JP2014053305A - 粒子ビームデバイス及び粒子ビームデバイスを操作する方法 - Google Patents

粒子ビームデバイス及び粒子ビームデバイスを操作する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】小さなエネルギーを有する粒子を用いて良好な結像特性での物体の検査を可能にする。
【解決手段】本発明は、一次粒子ビームを発生させるビーム発生器(2)と、一次粒子ビームを物体面(15)に集束させる対物レンズ(8)と、物体面(15)が放出した粒子を検出する検出器(17)とを備えた粒子ビームデバイス(1)及び粒子ビームデバイス(1)を操作する方法、特に電子ビームデバイスに関する。対物レンズ(8)は、少なくとも1つの磁気ユニット(11、12)を有し、磁気ユニット(11、12)は、少なくとも1つの第1クロスオーバー(C1、C1’)及び少なくとも1つの第2クロスオーバー(C2)を発生させる。第1クロスオーバー(C1、C1’)は、対物レンズ(8)に又は対物レンズ(8)と物体(15)との間の領域に配置する。第2クロスオーバー(C2)は、物体(15)に配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一次粒子ビームを発生させるビーム発生器と、一次粒子ビームを物体面に(又は物体に)に集束させる対物レンズと、物体面が(又は物体が)が放出した粒子を検出する検出器とを備えた粒子ビームデバイス、特に電子ビームデバイスに関する。本発明はさらに、粒子ビームデバイスを操作する方法に関する。
電子ビームデバイス、特に走査型電子顕微鏡は、例えば物体(試料)の表面を検査するために用いられる。走査型電子顕微鏡では、電子を有する一次電子ビームをこの目的でビーム発生器を用いて発生させる。一次電子ビームは、対物レンズによって被検査物体に集束させる。偏向デバイスを用いて、一次電子ビームを被検査物体にわたってラスタス走査パターンで案内することも知られている。このプロセスにおいて、一次電子ビームの電子は物体と相互作用する。この相互作用の結果として、特に電子が物体から放出されるか(二次電子と称するもの)、又は一次電子ビームの電子が後方散乱する(後方散乱電子と称するもの)。後方散乱電子は、ここでは概して、50eVから物体における一次電子ビームの電子のエネルギーまでの範囲のエネルギーを有する。二次電子はさらに、概して、50eV未満のエネルギーを有する。二次電子及び/又は後方散乱電子は、少なくとも1つの検出器を用いて検出される。検出器は、例えば対物レンズの内側又は対物レンズとビーム発生器との間の領域に配置する。二次電子及び/又は後方散乱電子が検出器に当たると、像の生成に用いられる検出器信号が発生する。
電子ビームデバイスを用いた物体の結像は、高空間分解能で達成することができる。高空間分解能は、一次電子ビームが物体の平面において非常に小さな直径を有することにより得られる。さらに、物体が電子ビームデバイスの対物レンズの近くに配置されるほど、空間分解能が向上する。さらに、電子ビームデバイスにおける一次電子ビームの電子が、対物レンズの終端又は対物レンズと物体との間の領域で最初に所望のエネルギー(検査エネルギー)に大きく加速及び減速されるほど、空間分解能が向上する。一次電子ビームの電子は、例えば2kV〜30kVの加速電圧で加速され、電子ビームデバイスの電子コラムを通して案内される。一次電子ビームの電子は、対物レンズと物体との間の領域でのみ所望のエネルギーに減速され、一次電子ビームの電子が、例えば10eV〜30keVの範囲のエネルギーを有して物体に当たるようにする。
その構造に起因して、非常に低いエネルギー、例えば100eV未満のエネルギーしか有さない一次電子ビームの電子を当てた場合にのみ、電子ビームデイバスにおいて有意義に検査できる物体がある。このように低いエネルギーを有する電子は、上記特定の物体が電子の照射中に破砕されないことを確実にする。このように低いエネルギーを有する電子はさらに、高い表面感度を有する(すなわち、物体の表面に関して特に良好な情報量を有する)被検査物体の像を生成するのに特に適している。さらに、このように低いエネルギーを有する電子は、物体において尖端(プローバと称するもの)を有して当該プローバを用いて電子測定を実行する測定デバイスを位置決めするのに適している。上述の低エネルギーよりも高いエネルギーを有する電子は、こうした電子測定値を改竄する可能性がある。したがって、このように低いエネルギーを有する一次電子ビームの電子の使用が上記物体の調査に有用である。
しかしながら、一次電子ビームの電子が当たることによって100eV未満のエネルギーで物体が放出する二次電子が、一次電子ビームに用いる加速電圧及び電磁界パターンに起因して、又は一次電子ビームの電子に関する既存の磁界及び/又は電界に起因して、電子コラムへ偏向されることが判明した。したがって、上記二次電子の大部分は、電子コラムに配置した検出器で検出される場合にのみ結像に用いることができる。
