JP2014058183A - 車両用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】クッションパッドの内部に配置される着座センサーをしっかりと支持して良好な感度を得る。
【解決手段】着座者からの荷重を受けて撓むことのできる弾性を有するクッションパッド20には、その高さ方向の中間位置に着座者の有無を検知できるセンサー40が設けられている。またクッションパッド20のうち、このセンサー40の上の部分は発泡樹脂体23から構成され、下の部分はこの発泡樹脂体23よりも弾性率の大きい高弾性体21から構成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両用シートに関する。
車両に備え付けられるシートにおいて、乗員が着座するシートクッションに用いられるクッションパッドに着座者の有無を検知することのできる着座センサーが設けられることがある。例えば、下記特許文献1に開示されているクッションパッドには、その内部に感圧式のシート状のセンサーが埋め込まれている。パッドの組立工程において、このセンサーはパッドの底面に設けられた穴の天井に取り付けられ、センサーの下に穴を塞ぐブロック状のピースが嵌め込まれる。このとき嵌め込まれるピースは、パッドのその他の部分と同じ素材からなるものとされている。
特開平11−034710号公報
上述のようにセンサーをパッドの内部に配置することで、一般的にはノイズによる誤検出が発生しにくくなる効果が期待される。しかしながら、センサーの下の部分のパッドを上の部分と同じ素材とすると、センサー自体をしっかりと支持することができずセンサーの良好な感度が得られないことがあり得る。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、クッションパッドの内部に配置される着座センサーをしっかりと支持して良好な感度を得ることにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る車両用シートは次の手段をとる。
本発明の第1の発明に係る車両用シートは、着座者からの荷重を受けて撓むことのできる弾性を有するクッションパッドを備えるものであって、このクッションパッドには、その高さ方向の中間位置に着座者の有無を検知できるセンサーが設けられている。またクッションパッドには、このセンサーの上部よりも弾性率の大きい高弾性体がセンサーの下部に配置されている。この構成によれば、センサーの下に設けられた高弾性体によりセンサーがしっかりと支持される。したがって、クッションパッドの高さ方向の中間位置に設けられるセンサーの感度を良好なものとすることができる。
本発明の第2の発明に係る車両用シートは、第1の発明に係る車両用シートであって、センサーが高弾性体の上面に固定されている。この構成によれば、クッションパッドの発泡成形前にセンサーと高弾性体とをサブアセンブリ化して、クッションパッドを成形する型内においてセンサーをより正確に位置決めすることができる。
本発明の第3の発明に係る車両用シートは、第1または第2の発明に係る車両用シートであって、高弾性体がクッションパッドの他の部位と一体的に結合している。この構成によれば、高弾性体がクッションパッドの他の部位に追従して変形することができる。
本発明によれば、クッションパッドの高さ方向の中間位置に設けられる着座センサーの感度を良好なものとすることができる。
シートの正面図である。 本実施形態に係るクッションパッドの平面図である。 図2のクッションパッドのIII−III線で切断した断面図である。 網状構造体にセンサーを固定してサブアセンブリするステップを示す図である。 網状構造体とセンサーのサブアセンブリを成形型に固定するステップを示す図である。 型内に発泡樹脂の原料を流し込んで発泡させ、発泡樹脂体と高弾性体とを形成するステップを示す図である。
本発明を実施するための一つの形態について、図面を参照しながら以下に説明する。車両用のシート10は、図1に示されるように、車両の乗員が着座するシートクッション11と、着座者の背凭れとなるシートバック13と、着座者の頭部を支持するヘッドレスト15とを備える。シートバック13は、シートクッション11の後端部に連結される。シートクッション11は、骨格を成すフレーム(図示せず)と、フレームに取り付けられるクッションパッド20と、クッションパッド20に被せられるカバー30とを備える。
