JP2013223622A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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浩章 乾
Takeshi Gamo
健 蒲生
Wataru Uchiyama
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Abstract

【課題】共振回転速度通過時にはドラムの振動を最小限に抑えることができるドラム式洗濯機を提供すること。
【解決手段】ドラム3と一体に設けられた環状容器17と、環状容器17の内部に移動自在に収容された複数の転動体8と、ドラム3の回転時に、ドラム3内の洗濯物の偏りや転動体8によって生じるドラム3の偏心位置を検知する偏心検知手段20と、駆動モータ4を制御する制御手段6aとを備え、制御手段6aはドラム3内の洗濯物が落下せず、かつ、転動体8がドラム3の下部に留まる回転速度にてドラム3を回転させた状態で、偏心検知手段20により検知した洗濯物の偏心位置を解析し、その後にドラム3を加速させて、共振回転速度よりも低い回転速度で、転動体8と洗濯物の偏心位置が対向する状態でドラム3と転動体8が一体で回転するように駆動モータ4を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、弾性的に支持された水槽内に洗濯物を収容して回転可能なドラムを備え、そのドラム内で洗濯物の洗い、すすぎ、脱水を行うドラム式の洗濯機に関する。
一般的に、水平または傾斜した回転軸を有するドラム式洗濯機の脱水工程において、しばしば洗濯物がドラム内で不均一な状態、すなわちアンバランスな状態になる。その結果、脱水中に回転軸には偏った力が加わり、振動が発生する。振動の振幅は回転ドラムの回転速度の2乗に比例して増大する。その振動のために洗濯機自身が移動したり、また、騒音が激しいためにある回転速度以上では運転することができなくなってしまうなどの問題が発生する。
洗濯物のアンバランスによる振動を低減するために、金属球(以降、ボールと呼ぶ)を使用したボールバランサシステムがある。ボールバランサは、ドラムの内周に取り付けた環状のレース部内に、回転方向(周方向)に自由度をもつ複数のボールを備えている。ボールバランサは、偏心荷重を生じさせるアンバランス体に対して自動的にボールが対向位置に移動する力学現象を利用したバランス装置である。
また、ドラムの正面側にボールを配置したシングルボールバランサの他に、ドラムの正面側及び底面側の2箇所に、複数のボールを配置したダブルボールバランサも知られている(例えば、特許文献1参照)。図8は、従来のドラム式洗濯機を示す図である。ドラム7の開口部および底面に、ボールバランサ71が設けられており、それぞれにボール72が移動可能に内包されている。これらはシングルボールバランサと原理的には同じである。すなわち、どちらのボールバランサも、脱水工程において経時的に変化する洗濯物のアンバランス量に刻一刻と対応して、複数のボールが位置を変え、自動的にアンバランスを修正する仕組みである。
特許文献1において、第1の回転速度を共振回転速度以下の回転速度で回転し、所定の時間、ボールが偏心荷重に対して同相位置に移動して、その同相位置で維持する。その後、ドラムは同相位置で停止状態からゆるやかに加速して、共振回転速度を通過する。これにより、ボールが自動バランシングの原理により自動的にアンバランスの対向位置に移動することで振動を抑制している。
また、ドラムの回転を共振回転速度の高速側近傍である過渡振動回転速度領域の上限まで上昇させた後、アンバランスの打ち消す方向にボールを移動させるために、ドラムの回転速度を不連続な回転速度に微小変化させてドラムを制御している(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−125083号公報 特開2011−125401号公報
しかしながら、従来の構成では、ドラムの回転速度が共振回転速度よりも低い状態では、ボールはアンバランスと同相位置に存在する。このため、ボールは逆にアンバランスと
して働くため、共振回転速度を通過するときには振動が大きくなることがあるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、アンバランスに対してボールが振動抑制効果を得られるようにドラムを立ち上げることによって、共振回転速度通過時にはドラムの振動を最小限に抑えることができるドラム式洗濯機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のドラム式洗濯機の制御手段は、ドラム内の洗濯物が落下せず、かつ、転動体が前記ドラムの下部に留まる回転速度にて前記ドラムを回転させた状態で、偏心検知手段により検知した洗濯物の偏心位置を解析し、その後に前記ドラムを加速させて、共振回転速度よりも低い回転速度で、転動体と洗濯物の偏心位置が対向する状態で前記ドラムと前記転動体が一体で回転するように前記駆動モータを制御するものである。
