JP2014058396A - 厚み検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】媒体の円滑な搬送とその厚みの高精度な検出とを両立できるようにする。
【解決手段】鑑別部の厚み検知部23は、検知上部40の右端から奇数番目の変位ユニット42Aにおいて検知ローラ51の回転中心QAを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ後方に位置させ、偶数番目の変位ユニット42Bにおいて検知ローラ51の回転中心QBを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ前方に位置させることにより、紙幣BLが搬送されてきた際に当該紙幣BLにより同時に持ち上げなければならない検知ローラ51の数を、全数の半分に削減した。これにより厚み検知部23は、紙幣BLが搬送されてくる際に当該紙幣BLに生じる突入抵抗を従来の約半分に削減することができるので、紙幣BLを詰まらせる危険性を格段に低減させ、円滑に搬送しながらその厚みを適切に検知することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は厚み検知装置に関し、例えば紙幣のような紙葉状の媒体を投入して所望の取引を行う現金自動預払機(ATM)等に適用して好適なものである。
従来、金融機関等で使用される現金自動預払機等においては、顧客との取引内容に応じて、例えば顧客に紙幣や硬貨等の現金を入金させ、また顧客へ現金を出金するようになされている。
現金自動預払機としては、例えば顧客との間で紙幣の授受を行う紙幣入出金口と、投入された紙幣の金種、真偽及び正損等を鑑別する鑑別部と、投入された紙幣を一時的に保留する一時保留部と、金種ごとに紙幣を格納する金種カセットとを有するものがある。
この現金自動預払機は、入金取引において、顧客が紙幣入出金口に紙幣を投入すると、投入された紙幣を鑑別部で鑑別し、正常紙幣と鑑別された紙幣を一時保留部で保留する一方、取引すべきでないと鑑別された紙幣を紙幣入出金口へ戻して顧客に返却する。続いて現金自動預払機は、顧客により入金金額が確定されると、一時保留部に保留した紙幣の金種を鑑別部により再鑑別し、その金種に応じた金種カセットへ収納する。
このうち鑑別部としては、光学センサや磁気センサ等により紙幣の各種特性を検出すると共に厚みを検出した上で、それぞれの検出結果を総合して紙幣の金種や真偽等を判別するようになされたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば図14に側面図を示すように、紙幣BLの厚みを検知する厚み検知部823は、搬送路Wの下側に配置された基準ローラ31と、この基準ローラ31のほぼ真上に位置する複数の検知ローラ51とを中心に構成されている。
検知ローラ51は、ブラケット53により回転可能に保持されており、回動軸56、支持部材54及びコイルスプリング58と共に変位ユニット842を構成している。この変位ユニット842は、搬送路Wの幅方向に沿って複数(例えば14個)が一列に配置されている。
変位ユニット842のブラケット53は、支持部材54に対し回動軸56を中心として回動可能に軸支されており、この支持部材54を介してフレーム41に取り付けられている。
ブラケット53は、コイルスプリング58により下方向へ付勢されている。また各変位ユニット842のブラケット53は、それぞれの上側に配置された変位センサ43により、変位検出点Tの上下方向への変位量がそれぞれ検出される。
厚み検知部823は、搬送路Wに沿って搬送される紙幣BLを検知ローラ51と基準ローラ31との間に挟み込むと、当該紙幣BLの厚みに応じて検知ローラ51と共に回動するブラケット53における変位検出点Tの変位量を検出し、これを基に当該紙幣BLの厚みを検知することができる。
特開2004−83172公報(第1図)
ところで厚み検知部823では、紙幣BLの厚みを精度良く検知するべく、検知ローラ51及び基準ローラ31の間、或いは検知ローラ51、紙幣BL及び基準ローラ31の各間に隙間を発生させず互いを密接させることが望ましい。このため厚み検知部823では、コイルスプリング58の復元力により検知ローラ51を基準ローラ31に強く押し付けている。
しかしながら厚み検知部823では、検知ローラ51が基準ローラ31に当接している状態で新たに紙幣BLが搬送されてきた際に、当該紙幣BLをコイルスプリング58の復元力に反して検知ローラ51と基準ローラ31との間を押し広げるように突入させることになる。すなわち厚み検知部823は、紙幣BLが搬送されてきたときに、当該紙幣BLに突入抵抗を与えてしまう。
このため厚み検知部823は、例えば使い古されている等の理由で曲げ強度が低く、いわゆるコシが弱い紙幣BLが搬送されてきた場合に、当該紙幣BLを検知ローラ51と基準ローラ31との間に挿入させることができず、紙幣BLの詰まりや損傷を生じてしまう場合がある、という問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、媒体の円滑な搬送とその厚みの高精度な検出とを両立し得る厚み検知装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の厚み検知装置においては、紙葉状の媒体が搬送される搬送路に周側面を当接させるよう当該搬送路からの距離が固定され、回転可能な基準ローラと、搬送路を挟んで基準ローラの反対側に、それぞれの周側面を当該基準ローラと対向させて搬送路の幅方向に沿って並ぶよう配置され、搬送路と離接する離接方向へそれぞれ揺動可能であり回転可能な複数の検知ローラと、複数の検知ローラを基準ローラへ向けてそれぞれ押し付ける複数の押付部と、複数の検知ローラにおける離接方向への変位量をそれぞれ検出する複数の変位検出部と、搬送路において媒体が搬送される搬送方向に関し、複数の検知ローラの位置を少なくとも2通りに相違させる位置相違部とを設けるようにした。
これにより本発明は、搬送されてくる媒体により基準ローラから同時に引き離さなければならない検知ローラの数を削減することができるので、各検知ローラを基準ローラへそれぞれ押し付ける力を弱めること無く、媒体に加えられる突入抵抗を低減しながら各部の厚みをそれぞれ検知することができる。
本発明によれば、搬送されてくる媒体により基準ローラから同時に引き離さなければならない検知ローラの数を削減することができるので、各検知ローラを基準ローラへそれぞれ押し付ける力を弱めること無く、媒体に加えられる突入抵抗を低減しながら各部の厚みをそれぞれ検知することができる。かくして本発明は、媒体の円滑な搬送とその厚みの高精度な検出とを両立し得る厚み検知装置を実現できる。
現金自動預払機の外観構成を示す略線的斜視図である。 紙幣入出金機の構成を示す略線図である。 鑑別部の構成を示す略線図である。 第1の実施の形態による厚み検知部の構成を示す略線図である。 第1の実施の形態による厚み検知部の構成を示す略線図である。 案内部の構成を示す略線図である。 第2の実施の形態による厚み検知部の構成を示す略線図である。 第2の実施の形態による厚み検知部の構成を示す略線図である。 第3の実施の形態による厚み検知部の構成を示す略線図である。 第4の実施の形態による厚み検知部の構成を示す略線図である。 第4の実施の形態による厚み検知部の構成を示す略線図である。 他の実施の形態による厚み検知部の構成を示す略線図である。 他の実施の形態による厚み検知部の構成を示す略線図である。 従来の厚み検知部の構成を示す略線図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.現金自動預払機の全体構成]
図1に外観を示すように、現金自動預払機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、顧客との間で入金取引や出金取引等の現金に関する取引を行うようになされている。
筐体2は、その前側に顧客が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所、すなわち前面の上部から上面に渡る部分が一部切り落とされたような形状となっており、この部分に接客部3が設けられている。
接客部3は、顧客との間で現金や通帳等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行うようになされており、カード入出口4、通帳入出口5、紙幣入出金口6、硬貨入出金口7及び表示操作部8が設けられている。
カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入または排出される部分である。カード入出口4の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。
通帳入出口5は、通帳が挿入または排出される部分である。通帳入出口5の奥側には、通帳に記録された磁気情報の読み取りや取引内容の印字処理等を行う通帳処理部(図示せず)が設けられている。
