JP2014055693A - 蒸気供給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】熱損失を低減することができる蒸気供給システムを提供することを目的とする。
【解決手段】蒸気供給システム1は、蒸気を発生させる蒸気発生装置2と、蒸気発生装置2によって発生させた蒸気を蒸気使用機器50まで送気する蒸気供給経路3と、蒸気供給経路3上に設けられ、蒸気発生装置2によって発生させた蒸気を過熱する蒸気過熱装置4と、蒸気過熱装置4を制御する制御装置5とを備え、制御装置5は、蒸気供給経路3の放熱量に基づいて、蒸気過熱装置4を制御し、蒸気過熱装置4で過熱される蒸気の過熱度を所定の過熱度に制御する。したがって、蒸気供給システム1は、ドレンの発生を抑制することができるので、ドレン排出の際の一部蒸気の排出に伴う熱損失を低減することができ、これにより、例えば、より効率のよい運転を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸気供給システムに関する。
従来の蒸気供給システムとして、例えば、特許文献1には、過熱器と、蒸気輸送管と、圧力検出手段及び温度検出手段と、コントローラとを具備する蒸気輸送管のドレン発生防止装置が記載されている。過熱器は、ボイラで発生させた蒸気を過熱する。蒸気輸送管は、過熱器で過熱された蒸気を蒸気使用装置に供給する。圧力検出手段及び温度検出手段は、蒸気輸送管の蒸気使用装置直前に設けられる。コントローラは、圧力検出手段及び温度検出手段からの検出信号を入力し過熱器を制御する制御信号を発する。そして、この蒸気輸送管のドレン発生防止装置は、例えば、蒸気輸送管を流れる過熱蒸気の蒸気使用装置直前の圧力及び温度を検出し、飽和温度よりも若干高い温度を維持するように過熱器を制御する。
特開平09−137911号公報
ところで、上述の特許文献1に記載の蒸気輸送管のドレン発生防止装置は、上記構成により、蒸気輸送管でのドレンの発生を抑制しているが、例えば、過熱度の制御の応答遅れなどによる熱損失の低減の点で更なる改善の余地がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、熱損失を低減することができる蒸気供給システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る蒸気供給システムは、蒸気を発生させる蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気を蒸気使用機器まで送気する蒸気供給経路と、前記蒸気供給経路上に設けられ、前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気を過熱する蒸気過熱装置と、前記蒸気過熱装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記蒸気供給経路の放熱量に基づいて、前記蒸気過熱装置を制御し、前記蒸気過熱装置で過熱される蒸気の過熱度を所定の過熱度に制御することを特徴とする。
また、上記蒸気供給システムでは、前記制御装置は、前記蒸気供給経路の状況、周囲の環境、及び、前記蒸気供給経路内の送気圧力に基づいて、前記蒸気供給経路の放熱量を算出し、前記蒸気過熱装置で過熱される蒸気の過熱分の熱量を、当該算出した前記蒸気供給経路の放熱量と同等、もしくは、当該算出した前記蒸気供給経路の放熱量より所定量高い熱量に制御するものとすることができる。
また、上記蒸気供給システムでは、前記蒸気使用機器に送気される蒸気流量を検出する蒸気流量計を備え、前記制御装置は、前記蒸気流量計によって検出される蒸気流量に基づいて、前記蒸気供給経路の放熱量を算出し、前記蒸気過熱装置で過熱される蒸気の過熱分の熱量を、当該算出した前記蒸気供給経路の放熱量と同等、もしくは、当該算出した前記蒸気供給経路の放熱量より所定量高い熱量に制御するものとすることができる。
また、上記蒸気供給システムでは、前記蒸気供給経路から分岐し前記蒸気過熱装置をバイパスして再び前記蒸気供給経路と合流するバイパス経路と、前記制御装置によって制御され、前記蒸気過熱装置への蒸気の流量と前記バイパス経路への蒸気の流量とを調節可能である流量調節装置とを備えるものとすることができる。
また、上記蒸気供給システムでは、前記蒸気過熱装置で過熱される蒸気の過熱度を検出する検出装置を備え、前記制御装置は、前記検出装置によって検出される蒸気の過熱度と前記所定の過熱度との偏差に基づいて前記流量調節装置を制御し、前記バイパス経路への蒸気の流量を調節するものとすることができる。
また、上記蒸気供給システムでは、前記制御装置は、前記蒸気過熱装置での加熱出力を一定に制御するものとすることができる。
本発明に係る蒸気供給システムは、制御装置が蒸気供給経路の放熱量に基づいて、蒸気過熱装置を制御し、蒸気過熱装置で過熱される蒸気の過熱度を所定の過熱度に制御することで、ドレンの発生を抑制することができるので、ドレン排出の際の一部蒸気の排出に伴う熱損失を低減することができる。
実施形態1に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。 実施形態2に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。 実施形態2に係る蒸気供給システムの動作の一例を説明する線図である。 実施形態3に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。 変形例に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。
図1に示す本実施形態の蒸気供給システム1は、加熱源や動力源として蒸気を使用して作動する種々の蒸気使用機器(負荷機器)50に、蒸気を供給するシステムである。本実施形態の蒸気供給システム1は、蒸気発生装置としてのボイラ2と、蒸気供給経路3と、蒸気過熱装置としての過熱器4と、制御装置5とを備える。
ボイラ2は、蒸気を発生させるものである。ボイラ2は、種々の熱源方式によって飽和蒸気St1を発生させる。飽和蒸気St1は、わずかに液体の水を含む蒸気から100%乾き蒸気の範囲の蒸気である。
ボイラ2は、燃焼式のボイラ、電気式のボイラ等、種々の形式のものを用いることができる。ボイラ2は、燃焼式の場合、燃料を燃焼させた際の燃焼熱を熱源として缶体内の缶水を蒸発させ飽和蒸気St1を発生させるものである。この場合、燃料としては、例えば、都市ガス、プロパンガス、バイオガス等の気体燃料、重油、灯油等の液体燃料等が用いられる。ボイラ2は、燃焼式の場合、例えば、貫流ボイラ、炉筒煙管ボイラ、水管ボイラ等の種々の形式のものを用いることができる。ボイラ2は、電気式の場合、電気ヒータを熱源として缶体内の缶水を蒸発させ飽和蒸気St1を発生させる。
蒸気供給経路3は、ボイラ2によって発生させた蒸気を蒸気使用機器50まで送気するための蒸気供給ラインである。蒸気供給経路3は、配管、流量調整弁、逆止弁、分岐部位等を含んで構成される。本実施形態の蒸気供給経路3は、少なくとも飽和蒸気配管31と過熱蒸気配管32とを含んで構成される。
