JP2014055369A - スチールコード及びそれを用いた建設車両用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ストランド内へのゴム浸透性を改善して耐久性の向上を可能にしたスチールコード及びそれを用いた建設車両用空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】スチールコード10は、N本のフィラメント11sを互いに撚り合わせた1×N構造(N=4〜6)を有する少なくとも1本のストランド11と、1本のコアフィラメント12cの周囲にN本のシースフィラメント12sを撚り合わせた1+N構造(N=4〜6)を有する少なくとも1本のストランド12とを含み、これらストランド11,12をその総数を4本として互いに撚り合わせたものである。建設車両用空気入りラジアルタイヤは、トレッド部におけるカーカス層の外周側にベルト層を配置し、ベルト層の外周側にベルト保護層を配置し、ベルト保護層に上記スチールコード10を使用したものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、ゴム補強用のスチールコード及びそれを用いた建設車両用空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、複数本のストランドを互いに撚り合わせた複撚り構造を有する場合であっても、ストランド内へのゴム浸透性を改善して耐久性の向上を可能にしたスチールコード及びそれを用いた建設車両用空気入りラジアルタイヤに関する。
ゴム補強用のスチールコードとして、複数本のフィラメントを互いに撚り合わせてストランドを構成し、複数本のストランドを互いに撚り合わせた複撚り構造を有するスチールコードが広く普及している(例えば、特許文献1〜4参照)。
例えば、建設車両用空気入りラジアルタイヤにおいては、トレッド部におけるカーカス層の外周側にベルト層を配置し、そのベルト層の外周側にベルト層の保護を目的としたベルト保護層を配置することが行われているが、そのようなベルト保護層の補強コードとしても4×(1+5)×0.25HEに代表される複撚り構造のスチールコードが使用されている。
しかしながら、複撚り構造のスチールコードは、複数本のストランドが互いに撚り合わされているため、ストランド内へのゴム浸透性が悪いという欠点がある。そのため、ゴム製品に埋設された複撚り構造のスチールコードの内部に水分が滲み込むと、その水分がスチールコードの長手方向に沿って伝播し、その結果、広い範囲で錆が成長してゴム製品の耐久性を低下させることになる。
このような不都合に鑑みて、複撚り構造のスチールコードにおけるストランド内へのゴム浸透性を改善することが求められている。特に、建設車両用空気入りラジアルタイヤは、鉱山のような荒れた地表上において高負荷条件で使用され、トレッド部に外傷を受け易いので、外傷部分からの水分伝播を防止するために、ベルト保護層に使用されるスチールコードには良好なゴム浸透性が求められている。
特開平8−284080号公報 特開2010−90509号公報 特許第3759292号公報 特許第4582672号公報
本発明の目的は、複数本のストランドを互いに撚り合わせた複撚り構造を有する場合であっても、ストランド内へのゴム浸透性を改善して耐久性の向上を可能にしたスチールコード及びそれを用いた建設車両用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のスチールコードは、N本のフィラメントを互いに撚り合わせた1×N構造(N=4〜6)を有する少なくとも1本の第1ストランドと、1本のコアフィラメントの周囲にN本のシースフィラメントを撚り合わせた1+N構造(N=4〜6)を有する少なくとも1本の第2ストランドとを含み、これら第1ストランド及び第2ストランドをその総数を4本として互いに撚り合わせたことを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明の建設車両用空気入りラジアルタイヤは、トレッド部におけるカーカス層の外周側にベルト層を配置し、該ベルト層の外周側にベルト保護層を配置し、該ベルト保護層に複撚り構造のスチールコードを使用した建設車両用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト保護層のスチールコードは、N本のフィラメントを互いに撚り合わせた1×N構造(N=4〜6)を有する少なくとも1本の第1ストランドと、1本のコアフィラメントの周囲にN本のシースフィラメントを撚り合わせた1+N構造(N=4〜6)を有する少なくとも1本の第2ストランドとを含み、これら第1ストランド及び第2ストランドをその総数を4本として互いに撚り合わせた構造を有することを特徴とするものである。