紙幣入出金口6は、顧客が入金する紙幣が投入されると共に、顧客へ出金する紙幣が排出される部分である。また紙幣入出金口6は、シャッタを駆動することにより開放又は閉塞するようになされている。
硬貨入出金口7は、顧客が入金する硬貨が投入されると共に、顧客へ出金する硬貨が排出される部分である。また硬貨入出金口7は、紙幣入出金口6と同様にシャッタを駆動することにより開放又は閉塞するようになされている。
表示操作部8は、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチパネルとが一体化されている。
以下では、現金自動預払機1のうち顧客が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した顧客から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
筐体2内には、現金自動預払機1全体を統括制御する主制御部9や、紙幣に関する種々の処理を行う紙幣入出金機10等が設けられている。
主制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金取引や出金取引等の種々の処理を行うようになされている。
また主制御部9は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させるようになされている。
紙幣入出金機10は、図2に側面図を示すように、紙幣に関する種々の処理を行う複数の部分が組み合わされた構成となっている。また紙幣入出金機10の各部分は、紙幣制御部11により制御されるようになされている。
紙幣制御部11は、主制御部9と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、紙幣の搬送先を決定する処理等、種々の処理を行うようになされている。
また紙幣制御部11は、内部にRAM及びフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させるようになされている。
紙幣制御部11は、例えば顧客が紙幣を入金する入金取引を行う場合、表示操作部8を介して所定の操作入力を受け付けた後、紙幣入出金口6のシャッタを開いて入出金部12内へ紙幣を投入させる。
入出金部12は、収容器12Aに紙幣が投入されると、紙幣入出金口6のシャッタを閉じて当該収容器12Aから紙幣を1枚ずつ取り出し、搬送部13へ受け渡す。搬送部13は、長方形の紙葉状に構成された紙幣を短辺方向に沿って進行させ、鑑別部14へ搬送する。
鑑別部14は、その内部で紙幣を搬送しながら当該紙幣の金種及び真偽、並びに損傷の程度等を鑑別し、その鑑別結果を紙幣制御部11へ通知する(詳しくは後述する)。これに応じて紙幣制御部11は、取得した鑑別結果に基づいて当該紙幣の搬送先を決定する。
このとき搬送部13は、鑑別部14において正常と鑑別された紙幣(いわゆる正券)を一時保留部15へ搬送する等して一時的に保留させる一方、取引すべきでないと鑑別された紙幣(いわゆる損券や偽券等)を入出金部12へ搬送して顧客に返却する。
その後紙幣制御部11は、表示操作部8を介して顧客に入金金額を確定させ、一時保留部15に保留している紙幣を搬送部13により鑑別部14へ搬送してその金種及び損傷の程度等を鑑別させ、その鑑別結果を取得する。
そして紙幣制御部11は、紙幣の損傷の程度が大きければ、これを再利用すべきでない紙幣として搬送部13によりリジェクトカセット16へ搬送して収納させ、損傷の程度が小さければ、これを再利用すべき紙幣として搬送部13により搬送させ、その金種に応じた紙幣カセット17に収納させるようになされている。
[1−2.鑑別部の構成]
鑑別部14は、図3に側面図を示すように、直方体状の筐体20内に搬送路Wを形成しており、この搬送路Wに沿って紙幣BLを前方向又は後方向へ走行させながら当該紙幣BLの鑑別処理を行うようになされている。
また鑑別部14は、制御部21により各モジュールを制御するようになされている。制御部21は、主制御部9(図1)と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、紙幣の搬送制御や鑑別処理等、種々の処理を行うようになされている。
鑑別部14には、筐体20内を搬送路Wに沿って前側から後側へ向かうように、4個の搬送部22がある程度の間隔を空けて配置されている。
搬送部22は、図示しないモータからの駆動力が伝達される駆動ローラと、当該駆動ローラに押し付けられ自在に回転する従動ローラとを、搬送路Wの上下に配置している。このため搬送部22は、駆動ローラと従動ローラとの間に紙幣BLを挟み込むと、当該紙幣BLを搬送路Wに沿って、搬送方向である前方向又は後方向へ搬送する。
各搬送部22同士の間には、搬送路Wに沿って前側から順に、厚み検知部23(詳しくは後述する)、光学検知部24及び磁気検知部25といった紙幣の各種特性を検出するモジュールが順次配置されている。
光学検知部24は、搬送路Wへ向けて所定の照射光を照射すると共に当該照射光の一部が紙幣BLの表面において反射された反射光を受光する反射センサ部と、当該照射光のうち紙幣BLを透過した透過光を受光する透過センサ部とを有している。
磁気検知部25は、搬送路Wと当接するように配置されており、紙幣BLに用いられている磁気インクの磁気を検出するようになされている。
さらに鑑別部14には、各モジュールと搬送部22との間に、紙幣BLを搬送路Wに沿って搬送するよう案内する案内部が適宜配置されている。例えば厚み検知部23の前側及び後側には、案内部27及び28がそれぞれ配置されている。
各案内部は、板状に形成された2枚の案内板により構成されており、各案内板の板面を搬送路Wに向けて対向させると共に所定の間隔を隔てるよう配置されている。換言すれば、鑑別部14内では、各案内部の案内板により挟まれた空間が搬送路Wとなっている。
[1−3.厚み検知部の構成]
厚み検知部23は、図4(A)に模式的な側面図を示すように、大きく分けて、紙幣BLの搬送路Wよりも下側に配置された検知下部30と、当該搬送路Wを挟んで検知下部30と対向する検知上部40とにより構成されている。
検知下部30は、図5(A)に模式的な平面図を示すように、回転する基準ローラ31及びその回転軸となる基準軸32により構成されている。基準軸32は、左右方向に細長い円柱状に構成されており、筐体20(図3)に立設された支持柱(図示せず)により回転可能に支持されている。
また基準軸32は、左右方向に長い1本の円環状に構成された基準ローラ31を貫通しており、当該基準ローラ31の上端を紙幣BLの搬送路Wに合わせるよう位置させている。この基準ローラ31は、所定の金属材料により構成されており、外部から圧力が加えられた際にも容易には変形しないようになされている。
因みに基準軸32は、所定のモータからギヤ等(いずれも図示せず)を介して駆動力が伝達されることにより、搬送部22の駆動ローラと同様に能動的に回転するようになされている。
検知上部40は、図5(A)と対応する図5(B)に模式的な平面図を示すように、搬送路Wを左右に渡されたフレーム41と、当該フレーム41に沿って左右方向に並べて配置された14個の変位ユニット42(42A、42B、42C、42D、42E、42F、42G、42H、42I、42J、42K、42L、42M、42N)と、各変位ユニット42とそれぞれ対応する14個の変位センサ43(43A、43B、43C、43D、43E、43F、43G、43H、43I、43J、43K、43L、43M及び43N)とにより構成されている。因みに図4(A)は、図5(B)におけるA1−A2断面に相当する側面図となっている。
フレーム41は、前後に薄く左右に長い平板状に形成されており、筐体20内における検知下部30の基準軸32よりも後方に固定されている(図4(A))。またフレーム41には、14個の変位ユニット42をそれぞれ取り付ける箇所に、取付孔41Hがそれぞれ穿設されている。
変位ユニット42のうち、右端から数えて奇数番目の変位ユニット42(42A、42C、42E、42G、42I、42K及び42M)と、右端から数えて偶数番目の変位ユニット42(42B、42D、42F、42H、42J、42L及び42N)とは、互いに一部の構成が異なるものの、その他の部分については互いに同様に構成されている。
以下では、まず右端から数えて奇数数番目の変位ユニット42を代表して変位ユニット42Aを中心に説明し、その次に右端から数えて偶数番目である変位ユニット42を代表する変位ユニット42Bとの差異について説明する。
[1−3−1.変位ユニット42Aの構成]
変位ユニット42A(図4(A))は、検知ローラ51を中心に構成されている。検知ローラ51は、いわゆるボールベアリングと同様に構成されており、固定された内輪に対し外輪を円滑に回転させ得るようになされている。
検知ローラ51の内輪は、検知軸52に挿通されると共に固定されている。検知軸52は、左右方向に細長い円柱状に構成されており、左右方向の長さが変位ユニット42Aの横幅に相当する長さとなっている。
検知軸52の左右両端は、ブラケット53に固定されている。ブラケット53は、磁性を有する金属材料でなり、上下に薄い矩形の板状部材でなる天板部と、当該天板部における左右の両端からそれぞれ下方へ向けて延設された左右に薄い矩形板状の側板部とにより構成されている。
