JP2014057129A - 携帯機器及びその制御方法、並びに、携帯機器の制御プログラム - Google Patents

携帯機器及びその制御方法、並びに、携帯機器の制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】使用者(ユーザ)が意図することなく加わる振動や運動等の影響を抑制して、所定の傾き状態になったときに適切に所定の機能を実現することができる携帯機器及びその制御方法、並びに、携帯機器の制御プログラムを提供する。
【解決手段】MPU150は、携帯機器100に備えられた三次元加速度センサ110により検出された加速度データに基づいて、携帯機器100に対する重力方向とユーザの進行方向とを導出し、これらの重力方向及び進行方向が所定の方向範囲DR1、DR2内にあるか否かを判定することにより、携帯機器100の傾き状態(すなわち、ユーザが視認する表示部120の表示面121の向き)を判断し、当該判断結果に基づいて、発光部130における点灯制御処理を実行する。
【選択図】図3

Description

本発明は、携帯機器及びその制御方法、並びに、携帯機器の制御プログラムに関し、特に、発光部や表示部を備えた携帯機器、及び、その制御方法、並びに、制御プログラムに関する。
従来、傾斜スイッチを内蔵し、所定の傾き状態を検出したときに文字盤のライトを点灯させたり、発光パネルを発光させたりする機能を備えた腕時計が知られている。このような機能を有する腕時計によれば、使用者は手首に装着した腕時計を、文字盤が視認可能な状態に傾斜させることにより、使用者が何ら操作を行うことなく、文字盤のライトや発光パネルを点灯させて、文字盤を照明又は発光させることができる。このような技術については、例えば特許文献1に開示されている。
また、例えば特許文献2には、携帯端末に内蔵された加速度センサからの出力に基づいて、携帯端末を所定の角度に傾けた場合に表示装置のバックライトを点灯させる技術が開示されている。
特開平9−257965号公報 特開2011−142497号公報
上述した特許文献1、2に開示された腕時計や携帯端末においては、傾斜スイッチや加速度センサにより文字盤や表示面が水平面や重力方向に対してどの程度傾いているかという傾き状態を検出して、ライトや発光パネルの点灯制御をしていた。そのため、上述した傾き判定の手法においては、使用者による文字盤や表示面を視認するための動作の他に、腕時計や携帯端末に加わる振動や運動等の影響を受けやすく、誤動作を生じやすいという問題を有していた。
具体的には、例えば歩行中やジョギング中、電車や乗用車への乗車中においては、その振動により、腕時計や携帯端末が所定の傾き状態になっていないにも関わらず、予期せずライトや発光パネルが点灯する場合や、腕時計や携帯端末が所定の傾き状態になっているにも関わらず、ライトや発光パネルが点灯しない場合があった。前者においては、腕時計や携帯端末に内蔵されたバッテリの消耗が激しくなり、また、後者においては、使い勝手が悪いという問題を有していた。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、使用者(ユーザ)が意図することなく加わる振動や運動等の影響を抑制して、所定の傾き状態になったときに適切に所定の機能を実現することができる携帯機器及びその制御方法、並びに、携帯機器の制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る携帯機器は、
特定の機能を有する機器本体に対する重力方向を検出する重力方向検出部と、
前記機器本体に対する、当該機器本体を携帯するユーザの進行方向を検出する進行方向検出部と、
前記機器本体に対する前記重力方向が、予め設定された第1の方向範囲内にあるか否か、かつ、前記機器本体に対する前記進行方向が、予め設定された第2の方向範囲内にあるか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記機器本体の前記特定の機能を動作させる機能制御部と、
を備えることを特徴とする。
本発明に係る携帯機器の制御方法は、
特定の機能を有する機器本体に対する重力方向を検出し、
前記機器本体に対する、当該機器本体を携帯するユーザの進行方向を検出し、
前記機器本体に対する前記重力方向が、予め設定された第1の方向範囲内にあるか否か、かつ、前記機器本体に対する前記進行方向が、予め設定された第2の方向範囲内にあるか否かを判定し、
前記重力方向が前記第1の方向範囲内にあり、かつ、前記進行方向が前記第2の方向範囲内にあると判定された場合に、前記特定の機能を動作させる、
ことを特徴とする。
本発明に係る携帯機器の制御プログラムは、
コンピュータに、
特定の機能を有する機器本体に対する重力方向を検出させ、
前記機器本体に対する、当該機器本体を携帯するユーザの進行方向を検出させ、
前記機器本体に対する前記重力方向が、予め設定された第1の方向範囲内にあるか否か、かつ、前記機器本体に対する前記進行方向が、予め設定された第2の方向範囲内にあるか否かを判定させ、
前記重力方向が前記第1の方向範囲内にあり、かつ、前記進行方向が前記第2の方向範囲内にあると判定された場合に、前記特定の機能を動作させる、
ことを特徴とする。
本発明によれば、発光部や表示部を備えた携帯機器において、使用者(ユーザ)が意図することなく加わる振動や運動等の影響を抑制して、所定の傾き状態になったときに適切に所定の機能を実現することができる。
本発明に係る携帯機器の第1の実施形態を示す概略構成図である。 第1の実施形態に係る携帯機器の一構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る携帯機器に適用される制御方法の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る携帯機器において検出されるベクトルデータを示す概略図である。 第1の実施形態に係る携帯機器の制御方法において検出される重力方向ベクトルの一例を示す概略図である。 第1の実施形態に係る携帯機器の制御方法において検出される進行方向ベクトルの一例を示す概略図である。 第1の実施形態に係る携帯機器の制御方法における傾き状態の判定処理に適用される重力方向に対する方向範囲の一例を示す概略図である。 第1の実施形態に係る携帯機器の制御方法における傾き状態の判定処理に適用される進行方向に対する方向範囲の一例を示す概略図である。 第1の実施形態に係る携帯機器の傾き状態の判定処理に適用される方向範囲の他の設定例(変形例1)を示す概略図である。 第1の実施形態に係る携帯機器の他の構成例(変形例2)を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る携帯機器の制御方法の一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る携帯機器の制御方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る携帯機器及びその制御方法、並びに、携帯機器の制御プログラムについて、実施形態を示して詳しく説明する。ここでは、本発明に係る携帯機器を装着した使用者(ユーザ)が、歩行やジョギング等を行う場合について説明する。