こうした検出器は従来技術から既知である。当該既知の検出器は、環状に構成され、比較的大きな開口を有する。電子ビームデバイスの光軸は、開口を通って延びる。開口は、電子ビームデバイスのビーム経路内の一次電子ビームに影響を及ぼさないようにするために、また汚染の可能性を回避するために必要である。
例として、従来技術に関して特許文献1及び特許文献2を参照する。
しかしながら、低エネルギー(例えば100eV未満)を有する一次電子ビームの電子を用いた検査において、すでに上述した電磁界パターンにより、大半の二次電子の経路が電子ビームデバイスの光軸の非常に近くを進み、二次電子及び一次電子ビームの電子のエネルギーが相互にわずかしかずれないことが判明した。したがって、二次電子が一次電子ビームの電子とほぼ同じエネルギーを有するので、二次電子は、電子ビームデバイスにおいて一次電子ビームの電子と同様の経路を進む。被検査物体の走査時に電子ビームデバイスの光軸からある程度離れている物体の場所から生じる二次電子も、光軸外で電子ビームデバイス内及び特に検出器の平面内を進む。これらは、電子ビームデバイスの検出器によって少なくとも部分的に検出される。しかしながら、光軸に近い物体の場所から生じる二次電子の大部分は、検出器によって検出されずに検出器の開口を通過する。これに対して、光軸から離れた場所から生じる二次電子は、検出器に入射する。検査対象物体の像が得られるが、中央では電子が検出されず、したがって像情報が入手不可能なので、像はこの場所に検出孔を事実上有する。
別の問題が従来技術からさらに既知である。約1mm〜2mmという比較的小さな作動距離の場合、上記問題が非常に顕著であることが分かった。1keV未満(例えば100eV)のエネルギーを有する一次電子ビームの電子を用いた検査は、既知の電子ビームデバイスを用いた短い作動距離の場合に不可能であるか、又は可能だが必ず困難を伴う。
さらに、100eV未満のエネルギーを有する一次電子ビームの電子を用いた物体の検査が、用いるビーム発生器にも依存することが分かった。全てのビーム発生器がこうした検査を可能にするわけではない。例えば、一次電子ビームを発生させるショットキーエミッタを用いることが知られている。ショットキーエミッタでは、引出電極の引出電圧により電子がショットキーエミッタから引き出される。引出電圧は、通常は3kV〜5kVである。考察により、一次電子ビームが電子ビームデバイスの電子コラムを通して案内される加速電圧を引出電圧より大きくすべきであるという結論になった。しかしながら、選択される加速電圧が大きいほど、一次電子ビームの電子が物体に当たる際に100eV未満のエネルギーを有する場合に検出器に当たる二次電子が少なくなる。加速電圧が大きいほど、一次電子ビームの電子と二次電子との間の相対エネルギー差が小さくなる。二次電子は、一次電子ビームの電子と同じ光路に沿って基本的に進むので、検出器の開口を通過するということになる。検出孔の上述の問題は、高加速電圧の場合に非常に顕著である。さらに、最大作動距離が大幅に小さくなる。原理上の結果として、100eV未満のエネルギーを有する一次電子ビームの電子を用いた物体の像は、4kVよりも大きな加速電圧ではほぼ不可能である。しかしながら、4kVよりも大きな引出電圧を必要とするビーム発生器が知られているので、加速電圧(accelerator voltage)がエミッタの引出電圧よりも大きいはずであるから、これは問題につながり得る。しかしながら、その場合、加速電圧も4kVを超える。結果として、100eV未満のエネルギーを有する一次電子ビームの電子を用いた物体の検査はほぼ不可能である。
独国特許出願公開第198 284 76号明細書 独国特許出願公開第10 2009 028 013号明細書
したがって、本発明は、物体の特に良好な結像を達成するように低エネルギーを有する粒子を用いて物体を検査できる、粒子ビームデバイス及び粒子ビームデバイスを操作する方法を特定するという目的に基づく。
上記目的は、請求項1の特徴を有する粒子ビームデバイスにより達成される。本発明による方法は、請求項11の特徴により与えられる。本発明のさらに他の特徴は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び/又は添付図面から得ることができる。
本発明による粒子ビームデバイスは、一次粒子ビームを発生させる少なくとも1つのビーム発生器を備える。本発明による粒子ビームデバイスは、一次粒子ビームを物体の物体面に(又は物体に)集束させる少なくとも1つの対物レンズをさらに備える。さらに、本発明による粒子ビームデバイスには、少なくとも1つの検出器(以下で第1検出器と称する)を設け、第1検出器は、物体面が(又は物体が)放出した粒子を検出する役割を果たす。
