JP2004531399A - 圧縮コーティング錠剤を製造する方法および装置 - Google Patents
圧縮コーティング錠剤を製造する方法および装置 Download PDFInfo
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Abstract
コーティング圧縮錠剤を、少なくとも一つの上方パンチを用いて製造する方法を開示する。該上方パンチは、チップ(4)を有する可動性ロッド(3)が含有される中空シャフト(1)を含む単一パンチでありうるが、これは、該ロッドが該シャフト内で移動すると、伸長するまたは収縮する。或いは、伸長したチップを有する一方および収縮したチップを有するもう一方の、二つの中実上方パンチを用いる。伸長したチップを有する上方パンチは、ダイに挿入された場合、賦形剤および/またはポリマー性錠剤コーティング材料のカップ形コンパクトを生じるように設計されている。コア材料を、各々のカップ中に挿入する。次に、追加のコーティング材料をダイ内のカップおよびコアの上部に入れ、収縮したチップを有する上方パンチで圧縮する。本発明の方法および装置は、圧縮性の乏しい物質から錠剤を製造することを可能にする。
Description
【技術分野】
【0001】
本出願は、2001年6月25日出願の米国仮特許出願第60/300,629号の利益を請求する。
発明の分野
本発明は、粒子を圧縮して錠剤等の凝集体にすることに関する。詳しくは、本発明は、圧縮コーティング(compression coating)の方法に関する。本発明の分野は、圧縮コーティング用の装置、およびコーティング錠剤(coated tablet)または部分コーティング錠剤(partially coated tablet)等の圧縮コーティング組成物も包含する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
新しい生物活性物質は、硬ゼラチンカプセル剤中へ被包するための流動性(free-flowing)顆粒として最初に製剤化されることが多い。臨床的開発の経過にわたって、薬物含有顆粒は、錠剤製品へと圧縮可能になるように改変されることが多い。錠剤を製造する多数の既知の方法の要旨については、本明細書中に引用して援用される、Remington's Pharmaceutical Sciences,16thedition, Arthur Osol et al., eds. (Mack Pub. Co., 1980), pp. 1553-1576 を参照のこと。錠剤製品は、引き続き、味のマスキング、識別、または他の目的のためにコーティングしうる。錠剤コーティングの多数の既知の方法の要旨については、本明細書中に援用される、上記のRemington's, at pp. 1585-1593 を参照のこと。
【0003】
今日の圧縮コーティング製品は、特化した装置において二つの別個の操作により、すなわち、伝統的な錠剤プレスでのコア錠剤の製造;引き続いて、圧縮コーティング顆粒の適用;により、行われる。このような圧縮コーティング製造法は、外側圧縮コーティング材料中にコア錠剤を被包するため、比較的複雑な機械を必要とする。
【0004】
Manesty Dry Cota 錠剤プレスは、圧縮コーティング錠剤を作製するやや異なった方法を使用し、この場合、コアおよびコーティング錠剤は、同時ではあるが別個のプレス区域で作製された後、一緒にされて圧縮される。Gunsel, W. C. "Compression-Coated and Layer Tablets", in Pharmaceutical Dosage Forms : Tablets, Volume 1, H. A. Lieberman and L Lachman(eds.), Marcel Dekker, New York, pp.187-224 (1980) を参照のこと。この機械は、比較的複雑な二重タレットプレス(基本的には、二つの共同した錠剤プレス)であり、この場合、コアは、片側のプレスで成形された後、もう一方の側に移され、そこで圧縮コーティングを適用される。
【0005】
より最近になって、圧縮コーティング錠剤(compression-coated tablet)を製造するため、上記の方法および材料の改善が行われている。Gunter Voss による発明についてのWO01/15889Al号は、圧縮チャンバー並びに上方および下方のパンチを有する錠剤プレスの使用を開示する。その公報の図1は発明の装置を示しており、この装置には上方スタンプ、下方スタンプおよび圧縮チャンバーが含まれ、ここで、上方スタンプのチップエンドおよび下方スタンプのトップエンドは、圧縮チャンバーの一端からもう一端へ伸長する開口部に適合するように設計されている。下方スタンプのトップエンドには、「それ自体閉じている(closed in itself)」(Abstract)突起が含まれる。図1に示されるその発明の態様において、上方スタンプのチップには、圧縮チャンバーに向けてチップ表面から伸びるロッド様構造体が含まれる。圧縮錠剤は、そこに開示された装置を用いて:下方パンチ中の突起によって囲まれている下方パンチの表面をコア材料でコーティングし、そしてそこにコーティング材料を加えた後、上方スタンプおよび下方スタンプで圧縮することによって製造されるか;または、圧縮チャンバー中の下方パンチにコーティング材料を加え、下方パンチの突起によって囲まれているコーティング材料の表面にコア材料を加えた後、圧縮を行うことによって、錠剤が製造される。
【0006】
コーティング錠剤を製造するもう一つの方法は、Gunter Voss による発明についての米国特許第20010123号に開示されている。その方法は、上方および下方パンチを含む少なくとも一つの圧縮チャンバーと錠剤コアの供給装置とを有する錠剤プレスとを使用する。錠剤の下半分のためのコーティングをチャンバー中に入れ、予備圧縮し、その予備圧縮されたコーティングに、「分散助剤中の内容物のペースト状調製物(pasty preparation of contents in a dispersing agent)」の形態のコア材料を加え、そして錠剤の上半分のためのコーティングをコア材料の上部に加えた後、最終圧縮工程を行う。
【0007】
錠剤は、それらの投与が容易であり、製造費用が低く、簡潔(elegant)であるため、しばしば、他の投与形と比較して好適であり広く用いられる。しかしながら、既存の技術で可能であるよりも効率よく圧縮錠剤を作成するための新規で改良された手段が常に要求される。既知の方法を用いて圧縮された場合に容易に凝集体を形成しない材料の圧縮錠剤を作成することも要求される。例えば、既知の方法では凝集錠剤を形成することが容易ではないコアまたはコーティング材料の顆粒またはブレンドについて、圧縮コーティング錠剤を成形するための方法および装置が要求されている。最後に、既知の圧縮錠剤では実現できない構造的および機能的特徴を有する圧縮コーティング錠剤を成形するための方法および装置が要求されている。本発明は、下に示される通り、これら要求を全て満たす。
【発明の開示】
【0008】
発明の要旨
本発明は、錠剤コア及びコアを含有する完全な圧縮コーティング錠剤を、単一タレット(turret)の錠剤プレスの1回転中に製造する、圧縮コーティングのための錠剤プレスに関する。
【0009】
本発明の錠剤プレスは、外側ヘッドから外側チップに伸長するシャフトを有する新規な上方パンチと、このシャフト内に含有される可動性コアロッドとを含む外側中空パンチを使用する。外側中空パンチの外側チップは、ダイの開口部に適合するように設計されている。この外側チップに最も近いコアロッドの端をロッドチップと称し、外側ヘッドに最も近いコアロッドの端をロッドヘッドと称する。本発明の上方パンチは、ロッドチップが外側中空パンチの外側チップから伸長している伸長した配置(extended configuration)と、ロッドチップが外側チップと実質的に一直線上にある収縮した配置(retracted configuration)との間を、シャフト内のコアロッドの移動によって移動するように設計されている。上方パンチのこの特徴により、同じパンチを伸長した配置及び収縮した配置で使用して、本発明の錠剤圧縮法を実施することが可能になる。
【0010】
本発明は更に、伸長した配置および収縮した配置の両方で上方パンチを使用するように設計されている、上方パンチを含む錠剤プレスに関する。
本発明は更に、粒子を圧縮して錠剤にする方法であって、コア材料を、ダイ中のコーティング材料のカップ中に置き;このコア材料を、伸長した配置の上方パンチでカップ中にプレスし;そして、収縮した配置の上方パンチを用いて、カップを圧縮する;方法に関する。本発明の方法は、多数の異なった生物学的活性物質のいずれか一つを含有するコーティング錠剤または部分コーティング錠剤を含めた広範囲の異なった錠剤を作成するために用いることができる。一つの態様において、この方法は、全面にコーティングされた錠剤を作成するために用いられる。もう一つの態様において、この方法は、異なった色のコーティング材料およびコア材料の層を有する錠剤を製造するために用いられる。さらにもう一つの態様において、この方法は、異なった色のコア材料が露出している表面上の1以上のスポットを除く全ての所がコーティングされて、識別可能な外観が生じている錠剤を製造するために用いられる。もう一つの態様において、この方法は、上部表面を除く全ての所が非湿潤性または耐水性コーティング材料でコーティングされ、上部表面は生体接着性物質又は半透性膜等の別のコーティング材料でコーティングされた錠剤を製造するのに用いられる。
【0011】
本発明は、更に、本発明の方法によって製造されたコーティング錠剤に関する。
本発明は、様々なコア材料(別の方法では錠剤に成形することができないと考えられるコア材料を含む)の錠剤を、既知の方法または装置を用いて製造するための方法および材料を提供する。本発明の方法、製品および装置の使用についての追加の利点は、本明細書中の以下の残りの開示から明らかになるであろう。
【0012】
発明の詳細な説明
本出願は、圧縮コーティング錠剤の形態の錠剤投与形を製造する手段を提供し、このような錠剤を、容易にはコンパクトを形成しない顆粒またはブレンドから成形する手段を提供することが含まれる。圧縮コーティング用の顆粒またはブレンドは予め製剤化されて、そのコーティングに望まれる機能性を与えることができる。本明細書中に記載の投与形を製造するための唯一の要件は、コア材料が、製造の間にダイ中に流動する能力を有しなければならないということである。記載された方法は、最小限の製剤開発研究で圧縮コーティング錠剤投与形を製造するのに用いることができる。
【0013】
本発明の方法では、コア材料を、コーティング材料のカップ中に置き;伸長したチップを有する上方パンチを用いてカップ中にプレスし;その後、コア材料を含有するそのカップを、収縮したチップを有する上方パンチで圧縮し;錠剤を成形する。伸長した配置の上方パンチを用いて、このカップを予備成形してもよく、この方法の追加の工程として成形してもよい。コーティング材料の少なくとも一つの追加の層を、最終圧縮工程の前に加えることもでき、追加の層のコーティング材料は、カップを製造するのに用いられるコーティング材料と同じであっても異なってもよい。
【0014】
本明細書中で用いられる「ダイ」という用語は、圧縮錠剤の製造において用いられる器具であって、ダイの上部表面から底表面に伸長するキャビティを画定する壁を有するものを意味する。ダイのキャビティは、上方パンチおよび下方パンチがこのキャビティの向かい合った端に挿入された場合、これら二つのパンチの間で材料を保持し、プレスするか圧縮するように設計されている。下方パンチの端は、本発明の方法の各々の工程において、ダイのキャビティ中に存在する。
【0015】
本明細書中で用いられる「伸長した配置の上方パンチ」という用語は、上記の通り、上部表面のキャビティ開口部を通ってダイに挿入されるように設計されている配置の上方パンチを意味し、ここで、ダイに挿入されるパンチの端は、パンチの残り部分から伸長するロッドを含む。この伸長した配置の上方パンチは、材料を含有するダイの開口部に挿入された場合、材料を開口部の周縁にプレスするというよりもむしろ、材料の中心部を開口部の奥へさらにプレスするよう、設計されている。
【0016】
本明細書中で用いられる「収縮した配置の上方パンチ」という用語は、ダイに挿入された場合、実質的に全ての材料をダイで圧縮するのに用いることができる配置の上方パンチを指す。本発明の方法および装置で用いるのに適した、収縮又は伸長した配置の上方パンチの態様の具体的な例については、本明細書中の残りの開示を参照のこと。
【0017】
