JP2004334063A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】接触帯電での膜厚検知精度向上。→帯電電位安定性、現像特性補正、転写効率ダウン・中抜けレベルダウン防止、画像濃度安定性、ガンマ補正などの精度アップが可能。
【解決手段】個々の膜厚検知結果をメモリに保存し、装置の使用枚数、モード、環境などでばらつく各測定値を基に経時的な近似線を算出して補正する。結果をもとに各プロセス設定値を制御する。必要に応じて、個々の検知時のばらつきも環境条件などから補正しておく。(図面は電子ファイルはありません。)
【選択図】 図1
【解決手段】個々の膜厚検知結果をメモリに保存し、装置の使用枚数、モード、環境などでばらつく各測定値を基に経時的な近似線を算出して補正する。結果をもとに各プロセス設定値を制御する。必要に応じて、個々の検知時のばらつきも環境条件などから補正しておく。(図面は電子ファイルはありません。)
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電子写真装置(複写機・光プリンタなど)・静電記録装置等の画像形成装置のように、被帯電体としての像担持体(電子写真感光体・静電記録誘電体など)の面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置に関する。
【0002】
より詳しくは、被帯電体の帯電処理手段として、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置を利用した画像形成装置に関する。
【0003】
また帯電処理した被帯電体面に画像情報を含んだ光像を照射する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置に関する。
【0004】
【従来の技術】
画像形成装置において、像担持体である感光ドラム表面を帯電処理する手段機器としては、従来、コロナ放電器が広く利用されてきた。これは、コロナ放電器をその放電開口部を被帯電体である感光ドラムに対向させて非接触に配置し、放電開口部からのコロナ電流に感光ドラム表面をさらすことで所定の極性・電位に帯電処理するものである。しかし、高圧電源を必要とする、オゾンが大量に発生するなどの問題がある。
【0005】
これに対し、電圧を印加した帯電部材を感光ドラムに接触させて帯電処理する接触式の帯電方法は、電源の低電圧化が図れる、オゾンの発生量が少ないなどの長所があるため、近年注目され使用に供されている。
【0006】
また、帯電部材として導電性繊維毛ブラシあるいは導電性弾性ローラ等の導電性部材(導電性電位維持部材)を被帯電体と接触させ、外部から直流電圧を印加することにより被帯電体表面に電荷を直接注入して被帯電体表面を所定の電位に帯電させるものもある。
【0007】
接触式の帯電部材である帯電ローラを用いた従来の画像形成装置を図10に基づいて説明する。
【0008】
図10は従来の画像形成装置要部の断面図であり、同図において、1は像担持体としての感光ドラムであり、該感光ドラム1の表面は先ず前露光ランプ15によって帯電電位をほぼ0Vに除電された後、一次帯電ローラ2によって一様な電位(例えば−700V)に帯電される。次いで、原稿に対応した不図示の画像露光手段から画像露光3が感光ドラム1上に照射されることによって感光ドラム1上に静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置4によって現像されてトナー像として顕像化される。
【0009】
一方、転写材Pは所定のタイミングで給送され、感光ドラム1上のトナー像は、バイアスローラ(転写ローラ)12に印加されたバイアスによる静電力によって転写材担持体である転写ベルト21に担持された転写材Pに転写される。そして、トナー像が転写された転写材Pは、転写ベルト21によって担持搬送され、定着ローラ対14を通過することによって加熱及び加圧されることによってトナー像の定着を受ける。
【0010】
尚、転写後に感光ドラム1上に残留したトナーはドラムクリーニング装置5によって除去され、感光ドラム1は再び前露光ランプ15による光照射によって残留電位が除電されて次の画像形成に供される。
【0011】
又、転写ベルト21上には、画像形成装置内の主に現像装置4の動作中や転写時に飛散したトナー或は画像形成前後のカブリトナーが付着したり、転写材搬送中のジャムにより直接転写してしまうこと等によりトナーが付着することがあり、これらの付着したトナーを除去するためのクリーニング装置16が転写ベルト21に接触して配置されている。
【0012】
なお、帯電ローラ2は各種処方・層構成のものが使用できるが、例えば中心の芯金と、その外周に形成した導電層と、更にその外周に形成した抵抗層、保護層とからなる。
【0013】
帯電ローラ2は芯金の両端部を不図示の軸受部材に回転自由に軸受させて、ドラム型の感光体1に並行に配置して不図示の押圧手段で感光体1面に対して所定の押圧力をもって圧接され、感光体1の回転駆動に伴い従動回転する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のプリンタでは、以下のような問題点があった。
【0015】
画像形成装置、特に感光ドラムの使用耐久に伴う、転写効率の低下、中抜けレベルの変化。
【0016】
画像形成装置にプロセスカートリッジ着脱方式の装置構成を取った場合、該カートリッジの寿命判断が難しく、常に新しいカートリッジを用意しておかないと、画像不良が発生したり画像形成が不可能になることがある。
【0017】
画像形成装置の使用に伴い、像担持体としても感光ドラムの膜厚減少により帯電特性の変化、感光特性の変化、現像特性の変化、そして結果として画像濃度特性の変化が生じる。
【0018】
以下、詳細に説明する。
【0019】
(1)画像形成装置、特に感光ドラムの使用耐久に伴う、転写効率の低下、中抜けレベルの変化。
【0020】
帯電手段や転写手段での放電による像担持体表面のダメージや、クリーニング手段、特にいわゆるクリーニングブレードでの像担持体表面の摺擦により、画像形成を繰り返すことで、像担持体表面の感光層に小さな傷やミクロな凹凸が発生し、像担持体の表面粗さが大きくなる。
【0021】
像担持体の表面粗さが大きくなると、一般にトナーと像担持体との吸着力が強くなる。そのメカニズムは完全には解明されていないが、主に像担持体表面のトナーとの接触面積が大きくなるため、トナーの像担持体表面への物理的吸着が強くなると考えられる。
【0022】
トナーと像担持体との吸着力が強くなると、像担持体上のトナー像の転写材への転写効率が低下し、その結果、画像濃度が低下したり、文字、細線などのラインの中央部が転写しなくなる、いわゆる中抜け現象が顕著に発生する問題があった。
【0023】
そこで、画像形成の繰り返しにともなって、使用状況を検知して、像担持体の表面粗さが大きくなっても、トナー像の転写効率の低下や中抜けの発生を抑制する方法が提案されている(特開平11−218975)。
【0024】
(2)カートリッジ寿命
また、このような画像形成装置において、装置のメンテナンスの容易化を図るためにプロセスカートリッジ着脱方式の装置構成が特に小型の複写機やプリンタ等に広く用いられている。
【0025】
これは、像担持体としての感光ドラム、該感光ドラムを一様に帯電処理する帯電部材、現像手段、クリーニング手段などのプロセス機器を一体的に収容して画像形成装置本体に対して一括して着脱自在のプロセスカートリッジにし、内部の機器が寿命に達した場合、このプロセスカートリッジ全体を新しいものに交換する装置構成としたものである。
【0026】
感光ドラムは所定の寿命を有し、画像形成装置本体に設けられたプリント枚数カウンターの積算プリント枚数値からサービスマンが寿命を判断して交換する場合もあるが、ユーザーの利便性を高めるためにユーザーが交換できるように設定されているものも数多い。
【0027】
この場合、カートリッジの交換時期をユーザーに知らせるために感光ドラムの回転数を計数する手段がある。また、特開平6−266270号公報に示されているように、クリーニング装置の廃トナー容器内の廃トナー量を検知したりして、画像形成装置本体にその旨を表示させる方法がある。
【0028】
しかしながら、上記従来例では検知精度が悪く、次のような問題があった。
すなわち、像担持体の感光層は画像形成動作を繰り返すことで徐々に削りとられていく。プロセスカートリッジの寿命、すなわち像担持体の寿命は主に感光層の残り膜厚で規定される。
【0029】
プロセスカートリッジの寿命を検知する方法として、上記の方法の他に、出力した画像枚数から判断する方法もあるが、像担持体の寿命が規定される感光層の残り膜厚は、温湿度などの環境条件、出力された用紙の大きさ、1枚ずつ出力したか、連続で出力したか等の条件により大きく異なってしまうので、この方法ではやはり寿命検知の精度が悪かった。
【0030】
従って、寿命検知手段から出力がなされる前に画像不良が発生したり、逆に画像不良が発生した後に寿命検知手段から出力されてしまうという問題が生ずる。なお上記のような問題は、像担持体を含むプロセスカートリッジを用いる画像形成装置に限らず、像担持体に画像形成プロセスを適用して画像形成を実行させ、像担持体は繰り返して画像形成に使用する画像形成装置に共通する事項である。
【0031】
(3)画像形成装置の使用に伴う、帯電・感光・現像・画像濃度特性の変化。
【0032】
帯電手段として、特に直流バイアスを印加するいわゆるDC帯電方式の場合、感光ドラムの膜厚変化により、帯電電位が変わってしまう。さらに、帯電方式によらず感光特性の変化で同じ光量の露光をしても電位が下がりにくくなる。この現象は、前露光の有無や光量にも依存する。また、同じ感光ドラムの表面電位でも現像特性が変化することがある。したがって、結果として画像濃度が変化してしまう。さらに、表面電位によってはかぶりや、2成分現像剤を使用した場合にはキャリアと呼ばれる磁性体が付着してしまい、感光ドラム表面の傷やドラムクリーナへのダメージをもたらすこともある。
【0033】
これらの問題の対策としては、感光ドラムの膜厚を検知して、その膜厚に応じて各々の特性を補正することが効果的である。
【0034】
上記問題点に対して、感光ドラムの膜厚を検知する方法、また膜厚を検知してカートリッジ寿命を検知・予測する方法(特開平09−244486)、膜厚に対応した電流値を検知して帯電部材への印加電圧や画像露光量または両者を制御する方法(特開平05−307315、特開平06−035263)などが提案されている。
【0035】
その方法の基本的技術としては、感光ドラムが非画像形成領域に対応しているときに接触帯電部材にバイアスを印加し、そのときの感光ドラム膜厚に応じた電流量を測定するものである。
【0036】
しかしながら、上記従来例において、測定された電流量は種種の変動要因があり、その測定結果はバラツキが含まれている。
【0037】
例えば、
帯電ローラなど帯電部材の抵抗値の耐久、環境による変動。
【0038】
帯電ローラなど帯電部材の表面の汚れ、汚れムラ。
【0039】
帯電ローラなど帯電部材、感光ドラムなどの像担持体の帯電特性、感光特性の温度・湿度依存性。
などの要因がある。
【0040】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、像担持体などの被帯電体に該被帯電体面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、該被帯電体の帯電処理手段は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置であり、該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体層厚に応じた電流量(あるいは電圧値)を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、該検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を記憶する記憶装置を有し、画像形成装置の使用状態や置かれている環境条件の変化などの時間推移に基づいて検知結果を補正することを特徴とする。
【0041】
上記構成により、装置の使用履歴(使用枚数、通紙サイズ、感光体回転数、一次帯電バイアス印加時間など)によらず、また上記した帯電部材の抵抗値変動や感光ドラムなどの像担持体の帯電特性、感光特性の温度・湿度変化による変動があっても、それらの時間的ばらつきを含む各測定値をもとに検知結果を補正できる。
【0042】
請求項2に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、前記帯電部材に印加する画像形成領域に対応する帯電バイアスであることを特徴とする。
【0043】