<第1の実施形態>
(携帯機器)
図1は、本発明に係る携帯機器の第1の実施形態を示す概略構成図である。図2は、本実施形態に係る携帯機器の一構成例を示すブロック図である。
本発明の第1の実施形態に係る携帯機器100は、例えば図1(a)、(b)に示すように、ユーザの手首UShに装着する腕時計型(又は、リストバンド型)の外観形状を有している。携帯機器100は、例えば図1(a)、(b)に示すように、大別して、ユーザに所定の情報を提供するための表示部120を備えた機器本体101と、ユーザの手首UShに巻き付けることにより機器本体101を手首UShに装着するためのベルト部102と、を備えている。なお、図1(a)は、機器本体101がユーザの手の甲側に位置するように、携帯機器を手首UShに装着した状態を示す図であり、図1(b)は、機器本体101がユーザの手の平側に位置するように、携帯機器を手首UShに装着した状態を示す図である。
携帯機器100は、具体的には、例えば図2に示すように、三次元加速度センサ110と、表示部120と、発光部130と、操作部140と、演算回路(マイクロプロセッサユニット;以下、「MPU」と略記する)150と、メモリ160と、計時回路170と、電源供給部180と、を備えている。
三次元加速度センサ(又は、3軸加速度センサ)110は、ユーザが携帯機器100を装着した状態で、例えば歩行中やジョギング中に携帯機器100に加わる移動速度の変化の割合(加速度)を、加速度データとして検出する。ここで、三次元加速度センサ110により検出された加速度データは、X、Y、Z軸からなる直交する3軸方向の成分として出力される。そして、これらの加速度データは、計時回路170から出力される時間情報に関連付けられて、メモリ160の所定の記憶領域に保存される。
表示部120は、カラーやモノクロ表示が可能な反射型や透過型の液晶表示パネル等の表示パネルを有し、少なくともユーザの歩行中やジョギング中に、現在時刻や運動情報等の所定の情報を表示する。また、表示部120の表示パネルの前面側又は背面側には発光部130が設けられ、当該発光部130からの光が表示パネルに照射される。ここで、表示部120が反射型の表示パネルを備えている場合には、表示パネルの前面側に発光部130がフロントライトとして配置され、一方、透過型の表示パネルを備えている場合には、表示パネルの背面側に発光部130がバックライトとして配置されている。なお、本実施形態においては、表示部120と発光部130とが別個の構成を有している場合について示したが、表示部120及び発光部130に替えて、表示パネル自体が発光して所望の情報を表示する、有機EL表示パネル等の自発光型の表示パネルを有する発光表示部を適用するものであってもよい。なお、本明細書における、表示部120の表示パネルに所定の情報を表示する動作、発光部130から非発光型の表示パネルに光を照射する動作、自発光型の表示パネルに所定の情報を表示する動作を総括して、特許請求の範囲において「表示駆動」と表記する。
操作部140は、例えば図1(a)、(b)に示すようなボタンスイッチやスライドスイッチ、表示部120の前面側(視野側)に配置又は一体的に形成されたタッチパネル等を有し、携帯機器100における各種の機能の選択や入力設定、実行指示等の操作に用いられる。例えば操作部140を操作することにより、電源供給部180から携帯機器100内部の各構成への駆動電力の供給(電源オン)や遮断(電源オフ)、三次元加速度センサ110におけるセンシング動作の開始や停止、表示部120における表示動作や、発光部130における点灯や消灯動作等が制御される。
メモリ160は、不揮発性メモリを有し、少なくとも携帯機器100において実行される、傾き状態の判定処理及び発光部130の点灯制御処理に関連して検出、生成、又は、参照される各種のデータが所定の記憶領域に保存される。ここで、メモリ160は、三次元加速度センサ110や表示部120、発光部130、メモリ160、計時回路170における所定の機能を実現するための制御プログラム、及び、後述する傾き状態の判定処理及び発光部130の点灯制御処理を実現するためのアルゴリズムプログラムが記憶された読み出し専用メモリ(ROM)を含むものであってもよい。
MPU150は、計時回路170において生成される基本クロックに基づいて、所定の制御プログラムを実行することにより、三次元加速度センサ110や表示部120、発光部130、メモリ160を制御して所定の機能を実現する。また、MPU150は、所定のアルゴリズムプログラムを実行することにより、本発明に係る携帯機器100の制御方法に適用される傾き状態の判定処理及び発光部130の点灯制御処理を実現する。なお、これらの制御プログラムやアルゴリズムプログラムは、上述したメモリ160に保存されているものであってもよいし、予めMPU150に組み込まれているものであってもよい。
計時回路170は、基本クロックを生成する発振器を有し、当該基本クロックに基づいて、携帯機器100の各構成の動作タイミングを規定する動作クロックを生成するとともに、現在の時刻を示す時間情報を生成して出力する。この時間情報は、表示部120に現在時刻として表示されるとともに、上述した三次元加速度センサ110により収集された加速度データやその他のデータに関連付けて、メモリ160に保存される。なお、この計時回路170は、予めMPU150に計時機能として組み込まれているものであってもよい。
電源供給部180は、携帯機器100内部の各構成に駆動電力を供給する。電源供給部180は、市販のコイン型電池やボタン型電池等の一次電池、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池を適用することができる。また、これらの一次電池や二次電池のほか、振動や光、熱、電磁波等のエネルギーにより発電する環境発電(エナジーハーベスト)技術による電源等を適用することもできる。
