JP2014053460A - 高周波回路モジュールおよびこれを備えた電気機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】シールド用の部材間の電気的接続を確実にするための突出部を形成する際にこれと同時に位置決め基準の候補となるマークを予め複数形成することにより、生産効率よくシールド用の部材を製作することができ、またテープ状部材等の取付けが高精度に行なえるとともに、設計段階や設計変更時等においても設計効率や生産効率の低下が防止できる高周波回路モジュールを提供する。
【解決手段】高周波回路モジュール1は、高周波部品32が搭載された回路基板30と、上部側シールドカバー10と、隔壁部22を有するシールドフレーム20とを備える。上部側シールドカバー10は、天板部11の下面に複数の突出部13を有し、天板部11の上面であってかつ複数の突出部13に対応した位置に複数の凹部14を有する。複数の突出部13は、隔壁部22に対向する位置に配置された第1突出部と、隔壁部22に対向しない位置に配置された第2突出部とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】高周波回路モジュール1は、高周波部品32が搭載された回路基板30と、上部側シールドカバー10と、隔壁部22を有するシールドフレーム20とを備える。上部側シールドカバー10は、天板部11の下面に複数の突出部13を有し、天板部11の上面であってかつ複数の突出部13に対応した位置に複数の凹部14を有する。複数の突出部13は、隔壁部22に対向する位置に配置された第1突出部と、隔壁部22に対向しない位置に配置された第2突出部とを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、高周波回路モジュールおよびこれを備えた電気機器に関し、特に、電磁波を遮蔽することができるシールド構造を備えた高周波回路モジュールおよびこれを備えた電気機器に関する。
一般に、通信機器等に代表される電気機器は、高周波部品が組み込まれた高周波回路モジュール(以下、単に回路モジュールとも称する)を備える場合が多い。高周波部品の中には、電磁波を放出したりあるいは外部の電磁波の影響を受けたりするものがあるため、高周波回路モジュールおよびこれを備えた電気機器を正常に動作させるためには、回路モジュールの内外で発生する電磁波を遮蔽することが要求される。
たとえば、実開昭58−116347号公報(特許文献1)や特開平5−300031号公報(特許文献2)には、高周波部品が搭載された回路基板を電磁波遮蔽用のシールドカバーの内部に収容するとともに、当該シールドカバーの内部の空間を電磁波遮蔽用の隔壁部によって区画することで電磁波の遮蔽性の向上が図られた回路モジュールが開示される。
ところで、回路モジュールを電気機器に組み込んだ状態においては、当該回路モジュールの周辺に位置する周辺部材と当該回路モジュールに含まれるシールドカバーとの導通を図る必要が生じたり、当該回路モジュールと周辺部材との絶縁を図りつつこれらを接触配置させる必要が生じたりする場合がある。
たとえば、電磁波の遮蔽性を強化する必要がある場合には、シールドカバーを接地電位等の安定電位に保たれた周辺部材に導電性テープ等を介して接続することが行なわれる。また、周辺部材が回路モジュールとは異なる安定電位に保たれる場合であって、かつこれらを近接配置させたりあるいは当該周辺部材によって回路モジュールが固定されるように構成したりする場合には、シールドカバーと周辺部材とを絶縁性テープを介して接触させることが行なわれる。
上述のように、導電性テープまたは絶縁性テープ等のテープ状部材を回路モジュールに取付ける場合には、テープ状部材の取付位置によって回路モジュールの特性に大きな変化が生じてしてしまうことがある。回路モジュールの特性に大きな変化が生じた場合には、最悪の場合、電気機器が誤動作するといった問題が生じることも懸念されるため、テープ状部材を高精度に位置決めしてシールドカバーに取付けることが要求される。
また、シールドカバーに対するテープ状部材の取付位置は、電気機器の内部における回路モジュールや周辺部材のレイアウト変更によっても変わることになるため、設計段階や設計変更時等において都度変わることがある。そのたびにテープ状部材の取付位置の位置決め基準となるマークの形成位置を変更することとすれば、設計効率や生産効率が大幅に低下してしまう。
