JP2014057016A - 光硬化性ナノインプリント用組成物およびパターンの形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光硬化性ナノインプリント用組成物は、(A)(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物、(B)特定の金属アルコキシド、(C)(メタ)アクリル基を有する重合性単量体、並びに(D)光重合開始剤を含み、かつ実質的に水を含まない態様のものである。
【選択図】 なし
Description
この技術を使用することによって、ナノオーダーの微細なパターンを形成することができる。インプリント技術の中でも、特に、数ナノ〜数百ナノメートル(nm)の超微細なパターンを形成する技術はナノインプリント技術と呼ばれている。
塗膜材自体に、この相反する特性を持たせるために、塗膜材中にフッ素系界面活性剤やシリコーン化合物を添加する提案がなされている(特許文献1参照)。しかしながら、基板との密着性の低下や、表面に添加剤がブリードアウトする等の問題があり、基板との密着性と金型からの離型性の両立という点では、未だ改善の余地があった。
(A)下記式(1)
R1は、水素原子、またはメチル基であり、
R2は、炭素数1〜20のアルキレン基または炭素数3〜10のシクロアルキレン基であり、
R3は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基であり、
R4は、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数3〜4のシクロアルキル基であり、
lは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、kは1〜3の整数であり、
l+m+kは4であり、
R1、R2、R3およびR4がそれぞれ、複数存在する場合には、複数のR1、R2、R3およびR4は、それぞれ、同種又は異種の基であってもよい)で示される(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物、
(B)下記式(2)
Mは、タングステン、スズ、インジウム、アンチモン、モリブデン、ニオブ、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
R5は、炭素数1〜10のアルキル基であり、同一の基であっても、異なる基であってもよく、
Mがタングステンの場合、pは6または5であり、
Mがモリブデン、ニオブの場合、pは5であり、
Mがスズ、ハフニウム、ジルコニウムの場合、pは4であり、
Mがインジウム、アンチモンの場合、pは3である。)
で示される金属アルコキシド、
(C)(メタ)アクリル基を有する重合性単量体、並びに
(D)光重合開始剤
を含有し、かつ実質的に水を含まないことを特徴とする光硬化性ナノインプリント用組成物である。
前記光硬化性ナノインプリント用組成物を基板上に塗布し、該組成物からなる塗膜を形成する工程、
パターンが形成された金型のパターン形成面と前記塗膜とを接触させ、その状態で光を照射して塗膜を硬化させる工程、
前記金型を、硬化した塗膜から分離して、前記金型のパターン形成面に形成されているパターンに対応するパターンを基板上に形成する工程
を含むことを特徴とするパターンの形成方法である。
基板がサファイア基板であって、前記パターンの形成方法により基板上に形成したパターンをマスクとして、基板表面を塩素系ガスによりドライエッチングして加工することを特徴とする表面加工サファイア基板の製造方法である。
(A)下記式(1)
R1は、水素原子、またはメチル基であり、
R2は、炭素数1〜20のアルキレン基または炭素数3〜10のシクロアルキレン基であり、
R3は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基であり、
R4は、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数3〜4のシクロアルキル基であり、
lは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、kは1〜3の整数であり、
l+m+kは4であり、
R1、R2、R3およびR4がそれぞれ、複数存在する場合には、複数のR1、R2、R3およびR4は、それぞれ、同種又は異種の基であってもよい)で示される(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物、
(B)下記式(2)
Mは、タングステン、スズ、インジウム、アンチモン、モリブデン、ニオブ、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
R5は、炭素数1〜10のアルキル基であり、同一の基であっても、異なる基であってもよく、
Mがタングステンの場合、pは6または5であり、
Mがモリブデン、ニオブの場合、pは5であり、
Mがスズ、ハフニウム、ジルコニウムの場合、pは4であり、
Mがインジウム、アンチモンの場合、pは3である。)
で示される金属アルコキシド、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(以下、単に、重合性単量体(C)ともいう)、並びに(D)光重合性開始剤を含むものである。
本発明においては、下記式(1)
R1は、水素原子、またはメチル基であり、
R2は、炭素数1〜20のアルキレン基または炭素数3〜10のシクロアルキレン基であり、
R3は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基であり、
R4は、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数3〜4のシクロアルキル基であり、
lは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、kは1〜3の整数であり、
l+m+kは4であり、
R1、R2、R3およびR4がそれぞれ、複数存在する場合には、複数のR1、R2、R3およびR4は、それぞれ、同種又は異種の基であってもよい)