クッションパッド20は、所定の厚みを有するパッド状に形成された適度なクッション感を呈するクッション体であり、着座者による荷重を受けて撓みつつ、弾性により反力を発揮して着座者を支持する。クッションパッド20は、図2に示されるように、シート幅方向における中央を占めるメイン部20Mと、左右の両部分を占めるサイドサポート部20Sとを有する。
図3の断面図に示されるように、クッションパッド20のメイン部20Mの厚み(高さ方向)の中間位置には、シートへの着座者の有無を検知することのできるセンサー40が設けられている。このセンサー40としては、例えば、平行に配置された膜状の電極の機械的接触を利用した感圧センサーを利用するのが好適である。このようにセンサー40がクッションパッド20の厚みの中間位置に設けられていることで、センサー40の上の部位のクッションパッド20によって振動等のノイズがある程度吸収されて、センサー40の誤検出が発生しにくくなる。したがって、検出誤差を考慮しつつシートの着座者の有無を判定するECUのプログラムを簡素化することができ、結果的にセンサー40をシートに装備するために要するコストを抑えることができる。
クッションパッド20内においてセンサー40が水平方向に広がる範囲は図2の平面図において破線で示されている。また、センサー40は配線とその端に設けられたコネクタ(いずれも図示せず)を有しており、コネクタがクッションパッド20の表面に現れるように配線がクッションパッド20内に配索されている。
クッションパッド20のうちセンサー40の下の部位は、図3に示されるように、ブロック状の高弾性体21によって構成されている。センサー40は高弾性体21の上面に載った状態となっている。クッションパッド20のうちこの高弾性体21の部位以外の部分は、一般的なクッションパッドの素材として用いられるポリウレタンフォーム等の発泡樹脂体23によって構成されている。高弾性体21はこの発泡樹脂体23よりも(すなわち相対的な意味で)弾性率が高い弾性体とされる。また、高弾性体21は発泡樹脂体23よりも硬度が大きいことが望ましい。
このようにセンサー40の上の部位よりもセンサー40の下の部位のほうが弾性率が高く設定されることから、センサー40の下に設けられた高弾性体21によりセンサー40がしっかりと支持される。したがって、クッションパッドの高さ方向の中間位置に設けられるセンサー40の感度を良好なものとすることができる。
本実施形態では特に、三次元網状構造体70の空隙に発泡樹脂が充填された複合的な構造体によって上記の高弾性体21が構成される。ここで言う三次元網状構造体70とは、連通した空隙を形成しつつ三次元的に広がる網目状の構造を有する構造体である。この構造体は、網目状の構造の変形を伴って弾性を発揮する。さらに、この網目状構造の空隙中に上記のようにして発泡樹脂が含浸することによって、網目状構造による弾性に加えて充填された発泡樹脂の弾性も加わる。この複合体総体としての弾性率が発泡樹脂体23の弾性率よりも高いものとなるよう、網状構造体70と発泡樹脂双方の弾性率が設定される。
三次元網状構造体70には、例として熱可塑性樹脂の線条からなる繊維構造体を用いることができる。この繊維構造体は、熱可塑性樹脂の線条が多数のループを形成しつつ三次元的に無秩序に絡み合っており、線条の接触部が熱により互いに接着している構造体である。熱可塑性樹脂材料としては、ポリエステル、ポリエーテル等の一般的なものを用いることができる。熱可塑性樹脂の線条は、押し出し成形により連続的に成形することができ、断面の大きさ、形状、中空と中実の別、等の形態を変更することができる。この線条により多数形成される無秩序なループが等方的な三次元ばね構造を形成し、多数のループが各々撓み変形することにより構造体の全体的な弾性を呈する。上記の線条の断面の形態を変更することによるほか、三次元的に広がる線条の見かけの密度を変更することにより、弾性率を調節することができる。