したがって、本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シールド用の部材間の電気的接続を確実にするための突出部を形成する際にこれと同時に位置決め基準の候補となるマークを予め複数形成することにより、生産効率よくシールド用の部材を製作することができ、またテープ状部材等の取付けが高精度に行なえるとともに、設計段階や設計変更時等においても設計効率や生産効率の低下が防止できる高周波回路モジュールおよびそれを備えた電気機器を提供することにある。
本発明に係る高周波回路モジュールは、高周波部品が搭載された回路基板と、上記高周波部品を覆うように上記回路基板の上方に配置されたシールドカバーと、上記回路基板と上記シールドカバーとの間に配置され、これらの間の空間を仕切る隔壁部を有するシールドフレームとを備える。上記シールドカバーは、上記回路基板側に位置する下面と、上記回路基板側とは反対側に位置する上面と、上記下面から上記回路基板側に向けて突出する複数の突出部と、上記複数の突出部が設けられることで上記上面のうちの上記複数の突出部に対応した位置に形成される複数の凹部とを有する。上記複数の突出部は、上記隔壁部に対向する位置に配置された第1突出部と、上記隔壁部に対向しない位置に配置された第2突出部とを含み、上記第1突出部が上記隔壁部に接触することにより、上記シールドカバーと上記シールドフレームとが、電気的に接続される。
上記本発明に係る高周波回路モジュールにあっては、上記複数の突出部が上記シールドカバーの上記下面においてアレイ状に配置されることにより、上記複数の凹部が、上記シールドカバーの上記上面においてアレイ状に配置されることが好ましい。
上記本発明に係る高周波回路モジュールにあっては、上記複数の突出部および上記複数の凹部が、プレス加工によって成形されたものであることが好ましい。
本発明に係る電気機器は、上述した本発明に係る高周波回路モジュールと、上記高周波回路モジュールの周辺に配置された周辺部材と、上記周辺部材に接触するとともに、上記シールドカバーの上記上面に取付けられることで上記シールドカバーに接触するテープ状部材とを備え、上記テープ状部材の周縁が、上記複数の凹部のうちの少なくともいずれかに重なる。
上記本発明に係る電気機器にあっては、上記周辺部材が、導電性の部材からなり、上記テープ状部材が、導電性の接続テープからなり、上記テープ状部材により、上記周辺部材と上記シールドカバーとが電気的に接続されることが好ましい。
上記本発明に係る電気機器にあっては、上記周辺部材が、導電性の部材からなり、上記テープ状部材が、絶縁性のテープからなり、上記周辺部材は、上記シールドカバーの上方に配置されて上記シールドカバーを押圧することで上記高周波回路モジュールを固定するための押圧部を有し、上記押圧部と上記シールドカバーとの間において上記テープ状部材が介在することにより、上記周辺部材と上記シールドカバーとが電気的に絶縁されることが好ましい。
本発明によれば、シールド用の部材間の電気的接続を確実にするための突出部を形成する際にこれと同時に位置決め基準の候補となるマークを予め複数形成することにより、生産効率よくシールド用の部材を製作することができ、またテープ状部材等の取付けが高精度に行なえるとともに、設計段階や設計変更時等においても設計効率や生産効率の低下が防止できる高周波回路モジュールおよびそれを備えた電気機器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、同一のまたは共通する部分に図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
以下においては、本発明が適用された高周波回路モジュールを実施の形態1および4において示し、本発明が適用された高周波回路モジュールおよびこれを備えた電気機器を実施の形態2および3において示す。なお、実施の形態1ないし4において示す高周波回路モジュールは、たとえばタブレット端末を含むパーソナルコンピュータや、携帯電話を含む通信機器などの電気機器に搭載されるものである。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る高周波回路モジュールの分解斜視図である。また、図2は、図1に示す高周波回路モジュールの上面図であり、図3は、図2中に示すIII−III線に沿った高周波回路モジュールの断面図である。図1ないし図3を参照して、本実施の形態に係る回路モジュール1について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る高周波回路モジュールの分解斜視図である。また、図2は、図1に示す高周波回路モジュールの上面図であり、図3は、図2中に示すIII−III線に沿った高周波回路モジュールの断面図である。図1ないし図3を参照して、本実施の形態に係る回路モジュール1について説明する。