またブラケット53の側板部には、それぞれの前側下方に検知軸孔が穿設されると共に、それぞれの後側下方に回動孔が穿設されている。
ブラケット53は、側板部の検知軸孔に検知軸52が挿通されると共に当該検知軸52を固定している。すなわちブラケット53は、検知軸52を介して検知ローラ51を回転自在に保持し、且つ当該検知ローラ51の上側及び左右両側の大部分を覆っている。
一方、ブラケット53の後方には、支持部材54が配置されている。支持部材54は、例えば所定の樹脂材料が成型されてなり、直方体の後上側部分が削り落とされたような形状となっており、前後方向に関して上側部分が薄く下側部分が厚くなっている。
すなわち支持部材54は、前後に薄い矩形薄板状に形成された上側部分と、前後方向の長さを上側部分よりも大幅に拡大した矩形直方体状に形成された下側部分とが、互いの後面を揃えるように上下に接合されたような形状となっている。
支持部材54の上側部分には、前後方向に貫通する取付穴が穿設されている。支持部材54は、この取付穴とフレーム41の取付孔41Hとの位置を合わせた状態で取付ねじ57より螺合され、当該フレーム41に固定される。
一方、支持部材54の下側部分には、左右方向に貫通する軸孔が穿設されており、この軸孔に回動軸56が挿通されている。
回動軸56は、検知軸52と同様、左右方向に細長い円柱状に構成されており、また左右の両端部分において、ブラケット53の側板部にそれぞれ穿設された軸孔に挿通されている。
かかる構成によりブラケット53は、支持部材54に対し、回動軸56を中心として自在に回動することができる。すなわちブラケット53により回転自在に保持された検知ローラ51は、支持部材54及びフレーム41を介して取り付けられた筐体20に対し、ほぼ上下方向(高さ方向)へ自在に変位すること、すなわち搬送路Wと離接する方向へ揺動することができる。
ここで検知上部40では、筐体20に対するフレーム41の取付位置、支持部材54における前後方向の厚さやブラケット53の前後方向の長さ等が適宜調整されることにより、検知ローラ51の回転中心QAを、基準ローラ31の回転中心Pよりも距離S(例えば約0.5[mm])だけ後方に位置させている。
またブラケット53の天板部と筐体20の天板との間には、コイルスプリング58が伸縮方向を上下方向に向け、且つ自然状態から圧縮された状態で挟まれるように取り付けられている。
コイルスプリング58は、自然状態への復元力が作用することにより、筐体20に対しブラケット53の天板を下方向へ押し付け、当該ブラケット53により保持されている検知ローラ51を下方向へ、すなわち基準ローラ31へ向けて押し付ける。
このとき検知ローラ51は、搬送路Wに紙幣BLが無い場合、その下端近傍を基準ローラ31の上端近傍に隙間無く当接させる。また検知ローラ51は、搬送部22(図3)により紙幣BLが搬送され、搬送路Wに当該紙幣BLがある場合、その下端近傍を紙幣BLの上面に当接させ、さらに当該紙幣BLの下面を基準ローラ31の上端近傍に隙間無く当接させる。
すなわち検知ローラ51は、基準ローラ31との間に紙幣BLが挟まれていないときと比較して、基準ローラ31との間に紙幣BLが挟まれているときに、当該紙幣BLの厚さに応じた距離だけ上方へ変位する。このとき検知ローラ51を保持するブラケット53は、検知ローラ51の変位量に応じた回動角度だけ回動する。
ところで、筐体20の天板下面側には、所定の台座を介して基板61が取り付けられている。この基板61の下面側、すなわちブラケット53の上方には、当該ブラケット53の天板と対向するように変位センサ43Aが取り付けられている。以下、ブラケット53の天板における変位センサ43Aと対向する箇所を変位検出点TAと呼ぶ。
変位センサ43Aは、磁気を利用してブラケット53の変位検出点TAとの距離の変化に応じた検出信号を生成し、これを制御部21へ送出する。
ここで制御部21は、検知上部40における回動軸56の回動中心RAから変位検出点TAまでの距離L2と回動中心RAから検知ローラ51の回転中心QAまでの距離L1との比率gを予め記憶している。
制御部21は、変位センサ43Aから得られた検出信号に比率gを乗じることにより検知ローラ51の上下方向への変位量に変換し、これを紙幣BLの厚みとして検知する。
このように変位ユニット42Aは、フレーム41に対し支持部材54を介して取り付けられることにより、検知ローラ51の回転中心QAを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ後方に位置させ、当該検知ローラ51を当該基準ローラ31に押し付けるようになされている。
以下、このように検知ローラ51の回転中心QAを基準ローラ31の回転中心Pよりも後方に位置させることを後配置と呼ぶ。
因みに図5(A)及び(B)では、基準ローラ31の回転中心P及び検知ローラ51の回転中心QAをそれぞれ通る左右方向に沿った直線を2点鎖線により表している。
[1−3−2.変位ユニット42Bの構成]
変位ユニット42Bは、図4(A)と対応する図4(B)に示すように、変位ユニット42Aと比較して、支持部材54に代わる支持部材55を有する点が相違する。
支持部材55は、支持部材54と比較して、前後方向の長さ(厚さ)が距離Sの2倍だけ長く(厚く)なっている。
このため変位ユニット42Bでは、変位ユニット42Aと比較して、ブラケット53及びこれに取り付けられた各部材、すなわち回動軸56、検知軸52、検知ローラ51及びコイルスプリング58が、それぞれ距離Sの2倍ずつ前方に位置している。
これにより検知ローラ51は、その回転中心QBを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ前方に位置させるよう、当該基準ローラ31に押し付けられることになる。
また支持部材55は、支持部材54と異なり、その右側面上部に識別突起55Xが突設されている。この識別突起55Xは、製造作業等を行う作業者により容易に視認できるものであり、またフレーム41への取り付けや回動軸56の支持等といった支持部材55に求められる機能を阻害しないよう、位置や形状等が考慮されている。
変位センサ43Bは、変位センサ43Aと同様に構成されており、当該変位センサ43Aと比較して距離Sの2倍だけ前方に位置するよう、基板61に取り付けられている。この変位センサ43Bは、ブラケット53の変位検出点TB(ブラケット53の天板における変位センサ43Bと対向する箇所)との距離の変化に応じた検出信号を生成し、これを制御部21へ送出する。
ここで変位ユニット42Bでは、変位ユニット42Aと同様に、回動軸56の回動中心RBから検知ローラ51の回転中心QBまでの距離がL1となり、また回動中心RBから変位検出点TBまでの距離がL2となっている。すなわち変位ユニット42Bでは、距離L2と距離L1との比率が変位ユニット42Aと同様に比率gとなっている。
このため制御部21は、やはり変位ユニット42Aの場合と同様に、変位センサ43Bから得られた検出信号に比率gを乗じることにより検知ローラ51の上下方向への変位量に変換し、これを紙幣BLの厚みとして検知する。
このように変位ユニット42Bは、フレーム41に対し支持部材55を介して取り付けられることにより、検知ローラ51の回転中心QBを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ前方に位置させ、当該検知ローラ51を当該基準ローラ31に押し付けるようになされている。
以下、このように検知ローラ51の回転中心QBを基準ローラ31の回転中心Pよりも前方に位置させることを前配置と呼ぶ。
かくして厚み検知部23の検知上部40には、図5(B)に示したように、後配置の変位ユニット42A、42C、…、42Mと、前配置の変位ユニット42B、42D、…、42Nとが、左右方向に沿って交互に並べられた構成となっている。
[1−4.案内部の構成]
次に、案内部27及び28の構成について説明する。案内部27は、図4に示したように、搬送路Wの上側に位置する案内板71及び下側に位置する案内板72により構成されている。同様に案内部28は、搬送路Wの上側に位置する案内板81及び下側に位置する案内板82により構成されている。
図6(B)に示すように、案内板72は、その後端部分が直線状に形成されており、基準ローラ31の周側面との間に比較的狭い隙間Gを形成している。これと同様に案内板82は、その前端部分が一直線状に形成されており、基準ローラ31の周側面との間に比較的狭い隙間Gを形成している。
図6(A)に示すように、案内板71は、その後端部分が各変位ユニット42における検知ローラ51の配置に応じて切り欠かれたような折れ線状若しくは矩形波状に形成されている。
具体的に案内板71は、変位ユニット42Aと対応する領域71Aにおいて後端部分と検知ローラ51との間に隙間Gを形成し、且つ変位ユニット42Bと対応する領域71Bにおいても後端部分と検知ローラ51との間に隙間Gを形成している。
また案内板81も、その前端部分が各変位ユニット42における検知ローラ51の配置に応じて切り欠かれたような折れ線状若しくは矩形波状に形成されている。
