JP2014052501A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スリープモードからの復帰後の最初のプリントに要する時間を短くしつつも,キャリア消費やカブリによるトナー消費を招くことのない画像形成装置を提供すること。
【解決手段】画像形成装置(プリンター1)は,感光体21と,帯電装置22と,露光装置23と,現像ローラー34と,稼働モードでは感光体を接地状態とし,スリープモードでは感光体を非接地状態とする感光体制御部72と,スリープモードに移行した時の感光体の表面電位から,スリープモード中の感光体の表面電位の減衰量を差し引いて,稼働モードへの復帰動作の開始時の感光体の表面電位を算出する感光体表面電位算出部73と,稼働モードへの復帰過程における感光体の表面電位に対して,現像ローラーへの印加バイアスが,感光体へのトナーの移動を防止する向きに予め定めた値以上の電位差となるように,現像ローラーへの印加バイアスを制御する復帰時印加制御部74と,を備える。
【選択図】図8

Description

本発明は,画像形成可能な稼働モードと,稼働モードより消費電力を抑えたスリープモードとをとる画像形成装置に関する。
プリンター,複写機などの電子写真方式を用いた画像形成装置では,感光体表面を所定電位に一様に帯電させた後,感光体表面を露光して静電潜像を形成する。そして,形成された静電潜像を現像装置によってトナー現像して,可視像化する。次いで,感光体表面のトナー像は,用紙上に転写された後,加熱・加圧されて用紙に定着される。
このような画像形成装置の中には,画像形成可能な稼働モードと,稼働モードよりも消費電力を抑えたスリープモードとをとるものがある。そして,これらのモードをとる画像形成装置では,画像形成装置が稼働モードにあってもスリープモードにあっても,感光体は接地状態にある。そのため,稼働モード中に感光体の表面に帯電した電荷は,スリープモード中にグランド(GND)へ逃げてしまう。すなわち,スリープモード中に,感光体の表面電位がグランドと同電位まで低下してしまう。よって,スリープモードから稼働モードへ復帰したときには,再び感光体の表面電位を,規定の所定値まで上昇させなければならない。一旦グランドと同電位まで低下した感光体の表面電位を上昇させるには,ある程度の時間が必要になる。従って,従来の画像形成装置では,スリープモードから稼働モードへ復帰して最初のプリントがなされるまでの時間(ファーストプリントタイム)が長いという問題があった。
ところで下記特許文献1には,温度や湿度などの環境条件が変化しても画像濃度が変化しないように,感光体の接地電位を補正する技術が記載されている。具体的には,特許文献1に記載の技術では,グランドレベルとして使用する電位を複数もち,これらの間で接地電位を切り替えることが可能なグランドレベル補正回路を有している。そして,環境条件を考慮して予め定めた,転写体への流入電流と感光体の接地電位との対応関係を示すテーブルに基づいて,この回路のグランドレベルを切り替える。これによって,感光体の表面電位を,変化した環境条件に対応させている。この技術によれば,環境条件が変わっても,パッチ画像を感光体の表面に形成して環境条件の変化に起因する画像濃度の変化を確認する必要がない。よって,その分,印刷にかかる時間を短縮できるとされている。
特開2007−206284号公報
しかしながら,上記特許文献1に記載の技術では,感光体は,常に接地状態にある。そのため,スリープモード中に感光体の表面電位が低下することに起因する,稼働モード復帰時のファーストプリントタイムの長期化という上述の問題は,依然として生じ得る。
この問題を解決するためには,次の2つの方法が考えられる。1つ目の方法は,感光体を接地状態のままとし,帯電が安定するまでの時間を短くするため,帯電電流を増加させたり,予め感光体に電位を付与したりする等の方法である。帯電電流を増加させると,感光体の表面電位が安定するまでの時間を短くできる。しかし,高電圧を印加可能な電源が必要であったり,オゾン発生量が増加してしまったり,放電生成物の量が増えてしまったりとデメリットもある。また,予め感光体に電位を付与しようとすると,感光体への電源の取り付けが必要となるので,コストアップや部品点数の増加を伴う。
2つ目の方法は,画像形成装置がスリープモードへ移行した際には,感光体を非接地状態にするという方法である。感光体を非接地状態とすれば,接地状態にしているときと比べて,表面電位の低下が抑制される。よって,稼働モードに復帰したときのファーストプリントタイムを短くできるのである。
しかしながら,スリープモードにおいて,感光体を非接地状態とする場合には,次のような問題が生じる。すなわち,感光体を接地状態のままとしていたときと同じように現像バイアスを印加すると,現像バイアスと感光体の表面電位との電位差が,望ましい値から大きく外れてしまう。よって,キャリア消費や,かぶりの発生によるトナー消費を招いてしまうのである。
本発明は,このような事情に鑑みてなされたものである。すなわち,その課題とするところは,スリープモード中に感光体を非接地状態とすることにより表面電位の低下を抑え,スリープモードからの復帰後の最初のプリントに要する時間(ファーストプリントタイム)を短くした画像形成装置であって,キャリア消費やカブリによるトナー消費を招くことのない画像形成装置を提供することを目的とする。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の画像形成装置は,感光体と,感光体の表面を一様に帯電させる帯電装置と,感光体の帯電された表面に露光により静電潜像を書き込む露光装置と,感光体の表面の静電潜像をトナーで可視像化する現像ローラーと,を備え,画像形成可能な稼働モードと,稼働モードよりも消費電力を抑えたスリープモードとを少なくとも取り得る。さらに画像形成装置は,稼働モードとスリープモードとの切り替えを制御するモード制御部と,稼働モードでは感光体を接地状態とし,スリープモードでは感光体を非接地状態とする感光体制御部と,スリープモードへ移行した時の感光体の表面電位から,スリープモード中の感光体の表面電位の減衰量を差し引いて,稼働モードへの復帰動作の開始時の感光体の表面電位を算出する感光体表面電位算出部と,スリープモードから稼働モードへの復帰過程における感光体の表面電位に対して,現像ローラーへの印加バイアスが,現像ローラーから感光体へのトナーの移動を防止する向きに予め定めた値以上の電位差となるように,現像ローラーへの印加バイアスを制御する復帰時印加制御部と,を備える。
本発明によれば,スリープモード中は,感光体が非接地状態にあるため,接地状態としているときよりも,表面電位が高電位に保持される。よって,スリープモードから稼働モードへ移行した際に,感光体の表面電位が素早く所定値まで上昇され得る。従って,スリープモードから復帰した際のファーストプリントタイム(最初の一枚を印刷するまでに要する時間)を短くすることができる。
また,スリープモードにおいて感光体の表面電位が高電位となっていると,稼働モードへの復帰の際,感光体の表面電位と現像ローラーの電位との差が所望の値からずれ,キャリア消費や,カブリの発生によるトナー消費の原因となり得る。しかし本発明では,稼働モードへの復帰の際には,感光体の表面電位と現像ローラーの電位との差が,現像ローラーから感光体へのトナーの移動を防止する向きに予め定めた値以上となるように,現像ローラーへの印加バイアスを制御している。よって,この予め定める値を,カブリの発生を防ぐために設けるカブリマージンと同じ値とすれば,カブリの発生によるトナー消費や,キャリア消費を防止することができる。