本発明の方法は、本発明の少なくとも一つの上方パンチおよび少なくとも一つのダイを用いて実施され、好ましくは、伸長したチップ配置および収縮したチップ配置の両方の上方パンチを与えるように設計された回転式錠剤パンチプレスの全ての場所に適合するのに充分な上方パンチおよびダイを用いて実施する。
【0018】
本発明の錠剤を製造するために用いられる装置は、好適には、伝統的な二層または三層錠剤プレス等の伝統的な回転式錠剤プレスの簡単な改変に基づいている。本発明の方法では、コア材料をダイ中のコーティング材料のカップに加えた後、伸長した配置の上方パンチによってプレスし、そして、収縮した位置の上方パンチによって圧縮する。このカップは、ダイに導入される前に予備成形することができる。或いは、ダイにコーティング材料を加え、伸長した位置の上方パンチを用いてそこでそれを圧縮することによって、ダイ中でカップを成形する。本発明の方法の態様は、コア錠剤の別個の成形を必要としない。したがって、コーティング前にコアを別途成形することなく、コア材料およびコーティング材料を凝集錠剤に成形することができる。
【0019】
図1は、本発明の上方パンチの態様(伸長した配置(図1A)および収縮した上方パンチ配置(図1B)にある)の下方端を示している。図1Aは、外側チップ2、コアロッド3、及びロッドチップ4を有する外側中空パンチ1を示し、外側中空パンチ1の外側チップ2から伸長して、伸長したパンチを形成する。外側チップ5の表面の厚みは、上方パンチのこの態様を用いて成形される任意のカップの壁の厚みを決定する。図1Bは、収縮した配置の外側中空パンチを示し、外側チップ2およびロッドチップ4の外縁が一直線上にある。
【0020】
ロッドチップおよび外側チップは、本発明の方法で用いられる場合、好ましくは、凝集圧縮錠剤の成形を確実にする形状または無関係の形状を有する。外側チップおよび外側ロッドの最も好ましい形状は、コーティング材料、コア材料、またはコーティング材料およびコア材料の組合せの特性に依存して異なるであろう。圧縮される材料の少なくとも一つが流動可能な材料の形態である場合、円錐ロッドチップ形状では円錐が外側中空パンチの表面から突き出ているため、本発明の方法の各々の段階で圧縮される材料が容易に半径方向に移動できるようになる。円錐の形状の場合、外側チップ及びロッドチップは、外側中空パンチの表面に対して、互いに異なった角度をとりうる。
【0021】
好ましくは、外側チップおよびロッドチップの両方とも、外側中空パンチから同じ角度で外側へ尖った壁を有し、上方パンチが収縮した配置にある場合、互いに並んで単一の円錐パンチチップ形状をもたらす。角度のついた外側チップは、タンピング工程が行われた後に、外側チップ上に堆積した材料をカップ中にスライドさせる(機械振動によって助けられてよい)のにも好適である(例えば、下の図3における工程9を参照されたい)。任意のタンピング工程は、カップのリップ上のコアブレンドがカップ中にスライドするためのスペースを作ることをも確実にする。外側チップおよびロッドチップの角度は、好ましくは、独立して、約0°〜約45°、より好ましくは、約5°〜約25°、さらにより好ましくは約5°〜約15°、さらにより好ましくは約10°である。
【0022】
上方パンチの一つのこのような態様を図1AおよびBに示すが、ここでは、外側チップ2の表面もパンチチップ4の表面も各々、約10°の均一な角度で外側中空パンチのチップから突き出て、円錐の形状として示される。上方パンチのこの態様が収縮した配置である場合、外側チップ2およびパンチチップ4が並んで形成される収縮したチップも円錐の形状であり、外側中空パンチ1のチップから約10°の角度をとる。
【0023】
本発明者は、カップを成形することを試み、伸長した位置の上方パンチによって一定のコーティング材料をプレスする場合、パンチチップおよび外側チップが両方とも平らであると、コーティングブレンドは、充分に圧縮された壁を形成するよう半径方向に移動するという傾向がないことを発見した。このような上方パンチは、充分に圧縮されている底部を有するこのような材料のカップをもたらすことが判明したが、各々のカップの壁は、不充分にしか形成されなかった。得られたカップは、カップからパンチチップを引き抜く際に砕ける傾向があった。
【0024】
三層錠剤プレスでコーティング錠剤を作成するための本発明の方法の使用を、図2の工程1〜15に詳しく説明する。全工程で同じ装置を用いる。この装置を工程1に詳細に示すが、これは上方パンチ12を、コアロッド9、及び、外側中空パンチ11の壁によって形成される中空シャフト10と一緒に示し、コアロッド9にはパンチチップ13が含まれる。上方面14を有する下方パンチ16は、この方法の間中、コア材料のカップの表面と接触しているように設計されている。ダイ15は、この方法の様々な工程において材料を圧縮するため、上方パンチおよび下方パンチ各々の一端を受容するように設計されている。
【0025】
図2の残りの工程は、本発明の方法によってコーティング錠剤を製造するための工程1に示される装置の一つの好ましい使用を説明する。工程2において、第一フィルシュー(fill shoe)16を用いて、コーティング材料17をダイの開口部に導入する。工程3は、この第一フィルシュー16が除去された後の、未圧縮コーティング材料17を充填したダイの開口部を残している装置を示す。工程4は、伸長した配置(すなわち、外側中空パンチ11に対して下降したコアロッド9を含む)の上方パンチを示し、このパンチは、コア材料17を圧縮してカップ19(次の工程に示される)を成形するのに用いられる。工程5は、上方パンチが上昇しダイから除去された後の、ダイ中にコア材料のカップ19を有する装置を示している。工程6では、コア材料20を、第二フィルシュー21を介してカップ19に導入する。工程7は、第二フィルシュー21が除去された後の、未圧縮コア材料22をカップ中に残している装置を示す。工程8では、伸長した位置にある上方パンチをダイに挿入し、カップ内のコア材料をタンピングする。工程9では、上方パンチをダイから除去し、そして過剰の材料は、カップのリップからカップ19中のタンピングされたコア材料の上にスライドしてよい。工程10では、第三フィルシュー23を用いてコーティング材料24をダイ中に導入し、コア材料22の表面を少なくとも部分的にコーティングする。工程11は、第三フィルシュー23が除去された後の、未圧縮コーティング錠剤25をダイ中に残している装置を示す。工程12では、収縮した配置の(すなわち、下方パンチに最も近い外側中空パンチの端と水平または実質的に水平になるように上昇したコアロッド9を含む)上方パンチを示す。工程12は、ダイのチャネル内部に、収縮した配置の上方パンチと下方パンチとの間に圧縮されているコア材料およびコーティング材料を含む装置を示している。工程13は、ダイから除去された上方パンチ;及び、それがダイの開口部を通って上に移動した後に、下方パンチ16の上方面14上のダイから引き上げられて得られた圧縮コーティング錠剤26;を含む装置を示す。工程14では、錠剤を装置から取り出すための準備において、圧縮コーティング錠剤26の隣に位置するノックオフ(knock off)プレート27を示している。工程15は、圧縮コーティング錠剤を、装置からそれが取り出されているように示している。
【0026】
図3は、中空外側パンチ32;並びに、その中空外側パンチ32内で可動性である、一端にチップ34及びもう一端にヘッド35を有するコアロッド33;を含む上方パンチの伸長した配置と収縮した配置とを、規則的でくぼみのある圧縮ローラーとヘッド35の接触を用いて交互に生じさせるための手段を説明する。図3Aは、このような上方パンチ31のコアロッド33のヘッド35と接触している伝統的な充実ローラー30の側面図であり、チップ34が伸長した位置にある配置を生じている。図3Bおよび3Cは、それぞれ、収縮した位置の上方パンチ31およびくぼみのあるローラー37の側面図および正面図であり、この位置は、コアロッド33のヘッド35が、ローラーの表面からそこにあるくぼみに移動してチップ34を中空外側パンチ32中に収縮させたことによる。
【0027】
上記の本発明の方法の態様は、三層プレスへの簡単な改変による圧縮コーティングの手段を提供する。伝統的な圧縮コーティングを上回る本発明の方法の利点が多数存在する。コアを別個に成形することは必要とされないので、コアのための移動機構は必要とされない。同様に、コーティング材料床(bed of coating material)上のこのようなコアの心出し(centering)は、この方法の要素ではない。この要素が除かれることにより、制御放出用途において放出プロフィールの再現性が改善される。更に、コアが圧縮性である必要はなく、コアとコーティングとの間の接着性も必要ではない。簡単で非圧縮性であるが流動性のある顆粒は、そのコーティングブレンドが充分に圧縮性である限り、本発明の方法を用いて錠剤にすることができる。
【0028】
本発明の圧縮錠剤を製造する方法で用いるのに適当なコーティング材料には、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、およびアクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステルのポリマーおよびコポリマーなどのポリマー;ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのゲル化ポリマー;脂肪酸のグリセリド、脂肪酸および脂肪族アルコールなどの脂質;ラクトース、スクロース、マルトース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、微結晶性セルロースおよび粉末セルロースなどの炭水化物;およびリン酸二カルシウムが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0029】
他の賦形剤には、例えば、希釈剤、崩壊剤、結合剤、接着剤、湿潤剤、ポリマー、滑沢剤、滑走剤、不快な味またはにおいをマスクするまたはそれに対抗するために加えられる物質、フレーバー、ダイス(dies)、芳香剤、および組成物の外観を改善するために加えられる物質が含まれうるが、これらに制限されるものではない。
【0030】
いずれの生体活性物質も、本発明に組み込まれうる。好ましくは、生体活性物質は、哺乳動物、例えば、ヒトに経口で供給可能な薬物である。生体活性物質は、好ましくは、コア中に存在する。しかしながら、それは、本発明の方法で用いられる少なくとも一つのコーティング材料中に存在することもできる。
【0031】
本発明の方法でまたは本発明の錠剤に用いるために選択される具体的なコア材料およびコーティング材料は、最終製品に望まれる具体的な特性に依存するであろう。エンドユーザーによる混乱を防止するために、本発明の錠剤を他のこのような製品と区別する特徴的な外観が望まれる場合、コーティング材料と、異なった色のコア材料の少なくとも一つの層とを用いて製品を製造できる。例えば、コア材料とは異なった色のコーティング材料の予備成形されたカップを用い、この場合、このカップは、圧縮後の錠剤の表面上に未コーティングコア材料のスポットを残すように設計される。この未コーティングコア材料のスポットは、本発明の錠剤を他の手段によって製造された錠剤と区別する多数の記号のいずれか一つでありうる。この未コーティングコア材料のスポットは、好ましくは、簡単な多角形、より好ましくは、三角形、ダイヤモンド形、正方形または円の形状である。
【0032】
識別可能な外観を有する本発明の錠剤を製造するもう一つの方法は、カップコーティング材料とは異なった色である少なくとも1層のコーティングを用いて、本発明の方法によって錠剤を製造することである。二つ以上の追加の層を用いる場合、追加のコア材料層は、好ましくは、コーティング材料の各層の間に置かれる。
【0033】
ワックス材料または不溶性若しくは疎水性のポリマー等の不透水性または水に不溶性であるカップコーティング材料を用いて、識別可能な放出性を有する本発明の錠剤を製造することも適切である。このようなカップコーティング材料を、活性物質およびゲル化ポリマーを含むコアと一緒に用いる場合、錠剤の消化後の活性物質の放出は、より正確に制御することができる。具体的には、活性物質が放出される錠剤の唯一ではないとしても主な表面は、ゲル化ポリマーの表面による。ゲル化ポリマーマトリックスおよび放出速度は、例えば、マトリックス中のゲル化ポリマーのタイプおよび濃度を制御することによって、又は、放出速度を制御するマトリックスに賦形剤を加えることによって、制御することができる。
【0034】
本発明の錠剤は、このような不溶性または不浸透性カップ中で(例えば、上記のものなど)、活性物質および生体接着性ポリマーを含むコアを圧縮することによっても適切に製造される。本発明の錠剤のこの態様は、口腔内または舌下表面に向けた生体接着性コアで適切に口腔内に適用される。カップコーティング材料は、活性物質が口中に浸出するのを制限するが、この活性物質は吸収され、したがって、味の悪い活性物質によって起こりうる問題を最小限にする。
