JP2014054673A - センタリングされた圧縮コーティング錠を作製するための方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮コーティング錠のコアのセンタリングの改良を提供する。
【解決手段】ピンパンチ組立体を、金型17中のボトムフィル粉末19の頂部に接触するように位置決めする。ロール13は、ピン3の非パンチング端を定位置とし、ピン上の突起部11に圧力をかける。この圧力はピンをハウジング1に対して動かすことで、ピンがハウジングから突出するまでバネ9を圧縮する。ピンが動くと、それは圧痕またはカップをパンチしてボトムフィルに入れる。圧痕のサイズはピンのサイズに直接依存しており、圧痕の奥行きは、ピンの頂部に位置する突起部の高さに直接依存している。次に、ピンはロールから出て、ピンは、バネと、ピンをこの位置で遮断するキー5との作用によりその当初の位置に戻る。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧縮コーティング錠の製造に関する。特に本発明は、圧縮コーティング錠のコアのセンタリングを改良するための方法および装置に関する。
薬学的錠剤は、経口形態で正確な薬学的用量を投与する好都合で、容易で、比較的安価な方法である。
従来の錠剤は、飲み込んだ後即時にその内容物を送達するように設計されている。しかしながら、多くの薬物では、治療有効性またはより良好な患者コンプライアンスのために異なる薬物放出プロファイルが必要である。従来の薬物では、配合禁忌に関する問題を解決できないことがある。
各種の技術、例えばフィルムコーティング錠、多層錠、または圧縮コーティング錠が、これらの問題に答えるために開発されている。
圧縮コーティング錠は、外側コートがコーティングになるように、錠剤の内側で錠剤を圧縮することで製造される。2つの異なるコートをコア錠剤の周りに圧縮できる。圧縮コーティング錠は、「プレスコーティング」錠または「乾燥コーティング」錠としても知られている。配合禁忌の薬物を分離するために、多層錠として、圧縮コーティング錠を使用できる。それは放出制御製剤にも使用できる。
圧縮コーティング錠を製造するための錠剤プレスの開発は、従来の錠剤用の錠剤プレスの開発とほぼ同程度古くから行われている。
圧縮コーティング錠の製造に関連する初期の特許は、1886年に付与された米国特許第568,488号(特許文献1)である。この発明の本質的特徴は、鋳型部材または金型がその底部を形成する、コーティング材料および丸剤または錠剤の装入物を受けるための鋳型枠または空洞である。金型空洞に対するコーティング材料の補給および丸剤の供給は自動調節される。コーティング材料はホッパーにより供給され、丸剤は、内蔵シュート、および断続的に動くことにより単独で丸剤の脱出を可能にするチェックフィンガーを通じて供給される。この特許に記載の機械は、予め形成されるコア(丸剤/錠剤)のプレスコーティングしかできなかった。この技術の改良は、コーティングを自動塗布する前に錠剤を形成するための機構を組み合わせる機械が記載されている米国特許第582,794号(特許文献2)に見ることができた。プロセス全体を1回の操作で実行できる。機械は、成形型およびコーティング用円板に対して同一速度で回転し、それらの軸の中間点に位置する、移動機構を備えている。移動機構と成形型およびコーティング用円板とを重ね合わせることで、移動デバイスのチャンバ内に圧縮錠剤を上向きに移動させた後、コーティング用鋳型中にそれを下向きに注入することが可能になる。
次の進歩は1917年に、歯付き円板をベースとするコア供給システムを有する機械が記載されている米国特許第1,248,571号(特許文献3)によって生じた。コアは別々に調製され、供給円板によってダイスに移動する。供給円板の同期化は、タレット上の突起によって動作するスターホイールにより制御される。
