて基材へ重合開始剤を塗布する状態を示す説明図である。 図3の製造装置によるゲル材料液の塗布が終了した状態を示す説明図である。 実施形態2の電気泳動用試験具およびその製造方法を説明する概念図である。 図8(A)に示す方法でpH緩衝溶液を塗布した直後の状態を説明する概念図である。 従来(特許文献2)の電気泳動用試験具およびその製造方法を説明する概念図である。 図9(A)に示す方法でpH緩衝溶液を塗布した直後の状態を説明する概念図である。
<電気泳動用試験具について>
本発明の電気泳動用試験具は、酸性側から塩基性側に向かうpH勾配を有するゲルを備え、
前記ゲルは、主要領域と、該主要領域と隣接する緩衝領域とを備える。
前記緩衝領域のpH勾配は前記主要領域のpH勾配よりも緩やかである。
本発明の電気泳動用試験具は、次のように構成されてもよい。
(1)前記主要領域の数は特に限定されず、一つであってもよく、複数であってもよい。
(2)前記緩衝領域は、前記主要領域における酸性側端部と塩基性側端部に隣接して配置されていてもよい。主要領域が一つである場合、ゲルの電気泳動方向の両端に緩衝領域が配置され、両端の緩衝領域の間に連続した単一のpH勾配を有する主要領域が配置される。主要領域が複数の場合、ゲルの電気泳動方向の両端に緩衝領域が配置され、両端の緩衝領域の間にpH勾配を有する複数の主要領域が配置され、隣接する2つの主要領域の間にも緩衝領域が配置される。
(3)前記緩衝領域におけるpH勾配は、前記主要領域のpH勾配の2分の1以下の勾配であってもよい。
(4)前記主要領域のpH勾配が線形な勾配であってもよい。
電気泳動用試験具の基材の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、細長プレート、所定形状に成型したチップ等が挙げられる。基材の材料としては、電気泳動用試験具の基材としての機能が発揮できるものであれば特に限定されず、例えば、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)等の樹脂、アルミナ、低温同時焼成セラミック等のセラミックスなどが挙げられる。また、基材が疎水性材料からなる場合、基材におけるゲル層が形成される面を親水性処理してもよく、これにより基材に対する後述のモノマー溶液の濡れ性が向上し、モノマー溶液がゲル化したゲル層と基材との密着性が向上する。親水性処理としては、硫酸を用いたニトロ化、硝酸を用いたスルホン化、酸素プラズマ処理等が挙げられる。
電気泳動用試験具のゲル層の材料は、電気泳動用試験具のゲル層としての機能が発揮できるものであれば特に限定されず、例えば、一般的なポリアクリルアミドゲルの材料としては、アクリルアミド(モノマー)、ビスアクリルアミド(架橋剤)、pH調整材料(pHバッファ)、テトラメチルエチレンジアミン(TEMED:重合促進剤)、過硫酸アンモニウム(APS:重合開始剤)および純水が挙げられる。
本発明において、ゲル層は、基材上にゲル材料液の液たまりを形成し、その液たまり上にpH緩衝溶液を塗布しゲル化させることにより形成される。この際、液たまりとしては、予め重合開始剤を添加したモノマー溶液(重合開始剤入りゲル材料液)を用いる場合と、重合開始剤以外の架橋剤、重合促進剤等を混合したモノマー溶液(重合開始剤を含まないゲル材料液)を用いる場合と、重合開始剤を用いる場合とを包含する。
よって、本発明において、「ゲル材料液」とは、特に言及がない限り、予め重合開始剤を添加したゲル材料液、重合開始剤を含まないゲル材料液、および重合開始剤の全てを意味する。以下、「予め重合開始剤を添加したゲル材料液」を「重合開始剤入りゲル材料液」という場合があり、「重合開始剤を含まないゲル材料液」を「モノマー溶液」という場合がある。
<電気泳動用試験具の製造方法について>