【0035】
本発明の錠剤は、薬物などの生物学的活性物質および浸透圧活性物質を含む内部コア材料の層を、透水性でも水溶性でもないコーティング材料を含むカップ中に入れ;そのコア材料を、伸長したチップを有する上方パンチを用いてカップ中にプレスし;圧縮錠剤の成形後に半透性になる外側コーティング材料の層を加え;そして収縮したチップを有する上方パンチを用いてこのカップを圧縮する;工程を含む方法によっても適切に製造される。本発明の錠剤を製造する方法は、好ましくは、内部コア材料および外側コア材料の少なくとも一つの層を加え;各々の層をカップ中にプレス後、最終圧縮工程を行う;追加の工程を更に含む。本発明の錠剤のこの態様は、消化後の単一時点での薬物放出を提供する。この製品を製造する方法は、時限放出ゼラチンカプセル剤よりも有効であり、設計の自由を可能にする。他の賦形剤が全て注意深く選択されるという条件において、ゼラチンカプセル剤とは異なり、本発明の錠剤は、厳格な菜食主義者に受け入れられるはずである。
【0036】
錠剤および錠剤を製造する方法に加えて、本発明は更に、粒子を圧縮して錠剤にするためのパンチにも向けられ、このパンチは、一端にパンチヘッドおよびもう一端にパンチチップを有する外側中空パンチ;パンチヘッドからパンチチップまで伸長した中空シャフトを画定している外側中空パンチの壁;および、その中空シャフト内に含有される可動性コアロッド;を含み、パンチチップに最も近い端にロッドチップを、パンチヘッドに最も近い端にロッドヘッドを含む。このパンチチップの表面およびロッドチップの表面は、ロッドチップおよびパンチチップが並んでいる場合、好ましくは、円錐表面を形成する角度にある。
【0037】
本発明は、更に、本発明の上方パンチを少なくとも一つ含む回転式錠剤プレスに関する。本発明の錠剤プレスは、好ましくは、本発明の上方パンチ、下方パンチ、およびこのパンチの各々の圧縮場所(compression station)にあるダイを更に含む。本発明の上方パンチは、本発明の好ましい錠剤プレスに、多数の他の既知の錠剤製造手段と比較して、相当の多用性および製造の容易さをもたらす。
【0038】
本発明の錠剤プレスは、好ましくは、外側中空パンチに関してコアロッドの移動を導くように設計された周囲溝を有する少なくとも一つのローラーを更に含む。より好ましくは、上方パンチのロッドヘッドが周囲溝中にあり、パンチヘッドが溝の外のローラー表面と接触している場合、このパンチは収縮した配置にある。この錠剤プレスは、好ましくは、周囲溝を含まない少なくとも一つのローラーを更に含む。好ましくは、ロッドヘッドおよび上方パンチがこの周囲溝を含まないローラーと接触している場合、ロッドチップはパンチチップの表面を越えて伸長し、そしてパンチチップは伸長した配置にある。
【0039】
本発明の錠剤を作成する場合に用いるのに適した錠剤プレスは、本明細書中に援用される、Kilian, F., "New and Improved Method and Apparatus for the Production of Coated Tablets," British Patent 464, p. 903 (1937) に記載されたのとほぼ同様の特殊な中空上方パンチ器具を用いることにより、三層プレスへの比較的簡単な改変を行うことによって作成することができる。このような錠剤プレスは、本発明の錠剤の商業生産に用いるのにきわめて適合していると考えられる。本発明の圧縮コーティング錠剤を製造するための改変された上方パンチを商業的に使用する例は、本明細書中に前述した図2に詳しく説明されている。
【0040】
本発明の方法、装置および製品の他の利点としては、同じ投与形内の二つの不相容性薬物を物理的に分離することなども考えることができる。これは、多層錠剤または圧縮コーティング剤形を用いることによって一般的に達せられる。しかしながら、既知の方法によって製造された多層錠剤は、本発明の方法によって製造された圧縮コーティング錠剤の多用性を有していない。本錠剤は、その投与形からの薬物の放出プロフィールを要求通りにする(tailor)ように容易に改変することができる。この方法は、本明細書で以下に詳しく説明される、カスタマイズ可能な(customisable)遅延放出または徐放性の投与形の迅速な開発を可能にする。本発明の特別に適合された三層錠剤プレスの設計も、本発明の錠剤を商業規模で製造するために改変された器具および圧縮ローラーと一緒に、本明細書中に提示される。
【0041】
本発明の製品、装置および方法の多数の他の用途も考えることができる。そのままの薬物(neat drug)が充分な流動性を有する場合、それは、好ましくはコアのカップ中に直接的に充填される。本発明の方法は、圧縮錠剤のコアまたはコーティング中に同じまたは異なった薬物の薬物ブレンドまたは多重層を包含するように改変することもできる。したがって、本方法は、予備成形された慣用的な硬ゼラチンカプセル剤中への顆粒の充填に代わる安価で多用性のある代替物を提供し;薬物または薬物含有粒子は、硬ゼラチンシェル内の代わりに、予め製剤化され調製されたコーティングブレンド内に被包される。本明細書中に示されるように、最も圧縮性の乏しい物質でも、充分に圧縮性のコーティング顆粒を用いるならば、錠剤として提示することができる。
【0042】
この技術の様々な他の用途が考えられる。コアからの薬物の放出は、時限放出投与形を製造するように容易に調節することができるということが既に示されている。フリーの薬物結晶、薬物賦形剤ブレンド、顆粒、ミクロスフェアまたはビーズは、本発明の錠剤のコア内部に容易に被包することができる。同様に、適当なポリマーを外側コーティング中に用いるならば、Fukui, E. et al., "Preparation of enteric coated timed-release press-coated tablets and evaluation of their function by in vitro and in vivo tests for colon targeting," Int.J. Pharm. 204: 7-15 (2000) に記載の通り、腸溶の圧縮コーティング剤形を製造することが可能である。本発明の方法は、Hadfield, P. J. et al., "The Potential Use of Compression coating in the Blinding of Clinical Trial Supplies," Drug. Dev. Ind. Pharm. 13: 1877-1190 (1987) に記載の通り、不快な薬物の味をマスクし臨床研究についてそれらを判らなくすることができる。適切に味をマスクされた粒子として薬物を含有するコアと共に急速溶解性糖類からなるコーティングブレンドを用いることによって、経口溶解性錠剤も容易に製剤化しうると考えられる。
【0043】
併用薬物製品も、Oth, M. et al., "Arthrotec Part I : Conception of a product combining Misoprotol 200 mcg and ECDiclofenac Sodium 50 mg," J. Pharm.Belg. 48 (2): 153 (1993) に記載の通り、コア中のものとは異なった薬物を含有するコーティングブレンドを用いることによって製剤化しうると考えられる。反復作用錠剤は、パルス送達を達成するため、コーティングブレンド、及び、コアブレンド中にそれぞれ薬物を包含することによって製造しうる。
【0044】
下の実施例で用いられる材料および方法は、単に例示的なものである。他の適切な賦形剤材料、および、本発明を実施するか又は本発明の圧縮コーティング錠剤を製造する方法も、用いることができる。本発明の錠剤の製造には、製剤的に許容しうる任意の賦形剤を用いることができる。
【実施例】
【0045】
実施例1−用いられる材料および方法
微結晶性セルロース(Avicel PH200)は、FMC Corporation(Philadelphia, PA)から入手した。様々な分子量を有するポリエチレンオキシド(以下、「PEO」)は、Union Carbide(Danbury, CT)から入手した。ステアリン酸マグネシウムは、Mallinckrodt(Phillipsburg, NJ)から入手し;テオフィリンおよびアセトアミノフェンは、Sigma Chemical Company(St. Louis, MO)から入手した。
【0046】
単一パンチプレスからの9/16”成形型を改変して、本発明の上方パンチの伸長した配置および収縮した配置をシミュレートする上方パンチを製造した。3個の上方パンチを、図1Aに示されるように機械加工して、「伸長した」配置の本発明の上方パンチの下方端の形状をシミュレートした。これら3個の上方パンチを異なった寸法に機械加工して、厚い壁(4.8mm)、中間の壁(4.1mm)または薄い壁(3.2mm)を有するカップを製造した。別の上方パンチを図1Bに示されるように機械加工して、「収縮した」配置の上方パンチの下方端の形状を模倣した。下方パンチは平面であった。上記のように製造された各々の上方パンチは、上記の「伸長した」または「収縮した」端において円錐形の形状を有する円筒形であり、反対の端において平面であった。
【0047】
実施例2−全面コーティングされた錠剤の製造
実施例1に記載の通り製造された上方パンチおよび下方パンチを、各々の対のパンチに適合するように構成されたダイとともに、Carver Press(Wabash,IN)中に入れた。注意深く秤量した一定量の粉末ブレンド(以下、コーティングブレンドと称する)をダイ中に置き、図1aに示されるタイプの器具で、このプレス中において既知の力で圧縮して、カップ形の錠剤(カップ)を製造した。この実施例で用いられるコーティングブレンドの組成を、下の表1および表2に挙げる。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
このカップをダイ中に残し、そして既知量のモデル薬物または薬物含有ブレンドをカップ内に置き、「伸長した」パンチで軽くタンピングした。秤量した一定量のコーティングブレンドをダイ内容物の上に入れた後、これを「収縮した」パンチで既知の力で二回目の圧縮を行い、最終コーティング錠剤を製造した。
【0050】
実施例3−コーティング圧縮錠剤の試験およびキャラクタリゼーション
実施例2に記載の通り製造された錠剤からの薬物放出を、USP溶出試験機 2型(Vankel Industries, Edison, NJ)で研究した。37℃の蒸留水を溶解媒質として、100rpmのパドル速度で用いた。放出された薬物の量は、溶解媒質を定期的な間隔で自動サンプリング後、287nmでのUV分光測光検出によって監視した。錠剤の硬度は、硬度試験機(Key International,Englishtown, NJ)で測定した。
【0051】
実施例4−三層プレスでの錠剤の製造
本発明の上方パンチを有する改変された三層プレスを用いて、圧縮錠剤を製造する。この錠剤プレスには、標準的なローラーと、周囲溝を有するローラーが含まれる。上方パンチは、外側中空パンチと、内部コアロッドを含有する中空シャフトとを含み、そのロッドの一端が、収縮可能なロッドチップをもたらす。このコアロッドは、外側中空パンチのシャフトの長さに沿って作動し、シャフトより長い。この上方パンチが錠剤プレス中の圧縮ローラーの下を通り、ロッドの上方端が中空パンチのヘッドと同じ高さになった時、上方パンチは、伸長した配置にある(例えば、図3A)。上方パンチが、周囲溝を有する特別に改変されたローラーの下を通った時(例えば、図3B)、ロッドヘッドは、くぼんだ溝の中に収縮して、コアロッドのチップと中空パンチの環状チップとが互いに同じ高さであるようになって、上方パンチを収縮した配置にする。
【0052】
圧縮錠剤は、上記の改変された三層錠剤プレスで、上の図2に詳しく説明した15工程手順にしたがって製造する。図2に示された順序は、区別可能な6段階、すなわち、3回の充填および3回の圧縮の段階からなる。工程1〜5までは、カップの成形を示している。第一充填場面(station)において、コーティング顆粒をダイ中に供給し、第一圧縮イベントにおいて、ダイ中に残るパンチの伸長したチップがカップを成形する。錠剤プレス上のカムトラック(図3に示されていない)を調節して、カップが、ダイの上部にきわめて接近して成形されるようにする、すなわち、カップのリップは、ダイの上方面に接近しているようにする。第二充填場面において、錠剤中に被包されるコアブレンド(薬物または薬物含有顆粒)をカップ中に供給する。第二圧縮場面において、工程7〜9で示す伸長した位置にある上方パンチによって、コア材料を軽くタンピングする。工程10では、第三充填場面において、コーティング顆粒を、リッドとして役立つように再度ダイ内容物の上に重層する。最終圧縮場面において、上方パンチは、特別なくぼみ/溝のあるローラーの下を通るので、チップは収縮し;このため、工程10〜15に示す通り、ダイの内容物全体が圧縮されて本発明のコーティング錠剤を成形することを可能にする。