で示される(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(以下、単に「(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物」ともいう)(A)を使用する。
本発明においては、下記式(2)
Mは、タングステン、スズ、インジウム、アンチモン、モリブデン、ニオブ、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
R5は、炭素数1〜10のアルキル基であり、同一の基であっても、異なる基であってもよく、
Mがタングステンの場合、pは6または5であり、
Mがモリブデン、ニオブの場合、pは5であり、
Mがスズ、ハフニウム、ジルコニウムの場合、pは4であり、
Mがインジウム、アンチモンの場合、pは3である。)
で示される金属アルコキシド(以下、単に「金属アルコキシド」ともいう)(B)を使用する。該金属アルコキシドは、単独で用いても、該金属アルコキシド同士の混合物であっても良い。
本発明において、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(C)(以下、単に「重合性単量体(C)」ともいう)は、特に制限されるものではなく、光重合に使用される公知の(メタ)アクリル基を有する重合性単量体を使用することができる。なお、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物には、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(C)の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、(メタ)アクリル基以外の重合性官能基を有する重合性単量体を含んでいてもよい。この重合性単量体(C)は、前記式(1)で示される(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物を含まない。好ましい化合物としては、(メタ)アクリル基を有し、分子中に珪素原子を含まない重合性単量体が挙げられる。これら重合性単量体(C)は、1分子中に1つの(メタ)アクリル基を有する単官能重合性単量体であってもよいし、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリル基を有する多官能重合性単量体であってもよい。さらには、これら単官能重合性単量体および多官能重合性単量体を組み合わせて使用することもできる。
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、フェノキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロフェノキシキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェノキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、アルキルフェノールエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、アルキルフェノールプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、下記式(4)
R10は、水素原子、またはメチル基であり、
R11は、炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基であり、qは1〜6の整数である。)で示される分子内にο−フェニルフェノール基を有する単量体等の芳香環を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
R12、R13は、それぞれ独立に水素原子、またはメチル基であり、
R14、R15は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基、又は下記式(6)で表される基であり、それぞれ、同種又は異種の基であってもよい。)
(式中、R16およびR17は、エチレン基、またはプロピレン基であり、nは1〜3の整数である。)
で示されるフルオレン構造を有するジ(メタ)アクリレート等の芳香環を有するジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
R10は、水素原子、またはメチル基であり、
R11は、炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基であり、qは1〜6の整数である。)
において、R10は水素原子あるいはメチル基である。これらの中でも水素原子のほうが、光硬化性ナノインプリント用組成物を硬化させる際の光硬化速度が速いので好ましい。
レン基、4−ヒドロキシ−3−オクチレン基、5−ヒドロキシ−3−オクチレン基、6−ヒドロキシ−3−オクチレン基、7−ヒドロキシ−3−オクチレン基、8−ヒドロキシ−3−オクチレン基、1−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、2−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、3−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、4−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、5−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、1−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルペンチレン基、2−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルペンチレン基、3−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルペンチレン基、5−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルペンチレン基等のヒドロキシアルキレン基が挙げられる。