本発明の電気泳動用試験具は、基材上にゲル材料を塗布し液たまりを形成するゲル材料塗布工程と、該ゲル材料塗布工程後の前記液たまり上にpH緩衝溶液を塗布するpH緩衝溶液塗布工程と、該pH緩衝溶液塗布工程後の塗布膜をゲル化するゲル化工程とを含む。
前記pH緩衝溶液塗布工程において、基材上の塗布領域は、主要領域と、該主要領域と隣接する緩衝領域とを形成すべき領域に区分されている。
前記主要領域を形成すべき領域においては、pH緩衝溶液の単位面積あたりの塗布量を連続的に緩やかに変化させながらpH緩衝溶液を塗布する。
前記緩衝領域を形成すべき領域においては、pH緩衝溶液の単位面積あたりの塗布量の変化率が前記主要領域における変化率よりも低くなるようにpH緩衝溶液を塗布する。
本発明において、基材上にゲル材料液を塗布する方法は特に限定されず、基材上面の所定領域にゲル材料液を塗布できるものであればよく、例えば、ピペッター、ディスペンサー、インクジェット装置等が挙げられる。これらの中でも、高精度に微小液滴を吐出して基材に付着させるインクジェットヘッドを備えたインクジェット装置を用いることが好ましい。インクジェットヘッドを用いれば、細長い基材の所定領域にも高精度かつ定量的に微小液滴を塗布することができるため、得ようとするゲル層の形成領域、膜厚、pH勾配および濃度勾配等を容易かつ高精度に制御することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の電気泳動用試験具およびその製造方法の実施形態を詳説する。なお、本発明は実施形態に限定されるものではない。
(実施形態1)
図1(A)は本発明の実施形態1の等電点電気泳動用試験具の使用可能な状態を示す斜視図であり、図1(B)は図1(A)の等電点電気泳動用試験具におけるゲル層を乾燥した後の保存可能な状態を示す斜視図である。また、図2(A)は実施形態1の電気泳動用試験具およびその製造方法を説明する概念図であり、図2(B)は図2(A)に示す方法でpH緩衝溶液を塗布した直後の状態を説明する概念図である。
図1(A)に示す電気泳動用試験具GP1は、基材S上に蒲鉾状のゲル層G1が形成されたものである。このゲル層G1は、緩やかな凸曲面となった上面(基材と反対側の面)を有すると共に、電気泳動方向である長手方向(以下、「X方向」という)にpH勾配を有している。X方向と直交する方向が基材Sの幅方向(以下、「Y方向」という)である。このゲル層G1を含水率5%以下に乾燥させることにより、ゲル層G1が乾燥して乾燥膜D1となった図1(B)に示す等電点電気泳動用試験具GPD1が得られる。
本発明において、ゲル層G1の長さおよび幅は、基材Sの長さおよび幅と同じである。基材Sの長さおよび幅は特に限定されないが、一例としては、長さは50〜250mm程度であり、幅は0.5〜5mm程度である。ゲル層G1の厚さは特に限定されないが、例えば、195〜1010μm程度である。
このゲル層G1を乾燥した乾燥膜D1の厚さは100μm以下に収縮するが、長さおよび幅はほとんど変化しない。
図2(A)および(B)はそれぞれ上段、中段および下段から構成されている。図2(A)および(B)の上段は、後述するゲル製造時に用いる2種類のpH緩衝溶液である酸性モノマー溶液と塩基性モノマー溶液の塗布量の変化を面積で示している。図2(A)および(B)の中段は、酸性モノマー溶液(細線)と塩基性モノマー溶液(太線)の塗布量の変化を線グラフで示している。図2(A)および(B)の下段は、ゲル層の電気泳動方向位置におけるpHを線グラフで示している。
また、図2では、基材Sの一端S1から他端S2に向かって塗布領域が領域A〜Cに区分され、各領域に応じて酸性モノマー溶液と塩基性モノマー溶液の塗布量が制御されることを示している。ここで、領域Bは後述する主要領域を形成すべき領域に相当し、領域AおよびCは後述する緩衝領域を形成すべき領域に相当する。換言すると、主要領域を形成すべき領域Bの酸性側と塩基性側が緩衝領域を形成すべき領域AおよびCである。
