JP2014058594A - 反応生成物および防錆性組成物 - Google Patents

反応生成物および防錆性組成物 Download PDF

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Abstract

【目的】ヒドラジン変性エポキシ樹脂を用いてなる組成物であって、顔料や填料などの配合成分の分散安定性を向上でき、一層優れた防錆性を発揮しうる組成物を収得すべく、該組成物に好適な反応生成物を提供すること。
【解決手段】
活性水素含有ヒドラジン類と水酸基含有エポキシ樹脂とをエポキシ開環付加反応させて得られる中間体(1)と、アルコキシシラン部分縮合物とを、脱アルコール縮合反応させて得られることを特徴とする反応生成物(1)を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、防錆性組成物用に好適な特定の反応生成物、および該反応生成物を含んでなる防錆性組成物に関する。
従来、家電、建築、自動車業界などでは、各種鋼板などの金属資材などを防食するために、長年に亘って技術開発が行われており、この結果として、例えば、多種の防錆剤や防食・防錆塗料などが開発されてきた。
例えば、エポキシ樹脂とヒドラジン化合物との反応生成物を用いた熱硬化性樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)や、エポキシ樹脂とヒドラジン化合物との反応生成物を含む有機皮膜を有する耐食性に優れた有機皮膜鋼板(例えば、特許文献2参照)が開示されている。
特許文献1の組成物では、熱硬化させるが必要あり、常温乾燥させて使用できる旨の格別の記載がない。特許文献2の有機皮膜では、イオン交換シリカや微粒子シリカを配合することで耐食性がより向上すると記載されている。しかしながら、該有機塗膜を形成する塗料組成物においては、他の配合成分との相互作用により、当該イオン交換シリカや微粒子シリカの分散安定性が必ずしも良好ではない。そのため得られる有機塗膜が均質な耐食性を発揮できないことがある。
なお、変性エポキシ樹脂の1種として、シラン変性エポキシ樹脂が開示されている(例えば、特許文献3、4参照)。
特開平2−163123号公報 特開2000−144449号公報 特開2001−59011号公報 特開2002−249539号公報
本発明は、ヒドラジン変性エポキシ樹脂を用いてなる組成物であって、顔料や填料などの配合成分の分散安定性を向上でき、一層優れた防錆性を発揮しうる組成物を収得すべく、該組成物に好適な反応生成物を提供することを目的とする。
本発明者は前記従来技術の課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、意外にも、特定のヒドラジン類と特定のエポキシ樹脂をエポキシ開環付加反応させて得られる中間体と、アルコキシシラン部分縮合物とを、脱アルコール縮合反応させて得られる反応生成物が、常温乾燥、熱硬化のいずれに拘らず、得られる皮膜が優れた防錆性を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、活性水素含有ヒドラジン類と水酸基含有エポキシ樹脂とをエポキシ開環付加反応させて得られる中間体(1)と、アルコキシシラン部分縮合物とを、脱アルコール縮合反応させて得られることを特徴とする反応生成物(1)に関する。また本発明は、活性水素含有ヒドラジン類および活性水素含有アミン化合物と、水酸基含有エポキシ樹脂とをエポキシ開環付加反応させて得られる中間体(2)と、アルコキシシラン部分縮合物とを、脱アルコール縮合反応させて得られることを特徴とする反応生成物(2)に関する。更に本発明は、該反応生成物(1)および/または(2)を含んでなることを特徴とする防錆性組成物、に係る。
本発明により、防錆性に優れる反応生成物、および該反応生成物を含有してなる防錆性組成物を提供できる。本発明で得られる反応生成物や防錆性組成物は、防錆性を要求される各種用途、例えば防食・防錆用塗料、該接着剤、電子材料用のコーティング剤などに好適に使用できる。
本発明の反応生成物(1)とは、活性水素含有ヒドラジン類(以下、(A1)成分という)と水酸基含有エポキシ樹脂(以下、(B)成分という)とをエポキシ開環付加反応させて得られる中間体(1)と、アルコキシシラン部分縮合物(以下、(C)成分という)とを、脱アルコール縮合反応させて得られるものである。また、本発明の反応生成物(2)とは、(A1)成分および活性水素含有アミン化合物(以下、(A2)成分という)と(B)成分とをエポキシ開環付加反応させて得られる中間体(2)と、(C)成分とを、脱アルコール縮合反応させて得られるものである。
