JP6064148B2 - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転体制御装置(ボールバランサ)を備えたドラム式洗濯機に関する。特に、洗濯衣類などのドラム内での偏りによるアンバランス状態を把握し、把握した状態に応じた起動方法で脱水ステップに移行して、起動時の振動抑制を行うドラム式洗濯機に関する。
従来、この種のドラム式洗濯機は、濡れた衣類をドラム内に収容した状態では、ドラム内に衣類が不均一に分布している。そのため、ドラムを水平軸を中心に高速回転した場合、ドラム内の衣類がアンバランス状態で回転する。通常、ドラムの回転数は、起動から約200rpmから400rpmぐらいまでの間に最大の共振点を有する。これにより、振動や騒音、および振動による消費電力の増加などが発生する。そのため、ドラムを、容易に高速回転させることができない。
そこで、従来のドラム式洗濯機は、回転体制御装置(ボールバランサ)を備えている。そして、ドラムの回転速度が、ドラムの固有振動数よりも高い回転速度になると、ボールバランサ内のボールが衣類の偏りの反対位置に移動する。この作用により、ボールバランサ内のボールが、ドラム内の衣類の偏りの反対方向に移動して、衣類などによるアンバランス状態を解消している。
一般的に、ドラムが低速で回転する場合、ボールバランサ内のボールは、重力により、ボールバランサ内の底部に位置して上方向へ移動しない。一方、ドラムの回転速度が、ボールの重力を超える回転加速度が加わるような一定回転速度となった場合には、ボールバランサ内のボールは上方向へ移動する。つまり、ボールバランサ内のボールの動作を制御して、衣類の偏りに対してボールを適切な位置に配置することにより、アンバランス状態で発生するドラムの振動の抑制を行っている。
また、ボールバランサ内には、ボール以外に、例えばシリコーンオイルなどの流体が封入されている。これにより、ボールの衝突音の防止や、ボールバランサ内のボールの移動の安定化を図っている。
しかしながら、洗濯衣類などがドラム内でどのように偏っているのかを把握できない限り、その偏りに応じてボールを最適な位置に配置することができない。そこで、洗濯槽に設けた振動検知部で振動変位を検知して、衣類の偏りを把握する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
以下に、従来のドラム式洗濯機の一例として、特許文献1に記載された洗濯機について、図11および図12を用いて、説明する。
図11は、従来のドラム式洗濯機の構成図である。図12は、従来のドラム式洗濯機の制御ブロック図である。
図11および図12に示すように、従来のドラム式洗濯機は、ドラム式洗濯機本体10Aに、洗濯槽20Aが弾性的に固定して配設されている。洗濯槽20Aは、ドラム30Aを収納し、ドラム30Aを駆動するモータ40Aが洗濯槽20Aの背面の位置に設けられている。ドラム30Aの前面には、衣類投入口に設けた扉70Aが配置されている。また、洗濯槽20Aは、ドラム式洗濯機本体10Aの底部からダンパ220で支えられるとともに、ドラム式洗濯機本体10Aの上部に配置された吊バネ180、190により支えられている。
また、例えば加速度センサ501などから構成された振動検知部50Aは、洗濯槽20Aの後部底面に設けられ、洗濯槽20Aの振動を検知する。
制御装置60Aは、振動検知部50Aの検知信号に基づいて、ドラム30Aの駆動などを制御する。
そして、制御装置60Aは、図12に示すように、少なくともマイクロコンピュータ503、モータ制御回路504、表示パネル回路505、電源回路507などから構成されている。マイクロコンピュータ503は、さらに、衣類の偏りなどを算出する、アンバランス量検知部508と、アンバランス位置検知部509などを備えている。マイクロコンピュータ503は、洗濯槽20Aの振動を検知する振動検知部50Aからの信号をフィルタ回路502を介して信号成分のみを取り込んで演算する。このとき、アンバランス量検知部508でアンバランス量を算出し、アンバランス位置検知部509でアンバランス位置の算出を行う。モータ制御回路504は、振動検知部50Aで検知した振動変位に基づいて、モータ40Aを駆動制御する。これにより、偏った衣類などのアンバランス状態を解消するように、ドラム30Aの回転を制御している。
より詳しくは、従来のドラム式洗濯機は、ドラム30Aの回転数を300rpmに維持した状態で、振動検知部50Aで振動変位を検出する。その後、検知した3軸方向の検知信号に対して、それぞれの信号値の比率を求める。そして、求めた比率とその順位から、アンバランス位置検知部509でアンバランス位置を特定する。さらに、アンバランス位置毎のアンバランス量から、アンバランス量検知部508で、アンバランス量を算出する。これにより、制御装置60Aは、モータ40Aの回転を制御して、衣類のアンバランス状態を解消している。
しかしながら、従来のドラム式洗濯機の構成では、ドラム30A内の洗濯物の偏りによるアンバランス位置およびアンバランス量を、ドラム30Aの回転数を300rpmに維持した状態で、振動検知部50Aで検知した振動変位から検出している。上述したように、通常、ドラム式洗濯機の共振回転数は、200rpmから400rpm程度である。そのため、脱水ステップの起動時においては、共振点(共振回転数)近傍でドラム30Aの振動を検出することになる。
従って、脱水ステップの起動時には、共振点でのドラム30Aの振動が大きくなるため、ドラム30Aを回転起動できないことがある。そのため、アンバランス量およびアンバランス位置を特定できない場合がある。このとき、ドラム30Aの回転起動時において、共振点でのドラム30Aの振動変位が一定以下の条件の場合であれば、振動変位の検出が可能である。しかし、常に、共振点でのドラム30Aの振動変位が一定以下であるとは限らない。そのため、脱水ステップの起動が可能かどうかを、正確に検出できないという課題がある。そこで、脱水ステップにおいて、回転数を300rpmまで上昇させようとして、アンバランス量およびアンバランス位置が特定できない場合には、一旦、ドラム30Aの回転を停止して、再び脱水ステップの起動を繰り返すなど、起動のやり直しなどにより対応していた。
また、従来のドラム式洗濯機では、衣類のアンバランス状態において、例えばアンバランス量が同じ400gの場合でも、衣類の容量が、例えば1kg、3kg、6kg、9kgなど、どのような容量であっても、起動のやり直しが起こりうる。つまり、衣類の容量が変わることにより、ドラム30Aの回転時における重量が変わる。そのため、同じアンバランス状態でも、振動の度合いが変化し、起動のやり直しが発生するという課題もある。
特開2011−030972号公報
本発明は、脱水起動時に、ドラムの振動を抑制して、起動をスムーズに行うことにより、脱水ステップの起動のやり直しの発生を低減できるドラム式洗濯機を提供する。
そこで、本発明のドラム式洗濯機は、筐体と、筐体の内部に支持された洗濯槽と、洗濯槽内に回転可能に収納された回転槽と、回転槽を回転駆動する駆動部と、回転槽に設けた回転体制御装置と、洗濯槽に設けた振動検知部と、回転槽内の布量を算出する布量検知部と、振動検知部からの出力に基づいて駆動部を制御する制御部と、を備える。制御部は、振動検知部で検知した振動変位と布量検知部で検知した布量とに基づいて、脱水起動時に回転体制御装置を制御する構成を有する。
さらに、制御部は、回転槽を共振回転数未満の所定回転数に維持した状態で、振動検知部で検知した振動変位から共振回転数時に回転槽の振動を抑制するように回転体制御装置を制御する起動判定部と、布量検知部で検知した布量から振動検知部で検知した振動変位の値を補正換算する布量補正部とを備える。
これにより、回転槽を構成するドラム内の洗濯物のアンバランス状態(アンバランス位置およびアンバランス量など)が同じ状態で、かつ回転槽内の布量が異なる場合でも、布量検知部で検出した布量と振動検知部で計測した振動に基づいて、アンバランス状態を共振回転数前に正確に把握する。そして、衣類のアンバランス状態(アンバランス量とアンバランス位置)に応じて回転体制御装置を制御することにより、洗濯槽の振動を抑制できる。その結果、起動の再立ち上げなどを繰り返す動作の発生を効果的に防止でき、脱水起動時の安定した動作ができる。
図1は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の構成図である。 図2は、同ドラム式洗濯機の制御ブロック図である。 図3Aは、同ドラム式洗濯機の回転槽の円周方向の洗濯物のアンバランス状態を示す正面図である。 図3Bは、同ドラム式洗濯機の回転槽の奥行き方向における前側のアンバランス状態を示す側面図である。 図3Cは、同ドラム式洗濯機の回転槽の奥行き方向における後側のアンバランス状態を示す側面図である。 図3Dは、同ドラム式洗濯機の回転槽の奥行き方向における中央側のアンバランス状態を示す側面図である。 図3Eは、同ドラム式洗濯機の回転槽の奥行き方向における対角のアンバランス状態を示す側面図である。 図4は、同ドラム式洗濯機における洗濯物がアンバランス状態にあるときのモータの電流値の変化を示す図である。 図5は、同ドラム式洗濯機のアンバランス量と振動検知部で検知した左右振動変位との関係を、衣類容量をパラメータとして示す相関図である。 図6は、同ドラム式洗濯機のアンバランス位置と振動検知部で検知した前後振動変位との関係を、アンバランス量をパラメータとして示す相関図である。 図7Aは、従来の流体バランサを設けたドラム式洗濯機のドラムを回転した場合の左右振動変位の出力波形を示す図である。 図7Bは、本発明の実施の形態の回転体制御装置(ボールバランサ)を搭載したドラム式洗濯機のドラムを回転した場合の左右振動変位の出力波形を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態2におけるドラム式洗濯機の制御ブロック図である。 図9は、同ドラム式洗濯機のアンバランス量と振動検知部で検知した左右振動変位との関係を、温度をパラメータとして示す相関図である。 図10は、同ドラム式洗濯機のアンバランス位置と振動検知部で検知した前後振動変位との関係を、アンバランス量をパラメータとして示す相関図である。 図11は、従来のドラム式洗濯機の構成図である。 図12は、従来のドラム式洗濯機の制御ブロック図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下に、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機について、図1および図2を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の構成図である。図2は、同ドラム式洗濯機の制御ブロック図である。
図1および図2に示すように、本実施の形態のドラム式洗濯機は、少なくとも筐体を構成するドラム式洗濯機本体1と、ドラム式洗濯機本体1内に収容される洗濯槽22、回転槽を構成するドラム3、モータ12、回転体制御装置を構成するボールバランサ8、振動センサなどで構成される振動検知部10、制御部13などから構成されている。
洗濯槽22は、内部に回転槽を構成するドラム3を収容し、ダンパ19で、筐体を構成するドラム式洗濯機本体1に支えられている。ドラム3は、洗濯物18を収納する。ドラム3の内周壁には、例えば3枚で構成されるバッフル7が設けられ、ドラム3の回転時に洗濯物18を持ち上げて撹拌をする。なお、ドラム3は、例えば水平軸または傾斜回転軸を備え、洗濯槽22内に回転可能に収容されている。