これにより、アンバランスに対してボールが振動抑制効果を得られるようにドラムを立ち上げることで、低振動のまま共振回転速度まで立ち上げることができるため、共振回転速度通過時にはドラムの振動を抑えることができる。
また、本発明のドラム式洗濯機の制御手段は、ドラム内の洗濯物が落下せず、かつ、転動体が前記ドラムの下部に留まる回転速度にて前記ドラムを回転させた状態で、偏心検知手段により検知した洗濯物の偏心位置を解析し、洗濯物の偏心位置が前記回転軸より上部にあるときに前記ドラムを加速させるものである。
これにより、アンバランスに対してボールが振動抑制効果を得られるようにドラムを立ち上げることで、低振動のまま共振回転速度まで立ち上げることができるため、共振回転速度通過時にはドラムの振動を抑えることができる。
本発明のドラム式洗濯機は、アンバランスに対してボールが振動抑制効果を得られるようにドラムを立ち上げることができるため、共振回転速度におけるドラムの振動を最小限に抑制することができる。
本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の要部断面図 本発明の実施の形態1におけるボールバランサの概略図 本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の制御ブロック図 本発明の実施の形態1における回転速度のシーケンスを表す図 本発明の実施の形態1における駆動モータ電流の特性図 本発明の実施の形態1における駆動モータ電流の特性図 本発明の実施の形態2における回転速度のシーケンスを表す図 従来のドラム式洗濯機を示す図
第1の発明のドラム式洗濯機は、水平または傾斜した回転軸にて回転可能に支持された有底円筒状のドラムと、前記ドラムを収容する水槽と、前記ドラムを駆動する駆動モータと、前記ドラムと一体に設けられた環状容器と、前記環状容器の内部に移動自在に収容された複数の転動体と、前記ドラムの回転時に、前記ドラム内の洗濯物の偏りや前記転動体によって生じる前記ドラムの偏心位置を検知する偏心検知手段と、前記駆動モータを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ドラム内の洗濯物が落下せず、かつ、前記
転動体が前記ドラムの下部に留まる回転速度にて前記ドラムを回転させた状態で、前記偏心検知手段により検知した洗濯物の偏心位置を解析し、その後に前記ドラムを加速させて、共振回転速度よりも低い回転速度で、前記転動体と前記洗濯物の偏心位置が対向する状態で前記ドラムと前記転動体が一体で回転するように前記駆動モータを制御するものである。
この構成により、ドラムは回転するが、転動体はドラム下部で留まり共回りしない状態にすることができる。この状態では、ドラムの揺れはドラムと共に回転する衣類のアンバランスにより起こるものであり、ドラムの振動変動から衣類のみのアンバラ量を検知することができる。また、アンバラが回転することで、モータは回転時にトルク変動する。解析手段は、その変動周期からアンバラ位置を解析する。そして、アンバラがドラム上部に位置するときと、モータのトルク変動が極大を示すところが一致することから、この時点ではアンバラとボールとが逆位相の相対位置関係にある。そこで、アンバランスが極大点に来たところでモータを加速すれば、共振回転速度通過時にはドラムの振動を抑えることができる。
第2の発明のドラム式洗濯機は、水平または傾斜した回転軸にて回転可能に支持された有底円筒状のドラムと、前記ドラムを収容する水槽と、前記ドラムを駆動する駆動モータと、前記ドラムと一体に設けられた環状容器と、前記環状容器の内部で移動自在に収容された複数の転動体と、前記ドラムの回転時に、前記ドラム内の洗濯物の偏りや前記転動体によって生じる前記ドラムの偏心位置を検知する偏心検知手段と、前記駆動モータを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ドラム内の洗濯物が落下せず、かつ、前記転動体が前記ドラムの下部に留まる回転速度にて前記ドラムを回転させた状態で、前記偏心検知手段により検知した洗濯物の偏心位置を解析し、前記洗濯物の偏心位置が前記回転軸より上部にあるときに前記ドラムを加速させるものである。