飽和蒸気配管31は、ボイラ2の蒸気流出口と後述の過熱器4の蒸気流入口とを接続する。飽和蒸気配管31は、蒸気が内部を流通可能であり、ボイラ2で発生させた飽和蒸気St1を過熱器4に送気する。過熱蒸気配管32は、過熱器4の蒸気流出口と蒸気使用機器50の蒸気流入口とを接続する。過熱蒸気配管32は、蒸気が内部を流通可能であり、後述のように過熱器4で過熱した過熱蒸気St2を蒸気使用機器50に送気する。なお、飽和蒸気配管31、過熱蒸気配管32は、共に複数の配管、流量調整弁、逆止弁、分岐部位等を組み合わせることによって構成されてもよい。
過熱器4は、蒸気供給経路3上に設けられ、ボイラ2によって発生させた蒸気を過熱するいわゆるスーパーヒータである。過熱器4は、上述したように飽和蒸気配管31と過熱蒸気配管32との間に設けられ、蒸気流入口に飽和蒸気配管31が接続され、蒸気流出口に過熱蒸気配管32が接続される。過熱器4は、ボイラ2から飽和蒸気配管31を介して送気された飽和蒸気St1を種々の熱源方式によって過熱し、同等の圧力の飽和蒸気St1の温度より高い温度の過熱蒸気St2を発生させる。過熱蒸気St2は、一定圧力飽和温度で蒸発した飽和蒸気St1を定圧のままさらに高温度に過熱した無色透明のHOガスである。
過熱器4は、電気式の過熱器、熱交換器式の過熱器等、種々の形式のものを用いることができる。過熱器4は、電気式の場合、過熱器内部に設けられた電気ヒータを熱源として、飽和蒸気St1を過熱し過熱蒸気St2を発生させる。過熱器4は、熱交換器式の場合、過熱器内部に供給される熱交換媒体を熱源として、当該熱交換媒体と飽和蒸気St1とを熱交換させることで飽和蒸気St1を過熱し過熱蒸気St2を発生させる。この場合、熱交換媒体としては、例えば、熱媒ボイラからの高温の熱媒油、ボイラ2から排出される燃焼排ガス、他のボイラから供給される高圧蒸気などが用いられる。なお、過熱器4は、この他、減圧式の過熱器等を用いることもできる。
過熱器4は、制御装置5に電気的に接続されており、この制御装置5によって加熱出力が制御される。過熱器4における加熱出力は、当該過熱器4内を通過する飽和蒸気St1に付与する熱量(加熱量)に相当する。ここで、過熱器4における加熱出力は、電気式の場合には、過熱器4内の電気ヒータへの電圧(あるいは通電量)を調節することで増減することができる。また、過熱器4における加熱出力は、熱交換器式の場合には、過熱器4内に供給される熱交換媒体の供給量(流量)や温度を調節することで増減することができる。過熱器4は、加熱出力が大きくなるほど、飽和蒸気St1に付与する熱量が相対的に多くなり、発生させた過熱蒸気St2の過熱度が相対的に高くなる。一方、過熱器4は、加熱出力が小さくなるほど、飽和蒸気St1に付与する熱量が相対的に少なくなり、発生させた過熱蒸気St2の過熱度が相対的に低くなる。
ここで、過熱蒸気St2の過熱度とは、飽和蒸気St1に対する過熱蒸気St2の過熱の度合を表す指標である。過熱蒸気St2の過熱度は、例えば、下記の数式(1)で表すように、過熱蒸気St2の温度(過熱蒸気温度)と飽和蒸気St1の温度(飽和蒸気温度)との差分を用いることができる。

過熱度(Deg)=過熱蒸気温度(℃)−飽和蒸気温度(℃) ・・・ (1)
制御装置5は、過熱器4を含む蒸気供給システム1の各部を制御するものである。制御装置5は、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを含むマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。
制御装置5は、例えば、圧力センサ6、外気温度センサ7、過熱蒸気温度センサ8等の蒸気供給システム1の各所に取り付けられた種々のセンサが電気的に接続され、検出結果に対応した電気信号が入力される。圧力センサ6は、蒸気供給経路3内の蒸気の圧力である送気圧力を検出するものである。ここでは、圧力センサ6は、例えば、蒸気の流動方向に対して過熱器4より上流側の飽和蒸気配管31内の送気圧力(飽和蒸気配管31を送気される飽和蒸気St1の圧力)を検出する。外気温度センサ7は、外気温度を検出するものである。ここでは、外気温度センサ7は、例えば、蒸気供給経路3の周囲の気温を検出する。過熱蒸気温度センサ8は、過熱器4が発生させた過熱蒸気St2の温度を検出するものである。ここでは、過熱蒸気温度センサ8は、例えば、過熱器4の内部で過熱蒸気St2の温度を検出する。この過熱蒸気温度センサ8は、過熱器4で過熱される蒸気の過熱度を検出するための検出装置に相当する。
制御装置5は、各種センサから入力された各種入力信号や各種マップに基づいて、記憶部に格納されている制御プログラムを実行することにより、過熱器4を含む蒸気供給システム1の各部に制御信号を出力しこれらを制御する。制御装置5は、過熱器4を制御し当該過熱器4における加熱出力を調節することで、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱度を調節することができる。制御装置5は、過熱器4が電気式である場合には、過熱器4内の電気ヒータへの電圧(インプット)を制御することで、過熱器4における加熱出力を調節し、過熱蒸気St2の過熱度を所望の過熱度に調節することができる。また、制御装置5は、過熱器4が熱交換器式である場合には、過熱器4内に供給される熱交換媒体の供給量や温度(インプット)を制御することで、過熱器4における加熱出力を調節し、過熱蒸気St2の過熱度を所望の過熱度に調節することができる。このとき、制御装置5は、例えば、圧力センサ6が検出した送気圧力から求められる飽和蒸気温度と、過熱蒸気温度センサ8が検出した過熱蒸気温度とに基づいて、上記の数式(1)を用いて、過熱器4で過熱された過熱蒸気St2の実際の過熱度を算出することができる。これにより、制御装置5は、過熱器4で過熱した過熱蒸気St2の過熱度が所望の過熱度に調節されているか否かを判定することができる。
上記のように構成される蒸気供給システム1は、ボイラ2で発生させた飽和蒸気St1が蒸気供給経路3の飽和蒸気配管31を介して過熱器4に送気される。蒸気供給システム1は、過熱器4が送気された飽和蒸気St1を過熱し過熱蒸気St2を発生させる。そして、蒸気供給システム1は、過熱器4で発生させた過熱蒸気St2が蒸気供給経路3の過熱蒸気配管32を介して蒸気使用機器50に送気される。このとき、制御装置5は、過熱器4を制御し当該過熱器4における加熱出力を調節することで、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱度を所望の過熱度に調節する。この結果、蒸気供給システム1は、蒸気使用機器50に当該蒸気使用機器50で許容される所望の過熱度の蒸気を供給することができる。
なおここで、蒸気使用機器50で許容される所望の過熱度の蒸気とは、蒸気使用機器50に蒸気が届いたときにほぼ飽和状態である蒸気、あるいは、蒸気使用機器50に影響を与えない程度の過熱度となっている微過熱蒸気等を含む概念である。また、この蒸気供給システム1は、蒸気使用機器50で蒸気が利用されると、当該蒸気の一部が凝縮してドレンが発生する。蒸気使用機器50で凝縮されたドレンは、スチームトラップ51等で分離されて回収される。そして、回収されたドレンは、ボイラ2の缶水として再びボイラ2の缶体内に給水される。