図1(A)、図2(A)および(B)に示すように、このゲル層G1は、X方向(電気泳動方向)に所定pH範囲のpH勾配を有している。実施形態1では、ゲル層G1がpH3〜10のpH勾配を有する主要領域と、主要領域の酸性側端部に隣接するpH3の緩衝領域と、主要領域の塩基性側端部に隣接するpH10の緩衝領域とを有する場合を例示している。
実施形態1のゲル層G1の特徴的な構造は、前記のように詳細に分析したいpH領域(主要領域)の酸性側と塩基性側に緩衝領域を配置した点である。この緩衝領域のpHは、隣接する主要領域の端部のpHと同等に設定されている。主要領域の酸性側と塩基性側に、この主要領域の酸性側端部および塩基性側端部のpHと同等のpHを有する緩衝領域を設けることにより、図9(A)と(B)で説明した主要領域両端で生じるpH勾配の逆勾配を防止することができる。この結果、主要領域の酸性側端部および塩基性側端部でのタンパク質の分離精度が低下しないゲルとなる。
次に、図1(A)に示す試験具GP1を製造することができる装置について説明し、その後でこの装置を用いて試験具GP1を製造する方法について説明する。
図3は実施形態1の電気泳動用試験具を製造することができる装置を示す構成図である。この試験具製造装置は、基材Sがセットされるステージ10と、塗布部としてのインクジェット装置30と、ステージ10を直線方向に移動させる移動機構40と、これらを収納する密閉可能なケース50と、図示しない制御部とを備える。なお、ケース50には図示しない開閉扉が設けられている。
移動機構40は、ステージ10を支持する支持台40aを有し、この支持台40aが図示しないリニアガイド機構によって直線方向に往復移動可能とされている。
図3において、実線で示された支持台40aは待機位置にあり、塗布工程において2点鎖線で示された位置まで支持台40a、ステージ10および基材Sは直進する。これにより、ステージ10上にセットされた基材Sは、後述する第1〜第3インクジェットヘッド31b、32b、33bの真下を通過する。
インクジェット装置30は、酸性溶液吐出部31と、塩基性溶液吐出部32と、重合開始剤吐出部33と、負圧調整部34とを備える。
酸性溶液吐出部31は、酸性モノマー溶液Aを貯蔵する第1タンク31aと、第1インクジェットヘッド31bと、第1タンク31aから第1インクジェットヘッド31bへ酸性モノマー溶液Aを送る第1パイプ31cとを有し、水頭差を利用して第1タンク31aから第1インクジェットヘッド31bへ酸性モノマー溶液Aが供給されるように構成されている。なお、酸性モノマー溶液Aは、1種以上のpHバッファによって所定pH(例えば、pH2〜7)に設定されている。
塩基性溶液吐出部32は、塩基性溶液Bを貯蔵する第2タンク32aと、第2インクジェットヘッド32bと、第2タンク32aから第2インクジェットヘッド32bへ塩基性溶液Bを送る第2パイプ32cとを有し、水頭差を利用して第2タンク32aから第2インクジェットヘッド32bへ塩基性モノマー溶液Bが供給されるように構成されている。なお、塩基性モノマー溶液Bは、1種以上のpHバッファによって所定pH(例えば、pH7〜12)に設定されている。
重合開始剤吐出部33は、重合開始剤Cを貯蔵する第3タンク33aと、第3インクジェットヘッド33bと、第3タンク33aから第3インクジェットヘッド33bへ重合開始剤Cを送る第3パイプ33cとを有し、水頭差を利用して第3タンク33aから第3インクジェットヘッド33bへ重合開始剤Cが供給されるように構成されている。
