JP2014055941A - 転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法 - Google Patents

転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザーが使用する転がり軸受を非破壊で検査し、転がり軸受の疲労進行度または残存寿命を予測可能な転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法及び予測装置を提供する。
【解決手段】転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法は、転がり軸受を渦電流測定することにより得られた出力電圧値をX−Y座標軸で表わしたマップ上に、各座標における疲労進行度または残存寿命とが対応付けされたマップを予め作成する工程と、転がり軸受の軌道面または転動面の出力電圧値を渦電流測定装置により測定する工程と、測定された転がり軸受の出力電圧値を、マップに重ね合わせることで、転がり軸受の疲労進行度または残存寿命を求める工程と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法に関し、より詳細には、ユーザーの機械装置に組み込まれた転がり軸受において、疲労の進行により転がり軸受に損傷が発生する以前に疲労進行度または残存寿命を予測することができる転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法に関する。
例えば、製紙機械、風力発電設備、鉱山・建設設備、鉄道車両用の転がり軸受は、重荷重かつ異物や水が浸入する過酷な潤滑条件で使用されるため、軸受軌道面のはく離が問題となる。該転がり軸受にはく離が生じた場合、製品や設備に多大な損傷を与える可能性があるだけでなく、製造納期やスケジュールにも影響を及ぼす。突発的なはく離を防止するためには、定期的に転がり軸受の分解・洗浄を行い、軌道面の外観調査を実施できる。しかしながら、外観調査による残存寿命予測(はく離が生じるまでの期間の推定)は、作業者の経験やスキルに依存するものであり、定量的な予測は困難である。このため、発明者らは、定量的に転がり軸受の残存寿命を予測する方法について鋭意研究を行なった。
また、軸受材料に疲労が発生すると、残留オーステナイトが分解してマルテンサイトに変態する、転位密度が減少する、圧縮残留応力が増加する等、軸受材料の組織に変化が生じる。その変化の程度を測定し、転がり軸受の疲労進行度を予測する技術としては、X線を用いて組織変化を測定することにより疲労進行度を推定するようにしたものが考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、渦電流を用いて残留オーステナイトの減少量を測定するようにした軸受負荷状態診断方法(例えば、特許文献2参照。)や、また、軸受ではないものの、加工変態によりオーステナイト組織がマルテンサイト組織に変化することによって生じる透磁率の変化を渦電流で測定し、オーステナイト系ステンレス鋼製の被検査物の疲労進行度を予測するものが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
さらに、渦電流を用いて軸受の使用前後におけるインピーダンスの測定値の差に基づいて、軸受の残存寿命を予測するようにしたものが知られている(例えば、特許文献4参照。)。
特公昭63−34423号公報 特開2004−198246号公報 特開平8−248004号公報 国際公開第2011/074654号
ところで、軸受の疲労進行度を予測する特許文献1の技術は、X線を用いて軸受材料の組織変化を測定するため、現場での測定が困難であると共に、破壊検査となってしまうため、測定後の再使用ができないという問題があった。また、特許文献2による技術では、軸受の負荷状態は診断できるものの、残存寿命を推定することはできない。さらに、特許文献3では、オーステナイト系ステンレス鋼製の被検査物を対象とし、オーステナイト組織からマルテンサイト組織への変化を測定する技術であるが、転がり軸受の場合は、疲労による変化が残留オーステナイト量の変化だけではないため、渦電流で透磁率の変化を測定するだけでは、転がり軸受の疲労進行度を正確に予測することはできない。また、転がり疲労では、疲労を受けることによって材料組織だけではなく、材料の表面性状も変化するため、特許文献4のように単純に渦電流の測定値の差から疲労進行度を予測することはできない。