前記(A1)成分としては、例えば、ヒドラジド化合物、ピラゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、およびピリダジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が該当する。
(A1)成分において、前記ヒドラジド化合物としては、例えば、カルボヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、マレイン酸ヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、チオカルボヒドラジド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゾフェノンヒドラゾンなどが挙げられる。
(A1)成分において、前記ピラゾール化合物としては、例えば、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ピラゾロン、3−アミノ−5−メチルピラゾールなどが挙げられる。
(A1)成分において、前記トリアゾール化合物としては、例えば、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2,4−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、6−メチル−8−ヒドロキシトリアゾロピリダジン、6−フェニル−8−ヒドロキシトリアゾロピリダジン、5−ヒドロキシ−7−メチル−1,3,8−トリアザインドリジンなどが挙げられる。
(A1)成分において、前記テトラゾール化合物としては、例えば、5−フェニル−1,2,3,4−テトラゾール、5−メルカプト−1−フェニル−1,2,3,4−テトラゾールなどが挙げられる。
(A1)成分において、前記チアジアゾール化合物としては、例えば、5−アミノ−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールなどが挙げられる。
(A1)成分において、前記ピリダジン化合物としては、例えば、6−メチル−3−ピリダゾン、4,5−ジクロロ−3−ピリダゾン、4,5−ジブロモ−3−ピリダゾン、6−メチル−4,5−ジヒドロ−3−ピリダゾンなどが挙げられる。
(A1)成分としては、前記のいずれか1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。なかでも、5員環または6員環の環状構造を有し、活性水素の数が比較的多いピラゾール化合物やトリアゾール化合物が、(C)成分との反応性や得られる反応生成物の防錆性などの点で、好適である。
前記(A2)成分としては、公知各種の第1級または第2級アミン化合物を格別限定なく使用できる。例えば、第1級アミン化合物として、モノエチルアミン、モノn-またはiso−プロピルアミン、モノn−またはiso−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール、2−ヒドロキシ−2’(アミノプロポキシ)エチルエーテルなどを挙げることができ、また第2級アミン化合物としては、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−またはジ−iso−プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどを挙げられる。中でも、(B)成分に対する反応性、反応生成物の分子量制御などの観点から、モノエタノールアミンやジエタノールアミンを併用するのが好ましい。
(B)成分としては、ビスフェノール類とエピクロルヒドリンまたはβ−メチルエピクロルヒドリン等のハロエポキシドとの反応により得られるものである。ビスフェノール類としてはフェノールまたは2,6−ジハロフェノールとホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン等のアルデヒド類もしくはケトン類との反応の他、ジヒドロキシフェニルスルフィドの過酸による酸化、ハイドロキノン同士のエーテル化反応等により得られるものがあげられる。これらビスフェノール型エポキシ樹脂のなかでも、特に、ビスフェノール類として、ビスフェノールAを用いたビスフェノールA型エポキシ樹脂が、最も汎用的で低価格であるため好ましい。
なお、本発明の目的や効果を逸脱しない限り、例えば脂環式エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などのビスフェノール類以外のエポキシ樹脂やグリシドールを、(B)成分と併用しても差し支えない。