対物レンズは、少なくとも1つの磁気ユニットを有する。磁気ユニットは、一次粒子ビームの少なくとも2つのクロスオーバーが対物レンズによって連続して順次発生するよう構成及び励起する。特に、少なくとも第1クロスオーバー及び少なくとも第2クロスオーバーを発生させるようにする。上記及び下記において、クロスオーバーは、粒子発生器が発生させた粒子が収束する点又は領域を意味すると理解される。換言すれば、粒子がこの点又はこの領域で交わる。したがって、さらに換言すれば、クロスオーバーは、ビーム発生器から出た一次粒子ビームの寸法が一次粒子ビームの伝播方向に対して垂直な方向で極小を有する領域又は平面を意味すると理解される。伝播方向に対して垂直な一次粒子ビームが略ガウス分布を有する場合、伝播方向に沿ったクロスオーバーは、ガウスベル曲線が最小幅を有する領域である。したがって、ベル曲線の幅はいずれの場合も、ビーム方向(伝播方向)に見てクロスオーバーでよりもクロスオーバーの前後の方が広い。一次粒子ビームの非点集束(astigmatic focusing)では、クロスオーバーは、一次粒子ビームが一次粒子ビームの伝播方向に対して垂直に最小寸法で回転対称強度分布を有する2つの線状焦点間の平面を意味すると通常は理解される。
付加的又は代替的に、本発明の例示的な一実施形態では、第1クロスオーバーを対物レンズに又は対物レンズと物体面(又は物体)との間の領域に配置する。ここではさらに、第2クロスオーバーを物体面(又は物体)に配置する。換言すれば、第2クロスオーバーを、物体の表面上又は物体の表面付近の領域に(例えば、物体の表面から1μm〜1000μmの距離に)配置する。特に、第2クロスオーバーは、このタイプの結像では数ミリメートルであり得る被写界深度範囲内に配置することができる。このタイプの結像での第2クロスオーバーの位置は、さらに、最大20mm程度の著しく大きな作動距離を有し得る。これは、より詳細に後述する。
本発明は、対物レンズの磁気ユニットを非常に強く励起できるので、単一のクロスオーバーが発生するだけでなく複数のクロスオーバー、例えば前述の第1クロスオーバー及び前述の第2クロスオーバーが発生するという驚くべき発見から生まれたものである。本発明は、物体に配置されるのが第1クロスオーバーではなく第2クロスオーバーであるという発見に特に基づく。結果として、一次粒子ビームの粒子は、クロスオーバー(第1クロスオーバー)にすでに収束した後に、物体の表面上のさらなるクロスオーバー(第2クロスオーバー)に収束する。対物レンズの磁気ユニットの前述の動作様式により、物体が放出する粒子の軌道が一次粒子ビームの一次粒子の軌道とは明らかに異なるほど強い収差が発生することが、驚くべきことに判明した。二次粒子のかなりの部分が、例えば粒子ビームコラムに配置した検出器に当たることが分かった。したがって、低エネルギー(例えば100eV未満)を有する一次粒子を物体の検査に用いた、物体の著しく良好な像を得ることが可能である。検出孔の上述の問題は、本発明にはもはや存在しないか又は存在してもごく軽度なので、依然として十分な像情報が入手可能であり、物体の良好な像を達成可能である。
本発明の別の利点は、一次粒子が物体に当たる際のエネルギーが小さくても、大きな作動距離(例えば最大10mm)での物体の検査が可能となったことである。大きな作動距離により、多数の検査法又は検査デバイスを用いることができる。例えば、対物レンズと物体との間に、十分に良好な検出信号を供給するさらに別の検出器を配置することが可能である。付加的及び/又は代替的に、対物レンズと物体との間に、例えばガス供給デバイス、マイクロマニピュレータ、及び/又はプローバを配置するようにすることができる。
さらに、本発明による粒子ビームデバイスは、検出孔が生じるという上述の問題を伴わずに、約1mm〜2mmという比較的小さな作動距離での物体の検査を可能にする。十分に良好な検出信号により、良好な信号対雑音比がさらに得られることで、物体の像のコントラストが良好になる。
本発明による粒子ビームデバイスの一実施形態では、粒子ビームデバイスの第1動作モードと粒子ビームデバイスの第2動作モードとの間での切り替えが付加的又は代替的に可能である。第1動作モードでは、第1クロスオーバー及び第2クロスオーバーが対物レンズと物体との間の領域に発生し、第1クロスオーバーが対物レンズと物体との間の領域に配置される。第2クロスオーバーは、上記ですでにさらに説明したように、物体に配置される。第2動作モードでは、単一のクロスオーバーのみが対物レンズと物体との間の領域に発生して物体上に配置される。結果として、本発明による粒子ビームデバイスには、2つの前述の動作モードで達成可能な利点がある。第1動作モードでは、小さな作動距離での相互作用粒子の良好な検出と、例えば100eV未満の一次粒子の低エネルギーでの大きな作動距離の使用とが達成可能である。第2動作モードでは、相互作用粒子を用いて生成した物体の像の非常に高い分解能を達成することが可能である。
対物レンズと物体との間の領域における少なくとも2つのクロスオーバーにより、高い誤差係数が対物レンズで生じ、これは粒子ビームデバイスを用いて生成した物体の像の分解能を低下させ得る。ビーム発生器と対物レンズとの間の粒子ビームデバイスのビーム経路に、例えば対物レンズの色収差及び球面収差を補正するために補正器を導入することにより、これらの色収差及び球面収差を補正し、したがって粒子ビームデバイスの所望の高分解能を達成することが例えば可能である。結像収差を補正する装置は、例えば独国特許出願公開第10 2007 049 816号明細書又は独国特許出願公開第101 07 910号明細書から既知である。これらの公報に記載の装置は、本発明による粒子ビームデバイスで具現することができる。