この構成により、ドラムは回転するが、転動体はドラム下部で留まり共回りしない状態にすることができる。この状態では、ドラムの揺れはドラムと共に回転する衣類のアンバランスにより起こるものであり、ドラムの振動変動から衣類のみのアンバラ量を検知することができる。また、アンバラが回転することで、モータは回転時にトルク変動する。解析手段は、その変動周期からアンバラ位置を解析する。そして、アンバラがドラム上部に位置するときと、モータのトルク変動が極大を示すところが一致することから、この時点ではアンバラとボールとが逆位相の相対位置関係にある。そこで、アンバランスが極大点に来たところ、すなわち、アンバランスがドラム上部に位置するときにドラムを加速すれば、共振回転速度通過時にはドラムの振動を抑えることができる。
第3の発明は、特に、第2の発明のドラム式洗濯機の制御手段は、前記制御手段は、前記偏心検知手段により検知した前記ドラムの偏心位置を解析するとともに、前記ドラムの偏心位置と前記転動体とが対向になる位置で前記ドラムを加速させて共振点を通過させる制御を行うものである。
この構成により、簡単な検知と制御でドラムのアンバランスを低減して、ドラムの回転速度を共振回転速度に到達させることができる。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明のドラム式洗濯機は、前記ドラムの振動を検知する振動検知手段をさらに備えたものである。
この構成により、ドラム回転中に複数個の転動体同士が分散したり、衣類のアンバランス状態が変化することでアンバランス位置を解析できない場合でも、ドラムの振動変位を検知できるため、共振回転速度に到達するまでにドラム回転を加速、減速することでドラ
ムの振動変位をより抑える制御を行い、共振回転速度通過時にはドラムの振動を最小限に抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本案が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の要部断面図である。図2は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機1のボールバランサ30の概略図である。
ドラム式洗濯機1の内側には、有底円筒状の水槽2が収容されている。水槽2の内部には有底円筒状のドラム3が収容されている。ドラム式洗濯機1の正面側には、水槽2の開口部2aを通してドラム3内に通じる開口部3aが設けられている。ドラム3は、ドラム3を回転支持する回転軸31が正面側から底面側に向けて下向きに傾斜して配置されている。水槽2は開口部2aを正面側とし、ドラム3に沿うように傾斜配置されている。回転軸31を傾斜させることで、水槽2の前面側の開口を上側に配置することができるようになり、大きく屈む姿勢をとることなくドラム3内の洗濯物13が取り出せるようになる。また、回転軸31を水平方向とした場合に比べ、水槽2内に給水された水が背面側に溜まって、少ない水量でも深い貯水状態が得られる。すなわち、少ない給水量でも13が含水しやすくすくなる。水槽2はバネ10とダンパ5によって支持されている。なお、洗濯物13の取り出しやすさや給水量を考慮しなければ、回転軸31は水平であってもよい。
ドラム3の内部には、ドラム3が回転することによって洗濯物13を持ち上げて落とすバッフル16が設けられている。ドラム3が回転駆動することにより、バッフル16によって持ち上げられた洗濯物13は、ドラム3の上部から水面に叩きつけられ、叩き洗い(機械力)によって洗浄がなされる。さらに、ドラム3には複数の透孔15が設けられている。透孔15を介して水槽2からドラム3内に通水および通気ができる。
また、開口部3aには扉7が開閉自在に設けられている。水槽2の開口部2aは、その口縁に環状のシール材が装着されている。シール材の前面側は扉7の背面側に当接して密閉し、上下左右、前後に揺動する水槽2の開口2aが動いても、シール材が変形し扉7背面側へ押圧するので密閉性が維持されている。
ドラム3の前面側の開口部3aには、ボールバランサ(バランシング手段)30が設けられている。ボールバランサ30は、ドラム3の正面側に配置された環状容器17と、環状容器17内を移動可能な金属からなるボール8(転動体)と、環状容器17内に貯留される粘性流体18と気体層33(空気)とを有している。リング状となる環状容器17はドラム3と軸線を一致するように設置されている。すなわち、環状容器17の回転軸心は、回転軸31と一致している。ボール8の動きを制御するために、環状容器17の内部には粘性流体18が貯留されている。本実施の形態1ではシリコンオイルを用いている。なお、マシン油その他の粘性のある液体であっても同様の効果が得られることから、シリコンオイルに限定するものではない。