圧縮による錠剤の迅速なコーティングのためのプロセスにおいて、米国特許第2,700,938号(特許文献4)および第2,727,473号(Wolf)(特許文献5)は、解決すべき2つの主要な問題を特定した。第1の問題は、その中でコアがコーティングされるべき金型内でのコアの正確なセンタリングであり、第2は、コアを金型に運ぶために使用するどの移動手段からでも、金型内でのコアの位置決めを妨害することなく、コアを即時に取り除くことである。最終プレスコーティング錠でのコアの正確な位置決めは、薬物送達システムの有効性の重要なパラメータである可能性がある。Wolfの特許では、供給円板とコアとの任意のさらなる接触、およびそれによりコアが中心から外れることを回避するために、コアの配置後迅速にボトムパンチを取り除くことが報告されている。コアの配置のさらなる改良は、薄い弓形部材である供給支持板要素であり、これにより支持板要素からボトムフィルにコアがわずかに摺動または落下する。
米国特許第2,849,965号(Stott)(特許文献6)では、コアの移動および配置を伸縮または収縮移動アームにより行う、プレスコーティング錠を製造するための機械が記載されている。移動機構は空洞を有しており、それにコア錠剤が密接に嵌合することにより、コアをボトムフィル上のその正確な位置に移動させることができる。システムは、錠剤を放出するため、およびコアにわずかな圧力を加えることでコアがその定着位置から持ち上げられないようにするために、使用される、摺動型の分銅も備えている。
米国特許第3,000,331号(特許文献7)は、コアを金型に送達する先行技術の機械で生じる問題を、ターンテーブルの上面に部分的に重なり合うホイールの周辺に配置される供給システムによって解決した。コアと金型との完全な位置合わせが可能な点は1つしかなく、したがって供給円板およびターンテーブルの回転の正確な協調が必須である。米国特許第3,000,331号(特許文献7)では、各金型に対するコアの送達を、金型空洞と垂直に位置が合うダイスの通路の円弧部分に沿って錠剤を動かし、コアを配置しながら押し下げることで行うシステムが記載されている。円弧に沿った配置によって、錠剤金型内に対する供給システム用のコアの円滑な移動および正確な位置決めが可能になる。
過去数年、圧縮コーティングの分野ではKorsch Companyが多くの業績を上げてきた。米国特許第5,088,915号(特許文献8)では、1つの移動ヘッドを有する摺動アーム(いずれのアームも溝付きカムで誘導される)を備えているコア移動システムが記載されている。供給円板の溝付きカムは、ダイスの通路の円弧部分上の移動ヘッドおよび金型の正確な重なりを可能にする、特定の曲面形状を有する。このアプローチはより良好なコアの位置決めを可能にする。これは、移動ヘッド/金型の完全な位置合わせが1つの点に限定されないためである。該発明の上部パンチは、コアを移動ヘッドから押し下げ、ボトムフィルにおいてそれをわずかに押すことで、この後者のコアの位置決めを固定するために使用できる。
さらなる改良が米国特許第5,256,046号(特許文献9)に記載されている。半径方向アームは、ターンテーブルローターにおいて内向きおよび外向きに可動に支持されており、コア受けポケットは、金型台の部分円上に配列されている。したがって、金型台上での半径方向アームの単純運動によりコアが受けポケットから金型中に移動し、別個の移動デバイスが必要でなくなる。そのような機械の設計は、ダイスの通路の長い円弧部分上での移動ヘッドとダイスとの完全な位置合わせを機械的に保証する。コアをボトムフィル上に押し下げるための上部パンチの使用、およびそれをわずかに押すことによるその位置の固定などの、以前に記載された他の特徴もこの錠剤プレスで実施されている。
米国特許第4,569,650号(特許文献10)では、環状錠剤の製造に使用するラムパンチ用の、装置からほこりを除去するための内蔵吸込デバイスを有する機械が報告されている。環状錠剤の製造に使用するパンチは、金型を粉末で充填している間は上方に動き、また、錠剤を環状(またはドーナツ状)にするための圧縮工程中は定位置にとどまる、定置ラムおよび可動ラムからなる。顆粒状粉末は、定置ラムおよび可動ラム上で互いに相対的に動く表面間に入り込むことができる。これにより、ほこりが予定時間に洗浄されない場合、システムを迅速に遮断できると考えられる。この発明に記載の吸込デバイスは、ラムパンチの中空における粉末の蓄積を防ぐこと、およびドーナツ状錠剤の連続作製を可能にすることを目的とする。