(B)成分の分子量は格別限定されないが、一般的にはエポキシ当量が180〜1500g/eq程度、好ましくは230〜1000g/eqとされる。
前記(C)成分としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等から得られる部分縮合物が挙げられる。特に汎用性を考慮するとテトラメトキシシランやメチルトリメトキシシランから得られる部分縮合物が好ましい。該縮合物の分子量は格別限定されないが、通常は数平均分子量が200〜1200程度、好ましくは300〜1000とされる。
本発明の反応生成物(1)は、(A1)成分と(B)成分とを反応させて得られる中間体(1)と、(C)成分とを、脱アルコール縮合反応させて得られるものである。また反応生成物(2)は、(A1)成分、(A2)成分および(B)成分を反応させて得られる中間体(2)と、(C)成分とを脱アルコール縮合反応させて得られるものである。
より具体的には、中間体(1)は、(A1)成分の活性水素と(B)成分のエポキシ基がエポキシ開環付加反応してなるものであり、また中間体(2)は、(A1)成分および(A2)成分の各活性水素と(B)成分のエポキシ基がエポキシ開環反応してなるものである。反応生成物(1)は、中間体(1)の水酸基と(C)成分のアルコキシ基が脱アルコール縮合反応して得られるものであり、反応生成物(2)は、中間体(2)の水酸基と(C)成分のアルコキシ基が脱アルコール縮合反応して得られるものである。
中間体(1)および中間体(2)を製造する際のエポキシ開環付加反応条件は、格別限定されないが、通常は、反応温度が30〜180℃程度、好ましくは50〜150℃、反応時間は1〜10時間程度である。該反応は、系内の粘度や前記各反応成分の溶解性などを考慮して、必要に応じて有機溶剤の存在下に行ってもよい。用いる有機溶剤の種類は特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのアルキレングリコールアルキルエーテル類;プロピレングリコールアセテート、セロソルブアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを使用できる。
中間体(1)の製造における(A1)成分と(B)成分との反応に際しては、(A1)成分の活性水素の当量数と(B)成分のエポキシ基の当量数の比(以下、当量比という)に着目して、両成分の使用割合を適宜に決定できる。通常は、該当量比[活性水素基の当量数/該エポキシ基の当量数]が0.2〜1.5程度、好ましくは0.4〜1.2とすることが防錆性などの点から適当である。中間体(2)の製造における(A1)成分、(A2)成分および(B)成分の反応に際しては、(A2)成分の使用量は(A1)成分の使用量より少ない方がよく、好ましくは(A1)成分の使用量に対して、(A2)成分は活性水素の当量比に換算して30%未満とされる。(A2)成分の使用量が(A1)成分の使用量より多くなると、得られる反応生成物(2)の防錆性が低下する傾向がある。
中間体(1)および中間体(2)の各性状や一般恒数(分子量、粘度など)については、特に限定はされず、その用途や使用態様に応じて適宜に設定すればよい。該中間体の数平均分子量は2000〜20000程度、好ましくは3000〜10000とされ、該反応生成物に分岐構造を導入したり該分子量を高めようとする場合は、用いる(A1)成分や(A2)成分として、活性水素数が2以上のものを適宜に選択すればよい。
本発明の反応生成物(1)および反応生成物(2)の製造においては、各中間体と(C)成分の仕込み割合は格別の限定はされないが、通常、中間体100重量部(固形分換算)に対して(C)成分が10〜60重量部程度、好ましくは15〜50重量部とされる。中間体と(C)成分の反応割合は、当該仕込み割合や、反応系の過度の増粘やゲル化を抑制できる範囲で適宜に決定できる。通常は、該反応割合は、中間体の水酸基1モルに対して(C)成分が0.5〜1.5モル程度、好ましくは0.8〜1.2モルの範囲となるように反応させればよい。(C)成分が0.5モルより少ない場合は反応系の増粘が起こりやすくなる傾向があり、また1.5モルを超えると(C)成分が未反応のまま残存しやすくなる傾向がある。なお、中間体の水酸基1モルに(C)成分1モルが反応するとは、中間体の水酸基1個に(C)成分のアルコキシ基1個が脱アルコール縮合反応、すなわちエステル交換反応することを意味する。