具体的に案内板81は、変位ユニット42Aと対応する領域81Aにおいて前端部分と検知ローラ51との間に隙間Gを形成し、且つ変位ユニット42Bと対応する領域81Bにおいても前端部分と検知ローラ51との間に隙間Gを形成している。
このように案内部27及び28は、下側の案内板72の後端部分及び案内板82の前端部分をそれぞれ直線状に形成することにより基準ローラ31との間形成する隙間Gを小さく抑えることができる。
また案内部27及び28は、上側の案内板71の後端部分及び案内板81の前端部分を各変位ユニット42における各検知ローラ51の配置に合わせた折れ線状若しくは矩形状に形成することにより、各検知ローラ51との間にそれぞれ形成する隙間Gも小さく抑えることができる。
これにより案内部27及び28は、厚み検知部23との間で紙幣BLを受け渡す際にも当該紙幣BLを上方や下方へ逃がすこと無く、搬送路Wに沿って当該紙幣BLを搬送するよう案内することができる。
[1−5.動作及び効果]
以上の構成において、第1の実施の形態による鑑別部14の厚み検知部23は、検知上部40において左右方向に並べる変位ユニット42A〜42Nを、交互に前後にずらすよう配置した。
具体的に検知上部40では、右端から奇数番目の変位ユニット42A、42C、…、42Mにおいて支持部材54を介してフレーム41に取り付け、検知ローラ51の回転中心QAを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ後方に位置させた(図4(A))。
また検知上部40では、右端から偶数番目の変位ユニット42B、42D、…、42Nにおいて支持部材54よりも前後方向に長い(厚い)支持部材55を介してフレーム41に取り付け、検知ローラ51の回転中心QBを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ前方に位置させた(図4(B))。
すなわち厚み検知部23は、紙幣BLの搬送方向である前後方向に関し、各検知ローラ51の位置を2通りに相違させるよう配置した。
このため厚み検知部23は、例えば搬送路Wに沿って紙幣BLが前側から後方向へ向けて搬送されてきた場合、まず前配置である右端から偶数番目の変位ユニット42B、42D、…、42Nにおいて、コイルスプリング58を縮めながら検知ローラ51を当該紙幣BLの厚さだけ持ち上げて当該検知ローラ51と基準ローラ31との間に挟み込む。
続いて厚み検知部23は、基準ローラ31を回転させることにより紙幣BLをさらに後方向へ搬送し、後配置である右端から奇数番目の変位ユニット42A、42C、…、42Mにおいて、同様にコイルスプリング58を縮めながら検知ローラ51を当該紙幣BLの厚さだけ持ち上げて当該検知ローラ51と基準ローラ31との間に挟み込む。
また厚み検知部23は、搬送路Wに沿って紙幣BLが後側から前方向へ向けて搬送されてきた場合、その逆順に、すなわち後配置の次に前配置となるように、各検知ローラ51を持ち上げる。
このように厚み検知部23は、紙幣BLが搬送されてきた際に当該紙幣BLにより同時に持ち上げなければならない検知ローラ51の数を2群に分け、各群に属する検知ローラ51の数を全数(14個)の半分である7個に削減した。
これにより厚み検知部23は、紙幣BLが搬送されてくる際に当該紙幣BLに生じる突入抵抗を従来の約半分に削減することができるので、紙幣BLを詰まらせる危険性を格段に低減させ、円滑に搬送しながらその厚みを適切に検知することができる。
この結果、鑑別部14としては、紙幣BLの厚みが適正な範囲内であるか、重送されていないか、或いは紙幣BLに補修用のテープが貼り付けられていないか、といった紙幣BLの厚みに関する種々の事項を判断することができる。
他の観点から見れば、厚み検知部23は、各変位ユニット42における検知ローラ51を基準ローラ31に押し付ける力、すなわちコイルスプリング58の復元力を従来と同様の強さとして検知ローラ51、基準ローラ31及び紙幣BLの間に隙間を生じさせることなく、突入抵抗を大幅に削減することができる。
ところで厚み検知部23では、各検知ローラ51が基準ローラ31の真上ではなく、前後いずれかにずれた箇所において当該基準ローラ31に当接する。このため厚み検知部23では、基準ローラ31に当接するときの検知ローラ51の位置(高さ)が、従来のように当該基準ローラ31の真上に当接する場合よりも低くなってしまう。
この点において制御部21は、ブラケット53における変位検出点TA及びTBの変位量、すなわち相対的な位置の差異を検出するため、厚み検知部23において基準ローラ31に当接するときの検知ローラ51の絶対的な位置に関わらず、従来と同様に高い精度で紙幣BLの厚みを検知することができる。
他の観点から見れば、厚み検知部23では、各検知ローラ51を前配置又は後配置の2通りとし、且つこれらを左右方向に交互に配置しているにもかかわらず、基準ローラ31を左右方向に長い1本のローラにより構成することができる(図5)。
すなわち厚み検知部23の検知下部30は、検知上部40における検知ローラ51の数や配置にかかわらず、基準ローラ31を搬送路Wの幅に応じた1本の長いローラとすれば良いため、構成を複雑化せずにすむ。
また厚み検知部23では、変位ユニット42A及び42Bにおいて、距離L2とL1との比率gを共通化している。このため制御部21は、変位ユニット42が前配置又は後配置のいずれであるかにかかわらず、変位センサ43から得られた検出信号に一定の比率gを乗じるといった単純な処理だけで、変位検出点TA及びTBの変位量を検知ローラ51の変位量に変換することができる。
さらに厚み検知部23は、左右方向に関し、後配置の変位ユニット42と前配置の変位ユニット42とをそれぞれまとめるように配置するのではなく、それぞれが分散するように交互に並べている。
これにより厚み検知部23は、紙幣BLにおける突入抵抗の発生箇所を当該紙幣BLの長辺方向(すなわち幅方向)に広く分散させることができるので、当該紙幣BLを傾斜させることなく、短辺を搬送方向とほぼ平行に保ったまま突入させることができる。
また厚み検知部23は、基準ローラ31の回転中心Pに対し、検知ローラ51の回転中心QA及びQBを前側及び後側に振り分けるように配置したため、基準ローラ31と各検知ローラ51との当接点を前後にバランス良く分配することができ、紙幣BLをおおむね搬送路Wに沿わせるように前方向又は後方向へ搬送することができる。
そのうえ厚み検知部23は、左右方向に関する変位ユニット42の配置数を削減することなく従来と同等に維持しているため、紙幣BLの長辺方向における14箇所それぞれの厚みを従来同様にきめ細かく検知することができる。
ところで従来の厚み検知部823(図14)では、紙幣BLが突入する際、基準ローラ31と全て(14個)の検知ローラ51との当接部分に当該紙幣BLが同時に衝突し、検知ローラ51を持ち上げることになるため、比較的大きい振動が生じていた。
この振動は、鑑別部の筐体20を介して変位センサ43に伝達することがある。この場合、変位センサ43は、ブラケット53の変位検出点Tにおける変位量を正しく検出できない恐れがあった。
これに対し本願発明の厚み検知部23(図4、図5)では、紙幣BLが突入する際、基準ローラ31と半数(7個)の検知ローラ51との当接部分に当該紙幣BLが衝突し、その後残りの半数の検知ローラ51との当接部分に当該紙幣が衝突するため、生じる振動が従来よりも小さくなる。
このため厚み検知部23では、変位センサ43に伝達される振動が従来よりも大幅に減少し、或いは殆ど伝達されなくなるため、ブラケット53の変位検出点TA及びTBにおける変位量を精度良く検出することができる。
また厚み検知部23では、後配置の変位ユニット42及び前配置の変位ユニット42をそれぞれ構成する部品について、支持部材54及び55のみを相違させ、他を全て共通化した。
このため厚み検知部23では、検知ローラ51やブラケット53等の多くの部品を1種類のみ用意すれば良く、さらにはこれらの部品を従来から変更する必要もないため、製造コストの大幅な増加を招くことなく低廉に抑えることができる。
ところで支持部材54及び55は、互いの前後方向の厚さが異なるもののその差が微小であり(例えば約1[mm])、他の部分の形状がほぼ同等であるため、概形を視認しただけでは明確な区別が難しく、製造時に作業者に取り違えられる危険性が考えられる。
この点において支持部材55は、識別突起55X(図4(B))が形成されているため、作業者が支持部材54と容易に区別することができ、取り違える危険性を大幅に低減させることができる。この識別突起55Xは、支持部材55の成型時に同時に形成されるため、支持部材54の成型と比較しても工程数や材料の種類等を増加する必要が無く、容易に且つ安価に設けることができる。