R12、R13は、それぞれ独立に水素原子、またはメチル基であり、
R14、R15は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基、又は下記式(6)で表される基であり、それぞれ、同種又は異種の基であってもよい。)
(式中、R16およびR17は、エチレン基、またはプロピレン基であり、nは1〜3の整数である。)
において、R12、R13はそれぞれ独立に水素原子あるいはメチル基である。これらの中でも水素原子のほうが、光硬化性ナノインプリント用組成物を硬化させる際の光硬化速度が速いので好ましい。
基、6−ヒドロキシ−2−オクチレン基、7−ヒドロキシ−2−オクチレン基、8−ヒドロキシ−2−オクチレン基、1−ヒドロキシ−3−オクチレン基、2−ヒドロキシ−3−オクチレン基、3−ヒドロキシ−3−オクチレン基、4−ヒドロキシ−3−オクチレン基、5−ヒドロキシ−3−オクチレン基、6−ヒドロキシ−3−オクチレン基、7−ヒドロキシ−3−オクチレン基、8−ヒドロキシ−3−オクチレン基、1−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、2−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、3−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、4−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、5−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、1−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルペンチレン基、2−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルペンチレン基、3−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルペンチレン基、5−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルペンチレン基等のヒドロキシアルキレン基、エチレングリコール基、ジエチレングリコール基、トリエチレングリコール基、テトラエチレングリコール基、ペンタエチレングリコール基等のポリエチレングリコール基、プロピレングリコール基、ジプロピレングリコール基、トリプロピレングリコール基、テトラプロピレングリコール基等のポリプロピレングリコール基が挙げられる。
本発明において、光重合開始剤(D)は特に制限されるものではなく、重合性単量体(D)を光重合できるものであれば、いかなる光重合開始剤も使用できる。
前記したとおり、塩素系ガス、酸素系ガス、フッ素系ガス等に対するエッチング耐性を向上させるためには、本発明の金属アルコキシドを組成物中に配合することが重要である。しかしながら、これら金属アルコキシドは、水により加水分解反応を受けやすいため、長期間保存安定性が悪化する。したがって、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物には、実質的に水を含まないことが重要である。組成物中に水が存在していると、経時的に反応が進行し続け、長期間保存安定性が悪化する。
本発明では、前記(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)、金属アルコキシド(B)、重合性単量体(C)、光重合開始剤(D)以外に、下記式(3)で表す有機珪素化合物(E)を含有させることができる。
R6、R7は同種又は異種の炭素数1〜4のアルキル基または水素であり、
R8はアリール基であり、R9はアリール基または炭素数1〜4のアルコキシ基であり、
nは1〜10の整数である。)
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物では実質的に水を含まない構成にしているが、これにより、特許文献5で用いていた(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物、金属アルコキシド、及び特定の有機珪素化合物の加水分解物を含む光硬化性ナノインプリント用組成物と比較すると、保存安定性は改良されるものの、転写性について若干の改善要素がある。しかしながら、特許文献5で配合していた特定の有機珪素化合物とは異なる構造の有機珪素化合物(E)を配合すると、水を配合しない(加水分解させない)場合でも、転写性が良好である。この理由は、おそらく、有機珪素化合物(E)を配合することで、水を実質的に含まない状態でも、光硬化性ナノインプリント用組成物の分散性が良好であるからと推定している。
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の成分を配合することができる。
使用される安定化剤としては、ゾルゲル成分の安定化剤として一般的に知られているものであれば、何ら制限なく使用でき、例えば、メトキシ酢酸などのα―ヒドロキシカルボン酸アルキルエーテル;グリコール酸、乳酸、シュウ酸、マンデル酸、2−ヒドロキシイソ酪酸などのα―ヒドロキシカルボン酸;ジエタノールアミンなどのエタノールアミン類;ジアセチル、2,5−ヘキサンジオン、アセチルアセトン、メチルプロピルジケトン、ジメドンなどのジケトン類が挙げられる。安定剤を使用する場合、使用量は特に制限されないが、ゾルゲル成分量に応じて、使用量を調節することが好ましい。