M. Hariharan & V.K. Gupta「A novel concept for the production of compression-coated tablets」Pharmaceutical Technology Europe April 2002 頁46-56(非特許文献1)では、別途のコア錠剤の形成、またはコーティング材料の層内にコアを移動させるための移動機構を必要としない、圧縮コーティング錠を形成するためのパンチシステムが記載されている。この文献では、顆粒形態のコアブレンドをコーティング材料に加えることで錠剤のコアを形成した後、材料を圧縮して錠剤を形成することが記載されている。
圧縮コーティング錠のコアの位置決めの精度を高めることができる、改良された成形用具が求められている。コアが配置された後、その中心位置から高速錠剤機上の遠心力の操作によりコアが動くことを回避するための手段も必要である。
米国特許第568,488号 米国特許第582,794号 米国特許第1,248,571号 米国特許第2,700,938号 米国特許第2,727,473号 米国特許第2,849,965号 米国特許第3,000,331号 米国特許第5,088,915号 米国特許第5,256,046号 米国特許第4,569,650号
M. Hariharan & V.K. Gupta「A novel concept for the production of compression-coated tablets」Pharmaceutical Technology Europe April 2002 頁46-56
本発明は、圧縮コーティング錠のコアのセンタリングの改良を提供する。本発明は、圧縮コーティング用に設計される任意の錠剤プレス上の機械の限定された修正を伴って使用可能な成形用具である。本発明は、ボトムフィル上にコアを配置した後、中心位置にコアを維持し、それにより、高速プレス上で認められ得る遠心力の効果を限定することを目的とする。コアのセンタリングに関する本発明の有効性は、使用するコア供給システムから独立している。
本発明の第1の局面によれば、
(a)金型に第1の粉末材料を充填する工程;
(b)金型中の粉末材料と成形パンチ組立体とを接触させ、パンチに圧力を加えることで粉末材料中に圧痕を作り出す工程であって、パンチが、ハウジング内で可動なピンを受けるように適合されているハウジングを含み、ピンが、ピンおよびパンチのハウジングに圧力を加えるための手段との係合用の突出要素を一端に有し、ピンが、ハウジングとの係合用のねじり手段を備え、パンチが、ハウジング内のピンの動きを遅延させるためのブレーキ手段を有し;ハウジング内のピンを粉末材料中へ動かして粉末材料中に圧痕を作り出すために、ピンが、ピンの突出要素と圧力を加えるための手段とを係合させるブレーキ手段により第1の位置に保持されている、工程、
(c)粉末材料中に作り出された圧痕中に錠剤コアを配置して、部分コーティングされた圧縮コーティング錠を形成する工程;ならびに任意で
(d)第2の粉末材料を金型中に、部分コーティングされた圧縮コーティング錠の上面に対して導入する工程;および
(e)第2の粉末材料とパンチとを接触させ、パンチに圧力を加えることで、完全コーティングされた圧縮コーティング錠を形成する工程であって、ピンが、ブレーキ手段によりハウジング内の第2の位置に保持され、圧力を加えるための手段が、パンチのハウジングのみと係合し、ピンとは係合しないように適合されている、工程
を含む、圧縮コーティング錠を作製する方法が提供される。
圧縮コーティング錠は、活性薬剤を1つまたは複数の担体および/またはバリア層との併用で含有するコアを含む。そのような錠剤は、コアが2つ以上の層で囲まれている多層錠を形成できる。層の配列および配向は必要に応じて選択可能である。
圧縮コーティング錠は、全体として実質的に円形の断面を有することができるか、またはより楕円形の断面もしくは任意の他の好適な幾何形状、例えば直線形状を採用することができる。錠剤はカプレット(カプセル形錠剤)の形状を有していてもよい。
いくつかの錠剤の構成では、バリア層は活性物質も含んでよく、それは第1の活性物質含有層に対してバリア層として作用するが、それ自体が活性物質含有層となる。一般に、そのような態様では、活性層の活性物質は別々の層ごとに異なるが、同一の活性物質が別々の活性層に異なる量で存在する配列も想定可能である。