(携帯機器の制御方法)
次に、上述した携帯機器の制御方法について説明する。ここでは、ユーザが本実施形態に係る携帯機器100を手首に装着した状態で、歩行やジョギング等を行っている状態で、携帯機器100の表示部120に表示された情報を視認する場合における、携帯機器100の傾き状態の判定方法、及び、発光部130の点灯制御方法について説明する。
図3は、本実施形態に係る携帯機器に適用される制御方法の一例を示すフローチャートである。図4は、本実施形態に係る携帯機器において検出されるベクトルデータを示す概略図である。図5は、本実施形態に係る携帯機器の制御方法において検出される重力方向ベクトルの一例を示す概略図であり、図6は、本実施形態に係る携帯機器の制御方法において検出される進行方向ベクトルの一例を示す概略図である。また、図7は、本実施形態に係る携帯機器の制御方法における傾き状態の判定処理に適用される重力方向に対する方向範囲の一例を示す概略図であり、図8は、本実施形態に係る携帯機器の制御方法における傾き状態の判定処理に適用される進行方向に対する方向範囲の一例を示す概略図である。
本実施形態に係る携帯機器100の制御方法は、図3に示すように、携帯機器100を起動して制御処理を開始すると、MPU150は、三次元加速度センサ110により加速度データ(センサデータ)を、所定のサンプリング周期で順次取得する(ステップS101)。具体的には、ユーザが手首UShに装着した携帯機器100の操作部140を操作することにより、MPU150は三次元加速度センサ110により、ユーザの歩行中やジョギング中に携帯機器100に加わる移動速度の変化の割合である加速度を加速度データとして検出するセンシング動作を実行する。ここで、三次元加速度センサ110からの出力は、ローパスフィルタ等のフィルタ回路(図示を省略)を通過させてフィルタ処理することにより、高周波ノイズ成分や、ユーザの無意識の手の震えやブレ等に起因する成分が除去される。ノイズ成分が除去された加速度データは、計時回路170から出力される時間情報に関連付けてメモリ160の所定の記憶領域に保存される。なお、加速度データの取得動作は、上記のように、ユーザが操作部140を操作することにより開始されるものであってもよいし、例えば、携帯機器100の起動に連動して開始され、その後、常に動作させておくものであってもよい。
次いで、MPU150は、取得した加速度データを解析して、携帯機器100の傾き状態を判定する一連の処理を実行する。具体的には、例えば、手首USh等の人体の特定の部位に装着する携帯機器100においては、その装着の仕方や装着状態、部位の位置や角度等の状態によって、携帯機器100を基準とした重力方向は様々な方向を取り得る。ここで、携帯機器100の装着の仕方や装着状態とは、例えば図1(a)に示したように、表示部120の表示面121が手首UShの手の甲側(外側)を向くように装着するか、図1(b)に示したように、手の平側(内側)を向くように装着するか、といった状態のことである。また、人体の部位の位置や角度等の状態とは、例えば携帯機器100を手首UShに装着している場合に、肘を上げているか下げているかや、伸ばしているか曲げているか、といった状態のことである。
そこで、本実施形態においては、三次元加速度センサ110により検出される、一定期間の加速度の平均をベクトルとして算出することにより重力方向を導出する(ステップS102)。さらに、三次元加速度センサ110により検出される加速度データに基づいて、ユーザが歩行やジョギングをする際の移動方向である進行方向を導出する(ステップS103)。取得された重力方向と進行方向は、計時回路170から出力される時間情報に関連付けてメモリ160の所定の記憶領域に保存される。
ここで、ユーザの進行方向は、例えば、三次元加速度センサ110により取得された加速度データに基づいて、加速度平均ベクトルによる重力に平行な鉛直方向の加速度成分と、当該鉛直方向に直交する水平方向(水平面内)の加速度成分とを取得し、鉛直方向の加速度成分の変化が極大となったとき及び極小となったときの間の期間において、水平方向の加速度成分の変化が極大となったときの水平方向の加速度成分の方向を、ユーザの進行方向とする手法により導出することができる。なお、ユーザの進行方向の導出方法については、この手法に限定されるものではなく、三次元加速度センサからの出力を用いるものであれば、他の検出方法を適用するものであってもよい。また、ユーザの進行方向は、必ずしも重力方向(鉛直方向)に対して直交する水平方向になくてもよい。
次いで、MPU150は、上記ステップS103において、ユーザの進行方向の導出に成功したか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、携帯機器を装着したユーザが、静止していたり、ランダムに激しく手を動かしたりしている場合には、三次元加速度センサ110により検出される加速度データからユーザの進行方向が検出されなかったり、検出された加速度データの変動やばらつきが大きくなったりする。このような場合には、ユーザの進行方向が正常に検出することができず、進行方向の導出に失敗することになる。そこで、上記ステップS103において、ユーザの進行方向の導出に成功したか否かを判定することにより、ユーザの静止状態や、ユーザの意図しない動きに起因するノイズの混入を、判別して、進行方向の導出に成功した場合と成功しなかった場合とで、後述する発光部130の点灯制御方法の処理を変更する。
このようにして、重力方向と進行方向が取得された場合、携帯機器100の傾き状態やユーザの進行方向に応じて、例えば図4(a)、(b)に示すように、携帯機器100に対する、重力方向のベクトル成分(重力方向ベクトル)Vgと、ユーザの進行方向のベクトル成分(進行方向ベクトル)Vmとが、概念的に表わされる。
上記ステップS104において、進行方向の導出に成功した場合には、MPU150は、取得された重力方向及び進行方向について、予め設定した方向範囲の中に入っているか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、重力方向については、例えば図5に示すように、携帯機器100の機器本体101を基準として、直交するX、Y、Zの3軸からなる直交座標を設定する。ここで、例えば携帯機器100を腕時計と仮定した場合、文字盤である表示部120の表示面121の6時方向(図面左方向)をX軸の正(+)方向と設定し、表示面121の3時方向(図面手前方向)をY軸の正(+)方向と設定し、表示面121の視野側から背面側へ向かう方向(図面下方向)をZ軸の正(+)方向と設定した。すなわち、本実施形態においては、携帯機器100の表示部120の表示面121に直交座標のX、Y軸を含むX−Y平面が一致又は平行し、当該表示面121に垂直な方向に、直交座標のZ軸が一致又は平行するように、三次元加速度センサ110が配置されている。