第1〜第3インクジェットヘッド31b〜33bとしては、サーマルジェット方式、ピエゾジェット方式、静電駆動方式等が挙げられるが、インクジェット装置30における各液(酸性モノマー溶液A、塩基性モノマー溶液B、重合開始剤C)を冷却する場合は、各液に熱を加えるサーマルジェット方式を用いず、ピエゾジェット方式または静電駆動方式を用いることが望ましい。
負圧調整部34は、第1〜第3タンク31a〜33aとパイプ35〜37にて接続されており、第1から第3のタンク内の気圧を管理し、第1〜第3インクジェットヘッド31b〜33bのノズル孔H(図5参照)から液が垂れ落ちない所定の圧力となるよう、第1〜第3タンク31a〜33a内を大気圧より低い所定圧で一定になるように調整する。
第1〜第3インクジェットヘッド31b〜33bは一体化されて1組の吐出ヘッドユニットUが構成されており、この吐出ヘッドユニットUは図示しない固定部材にて固定されている。そして、図4に示すように、この基材Sの移動軌跡E上に、第1〜第3インクジェットヘッド31b〜33bは一列で配置されているが、ヘッド配置順はこの順番に限定されない。なお、実施形態1の場合、基材Sの移動方向の上流側から第1〜第3インクジェットヘッド31b〜33bの順で配置されている。
また、図4と図5に示すように、基材Sの移動軌跡Eと対向する第1〜第3インクジェットヘッド31b〜33bの下面には、移動軌跡Eの方向と直交する方向に複数のノズル孔Hが1列で設けられている。すなわち、1列のノズル孔群HGが、移動軌跡Eの方向と直交する方向に、かつ移動軌跡Eの幅を超える長さで延びている。ノズル孔径Dおよびノズル孔間隔Pは特に限定されないが、ノズル孔Hの径は10〜100μm程度が適当であり、ノズル孔間隔Pは100〜200μm程度が適当である。なお、ノズル列が直線状に配置されている場合、ヘッド向きを傾けることで見掛け上、ノズル孔間隔を狭くする方法も使用できる。また、第1〜第3インクジェットヘッド31b〜33bにおいて、ノズル孔群HGは2列以上の複数列で設けられていてもよい。
次に、前記構成を有する試験具製造装置を用いて試験具GP1を製造する方法の一例について説明する。
先ず、図3に示すように、待機位置にあるステージ10上に細長い矩形の基材Sをセットする。この基材S上には予め液たまりL0が形成されている。なお、液たまりL0としては、モノマーを純水で希釈したモノマー溶液が用いられ、このモノマー溶液中に架橋剤および重合促進剤が添加されていてもよい。
次に、所定のプログラムに基づく常温大気圧下での塗布工程が行われる。すなわち、図6(A)、(B)および図7(A)、(B)に示すように、移動機構40により支持台40aが矢印M方向に断続的に移動すると共に、第1〜第3インクジェットヘッド31b〜33bから微小液滴La、Lb、Lcが断続的に吐出して、液たまりL0上に塗布膜L3が形成される。
詳しく説明すると、図6(A)に示すように、基材Sの一端S1がインクジェット装置30の第1インクジェットヘッド31bのノズル孔群HGの真下位置まで移動したところで、第1インクジェットヘッド31bから酸性モノマー溶液の微小液滴Laが吐出されて液たまりL0上に塗布される。これにより、図6(B)に示すように、液たまりL0と酸性モノマー溶液との混合液の塗布膜L1が基材Sの一端S1側に形成される。
この場合、ステージ10上に微小液滴Laが吐出されないように、第1インクジェットヘッド31bにおけるノズル孔群HGのうちから微小液滴Laを吐出するノズル孔Hが選択されており、これについては第2および第3インクジェットヘッド32b、33bでも同様である。また、第1インクジェットヘッド31bから基材S上に吐出される微小液滴Laの単位面積当たりの塗布量は、基材Sが所定距離ずつ断続的に移動する毎に(所定の吐出間隔毎に)所定量に制御されるが、これについて詳しくは後述する。
