JP2014052556A - 反射スクリーン、映像表示システム - Google Patents

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【課題】安価で薄型であり、良好な映像を表示できる反射スクリーン、及び、これを備える映像表示システムを提供する。
【解決手段】反射スクリーン100は、レンズ面132と非レンズ面133とを有し背面側に凸となる単位レンズ131が複数配列されたフレネルレンズ形状を背面側に有するレンズ層13と、少なくとも単位レンズ131のレンズ面132に形成され、光を反射する反射層12とを備え、レンズ層13は、所定の透過率となるように着色されているものとした。
【選択図】図2

Description

本発明は、投射された映像光を反射して表示する反射スクリーンと、これを備える映像表示システムとに関するものである。
近年、反射スクリーンに映像を投射する映像源として、至近距離から比較的大きな入射角度で映像光を投写して大画面表示を実現する短焦点型の映像投射装置(プロジェクタ)等が広く利用されている。このような短焦点型の映像投射装置は、反射スクリーンに対して、上方又は下方から従来の映像源よりも大きな入射角度で映像光を投射することができ、反射スクリーンを用いた映像表示システムの省スペース化等に寄与している。
このような短焦点型の映像投射装置によって投射された映像光を良好に表示するために、単位レンズが複数配列されて形成されたリニアフレネルレンズ形状やサーキュラーフレネルレンズ形状を有するレンズ層の表面に反射層を形成した反射スクリーン等が様々に開発されている(例えば、特許文献1)。
特開2008−76523号公報
反射スクリーンにおいても、薄型化、低コスト化や、コントラストの高い良好な映像を表示することは、常に求められる課題である。
また、近年では、反射スクリーンを用いて2次元映像の表示だけでなく、3次元映像(立体映像)を表示したいという要望もある。しかし、例えば、従来の反射スクリーンを用いてパッシブ方式の3次元映像を表示する場合には、反射スクリーンを構成する樹脂層等のリタデーションにより、映像光の偏光状態が乱れ、良好な3次元映像が表示できない場合がある。
これら解決するために、例えば、樹脂製の基材層を備え、その映像源側の面に光を正反射する反射層が形成された従来の反射スクリーンを用いた場合には、映像光の偏光状態は良好に維持されるが、外光が観察者側へ反射されて映像のコントラストが低下する場合がある。また、このような反射スクリーンでは、短焦点型の映像投射装置によって投射された映像光の入射角が従来の反射スクリーンに比べて大きいため、観察者のいるスクリーンの正面方向へ十分反射させることができず、明るい映像を得られない場合がある。
特許文献1に示す反射スクリーンは、上述のような課題を解決することに関して、一切開示されていない。
本発明の課題は、安価で薄型であり、コントラストが高く、良好な映像を表示できる反射スクリーン、及び、これを備える映像表示システムを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、映像源から投射された映像光を反射して表示する反射スクリーンであって、レンズ面(132,232)と非レンズ面(133,233)とを有し背面側に凸となる単位レンズが複数配列されたフレネルレンズ形状を背面側に有するレンズ層(13,23)と、少なくとも前記単位レンズの前記レンズ面に形成され、光を反射する反射層(12)と、を備え、前記レンズ層は、所定の透過率となるように着色されていること、を特徴とする反射スクリーン(100,200,300)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、前記レンズ層(13,23)よりも映像源側に、所定の透過率となるように着色された第2着色層(21)を備えること、を特徴とする反射スクリーン(200,300)である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、前記レンズ層(13,23)よりも映像源側に、映像光を拡散又は透過する少なくとも1つの層(15,24,34,35,36,37)を備え、前記第2着色層は、該反射スクリーンを構成する層の少なくとも2つを一体に積層する接合作用を有すること、を特徴とする反射スクリーン(200,300)である。
請求項4の発明は、請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、前記レンズ層(13,23)よりも映像源側に、映像光を拡散又は透過する少なくとも1つの層(15,24,34,35,36,37)を備え、前記第2着色層(21)は、該反射スクリーンを構成する層の1つに他の層を形成する下地機能を有すること、を特徴とする反射スクリーン(200,300)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーン(100,200,300)と、前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源(LS,LS1,LS2)と、を備える映像表示システム(1,2,3)である。
本発明によれば、安価で薄型であり、コントラストが高く、良好な映像を表示できる反射スクリーン、及び、これを備える映像表示システムを提供できる。