そして、この座標系において、重力方向については、図5に示すように、X−Y平面内のX軸の正方向からY軸の正方向に向かう角度(パン角)をα、X−Y平面からZ軸の正方向に向かう角度(チルト角)をβと設定する。この場合、上記の取得された重力方向(すなわち、重力方向ベクトルVg)は、極座標(α,β)で表される。
また、進行方向については、例えば図6に示すように、上述した重力方向と同様の直交座標を設定し、この座標系において、X−Y平面内のX軸の正方向からY軸の正方向に向かう角度(パン角)をθ、X−Y平面からZ軸の正方向に向かう角度(チルト角)をφと設定する。この場合、上記の取得された進行方向(すなわち、進行方向ベクトルVm)は、極座標(θ,φ)で表される。ここで、図5、図6に示した球体の半径は、加速度の大きさを表している。重力方向を示す図5においては、半径は一定となり、進行方向を示す図6においては、加速度の大きさに応じて半径が変化し、ユーザが静止している場合には半径が0となって、進行方向は導出されない。
そして、これら4つのパラメータα、β、θ、φの各々について、下限と上限からなる方向範囲を予め設定してメモリ160の所定の記憶領域に保存しておき、当該方向範囲を参照することにより、取得された重力方向を表す極座標の角度α、β、及び、取得された進行方向を表す極座標の角度θ、φが、それぞれの方向範囲に入っているか否かを判定する。ここで、重力方向については、例えば図7に示すように、角度αの下限値となる角度をa、上限値となる角度をAに設定し、角度βの下限値となる角度をb、上限値となる角度をBに設定することにより形成される方向範囲DR1を、予め重力方向の判定基準として設定して、メモリ160の所定の記憶領域に保存しておく。そして、MPU150は、上記取得された重力方向を表す極座標の角度α、βが、a<α<A、かつ、b<β<Bの条件を満たす場合、すなわち、角度α、βにより規定される重力方向ベクトルVgの終点が方向範囲DR1内にある場合には、取得された重力方向が、真の重力方向であると判定する。
また、進行方向については、例えば図8に示すように、角度θの下限値となる角度をh、上限値となる角度をHに設定し、角度φの下限値となる角度をf、上限値となる角度をFに設定することにより形成される方向範囲DR2を、予め進行方向の判定基準として設定して、メモリ160の所定の記憶領域に保存しておく。そして、MPU150は、上記取得された進行方向を表す極座標の角度θ、φが、h<θ<H、かつ、f<φ<Fの条件を満たす場合、すなわち、角度θ、φにより規定される進行方向ベクトルVmの終点が方向範囲DR2内にある場合には、取得された進行方向が、真の進行方向であると判定する。
そして、MPU150は、取得された重力方向及び進行方向が上記の条件を満たすか否かの判定結果に基づいて、発光部130の点灯制御処理を実行する。すなわち、取得された重力方向及び進行方向のそれぞれについて、上記の全ての条件を満たす場合には、MPU150は、ユーザが装着した携帯機器100の表示部120に表示された情報を視認するために、携帯機器100を所定の傾き状態になるように動作を行ったものと判断して、予め設定された時間、発光部130を点灯させて表示部120を照明する(ステップS106)。ここで、発光部130の点灯時間は、例えば2秒や7秒等の任意の時間に設定される。そして、発光部130における所定時間の点灯が終了した後、MPU150は、一連の制御処理を終了するか否かを判定し(ステップS107)、終了しない場合には、ステップS101に戻って、再度上記の一連の制御処理を順次実行する。
一方、上記ステップS104において、進行方向の導出に成功しなかった場合には、MPU150は、携帯機器100が静止しているか否かを判定する(ステップS108)。携帯機器100が静止していると判定された場合には、MPU150は、例えばユーザが歩行やジョギングを中断した状態にあると判断して、上記取得された重力方向のみを用いて、発光部130の点灯制御処理を実行する(ステップS109)。すなわち、MPU150は、取得された重力方向を表す極座標の角度α、βが所定の条件を満たす場合、あるいは、角度α、βにより規定される重力方向ベクトルVgの終点が所定の方向範囲内にある場合には、取得された重力方向が、真の重力方向であると判定して、予め設定された時間、発光部130を点灯させて、表示部120を照明する。一方、携帯機器100が静止していないと判定された場合には、MPU150は、ステップS101に戻って、再度上記の一連の制御処理を順次実行する。
また、上記ステップS105において、取得された重力方向及び進行方向について、いずれかが、又は、双方が上記の条件を満たさない場合にも、MPU150は、ステップS101に戻って、再度上記の一連の制御処理を順次実行する。
以上説明した本実施形態においては、携帯機器100に備えられた三次元加速度センサ110により検出された加速度データに基づいて、携帯機器100に対する重力方向と人体の進行方向とを導出し、これらの重力方向及び進行方向が所定の方向範囲DR1、DR2内にあるか否かを判定することにより、携帯機器100の傾き状態(すなわち、ユーザが視認する表示部120の表示面121の向き)が適切に判断される。これにより、ユーザが携帯機器100を装着して歩行やジョギング等により移動している場合であっても、ユーザが表示部120に表示された情報を視認するために、携帯機器100を所定の傾き状態になるように動作した状態を適切に判断して、誤動作を生じることなく発光部130を確実に点灯させて表示部120を照明することができる。したがって、本実施形態によれば、誤動作による内蔵バッテリの消耗を抑制して省電力化を図ることができるとともに、ユーザの意図に応じて適切にライトが点灯する使い勝手の良い携帯機器を実現することができる。
また、本実施形態においては、三次元加速度センサ110により検出される加速度データに基づいて、携帯機器100に対する重力方向や人体の進行方向を導出する手法を適用しているので、三次元加速度センサ110からの出力をフィルタ処理することにより、高周波成分を除去することができる。これにより、三次元加速度センサ110からの出力に含まれる高周波ノイズ成分や、ユーザの無意識の手の震えやブレ等の、一定の反復運動に起因する成分が除去されるので、携帯機器100が揺さぶられているような場合であっても、携帯機器100の傾き状態及びユーザの動作を適切に判断して、発光部130を確実に点灯させることができる。