また,感光体の表面電位を把握するために,感光体の表面に電位センサー(表面電位計)を取り付けると,その設置スペースの確保や,コスト面において負担が生じるところ,本発明のように構成すれば,感光体表面電位算出部により感光体の表面電位を算出可能であるため,表面電位計を取り付ける必要がない。よって,その分の設置スペースやコストを削減できる。
ここで本発明の画像形成装置は,帯電後露光前の感光体の表面電位(以下「帯電電位」という)と,露光装置により一定の露光光量で露光した後現像前の感光体における露光部の表面電位(以下「露光電位」という)との差の絶対値が,予め定めた値以上であれば劣化の程度を小さいと判断し,帯電電位と露光電位との差の絶対値が予め定めた値未満であれば劣化の程度を大きいと判断する感光体劣化状態導出部と,機内温度及び機内湿度の少なくとも一方の環境因子を測定する環境因子測定部と,稼働モードへの復帰動作の開始時に,それ以前に行われた感光体への最後の帯電の終了から当該稼働モードへの復帰動作の開始時までの経過時間を計測する計時部と,を備え,感光体表面電位算出部は,感光体の劣化の程度および環境因子ごとに,感光体の表面電位の経過時間と減衰量との関係があらかじめ用意されているものであることが望ましい。
このように構成すれば,感光体の劣化の程度(劣化状態)を画像形成装置の使用期間に基づいて一義的に決める場合と比べて,より実態に即した感光体の劣化の程度を導出することができ,導出した劣化の程度等に基づいて,スリープモード中の感光体の表面電位の減衰量を確実に求めることができる。
また本発明の画像形成装置は,現像により感光体へ付着したトナーの量を測定するトナー付着量測定部と,現像ローラーの現像バイアス(Vb),現像ローラーに担持されるトナーの帯電量(q),及び,トナー付着量検知部により検知されたトナー付着量(M)を用いた下記式(1)
A×M=q×(Vb−Vi) 但し,Aは定数 ・・・(1)
により,感光体の露光電位(Vi)を算出する露光電位算出部と,環境因子およびプリント履歴ごとに,帯電装置への印加パワーと感光体の帯電電位との関係があらかじめ用意されており,環境因子,プリント履歴,帯電装置への印加パワーに基づいて感光体の帯電電位を出力する帯電電位出力部と,を備えることが望ましい。
このように構成すれば,感光体の劣化状態の導出に必要な帯電電位と露光電位を,表面電位計を備えることなく,確実に求めることができる。
さらに本発明の画像形成装置では,モード制御部は,スリープモード中に,帯電装置を予め定められた時間,動作させることにより,感光体の帯電を回復させる補助帯電を行うものであることが望ましい。
このように構成すれば,スリープモード中に感光体の表面から失われる電位を,帯電装置により補填することができる。よって,スリープモードの終了時に感光体の表面に残る残電位を高く保つことができる。
さらに本発明の画像形成装置は,感光体に形成されたトナー像を中間転写体に転写する転写ローラーを備え,モード制御部は,スリープモード中に,転写ローラーに感光体と同極性の電圧を予め定められた時間印加することにより,感光体の帯電を回復させる補助帯電を行うものであることが望ましい。
このように構成すれば,感光体と同極性の電圧が印加された転写ローラーにより,感光体の表面が帯電される。よって,感光体の表面電位の低下を抑制することができる。従って,スリープモードの終了時に感光体の表面に残る残電位を高く保つことができる。
さらに本発明の画像形成装置では,感光体表面電位算出部は,補助帯電が行われた場合には,計時部により計測された経過時間に,感光体の表面電位の経過時間と減衰量との関係にて補助帯電終了時の感光体の表面電位が得られるまでの所要時間を加えて,スリープモード中の感光体の表面電位の減衰量を決定するために用いる経過時間とするものであることが望ましい。
このように構成すれば,上述の補助帯電による感光体の表面電位の回復が,スリープモードへの移行前の帯電終了時の表面電位と同じでない場合であっても,スリープモード中の感光体の表面電位の減衰量を決定するために用いる経過時間を,正確に求めることができる。
さらに本発明の画像形成装置は,感光体からトナー像が転写された後に感光体の表面の静電潜像の残像を除去する除電装置を備え,モード制御部は,スリープモード中,除電装置による残像の除去を禁止するものであることが望ましい。
このように構成すれば,スリープモード中に,除電装置によって感光体の表面の静電潜像の残像が除去されることがない。よって,スリープモードの終了時に感光体の表面に残る残電位を高く保つことができる。
本発明によれば,スリープモード中における感光体の表面電位の低下を抑え,スリープモードからの復帰後の最初のプリントに要する時間(ファーストプリントタイム)を短くすることができる。また,キャリア消費や,カブリの発生によるトナー消費を招くことがない。
実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 同画像形成装置が備えるイメージングユニットの概略構成図である。 同画像形成装置の制御系統を示すブロック図である。 同画像形成装置における各部の動作を示すタイミングチャートである。 現像バイアス算出処理を示すフローチャートである。 劣化状態導出処理を示すフローチャートである。 スリープモード中の経過時間に対する感光体の表面電位の変化を示すグラフである。 稼働モード復帰時の感光体の表面電位と,印加すべき現像バイアスとの関係を示すグラフである。 露光光量(LD)に対する感光体の露光電位(Vi)の変化を示すグラフである。 スリープモード中に感光体を接地状態とした場合における稼働モード復帰時の立ち上げ時間を示すグラフである。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は,本発明に係る画像形成装置の一例を示す図である。図1の画像形成装置は,タンデム型デジタルカラープリンター(以下,単に「プリンター」と記載する)である。もちろん,プリンターのほか,さらにスキャナを有する複写機又はそれらの機能を複合的に備えた複合機等にも本発明を適用することができる。
プリンター1は,その内部のほぼ中央部に中間転写ベルト(中間転写体に相当する)11を備えている。中間転写ベルト11は,ローラー12,テンションローラー13,ガイドローラー14,15の外周部に掛け渡されて反時計回りに回転移動する。テンションローラー13は,バネ10によって中間転写ベルト11の内側から外側に向かって付勢されている。これにより,中間転写ベルト11は,常に張力がかかった状態となっている。
中間転写ベルト11の下方には,イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色にそれぞれ対応する4つのイメージングユニット2Y,2M,2C,2Kが,中間転写ベルト11に沿ってこの順に並んで配置されている。各イメージングユニット2Y,2M,2C,2Kは,感光体21Y,21M,21C,21Kをそれぞれ有している。各感光体21Y,21M,21C,21Kの周囲には,画像形成時の回転方向(正回転方向ともいう,図中時計回り方向)に沿って順に,帯電装置22Y,22M,22C,22Kと,露光装置23Y,23M,23C,23Kと,現像装置24Y,24M,24C,24Kと,クリーニング装置25Y,25M,25C,25Kと,イレーサー(除電装置に相当する)26Y,26M,26C,26Kとがそれぞれ配置されている。なお,以下において,イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)またはブラック(K)の区別が必要である場合を除いて,各色を表す添え字を省略して説明する。
帯電装置22は,感光体21に非接触のものであり,感光体21の表面を一様に帯電させるものである。帯電装置22の詳細については,後述する。
露光装置23は,帯電した感光体21を,作像色に応じた画像データに基づいて露光するものである。これにより,感光体21には,画像データに基づく静電潜像が形成される。