別の利点は、本発明に基づいて、用いるビーム発生器とは特に関係なく、一次粒子ビームを粒子ビームデバイスの粒子ビームコラムを通して案内する際の、4kVよりも大きな加速電圧を容易に実現できることである。
本発明による粒子ビームデバイスは、任意のビーム発生器の使用も可能にする。これは、本発明による粒子ビームデバイスが、ビーム発生器の動作電圧とは関係なく検出孔の上述の問題が生じなくなることを確実にするからである。
本発明による粒子ビームデバイスの例示的な一実施形態では、付加的又は代替的に、粒子ビームデバイスは、一次粒子ビームを整形する少なくとも1つのコンデンサユニット(例えば第1コンデンサユニット)を備える。第1コンデンサユニットは、例えばビーム発生器と対物レンズとの間に配置する。さらに、さらに別の例示的な実施形態では、付加的又は代替的に、さらに別のコンデンサユニット(例えば第2コンデンサユニット)を粒子ビームデバイスにおいて一次粒子ビームを整形するよう配置する。上記第2コンデンサユニットは、例えばビーム発生器と対物レンズとの間に配置する。2つのコンデンサユニットを用いる場合、物体の方向に見てビーム発生器から最初に第1コンデンサユニット、次に第2コンデンサユニット、次に対物レンズを、粒子ビームデバイスの光軸に沿って配置する。磁気ユニットを有する対物レンズと第1コンデンサユニット及び/又は第2コンデンサユニットとはいずれも、物体に対する一次粒子ビームを整形する役割を果たす。
本発明による粒子ビームデバイスのさらに別の例示的な実施形態では付加的又は代替的に、対物レンズが少なくとも1つの静電ユニットを備える。静電ユニットは、磁気ユニと共に、一次粒子ビームを物体に集束させることに寄与するか、又は一次粒子ビームを物体に集束させる。
本発明による粒子ビームデバイスのさらに別の例示的な実施形態では、付加的又は代替的に、粒子ビームデバイスが、一次粒子ビームの粒子を第1所定エネルギーに加速させて加速後に所定エネルギーを維持する少なくとも1つのエネルギー制御ユニットを備える。例えば、第1所定エネルギーを有する一次粒子ビームの粒子を粒子ビームデバイスのビームコラムを通して案内するようになっている。一次粒子ビームの粒子は、物体に到達する直前に、粒子エネルギー制御ユニットによって第2所定エネルギーに、例えば収束作用も有し得る静電ユニットによって減速される。上記粒子は、続いて物体へ案内される。粒子エネルギー制御ユニットの所定の機能及び作用により、一次粒子ビームの高輝度が一次粒子ビームの粒子でも維持され、その第2所定エネルギーは100eV未満であるが、これは、第2所定エネルギーへの一次粒子ビームの減速が物体への到達直前に行われるからである。第2所定エネルギーへの減速は、ここでは対物レンズにおいて、又は対物レンズと物体との間の領域において生じる。
本発明による粒子ビームデバイスの一実施形態では、付加的又は代替的に、第1検出器を粒子ビームデバイスのビームコラムに配置する。本発明による粒子ビームデバイスの例示的な一実施形態では、さらに付加的又は代替的に、粒子ビームデバイスが、物体で後方散乱した粒子、例えば後方散乱電子を検出する少なくとも第2検出器をさらに備える。当該第2検出器も、例えばビームコラムに配置する。
本発明による粒子ビームデバイスのさらに別の例示的な実施形態では、付加的又は代替的に、粒子ビームデバイスを電子ビームデバイスとして構成する。電子ビームデバイスは、例えば走査型電子顕微鏡として構成する。その場合のビーム発生器は、電子を有する一次電子ビームを発生させる役割を果たす。対物レンズは、一次電子ビームを物体面に(又は物体に)集束させる役割を果たす。第1検出器は、例えば、物体面が(又は物体が)放出した電子(二次電子)を検出する役割を果たす。
代替的には、粒子ビームデバイスをイオンビームデバイスとして構成する。この場合、ビーム発生器は、イオンを有する一次イオンビームを発生させるよう構成する。さらに、対物レンズは、一次イオンビームを物体面に(又は物体に)集束させるよう構成する。第1検出器は、物体面が(又は物体が)放出した粒子、例えば電子を検出する役割を果たす。
本発明は、粒子ビームデバイス、例えば上述の特徴の少なくとも1つ又は上述の特徴の少なくとも2つの組み合わせを有する粒子ビームデバイスを操作する方法にも関する。例えば、粒子ビームデバイスは、一次粒子ビームを発生させる少なくとも1つのビーム発生器と、一次粒子ビームを集束させる少なくとも1つの対物レンズとを備える。本発明による方法では、対物レンズを、少なくとも2つのクロスオーバー、例えば第1クロスオーバー及び第2クロスオーバーを一次粒子ビームの伝播方向に連続して順次発生させるよう励起する。