ドラム式洗濯機1の内部で水槽2の下方には、ドラム3を回転駆動するための駆動モータ4が取り付けられている。駆動モータ4の回転駆動が、ベルト23を介してドラム3の同一軸に設けられたドラムプーリ24に伝達される。これにより、駆動モータ4がドラム3を回転駆動する。なお、本実施の形態ではベルト駆動のモータで説明しているが、ドラムを直接駆動するダイレクトモータ方式としてもよい。
ドラム式洗濯機1の上部には、給水弁11が設けられている。給水弁11からの水は洗
剤ケース9に流れ込み、洗剤を溶かしながら水槽2内に供給される。すすぎ工程においては、洗剤ケース9を介しても洗剤ケース9内には洗剤がないので、洗剤成分を含まないすすぎ水が給水される。また、ドラム式洗濯機1の下部には、排水ポンプ19が設けられており、排水ポンプ19を駆動させることで、水槽2内の洗浄水やすすぎ水が排水される。なお、本実施の形態では排水ポンプ19によって、水槽2内の洗浄水やすすぎ水を排水することとしたが、排水弁としてもよい。
次に、駆動モータ4等を制御し、洗い、すすぎ、脱水等の工程を制御する制御手段6aの詳細を図3により説明する。図3は本発明の実施形態1におけるドラム式洗濯機の制御ブロック図である。制御手段6aは、給水弁11、排水ポンプ19や駆動モータ4の駆動の指示はもちろん、振動検知手段12や水位センサ21など各種センサ出力を含め、すべての入出力制御をタイマーで管理できるシステムを具備しており、各動作、タイミングにおける所要時間を知ることができる。
水槽2の振動を検知する振動検知手段12は、水槽2の背面側の上部に設けられている。振動検知手段12は、洗い、すすぎ、脱水の一連の工程における水槽2の振動を検知するものである。各工程での振動値を制御手段6aが分析した後、駆動モータ4に対して指令を出すことで、最適なモータ制御を行っている。振動検知手段12は、少なくとも一つの加速度センサからなり、水槽2の上下方向、左右方向、前後方向のうちの少なくとも一つの方向の振動を検知している。なお、加速度センサとしては、半導体加速度センサ、圧電型加速度センサなどのいずれでも良く、さらに1軸、2軸方向の加速度センサでも良い。
電流検知手段22は、駆動モータ4に印加する電流の値および位相を検知して、偏心検知手段20に信号を出力する。偏心検知手段20は、電流検知手段の信号をもとに、洗濯物の偏りやボール8によって生じるドラム3の偏心位置を検知する偏心位置検知手段として機能する。さらに、偏心検知手段20は、駆動モータ4に印加する電流の大小を比較することでドラム3の偏心量を検知する偏心量検知手段としても機能する。すなわち、制御手段6aは、偏心検知手段20が検知した電流値と位相に基づき、ドラム3の偏心量と偏心位置を求めることができる。制御手段6aは、洗濯物13に起因する偏心位置と偏心量、ボール8の位置を判定し、ドラム3の回転を立ち上げるように駆動モータ4に指令を出している。制御手段6aは、ハードウェア構成として、CPU、メモリ、ドライバ回路などを具備した電気回路であり、制御手段6a内のメモリに記憶させたプログラムに従って、駆動モータ4などの周辺機器を動かしている。
以上のように構成されたドラム式洗濯機の脱水動作について、以下、その動作、作用について図4〜6を用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の回転速度のシーケンスを表す図である。図5、6は、本発明の実施の形態1における駆動モータ電流の特性図である。なお、脱水動作とは、脱水工程における最終脱水のみを意味するのではなく、洗い工程後、や1回目のすすぎ工程後に行う中間脱水も含むものとする。
まず、ドラム式洗濯機1が排水後に脱水を行う場合、制御手段6aの指令により駆動モータ4に駆動電圧を印加させる。駆動モータ4を低速回転から高速回転に動作させ、ドラム3の回転速度を徐々に上昇させる。このとき、駆動モータ4が永久磁石同期モータであるため、駆動モータ4のロータ位置を検知する。これにより、駆動モータ4の脱調を防止することで安全、かつ高速に回転速度を上昇させることができる。
次に、制御手段6aは、洗濯物13やボール8にかかる重力がドラム3の回転による遠心力より小さい回転速度までドラム3を回転させて維持する(図4の(i))。この時、
ドラム回転は洗濯物13がドラム3の内壁に貼りつく。また、このときの回転速度は、環状容器17内にあるボール8が、環状容器17内の粘性流体18に引きずられる形でドラム3の回転方向に沿って若干移動するが、ドラム3と共に回転せずに環状容器17内で留まる回転速度とする。ボール8を環状容器17内で留めるためには、洗濯物13の張り付くドラム回転速度において、ボール8の密度と直径と個数で決定される自重と、任意の粘度と比重を有する粘性流体18がボール8と環状容器17内面との隙間を通過するときの粘性抵抗力およびボール8と環状容器17との摩擦力とが釣合うことが必要である。また、ドラム3の回転速度が速くなると遠心力の影響が大きくなるため、ボール8はドラム3と共に回転する。この状態では、ドラム3そのものの回転アンバランスを極小とすれば、ドラム3に張付いた洗濯物に起因するアンバランスのみが、駆動モータ4の変動要因となる。