図1ないし3に示すように、本実施の形態に係る回路モジュール1は、上部側シールドカバー10と、シールドフレーム20と、回路基板30と、下部側シールドカバー40とを備える。上部側シールドカバー10、シールドフレーム20および下部側シールドカバー40は、回路モジュール1の内外で発生する電磁波を遮蔽するためのものであり、たとえばステンレス鋼等の導電性部材またはステンレス鋼等の導電性材料で被覆された部材によって構成される。
上部側シールドカバー10は、天板部11と4つの側壁部12とを有する下面開口の箱形状の部材にて構成される。天板部11は、組付け後において回路基板30側に位置する下面11aと、回路基板30側と反対側に位置する上面11bとを有する(図3参照)。上部側シールドカバー10は、高周波部品32を覆うように回路基板30の上方に配置され、組付け後においてシールドフレーム20、回路基板30および下部側シールドカバー40を収容する。
下部側シールドカバー40は、底板部41と4つの側壁部42とを有する上面開口の箱形状の部材にて構成される。下部側シールドカバー40は、回路基板30の下方に配置され、組付け後においてシールドフレーム20および回路基板30を収容する。
回路基板30は、配線パターンが設けられた配線基板31と、配線基板31上に半田付け等の実装方法により実装された複数の高周波部品32とを有する。ここで、高周波部品32は、たとえば高周波信号の生成や処理等を行なう各種電子部品が該当する。
シールドフレーム20は、4つの側壁部21と、当該4つの側壁部21によって規定される空間内に位置するように設けられた隔壁部22と、これら側壁部21および隔壁部22によって規定される開口部23とを有する。シールドフレーム20は、組付け後において回路基板30と上部側シールドカバー10との間に配置される。これにより、隔壁部22は、組付け後において回路基板30と上部側シールドカバー10との間に形成される空間を仕切ることになり、回路基板30上に搭載された複数の高周波部品32を相互に隔離する。なお、隔壁部22は、たとえば図示するようにX軸方向に沿って延在する部分とY軸方向に沿って延在する部分とを有するL字型に形成される。
ここで、上部側シールドカバー10は、下面11aから回路基板30に向けて(すなわち図1中に示すZ軸の下方向に向けて)突出する複数の突出部13と、上面11bにおいて複数の突出部13に対応した位置に形成される複数の凹部14とを有する。複数の突出部13および複数の凹部14は、たとえばプレス加工によって上部側シールドカバー10に一体に成形される。すなわち、複数の突出部13が上部側シールドカバー10の下面11aに設けられることで、複数の凹部14が上部側シールドカバー10の上面11bにおいて同時に形成される。
複数の突出部13は、X軸方向およびY軸方向に沿ってそれぞれ等間隔に設けられることにより、上部側シールドカバー10の下面11aにおいてアレイ状に配置される。これにより、複数の凹部14も、X軸方向およびY軸方向に沿ってそれぞれ等間隔に設けられることになり、上部側シールドカバー10の上面11bにおいてアレイ状に配置される。
複数の突出部13は、シールドフレーム20の隔壁部22に対向する位置に配置された第1突出部13aと、シールドフレーム20の隔壁部22に対向しない位置(すなわち、シールドフレーム20の開口部23に対向する位置)に配置された第2突出部13bとを含む。第1突出部13aは、組付け後において隔壁部22に接触する。一方、第2突出部13bは、組付け後において隔壁部22に接触せずに開口部23内に位置する。
複数の凹部14は、第1突出部13aに対応した第1凹部14aと、第2突出部13bに対応した第2凹部14bとを含む。これら第1凹部14aおよび第2凹部14bは、いずれも上部側シールドカバー10の上面11bに位置する。
下部側シールドカバー40の側壁部42は、組付け後において上部側シールドカバー10の下面11aおよび側壁部12に接する。また、シールドフレーム20の側壁部21は、組付け後において下部側シールドカバー40の側壁部42に接する。さらには、上述のように、シールドフレーム20の隔壁部22は、組付け後において上部側シールドカバー10に設けられた第1突出部13aに接触する。