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザーが使用する転がり軸受を非破壊で検査し、転がり軸受の疲労進行度または残存寿命を予測可能な転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、渦電流測定装置を利用して疲労した軸受を測定することで転がり軸受の疲労進行度を予測できる技術を確立した。この渦電流測定装置はブリッジ回路(入力電圧:E0sin(ωt))からなるコイルであり、まずこのコイルを被検体(新品軸受)に接触させ、ブリッジの平衡を取ることでブリッジ回路からの出力電圧をゼロにした後、疲労した転がり軸受にコイルを接触させることでブリッジの不平衡分として信号(出力電圧:Esin(ωt+θ))を得ることができる。この際の不平衡分の信号は、X=Ecos(θ)、Y=Esin(θ)としてX−Y座標上にプロットされる。転がり軸受は、疲労により残留オーステナイトの減少や転位密度の減少、表面性状の変化が起こり、これらの変化により渦電流測定装置で検出される出力電圧は変化し、挙動が複雑ではあるがX−Y座標上を規則正しく移動し、X−Y座標上の値から転がり軸受の疲労進行度を予測できることが明らかとなった。また、疲労進行度とX−Y座標の関係のデータベースを構築し、渦電流測定によるX、Y座標の値から疲労進行度または残存寿命を予測する疲労度マップを構築することに成功した。
したがって、本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 転がり軸受の疲労進行度または残存寿命を予測する転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法であって、
前記転がり軸受を渦電流測定することにより得られた出力電圧値をX−Y座標軸で表わしたマップ上に、各座標における疲労進行度または残存寿命とが対応付けされた前記マップを予め作成する工程と、
前記転がり軸受の軌道面または転動面の出力電圧値を渦電流測定装置により測定する工程と、
測定された前記転がり軸受の出力電圧値を、前記マップに重ね合わせることで、前記転がり軸受の疲労進行度または残存寿命を求める工程と、
を備えることを特徴とする転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法。
(2) 前記マップは、前記転がり軸受の内外輪の端面、内輪の内周面、または外輪の外周面を前記渦電流測定装置によって測定したX−Y座標軸で表わされる出力電圧値、または該出力電圧値を補正した値を原点とするように再作成されることを特徴とする(1)に記載の転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法。
(3) 前記マップは、前記転がり軸受の非負荷圏における軌道面を前記渦電流測定装置によって測定したX−Y座標軸で表わされる出力電圧値、または該出力電圧値を補正した値を原点とするように再作成されることを特徴とする(1)または(2)に記載の転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法。
(4) 前記マップは、使用前の前記転がり軸受の軌道面または転動面を前記渦電流測定装置によって測定したX−Y座標軸で表わされる出力電圧値、または該出力電圧値を補正した値を原点とするように再作成されることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法。
(5) 前記マップ作成工程は、前記転がり軸受と仕様が等しい試験軸受の軌道面または転動面を渦電流測定装置とX線測定装置で測定し、前記X線測定装置で測定された値から算出された疲労進行度または残存寿命を、前記渦電流測定装置で測定されたX−Y座標軸で表わされる出力電圧値に対応付けることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法。
本発明の転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法によれば、転がり軸受を渦電流測定することにより得られた出力電圧値をX−Y座標軸で表わしたマップ上に、各座標における疲労進行度または残存寿命とが対応付けされた前記マップを予め作成し、転がり軸受の軌道面または転動面の出力電圧値を渦電流測定装置により測定し、測定された転がり軸受のX−Y座標軸で表わされる出力電圧値を、マップに重ね合わせることで、転がり軸受の疲労進行度または残存寿命を求める。これにより、ユーザーが使用する軸受を非破壊で検査し、軸受に疲労進行による損傷が発生する前に、転がり軸受の疲労進行度または残存寿命を高精度に予測可能である。