錠剤の形態での経口投与に好適な任意の薬学的に活性な物質を、本発明の錠剤中に調合することができる。したがって、活性物質は、治療用途での薬剤(薬物)である。そのような物質は、診断などの非治療用途、または食事目的での投与用の物質も含む。
好ましくは、活性物質は、慢性疾患の処置を目的とする物質、例えば、心血管系に作用する薬物、抗不整脈薬、強心薬、血管拡張薬、カルシウム拮抗薬、降圧薬、例えば中枢および末梢作用性の抗アドレナリン性物質、もしくは細動脈筋系に作用する物質、鎮痛物質、レニン−アンジオテンシン系に作用する物質、降圧薬と利尿薬との併用、抗パーキンソン病薬、アルツハイマー病の処置用の利尿薬および薬物、抗ヒスタミン薬、ならびに/または抗喘息薬であり得る。
粉末は、製粉、微粒子化、造粒、または粉砕などの公知技術のいずれかで作製できる。第1の粉末材料は、活性薬剤と1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤および/または希釈剤との顆粒状組成物であり得る。そのような賦形剤および希釈剤は、当技術分野で周知であり、錠剤からの活性薬剤の制御放出(持続放出および/または遅延放出)ならびに即時放出用の材料を含む。
制御放出顆粒の調合用に粉末材料を調製する場合、材料は、生体適合性および/または生分解性材料でありかつ薬学的に許容される、1つまたは複数の天然または合成親水性ポリマー物質、例えばポリビニルピロリドン、特に非架橋ポリビニルピロリドン(例えば分子量30,000〜400,000のもの)、分子量100,000〜4,000,000を有するヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば非架橋、例えば典型的分子量90,000〜700,000)、カルボキシメチルデンプン、カリウムメタクリレート−ジビニルベンゼン共重合体、分子量2,000〜4,000,000を有するヒドロキシプロピルメチルセルロース、異なる分子量、好ましくは200〜15,000(より好ましくは1000〜15000)のポリエチレングリコールおよび分子量最大20,000,000(より好ましくは400,000〜7,000,000)のポリオキシエチレン、カルボキシビニルポリマー、ポロキサマー(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体)、ポリビニルアルコール、グルカン(glucanes(glucans))、カラゲナン、スクレログルカン(scleroglucanes(scleroglucans))、マンナン、ガラクトマンナン、ジェラン、キサンタン、アルギン酸および誘導体(例えばアルギン酸ナトリウムまたはアルギン酸カルシウム、アルギン酸プロピレングリコール)、ポリアミノ酸(例えばゼラチン)、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、カルボキシメチルセルロースおよび誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースカルシウム)、エチルセルロース、メチルセルロース、デンプンおよびデンプン誘導体、α−、β−、またはγ−シクロデキストリン、ならびにデキストリン誘導体(例えばデキストリン)を一般に含み得る。したがって、親水性ポリマー物質は、制御放出ポリマーまたは制御放出(CR)を行うことが可能なポリマー物質として記載可能な物質である。
本発明に係る金型は、錠剤を形成可能な空洞を好適に含む。金型には第1の粉末材料の層を充填することができ、次に成形パンチ組立体の作用により、圧痕をこの層に作り出す。圧痕の生成後、金型に第2の粉末材料をさらに充填し、これを圧縮して最終錠剤を形成する。
第2の粉末材料は第1の粉末材料と同一でも異なっていてもよい。任意で、粉末材料のそのようなさらなる層を金型の内容物に加えた後、さらなる圧縮工程を行って多層錠を作り出すことができる。
粉末と成形パンチ組立体との接触は、パンチ組立体が金型中の粉末の表面に接触するまでそれを下降させることで好適に行うことができる。