第1実施形態の反射スクリーン100を備える映像表示システム1を示す図である。 第1実施形態の反射スクリーン100の層構成を説明する図である。 第1実施形態のレンズ層13を説明する図である。 第2実施形態の反射スクリーン200を備える映像表示システム2を説明する図である。 第2実施形態の反射スクリーン200の層構成を説明する図である。 第2実施形態のレンズ層23を背面側正面方向から観察した様子を示す図である。 第3実施形態の反射スクリーン300の層構成を説明する図である。 第1異方性拡散層36及び第2異方性拡散層35を説明する図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の反射スクリーン100を備える映像表示システム1を示す図である。図1(a)は、映像表示システム1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示システム1の側面図である。
映像表示システム1は、反射スクリーン100、映像源LS等を有している。本実施形態の映像表示システム1では、映像源LSから投影された映像光L1を反射スクリーン100が反射して、その画面上に映像を表示する一般的な映像表示システムである。
この映像表示システム1は、例えば、フロントプロジェクションテレビシステム等として用いてもよい。また、映像表示システム1は、反射スクリーン100及び映像源LS等に加えて、さらに反射スクリーン100の観察画面上の入力部の位置を検出する位置検出部やパーソナルコンピュータ等を備えたインタラクティブボードシステムとしてもよい。
映像源LSは、映像光L1を反射スクリーン100へ投射する装置であり、汎用の短焦点型プロジェクタ等を用いることができる。この映像源LSは、使用状態において、反射スクリーン100の画面を法線方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、反射スクリーン100の画面左右方向において中央であって、反射スクリーン100の画面(表示領域)よりも下方側となる位置に配置されている。
なお、スクリーン面とは、反射スクリーン100全体として見たときにおける、反射スクリーン100の平面方向となる面を示すものである。このスクリーン面は、反射スクリーン100の使用状態において、反射スクリーン100の画面に平行な方向であるとする。
映像源LSは、反射スクリーン100の画面に直交する方向(反射スクリーン100の厚み方向)における反射スクリーン100との距離が、従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から映像光L1を投射できる。即ち、この映像源LSは、従来の汎用プロジェクタに比べて、反射スクリーン100までの投射距離が短く、その映像光L1の反射スクリーン100に対する入射角度も大きい。
反射スクリーン100は、映像源LSが投射した映像光L1を観察者O側へ向けて反射し、映像を表示するスクリーンである。使用状態において、この反射スクリーン100の観察画面は、観察者O側から見て、長辺方向が画面左右方向となる略矩形状である。
なお、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この反射スクリーン100の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であるとする。
反射スクリーン100は、その背面側に、平板状の支持板50が、粘着材等からなる不図示の接合層を介して設けられており、この支持板50により、その平面性を維持している。なお、これに限らず、反射スクリーン100は、不図示の枠部材等によって支持され、その平面性を維持する形態としてもよい。支持板50は、光透過性を有していないものとすることが好ましい。
この反射スクリーン100は、対角80インチや対角100インチ等の大きな画面(表示領域)を有している。
図2は、第1実施形態の反射スクリーン100の層構成を説明する図である。
図2では、反射スクリーン100の観察画面(表示領域)の幾何学的中心(画面中央)となる点C(図1参照)を通り、画面上下方向に平行であって、スクリーン面に直交(厚み方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
反射スクリーン100は、厚み方向において映像源側(観察者側)から順に、表面層15、拡散層14、レンズ層13、反射層12、光吸収層11等を備えており、これらが一体に積層されている。
拡散層14は、光を拡散する拡散作用を有し、かつ、レンズ層13を形成する基材となる層である。拡散層14の映像源側には表面層15が形成され、背面側にはレンズ層13が形成されている。
拡散層14は、光透過性を有する樹脂を母材とし、光を拡散する拡散材を含有するシート状の部材を用いることができる。この拡散層14は、視野角を広げたり、明るさの面内均一性の向上を図ったりする機能を有する。
拡散層14の母材となる樹脂は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、アクリル系樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、アクリル樹脂等を用いることができる。
拡散層14に用いられる拡散材は、例えば、アクリル系、スチレン系、AS(アクリル・スチレンの共重合体)等の樹脂製の粒子や、シリコン系等の無機粒子等であり、平均粒径が約1〜30μmのものが好適である。
この拡散層14は、反射スクリーンの画面サイズや、所望する拡散作用等にも依るが、例えば、その厚さが100〜200μmであるものを用いることが好ましい。拡散層14の厚さが上記範囲よりも薄いと、光拡散作用が不十分となり、上記範囲よりも厚いと、像ボケ等を招くおそれがある。従って、拡散層14の厚さは、上記範囲とすることが好ましい。
図3は、第1実施形態のレンズ層13を説明する図である。図3は、図2に示す断面の一部をさらに拡大して示している。