【0053】
実施例5−圧縮性の乏しい材料からの錠剤の製造
実施例1に記載の通り製造された、「伸長した」および「収縮した」配置をシミュレートした上方パンチを用いて、実施例2に記載の通り、平面の下方パンチおよび該当するダイを用いるCarver プレスで圧縮コーティング錠剤を製造した。これら錠剤は、1000lb圧縮力をカップに用いた後、コア材料を手動タンピングし、ダイ内容物(カップ、コアおよびリッド)を様々な圧縮力で最終圧縮を行って製造した。本発明のカップおよび圧縮コーティング錠剤を、Avicel PH200から、図1Aによる器具を用いて製造した。
【0054】
上の器具を用いて、3種類の圧縮性の乏しい物質、ステアリン酸マグネシウム、アセトアミノフェンおよびゴムディスクを含有する本発明の圧縮コーティング錠剤を、Carver プレスで製造した。各々の場合に、きわめて圧縮性の物質である Avicel PH200をコーティングブレンドとして用いた。これらカップを1000lbの力で成形し、そして最終圧縮は、1000lb、2500lb、または4000lbで行った。これら実験のコーティング、リッドおよびコア材料の各々の量を表1に示す。図5は、これらコンパクトの様々な圧縮力での破砕強度を、純粋な Avicel PH200から製造されたコンパクトと比較して示している。Avicel から作成されるコンパクトは、上の実施例2に記載の製造方法に類似した3工程法でも製造した。
【0055】
この場合に用いられた方法は、圧縮性の乏しい材料から無傷の(intact)コンパクトを成形する能力を実証した。アセトアミノフェンおよびステアリン酸マグネシウムのコンパクトの破砕強度は、1000〜4000lbの圧縮力の増加とともに増加したが、純粋な Avicel PH200から同じ圧縮力で製造されたコンパクトの場合より有意に低下した。4000lbで作成された Avicel コンパクトは、硬度試験機の範囲を超える硬度値を有した。圧縮力が2500lbを超えると、圧縮力を増加するにつれてゴムコンパクトの破砕強度が増加するようではなかった。これは、圧縮力を高くすると錠剤内に蓄積される弾性エネルギーが高くなることを示唆するものであり、これがコンパクトの強度を減少させている。
【0056】
実施例6−制御放出錠剤の製造
Kim, C.J., "Drug release from compressed hydrophilic PEO-WSR tablets," J.Pharm.Sci. 84: 303-306 (1995) に記載の通り、速度を制御する親水性ポリマーとして異なった量およびタイプのPEOを含有するコーティングブレンドを用いて、本発明の圧縮コーティング錠剤をCarver プレスで製造した。Fast-Flo Lactose 316を充填剤として用い、そして0.5%ステアリン酸マグネシウムを、滑沢剤として作用するように各々のブレンドに加えた。コア材料は、純粋なテオフィリンかまたはPEOとテオフィリンのブレンドを含んだ。本発明の圧縮錠剤を製造するのに用いられた様々なコーティングブレンドは、上の表2に示されている。
【0057】
得られた錠剤からのテオフィリンの放出へカップ壁厚みがもたらす影響を、図5に示す。3.2mm、4.1mmおよび4.8mmの3種類の異なった壁厚みは、材料および方法の項に記載の通り、異なった寸法に機械加工された上方パンチを用いることによって製造できた。壁厚みが増加するにつれ、カップおよびリッドのためのコーティングブレンドの量を増加してパンチに用いた。薄い壁を有する錠剤は、中間の壁および厚い壁を有する錠剤(約200分)よりも早く(約120分)薬物を放出し始めた。
【0058】
薬物の放出が始まる前の遅延(遅れ)時間をより良く制御するため、コーティング中のポリマーの分子量を変更した。図6は、MW2,000,000のPEOを含有するコーティングでは、溶解媒質がそのコーティングを破るのに、そして薬物放出が始まるのに、ほぼ2倍長くかかるということを示している。MW4,000,000のPEOの場合、そのコーティングは、研究された放出時間に破られなかったと考えられるが;その代わり、薬物は、コーティングバリヤーを介して拡散していると考えられる。
【0059】
薬物放出が始まる前の遅延時間を制御する別のアプローチは、コーティングブレンド中にいろいろな濃度のポリマーを用いることであった。図7は、35%と50%のMW900,000のPEOを含有するコーティングを比較する。予想される通り、ポリマー濃度が高くなるほど、薬物の放出を遅らせる時間を長くすることができた。
【0060】
コーティングブレンド中への組み込みに加えてコアブレンド中にポリマーを包含することの影響は、図8に示す通り研究した。これら実験でのコーティングブレンドはMW900,000のPEOを含んだが、コアは、薬物と異なった分子量のPEOとの2:1ブレンドを含有した。各々の場合、薬物の放出はほぼ同時に始まったが、その後、比較的一定の速度でのより遅い薬物放出が行われた。予想される通り、上記のように製造された圧縮錠剤がコア中に含有するポリマーのMWが低いほど、薬物を放出はやや速くなった。しかしながら、MW4,000,000と、5,000,000のPEOを含有する錠剤からの薬物の放出速度には顕著な差がなかった。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、図1(A)に伸長した配置および図1(B)に収縮した配置の上方パンチの側面図を示す。この上方パンチのヘッド端は示されていない。
【図2−1】図2−1は、コーティング圧縮錠剤を製造するための本発明の上方パンチの使用を示す略図である。
【図2−2】図2−2は、コーティング圧縮錠剤を製造するための本発明の上方パンチの使用を示す略図である。
【図3】図3は、上方パンチが、図3(A)(側面図)に示される通り中実ローラーを用いた場合には伸長した配置であり、そして図3(B)(側面図)および図3(C)(正面図)に示される通りくぼんだ溝を有するローラーを用いた場合には収縮した配置であるよう、中空上方パンチのシャフト内でコアロッドを位置決めするための二つの異なったローラーの使用を示す。
【図4】図4は、圧縮性の乏しいコア材料を含有する本発明の錠剤の破砕強度を示す、破砕強度対圧縮力の棒グラフである。
【図5】図5は、様々な半径方向コーティング壁厚みを有する本発明の錠剤からのテオフィリンの放出を示すグラフである。コーティング=550mgブレンドA、コア=100mgテオフィリン、薄い(3.2mm)、中間(4.1mm)、および厚い(4.8mm)壁について、リッド=100mg、150mgおよび200mgのブレンドA。
【図6】図6は、2:1のテオフィリンと異なった分子量のPEOとのブレンドを含むコアを含有する本発明の錠剤からの放出プロフィールを示すグラフである。カップ=750mgブレンドA、コア=150mg 2:1の薬物:ポリマーブレンド、リッド=200mgブレンドA。
【図7】図7は、異なる分子量のPEOのコーティングを含む本発明の錠剤からのテオフィリンの放出プロフィールを示すグラフである。カップ=750mgポリマーブレンドA、BまたはC、コア=100mgテオフィリン、リッド=200mgポリマーブレンドA、BまたはC。
【図8】図8は、コーティング中に異なる量のPEOを含有する本発明の錠剤からのテオフィリンの放出を示すグラフである。カップ=750mgのコーティングブレンドAまたはD、コア=100mgテオフィリン、およびリッド=200mgのコーティングブレンドAまたはD。
【図9】図9は、コア材料がコーティングされておらず、錠剤の上部表面に露出している、本発明の錠剤の側面図である。
【図10】図10Aおよび10Bは、図10の錠剤の異なった態様であって、円形の露出したコア材料を有するものの側面図および平面図である。このコア材料は、好ましくは、周囲のコア材料とは異なった色である。
【図11】図11は、本発明の錠剤のもう一つの態様であって、薬物および浸透圧活性成分のコアが、不溶性ポリマーまたは脂質のカップ中に圧縮されて、そのコアの周りの側壁および底を形成し、コアの上部表面全体にわたる半透性ポリマープラグを有するものの横断側面図である。
【0001】
本出願は、2001年6月25日出願の米国仮特許出願第60/300,629号の利益を請求する。
発明の分野
本発明は、粒子を圧縮して錠剤等の凝集体にすることに関する。詳しくは、本発明は、圧縮コーティング(compression coating)の方法に関する。本発明の分野は、圧縮コーティング用の装置、およびコーティング錠剤(coated tablet)または部分コーティング錠剤(partially coated tablet)等の圧縮コーティング組成物も包含する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
新しい生物活性物質は、硬ゼラチンカプセル剤中へ被包するための流動性(free-flowing)顆粒として最初に製剤化されることが多い。臨床的開発の経過にわたって、薬物含有顆粒は、錠剤製品へと圧縮可能になるように改変されることが多い。錠剤を製造する多数の既知の方法の要旨については、本明細書中に引用して援用される、Remington's Pharmaceutical Sciences,16thedition, Arthur Osol et al., eds. (Mack Pub. Co., 1980), pp. 1553-1576 を参照のこと。錠剤製品は、引き続き、味のマスキング、識別、または他の目的のためにコーティングしうる。錠剤コーティングの多数の既知の方法の要旨については、本明細書中に援用される、上記のRemington's, at pp. 1585-1593 を参照のこと。
【0003】
今日の圧縮コーティング製品は、特化した装置において二つの別個の操作により、すなわち、伝統的な錠剤プレスでのコア錠剤の製造;引き続いて、圧縮コーティング顆粒の適用;により、行われる。このような圧縮コーティング製造法は、外側圧縮コーティング材料中にコア錠剤を被包するため、比較的複雑な機械を必要とする。
【0004】
Manesty Dry Cota 錠剤プレスは、圧縮コーティング錠剤を作製するやや異なった方法を使用し、この場合、コアおよびコーティング錠剤は、同時ではあるが別個のプレス区域で作製された後、一緒にされて圧縮される。Gunsel, W. C. "Compression-Coated and Layer Tablets", in Pharmaceutical Dosage Forms : Tablets, Volume 1, H. A. Lieberman and L Lachman(eds.), Marcel Dekker, New York, pp.187-224 (1980) を参照のこと。この機械は、比較的複雑な二重タレットプレス(基本的には、二つの共同した錠剤プレス)であり、この場合、コアは、片側のプレスで成形された後、もう一方の側に移され、そこで圧縮コーティングを適用される。
【0005】
より最近になって、圧縮コーティング錠剤(compression-coated tablet)を製造するため、上記の方法および材料の改善が行われている。Gunter Voss による発明についてのWO01/15889Al号は、圧縮チャンバー並びに上方および下方のパンチを有する錠剤プレスの使用を開示する。その公報の図1は発明の装置を示しており、この装置には上方スタンプ、下方スタンプおよび圧縮チャンバーが含まれ、ここで、上方スタンプのチップエンドおよび下方スタンプのトップエンドは、圧縮チャンバーの一端からもう一端へ伸長する開口部に適合するように設計されている。下方スタンプのトップエンドには、「それ自体閉じている(closed in itself)」(Abstract)突起が含まれる。図1に示されるその発明の態様において、上方スタンプのチップには、圧縮チャンバーに向けてチップ表面から伸びるロッド様構造体が含まれる。圧縮錠剤は、そこに開示された装置を用いて:下方パンチ中の突起によって囲まれている下方パンチの表面をコア材料でコーティングし、そしてそこにコーティング材料を加えた後、上方スタンプおよび下方スタンプで圧縮することによって製造されるか;または、圧縮チャンバー中の下方パンチにコーティング材料を加え、下方パンチの突起によって囲まれているコーティング材料の表面にコア材料を加えた後、圧縮を行うことによって、錠剤が製造される。