また、回転体制御装置を構成するボールバランサ8は、ドラム3の正面側の洗濯物投入口側に設けられている。ボールバランサ8は、内部に複数のボール9(例えば、鉄玉)および、例えば粘性100csで温度特性を有する所定の粘性のオイル(例えば、シリコーンオイル)が封じ込められている。そして、ボールバランサ8は、ドラム3と一緒に回転し、ボールバランサ8内に、例えば一列に並んだボール9が内部のオイルの粘性により自由に回転方向に移動できる構成を備えている。
また、振動検知部10は、洗濯槽22の正面側(前面側)上部に設けられ、例えば3軸などの多軸方向の振動を検知する。具体的には、振動検知部10は、洗濯槽22の上部の左右方向の振動変位(左右振動変位)、前後方向の振動変位(前後振動変位)、上下方向の振動変位(上下振動変位)を検知する。そして、制御部13は、振動検知部10で検知した各方向の振動変位の大きさに基づいて、ドラム3の回転数を上昇または停止、維持などを判断して制御する。
また、ドラム3の背面側には、ドラム3と同一軸に設けたドラムプーリ4が設けられている。そして、ドラム3は、モータプーリ5からベルト6を介してドラムプーリ4にモータ12の駆動が伝達されて回転する。
また、モータ12は、モータ12のロータ位置を検出するロータ位置検出部15を備えている。ロータ位置検出部15は、モータ12のロータ位置を検出して、制御部13の回転制御部132に信号を伝達する。回転制御部132は、ロータ位置の信号に基づいて、駆動部133を介してモータ12の回転駆動を制御する。なお、モータ12は、例えば永久磁石同期モータで構成される。そして、モータ12のロータ位置をロータ位置検出部15で検出して、制御部13の回転制御部132に入力する。これにより、モータ12が脱調することなく回転制御される。
また、図2に示すように、ドラム式洗濯機本体1の駆動制御を行う制御部13は、起動判定部131と、上述した回転制御部132などを有している。起動判定部131は、電流検知部101と、布量検知部102と、回転位置検知部103と、布量補正部104と、アンバランス位置算出部30と、アンバランス量算出部31などから構成されている。電流検知部101は、モータ12に流れる電流を検出する。回転位置検知部103は、電流検知部101で検知する電流の変化から洗濯物18の偏りによるドラム3内の円周方向のアンバランス位置を検出する。アンバランス量算出部31は、振動検知部10で検知する左右振動変位からドラム3内の洗濯物18のアンバランス量を算出する。アンバランス位置算出部30は、アンバランス量算出部31で算出したアンバランス量に基づいて、振動検知部10で検知する前後振動変位からドラム3の奥行き方向における洗濯物18のアンバランス位置を算出する。布量検知部102は、ドラム3内の洗濯物18の容量などの布量を検知する。布量補正部104は、布量検知部102で検知した布量から、振動検知部10で検知した振動変位の値を補正する。
また、制御部13の回転制御部132は、上述したように、内部にモータ12を駆動する駆動部133を備えている。駆動部133は、ロータ位置検出部15で検出したモータ12のロータ位置の信号に同期させて、モータ12を駆動する。
そして、モータ12は、図1に示す減速機構を構成するモータプーリ5、ベルト6およびドラムプーリ4を介して、ドラム3を回転させる。このとき、ドラム3の回転により発生する洗濯槽22の振動変位を振動検知部10で検知する。
以下に、本実施の形態のドラム式洗濯機において、ドラム3の回転にともなって発生する洗濯物18のアンバランス状態について、図3Aから図4を用いて具体的に説明する。
図3Aは、同ドラム式洗濯機の回転槽の円周方向の洗濯物のアンバランス状態を示す正面図である。図3Bは、同ドラム式洗濯機の回転槽の奥行き方向における前側のアンバランス状態を示す側面図である。図3Cは、同ドラム式洗濯機の回転槽の奥行き方向における後側のアンバランス状態を示す側面図である。図3Dは、同ドラム式洗濯機の回転槽の奥行き方向における中央側のアンバランス状態を示す側面図である。図3Eは、同ドラム式洗濯機の回転槽の奥行き方向における対角のアンバランス状態を示す側面図である。
なお、図3Aは、洗濯物18がドラム3の内壁に張り付いた状態でアンバランス位置Aが発生している状態を正面から見た図で示している。図3Bは、洗濯物18のアンバランス位置Aが前側(正面側)で発生した状態を示している。図3Cは、洗濯物18のアンバランス位置Aが後側で発生した状態を示している。図3Dは、洗濯物18のアンバランス位置Aがドラム3の中央側で発生した状態を示している。図3Eは、洗濯物18のアンバランス位置Aがドラム3の対角で発生している状態を示している。
図4は、同ドラム式洗濯機における洗濯物がアンバランス状態にあるときのモータの電流値の変化を示す図である。具体的には、回転するドラム3内でアンバランス位置Aが下方にあるときは、アンバランスの重量に逆らって上方に持ち上げることになる。そのため、電流を多く消費し、電流検知部101が検知する電流値は増加する。逆に、アンバランス位置Aがドラム3の上部にあるときは、アンバランスの重量を重力にしたがって下方に持っていくために最少の電流消費となる。そのため、電流検知部101が検知する電流値は減少する。このように、ドラム3にアンバランスがあるときは、モータ12の電流値は変動し、電流変化はアンバランス位置Aの回転とリンクする。また、電流値はアンバランスの量に比例して大きくなる。
まず、図3Aは、洗濯物18のアンバランス位置Aが、矢印で示すドラム3の円周方向に回転し、ドラム3の外周に設けられた回転体制御装置を構成するボールバランサ8内のボール9が底部に偏っている状態を示している。図4は、その回転状態でのモータ12の電流値の変化を示している。これは、洗濯物18がドラム3の内壁に張り付く最低回転数以上で、かつボールバランサ8内のボール9がドラム3の回転とともに回転しない最大回転数以下で、ドラム3が回転している状態を示している。具体的には、最低回転数は、例えば約60rpmから70rpmで、洗濯物18にかかる重力とドラム3の遠心力が均衡する回転数に相当する。一方、最大回転数は、通常、オイルの粘性とボール9の重量に依存するが、ボールバランサ8内に封じ込められた所定の粘性を有するオイルによりボール9が底部に偏る、例えば約80rpmの回転数に相当する。そのため、上記状態の場合、80rpm以上でドラム3が回転すると、ドラム3の回転より遅れて、ボール9が、ボールバランサ8内を回転移動することになる。
そして、図3Aに示す状態において、ドラム3内の洗濯物18が回転した場合、アンバランス位置Aのみがアンバランス状態として、電流検知部101により、図4に示すようなモータ12の電流値の変化として検出される。つまり、図4は、洗濯物18のアンバランス位置Aがドラム3の最底部から最上部へ移動すると、モータ12を駆動する電流値が、ドラム3の回転周期に同期して最小電流値bから最大電流値aへの変化(電流差分d)として検出できることを示している。これにより、同じ回転数でドラム3を駆動する間中、回転数に同期した繰り返し周期cで、電流検知部101により、モータ12の電流値の変化として検出される。
しかし、通常、実際の洗濯物18の位置により、アンバランス位置Aは複雑に変化する。具体的には、図3Bから図3Eに示すように、大きく4つに分類できる。例えば、図3Bのように、ドラム3の奥行き方向(前後方向)において、アンバランス位置Aがドラム3の前方にある場合や、図3Cに示すように、アンバランス位置Aが後側にある場合などがある。また、図3Dのように、アンバランス位置Aがドラム3の中央側(中間位置)にある場合や、図3Eに示すように、アンバランス位置Aがドラム3の前側と後側の対角位置(例えば、180度)にある場合がある。
なお、図3Aに示す状態において、ドラム3内の衣類容量(布量)が変化する場合、以下のことが実験値から得られている。例えば、衣類容量が増加すると、ドラム3の質量の増加により慣性が大きくなるため、ドラム3の振動変位の値が安定する。一方、衣類容量が少なくなるに従って、ドラム3の質量が小さくなるため、ドラム3の振動変位の値が大きくなる。つまり、衣類容量により、ドラム3の回転にともなって発生する振動変位が変化することが実験値から示されている。
そのため、図4で説明したモータ12を駆動する電流値の変化だけでは、衣類容量の変化によるアンバランス位置やアンバランス量などの多様なアンバランス状態を、正確に把握して、制御することが困難である。
そこで、本実施の形態では、衣類容量の変化によるアンバランス位置およびアンバランス量などの多様なアンバランス状態を、振動検知部10で検知して、制御している。この制御においては、まず、衣類容量の変化による振動変位とアンバランス状態(アンバランス量およびアンバランス位置)との関係を図5と図6のように実験的に測定する。そして、実験的に測定された結果を利用して、実際の運転時の衣類容量に応じてアンバランス状態をより正確に検知して制御している。
以下に、本実施の形態のドラム式洗濯機において、アンバランス状態を検知する方法について、図5および図6を用いて、説明する。
図5は、同ドラム式洗濯機のアンバランス量と振動検知部で検知した左右振動変位との関係を、衣類容量をパラメータとして示す相関図である。詳細には、図中のS1は、衣類容量が小容量の場合における、アンバランス量と左右振動変位との関係を示している。同様に、S2は衣類容量が中容量の場合、S3は衣類容量が大容量の場合の関係を示している。なお、特に限定するものではないが、本実施の形態では、小容量は大容量の20%、中容量は大容量の60%、大容量は定格容量、の衣類容量としている。また、容量の区分は3つに限られるものではなく、区分が多いほどアンバランス状態を正確に把握できる。
さらに、図中のS11は、アンバランス量が500gにおける、衣類容量が小容量の場合のS1上の左右振動変位を示している。同様に、S21は衣類容量が中容量の場合、S31は衣類容量が大容量の場合の、S2およびS3上の左右振動変位を示している。
また、図6は、同ドラム式洗濯機のアンバランス位置と振動検知部で検知した前後振動変位との関係を、アンバランス量をパラメータとして示す相関図である。詳細には、図中のZ1からZ7は、衣類容量が小容量の場合の100gから2000gに相当する各アンバランス量を示している。そして、図中のC1は、衣類容量が小容量の場合のアンバランス量が500gにおける、アンバランス位置と前後振動変位との関係を示している。同様に、C2は衣類容量が中容量の場合、C3は衣類容量が大容量の場合の、アンバランス量が500gにおける、アンバランス位置と前後振動変位との関係を示している。なお、衣類容量が中容量と大容量で、アンバランス量が500gの場合以外の相関図は記載していない。
さらに、図中のC11は、アンバランス量が500gにおいて、衣類容量が小容量でアンバランス位置が「前中」の場合の、C1上の前後振動変位を示している。同様に、C21は衣類容量が中容量の場合、C31は衣類容量が大容量の場合の、C2およびC3上のアンバランス位置が「前中」における前後振動変位を示している。
このとき、図5は、振動検知部10で検知した左右振動変位とアンバランス量との関係が、以下の条件でドラム3を駆動した場合、アンバランス位置Aが図3Bから図3Eに示す位置関係に関わらず、相関関係にあることを示している。条件は、ドラム3をボールバランサ8のボール9が底部に固定されずに回転する回転数を、例えば90rpmから150rpmの範囲で維持した状態で、左右振動変位とアンバランス量を検知した場合である。この回転数は、ドラム3の共振回転数より低く、アンバランス状態の検知に都合が良い。