現像装置24は,トナーとキャリアを含む現像剤を利用する二成分系の現像装置である。現像装置24は,現像ローラー34(図2参照)と,攪拌機構とを備える。攪拌機構は,トナーとキャリアを攪拌してトナーの濃度を均一にする。現像ローラー34は,所定の電位に帯電して,攪拌された現像剤を感光体21へ移動させる。これにより,感光体21に形成された静電潜像が可視像化される。すなわち,感光体21にトナー像が形成される。実施形態に係るプリンター1では,反転現像方式を採用している。すなわち,感光体21のうち露光装置23によって露光された部分が,トナー像が形成される部分である。なお,現像装置24は,キャリアを含まない現像剤を利用する一成分系の現像装置であってもよい。
クリーニング装置25は,短冊状のクリーニングブレード38(図2参照)を備える。クリーニングブレード38は,短手方向の一端側を感光体21の外周面に圧接させている。クリーニングブレード38は,感光体21に形成されたトナー像が1次転写された後,感光体21の表面に残留している残留トナーを掻き落とすものである。
イレーサー26は,イレーサーランプを備える。イレーサー26は,イレーサーランプの照射により,1次転写後の感光体21の表面の静電潜像の残像を除去するものである。
また図1に示すように,中間転写ベルト11を挟んで,各感光体21Y,21M,21C,21Kと対向する位置には,1次転写ローラー30Y,30M,30C,30Kが設けられている。また,中間転写ベルト11のローラー12で支持された部分には,2次転写ローラー16が圧接されている。2次転写ローラー16と中間転写ベルト11とのニップ部が2次転写領域17となる。この2次転写領域17において中間転写ベルト11上に形成されたトナー像が,搬送されてきた用紙(被転写媒体)Pに転写される。
プリンター1の下部には,給紙カセット91が着脱可能に配置されている。給紙カセット91内に積載収容された用紙Pは,給紙ローラー92の回転によって最上部のものから1枚ずつ引き出されて搬送路93に送り出される。搬送路93は,給紙カセット91から,タイミングローラー対94のニップ部,2次転写領域17,および定着ユニット95を通って排紙トレイ98まで延びている。給紙カセット91から送り出された用紙Pは,タイミングローラー対94に搬送され,ここで所定のタイミングで2次転写領域17に送り出される。
定着ユニット95は,中空円筒状で,ヒーター99を内部に備えた定着ローラー96と,この定着ローラー96に圧接されて従動回転する加圧ローラー97とを備える。定着ローラー96と加圧ローラー97とにより形成されるニップ部を,トナー像が2次転写された用紙Pが通過することにより,用紙Pにトナー像が定着される。
このような構成のプリンター1の画像形成動作について簡単に説明する。まず,カラー画像を出力するフルカラーモードの場合,例えばパソコンなどの外部装置からプリンター1の制御部70に画像信号が入力されると,制御部70は,この画像信号をイエロー,シアン,マゼンタ,ブラックに色変換したデジタル画像信号を作成し,このデジタル画像信号に基づいて,各イメージングユニット2の露光装置23を発光させて,感光体21を露光する。なお,露光前に,各感光体21の表面は,帯電装置22により一様に帯電される。露光は,露光装置23Y,23M,23C,23Kの順にそれぞれ時間差をもって行われる。これにより,各感光体21Y,21M,21C,21Kの表面に各色用の静電潜像がそれぞれ形成される。
各感光体21Y,21M,21C,21K上に形成された静電潜像は,各現像装置24Y,24M,24C,24Kによってそれぞれ現像されて各色のトナー像となる。そして,各色のトナー像は,各1次転写ローラー30Y,30M,30C,30Kの作用により,図1中反時計回りに回転する中間転写ベルト11上に順次1次転写されて重ね合わせられる。本形態では,負帯電性トナーを使用しているので,転写時には,感光体21の表面電位に比較して正側の電圧が1次転写ローラー30に印加される。これにより,負に帯電されたトナーは1次転写ローラー30に引き寄せられ,感光体21から中間転写ベルト11へと移動する。
中間転写ベルト11上に1次転写されたトナー像は,中間転写ベルト11の移動にしたがって2次転写領域17に達する。一方,給紙カセット91から搬送路93に送り出された用紙Pは,タイミングローラー対94によって,トナー像が2次転写領域17に達するタイミングに合わせて2次転写領域17へ搬送される。そして,2次転写ローラー16には,トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加される。これにより,2次転写領域17において,トナー像は中間転写ベルト11から用紙Pに2次転写される。
トナー像が2次転写された用紙Pは,搬送路93を通って定着ユニット95に送られる。そこで,定着ローラー96と加圧ローラー97とにより形成されるニップ部を通過することにより,用紙Pにトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙Pは,排紙トレイ98に排出される。
一方,用紙Pに転写されることなく中間転写ベルト11上に残った残留トナーは,ベルトクリーニング装置9で掻き取られ,中間転写ベルト11の外周面から除去される。その後,感光体21及び中間転写ベルト11の回転駆動が停止される。
次に,図2に基づいて,イメージングユニット2の構成について補足する。図2は,イメージングユニット2を拡大して示す図である。なお図2においては,現像装置24として,現像装置24が備える現像ローラー34のみを記載し,クリーニング装置25として,クリーニング装置25が備えるクリーニングブレード38のみを記載する。
図2に示すように,感光体21は,スイッチ27を介して,グランドに接続されている。よって感光体21は,スイッチ27が閉じられているとき,アースされた接地状態となり,スイッチ27が開かれているとき,アースされていない非接地状態(フロート状態)となる。
帯電装置22は,放電電極51と,シールドケース52と,メッシュ状のグリッド電極53とを備える。放電電極51は,感光体21の回転軸方向と略平行にシールドケース52内に張架されている。放電電極51は,のこぎり歯状又は針状の形状である。放電電極51には,画像形成時に電源(不図示)から絶対値で数kVの電圧が印加される。これにより,放電電極51の先端と感光体21との間でコロナ放電が発生する。なお,放電電極51は,タングステンなどのワイヤーを用いた電極形状やピン状電極であってもよい。シールドケース52は,放電電極51の気中放電を安定させるための箱形の部材であって,感光体21と対向する側面が開口している。そして,シールドケース52の開口側面を覆うようにグリッド電極53が取り付けられている。グリッド電極53は,厚さ0.1〜0.2mm程度の薄肉のステンレス製である。感光体21の表面を帯電させるにあたって放電電極51に流れる電流を,電極電流Icといい,グリッド電極53の電位をメッシュ電位Vgという。電極電流Icやメッシュ電位Vgは,帯電装置22への印加パワーである。