界面活性剤の例としては、デシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルコール硫酸エステルの金属塩類、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の脂肪族カルボン酸金属塩類、ラウリルアルコールとエチレンオキサイドとの付加物を硫酸化したラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム等の高級アルキルエーテル硫酸エステルの金属塩類、スルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸ジエステル類、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩類等のアニオン性活性剤;ドデシルアンモニウムクロリド等のアルキルアミン塩類およびトリメチルドデシルアンモニウムブロミド等の4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤;ドデシルジメチルアミンオキシド等のアルキルジメチルアミンオキシド類、ドデシルカルボキシベタイン等のアルキルカルボキシベタイン類、ドデシルスルホベタイン等のアルキルスルホベタイン類、ラウラミドプロピルアミンオキシド等のアミドアミノ酸塩等の両性イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル類、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル類、脂肪酸ポリオキシエチレンラウリルエステル等の脂肪酸ポリオキシエチレンエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエステル等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類等の非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。界面活性剤は、それぞれ単独で使用できるだけでなく、必要に応じて、複数の種類を組み合わせて併用することもできる。
本発明において、光硬化性ナノインプリント用組成物を構成する前記(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)と前記金属アルコキシド(B)と前記有機珪素化合物(E)は、以下の配合量とすることが好ましい。つまり、光硬化性ナノインプリント用組成物は、下記に詳述する重合性単量体(C)100質量部に対して、前記(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)3〜300質量部、前記金属アルコキシド(B)0.1〜150質量部、必要により前記有機珪素化合物(E)10〜400質量部、および下記に詳述する光重合開始剤(D)0.1〜10質量部を含むことが好ましい。
さらには、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物の配合量(A)は、10〜200質量部であることが特に好ましく、金属アルコキシド(B)の配合量は、0.3〜80質量部であることが特に好ましく、有機珪素化合物(E)の配合量は、50〜250質量部であることが特に好ましい。(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)の配合量は、15〜180質量部であることが最も好ましく、金属アルコキシド(B)の配合量は、0.5〜50質量部であることが最も好ましく、有機珪素化合物(E)の配合量は、80〜200質量部であることが最も好ましい。
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物を用いたパターン形成方法について説明する。
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、形成される硬化膜が優れたエッチング耐性を示す。そのため、該硬化膜より形成されるパターンは、酸素ガス、フッ素系ガス、塩素系ガス等によるエッチング耐性が非常に良好となり、酸素ガス、フッ素系ガス、塩素系ガス等によるエッチングによってナノスケールの凹凸構造を有する基材を製造する際のマスクとして好適に用いることができる。特に、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物から得られる硬化膜は、サファイア基板を加工するための塩素系ガスに対するエッチング耐性に優れていることから、サファイア基板を表面加工する際のマスクとして用いるのに適している。なお、塩素系ガスとしては、反応性イオンエッチングに用いられる公知のガスを使用することができる。具体的には、塩素、三塩化ホウ素、四塩化炭素を挙げることができ、必要に応じて、酸素ガス、フッ素系ガス等を混合して使用することもできる。
硬化膜の肉薄部分(残膜)をドライエッチングにより除去した後、残膜を除去した部分の基板表面に金属を蒸着することもできる。
上記方法によりエッチングすることにより基板にパターンを形成できるが、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、優れた性能を有するため、その他の用途にも使用できる。例えば、該光硬化性ナノインプリント用組成物よりなる硬化膜は、無機成分の分散状態がよいため、優れた硬度を有する。そのため、基板上に硬化膜よりなるパターンが形成された積層体は、ナノインプリント用のレプリカ金型として使用することもできる。
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物をアセチルアセトンにて希釈して、サファイア基板(片鏡面、厚さ430μm、表面粗さRa≦0.1nm、面方位C面)上に、3000rpm、30秒間でスピンコートし、120℃において2分間乾燥した後、UV照射して、厚み約1μmの光硬化性ナノインプリント用組成物による硬化膜を作製した。
硬化膜をセルロース100%のワイパーで擦り、擦り跡が全く付かなかったものを○、擦り跡が一部付いたものを△、擦り跡が全体に付いたものを×とした。
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物をアセチルアセトンにて希釈して、サファイア基板(片鏡面、厚さ430μm、表面粗さRa≦0.1nm、面方位C面)上に、3000rpm、30秒間でスピンコートし、120℃において2分間乾燥した後、UV照射して、厚み約1μmの光硬化性ナノインプリント用組成物による硬化膜を作製し、ニチバン(株)製15mm幅セロハンテープ405を用い(長さ5cm)、指圧にて3往復密着させたのち剥離して、