なお、本実施の形態では、回転数を120rpmで維持した状態で、衣類容量毎に左右振動変位とアンバランス量の関係を実験的に測定した結果を、図5に示している。同様に、回転数を120rpmで維持した状態で、衣類容量が小容量においてアンバランス量毎に前後振動変位とアンバランス位置の関係を実験的に測定した結果を、図6に示している。
ここで、図5と図6を得る具体的な測定方法について説明する。まず、例えばドラム3の内壁面に、衣類容量に相当する重りを均等に配置する。つぎに、アンバランス量に相当する重り(例えば、500gなど)を、所定のアンバランス位置に配置した状態で、ドラム3を回転駆動する。そして、上記状態でドラム3を回転させたときに発生する左右振動変位や前後振動変位を検知し、図5や図6にプロットしている。
以下に、図5において、左右振動変位とアンバランス量との関係が、アンバランス位置Aが図3Bから図3Eに示す奥行き方向の位置関係に関わらず、相関関係にある理由について説明する。
まず、ドラム3の回転軸が洗濯槽22の背面側を軸に支持固定され、振動検知部10を軸から離れた距離にある前側の上部に設けている。そのため、ドラム3の奥行き方向のアンバランス位置に前後振動変位および上下振動変位は影響されるが、左右振動変位への影響は小さい。つまり、奥行き方向のアンバランス位置に、左右振動変位は、影響されない。これにより、アンバランス量と左右振動変位との関係を、精度よく得ることができる。
一方、左右振動変位は、上述したように、ドラム3の内部に収容される衣類容量の増減により影響を受ける。つまり、衣類容量の増加によりドラム3全体の重量が増加すると、振動の始まりには重量による慣性が振動を抑制する方向に働く。そこで、図5には、布量検知部102で洗濯前(例えば、洗濯水を供給する前)に検知した衣類容量から、小容量時の左右振動変位とアンバランス量との関係をS1で示し、同様に、中容量時の関係をS2で、大容量時の関係をS3で示している。
具体的には、例えば衣類容量が小容量時において、振動検知部10で検知した左右振動変位が3.0mmの場合、S1上のS11から、アンバランス量が500gであることを示している。これに対して、アンバランス量が500gで同じであれば、中容量時においては、S2上のS21から左右振動変位が1.0mmと小さくなり、大容量時においては、S3上のS31から左右振動変位が0.8mmとさらに小さくなる。従って、衣類容量を小容量とすると、左右振動変位が1.0mmの場合、S1からアンバランス量が400gであると示される。さらに、左右振動変位が0.8mmの場合、S1からアンバランス量が300gであると示される。つまり、アンバランス量が同じ場合でも、上述したように、衣類容量により左右振動変位が異なる。その結果、左右振動変位だけでアンバランス量を判断すると、図2に示す制御部13の起動判定部131は、アンバランス量を誤判定し、起動方法を誤る可能性がある。
また、図6に示す前後振動変位とアンバランス位置との関係から、図中にZ1からZ7で示すアンバランス量毎の特性を用いて、ドラム3の奥行き方向におけるアンバランス位置を算出することができる。なお、図6に示す、洗濯槽22の前後振動変位と、アンバランス量毎のアンバランス位置を示す関係は、上述したように実験的に得られたデータである。
つまり、振動検知部10の前後変位は、以下の条件でドラム3を駆動した場合、アンバランス量毎にドラム3の奥行き方向のアンバランス位置により前後振動変位として検出できる。条件は、ドラム3をボールバランサ8のボール9が底部に固定されずに回転する回転数、例えば90rpmから150rpmの範囲を維持した状態で、ドラム3を回転させる場合である。なお、本実施の形態では、回転数を120rpmで維持した状態で、前後振動変位とアンバランス位置との関係を実験的に測定しており、図6では、上述したように、アンバランス量が500gの場合を除いて、衣類容量が小容量の場合のみを示している。
ここで、前後振動変位を検出できる理由は、まず、ドラム3の回転軸が洗濯槽22の後方部を軸として支持され、軸から離れた前方上部の位置に振動検知部10を設けている。これにより、アンバランス量を示す左右振動は明確に現れる。そして、アンバランス位置の違いを示す前後振動は、アンバランス位置がドラム3内の軸側にある場合は小さく、前側にある場合は大きくなる。そのため、振動検知部10で検知される前後振動変位に、ドラム3の奥行き方向のアンバランス位置を示す特性が表れる。つまり、ドラム3の奥行き方向のアンバランス位置を、実験結果から得られた図6を用いて判定できる。
具体的には、例えば布量検知部102で検知した衣類容量が小容量の場合、左右振動変位が3.0mmで、前後振動変位が1.0mmであれば、図5のS11からアンバランス量は500gと読み取れる。そして、読み取ったアンバランス量を図6のC11に当てはめることにより、アンバランス位置が「前中」にあることを検知できる。
このようにして、例えばアンバランス量は500gとして、衣類容量が中容量の場合、前後変位が0.9mmと計測されると、中容量時の特性を示すC2から前後のアンバランス位置がC21と示される。さらに、衣類容量が大容量の場合、前後振動変位が0.8mmと計測されると、大容量時の特性を示すC3から前後のアンバランス位置がC31と示される。つまり、衣類容量と前後振動変位の値が変化しても、いずれもアンバランス位置を、「前中」と判定することができる。
このように、図5と図6のような関係を実験により得られた値から補正式(近似式)として布量補正部104で把握しておく。これにより、布量検知部102で検知した衣類容量と、振動検知部10で検知される左右振動変位と前後振動変位とから、アンバランス量とアンバランス位置を正確に算出して、適切な起動制御を行うことができる。なお、布類容量やアンバランス量の実験では得られていない詳細な値に対しても、布量補正部104の補正式により補間して算出することが可能である。
また、図5および図6を得る場合において、例えば衣類容量が小容量の場合のみ実験を行って相関図を把握する。そして、中容量や大容量については、小容量の相関図を基準にして、布量による補正を布量補正部104で行うようにしてもよい。もちろん、基準とする衣類容量は、特に限定されるものではない。ここで、図6が小容量の場合のみ実験を行った相関図である場合を示す。
例えば、布量検知部102で検知した衣類容量が大容量の場合、左右振動変位が0.8mmで、前後振動変位が1.0mmであれば、図5の大容量のS31からアンバランス量は500gと読み取れる。そして、読み取ったアンバランス量を図6の小容量の衣類のアンバランス量がZ4(500g)に当てはめる。この場合、そのままではアンバランス位置が「前中」にあることを検知できるが、これは小容量の実験値を基に検知した結果である。そこで、例えば関連する実験値などから、大容量時の特性を示すC3となるように補正値を決めておくとする。このC3で前後振動変位が1.0mmとなるのはC32に示され、アンバランス位置がほぼ「前」にあることを検知できる。しかし、上記と同様の条件において、衣類容量の補正を行わない場合、衣類容量を振動検知部10の振動変位の値通りに小容量で判定すると、図6のC1からアンバランス位置を判定することになる。その結果、アンバランス位置を誤ってしまうこととなる。
このようにして、本実施の形態では、布量検知部102で検知した衣類容量毎に、例えばZ4に示すアンバランス量500gの場合のC1を、図6に示すC2およびC3のように布量補正部104で補正を行う。これにより、例えば衣類容量が小容量の場合、振動検知部10で前後振動変位が1.0mmと計測されると、小容量時の特性を示すC1から前後のアンバランス位置がC11と示される。また、衣類容量が中容量の場合、前後変位が0.9mmと計測されると、中容量時の特性を示すC2から前後のアンバランス位置がC21と示される。さらに、衣類容量が大容量の場合、前後振動変位が0.8mmと計測されると、大容量時の特性を示すC3から前後のアンバランス位置がC31と示される。つまり、衣類容量を布量補正部104で補正することにより、振動検知部10で検知した前後振動変位の値が変化しても、いずれもアンバランス位置を、「前中」と判定することができる。なお、衣類容量が増加すると振動を抑制する方向になる特性が、それぞれの衣類のアンバランス量に応じて、同様に表れることは実験値から確認している。
以下に、本実施の形態のドラム式洗濯機に用いる回転体制御装置であるボールバランサと従来の流体バランサの特性を、図7Aおよび図7Bを用いて、比較して説明する。
図7Aは、従来の流体バランサを設けたドラム式洗濯機のドラムを回転した場合の左右振動変位の出力波形を示す図である。図7Bは、本発明の実施の形態の回転体制御装置(ボールバランサ)を搭載したドラム式洗濯機のドラムを回転した場合の左右振動変位の出力波形を示す図である。なお、図中に示すTH1およびTH2は、120rpmで回転するドラム3が4回転する時間を示している。
まず、図7Aに示すように、従来のドラム式洗濯機は、バランサ機能としてドラムの前方の円周上に設けた流体バランサ(バランサ内部に液体を封入)を用いている。このとき、ドラムを回転数120rpm(例えば、90rpmから150rpmの範囲内)に維持した状態で回転した場合、流体バランサ内の液体は、常に移動し、時間とともに拡散や偏りを生じる。そのため、振動検知部で検知される左右振動変位は、波形H1に示すように、ドラムの回転に非同期かつ偏りが一定でないために左右振動変位が一定でなく上昇し、左右振動変位が常に変わる状態を示す。つまり、従来の流体バランサでは、常に同じ状態の左右振動変位にならず、変動幅や変化の度合いが決められない状態で左右振動変位が検出される。その結果、制御部は、洗濯槽の本当の左右振動変位を算出することが難しい。
一方、図7Bに示すように、本実施の形態のドラム式洗濯機は、ボールバランサを搭載している。この場合、洗濯槽22の前方上部に設けた振動検知部10の左右振動変位に示すように、ドラム3を回転数120rpm(例えば、90rpmから150rpmの範囲内)に維持した状態で回転した場合、所定の粘性を持ったオイルにより、ボールバランサ8内のボール9は、ほぼ一定の位置に偏る状態となる。これにより、ボールバランサ8内のボール9は、ドラム3の回転数より、ほぼ一定回転数遅れた回転数で回転する。そのため、図7Bの波形H2に示すように、左右振動変位は、一定の振幅範囲でドラム3の回転周期に同期して変動する。
従って、ボールバランサ8を用いた場合、ドラム3の回転数とボール9の回転数が一定の回転数遅れた状態で回転する。そのため、洗濯槽22の左右振動変位は、洗濯物18のアンバランス位置Aとボール9の偏りとが打ち消しあう状態や重なり合う状態を、一定周期で繰り返す。これにより、洗濯槽22の左右振動変位は、一定の変動周期と一定の振幅変動で検出される。その結果、ボールバランサ8を用いた場合、振動検知部10は、一定の振動周期と一定の振幅変動の範囲から、左右振動変位の値を容易に検知できる。
このとき、上述したように、衣類容量が増加すると、衣類の慣性により振動を抑制する方向になる特性から、左右振動変位の振幅値は大容量時に小さく、小容量時に大きくなる。しかし、左右振動変位の繰り返し動作は、上記と同様の動作を示す。つまり、衣類容量が変化する場合でも、正確に左右振動変位を検出することが可能となる。ここで、一般的に、左右振動変位は、例えば最大変位と最小変位との差分を平均することにより算出される。このとき、ボールバランサ8内のボール9は、アンバランスの円周方向位置と重なる位置に移動すると振動変位をより大きくし、アンバランスの円周方向位置と対向する位置に移動すると振動変位をより小さくするように作用する。従って、最大変位と最小変位との差分に対するボール9の影響は、相殺されて問題ない。なお、本実施の形態では、120rpmで回転するドラム3の回転期間で検出する左右振動変位の平均を算出して、左右振動変位の真値を算出している。この回転数は、共振回転数から離れた90rpmから150rpmの範囲内であれば問題ない。特に、120rpm近傍ではボールバランサ8内のボール9の挙動がより安定しており、左右振動変位の検出精度を向上できる。