本発明に係る転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測装置の概略構成図である。 渦電流測定装置により、軸受の出力電圧値を測定する状態を示す図である。 ECT測定値と疲労進行度との関係を示す図である。
以下、本発明に係る転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法について図1〜3を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法が適用される予測装置の概略構成図であり、該予測装置10は、渦電流測定装置11、転がり軸受の残存寿命を求める診断部12、入力部13、及び表示部14を備えている。渦電流測定装置11及び診断部12は、主に、所謂コンピュータで構成され、渦電流測定装置11には、転がり軸受の所定部位の出力電圧値を測定するためのプローブ15が接続され、診断部12には、出力電圧値と疲労進行度との相関関係を有するマップが蓄積されたデータベース33が接続される。
渦電流測定装置11は、プローブ15内のコイル(図示せず)に励磁電流を流して測定対象金属(ここでは転がり軸受の外輪、内輪、または転動体)内に渦電流を誘導し、その渦電流によってコイルに生じる出力電圧値を検出することにより、金属組織(例えば、残留オーステナイト量)の測定を、非破壊で測定する。
渦電流測定装置11はブリッジ回路(入力電圧:E0sin(ωt))からなるコイルであり、まず、このコイルを被検体(新品軸受)に接触させ、ブリッジの平衡を取ることでブリッジ回路からの出力電圧をゼロとする。その後、疲労した転がり軸受にコイルを接触させることでブリッジの不平衡分として信号(出力電圧:Esin(ωt+θ))を得ることができる。この際の不平衡分の信号は、X=Ecos(θ)、Y=Esin(θ)としてX−Y座標上にプロットされる。
図2は、軸受の外輪軌道面の出力電圧値を渦電流測定装置によって測定する状態を示す図であり、外輪16の軌道面16aにプローブ15を近づけて軌道面16aの出力電圧値Iを測定する。このような出力電圧測定は、軸受の定期的なメンテナンス時など、軸受の使用時間が所定の運転時間に達したとき、軸受を分解して行なわれる。
診断部12は、プローブ15によって測定された出力電圧値に基づき、データベース33に蓄積された出力電圧値と疲労進行度または残存寿命との相関関係を示すマップを参照して軸受の疲労進行度または残存寿命を求め、表示部14に表示する。
具体的に、データベース33に記憶された図3に示すECT測定値と疲労進行度との関係を示すマップに基づいて、X−Y座標軸で表わされる出力電圧値から、転がり軸受の疲労進行度を求める。
ここで、図3に示すマップの作成は、実際に使用される転がり軸受である円筒ころ軸受(型番NU308EW:高炭素クロム軸受鋼に焼入れ・焼戻し処理をしたもの)と仕様が等しい試験軸受を用いて行なわれる。即ち、マップの作成は、試験軸受の軌道面または転動面を渦電流測定装置とX線測定装置の両方で測定し、X線測定装置で測定された値から算出された疲労進行度または残存寿命を、渦電流測定装置で測定されたX−Y座標軸で表わされる出力電圧値に対応付ける。
試験は、以下の3条件で行なわれた。
i)試験荷重:ラジアル荷重Fr=24500N(2500kgf)、回転数:n=2000min−1、油温:40℃、潤滑油(ISO−VG68)による強制循環給油
ii)試験荷重:ラジアル荷重Fr=19600N(2000kgf)、回転数:n=2000min−1、油温:40℃、潤滑油(ISO−VG68)による異物混入油浴(異物:硬さHv700、量0.1g、大きさ100−150μm)
iii)試験荷重:ラジアル荷重Fr=24500N(2500kgf)、回転数:n=2000min−1、油温:100℃、潤滑油(ISO−VG68)による油浴
試験は、1h、5h、10h、50h、100h、500h、1000hで停止し、ECT測定およびX線による残留オーステナイト量、マルテンサイトの半価幅測定を実施した。渦電流測定装置での測定条件としては、プローブ径1mm、周波数30kHz、位相角100°、感度10dbとしている。試験は、各条件2個の軸受に関して実施し、ECT測定とX線測定は、外輪を円周等分に4箇所実施した。