本発明による方法の例示的な一実施形態では、付加的又は代替的に、物体の表面の像を生成するために、一次粒子ビームと物体との相互作用により発生する相互作用粒子を、ビーム発生器と対物レンズとの間に配置した少なくとも1つの検出器を用いて検出する。例として、相互作用粒子は、二次粒子(特に二次電子)及び/又は物体で後方散乱した粒子(特に後方散乱電子)である。
本発明による方法のさらにさらなる例示的な一実施形態では、付加的又は代替的に、一次粒子ビームの一次粒子が、物体面(又は物体)に当たる際に1keV未満のエネルギーを有する。一次粒子ビームの一次粒子は、例えば、物体面(又は物体)に当たる際に100eV未満のエネルギーを有する。
例示的な実施形態を参照して本発明を以下でより詳細に説明する。
走査型電子顕微鏡の例示的案第1実施形態を示す。 走査型電子顕微鏡の例示的な第2実施形態を示す。 走査型電子顕微鏡の例示的な第3実施形態を示す。 走査型電子顕微鏡の例示的な第4実施形態を示す。
走査型電子顕微鏡(SEM)の形態の粒子ビームデバイスを用いて、本発明をより詳細に説明する。しかしながら、本発明がSEMに限定されないことに特に留意されたい。正しくは、本発明は、任意の粒子ビームデバイス、特にイオンビームデバイス又は特に電界イオン顕微鏡で実現することができる。
図1は、SEM1の例示的な第1実施形態の概略図を示す。SEM1は、電子源2(陰極)の形態のビーム発生器と、引出電極3と、SEM1のビーム案内管5の一端の上に置いた陽極4とを備える。電子源2は、例えば熱電界エミッタとして構成する。しかしながら、本発明はこのような電子源に限定されない。正確には、いかなる電子源を用いてもよい。
電子源2から出た電子は、一次電子ビームを形成する。電子は、電子源2と陽極4との間の電位差に起因して陽極電位に加速される。ここに示す例示的な実施形態の陽極電位は、試料チャンバ(図示せず)のハウジングの大地電位に対して1kV〜20kV、例えば5kV〜15kV、特に8kVであり、代替的には大地電位とすることもできる。
2つのコンデンサレンズ、具体的には第1コンデンサレンズ6及び第2コンデンサレンズ7を、ビーム案内管5に配置する。対物レンズ8の方向に電子源2から始めて、最初に第1コンデンサレンズ6、次に第2コンデンサレンズ7を配置する。
第1開口ユニット9を、陽極4と第1コンデンサレンズ6との間に配置する。第1開口ユニット9は、陽極4及びビーム案内管5と共に、高圧電位、具体的には陽極4の電位又は代替的に大地遠位である。第1コンデンサレンズ6と第2コンデンサレンズ7との間には、空間的に固定された第2開口ユニット10を配置する。
対物レンズ8は、孔を形成した対物レンズ磁極片11を有する。ビーム案内管5をこの孔に通す。さらに、コイル12を磁極片11内に配置する。対物レンズ磁極片11及びコイル12は、対物レンズ8の磁気ユニットを形成する。
静電遅延デバイスを、ビーム案内管5の下流に接続する。当該遅延デバイスは、個別電極13及び管電極14を有し、管電極14は、ビーム案内管5のうち試料15に面する端に形成する。個別電極13は、図示の実施形態では、対物レンズ磁極片11に対して電気的に絶縁され、さらに対物レンズ磁極片11に機械的に接続される。別の実施形態では、代替的に、個別電極13を対物レンズ磁極片11の内側に、但し試料15の方向に見て管電極14から延びる第1領域に配置する。代替的に、個別電極13は、試料15の方向に見て対物レンズ磁極片11から延びる第2領域に、また電子源2の方向に見て試料15から延びる第2領域に配置する。これは、個別電極13を管電極14と試料15との間の領域の任意の所望の位置に配置できることを意味する。
したがって、管電極14は、ビーム案内管5と共に、陽極4の電位にあるが、個別電極13及び試料15は、陽極4の電位に対して低い電位にある。この場合、これは、試料チャンバ(図示せず)のハウジングの大地電位である。このように、一次電子ビームの電子を、試料15の検査に必要な所望のエネルギーに減速させることができる。例として、一次電子ビームの電子は、1keV未満、特に100eV未満に減速される。このエネルギーを、試験エネルギー又はランディングエネルギーとも称する。
SEM1は、一次電子ビームを偏向させ試料15にわたって走査することができる走査ユニット16をさらに備える。一次電子ビームの電子は、ここでは試料15と相互作用する。相互作用の結果として、相互作用粒子及び/又は相互作用放射線が発生して検出される。このようにして得られた検出信号が評価される。
相互作用粒子は、特に試料15の表面から放出された電子(二次電子と称するもの)であるか、又は後方散乱した一次電子ビームの電子(後方散乱電子と称するもの)である。二次電子及び/又は後方散乱電子の検出のために、第1検出器17及び第2検出器18を有する検出器機構をビーム案内管5内に配置する。第1検出器17は、この場合は光軸OAに沿って試料の側に配置し、第2検出器18は、ビーム案内管5の光軸OAに沿った電子源側に配置する。さらに、第1検出器17及び第2検出器18は、SEM1の光軸OAの方向に相互に離間して配置する。第1検出器17及び第2検出器18の両方が、概ね陽極4の電位に、したがって同じくビーム案内管5の電位にある。