以上の構成によれば、第1の実施の形態による鑑別部14の厚み検知部23は、検知上部40の右端から奇数番目の変位ユニット42において検知ローラ51の回転中心QAを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ後方に位置させ、偶数番目の変位ユニット42において検知ローラ51の回転中心QBを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ前方に位置させることにより、紙幣BLが搬送されてきた際に当該紙幣BLにより同時に持ち上げなければならない検知ローラ51の数を、全数の半分に削減した。これにより厚み検知部23は、紙幣BLが搬送されてくる際に当該紙幣BLに生じる突入抵抗を従来の約半分に削減することができるので、紙幣BLを詰まらせる危険性を格段に低減させ、円滑に搬送しながらその厚みを適切に検知することができる。
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態による鑑別部114(図3)は、第1の実施の形態による鑑別部14と比較して、厚み検知部23に代わる厚み検知部123を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
[2−1.厚み検知部の構成]
厚み検知部123は、第1の実施の形態による厚み検知部23と比較して、検知上部40に代わる検知上部140を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
検知上部140は、図5(B)と対応する図7に示すように、第1の実施の形態における変位ユニット42A〜42Nに代わる変位ユニット142A〜142Nを有すると共に、第1の実施の形態と同様のフレーム41及び変位センサ43を有している。
変位ユニット142は、第1の実施の形態と同様、右端から数えて奇数番目の変位ユニット142(142A、142C、…、142M)と、右端から数えて偶数番目の変位ユニット142(142B、142D、…、142N)とで互いに一部の構成が異なっている。
変位ユニット142Aは、図4(A)と対応する図8(A)に示すように、第1の実施の形態における変位ユニット42Aと同様に構成されている。
このため変位ユニット142Aは、検知ローラ51の回転中心QAを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ後方に位置させた後配置となっている。右端から数えて奇数番目となる他の変位ユニット142(142C、…、142M)も、この変位ユニット142Aと同様に構成されている。
一方変位ユニット142Bは、図4(B)と対応する図8(B)に示すように、変位ユニット142Aと比較して、支持部材54を有する点で同様である一方、この支持部材54の後側にバックプレート155を挟んでフレーム41に取り付けられる点が相違している。
バックプレート155は、直方体状に形成されており、上下方向及び左右方向の長さが支持部材54と同等以上であり、且つ前後方向の長さ(厚さ)が距離2S(例えば約1[mm])となっている。
すなわち変位ユニット142Bは、バックプレート155における前後方向の長さである距離2Sだけ変位ユニット142Aよりも前方に位置することになる。
このため変位ユニット142Bは、検知ローラ51の回転中心QBを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ前方に位置させた前配置となっている。右端から数えて偶数番目となる他の変位ユニット142(142D、…、142N)も、この変位ユニット142Bと同様に構成されている。
このように厚み検知部123では、第1の実施の形態と同様、後配置の変位ユニット142A、142C、…、142Mと、前配置の変位ユニット142B、142D、…、142Nとが、左右方向に沿って交互に並べられた構成となっている。
[2−2.動作及び効果]
以上の構成において、第2の実施の形態による鑑別部114の厚み検知部123は、検知上部140において左右方向に並べる変位ユニット142A〜142Nを、交互に前後にずらすよう配置した(図7)。
具体的に検知上部140では、右端から奇数番目の変位ユニット142において支持部材54を直接フレーム41に取り付け、検知ローラ51の回転中心QAを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ後方に位置させた(図8(A))。
また検知上部140では、偶数番目の変位ユニット142においてバックプレート155を介して支持部材54をフレーム41に取り付け、検知ローラ51の回転中心QBを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ前方に位置させた(図8(B))。
これにより厚み検知部123は、第1の実施の形態と同様、紙幣BLが搬送されてくる際に当該紙幣BLに生じる突入抵抗を従来の約半分に削減することができるので、紙幣BLを詰まらせる危険性を格段に低減させ、円滑に搬送しながらその厚みを適切に検知することができる。
また厚み検知部123では、前配置又は後配置に関わらず、変位ユニット142を支持部材54も含めて全て同一部品により構成したため、第1の実施の形態のように複数種類の部品(支持部材54及び55)を用意する必要が無く、製造コストの削減や組立工程の簡略化を図ることができる。
その他の点についても、第2の実施の形態による厚み検知部123は、第1の実施の形態による厚み検知部23と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第2の実施の形態による鑑別部114の厚み検知部123は、検知上部140の右端から奇数番目の変位ユニット142において検知ローラ51の回転中心QAを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ後方に位置させ、偶数番目の変位ユニット142において検知ローラ51の回転中心QBを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ前方に位置させることにより、紙幣BLが搬送されてきた際に当該紙幣BLにより同時に持ち上げなければならない検知ローラ51の数を、全数の半分に削減した。これにより厚み検知部123は、紙幣BLが搬送されてくる際に当該紙幣BLに生じる突入抵抗を従来の約半分に削減することができるので、紙幣BLを詰まらせる危険性を格段に低減させ、円滑に搬送しながらその厚みを適切に検知することができる。
[3.第3の実施の形態]
第3の実施の形態による鑑別部214(図3)は、第1の実施の形態による鑑別部14と比較して、厚み検知部23に代わる厚み検知部223を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
[3−1.厚み検知部の構成]
厚み検知部223は、第1の実施の形態による厚み検知部23と比較して、検知上部40に代わる検知上部240を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
検知上部240は、図5(B)と対応する図9に示すように、第1の実施の形態におけるフレーム41及び変位ユニット42に代わるフレーム241及び変位ユニット242を有すると共に、第1の実施の形態と同様の変位センサ43を有している。
変位ユニット242は、第1の実施の形態と同様、左右方向に複数個(例えば14個)が並んでいる。
これら複数の変位ユニット242(242A〜242N)は、その全てが第1の実施の形態における変位ユニット42Aと同様に構成されており、いずれも支持部材54を介してフレーム241に取り付けられている。
一方、フレーム241は、変位ユニット242における左右方向の幅に相当する長さごとに、前後方向へ往復するように繰り返しクランク状に折れ曲がった形状となっている。
このフレーム241は、所定の金属材料でなる平坦な板状部材が適宜屈曲されることにより、繰り返しクランク状に折れ曲がった形状に形成されている。以下では、フレーム241の右端から左方向へ向けて、変位ユニット242における左右方向の幅に相当する長さ毎に、それぞれ領域241A、241B、…、241Nと呼ぶ。
フレーム241では、右端から奇数番目の各領域、すなわち領域241A、241C、…、241Mが、偶数番目の領域、すなわち領域241B、241D、…、241Nよりも距離2S(例えば約1[mm])だけ後側に位置している。
換言すれば、フレーム241は、右端から奇数番目の各領域の位置と偶数番目の各領域の位置とを、互いに前後方向へ距離2Sだけ引き離している。
またフレーム241の各領域には、第1の実施の形態におけるフレーム41の取付孔41Hと同様の取付孔241Hがそれぞれ穿設されている。
フレーム241の領域241A〜241Nは、第1の実施の形態と同様、取付ねじ57(図4)が支持部材54の貫通孔を介して取付孔241Hに螺合されることにより、変位ユニット242A〜242Nがそれぞれ取り付けられる。
変位ユニット242Aは、フレーム241の領域241Aに取り付けられると、検知ローラ51の回転中心QAが基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ後方に位置する後配置となる。因みに右端から数えて奇数番目となる他の変位ユニット242(242C、…、242M)も、この変位ユニット242Aと同様に後配置となる。