ところで、この蒸気供給システム1は、蒸気を蒸気使用機器50に送気する際に蒸気供給経路3で放熱する。このため、蒸気供給システム1は、当該放熱に見合う蒸気の持つ潜熱を放出し、蒸気供給経路3で蒸気使用機器50に至る前に蒸気の一部が凝縮しドレンが発生するおそれがある。この場合、蒸気使用機器50へのドレンの流入による影響をなくすために、蒸気供給システム1は、例えば、発生したドレンを蒸気供給経路3の外部に排出する必要が生じる。このとき、蒸気供給システム1は、例えば、スチームトラップ等からドレンを排出する際、当該ドレンだけでなく蒸気も一部排出させてしまうおそれがあり、これにより、熱の損失が生じるおそれがある。
そこで、本実施形態の蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3の放熱量に応じて過熱器4での過熱度を設定しながら過熱器4を制御することで、ドレンの発生を抑制しドレン排出の際の一部蒸気の排出に伴う熱損失の低減を図っている。
具体的には、制御装置5は、蒸気供給経路3の放熱量に基づいて、過熱器4を制御し、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱度を、所定の過熱度としての目標過熱度に制御する。
ここで、目標過熱度とは、過熱器4で過熱された過熱蒸気St2の目標とする過熱度である。典型的には、この目標過熱度は、蒸気供給経路3で蒸気を蒸気使用機器50まで送気した際に、当該蒸気が蒸気使用機器50に至る前にドレンが発生しない過熱度である。この制御装置5は、機能概念的に過熱度設定部9が設けられており、この過熱度設定部9が当該目標過熱度を設定する。この過熱度設定部9は、蒸気使用機器50で許容される過熱度、蒸気供給経路3の放熱量等に基づいて当該目標過熱度を設定する。
蒸気供給経路3の放熱量は、蒸気が蒸気供給経路3を通って蒸気使用機器50に供給されるまでに放熱される熱量に相当する。蒸気供給経路3の放熱量は、飽和蒸気配管31における放熱量と、過熱蒸気配管32における放熱量とを含む。なお、この蒸気供給経路3の放熱量は、例えば、飽和蒸気配管31の全長が短く飽和蒸気配管31での放熱量が無視できる程度である場合には、過熱蒸気配管32での放熱量だけを考慮すればよい。
この蒸気供給経路3の放熱量は、係員、オペレータ、作業者(以下、「係員等」という場合がある。)などによって予め現場で調査、計測された放熱量を固定値として用いてもよいが、ここでは、制御装置5によって算出するものとする。
具体的には、蒸気供給経路3の放熱量は、例えば、蒸気供給経路3の状況、周囲の環境、及び、蒸気供給経路3内の送気圧力等の変化に応じて変化する可能性がある。蒸気供給経路3の状況は、例えば、蒸気供給システム1が工場等に設置された場合、ボイラ2が設置されたボイラ室から蒸気使用機器50までの蒸気供給経路3の全長、敷設位置(例えば、地下敷設、上部空間、建屋天井近傍、建屋床面近傍、ピット内等)、フランジ形状等の配管構成、配管熱伝導率、断熱材の性能、分岐管や各種弁の数・作動状態等の要因によって変化する。周囲の環境は、外気温度、湿度、季節、時間帯等の要因によって変化する。
本実施形態の蒸気供給システム1では、蒸気供給経路3の放熱量は、実地評価等に基づいて、蒸気供給経路3の状況と周囲の環境と蒸気供給経路3内の送気圧力との相関関係が予め設定されて、マップ、あるいは、数式モデル等として制御装置5の記憶部に格納されている。ここでは、上記蒸気供給経路3の状況に関する情報は、蒸気供給経路3の全長、敷設位置、フランジ形状等の配管構成、配管熱伝導率、断熱材の性能、分岐管の数、各種弁の数、分岐管に接続された他の機器の作動状態、各種弁の作動状態等に関する情報を含むものとする。上記周囲の環境を表す指標は、少なくとも外気温度センサ7によって検出される蒸気供給経路3の周囲の気温を含むものとする。蒸気供給経路3内の送気圧力を表す指標は、少なくとも圧力センサ6によって検出される飽和蒸気配管31内の送気圧力を含むものとする。
過熱度設定部9は、上記蒸気供給経路3の状況、周囲の環境、及び、蒸気供給経路3内の送気圧力に基づいて、蒸気供給経路3の放熱量を算出する。ここでは、この制御装置5は、蒸気供給経路3の放熱量、蒸気供給経路3の状況、周囲の環境、蒸気供給経路3内の送気圧力の相関関係を表す放熱量マップが記憶部に格納されている。過熱度設定部9は、この放熱量マップを用いて、蒸気供給経路3の全長、敷設位置、フランジ形状等の配管構成、配管熱伝導率、断熱材の性能、分岐管の数、各種弁の数、現時点での分岐管に接続された他の機器の作動状態、現時点での各種弁の作動状態、現時点での蒸気供給経路3の周囲の気温、現時点での飽和蒸気配管31内の送気圧力から、現時点での蒸気供給経路3の放熱量を算出する。この場合、蒸気供給経路3の全長、敷設位置、フランジ形状等の配管構成、配管熱伝導率、断熱材の性能、分岐管の数、各種弁の数は、係員等により予め入力しておけばよい。また、過熱度設定部9は、入出力される各種電気信号に基づいて現時点での分岐管に接続された他の機器の作動状態、現時点での各種弁の作動状態を検出する。さらに、過熱度設定部9は、外気温度センサ7によって現時点での蒸気供給経路3の周囲の気温を検出する。また、過熱度設定部9は、圧力センサ6によって現時点での飽和蒸気配管31内の送気圧力を検出する。
なお、ここで、上記蒸気供給経路3の状況は、蒸気供給システム1が工場等に設置されてしまえばほとんど変わらない傾向にある。したがって、蒸気供給経路3の放熱量は、設置された蒸気供給経路3の状況下での実地評価等に基づいて、例えば、熱伝導率などの放熱に関する基本データを制御装置5の記憶部に格納しておき、過熱度設定部9は、外気温度センサ7によって検出された現時点での蒸気供給経路3の周囲の気温、圧力センサ6によって検出された現時点での飽和蒸気配管31内の送気圧力に基づいて、蒸気供給経路3の放熱量を算出し、算出された放熱量を基に過熱度を設定する。設備変更等でバルブの変更、分岐経路の変更など蒸気供給経路3の変更が行われれば、その変更に応じて制御装置5の記憶部の格納データを変更すればよい。
そして、過熱度設定部9は、現時点での蒸気供給経路3の放熱量、蒸気使用機器50で許容される過熱度等に基づいて、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の目標過熱度を設定する。すなわち、過熱度設定部9は、蒸気供給経路3を介して蒸気を蒸気使用機器50まで送気した際に、現時点での蒸気供給経路3の放熱量で放熱しても、蒸気が蒸気使用機器50に至る前にドレンが発生せず、許容される過熱度で蒸気使用機器50に供給されるように、目標過熱度を設定する。さらに言えば、過熱度設定部9は、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱分の熱量が、上記で算出した蒸気供給経路3の放熱量と同等、もしくは、当該算出した蒸気供給経路3の放熱量より所定量高い熱量となるように目標過熱度を設定する。ここで、上記所定量は、例えば、蒸気使用機器50に影響を与えない程度の微過熱蒸気に応じた熱量である。