成形パンチ組立体の断面は円形であることが好適である。しかしながら、パンチの断面は任意の好適な形状であり得る。パンチ組立体のハウジングは円筒状であり得るが、ハウジングはピンの形状に対応する任意の他の好適な形状であり得る。
本発明のこの局面によれば、ピンが第1の位置にある場合、ピンの突出要素がハウジングの一端を超えて延伸し、ピンの反対端がハウジングと同一平面上にある。ピンが第2の位置にある場合、ピンの突出要素がハウジングの一端と同一平面上にあり、ピンの反対端がハウジングから突出する。
パンチに圧力を加えるための手段はロールを含み得る。ロールは、作動中のピンの突出要素に接触することができ、圧力を加えることでピンをハウジング内で粉末材料中に対して動かし、粉末材料中に圧痕を作り出すことができる。ピンにより動く距離は、ピンの突出要素の高さにより規定される。ピンの突出要素をハウジングの頂部と水平になるまで押し下げた場合、ロールがハウジングに接触するまで、ロールによってピンの突出要素に圧力を加えることができる。
ピンの突出要素は、ピンの上面に位置する突起部を含み得る。突起部の高さは、必要な粉末圧痕の奥行きに等しい。突起部は、ピンの上面の一部分を占めることができるか、またはピンの頂部の全表面を覆うことができる。
ピンを粉末材料中に動かすことで作り出される圧痕の奥行きは、好適には、圧痕中に設置される圧縮コーティング錠の錠剤コアの奥行きに等しい。ボトムフィル内に形成される圧痕の奥行きは、好適には1.5mm未満であり、したがって、内側シリンダーの頂部に位置する突起部の高さは、好適には1.5mm未満である。
圧痕は、予め形成されるコアを受けるために好適な、粉末材料内の「カップ」を形成する。「カップ」の側面は、コアをボトムフィルに設置した後で確実に動かないようにするガイドとして作用し得る。
ねじり手段はばねを含み得る。しかしながら、本発明では任意の好適なねじり手段を使用できる。
好ましくは、ブレーキ手段はキーを含み得る。キーは、ピンから水平方向に突出し、パンチ組立体のハウジング内の凹部と遊嵌することで、ハウジングに対するピンの動きの程度を規定するストップとして作用する。
圧力を加えるための手段は、ピンの突出要素上に嵌合する溝を有することで、パンチのハウジングのみと係合するように適合され得る。圧力を加えるための手段は、ロール、または錠剤化プレスで従来使用されている、圧力を加えるための任意の他の好適な手段であり得る。溝は、ピンの突出要素の幅に等しいか、またはそれより幅広いことが可能である。したがって、ロールは突出要素を通じてピンにいかなる圧力も加えず、ハウジングに接触するのみである。したがって、ピンは、ピンの末端がハウジングの末端と同一平面上にある状態で第2の位置にとどまる。
ピンパンチシリンダーを洗浄目的で容易に分解可能であることが望ましい。
本発明の第2の局面によって、ハウジングとハウジング内で可動なピンとを含むパンチ組立体を含む、圧縮コーティング錠を作製するための装置が提供され、組立体においてハウジングは、ピンを受けかつピンと係合するように適合され、ピンは、ハウジングに対して第1の位置から第2の位置にピンを動かすためにピンに圧力を加えるための第1の手段との係合用に適合されている突出要素を一端に有し、ピンは、圧力を加えるための手段を除去する際にピンを第1の位置に戻すねじり手段を備え、パンチは、第1の位置を超えたハウジング内のピンの動きを遅延させるためのブレーキ手段を有する。
装置は、ハウジングのみに圧力を加えるための手段をさらに含み得る。ハウジングのみに圧力を加えるための手段は、その表面に溝を有することにより適合されるロールを含み得る。溝は、好ましくはピンの突出要素の高さに比べて奥行きがあるべきである。溝の幅は、ピンの突出要素の幅と等しいかまたはそれより幅広くあるべきであり、突起部と溝の側面との任意の接触を回避するためにターンテーブルの湾曲を考慮に入れるべきである。溝は、ピンの突出要素上に嵌合するようにロール上に位置決め可能であり、したがってピンにいかなる圧力も加えず、ハウジングに接触するのみである。したがって、ピンは第2の位置にとどまる。