なお、本実施の形態では、振動検知部10として、3軸などの多軸方向の振動変位を検知する振動センサを例に説明したが、これに限られない。例えば、加速度センサで構成してもよい。つまり、加速度から演算により変位を算出する場合でも、同様に、左右振動変位を検出できる。加速度センサは、半導体加速度センサ、圧電型加速度センサなどのいずれでもよい。また、3軸方向のセンサ以外に、2軸のセンサや、1軸のセンサを組み合わせて検出することも可能である。
以上のように、本実施の形態のドラム式洗濯機が構成されている。
以下に、本実施の形態におけるドラム式洗濯機の動作および作用について、図1から図7Bを参照しながら説明する。
まず、本実施の形態のドラム式洗濯機本体1は、洗濯ステップ前、例えば洗濯水を給水する前に、ドラム3を動作させて、ドラム3内に収容されている洗濯物18の量を布量検知部102で判定する。これにより、制御部13は、測定された布量に基づいて、洗濯時間や洗剤量を算出して表示する。同時に、脱水ステップ前に、洗濯物18のアンバランス状態(アンバランス量およびアンバランス位置)を把握する。なお、把握したアンバランス状態は、衣類容量における補正に利用する。
つぎに、洗いステップおよびすすぎステップが終了後、洗濯槽22内部の洗濯水を排水する。そして、洗濯物18を脱水する脱水ステップを行う。しかし、脱水ステップを行う場合、洗濯物18がドラム3内部に均一の状態で位置していることは、ほとんどない。つまり、洗濯物18は、例えばドラム3の底部に偏るなど、ほとんどアンバランス状態で配置されている。
そこで、通常、上記アンバランス状態を解消するため、洗濯水を排水後に、ドラム3をゆっくり回転させる。これにより、偏った洗濯物18の塊をほぐして、アンバランス状態をできる限り解消している。しかし、ほぐし動作を行っても、水分を含んだ洗濯物18は、重力により、必ずドラム3内の底部に偏る傾向がある。そのため、アンバランス状態が残った状態で、脱水ステップを開始することになる。
そして、脱水ステップにおいて、ドラム式洗濯機本体1の洗濯槽22が、ドラム3が共振回転数(例えば、200rpmから400rpmの間)を通過する際に大きく振動して、規定の振動変位を超える場合には、制御部13はドラム3の回転を停止する。その後、制御部13は、再度、洗濯物18の偏りを解消するために、ドラム3をゆっくり回転させて、洗濯物18のほぐしステップを行う。そして、制御部13は、再度、脱水ステップの起動を行う。
しかし、通常、ドラム3の共振回転数時には、洗濯物18の偏り(アンバランス状態)により、ドラム3は、少なくともゼロ(無負荷)以外の状態にあるため、必ず洗濯槽22に振動が発生する。
そこで、本実施の形態では、振動を抑制して脱水起動を成功させるために、まず、ドラム3を共振回転数より低い回転数(例えば、120rpm)で回転させる。その状態で、ドラム3の前方上部の洗濯槽22に設けた振動検知部10で、左右振動変位や前後振動変位などを測定する。そして、検知した各振動変位から洗濯物18のアンバランス量および奥行き方向のアンバランス位置を判定する。さらに、判定したアンバランス量およびアンバランス位置のアンバランス状態に基づいて、共振回転数までのドラム3の立ち上げ方法を決定し、ボールバランサ8を制御する。これにより、ボールバランサ8内の最適な位置にボール9を配置して、ドラム3が共振回転数を通過するときの振動を抑制する。
ここで、上記のボールバランサ8内での最適なボール9の配置とは、例えばアンバランス状態のアンバランス量が大きい場合やドラム3の前方に洗濯物18が位置している場合、アンバランス状態に対向する位置にボール9を偏るように配置する対向状態とすることである。あるいは、アンバランス量が小さい場合やドラム3の後方に洗濯物18が位置している場合には、ドラム3の回転数や加速度を増減させ、ボール9をボールバランサ8の円周方向にほぼ均等(均等を含む)に配置して、小さいアンバランス量に見合ったボール9の偏りが小さい状態で配置する分散状態とすることである。これらにより、ドラム3内の洗濯物18の偏りに対して、ボールバランサ8内のボール9の最適配置を行う。そして、ドラム3が共振回転数を通過する場合に発生する振動を抑制して、安定した起動動作を実現している。
さらに、対向状態に制御する対向起動と、分散状態に制御する分散起動について、ドラム3の回転数の立ち上げ方の一例について、以下で説明する。
対向起動を行うときには、例えばドラム3の回転数を120rpmから70rpmに低下させ、そのときのモータ12の電流値を確認する。この場合、電流値は、図4で示すように規則的に変動している。そこで、ボール9がアンバランス位置と対向状態となる電流の最小値を見計らって、ドラム3の回転数を一気に増加させ、共振回転数を通過させる。なお、一気に増加させるタイミングは、条件により異なるので、実験により最適なタイミングを決定する。
また、分散起動を行うときには、例えば、120rpmと90rpmを一定時間で繰り返す。または、その回転数の範囲で加速と減速を繰り返す。これにより、ボール9は移動度合いが不均一になり、分散する。なお、回転数の変化については、実験で決定してもよいし、モータ12の電流値の変化を確認しながら制御してもよい。そして、電流値が大きくならないことを確認しながら、ドラム3の回転数を増加させ、共振回転数を通過させる。
以下に、本実施の形態におけるドラム3が共振回転数を通過する際に発生する振動を抑制する、脱水時の起動動作について、説明する。
脱水ステップでは、制御部13は、回転制御部132の指令により、駆動部133を介してモータ12に駆動電圧を印加する。これにより、モータ12を徐々に低速回転から高速回転に動作させ、ドラム3の回転速度を徐々に上昇させる。
つぎに、制御部13の回転制御部132は、ドラム3の回転数が約120rpmとなるように、モータ12を制御し、その状態を維持する。そして、ドラム3が約120rpmで回転する状態で、ドラム3の前方上部の洗濯槽22に設けた振動検知部10で、洗濯槽22の左右振動変位および前後振動変位を検出する。このとき、ドラム3の回転数は、共振回転数未満であるため、安定した振動変位で検出できる。また、ボールバランサ8の内部のボール9は、オイルの粘性により一ヶ所に偏った状態で、ドラム3の回転数と非同期で、かつ一定回転数遅れた状態で回転する。これにより、図7Bの波形H2に示すような、一定の振動周期と一定の振幅変動で左右振動変位が検出される。その結果、制御部13の起動判定部131は、洗濯槽22の左右振動変位の値を平均することにより、左右振動変位の真値を容易に算出できる。
しかし、上記で説明したように、ドラム3内に収容される衣類容量に、振動検知部10で検知する振動変位は、影響を受ける。具体的には、図5および図6に示すように、衣類容量が大容量時には、振動変位はS3およびC3の特性を示す。また、中容量時には振動変位は、S2およびC2の特性を示し、小容量時には振動変位はS1およびC1の特性を示すように影響を受ける。
そこで、本実施の形態では、まず、制御部13の起動判定部131は、布量検知部102により、洗濯物18の容量を洗濯ステップ開始前(給水前)に検出し、検出した容量に基づいて、布量補正部104で、例えば振動変位を補正する。具体的には、図5と図6のような関係を実験により得られた値から補正式(近似式)として把握している布量補正部104は、振動検知部10で検知した振動変位を小容量時の振動の値(図5のS1および図6のC1)に、大容量時のS3およびC3、および中容量時のS2およびC2から補正を行う。そして、起動判定部131は、アンバランス量算出部31およびアンバランス位置算出部30で衣類のアンバランス状態を検出する。なお、小容量、大容量および中容量以外の容量に対する布量補正部104による補正は、実験値で求めた小容量、大容量および中容量時における振動変位の値から、例えば比例にあると仮定した補正式を用いて、補間して算出する。これにより、測定する実験値の数を削減して、作業性を向上できる。
つぎに、振動検知部10で検知した左右振動変位の真値から、図5に示す左右振動変位とアンバランス量の相関図(具体的には、実験値より得られた小容量時を示すS1、中容量時を示すS2、大容量時を示すS3)を用いて、アンバランス量を算出する。例えば、衣類容量が中容量の場合、左右振動変位の真値が1.0mmであれば、その時のアンバランス量は500gである。また、左右振動変位が10mmであれば、アンバランス量は1000gであると算出できる。なお、本実施の形態では、上記の方法によりアンバランス量を算出しているが、振動変位の値そのもので、アンバランス量を算出する方法でも可能である。
上述したように、布量が変化する場合、左右振動変位だけでアンバランス量を判定すると、アンバランス量を誤って判定する。その結果、誤った脱水起動の方法でドラム3を回転させる可能性がある。しかし、布量検知部102で検知した衣類容量により、布量補正部104で小容量時のS1、または大容量時のS3、または中容量時のS2に補正することでアンバランス量を正確に判定することができる。
なお、上述したように、アンバランス量は、洗濯物18のアンバランス位置Aが、図3Bから図3Eに示す前、後、中央、対角のアンバランス状態であっても、発生する場所に関係なく、アンバランス量が同じであれば、左右振動変位は同じ特性を示すことが実験結果から判明している。つまり、左右振動変位とアンバランス量の関係は、図5に示す関係が維持される。そのため、アンバランス量算出部31で、左右振動変位の値からアンバランス量を容易に算出することができる。
つぎに、同じ120rpmでドラム3の回転を維持している際、振動検知部10は、洗濯槽22の前方上部の左右振動変位以外に、前後振動変位や上下振動変位を検出している。そして、検知した前後振動変位をアンバランス位置算出部30に入力する。これにより、アンバランス位置算出部30は、アンバランス量算出部31で算出したアンバランス量に基づいて、図6に示すアンバランス量毎の前後振動変位とアンバランス位置との相関図からアンバランス位置を算出する。
例えば、アンバランス量算出部31で、アンバランス量が500gと算出された場合、まず、アンバランス位置算出部30は、図6に示すZ4(衣類容量が小容量の場合)を選択する。そして、前後振動変位が、Z4のどこに位置するかにより、図6の横軸に示すアンバランス位置を特定する。その結果、アンバランス位置が算出される。具体的には、衣類容量が小容量において、アンバランス量が500gで、前後振動変位が1.0mmを検知した場合、図6からアンバランス位置が、前と中の間の「前中」に位置していると算出できる。
このとき、図6に示すように、例えばアンバランス量が500gの場合、衣類容量が大容量の場合には大容量を示すC3、中容量時の場合には中容量特性を示すC2で、振動検知の特性が示される。そのため、布量検知部102の衣類容量から布量補正部104で、大容量を示すC3または中容量を示すC2から、小容量を示すC1に補正を行う。一方、衣類容量が小容量の場合は、補正を行わず、小容量特性を示すC1で判定を行う。さらに、一定値である小容量以下の場合も、同様に、補正を行わず、小容量特性のC1で判定を行う。つまり、一定値以下の場合、振動検知部10で検知される左右振動変位や前後振動変位は、衣類の容量による影響がほとんどない。そこで、衣類容量が一定値(小容量)以下の場合は、小容量特性のC1で補正を行う。これにより、容量毎に求める実験値の回数を低減して、生産性や作業性を向上できる。