請求項3に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成する場合の画像露光量であることを特徴とする。
【0044】
上記構成により、検知された膜厚から一次帯電バイアスや露光量を制御することによって、膜厚変化による帯電特性、感光特性の変化に対応して補正することができる。したがって、感光ドラム表面電位を常に最適なものに制御できるので、常に安定した画像を得ることができる。
【0045】
請求項4に記載の発明は、被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成し、この潜像を現像手段により現像剤を用いて現像・可視化して得られた可視画像を、転写手段により転写材に転写するプロセスを有する画像形成装置において、上記プロセス設定条件は、上記転写に関するパラメータである転写条件であることを特徴とする。
【0046】
請求項5に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、上記転写手段に印加する転写バイアスであることを特徴とする。
【0047】
請求項6に記載の発明は、前記転写手段は像担持体の表面に接触する転写ローラであり、前記転写条件は、転写ローラ表面の周速と像担持体表面の周速の差であることを特徴とする。
【0048】
請求項7に記載の発明は、前記転写手段は像担持体の表面に接触する転写ローラであり、前記転写条件は、像担持体への転写ローラの当接圧であることを特徴とする。
【0049】
上記構成により、画像形成装置すなわち感光ドラムの使用に伴う転写効率の低下、中抜けレベルの悪化などの問題が発生しやすい条件になったとしても、検知された膜厚から感光ドラム膜厚および表面の状態を推測して転写バイアス、転写ローラ表面の周速と像担持体表面の周速の差、像担持体への転写ローラの当接圧などの転写パラメータを最適制御することにより、抑制・防止することが可能である。
請求項8に記載の発明は、被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成し、この潜像を現像手段により現像剤を用いて現像・可視化して得られた可視画像を、転写手段により転写材に転写するプロセスを有する画像形成装置において、上記プロセス設定条件は、上記現像に関するパラメータである現像条件であることを特徴とする。
【0050】
請求項9に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、上記現像手段に印加する現像バイアスであることを特徴とする。
【0051】
請求項10に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、上記現像手段の単位時間当たりスリーブ回転数であることを特徴とする。
【0052】
上記構成により、検知された膜厚から現像バイアス、スリーブ回転数などの現像パラメータを最適制御することができ、常に安定した画像を得ることができる。
【0053】
請求項11に記載の発明は、像担持体などの被帯電体に残留した帯電電位を前記帯電手段による帯電動作に先立って、消去・低減するために被帯電体に光を照射する前露光手段を有する画像形成装置において、上記プロセス設定条件は、該前露光の光量であることを特徴とする。
【0054】
上記構成により、検知された膜厚から最適な前露光量を最適制御することにより、感光ドラム表面電位を常に最適なものに制御できるので、常に安定した画像を得ることができる。
【0055】
請求項12に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、画像形成装置への入力画像信号に対するガンマ特性(補正量)であることを特徴とする。
【0056】
初期同じ電位に帯電し画像露光によって同じ電位に低下しても、感光ドラムの膜厚によってその間の感光特性・電位勾配は変化することがある。結果として、ベタ画像濃度は同じであってもハーフトーン領域の画像濃度が変化してしまうことになる。したがって、上記構成のようにガンマ特性を画像処理などで補正することで、感光ドラム膜厚によらず常に安定した画像を得ることができる。
【0057】
請求項13に記載の発明は、該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加する時には、現像手段に印加する現像バイアス、転写バイアスのいずれかあるいは両方をオフとすることを特徴とする。
【0058】
帯電部材が被帯電体である感光ドラムなどの非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体膜厚に応じた電流量を検知する場合、感光ドラムの帯電電位が安定していないと検知電流が変動してしまう。帯電電位は転写電流によっても変化するし、また、検知電流と転写、現像バイアスが干渉することもある。
【0059】
したがって、上記構成により、現像、転写の影響を無くして、安定した検知が可能となる。
【0060】
請求項14に記載の発明は、像担持体などの被帯電体に該被帯電体面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、該被帯電体の帯電処理手段は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置であり、該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体層厚に応じた電流量を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、前記検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を記憶する記憶装置を有し、画像形成装置の使用状態や置かれている環境条件の変化などの時間推移に基づいて変化する過去の複数の検知結果から、近似線をもとに最新の検知電流量や膜厚を補正することを特徴とする。
【0061】
上記構成により、装置の使用履歴(使用枚数、通紙サイズ、感光体回転数、一次帯電バイアス印加時間など)によらず、また上記した帯電部材の抵抗値変動や感光ドラムなどの像担持体の帯電特性、感光特性の温度・湿度変化による変動があっても、それらの時間的ばらつきを含む各測定値をもとに検知結果を補正できる。具体的には、時間的変化の近似曲線から求められる値を採用することで、これらのばらつきがあっても検知精度を高めることができる。
【0062】
請求項15に記載の発明は、像担持体などの被帯電体に該被帯電体面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、該被帯電体の帯電処理手段は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置であり、該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体層厚に応じた電流量を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、該検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を、測定の度ごとに画像形成装置の使用状態や置かれている環境条件の変化などに基づいてその時々の検知結果を補正し、さらにそれらの近似曲線をもとに最新の検知結果を補正することを特徴とする。
【0063】
上記構成により、検知する毎に補正可能なパラメータを補正した上で該検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を決定するので、より高精度の検知が可能となる。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0065】
(実施例1)
(1)画像形成装置例
図1は本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の断面図であり、本図においては図10に示したと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0066】
図1において、帯電ローラ2にバイアスを供給する高圧電源としての帯電バイアス電源22、画像形成装置の画像形成時・非画像形成時の検知用バイアスと画像形成用バイアスの切り替えや画像形成時のバイアス値調整を行なうバイアス制御回路23を有する。非画像形成時に検知された電流値は検知電流記憶手段(メモリ)24へ送られ、随時記憶される。これらの記憶されたデータをもとに、後で説明する手法により感光層膜厚算出手段25で感光層の膜厚を算出する。算出した膜厚データを用いて、必要に応じて帯電バイアス、画像露光量、現像バイアス、転写バイアスを制御可能とする。
【0067】
(2)帯電部材2の各種形態例
ローラタイプの帯電部材2は面移動駆動される被帯電体としての感光ドラム1に従動回転させてもよいし、非回転のものとさせてもよいし、感光体1の面移動方向に順方向又は逆方向に所定の周速度をもって積極的に回転駆動させるようにしてもよい。
【0068】
帯電部材2は図示したローラタイプ以外にも、ブレード状タイプ・ブロック状タイプ・ロッド状タイプ・ベルト状タイプなどの形態に構成できる。
【0069】
図2の(a)はブレード状タイプとしたものの一例の横断面模型図を示している。この場合、感光体1面に当接されるブレード状帯電部材2の向きは感光体1面の面移動方向に順方向又は逆方向のどちらでもよい。
【0070】
図2の(b)はブロック状もしくはロッド状としたものの一例の横断面模型図を示している。
【0071】
各タイプの帯電部材2において、2cは導電性の芯金部材、2bは導電層、2aは抵抗層を示している。必要に応じて適度な抵抗値を有する表面(保護)層をさらに積層させても良い。
【0072】
ブロック状もしくはロッド状としたものは、バイアス電圧を直接に接続することができ、ローラタイプのものに比較して給電用摺動接点から発生する可能性のある電気ノイズがなくなるという利点とともに、省スペース化、さらには被帯電体面のクリーニングブレードを兼用させる構成のものとすることも可能である。
【0073】
(3)シーケンス
図3は図1の装置の動作シーケンス例である。本例は2枚連続プリントの場合を示している。
【0074】
プリント(コピー)開始信号にもとづき、それまでスタンバイ状態にある装置の感光ドラム1の回転駆動が開始されて前回転期間が開始される。このドラム1の回転開始と同時に除電露光(前露光)15がONとなり、区間A1において感光ドラム1の一周面以上が除電される。
【0075】
次に接触帯電部材である帯電ローラ2に対する一次帯電バイアスがONとなる。帯電バイアスはDCのみ、あるいはDCにACを重畳したいわゆるAC帯電でも良い。本実施例では一例としてDCバイアスのみを印加するいわゆるDC帯電を例に説明する。
【0076】
この一次帯電バイアスは始めに区間B1で定電圧制御され、その間にDC電流の検知がなされ、次に検知したDC電流に対応した帯電ローラDC定電圧制御がなされる。
【0077】
画像形成が始まるまでがドラム1の前回転期間であり、その間のドラム1面は非画像形成領域面であり、従って帯電ローラ2はドラム1の非画像形成領域面に対応している前回転期間の区間B1において帯電ローラDC定電圧制御がなされ、このときのDC電流の検知と一次電圧補正(帯電ローラ2に対する感光層膜厚に応じた一次帯電バイアス補正)がなされる。
【0078】
一次補正電圧で帯電ローラDC定電圧制御が始まったら画像露光(レーザ露光など)による1枚目の画像形成が行なわれる。帯電ローラ2は感光ドラム1の画像形成領域面に対応しており、該感光ドラム1面をDC定電圧制御状態にて帯電処理している。
【0079】
1枚目のプリントについての画像形成が終了し、次の2枚目のプリントについての画像形成が開始されるまでの間の所謂紙間のドラム面は非画像形成領域面であり、本実施例ではこの紙間でも再び帯電ローラ2のDC定電圧制御・DC電流検知・DC定電圧制御を実行させている。
【0080】
即ち、1枚目のプリントが終了したら一次帯電バイアスを紙間の区間B2において再び帯電ローラDC定電圧制御とし、DC電流検知を実行させ、次いでその検知DC電流に応じた帯電ローラ定電圧制御を実行させて2枚目のプリントについての画像形成を実行させている。
【0081】
3枚以上の連続プリントのときも各紙間において同様に帯電ローラDC定電圧制御・DC電流検知・DC定電圧制御のシーケンスを行なう。
【0082】
ただし、紙間でもDC電流検知を行なうかは必ずしも必須のものではなく、画像形成装置の設計事項である。
【0083】
最終枚目のプリントの画像形成が終了したら感光ドラム1は後回転期間に入り、この後回転期間の区間A2においてドラム1の一周面以上の前露光15がONされて除電され、感光ドラム1の回転と除電露光がOFFとなり、装置は次のプリント開始信号の入力までスタンバイ状態に入る。
【0084】