以上のような形態を有するクッションパッド20は、例えば以下に説明するステップに従って製造することができる。まず最初のステップで、三次元網状構造体70を、センサー40の下に設けるべき高弾性体21の形状に形成する。この工程には切断や熱プレスを利用することができる。次のステップで、図4に示されるように網状構造体70の上面70Uにセンサー40を固定する。固定には両面に粘着面を有する両面テープ50を利用するのが簡便である。これで、網状構造体70とセンサー40とがサブアセンブリされた状態となる。
次のステップで、網状構造体70とセンサー40のサブアセンブリ(部分組立体)を、図5に示されるようにクッションパッドを発泡成形する型60の成形面60Sに固定する。型60に設けられた位置決めピン61を網状構造体70を下面に差し込むことにより、サブアセンブリが所定の位置に位置決めされる。位置決めピン61には網状構造体70の抜け防止のための鉤が設けられており、同図に示されるような上型の下向きの成形面60Sに網状構造体70を固定することができる。
このようにクッションパッドの発泡成形前に予めセンサー40と網状構造体70とをサブアセンブリ化しておくことにより、センサー40の位置決めやセンサー40に続く配線を取り回す作業性を、少なくともセンサー40を発泡成形後のクッションパッドに取り付ける場合よりも良好にすることができる。またこのサブアセンブリ化により、網状構造体70を介してセンサー40をより正確に型60内において位置決めすることができる。
最後のステップで、型締めをした型60内に発泡樹脂の原料を流し込んで所定の条件で発泡させる。図6に示されるように、網状構造体70が配置されていない領域では、本実施形態の発泡樹脂体23が形成される。これと同時に、発泡樹脂原料は網状構造体70の空隙の中にも浸透(含浸)しつつ発泡し、これによって網状構造体70は内部に発泡樹脂が充填された本実施形態の高弾性体21となる。また、これによって高弾性体21は周囲の発泡樹脂体23と連続に結合した状態で形成される。したがって、高弾性体21と発泡樹脂体23は荷重を受けたときの撓みが両者の界面にて連続し、互いに追従しながら変形することが可能となる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その他各種の形態で実施できるものである。例えば、発泡樹脂体23の部位と高弾性体21の部位を別体で形成し、その後に両者を互いに組み付けることもできる。この場合、両者は界面で接着等により結合してもしなくてもよい。また、高弾性体21は、周囲の発泡樹脂体23と弾性率の異なる発泡樹脂体としても良い。発泡樹脂体の弾性率は、例えば発泡樹脂の組成や密度を調節することにより変化させることができる。
クッションパッドは、センサー40の下以外の部分に別の高弾性体を有するものであってもよい。ただし、この別の高弾性体は着座者の座骨(特に座骨結節)を受ける部位を避けて配置することが望ましい。例として、高弾性体は前側が開いた蹄鉄形(U字形)を有する屈曲した棒状に形成し、座骨を受ける部位を囲うように配置することができる。これにより、クッションパッド20に受けた荷重を高弾性体によってしっかりと支持することができ、パッドの厚みが薄くても着座者が受け得る底付き感を緩和することができる。なおこの別の高弾性体は、センサー40の下に設けられる高弾性体21と一体的に形成することができる。
10 シート
11 シートクッション
20 クッションパッド
21 高弾性体
23 発泡樹脂体
40 センサー
50 両面テープ
60 型
61 位置決めピン
70 三次元網状構造体

Claims (3)

  1. 着座者からの荷重を受けて撓むことのできる弾性を有するクッションパッドを備える車両用シートであって、
    前記クッションパッドには、その高さ方向の中間位置に着座者の有無を検知できるセンサーが設けられており、
    該センサーの上部よりも弾性率の大きい高弾性体が該センサーの下部に配置されていることを特徴とする車両用シート。
  2. 請求項1に記載の車両用シートであって、前記センサーは前記高弾性体の上面に固定されていることを特徴とする車両用シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用シートであって、前記高弾性体はクッションパッドの他の部位と一体的に結合していることを特徴とする車両用シート。
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