よって上記ボール8が回転運動をしていない状態では、洗濯物13のみが回転しているため、電流検知手段22が検知する駆動モータ4に印加する電流値または電流値の変動量から洗濯物13の偏心量を判定することができる。また、トルク変動(位相)から洗濯物13のアンバランス位置を判定することができる。
上記した回転速度にてドラム3の回転を維持させ、電流検知手段22によって電流値を検知すると、洗濯物13が内壁に張り付いて偏り(アンバランス)が生じ、ドラム3の1回転(1周期)内で洗濯物13の偏りによる偏心位置や偏心量を検知することが可能となる。本実施例では回転速度を洗濯物の偏りを確認しやすい80rpmとしている。制御手段6aは、このときのドラム3の偏心位置、すなわち洗濯物13の偏心位置と偏心量の判定を行う。
ここで、回転軸31方向の偏心位置検知について説明する。本実施では、振動検知手段12は3軸の加速度センサである。水槽2の上下方向、左右方向、前後方向を検知し、それぞれアンバランスの位置によって、各軸の位相差でアンバランス位置を検知している。アンバランス位置がドラム3の正面側にある時は、水槽2の左右方向、前後方向の位相差が大きくなる。アンバランス位置がドラム3の後側にある時は2方向の位相差が小さくなることから、振動検知手段12で検知した信号により、制御手段6aがアンバランス位置を判定することが可能となる。
次に、ドラム3の周方向の偏心位置検知について説明する。本実施では、偏心検知手段20は駆動モータ4に印加する電流値(トルク電流)と位相をモニターしている。偏心位置は変動する電流の周期より得ている。
回転するドラム3上でアンバランスが下方にあるときは、アンバランスの重量に逆らって上方に持ち上げることになるため、電流を多く消費し、電流検知手段22が検知する電流値は増加する。逆に、アンバランスがドラム3の上部にあるときは重力方向に下方に持っていくために最少の電流消費となる。このため、電流検知手段22が検知する電流値は減少する。このように、ドラム3にアンバランスがあるときは、駆動モータ4の印加電流は変動し、印加電流はドラム3の回転時のアンバランスの位置とリンクする。また、アンバランスの量に比例して印加電流値も大きくなる。
図6(a)は水槽のアンバランスが大きいとき、図6(b)は水槽のアンバランスが小さいときを示す。図6(a)に示すように、アンバランス量が大きければ、電流値の最大値または、電流変動値は大きくなる。図6(b)に示すように、アンバランス量が小さければ、電流値の最大値または、電流変動値は小さくなる。よって上記電流値の大小で偏心量(アンバランス量)を決定することができる。
以上のようにして、制御手段6aは、ボール8が環状容器17の下部で留まる状態にし、洗濯物13の偏心13aの位置と量の判定を行う。そして、ボール8に対して対向する位置に洗濯物13の偏心13aが位置した時にドラムを共振回転速度よりも高い回転速度まで一気に加速する(図4のA点)。ボール8は、ドラム3の回転に伴い、多少回転方向側に移動して留まるので、洗濯物13のアンバランス位置がドラム3上方で、かつ回転方向側に位置したときに、制御手段6aはドラム3を加速させる。
以上のようにして、共振回転速度より前の段階であるドラム3の加速時に、洗濯物の偏心とボール8を対抗する位置に配置することにより、ドラム3の振動が大きくなるドラム共振回転速度での振動を抑えることができる。
なお、衣類のアンバランス量がボール8のアンバランス補正量より小さい場合、洗濯物13の偏心13aの位置に対して、お互い接触した状態の複数個のボール8対向の位置で立ち上げると、かえってボール自身がドラム3の回転におけるアンバランスとなり、結果としてドラム3の振動変位は大きくなってしまう。
よって、80rpmで衣類のアンバランス量を判定した時に、衣類のアンバランス量がボールのアンバランス補正量より小さい場合には、複数個のボール8をお互い接触した状態から環状容器17全体に点在させた状態になるようにドラム3の回転を制御する。これによって、ボール8自身の回転時のアンバランス量を低くさせた上でドラム3を共振回転速度よりも高い回転速度まで一気に加速させる。この制御により、衣類の偏心量が少ない時でも共振回転速度前後でのドラム振動を抑制することができる。
(実施の形態2)