上記の構成において、耐久によってドラム表面が削れて感光体膜厚が薄くなった場合には、帯電ローラ2が感光ドラム1の非画像形成領域面に対応しているときになされているDC定電圧制御期間B1やB2の検知DC電流が大きくなり、その検知DC電流(感光層膜厚に依存)に応じた低下補正電圧での帯電ローラDC定電圧制御のもとでドラム1の画像形成領域面に対する帯電処理が帯電ローラ2によりなされて画像形成が実行される。
【0085】
(4)電圧補正方法
本実施例では、DC帯電において感光層膜厚変化による帯電電位変化を補正する方法について簡単に説明する。
【0086】
まず、帯電ローラ2に直流電源により直流電圧を印加する場合の帯電メカニズムについて説明する。
【0087】
感光体1としては負極性のOPC感光ドラムを用いた。具体的には感光体層としてアゾ顔料をCGL層(キャリア発生層)とし、その上にヒドラゾンと樹脂を混合したものをCTL層(キャリア輸送層)として24μmの厚さに積層した負極性有機半導体層(OPC層)とし、この感光ドラム1を回転駆動させ、その表面に帯電ローラ2を接触させ、該帯電ローラ2に直流電圧VDCを印加して暗所でOPC感光ドラム1に接触させて帯電を行なわせるものとし、帯電ローラ2通過後の帯電されたOPC感光ドラム1の表面電位VD と、帯電ローラ2に対する印加直流電圧VDCとの関係を測定した。
【0088】
図4の(a)の24μmの直線グラフはその測定結果を示すものである。印加直流電圧VDCに対して帯電は図4の(a)のようにドラム膜厚ごとに閾値を有し、特定電圧から帯電が開始し、その帯電開始電圧以上の絶対値の電圧印加に対しては、得られる表面電位VD はグラフ上傾き1の直線的な関係が得られた。
即ち、帯電ローラ2への直流印加電圧をVDCとし、OPC感光ドラム1表面に得られる表面電位をVD 、帯電開始電圧をVTHとすると、
VD =VDC−VTH ‥‥‥(1)
の関係がある。
【0089】
図4の(a)は、帯電ローラ2への印加電圧とドラム表面電位の関係をドラムCT層厚ごとに測定したものである。また同様にそのときの直流電流量を図4の(b)に示してある。この図からわかるように、ドラムCT層厚によって帯電特性、電圧電流特性及び放電開始電圧が変化することが読み取れる。
【0090】
この特性を任意電圧の定電圧印加時のドラムCT層厚に対してのドラム表面電位と直流電流として表したものが図5(a)・(b)である。CT層厚に応じてのドラム表面電位と直流電流の関係が読み取れる。CT層厚が薄くなるにつれて静電容量が変わり、ドラム表面電位(黒電位VD と白電位VL )と直流電流量が上昇することがわかる。つまり、特定な定電圧印加時の直流電流量を測定することでドラムCT膜厚 に応じた表面電位と膜厚を推定することが可能なことがわかる。
【0091】
図6は、以上の関係からドラムCT層厚変化による静電容量変化があっても、ドラム表面電位を制御するための検知電流量とそのときの補正電圧出力に関する図である。検知電流量の増加と共に電圧出力を低下させるように補正をかける。この補正をかけた実験結果を図7の(a)・(b)に示す。
【0092】
横軸に画像形成回数として耐久枚数をとり、ドラム表面電位の変化を示している。従来の特定定電圧印加のみの場合の表面電位推移はLで表されるが、本発明の定電圧印加時の直流電流量を検知し、その電流量に応じて印加電圧を補正して定電圧印加すると、Mで表されるように耐久枚数が増えても常に一定のドラム表面電位が確保できる。
【0093】
この実験には、前述したOPC感光ドラムを使用した。また図1に示した画像形成装置において耐久テストを行った。
【0094】
帯電ローラ2は、芯金の上にEPDM等の104 〜105 Ωcmの導電ゴム層を設け、その上にヒドリンゴム等からなる107 〜109 Ωcm程度の中抵抗層を設け、その上にトレジン(注:帝国化学(株)の商標)等のナイロン系物質からなる107 〜1010Ωcmのブロッキング層を表層として設けた、硬度がAsker−C測定で50°〜70°程度のものを用いた。そしてこの帯電ローラ2を感光ドラム1に総圧1600gで当接させ、従動回転させて帯電を行った。
【0095】
さて、上記のように感光体膜厚に依存する検知電流や、それから計算される感光層膜厚の測定値は、帯電バイアスを決定する上で非常に重要な数値である。
しかしながら、測定値には前記したように種種の変動要因があり、その測定結果は検知・測定の度ごとにバラツキが含まれている。
【0096】
例えば、
帯電ローラなど帯電部材の抵抗値の耐久、環境による変動。
【0097】
帯電ローラなど帯電部材の表面の汚れ、汚れムラ。
【0098】
帯電ローラなど帯電部材、感光ドラムなどの像担持体の帯電特性、感光特性の温度・湿度依存性。
などの要因がある。
【0099】
これらの要因の内、帯電部材の抵抗値は耐久により緩やかに変化をするが、温湿度などの環境条件による変動は一日の内でも変化するものである。また、感光ドラムなどの像担持体の帯電特性、感光特性の温度・湿度依存性も同様である。
【0100】
したがって、測定データは図8に示すように、常にばらつく可能性がある。たとえば、機内温度は朝に装置の電源を入れた時には室温にあったものが、装置内電気部品による機内温度上昇によって変化したり、装置の置かれている部屋のエアコンの動作状態などにも左右される。
【0101】
そこで、本発明においてはこれらの測定データを装置内の検知電流記憶装置22に記憶させておき、そのデータの経時変化から近似曲線を求めて、その曲線上のデータを採用することにより、上記のばらつきの大部分を排除した膜厚などの補正された検知結果を求めることが可能となる。
【0102】
なお、近似曲線の求め方としては、線形近似、指数近似、多項式近似、累計近似、指数近似、移動平均近似など種種の統計手法があるが、特に制約は無く適宜最適なものを用いることができる。
【0103】
また、記憶させておくデータの数は、数量で規定しても良いし、一定時間内あるいは一定枚数内のデータだけにしても良い。なお、感光ドラムや感光ドラムを含むカートリッジを交換した場合には、その前のデータを削除すればよい。
【0104】
(実施例2)
感光ドラム1の感光層や帯電ローラ2の静電容量は、特に温湿度などの環境条件によって変動する。
【0105】
すなわち、例えば低湿環境にて特に帯電ローラ2の抵抗が下がると、上記期間B1やB2の帯電ローラDC定電圧制御の検知DC電流が低くなる。さらに変動要因が帯電ローラの抵抗変動以外があった場合には、検知された電流値やそれから計算される感光層膜厚の測定精度、制御精度が落ちる。
【0106】
そこで、本実施例においては、測定されたデータから近似曲線を得る以前に、個々の測定段階で測定データを補正するものである。図9にそのイメージ図を示す。
【0107】
例えば、上記したように感光ドラム1の感光層や帯電ローラ2の静電容量は、特に温湿度などの環境条件によって変動する。変動幅は、帯電ローラ2のインピーダンスや感光層の膜厚によっても異なるが、温湿度によって概略補正することで、図9に示すようによりばらつきを小さくできる。したがって、それらの補正されたデータをもとに近似曲線を求めて、感光層膜厚や検知電流量をもとめることで、さらに高精度な測定が可能となる。
【0108】
なお、近似曲線の求め方としては、線形近似、指数近似、多項式近似、累計近似、指数近似、移動平均近似など種種の統計手法があるが、特に制約は無く適宜最適なものを用いることができる。
【0109】
また、記憶させておくデータの数は、数量で規定しても良いし、一定時間内あるいは一定枚数内のデータだけにしても良い。なお、感光ドラムや感光ドラムを含むカートリッジを交換した場合には、その前のデータを削除すればよい。
【0110】
(実施例3)
検知され、近似曲線などを用いて決定された感光層膜厚や電流値をもとに、制御対象として感光ドラムなどの被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成する場合の画像露光量を調整することが電位安定性に効果的である。
【0111】
帯電部材で感光ドラム表面を一定電位に帯電できたとしても、感光特性も感光層膜厚に依存するので画像濃度が変動する原因となる。通常、感光層膜厚が装置使用(プリント)を繰り返して薄くなっていくと、感光特性が悪化して同じ光量の画像露光を照射しても電位が低下しにくくなる。そこで、検知された膜厚が薄くなるにしたがって画像露光量を大きく制御することによって、電位の安定化、画像濃度の安定化を図ることが可能となる。
【0112】
(実施例4)
検知され、近似曲線などを用いて決定された感光層膜厚や電流値をもとに、制御対象として転写パラメータを制御することが、転写効率低下や中抜け現象の悪化の抑制・防止に効果的である。
【0113】
前述したように、帯電手段や転写手段での放電による像担持体としての感光ドラム表面のダメージや、クリーニング手段、特にいわゆるクリーニングブレードでの像担持体表面の摺擦により、画像形成を繰り返すにともない、感光ドラム表面の感光層に小さな傷やミクロな凹凸が発生し、感光ドラムの表面粗さが大きくなる。
【0114】
感光ドラムの表面粗さが大きくなると、一般にトナーと感光ドラムとの吸着力が強くなる。そのメカニズムは完全には解明されていないが、感光ドラム表面のトナーとの接触面積が大きくなるため、トナーの感光ドラム表面への物理的吸着が強くなると考えられる。
【0115】
また、現像剤や、現像剤に含まれる添加剤、あるいは帯電部材と感光ドラム間の微小ギャップで発生する放電生成物が感光ドラム表面に付着することにより、やはりトナーと感光ドラム表面との物理的吸着が強くなる。
【0116】
トナーと感光ドラムとの吸着力が強くなると、感光ドラム上のトナー像の転写材への転写効率が低下し、その結果、画像濃度が低下したり、文字、細線などのラインの中央部が転写しなくなる、いわゆる中抜け現象が顕著に発生する問題がある。
【0117】
この感光ドラムの表面性は、プリントした枚数などと密接に関係しており、感光ドラム膜厚の変化にほぼ比例して変化すると考えてよい。したがって、感光ドラムの感光層膜厚を求めることで表面性を判断することが可能である。すなわち、感光層膜厚が低下した時は、中抜け現象・転写効率が悪化すると考えられる。
【0118】
そこで、検知され、近似曲線などを用いて決定された感光層膜厚や電流値をもとに、制御対象として転写パラメータを制御することが、転写効率低下や中抜け現象の悪化の抑制・防止に効果的である。
【0119】
具体的には、転写電流を大きくしたり、転写手段が感光ドラム表面に接触する転写ローラである場合には、転写ローラ表面の周速と像担持体表面の周速の差、あるいはまた転写ローラの当接圧を制御する。
【0120】
(実施例5)
検知され、近似曲線などを用いて決定された感光層膜厚や電流値をもとに、制御対象として現像パラメータを制御することが、画像濃度安定化に効果的である。
【0121】
同じ感光ドラムの表面電位でも感光層膜厚によって現像特性が変化することがある。
【0122】
したがって、結果として画像濃度が変化してしまう。さらに、表面電位によってはかぶりや、2成分現像剤を使用した場合には現像剤に含まれるキャリアと呼ばれる磁性体が付着してしまうこともある。
【0123】
したがって、制御対象として現像パラメータ、具体的には現像バイアスや現像手段のスリーブ回転数を用いることで上記問題点を回避・抑制することが可能である。
【0124】
(実施例6)
検知され、近似曲線などを用いて決定された感光層膜厚や電流値をもとに、制御対象として前露光の光量を制御することが、電位安定性、画像濃度安定化に効果的である。
【0125】
前露光手段は、感光ドラム上に残留した帯電電位を帯電動作に先立って、消去・低減するために感光ドラムに光を照射するものであり、その光量が強いほど電位消去・低減効果は大きくなる。しかしながら、光量が強いと画像形成を繰り返した場合に感光特性の劣化を招きやすくなる。すなわち、同じ光量の画像露光を照射しても電位が低下しにくくなる。また、感光ドラムが新品に近い状態では感光特性が劣化していないので比較的小さな光量であってもその効果が得られやすい。
そこで、初期は前露光量を所定の値に設定しておいて、感光特性の劣化を抑制・防止する。そして、使用枚数が多くなった時に前露光量を大きくなるように変更する。その事により、感光ドラムの寿命末期まで感光特性の劣化を最小限に抑えることが可能である。
【0126】
(実施例7)
検知され、近似曲線などを用いて決定された感光層膜厚や電流値をもとに、制御対象として画像形成装置への入力画像信号に対するガンマ特性(補正量)を制御することが、画像濃度安定化に効果的である。
【0127】
初期同じ電位に帯電した後画像露光によって同じ電位に低下しても、感光ドラムの膜厚によってその間の感光特性・電位勾配は変化することがある。結果として、ベタ画像濃度は同じであってもハーフトーン領域の画像濃度が変化してしまうことになる。
【0128】
このガンマ特性は、感光ドラムの感光層膜厚に依存していることが知られている。
【0129】