一方、変位ユニット242Bは、フレーム241の領域241Bに取り付けられると、検知ローラ51の回転中心QBが基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ前方に位置する前配置となる。因みに右端から数えて偶数番目となる他の変位ユニット242(242D、…、242N)も、この変位ユニット242Bと同様に前配置となる。
このように厚み検知部123では、第1の実施の形態と同様、後配置の変位ユニット142A、142C、…、142Mと、前配置の変位ユニット142B、142D、…、142Nとが、左右方向に沿って交互に並べられた構成となっている。
[3−2.動作及び効果]
以上の構成において、第3の実施の形態による鑑別部214の厚み検知部223は、検知上部240において左右方向に並べる変位ユニット242A〜242Nを、交互に前後にずらすよう配置した。
具体的に検知上部240では、フレーム241を左右方向に関し変位ユニット242の幅に相当する領域ごとに、繰り返しクランク状に折り曲げたような形状とし、右端から奇数番目の各領域を偶数番目の各領域よりも距離2Sだけ後側に位置させた(図9)。
これにより厚み検知部223は、第1の実施の形態と同様、紙幣BLが搬送されてくる際に当該紙幣BLに生じる突入抵抗を従来の約半分に削減することができるので、紙幣BLを詰まらせる危険性を格段に低減させ、円滑に搬送しながらその厚みを適切に検知することができる。
特に厚み検知部223は、前配置又は後配置に関わらず、変位ユニット242を支持部材54も含めて全て同一部品により構成したため、第1の実施の形態のように複数種類の部品(支持部材54及び55)を用意する必要が無い。これにより厚み検知部223では、部品の共通化に伴う組立工程の簡略化や製造コストの削減を図ることができる。
その他の点についても、第3の実施の形態による厚み検知部223は、第1の実施の形態による厚み検知部23と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第3の実施の形態による鑑別部214の厚み検知部223は、検知上部240の右端から奇数番目の変位ユニット242において検知ローラ51の回転中心QAを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ後方に位置させ、偶数番目の変位ユニット242において検知ローラ51の回転中心QBを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ前方に位置させることにより、紙幣BLが搬送されてきた際に当該紙幣BLにより同時に持ち上げなければならない検知ローラ51の数を、全数の半分に削減した。これにより厚み検知部223は、紙幣BLが搬送されてくる際に当該紙幣BLに生じる突入抵抗を従来の約半分に削減することができるので、紙幣BLを詰まらせる危険性を格段に低減させ、円滑に搬送しながらその厚みを適切に検知することができる。
[4.第4の実施の形態]
第4の実施の形態による鑑別部314(図3)は、第1の実施の形態による鑑別部14と比較して、厚み検知部23に代わる厚み検知部323を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
[4−1.厚み検知部の構成]
厚み検知部323は、第1の実施の形態による厚み検知部23と比較して、検知上部40に代わる検知上部340を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
検知上部340は、図5(B)と対応する図10に示すように、第1の実施の形態における変位ユニット42A〜42Nに代わる変位ユニット342A〜342Nを有すると共に、第1の実施の形態と同様のフレーム41及び変位センサ43を有している。
変位ユニット342は、第1の実施の形態と同様、右端から数えて奇数番目の変位ユニット342(342A、342C、…、342M)と、右端から数えて偶数番目の変位ユニット342(342B、342D、…、342N)とで互いに一部の構成が異なっている。
変位ユニット342Aは、図4(A)と対応する図11(A)に示すように、第1の実施の形態における変位ユニット42Aと同様に構成されている。
このため変位ユニット342Aは、検知ローラ51の回転中心QAを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ後方に位置させた後配置となっている。また制御部21は、変位センサ43Aから得られる検出信号に比率gを乗じることにより、変位ユニット342Aにおける変位検出点TAの変位量を検知ローラ51の変位量に変換することができる。
因みに右端から数えて奇数番目となる他の変位ユニット342(342C、…、342M)も、この変位ユニット342Aと同様に構成されている。
一方変位ユニット342Bは、図4(B)と対応する図11(B)に示すように、変位ユニット342Aと比較して、ブラケット53に代わるブラケット353を有する点において相違する一方、支持部材54を介してフレーム41に取り付けられる点を含め、他の点において同様に構成されている。
ブラケット353は、ブラケット53と比較して、前後方向の長さが距離2S(例えば約1[mm])だけ長くなっている。
このため変位ユニット342Bは、検知ローラ51の回転中心QBを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ前方に位置させた前配置となっている。
ここで変位ユニット342B及び対応する変位センサ43Bにおいては、回動軸56の回動中心RBよりも検知ローラ51の回転中心QAまでの距離L3が変位ユニット342Aにおける距離L1から延長されており、また回動中心Rから変位検出点TBまでの距離L4も変位ユニット342Aにおける距離L2よりも延長されている。
しかしながら変位センサ43Bは、距離L4と距離L3との比率が距離L2と距離L1との比率である比率gと一致するよう、基板61に対する取付位置が調整されている。
このため制御部21は、変位ユニット342Aの場合と同様、変位センサ43Bから得られる検出信号に比率gを乗じることにより、変位ユニット342Bにおける変位検出点TBの変位量を検知ローラ51の変位量に変換することができる。
因みに右端から数えて偶数番目となる他の変位ユニット342(342D、…、342N)も、この変位ユニット342Bと同様に構成されている。
このように厚み検知部323では、第1の実施の形態と同様、後配置の変位ユニット342A、342C、…、342Mと、前配置の変位ユニット342B、342D、…、342Nとが、左右方向に沿って交互に並べられた構成となっている。
[4−2.動作及び効果]
以上の構成において、第4の実施の形態による鑑別部314の厚み検知部323は、検知上部340において左右方向に並べる変位ユニット342A〜342Nを、各検知ローラ51が交互に前後にずれるよう配置した(図10)。
具体的に検知上部340では、右端から奇数番目の変位ユニット342において、支持部材54をフレーム41に取り付け、当該支持部材54に対し回動軸56を中心に回動するブラケット53により検知ローラ51を回転可能に保持する。
これにより右端から奇数番目の変位ユニット342では、検知ローラ51の回転中心QAを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ後方に位置させる(図11(A))。
また検知上部340では、右端から偶数番目の変位ユニット342において、支持部材54をフレーム41に取り付け、当該支持部材54に対し回動軸56を中心に回動し、ブラケット53よりも距離2Sだけ前後に長いブラケット353により検知ローラ51を回転可能に保持する。
これにより右端から偶数番目の変位ユニット342では、検知ローラ51の回転中心QBを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ前方に位置させる(図11(B))。
かくして厚み検知部323は、第1の実施の形態と同様、紙幣BLが搬送されてくる際に当該紙幣BLに生じる突入抵抗を従来の約半分に削減することができるので、紙幣BLを詰まらせる危険性を格段に低減させ、円滑に搬送しながらその厚みを適切に検知することができる。
特に厚み検知部323は、ブラケット53及び353における前後方向の長さを相違させることにより変位ユニット342を前配置又は後配置に切り替えるようにした。これにより厚み検知部323では、第2の実施の形態のようにバックプレート155を別途用いる必要が無く、また第3の実施の形態のようにフレーム241を複雑な形状に加工する必要も無いため、製造工程を簡略化してコストの低廉化を図ることができる。