レンズ層13は、拡散層14の背面側に設けられ、図2及び図3に示すように、その背面側の面に単位レンズ131が複数配列されたフレネルレンズ形状を有している。また、レンズ層13は、所定の透過率となるように、灰色や黒色等の染料や顔料等により着色が施されており、反射スクリーン100に入射した照明光等の不要な外光や迷光を吸収して、映像のコントラストを向上させる機能を有する。このような機能を奏するために、レンズ層13の透過率は、50〜80%とすることが好ましい。
単位レンズ131は、画面左右方向を長手方向とする略三角柱状であって、画面上下方向に複数配列されている。従って、本実施形態のレンズ層13は、背面側の面にリニアフレネルレンズ形状を有している。なお、これに限らず、例えば、レンズ層13が背面側の面に、後述の図6等に示すようなサーキュラーフレネルレンズ形状を有する形態としてもよい。
単位レンズ131は、図2や図3に示すように、スクリーン面に直交する方向(反射スクリーン100の厚み方向)に平行であって、単位レンズ131の配列方向(画面上下方向)に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
単位レンズ131は、背面側に凸であり、レンズ面132と、レンズ面132と頂点tを挟んで対向する非レンズ面133とを備えている。
反射スクリーン100の使用状態において、単位レンズ131では、レンズ面132が頂点tを挟んで非レンズ面133よりも鉛直方向上側に位置している。
単位レンズ131において、図3に示すように、レンズ面132がスクリーン面に平行な面となす角度は、αであり、非レンズ面133がスクリーン面に平行な面となす角度は、β(β>α)である。
また、単位レンズ131の配列ピッチは、Pであり、単位レンズ131のレンズ高さ(スクリーンの厚み方向における頂点tから単位レンズ131間の谷底となる点vまでの寸法)は、hである。
理解を容易にするために、図2や図3等では、単位レンズ131の配列ピッチP、角度α,βは、単位レンズ131の配列方向において一定であるように示している。しかし、これに限らず、例えば、配列ピッチP等が一定であるが、角度αが単位レンズ131の配列方向において、画面下方から上方へ次第に大きくなっている形態等としてもよいし、角度α等が一定であり、配列ピッチPが、単位レンズ131の配列方向に沿って次第に変化する形態としてもよい。配列ピッチPや角度α等は、映像光を投影する映像源LSの画素(ピクセル)の大きさや、映像源LSの投射角度(反射スクリーン100のスクリーン面への映像光の入射角度)、反射スクリーン100の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
このレンズ層13は、染料や顔料を含有するウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂により、形成してもよい。また、染料や顔料を含有するPET樹脂や、PC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、TAC樹脂、PEN樹脂等の熱可塑性樹脂により、形成してもよい。
電離放射線硬化型樹脂を用いる場合は、例えば、拡散層14の一方の面を、電離放射線硬化型樹脂が充填されたフレネルレンズ形状を賦形する成形型に押圧し、電離放射線を照射して硬化させた後に成形型を離型する等の方法により、レンズ層13を形成することができる。また、熱可塑性樹脂を用いる場合は、押し出し成型、射出成型等により、レンズ層13を形成することができる、なお、レンズ層13の形成方法は、使用する樹脂等に応じて、適宜選択してよく、この限りではない。
反射層12は、光を反射する作用を有する層である。この反射層12は、少なくともレンズ面132に形成される。本実施形態の反射層12は、図2や図3に示すように、レンズ面132に形成されているが、非レンズ面133には形成されていない。
この反射層12は、白色又は銀色系の塗料や、白色又は銀色系の顔料やビーズ等を含有する紫外線硬化型樹脂又は熱硬化性樹脂、銀やアルミニウム等の金属蒸着膜や金属箔等を粉砕した粒子や微小なフレークを含む塗料等を、スプレーコートや、ダイコート、スクリーン印刷、ワイピングによる溝充填等の各種塗布方法により塗布して硬化させることにより形成できる。また、反射層12は、レンズ面132上に、アルミニウムや銀、ニッケル等の金属を蒸着する、スパッタリングする、又は金属箔を転写する等により形成することができる。
本実施形態の反射層12は、アルミニウムをレンズ面132に蒸着することにより形成されている。
光吸収層11は、レンズ層13及び反射層12の背面側に設けられ、光を吸収する作用を有している。本実施形態の光吸収層11は、図2及び図3に示すように、反射層12及び非レンズ面133を被覆しており、非レンズ面133に光吸収層11が形成された形態となっている。
光吸収層11は、黒色等の暗色系の塗料や、黒色等の暗色系の顔料や染料及び光吸収作用を有するビーズ等を含有する熱硬化型樹脂もしくは紫外線硬化型樹脂を、反射層12を形成したレンズ層13の背面側(フレネルレンズ形状側)に塗布して硬化させることにより、形成される。
図2に戻って、表面層15は、反射スクリーン100映像源側の表面となる位置に形成されている。本実施形態の表面層15は、拡散層14の映像源側に一体に設けられている。
表面層15には、反射防止機能や防眩機能、紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能、ハードコート機能、タッチパネル機能等、適宜必要な機能を1つ又は複数選択して設けることができる。