本発明では、複撚り構造のスチールコードを構成するにあたって、1×N構造を有する少なくとも1本の第1ストランドと1+N構造を有する少なくとも1本の第2ストランドとを含み、これら第1ストランド及び第2ストランドをその総数を4本として互いに撚り合わせることにより、第1ストランド内へのゴム浸透性を改善し、そのスチールコードを用いたゴム製品の耐久性を向上することができる。ここで、4本のストランドの全てを1×N構造を有する第1ストランドとした場合、撚りが与えられたスチールコードが引き締まり過ぎることに起因してゴム浸透性の改善効果が低下するので、1×N構造を有する第1ストランドと1+N構造を有する第2ストランドとを混在させることが必要である。
本発明のスチールコードは、2本の第1ストランドと2本の第2ストランドとを含み、前記2本の第1ストランドをコード中心軸を挟んで対向する位置に配置した構造を有することが好ましい。これにより、スチールコードの過剰な引き締まりを抑えて第1ストランド内へのゴム浸透性を効果的に改善することができる。
更に、第2ストランドのコアフィラメントをシースフィラメントよりも太くし、コアフィラメントの外径Dc2 とシースフィラメントの外径Ds2 を1<Dc2 /Ds2 ≦1.2の関係にすることが好ましい。これにより、第2ストランド内へのゴム浸透性を改善し、そのスチールコードを用いたゴム製品の耐久性を向上することができる。
また、建設車両用空気入りラジアルタイヤのベルト保護層を構成するスチールコードとして、上述のスチールコードを使用した場合、第1ストランド内へのゴム浸透性、更には第2ストランド内へのゴム浸透性を改善し、タイヤ耐久性を向上することができる。
本発明の実施形態からなる建設車両用空気入りラジアルタイヤを示す子午線半断面図である。 本発明に係るスチールコードの一例を示す横断面図である。 本発明に係るスチールコードの変形例を示す横断面図である。 本発明に係るスチールコードの変形例を示す横断面図である。 本発明に係るスチールコードの変形例を示す横断面図である。 従来例のスチールコードを示す横断面図である。 比較例のスチールコードを示す横断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態からなる建設車両用空気入りラジアルタイヤを示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架され、そのカーカス層4の端部がビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。
トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層6a,6b,6c,6dが埋設されている。これらベルト層6a〜6dは補強コードがタイヤ周方向に対して傾斜し、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層6a〜6dのタイヤ周方向に対するコード角度は例えば15°〜40°の範囲に設定され、そのコード打ち込み密度は例えば10本/50mm〜25本/50mmの範囲に設定されている。ベルト層6a〜6dの補強コードとしては、スチールコードが使用されている。
更に、ベルト層6a〜6dの外周側には複数層のベルト保護層7a,7bが埋設されている。ベルト層6a〜6dがトレッド部1の強度を担持しているのに対して、ベルト保護層7a,7bはベルト層6a〜6dを保護する目的で配設されている。これらベルト保護層7a,7bは補強コードがタイヤ周方向に対して傾斜し、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト保護層7a,7bのタイヤ周方向に対するコード角度は例えば20°〜40°の範囲に設定され、そのコード打ち込み密度は例えば10本/50mm〜30本/50mmの範囲に設定されている。そして、ベルト保護層7a,7bの補強コードとしては、以下のような複撚り構造を有するスチールコードが使用されている。
図2は本発明に係るスチールコードを示すものである。図2に示すように、スチールコード10は、N本のフィラメント11sを互いに撚り合わせた1×N構造(N=4〜6)を有する2本のストランド11(第1ストランド)と、1本のコアフィラメント12cの周囲にN本のシースフィラメント12sを撚り合わせた1+N構造(N=4〜6)を有する2本のストランド12(第2ストランド)とを含み、これら2種類のストランド11,12をその総数を4本として互いに撚り合わせた複撚り構造を有している。この複撚り構造において、2本のストランド11はコード中心軸を挟んで対向する位置に配置されている。つまり、4本のストランド11,12の中心軸を結ぶ四角形を想定したとき、2本のストランド11は上記四角形の対角位置に配置され、2本のストランド12は上記四角形の他の対角位置に配置されている。