また、疲労進行度は、初期品に対するマルテンサイト半価幅の減少量δaおよび残留オーステナイトの減少量δbをX線を用いて測定し、下記式(1)により算出した。ここでの疲労進行度(%)とは、(測定時の稼働時間/はく離時間)×100である。
疲労進行度(%)=50×(δa+0.1×δb) ・・・(1)
このようにして、6個の試験軸受の外輪の4箇所に対して経過時間毎に、X線測定装置で測定された値から算出された疲労進行度を、渦電流測定装置で測定された出力電圧値に対応付けて表すことで、図3に示すようなマップが与えられる。
なお、図3に示すような出力電圧値と疲労進行度との関係を示すマップは、軸受のサイズ・種類や稼動される潤滑条件またはECTの測定条件によって、図3に示す数値や同じ疲労進行度を示す範囲が変わるため、データベース33には、各仕様ごとに内輪、外輪、転動体にそれぞれ対応する複数のマップが用意されている。
このようにして得られたマップに基づいて、測定された出力電圧値IのX座標,Y座標の値から、転がり軸受の疲労進行度を予測する。そして、疲労進行度の度合いに応じて、転がり軸受の部品交換が行なわれる。
なお、転がり軸受の軌道輪や転動体は、素材から鍛造、旋削、熱処理、研磨等の多くの工程を通して作られるため、軸受ごとに初期(未使用)の状態で多少なりとも、材料組織、表面性状にばらつきを持っている。ECTはそのわずかな材料組織や表面性状の違いに敏感に反応するため、初期の状態(疲労進行度0%)でも軸受ごとに出力電圧値の数値が異なる場合がある。したがって、出力電圧値のX、Y座標の値から疲労進行度または残存寿命を予測する場合、軸受使用前における軌道面のECT測定値を疲労度マップの原点、または、該ECT測定値を補正した値を疲労度マップの原点にするようにマップを再作成することが好ましい。
なお、原点補正によるマップの再作成は、軸受使用前の軌道面や転動面でのECT測定値を用いる代わりに、転がり軸受の軌道面や転動面以外の表面、即ち、測定対象が図2に示すように外輪16の場合には、外輪16の端面や外周面、測定対象が内輪の場合には、内輪の端面や内周面でのECT測定値、または、該ECT測定値を補正した値を用いてもよい。或は、測定対象が静止輪である場合には、マップの再作成は、非負荷圏における軌道面でのECT測定値、または、該ECT測定値を補正した値を用いてもよい。
なお、上記実施形態では、渦電流測定装置の測定値と、疲労進行度との関係を示すマップデータを用いて、疲労進行度を予測するようにしたが、渦電流測定装置の測定値と残存寿命を示すマップデータを用いて残存寿命を予測するようにしてもよい。
また、出力電圧値Iの測定は、外輪16だけでなく、内輪の軌道面、及び転動体の転動面でも測定することが望ましく、これら3つの疲労進行度の最も高い値を用いて疲労進行度を予測することが望ましい。
上記したように、本実施形態の転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法によれば、転がり軸受を渦電流測定することにより得られた出力電圧値をX−Y座標軸で表わしたマップ上に、各座標における疲労進行度または残存寿命とが対応付けされた前記マップを予め作成する工程と、転がり軸受の軌道面または転動面の出力電圧値を渦電流測定装置により測定する工程と、測定された転がり軸受の出力電圧値を、マップに重ね合わせることで、転がり軸受の疲労進行度または残存寿命を求める工程と、を備える。これにより、ユーザーが使用する転がり軸受を非破壊で検査し、転がり軸受に疲労進行による損傷が発生する前に、転がり軸受の疲労進行度または残存寿命を高精度に予測可能である。
また、本実施形態の転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測装置によれば、転がり軸受の所定部位の出力電圧値を測定する渦電流測定装置11と、転がり軸受を渦電流測定することにより得られた出力電圧値をX−Y座標軸で表わしたマップ上に、各座標における疲労進行度または残存寿命とが対応付けされたマップを有すると共に、測定された前記転がり軸受の軌道面または転動面の出力電圧値を、前記マップに重ね合わせることで、前記転がり軸受の疲労進行度または残存寿命を求める診断部12と、を備える。これにより、ユーザーが使用する転がり軸受を非破壊で検査し、転がり軸受に疲労進行による損傷が発生する前に、転がり軸受の疲労進行度または残存寿命を高精度に予測可能である。