本実施形態の表面層15は、反射スクリーン100の映像源側表面の傷つきを低減するハードコート機能と、防眩機能と、天井への映像光の映り込みを防止する機能とを有している。そして、本実施形態の表面層15は、ハードコート機能を有する電離放射線硬化型樹脂等により形成され、表面に微細な凹凸形状(マット形状)を有している。
この表面層15は、その厚さが、1〜25μm程度とすることが好ましい。
なお、表面層15は、フィルム状とし、不図示の粘着材等による接合層により拡散層14に接合される形態としてもよい。
図2に戻り、本実施形態の反射スクリーン100へ入射する映像光及び外光の様子を説明する。理解を容易にするために、図2においては、表面層15、拡散層14、レンズ層13の屈折率が等しいものとして示している。
映像源LSから投影された大部分の映像光L2は、反射スクリーン100の下方から入射し、表面層15等を透過してレンズ層13の単位レンズ131へ入射する。
そして、映像光L2は、レンズ面132へ入射して反射層12によって反射され、反射スクリーンの正面方向又はそれに近い方向へ偏向し、観察者O側へ向かって反射スクリーン100から出射する。なお、映像光L2が反射スクリーン100の下方から投射され、角度βが反射スクリーン100の画面上下方向の各点における映像光L2の入射角度よりも大きいので、映像光L2が非レンズ面133に直接入射することはなく、非レンズ面133は、映像光L2の反射には影響しない。
従って、映像光L2を効率よく観察者側へ反射することができ、明るい映像を表示できる。また、映像光L2は、拡散層14により画面上下方向及び画面左右方向に拡散されるので、反射スクリーンとして良好な視野角を実現でき、輝度ムラも低減できる。
一方、照明光等の不要な外光G1,G2は、図2に示すように、主として反射スクリーン100の上方から入射し、表面層15及び拡散層14を透過してレンズ層13の単位レンズ131へ入射する。
そして、一部の外光G1は、非レンズ面133へ入射して、光吸収層11によって吸収される。また、一部の外光G2は、レンズ面132で反射して、主として反射スクリーン100の下方側へ向かうので、観察者O側には直接届かず、また、届いた場合にもその光量は、映像光Lに比べて大幅に少ない。さらに、外光G1,G2の一部や、上述の外光G1,G2以外の外光は、着色されたレンズ層13によっても吸収される。従って、反射スクリーン100では、外光G1,G2による映像のコントラスト低下を抑制できる。
上述のように、本実施形態によれば、明室環境下であっても、明るく、コントラストの高い良好な映像を表示できる。また、従来の一般的な反射スクリーンでは、例えば、コントラストの向上等の目的で、表面層15と拡散層14との間や、拡散層14とレンズ層13との間等に、顔料等を含有する樹脂製のシート状の着色層を設けている場合があるが、本実施形態にれば、そのようなシート状の着色層が不要であり、層数やスクリーンの厚さを削減できる。従って、製造も容易であり、生産コストを抑えることができ、反射スクリーン100の薄型化も実現できる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態の反射スクリーン200を備える映像表示システム2を説明する図である。
映像表示システム2は、反射スクリーン200と、映像源LS1,LS2とを備えるパッシブ方式の立体映像表示システムである点が、前述の第1実施形態の映像表示システム1とは異なる。また、第2実施形態の反射スクリーン200は、拡散層14を備えておらず、拡散層24、着色プライマ層21を備えている点等が異なる以外は、前述の第1実施形態の反射スクリーン100と略同様の形態である。
従って、前述の第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を定義省略する。
映像表示システム2は、反射スクリーン200、映像源LS1,LS2等を有するパッシブ方式の立体映像表示システムである。
本実施形態の映像表示システム2では、映像源LS1は、左目用の映像を表示する左目用映像光L3を、映像源LS2は、右目用の映像を表示する右目用映像光L4を、それぞれ反射スクリーン200に投射し、それを反射スクリーン200が反射して画面上に映像を表示する。この左目用映像光L3及び右目用映像光L4は、互いに異なる偏光面を有する偏光である。観察者Oは、右目用映像光L4を透過する右目用透過部42と、左目用映像光L3を透過する左目用透過部41とを備える偏光メガネ40を装着して反射スクリーン200を観察することにより、反射スクリーン200の画面に表示される映像を、3次元映像(立体映像)として観察する。
本実施形態の左目用映像光L3及び右目用映像光L4は、いずれも直線偏光であり、その偏光方向は互いに直交している。また、左目用映像光L1の左目用映像と右目用映像光L2の右目用映像とは、その視角が異なっている。なお、左目用映像光L3及び右目用映像光L4は、回転方向が異なる円偏光(右回り円偏光、左回り円偏光)や、楕円偏光等としてもよい。
なお、この映像表示システム2では、反射スクリーン200に対して、1つの映像源(例えば、映像源LS1)から、2D映像(2次元映像)を表示する映像光を投射した場合には、反射スクリーン200の画面には2次元映像が表示される。
従って、この映像表示システム2は、2次元映像を表示する一般的な映像表示システムとしても使用可能である。
映像源LS1,LS2は、互いに異なる偏光である左目用映像光L3及び右目用映像光L4を反射スクリーン200へ投射する装置である。この映像源LS1,LS2は、前述の映像源LSと同様な短焦点型プロジェクタであり、使用状態において、反射スクリーン200の画面を法線方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、反射スクリーン200の画面左右方向において中央近傍であって、反射スクリーン200の画面(表示領域)よりも下方側となる位置に配置されている。