そして、制御装置5は、上記のように設定された目標過熱度に基づいて、過熱器4を制御し、過熱蒸気St2の過熱度を調節する。ここでは、制御装置5は、圧力センサ6が検出した送気圧力から求められる飽和蒸気温度と、過熱蒸気温度センサ8が検出した過熱蒸気温度とに応じて現時点での実際の過熱度を算出する。そして、制御装置5は、算出した現時点での実際の過熱度が、上記目標過熱度となるように過熱器4を制御する。この場合、制御装置5は、過熱器4を制御し当該過熱器4における加熱出力を調節することで、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱度を目標過熱度に調節する。
この結果、制御装置5は、過熱器4で過熱される蒸気の過熱分の熱量を、当該算出した蒸気供給経路3の放熱量と同等、もしくは、当該算出した蒸気供給経路3の放熱量より所定量高い熱量に制御することができる。言い換えれば、制御装置5は、ボイラ2によって発生させた飽和蒸気St1が、過熱分の熱量として蒸気供給経路3の放熱量と同等、もしくは、わずかに高い熱量を持つ過熱蒸気St2となるように過熱器4を制御することができる。この結果、蒸気供給システム1は、過熱器4で過熱される蒸気の過熱度を蒸気使用機器50までドレンが発生しない過熱度として送気することができる。
上記のように構成される蒸気供給システム1は、制御装置5が蒸気供給経路3の放熱量に基づいて過熱器4を制御し過熱蒸気St2の過熱度を所定の過熱度に制御する。これにより、蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3で放熱することを見込んで蒸気を過熱し、蒸気使用機器50に至る前にドレンが発生しないように蒸気使用機器50に供給することができる。つまり、蒸気供給システム1は、ボイラ2で発生させた蒸気を蒸気使用機器50まで送気した際に蒸気供給経路3で放熱しても、当該放熱を過熱蒸気St2が有する熱(顕熱)によって補完することができる。
したがって、蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3で蒸気使用機器50に至る前に蒸気の一部が凝縮することを抑制することができ、ドレンが発生することを抑制することができる。よって、蒸気供給システム1は、例えば、発生したドレンを蒸気供給経路3の外部に排出することに起因して一部蒸気が排出されることによる熱損失が生じることを抑制することができる。また、蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3でのドレンの発生を抑制することができることから、例えば、蒸気供給経路3上のスチームトラップの数を削減することができ、トラップロス、トラップ配管ロス等を抑制することができる。これにより、蒸気供給システム1は、より効率のよい運転を行うことができると共に、製造コストを削減することができ、また、保守点検の負担を低減することができる。さらに、蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3でのドレンの発生を抑制することができることから、蒸気供給経路3内の蒸気流速を向上させることができ、このため、蒸気供給経路3を構成する配管口径をサイズダウンすることができる。これにより、蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3を構成する配管全体での放熱量自体を低減することができるので、この点でも熱損失を抑制し、より効率のよい運転を行うことができる。また、蒸気供給システム1は、例えば、冷態起動時に蒸気供給経路3内に発生したドレンを過熱器4で過熱された過熱蒸気St2によって再蒸発させることで、ドレン顕熱を再生させ、ドレン量を低減することもできる。さらに、蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3でのドレンの発生を抑制することができることから、いわゆるエロージョン(配管侵食)やウォータハンマ(水撃作用)等の発生も抑制することができる。また、蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3でのドレンの発生を抑制することができることから、例えば、蒸気供給経路3に設けられる流量計(不図示)等の各種センサの検出精度の低下を抑制することができる。
そして、本実施形態の蒸気供給システム1は、現時点での蒸気供給経路3の状況(蒸気供給経路3の全長等)、周囲の環境(蒸気供給経路3の周囲の気温等)で、所定の送気圧力の蒸気が流れた際の蒸気供給経路3の放熱量を算出する。そして、蒸気供給システム1は、過熱蒸気St2の過熱度が当該蒸気供給経路3の放熱量に応じた過熱度となるように過熱器4を制御する。この結果、蒸気供給システム1は、この放熱量に見合う熱量分の熱を飽和蒸気St1に付与して過熱し、蒸気使用機器5の直前までドレンが発生しないように蒸気使用機器50に送気することができる。これにより、蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3の状況の変化、季節や一日のうちの気温変動に伴った周囲の環境の変化、蒸気供給経路3内の送気圧力の変動等に応じて蒸気供給経路3の放熱量が変化しても、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱度をこれらの変動に追従させることができる。この結果、蒸気供給システム1は、蒸気供給経路3の状況、周囲の環境、蒸気供給経路3内の送気圧力等が変化しても、当該変化に応じて精度よく過熱度を調節することができ、より確実に蒸気供給経路3でドレンが発生することを抑制することができる。
以上で説明した実施形態に係る蒸気供給システム1によれば、蒸気を発生させるボイラ2と、ボイラ2によって発生させた蒸気を蒸気使用機器50まで送気する蒸気供給経路3と、蒸気供給経路3上に設けられ、ボイラ2によって発生させた蒸気を過熱する過熱器4と、過熱器4を制御する制御装置5とを備える。制御装置5は、蒸気供給経路3の放熱量に基づいて、過熱器4を制御し、過熱器4で過熱される蒸気の過熱度を所定の過熱度に制御する。したがって、蒸気供給システム1は、ドレンの発生を抑制することができるので、ドレン排出の際の一部蒸気の排出に伴う熱損失を低減することができ、これにより、例えば、より効率のよい運転を行うことができる。
[実施形態2]
図2は、実施形態2に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。図3は、実施形態2に係る蒸気供給システムの動作の一例を説明する線図である。実施形態2に係る蒸気供給システムは、バイパス経路と流量調節装置とを備える点で実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する。なお、図3は、横軸を時間軸とし、縦軸を蒸気使用機器50での蒸気使用量としている。