【0006】
コーティング錠剤を製造するもう一つの方法は、Gunter Voss による発明についての米国特許第20010123号に開示されている。その方法は、上方および下方パンチを含む少なくとも一つの圧縮チャンバーと錠剤コアの供給装置とを有する錠剤プレスとを使用する。錠剤の下半分のためのコーティングをチャンバー中に入れ、予備圧縮し、その予備圧縮されたコーティングに、「分散助剤中の内容物のペースト状調製物(pasty preparation of contents in a dispersing agent)」の形態のコア材料を加え、そして錠剤の上半分のためのコーティングをコア材料の上部に加えた後、最終圧縮工程を行う。
【0007】
錠剤は、それらの投与が容易であり、製造費用が低く、簡潔(elegant)であるため、しばしば、他の投与形と比較して好適であり広く用いられる。しかしながら、既存の技術で可能であるよりも効率よく圧縮錠剤を作成するための新規で改良された手段が常に要求される。既知の方法を用いて圧縮された場合に容易に凝集体を形成しない材料の圧縮錠剤を作成することも要求される。例えば、既知の方法では凝集錠剤を形成することが容易ではないコアまたはコーティング材料の顆粒またはブレンドについて、圧縮コーティング錠剤を成形するための方法および装置が要求されている。最後に、既知の圧縮錠剤では実現できない構造的および機能的特徴を有する圧縮コーティング錠剤を成形するための方法および装置が要求されている。本発明は、下に示される通り、これら要求を全て満たす。
【発明の開示】
【0008】
発明の要旨
本発明は、錠剤コア及びコアを含有する完全な圧縮コーティング錠剤を、単一タレット(turret)の錠剤プレスの1回転中に製造する、圧縮コーティングのための錠剤プレスに関する。
【0009】
本発明の錠剤プレスは、外側ヘッドから外側チップに伸長するシャフトを有する新規な上方パンチと、このシャフト内に含有される可動性コアロッドとを含む外側中空パンチを使用する。外側中空パンチの外側チップは、ダイの開口部に適合するように設計されている。この外側チップに最も近いコアロッドの端をロッドチップと称し、外側ヘッドに最も近いコアロッドの端をロッドヘッドと称する。本発明の上方パンチは、ロッドチップが外側中空パンチの外側チップから伸長している伸長した配置(extended configuration)と、ロッドチップが外側チップと実質的に一直線上にある収縮した配置(retracted configuration)との間を、シャフト内のコアロッドの移動によって移動するように設計されている。上方パンチのこの特徴により、同じパンチを伸長した配置及び収縮した配置で使用して、本発明の錠剤圧縮法を実施することが可能になる。
【0010】
本発明は更に、伸長した配置および収縮した配置の両方で上方パンチを使用するように設計されている、上方パンチを含む錠剤プレスに関する。
本発明は更に、粒子を圧縮して錠剤にする方法であって、コア材料を、ダイ中のコーティング材料のカップ中に置き;このコア材料を、伸長した配置の上方パンチでカップ中にプレスし;そして、収縮した配置の上方パンチを用いて、カップを圧縮する;方法に関する。本発明の方法は、多数の異なった生物学的活性物質のいずれか一つを含有するコーティング錠剤または部分コーティング錠剤を含めた広範囲の異なった錠剤を作成するために用いることができる。一つの態様において、この方法は、全面にコーティングされた錠剤を作成するために用いられる。もう一つの態様において、この方法は、異なった色のコーティング材料およびコア材料の層を有する錠剤を製造するために用いられる。さらにもう一つの態様において、この方法は、異なった色のコア材料が露出している表面上の1以上のスポットを除く全ての所がコーティングされて、識別可能な外観が生じている錠剤を製造するために用いられる。もう一つの態様において、この方法は、上部表面を除く全ての所が非湿潤性または耐水性コーティング材料でコーティングされ、上部表面は生体接着性物質又は半透性膜等の別のコーティング材料でコーティングされた錠剤を製造するのに用いられる。
【0011】
本発明は、更に、本発明の方法によって製造されたコーティング錠剤に関する。
本発明は、様々なコア材料(別の方法では錠剤に成形することができないと考えられるコア材料を含む)の錠剤を、既知の方法または装置を用いて製造するための方法および材料を提供する。本発明の方法、製品および装置の使用についての追加の利点は、本明細書中の以下の残りの開示から明らかになるであろう。
【0012】
発明の詳細な説明
本出願は、圧縮コーティング錠剤の形態の錠剤投与形を製造する手段を提供し、このような錠剤を、容易にはコンパクトを形成しない顆粒またはブレンドから成形する手段を提供することが含まれる。圧縮コーティング用の顆粒またはブレンドは予め製剤化されて、そのコーティングに望まれる機能性を与えることができる。本明細書中に記載の投与形を製造するための唯一の要件は、コア材料が、製造の間にダイ中に流動する能力を有しなければならないということである。記載された方法は、最小限の製剤開発研究で圧縮コーティング錠剤投与形を製造するのに用いることができる。
【0013】
本発明の方法では、コア材料を、コーティング材料のカップ中に置き;伸長したチップを有する上方パンチを用いてカップ中にプレスし;その後、コア材料を含有するそのカップを、収縮したチップを有する上方パンチで圧縮し;錠剤を成形する。伸長した配置の上方パンチを用いて、このカップを予備成形してもよく、この方法の追加の工程として成形してもよい。コーティング材料の少なくとも一つの追加の層を、最終圧縮工程の前に加えることもでき、追加の層のコーティング材料は、カップを製造するのに用いられるコーティング材料と同じであっても異なってもよい。
【0014】
本明細書中で用いられる「ダイ」という用語は、圧縮錠剤の製造において用いられる器具であって、ダイの上部表面から底表面に伸長するキャビティを画定する壁を有するものを意味する。ダイのキャビティは、上方パンチおよび下方パンチがこのキャビティの向かい合った端に挿入された場合、これら二つのパンチの間で材料を保持し、プレスするか圧縮するように設計されている。下方パンチの端は、本発明の方法の各々の工程において、ダイのキャビティ中に存在する。
【0015】
本明細書中で用いられる「伸長した配置の上方パンチ」という用語は、上記の通り、上部表面のキャビティ開口部を通ってダイに挿入されるように設計されている配置の上方パンチを意味し、ここで、ダイに挿入されるパンチの端は、パンチの残り部分から伸長するロッドを含む。この伸長した配置の上方パンチは、材料を含有するダイの開口部に挿入された場合、材料を開口部の周縁にプレスするというよりもむしろ、材料の中心部を開口部の奥へさらにプレスするよう、設計されている。
【0016】
本明細書中で用いられる「収縮した配置の上方パンチ」という用語は、ダイに挿入された場合、実質的に全ての材料をダイで圧縮するのに用いることができる配置の上方パンチを指す。本発明の方法および装置で用いるのに適した、収縮又は伸長した配置の上方パンチの態様の具体的な例については、本明細書中の残りの開示を参照のこと。
【0017】
本発明の方法は、本発明の少なくとも一つの上方パンチおよび少なくとも一つのダイを用いて実施され、好ましくは、伸長したチップ配置および収縮したチップ配置の両方の上方パンチを与えるように設計された回転式錠剤パンチプレスの全ての場所に適合するのに充分な上方パンチおよびダイを用いて実施する。
【0018】
本発明の錠剤を製造するために用いられる装置は、好適には、伝統的な二層または三層錠剤プレス等の伝統的な回転式錠剤プレスの簡単な改変に基づいている。本発明の方法では、コア材料をダイ中のコーティング材料のカップに加えた後、伸長した配置の上方パンチによってプレスし、そして、収縮した位置の上方パンチによって圧縮する。このカップは、ダイに導入される前に予備成形することができる。或いは、ダイにコーティング材料を加え、伸長した位置の上方パンチを用いてそこでそれを圧縮することによって、ダイ中でカップを成形する。本発明の方法の態様は、コア錠剤の別個の成形を必要としない。したがって、コーティング前にコアを別途成形することなく、コア材料およびコーティング材料を凝集錠剤に成形することができる。
【0019】
図1は、本発明の上方パンチの態様(伸長した配置(図1A)および収縮した上方パンチ配置(図1B)にある)の下方端を示している。図1Aは、外側チップ2、コアロッド3、及びロッドチップ4を有する外側中空パンチ1を示し、外側中空パンチ1の外側チップ2から伸長して、伸長したパンチを形成する。外側チップ5の表面の厚みは、上方パンチのこの態様を用いて成形される任意のカップの壁の厚みを決定する。図1Bは、収縮した配置の外側中空パンチを示し、外側チップ2およびロッドチップ4の外縁が一直線上にある。
【0020】
ロッドチップおよび外側チップは、本発明の方法で用いられる場合、好ましくは、凝集圧縮錠剤の成形を確実にする形状または無関係の形状を有する。外側チップおよび外側ロッドの最も好ましい形状は、コーティング材料、コア材料、またはコーティング材料およびコア材料の組合せの特性に依存して異なるであろう。圧縮される材料の少なくとも一つが流動可能な材料の形態である場合、円錐ロッドチップ形状では円錐が外側中空パンチの表面から突き出ているため、本発明の方法の各々の段階で圧縮される材料が容易に半径方向に移動できるようになる。円錐の形状の場合、外側チップ及びロッドチップは、外側中空パンチの表面に対して、互いに異なった角度をとりうる。
【0021】
好ましくは、外側チップおよびロッドチップの両方とも、外側中空パンチから同じ角度で外側へ尖った壁を有し、上方パンチが収縮した配置にある場合、互いに並んで単一の円錐パンチチップ形状をもたらす。角度のついた外側チップは、タンピング工程が行われた後に、外側チップ上に堆積した材料をカップ中にスライドさせる(機械振動によって助けられてよい)のにも好適である(例えば、下の図3における工程9を参照されたい)。任意のタンピング工程は、カップのリップ上のコアブレンドがカップ中にスライドするためのスペースを作ることをも確実にする。外側チップおよびロッドチップの角度は、好ましくは、独立して、約0°〜約45°、より好ましくは、約5°〜約25°、さらにより好ましくは約5°〜約15°、さらにより好ましくは約10°である。
【0022】
上方パンチの一つのこのような態様を図1AおよびBに示すが、ここでは、外側チップ2の表面もパンチチップ4の表面も各々、約10°の均一な角度で外側中空パンチのチップから突き出て、円錐の形状として示される。上方パンチのこの態様が収縮した配置である場合、外側チップ2およびパンチチップ4が並んで形成される収縮したチップも円錐の形状であり、外側中空パンチ1のチップから約10°の角度をとる。
【0023】
本発明者は、カップを成形することを試み、伸長した位置の上方パンチによって一定のコーティング材料をプレスする場合、パンチチップおよび外側チップが両方とも平らであると、コーティングブレンドは、充分に圧縮された壁を形成するよう半径方向に移動するという傾向がないことを発見した。このような上方パンチは、充分に圧縮されている底部を有するこのような材料のカップをもたらすことが判明したが、各々のカップの壁は、不充分にしか形成されなかった。得られたカップは、カップからパンチチップを引き抜く際に砕ける傾向があった。
【0024】
三層錠剤プレスでコーティング錠剤を作成するための本発明の方法の使用を、図2の工程1〜15に詳しく説明する。全工程で同じ装置を用いる。この装置を工程1に詳細に示すが、これは上方パンチ12を、コアロッド9、及び、外側中空パンチ11の壁によって形成される中空シャフト10と一緒に示し、コアロッド9にはパンチチップ13が含まれる。上方面14を有する下方パンチ16は、この方法の間中、コア材料のカップの表面と接触しているように設計されている。ダイ15は、この方法の様々な工程において材料を圧縮するため、上方パンチおよび下方パンチ各々の一端を受容するように設計されている。
【0025】