硬化膜が全く剥がれなかったもの :5
剥離面積が10%未満のも :4
剥離面積が10%以上50%未満のもの :3
剥離面積が50%以上100%未満のもの:2
剥離面積が100%(全面剥離)のもの :1
として評価した。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布)
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を、アセチルアセトンにて希釈し、希釈した光硬化性ナノインプリント用組成物を、シリコンウエハ(P型、片鏡面、酸化膜なし)上に、3000rpm、30秒間でスピンコートし、120℃において2分間乾燥して、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗膜が約1μmの厚みでコーティングしたシリコンウエハを得た。
200nmライン/スペースの石英モールドを用い、ナノインプリント装置(三明電子産業(株)製、ImpFlex-Essential)において、上記のようにして得られた光硬化性ナノインプリント用組成物の塗膜を有するシリコンウエハに、圧力0.5MPaをかけLED365nm光源から光を10秒間照射して、光ナノインプリントを行った。なお、用いた石英モールドは、あらかじめフッ素系表面処理(ダイキン工業(株)製、オプツールHD−1100TH)で離型処理を施した。
(サファイア基板のエッチング)
サファイア基板(片鏡面、厚さ430μm、表面粗さRa≦0.1nm、面方位C面)を反応性イオンエッチング装置を用いて、以下の条件にて塩素ガスによるドライエッチングを行い、一定時間でのエッチング量(サファイア基板の減少厚み)を段差測定器で測定した。
<塩素ガスによるドライエッチング条件>
塩素ガス流量:20sccm
アンテナパワー:400W
バイアスパワー:80W
基板冷却温度:5℃
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物をアセチルアセトンにて希釈して、シリコンウエハ(P型、片鏡面、酸化膜なし)上に、3000rpm、30秒間でスピンコートし、120℃において2分間乾燥した後、UV照射して、厚み約1μmの光硬化性ナノインプリント用組成物の硬化膜でコーティングしたシリコンウエハを得た。得られた硬化膜でコーティングしたシリコンウエハを、サファイア基板の塩素ガスによるドライエッチングと同じ条件にてドライエッチングを行い、一定時間での硬化膜の減少した塗膜厚みを段差測定器で測定した。
サファイア基板のみでのサファイア基板の一定時間でのエッチング量(サファイア基板の減少厚み)と光硬化性ナノインプリント用組成物の硬化膜の一定時間での硬化膜の減少した塗膜厚みとの比(サファイア基板の一定時間でのエッチング量(サファイア基板の減少厚み)/光硬化性ナノインプリント用組成物の硬化膜の一定時間での硬化膜の減少した塗膜厚み)を算出し、これを光硬化性ナノインプリント用組成物の硬化膜のサファイア選択比とした。サファイア選択比の値が高いほど、光硬化性ナノインプリント用組成物による硬化膜はサファイア基板と比較して、塩素ガスによるエッチングを受け難く、サファイア基板を用いた場合における塩素エッチング耐性が良いことになる。
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物をサンプル瓶に入れて蓋で密封し、50℃に保った恒温オーブン中に入れて、長期間保存安定性の評価を行った。
連続21日間以上、流動性や外観(沈殿、透明性)に変化が見られなかったものを「○」とし、8日〜20日で流動性や外観(沈殿、透明性)に変化が見られたものを「△」とし、0日〜7日で流動性や外観(沈殿、透明性)に変化が見られたものを「×」とした。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
窒素ガスで置換したグローブボックス内で、エタノール10g、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)1.5g、金属アルコキシド(B)としてタングステン(V)エトキシド(Alfa Aesar製)0.8g、有機珪素化合物(E)として、ジフェニルジメトキシシラン(東京化成工業(株)製)5.8gとを混合した。この混合物を大気雰囲気、室温下1時間攪拌し、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)と金属アルコキシド(B)と有機珪素化合物(E)の混合物を得た。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
窒素ガスで置換したグローブボックス内で、エタノール9.6g、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)1.5g、金属アルコキシド(B)としてタングステン(V)エトキシド(Alfa Aesar製)0.1g、有機珪素化合物(E)として、ジフェニルジメトキシシラン(東京化成工業(株)製)6.2gとを混合した。この混合物を大気雰囲気、室温下1時間攪拌し、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)と金属アルコキシド(B)と有機珪素化合物(E)の混合物を得た。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(C)、光重合開始剤(E)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に実施例1で得られた(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)と金属アルコキシド(B)と有機珪素化合物(E)の混合物6.5gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を0.2μmφ穴径のシリンジフィルターにてろ過した。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表1に示した。