図2に示す本実施形態の蒸気供給システム201は、上記の蒸気供給システム1(図1参照)の構成に加えて、さらに、バイパス経路としてのバイパス配管210と、流量調節装置としての流量調節弁211とを備える。
バイパス配管210は、蒸気供給経路3から分岐し過熱器4をバイパスして再び蒸気供給経路3と合流する。バイパス配管210は、蒸気供給経路3を流れる蒸気の流動方向に対して、過熱器4の上流側と、過熱器4の下流側とを接続する。ここでは、バイパス配管210は、一端が飽和蒸気配管31に接続して当該飽和蒸気配管31から分岐し、他端が過熱蒸気配管32に接続して当該過熱蒸気配管32に合流する。バイパス配管210は、蒸気が内部を流通可能であり、ボイラ2で発生させた飽和蒸気St1の一部を飽和蒸気配管31から過熱器4をバイパスさせて過熱蒸気配管32に送気することができる。なお、このバイパス配管210は、複数の配管を組み合わせることによって構成されてもよい。
流量調節弁211は、制御装置5によって制御され、過熱器4への蒸気の流量とバイパス配管210への蒸気の流量とを調節可能である。流量調節弁211は、バイパス配管210上に設けられ、弁開度を調節することでバイパス配管210の流路断面積を調節することができる。
したがって、蒸気供給システム201は、制御装置5が流量調節弁211を制御し所定の弁開度に調節されると、飽和蒸気配管31からバイパス配管210へ飽和蒸気St1の一部が流れる。そして、蒸気供給システム201は、バイパス配管210へ流れた飽和蒸気St1が過熱器4をバイパスして過熱蒸気配管32に合流し、過熱器4で過熱された過熱蒸気St2と混合される。これにより、蒸気供給システム201は、過熱器4で過熱された過熱蒸気St2と、バイパス配管210を流れて過熱蒸気配管32に合流した飽和蒸気St1とが混合されて、過熱蒸気St2の熱が飽和蒸気St1に奪われて、所定の過熱度の過熱蒸気St2となり、蒸気使用機器50に送気される。
なお、本実施形態の圧力センサ6は、飽和蒸気配管31において、蒸気の流動方向に対して当該飽和蒸気配管31とバイパス配管210との分岐部位より上流側の検出位置で飽和蒸気配管31内の送気圧力を検出する。また、過熱蒸気温度センサ8は、過熱蒸気配管32において、蒸気の流動方向に対して当該過熱蒸気配管32とバイパス配管210との合流部位より下流側の検出位置で過熱蒸気配管32内の過熱蒸気St2の温度を検出する。この過熱蒸気温度センサ8の検出位置は、過熱器4から当該検出位置までの過熱蒸気配管32の放熱量を無視でき、かつ、バイパス配管210から過熱蒸気配管32に合流した飽和蒸気St1が過熱器4で過熱された過熱蒸気St2と十分に混合される位置に設定される。なお、この蒸気供給システム201は、過熱蒸気配管32とバイパス配管210との合流部位に、飽和蒸気St1と過熱蒸気St2とを十分に混合するための混合三方弁等が設けられていてもよい。
そして、本実施形態の制御装置5は、過熱度設定部9が設定した目標過熱度に基づいて、過熱器4及び流量調節弁211を制御し、過熱蒸気St2の過熱度を調節する。すなわち、制御装置5は、圧力センサ6が検出した送気圧力から求められる飽和蒸気温度と、過熱蒸気温度センサ8が検出した過熱蒸気温度とに応じて現時点での実際の過熱度を算出する。そして、制御装置5は、算出した現時点での実際の過熱度が目標過熱度となるように過熱器4及び流量調節弁211を制御する。この場合、制御装置5は、過熱器4を制御し当該過熱器4における加熱出力を調節することに加えて、流量調節弁211を制御しバイパス配管210への飽和蒸気St1の流量(以下、「バイパス流量」という場合がある。)を調節することで、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱度を目標過熱度に調節する。
このとき、制御装置5は、過熱蒸気温度センサ8によって検出される過熱蒸気温度に基づいて流量調節弁211を制御しバイパス流量を調整する。より詳細には、制御装置5は、過熱蒸気温度センサ8によって検出される過熱蒸気温度に応じた蒸気の実際の過熱度と目標過熱度との偏差に基づいて流量調節弁211を制御し、バイパス配管210への蒸気の流量を調節する。
例えば、制御装置5は、過熱蒸気温度センサ8によって検出される蒸気の実際の過熱度が目標過熱度より高い場合に、過熱器4を制御し加熱出力を低減すると共に、流量調節弁211を制御しバイパス流量を増加させ、実際の過熱度を目標過熱度まで低下させる。このとき、制御装置5は、実際の過熱度と目標過熱度との偏差に基づいてバイパス流量を調節し、当該偏差が相対的に小さいほどバイパス流量を相対的に少なくし、当該偏差が相対的に大きいほどバイパス流量を相対的に多くする。
この結果、蒸気供給システム201は、過熱器4で過熱された過熱蒸気St2と過熱器4をバイパスし過熱蒸気配管32で合流した飽和蒸気St1とが混合された後の過熱蒸気St2の過熱度を低下させ目標過熱度に収束させることができる。このとき、蒸気供給システム201は、単に過熱器4の加熱出力を低減して過熱度を低下させる場合と比較して、飽和蒸気St1の一部をバイパス配管210に流し過熱器4で過熱しないことで、相対的にすばやく応答性よく過熱度を低下させ目標過熱度に収束させることができる。
すなわち、過熱器4は、電気ヒータの電圧、あるいは、熱交換媒体の供給量や温度等のインプットをカットし加熱出力をカットしても、装置全体の保有熱の影響で過熱器4内部の温度低下が比較的に緩やかである。このため、過熱器4は、過熱蒸気St2の過熱度を低下させる際の応答性が相対的に低くなる傾向にある。
これに対し、本実施形態の蒸気供給システム201は、過熱蒸気St2の過熱度を低下させる際に、過熱器4の加熱出力のカットとあわせて流量調節弁211を制御し飽和蒸気St1の一部をバイパス配管210に流し過熱器4をバイパスさせることで、過熱蒸気St2の過熱度低下の応答性を向上することができる。
なお、この蒸気供給システム201は、過熱蒸気St2の実際の過熱度が目標過熱度より高い場合として、蒸気供給経路3の放熱量等の変化に伴って目標過熱度が変化した場合の他に、例えば、蒸気使用機器50での蒸気使用量(負荷)が減少した場合等が挙げられる。この場合、蒸気供給システム201は、例えば、ボイラ2が燃焼式の場合には燃焼量を、ボイラ2が電気式の場合には電気ヒータの出力を制御して、蒸気使用機器50への蒸気供給量を低下させる。このとき、蒸気供給システム201は、過熱器4での加熱出力が一定であると仮定すると、過熱器4への飽和蒸気St1の流量が低下することで、過熱蒸気St2の過熱度が上昇することとなる。このような場合に、制御装置5は、蒸気の実際の過熱度と目標過熱度との偏差に基づいて、過熱器4を制御し加熱出力を低減すると共に流量調節弁211を制御しバイパス流量を増加させることで、実際の過熱度を目標過熱度まで低下させる。