具体的に例示すれば、振動検知部10で検知した前後振動変位が、大容量時に0.8mm、中容量時に0.9mmの場合、布量検知部102の布量から布量補正部104で小容量時を示すC1へ補正を行う。つまり、布量検知部102で検出した衣類容量に基づいて、布量補正部104は小容量を示すC1に補正する。これにより、誤ったアンバランス位置の判定を防止する。その結果、脱水起動時において、誤判定することがない。
つまり、上述した方法により、制御部13の起動判定部131のアンバランス量算出部31とアンバランス位置算出部30で、洗濯物18のアンバランス状態を、ドラム3の共振回転数よりも低い回転数(本実施の形態では、約120rpm)で特定することができる。
なお、図5および図6に示す左右振動変位および前後振動変位と、アンバランス量およびアンバランス位置との相関図は、約120rpmでドラム3を回転させたときの実験値から得られた図である。そのため、ドラム3の回転数を変更した場合には、相関関係は変化する。また、ドラム3の奥行きサイズ、径、ドラム式洗濯機本体1内の洗濯槽22の支持方法などが変化した場合にも相関関係が変化する。その場合でも、共振回転数未満で実験的に相関関係を得ることにより、容易に対応することができる。
つぎに、検知したアンバランス状態に基づいて、共振回転数までのドラム3の立ち上げ方法を決定し、ボールバランサ8内のボール9を制御する。なお、制御の詳細は後述するが、例えばドラム3の奥行き方向のアンバランス位置が前側であれば、ボール9を対向状態にして起動、軸側であれば、ボール9を分散状態にして起動制御を行う。これにより、ボール9と、衣類とのアンバランス状態を最適な状態で、ドラム3の共振回転数を通過させることができる。その結果、ドラム3の共振回転数での振動を最小限に抑制して、起動することができる。
以下に、ドラム3の共振回転数での振動を最小限に抑制する動作について、詳細に説明する。
まず、ドラム3を、約120rpmで回転して、振動検知部10でアンバランス量およびアンバランス位置を検出し、ドラム3内の洗濯物18のアンバランス状態を把握する。
つぎに、ドラム3の回転数を、振動検知部10で振動変位を検知した回転数より低い回転数で運転する。つまり、ボールバランサ8内のボール9がドラム3の回転に対して底部に偏った状態で、ボール9が回転しない状態の回転数で動作させる。なお、上記回転数は、ボール9の重力が回転による遠心力よりも大きい条件でドラム3が回転している回転数である。そのため、ボールバランサ8の内部のオイルの粘性にも影響されるので、本実施の形態では、実験値で回転数を決めている。
また、ドラム3が120rpmで回転している場合において、ボール9が回転するか、ボールバランサ8の底部で偏り状態になっているかは、図7Bに示すような一定の振動周期および一定の振幅変動の値が、振動検知部10の左右振動変位で検出されることにより判断できる。一方、ボールバランサ8の底部にボール9が偏っている場合、左右振動変位が周期的に変動せず、一定の値で安定している状態から、容易に確認して判断できる。
一方、ドラム3が約120rpmよりも低い回転数で、ボールバランサ8内のボール9が回転しない図3Aに示す位置にある場合において、一定値以上(例えば、100g)のアンバランス量がある場合には、以下の方法により円周方向のアンバランス位置を検出する。つまり、まず、ドラム3を回転させる場合に、モータ12を駆動している駆動部133から流れる電流値を電流検知部101で検知する。このとき、図4に示す電流値の変化により、ドラム3内の洗濯物18のアンバランス位置Aを把握することができる。
しかし、アンバランス量が一定値以下の場合には、図4に示す電流値の変化が小さくなるので、電流値の変化ではなく、電流値の大きさにより、起動方法を判定してもよい。例えば、一定電流値以下の振幅変動の場合は、アンバランス量が少ないため、ボール9の分散状態による分散起動と判定して起動する。一方、一定電流値以上の振幅変動の場合は、アンバランス量が多いため、ボール9の対向状態による対向起動と判定して起動する。これにより、モータ12を駆動する電流値の大きさから、起動方法を判定してもよい。
また、図3Aに示すように、アンバランス位置Aがドラム式洗濯機本体1の正面から見て底部にある場合、モータ12を駆動する電流値は、図4に示す電流bの位置にある。そして、アンバランス位置Aが右回転で上部へ移動するにしたがって、電流値は電流bから電流a1に変化する。その後、電流値は回転とともにアンバランス位置Aが底部に戻るとともに、電流値も減少する。つまり、上記の状態が繰り返して電流検知部101で検出されることにより、ドラム3の円周方向におけるアンバランス位置Aを容易に把握できる。
なお、布量検知部102の衣類容量の計測は、洗濯ステップの給水前の状態で行うことが、好ましい。これにより、脱水ステップ前の給水状態で布量を判定する場合において、洗濯ステップ時、布に含まれる水分量を考慮して布量を判定する必要がない。その結果、正確な布量が判定でき、脱水起動時の布量の補正を正確に行うことができる。また、これに限定されるものではなく、布に含まれる水分量を考慮して布量を判定することも可能である。
さらに、布量補正部104の補正は、必ずアンバランス量算出部31およびアンバランス位置算出部30でアンバランス状態を算出する直前の状態で行うことが、好ましい。これにより、最も精度よく衣類容量を補正できる。つまり、洗濯ステップ終了後の、脱水起動の直前や、すすぎ時の脱水時の直前に衣類容量の補正を行う。これにより、精度よく、衣類容量の補正を行うことができる。
そして、上述したように、ドラム3を約120rpmで回転させた状態において、振動検知部10で検知した振動変位に基づいて、アンバランス量算出部31とアンバランス位置算出部30から、ドラム3の奥行き方向におけるアンバランス位置とアンバランス量が算出される。そのため、算出されたアンバランス位置とアンバランス量のそれぞれ条件毎に、ボールバランサ8のボール9の位置と、円周方向におけるアンバランス位置Aの相対位置とを、どのように配置すればドラム3の共振回転数を通過させる際に、最も振動を抑制できるかについては、実験結果から得られている。具体的には、例えば、ドラム3の奥行き方向のアンバランス位置が前側、または軸側で一定値(例えば、300g)以上であれば、対向起動とし、軸側で一定値未満であれば、分散起動とする。
そこで、制御部13の起動判定部131は、上記条件で、ボール9が底部に偏っている状態のドラム3の回転数から、所定の時間内に共振回転数まで上昇させる。そして、起動判定部131は、さらに、例えば約500rpmの回転数までドラム3を回転させるように、モータ12を制御する。
以上により、ドラム3の共振回転数における洗濯槽22の振動変位を最小限に抑制して、ドラム3を起動できる。
なお、本実施の形態では、ボールバランサ8をドラム3の洗濯物投入口側に配置し、脱水起動時にボール9と洗濯物18のアンバランス位置Aとの相対位置が図3Bまたは図3Dでは約180度、図3Cではボール9がボールバランサ8内にほぼ均等(均等を含む)に配置した例を基本の配置として説明したが、これに限られない。例えば、アンバランス量の大きさによって、ボール9の配置をさらに区分けして配置するように制御してもよい。これにより、複雑なアンバランス位置に応じて、よりボールバランサ8内でボール9を最適に配置できる。その結果、脱水起動時において、共振回転数を通過する際に発生するドラム3の振動を、さらに抑制できる。
また、本実施の形態では、図3Eで示したように、前側と後側の対角位置にアンバランス位置Aが発生する例で説明したが、これに限られない。例えば、アンバランス位置Aの重心位置が前側または後側の位置に偏って配置されている場合、ボールバランサ8内のボール9の配置を、さらに区分けして配置して制御してもよい。これにより、アンバランス位置に応じて、ボールバランサ8内でボール9を最適に配置して、さらに振動を低減できる。
以上のように、本実施の形態によれば、振動検知部10の左右振動および前後振動の変位を、ドラム3を約120rpmの回転数で回転させた状態で正確に検知する。そして、検知した振動変位に基づいて、アンバランス量およびアンバランス位置を判定する。これにより、ドラム3の共振回転数における振動を最小化できるように、予めアンバランス状態の条件からボールバランサ8内のボール9の配置とアンバランス位置Aの相対位置を把握することができる。その結果、ボール9をアンバランス位置Aに対応して最適に配置して、ドラム3を駆動し、安定した脱水起動を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、ドラム3を約120rpmで回転した状態で、振動検知部10で振動変位を検知する。そのため、一定以上の大きさで振動変位を検出できる。このとき、ボールバランサ8内のボール9は、オイルの粘性により、分散や偏りを繰り返すような移動を行わず、安定した配置で回転している。これにより、振動検知部10で正確な左右振動変位および前後振動変位を検出して、正確にアンバランス量およびアンバランス位置の検出ができる。
つまり、従来の流体バランサでは、水のみの粘性であるために、振動変位が一定以下の大きさの場合でも、頻繁に移動を繰り返す。そのため、流体バランサ内の水と、アンバランス位置Aとの相対的な配置が常に変化し、正確な振動変位を検出することが困難であった。しかし、本実施の形態のボールバランサの構成により、正確に振動変位を検知し、安定して脱水ステップを起動できる。
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の形態2におけるドラム式洗濯機の構成について、図1を参照しながら、図8を用いて説明する。
図8は、本発明の実施の形態2におけるドラム式洗濯機の制御ブロック図である。
図8に示すように、本実施の形態のドラム式洗濯機は、回転体制御装置を構成するボールバランサ8近傍の温度を検知する温度検知部23と、温度補正部106を設けた点で、実施の形態1とは異なる。そして、実施の形態1で説明した振動検知部10で検知した振動変位と、布量検知部102で検知した布量に、さらに温度検知部23で検知した温度に基づいて、脱水起動時にボールバランサ8を制御する。
つまり、図1および図8に示すように、本実施の形態のドラム式洗濯機は、少なくとも筐体を構成するドラム式洗濯機本体1と、ドラム式洗濯機本体1内に収容される洗濯槽22、回転槽を構成するドラム3、モータ12、回転体制御装置を構成するボールバランサ8、振動センサなどで構成される振動検知部10、制御部13、温度検知部23などから構成されている。なお、基本的に、以下に示す温度検知部23以外の構成や動作は、実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
温度検知部23は、例えばサーミスタなどの温度センサで構成され、ボールバランサ8近傍の洗濯槽22の下部などに設けられている。そして、温度検知部23は、ボールバランサ8近傍の温度を検知する。
一般的に、ボールバランサ8内のオイルの粘性は、温度の変化により変わる。そのため、ボールバランサ8内のボール9の動きなどが、オイルの粘性の変化により影響される。そこで、オイルの温度をより正確に検知するために、温度検知部23をボールバランサ8近傍の洗濯槽22の下部に設けている。この配置は、洗濯槽22内の洗濯水や洗濯物18などで変化する温度の影響を緩和して、精度よくボールバランサ8近傍の温度を検知できる効果もある。なお、温度検知部23は、洗濯槽22の下部以外に、洗濯槽22の正面部などに設けてもよく、ボールバランサ8近傍の温度を精度よく検出できる位置であれば、任意の位置に配置してもよい。