次に、上述した実施形態に示した携帯機器及びその制御方法の変形例について説明する。
(変形例1)
図9は、本実施形態に係る携帯機器の傾き状態の判定処理に適用される方向範囲の他の設定例(変形例1)を示す概略図である。なお、この変形例に示す方向範囲の設定方法は一例であり、重力方向又は進行方向の方向範囲を規定するものであれば、他の手法を適用することができる。
上述した実施形態においては、携帯機器100の傾き状態の判定処理に適用される方向範囲の設定方法として、重力方向を表す極座標の角度α、β、及び、進行方向を表す極座標の角度θ、φのそれぞれについて、下限値と上限値を設定することにより方向範囲DR1及びDR2を設定する手法を示した。本発明はこれに限定されるものではなく、重力方向及び進行方向のそれぞれについて、個別の基準方向を設定し、取得された重力方向及び進行方向と各基準方向との誤差角度の合計値に上限値を設ける手法を適用するものであってもよい。
具体的には、例えば図9に示すように、重力方向について、極座標の角度γ、δで表される基準方向ベクトルVsを予め設定して、基準方向ベクトルVsに対する重力方向ベクトルVgの誤差角度εを算出する。また、図示を省略するが、進行方向(進行方向ベクトルVm)についても、同様の手法により、個別に設定された基準方向ベクトルとの誤差角度を算出する。そして、MPU150は、これらの重量方向及び進行方向における誤差角度の合計値が、予め設定された上限値以下の場合に、ユーザが携帯機器100を所定の傾き状態になるように動作を行ったものと判断する。
このような変形例に係る制御方法においても、上述した実施形態と同様に、ユーザが携帯機器100を装着して歩行やジョギング等により移動している場合であっても、ユーザが表示部120に表示された情報を視認するために、携帯機器100を所定の傾き状態になるように動作した状態を適切に判断することができ、誤動作を生じることなく発光部130を確実に点灯させて表示部120を照明することができる。
(変形例2)
図10は、本実施形態に係る携帯機器の他の構成例(変形例2)を示すブロック図である。ここで、上述した実施形態(図2参照)と同等の構成については、同一の符号を付してその説明を簡略化する。
上述した実施形態においては、図2に示したように、携帯機器100の傾き状態を検出するためのセンサとして、三次元加速度センサ110のみを備えた構成を示した。本発明はこれに限定されるものではなく、三次元加速度センサに加え、三次元角速度センサ(又は、3軸角速度センサ、3軸ジャイロセンサ)を備えた構成を適用するものであってもよい。
具体的には、例えば図10に示すように、上述した実施形態(図2参照)に示した構成に加え、ユーザが携帯機器100を装着した状態で、例えば歩行中やジョギング中に携帯機器100に加わる傾きや角度、その傾きの速度(角速度)を、角速度データとして検出する三次元角速度センサ190を備えた構成を有している。ここで、三次元角速度センサ190により検出された角速度データは、X、Y、Z軸からなる直交する3軸方向の成分として出力される。これらの角速度データは、上述した加速度データとともに計時回路170から出力される時間情報に関連付けられて、メモリ160の所定の記憶領域に保存される。
そして、本変形例に係る携帯機器においては、上述した実施形態に示した、携帯機器100に対する重力方向及びユーザの進行方向の導出方法において、携帯機器100の機器本体101に加わる角速度を検出することにより回転方向の動きを常時検知し、一旦検知した重力方向を追跡して、上述したように、一定期間の加速度の平均をベクトルとして算出することにより重力方向を導出する手法を併用する。これにより、携帯機器100に対する重力方向の検出精度を向上させることができるので、ユーザが意図することなく携帯機器100に加わる振動や運動等の影響を大幅に抑制して、携帯機器100が所定の傾き状態になったときに適切に発光部130を点灯させることができる。
なお、本実施形態においては、取得した重力方向及び進行方向が、予め設定した方向範囲内にあるか否かを判定することにより、携帯機器100が所定の傾き状態にあるか否かを判断する手法を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、上記の判定処理に適用される方向範囲を規定するためのパラメータα、β、θ、φについて、予め複数種類の方向範囲を規定する数値をモード別に設定しておき、ユーザが操作部140等を操作して所望の方向範囲となる任意のモードを選択するものであってもよいし、ユーザが操作部140等を操作して、方向範囲を規定する数値を直接入力設定するものであってもよい。
また、本実施形態においては、三次元加速度センサ110により取得された重力方向及び進行方向を表す手法として、極座標における角度α、β、θ、φの各パラメータを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、方向を示す他の表現方法を用いるものであってもよい。
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る携帯機器の制御方法の第2の実施形態について説明する。
図11は、第2の実施形態に係る携帯機器の制御方法の一例を示すフローチャートである。ここで、上述した第1の実施形態と同等の処理については、その説明を簡略化する。
第2の実施形態に係る携帯機器は、上述した第1の実施形態(図2参照)と同等の構成を有している。そして、本実施形態に係る携帯機器の制御方法は、図11に示すように、ステップS201〜S205、及び、ステップS209〜S210において、上述した第1の実施形態(図3参照)に示したステップS101〜S105、及び、ステップS108〜S109と同等の処理が実行される。
すなわち、携帯機器100が起動されて制御処理が開始されると、MPU150は、三次元加速度センサ110により加速度データ(センサデータ)を、所定のサンプリング周期で順次取得する(ステップS201)。次いで、MPU150は、三次元加速度センサ110により取得される、一定期間の加速度の平均をベクトルとして算出することにより重力方向を導出し(ステップS202)、さらに、三次元加速度センサ110により取得される加速度データに基づいて、ユーザの進行方向を導出する(ステップS203)。次いで、MPU150は、上記ステップS203において、ユーザの進行方向の導出に成功したか否かを判定する(ステップS204)。そして、進行方向の導出に成功しなかった場合には、MPU150は、携帯機器100が静止しているか否かを判定し(ステップS209)、携帯機器100が静止していると判定された場合には、取得された重力方向のみを用いて、発光部130の点灯制御処理を実行する(ステップS210)。