上述した建設車両用空気入りラジアルタイヤでは、ベルト保護層7a,7bの補強コードとして上述した複撚り構造を有するスチールコード10が使用され、そのスチールコード10は1×N構造を有する少なくとも1本のストランド11と1+N構造を有する少なくとも1本のストランド12とを含み、これらストランド11,12をその総数を4本として互いに撚り合わせた構造を有しているので、ストランド11内へのゴム浸透性を改善することができる。そのため、建設車両用空気入りラジアルタイヤが鉱山のような荒れた地表上において高負荷条件で使用され、トレッド部1に外傷を受けた場合であっても、その外傷部分からの水分伝播を抑制することができる。これにより、ベルト保護層7a,7bの腐食を抑制し、タイヤ耐久性を向上することができる。
特に、スチールコード10において、1×N構造を有するストランド11と1+N構造を有するストランド12とを混在させているので、撚りが与えられたスチールコード10が引き締まり過ぎることを防止し、ストランド11内へのゴム浸透性を十分に確保することが可能になる。また、上記スチールコード10は1×N構造を有する2本のストランド11と1+N構造を有する2本のストランド12とを含み、2本のストランド11をコード中心軸を挟んで対向する配置した構造になっているが、このことはスチールコード10の過剰な引き締まりを抑えて1×N構造を有するストランド11内へのゴム浸透性の改善に大きく寄与する。
図2において、ストランド12のコアフィラメント12cはシースフィラメント12sに比べて増径されている。より具体的には、コアフィラメント12cの外径Dc2 とシースフィラメント12sの外径Ds2 は1<Dc2 /Ds2 ≦1.2の関係に設定されている。このように1+N構造を有するストランド12のコアフィラメント12cを相対的に太くすることにより、コアフィラメント12cがシースフィラメント12sの間隔を押し広げるため、ストランド12内へのゴム浸透性を改善し、タイヤ耐久性を更に向上することができる。ここで、Dc2 /Ds2 が1.2よりも大きいとシースフィラメント12sを所定の位置に配置し難いため撚り不良を生じ易くなり、更にはスチールコード10の耐疲労性も低下する。
なお、1+N構造を有するストランド12のシースフィラメント12sの外径Ds2 は0.20mm〜0.30mmの範囲に設定することが好ましい。一方、1×N構造を有するストランド11のフィラメント11sの外径Ds1 は0.20mm〜0.30mmの範囲に設定することが好ましい。また、フィラメント11sの外径Ds1 とシースフィラメント12sの外径Ds2 とは同一であることが望ましい。
上述した複撚り構造を有するスチールコード10を構成するにあたって、ストランド11,12の撚り方向及びスチールコード10の撚り方向は特に限定されるものではないが、ストランド11,12の撚り方向とスチールコード10の撚り方向とを同じにすると良い。更に、ストランド11,12の撚りピッチ及びスチールコード10の撚りピッチは特に限定されるものではないが、ストランド11,12の撚りピッチを5mm〜7mmとし、スチールコード10の撚りピッチを9mm〜11mmとし、ストランド11,12の撚りピッチよりもスチールコード10の撚りピッチを大きくすると良い。このような複撚り構造を有するスチールコード10は、ベルト保護層7a,7bの補強コードとして好適である。なお、撚りピッチが小さ過ぎると生産効率が悪くなり、逆に大き過ぎると目的とする伸び特性が得られなくなる。
図3〜図5はそれぞれ本発明に係るスチールコードの変形例を示すものである。図3において、スチールコード10は、1×N構造を有する1本のストランド11と、1+N構造を有する3本のストランド12とを含み、これらストランド11,12を互いに撚り合わせた複撚り構造を有している。図4において、スチールコード10は、1×N構造を有する2本のストランド11と、1+N構造を有する2本のストランド12とを含み、これらストランド11,12を互いに撚り合わせた複撚り構造を有している。図5において、スチールコード10は、1×N構造を有する3本のストランド11と、1+N構造を有する1本のストランド12とを含み、これらストランド11,12を互いに撚り合わせた複撚り構造を有している。これら図3〜図5において、ストランド11のフィラメント11sの外径Ds1 、ストランド12のコアフィラメント12cの外径Dc2 及びストランド12のシースフィラメント12sの外径Ds2 は全て同一になっている。このような場合も、ストランド11内へのゴム浸透性の改善効果に基づいてタイヤ耐久性を向上することができる。
図6は従来例のスチールコードを例示するものである。図6において、スチールコード20は、1+N構造を有する4本のストランド12を互いに撚り合わせた複撚り構造を有している。この場合、コアフィラメント12c及びシースフィラメント12sが密に配置されるため、ストランド12内へのゴム浸透性が不十分になる。