また、マップは、使用前の前記転がり軸受の軌道面または転動面を渦電流測定装置によって測定したX−Y座標軸で表わされる出力電圧値、または該出力電圧値を補正した値を原点とするように再作成される。これにより、試験軸受と実際に使用される軸受との間のわずかな材料組織や表面性状の違いによる出力電圧値の違いを補正することができ、転がり軸受の疲労進行度または残存寿命をより高精度に予測可能である。
なお、マップの再作成は、転がり軸受の非負荷圏における軌道面を前記渦電流測定装置によって測定したX−Y座標軸で表わされる出力電圧値、または該出力電圧値を補正した値を原点とする場合や、転がり軸受の内外輪の端面、内輪の内周面、または外輪の外周面を渦電流測定装置によって測定したX−Y座標軸で表わされる出力電圧値、または該出力電圧値を補正した値を原点とする場合にも同様の効果を奏することができる。
また、マップは、転がり軸受と仕様が等しい試験軸受の軌道面または転動面を渦電流測定装置とX線測定装置で測定し、X線測定装置で測定された値から算出された疲労進行度または残存寿命を、渦電流測定装置で測定されたX−Y座標軸で表わされる出力電圧値に対応付けることで作成されるので、ユーザーは、転がり軸受を非破壊で検査しつつも、X線測定装置での測定結果に基づいた高精度な疲労進行度または残存寿命が与えられる。
尚、本発明は、前述した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
本発明は、上述した円筒ころ軸受に限定されず、任意の転がり軸受に適用可能であり、また、転がり軸受が組み込まれる機械装置も、鉄道車両、抄紙機、風力発電機、鉱山建機など、限定されるものではない。
また、本実施形態では、マップの作成は、X線測定装置で測定された値から算出された疲労進行度または残存寿命を用いているが、本発明はこれに限定されず、他の装置で測定された値から算出された疲労進行度または残存寿命を用いてもよい。
10 残存寿命予測装置
11 渦電流測定装置
12 診断部
16 外輪
16a 軌道面
I 出力電圧値

Claims (5)

  1. 転がり軸受の疲労進行度または残存寿命を予測する転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法であって、
    前記転がり軸受を渦電流測定することにより得られた出力電圧値をX−Y座標軸で表わしたマップ上に、各座標における疲労進行度または残存寿命とが対応付けされた前記マップを予め作成する工程と、
    前記転がり軸受の軌道面または転動面の出力電圧値を渦電流測定装置により測定する工程と、
    測定された前記転がり軸受の出力電圧値を、前記マップに重ね合わせることで、前記転がり軸受の疲労進行度または残存寿命を求める工程と、
    を備えることを特徴とする転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法。
  2. 前記マップは、前記転がり軸受の内外輪の端面、内輪の内周面、または外輪の外周面を前記渦電流測定装置によって測定したX−Y座標軸で表わされる出力電圧値、または該出力電圧値を補正した値を原点とするように再作成されることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法。
  3. 前記マップは、前記転がり軸受の非負荷圏における軌道面を前記渦電流測定装置によって測定したX−Y座標軸で表わされる出力電圧値、または該出力電圧値を補正した値を原点とするように再作成されることを特徴とする請求項1または2に記載の転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法。
  4. 前記マップは、使用前の前記転がり軸受の軌道面または転動面を前記渦電流測定装置によって測定したX−Y座標軸で表わされる出力電圧値、または該出力電圧値を補正した値を原点とするように再作成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法。
  5. 前記マップ作成工程は、前記転がり軸受と仕様が等しい試験軸受の軌道面または転動面を渦電流測定装置とX線測定装置で測定し、前記X線測定装置で測定された値から算出された疲労進行度または残存寿命を、前記渦電流測定装置で測定されたX−Y座標軸で表わされる出力電圧値に対応付けることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の転がり軸受の疲労進行度または残存寿命の予測方法。

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