また、図2に示すように、本実施の形態のドラム式洗濯機の制御部13は、実施の形態1と同様に、起動判定部131と回転制御部132などを有している。起動判定部131は、電流検知部101と、布量検知部102と、回転位置検知部103と、布量補正部104と、温度補正部106と、アンバランス位置算出部30と、アンバランス量算出部31などから構成されている。電流検知部101は、モータ12に流れる電流を検出する。回転位置検知部103は、電流検知部101で検知する電流の変化から洗濯物18の偏りによるドラム3内の円周方向のアンバランス位置を検出する。アンバランス量算出部31は、振動検知部10の左右振動変位からドラム3内の洗濯物18のアンバランス量を検知する。アンバランス位置算出部30は、アンバランス量算出部31で算出したアンバランス量に基づいて、振動検知部10の前後振動変位からドラム3の奥行き方向における洗濯物18のアンバランス位置を算出する。布量検知部102は、ドラム3内の洗濯物18の容量(衣類容量)を検知する。布量補正部104は、布量検知部102で検知した衣類容量から振動検知部10で検知した振動変位の値を補正する。温度補正部106は、温度検知部23で検知した温度の値から振動検知部10で検知した振動変位の値を温度補正する補正値を算出する。
また、実施の形態1において、図3Aから図4を用いて説明したように、脱水起動時には、洗濯物18のアンバランス状態(アンバランス量およびアンバランス位置)が衣類容量に応じて変化する。そこで、実施の形態1では、衣類容量を考慮して、アンバランス状態を、振動検知部10で検出した左右振動変位や前後振動変位から求めて、ボールバランサ8のボール9をアンバランス状態に対応して制御し、振動を抑制していた。
しかし、実施の形態1でも述べたように、ボールバランサ8内のオイルの粘性は、温度特性を有する。つまり、オイルの粘性抵抗は、温度により大きく変化し、高温では小さく、低温では大きくなる。このような温度変化は、季節の変化による外気温の変化や、洗いステップやすすぎステップの洗濯水にお湯を使用することなどにより起こり得る。これにより、ボールバランサ8内のボール9の動作も大きく変化する。
具体的には、ボールバランサ8内のボール9の動作は、高温時において、オイルの粘性抵抗の低下により、常温時より速く移動する。一方、低温時においては、オイルの粘性抵抗の増加により、常温時より遅く移動する。そのため、図9および図10を用いて後述するように、洗濯槽22に設けている振動検知部10で検知する振動変位は、高温時において、常温時より大きくなる。一方、低温時においては、常温時より小さくなる。
そこで、本実施の形態では、衣類容量の変化に加えて、さらに温度変化を考慮して、アンバランス位置およびアンバランス量などの多様なアンバランス状態を、振動検知部10で検知する。そして、検知した振動変位に基づいて、ボールバランサ8を制御し、脱水起動時に発生する振動を抑制している。
以下に、本実施の形態のドラム式洗濯機において、温度変化を考慮して、アンバランス状態を検知する方法について、図9および図10を用いて、説明する。
図9は、同ドラム式洗濯機のアンバランス量と振動検知部で検知した左右振動変位との関係を、温度をパラメータとして示す相関図である。詳細には、図中のSS1は、温度が常温(例えば、25°C程度)の場合における、アンバランス量と左右振動変位との関係を示している。同様に、SS2は温度が低温(例えば、5°C程度)の場合、SS3は温度が高温(例えば、60°C程度)の場合の関係を示している。さらに、図中のSS11は、アンバランス量が500gにおける、温度が常温の場合のSS1上の左右振動変位を示している。同様に、SS21は温度が低温の場合、SS31は温度が高温の場合の、SS2およびSS3上の左右振動変位を示している。
また、図10は、同ドラム式洗濯機のアンバランス位置と振動検知部で検知した前後振動変位との関係を、アンバランス量をパラメータとして示す相関図である。詳細には、図中のZZ1からZZ7は、温度が常温の場合の100gから2000gに相当する各アンバランス量を示している。そして、図中のCC1は、温度が常温の場合のアンバランス量が500gにおける、アンバランス位置と前後振動変位との関係を示している。同様に、CC2は温度が低温の場合、CC3は温度が高温の場合の、アンバランス量が500gにおける、アンバランス量と前後振動変位との関係を示している。なお、温度が低温と高温で、アンバランス量が500gの場合以外の相関図は記載していない。
さらに、図中のCC11は、アンバランス量が500gにおける、温度が常温でアンバランス位置が「前中」の場合の、CC1上の前後振動変位を示している。同様に、CC21は温度が低温の場合、CC31は温度が高温の場合の、CC2およびCC3上のアンバランス位置が「前中」における前後振動変位を示している。
このとき、図9は、実施の形態1で図5を用いて説明したように、振動検知部10で検知した左右振動変位とアンバランス量との関係が、以下の条件でドラム3を駆動した場合、アンバランス位置Aが図3Bから図3Eに示す位置関係に関わらず、相関関係にあることを示している。条件は、ドラム3をボールバランサ8のボール9が底部に固定されずに回転する回転数を、例えば90rpmから150rpmの範囲で維持した状態で、左右振動変位とアンバランス量を検知した場合である。この回転数は、ドラム3の共振回転数より低く、アンバランス状態の検知に都合が良い。
なお、本実施の形態では、ドラム3の回転数を120rpmで維持した状態で、温度変化毎に左右振動変位とアンバランス量の関係を、実施の形態1で説明した方法により実験的に測定した結果を、図9に示している。同様に、回転数を120rpmで維持した状態で、温度が常温においてアンバランス量毎に前後振動変位とアンバランス位置の関係を実験的に測定した結果を、図10に示している。
ここで、図9と図10を得る具体的な測定方法について説明する。まず、例えばドラム3の内壁面に、大容量、中容量および小容量のそれぞれの設定に応じて、相当する重りを均等に配置する。つぎに、アンバランス量に相当する重り(例えば、500gなど)を、所定のアンバランス位置に配置した状態で、ボールバランサ8を、常温、低温および高温などの所定の温度に維持して、ドラム3を回転駆動する。そして、上記状態でドラム3を回転させたときに発生する左右振動変位や前後振動変位を検知し、図9や図10にプロットしている。
以下に、図9において、左右振動変位とアンバランス量との関係が、アンバランス位置Aが図3Bから図3Eに示す奥行き方向の位置関係に関わらず、相関関係にある理由について説明する。
まず、ドラム3の回転軸が洗濯槽22の背面側を軸に支持固定され、振動検知部10を軸から離れた距離にある前側の上部に設けている。そのため、ドラム3の奥行き方向のアンバランス位置に前後振動変位および上下振動変位は影響されるが、左右振動変位への影響が小さい。つまり、アンバランス位置の奥行き方向の位置に、左右振動変位は、影響されない。これにより、アンバランス量と左右振動変位との関係を、精度よく得ることができる。
一方、左右振動変位は、実施の形態1で説明した衣類容量とともに、ボールバランサ8内部のオイルの粘性の温度変化により影響を受ける、そこで、図9には、温度検知部23で検知したボールバランサ8近傍の温度が、常温時の左右振動変位とアンバランス量との関係をSS1で示し、同様に、高温時の関係をSS3で、低温時の関係をSS2で示している。
具体的には、例えば温度が常温時において、振動検知部10で検知した左右振動変位が1.0mmの場合、SS1上のSS11から、アンバランス量が500gであることを示している。これに対して、アンバランス量が500gで同じであれば、温度が低温時においては、SS2上のSS21から左右振動変位が0.8mmと小さくなる。このとき、温度を常温と判定すると、SS1からアンバランス量が400gと示される。また、温度が高温時においては、SS3に示すように左右振動変位が大きくなり、アンバランス量が500gの場合、2.0mmを示す。このとき、温度を常温と判定すると、SS1からアンバランス量が600gと示される。つまり、アンバランス量が同じ場合でも、温度変化により、左右振動変位が変化する。その結果、左右振動変位だけでアンバランス量を判断すると、図8に示す制御部13の起動判定部131は、アンバランス量を誤判定し、起動方法を誤る可能性がある。
また、図10に示す前後振動変位とアンバランス位置との関係から、図中にZZ1からZZ7などで示すアンバランス量毎の特性を用いて、ドラム3の奥行き方向におけるアンバランス位置を算出することができる。なお、図10に示す、洗濯槽22の前後振動変位と、アンバランス量毎のアンバランス位置を示す関係は、実験的に得られたデータである。
つまり、振動検知部10の前後変位は、以下の条件でドラム3を駆動した場合、アンバランス量毎にドラム3の奥行き方向のアンバランス位置により前後振動変位として検出できる。条件は、ドラム3をボールバランサ8のボール9が底部に固定されずに回転する回転数、例えば90rpmから150rpmの範囲を維持した状態で、ドラム3を回転させる。なお、本実施の形態では、回転数を120rpmで維持した状態で、前後振動変位とアンバランス位置との関係を実験的に測定しており、図10では、上述したように、アンバランス量が500gの場合を除いて、温度が常温の場合のみを示している。
ここで、前後振動変位を検出できる理由は、まず、ドラム3の回転軸を洗濯槽22の後方部を軸として支持され、軸から離れた前方上部の位置に振動検知部10を設けている。これにより、アンバランス量を示す左右振動は明確に現れる。そして、アンバランス位置の違いを示す前後振動は、アンバランス位置がドラム3内の軸側にある場合は小さく、前側にある場合は大きくなる。そのため、振動検知部10で検知される前後振動変位に、ドラム3の奥行き方向のアンバランス位置を示す特性が表れる。つまり、ドラム3の奥行き方向のアンバランス位置を、実験結果から得られた図10を用いて判定できる。
具体的には、図10は、例えば衣類のアンバランス量が500gの場合、ボールバランサ8近傍の温度が常温時には、前後振動変位はCC1を示し、高温時にはCC3、低温時にはCC2を示す。
なお、温度特性が、それぞれの衣類のアンバランス量に応じて、同じ特性であることは、実験値から確認している。
つまり、図10に示すように、例えばアンバランス量は500gで、温度が常温時において、振動検知部10が検知した前後振動変位が1.0mmの場合、CC1上のCC11から前後のアンバランス位置が「前中」と判定される。そして、温度が低温時において、前後振動変位が0.8mmを示す場合、CC2上のCC21から前後のアンバランス位置が「前中」と判定される。また、温度が高温時において、前後振動が1.1mmを示す場合、CC3上のCC31から前後のアンバランス位置が「前中」と判定される。
このように、図9と図10のような関係を実験により得られた値から補正式(近似式)として把握しておく。これにより、温度検知部23で検知した温度と、振動検知部10で検知される左右振動変位と前後振動変位とから、アンバランス量とアンバランス位置を正確に算出して、適切な起動制御を行うことができる。
また、図9および図10を得る場合において、例えば温度が常温の場合のみ実験を行って相関図を把握する。そして、低温や高温については、常温の相関図を基準にして、温度による補正を温度補正部106で行うようにしてもよい。もちろん、基準とする温度は、特に限定されるものではない。