このような映像光として偏光を投射する映像源LS1,LS2としては、例えば、短焦点用の液晶プロジェクタや、映像光の出射部分に不図示の偏光板を備えたCRT方式のプロジェクタ等を用いることができる。
また、本実施形態では、映像源を2台用いる例を示したが、これに限らず、1台の映像源に2つの映像光投射部を備えている形態としてもよいし、1台の映像源であって1つの映像光投射部から左目用映像光L1及び右目用映像光L2を投射する形態としてもよい。
図5は、第2実施形態の反射スクリーン200の層構成を説明する図である。
反射スクリーン200は、厚み方向において、観察者側から、表面層15、着色プライマ層21、拡散層24、レンズ層23、反射層12、光吸収層11等を備え、これらが一体に積層されている。
図6は、第2実施形態のレンズ層23を背面側正面方向から観察した様子を示す図である。図6では、理解を容易にするために、反射層12や光吸収層11は省略して示している。
レンズ層23は、拡散層24の背面側に設けられ、図6に示すように、単位レンズ231が同心円上に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状をその背面側に有している。このサーキュラーフレネルレンズ形状は、その光学的中心(フレネルセンター)である点Fが、反射スクリーン200の画面(表示領域)の領域外であって、反射スクリーン200の下方に位置している。
このレンズ層23は、前述の第1実施形態のレンズ層13と同様に、暗色系の染料や顔料を含有しており、所定の透過率(50〜80%)となるように着色されている。
図5に戻って、レンズ層23の単位レンズ231は、第1実施形態の単位レンズ131と同様に、レンズ面132及び非レンズ面133を有している。
レンズ面132がスクリーン面に平行な面となす角度は、αであり、非レンズ面133がスクリーン面に平行な面となす角度は、β(β>α)である。
また、単位レンズ131の配列ピッチは、Pであり、単位レンズ131のレンズ高さ(スクリーンの厚み方向における頂点tから単位レンズ231間の谷底となる点vまでの寸法)は、hである。
図5及び図6に示すように、単位レンズ231の配列ピッチP、角度α,βは、単位レンズ231の配列方向において一定であるように示しているが、実際は、本実施形態では、配列ピッチPが一定であり、角度αが点Fから離れるにつれて次第に大きくなっている。また、これに限らず、角度α等が一定であり、配列ピッチPが、単位レンズ231の配列方向に沿って次第に変化する形態としてもよい。配列ピッチPや角度α等は、映像光を投影する映像源LS1,LS2の画素(ピクセル)の大きさや、映像源LS1,LS2の投射角度(反射スクリーン200のスクリーン面への映像光の入射角度)、反射スクリーン100の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
反射層12は、前述の第1実施形態と同様に、レンズ層23の単位レンズ231のレンズ面132に、アルミニウムを蒸着して形成されている。
本実施形態では、反射層12は、映像光の反射前後での偏光状態が変化しないように、正反射する(略正反射する、も含む)ものが好ましい。従って、反射層12は、アルミニウムや銀、ニッケル等の金属の蒸着膜、スパッタ膜、金属の転写箔等により形成されることが好ましい。
図5に戻って、拡散層24は、前述の第1実施形態の拡散層14とは、母材となる樹脂等が異なる以外は、拡散層14と略同様の形態を有している。
拡散層24は、その母材となる樹脂として、アクリル樹脂(特に、PMMA(ポリメチルメタクリレート)樹脂)を用いている。また、拡散層24に含まれる拡散材としては、アクリル系、スチレン系、AS(アクリル・スチレンの共重合体)等の樹脂製の粒子や、シリコン系等の無機粒子等を使用でき、その平均粒径は、約1〜30μmのものが好適である。
拡散層24は、上記拡散材を含有するアクリル樹脂を、キャスト法等のように、無延伸、もしくは、殆ど延伸しないようにして形成されたシート状の部材を用いている。
拡散層24は、アクリル樹脂(特に、PMMA樹脂)を母材としている。
アクリル樹脂は、シート状に成型した場合に、その厚み方向(シート面に対する法線方向)におけるリタデーション値と、厚み方向に対して角度γをなす方向から入射した光の進行方向(入射角γの進行方向)におけるリタデーション値とが、いずれも、PC樹脂やMBS樹脂等の他の熱可塑性樹脂等に比べて低い。
従って、拡散層24の母材をアクリル樹脂とすることにより、左目用映像光L3及び右目用映像光L4が、反射スクリーン200内を透過することによる偏光状態の変化を大幅に抑制できる。これにより、パッシブ方式の立体映像表示システム等で問題になり易いクロストーク(右目用の映像光が左目に届く、左目用の映像光が右目に届く等といった現象)を大幅に改善することができる。
着色プライマ層21は、表面層15と拡散層24との間に設けられ、前述の拡散層24の映像源側の面に表面層15形成するための下地となる層であり、黒色や灰色等の暗色系の顔料や染料等により、所定の透過率となるように着色されている。
一般的に、アクリル樹脂と電離放射線硬化型樹脂(特に、紫外線硬化型樹脂)とは、密着性が低い。従って、拡散層24の映像源側の面に直接、表面層15を形成した場合には、表面層15の剥離や破損等が生じやすい。従って、拡散層24の映像源側の面には、表面層15を形成する前に、表面層15の密着性を向上させるためのプライマ(下地)を塗付する。