本発明の反応生成物(1)および反応生成物(2)の製造における脱アルコール縮合反応は、溶剤存在下または無溶剤下で行うことができる。該反応では、反応温度は50〜110℃程度、好ましくは70〜100℃であり、全反応時間は1〜15時間程度である。該反応は、(C)成分自体の重縮合反応を防止するため、実質的に無水条件下で行うのが好ましく、また該反応時間を短縮するために減圧下で行うこともできる。
該脱アルコール縮合反応に際しては、反応促進のために従来公知の触媒の内、エポキシ環を開環しないものを使用することができる。該触媒としては、たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、砒素、セリウム、硼素、カドミウム、マンガンのような金属;これら金属の酸化物、有機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド等があげられる。これらのなかでも、特に有機錫、有機酸錫が好ましく、具体的には、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫等が有効である。
前記の反応溶剤としては、中間体(1)、中間体(2)および(C)成分を溶解しうる溶剤であれば、格別限定なく使用できる。該溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトンなどの非プロトン性極性溶媒が例示できる。
前記の中間体と(C)成分との反応割合から明らかなように、本発明の反応生成物は、該分子中に(C)成分に由来するアルコキシ基を有しているため、加熱処理により、又は水分(湿気)と反応(ゾル−ゲル反応や脱アルコール縮合)して、硬化物となる。該硬化物は、ゲル化した微細なシリカ部位(シロキサン結合の高次網目構造)を形成する。
本発明の反応生成物は、防錆剤として好適に使用でき、例えば塗料組成物、接着剤組成物などに配合することで、該組成物の防食性や防錆性を向上させることができる。
また、本発明の反応生成物であって、中間体由来の残存エポキシ基を有するものは、特殊エポキシ樹脂とも見ることができ、公知各種のエポキシ硬化剤、エポキシ樹脂などと配合して、所望の硬化物に導くことができる。該硬化剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミダゾール系化合物、2−(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの第3級アミン系化合物、トリフェニルフォスフィン化合物などが挙げられ、また該エポキシ樹脂としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。
本発明の反応生成物を含んでなる防錆剤組成物は、未処理鋼板、処理鋼板、メッキ鋼板などの各種基材にそのまま塗工できるほか、必要に応じて通常の塗料、接着剤、電子材料用のコーティング剤などに配合して使用することもできる。更に、該防錆剤組成物を水性媒体中に乳化・分散させ、水系組成物として使用してもよい。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、部および%は特記しない限り重量基準である。
実施例1(反応生成物(1)の合成)
温度計、冷却器、攪拌機および窒素導入管を備えた反応装置に、(A)成分として3,5−ジメチルピラゾール(1分子中の活性水素数1、活性水素当量96g/eq)96部(活性水素の当量数1)、(B)成分としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、製品名「EP1001」、エポキシ当量約475g/eq、不揮発分100%)475部、溶剤としてエチレングリコールモノブチルエーテル571部を仕込み、窒素気流下、撹拌しながら130℃まで昇温し、同温度でエポキシ開環付加反応を行い、適宜に系内サンプリングして、該サンプルのエポキシ基の消失状態を以下のようにして監視した。すなわち、1H-NMR(CDCl3溶液)測定によりエポキシ環のメチンピーク(3.3ppm付近)の保持状態を追跡し、昇温後約4時間経過時に、エポキシ基の消失を確認して反応を終了することにより、固形分濃度50%の中間体を得た(以下、中間体(1−1)という)。ついで、反応系内を90℃まで冷却した後、(C)成分としてメチルトリメトキシシラン部分縮合物(多摩化学(株)製、商品名「MTMS−A」)120部を仕込み、窒素気流下、撹拌しながら90℃で脱メタノール縮合反応を行った。脱メタノール縮合反応の終点は、1H-NMR(CDCl3溶液)測定によるエポキシ樹脂中の水酸基由来のピーク(3.85ppm付近)の保持状態から求めた。更に、所要量のエチレングリコールモノブチルエーテルを加えて希釈し、固形分濃度50%、数平均分子量2800の目的物を得た(以下、反応生成物(1−1)という)。