第1検出器17は第1貫通開口19を有する。さらに、第2検出器18は第2貫通開口20を有する。SEM1の光軸OAは、第1貫通開口19及び第2貫通開口20の両方を貫通する。一次電子ビームは、その結果、第2貫通開口20及び第1貫通開口19を通って進み、続いて試料15へ案内される。第1検出器17の第1貫通開口19及び第2検出器18の第2貫通開口20は、最大長が0.5mm〜5mmの範囲である。これらは、例えば円形の構成であり、0.5mm〜3mmの範囲の直径を有する。
ここに示す例示的な実施形態の第1開口ユニット9は、ピンホール開口の形態であり、一次電子ビームの貫通用の開口を有し、この開口は、10μm〜500μmの範囲の、例えば50μmの大きさを有する。
第2開口ユニット10は、ここに示す例示的な実施形態では、ピンホール開口として構成され、一次電子ビームの貫通用の開口を有し、この開口は、5μm〜300μmの範囲の、例えば35μmの大きさを有する。第2開口ユニット10は、圧力段開口として構成する。これは、電子源2を配置し超高真空が生じている(10−6Pa〜10−10Pa)第1領域を、高真空(10−1Pa〜10−5Pa)を有する第2領域から分離する。第2領域は、試料チャンバ(図示せず)に通じるビーム案内管5の中間圧力領域である。第2開口ユニット10により、第2領域からの汚染に起因した、例えば試料15の領域のガスの導入に起因した第1領域の超高真空の悪化が回避される。
一次電子ビームのビームプロファイルにさらに影響を及ぼすために、第1偏向ユニット21、第2偏向ユニット22、及び第3偏向ユニット23をビーム案内管5に配置する。
対物レンズ8の磁気ユニットは、制御ユニット24に接続し、制御ユニット24が磁気ユニットを制御して、対物レンズ8の磁気ユニットが第1クロスオーバーC1及び第2クロスオーバーC2を発生させるようにする。ここで説明する例示的な実施形態では、さらに、静電遅延デバイスの集束作用を用いる。第1クロスオーバーC1及び第2クロスオーバーC2の発生が、対物レンズ8の磁気ユニットのみによって行われることもできることに、はっきりと言及しておく。SEM1において、より多くのクロスオーバーが光軸OAに沿ったビーム経路にある、例えば第3クロスオーバーが陽極4と第2開口ユニット10との間の領域にあることが、確かに可能である。しかしながら、重要なのは、対物レンズ8の磁気ユニットが少なくとも2つのクロスオーバーを発生させることである。すでに上述した記載を参照されたい。ここに示す例示的な実施形態では、第1クロスオーバーC1及び第2クロスオーバーC2がある。
第1クロスオーバーC1は対物レンズ8内に配置する。代替的に、第1クロスオーバーを、対物レンズ8と試料15との間の領域に配置する(ビームプロファイルの破線;第1クロスオーバーを参照符号C1’で示す)。第2クロスオーバーC2は試料15に配置する。換言すれば、第2クロスオーバー15を試料15の表面上に配置する。さらに換言すれば、試料15を、光軸OAが第2クロスオーバーC2の被写界深度範囲内に位置する場所で試料15の表面と交わるように位置決めする。
第1検出器17は、低エネルギー、例えば0eV〜50eVの範囲の電子を検出する役割を果たす。これらは、主に二次電子である。ランディングエネルギーに減速された一次電子ビームの電子が、これらの二次電子を発生させ、二次電子は、試料15から出て対物レンズ8を通して指向される。対物レンズ8の強い励起と第1クロスオーバーC1及び第2クロスオーバーC2の形成とにより、上記二次電子は大きな立体角で偏向される。ビーム案内管5における二次電子のエネルギーは、ビーム案内管5を通して案内された一次電子ビームの電子のエネルギーから僅かにしかずれていないが、この偏向は驚くほどに生じる。
これに対して、二次電子と比較して試料15から出る際に高い運動エネルギーを有し、したがってビーム案内管5を通して案内された一次電子ビームの電子のエネルギーにさらに近いビーム案内管5内のエネルギーを有する、試料15で後方散乱した電子(後方散乱電子)は、非常にわずかにしか第1検出器17によって捕えられない。これは、上記後方散乱電子が、対物レンズ8によって光軸OAの比較的近くに集束され(したがって、一次電子ビームの電子のように)、したがって第1検出器17の第1貫通開口19を通過し得るからである。しかしながら、後方散乱電子は、第2検出器18によって捕えられる。第1検出器17及び第2検出器18で生成された検出信号を用いて、試料15の表面の1つ又は複数の画像が生成される。
図2は、SEM1の例示的な第2実施形態の概略図を示す。図2における例示的な実施形態は、図1における例示的な実施形態に基づくものである。したがって、同一のコンポーネントは同一の参照符号で示す。図1に示す例示的な実施形態とは対照的に、図2における例示的な実施形態は、単一のコンデンサユニット、具体的にはコンデンサレンズ6のみを有する。