したがって、該膜厚の変化に伴って、ガンマ特性を画像処理などで補正することで、感光ドラム膜厚によらず常に安定した画像を得ることができる。
【0130】
なお、上記構成において帯電ローラなどの帯電部材が感光ドラムなどの被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加する時には、現像手段に印加する現像バイアス、転写バイアスのいずれかあるいは両方をオフとすることで、それらの間のバイアスの干渉や、感光ドラム表面電位変動を抑えて、精度の良い検知が可能となる。
【0131】
また、本発明の特色は、検知・測定データを装置内の検知電流記憶装置22に記憶させておき、そのデータの経時変化から近似曲線を求めて、その曲線上のデータを採用することにより、上記のばらつきの大部分を排除した膜厚などの補正された検知結果を求めることが可能となるものであるが、近似曲線の求め方としては、線形近似、指数近似、多項式近似、累計近似、指数近似、移動平均近似など種種の統計手法があるが、特に制約は無く適宜最適なものを用いることができる。
【0132】
また、帯電部材が感光ドラムなどの被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体膜厚に応じた電流量を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、制御対象としてのプロセス設定条件は、上記のうちの一つでも良く、またその組み合わせでも良い。さらにその内容も上記のものに限定するものではなく、種種のものに適応可能である。
【0133】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明は、像担持体などの被帯電体に該被帯電体面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、該被帯電体の帯電処理手段は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置であり、該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体層厚に応じた電流量(あるいは電圧値)を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、該検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を記憶する記憶装置を有し、画像形成装置の使用状態や置かれている環境条件の変化などの時間推移に基づいて検知結果を補正することを特徴とする。
【0134】
上記構成により、装置の使用履歴(使用枚数、通紙サイズ、感光体回転数、一次帯電バイアス印加時間など)によらず、また上記した帯電部材の抵抗値変動や感光ドラムなどの像担持体の帯電特性、感光特性の温度・湿度変化による変動があっても、それらの時間的ばらつきを含む各測定値をもとに検知結果を補正できる。
【0135】
請求項2に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、前記帯電部材に印加する画像形成領域に対応する帯電バイアスであることを特徴とする。
【0136】
請求項3に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成する場合の画像露光量であることを特徴とする。
【0137】
上記構成により、検知された膜厚から一次帯電バイアスや露光量を制御することによって、膜厚変化による帯電特性、感光特性の変化に対応して補正することができる。したがって、感光ドラム表面電位を常に最適なものに制御できるので、常に安定した画像を得ることができる。
【0138】
請求項4に記載の発明は、被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成し、この潜像を現像手段により現像剤を用いて現像・可視化して得られた可視画像を、転写手段により転写材に転写するプロセスを有する画像形成装置において、上記プロセス設定条件は、上記転写に関するパラメータである転写条件であることを特徴とする。
【0139】
請求項5に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、上記転写手段に印加する転写バイアスであることを特徴とする。
【0140】
請求項6に記載の発明は、前記転写手段は像担持体の表面に接触する転写ローラであり、前記転写条件は、転写ローラ表面の周速と像担持体表面の周速の差であることを特徴とする。
【0141】
請求項7に記載の発明は、前記転写手段は像担持体の表面に接触する転写ローラであり、前記転写条件は、像担持体への転写ローラの当接圧であることを特徴とする。
【0142】
上記構成により、画像形成装置すなわち感光ドラムの使用に伴う転写効率の低下、中抜けレベルの悪化などの問題が発生しやすい条件になったとしても、検知された膜厚から感光ドラム膜厚および表面の状態を推測して転写バイアス、転写ローラ表面の周速と像担持体表面の周速の差、像担持体への転写ローラの当接圧などの転写パラメータを最適制御することにより、抑制・防止することが可能である。
請求項8に記載の発明は、被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成し、この潜像を現像手段により現像剤を用いて現像・可視化して得られた可視画像を、転写手段により転写材に転写するプロセスを有する画像形成装置において、上記プロセス設定条件は、上記現像に関するパラメータである現像条件であることを特徴とする。
【0143】
請求項9に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、上記現像手段に印加する現像バイアスであることを特徴とする。
【0144】
請求項10に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、上記現像手段の単位時間当たりスリーブ回転数であることを特徴とする。
【0145】
上記構成により、検知された膜厚から現像バイアス、スリーブ回転数などの現像パラメータを最適制御することができ、常に安定した画像を得ることができる。
【0146】
請求項11に記載の発明は、像担持体などの被帯電体に残留した帯電電位を前記帯電手段による帯電動作に先立って、消去・低減するために被帯電体に光を照射する前露光手段を有する画像形成装置において、上記プロセス設定条件は、該前露光の光量であることを特徴とする。
【0147】
上記構成により、検知された膜厚から最適な前露光量を最適制御することにより、感光ドラム表面電位を常に最適なものに制御できるので、常に安定した画像を得ることができる。
【0148】
請求項12に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、画像形成装置への入力画像信号に対するガンマ特性(補正量)であることを特徴とする。
【0149】
初期同じ電位に帯電し画像露光によって同じ電位にしても、感光ドラムの膜厚によってその間の感光特性・電位勾配は変化することがある。結果として、ベタ画像濃度は同じであってもハーフトーン領域の画像濃度が変化してしまうことになる。したがって、上記構成のようにガンマ特性を画像処理などで補正することで、感光ドラム膜厚によらず常に安定した画像を得ることができる。
【0150】
請求項13に記載の発明は、該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加する時には、現像手段に印加する現像バイアス、転写バイアスのいずれかあるいは両方をオフとすることを特徴とする。
【0151】
帯電部材が被帯電体である感光ドラムなどの非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体膜厚に応じた電流量を検知する場合、感光ドラムの帯電電位が安定していないと検知電流が変動してしまう。帯電電位は転写電流によっても変化するし、また、検知電流と現像バイアスが干渉することもある。
【0152】
したがって、上記構成により、現像、転写の影響を無くして、安定した検知が可能となる。
【0153】
請求項14に記載の発明は、像担持体などの被帯電体に該被帯電体面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、該被帯電体の帯電処理手段は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置であり、該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体層厚に応じた電流量を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、前記検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を記憶する記憶装置を有し、画像形成装置の使用状態や置かれている環境条件の変化などの時間推移に基づいて変化する過去の複数の検知結果から、近似線をもとに最新の検知電流量や膜厚を補正することを特徴とする。
【0154】
上記構成により、装置の使用履歴(使用枚数、通紙サイズ、感光体回転数、一次帯電バイアス印加時間など)によらず、また上記した帯電部材の抵抗値変動や感光ドラムなどの像担持体の帯電特性、感光特性の温度・湿度変化による変動があっても、それらの時間的ばらつきを含む各測定値をもとに検知結果を補正できる。具体的には、時間的変化の近似曲線から求められる値を採用することで、これらのばらつきがあっても検知精度を高めることができる。
【0155】
請求項15に記載の発明は、像担持体などの被帯電体に該被帯電体面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、該被帯電体の帯電処理手段は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置であり、該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体層厚に応じた電流量を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、該検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を、測定の度ごとに画像形成装置の使用状態や置かれている環境条件の変化などに基づいてその時々の検知結果を補正し、さらにそれらの近似曲線をもとに最新の検知結果を補正することを特徴とする。
【0156】
上記構成により、検知する毎に補正可能なパラメータを補正した上で該検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を決定するので、より高精度の検知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例の画像形成装置の概略構成図
【図2】(a)ブレード状タイプ帯電部材の一例の横断面模型図
(b)ブロック状もしくはロッド状帯電部材の一例の横断面模型図
【図3】画像形成装置の動作シーケンス例
【図4】(a)感光ドラム表面電位のCT膜厚依存性
(b)各種CT膜厚を有する感光ドラムの電圧―電流特性
【図5】(a)帯電能のCT膜厚依存性
(b)一定電圧を印加した時の電流のCT膜厚依存性
【図6】検知電圧と補正電圧出力値の関係グラフ
【図7】(a)ドラム表面電位の推移を示すグラフ
(b)CT膜厚の変化を示すグラフ
【図8】感光層膜厚の検知結果推移と近似曲線を示すグラフ
【図9】感光層膜厚の補正検知結果推移と近似曲線を示すグラフ
【図10】従来の画像形成装置の概略構成図
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 一次帯電ローラ その他の帯電部材一例
3 画像露光(レーザなど)
4 現像器
5 クリーナ
12転写部材(バイアスローラ)
15 前露光
20 転写バイアス電源
22 一次帯電バイアス電源
23 一次帯電バイアス制御回路
24 検知電流記憶手段(メモリ)
25 感光層膜厚算出手段
27 現像バイアス電源
28 環境センサ(温湿度センサ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電子写真装置(複写機・光プリンタなど)・静電記録装置等の画像形成装置のように、被帯電体としての像担持体(電子写真感光体・静電記録誘電体など)の面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置に関する。
【0002】
より詳しくは、被帯電体の帯電処理手段として、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置を利用した画像形成装置に関する。