本実施形態の着色プライマ層21は、このプライマに着色を施して塗付したものである。この着色プライマ層21の光の透過率は、50〜80%とすることが、外光や迷光を吸収し、黒輝度を低減してコントラストを向上させたり、反射スクリーン200の品位を高める観点から好ましい。また、着色プライマ層21は、その厚さを1〜20μmとすることが好ましい。
着色プライマ層21としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等を用いることができ、これに添加される着色剤としては、黒色や灰色等の顔料や染料等を用いることができる。
一般的に、レンズ層23のようなサーキュラーフレネルレンズ形状を有する場合、配列ピッチPを一定とすると、フレネルセンターとなる点Fに近い単位レンズ231ほど、レンズ高さhが小さくなり、レンズ層23自体の厚みも薄くなる。そのため、レンズ層23の着色の濃度が、点Fに近づくにつれて薄くなり、映像光等を投射していない状態で、反射スクリーンを正面方向から観察すると、グラデーションとなって観察され、反射スクリーンの品位を低下させる場合がある。
しかし、本実施形態のように、着色プライマ層21を設けることにより、そのようなレンズ層23の着色ムラを低減でき、反射スクリーン200の品位を向上させることができる。しかも、着色プライマ層21は薄く、また、塗付するだけで簡単に作成できるので、薄型化を実現でき、かつ、安価な反射スクリーンとすることができる。
また、本実施形態によれば、着色プライマ層21が薄く、かつ、拡散層24はリタデーション値が小さいので、映像光の偏光状態を大きく乱すことがなく、クロストークを大幅に低減し、良好な3次元映像を提供できる。
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態の反射スクリーン300の層構成を説明する図である。図7では、図5に示す反射スクリーン200の断面に相当する反射スクリーン300の断面を示している。
第3実施形態の反射スクリーン300は、拡散層24等を備えず、第1基材層37、第1異方性拡散層36、第2異方性拡散層35、第2基材層34を備えている点が、第2実施形態の反射スクリーン200とは異なる以外は、前述の第2実施形態の反射スクリーン200と同様の形態である。従って、前述の第1実施形態及び第2実施形態と、同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
この第3実施形態の反射スクリーン300は、第2実施形態に示す映像表示システム2に用いることができる。
この反射スクリーン300は、厚み方向において、表面層15、着色プライマ層21、第1基材層37、第1異方性拡散層36、第2異方性拡散層35、第2基材層34、レンズ層23、反射層12、光吸収層11等を備え、これらが接合層38a,38b,38c等を介して一体に積層されている。
第1基材層37は、第1異方性拡散層36を支持し、その剛性を高める機能を有する層であり、この反射スクリーン300の剛性を高める機能も有している。
第1基材層37は、光透過性を有する樹脂製のシート状の部材を用いることができる。第1基材層37は、接合層38aを介して、その背面側の面に第1異方性拡散層36を積層しており、映像源側に着色プライマ層21を介して表面層15が形成されている。
第1基材層37は、アクリル樹脂を用いて形成されることが、反射スクリーン300のリタデーション値低減の観点から好ましい。第1基材層37に用いられるアクリル樹脂としては、例えば、PMMA樹脂を用いることができる。この第1基材層37は、反射スクリーン300の画面サイズにもよるが、上述のようなアクリル樹脂製であり、厚さ30〜100μm程度のシート状の部材を用いることができる。
この第1基材層37は、キャスト法等により形成され、スクリーン面の法線方向(厚み方向)及びその法線方向に対して角度をなす方向におけるリタデーション値が、PC樹脂やMBS樹脂等の他の熱可塑性樹脂に比べて、小さいという特徴を有している。
次に、第1異方性拡散層36及び第2異方性拡散層35について説明する。
第1異方性拡散層36及び第2異方性拡散層35は、一方の面に対して、特定の角度範囲内の入射角で入射した光は、拡散して他方の面から出射し、それ以外の入射角で入射した光は、拡散せずにそのまま他方の面から出射するという特性を有している。
この第1異方性拡散層36及び第2異方性拡散層35は、厚さが40〜100μmであり、紫外線硬化型のアクリル樹脂製である。
図8は、第1異方性拡散層36及び第2異方性拡散層35を説明する図である。図8(a)は、第1異方性拡散層36の表面に平行な第1の方向J1に平行であって厚み方向に平行な断面における拡散作用を説明する図であり、図8(b)は、スクリーンの正面方向から見た第1異方性拡散層36の表面に平行な第1の方向J1及び第2異方性拡散層35の第1の方向J2を示す図である。なお、図8(a)では、理解を容易にするために、第1の方向J1において、紙面右側を+側、紙面左側を−側として示している。
第1異方性拡散層36は、その表面に平行な第1の方向J1を含みスクリーン面に直交する平面内において、一方の面から所定の角度範囲内の入射角で入射する光に関しては、拡散して他方の面に出射し、それ以外の入射角で入射する光は、拡散せずに透過し、他方の面から出射するという異方性を有する拡散作用を有している。
第1異方性拡散層36は、図8(a)に示すように、第1の方向J1を含みスクリーン面に直交する平面内において、一方の面に、表面の法線方向(スクリーン面の法線方向に平行な方向)Hに対して+側に角度θ1からθ2(ただし、θ2>θ1)となる角度範囲A1内の入射角で入射する光L5は、他方の面側に角度範囲D1(法線方向Hに対して−側に角度θ1から角度θ2となる範囲)内に拡散して出射する。しかし、それ以外の角度範囲B1、C1内の入射角で入射する光L6、L7は、拡散せずに透過し、他方の面から角度範囲E1,F1内に出射する。