一方、この蒸気供給システム201は、過熱蒸気St2の実際の過熱度が目標過熱度より低い場合として、蒸気供給経路3の放熱量等の変化に伴って目標過熱度が変化した場合の他に、例えば、蒸気使用機器50での蒸気使用量が増加した場合等が挙げられる。この場合、蒸気供給システム201は、例えば、ボイラ2が燃焼式の場合には燃焼量を、ボイラ2が電気式の場合には電気ヒータの出力を制御して、蒸気使用機器50への蒸気供給量を増加させる。このとき、蒸気供給システム201は、過熱器4での加熱出力が一定であると仮定すると、過熱器4への飽和蒸気St1の流量が増加することで、過熱蒸気St2の過熱度が低下することとなる。このような場合に、制御装置5は、蒸気の実際の過熱度と目標過熱度との偏差に基づいて、過熱器4を制御し加熱出力を増加すると共に流量調節弁211を制御しバイパス流量を減少させ、例えば、弁開度を全閉状態とすることで、実際の過熱度を目標過熱度まで増加させる。
以上で説明した実施形態に係る蒸気供給システム201は、ドレンの発生を抑制することができるので、ドレン排出の際の一部蒸気の排出に伴う熱損失を低減することができ、これにより、例えば、より効率のよい運転を行うことができる。
さらに、以上で説明した実施形態に係る蒸気供給システム201によれば、蒸気供給経路3から分岐し過熱器4をバイパスして再び蒸気供給経路3と合流するバイパス配管210と、制御装置5によって制御され、過熱器4への蒸気の流量とバイパス配管210への蒸気の流量とを調節可能である流量調節弁211とを備える。したがって、蒸気供給システム201は、単に過熱器4の加熱出力を調節して過熱度を調節させる場合と比較して、過熱器4をバイパスさせる飽和蒸気St1の流量を調節して過熱度を調節することで、応答性よく過熱蒸気St2の過熱度を調節することができる。
なお、本実施形態の蒸気供給システム201は、図3で説明するように、過熱器4を制御し当該過熱器4での加熱出力を一定に制御した上で、流量調節弁211を制御しバイパス流量を調節することで、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱度を増減し、目標過熱度に調節することも可能である。この場合、制御装置5は、過熱器4での加熱出力を常に一定に制御した上で、過熱蒸気温度センサ8によって検出される蒸気の実際の過熱度と目標過熱度との偏差に基づいて流量調節弁211を制御し、バイパス配管210への蒸気の流量を調節する。
より詳細には、制御装置5は、蒸気使用機器50の負荷が変動し当該蒸気使用機器50での蒸気使用量が変動した場合であっても、過熱器4での加熱出力を予め設定された設定加熱出力で一定に維持するように制御する。この場合、設定加熱出力は、例えば、図3に示すように、蒸気使用機器50で想定される平均蒸気使用量(ave.)よりやや多い設定蒸気使用量L1の飽和蒸気St1を、想定される最大の目標過熱度まで過熱するために必要な加熱出力に設定される。そして、制御装置5は、例えば、蒸気使用機器50の負荷が低下し当該蒸気使用機器50での蒸気使用量が減少した場合(つまり過熱度が上昇した場合)に、過熱蒸気St2の実際の過熱度と目標過熱度との偏差に基づいて流量調節弁211を制御しバイパス流量を増加させることで過熱蒸気St2の過熱度を低下させ目標過熱度に調節する。一方、制御装置5は、例えば、蒸気使用機器50の負荷が増加し当該蒸気使用機器50での蒸気使用量が増加した場合(つまり過熱度が低下した場合)に、過熱蒸気St2の実際の過熱度と目標過熱度との偏差に基づいて流量調節弁211を制御しバイパス流量を減少させることで過熱蒸気St2の過熱度を増加させ目標過熱度に調節する。
この場合、蒸気供給システム201は、実際の蒸気使用量L2が設定蒸気使用量L1を上回ると、流量調節弁211を全閉状態としバイパス流量を0としても過熱蒸気St2の過熱度が目標過熱度より低くなる場合がある。すると、蒸気供給システム201は、蒸気使用機器50の手前でドレンが発生する可能性がある(図3中のA領域参照)。しかしながら、蒸気供給システム201は、設定蒸気使用量L1、ひいては、設定加熱出力を適切に設定した上で過熱器4での加熱出力を一定に制御することで、多少のドレン発生を許容した上で運転効率を向上することができる場合がある。この場合、蒸気供給システム201は、例えば、過熱器4の加熱出力を最大加熱出力に合わせて一定とする場合と比較して、相対的に使用頻度の少ない最大加熱出力に合わせて加熱調整することによるエネルギの無駄を抑制することができる。そして、蒸気供給システム201は、過熱器4での加熱出力を設定加熱出力で一定に維持し、都度、過熱器4の加熱出力調整を行わないことで、いわゆる制御にハンチングが生じることを抑制することができ、当該ハンチングが起こることによる機器への影響を抑制することができる。これにより、蒸気供給システム201は、結果的にトータルの運転効率を向上することができる場合がある。
なお、設定加熱出力は、例えば、蒸気使用機器50で想定される最大負荷のときに要求される最大蒸気使用量の飽和蒸気St1を、想定される最大の目標過熱度まで過熱するために必要な加熱出力よりも十分に高い加熱出力に設定されてもよい。そして、制御装置5は、過熱器4での加熱出力を設定加熱出力で一定に維持するように制御した上で、流量調節弁211を制御しバイパス流量を調節することで過熱蒸気St2の過熱度を調節する。すなわち、制御装置5は、過熱蒸気St2の実際の過熱度と目標過熱度との偏差に基づいて流量調節弁211を制御しバイパス流量を調節することで過熱蒸気St2の過熱度を目標過熱度に調節する。この場合であっても、蒸気供給システム201は、応答性よく過熱蒸気St2の過熱度を調節することができる
[実施形態3]
図4は、実施形態3に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。図5は、変形例に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。実施形態2に係る蒸気供給システムは、蒸気使用機器への蒸気流量に基づいて、蒸気供給経路の放熱量を算出する点で実施形態1、2とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する。
図4に示す本実施形態の蒸気供給システム301は、上記の蒸気供給システム1(図1参照)の構成に加えて、さらに、蒸気流量計10を備える。
蒸気流量計10は、蒸気供給経路3上に設けられて蒸気使用機器50に送気される蒸気流量を検出するものである。ここでは、蒸気流量計10は、蒸気供給経路3において、蒸気の流動方向に対して、過熱器4の下流側、蒸気使用機器50の上流側の検出位置で蒸気供給経路3内を送気される蒸気流量を検出する。つまり、蒸気流量計10は、蒸気供給経路3の過熱蒸気配管32に設けられており、過熱蒸気配管32を介して過熱器4から蒸気使用機器50に送気される過熱蒸気St2の流量(蒸気流量)を検出する。制御装置5は、この蒸気流量計10が電気的に接続され、検出結果に対応した電気信号が入力される。
そして、本実施形態の制御装置5は、蒸気流量計10によって検出される蒸気流量に基づいて、蒸気供給経路3の放熱量を算出し、算出した蒸気供給経路3の放熱量に基づいて過熱器4を制御する。