本実施例で用いた光硬化性ナノインプリント用組成物中の水の量は、組成物中に存在する全アルコキシ基に対して0.05倍モル以下である。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(C)として、ヒドロキシエチル化o−フェニルフェノールアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−LEN−10)5.0g、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−BPEF)5.0gを使用した。
本実施例で用いた光硬化性ナノインプリント用組成物中の水の量は、組成物中に存在する全アルコキシ基に対して0.05倍モル以下である。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
窒素ガスで置換したグローブボックス内で、エタノール22g、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)14g、金属アルコキシド(B)としてタングステン(V)エトキシド(Alfa Aesar製)0.8g、有機珪素化合物(E)として、ジフェニルジメトキシシラン(東京化成工業(株)製)3.7gとを混合した。この混合物を大気雰囲気、室温下1時間攪拌し、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)と金属アルコキシド(B)と有機珪素化合物(E)の混合物を得た。
本実施例で用いた光硬化性ナノインプリント用組成物中の水の量は、組成物中に存在する全アルコキシ基に対して0.05倍モル以下である。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(C)として、ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−200)5.0g、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−BPE−10)10.0g、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル AMP-10G)5.0g、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−DCP)5.0gを使用した。
本実施例で用いた光硬化性ナノインプリント用組成物中の水の量は、組成物中に存在する全アルコキシ基に対して0.05倍モル以下である。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
窒素ガスで置換したグローブボックス内で、エタノール8.4g、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)1.2g、金属アルコキシド(B)として85質量%ジルコニウムブトキシド(テトラブチルジルコニウムアルコキシド)(IV)の1−ブタノール溶液(和光純薬工業(株)製)0.8g、有機珪素化合物(C)として、ジフェニルジメトキシシラン(東京化成工業(株)製)4.7gとを混合した。この混合物を大気雰囲気、室温下1時間攪拌し、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)と金属アルコキシド(B)と有機珪素化合物(C)の混合物を得た。
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(C)、光重合開始剤(E)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)と金属アルコキシド(B)と有機珪素化合物(C)の混合物4.9gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を0.2μmφ穴径のシリンジフィルターにてろ過した。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表1に示した。
本実施例で用いた光硬化性ナノインプリント用組成物中の水の量は、組成物中に存在する全アルコキシ基に対して0.05倍モル以下である。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
窒素ガスで置換したグローブボックス内で、エタノール8.4g、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)1.5g、金属アルコキシド(B)としてハフニウムブトキシド(IV)(Gelest Inc製)0.9g、有機珪素化合物(C)として、ジフェニルジメトキシシラン(東京化成工業(株)製)5.8gとを混合した。この混合物を大気雰囲気、室温下1時間攪拌し、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)と金属アルコキシド(B)と有機珪素化合物(C)の混合物を得た。
本実施例で用いた光硬化性ナノインプリント用組成物中の水の量は、組成物中に存在する全アルコキシ基に対して0.05倍モル以下である。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
窒素ガスで置換したグローブボックス内で、エタノール8.6g、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)1.7g、金属アルコキシド(B)としてタングステン(V)エトキシド(Alfa Aesar製)0.9g、有機珪素化合物(E)として、トリメトキシフェニルシラン(東京化成工業(株)製)6.3gとを混合した。この混合物を大気雰囲気、室温下1時間攪拌し、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)と金属アルコキシド(B)と有機珪素化合物(E)の混合物を得た。
本実施例で用いた光硬化性ナノインプリント用組成物中の水の量は、組成物中に存在する全アルコキシ基に対して0.05倍モル以下である。