これにより、上部側シールドカバー10、シールドフレーム20および下部側シールドカバー40が相互に電気的に接続されることになるため、上部側シールドカバー10、シールドフレーム20および下部側シールドカバー40がいずれも同電位となり、回路モジュール1の内外で発生する電磁波を遮蔽するシールド効果が強化される。
また、上述したように、回路モジュール1の内部においては、複数の高周波部品32がシールドフレーム20の隔壁部22によって仕切られることにより、当該隔壁部22によって複数の高周波部品32から放出される電磁波が遮蔽される。この結果、複数の高周波部品32が相互に干渉することが防止でき、誤動作等の発生が未然に防止可能となる。
なお、上述したように、上部側シールドカバー10および下部側シールドカバー40の内部にシールドフレーム20を配置することにより、回路モジュール1全体としての機械的強度も向上することになる。
以上において説明したように、本実施の形態に係る回路モジュール1にあっては、上部側シールドカバー10の隔壁部22に対向した位置にのみ突出部13および凹部14(すなわち、第1突出部13aおよび第1凹部14a)が設けられるのではなく、隔壁部22に対向しない位置にも突出部13および凹部14(すなわち、第2突出部13bおよび第2凹部14b)が設けられる。そのため、上記構成とすることにより、上部側シールドカバー10の上面11bには、位置決め基準の候補となるより多くの凹部14が存在することになり、テープ状部材等の取付けがより高精度に行なえる回路モジュールとすることができる。
また、設計段階や設計変更時等において、周辺部材の配置位置や当該回路モジュール1自体の配置位置が変更された場合にも、予め設けた上記複数の凹部14のうちの任意の一部を位置決め基準に選定することができるため、位置決め基準となるマークの形成位置を変更するといった再度の手間が不要となり、設計効率や生産効率が低下してしまうことが防止できる。
このように、本実施の形態に係る回路モジュール1においては、上部側シールドカバー10とシールドフレーム20との間の電気的接続を確実にするための第1突出部13aを上部側シールドカバー10に形成する際に同時に位置決め基準の候補となる凹部14を予め上部側シールドカバー10に複数形成することにより、生産効率よく上部側シールドカバー10を製作することができ、またテープ状部材等の取付けが高精度に行なえるとともに、設計段階や設計変更時等においても設計効率や生産効率の低下が防止できる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る電気機器の要部を示す概略斜視図である。図4を参照して、本実施の形態に係る電気機器50Aについて説明する。
図4は、本発明の実施の形態2に係る電気機器の要部を示す概略斜視図である。図4を参照して、本実施の形態に係る電気機器50Aについて説明する。
上述したように、回路モジュールを電気機器に組み込んだ状態においては、当該回路モジュールの周辺に位置する周辺部材と当該回路モジュールに含まれるシールドカバーとの導通を図る必要が生じる場合がある。たとえば、電磁波の遮蔽性を強化する必要がある場合には、シールドカバーを接地電位等の安定電位に保たれた周辺部材に導電性テープ等を介して接続することが行なわれる。本実施の形態は、この場合を示すものである。
図4に示すように、本実施の形態に係る電気機器50Aは、上述した実施の形態1において示した回路モジュール1と、当該回路モジュール1の周辺に配置された周辺部材60Aと、テープ状部材としての導電テープ70とを備える。ここで、周辺部材60Aは、導電性の部材からなり、電気機器50Aのグランドに電気的に接続されることで安定電位に保たれる。また、導電テープ70は、たとえばカーボンテープ等からなる。
導電テープ70は、その一端が周辺部材60Aに接触し、その他端が回路モジュール1の上部側シールドカバー10の上面11bに接触する。これにより、周辺部材60Aと回路モジュール1とが導電テープ70を介して電気的に接続される。なお、導電テープ70の周縁の一部は、上部側シールドカバー10の上面11bに設けられた複数の凹部14a,14bのうちの一部と重なる。