次に,図3に基づいて,実施形態のプリンター1の制御系統を説明する。図3に示すように,プリンターは,制御部70と,計時部84と,環境因子測定部78と,トナー付着量測定部81と,記憶部82と,を備えている。制御部70は,CPUを含み,前述の若しくは後述する各部の動作を制御するものである。制御部70には,モード制御部71,感光体制御部72,感光体表面電位算出部73,復帰時印加制御部74,感光体劣化状態導出部75,露光電位算出部76,及び,帯電電位出力部77が含まれる。モード制御部71は,後述する稼働モードとスリープモードとの切り替えを制御するものである。感光体制御部72は,稼働モードではスイッチ27を閉じて感光体21を接地状態とし,スリープモードではスイッチ27を開いて感光体21を非接地状態とするものである。感光体表面電位算出部73は,稼働モードへの復帰動作の開始時の感光体21の表面電位を算出するものである。感光体21の表面電位の算出方法については,後述する。復帰時印加制御部74は,スリープモードから稼働モードへの復帰過程において,現像ローラー34に印加する電圧を制御するものである。感光体劣化状態導出部75は,感光体21の劣化状態を導出するものである。感光体21の劣化状態の導出方法については,後述する。露光電位算出部76は,露光装置23により一定の露光光量で露光した後現像前の感光体21の表面電位である露光電位(Vi)を算出するものである。帯電電位出力部77は,帯電後露光前の感光体21の表面電位である帯電(Vo)を出力するものである。露光電位算出部76による露光電位(Vi)の算出および帯電電位出力部77による帯電電位(Vo)の算出は,感光体21の劣化状態を導出するために必要となる。露光電位および帯電電位の算出については,後述する。
計時部84は,現在時刻を出力可能なRTC(Real Time Clock)を含む。RTCは,CPUに付設されている。計時部84は,後述する稼働モードへの復帰動作の開始時において,それ以前に行われた感光体21への最後の帯電の終了から当該稼働モードへの復帰動作の開始時までの経過時間(以下「最終帯電後経過時間」ともいう)を測定するものである。
環境因子測定部78は,プリンター1の設置環境における温湿度を測定するためのものである。環境因子測定部78は,機内温度を測定する温度測定部79と,機内湿度を測定する湿度測定部80とを備えている。具体的には,温度測定部79は,プリンター1に内蔵された温度計により構成され,湿度測定部80は,プリンター1に内蔵された湿度計により構成される。
トナー付着量測定部81は,現像により感光体21に付着したトナー量,すなわち,現像されたトナー量を検知するためのセンサーである。トナー付着量測定部81は,例えば,感光体21上の1次転写前の位置で,トナー付着量を測定する。なお,トナー付着量測定部81は,感光体21上の1次転写後の位置で,残留トナーの量からトナー付着量を測定するものでもよい。また,中間転写ベルト11上の2次転写前の位置や,中間転写ベルト11上の2次転写後の位置,さらには,プリント後の用紙(記録媒体)から,トナー付着量を測定するものであってもよい。
記憶部82は,CPUに付設されたRAM及びROMを含むものである。記憶部82には,後述する減衰量決定テーブル83が記憶されている。
次に,プリンター1の取り得る状態について説明する。実施形態のプリンター1は,電力が供給されている電源オン状態において,少なくとも,稼働モードと,スリープモードとをとることができるよう構成されている。なお,電力が供給されていない状態を,電源オフ状態という。稼働モードとは,画像形成可能なモードである。スリープモードとは,画像形成できないものの,稼働モードよりも消費電力が少なく,電源オフ状態からよりも稼働モードへの移行時間が短いモードである。言い換えれば,スリープモードとは,再使用時に,ある程度の時間で画像形成できる程度の機能を保ったまま,各部の電源をオフし,消費電力を抑えるための省エネモードである。実施形態に係るプリンター1は,予め定められた基準時間,画像形成を行わない場合に,稼働モードからスリープモードへ自動的に移行するように構成されている。スリープモードへの移行契機となる基準時間は,ユーザーが任意に設定可能である。スリープモードへの移行によって停止する機能には,例えば,定着ユニット95の温度調節機能,定着ユニット95における定着ローラー96と加圧ローラー97との圧接状態を維持する機能,ファンによる電源やプリンター本体の冷却機能などがある。
次に,図4に示すタイミングチャートに基づいて,プリンター1が稼働モードからスリープモードへ移行して,再び稼働モードへ復帰するまでの動作について説明する。図4中,(a)はプリンター1のモードを示し,(b)はスイッチ27の開閉を示し,(c)は帯電装置22のON・OFFを示し,(d)はイレーサー26の発光の有無を示し,(e)は現像バイアスの印加の状態を示し,(f)は一次転写バイアスの印加の状態を示し,(g)はその他の動作を示している。まず,プリント終了時について説明する。
プリント終了時,(b)に示すように,制御部70は,スイッチ27を閉状態から開状態に切り替える。これにより,感光体21は,接地状態から非接地状態に変化する。そして,プリント終了後所定時間が経過すると,制御部70は,プリンター1を稼働モードからスリープモードへ移行させる。スリープモード中,スイッチ27は開状態,すなわち,感光体21は非接地状態にある。従って本形態によれば,感光体がスリープモード中も常に接地状態にあるものと比べて,感光体21の表面電位が低下しにくい。
また(c)に示すように,制御部70は,スリープモードへ移行した直後に帯電装置22をONして,感光体21を帯電させる。帯電時間は,感光体一回転である。これは,帯電終了後から低下し始めている感光体21の電位を補うためである。これによっても,感光体21の表面電位の低下が抑制されている。なお,この帯電を,第1補助帯電という。第1補助帯電の帯電時間は,感光体一回転でなくてもよい。但し,感光体21の回転数の整数倍であることが望ましい。また,第1補助帯電における帯電装置22への印加バイアスは,通常の画像形成時の印加バイアスと同じでなくてもよい。但し,帯電終了後から第1補助帯電を行うまでの経過時間が長いほど,感光体21の表面電位は低下しているので,帯電装置22への印加バイアスが大きい方が望ましい。また第1補助帯電は,必ずしもスリープモードへの移行直後に行う必要はなく,スリープモード中の任意のときに適宜行ってもよい。例えば,スリープモードへの移行直後には行わず,帯電終了後からの経過時間が長くなった場合に,第1補助帯電を行うようにしてもよい。
また(d)に示すように,制御部70は,スリープモード中は,イレーサー26の発光を禁止している。イレーサー26により感光体21の表面の静電潜像の残像が除去されて,感光体21の表面電位が低下するのを防ぐためである。
なお制御部70は,スリープモードへ移行した直後に帯電装置22をONする替わりに,又は帯電装置22をONするのに加えて,(f)に示すように,1次転写ローラー30にマイナスの電圧(稼働モードで印加する電圧とは逆極性の電圧)を印加してもよい。これによっても,感光体21の表面を帯電させることができ,表面電位の低下を抑制することができる。なお,この帯電を,第2補助帯電という。第2補助帯電の帯電時間は,感光体21の回転数の整数倍であることが望ましい。さらに第2補助帯電の帯電時間は,第1補助帯電の帯電時間よりも長いことが望ましい。1次転写ローラー30による感光体21の帯電量は,帯電装置22による感光体21の帯電量に比べて小さいからである。また第2補助帯電は,必ずしもスリープモードへの移行直後に行う必要はなく,スリープモード中の任意のときに適宜行ってもよい。例えば,スリープモードへの移行直後には行わず,帯電終了後からの経過時間が長くなった場合に,第2補助帯電を行うようにしてもよい。
次に,稼働モードへの復帰動作を開始し,プリントを再開するまでについて説明する。(a)(b)に示すように,稼働モードへの復帰動作の開始に伴って,制御部70は,スイッチ27を開状態から閉状態に切り替える。これにより,感光体21は,非接地状態から接地状態に変化する。また,(c)に示すように帯電装置をONするとともに,(d)に示すようにイレーサー26を発光させる。