つまり、温度変化により前後振動変位が変化する。そのため、同じアンバランス位置でも、温度変化により前後振動変位が異なるので、温度補正を行わない場合、前後のアンバランス位置を誤判定し、起動方法を誤る可能性がある。これにより、例えばアンバランス位置が「前中」位置より前方方向に位置する場合、ボールバランサ8を対向起動とするが、誤判定により、低温時において、誤ってボールバランサ8を分散起動を行うように判定する可能性がある。
また、実施の形態1で図7Bを用いて説明したように、本実施の形態のドラム式洗濯機は、ボールバランサ8を搭載している。ボールバランサ8内のボール9は、ドラム3を回転数120rpm(例えば、90から150rpmの範囲内)に維持した状態で回転した場合、所定の粘性を持ったオイルにより、ほぼ一定の位置に偏る状態となる。これにより、ボールバランサ8内のボール9は、ドラム3の回転数より、ほぼ一定回転数遅れた回転数で回転する。そのため、図7Bの波形H2に示すように、左右振動変位は、一定の振幅範囲でドラム3の回転周期に同期して変動する。
従って、ボールバランサ8を用いた場合、ドラム3の回転数とボール9の回転数が一定の回転数遅れた状態で回転する。そのため、洗濯槽22の左右振動変位は、洗濯物18のアンバランス位置Aとボール9の偏りとが打ち消しあう状態や重なり合う状態を、一定周期で繰り返す。これにより、洗濯槽22の左右振動変位は、一定の変動周期と一定の振幅変動で検出される。その結果、ボールバランサ8を用いた場合、振動検知部10は、一定の振動周期と一定の振幅変動の範囲から、左右振動変位の値を容易に算出できる。
このとき、オイルの粘性が温度特性により変化する場合、左右振動変位の振幅値は高温時に大きく、低温時に小さくなる。しかし、左右振動変位の繰り返し動作は、上記と同様の動作を示す。つまり、温度変化があった場合でも、正確に左右振動変位を検出することが可能となる。ここで、左右振動変位は、実施の形態1と同様に、例えば最大変位と最小変位の差分を平均することにより算出される。このとき、ボールバランサ8内のボール9は、アンバランスの円周方向位置と重なる位置に移動すると振動変位をより大きくし、アンバランスの円周方向位置と対向する位置に移動すると振動変位をより小さくするように作用する。従って、最大変位と最小変位との差分に対するボール9の影響は、相殺されて問題ない。なお、120rpmで回転するドラム3の回転期間で検出する左右振動変位の平均を算出して、左右振動変位の真値を算出してもよい。これにより、左右振動変位の検出精度を向上できる。
以上のように、本実施の形態のドラム式洗濯機が構成されている。
なお、本実施の形態におけるドラム式洗濯機の動作および作用は、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
つぎに、本実施の形態におけるドラム3が共振回転数を通過する際に発生する振動を抑制する、脱水時の起動動作について、説明する。
このとき、実施の形態1で説明したように、洗濯物18の偏りに対して、ボールバランサ8内でボール9を最適な位置に配置して、ドラム3の回転が、共振回転数を通過するように、以下で述べる起動方法を実現している。
つまり、脱水ステップでは、制御部13は、回転制御部132の指令により、駆動部133を介してモータ12に駆動電圧を印加する。これにより、モータ12を徐々に低速回転から高速回転に動作させ、ドラム3の回転速度を徐々に上昇させる。
つぎに、制御部13の回転制御部132は、ドラム3の回転数が約120rpmとなるように、モータ12を制御し、その状態を維持する。そして、ドラム3が約120rpmで回転する状態で、ドラム3の前方上部の洗濯槽22に設けた振動検知部10で、洗濯槽22の左右振動変位および前後振動変位を検出する。このとき、ドラム3の回転数は、共振回転数未満であるため、安定した振動変位で検出できる。また、ボールバランサ8の内部のボール9は、オイルの粘性により一ヶ所に偏った状態で、ドラム3の回転数と非同期で、かつ一定回転数遅れた状態で回転する。これにより、図7Bの波形H2に示すような、一定の振動周期と一定の振幅変動で左右振動変位が検出される。その結果、制御部13の起動判定部131は、洗濯槽22の左右振動変位の値を平均することにより、真値を容易に算出できる。
しかし、上記で説明したように、ボールバランサ8内のオイルの粘性は、周囲温度の影響により変化する。これにより、ボールバランサ8内部のボール9の移動速度などの動作が変化し、振動検知部10で検出する振動変位が影響を受ける。具体的には、図9に示すように、温度が高温時には振動変位が大きく、SS3の特性を示す。また、同様に、常温時には振動変位は、SS1の特性を示し、低温時には振動変位はSS2の特性を示すように影響を受ける。
そこで、本実施の形態では、まず、洗濯槽22に設けた温度検知部23により、ボールバランサ8近傍の温度を検知し、検知した温度に基づいて、温度補正部106で、例えば振動変位を補正する。具体的には、図9と図10のような関係を実験により得られた値から補正式(近似式)として把握することにより、温度補正部106は、振動検知部10で検知した振動変位を常温時の振動の値(図9では、SS1)に、低温時のSS2および高温時のSS3から補正を行う。そして、起動判定部131は、アンバランス量算出部31およびアンバランス位置算出部30で衣類のアンバランス状態を検出する。なお、常温、低温および高温以外の温度に対する温度補正部106による補正は、実験値に求めた常温、低温および高温時における振動変位の値から、例えば比例にあると想定した補正式を用いて、補間して算出する。これにより、測定する実験値の数を削減して。作業性を向上できる。
つぎに、振動検知部10で検知した左右振動変位の真値から、図9に示す左右振動変位とアンバランス量の相関図(具体的には、実験値より得られた常温時を示すSS1、低温時を示すSS2、高温時を示すSS3)を用いて、アンバランス量を算出する。例えば、温度が常温の場合、左右振動変位の真値が1.0mmであれば、その時のアンバランス量は500gである。また、左右振動変位が10mmであれば、アンバランス量は1000gであると算出できる。なお、本実施の形態では、上記の方法により、アンバランス量を算出しているが、振動変位の値そのもので、アンバランス量を算出する方法でも可能である。
上述したように、温度が変化する場合、左右振動変位だけでアンバランス量を判定すると、アンバランス量を誤って判定する。その結果、誤った脱水起動の方法でドラム3を回転させる可能性がある。しかし、温度検知部23で検知した温度の値により、温度補正部106で常温時のSS1、または、高温時のSS3、または、低温時のSS2に補正することでアンバランス量を正確に判定することができる。
なお、実施の形態1で説明したように、アンバランス量は、洗濯物18のアンバランス位置Aが、図3Bから図3Eに示す前、後、中央、対角のアンバランス状態であっても、発生する場所に関係なく、アンバランス量が同じであれば、左右振動変位は同じ特性を示すことが実験結果から判明している。つまり、左右振動変位とアンバランス量の関係は、図9に示すような関係が維持される。そのため、アンバランス量算出部31で、左右振動変位の値からアンバランス量を、容易に算出することができる。
つぎに、同じ120rpmでドラム3の回転を維持している際、振動検知部10は、洗濯槽22の前方上部の左右振動変位以外に、前後振動変位や上下振動変位を検出している。そして、検知した前後振動変位をアンバランス位置算出部30に入力する。これにより、アンバランス位置算出部30は、アンバランス量算出部31で算出したアンバランス量に基づいて、図10に示すアンバランス量毎の前後振動変位とアンバランス位置との相関図からアンバランス位置を算出する。
例えば、アンバランス量算出部31で、アンバランス量が500gと算出された場合、まず、アンバランス位置算出部30は、図10に示すZZ4(常温時、例えば25℃の場合)を選択する。そして、前後振動変位が、ZZ4のどこに位置するかにより、図10の横軸に示すアンバランス位置を特定する。その結果、アンバランス位置が算出される。具体的には、常温において、アンバランス量が500gで、前後振動変位が1.0mmを検知した場合、図10からアンバランス位置が、前と中の間の「前中」に位置していると算出できる。
このとき、図10に示すように、例えばアンバランス量が500gの場合、高温時の場合には高温特性を示すCC3、低温時の場合には低温特性を示すCC2で、振動検知の特性が示される。そのため、温度検知部23で検知した温度の値から温度補正部106で、高温特性を示すCC3、または低温時の場合には低温特性を示すCC2から、常温時特性を示すCC1に補正を行う。一方、検知した温度が常温時の場合は、補正を行わず、常温特性を示すCC1で判定を行う。
例えば、振動検知部10で検知した前後振動変位が、低温時に0.8mm、高温時に1.1mmを検出した場合、温度検知部23で検知した温度の値から温度補正部106で常温特性を示すCC1へ補正を行う。つまり、温度変化があった場合でも、常温特性を示すCC1に補正する。これにより、誤ったアンバランス位置の判定を防止する。その結果、脱水起動時において、誤判定することがない。
つまり、上述した方法により、制御部13の起動判定部131のアンバランス量算出部31とアンバランス位置算出部30で、洗濯物18のアンバランス状態を、ドラム3の共振回転数よりも低い回転数(本実施の形態では、約120rpm)で特定することができる。
なお、図9および図10に示す左右振動変位および前後振動変位と、アンバランス量およびアンバランス位置との相関図は、約120rpmでドラム3を回転させたときの実験値から得られた図である。そのため、ドラム3の回転数を変更した場合には、相関関係が変化する。また、ドラム3の奥行きサイズ、径、ドラム式洗濯機本体1内の洗濯槽22の支持方法などが変化した場合にも相関関係が変化する。その場合でも、共振回転数未満で実験的に相関関係を得ることにより、容易に対応することができる。
つぎに、検知したアンバランス状態に基づいて、ボールバランサ8内のボール9を制御する。具体的には、例えば、ドラム3の奥行き方向のアンバランス位置が前側、または軸側で一定値(例えば、300g)以上であれば、対向起動とし、軸側で一定値未満であれば、分散起動とする。これにより、ボール9と、衣類とのアンバランス状態を最適な状態で、ドラム3の共振回転数を通過させることができる。その結果、ドラム3の共振回転数での振動を最小限に抑制して、起動することができる。
なお、本実施の形態では、ドラム3の回転数を120rpmに維持した場合に、温度補正部106で温度補正をする方法を例に説明したが、これに限られない。例えば、オイルの粘性が変化した場合に、ドラム3の回転数を変更してもよい。つまり、温度検知部23で検知した温度の値により、振動検知部10で検知する振動変位が常温時と同じ値になるように、オイルの粘性の温度変化に応じて、ドラム3の回転数を変更してもよい。
また、本実施の形態では、温度検知部23の温度の計測と、温度補正部106の補正は、必ずアンバランス量算出部31およびアンバランス位置算出部30でアンバランス状態を算出する直前の状態で行うことが、好ましい。これにより、最も精度よく温度補正ができる。つまり、洗濯ステップ終了後の、脱水起動の直前や、すすぎ時の脱水時の直前に温度補正を行う。これにより、精度よく、温度補正を行うことができる。
また、本実施の形態では、温度検知部23をボールバランサ8近傍の洗濯槽22の下部に設けた例で説明したが、これに限られない。例えば、ドラム式洗濯機において、温度検知が必要な位置に設けられた温度センサを、温度検知部23として兼用してもよい。このとき、ボールバランサ8の温度を正確に測定できない場合がある。その場合、温度補正部に、検知された温度センサの温度から、ボールバランサの温度を推測する温度補間部を設けることが好ましい。これにより、温度検知部23の設置位置に関わらず、ボールバランサ8の温度を推測して、アンバランス状態を判定できる。