実施例2(反応生成物(1)の合成)
実施例1において、3,5−ジメチルピラゾール96部に代えて3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(1分子中の活性水素数2、活性水素当量42g/eq)42部(活性水素の当量数1)を用いた他は、同様にエポキシ開環付加反応を行うことにより、固形分濃度50%であって、エポキシ基が消失した中間体を得た(中間体(1−2)という)。ついで実施例1と同様に、脱メタノール縮合反応を行うことにより、固形分濃度50%、数平均分子量3300の目的物を得た(以下、反応生成物(1−2)という)。
実施例3(反応生成物(1)の合成)
実施例1と同様にして固形分濃度50%であって、エポキシ基が消失した中間体を得た(以下、中間体(1−3)という)。ついで、実施例1において、(C)成分としてメチルトリメトキシシラン部分縮合物120部に代えてテトラメトキシシラン部分縮合物(多摩化学(株)製、商品名「メチルシリケート51」)130部を用いた他は、同様に脱メタノール縮合反応を行うことにより、固形分濃度50%、数平均分子量3050の目的物を得た(以下、反応生成物(1−3)という)。
実施例4(反応生成物(1)の合成)
実施例1において、3,5−ジメチルピラゾールの使用量を96部から67.2部(活性水素の当量数0.7)に変更した他は、同様にエポキシ開環付加反応を行うことにより、残存エポキシ基を有する中間体を得た(中間体(1−4)という)。ついで実施例1と同様に脱メタノール縮合反応を行うことにより、固形分濃度50%、数平均分子量2200の目的物を得た(以下、反応生成物(1−4)という)。
実施例5(反応生成物(1)の合成)
実施例1において、3,5−ジメチルピラゾールの使用量を96部から48部(活性水素の当量数0.5)に変更した他は、同様にエポキシ開環付加反応を行うことにより、固形分濃度50%であって、残存エポキシ基を有する中間体を得た(中間体(1−5)という)。ついで実施例1と同様に脱メタノール縮合反応させて、固形分濃度50%、数平均分子量2100の目的物を得た(反応生成物(1−5)という)。
実施例6(反応生成物(2)の合成)
実施例1において、(A)成分として3,5−ジメチルピラゾール67.2部(活性水素の当量数0.7)、(B)成分としてジエタノールアミン(1分子中の活性水素数1、活性水素当量105g/eq)31.5 部(活性水素の当量数0.3)に変更した他は、同様にエポキシ開環付加反応を行うことにより、固形分濃度50%であって、エポキシ基が消失した中間体を得た(中間体(2−1)という)。ついで実施例1と同様に脱メタノール縮合反応させて、固形分濃度50%、数平均分子量3900の目的物を得た(反応生成物(2−1)という)。
比較例1
実施例1で得た中間体(1−1)をいう。
比較例2
実施例2で得た中間体(1−2)をいう。
比較例3
実施例4で得た中間体(1−4)をいう。
比較例4
実施例5で得た中間体(1−5)をいう。
(防錆プライマーとしての評価)
1)防錆性
実施例1〜3および実施例6で得られた反応生成物(固形分換算で80部)、ならびに比較例1〜2記載のもの(固形分換算で80部)からなる各供試サンプルに、カーボンブラック10部、沈降性硫酸バリウム30部、タルク30部、防錆顔料(テイカ(株)製、商品名「Kホワイト#84」)10部、および所要量のエチレングリコールモノエチルエーテルを混合した後、ペイントシェーカーで30分間混練し、固形分50%の防錆プライマーを得た。該プライマーをそれぞれ脱脂鋼板にスプレー塗布し、常温で5日間放置することにより、乾燥塗膜厚が30μmの試験板を調製した。該試験板について、JIS K5400の耐塩水噴霧試験を行い、120時間後の錆の発生状態を目視観察した。評価基準は、クロスカット部の剥離幅をいい、結果を表1に示す。
2)耐水性
前記試験板を40℃の水中に240時間浸漬した後、JIS K5400の碁盤目試験に準拠し、カッターを用いて2mm幅の碁盤目100個を作成し、次いでセロハンテープ剥離して、剥離状態を目視判定した。評価結果を表1に示す。なお、碁盤目試験結果の100/100とは、100個(分子)が全く剥離せず、全てが残存したことを示す(表2においても同じ)。
Figure 2014058594
(防錆塗料としての評価)