図7は比較例のスチールコードを例示するものである。図7において、スチールコード30は、1×N構造を有する4本のストランド11を互いに撚り合わせた複撚り構造を有している。この場合、撚りが与えられたスチールコード30が引き締まり過ぎることに起因してストランド11間のゴム浸透性が悪化する。
上述した実施形態では、所定の構造を有するスチールコード10を建設車両用空気入りラジアルタイヤのベルト保護層7a,7bに適用した場合について説明したが、本発明に係るスチールコード10は空気入りタイヤ、ベルトコンベヤ、ホースを含む種々のゴム製品の補強材として使用することができ、これらゴム製品についてもゴム浸透性の改善効果に基づいて耐久性を向上することができる。
勿論、本発明に係るスチールコード10を建設車両用空気入りラジアルタイヤのベルト保護層7a,7bに適用した場合、その過酷なタイヤ使用環境に鑑みて顕著な作用効果を得ることができる。なお、建設車両用空気入りラジアルタイヤとは、ダンプトラック、スクレーパ、グレーダ、ショベルローダ、タイヤローラを含む建設車両に使用されるタイヤである。
タイヤサイズ2700R49で、トレッド部におけるカーカス層の外周側に4層のベルト層を配置し、該ベルト層の外周側に2層のベルト保護層を配置し、該ベルト保護層に複撚り構造のスチールコードを使用した建設車両用空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト保護層のスチールコードのストランド本数を4本で共通にする一方でストランド構造を種々異ならせ、1×N構造を有するストランド(第1ストランド)のフィラメント外径Ds1 と1+N構造を有するストランド(第2ストランド)のコアフィラメント外径Dc2 及びシースフィラメント外径Ds2 を表1のように設定した従来例、比較例及び実施例1〜5のタイヤを作製した。
従来例のタイヤは、図6に示すように、1+5構造を有する4本のストランドを互いに撚り合わせたスチールコードを使用したものである。
比較例のタイヤは、図7に示すように、1×5構造を有する4本のストランドを互いに撚り合わせたスチールコードを使用したものである。
実施例1のタイヤは、図3に示すように、1×5構造を有する1本のストランドと、1+5構造を有する3本のストランドとを含み、これらストランドを互いに撚り合わせたスチールコードを使用したものである。
実施例2のタイヤは、図4に示すように、1×5構造を有する2本のストランドと、1+5構造を有する2本のストランドとを含み、これらストランドを互いに撚り合わせたスチールコードを使用したものである。
実施例3のタイヤは、図5に示すように、1×5構造を有する3本のストランドと、1+5構造を有する1本のストランドとを含み、これらストランドを互いに撚り合わせたスチールコードを使用したものである。
実施例4,5のタイヤは、1+5構造を有するストランドのコアフィラメントをシースフィラメントよりも太くしたこと以外は実施例2と同じ構造を有するものである。
建設車両用空気入りラジアルタイヤにおいて、内側のベルト保護層の幅を590mmとし、外側のベルト保護層の幅を500mmとし、両ベルト保護層のタイヤ周方向に対するコード角度をそれぞれ30°とし、両ベルト保護層のコード打ち込み密度をそれぞれ15本/50mmとした。また、全てのタイヤのベルト保護層において、スチールコードをS撚りとし、ストランドをS撚りとし、スチールコードの撚りピッチを10mmとし、ストランドの撚りピッチを6mmとした。
これら従来例、比較例及び実施例1〜5のタイヤについて、下記の評価方法により、ゴム浸透率、錆成長距離及びタイヤ耐久性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
ゴム浸透率:
試験タイヤのベルト保護層からスチールコードを取り出し、コード外側に付着したゴムをカッターナイフで除去し、そのスチールコードから1本のストランドを除去し、ストランドで囲まれたコード内のゴム浸透率(%)を画像データに基づいて測定した。更に、ストランドから1本のフィラメントを除去し、フィラメントで囲まれたストランド内のゴム浸透率(%)を画像データに基づいて測定した。このような測定をタイヤ周上の8箇所で行い、これら8箇所で測定されたゴム浸透率の平均値をコード内及びストランド内のゴム浸透率とした。
錆成長距離:
試験タイヤのトレッド部の1箇所にドリルでベルト保護層に到達する穴を形成し、その試験タイヤを建設車両に装着して300時間の実車走行を行った後、トレッドゴムを剥がしてベルト保護層を露出させ、ドリル穴からの錆成長距離を測定した。評価結果は従来例を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほど錆成長距離が短いことを意味する。
タイヤ耐久性:
