JP2014057770A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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浩章 乾
Takeshi Gamo
健 蒲生
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Abstract

【課題】共振回転速度通過時にはドラムの振動を最小限に抑えることができるドラム式洗濯機を提供すること。
【解決手段】ドラム3と一体に設けられた環状形状でなるレース17と、レース17の内部で移動自在に収容された複数のバランス体8とを有するバランシング手段30と、衣類の偏心量を検知する偏心量検知手段21と、モータ4等を制御する制御手段6とを備え、制御手段6は、ドラム3内の洗濯物にかかる重力が遠心力より小さく、かつ、バランス体8が回転することなくドラム3の下部で留まる回転速度にて回転させた状態で、偏心量検知手段21により検知した偏心量を基に、共振回転速度までのドラム3の立ち上げ方を決定するようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、弾性的に支持された水槽内に洗濯物を収容して回転可能なドラムを備え、そのドラム内で洗濯物の洗い、すすぎ、脱水を行うドラム式の洗濯機に関する。
一般的に、水平または傾斜した回転軸を有するドラム式洗濯機の脱水工程において、しばしば洗濯物がドラム内で不均一な状態、すなわち偏心な状態になる。その結果、脱水中に回転軸には偏った力が加わり、振動が発生する。振動の振幅は回転ドラムの回転速度の2乗に比例して増大する。その振動のために洗濯機自身が移動したり、また、騒音が激しいためにある回転速度以上では運転することができなくなってしまうなどの問題が発生する。
洗濯物の偏心による振動を低減するために、金属球(以降、ボールと呼ぶ)を使用したボールバランサシステムがある。ボールバランサは、ドラムの内周に取り付けた管状のレース部内に、回転方向(周方向)に自由度をもつ複数のボールを備えている。ボールバランサは、偏心荷重を生じさせる偏心体に対して自動的にボールが対向位置に移動する力学現象を利用したバランス装置である。
また、ドラムの正面側にボールを配置したシングルボールバランサの他に、ドラムの正面側及び底面側の2箇所に、複数のボールを配置したダブルボールバランサも知られている(例えば、特許文献1参照)。これらは原理的には同じである。すなわち、どちらのボールバランサも、脱水工程において経時的に変化する洗濯物の偏心量に刻一刻と対応して、複数のボールが位置を変え、自動的に偏心を修正する仕組みである。
特許文献1において、第1の回転速度を共振回転速度以下の回転速度で回転し、所定の時間、ボールが偏心荷重に対して同相位置に移動して、その同相位置で維持する。その後、ドラムは同相位置で停止状態からゆるやかに加速して、共振回転速度を通過する。これにより、ボールが自動バランシングの原理により自動的に偏心の対向位置に移動することで振動を抑制している。
また、ドラムの回転を共振回転速度の高速側近傍である過渡振動回転速度領域の上限まで上昇させた後、偏心の打ち消す方向にボールを移動させるために、ドラムの回転速度を不連続な回転速度に微小変化させてドラムを制御している(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−125083号公報 特開2011−125401号公報
しかしながら、従来の構成では、ドラムの回転数が共振回転速度よりも低い状態では、ボールは偏心と同相位置に存在する。このため、ボールは逆に偏心として働くため、共振回転速度を通過するときには振動が大きくなることがあるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、偏心に対してボールが振動抑制効果を得られるようにドラムを立ち上げることによって、共振回転速度通過時にはドラムの振動を