回路モジュール1は、単独でシールド効果を有するが、電気機器50Aのグランドに電気的に接続されることでシールド効果がさらに強化される。したがって、上記の構成を採用することにより、電気機器50Aにおいては、回路モジュール1のシールド効果が強化できることになる。
ここで、上述したように、本実施の形態に係る電気機器50Aにあっては、上部側シールドカバー10の上面11bに設けられた複数の凹部14a,14bの一部が、導電テープ70の取付位置の位置決め基準となるマークとして利用されており、その結果、導電テープ70の周縁の一部が、上部側シールドカバー10の上面11bに設けられた複数の凹部14a,14bのうちの一部と重なる。
導電テープ70の取付けに際しては、たとえば貼付装置等によって導電テープ70の位置決めがなされて貼付けが行なわれるが、その場合に、導電テープ70は、位置決め基準となる特定の凹部14の中心位置と導電テープ70の周縁とが重なるように位置決めされて貼付けられる。これにより、高精度に導電テープ70を上部側シールドカバー10に取付けることが可能になる。
したがって、上述した実施の形態1に係る回路モジュール1を備えた電気機器50Aにおいては、導電テープ70の取付位置にばらつきが生じることで回路モジュール1の特性にばらつきが生じることが防止でき、電気機器50Aが誤作動するといった問題が発生することがなくなる。また、導電テープ70の取付位置がずれることによって回路モジュール1と周辺部材60Aとの間に導電テープ70が入り込み、導電テープ70が歪むことで回路モジュール1と周辺部材60Aとに不要な応力が発生することも防止できる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3に係る電気機器の要部を示す概略斜視図である。また、図6は、図5に示すVI−VI線に沿った高周波回路モジュール、周辺部材およびテープ状部材の断面図である。図5および図6を参照して、本実施の形態に係る電気機器50Bについて説明する。
図5は、本発明の実施の形態3に係る電気機器の要部を示す概略斜視図である。また、図6は、図5に示すVI−VI線に沿った高周波回路モジュール、周辺部材およびテープ状部材の断面図である。図5および図6を参照して、本実施の形態に係る電気機器50Bについて説明する。
上述したように、回路モジュールを電気機器に組み込んだ状態においては、当該回路モジュールと周辺部材との絶縁を図りつつこれらを接触配置させる必要が生じる場合がある。たとえば、周辺部材が回路モジュールとは異なる安定電位に保たれる場合であって、かつ当該周辺部材によって回路モジュールが固定されるように構成する場合には、シールドカバーと周辺部材とを絶縁性テープを介して接触させることが行なわれる。本実施の形態は、この場合を示すものである。
図5および図6に示すように、本実施の形態に係る電気機器50Bは、上述した実施の形態1において示した回路モジュール1と、当該回路モジュール1の周辺に配置された周辺部材60Bと、テープ状部材としての絶縁テープ80とを備える。ここで、周辺部材60Bは、導電性の部材からなり、回路モジュール1とは異なる安定電位に保たれる。
周辺部材60Bは、その一部が回路モジュール1の上方において回路モジュール1から距離をもって配置されており、回路モジュール1側に向けて突設された舌片状の押圧部61を有する。当該押圧部61は、回路モジュール1の上部側シールドカバー10を押圧することで回路モジュール1を固定するためのものである。
絶縁テープ80は、回路モジュール1の上部側シールドカバー10の上面11bであって、かつ上述の押圧部61に対応した位置に取付けられることで、押圧部61および上部側シールドカバー10の双方に接触する。これにより、押圧部61と上部側シールドカバー10との間において絶縁テープ80が介在することになるため、周辺部材60Bと回路モジュール1とが電気的に絶縁される。なお、絶縁テープ80の周縁の一部は、上部側シールドカバー10の上面11bに設けられた複数の凹部14a,14bのうちの一部と重なる。
これにより、回路モジュール1と周辺部材60Bとの絶縁が図られつつこれらを接触配置させることが可能になるため、電気機器50Bにおいては、回路モジュール1と周辺部材60Bとが導通してしまうことを防止しつつ周辺部材60Bによって回路モジュール1を固定できることになる。