また稼働モードへの復帰過程においては,(e)に示すように,現像ローラー34に印加するバイアスの制御は,通常の画像形成時の制御ではなく,そのときだけの特別な制御で行われる。この特別な制御に基づく現像バイアスの印加を,復帰時印加という。これに対して,通常の画像形成時の制御に基づく現像バイアスの印加を,通常印加という。復帰時印加による現像バイアスの大きさは,図5に示す現像バイアス算出処理により決定される。
稼働モードへの復帰動作の開始時,制御部70は,図5に示す現像バイアス算出処理を行う。現像バイアス算出処理では,制御部70は,まず感光体21の劣化状態を参照する(ステップS001)。感光体21の劣化状態は,後述する劣化状態導出処理(図6参照)により導出されるもので,記憶部82のRAMに記憶されている。
劣化状態を参照した後,計時部84により,経過時間を測定する(S002)。計測部84により測定する経過時間は,補助帯電(第1補助帯電及び第2補助帯電)の有無により異なる。すなわち,補助帯電を全く行わなかった場合には,計時部84は,スリープモードへの移行前の帯電終了から稼働モードへの復帰動作の開始までの経過時間を計測し,ステップS002の経過時間とする。また,補助帯電を行うことにより,感光体21の表面電位が,スリープモードへの移行前の帯電終了時と同程度まで回復した場合(後述する図7に示すVsまで回復した場合)は,補助帯電の終了から稼働モードへの復帰動作の開始までの経過時間を計測し,ステップS002の経過時間とする。
さらに,補助帯電を行うことにより,感光体21の表面電位が,スリープモードへの移行前の帯電終了時と同程度まで回復しなかった場合(例えば図7に示すVrまでしか回復しなかった場合)には,制御部70は,補助帯電の終了から稼働モードへの復帰動作の開始までの経過時間(計時部84により計測された経過時間,図7中のt1を稼働モードへの復帰動作の開始時とした場合に図中T2として示される時間)に,図7中T1として示す経過時間を合算して,ステップS002で求める経過時間とする。なお,図7中のT1は,例えば,図7に示す感光体21の表面電位の減衰特性をテーブル化して記憶しておき,そのテーブルを参照して,補助帯電後の感光体21の表面電位(ここではVr)に基づいて算出する。補助帯電後の感光体21の表面電位は,スリープモードへの移行前の帯電終了から補助帯電を開始するまでの経過時間や,補助帯電の大きさ等から把握可能である。
このように制御部70は,稼働モードへの復帰動作の開始時において,それ以前に行われた感光体21への最後の帯電の終了時の感光体21の表面電位(例えば図7のVr)が,スリープモードへの移行前の帯電終了時の表面電位(図7のVs)と同じでない場合には,その電位差(Vs−Vr)分の表面電位の減衰が生じる時間(図7のT1)を,計時部84が計測した経過時間(最終帯電後経過時間)に加えて,ステップS002の経過時間とするものである。なお,最後の帯電の終了時の感光体21の表面電位が,スリープモードへの移行前の帯電終了時の表面電位と一致する場合は,図7中のT1に相当する時間が零となるため,このような経過時間の修正をしても,経過時間は変わらない。実施形態のプリンター1では,このような経過時間の修正を行うため,補助帯電による感光体21の表面電位の回復が,スリープモードへの移行前の帯電終了時の表面電位と同じでない場合であっても,スリープモード中の感光体21の表面電位の減衰量を決定するために用いる経過時間を,正確に求めることができる。
ステップS002において経過時間を計測した後,制御部70は,環境因子測定部78により,機内温度および機内湿度を検知する(S003)。
続いて,制御部70は,記憶部82のROMに予め記憶されている減衰量決定テーブル83を参照し(S004),感光体21の劣化状態,計時部84による経過時間,及び,環境因子測定部78による機内温湿度に基づいて,感光体21の表面電位の減衰量を決定する(S005)。
ここで,図7に基づいて,減衰量の決定について詳しく述べる。図7は,経過時間に対する感光体21の表面電位の変化を示したグラフである。図中Vsは,スリープモード移行前の帯電終了時の感光体21の電位を示す。図中Vtは,劣化の程度が小さく,かつ,低温低湿雰囲気下にある感光体21について,経過時間t1のときの表面電位を示す。図中Vuは,劣化の程度が大きく,かつ,高温高湿雰囲気下にある感光体21について,経過時間t1のときの表面電位を示す。図7に示すように,劣化状態が小さく低温低湿下にある感光体21の方が,劣化状態が大きく高温高湿下にある感光体21よりも,同じ時間が経過したときの残電位は大きくなる。なお,図7に参考として破線で示すが,スリープモードにおいても感光体を接地状態のままにしている場合,非接地状態にしたものと比べて極端に短い時間で表面電位が低下し,グランドと同電位となる。
減衰量決定テーブル83(図3参照)は,図7に示すグラフをテーブルとしたものである。すなわち,減衰量決定テーブル83は,感光体21の劣化状態と環境温湿度に基づいて複数用意されている。ステップS005では,まず,感光体21の劣化状態,及び,環境温湿度に基づいて,その中から用いる減衰量決定テーブル83を決める。その後,計時部84により計測された経過時間に基づいて,感光体21の表面電位の減衰量を決定する。なお,図7では図示していないが,劣化状態が小さく,且つ,高温高湿下にある感光体に対応したテーブルや,劣化状態が大きく,且つ,低温低湿下にある感光体に対応したテーブルも当然記憶部82に記憶されている。
ステップS005で感光体21の減衰量を決定したら,制御部70は,スリープモードへの移行時の感光体21の表面電位から,決定した感光体21の減衰量を引いて,稼働モードへの復帰動作の開始時における感光体21の表面電位を算出する(S006)。この意味において,制御部70は,感光体表面電位算出部73を含んでいる。なお,スリープモードへの移行時の感光体21の表面電位は,プリンター1の制御仕様(帯電電位等)により把握可能である。
続いて制御部70は,ステップS006で算出した稼働モードへの復帰動作の開始時における感光体21の表面電位から,カブリマージンと同じ大きさの電圧を差し引いた値を,稼働モードへの復帰動作の開始時に現像ローラー34に印加すべき現像バイアスとして決定する(S007)。ここで,カブリマージンとは,感光体21の背景部にトナーが付着するカブリという現象の発生を防ぐためにとるものである。具体的には,現像バイアスは,感光体21の表面電位に対して,現像ローラー34から感光体21へのトナーの移動を防止する向きに予め定めた値以上の電位差(カブリマージン)を確保するように決定する。
制御部70は,このようにして求めた稼働モード復帰動作の開始時の現像バイアス値に従って,感光体21の表面電位に合わせて,現像バイアスを印加する。具体的には,図8に示すように,まず感光体21の表面電位(Vo1)に合わせて,Vb1の現像バイアスを印加する。Vo1は,稼働モードへの復帰動作の開始時の感光体21の表面電位であり,スリープモードの終了時点で感光体21の表面に残っている残電位である。Vb1は,Vo1からカリブマージンa1を引いた値である。なお,現像バイアスの印加と,帯電装置22による帯電の再開は,同じタイミングでなされる。
帯電装置22により帯電されている感光体21の表面電位は,図8に示すように段階的に上昇する。すなわち,初期電位Vo1から,中間電位Vo2を経て,目標電位Vo3へ到達する。これは,感光体21を一回転する間に,感光体21の表面電位を目標電位Vo3まで上昇させることができないからである。すなわち,図8に示す例では,感光体を2回転させて,目標電位Vo3に到達させている。なお,スリープモード前の帯電終了から稼働モードへの復帰動作の開始までの時間が短い場合には,感光体21を一回転させる間に,感光体21の表面電位が目標電位Vo3に到達することもある。