最小限に抑えることができるドラム式洗濯機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のドラム式洗濯機は、水平軸または傾斜した回転軸にて回転可能に支持された有底円筒状のドラムと、前記ドラムを収容する水槽と、前記ドラムを駆動する駆動モータと、前記ドラムと一体に設けられた環状形状でなるレースと、前記レースの内部で移動自在に収容された複数のバランス体を有するバランシング手段と、衣類の偏心量を検知する偏心量検知手段と、前記モータを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ドラム内の洗濯物にかかる重力が遠心力より小さく、かつ、前記バランス体が回転することなく前記ドラムの下部で留まる回転速度にて回転させた状態で、前記偏心量検知手段により検知した偏心量を基に、共振回転速度までの前記ドラムの立ち上げ方を決定するようにしたものである。
これにより、衣類の偏心量の大小にかかわらず最適な立上げを行うことができるため、共振回転速度通過時にはドラムの振動を抑えることができる。
本発明のドラム式洗濯機は、偏心に対してボールが振動抑制効果を得られるようにドラムを立ち上げることができるため、共振回転速度におけるドラムの振動を最小限に抑制することができる。
本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の要部断面図 本発明の実施の形態1におけるボールバランサの概略図 本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の制御ブロック図 本発明の実施の形態1における回転速度のシーケンスを表す図 本発明の実施の形態1における回転速度のシーケンスを表す図 本発明の実施の形態1におけるボールの分散工程を表す図 本発明の実施の形態2におけるドラム回転時のモータ電流値を示す図 従来のドラム式洗濯機を示す図
第1の発明のドラム式洗濯機は、水平軸または傾斜した回転軸にて回転可能に支持された有底円筒状のドラムと、前記ドラムを収容する水槽と、前記ドラムを駆動する駆動モータと、前記ドラムと一体に設けられた環状形状でなるレースと、前記レースの内部で移動自在に収容された複数のバランス体を有するバランシング手段と、衣類の偏心量を検知する偏心量検知手段と、前記モータを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ドラム内の洗濯物にかかる重力が遠心力より小さく、かつ、前記バランス体が回転することなく前記ドラムの下部で留まる回転速度にて回転させた状態で、前記偏心量検知手段により検知した偏心量を基に、共振回転速度までの前記ドラムの立ち上げ方を決定するようにしたものである。
この構成により、ドラムは回転するが、バランス体はドラム下部で留まり共回りしない状態にすることができる。この状態では、ドラムの揺れはドラムと共に回転する衣類の偏心により起こるものであり、ドラムの振動変動から衣類のみの偏心量を精度よく検知できるため、偏心量に応じて決まるドラムの立上げ方の判定精度が高まり、共振回転速度通過時のドラムの振動を最小限に抑えることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の偏心量検知手段は、水槽の振動を検知する振動検知手段と、前記振動検知手段により検知した振動値を解析するとともに、前記モータ等を制
御する制御手段を備えたものである。
この構成により、洗濯物の偏心量が小さく水槽の振れが小さい場合でも、確実に振動値を計測することができるため、測定した水槽の振動値から精度よく偏心量を判定することができる。よって、その偏心量の大小によって決定するドラムの立上げも確実に行うことができ、結果として共振回転速度通過時のドラムの振動を抑えることができる。
第3の発明は、特に、第1の発明の偏心量検知手段は、駆動モータの電流を検知する電流検知手段と、前記電流検知手段により検知した電流値を解析するとともに、前記駆動モータ等を制御する制御手段を備えたものである。
この構成により、ドラム回転時の衣類の偏心量と、衣類の偏心位置とバランス体との相対位置を検知できるため、特に衣類の偏心位置に対向する位置でバランス体を立ち上げることが可能となり、共振回転速度通過時のドラムの振動を最小限に抑えることができる。
第4の発明は、特に、第1ないし第3の発明の制御手段は、前記偏心量検知手段による出力から前記洗濯物の偏心量を判定し、前記洗濯物の偏心量が多い時に、前記電流検知手段により前記駆動モータの電流を検知し、前記電流に基づいて前記バランス体と前記洗濯物の偏心量とが逆位相になるように制御し、前記洗濯物の偏心量が少ない時に、前記ドラムが加速・減速を繰り返すようにしたものである。