そして、基材Sの一端S1が第2インクジェットヘッド32bのノズル孔群HGの真下位置まで移動したところで、第2インクジェットヘッド32bから塩基性モノマー溶液の微小液滴Lbが吐出されて塗布膜L1上に塗布される。これにより、図7(A)に示すように、塗布膜L1と塩基性モノマー溶液との混合液の塗布膜L2が基材Sの一端S1側に形成される。この場合も、第2インクジェットヘッド32bから吐出される微小液滴Lbの単位面積当たりの塗布量は、基材Sが所定距離ずつ断続的に移動する毎に(所定の吐出間隔毎に)所定量に制御されるが、これについて詳しくは後述する。
そして、基材Sの一端S1が第3インクジェットヘッド33bのノズル孔群HGの真下位置まで移動したところで、第3インクジェットヘッド33bから重合開始剤の微小液滴Lcが吐出されて塗布膜L2上に塗布される。これにより、塗布膜L2と重合開始剤との混合液の塗布膜L3(図7(B)参照)が基材Sの一端S1側に形成され、このようにして基材Sの一端S1側から他端S2側に向かって連続的に塗布膜L3が形成されていく。そして、基材Sの他端S2が第1〜第3インクジェットヘッド31b〜33bを順次通過した時点で、図7(B)に示すように、第1〜第3インクジェットヘッド31b〜33bからの液滴吐出が順次停止する。
次に、図2(A)および(B)を参照しながら酸性モノマー溶液と塩基性モノマー溶液の塗布量制御について説明する。
図2(A)に示すように、酸性モノマー溶液は基材Sの一端S1から他端S2に向かうにつれて塗布量が減少するよう制御され、塩基性モノマー溶液は基材Sの一端S1から他端S2に向かうにつれて塗布量が増加するよう制御される。
詳しく説明すると、基材S上の領域Aにおいて、酸性モノマー溶液の塗布量は100%で一定であり、塩基性モノマー溶液の塗布量は0%で一定である。
領域Bにおいて、酸性モノマー溶液の塗布量は100〜0%の範囲で連続的に減少し、塩基性モノマー溶液の塗布量は0〜100%の範囲で連続的に増加する。
領域Cにおいて、酸性モノマー溶液の塗布量は0%で一定であり、塩基性モノマー溶液の塗布量は100%で一定である。
つまり、主要領域を形成すべき領域Bにおいては、pH緩衝溶液の単位面積あたりの塗布量を連続的に緩やかに変化させながらpH緩衝溶液を塗布する。
また、緩衝領域を形成すべき領域AおよびCにおいては、pH緩衝溶液の単位面積あたりの塗布量の変化率が前記主要領域における変化率よりも低くなるようにpH緩衝溶液を塗布する。
ここで、「pH緩衝溶液の単位面積あたりの塗布量の変化率」とは、pH勾配の度合いを意味する。
このような塗布量制御により酸性および塩基性モノマー溶液が塗布された直後の塗布膜は、図2(B)の上段および中段に示すように、緩衝領域を形成すべき領域A、Cの塗布膜形状が直角形状から崩れてしまうが、これらの領域のA、CのpH値に変化はない。なお、このような塗布工程における試験具製造装置の一連の動作は、所定のプログラムに基づいて制御部が各駆動部を制御することにより行われる。
その後、支持台40aが待機位置まで戻り、塗布工程が終了する。
塗布工程後、ケース50の扉を開けて基材Sを取り出し、ゲル化工程用のケース内に収納し、そのケース内で塗布膜L3のゲル化工程を常温下で行う。なお、常温下でのゲル化完了までには3〜5時間程度の時間を要する。ゲル化完了後は、図1(A)に示すように、四方の端部に丸みを有する蒲鉾形のゲル層G1が基材S上に形成された等電点電気泳動用試験具GP1が得られる。なお、本発明において、この等電点電気泳動用試験具GP1は未完成品である。