したがって、乾燥コーティング錠プレス上での本発明の使用は、その唯一の調整として、プレスコーティング錠を形成するために最終圧力を加えるロールの修正を必要とする。プレスが予備圧縮用ロールを備えている場合、このロールも修正すべきである。
本発明の第2の局面の好ましい特徴は、第1の準用に関するものである。
ここで本発明を実施例と使用される本発明の好ましい一態様の説明とを参照してさらに説明する。これは例示目的のみで存在するものであり、本発明に対する限定として解釈すべきではない。実施例と好ましい態様の説明とにおいて、いくつかの図を参照する。
ピンチパンチ組立体の2つの部分の断面図を示す。 静止位置にあるピンパンチ組立体の断面図を示す。 パンチング位置にあるピンパンチ組立体の断面図を示す。 粉末中に圧痕を作り出した後の静止位置にあるピンパンチ組立体の断面図を示す。 ピンパンチ組立体に圧力をかける溝付きロールの断面図を示す。 古典的な成形用具および本発明の成形用具を使用する場合での、コーティング圧縮錠のコアのセンタリングの比較を示す。
好ましい一態様では、本発明は、図1に示す2つの部分から構成される錠剤プレス上部パンチを含む。第1の部分は中空パンチシリンダー(1)であり;第2の部分は、パンチシリンダー(1)内部に正確に嵌合し、パンチシリンダー(1)に対して可動なピン(3)である。シリンダーという用語はその幾何学的意味に限定されるわけではない。ピン(3)は、パンチシリンダー(1)内でのピン(3)の動きを限定するキー(5)を有する。キー(5)の頭部はピン(3)から突出し、ハウジング(1)内の凹部(7)に嵌合する。ピン(3)は、小さい突起部(11)が存在するパンチング端の反対端の静止位置へピン(3)を押し戻すバネ(9)も有する。
ピンパンチが静止位置にある場合(図2に示す通り)、ピン(3)のパンチング端はピンパンチハウジング(1)の端部と同一平面上にあり、突起部(11)はピン(3)の反対端でハウジング(1)から突出する。凹部(7)の頂部側に当たっているキー(5)によって、ハウジング(1)内でのピン(3)の後退が防止される。バネ(9)は緩和される。
次に、ピンパンチ組立体を、金型(17)中のボトムフィル粉末(19)の頂部に接触するように位置決めする。ロール(13)は、ピン(3)の非パンチング端を定位置とし、ピン(3)上の突起部(11)に圧力をかける。この圧力はピン(3)をハウジング(1)に対して動かすことで、ピン(3)がハウジング(1)から突出するまでバネ(9)を圧縮する(図3)。ピン(3)が動くと、それは圧痕(21)または「カップ」をパンチしてボトムフィルに入れる(図4)。圧痕(21)のサイズはピン(3)のサイズに直接依存しており、圧痕(21)の奥行きは、ピン(3)の頂部に位置する突起部(11)の高さに直接依存している。
次に、ピンパンチは第1のロール(13)から出て、ピン(3)は、バネ(9)と、ピン(3)をこの位置で遮断するキーとの作用によりその当初の位置に戻る。
次にコアを圧痕(21)中に配置し、圧痕の縁部により正しい位置に保持する。次にプレスコーティング錠の外部粉末の残りを加える。次に最終圧力(および前圧力)を加える。この段階で、ピン(3)はその静止位置にとどまり、システムは従来のパンチとして挙動する(図5)。最終圧縮工程では、ロール(13)はピン(3)上の突起部(11)上に嵌合している溝(15)を有し、それにより圧力は突起部(11)に加わらず、ピン(3)はハウジング(1)に対して動かなくなる。
プレスコーティング錠の上面には、その作製における「ツーピース」パンチの使用を明示するわずかな印が時々観察されることがある。
洗浄を容易にするために本発明の装置を完全に分解できることがある。
実施例:圧縮コーティング錠の調製および従来のパンチを用いて調製される錠剤との比較
本発明の物体の有効性を、従来のパンチまたは本発明のパンチのいずれかを用いて同一錠剤プレス上で製造するプレスコーティング錠のX線分析(Sherlock software)で実証した。
本発明の装置を用いて錠剤のセットを作製した。金型に粉末材料を充填し、ピンパンチ組立体を粉末材料に接触させた。ピンの頂部の突起部に圧力を加えることで、ボトムフィル内の粉末中にピンを動かして粉末に圧痕を作り出した。次に錠剤コアを粉末中の圧痕内に移動させ、さらなる粉末を金型に加えて錠剤をコーティングした。次に、ピンをハウジング内で動かさずに金型の内容物をピンパンチ組立体で圧縮して、圧縮コーティング錠を作り出した。