この構成により、衣類の偏心量の大小にかかわらず、共振回転速度通過時の水槽の振動を常に最少に抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本案が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の要部断面図である。ドラム式洗濯機1の内側には、有底円筒状の水槽2が収容されている。水槽2の内部には有底円筒状のドラム3が収容されている。ドラム式洗濯機1の正面側には、水槽2の開口部2aを通してドラム3内に通じる開口部3aが設けられている。ドラム3は、ドラム3を回転支持する回転軸31が正面側から底面側に向けて下向きに傾斜して配置されている。水槽2は開口部2aを正面側とし、ドラム3に沿うように傾斜配置されている。回転軸31を傾斜させることで、水槽2の前面側の開口を上側に配置することができるようになり、大きく屈む姿勢をとることなくドラム3内の洗濯物13が取り出せるようになる。また、回転軸31を水平方向とした場合に比べ、水槽2内に給水された水が背面側に溜まって、少ない水量でも深い貯水状態が得られる。すなわち、少ない給水量でも13が含水しやすくすくなる。水槽2はバネ10とダンパ5によって支持されている。なお、洗濯物13の取り出しやすさや給水量を考慮しなければ、回転軸31は水平であってもよい。
ドラム3の内部には洗濯物13を持ち上げて落とすことができるバッフル16が設けられている。ドラム3が回転駆動することにより、バッフル16によって持ち上げられた洗濯物13は、ドラム3の上部から水面に叩きつけられ、叩き洗い(機械力)によって洗浄がなされる。さらに、ドラム3には複数の透孔15が設けられている。透孔15を介して水槽2からドラム3内に通水および通気ができる。
また、開口部3aには扉7が開閉自在に設けられている。水槽2の開口部2aは、その口縁に環状のシール材が装着されている。シール材の前面側は扉7の背面側に当接して密閉し、上下左右、前後に揺動する水槽2の開口2aが動いても、シール材が変形し扉7背
面側へ押圧するので密閉性が維持されている。
ドラム3の前面側には、ボールバランサ(バランシング手段)30が設けられている。図2は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機1のボールバランサ30の概略図である。ボールバランサ30は、ドラム3の正面側に配置された管状容器(レース)17と、管状容器17内を移動可能な金属からなるボール8(バランス体)と、管状容器17内に貯留される粘性流体18と気体層33(空気)とを有している。リング状となる管状容器17はドラム3と軸線を一致するように設置されている。ボール8の動きを制御するために、管状容器17の内部には粘性流体18が貯留されている。本実施の形態1ではシリコンオイルを用いている。なお、マシン油その他の粘性のある液体であっても同様の効果が得られることから、シリコンオイルに限定するものではない。
ドラム式洗濯機1の内部で水槽2の下方には、ドラム3を回転駆動するための駆動モータ4が取り付けられている。駆動モータ4の回転駆動が、ベルト23を介してドラム3の同一軸に設けられたドラムプーリ24に伝達される。これにより、駆動モータ4がドラム3を回転駆動する。なお、本実施の形態ではベルト駆動のモータで説明しているが、ドラムを直接駆動するダイレクトモータ方式としてもよい。
ドラム式洗濯機1の上部には、給水弁11が設けられている。給水弁11からの水は洗剤ケース9に流れ込み、洗剤を溶かしながら水槽2内に供給される。すすぎ工程においては、洗剤ケース9を介しても洗剤ケース9内には洗剤がないので、洗剤成分を含まないすすぎ水が給水される。また、ドラム式洗濯機1の下部には、排水ポンプ19が設けられており、排水ポンプ19を駆動させることで、水槽2内の洗浄水やすすぎ水が排水される。なお、本実施の形態では排水ポンプ19によって、水槽2内の洗浄水やすすぎ水を排水することとしたが、排水弁としてもよい。
次に、駆動モータ4等を制御し、洗い、すすぎ、脱水等の工程を制御する制御手段6の詳細を図3により説明する。図3は本発明の実施形態1におけるドラム式洗濯機の制御ブロック図である。制御手段6は、給水弁11、排水ポンプ19や駆動モータ4の駆動の指示はもちろん、偏心量検知手段21や水位センサ(図示せず)など各種センサ出力を含め、すべての入出力制御をタイマーで管理できるシステムを具備しており、各動作、タイミングにおける所要時間を知ることができる。