その他の点についても、第4の実施の形態による厚み検知部323は、第1の実施の形態による厚み検知部23と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第4の実施の形態による鑑別部314の厚み検知部323は、検知上部340の右端から奇数番目の変位ユニット342において検知ローラ51の回転中心QAを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ後方に位置させ、偶数番目の変位ユニット342において検知ローラ51の回転中心QBを基準ローラ31の回転中心Pよりも距離Sだけ前方に位置させることにより、紙幣BLが搬送されてきた際に当該紙幣BLにより同時に持ち上げなければならない検知ローラ51の数を、全数の半分に削減した。これにより厚み検知部123は、紙幣BLが搬送されてくる際に当該紙幣BLに生じる突入抵抗を従来の約半分に削減することができるので、紙幣BLを詰まらせる危険性を格段に低減させ、円滑に搬送しながらその厚みを適切に検知することができる。
[5.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、検知ローラ51の前後方向に関する位置の種類を前配置及び後配置の2通りとする場合について述べた(図4、図5)。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば図5(B)と対応する図12(A)に示すように、厚み検知部423において、基準ローラ31の回転中心Pに対し、検知ローラ51の回転中心Qを後側のQA、同位置(中央)のQB及び前側のQCといった3通りとしても良い。また本発明は、図12(B)に示すように、厚み検知部523において、基準ローラ31の回転中心Pに対し、大きく後側のQA、小さく後側のQB、小さく前側のQC及び大きく前側のQDといった4通りとするようにしても良い。さらにこれらの場合、基準ローラ31の回転中心Pに対し、各検知ローラ51の回転中心Qを前後にほぼ均等となるよう振り分けて配置する以外にも、前側又は後側に偏るように配置しても良い。
すなわち本発明では、要は紙幣BLの搬送方向である前後方向に関し、検知ローラ51を2以上の群に分けて各群の位置を相違させることにより、紙幣BLに同時に加わる突入抵抗を低減できれば良い。この場合、群の数を増やすに連れて各群に属する検知ローラ51の数を減少させることができるので、突入抵抗を小さくすることができ、紙幣BLの詰まりが発生する危険性をさらに小さくすることができる。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
また上述した第1の実施の形態においては、左右方向に関する変位ユニット42の順序を、前配置と後配置とを交互に並べるようにした場合について述べた(図5(B))。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば基準ローラ31の回転中心Pに対する検知ローラ51の回転中心Qの位置の種類が3通り以上である場合に、図12(A)に示したように右から順に「後側、中央、前側」の繰り返しとし、或いは右から順に「後側、中央、前側、中央、後側、…」のように、三角波を描くように前後を往復するように配置する等、他の種々の順序としても良い。また本発明は、例えば基準ローラ31の回転中心Pに対する検知ローラ51の回転中心Qの位置の種類が多数である場合に、右から順に「V」字を描くように前後を一往復するように配置しても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに本発明は、例えば図12(C)に示すように、厚み検知部623において右から順に「後配置、後配置、前配置、前配置、後配置、…」のように変位ユニット42を2個ずつに区切り、隣接する区切り毎に前配置と後配置とを相違させても良い。この場合、1の区切りに属する変位ユニット42の数は2以上の任意の値とすることができ、また区切り毎の変位ユニット42の位置を3通り以上に相違させるようにしても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1〜第4の実施の形態においては、支持部材54及び55の前後長を相違させ、バックプレート155を用い、フレーム241を屈曲させ、或いはブラケット53及び353の前後長を相違させることにより、各検知ローラ51の前後方向に関する位置を前配置と後配置とに相違させるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、種々の構成により各検知ローラ51の前後方向に関する位置を前配置と後配置とに相違させるようにしても良い。この場合、各検知ローラ51が上下方向、すなわち搬送路Wと離接する方向に揺動可能であり、且つその変位量を変位センサ43により検出できれば良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、支持部材55に識別突起55Xを形成するようにした場合について述べた(図4、図5)。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば支持部材55又は54のいずれか一方に種々の形状の窪みを形成し、或いは文字、図形や記号等を刻印し、或いは着色し、若しくは色の異なる材料により構成する等しても良く、要は組立等の作業を行う作業者に対し視覚や触覚等により支持部材54及び55を容易に識別させることができれば良い。第4の実施の形態におけるブラケット53及び353についても同様である。
さらに上述した第3の実施の形態においては、平坦な板状部材を適宜屈曲することによりフレーム241(図9)を形成するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えばある程度の厚みを有する直方体状の部材に切削加工を施し、或いは鋳造を利用する等、種々の製法によりフレーム241を形成するようにしても良い。
さらに上述した第4の実施の形態については、各変位ユニット342においてフレーム41に支持部材54を取り付け、当該支持部材54に対し回動軸56を介してブラケット53又は353を回動可能に支持するようにした場合について述べた(図10、図11)。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば図10と対応する図13に示すように、厚み検知部723において、フレーム41の左右両端から前方へ支持部材754をそれぞれ延設し、この支持部材754により左右方向に長い回動軸756を左右の両端で支持するようにしても良い。この場合、回動軸756に全てのブラケット53及び353を交互に挿通することにより、それぞれを自在に回動させることができる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、変位ユニット42を左右方向に14個並べて配置するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、変位ユニット42の数を、例えば4個や20個等、2以上の任意数としても良い。この場合、変位ユニット42の数を増加させると紙幣BLにおけるより多くの部分についてきめ細かく厚みを検知することが可能となり、反対に変位ユニット42の数を減少させると厚み検知部23の構成を簡素化することができる。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、基準ローラ31を左右方向に長い1本の円環状に形成し、この1本の基準ローラ31を14個の検知ローラ51とそれぞれ対向させるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば左右方向の長さが1個の検知ローラ51に相当する短い円環状の基準ローラを14個並べて配置し、或いは左右方向の長さが2個の検知ローラ51に相当する短い円環状の基準ローラを7個並べて配置する等、左右方向の長さが様々な基準ローラを複数個並べて配置することにより、14個の検知ローラ51それぞれをいずれかの基準ローラと対向させるようにしても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、変位センサ43を用いることにより磁気を利用してブラケット53の変位検出点TA及びTBの変位量を検出するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば光センサ等の種々のセンサを用いて変位検出点TA及びTBの変位量を検出するようにしても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、鑑別部14内に前後方向に沿った搬送路Wを形成して紙幣BLを前後方向へ搬送するようにした上で、搬送路Wの下側に基準ローラ31を配置し、上側に検知ローラ51を配置するようにした場合について述べた(図3、図4)。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば搬送路Wの上側に基準ローラ31を配置し、下側に検知ローラ51を配置するようにしても良い。また紙幣BLの搬送方向については、前後方向に限らず、左右方向や上下方向であっても良い。