図2の残りの工程は、本発明の方法によってコーティング錠剤を製造するための工程1に示される装置の一つの好ましい使用を説明する。工程2において、第一フィルシュー(fill shoe)16を用いて、コーティング材料17をダイの開口部に導入する。工程3は、この第一フィルシュー16が除去された後の、未圧縮コーティング材料17を充填したダイの開口部を残している装置を示す。工程4は、伸長した配置(すなわち、外側中空パンチ11に対して下降したコアロッド9を含む)の上方パンチを示し、このパンチは、コア材料17を圧縮してカップ19(次の工程に示される)を成形するのに用いられる。工程5は、上方パンチが上昇しダイから除去された後の、ダイ中にコア材料のカップ19を有する装置を示している。工程6では、コア材料20を、第二フィルシュー21を介してカップ19に導入する。工程7は、第二フィルシュー21が除去された後の、未圧縮コア材料22をカップ中に残している装置を示す。工程8では、伸長した位置にある上方パンチをダイに挿入し、カップ内のコア材料をタンピングする。工程9では、上方パンチをダイから除去し、そして過剰の材料は、カップのリップからカップ19中のタンピングされたコア材料の上にスライドしてよい。工程10では、第三フィルシュー23を用いてコーティング材料24をダイ中に導入し、コア材料22の表面を少なくとも部分的にコーティングする。工程11は、第三フィルシュー23が除去された後の、未圧縮コーティング錠剤25をダイ中に残している装置を示す。工程12では、収縮した配置の(すなわち、下方パンチに最も近い外側中空パンチの端と水平または実質的に水平になるように上昇したコアロッド9を含む)上方パンチを示す。工程12は、ダイのチャネル内部に、収縮した配置の上方パンチと下方パンチとの間に圧縮されているコア材料およびコーティング材料を含む装置を示している。工程13は、ダイから除去された上方パンチ;及び、それがダイの開口部を通って上に移動した後に、下方パンチ16の上方面14上のダイから引き上げられて得られた圧縮コーティング錠剤26;を含む装置を示す。工程14では、錠剤を装置から取り出すための準備において、圧縮コーティング錠剤26の隣に位置するノックオフ(knock off)プレート27を示している。工程15は、圧縮コーティング錠剤を、装置からそれが取り出されているように示している。
【0026】
図3は、中空外側パンチ32;並びに、その中空外側パンチ32内で可動性である、一端にチップ34及びもう一端にヘッド35を有するコアロッド33;を含む上方パンチの伸長した配置と収縮した配置とを、規則的でくぼみのある圧縮ローラーとヘッド35の接触を用いて交互に生じさせるための手段を説明する。図3Aは、このような上方パンチ31のコアロッド33のヘッド35と接触している伝統的な充実ローラー30の側面図であり、チップ34が伸長した位置にある配置を生じている。図3Bおよび3Cは、それぞれ、収縮した位置の上方パンチ31およびくぼみのあるローラー37の側面図および正面図であり、この位置は、コアロッド33のヘッド35が、ローラーの表面からそこにあるくぼみに移動してチップ34を中空外側パンチ32中に収縮させたことによる。
【0027】
上記の本発明の方法の態様は、三層プレスへの簡単な改変による圧縮コーティングの手段を提供する。伝統的な圧縮コーティングを上回る本発明の方法の利点が多数存在する。コアを別個に成形することは必要とされないので、コアのための移動機構は必要とされない。同様に、コーティング材料床(bed of coating material)上のこのようなコアの心出し(centering)は、この方法の要素ではない。この要素が除かれることにより、制御放出用途において放出プロフィールの再現性が改善される。更に、コアが圧縮性である必要はなく、コアとコーティングとの間の接着性も必要ではない。簡単で非圧縮性であるが流動性のある顆粒は、そのコーティングブレンドが充分に圧縮性である限り、本発明の方法を用いて錠剤にすることができる。
【0028】
本発明の圧縮錠剤を製造する方法で用いるのに適当なコーティング材料には、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、およびアクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステルのポリマーおよびコポリマーなどのポリマー;ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのゲル化ポリマー;脂肪酸のグリセリド、脂肪酸および脂肪族アルコールなどの脂質;ラクトース、スクロース、マルトース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、微結晶性セルロースおよび粉末セルロースなどの炭水化物;およびリン酸二カルシウムが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0029】
他の賦形剤には、例えば、希釈剤、崩壊剤、結合剤、接着剤、湿潤剤、ポリマー、滑沢剤、滑走剤、不快な味またはにおいをマスクするまたはそれに対抗するために加えられる物質、フレーバー、ダイス(dies)、芳香剤、および組成物の外観を改善するために加えられる物質が含まれうるが、これらに制限されるものではない。
【0030】
いずれの生体活性物質も、本発明に組み込まれうる。好ましくは、生体活性物質は、哺乳動物、例えば、ヒトに経口で供給可能な薬物である。生体活性物質は、好ましくは、コア中に存在する。しかしながら、それは、本発明の方法で用いられる少なくとも一つのコーティング材料中に存在することもできる。
【0031】
本発明の方法でまたは本発明の錠剤に用いるために選択される具体的なコア材料およびコーティング材料は、最終製品に望まれる具体的な特性に依存するであろう。エンドユーザーによる混乱を防止するために、本発明の錠剤を他のこのような製品と区別する特徴的な外観が望まれる場合、コーティング材料と、異なった色のコア材料の少なくとも一つの層とを用いて製品を製造できる。例えば、コア材料とは異なった色のコーティング材料の予備成形されたカップを用い、この場合、このカップは、圧縮後の錠剤の表面上に未コーティングコア材料のスポットを残すように設計される。この未コーティングコア材料のスポットは、本発明の錠剤を他の手段によって製造された錠剤と区別する多数の記号のいずれか一つでありうる。この未コーティングコア材料のスポットは、好ましくは、簡単な多角形、より好ましくは、三角形、ダイヤモンド形、正方形または円の形状である。
【0032】
識別可能な外観を有する本発明の錠剤を製造するもう一つの方法は、カップコーティング材料とは異なった色である少なくとも1層のコーティングを用いて、本発明の方法によって錠剤を製造することである。二つ以上の追加の層を用いる場合、追加のコア材料層は、好ましくは、コーティング材料の各層の間に置かれる。
【0033】
ワックス材料または不溶性若しくは疎水性のポリマー等の不透水性または水に不溶性であるカップコーティング材料を用いて、識別可能な放出性を有する本発明の錠剤を製造することも適切である。このようなカップコーティング材料を、活性物質およびゲル化ポリマーを含むコアと一緒に用いる場合、錠剤の消化後の活性物質の放出は、より正確に制御することができる。具体的には、活性物質が放出される錠剤の唯一ではないとしても主な表面は、ゲル化ポリマーの表面による。ゲル化ポリマーマトリックスおよび放出速度は、例えば、マトリックス中のゲル化ポリマーのタイプおよび濃度を制御することによって、又は、放出速度を制御するマトリックスに賦形剤を加えることによって、制御することができる。
【0034】
本発明の錠剤は、このような不溶性または不浸透性カップ中で(例えば、上記のものなど)、活性物質および生体接着性ポリマーを含むコアを圧縮することによっても適切に製造される。本発明の錠剤のこの態様は、口腔内または舌下表面に向けた生体接着性コアで適切に口腔内に適用される。カップコーティング材料は、活性物質が口中に浸出するのを制限するが、この活性物質は吸収され、したがって、味の悪い活性物質によって起こりうる問題を最小限にする。
【0035】
本発明の錠剤は、薬物などの生物学的活性物質および浸透圧活性物質を含む内部コア材料の層を、透水性でも水溶性でもないコーティング材料を含むカップ中に入れ;そのコア材料を、伸長したチップを有する上方パンチを用いてカップ中にプレスし;圧縮錠剤の成形後に半透性になる外側コーティング材料の層を加え;そして収縮したチップを有する上方パンチを用いてこのカップを圧縮する;工程を含む方法によっても適切に製造される。本発明の錠剤を製造する方法は、好ましくは、内部コア材料および外側コア材料の少なくとも一つの層を加え;各々の層をカップ中にプレス後、最終圧縮工程を行う;追加の工程を更に含む。本発明の錠剤のこの態様は、消化後の単一時点での薬物放出を提供する。この製品を製造する方法は、時限放出ゼラチンカプセル剤よりも有効であり、設計の自由を可能にする。他の賦形剤が全て注意深く選択されるという条件において、ゼラチンカプセル剤とは異なり、本発明の錠剤は、厳格な菜食主義者に受け入れられるはずである。
【0036】
錠剤および錠剤を製造する方法に加えて、本発明は更に、粒子を圧縮して錠剤にするためのパンチにも向けられ、このパンチは、一端にパンチヘッドおよびもう一端にパンチチップを有する外側中空パンチ;パンチヘッドからパンチチップまで伸長した中空シャフトを画定している外側中空パンチの壁;および、その中空シャフト内に含有される可動性コアロッド;を含み、パンチチップに最も近い端にロッドチップを、パンチヘッドに最も近い端にロッドヘッドを含む。このパンチチップの表面およびロッドチップの表面は、ロッドチップおよびパンチチップが並んでいる場合、好ましくは、円錐表面を形成する角度にある。
【0037】
本発明は、更に、本発明の上方パンチを少なくとも一つ含む回転式錠剤プレスに関する。本発明の錠剤プレスは、好ましくは、本発明の上方パンチ、下方パンチ、およびこのパンチの各々の圧縮場所(compression station)にあるダイを更に含む。本発明の上方パンチは、本発明の好ましい錠剤プレスに、多数の他の既知の錠剤製造手段と比較して、相当の多用性および製造の容易さをもたらす。
【0038】
本発明の錠剤プレスは、好ましくは、外側中空パンチに関してコアロッドの移動を導くように設計された周囲溝を有する少なくとも一つのローラーを更に含む。より好ましくは、上方パンチのロッドヘッドが周囲溝中にあり、パンチヘッドが溝の外のローラー表面と接触している場合、このパンチは収縮した配置にある。この錠剤プレスは、好ましくは、周囲溝を含まない少なくとも一つのローラーを更に含む。好ましくは、ロッドヘッドおよび上方パンチがこの周囲溝を含まないローラーと接触している場合、ロッドチップはパンチチップの表面を越えて伸長し、そしてパンチチップは伸長した配置にある。
【0039】
本発明の錠剤を作成する場合に用いるのに適した錠剤プレスは、本明細書中に援用される、Kilian, F., "New and Improved Method and Apparatus for the Production of Coated Tablets," British Patent 464, p. 903 (1937) に記載されたのとほぼ同様の特殊な中空上方パンチ器具を用いることにより、三層プレスへの比較的簡単な改変を行うことによって作成することができる。このような錠剤プレスは、本発明の錠剤の商業生産に用いるのにきわめて適合していると考えられる。本発明の圧縮コーティング錠剤を製造するための改変された上方パンチを商業的に使用する例は、本明細書中に前述した図2に詳しく説明されている。
【0040】
本発明の方法、装置および製品の他の利点としては、同じ投与形内の二つの不相容性薬物を物理的に分離することなども考えることができる。これは、多層錠剤または圧縮コーティング剤形を用いることによって一般的に達せられる。しかしながら、既知の方法によって製造された多層錠剤は、本発明の方法によって製造された圧縮コーティング錠剤の多用性を有していない。本錠剤は、その投与形からの薬物の放出プロフィールを要求通りにする(tailor)ように容易に改変することができる。この方法は、本明細書で以下に詳しく説明される、カスタマイズ可能な(customisable)遅延放出または徐放性の投与形の迅速な開発を可能にする。本発明の特別に適合された三層錠剤プレスの設計も、本発明の錠剤を商業規模で製造するために改変された器具および圧縮ローラーと一緒に、本明細書中に提示される。
【0041】
本発明の製品、装置および方法の多数の他の用途も考えることができる。そのままの薬物(neat drug)が充分な流動性を有する場合、それは、好ましくはコアのカップ中に直接的に充填される。本発明の方法は、圧縮錠剤のコアまたはコーティング中に同じまたは異なった薬物の薬物ブレンドまたは多重層を包含するように改変することもできる。したがって、本方法は、予備成形された慣用的な硬ゼラチンカプセル剤中への顆粒の充填に代わる安価で多用性のある代替物を提供し;薬物または薬物含有粒子は、硬ゼラチンシェル内の代わりに、予め製剤化され調製されたコーティングブレンド内に被包される。本明細書中に示されるように、最も圧縮性の乏しい物質でも、充分に圧縮性のコーティング顆粒を用いるならば、錠剤として提示することができる。