【0003】
また帯電処理した被帯電体面に画像情報を含んだ光像を照射する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置に関する。
【0004】
【従来の技術】
画像形成装置において、像担持体である感光ドラム表面を帯電処理する手段機器としては、従来、コロナ放電器が広く利用されてきた。これは、コロナ放電器をその放電開口部を被帯電体である感光ドラムに対向させて非接触に配置し、放電開口部からのコロナ電流に感光ドラム表面をさらすことで所定の極性・電位に帯電処理するものである。しかし、高圧電源を必要とする、オゾンが大量に発生するなどの問題がある。
【0005】
これに対し、電圧を印加した帯電部材を感光ドラムに接触させて帯電処理する接触式の帯電方法は、電源の低電圧化が図れる、オゾンの発生量が少ないなどの長所があるため、近年注目され使用に供されている。
【0006】
また、帯電部材として導電性繊維毛ブラシあるいは導電性弾性ローラ等の導電性部材(導電性電位維持部材)を被帯電体と接触させ、外部から直流電圧を印加することにより被帯電体表面に電荷を直接注入して被帯電体表面を所定の電位に帯電させるものもある。
【0007】
接触式の帯電部材である帯電ローラを用いた従来の画像形成装置を図10に基づいて説明する。
【0008】
図10は従来の画像形成装置要部の断面図であり、同図において、1は像担持体としての感光ドラムであり、該感光ドラム1の表面は先ず前露光ランプ15によって帯電電位をほぼ0Vに除電された後、一次帯電ローラ2によって一様な電位(例えば−700V)に帯電される。次いで、原稿に対応した不図示の画像露光手段から画像露光3が感光ドラム1上に照射されることによって感光ドラム1上に静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置4によって現像されてトナー像として顕像化される。
【0009】
一方、転写材Pは所定のタイミングで給送され、感光ドラム1上のトナー像は、バイアスローラ(転写ローラ)12に印加されたバイアスによる静電力によって転写材担持体である転写ベルト21に担持された転写材Pに転写される。そして、トナー像が転写された転写材Pは、転写ベルト21によって担持搬送され、定着ローラ対14を通過することによって加熱及び加圧されることによってトナー像の定着を受ける。
【0010】
尚、転写後に感光ドラム1上に残留したトナーはドラムクリーニング装置5によって除去され、感光ドラム1は再び前露光ランプ15による光照射によって残留電位が除電されて次の画像形成に供される。
【0011】
又、転写ベルト21上には、画像形成装置内の主に現像装置4の動作中や転写時に飛散したトナー或は画像形成前後のカブリトナーが付着したり、転写材搬送中のジャムにより直接転写してしまうこと等によりトナーが付着することがあり、これらの付着したトナーを除去するためのクリーニング装置16が転写ベルト21に接触して配置されている。
【0012】
なお、帯電ローラ2は各種処方・層構成のものが使用できるが、例えば中心の芯金と、その外周に形成した導電層と、更にその外周に形成した抵抗層、保護層とからなる。
【0013】
帯電ローラ2は芯金の両端部を不図示の軸受部材に回転自由に軸受させて、ドラム型の感光体1に並行に配置して不図示の押圧手段で感光体1面に対して所定の押圧力をもって圧接され、感光体1の回転駆動に伴い従動回転する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のプリンタでは、以下のような問題点があった。
【0015】
画像形成装置、特に感光ドラムの使用耐久に伴う、転写効率の低下、中抜けレベルの変化。
【0016】
画像形成装置にプロセスカートリッジ着脱方式の装置構成を取った場合、該カートリッジの寿命判断が難しく、常に新しいカートリッジを用意しておかないと、画像不良が発生したり画像形成が不可能になることがある。
【0017】
画像形成装置の使用に伴い、像担持体としても感光ドラムの膜厚減少により帯電特性の変化、感光特性の変化、現像特性の変化、そして結果として画像濃度特性の変化が生じる。
【0018】
以下、詳細に説明する。
【0019】
(1)画像形成装置、特に感光ドラムの使用耐久に伴う、転写効率の低下、中抜けレベルの変化。
【0020】
帯電手段や転写手段での放電による像担持体表面のダメージや、クリーニング手段、特にいわゆるクリーニングブレードでの像担持体表面の摺擦により、画像形成を繰り返すことで、像担持体表面の感光層に小さな傷やミクロな凹凸が発生し、像担持体の表面粗さが大きくなる。
【0021】
像担持体の表面粗さが大きくなると、一般にトナーと像担持体との吸着力が強くなる。そのメカニズムは完全には解明されていないが、主に像担持体表面のトナーとの接触面積が大きくなるため、トナーの像担持体表面への物理的吸着が強くなると考えられる。
【0022】
トナーと像担持体との吸着力が強くなると、像担持体上のトナー像の転写材への転写効率が低下し、その結果、画像濃度が低下したり、文字、細線などのラインの中央部が転写しなくなる、いわゆる中抜け現象が顕著に発生する問題があった。
【0023】
そこで、画像形成の繰り返しにともなって、使用状況を検知して、像担持体の表面粗さが大きくなっても、トナー像の転写効率の低下や中抜けの発生を抑制する方法が提案されている(特開平11−218975)。
【0024】
(2)カートリッジ寿命
また、このような画像形成装置において、装置のメンテナンスの容易化を図るためにプロセスカートリッジ着脱方式の装置構成が特に小型の複写機やプリンタ等に広く用いられている。
【0025】
これは、像担持体としての感光ドラム、該感光ドラムを一様に帯電処理する帯電部材、現像手段、クリーニング手段などのプロセス機器を一体的に収容して画像形成装置本体に対して一括して着脱自在のプロセスカートリッジにし、内部の機器が寿命に達した場合、このプロセスカートリッジ全体を新しいものに交換する装置構成としたものである。
【0026】
感光ドラムは所定の寿命を有し、画像形成装置本体に設けられたプリント枚数カウンターの積算プリント枚数値からサービスマンが寿命を判断して交換する場合もあるが、ユーザーの利便性を高めるためにユーザーが交換できるように設定されているものも数多い。
【0027】
この場合、カートリッジの交換時期をユーザーに知らせるために感光ドラムの回転数を計数する手段がある。また、特開平6−266270号公報に示されているように、クリーニング装置の廃トナー容器内の廃トナー量を検知したりして、画像形成装置本体にその旨を表示させる方法がある。
【0028】
しかしながら、上記従来例では検知精度が悪く、次のような問題があった。
すなわち、像担持体の感光層は画像形成動作を繰り返すことで徐々に削りとられていく。プロセスカートリッジの寿命、すなわち像担持体の寿命は主に感光層の残り膜厚で規定される。
【0029】
プロセスカートリッジの寿命を検知する方法として、上記の方法の他に、出力した画像枚数から判断する方法もあるが、像担持体の寿命が規定される感光層の残り膜厚は、温湿度などの環境条件、出力された用紙の大きさ、1枚ずつ出力したか、連続で出力したか等の条件により大きく異なってしまうので、この方法ではやはり寿命検知の精度が悪かった。
【0030】
従って、寿命検知手段から出力がなされる前に画像不良が発生したり、逆に画像不良が発生した後に寿命検知手段から出力されてしまうという問題が生ずる。なお上記のような問題は、像担持体を含むプロセスカートリッジを用いる画像形成装置に限らず、像担持体に画像形成プロセスを適用して画像形成を実行させ、像担持体は繰り返して画像形成に使用する画像形成装置に共通する事項である。
【0031】
(3)画像形成装置の使用に伴う、帯電・感光・現像・画像濃度特性の変化。
【0032】
帯電手段として、特に直流バイアスを印加するいわゆるDC帯電方式の場合、感光ドラムの膜厚変化により、帯電電位が変わってしまう。さらに、帯電方式によらず感光特性の変化で同じ光量の露光をしても電位が下がりにくくなる。この現象は、前露光の有無や光量にも依存する。また、同じ感光ドラムの表面電位でも現像特性が変化することがある。したがって、結果として画像濃度が変化してしまう。さらに、表面電位によってはかぶりや、2成分現像剤を使用した場合にはキャリアと呼ばれる磁性体が付着してしまい、感光ドラム表面の傷やドラムクリーナへのダメージをもたらすこともある。
【0033】
これらの問題の対策としては、感光ドラムの膜厚を検知して、その膜厚に応じて各々の特性を補正することが効果的である。
【0034】
上記問題点に対して、感光ドラムの膜厚を検知する方法、また膜厚を検知してカートリッジ寿命を検知・予測する方法(特開平09−244486)、膜厚に対応した電流値を検知して帯電部材への印加電圧や画像露光量または両者を制御する方法(特開平05−307315、特開平06−035263)などが提案されている。
【0035】
その方法の基本的技術としては、感光ドラムが非画像形成領域に対応しているときに接触帯電部材にバイアスを印加し、そのときの感光ドラム膜厚に応じた電流量を測定するものである。
【0036】
しかしながら、上記従来例において、測定された電流量は種種の変動要因があり、その測定結果はバラツキが含まれている。
【0037】
例えば、
帯電ローラなど帯電部材の抵抗値の耐久、環境による変動。
【0038】
帯電ローラなど帯電部材の表面の汚れ、汚れムラ。
【0039】
帯電ローラなど帯電部材、感光ドラムなどの像担持体の帯電特性、感光特性の温度・湿度依存性。
などの要因がある。
【0040】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、像担持体などの被帯電体に該被帯電体面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、該被帯電体の帯電処理手段は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置であり、該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体層厚に応じた電流量(あるいは電圧値)を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、該検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を記憶する記憶装置を有し、画像形成装置の使用状態や置かれている環境条件の変化などの時間推移に基づいて検知結果を補正することを特徴とする。
【0041】
上記構成により、装置の使用履歴(使用枚数、通紙サイズ、感光体回転数、一次帯電バイアス印加時間など)によらず、また上記した帯電部材の抵抗値変動や感光ドラムなどの像担持体の帯電特性、感光特性の温度・湿度変化による変動があっても、それらの時間的ばらつきを含む各測定値をもとに検知結果を補正できる。
【0042】
請求項2に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、前記帯電部材に印加する画像形成領域に対応する帯電バイアスであることを特徴とする。
【0043】
請求項3に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成する場合の画像露光量であることを特徴とする。
【0044】
上記構成により、検知された膜厚から一次帯電バイアスや露光量を制御することによって、膜厚変化による帯電特性、感光特性の変化に対応して補正することができる。したがって、感光ドラム表面電位を常に最適なものに制御できるので、常に安定した画像を得ることができる。
【0045】
請求項4に記載の発明は、被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成し、この潜像を現像手段により現像剤を用いて現像・可視化して得られた可視画像を、転写手段により転写材に転写するプロセスを有する画像形成装置において、上記プロセス設定条件は、上記転写に関するパラメータである転写条件であることを特徴とする。
【0046】
請求項5に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、上記転写手段に印加する転写バイアスであることを特徴とする。
【0047】
請求項6に記載の発明は、前記転写手段は像担持体の表面に接触する転写ローラであり、前記転写条件は、転写ローラ表面の周速と像担持体表面の周速の差であることを特徴とする。
【0048】
請求項7に記載の発明は、前記転写手段は像担持体の表面に接触する転写ローラであり、前記転写条件は、像担持体への転写ローラの当接圧であることを特徴とする。
【0049】