ここで、上述したように、本実施の形態に係る電気機器50Bにあっては、上部側シールドカバー10の上面11bに設けられた複数の凹部14a,14bの一部が、絶縁テープ80の取付位置の位置決め基準となるマークとして利用されており、その結果、絶縁テープ80の周縁の一部が、上部側シールドカバー10の上面11bに設けられた複数の凹部14a,14bのうちの一部と重なる。
絶縁テープ80の取付けに際しては、たとえば貼付装置等によって絶縁テープ80の位置決めがなされて貼付けが行なわれるが、その場合に、絶縁テープ80は、位置決め基準となる特定の凹部14の中心位置と絶縁テープ80の周縁とが重なるように位置決めされて貼付けられる。これにより、高精度に絶縁テープ80を上部側シールドカバー10に取付けることが可能になる。
したがって、上述した実施の形態1に係る回路モジュール1を備えた電気機器50Bにおいては、絶縁テープ80の取付位置にばらつきが生じることで回路モジュール1の特性にばらつきが生じることが防止でき、電気機器50Bが誤作動するといった問題が発生することがなくなる。また、絶縁テープ80の取付位置がずれることによって回路モジュール1と周辺部材60Bとの間に絶縁テープ80が入り込み、絶縁テープ80が歪むことで回路モジュール1と周辺部材60Bとに不要な応力が発生することも防止できる。
以上において説明した本発明の実施の形態1ないし3においては、回路モジュールの下面にアレイ状に突出部を設けることで回路モジュールの上面に凹部をアレイ状に設けた場合を例示して説明を行なったが、必ずしもアレイ状に突出部および凹部を設ける必要はなく、千鳥状等、他のレイアウトで整列して突出部および凹部を設けてもよいし、また整列させることなく突出部および凹部をランダムに設けてもよい。
また、上述した本発明の実施の形態2および3においては、テープ状部材の周縁が凹部に重なるようにテープ状部材を回路モジュールの上面に取付けた場合を例示して説明を行なったが、必ずしもテープ状部材等の周縁を凹部に重ねる必要はなく、凹部を位置決めのための基準として使用するのであれば、テープ状部材等の周縁を凹部から一定の距離だけ離した位置に取付けてもよい。
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4に係る高周波回路モジュールの分解斜視図である。また、図8は、図7に示す高周波回路モジュールの上面図であり、図9は、図8中に示すIX−IX線に沿った高周波回路モジュールの断面図である。図7ないし図9を参照して、本実施の形態に係る回路モジュール1Aについて説明する。
図7は、本発明の実施の形態4に係る高周波回路モジュールの分解斜視図である。また、図8は、図7に示す高周波回路モジュールの上面図であり、図9は、図8中に示すIX−IX線に沿った高周波回路モジュールの断面図である。図7ないし図9を参照して、本実施の形態に係る回路モジュール1Aについて説明する。
図7ないし図9に示すように、本実施の形態に係る回路モジュール1Aは、実施の形態1に係る回路モジュール1と比較した場合に、下部側シールドカバー40を備えておらず、上部側シールドカバー10に対応したシールドカバー10Aとシールドフレーム20とのみによってシールド用の部材が構成されている点、および、回路基板30のうちの配線基板31が平面視した状態においてシールドカバー10Aよりも大きく、組付け後においてシールドカバー10Aの外側にまで配線基板31が達している点において相違し、その他の点において同様の構成を有する。
具体的には、本実施の形態に係る回路モジュール1Aにあっては、配線基板31上に実装された複数の高周波部品32を囲むように回路基板30A上にシールドフレーム20が配置され、それにより回路基板30Aが位置する側とは反対側に形成されたシールドフレーム20の上面開口を覆うようにシールドカバー10Aがシールドフレーム20上に配置される。
これにより、複数の高周波部品32が、シールドカバー10A、シールドフレーム20および配線基板31によって形成される空間に収容されることになる。また、複数の高周波部品32は、シールドフレーム20の隔壁部22によって相互に隔離される。
ここで、シールドカバー10Aは、上述した実施の形態1に係る回路モジュール1の上部側シールドカバー10と同様に、下面11aから回路基板30に向けて(すなわち図7に示すZ軸の下方向に向けて)突出する複数の突出部13と、上面11bにおいて複数の突出部13に対応した位置に形成される複数の凹部14とを有する。
そのため、シールドフレーム20の隔壁部22は、組付け後においてシールドカバー10Aに設けられた第1突出部13aに接触する。また、シールドフレーム20の側壁部21は、組付け後においてシールドカバー10Aの側壁部12に接する。