ドラムの立ち上げ方の他の形態に関して説明する。図7は、本発明の実施の形態2における回転速度のシーケンスを表す図である。実施の形態1とは、ドラム3を加速させるタイミングが異なる。本実施の形態において制御手段6aは、ドラム3内の洗濯物が落下せず、かつ、ボール8がドラム3の下部に留まる回転速度にてドラム3を回転させた状態で、偏心検知手段20により検知した洗濯物の偏心位置を解析し、洗濯物13の偏心位置が回転軸31より上部にあるときにドラム3を加速させるものである。その他の構成は実施の形態1を援用する。以下、異なる点を説明する。
ドラム3の回転速度を80rpmにて維持する。このとき、ボール8はドラム3の下部で留まっている。洗濯物13の偏心13aがドラム3の上部に位置したときにドラム3を加速すれば、洗濯物の13の偏心13aとボール8とを対向する状態にすることができる。よって、制御手段6aは、偏心検知手段20により偏心13aの位置を検知し、偏心13aがドラム3の上部にあるときにドラム3を加速させる。これによって、ドラム3自体のアンバランスがほとんどないので、この状態で共振回転速度まで一気にドラム3の回転速度を上昇させる。この構成により、モータ加速中の転動体の位置を解析により判定することができるため、洗濯物のアンバランスとボールとが対向する位置に、早期にかつ精度よくドラムを制御することができる。このため、共振回転通過前後で大きくなるドラムの振動を広範囲に最小限に抑えることができる。
本発明にかかる洗濯機は、アンバランスに対してボールが振動抑制効果を得られるようにドラムを立ち上げることができるため、アンバランスをより低減することができ、起動時の振動を抑制できることから、家庭用、業務用のドラム式洗濯機やクリーニング装置として有用である。
1 ドラム式洗濯機
2 水槽
3 ドラム
4 駆動モータ
5 ダンパ
6a 制御手段
8 ボール(転動体)
10 バネ
12 振動検知手段
13 洗濯物
16 バッフル
17 環状容器(レース)
18 粘性流体
20 偏心検知手段
30 ボールバランサ(バランシング手段)
31 回転軸

Claims (4)

  1. 水平または傾斜した回転軸にて回転可能に支持された有底円筒状のドラムと、
    前記ドラムを収容する水槽と、
    前記ドラムを駆動する駆動モータと、
    前記ドラムと一体に設けられた環状容器と、
    前記環状容器の内部に移動自在に収容された複数の転動体と、
    前記ドラムの回転時に、前記ドラム内の洗濯物の偏りや前記転動体によって生じる前記ドラムの偏心位置を検知する偏心検知手段と、
    前記駆動モータを制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記ドラム内の洗濯物が落下せず、かつ、前記転動体が前記ドラムの下部に留まる回転速度にて前記ドラムを回転させた状態で、前記偏心検知手段により検知した洗濯物の偏心位置を解析し、
    その後に前記ドラムを加速させて、共振回転速度よりも低い回転速度で、前記転動体と洗濯物の偏心位置が対向する状態で前記ドラムと前記転動体が一体で回転するように前記駆動モータを制御することを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 水平または傾斜した回転軸にて回転可能に支持された有底円筒状のドラムと、
    前記ドラムを収容する水槽と、
    前記ドラムを駆動する駆動モータと、
    前記ドラムと一体に設けられた環状容器と、
    前記環状容器の内部で移動自在に収容された複数の転動体と、
    前記ドラムの回転時に、前記ドラム内の洗濯物の偏りや前記転動体によって生じる前記ドラムの偏心位置を検知する偏心検知手段と、
    前記駆動モータを制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記ドラム内の洗濯物が落下せず、かつ、前記転動体が前記ドラムの下部に留まる回転速度にて前記ドラムを回転させた状態で、前記偏心検知手段により検知した洗濯物の偏心位置を解析し、洗濯物の偏心位置が前記回転軸より上部にあるときに前記ドラムを加速させることを特徴とするドラム式洗濯機。
  3. 前記制御手段は、前記偏心検知手段により検知した前記ドラムの偏心位置を解析するとともに、前記ドラムの偏心位置と前記転動体とが対向になる位置で前記ドラムを加速させて共振点を通過させる制御を行うことを特徴とする請求項2に記載のドラム式洗濯機。
  4. 前記ドラムの振動を検知する振動検知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
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