具体的には、本実施形態の過熱度設定部9は、上述したような蒸気供給経路3の状況、周囲の環境、蒸気供給経路3内の送気圧力に加えてさらに、蒸気流量計10によって検出される蒸気使用機器50への蒸気流量、言い換えれば、蒸気使用機器50における蒸気負荷に基づいて、蒸気供給経路3の放熱量を算出する。ここでは、この制御装置5は、蒸気供給経路3の放熱量、蒸気供給経路3の状況、周囲の環境、蒸気供給経路3内の送気圧力、蒸気使用機器50への蒸気流量の相関関係を表す放熱量マップが記憶部に格納されている。過熱度設定部9は、この放熱量マップを用いて、蒸気供給経路3の状況、現時点での蒸気供給経路3の周囲の気温、現時点での飽和蒸気配管31内の送気圧力、現時点での蒸気使用機器50への蒸気流量から、現時点での蒸気供給経路3の放熱量を算出する。この場合、過熱度設定部9は、蒸気流量計10によって蒸気使用機器50への蒸気流量を検出する。この結果、過熱度設定部9は、蒸気使用機器50への蒸気流量、言い換えれば、蒸気使用機器50における蒸気負荷に基づいて、より精度よく蒸気供給経路3の放熱量を算出することができる。
なおここでは、過熱度設定部9は、蒸気供給経路3の状況、周囲の環境、蒸気供給経路3内の送気圧力に加えてさらに、蒸気流量計10によって検出される蒸気使用機器50への蒸気流量に基づいて蒸気供給経路3の放熱量を算出するものとして説明するがこれに限らない。過熱度設定部9は、例えば、蒸気供給経路3の状況、周囲の環境、蒸気供給経路3内の送気圧力にかかわらず、蒸気流量計10によって検出される蒸気使用機器50への蒸気流量に基づいて蒸気供給経路3の放熱量を算出するようにしてもよい。
そして、過熱度設定部9は、現時点での蒸気供給経路3の放熱量、蒸気使用機器50で許容される過熱度等に基づいて、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の目標過熱度を設定する。過熱度設定部9は、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱分の熱量が、上記で算出した蒸気供給経路3の放熱量と同等、もしくは、当該算出した蒸気供給経路3の放熱量より所定量高い熱量となるように目標過熱度を設定する。そして、制御装置5は、上記のように設定された目標過熱度に基づいて、過熱器4を制御し、過熱蒸気St2の過熱度を調節する。この場合、制御装置5は、過熱器4を制御し当該過熱器4における加熱出力を調節することで、過熱器4で過熱される過熱蒸気St2の過熱度を目標過熱度に調節する。この結果、制御装置5は、過熱器4で過熱される蒸気の過熱分の熱量を、当該算出した蒸気供給経路3の放熱量と同等、もしくは、当該算出した蒸気供給経路3の放熱量より所定量高い熱量に制御することができる。したがって、蒸気供給システム301は、蒸気使用機器50への蒸気流量、言い換えれば、蒸気使用機器50における蒸気負荷に基づいてより精度よく蒸気供給経路3の放熱量を算出した上で、この蒸気供給経路3の放熱量に基づいて、より確実に過熱器4で過熱される蒸気の過熱度を蒸気使用機器50までドレンが発生しない過熱度として送気することができる。
以上で説明した実施形態に係る蒸気供給システム301は、ドレンの発生を抑制することができるので、ドレン排出の際の一部蒸気の排出に伴う熱損失を低減することができ、これにより、例えば、より効率のよい運転を行うことができる。
さらに、以上で説明した実施形態に係る蒸気供給システム301によれば、蒸気使用機器50に送気される蒸気流量を検出する蒸気流量計10を備え、制御装置5は、蒸気流量計10によって検出される蒸気流量に基づいて、蒸気供給経路50の放熱量を算出し、過熱器4で過熱される蒸気の過熱分の熱量を、当該算出した蒸気供給経路3の放熱量と同等、もしくは、当該算出した蒸気供給経路3の放熱量より所定量高い熱量に制御する。したがって、蒸気供給システム301は、蒸気使用機器50への蒸気流量に基づいて精度よく蒸気供給経路3の放熱量を算出することができ、この蒸気供給経路3の放熱量に基づいて、より確実にドレンの発生を抑制することができ、ドレン排出の際の一部蒸気の排出に伴う熱損失を低減することができる。
上述した本発明の実施形態に係る蒸気供給システムは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態に係る蒸気供給システムは、以上で説明した各実施形態の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
上述した蒸気供給システム1、201、301は、複数の蒸気使用機器50に対応させて、複数系統の蒸気供給経路3(蒸気供給ライン)、過熱器4等を備えていてもよい。この場合、蒸気供給システム1、201、301は、複数系統ごと(つまり蒸気供給ラインごと、蒸気使用機器50ごと)に圧力区分するためのスチームヘッダ等を介して、複数系統の蒸気供給経路3が設けられる。この場合、制御装置5は、各系統ごとの蒸気供給経路3の放熱量に基づいて、それぞれの系統に対応する過熱器4を制御して、各過熱器4で過熱される蒸気の過熱度を、各系統ごとに所定の過熱度(目標過熱度)に制御すればよい。
例えば、図5は、実施形態3の変形例に係る蒸気供給システム301Aを表している。この蒸気供給システム301Aは、複数系統ごと(つまり蒸気供給ラインごと、蒸気使用機器50ごと)に圧力区分するためのスチームヘッダ11等を介して、複数系統の蒸気供給経路3が設けられる変形例を示している。ここでは一例として、蒸気供給システム301Aは、複数の蒸気使用機器50として、蒸気使用機器50a、50bの合計2つが適用されており、複数系統の蒸気供給経路3として、蒸気使用機器50aに対応した蒸気供給経路3aと、蒸気使用機器50bに対応した蒸気供給経路3bとが設けられる。
そして、蒸気供給システム301Aは、複数の過熱器4として、蒸気供給経路3aに対応した過熱器4aと、蒸気供給経路3bに対応した過熱器4bとが設けられる。同様に、蒸気供給システム301Aは、複数の圧力センサ6として、蒸気供給経路3aに対応した圧力センサ6aと、蒸気供給経路3bに対応した圧力センサ6bとが設けられる。同様に、蒸気供給システム301Aは、複数の過熱蒸気温度センサ8として、蒸気供給経路3aに対応した過熱蒸気温度センサ8aと、蒸気供給経路3bに対応した過熱蒸気温度センサ8bとが設けられる。同様に、蒸気供給システム301Aは、複数の蒸気流量計10として、蒸気供給経路3aに対応した蒸気流量計10aと、蒸気供給経路3bに対応した蒸気流量計10bとが設けられる。
蒸気供給経路3aの飽和蒸気配管31と蒸気供給経路3bの飽和蒸気配管31とは、共通の共通配管31Aを含んで構成される。共通配管31Aは、ボイラ2の蒸気流出口とスチームヘッダ11とを接続する。そして、蒸気供給経路3aの飽和蒸気配管31は、さらに分岐配管31aを含んで構成され、蒸気供給経路3bの飽和蒸気配管31は、さらに分岐配管31bを含んで構成される。分岐配管31aは、スチームヘッダ11と過熱器4aの蒸気流入口とを接続する。分岐配管31bは、スチームヘッダ11と過熱器4bの蒸気流入口とを接続する。そして、蒸気供給経路3aの過熱蒸気配管32である過熱蒸気配管32aは、過熱器4aの蒸気流出口と蒸気使用機器50aの蒸気流入口とを接続する。蒸気供給経路3bの過熱蒸気配管32である過熱蒸気配管32bは、過熱器4bの蒸気流出口と蒸気使用機器50bの蒸気流入口とを接続する。