このように実施形態では,感光体21の表面電位が,中間電位Vo2を経て目標電位Vo3へ到達するため,現像ローラー34への印加バイアスも,中間電位Vb2を経て,Vb3へ到達するように制御している。Vb2は,Vo2からカリブマージンa2を引いた値であり,Vb3は,Vo3からカリブマージンa3を引いた値である。すなわち,感光体21の表面電位と現像バイアスとの間には,常にカブリマージンと同じ大きさの電位差が存在するように,制御部70は,現像ローラー34に印加するバイアスを制御している。なお,カブリマージンa1,a2,及び,a3は,全て同じ大きさである。
実施形態のプリンター1では,このようにカブリマージンを考慮して,稼働モードへの移行動作の開始時の現像バイアスを制御している。そのため,カブリの発生によるトナー消費を防ぐことができる。また,このような現像バイアス制御をしているため,現像バイアスが,キャリアを感光体21へ移動させてしまうほど,大きくなりすぎることがない。よって,キャリアまでも感光体21へ移動させてしまうキャリア消費も防止することができる。
図6は,図5のステップS001で参照する感光体21の劣化状態を導出するための処理を示したフローチャートである。実施形態のプリンター1では,図6に示す劣化状態導出処理を,プリンター1の安定化動作時に実行する。安定化動作とは,要求される一定水準以上の画質を保つために,プリンター1内の温湿度の変化や,感光体21・現像剤などの部品の劣化に応じて画像形成のための制御変数を最適な値に更新する動作のことである。画像安定化動作は,例えばプリンター1の電源が投入された時,画像形成枚数が所定値に達した時,所定時間が経過した時,温湿度の変動量が所定量を越えた時などに実行される。
図6に示す劣化状態導出処理では,制御部70は,まず,トナー付着量測定部81により,現像時の感光体21に対するトナー付着量(M)を測定する(S101)。
次に,制御部70は,感光体21の露光電位(Vi)を算出する(S102)。この意味において,制御部70は,露光電位算出部76を含んでいる。露光電位(Vi)の算出は,下記式(1)に基づいて行う。
A×M=q×(Vb−Vi) 但し,Aは定数 ・・・(1)
M:トナー付着量
q:トナー帯電量
Vi:露光電位
Vb:現像バイアス
なお,上記式(1)中のトナー帯電量(q)は,現像装置24の仕様に基づいて予め決まる。また,現像バイアス(Vb)は,プリンター1の制御仕様により予め決まる。
Viを算出した後,制御部70は,感光体21の帯電電位(Vo)を導出する(S103)。感光体21の帯電電位(Vo)は,環境因子測定部78により検知された環境温湿度,プリンター1のプリント履歴,帯電装置22の電極電流Ic,及びメッシュ電位Vgと,帯電電位(Vo)との関係に基づいて導出される。例えば,環境温湿度およびプリント履歴ごとに,電極電流Ic及びメッシュ電池Vgと,感光体21の帯電電位との対応関係を示すテーブルを記憶部82に記憶しておき,環境温湿度,プリント履歴,IcおよびVgに基づいて,そのテーブルを参照することにより導出する。この意味において,制御部70は,帯電電位出力部77を含んでいる。なお,上述した補助帯電後の感光体21の表面電位(例えば図7に示すVr)も,これと同様の方法により導出することができる。但し,補助帯電は,通常の画像形成時に行われる帯電と比べて,パワーが小さかったり,帯電時間が短かったりするため,この点を考慮して,補助帯電後の表面電位を導出する。
続いて制御部70は,ステップS103で導出したVoとステップS102で算出したViとの差(後述の図9に示すb1,b2参照)を,予め定めた基準値(後述の図9に示すb0参照)と比較する(S104)。比較の結果,VoとViとの差が基準値未満であれば,感光体21の劣化状態を「大きい」と判定するとともに(S105),判定結果を記憶部82に記憶して(S106),処理を終える。一方,ステップS104の比較の結果,VoとViとの差が基準値未満でなければ,感光体21の劣化状態を「小さい」と判定するとともに(S107),判定結果を記憶部82に記憶して(S106),処理を終える。この意味において,制御部70は,感光体劣化状態導出部75を含んでいる。
図9は,劣化状態の異なる感光体21のLDに対するViの変化を示すグラフである。実線は,感光体21の劣化状態が大きい場合(すなわち比較的古い感光体21)を示し,破線は,感光体21の劣化状態が小さい場合(すなわち比較的新しい感光体21)を示している。図9に示すように,劣化状態の異なる感光体21を同量の露光光量(LD1)で露光した場合,劣化の大きい感光体21の露光電位(Vi1)の方が,劣化の小さい感光体21の露光電位(Vi2)よりも大きな値となる。図6のステップS104の判定では,感光体21のこのような特性を利用している。すなわち,ステップS102で算出した露光電位がVi1である場合,ステップS103で算出したVoとVi1との差が,基準値b0よりも小さいb1であるため,感光体21の劣化状態を大きいと判定する。基準値b0とは,Viの基準値をVi0と定めたときのVoとVi0との差である。一方,ステップS102で算出した露光電位がVi2である場合,ステップS103で算出したVoとVi2との差が,基準値b0よりも大きいb2であるため,感光体21の劣化状態を小さいと判定する。
ここで,劣化状態導出処理をより具体的に示す。劣化状態導出処理で用いる各パラメータが下記の値である場合,感光体の劣化状態は,小さいと判断される。
環境温度=25℃
環境湿度=65%RH
Ic=900(μA)
Vg=500(V)
LD=2(mJ/m
q=40(μC/g)
Vb=400(V)
M=4(g/m
一方,劣化状態導出処理で用いる各パラメータが下記の値である場合,感光体の劣化状態は,大きいと判断される。なお,上記パラメータと下記パラメータとは,トナー付着量Mの値が異なっている。
環境温度=25℃
環境湿度=65%RH
Ic=900(μA)
Vg=500(V)
LD=2(mJ/m
q=40(μC/g)
Vb=400(V)
M=3(g/m
次に,実施形態の画像形成装置(プリンター1)による効果を確認するために行った実験の結果について,下記表1に基づいて説明する。表1中,実施例1及び2は,稼働モードへの復帰過程で,現像バイアスの制御として図4の(e)に実線で示すような復帰時印加(図8参照)を行った場合を示している。比較例1及び2は,稼働モードへの復帰過程であっても,現像バイアスの復帰時印加を行わず,図4の(e)に破線で示すように通常印加を行った場合を示している。画像形成装置には,コニカミノルタ製bizhubC652DSに,本発明に係る制御を行うためのソフトウェアを組み込んだものを使用した。
Figure 2014052501
実験は,実施例,比較例ともに,放置条件XとYについて行った。表1中の記号の意味は以下の通りである。
「放置条件」の項目
「X」:放置時間=2時間
放置環境(温度・湿度)=10℃・15%RH
感光体劣化状態=小さい
「Y」:放置時間=24時間
放置環境(温度,湿度)=30℃・85%RH
感光体劣化状態=大きい
「カブリ」の項目
「○」:カブリの発生を目視で確認できる
「×」:カブリの発生を目視で確認できない
「キャリア付着」の項目
「○」:キャリア付着を目視で確認できる
「×」:キャリア付着を目視で確認できない
「総合評価」の項目
「○」 :カブリの発生もキャリア付着もともに目視で確認できない
「×」 :カブリの発生又はキャリア付着のどちらかを目視で確認できる
「××」:カブリの発生及びキャリア付着のどちらも目視で確認できる
この実験では,プリンター1が稼働モードからスリープモードへ移行したとき,感光体21を非接地状態(スイッチ27を開状態)とするとともに,帯電装置22を下記の値で,感光体一周分,動作させた。
Ic=900μA
Vg=500V
これにより,感光体21は450V程度に帯電した。なお,1次転写ローラー30は,マイナス帯電させていない。