衣類の偏心量検知手段21は、水槽2の天面に設けられ、水槽2の振動を検知する振動検知手段を含む。制御手段6は偏心量検知手段21から得られた振動波形を解析して衣類の偏心量を決定する。偏心量検知手段21は、洗い、すすぎ、脱水の一連の工程における水槽2の振動を検知する。偏心量検知手段は、少なくとも一つの加速度センサを有し、水槽2の上下方向、左右方向、前後方向のうちの少なくとも一つの方向の振動を検知している。なお、加速度センサとしては、半導体加速度センサ、圧電型加速度センサなどのいずれでも良く、さらに多軸(2軸もしくは3軸)方向の加速度センサあるいは変位センサでも良い。
また、ドラム3内で回転する衣類の偏心位置の検知は、駆動モータ4に印加する電流を電流検知手段22によって検知される。制御手段6は得られた値と位相から衣類の偏心位置を求めることができる。制御手段6は、洗濯物13の偏心位置と偏心量を判定しドラム3を立ち上げるように駆動モータ4に指令を出している。制御手段6はハードウェア構成として、CPU、メモリ、ドライバ回路などを具備した電気回路であり、制御手段6内のメモリに記憶させたプログラムに従って、駆動モータ4などの周辺機器を動かしている。
以上のように構成されたドラム式洗濯機の脱水工程について、以下、その動作、作用に
ついて図4〜7を用いて説明する。図4、図5は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の回転速度のシーケンスとボール、偏心の様子を表す図である。図6は、本発明の実施の形態1におけるボールの分散工程を表す図である。
まず、ドラム式洗濯機1が排水後に脱水を行う場合、制御手段6の指令により駆動モータ4に駆動電圧を印加させる。駆動モータ4を低速回転から高速回転に動作させ、ドラム3の回転速度を徐々に上昇させる。このとき、駆動モータ4が永久磁石同期モータであるため、駆動モータ4のロータ位置を検知する。これにより、駆動モータ4の脱調を防止することで安全、かつ高速に回転速度を上昇させることができる。
次に、制御手段6は、洗濯物13やボール8にかかる重力がドラム3の回転による遠心力より小さい回転速度でドラム3を回転させる。ドラム3の回転は洗濯物13がドラム3の内壁に貼りつく回転速度に設定される。この状態では、レース17内にあるボール8は、レース17内の粘性流体18に引きずられる形でドラム3の回転方向に沿って若干移動するが、ドラム3と共に回転せずにレース17内で留まっている。上記ボールを管状容器内で留めるためには、洗濯物13の張り付くドラム回転数において、ボール8の密度と直径と個数で決定される自重と、任意の粘度と比重を有する粘性流体18がボール8とレース17内面との隙間を通過するときの粘性抵抗力およびボール8とレース17との摩擦力とが釣合うことが必要である。この状態では、ドラム3そのものの回転偏心を極小とすれば、ドラム3に張付いた洗濯物に起因する偏心のみが、水槽2を揺らし、かつ駆動モータ4の駆動電流の変動要因となる。
よって上記ボール8がドラム下方に留まっている状態で、偏心量検知手段21は水槽2の振動変位を検知し、制御手段6によって解析することで、衣類のみの偏心量を得ることができる。
このようにこの回転速度でドラム3を回転すると、洗濯物13の偏りが形成しやすく、かつ、ドラム3の一回転(一周期)内で洗濯物13の偏りによる偏心位置や偏心量を検知することが可能なため、本実施例では80rpmとしている。
次に、偏心のドラム3周方向の位置検知について説明する。本実施では、駆動モータ4に印加する電流値(トルク電流)と位相を電流検知手段22によって検知しモニターしている。衣類の偏心位置は変動する電流の周期より得ている。駆動モータ4は、回転数を一定させる制御を行う。回転するドラム3上で偏心が下方にあるときはその重量に逆らって上方に持ち上げるため電流を多く消費し、逆に偏心がドラム3上部にあるときは重力方向に下方に持っていくために最少の電流消費となる。このように、ドラム3に偏心があるときは、駆動モータ4の印加電流は変動し、印加電流はドラム回転時の偏心位置とリンクするため、偏心の位置を判定することができる。
次に、図4、図5、図6を用いて共振回転速度までのドラム3の立ち上げ方について説明する。まず、脱水工程が開始されると、ドラム3を80rpmまで上昇させてボール8がレース17内下部で回転せず停止している状態にし、洗濯物13の偏心位置と量の判定を行う。次に、得られた偏心量がボールの偏心補正量以上のアンバラ量と判定した場合は、ボール8に対して対向する位置に偏心位置が来た時にドラムを共振回転数よりも高い回転速度まで一気に加速する(図4)。このように、ドラム振動が大きくなるドラム共振回転数での振動を抑える。