また、特に図示しないが、他方の面側から、第1異方性拡散層36へ角度範囲D1内の入射角で入射する光は、角度範囲A1内に拡散して出射し、それ以外の角度範囲E1、F1内の入射角で入射する光は、拡散せずに透過し、角度範囲B1,C1内に出射する。
また、第2異方性拡散層35は、その表面に平行な第1の方向J2を含みスクリーン面に直交する平面内において、前述の第1異方性拡散層36と同様に、異方性を有する拡散作用を有している。
しかし、第2異方性拡散層35は、第1の方向J2に平行かつスクリーン面に直交する断面(前述の図8(a)に示す断面に相当)において、拡散作用を発する角度範囲や拡散されて出射する角度範囲が、法線方向Hに対して前述の第1異方性拡散層36の角度範囲A1,D1と対称な範囲となっている。
本実施形態の第2異方性拡散層35は、前述の第1異方性拡散層36と同様の部材であり、画面左右方向は維持したまま、画面上下方向が第1異方性拡散層36の配置とは反対となるように、その表裏面を反対にして配置されている。
第2異方性拡散層35では、第1の方向J2に平行かつスクリーン面に直交する断面において、一方の面側から、法線方向(スクリーン面の法線方向に平行な方向)Hに対して−側に角度θ1から角度θ2となる角度範囲内の入射角で入射する光は、他方の面側の法線方向Hに対して+側に角度θ1から角度θ2となる範囲内に拡散して出射する。しかし、それ以外の角度範囲内の入射角で第2異方性拡散層35に入射する光は、拡散せずに透過して出射する。
また、第2異方性拡散層35では、第1の方向J2に平行かつスクリーン面に直交する断面において、他方の面側から、法線方向Hに対して+側に角度θ1から角度θ2となる範囲内に入射する光は、一方の面の法線方向Hに対して−側に角度θ1から角度θ2となる角度範囲内に拡散されて出射する。しかし、それ以外の角度範囲内の入射角で他方の面側から入射する光は、拡散せずに透過して出射する。
本実施形態では、例えば、第1異方性拡散層36及び第2異方性拡散層35は、いずれも、角度θ1=−15°、角度θ2=+角度15°とすることができる。
また、本実施形態では、第1異方性拡散層36の第1の方向J1と、第2異方性拡散層35の第1の方向J2とは、図8(b)に示すように、画面右側端部が、画面左右方向に平行な直線Tに対して、それぞれ、画面上側に角度φ、画面下側に角度φ(ただし、0°<φ<90°)をなすように配置されている。
このような配置とすることにより、第1異方性拡散層36及び第2異方性拡散層35は、画面左右方向だけでなく、画面上下方向においても光を拡散することができる。従って、反射スクリーン300は、画面上下方向及び画面左右方向において、良好な視野角を確保することができる。
なお、角度θ1,θ2や、角度φについては、上述の値に限らず、所望する光学性能に合わせて、適宜設定することができる。
第2基材層34は、前述の第2異方性拡散層35を支持し、その剛性を高める機能を有する層であり、この反射スクリーン100の剛性を高める機能も有している。
第2基材層34は、光透過性を有する樹脂製のシート状の部材であり、接合層38bを介して、その映像源側の面に第2異方性拡散層35を積層している。また、この第2基材層34の背面側には、レンズ層23が一体に形成されている。
この第2基材層34は、前述の第1基材層37と同様の部材を用いることができる。
接合層38a,38b,38cは、それぞれ、第1基材層37と第1異方性拡散層36、第2異方性拡散層35と第2基材層34、第1異方性拡散層36と第2異方性拡散層35とを一体に接合する機能を有する層である。この接合層38a,38b,38cは、紫外線や熱に反応して粘着性や接着性を発現する粘着剤や接着剤、圧力により粘着性を発現する形態の粘着剤等を用いることができる。このような接合層としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。
なお、本実施形態では、反射スクリーン300の厚み方向において、映像源側から順に、第1基材層37、第1異方性拡散層36、第2異方性拡散層35、第2基材層34と配置される例を挙げて説明したが、これに限らず、厚み方向における第1基材層37と第1異方性拡散層36の位置、第2異方性拡散層35と第2基材層34との位置は、適宜入れ替えてもよい。
また、例えば、第1基材層37が十分な剛性を有するならば、第2基材層34を備えない形態としてもよい。
本実施形態のような構成の反射スクリーン300とした場合にも、レンズ層23の着色ムラを低減でき、反射スクリーン300の品位を向上させることができる。
また、着色プライマ層21は薄く、また、塗付するだけで簡単に作成できるので、薄型化を実現でき、かつ、安価な反射スクリーンとすることができる。
さらに、本実施形態によれば、一般にPC樹脂製のシート等が用いられる第1基材層37及び第2基材層34がアクリル樹脂製であり、リタデーション値が小さいので、映像光の偏光状態を大きく乱すことがなく、クロストークを大幅に低減し、良好な3次元映像を提供できる。
なお、上述の第3実施形態では、着色プライマ層21を備える例を挙げて説明したが、これに限らず、第1基材層17と表面層15との間のプライマ層を光透過性を有するものとし、接合層38aが染料や顔料等を含有する着色接合層となる形態としてもよいし、接合層38bや接合層38cを着色接合層としてもよい。
(変形形態)
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態において、表面層15は、単層である例を示したが、これに限らず、例えば、反射防止機能や紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能等の機能を有する層を備えた積層構造としてもよい。