次に、得られた電気泳動用試験具GP1のゲル層G1を乾燥することにより、図1(B)に示す完成品としての本発明の電気泳動用試験具GPD1が得られる。この乾燥工程において、ゲル層G1を乾燥する方法は特に限定されず、例えば、ゲル層G1をヒータにて加熱する、あるいはゲル層G1に熱風を吹き付けて乾燥する方法が挙げられる。さらに、乾燥工程後に、乾燥膜D1を−20℃以下に冷却する冷却工程を行ってもよい。あるいは、乾燥工程および冷却工程の代わりに、フリーズドライ工程を行ってもよい。
(実施形態2)
図8(A)は実施形態2の電気泳動用試験具およびその製造方法を説明する概念図であり、図8(B)は図8(A)に示す方法でpH緩衝溶液を塗布した直後の状態を説明する概念図である。
図8(A)および(B)はそれぞれ上段、中段および下段から構成されている。図8(A)および(B)の上段は、後述するゲル製造時に用いる2種類のpH緩衝溶液である酸性モノマー溶液と塩基性モノマー溶液の塗布量の変化を面積で示している。図8(A)および(B)の中段は、酸性モノマー溶液(細線)と塩基性モノマー溶液(太線)の塗布量の変化を線グラフで示している。図8(A)および(B)の下段は、ゲル層の電気泳動方向位置におけるpHを線グラフで示している。
実施形態2の電気泳動用試験具におけるゲルは、複数の主要領域と、隣接する2つの主要領域の間に配置された緩衝領域とを有すること以外は、実施形態1と同様である。具体的には、このゲルは、酸性側の緩衝領域(pH3)と、塩基性側の緩衝領域(pH10)と、両端の緩衝領域の間に配置された第1主要領域(pH3〜5.5)、第2主要領域(pH5.5〜8.5)および第3主要領域(pH8.5〜10)と、第1主要領域と第2主要領域の間に配置された緩衝領域(pH5.5)と、第2主要領域と第3主要領域の間に配置された緩衝領域(pH8.5)とを有している。
pH3〜10のようなpHレンジの長いゲルの場合、始点(pH3)および終点(pH10)のpH値ずれがない状態でも中間のpH値がずれてしまう可能性がある。これに対し、実施形態2のようなゲル構造とすればpH3〜10の間に2点(pH5.5、pH8.5)のpH値が確定した位置が含まることができるため、前記のような中間pH値ずれを抑制することができる。
(実施形態3)
実施形態1および2では、重合開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)、過酸化ベンゾイル等の熱重合開始剤を用いて、モノマーを熱重合させてゲル化する場合を例示した。一方、実施形態3では重合開始剤としてリボフラビン類、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アゾイソブチロニトリル類等の光重合開始剤を用いて、モノマーを光重合させてゲル化する。
実施形態3の場合、例えば、図3で説明した電気泳動用試験具の製造装置において、吐出ヘッドユニットUの基材搬送方向(矢印M1方向)の下流側に図示しない光照射器を設け、基材S上の塗布膜に光を照射することによりゲル化させる。この光照射器は、所定波長の光(例えば、200〜600nm程度)を所定光量で照射することができ、その照射光波長は使用する光重合開始剤の種類に応じて適切に設定される。また、光照射器は、基板上の塗布膜の一部または全体を照射できるものであればよい。
実施形態3の電気泳動用試験具の製造方法は、実施形態1(図6(A)〜図7(B)での説明)と同様にして基板上に塗布膜を形成した後、基板を光照射器側へ移動させて塗布膜上に光を照射してゲル化させる。このとき、光照射器が塗布膜の一部に光を照射するタイプのものである場合は、基板を一端側から他端側へ移動させながら塗布膜上に光を照射する。光照射器が塗布膜全体に光を照射するタイプのものである場合は、基板を光照射器の真下に移動させた後、基板を静止させた状態で塗布膜上に光を照射する。
(他の実施形態)