また,実施例1及び2のプリンター1では,スリープモードから稼働モードへの移行を開始したときに,図5に示す現像バイアス算出処理を行うが,放置条件がXの場合には,減衰量決定テーブル83に基づいて決定される減衰量は,50Vとなる。一方,放置条件がYの場合には,減衰量決定テーブル83に基づいて決定される減衰量は,200Vとなる。
よって,放置条件Xの下では,稼働モード復帰時の感光体21の表面電位(図8中のVo1)は,スリープモード移行時の感光体21の表面電位450Vから,減衰量50Vを引いた400Vとなる。この場合,カブリマージンの大きさ(図8中のa1)を150Vとすると,現像バイアス(図8中のVb1)は,250Vとなる。一方,放置条件Yの下では,Vo1は,スリープモード移行時の感光体21の表面電位450Vから,減衰量200Vを引いた250Vとなる。この場合,カブリマージンの大きさ(図8中のa1,150V)を引いた現像バイアス(図8中のVb1)は,100Vとなる。
さらに,図8中のVo2とVo3の値は,感光体21の劣化状態(帯電特性),環境温湿度,及び,Vo1の値によって決まる。具体的には,下記表2に示すように,放置条件Xでは,Vo2は500Vとなり,Vo2で500Vに達するため,Vo3はVo2と同値となる。一方,放置条件Yでは,Vo2は450Vとなり,Vo3は500Vとなる。
Figure 2014052501
従って,この場合の現像バイアスVb2とVb3の値は,下記表3に示すように,放置条件Xでは,Vb2が350Vとなり,Vb3がVb2と同値となる。一方,放置条件Yでは,Vb2が300Vとなり,Vo3が350Vとなる。
Figure 2014052501
この実験の結果(表1参照)から,稼働モードへの復帰過程において,現像バイアスの復帰時印加を行った場合には,カブリの発生もキャリア付着も生じず,良好なプリントが可能なことがわかった。これに対して,現像バイアスの復帰時印加を行わない場合には,キャリア付着が生じることがわかった。さらに,放置条件Yのように,放置時間が比較的長く,放置雰囲気環境が比較的高温多湿で,劣化状態が大きい場合には,現像バイアスの復帰時印加を行わないと,カブリまでも発生することがわかった。
したがって,実施形態のように,スリープモードにおいて感光体21を非接地状態とする場合には,稼働モードへの復帰過程において,図8に示すような現像バイアスの復帰時印加を行うことが好ましい。現像バイアスの復帰時印加を行えば,キャリア消費もカブリの発生も抑制することができるからである。
以上詳細に説明したように,実施形態に係るプリンター1は,感光体21と,感光体21の表面を一様に帯電させる帯電装置22と,感光体21の帯電された表面に露光により静電潜像を書き込む露光装置23と,感光体21の表面の静電潜像をトナーで可視像化する現像ローラー34と,を備え,画像形成可能な稼働モードと,稼働モードよりも諸費電力を抑えたスリープモードとを少なくとも取り得る。さらに実施形態のプリンター1は,稼働モードとスリープモードとの切り替えを制御するモード制御部71と,稼働モードでは感光体21を接地状態とし,スリープモードでは感光体21を非接地状態とする感光体制御部72と,スリープモードに移行した時の感光体21の表面電位から,スリープモード中の感光体21の表面電位の減衰量を差し引いて,稼働モードへの復帰動作の開始時の感光体21の表面電位を算出する感光体表面電位算出部73と,スリープモードから稼働モードへの復帰過程における感光体21の表面電位に対して,現像ローラーへの印加バイアスが,現像ローラー34から感光体21へのトナーの移動を防止する向きに予め定めた値以上の電位差となるように,現像ローラー34への印加バイアスを制御する復帰時印加制御部74と,を備える。
実施形態のプリンター1によれば,スリープモード中は,感光体21が非接地状態にあるため,接地状態としているときよりも,表面電位が高電位に保持される。よって,スリープモードから稼働モードへ移行した際に,感光体21の表面電位が素早く所定値まで上昇され得る。従って,スリープモードから復帰した際のファーストプリントタイム(最初の一枚を印刷するまでに要する時間)を短くすることができる。なお,スリープモードであっても感光体を接地状態のままとした場合には,図10に示すように,感光体の表面電位がグランドと同電位まで低下する。よって,稼働モードへの復帰時に,帯電装置をONNしてから画像形成が可能となるまでの立ち上げ時間は,図8に示す本実施形態のものと比べて,長期化する。
また,スリープモードにおいて感光体21の表面電位が高電位となっていると,稼働モードへの復帰の際,感光体21の表面電位と現像ローラー34の電位との差が所望の値からずれ,キャリア消費や,カブリの発生によるトナー消費の原因となり得る。しかし実施形態のプリンター1では,稼働モードへの復帰過程において,感光体21の表面電位と現像ローラー34の電位との差が,現像ローラー34から感光体21へのトナーの移動を防止する向きに予め定めた値以上となるように,現像ローラー34への印加バイアスを制御している。よって,カブリによるトナー消費や,キャリア消費を防止することができる。
また,感光体21の表面電位を把握するために,感光体21の表面に電位センサー(表面電位計)を取り付けると,その設置スペースの確保や,コスト面において負担が生じる。しかしながら実施形態のプリンター1によれば,感光体表面電位算出部73により感光体21の表面電位を算出可能であるため,表面電位計を取り付ける必要がない。よって,その分の設置スペースやコストを削減できる。
また実施形態のプリンター1では,モード制御部71は,スリープモード中に,帯電装置22を予め定められた時間(感光体一周に対応する時間),動作させることにより,感光体21の帯電を回復させる補助帯電(第1補助帯電)を行うものである。よって,帯電装置22により,スリープモード中に感光体21の表面から失われる電位を補填することができる。よって,スリープモードの終了時に感光体21の表面に残る残電位を高く保つことができる。
また実施形態のプリンター1は,感光体21に形成されたトナー像を中間転写ベルト11(中間転写体)に転写する1次転写ローラー30を備え,モード制御部71は,スリープモード中に,1次転写ローラー30に感光体21と同極性の電圧を予め定められた時間(図4(f)参照)印加することにより,感光体21の帯電を回復させる補助帯電(第2補助帯電)を行うものである。よって,感光体21と同極性の電圧が印加された転写ローラーにより,感光体21の表面が帯電される。そのため,感光体21の表面電位の低下を抑制することができる。従って,スリープモードの終了時に感光体21の表面に残る残電位を高く保つことができる。
さらに実施形態のプリンター1では,感光体表面電位算出部73は,補助帯電が行われた場合には,計時部84により計測された経過時間(図7中t1を稼働モードへの復帰動作の開始時とした場合の図中T2に相当)に,感光体21の表面電位の経過時間と減衰量との関係にて補助帯電終了時の感光体21の表面電位が得られるまでの所要時間(図7中T1に相当)を加えて,スリープモード中の感光体21の表面電位の減衰量を決定するために用いる経過時間とするものである。よって,補助帯電による感光体21の表面電位の回復が,スリープモードへの移行前の帯電終了時の表面電位と同じでない場合であっても,スリープモード中の感光体21の表面電位の減衰量を決定するために用いる経過時間を,正確に求めることができる。
さらに実施形態のプリンター1は,感光体21からトナー像が転写された後に感光体21の表面の静電潜像の残像を除去するイレーサー26(除電装置)を備え,モード制御部71は,スリープモード中,イレーサー26による残像の除去を禁止するものである。よって,スリープモード中に,イレーサー26によって感光体21の表面の静電潜像の残像が除去されることがない。よって,スリープモードの終了時に感光体21の表面に残る残電位を高く保つことができる。