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、硬化膜の光硬化性、基板密着性、転写性、サファイア選択比、長期間保存安定性を評価した。その結果を表2、3、4に示した。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(C)として、ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−200)5.0g、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−TMPT)5.0g、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−DCP)15.0gを使用した。
本実施例で用いた光硬化性ナノインプリント用組成物中の水の量は、組成物中に存在する全アルコキシ基に対して0.05倍モル以下である。
有機珪素化合物(E)を含まない以外は、実施例1と同じ種類の組成、同じ方法により調整した光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、硬化膜の光硬化性、基板密着性、転写性、サファイア選択比、長期間保存安定性を評価した。その結果を表2、3、4に示した。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
窒素ガスで置換したグローブボックス内で、エタノール10g、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)1.5g、有機珪素化合物(E)として、ジフェニルジメトキシシラン(東京化成工業(株)製)5.8gとを混合した。この混合物を大気雰囲気、室温下1時間攪拌し、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)と有機珪素化合物(E)の混合物を得た。
本比較例で用いた光硬化性ナノインプリント用組成物中の水の量は、組成物中に存在する全アルコキシ基に対して0.05倍モル以下である。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
窒素ガスで置換したグローブボックス内で、エタノール10g、金属アルコキシド(B)としてタングステン(V)エトキシド(Alfa Aesar製)0.8g、有機珪素化合物(E)として、ジフェニルジメトキシシラン(東京化成工業(株)製)5.8gとを混合した。この混合物を大気雰囲気、室温下1時間攪拌し、金属アルコキシド(B)と有機珪素化合物(E)の混合物を得た。
本比較例で用いた光硬化性ナノインプリント用組成物中の水の量は、組成物中に存在する全アルコキシ基に対して0.05倍モル以下である
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、硬化膜の光硬化性、基板密着性、転写性、サファイア選択比、長期間保存安定性を評価した。その結果を表2、4に示した。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
エタノール13.6g、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)としてトリメトキシシリルプロピルアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)3.0g、金属アルコキシド(B)として85質量%ジルコニウムブトキシド(テトラブチルジルコニウムアルコキシド)(IV)の1−ブタノール溶液(和光純薬工業(株)製)1.7g、有機珪素化合物としてエチルシリケート40(コルコール(株)製 テトラエトキシシランの平均5量体物)6.8gとを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール4.25g/水0.85g/2N−HCl 0.16gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1g/水0.46gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)と金属アルコキシド(B)と有機珪素化合物の混合物を得た。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
エタノール8.4g、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)1.5g、金属アルコキシド(B)としてタングステン(V)エトキシド(Alfa Aesar製)0.8g、有機珪素化合物(E)としてジフェニルジメトキシシラン(東京化成工業(株)製)5.8gを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール2.6g/水0.5g/2N−HCl 0.09gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール0.6g/水0.3gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)の加水分解物と金属アルコキシド(B)の加水分解物と有機珪素化合物(E)の加水分解物を含む混合物を得た。
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(C)、光重合開始剤(D)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解混合物4.9gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を0.2μmφ穴径のシリンジフィルターにてろ過した。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表1に示した。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
比較例2で使用した有機珪素化合物(E)に代えて、有機珪素化合物としてエチルシリケート40(コルコール(株)製 テトラエトキシシランの平均5量体物)を使用した以外は、比較例2と同様の方法で調整した光硬化性ナノインプリント用組成物を用いて、光硬化性、サファイア選択比、長期間保存安定性を評価した。その結果を表2、3、4に示した。得られた光硬化性ナノインプリント用組成物の分散性が悪いためか、該光硬化性ナノインプリント用組成物でコーティングしたシリコンウエハは、塗膜の光硬化性が悪く、基板密着性、転写性が求められなかった。