一方、ステップS204において、進行方向の導出に成功した場合には、MPU150は、取得された重力方向及び進行方向について、予め設定した方向範囲内にあるか否かを判定する(ステップS205)。そして、取得された重力方向及び進行方向について、いずれかが、又は、双方が予め設定した方向範囲の中に入っていない場合には、MPU150は、その方向範囲からの逸脱量を算出して、メモリ160の所定の記憶領域に保存、蓄積し(ステップS211)、ステップS201に戻って、再度上記の一連の制御処理を順次実行する。
一方、ステップS205において、取得された重力方向及び進行方向が予め設定した方向範囲の中に入っている場合には、MPU150は、メモリ160に一定期間保存、蓄積された上記の逸脱量を参照して、当該判定処理より以前に算出された直近数回の逸脱量が予め設定した閾値以上か否かを判定する(ステップS206)。ここで、判定処理に用いる逸脱量は、メモリ160に一定期間蓄積された逸脱量について、例えば単純累計計算や平均値算出計算等により集計した結果を用いる。そして、直近数回の逸脱量が閾値以上である場合には、MPU150は、ユーザが装着した携帯機器100の表示部120に表示された情報を視認するために、携帯機器100を所定の傾き状態になるように動作を行ったものと判断して、予め設定された時間、発光部130を点灯させて表示部120を照明する(ステップS207)。そして、発光部130における所定時間の点灯が終了した後、MPU150は、一連の制御処理を終了するか否かを判定し(ステップS208)、終了しない場合には、ステップS201に戻って、再度上記の一連の制御処理を順次実行する。一方、ステップS206において、直近数回の逸脱量が閾値未満である場合には、MPU150は、ステップS201に戻って、再度上記の一連の制御処理を順次実行する。
これにより、本実施形態においては、携帯機器100の重力方向及びユーザの進行方向が、予め設定した方向範囲内と方向範囲外を短時間で往復するような場合や、方向範囲外から徐々に方向範囲内に移行する場合には、例えば携帯機器100が鞄に入れられた状態でユーザが歩行しているような状況にあると判断して、発光部130の点灯制御を行わないようにすることができ、誤動作の発生を抑制することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る携帯機器の制御方法の第3の実施形態について説明する。
図12は、第3の実施形態に係る携帯機器の制御方法の一例を示すフローチャートである。ここで、上述した第1又は第2の実施形態と同等の処理については、その説明を簡略化する。
第3の実施形態に係る携帯機器は、上述した第1の実施形態(図2参照)と同等の構成を有している。ここで、携帯機器の傾き状態の判定処理に適用される方向範囲(後述する第1の方向範囲、第2の方向範囲、第3の方向範囲)は、予めメモリ160の所定の記憶領域に保存されている。そして、本実施形態に係る携帯機器の制御方法は、図12に示すように、ステップS301〜S308において、上述した第1の実施形態(図3参照)に示したステップS101〜S108と略同等の処理が実行される。
すなわち、携帯機器100が起動されて制御処理が開始されると、MPU150は、三次元加速度センサ110により加速度データ(センサデータ)を、所定のサンプリング周期で順次取得する(ステップS301)。次いで、MPU150は、三次元加速度センサ110により取得される、一定期間の加速度の平均をベクトルとして算出することにより重力方向を導出し(ステップS302)、さらに、三次元加速度センサ110により取得される加速度データに基づいて、ユーザの進行方向を導出する(ステップS303)。
次いで、MPU150は、上記ステップS303において、ユーザの進行方向の導出に成功したか否かを判定し(ステップS304)、進行方向の導出に成功した場合には、取得された重力方向が予め設定した第1の方向範囲(第1方向範囲)内にあり、かつ、取得された進行方向が予め設定した第2の方向範囲(第2方向範囲)内にあるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、第1の方向範囲は、例えば上述した第1の実施形態(図7参照)に示した方向範囲DR1に対応し、第2の方向範囲は、例えば上述した第1の実施形態(図8参照)に示した方向範囲DR2に対応する。そして、取得された重力方向及び進行方向のそれぞれについて、上記の全ての条件を満たす場合には、MPU150は、ユーザが装着した携帯機器100の表示部120に表示された情報を視認するために、携帯機器100を所定の傾き状態になるように動作を行ったものと判断して、予め設定された時間、発光部130を点灯させて表示部120を照明する(ステップS306)。そして、発光部130における所定時間の点灯が終了した後、MPU150は、一連の制御処理を終了するか否かを判定し(ステップS307)、終了しない場合には、ステップS301に戻って、再度上記の一連の制御処理を順次実行する。
一方、ステップS304において、進行方向の導出に成功しなかった場合には、MPU150は、携帯機器100が静止しているか否かを判定し(ステップS308)、携帯機器100が静止していると判定された場合には、取得された重力方向が予め設定した第3の方向範囲(第3方向範囲)内にあるか否かを判定する(ステップS309)。ここで、第3の方向範囲は、例えば上述した第1の実施形態に示した方向範囲DR1と同等の手法により設定された方向範囲であり、かつ、第1の方向範囲とは異なる(例えば、第1の方向範囲よりも狭い)範囲に設定されている。そして、取得された重力方向が第3の方向範囲の中に入っている場合には、予め設定された時間、発光部130を点灯させて表示部120を照明する(ステップS310)。そして、MPU150は、発光部130における所定時間の点灯が終了した後、ステップS301に戻って、再度上記の一連の制御処理を順次実行する。一方、ステップS308において、携帯機器100が静止していないと判定された場合、及び、ステップS309において、取得された重力方向が第3の方向範囲の中に入っていない場合には、ステップS301に戻って、再度上記の一連の制御処理を順次実行する。