試験タイヤのトレッド部の1箇所にドリルでベルト保護層に到達する穴を形成し、その試験タイヤを建設車両に装着して300時間の実車走行を行った後、試験タイヤをリムサイズ19.50のOR試験リムに装着し、ドラム外周面に高さ200mmのクリートを備えたドラム試験機を用いて、内圧700kPa、速度10km/h、初期荷重183kNの条件にて走行試験を開始し、10時間毎に荷重を52kNずつ増加させ、タイヤが故障するまでの走行距離を測定した。このような走行距離の測定は各試験タイヤについて10本ずつ行い、その平均値を求めた。評価結果は従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどタイヤ耐久性が優れていることを意味する。
Figure 2014055369
表1から判るように、実施例1〜5のタイヤにおいては、ベルト保護層を構成するスチールコードのストランド内のゴム浸透率が高いため、それに呼応して錆成長距離が短くなっていた。その結果、実施例1〜5のタイヤは、従来例との対比において、耐久性が優れたものであった。特に、1×N構造を有する2本のストランドと1+N構造を有する2本のストランドとを含み、1×N構造を有する2本のストランドをコード中心軸を挟んで対向する位置に配置した場合(実施例2,4)、タイヤ耐久性の改善効果が顕著であった。また、1+N構造を有するストランドのコアフィラメントをシースフィラメントよりも太くした場合(実施例4)、タイヤ耐久性の改善効果が増大するが、コアフィラメントの増径が過度になると(実施例5)、スチールコードの耐疲労性の低下によりタイヤ耐久性の改善効果が低下する傾向が見られた。
一方、比較例のタイヤにおいては、ベルト保護層を構成するスチールコードが1×N構造を有する4本のストランドを互いに撚り合わせた複撚り構造を有しているため、スチールコードが引き締まり過ぎることに起因してコード内へのゴム浸透性が悪化し、タイヤ耐久性の改善効果が得られなかった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6a,6b,6c,6d ベルト層
7a,7b ベルト保護層
10 スチールコード
11 1×N構造を有するストランド(第1ストランド)
11c コアフィラメント
11s シースフィラメント
12 1+N構造を有するストランド(第2ストランド)
12s フィラメント

Claims (6)

  1. N本のフィラメントを互いに撚り合わせた1×N構造(N=4〜6)を有する少なくとも1本の第1ストランドと、1本のコアフィラメントの周囲にN本のシースフィラメントを撚り合わせた1+N構造(N=4〜6)を有する少なくとも1本の第2ストランドとを含み、これら第1ストランド及び第2ストランドをその総数を4本として互いに撚り合わせたことを特徴とするスチールコード。
  2. 2本の第1ストランドと2本の第2ストランドとを含み、前記2本の第1ストランドをコード中心軸を挟んで対向する位置に配置したことを特徴とする請求項1に記載のスチールコード。
  3. 前記第2ストランドのコアフィラメントをシースフィラメントよりも太くし、前記コアフィラメントの外径Dc2 と前記シースフィラメントの外径Ds2 を1<Dc2 /Ds2 ≦1.2の関係にしたことを特徴とする請求項2に記載のスチールコード。
  4. トレッド部におけるカーカス層の外周側にベルト層を配置し、該ベルト層の外周側にベルト保護層を配置し、該ベルト保護層に複撚り構造のスチールコードを使用した建設車両用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト保護層のスチールコードは、N本のフィラメントを互いに撚り合わせた1×N構造(N=4〜6)を有する少なくとも1本の第1ストランドと、1本のコアフィラメントの周囲にN本のシースフィラメントを撚り合わせた1+N構造(N=4〜6)を有する少なくとも1本の第2ストランドとを含み、これら第1ストランド及び第2ストランドをその総数を4本として互いに撚り合わせた構造を有することを特徴とする建設車両用空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記ベルト保護層のスチールコードは、2本の第1ストランドと2本の第2ストランドとを含み、前記2本の第1ストランドをコード中心軸を挟んで対向する位置に配置した構造を有することを特徴とする請求項4に記載の建設車両用空気入りラジアルタイヤ。
  6. 前記ベルト保護層のスチールコードは、前記第2ストランドのコアフィラメントをシースフィラメントよりも太くし、前記コアフィラメントの外径Dc2 と前記シースフィラメントの外径Ds2 を1<Dc2 /Ds2 ≦1.2の関係にした構造を有することを特徴とする請求項5に記載の建設車両用空気入りラジアルタイヤ。
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