本発明に記載のパンチを用いて作製した錠剤との比較用に、従来のパンチを用いて錠剤のセットを調製した。
得られた結果(ΔC値)の比較を図6に示す。本発明のパンチを使用する場合、理論中心からの偏差ΔCは著しく限定されている。本発明の成形用具を使用する場合、90%を超える錠剤が0.3mm未満のコア位置からの偏差を伴って作製される。これに比べ、従来の成形用具を使用した場合、約15%の錠剤が0.3mm未満のコア位置の偏差を伴って作製された。

Claims (10)

  1. (a)金型に第1の粉末材料を充填する工程、
    (b)金型中の粉末材料と成形パンチ組立体とを接触させ、パンチに圧力を加えることで粉末材料中に圧痕を作り出す工程であって、パンチが、ハウジング内で可動なピンを受けるように適合されているハウジングを含み、ピンが、ピンおよびパンチのハウジングに圧力を加えるための手段との係合用の突出要素を一端に有し、ピンが、ハウジングとの係合用のねじり手段を備え、パンチが、ハウジング内のピンの動きを遅延させるためのブレーキ手段を有し;ハウジング内のピンを粉末材料中へ動かして粉末材料中に圧痕を作り出すために、ピンが、ピンの突出要素と圧力を加えるための手段とを係合させるねじり手段により第1の位置に保持されている、工程、
    (c)粉末材料中に作り出された圧痕中に錠剤コアを配置して、パンチ組立体に対する加圧により部分コーティングされた圧縮コーティング錠を形成する工程であって、ピンが、ブレーキ手段によりハウジング内の第2の位置に保持され、圧力を加える手段が、パンチのハウジングのみと係合し、ピンとは係合しないように適合されている、工程、ならびに任意で
    (d)第2の粉末材料を金型中に、部分コーティングされた圧縮コーティング錠の上面に対して導入する工程、および
    (e)第2の粉末材料とパンチとを接触させ、パンチに圧力を加えることで、完全コーティングされた圧縮コーティング錠を形成する工程であって、ピンが、ブレーキ手段によりハウジング内の第2の位置に保持され、圧力を加えるための手段が、パンチのハウジングのみと係合し、ピンとは係合しないように適合されている、工程
    を含む、圧縮コーティング錠を作製する方法。
  2. ピン上の突出要素が突起部を含む、請求項1記載の方法。
  3. 突起部の高さが粉末中の圧痕の奥行きを決定する、請求項1または2のいずれか一項記載の方法。
  4. 圧力を加えるための手段がロールを含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 圧力を加えるための手段が、ピンの突出要素上に嵌合する溝を有することで、パンチシリンダーのハウジングのみと係合するように適合されている、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. ブレーキ手段が、ピンから突出しかつハウジング内に位置する凹部と遊嵌しているキーを含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. ハウジングとハウジング内で可動なピンとを含むパンチ組立体であって、ハウジングが、ピンを受けかつピンと係合するように適合され、ピンが、ハウジングに対して第1の位置から第2の位置にピンを動かすためにピンに圧力を加えるための手段との係合用に適合されている突出要素を一端に有し、ピンが、圧力を加えるための手段を除去する際にピンを第1の位置に戻すねじり手段を備え、パンチが、第1の位置を超えたハウジング内のピンの動きを遅延させるためのブレーキ手段を有する、パンチ組立体
    を含む、圧縮コーティング錠を作製するための装置。
  8. ハウジングのみに圧力を加えるための手段をさらに含む、請求項7記載の装置。
  9. ハウジングのみに圧力を加えるための手段が、溝を有するロールを含む、請求項8記載の装置。
  10. ロールがピンに圧力をかけることを回避するために、溝がピンの突出要素上に嵌合する、請求項9記載の装置。
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