一方、ステップS305において、取得された重力方向及び進行方向について、いずれかが、又は、双方が上記の条件を満たさない場合には、MPU150は、ユーザによる発光部130の点灯操作があるか否かを判定する(ステップS311)。すなわち、ユーザが装着した携帯機器100の表示部120に表示された情報を視認するために、携帯機器100を所定の傾き状態になるように動作を行ったものの、上記の一連の処理により、発光部130が点灯しなかった場合に、ユーザ自身が操作部140等を操作して発光部130を点灯させる動作を行ったか否か、が判定される。そして、ユーザによる点灯操作がある場合には、取得された重力方向及び進行方向を表す極座標の角度α、β、θ、φに基づいて、当該重力方向及び進行方向が第1の方向範囲及び第2の方向範囲に含まれるように、第1の方向範囲及び第2の方向範囲を補正する(ステップS312)。補正された第1の方向範囲及び第2の方向範囲は、メモリ160の所定の記憶領域に上書き保存される。次いで、MPU150は、予め設定された時間、発光部130を点灯させて表示部120を照明し(ステップS306)、所定時間の点灯が終了した後、一連の制御処理を終了するか否かを判定し(ステップS307)、終了しない場合には、ステップS301に戻って、再度上記の一連の制御処理を順次実行する。一方、ステップS311において、ユーザによる点灯操作がない場合には、MPU150は、発光部130を点灯させることなく、一連の制御処理を終了するか否かを判定し(ステップS307)、終了しない場合には、ステップS301に戻って、再度上記の一連の制御処理を順次実行する。
これにより、本実施形態においては、第1の実施形態に示した携帯機器100の傾き状態の判定処理に加え、ユーザが実際に携帯機器100を装着して発光部130を点灯すべき状態において、ユーザ自身が点灯操作を行うことにより、傾き状態の判定処理に適用される方向範囲を随時補正して学習させることができる。すなわち、次回以降の携帯機器100の傾き状態の判定処理及び発光部130の点灯制御処理においては、補正された方向範囲が適用される。したがって、ユーザ固有の運動状態や、携帯機器を装着した部位(例えば、腕等)の動かし方等に応じた、傾き状態の判定処理や発光部の点灯制御処理を行うことができ、使い勝手の良い携帯機器を実現することができる。
なお、上述した各実施形態においては、傾き状態の判定方法により判定された結果に基づいて、携帯機器100の発光部130を点灯制御する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、携帯機器100が所定の傾き状態にあることを判定して、携帯機器100に備えられた特定の機能を駆動制御するものであってもよく、例えば、表示部120における情報の表示制御や、機器電源のオン、オフ制御、アプリケーションソフトウェアの起動等に良好に適用することができる。
また、上述した各実施形態においては、携帯機器として腕時計型やリストバンド型の外観形状を有する電子機器を適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、ユーザが移動中に表示部に表示された情報を視認しやすい外形形状を有し、かつ、人体の特定の部位(例えば前腕や肘や上腕、手の甲や手の平、指等)に装着する電子機器、又は、ユーザが携行する電子機器であればよく、例えば携帯電話機やスマートフォン、メディアプレーヤ、活動量計等にも良好に適用することができる。
また、携帯機器として、上述した各実施形態に示したように、腕時計型やリストバンド型の外観形状を有する電子機器に適用した場合、例えばウォーキングやジョギング、サイクリング等の運動中に、ユーザが人体に装着した各種のセンサにより検出されるセンサデータに基づいて、当該運動のペースや心拍数、移動距離、カロリー消費量等の運動情報や、当該運動情報に基づいて分析されたユーザの運動状態に関する支援情報(アドバイス)等を表示する機能を備えた運動支援装置等に良好に適用することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
[1]
特定の機能を有する機器本体に対する重力方向を検出する重力方向検出部と、
前記機器本体に対する、当該機器本体を携帯するユーザの進行方向を検出する進行方向検出部と、
前記機器本体に対する前記重力方向が、予め設定された第1の方向範囲内にあるか否か、かつ、前記機器本体に対する前記進行方向が、予め設定された第2の方向範囲内にあるか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記機器本体の前記特定の機能を動作させる機能制御部と、
を備えることを特徴とする携帯機器である。
[2]
前記機能制御部は、前記判定部により、前記重力方向が前記第1の方向範囲内にあり、かつ、前記進行方向が前記第2の方向範囲内にあると判定された場合に、前記特定の機能を動作させることを特徴とする[1]に記載の携帯機器である。
[3]
前記判定部は、前記重力方向が前記第1の方向範囲内になく、又は、前記進行方向が前記第2の方向範囲内にないと判定された場合、あるいは、前記重力方向が前記第1の方向範囲内になく、かつ、前記進行方向が前記第2の方向範囲内にないと判定された場合には、前記重力方向の前記第1の方向範囲からの逸脱量、及び、前記進行方向の前記第2の方向範囲からの逸脱量を蓄積して、当該逸脱量が予め設定した閾値以上であるか否かを判定し、
前記機能制御部は、前記判定部により、前記重力方向が前記第1の方向範囲内にあり、かつ、前記進行方向が前記第2の方向範囲内にあると判定され、さらに、前記逸脱量が前記閾値以上であると判定された場合に、前記特定の機能を動作させることを特徴とする[2]に記載の携帯機器である。
[4]
前記判定部は、前記進行方向検出部により、前記進行方向が検出されない場合には、前記重力方向が、予め設定された第3の方向範囲内にあるか否かを判定し、
前記機能制御部は、前記判定部により、前記重力方向が前記第3の方向範囲内にあると判定された場合に、前記特定の機能を動作させることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載の携帯機器である。
[5]
前記機器本体は、前記ユーザの操作により前記特定の機能を動作させる操作部を有し、
前記操作部からの操作に基づいて、前記第1の方向範囲及び前記第2の方向範囲が補正されることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載の携帯機器である。