図3は、SEM1の例示的な第3実施形態の概略図を示す。図3における例示的な実施形態は、図1における例示的な実施形態に基づくものである。したがって、同一のコンポーネントは同一の参照符号で示す。図1に示す例示的な実施形態とは対照的に、第1クロスオーバーC1及び第2クロスオーバーC2以外のクロスオーバーは、試料15の方向で電子源2の下流のSEM1のビーム経路に配置されない。
図4は、SEM1のさらに別の例示的な実施形態を示す、図4における例示的な実施形態は、基本的に図2における例示的な実施形態に基づくものである。同一のコンポーネントは同一の参照符号で示す。図2に示す例示的な実施形態とは対照的に、個別電極13を管電極14と試料15との間の領域に配置する。さらに、図4に示すSEM1の例示的な実施形態では、2つのクロスオーバー、具体的には第1クロスオーバーC1及び第2クロスオーバーC2のみが、試料15の方向に見て電子源2からSEM1のビーム経路に配置される。
全ての実施形態で、複数のクロスオーバーがSEM1のビーム経路に存在し得ることにはっきりと言及しておく。しかしながら、重要なのは、常に2つのクロスオーバー、すなわち第1クロスオーバーC1及び第2クロスオーバーC2が磁気ユニットによって発生することである。
全ての実施形態で、対物レンズ8の磁気ユニットが強く励起されることで、複数のクロスオーバー、具体的には第1クロスオーバーC1又はC1’及び第2クロスオーバーC2が発生する。ここで説明した例示的な実施形態では、さらに静電遅延デバイスの集束作用を用いることができる(上記参照)。一次電子ビームの電子は、第1クロスオーバーC1又はC1’にすでに収束した後に、試料15の表面上の第2クロスオーバーC2に収束する。対物レンズ8の磁気ユニットの前述の動作モードにより(また、ここで説明した例示的な実施形態では、同じく静電遅延デバイスの集束作用により)試料15が放出した二次電子の軌道が一次電子ビームの電子の軌道とはかなり異なるような強い収差が生じる。二次電子のかなりの部分が第1検出器17に当たる。
対物レンズ8が発生させた収差が第2クロスオーバーC2における一次粒子ビームの十分に微細な集束を妨げる場合、補正器を電子源2と2つの検出器17及び18との間に配置することができ、この補正器を通して、対物レンズ8が発生させた収差を異なる符号によって相殺することで、補正器が発生させた収差と対物レンズが発生させた収差が完全に又は少なくとも部分的に補償し合うようにする。これに対応する補正器は、それらの構成に関して独国特許出願公開第10 2007 049 816号明細書又は独国特許出願公開第101 07 910号明細書から既知である。試料15から出た二次電子及び/又は試料15で後方散乱した一次電子(後方散乱電子)に関して、対物レンズ8が発生させた収差の補償は2つの検出器17、18の下流でしか生じないので、2つの検出器17、18に到達する前の二次電子及び/又は後方散乱電子の経路は、補正器がない場合と同程度まで軸外にあり、補正器による収差の補償が二次電子及び/又は後方散乱電子の検出性に悪影響を及ぼさない。
したがって、低エネルギー(例えば100eV未満)を有する一次電子ビームの電子を試料15の検査に用いた、試料15の十分に良好な像を得ることが可能である。上述の検出孔の問題はもはや存在しないか、又はわずかにしか存在しないので、依然として十分な数の電子、特に二次電子が第1検出器17に到達することで、試料15の良好な像の達成に十分な像情報が入手可能である。
さらに、SEM1は、試料15を約1mm〜2mmという比較的小さな作動距離で、検出孔の上述の問題を生じることなく検査することを可能にする。試料15の像のコントラストがこれによりさらに改善される。検出孔の上述の問題を生じることなく異なるビーム発生器を用いることも可能となる。
図を参照して、対物レンズ8が電磁界重畳レンズ(superposed magnetic and electrostatic lens)を有する例示的な実施形態を用いて本発明が説明されている。しかしながら、本発明は、粒子ビームを集束させる1つの磁界のみを発生させる純粋に磁気的な対物レンズでも実現可能である。磁界は、光軸に沿って有限距離にわたって延びるので、十分に大きな磁界強度を有する純粋な磁気レンズの場合でも、特にこの場所の一次粒子ビームの粒子エネルギーが1keV未満であれば、2つのクロスオーバーを光軸に沿って連続して順次形成することが可能である。
1 走査型電子顕微鏡(SEM)
2 電子源
3 引出電極
4 陽極
5 ビーム案内管
6 第1コンデンサレンズ
7 第2コンデンサレンズ
8 対物レンズ
9 第1開口ユニット
10 第2開口ユニット
11 対物レンズ磁極片
12 コイル
13 電極
14 管電極
15 試料(物体)
16 走査ユニット
17 第1検出器
18 第2検出器
19 第1貫通開口
20 第2貫通開口
21 第1偏向ユニット
22 第2偏向ユニット
23 第3偏向ユニット
24 制御ユニット
OA 光軸
C1 第1クロスオーバー
C1’第1クロスオーバー
C2 第2クロスオーバー
C3 第3クロスオーバー

Claims (14)

  1. 粒子ビームデバイス(1)であって、
    一次粒子ビームを発生させる少なくとも1つのビーム発生器(2)と、