上記構成により、画像形成装置すなわち感光ドラムの使用に伴う転写効率の低下、中抜けレベルの悪化などの問題が発生しやすい条件になったとしても、検知された膜厚から感光ドラム膜厚および表面の状態を推測して転写バイアス、転写ローラ表面の周速と像担持体表面の周速の差、像担持体への転写ローラの当接圧などの転写パラメータを最適制御することにより、抑制・防止することが可能である。
請求項8に記載の発明は、被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成し、この潜像を現像手段により現像剤を用いて現像・可視化して得られた可視画像を、転写手段により転写材に転写するプロセスを有する画像形成装置において、上記プロセス設定条件は、上記現像に関するパラメータである現像条件であることを特徴とする。
【0050】
請求項9に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、上記現像手段に印加する現像バイアスであることを特徴とする。
【0051】
請求項10に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、上記現像手段の単位時間当たりスリーブ回転数であることを特徴とする。
【0052】
上記構成により、検知された膜厚から現像バイアス、スリーブ回転数などの現像パラメータを最適制御することができ、常に安定した画像を得ることができる。
【0053】
請求項11に記載の発明は、像担持体などの被帯電体に残留した帯電電位を前記帯電手段による帯電動作に先立って、消去・低減するために被帯電体に光を照射する前露光手段を有する画像形成装置において、上記プロセス設定条件は、該前露光の光量であることを特徴とする。
【0054】
上記構成により、検知された膜厚から最適な前露光量を最適制御することにより、感光ドラム表面電位を常に最適なものに制御できるので、常に安定した画像を得ることができる。
【0055】
請求項12に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、画像形成装置への入力画像信号に対するガンマ特性(補正量)であることを特徴とする。
【0056】
初期同じ電位に帯電し画像露光によって同じ電位に低下しても、感光ドラムの膜厚によってその間の感光特性・電位勾配は変化することがある。結果として、ベタ画像濃度は同じであってもハーフトーン領域の画像濃度が変化してしまうことになる。したがって、上記構成のようにガンマ特性を画像処理などで補正することで、感光ドラム膜厚によらず常に安定した画像を得ることができる。
【0057】
請求項13に記載の発明は、該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加する時には、現像手段に印加する現像バイアス、転写バイアスのいずれかあるいは両方をオフとすることを特徴とする。
【0058】
帯電部材が被帯電体である感光ドラムなどの非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体膜厚に応じた電流量を検知する場合、感光ドラムの帯電電位が安定していないと検知電流が変動してしまう。帯電電位は転写電流によっても変化するし、また、検知電流と転写、現像バイアスが干渉することもある。
【0059】
したがって、上記構成により、現像、転写の影響を無くして、安定した検知が可能となる。
【0060】
請求項14に記載の発明は、像担持体などの被帯電体に該被帯電体面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、該被帯電体の帯電処理手段は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置であり、該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体層厚に応じた電流量を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、前記検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を記憶する記憶装置を有し、画像形成装置の使用状態や置かれている環境条件の変化などの時間推移に基づいて変化する過去の複数の検知結果から、近似線をもとに最新の検知電流量や膜厚を補正することを特徴とする。
【0061】
上記構成により、装置の使用履歴(使用枚数、通紙サイズ、感光体回転数、一次帯電バイアス印加時間など)によらず、また上記した帯電部材の抵抗値変動や感光ドラムなどの像担持体の帯電特性、感光特性の温度・湿度変化による変動があっても、それらの時間的ばらつきを含む各測定値をもとに検知結果を補正できる。具体的には、時間的変化の近似曲線から求められる値を採用することで、これらのばらつきがあっても検知精度を高めることができる。
【0062】
請求項15に記載の発明は、像担持体などの被帯電体に該被帯電体面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、該被帯電体の帯電処理手段は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置であり、該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体層厚に応じた電流量を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、該検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を、測定の度ごとに画像形成装置の使用状態や置かれている環境条件の変化などに基づいてその時々の検知結果を補正し、さらにそれらの近似曲線をもとに最新の検知結果を補正することを特徴とする。
【0063】
上記構成により、検知する毎に補正可能なパラメータを補正した上で該検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を決定するので、より高精度の検知が可能となる。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0065】
(実施例1)
(1)画像形成装置例
図1は本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の断面図であり、本図においては図10に示したと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0066】
図1において、帯電ローラ2にバイアスを供給する高圧電源としての帯電バイアス電源22、画像形成装置の画像形成時・非画像形成時の検知用バイアスと画像形成用バイアスの切り替えや画像形成時のバイアス値調整を行なうバイアス制御回路23を有する。非画像形成時に検知された電流値は検知電流記憶手段(メモリ)24へ送られ、随時記憶される。これらの記憶されたデータをもとに、後で説明する手法により感光層膜厚算出手段25で感光層の膜厚を算出する。算出した膜厚データを用いて、必要に応じて帯電バイアス、画像露光量、現像バイアス、転写バイアスを制御可能とする。
【0067】
(2)帯電部材2の各種形態例
ローラタイプの帯電部材2は面移動駆動される被帯電体としての感光ドラム1に従動回転させてもよいし、非回転のものとさせてもよいし、感光体1の面移動方向に順方向又は逆方向に所定の周速度をもって積極的に回転駆動させるようにしてもよい。
【0068】
帯電部材2は図示したローラタイプ以外にも、ブレード状タイプ・ブロック状タイプ・ロッド状タイプ・ベルト状タイプなどの形態に構成できる。
【0069】
図2の(a)はブレード状タイプとしたものの一例の横断面模型図を示している。この場合、感光体1面に当接されるブレード状帯電部材2の向きは感光体1面の面移動方向に順方向又は逆方向のどちらでもよい。
【0070】
図2の(b)はブロック状もしくはロッド状としたものの一例の横断面模型図を示している。
【0071】
各タイプの帯電部材2において、2cは導電性の芯金部材、2bは導電層、2aは抵抗層を示している。必要に応じて適度な抵抗値を有する表面(保護)層をさらに積層させても良い。
【0072】
ブロック状もしくはロッド状としたものは、バイアス電圧を直接に接続することができ、ローラタイプのものに比較して給電用摺動接点から発生する可能性のある電気ノイズがなくなるという利点とともに、省スペース化、さらには被帯電体面のクリーニングブレードを兼用させる構成のものとすることも可能である。
【0073】
(3)シーケンス
図3は図1の装置の動作シーケンス例である。本例は2枚連続プリントの場合を示している。
【0074】
プリント(コピー)開始信号にもとづき、それまでスタンバイ状態にある装置の感光ドラム1の回転駆動が開始されて前回転期間が開始される。このドラム1の回転開始と同時に除電露光(前露光)15がONとなり、区間A1において感光ドラム1の一周面以上が除電される。
【0075】
次に接触帯電部材である帯電ローラ2に対する一次帯電バイアスがONとなる。帯電バイアスはDCのみ、あるいはDCにACを重畳したいわゆるAC帯電でも良い。本実施例では一例としてDCバイアスのみを印加するいわゆるDC帯電を例に説明する。
【0076】
この一次帯電バイアスは始めに区間B1で定電圧制御され、その間にDC電流の検知がなされ、次に検知したDC電流に対応した帯電ローラDC定電圧制御がなされる。
【0077】
画像形成が始まるまでがドラム1の前回転期間であり、その間のドラム1面は非画像形成領域面であり、従って帯電ローラ2はドラム1の非画像形成領域面に対応している前回転期間の区間B1において帯電ローラDC定電圧制御がなされ、このときのDC電流の検知と一次電圧補正(帯電ローラ2に対する感光層膜厚に応じた一次帯電バイアス補正)がなされる。
【0078】
一次補正電圧で帯電ローラDC定電圧制御が始まったら画像露光(レーザ露光など)による1枚目の画像形成が行なわれる。帯電ローラ2は感光ドラム1の画像形成領域面に対応しており、該感光ドラム1面をDC定電圧制御状態にて帯電処理している。
【0079】
1枚目のプリントについての画像形成が終了し、次の2枚目のプリントについての画像形成が開始されるまでの間の所謂紙間のドラム面は非画像形成領域面であり、本実施例ではこの紙間でも再び帯電ローラ2のDC定電圧制御・DC電流検知・DC定電圧制御を実行させている。
【0080】
即ち、1枚目のプリントが終了したら一次帯電バイアスを紙間の区間B2において再び帯電ローラDC定電圧制御とし、DC電流検知を実行させ、次いでその検知DC電流に応じた帯電ローラ定電圧制御を実行させて2枚目のプリントについての画像形成を実行させている。
【0081】
3枚以上の連続プリントのときも各紙間において同様に帯電ローラDC定電圧制御・DC電流検知・DC定電圧制御のシーケンスを行なう。
【0082】
ただし、紙間でもDC電流検知を行なうかは必ずしも必須のものではなく、画像形成装置の設計事項である。
【0083】
最終枚目のプリントの画像形成が終了したら感光ドラム1は後回転期間に入り、この後回転期間の区間A2においてドラム1の一周面以上の前露光15がONされて除電され、感光ドラム1の回転と除電露光がOFFとなり、装置は次のプリント開始信号の入力までスタンバイ状態に入る。
【0084】
上記の構成において、耐久によってドラム表面が削れて感光体膜厚が薄くなった場合には、帯電ローラ2が感光ドラム1の非画像形成領域面に対応しているときになされているDC定電圧制御期間B1やB2の検知DC電流が大きくなり、その検知DC電流(感光層膜厚に依存)に応じた低下補正電圧での帯電ローラDC定電圧制御のもとでドラム1の画像形成領域面に対する帯電処理が帯電ローラ2によりなされて画像形成が実行される。
【0085】
(4)電圧補正方法
本実施例では、DC帯電において感光層膜厚変化による帯電電位変化を補正する方法について簡単に説明する。
【0086】
まず、帯電ローラ2に直流電源により直流電圧を印加する場合の帯電メカニズムについて説明する。
【0087】
感光体1としては負極性のOPC感光ドラムを用いた。具体的には感光体層としてアゾ顔料をCGL層(キャリア発生層)とし、その上にヒドラゾンと樹脂を混合したものをCTL層(キャリア輸送層)として24μmの厚さに積層した負極性有機半導体層(OPC層)とし、この感光ドラム1を回転駆動させ、その表面に帯電ローラ2を接触させ、該帯電ローラ2に直流電圧VDCを印加して暗所でOPC感光ドラム1に接触させて帯電を行なわせるものとし、帯電ローラ2通過後の帯電されたOPC感光ドラム1の表面電位VD と、帯電ローラ2に対する印加直流電圧VDCとの関係を測定した。
【0088】
図4の(a)の24μmの直線グラフはその測定結果を示すものである。印加直流電圧VDCに対して帯電は図4の(a)のようにドラム膜厚ごとに閾値を有し、特定電圧から帯電が開始し、その帯電開始電圧以上の絶対値の電圧印加に対しては、得られる表面電位VD はグラフ上傾き1の直線的な関係が得られた。