なお,上述した実施形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,実施形態では,環境因子測定部78は,温度測定部79および湿度測定部80を備える構成としたが,いずれか一方のみを備える構成としてもよい。また,計時部84は,RTCを備えることなく,電波時計用の標準電波や現在時刻を計測する時刻サイトなどの外部から現在時刻の情報を取得するものであってもよい。さらに計時部84は,時間を計測できれば現在時刻を取得できるものでなくてもよい。また,帯電装置22は,コロナ放電により感光体21を帯電させるものであれば,図2等に示すものでなくてもよい。また,実施形態では,現像に負帯電型のトナーを用いる構成としたが,現像に正帯電型のトナーを用いる構成としてもよい。
また,実施形態ではプリンター1を例として説明したが,本発明に係る画像形成装置は,公衆回線を経由してプリントジョブの送受信ができるものなど,他の画像形成装置でもよい。
なお,実施形態中の感光体21の劣化状態とは,感光体21の帯電特性のことでもある。帯電特性とは,電位を付与した感光体21を露光すると,どの程度電位が減衰するかという特性である(図9参照)。
1…プリンター(画像形成装置)
11…中間転写ベルト(中間転写体)
21…感光体
22…帯電装置
23…露光装置
24…現像装置
34…現像ローラー
26…イレーサー(除電装置)
30…1次転写ローラー
70…制御部
71…モード制御部
72…感光体制御部
73…感光体表面電位算出部
74…復帰時印加制御部
75…感光体劣化状態導出部
76…露光電位算出部
77…帯電電位出力部
78…環境因子測定部
79…温度測定部
80…湿度測定部
81…トナー付着量測定部
82…記憶部
83…減衰量決定テーブル
84…計時部

Claims (7)

  1. 感光体と,
    前記感光体の表面を一様に帯電させる帯電装置と,
    前記感光体の帯電された表面に露光により静電潜像を書き込む露光装置と,
    前記感光体の表面の静電潜像をトナーで可視像化する現像ローラーと,を備え,
    画像形成可能な稼働モードと,前記稼働モードよりも消費電力を抑えたスリープモードとを少なくとも取り得る画像形成装置において,
    前記稼働モードと前記スリープモードとの切り替えを制御するモード制御部と,
    前記稼働モードでは前記感光体を接地状態とし,前記スリープモードでは前記感光体を非接地状態とする感光体制御部と,
    前記スリープモードへ移行した時の前記感光体の表面電位から,前記スリープモード中の前記感光体の表面電位の減衰量を差し引いて,前記稼働モードへの復帰動作の開始時の前記感光体の表面電位を算出する感光体表面電位算出部と,
    前記スリープモードから前記稼働モードへの復帰過程における前記感光体の表面電位に対して,前記現像ローラーへの印加バイアスが,前記現像ローラーから前記感光体へのトナーの移動を防止する向きに予め定めた値以上の電位差となるように,前記現像ローラーへの印加バイアスを制御する復帰時印加制御部と,
    を備えるものであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において,
    帯電後露光前の前記感光体の表面電位(以下「帯電電位」という)と,前記露光装置により一定の露光光量で露光した後現像前の前記感光体における露光部の表面電位(以下「露光電位」という)との差の絶対値が,予め定めた値以上であれば劣化の程度を小さいと判断し,前記帯電電位と前記露光電位との差の絶対値が予め定めた値未満であれば劣化の程度を大きいと判断する感光体劣化状態導出部と,
    機内温度及び機内湿度の少なくとも一方の環境因子を測定する環境因子測定部と,
    前記稼働モードへの復帰動作の開始時に,それ以前に行われた前記感光体への最後の帯電の終了から当該稼働モードへの復帰動作の開始時までの経過時間を計測する計時部と,を備え,
    前記感光体表面電位算出部は,前記感光体の劣化の程度および前記環境因子ごとに,前記感光体の表面電位の経過時間と減衰量との関係があらかじめ用意されているものである
    ことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2に記載の画像形成装置において,
    現像により前記感光体へ付着したトナーの量を測定するトナー付着量測定部と,
    前記現像ローラーの現像バイアス(Vb),前記現像ローラーに担持されるトナーの帯電量(q),及び,前記トナー付着量検知部により検知されたトナー付着量(M)を用いた下記式(1)
    A×M=q×(Vb−Vi) 但し,Aは定数 ・・・(1)
    により,前記感光体の露光電位(Vi)を算出する露光電位算出部と,
    前記環境因子およびプリント履歴ごとに,前記帯電装置への印加パワーと前記感光体の帯電電位との関係があらかじめ用意されており,前記環境因子,プリント履歴,前記帯電装置への印加パワーに基づいて前記感光体の帯電電位を出力する帯電電位出力部と,を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置において,
    前記モード制御部は,前記スリープモード中に,前記帯電装置を予め定められた時間,動作させることにより,前記感光体の帯電を回復させる補助帯電を行うものである
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか1つに記載の画像形成装置において,
    前記感光体に形成されたトナー像を中間転写体に転写する転写ローラーを備え,
    前記モード制御部は,前記スリープモード中に,前記転写ローラーに前記感光体と同極性の電圧を予め定められた時間印加することにより,前記感光体の帯電を回復させる補助帯電を行うものである
    ことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置において,
    前記感光体表面電位算出部は,
    前記補助帯電が行われた場合には,前記計時部により計測された経過時間に,前記感光体の表面電位の経過時間と減衰量との関係にて前記補助帯電終了時の前記感光体の表面電位が得られるまでの所要時間を加えて,前記スリープモード中の前記感光体の表面電位の減衰量を決定するために用いる経過時間とするものである
    ことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の画像形成装置において,
    前記感光体からトナー像が転写された後に前記感光体の表面の静電潜像の残像を除去する除電装置を備え,
    前記モード制御部は,前記スリープモード中,前記除電装置による残像の除去を禁止するものである
    ことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015197505A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 ブラザー工業株式会社 画像形成装置
JP2017227878A (ja) * 2016-06-21 2017-12-28 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置
JP2018508377A (ja) * 2014-12-08 2018-03-29 アグファ・ナームローゼ・フェンノートシャップAgfa Nv 融除破片を減少させる新システム

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