(表面加工サファイア基板の製造)
実施例1で得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を、1−メトキシ−2−プロパノールにて10重量%となるよう希釈した。希釈した光硬化性ナノインプリント用組成物を、サファイア基板(片鏡面、厚さ430μm、表面粗さRa≦0.1nm、面方位C面)上に、3000rpm、30秒間でスピンコートし、110℃において2分間乾燥して、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗膜が約100nmの厚みでコーティングしたサファイア基板を得た。
(ナノンプリント用レプリカ金型)
実施例1で得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を、易接着表面処理した厚み188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に0.5ml滴下し、300mPaで70℃において3分間乾燥して揮発成分を蒸発させた。得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を有するポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ミカドテクノス(株)製 真空加圧UV硬化装置(VS005−200C−UV)において、最小パターン80nmの石英モールド(NTT−ATナノファブリケーション(株)製、80L RESO)を用い、圧力1MPaをかけメタルハライドランプにて光を30秒間照射して、光ナノインプリントを行い、硬化膜よりなるパターンが形成されたポリエチレンテレフタレートフィルム(積層体)を得た。用いた石英モールドは、あらかじめフッ素系表面処理(ダイキン工業(株)製、オプツールHD−1100TH)で離型処理を施した。硬化膜よりなるパターンが形成されたポリエチレンテレフタレートフィルム(積層体)をナノインプリント用レプリカ金型とするため、パターンを中心にして20mm×20mmの大きさにカットした。次いで、離型処理を施すための前処理として、加湿条件下でパターン表面の加水分解処理を行った。該加水分解処理は、上記のカットしたポリエチレンテレフタレートフィルム(積層体)を水の入った容器に入れ、この容器を加熱オーブン中で70℃で2時間加熱処理を行うことにより実施した。その後、処理した積層体のパターン面をフッ素系表面処理剤(ダイキン工業(株)製、オプツールHD−1100TH)と接触させて離型処理を施し、レプリカ金型を作製した。
Claims (6)
- (A)下記式(1)
R1は、水素原子、またはメチル基であり、
R2は、炭素数1〜20のアルキレン基または炭素数3〜10のシクロアルキレン基であり、
R3は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基であり、
R4は、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数3〜4のシクロアルキル基であり、
lは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、kは1〜3の整数であり、
l+m+kは4であり、
R1、R2、R3およびR4がそれぞれ、複数存在する場合には、複数のR1、R2、R3およびR4は、それぞれ、同種又は異種の基であってもよい)で示される(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物、
(B)下記式(2)
Mは、タングステン、スズ、インジウム、アンチモン、モリブデン、ニオブ、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
R5は、炭素数1〜10のアルキル基であり、同一の基であっても、異なる基であってもよく、
Mがタングステンの場合、pは6または5であり、
Mがモリブデン、ニオブの場合、pは5であり、
Mがスズ、ハフニウム、ジルコニウムの場合、pは4であり、
Mがインジウム、アンチモンの場合、pは3である。)
で示される金属アルコキシド、
(C)(メタ)アクリル基を有する重合性単量体、並びに
(D)光重合開始剤
を含有し、かつ実質的に水を含まないことを特徴とする光硬化性ナノインプリント用組成物。 - 前記(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(C)100質量部に対して、前記(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(A)3〜300質量部、前記金属アルコキシド(B)0.1〜150質量部、前記有機珪素化合物(E)10〜400質量部、および前記光重合開始剤(D)0.1〜10質量部を含むことを特徴とする請求項2に記載の光硬化性ナノインプリント用組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性ナノインプリント用組成物を基板上に塗布し、該組成物からなる塗膜を形成する工程、
パターンが形成された金型のパターン形成面と前記塗膜とを接触させ、その状態で光を照射して塗膜を硬化させる工程、
前記金型を、硬化した塗膜から分離して、前記金型のパターン形成面に形成されているパターンに対応するパターンを基板上に形成する工程
を含むことを特徴とするパターンの形成方法。 - 基板がサファイア基板であって、請求項4記載のパターンの形成方法により基板上に形成したパターンをマスクとして、基板表面を塩素系ガスによりドライエッチングして加工することを特徴とする表面加工サファイア基板の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性ナノインプリント用組成物の硬化体を有するナノインプリント用レプリカ金型。
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