即ち、帯電ローラ2への直流印加電圧をVDCとし、OPC感光ドラム1表面に得られる表面電位をVD 、帯電開始電圧をVTHとすると、
VD =VDC−VTH ‥‥‥(1)
の関係がある。
【0089】
図4の(a)は、帯電ローラ2への印加電圧とドラム表面電位の関係をドラムCT層厚ごとに測定したものである。また同様にそのときの直流電流量を図4の(b)に示してある。この図からわかるように、ドラムCT層厚によって帯電特性、電圧電流特性及び放電開始電圧が変化することが読み取れる。
【0090】
この特性を任意電圧の定電圧印加時のドラムCT層厚に対してのドラム表面電位と直流電流として表したものが図5(a)・(b)である。CT層厚に応じてのドラム表面電位と直流電流の関係が読み取れる。CT層厚が薄くなるにつれて静電容量が変わり、ドラム表面電位(黒電位VD と白電位VL )と直流電流量が上昇することがわかる。つまり、特定な定電圧印加時の直流電流量を測定することでドラムCT膜厚 に応じた表面電位と膜厚を推定することが可能なことがわかる。
【0091】
図6は、以上の関係からドラムCT層厚変化による静電容量変化があっても、ドラム表面電位を制御するための検知電流量とそのときの補正電圧出力に関する図である。検知電流量の増加と共に電圧出力を低下させるように補正をかける。この補正をかけた実験結果を図7の(a)・(b)に示す。
【0092】
横軸に画像形成回数として耐久枚数をとり、ドラム表面電位の変化を示している。従来の特定定電圧印加のみの場合の表面電位推移はLで表されるが、本発明の定電圧印加時の直流電流量を検知し、その電流量に応じて印加電圧を補正して定電圧印加すると、Mで表されるように耐久枚数が増えても常に一定のドラム表面電位が確保できる。
【0093】
この実験には、前述したOPC感光ドラムを使用した。また図1に示した画像形成装置において耐久テストを行った。
【0094】
帯電ローラ2は、芯金の上にEPDM等の104 〜105 Ωcmの導電ゴム層を設け、その上にヒドリンゴム等からなる107 〜109 Ωcm程度の中抵抗層を設け、その上にトレジン(注:帝国化学(株)の商標)等のナイロン系物質からなる107 〜1010Ωcmのブロッキング層を表層として設けた、硬度がAsker−C測定で50°〜70°程度のものを用いた。そしてこの帯電ローラ2を感光ドラム1に総圧1600gで当接させ、従動回転させて帯電を行った。
【0095】
さて、上記のように感光体膜厚に依存する検知電流や、それから計算される感光層膜厚の測定値は、帯電バイアスを決定する上で非常に重要な数値である。
しかしながら、測定値には前記したように種種の変動要因があり、その測定結果は検知・測定の度ごとにバラツキが含まれている。
【0096】
例えば、
帯電ローラなど帯電部材の抵抗値の耐久、環境による変動。
【0097】
帯電ローラなど帯電部材の表面の汚れ、汚れムラ。
【0098】
帯電ローラなど帯電部材、感光ドラムなどの像担持体の帯電特性、感光特性の温度・湿度依存性。
などの要因がある。
【0099】
これらの要因の内、帯電部材の抵抗値は耐久により緩やかに変化をするが、温湿度などの環境条件による変動は一日の内でも変化するものである。また、感光ドラムなどの像担持体の帯電特性、感光特性の温度・湿度依存性も同様である。
【0100】
したがって、測定データは図8に示すように、常にばらつく可能性がある。たとえば、機内温度は朝に装置の電源を入れた時には室温にあったものが、装置内電気部品による機内温度上昇によって変化したり、装置の置かれている部屋のエアコンの動作状態などにも左右される。
【0101】
そこで、本発明においてはこれらの測定データを装置内の検知電流記憶装置22に記憶させておき、そのデータの経時変化から近似曲線を求めて、その曲線上のデータを採用することにより、上記のばらつきの大部分を排除した膜厚などの補正された検知結果を求めることが可能となる。
【0102】
なお、近似曲線の求め方としては、線形近似、指数近似、多項式近似、累計近似、指数近似、移動平均近似など種種の統計手法があるが、特に制約は無く適宜最適なものを用いることができる。
【0103】
また、記憶させておくデータの数は、数量で規定しても良いし、一定時間内あるいは一定枚数内のデータだけにしても良い。なお、感光ドラムや感光ドラムを含むカートリッジを交換した場合には、その前のデータを削除すればよい。
【0104】
(実施例2)
感光ドラム1の感光層や帯電ローラ2の静電容量は、特に温湿度などの環境条件によって変動する。
【0105】
すなわち、例えば低湿環境にて特に帯電ローラ2の抵抗が下がると、上記期間B1やB2の帯電ローラDC定電圧制御の検知DC電流が低くなる。さらに変動要因が帯電ローラの抵抗変動以外があった場合には、検知された電流値やそれから計算される感光層膜厚の測定精度、制御精度が落ちる。
【0106】
そこで、本実施例においては、測定されたデータから近似曲線を得る以前に、個々の測定段階で測定データを補正するものである。図9にそのイメージ図を示す。
【0107】
例えば、上記したように感光ドラム1の感光層や帯電ローラ2の静電容量は、特に温湿度などの環境条件によって変動する。変動幅は、帯電ローラ2のインピーダンスや感光層の膜厚によっても異なるが、温湿度によって概略補正することで、図9に示すようによりばらつきを小さくできる。したがって、それらの補正されたデータをもとに近似曲線を求めて、感光層膜厚や検知電流量をもとめることで、さらに高精度な測定が可能となる。
【0108】
なお、近似曲線の求め方としては、線形近似、指数近似、多項式近似、累計近似、指数近似、移動平均近似など種種の統計手法があるが、特に制約は無く適宜最適なものを用いることができる。
【0109】
また、記憶させておくデータの数は、数量で規定しても良いし、一定時間内あるいは一定枚数内のデータだけにしても良い。なお、感光ドラムや感光ドラムを含むカートリッジを交換した場合には、その前のデータを削除すればよい。
【0110】
(実施例3)
検知され、近似曲線などを用いて決定された感光層膜厚や電流値をもとに、制御対象として感光ドラムなどの被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成する場合の画像露光量を調整することが電位安定性に効果的である。
【0111】
帯電部材で感光ドラム表面を一定電位に帯電できたとしても、感光特性も感光層膜厚に依存するので画像濃度が変動する原因となる。通常、感光層膜厚が装置使用(プリント)を繰り返して薄くなっていくと、感光特性が悪化して同じ光量の画像露光を照射しても電位が低下しにくくなる。そこで、検知された膜厚が薄くなるにしたがって画像露光量を大きく制御することによって、電位の安定化、画像濃度の安定化を図ることが可能となる。
【0112】
(実施例4)
検知され、近似曲線などを用いて決定された感光層膜厚や電流値をもとに、制御対象として転写パラメータを制御することが、転写効率低下や中抜け現象の悪化の抑制・防止に効果的である。
【0113】
前述したように、帯電手段や転写手段での放電による像担持体としての感光ドラム表面のダメージや、クリーニング手段、特にいわゆるクリーニングブレードでの像担持体表面の摺擦により、画像形成を繰り返すにともない、感光ドラム表面の感光層に小さな傷やミクロな凹凸が発生し、感光ドラムの表面粗さが大きくなる。
【0114】
感光ドラムの表面粗さが大きくなると、一般にトナーと感光ドラムとの吸着力が強くなる。そのメカニズムは完全には解明されていないが、感光ドラム表面のトナーとの接触面積が大きくなるため、トナーの感光ドラム表面への物理的吸着が強くなると考えられる。
【0115】
また、現像剤や、現像剤に含まれる添加剤、あるいは帯電部材と感光ドラム間の微小ギャップで発生する放電生成物が感光ドラム表面に付着することにより、やはりトナーと感光ドラム表面との物理的吸着が強くなる。
【0116】
トナーと感光ドラムとの吸着力が強くなると、感光ドラム上のトナー像の転写材への転写効率が低下し、その結果、画像濃度が低下したり、文字、細線などのラインの中央部が転写しなくなる、いわゆる中抜け現象が顕著に発生する問題がある。
【0117】
この感光ドラムの表面性は、プリントした枚数などと密接に関係しており、感光ドラム膜厚の変化にほぼ比例して変化すると考えてよい。したがって、感光ドラムの感光層膜厚を求めることで表面性を判断することが可能である。すなわち、感光層膜厚が低下した時は、中抜け現象・転写効率が悪化すると考えられる。
【0118】
そこで、検知され、近似曲線などを用いて決定された感光層膜厚や電流値をもとに、制御対象として転写パラメータを制御することが、転写効率低下や中抜け現象の悪化の抑制・防止に効果的である。
【0119】
具体的には、転写電流を大きくしたり、転写手段が感光ドラム表面に接触する転写ローラである場合には、転写ローラ表面の周速と像担持体表面の周速の差、あるいはまた転写ローラの当接圧を制御する。
【0120】
(実施例5)
検知され、近似曲線などを用いて決定された感光層膜厚や電流値をもとに、制御対象として現像パラメータを制御することが、画像濃度安定化に効果的である。
【0121】
同じ感光ドラムの表面電位でも感光層膜厚によって現像特性が変化することがある。
【0122】
したがって、結果として画像濃度が変化してしまう。さらに、表面電位によってはかぶりや、2成分現像剤を使用した場合には現像剤に含まれるキャリアと呼ばれる磁性体が付着してしまうこともある。
【0123】
したがって、制御対象として現像パラメータ、具体的には現像バイアスや現像手段のスリーブ回転数を用いることで上記問題点を回避・抑制することが可能である。
【0124】
(実施例6)
検知され、近似曲線などを用いて決定された感光層膜厚や電流値をもとに、制御対象として前露光の光量を制御することが、電位安定性、画像濃度安定化に効果的である。
【0125】
前露光手段は、感光ドラム上に残留した帯電電位を帯電動作に先立って、消去・低減するために感光ドラムに光を照射するものであり、その光量が強いほど電位消去・低減効果は大きくなる。しかしながら、光量が強いと画像形成を繰り返した場合に感光特性の劣化を招きやすくなる。すなわち、同じ光量の画像露光を照射しても電位が低下しにくくなる。また、感光ドラムが新品に近い状態では感光特性が劣化していないので比較的小さな光量であってもその効果が得られやすい。
そこで、初期は前露光量を所定の値に設定しておいて、感光特性の劣化を抑制・防止する。そして、使用枚数が多くなった時に前露光量を大きくなるように変更する。その事により、感光ドラムの寿命末期まで感光特性の劣化を最小限に抑えることが可能である。
【0126】
(実施例7)
検知され、近似曲線などを用いて決定された感光層膜厚や電流値をもとに、制御対象として画像形成装置への入力画像信号に対するガンマ特性(補正量)を制御することが、画像濃度安定化に効果的である。
【0127】
初期同じ電位に帯電した後画像露光によって同じ電位に低下しても、感光ドラムの膜厚によってその間の感光特性・電位勾配は変化することがある。結果として、ベタ画像濃度は同じであってもハーフトーン領域の画像濃度が変化してしまうことになる。
【0128】
このガンマ特性は、感光ドラムの感光層膜厚に依存していることが知られている。
【0129】
したがって、該膜厚の変化に伴って、ガンマ特性を画像処理などで補正することで、感光ドラム膜厚によらず常に安定した画像を得ることができる。
【0130】
なお、上記構成において帯電ローラなどの帯電部材が感光ドラムなどの被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加する時には、現像手段に印加する現像バイアス、転写バイアスのいずれかあるいは両方をオフとすることで、それらの間のバイアスの干渉や、感光ドラム表面電位変動を抑えて、精度の良い検知が可能となる。
【0131】
また、本発明の特色は、検知・測定データを装置内の検知電流記憶装置22に記憶させておき、そのデータの経時変化から近似曲線を求めて、その曲線上のデータを採用することにより、上記のばらつきの大部分を排除した膜厚などの補正された検知結果を求めることが可能となるものであるが、近似曲線の求め方としては、線形近似、指数近似、多項式近似、累計近似、指数近似、移動平均近似など種種の統計手法があるが、特に制約は無く適宜最適なものを用いることができる。
【0132】
また、帯電部材が感光ドラムなどの被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体膜厚に応じた電流量を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、制御対象としてのプロセス設定条件は、上記のうちの一つでも良く、またその組み合わせでも良い。さらにその内容も上記のものに限定するものではなく、種種のものに適応可能である。