以上で説明したように、本発明のドラム式洗濯機は、筐体と、筐体の内部に支持された洗濯槽と、洗濯槽内に回転可能に収納された回転槽と、回転槽を回転駆動する駆動部と、回転槽に設けた回転体制御装置と、洗濯槽に設けた振動検知部と、回転槽内の布量を算出する布量検知部と、振動検知部からの出力に基づいて駆動部を制御する制御部とを備える。制御部は、振動検知部で検知した振動変位と布量検知部で検知した布量とに基づき、脱水起動時に回転体制御装置を制御してもよい。
これにより、回転槽を構成するドラム内の洗濯物のアンバランス状態(アンバランス位置およびアンバランス量など)が同じ状態で、かつ回転槽内の布量が異なる場合でも、布量検知部で布量、振動検知部で振動を計測して、アンバランス状態を共振回転数前に正確に把握できる。そして、衣類のアンバランス状態(アンバランス量とアンバランス位置)に基づいて回転体制御装置を制御することにより、洗濯槽の振動を抑制できる。その結果、起動の再立ち上げなどを繰り返す動作の発生を効果的に防止でき、脱水起動時の安定した動作ができる。
また、本発明のドラム式洗濯機は、回転体制御装置が、回転槽の円周に合わせて設けられ、内部に複数のボールを有するボールバランサで構成される。そして、制御部は、振動検知部で検知した振動変位から回転槽のアンバランス量と円周方向のアンバランス位置とを含むアンバランス状態を把握し、アンバランス状態に基づいて、ボールがアンバランス位置に対向する位置に偏る対向起動、または、ボールがボールバランサ内に分散する分散起動となるように制御してもよい。
これにより、ボールバランサ内の最適な位置にボールを配置して、ドラムが共振回転数を通過するときの振動を抑制することができる。
また、本発明のドラム式洗濯機は、制御部が、回転槽を共振回転数未満の所定回転数に維持した状態で、振動検知部で検知した振動変位から共振回転数時に回転槽の振動を抑制するように回転体制御装置を制御する起動判定部と、布量検知部で検知した布量から振動検知部で検知した振動変位の値を補正換算する布量補正部とを備えてもよい。
この構成によれば、制御部の起動判定部は、まず、回転槽の回転数を共振回転数未満の所定回転数に維持する。布量補正部は、洗濯ステップ前に布量検知部で検知した洗濯物の布量から、アンバランス状態を検出する振動検知部で検知した任意の1軸出力方向(左右方向)の振動変位の値の補正を行う。そして、布量に応じて算出したアンバランス量に基づいて、振動検知部で検知した別の任意の1軸出力方向(前後方向)の振動変位の値を、さらに布量補正部で補正を行う。これにより、布量に基づいて、アンバランス位置を正確に算出して、回転槽内の洗濯物の偏り状況を正確に把握することができる。そして、偏り状況に応じて、対向(ボールをひとつの位置に偏らせる)状態、または分散(ボールを回転体制御装置内で均等に配置する)状態とするように、回転体制御装置(ボールバランサ)のボールの位置を制御する。その結果、ドラムの回転が共振回転数を通過する際の、洗濯槽の振動を、効果的に抑制することができる。
また、本発明のドラム式洗濯機は、布量補正部が、回転槽内の布量が一定値以下の場合に、布量の補正を行わないように制御してもよい。これにより、一定値に相当する布量が小容量以下では、小容量の振動変位を利用して、アンバランス量やアンバランス位置を判定できる。その結果、振動変位を、予め実験的に求める必要がないため、生産性や作業性が向上する。
また、本発明のドラム式洗濯機は、布量補正部が、洗濯ステップの給水前の状態に行った布量で補正してもよい。これにより、脱水ステップ前の給水状態で布量を判定する場合において、洗濯ステップ時、布に含まれる水分量を考慮して布量を判定する必要がない。その結果、正確な布量が判定でき、脱水起動時の布量の補正を正確に行うことができる。
また、本発明のドラム式洗濯機は、回転体制御装置近傍の温度計測を行う温度検知部を、さらに備え、制御部は、振動検知部で検知した振動変位と布量検知部で検知した布量と温度検知部で検知した温度とに基づいて、脱水起動時に回転体制御装置を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、回転槽内の衣類のアンバランス状態を、振動検知部で検知した振動変位の値から判断する際に、布量検知部で検知した布量と、洗濯槽近傍で計測した温度により、正確に把握する。そして、把握したアンバランス状態に応じて、回転体制御装置を制御する。これにより、脱水時において、適正な起動方法を選定して、回転槽の振動の発生を効果的に抑制できる。
また、本発明のドラム式洗濯機は、制御部が、回転槽を共振回転数未満の所定回転数に維持した状態で、振動検知部で検知した振動変位から共振回転数時に回転槽の振動を抑制するように回転体制御装置を制御する起動判定部と、温度検知部で検知した温度から振動検知部で検知した振動変位の値を補正換算する温度補正部とを備えてもよい。
この構成によれば、制御部の起動判定部は、まず、回転槽の回転数を共振回転数未満の所定回転数に維持する。温度補正部は、温度検知部で計測した回転体制御装置近傍の温度から、アンバランス状態を検出する振動検知部で検知した任意の1軸出力方向(左右方向)の振動変位の値に補正を行う。そして、温度に応じて算出したアンバランス量に基づいて、別の任意の1軸出力方向(前後方向)の振動変位の値を、さらに温度補正部で補正を行う。これにより、検知された温度に基づいて、アンバランス位置を正確に算出して、回転槽内の洗濯物の偏り状況を正確に把握することができる。そして、偏りの状況に応じて、対向(ボールを1つの位置に偏らせる)状態、または分散(ボールを回転体制御装置内で分散させて配置する)状態とするように、回転体制御装置(ボールバランサ)のボール位置を制御する。その結果、ドラムの回転が共振回転数を通過する際の、洗濯槽の振動を、さらに効果的に抑制することができる。
また、本発明のドラム式洗濯機は、温度補正部が、温度検知部で検知した温度値から、回転体制御部装置の温度を推測する温度補間部をさらに備えてもよい。これにより、温度検知部を任意の位置に設置することができる。また、回転体制御装置の温度を直接検知する温度検知部を、特に設ける必要がない。その結果、部品点数を削減して、構成を簡略化できる。
また、本発明のドラム式洗濯機は、温度補正部が、脱水ステップ前に温度計測を行い、測定された温度計測値から補正を行ってもよい。これにより、脱水ステップ前の状態で、複数回、洗濯機を動作させている場合でも、またはじめて動作させた場合でも、脱水ステップ前の温度上昇を考慮して、洗濯槽近傍の温度を計測することができる。その結果、脱水ステップの状況に応じて、正確な温度補正を行うことができる。
また、本発明のドラム式洗濯機は、振動検知部を、洗濯槽の前方上部に設けてもよい。これにより、振動検知部を回転槽の前方でアンバランス状態が発生する際の振動が最も大きい位置に設けることができる。その結果、振動変位の値をより検出しやすくなるため、検知精度を向上できる。
本発明は、脱水起動時において、ドラムが共振回転数を通過する際の振動を大幅に抑制して、安定な駆動が要望される家庭用および業務用のドラム式洗濯機やドラム式洗濯乾燥機に有用である。
1,10A ドラム式洗濯機本体(筐体)
3,30A ドラム(回転槽)
4 ドラムプーリ
5 モータプーリ
6 ベルト
7 バッフル
8 ボールバランサ(回転体制御装置)
9 ボール
10,50A 振動検知部
12,40A モータ
13 制御部
15 ロータ位置検出部
18 洗濯物
19,220 ダンパ
20A,22 洗濯槽
23 温度検知部(温度センサ)
30 アンバランス位置算出部
31 アンバランス量算出部
60A 制御装置
70A 扉
101 電流検知部
102 布量検知部
103 回転位置検知部
104 布量補正部
106 温度補正部
131 起動判定部
132 回転制御部
133 駆動部
180 吊バネ
501 加速度センサ
502 フィルタ回路
503 マイクロコンピュータ
504 モータ制御回路
505 表示パネル回路
507 電源回路
508 アンバランス量検知部
509 アンバランス位置検知部
A アンバランス位置

Claims (9)

  1. 筐体と、
    前記筐体の内部に支持された洗濯槽と、
    前記洗濯槽内に回転可能に収納された回転槽と、
    前記回転槽を回転駆動する駆動部と、
    前記回転槽に設けた回転体制御装置と、
    前記洗濯槽に設けた振動検知部と、
    前記回転槽内の布量を算出する布量検知部と、
    前記振動検知部からの出力に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記振動検知部で検知した振動変位と前記布量検知部で検知した布量とに基づいて、脱水起動時に前記回転体制御装置を制御し、
    前記制御部は、
    前記回転槽を共振回転数未満の所定回転数に維持した状態で、前記振動検知部で検知した振動変位から前記共振回転数時に前記回転槽の振動を抑制するように前記回転体制御装置を制御する起動判定部と、
    前記布量検知部で検知した布量から前記振動検知部で検知した振動変位の値を補正換算する布量補正部と、を備えるドラム式洗濯機。
  2. 前記回転体制御装置は、前記回転槽の円周に合わせて設けられ、内部に複数のボールを有するボールバランサで構成され、
    前記制御部は、前記振動検知部で検知した振動変位から前記回転槽のアンバランス量と円周方向のアンバランス位置とを含むアンバランス状態を把握し、前記アンバランス状態に基づいて、前記ボールが前記アンバランス位置に対向する位置に偏る対向起動、または、前記ボールが前記ボールバランサ内に分散する分散起動となるように制御する請求項1に記載のドラム式洗濯機。
  3. 前記布量補正部は、前記回転槽内の布量が一定値以下の場合に、布量の補正を行わない請求項に記載のドラム式洗濯機。
  4. 前記布量補正部は、洗濯ステップの給水前の状態に行った布量で補正する請求項1または
    請求項のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
  5. 前記回転体制御装置近傍の温度計測を行う温度検知部を、さらに備え、
    前記制御部は、前記振動検知部で検知した振動変位と前記布量検知部で検知した布量と前記温度検知部で検知した温度とに基づいて、脱水起動時に前記回転体制御装置を制御する請求項1に記載のドラム式洗濯機。
  6. 前記制御部は、
    前記回転槽を共振回転数未満の所定回転数に維持した状態で、前記振動検知部で検知した振動変位から共振回転数時に前記回転槽の振動を抑制するように前記回転体制御装置を制御する起動判定部と、
    前記温度検知部で検知した温度から前記振動検知部で検知した振動変位の値を補正換算する温度補正部と、を備える請求項に記載のドラム式洗濯機。
  7. 前記温度補正部は、前記温度検知部で検知した温度値から、前記回転体制御装置の温度を推測する温度補間部を、さらに有する請求項に記載のドラム式洗濯機。
  8. 前記温度補正部は、脱水ステップ前に温度計測を行い、測定された温度計測値から補正を行う請求項または請求項のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
  9. 前記振動検知部は、前記洗濯槽の前方上部に設けられている請求項1に記載のドラム式洗濯機。
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