実施例4および5で得られた各反応生成物、ならびに比較例3および4記載のものからなる各供試サンプル70部(固形分換算)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、製品名「EP1001」、エポキシ当量約475g/eq、不揮発分100%)30部、アミン系硬化剤(大都産業(株)製、MXDA系変性アミン、活性水素当量95)15部、酸化チタン40部、および沈降性硫酸バリウム60部を混合した後、ペイントシェーカーで30分間混練し、次いで所要量のエチレングリコールモノエチルエーテルを加えることにより、固形分50%の防錆塗料を調製した。該塗料をそれぞれ脱脂鋼板にスプレー塗布し、常温で7日間放置して、試験板を調製した。該試験板について前記と同様に耐塩水噴霧試験および碁盤目試験を行い、防錆性と密着性を評価した。結果を表2に示す。なお、顔料分散安定性は、調製した塗料を25℃で1か月放置後、酸化チタンおよび硫酸バリウムの沈降状態および粒ゲージによる顔料の凝集状態より目視評価した。
Figure 2014058594
表1から、前記実施例に記載された本発明の反応生成物を用いて、常温乾燥させて得られるプライマーは、比較例のプライマーと比べて、優れた防錆効果を奏することが明らかである。また、表2から、前記実施例に記載された本発明の反応生成物を用いて得られるいずれの防錆塗料も、比較例のものと比べて、顔料分散安定性と防錆性に優れることが分かる。

Claims (13)

  1. 活性水素含有ヒドラジン類と水酸基含有エポキシ樹脂とをエポキシ開環付加反応させて得られる中間体(1)と、アルコキシシラン部分縮合物とを、脱アルコール縮合反応させて得られることを特徴とする反応生成物(1)。
  2. 前記ヒドラジン類が、ヒドラジド化合物、ピラゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物およびピリダジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の反応生成物(1)。
  3. 前記水酸基含有エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して前記ヒドラジン類の活性水素が0.2〜1.5当量となる割合でエポキシ開環付加反応させて得られる請求項1または2記載の反応生成物(1)。
  4. 前記アルコキシシラン部分縮合物がテトラメトキシシランおよび/またはメチルトリメトキシシランから得られる部分縮合物である請求項1〜3のいずれかに記載の反応生成物(1)。
  5. 前記中間体(1)の水酸基1モルに対して前記アルコキシシラン部分縮合物が0.5〜1.5モルとなる割合で脱アルコール縮合反応させて得られる請求項1〜4のいずれかに記載の反応生成物(1)。
  6. 活性水素含有ヒドラジン類および活性水素含有アミン化合物と、水酸基含有エポキシ樹脂とをエポキシ開環付加反応させて得られる中間体(2)と、アルコキシシラン部分縮合物とを、脱アルコール縮合反応させて得られることを特徴とする反応生成物(2)。
  7. 前記ヒドラジン類が、ヒドラジド化合物、ピラゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物およびピリダジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項6記載の反応生成物(2)。
  8. 前記アミン化合物が、第1級および/または第2級アミン化合物である請求項6または7記載の反応生成物(2)。
  9. 前記アミン化合物の使用量が、前記ヒドラジン類の使用量に対して、活性水素の当量換算で30%未満である請求項6〜8のいずれかに記載の反応生成物(2)。
  10. 前記水酸基含有エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、前記ヒドラジン類の活性水素と前記アミン化合物の活性水素との合計が0.2〜1.5当量となる割合でエポキシ開環付加反応させて得られる請求項6〜9のいずれかに記載の反応生成物(2)。
  11. 前記アルコキシシラン部分縮合物がテトラメトキシシランおよび/またはメチルトリメトキシシランから得られる部分縮合物である請求項6〜10のいずれかに記載の反応生成物(2)。
  12. 前記中間体(2)の水酸基1モルに対して前記アルコキシシラン部分縮合物が0.5〜1.5モルとなる割合で脱アルコール縮合反応させて得られる請求項6〜11のいずれかに記載の反応生成物(2)。
  13. 請求項1〜5のいずれかに記載の反応生成物(1)および/または請求項6〜12のいずれかに記載の反応生成物(2)を含んでなることを特徴とする防錆性組成物。
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