この場合、基準ローラ31と検知ローラ51とが搬送路Wを挟んで互いに対向するように配置されていれば良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、前配置の場合及び後配置の場合の双方において、回動軸56の回動中心RA(RB)から変位検出点TA(TB)までの距離L2と回動中心RA(RB)から検知ローラ51の回転中心QA(QB)までの距離L1との比率gを統一するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、前配置の場合及び後配置の場合の双方において、回動軸56の回動中心RA(RB)から変位検出点TA(TB)までの距離と回動中心RA(RB)から検知ローラ51の回転中心QA(QB)までの距離との比率を相違させるようにしても良い。この場合、制御部21において変位センサ43の検出信号に対しそれぞれの比率を乗じることにより検知ローラ51の変位量に変換することができる。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、案内部27における案内板71の後端部分及び案内部28における案内板81の前端部分を検知ローラ51の配置に応じて切り欠かれたような折れ線状若しくは矩形波状に形成するようにした場合について述べた(図6)。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば案内部27における案内板71の後端部分及び案内部28における案内板81の前端部分を案内板72及び82と同様の一直線状に形成しても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、現金自動預払機1において紙幣BLの厚みを検知する厚み検知部23に本発明を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば印刷機や複写機等、内部で紙葉状の媒体を搬送する装置において当該媒体の厚みを検知する厚み検知部に本発明を適用するようにしても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、基準ローラとしての基準ローラ31と、検知ローラとしての検知ローラ51と、押付部としてのコイルスプリング58と、変位検出部としての変位センサ43と、位置相違部としての支持部材54及び55とによって厚み検知装置としての厚み検知部23を構成する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる基準ローラと、検知ローラと、押付部と、変位検出部と、位置相違部とによって厚み検知装置を構成するようにしても良い。
本発明は、紙幣のような紙葉状の媒体の厚みを検出する種々の装置でも利用できる。
1……現金自動預払機、14……鑑別部、20……筐体、21……制御部、22……搬送部、23、123、223、323……厚み検知部、27、28……案内部、30……検知下部、31……基準ローラ、40、140、240、340……検知上部、41、241……フレーム、42、142、242、342……変位ユニット、43……変位センサ、51……検知ローラ、53、353……ブラケット、54、55……支持部材、56……回動軸、58……コイルスプリング、71、72、81、82……案内板、155……バックプレート、BL……紙幣、W……搬送路、P、QA、QB……回転中心、RA、RB……回動中心。

Claims (14)

  1. 紙葉状の媒体が搬送される搬送路に周側面を当接させるよう当該搬送路からの距離が固定され、回転可能な基準ローラと、
    上記搬送路を挟んで上記基準ローラの反対側に、それぞれの周側面を当該基準ローラと対向させて上記搬送路の幅方向に沿って並ぶよう配置され、上記搬送路と離接する離接方向へそれぞれ揺動可能であり回転可能な複数の検知ローラと、
    上記複数の検知ローラを上記基準ローラへ向けてそれぞれ押し付ける複数の押付部と、
    上記複数の検知ローラにおける上記離接方向への変位量をそれぞれ検出する複数の変位検出部と、
    上記搬送路において上記媒体が搬送される搬送方向に関し、上記複数の検知ローラの位置を少なくとも2通りに相違させる位置相違部と
    を具えることを特徴とする厚み検知装置。
  2. 上記位置相違部は、
    上記搬送方向に関し、上記基準ローラの一方及び他方に上記複数の検知ローラを分配させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の厚み検知装置。
  3. 上記位置相違部は、
    隣接する上記検知ローラ同士における上記搬送方向の位置を互いに相違させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の厚み検知装置。
  4. 上記位置相違部は、
    上記幅方向に沿って並ぶ複数の上記検知ローラを3以上の任意数ごとに区切り、各区切り内における各検知ローラの上記搬送方向に関する位置を、上記幅方向に沿って上記基準ローラの一方から他方へ順次変位するよう相違させる
    ことを特徴とする請求項3に記載の厚み検知装置。
  5. 上記位置相違部は、
    上記幅方向に沿って並ぶ複数の上記検知ローラを3以上の任意数ごとに区切り、各区切り内における各検知ローラの上記搬送方向に関する位置を、上記幅方向に沿って上記基準ローラの一方から他方へ順次変位した後、再び一方へ順次変位するよう相違させる
    ことを特徴とする請求項3に記載の厚み検知装置。
  6. 上記位置相違部は、
    上記幅方向に沿って並ぶ複数の上記検知ローラの上記搬送方向に関する位置を、上記幅方向に沿って上記基準ローラの一方から他方へ順次変位した後、再び一方へ順次変位するよう相違させる
    ことを特徴とする請求項5に記載の厚み検知装置。
  7. 上記位置相違部は、
    上記幅方向に沿って並ぶ複数の上記検知ローラを2以上の任意数毎に区切り、隣接する当該区切り毎に上記搬送方向に関する位置を相違させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の厚み検知装置。
  8. 上記複数の検知ローラをそれぞれ上記離接方向へ揺動可能且つそれぞれ回転可能に保持し、所定の取付箇所から当該検知ローラまでの距離が互いに同等に揃えられた複数のブラケットと、
    上記複数のブラケットを上記搬送路の幅方向に沿って並べて取り付けるフレームと
    をさらに具え、
    上記位置相違部は、
    上記ブラケットの上記取付箇所と上記フレームとの間に挟まれる複数の挟持部材であって、当該挟持部材同士で上記搬送方向に関する上記取付板と上記ブラケットとの距離が少なくとも2通りに相違する
    ことを特徴とする請求項1に記載の厚み検知装置。
  9. 上記複数の検知ローラをそれぞれ上記離接方向へ揺動可能且つそれぞれ回転可能に保持し、所定の取付箇所から当該検知ローラまでの距離が互いに同等に揃えられた複数のブラケット
    をさらに具え、
    上記位置相違部は、
    上記ブラケットの上記取付箇所がそれぞれ取り付けられる被取付箇所が上記搬送路の幅方向に沿って複数配置されたフレームであって、各被取付箇所の上記搬送方向に関する位置が少なくとも2通りに相違する
    ことを特徴とする請求項1に記載の厚み検知装置。
  10. 上記複数の検知ローラを上記搬送路の幅方向に沿って並べて配置するためのフレーム
    をさらに具え、
    上記位置相違部は、
    上記検知ローラをそれぞれ上記離接方向へ揺動可能且つそれぞれ回転可能に保持し、上記フレームに対し所定の取付箇所を介して取り付けられる複数のブラケットであって、各ブラケットの上記搬送方向に関する上記取付箇所から当該検知ローラまでの距離が少なくとも2通りに相違する
    ことを特徴とする請求項1に記載の厚み検知装置。
  11. 上記複数の検知ローラを上記搬送路の幅方向に沿って並べて配置するためのフレームと、
    上記フレームに対し所定の回動軸を中心に回動することにより上記検知ローラをそれぞれ上記離接方向へ揺動させると共に、当該検知ローラをそれぞれ回転可能に保持する複数のブラケットと
    をさらに具え、
    上記複数の変位検出部は、
    上記複数のブラケットに設けられた検出点における上記離接方向への変位量をそれぞれ検出すると共に、上記回動軸から上記検知ローラまでの距離L1と上記回動軸から上記検出点までの距離L2との比率が互いに同等に揃えられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の厚み検知装置。
  12. 上記基準ローラは、
    1本のローラとして構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の厚み検知装置。
  13. 上記基準ローラは、
    複数のローラとして同軸上に構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の厚み検知装置。
  14. 上記搬送路と略平行な搬送面を有し、当該搬送面における上記検知ローラ側の端部が上記検知ローラの配置に応じて切り欠かれた案内部
    をさらに具えることを特徴とする請求項1に記載の厚み検知装置。
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