(2)第1実施形態において、反射スクリーン100は、その背面側に設けられた支持板50に不図示の粘着材層等を介して接合されており、略平板状である例を示したが、これに限らず、例えば、支持板50を備えず、反射スクリーン100が粘着材層等を介して壁面等に接合される形態としてもよいし、支持板50を裏面に接合した状態で壁面に固定されたり、フック等の支持部材で壁面に吊り下げされたりする形態等としてもよい。
また、第1実施形態において、反射スクリーン100は、使用時及び不使用時には略平板状である例を示したが、これに限らず、不使用時には巻き取って保管できる巻き取り可能な形態としてもよい。このような形態の場合には、支持板50等を設けず、反射スクリーン100の背面側を、光を透過しにくい布製又は樹脂製の遮光幕や耐傷性を向上させる保護層等で被覆する形態とすればよい。
なお、第2実施形態及び第3実施形態においても、同様である。
(3)各実施形態において、単位レンズ131,231は、図2等に示す断面において、レンズ面132及び非レンズ面133が直線状となる例を示したが、これに限らず、この断面において、例えば、レンズ面132や非レンズ面133の一部が曲線状となっていてもよい。
また、各実施形態において、単位レンズ131,231のレンズ面132及び非レンズ面133は、いずれも1つの面である例を示したが、これに限らず、例えば、少なくとも一方の面が、複数の面から構成される形態としてもよい。
さらに、各実施形態において、単位レンズ131,231は、図2等に示す断面形状が略三角形形状である例を示したが、これに限らず、例えば、略台形形状であり、その頂部にスクリーン面に平行な頂面(不図示)を有する形態としてもよい。このとき、頂面は、映像光の反射に寄与しない領域に形成されることが好ましい。頂面上には、光吸収層を形成してもよいし、反射層を形成してもよい。
(4)各実施形態において、反射スクリーン100,200,300は、光吸収層11を備え、非レンズ面133が、光吸収層11で被覆される例を示したが、これに限らず、光吸収層11を備えず、非レンズ面133にも反射層12が形成される形態としてもよい。
この場合、反射層12は、単位レンズ131,231間の谷部を充填し、その背面側の面が略平面状となる形態としてもよいし、単位レンズ131,231の凹凸形状に沿って所定の厚さで形成される形態としてもよいし、十分な反射特性を有しているならば、その厚さが均一でなくともよい。
(5)各実施形態において、映像源LS及び映像源LS1,LS2は、鉛直方向において反射スクリーン100,200,300より下方に位置し、映像光が反射スクリーン100,200,300の下方から斜めに投射される例を示したが、これに限らず、例えば、映像源LS,LS1,LS2が、鉛直方向において反射スクリーン100より上方に位置し、映像光が反射スクリーン100,200,300の上方から斜めに投射される形態としてもよい。このとき、反射スクリーン100,200,300は、図2等に示すレンズ層13,23の上下方向を反転させた形態とすればよい。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1,2 映像表示システム
100,200,300 反射スクリーン
11 光吸収層
12 反射層
13,23 レンズ層
14,24 拡散層
15 表面層
21 着色プライマ
34 第2基材層
35 第2異方性拡散層
36 第1異方性拡散層
37 第1基材層
LS,LS1,LS2 映像源

Claims (5)

  1. 映像源から投射された映像光を反射して表示する反射スクリーンであって、
    レンズ面と非レンズ面とを有し背面側に凸となる単位レンズが複数配列されたフレネルレンズ形状を背面側に有するレンズ層と、
    少なくとも前記単位レンズの前記レンズ面に形成され、光を反射する反射層と、
    を備え、
    前記レンズ層は、所定の透過率となるように着色されていること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  2. 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記レンズ層よりも映像源側に、所定の透過率となるように着色された第2着色層を備えること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  3. 請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記レンズ層よりも映像源側に、映像光を拡散又は透過する少なくとも1つの層を備え、
    前記第2着色層は、該反射スクリーンを構成する層の少なくとも2つを一体に積層する接合作用を有すること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  4. 請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記レンズ層よりも映像源側に、映像光を拡散又は透過する少なくとも1つの層を備え、
    前記第2着色層は、該反射スクリーンを構成する層の1つに他の層を形成する下地機能を有すること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンと、
    前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源と、
    を備える映像表示システム。
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