1.実施形態1では、塗布工程において、基材上に常温状態の塗布膜を形成する場合を例示したが、ペルチェ素子やタンク冷却部を備えた装置を用い、基材上に冷却下で塗布膜を形成してもよい。また、実施形態1では、塗布工程において大気下で塗布膜を形成する場合を例示したが、窒素雰囲気下で塗布膜を形成してもよい。
2.実施形態1では、モノマー溶液と重合開始剤を個別に基材上へ塗布する場合を例示したが、重合開始剤入りゲル材料液を基材上へ塗布して液たまりL0を形成してもよい。この場合、塗布工程中に重合開始剤入りゲル材料液のゲル化が進行しないよう、冷却状態の重合開始剤入りゲル材料液が用いられる。それに加え、基材を冷却してもよい。
3.実施形態1では、吐出ヘッドユニットUの下を基材Sが1度通過することにより塗布膜L3が形成される場合を例示したが、基材Sを1往復以上移動させて塗布膜L3を形成してもよい。この場合、重合開始剤の塗布時期を、例えば、毎回の移動時、所定回の移動時、あるいは最後の移動時に設定することができる。
1 乾燥膜
GP1 使用可能な状態となった等電点電気泳動用試験具(ゲルプレート)
GPD1 保存可能な状態となった等電点電気泳動用試験具
1 ゲル層
S 基材
A〜C 領域

Claims (7)

  1. 酸性側から塩基性側に向かうpH勾配を有するゲルを備え、
    前記ゲルは、主要領域と、該主要領域と隣接する緩衝領域とを備え、
    前記緩衝領域のpH値が略一定であることを特徴とする電気泳動用試験具。
  2. 前記主要領域の数が一つである請求項1記載の電気泳動用試験具。
  3. 前記緩衝領域は、前記主要領域における酸性側端部と塩基性側端部に隣接して配置されている請求項1または2に記載の電気泳動用試験具。
  4. 前記緩衝領域におけるpH勾配は、前記主要領域のpH勾配の2分の1以下の勾配である請求項1〜3のいずれか1つに記載の電気泳動用試験具。
  5. 前記主要領域のpH勾配が線形な勾配である請求項1〜4のいずれか1つに記載の電気泳動用試験具。
  6. 基材上にゲル材料を塗布し液たまりを形成するゲル材料塗布工程と、該ゲル材料塗布工程後の前記液たまり上にpH緩衝溶液を塗布するpH緩衝溶液塗布工程と、該pH緩衝溶液塗布工程後の塗布膜をゲル化するゲル化工程とを含み、
    前記pH緩衝溶液塗布工程において、基材上の塗布領域は、主要領域と、該主要領域と隣接する緩衝領域とを形成すべき領域に区分されており、
    前記主要領域を形成すべき領域においては、pH緩衝溶液の単位面積あたりの塗布量を連続的に緩やかに変化させながらpH緩衝溶液を塗布し、
    前記緩衝領域を形成すべき領域においては、pH緩衝溶液の単位面積あたりの塗布量の変化率が前記主要領域における変化率よりも低くなるようにpH緩衝溶液を塗布することを特徴とする電気泳動用試験具の製造方法。
  7. 前記pH緩衝溶液塗布工程は、前記pH緩衝溶液として第1のpHを有する第1pH緩衝溶液を前記液たまり上に塗布する第1工程と、前記pH緩衝溶液として前記第1のpHとは異なる第2のpHを有する第2pH緩衝溶液を前記液たまり上に塗布する第2工程とを含み、
    前記第1工程において、前記主要領域の酸性側端部と隣接する前記緩衝領域を形成すべき領域には前記第1pH緩衝溶液の単位面積あたりの塗布量を変化させずに一方向に塗布し、前記主要領域には前記第1pH緩衝溶液を単位面積あたりの塗布量を変化させながら一方向に塗布し、
    前記第2工程において、前記主要領域の塩基性側端部と隣接する前記緩衝領域を形成すべき領域には前記第2pH緩衝溶液の単位面積あたりの塗布量を変化させずに一方向に塗布し、前記主要領域には前記第2pH緩衝溶液を単位面積あたりの塗布量を変化させながら一方向に塗布する請求項6に記載の電気泳動試験具の製造方法。
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