つまり、蒸気供給経路3aは、蒸気の流動方向に対して上流側から下流側に向かって順に共通配管31A、分岐配管31a、過熱蒸気配管32aが設けられ、共通配管31Aと分岐配管31aとの間にスチームヘッダ11が介在し、分岐配管31aと過熱蒸気配管32aとの間に過熱器4aが介在する。蒸気供給経路3bは、蒸気の流動方向に対して上流側から下流側に向かって順に共通配管31A、分岐配管31b、過熱蒸気配管32bが設けられ、共通配管31Aと分岐配管31bとの間にスチームヘッダ11が介在し、分岐配管31bと過熱蒸気配管32bとの間に過熱器4bが介在する。
そして、圧力センサ6aは、分岐配管31aに設けられ、分岐配管31a内の送気圧力(分岐配管31aを送気される飽和蒸気St1の圧力)を検出する。圧力センサ6bは、分岐配管31bに設けられ、分岐配管31b内の送気圧力(分岐配管31bを送気される飽和蒸気St1の圧力)を検出する。過熱蒸気温度センサ8aは、過熱器4aの内部で過熱蒸気St2の温度を検出する。過熱蒸気温度センサ8bは、過熱器4bの内部で過熱蒸気St2の温度を検出する。蒸気流量計10aは、過熱蒸気配管32aに設けられており、過熱蒸気配管32aを介して過熱器4aから蒸気使用機器50aに送気される過熱蒸気St2の流量(蒸気流量)を検出する。蒸気流量計10bは、過熱蒸気配管32bに設けられており、過熱蒸気配管32bを介して過熱器4bから蒸気使用機器50bに送気される過熱蒸気St2の流量(蒸気流量)を検出する。
そして、制御装置5は、各系統ごとの蒸気供給経路3a、3bの放熱量、蒸気流量計10a、10bによって検出される蒸気流量等に基づいて、それぞれの系統に対応する過熱器4a、4bを制御して、各過熱器4a、4bで過熱される蒸気の過熱度を、各系統ごとに所定の過熱度(目標過熱度)に制御する。
すなわち、過熱度設定部9は、蒸気供給経路3aの状況、周囲の環境、蒸気供給経路3a内の送気圧力に加えてさらに、蒸気流量計10aによって検出される蒸気使用機器50aへの蒸気流量に基づいて、蒸気供給経路3aの放熱量を算出する。この場合、蒸気供給経路3aの放熱量は、共通配管31A、分岐配管31a、過熱蒸気配管32aにおける放熱量を含んでいる。過熱度設定部9は、現時点での蒸気供給経路3aの放熱量、蒸気使用機器50aで許容される過熱度等に基づいて、過熱器4aで過熱される過熱蒸気St2の目標過熱度を設定する。そして、制御装置5は、上記のように設定された目標過熱度に基づいて、過熱器4aを制御し、過熱蒸気St2の過熱度を調節する。同様に、過熱度設定部9は、蒸気供給経路3bの状況、周囲の環境、蒸気供給経路3b内の送気圧力に加えてさらに、蒸気流量計10bによって検出される蒸気使用機器50bへの蒸気流量に基づいて、蒸気供給経路3bの放熱量を算出する。この場合、蒸気供給経路3bの放熱量は、共通配管31A、分岐配管31b、過熱蒸気配管32bにおける放熱量を含んでいる。過熱度設定部9は、現時点での蒸気供給経路3bの放熱量、蒸気使用機器50bで許容される過熱度等に基づいて、過熱器4bで過熱される過熱蒸気St2の目標過熱度を設定する。そして、制御装置5は、上記のように設定された目標過熱度に基づいて、過熱器4bを制御し、過熱蒸気St2の過熱度を調節する。
この場合であっても、蒸気供給システム301Aは、各蒸気使用機器50a、50bへの蒸気流量に基づいて精度よく蒸気供給経路3a、3bの放熱量を算出することができ、この蒸気供給経路3a、3bの放熱量に基づいて、より確実にドレンの発生を抑制することができ、ドレン排出の際の一部蒸気の排出に伴う熱損失を低減することができる。
なお、以上で説明した蒸気供給システム1、201、301、301Aは、圧力センサ6にかえて飽和蒸気配管31を送気される飽和蒸気St1の温度を検出する飽和蒸気温度センサを備えていてもよい。この場合、制御装置5は、飽和蒸気温度センサが検出した飽和蒸気St1の温度から飽和蒸気配管31内の送気圧力(飽和蒸気配管31を送気される飽和蒸気St1の圧力)を求めることができる。
1、201、301、301A 蒸気供給システム
2 ボイラ(蒸気発生装置)
3、3a、3b 蒸気供給経路
4、4a、4b 過熱器(蒸気過熱装置)
5 制御装置
6、6a、6b 圧力センサ
7 外気温度センサ
8、8a、8b 過熱蒸気温度センサ(検出装置)
9 過熱度設定部
31 飽和蒸気配管
31A 共通配管
31a、31b 分岐配管
32、32a、32b 過熱蒸気配管
50、50a、50b 蒸気使用機器
51 スチームトラップ
210 バイパス配管(バイパス経路)
211 流量調節弁(流量調節装置)
St1 飽和蒸気
St2 過熱蒸気

Claims (6)

  1. 蒸気を発生させる蒸気発生装置と、
    前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気を蒸気使用機器まで送気する蒸気供給経路と、
    前記蒸気供給経路上に設けられ、前記蒸気発生装置によって発生させた蒸気を過熱する蒸気過熱装置と、
    前記蒸気過熱装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記蒸気供給経路の放熱量に基づいて、前記蒸気過熱装置を制御し、前記蒸気過熱装置で過熱される蒸気の過熱度を所定の過熱度に制御することを特徴とする、
    蒸気供給システム。
  2. 前記制御装置は、前記蒸気供給経路の状況、周囲の環境、及び、前記蒸気供給経路内の送気圧力に基づいて、前記蒸気供給経路の放熱量を算出し、前記蒸気過熱装置で過熱される蒸気の過熱分の熱量を、当該算出した前記蒸気供給経路の放熱量と同等、もしくは、当該算出した前記蒸気供給経路の放熱量より所定量高い熱量に制御する、
    請求項1に記載の蒸気供給システム。
  3. 前記蒸気使用機器に送気される蒸気流量を検出する蒸気流量計を備え、
    前記制御装置は、前記蒸気流量計によって検出される蒸気流量に基づいて、前記蒸気供給経路の放熱量を算出し、前記蒸気過熱装置で過熱される蒸気の過熱分の熱量を、当該算出した前記蒸気供給経路の放熱量と同等、もしくは、当該算出した前記蒸気供給経路の放熱量より所定量高い熱量に制御する、
    請求項1及び請求項2に記載の蒸気供給システム。
  4. 前記蒸気供給経路から分岐し前記蒸気過熱装置をバイパスして再び前記蒸気供給経路と合流するバイパス経路と、
    前記制御装置によって制御され、前記蒸気過熱装置への蒸気の流量と前記バイパス経路への蒸気の流量とを調節可能である流量調節装置とを備える、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の蒸気供給システム。
  5. 前記蒸気過熱装置で過熱される蒸気の過熱度を検出する検出装置を備え、
    前記制御装置は、前記検出装置によって検出される蒸気の過熱度と前記所定の過熱度との偏差に基づいて前記流量調節装置を制御し、前記バイパス経路への蒸気の流量を調節する、
    請求項4に記載の蒸気供給システム。
  6. 前記制御装置は、前記蒸気過熱装置での加熱出力を一定に制御する、
    請求項5に記載の蒸気供給システム。
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