[6]
前記重力方向検出部及び前記進行方向検出部は、三次元加速度センサであって、
前記三次元加速度センサにより検出される3軸方向の加速度データに基づいて、前記重力方向及び前記進行方向を取得することを特徴とする[1]乃至[5]のいずれかに記載の携帯機器である。
[7]
前記機器本体は、所定の情報を表示する表示部を有し、
前記機能制御部は、前記判定部による前記判定結果に基づいて、前記表示部を表示駆動することを特徴とする[1]乃至[6]のいずれかに記載の携帯機器である。
[8]
特定の機能を有する機器本体に対する重力方向を検出し、
前記機器本体に対する、当該機器本体を携帯するユーザの進行方向を検出し、
前記機器本体に対する前記重力方向が、予め設定された第1の方向範囲内にあるか否か、かつ、前記機器本体に対する前記進行方向が、予め設定された第2の方向範囲内にあるか否かを判定し、
前記重力方向が前記第1の方向範囲内にあり、かつ、前記進行方向が前記第2の方向範囲内にあると判定された場合に、前記特定の機能を動作させる、
ことを特徴とする携帯機器の制御方法である。
[9]
コンピュータに、
特定の機能を有する機器本体に対する重力方向を検出させ、
前記機器本体に対する、当該機器本体を携帯するユーザの進行方向を検出させ、
前記機器本体に対する前記重力方向が、予め設定された第1の方向範囲内にあるか否か、かつ、前記機器本体に対する前記進行方向が、予め設定された第2の方向範囲内にあるか否かを判定させ、
前記重力方向が前記第1の方向範囲内にあり、かつ、前記進行方向が前記第2の方向範囲内にあると判定された場合に、前記特定の機能を動作させる、
ことを特徴とする携帯機器の制御プログラムである。
100 携帯機器
101 機器本体
110 三次元加速度センサ(重力方向検出部、進行方向検出部)
120 表示部
121 表示面
130 発光部
140 操作部
150 MPU(判定部、機能制御部)
160 メモリ
170 計時回路
180 電源供給部
190 三次元角速度センサ
DR1 方向範囲
DR2 方向範囲

Claims (9)

  1. 特定の機能を有する機器本体に対する重力方向を検出する重力方向検出部と、
    前記機器本体に対する、当該機器本体を携帯するユーザの進行方向を検出する進行方向検出部と、
    前記機器本体に対する前記重力方向が、予め設定された第1の方向範囲内にあるか否か、かつ、前記機器本体に対する前記進行方向が、予め設定された第2の方向範囲内にあるか否かを判定する判定部と、
    前記判定部による判定結果に基づいて、前記機器本体の前記特定の機能を動作させる機能制御部と、
    を備えることを特徴とする携帯機器。
  2. 前記機能制御部は、前記判定部により、前記重力方向が前記第1の方向範囲内にあり、かつ、前記進行方向が前記第2の方向範囲内にあると判定された場合に、前記特定の機能を動作させることを特徴とする請求項1記載の携帯機器。
  3. 前記判定部は、前記重力方向が前記第1の方向範囲内になく、又は、前記進行方向が前記第2の方向範囲内にないと判定された場合、あるいは、前記重力方向が前記第1の方向範囲内になく、かつ、前記進行方向が前記第2の方向範囲内にないと判定された場合には、前記重力方向の前記第1の方向範囲からの逸脱量、及び、前記進行方向の前記第2の方向範囲からの逸脱量を蓄積して、当該逸脱量が予め設定した閾値以上であるか否かを判定し、
    前記機能制御部は、前記判定部により、前記重力方向が前記第1の方向範囲内にあり、かつ、前記進行方向が前記第2の方向範囲内にあると判定され、さらに、前記逸脱量が前記閾値以上であると判定された場合に、前記特定の機能を動作させることを特徴とする請求項2記載の携帯機器。
  4. 前記判定部は、前記進行方向検出部により、前記進行方向が検出されない場合には、前記重力方向が、予め設定された第3の方向範囲内にあるか否かを判定し、
    前記機能制御部は、前記判定部により、前記重力方向が前記第3の方向範囲内にあると判定された場合に、前記特定の機能を動作させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の携帯機器。
  5. 前記機器本体は、前記ユーザの操作により前記特定の機能を動作させる操作部を有し、
    前記操作部からの操作に基づいて、前記第1の方向範囲及び前記第2の方向範囲が補正されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の携帯機器。
  6. 前記重力方向検出部及び前記進行方向検出部は、三次元加速度センサであって、
    前記三次元加速度センサにより検出される3軸方向の加速度データに基づいて、前記重力方向及び前記進行方向を取得することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の携帯機器。
  7. 前記機器本体は、所定の情報を表示する表示部を有し、
    前記機能制御部は、前記判定部による前記判定結果に基づいて、前記表示部を表示駆動することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の携帯機器。
  8. 特定の機能を有する機器本体に対する重力方向を検出し、
    前記機器本体に対する、当該機器本体を携帯するユーザの進行方向を検出し、
    前記機器本体に対する前記重力方向が、予め設定された第1の方向範囲内にあるか否か、かつ、前記機器本体に対する前記進行方向が、予め設定された第2の方向範囲内にあるか否かを判定し、
    前記重力方向が前記第1の方向範囲内にあり、かつ、前記進行方向が前記第2の方向範囲内にあると判定された場合に、前記特定の機能を動作させる、
    ことを特徴とする携帯機器の制御方法。
  9. コンピュータに、
    特定の機能を有する機器本体に対する重力方向を検出させ、
    前記機器本体に対する、当該機器本体を携帯するユーザの進行方向を検出させ、
    前記機器本体に対する前記重力方向が、予め設定された第1の方向範囲内にあるか否か、かつ、前記機器本体に対する前記進行方向が、予め設定された第2の方向範囲内にあるか否かを判定させ、
    前記重力方向が前記第1の方向範囲内にあり、かつ、前記進行方向が前記第2の方向範囲内にあると判定された場合に、前記特定の機能を動作させる、
    ことを特徴とする携帯機器の制御プログラム。
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