また、衣類の偏心量がボール8の偏心補正量より小さい場合(図5)、ボール8を対向の位置で立ち上げると、かえってボール8自身が偏心量を増やす結果となり、ドラム3の振動変位は大きくなってしまう。
よって、衣類の偏心量がボール8の偏心補正量より小さい場合には、図6に示すようにドラム3の回転数を定期的に上下させる分散工程を行い、複数個のボール8をお互い接触した状態からレース17全体に点在させた状態にして、ボール8自身の回転時の偏心量を低くさせた上でドラム3を立ち上げる。この制御により、衣類のアンバランス量の大小によらず、共振回転数通過時のドラム3の振動を抑制することができる。
(実施の形態2)
他のドラムの立ち上げ方に関して説明する。図7は、本発明の実施の形態1におけるドラム回転時のモータ電流値を示す図である。図7(a)はドラム3内のアンバランスが大きい場合、図7(b)は、ドラム3内のアンバランスが小さい場合の電流値を表す図である。本実施の形態の基本的な構成は実施の形態1を援用する。実施の形態1では偏心量検知手段として振動検知手段を用いたが、本実施の形態では、駆動モータ4の印加する電流を電流検知手段22で検知し、得られた大小の電流値を解析ことで衣類の偏心量を検知するものである。
レース17内にあるボール8は、レース17内の粘性流体18に引きずられる形でドラム3の回転方向に沿って若干移動する。しかし、ボール8はドラム3と共に回転せずにレース17内で留まっているため、水槽2の振動の大小が駆動モータ4の電流値の大小として表れる。この駆動モータ4の電流値を制御手段6で解析することで、水槽2の偏心量が判定される。判定した偏心量に基づいて最適にボールを立上げることで共振回転数通過時の水槽の振動変位を常に抑制することができる。また本実施の形態では、衣類の偏心位置も駆動モータ4の電流値の変動周期より得ており、駆動モータ4は偏心量検知手段21と偏心位置検知と兼ねる構成となる。このため、検知、立上げ誤差を少なくできるため高精度の検知が可能となる。
本発明にかかる洗濯機は、偏心に対してボールが振動抑制効果を得られるようにドラムを立ち上げることができるため、偏心をより低減することができ、起動時の振動を抑制できることから、家庭用、業務用のドラム式洗濯機やクリーニング装置として有用である。
1 ドラム式洗濯機
2 水槽
3 ドラム
4 駆動モータ(モータ)
5 ダンパ
6 制御手段
8 ボール(バランス体)
10 バネ
13 洗濯物
16 バッフル
17 管状容器(レース)
18 粘性流体
21 偏心量検知手段
22 電流検知手段
30 ボールバランサ(バランシング手段)
31 回転軸

Claims (4)

  1. 水平軸または傾斜した回転軸にて回転可能に支持された有底円筒状のドラムと、
    前記ドラムを収容する水槽と、
    前記ドラムを駆動する駆動モータと、
    前記ドラムと一体に設けられた環状形状でなるレースと、
    前記レースの内部で移動自在に収容された複数のバランス体を有するバランシング手段と、
    衣類の偏心量を検知する偏心量検知手段と、
    前記モータを制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記ドラム内の洗濯物にかかる重力が遠心力より小さく、かつ、前記バランス体が回転することなく前記ドラムの下部で留まる回転速度にて回転させた状態で、前記偏心量検知手段により検知した偏心量を基に、共振回転速度までの前記ドラムの立ち上げ方を決定するようにしたドラム式洗濯機。
  2. 偏心量検知手段は、水槽の振動を検知する振動検知手段と、前記振動検知手段により検知した振動値を解析するとともに、前記モータ等を制御する制御手段を備えた請求項1記載のドラム式洗濯機。
  3. 偏心量検知手段は、駆動モータの電流を検知する電流検知手段と、前記電流検知手段により検知した電流値を解析するとともに、前記駆動モータ等を制御する制御手段を備えた請求項1に記載のドラム式洗濯機。
  4. 制御手段は、前記偏心量検知手段による出力から前記洗濯物の偏心量を判定し、前記洗濯物の偏心量が多い時に、前記電流検知手段により前記駆動モータの電流を検知し、前記電流に基づいて前記バランス体と前記洗濯物の偏心量とが逆位相になるように制御し、前記洗濯物の偏心量が少ない時に、前記ドラムが加速・減速を繰り返すようにした請求項1ないし請求項3に記載のドラム式洗濯機。
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