これにより、シールドカバー10Aおよびシールドフレーム20が相互に電気的に接続されることになるため、シールドカバー10Aおよびシールドフレーム20がいずれも同電位となり、シールドカバー10Aの内外で発生する電磁波を遮蔽するシールド効果が強化される。
以上のように構成することにより、本実施の形態に係る回路モジュール1Aにおいても、上述した実施の形態1において説明した効果とほぼ同様の効果が得られることになる。
なお、本実施の形態においては、シールドカバー10Aの全周囲において配線基板31が外側に向けて食み出すように構成した場合を例示したが、この構成に限定されるものではなく、シールドカバー10Aの周囲の一部において配線基板31が外側に向けて食み出すように構成してもよく、また平面視した状態において配線基板31がシールドカバー10Aから食み出さないように構成してもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって画定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1,1A 回路モジュール、10 上部側シールドカバー、10A シールドカバー、11 天板部、11a 下面、11b 上面、12 側壁部、13 突出部、13a 第1突出部、13b 第2突出部、14 凹部、14a 第1凹部、14b 第2凹部、20 シールドフレーム、21 側壁部、22 隔壁部、23 開口部、30,30A 回路基板、31 配線基板、32 高周波部品、40 下部側シールドカバー、41 底板部、42 側壁部、50A,50B 電気機器、60A,60B 周辺部材、61 押圧部、70 導電テープ、80 絶縁テープ。
Claims (6)
- 高周波部品が搭載された回路基板と、
前記高周波部品を覆うように前記回路基板の上方に配置されたシールドカバーと、
前記回路基板と前記シールドカバーとの間に配置され、これらの間の空間を仕切る隔壁部を有するシールドフレームとを備え、
前記シールドカバーは、前記回路基板側に位置する下面と、前記回路基板側とは反対側に位置する上面と、前記下面から前記回路基板側に向けて突出する複数の突出部と、前記複数の突出部が設けられることで前記上面のうちの前記複数の突出部に対応した位置に形成される複数の凹部とを有し、
前記複数の突出部は、前記隔壁部に対向する位置に配置された第1突出部と、前記隔壁部に対向しない位置に配置された第2突出部とを含み、
前記第1突出部が前記隔壁部に接触することにより、前記シールドカバーと前記シールドフレームとが、電気的に接続されている、高周波回路モジュール。 - 前記複数の突出部が前記シールドカバーの前記下面においてアレイ状に配置されることにより、前記複数の凹部が、前記シールドカバーの前記上面においてアレイ状に配置されている、請求項1に記載の高周波回路モジュール。
- 前記複数の突出部および前記複数の凹部が、プレス加工によって成形されたものである、請求項1または2に記載の高周波回路モジュール。
- 請求項1から3のいずれかに記載の高周波回路モジュールと、
前記高周波回路モジュールの周辺に配置された周辺部材と、
前記周辺部材に接触するとともに、前記シールドカバーの前記上面に取付けられることで前記シールドカバーに接触するテープ状部材とを備え、
前記テープ状部材の周縁が、前記複数の凹部のうちの少なくともいずれかに重なっている、電気機器。 - 前記周辺部材が、導電性の部材からなり、
前記テープ状部材が、導電性の接続テープからなり、
前記テープ状部材により、前記周辺部材と前記シールドカバーとが電気的に接続されている、請求項4に記載の電気機器。 - 前記周辺部材が、導電性の部材からなり、
前記テープ状部材が、絶縁性のテープからなり、
前記周辺部材は、前記シールドカバーの上方に配置されて前記シールドカバーを押圧することで前記高周波回路モジュールを固定するための押圧部を有し、
前記押圧部と前記シールドカバーとの間において前記テープ状部材が介在することにより、前記周辺部材と前記シールドカバーとが電気的に絶縁されている、請求項4に記載の電気機器。
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2012
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