【0042】
この技術の様々な他の用途が考えられる。コアからの薬物の放出は、時限放出投与形を製造するように容易に調節することができるということが既に示されている。フリーの薬物結晶、薬物賦形剤ブレンド、顆粒、ミクロスフェアまたはビーズは、本発明の錠剤のコア内部に容易に被包することができる。同様に、適当なポリマーを外側コーティング中に用いるならば、Fukui, E. et al., "Preparation of enteric coated timed-release press-coated tablets and evaluation of their function by in vitro and in vivo tests for colon targeting," Int.J. Pharm. 204: 7-15 (2000) に記載の通り、腸溶の圧縮コーティング剤形を製造することが可能である。本発明の方法は、Hadfield, P. J. et al., "The Potential Use of Compression coating in the Blinding of Clinical Trial Supplies," Drug. Dev. Ind. Pharm. 13: 1877-1190 (1987) に記載の通り、不快な薬物の味をマスクし臨床研究についてそれらを判らなくすることができる。適切に味をマスクされた粒子として薬物を含有するコアと共に急速溶解性糖類からなるコーティングブレンドを用いることによって、経口溶解性錠剤も容易に製剤化しうると考えられる。
【0043】
併用薬物製品も、Oth, M. et al., "Arthrotec Part I : Conception of a product combining Misoprotol 200 mcg and ECDiclofenac Sodium 50 mg," J. Pharm.Belg. 48 (2): 153 (1993) に記載の通り、コア中のものとは異なった薬物を含有するコーティングブレンドを用いることによって製剤化しうると考えられる。反復作用錠剤は、パルス送達を達成するため、コーティングブレンド、及び、コアブレンド中にそれぞれ薬物を包含することによって製造しうる。
【0044】
下の実施例で用いられる材料および方法は、単に例示的なものである。他の適切な賦形剤材料、および、本発明を実施するか又は本発明の圧縮コーティング錠剤を製造する方法も、用いることができる。本発明の錠剤の製造には、製剤的に許容しうる任意の賦形剤を用いることができる。
【実施例】
【0045】
実施例1−用いられる材料および方法
微結晶性セルロース(Avicel PH200)は、FMC Corporation(Philadelphia, PA)から入手した。様々な分子量を有するポリエチレンオキシド(以下、「PEO」)は、Union Carbide(Danbury, CT)から入手した。ステアリン酸マグネシウムは、Mallinckrodt(Phillipsburg, NJ)から入手し;テオフィリンおよびアセトアミノフェンは、Sigma Chemical Company(St. Louis, MO)から入手した。
【0046】
単一パンチプレスからの9/16”成形型を改変して、本発明の上方パンチの伸長した配置および収縮した配置をシミュレートする上方パンチを製造した。3個の上方パンチを、図1Aに示されるように機械加工して、「伸長した」配置の本発明の上方パンチの下方端の形状をシミュレートした。これら3個の上方パンチを異なった寸法に機械加工して、厚い壁(4.8mm)、中間の壁(4.1mm)または薄い壁(3.2mm)を有するカップを製造した。別の上方パンチを図1Bに示されるように機械加工して、「収縮した」配置の上方パンチの下方端の形状を模倣した。下方パンチは平面であった。上記のように製造された各々の上方パンチは、上記の「伸長した」または「収縮した」端において円錐形の形状を有する円筒形であり、反対の端において平面であった。
【0047】
実施例2−全面コーティングされた錠剤の製造
実施例1に記載の通り製造された上方パンチおよび下方パンチを、各々の対のパンチに適合するように構成されたダイとともに、Carver Press(Wabash,IN)中に入れた。注意深く秤量した一定量の粉末ブレンド(以下、コーティングブレンドと称する)をダイ中に置き、図1aに示されるタイプの器具で、このプレス中において既知の力で圧縮して、カップ形の錠剤(カップ)を製造した。この実施例で用いられるコーティングブレンドの組成を、下の表1および表2に挙げる。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
このカップをダイ中に残し、そして既知量のモデル薬物または薬物含有ブレンドをカップ内に置き、「伸長した」パンチで軽くタンピングした。秤量した一定量のコーティングブレンドをダイ内容物の上に入れた後、これを「収縮した」パンチで既知の力で二回目の圧縮を行い、最終コーティング錠剤を製造した。
【0050】
実施例3−コーティング圧縮錠剤の試験およびキャラクタリゼーション
実施例2に記載の通り製造された錠剤からの薬物放出を、USP溶出試験機 2型(Vankel Industries, Edison, NJ)で研究した。37℃の蒸留水を溶解媒質として、100rpmのパドル速度で用いた。放出された薬物の量は、溶解媒質を定期的な間隔で自動サンプリング後、287nmでのUV分光測光検出によって監視した。錠剤の硬度は、硬度試験機(Key International,Englishtown, NJ)で測定した。
【0051】
実施例4−三層プレスでの錠剤の製造
本発明の上方パンチを有する改変された三層プレスを用いて、圧縮錠剤を製造する。この錠剤プレスには、標準的なローラーと、周囲溝を有するローラーが含まれる。上方パンチは、外側中空パンチと、内部コアロッドを含有する中空シャフトとを含み、そのロッドの一端が、収縮可能なロッドチップをもたらす。このコアロッドは、外側中空パンチのシャフトの長さに沿って作動し、シャフトより長い。この上方パンチが錠剤プレス中の圧縮ローラーの下を通り、ロッドの上方端が中空パンチのヘッドと同じ高さになった時、上方パンチは、伸長した配置にある(例えば、図3A)。上方パンチが、周囲溝を有する特別に改変されたローラーの下を通った時(例えば、図3B)、ロッドヘッドは、くぼんだ溝の中に収縮して、コアロッドのチップと中空パンチの環状チップとが互いに同じ高さであるようになって、上方パンチを収縮した配置にする。
【0052】
圧縮錠剤は、上記の改変された三層錠剤プレスで、上の図2に詳しく説明した15工程手順にしたがって製造する。図2に示された順序は、区別可能な6段階、すなわち、3回の充填および3回の圧縮の段階からなる。工程1〜5までは、カップの成形を示している。第一充填場面(station)において、コーティング顆粒をダイ中に供給し、第一圧縮イベントにおいて、ダイ中に残るパンチの伸長したチップがカップを成形する。錠剤プレス上のカムトラック(図3に示されていない)を調節して、カップが、ダイの上部にきわめて接近して成形されるようにする、すなわち、カップのリップは、ダイの上方面に接近しているようにする。第二充填場面において、錠剤中に被包されるコアブレンド(薬物または薬物含有顆粒)をカップ中に供給する。第二圧縮場面において、工程7〜9で示す伸長した位置にある上方パンチによって、コア材料を軽くタンピングする。工程10では、第三充填場面において、コーティング顆粒を、リッドとして役立つように再度ダイ内容物の上に重層する。最終圧縮場面において、上方パンチは、特別なくぼみ/溝のあるローラーの下を通るので、チップは収縮し;このため、工程10〜15に示す通り、ダイの内容物全体が圧縮されて本発明のコーティング錠剤を成形することを可能にする。
【0053】
実施例5−圧縮性の乏しい材料からの錠剤の製造
実施例1に記載の通り製造された、「伸長した」および「収縮した」配置をシミュレートした上方パンチを用いて、実施例2に記載の通り、平面の下方パンチおよび該当するダイを用いるCarver プレスで圧縮コーティング錠剤を製造した。これら錠剤は、1000lb圧縮力をカップに用いた後、コア材料を手動タンピングし、ダイ内容物(カップ、コアおよびリッド)を様々な圧縮力で最終圧縮を行って製造した。本発明のカップおよび圧縮コーティング錠剤を、Avicel PH200から、図1Aによる器具を用いて製造した。
【0054】
上の器具を用いて、3種類の圧縮性の乏しい物質、ステアリン酸マグネシウム、アセトアミノフェンおよびゴムディスクを含有する本発明の圧縮コーティング錠剤を、Carver プレスで製造した。各々の場合に、きわめて圧縮性の物質である Avicel PH200をコーティングブレンドとして用いた。これらカップを1000lbの力で成形し、そして最終圧縮は、1000lb、2500lb、または4000lbで行った。これら実験のコーティング、リッドおよびコア材料の各々の量を表1に示す。図5は、これらコンパクトの様々な圧縮力での破砕強度を、純粋な Avicel PH200から製造されたコンパクトと比較して示している。Avicel から作成されるコンパクトは、上の実施例2に記載の製造方法に類似した3工程法でも製造した。
【0055】
この場合に用いられた方法は、圧縮性の乏しい材料から無傷の(intact)コンパクトを成形する能力を実証した。アセトアミノフェンおよびステアリン酸マグネシウムのコンパクトの破砕強度は、1000〜4000lbの圧縮力の増加とともに増加したが、純粋な Avicel PH200から同じ圧縮力で製造されたコンパクトの場合より有意に低下した。4000lbで作成された Avicel コンパクトは、硬度試験機の範囲を超える硬度値を有した。圧縮力が2500lbを超えると、圧縮力を増加するにつれてゴムコンパクトの破砕強度が増加するようではなかった。これは、圧縮力を高くすると錠剤内に蓄積される弾性エネルギーが高くなることを示唆するものであり、これがコンパクトの強度を減少させている。
【0056】
実施例6−制御放出錠剤の製造
Kim, C.J., "Drug release from compressed hydrophilic PEO-WSR tablets," J.Pharm.Sci. 84: 303-306 (1995) に記載の通り、速度を制御する親水性ポリマーとして異なった量およびタイプのPEOを含有するコーティングブレンドを用いて、本発明の圧縮コーティング錠剤をCarver プレスで製造した。Fast-Flo Lactose 316を充填剤として用い、そして0.5%ステアリン酸マグネシウムを、滑沢剤として作用するように各々のブレンドに加えた。コア材料は、純粋なテオフィリンかまたはPEOとテオフィリンのブレンドを含んだ。本発明の圧縮錠剤を製造するのに用いられた様々なコーティングブレンドは、上の表2に示されている。
【0057】
得られた錠剤からのテオフィリンの放出へカップ壁厚みがもたらす影響を、図5に示す。3.2mm、4.1mmおよび4.8mmの3種類の異なった壁厚みは、材料および方法の項に記載の通り、異なった寸法に機械加工された上方パンチを用いることによって製造できた。壁厚みが増加するにつれ、カップおよびリッドのためのコーティングブレンドの量を増加してパンチに用いた。薄い壁を有する錠剤は、中間の壁および厚い壁を有する錠剤(約200分)よりも早く(約120分)薬物を放出し始めた。
【0058】
薬物の放出が始まる前の遅延(遅れ)時間をより良く制御するため、コーティング中のポリマーの分子量を変更した。図6は、MW2,000,000のPEOを含有するコーティングでは、溶解媒質がそのコーティングを破るのに、そして薬物放出が始まるのに、ほぼ2倍長くかかるということを示している。MW4,000,000のPEOの場合、そのコーティングは、研究された放出時間に破られなかったと考えられるが;その代わり、薬物は、コーティングバリヤーを介して拡散していると考えられる。
【0059】
薬物放出が始まる前の遅延時間を制御する別のアプローチは、コーティングブレンド中にいろいろな濃度のポリマーを用いることであった。図7は、35%と50%のMW900,000のPEOを含有するコーティングを比較する。予想される通り、ポリマー濃度が高くなるほど、薬物の放出を遅らせる時間を長くすることができた。
【0060】