    前記一次粒子ビームを物体面(15)に集束させる少なくとも1つの対物レンズ(8)と、
    前記物体面(15)が放出した粒子を検出する少なくとも1つの第1検出器(17)と
    を備え、
    前記対物レンズ(8)は、少なくとも1つの磁気ユニット(11、12)を有し、
    前記一次粒子ビームの少なくとも2つのクロスオーバー(C1、C1’、C2)が前記対物レンズ(8)によって連続して順次発生するように、該磁気ユニット(11、12)を励起する、粒子ビームデバイス。
  2. 請求項1に記載の粒子ビームデバイス(1)において、
    前記磁気ユニット(11、12)は、少なくとも1つの第1クロスオーバー(C1、C1’)及び少なくとも1つの第2クロスオーバー(C2)を発生させ、
    前記第1クロスオーバー(C1、C1’)を、前記対物レンズ(8)に、又は、前記対物レンズ(8)と前記物体面(15)との間の領域に、配置し、
    前記第2クロスオーバー(C2)を前記物体面(15)に配置した、粒子ビームデバイス。
  3. 請求項1又は2に記載の粒子ビームデバイス(1)であって、前記一次粒子ビームを整形する少なくとも1つの第1コンデンサユニット(6)を備えた粒子ビームデバイス。
  4. 請求項3に記載の粒子ビームデバイス(1)であって、前記一次粒子ビームを整形する少なくとも第2コンデンサユニット(7)を備えた粒子ビームデバイス。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒子ビームデバイス(1)において、前記対物レンズ(8)は少なくとも1つの静電ユニット(13、14)を有する粒子ビームデバイス。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の粒子ビームデバイス(1)であって、前記一次粒子ビームの粒子を第1所定エネルギーへと加速させ、加速後に該第1所定エネルギーを維持し、且つ前記一次粒子ビームの粒子を第2所定エネルギーへと減速させる、少なくとも1つの粒子エネルギー制御ユニット(4、13)を備えた粒子ビームデバイス。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の粒子ビームデバイス(1)であって、前記第1検出器(17)を配置した少なくとも1つのビームコラム(5)を備えた粒子ビームデバイス。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の粒子ビームデバイス(1)であって、前記物体面(15)で後方散乱した粒子を検出する少なくとも1つの第2検出器(18)を備えた粒子ビームデバイス。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の粒子ビームデバイス(1)において、
    該粒子ビームデバイス(1)を電子ビームデバイスとして構成し、
    前記ビーム発生器(2)を一次電子ビームの発生用に設け、
    前記対物レンズ(8)を前記一次電子ビームの集束用に設け、
    前記第1検出器(17)を、前記物体面(15)が放出した電子の検出用に設けた、粒子ビームデバイス。
  10. 請求項1〜8に記載の粒子ビームデバイス(1)において、
    該粒子ビームデバイス(1)をイオンビームデバイスとして構成し、
    前記ビーム発生器(2)を一次イオンビームの発生用に設け、
    前記対物レンズ(8)を前記一次イオンビームの集束用に設け、
    前記第1検出器(17)を、前記物体面(15)が放出した電子の検出用に設けた、粒子ビームデバイス。
  11. 粒子ビームデバイス(1)を操作する方法であって、
    該粒子ビームデバイス(1)は、一次粒子ビームを発生させる少なくとも1つのビーム発生器(2)と、前記一次粒子ビームを集束させる少なくとも1つの対物レンズ(8)とを備え、
    少なくとも2つのクロスオーバー(C1、C1’、C2)を前記一次粒子ビームの伝播方向に連続して順次発生させるように、前記対物レンズ(8)を励起する、方法。
  12. 請求項11に記載の方法において、物体(15)の表面の像を生成するために、前記一次粒子ビームと前記物体(15)との相互作用により発生する相互作用粒子を、前記ビーム発生器(2)と前記対物レンズ(8)との間に配置した少なくとも1つの検出器(17、18)を用いて検出する方法。
  13. 請求項12に記載の方法において、検出される前記相互作用粒子は、二次粒子及び/又は前記物体(15)で後方散乱した粒子である方法。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法において、
    前記一次粒子ビームの粒子は、前記物体(15)に当たる際に1keV未満のエネルギーを有するか、又は
    前記一次粒子ビームの粒子は、前記物体(15)に当たる際に100eV未満のエネルギーを有する、方法。
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