コーティングブレンド中への組み込みに加えてコアブレンド中にポリマーを包含することの影響は、図8に示す通り研究した。これら実験でのコーティングブレンドはMW900,000のPEOを含んだが、コアは、薬物と異なった分子量のPEOとの2:1ブレンドを含有した。各々の場合、薬物の放出はほぼ同時に始まったが、その後、比較的一定の速度でのより遅い薬物放出が行われた。予想される通り、上記のように製造された圧縮錠剤がコア中に含有するポリマーのMWが低いほど、薬物を放出はやや速くなった。しかしながら、MW4,000,000と、5,000,000のPEOを含有する錠剤からの薬物の放出速度には顕著な差がなかった。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、図1(A)に伸長した配置および図1(B)に収縮した配置の上方パンチの側面図を示す。この上方パンチのヘッド端は示されていない。
【図2−1】図2−1は、コーティング圧縮錠剤を製造するための本発明の上方パンチの使用を示す略図である。
【図2−2】図2−2は、コーティング圧縮錠剤を製造するための本発明の上方パンチの使用を示す略図である。
【図3】図3は、上方パンチが、図3(A)(側面図)に示される通り中実ローラーを用いた場合には伸長した配置であり、そして図3(B)(側面図)および図3(C)(正面図)に示される通りくぼんだ溝を有するローラーを用いた場合には収縮した配置であるよう、中空上方パンチのシャフト内でコアロッドを位置決めするための二つの異なったローラーの使用を示す。
【図4】図4は、圧縮性の乏しいコア材料を含有する本発明の錠剤の破砕強度を示す、破砕強度対圧縮力の棒グラフである。
【図5】図5は、様々な半径方向コーティング壁厚みを有する本発明の錠剤からのテオフィリンの放出を示すグラフである。コーティング=550mgブレンドA、コア=100mgテオフィリン、薄い(3.2mm)、中間(4.1mm)、および厚い(4.8mm)壁について、リッド=100mg、150mgおよび200mgのブレンドA。
【図6】図6は、2:1のテオフィリンと異なった分子量のPEOとのブレンドを含むコアを含有する本発明の錠剤からの放出プロフィールを示すグラフである。カップ=750mgブレンドA、コア=150mg 2:1の薬物:ポリマーブレンド、リッド=200mgブレンドA。
【図7】図7は、異なる分子量のPEOのコーティングを含む本発明の錠剤からのテオフィリンの放出プロフィールを示すグラフである。カップ=750mgポリマーブレンドA、BまたはC、コア=100mgテオフィリン、リッド=200mgポリマーブレンドA、BまたはC。
【図8】図8は、コーティング中に異なる量のPEOを含有する本発明の錠剤からのテオフィリンの放出を示すグラフである。カップ=750mgのコーティングブレンドAまたはD、コア=100mgテオフィリン、およびリッド=200mgのコーティングブレンドAまたはD。
【図9】図9は、コア材料がコーティングされておらず、錠剤の上部表面に露出している、本発明の錠剤の側面図である。
【図10】図10Aおよび10Bは、図10の錠剤の異なった態様であって、円形の露出したコア材料を有するものの側面図および平面図である。このコア材料は、好ましくは、周囲のコア材料とは異なった色である。
【図11】図11は、本発明の錠剤のもう一つの態様であって、薬物および浸透圧活性成分のコアが、不溶性ポリマーまたは脂質のカップ中に圧縮されて、そのコアの周りの側壁および底を形成し、コアの上部表面全体にわたる半透性ポリマープラグを有するものの横断側面図である。
Claims (47)
- (a)コア材料をダイのカップ中に置き、ここで該カップはコーティング材料を含み;
(b)該コア材料を、伸長した配置の上方パンチを用いて該カップ中にプレスし;
(c)該カップを、収縮した配置の上方パンチを用いて圧縮し、それによって錠剤を形成する;
工程を含む、錠剤の製造方法。 - コーティング材料およびコア材料が異なった色である、請求項1に記載の方法。
- コア材料の少なくとも一部分が錠剤の表面に露出している、請求項2に記載の方法。
- コーティング材料が不透水性であり水に不溶性である、請求項1に記載の方法。
- コアが活性物質およびゲル化ポリマーを含む、請求項4に記載の方法。
- コアが活性物質および生体接着性ポリマーを含む、請求項4に記載の方法。
- 工程(a)でカップ中に置かれるコアが、薬物および浸透圧活性物質を含む内側コア材料であり、
工程(b)後に該内側コア材料上に半透性外側コア材料を重層し;工程(c)の前に工程(b)を反復する;工程を更に含む、
請求項4に記載の方法。 - 工程(c)でカップを圧縮する前に、コーティング材料で作られた少なくとも一つの追加層を該カップに加える工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 工程(a)の前に、伸長した配置の上方パンチでコーティング材料をダイ中に圧縮することによってカップを成形する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
- 上方パンチが、中空シャフトを画定する壁を有する外側中空パンチと、該中空シャフト内に含有される可動性コアロッドとを含み、
該シャフト内の該コアロッドの移動によって、上方パンチが伸長した配置または収縮した配置を交互にとる、
請求項1に記載の方法。 - コア材料が、フリーの薬物結晶、薬物賦形剤ブレンド、顆粒、ミクロスフェアおよびビーズからなる群より選択される材料を含む、請求項1に記載の方法。
- コーティング材料が、親水性ポリマー、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、アクリル酸のポリマー、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸のエステルのコポリマー、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのゲル化ポリマーより選択されるポリマー;脂肪酸のグリセリド、脂肪酸、脂肪族アルコール、アルカンなどの脂質;ラクトース、スクロース、マルトース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、微結晶性セルロースおよび粉末セルロースなどの炭水化物;並びに、リン酸二カルシウム;からなる群より選択される賦形剤を含む請求項1に記載の方法。
- 錠剤プレスで行われる請求項1に記載の方法。
- 一端に外側チップを有しもう一端に外側ヘッドを有する外側中空パンチであって、該外側中空パンチの壁が該外側チップから該外側中空パンチを通って該外側ヘッドまで伸長する中空シャフトを画定する、外側中空パンチ;および
該中空シャフト内に含有されるコアロッドであって、該ロッドが該外側チップに最も近い端にロッドチップを有し、そして該外側ヘッドに最も近い端にロッドヘッドを有し、該シャフト内で可動性である、コアロッド;
を含む、錠剤製造用の上方パンチ。 - パンチチップおよびロッドチップが並べられた場合、該パンチチップおよび該ロッドチップが円錐表面を形成する角度にある、請求項14に記載のパンチ。
- 上方パンチを含む錠剤プレスであって、
上方パンチが
一端に外側チップを有しもう一端に外側ヘッドを有する外側中空パンチであって、該外側中空パンチの壁が、該外側チップから該外側中空パンチを通って該外側ヘッドまで伸長する中空シャフトを画定する、外側中空パンチ;および
該中空シャフト内に含有されるコアロッドであって、該ロッドが該外側チップに最も近い端にロッドチップを有し、そして該外側ヘッドに最も近い端にロッドヘッドを有し、該シャフト内での該コアロッドの移動により、該上方パンチの配置が伸長した配置から収縮した配置に変化する、コアロッド;
を含む、錠剤プレス。 - 錠剤プレスが回転式錠剤成形機である請求項16に記載の錠剤プレス。
- 中空シャフト内のコアロッドの移動を方向づける手段を更に含む請求項16に記載の錠剤プレス。
- 中空パンチ内のコアロッドの移動を方向づける手段が、周囲溝を有するローラーを含み、
該周囲溝の深さが、パンチの残り部分に関して該コアロッドの位置を制御する、
請求項18に記載の錠剤プレス。 - 周囲溝を有しない少なくとも一つのローラーを更に含む、請求項19に記載の錠剤プレス。
- (a)コア材料を、ダイ中のコーティングを含むカップに入れ、該カップはコーティング材料を含み;
(b)該コア材料を、伸長したチップを有する伸長した配置の上方パンチを用いて該カップ中にプレスし;
(c)該カップを、収縮したチップを有する伸長した配置の上方パンチを用いて圧縮し、それによって、コアおよびコーティングを含む錠剤を成形する;
工程を含む方法によって製造された錠剤。 - コーティング材料およびコア材料が異なった色である、請求項21に記載の錠剤。
- カップが、コア材料の一部分が露出した表面を有する錠剤を生じるように設計される、請求項22に記載の錠剤。
- コーティング材料が透水性でなく水溶性でない、請求項21に記載の錠剤。
- コアが活性物質およびゲル化ポリマーを含む、請求項24に記載の錠剤。
- コアが活性物質および生体接着性ポリマーを含む、請求項24に記載の錠剤。
- 工程(a)でカップ中に置かれるコアが、薬物および浸透圧活性物質を含む内側コア材料であり、
前記方法が、工程(b)後に該内側コア材料上に半透性外側コア材料を重層し;工程(c)の前に工程(b)を反復する;工程を更に含む、
請求項24に記載の錠剤。 - 工程(a)の前に、伸長したチップを有する上方パンチでコーティング材料をダイ中に圧縮することによってカップを成形する工程を更に含む、請求項21に記載の錠剤。
- 約0.01g〜約100gの重量を有する請求項21に記載の錠剤。
- 錠剤が水中に浸漬後に崩壊する、請求項21に記載の錠剤。
- コアが、圧縮性の乏しい物質を含む、請求項21に記載の錠剤。
- 錠剤が制御放出錠剤の形状である、請求項21に記載の錠剤。
- 錠剤が腸溶コーティングされている、請求項21に記載の錠剤。
- コアおよびコーティングの各々が少なくとも一つの生物活性物質を含む、請求項21に記載の錠剤。
- 錠剤が、少なくとも一つの生物活性物質を消化後に時限放出するために設計されている、請求項34に記載の錠剤。
- 錠剤が、消化後において少なくとも一つの生物活性物質のパルス放出を示す、請求項34に記載の錠剤。
- コアが、少なくとも一つの生物活性物質の第一部分を含み、
コーティングが、コーティング中に少なくとも一つの生物活性物質の第二部分を含み、
該第一部分および第二部分が、消化後に異なった放出速度を有する、
請求項34に記載の錠剤。 - コア材料が、フリーの薬物結晶、薬物賦形剤ブレンド、顆粒、ミクロスフェアおよびビーズからなる群より選択される材料を含む請求項21に記載の錠剤。
- 不快な味または臭いを有する少なくとも一つの生物活性物質をコア中に含む、請求項21に記載の錠剤。
- コーティングが、少なくとも一つの急速溶解性物質を含む、請求項39に記載の錠剤。
- 急速溶解性物質が、少なくとも一つの糖を含む、請求項40に記載の錠剤。
- (a)伸長した配置の上方パンチを用いてダイ中のコア材料をプレスすることによってコア材料のカップを成形し;
(b)コア材料をダイの該カップ中に置き;
(c)該コア材料を、伸長した配置の上方パンチを用いて該カップ中にプレスし;
(d)該カップおよびコア材料を、収縮した配置の上方パンチを用いて圧縮し、それによって錠剤を形成する;
工程を含む、錠剤の製造方法。 - 上方パンチが、中空シャフトを画定する壁を有する外側中空パンチと、該中空シャフト内に含有される可動性コアロッドとを含み、
該シャフト内の該コアロッドの移動により、伸長した配置の上方パンチおよび収縮した配置の上方パンチが交互に生じる、
請求項42に記載の方法。 - コア材料が、流動性粒状物の形状である請求項42に記載の方法。
- コア材料が、フリーの薬物結晶、薬物賦形剤ブレンド、顆粒、ミクロスフェアおよびビーズからなる群より選択される材料を含む請求項42に記載の方法。
- コーティング材料が、親水性ポリマー、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、アクリル酸のポリマー、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸のエステルのコポリマー、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのゲル化ポリマーより選択されるポリマー;脂肪酸のグリセリド、脂肪酸、脂肪族アルコール、アルカンなどの脂質;ラクトース、スクロース、マルトース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、微結晶性セルロースおよび粉末セルロースなどの炭水化物;並びに、リン酸二カルシウム;からなる群より選択される賦形剤を含む請求項42に記載の方法。
- 錠剤プレスで行われる請求項42に記載の方法。
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