【0133】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明は、像担持体などの被帯電体に該被帯電体面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、該被帯電体の帯電処理手段は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置であり、該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体層厚に応じた電流量(あるいは電圧値)を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、該検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を記憶する記憶装置を有し、画像形成装置の使用状態や置かれている環境条件の変化などの時間推移に基づいて検知結果を補正することを特徴とする。
【0134】
上記構成により、装置の使用履歴(使用枚数、通紙サイズ、感光体回転数、一次帯電バイアス印加時間など)によらず、また上記した帯電部材の抵抗値変動や感光ドラムなどの像担持体の帯電特性、感光特性の温度・湿度変化による変動があっても、それらの時間的ばらつきを含む各測定値をもとに検知結果を補正できる。
【0135】
請求項2に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、前記帯電部材に印加する画像形成領域に対応する帯電バイアスであることを特徴とする。
【0136】
請求項3に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成する場合の画像露光量であることを特徴とする。
【0137】
上記構成により、検知された膜厚から一次帯電バイアスや露光量を制御することによって、膜厚変化による帯電特性、感光特性の変化に対応して補正することができる。したがって、感光ドラム表面電位を常に最適なものに制御できるので、常に安定した画像を得ることができる。
【0138】
請求項4に記載の発明は、被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成し、この潜像を現像手段により現像剤を用いて現像・可視化して得られた可視画像を、転写手段により転写材に転写するプロセスを有する画像形成装置において、上記プロセス設定条件は、上記転写に関するパラメータである転写条件であることを特徴とする。
【0139】
請求項5に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、上記転写手段に印加する転写バイアスであることを特徴とする。
【0140】
請求項6に記載の発明は、前記転写手段は像担持体の表面に接触する転写ローラであり、前記転写条件は、転写ローラ表面の周速と像担持体表面の周速の差であることを特徴とする。
【0141】
請求項7に記載の発明は、前記転写手段は像担持体の表面に接触する転写ローラであり、前記転写条件は、像担持体への転写ローラの当接圧であることを特徴とする。
【0142】
上記構成により、画像形成装置すなわち感光ドラムの使用に伴う転写効率の低下、中抜けレベルの悪化などの問題が発生しやすい条件になったとしても、検知された膜厚から感光ドラム膜厚および表面の状態を推測して転写バイアス、転写ローラ表面の周速と像担持体表面の周速の差、像担持体への転写ローラの当接圧などの転写パラメータを最適制御することにより、抑制・防止することが可能である。
請求項8に記載の発明は、被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成し、この潜像を現像手段により現像剤を用いて現像・可視化して得られた可視画像を、転写手段により転写材に転写するプロセスを有する画像形成装置において、上記プロセス設定条件は、上記現像に関するパラメータである現像条件であることを特徴とする。
【0143】
請求項9に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、上記現像手段に印加する現像バイアスであることを特徴とする。
【0144】
請求項10に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、上記現像手段の単位時間当たりスリーブ回転数であることを特徴とする。
【0145】
上記構成により、検知された膜厚から現像バイアス、スリーブ回転数などの現像パラメータを最適制御することができ、常に安定した画像を得ることができる。
【0146】
請求項11に記載の発明は、像担持体などの被帯電体に残留した帯電電位を前記帯電手段による帯電動作に先立って、消去・低減するために被帯電体に光を照射する前露光手段を有する画像形成装置において、上記プロセス設定条件は、該前露光の光量であることを特徴とする。
【0147】
上記構成により、検知された膜厚から最適な前露光量を最適制御することにより、感光ドラム表面電位を常に最適なものに制御できるので、常に安定した画像を得ることができる。
【0148】
請求項12に記載の発明は、上記プロセス設定条件は、画像形成装置への入力画像信号に対するガンマ特性(補正量)であることを特徴とする。
【0149】
初期同じ電位に帯電し画像露光によって同じ電位にしても、感光ドラムの膜厚によってその間の感光特性・電位勾配は変化することがある。結果として、ベタ画像濃度は同じであってもハーフトーン領域の画像濃度が変化してしまうことになる。したがって、上記構成のようにガンマ特性を画像処理などで補正することで、感光ドラム膜厚によらず常に安定した画像を得ることができる。
【0150】
請求項13に記載の発明は、該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加する時には、現像手段に印加する現像バイアス、転写バイアスのいずれかあるいは両方をオフとすることを特徴とする。
【0151】
帯電部材が被帯電体である感光ドラムなどの非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体膜厚に応じた電流量を検知する場合、感光ドラムの帯電電位が安定していないと検知電流が変動してしまう。帯電電位は転写電流によっても変化するし、また、検知電流と現像バイアスが干渉することもある。
【0152】
したがって、上記構成により、現像、転写の影響を無くして、安定した検知が可能となる。
【0153】
請求項14に記載の発明は、像担持体などの被帯電体に該被帯電体面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、該被帯電体の帯電処理手段は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置であり、該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体層厚に応じた電流量を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、前記検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を記憶する記憶装置を有し、画像形成装置の使用状態や置かれている環境条件の変化などの時間推移に基づいて変化する過去の複数の検知結果から、近似線をもとに最新の検知電流量や膜厚を補正することを特徴とする。
【0154】
上記構成により、装置の使用履歴(使用枚数、通紙サイズ、感光体回転数、一次帯電バイアス印加時間など)によらず、また上記した帯電部材の抵抗値変動や感光ドラムなどの像担持体の帯電特性、感光特性の温度・湿度変化による変動があっても、それらの時間的ばらつきを含む各測定値をもとに検知結果を補正できる。具体的には、時間的変化の近似曲線から求められる値を採用することで、これらのばらつきがあっても検知精度を高めることができる。
【0155】
請求項15に記載の発明は、像担持体などの被帯電体に該被帯電体面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、該被帯電体の帯電処理手段は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置であり、該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体層厚に応じた電流量を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、該検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を、測定の度ごとに画像形成装置の使用状態や置かれている環境条件の変化などに基づいてその時々の検知結果を補正し、さらにそれらの近似曲線をもとに最新の検知結果を補正することを特徴とする。
【0156】
上記構成により、検知する毎に補正可能なパラメータを補正した上で該検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を決定するので、より高精度の検知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例の画像形成装置の概略構成図
【図2】(a)ブレード状タイプ帯電部材の一例の横断面模型図
(b)ブロック状もしくはロッド状帯電部材の一例の横断面模型図
【図3】画像形成装置の動作シーケンス例
【図4】(a)感光ドラム表面電位のCT膜厚依存性
(b)各種CT膜厚を有する感光ドラムの電圧―電流特性
【図5】(a)帯電能のCT膜厚依存性
(b)一定電圧を印加した時の電流のCT膜厚依存性
【図6】検知電圧と補正電圧出力値の関係グラフ
【図7】(a)ドラム表面電位の推移を示すグラフ
(b)CT膜厚の変化を示すグラフ
【図8】感光層膜厚の検知結果推移と近似曲線を示すグラフ
【図9】感光層膜厚の補正検知結果推移と近似曲線を示すグラフ
【図10】従来の画像形成装置の概略構成図
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 一次帯電ローラ その他の帯電部材一例
3 画像露光(レーザなど)
4 現像器
5 クリーナ
12転写部材(バイアスローラ)
15 前露光
20 転写バイアス電源
22 一次帯電バイアス電源
23 一次帯電バイアス制御回路
24 検知電流記憶手段(メモリ)
25 感光層膜厚算出手段
27 現像バイアス電源
28 環境センサ(温湿度センサ)
Claims (15)
- 像担持体などの被帯電体に該被帯電体面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、
該被帯電体の帯電処理手段は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置であり、
該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体膜厚に応じた電流量(あるいは電圧値)を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、
該検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を記憶する記憶装置を有し、画像形成装置の使用状態や置かれている環境条件の変化などの時間推移に基づいて検知結果を補正することを特徴とする画像形成装置。 - 上記プロセス設定条件は、前記帯電部材に印加する画像形成領域に対応する帯電バイアスであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 上記プロセス設定条件は、被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成する場合の画像露光量であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成し、この潜像を現像手段により現像剤を用いて現像・可視化して得られた可視画像を、転写手段により転写材に転写するプロセスを有する画像形成装置において、上記プロセス設定条件は、上記転写に関するパラメータである転写条件であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 上記プロセス設定条件は、上記転写手段に印加する転写バイアスであることを特徴とする請求項1あるいは4に記載の画像形成装置。
- 前記転写手段は像担持体の表面に接触する転写ローラであり、前記転写条件は、転写ローラ表面の周速と像担持体表面の周速の差であることを特徴とする請求項1あるいは4に記載の画像形成装置。
- 前記転写手段は像担持体の表面に接触する転写ローラであり、前記転写条件は、像担持体への転写ローラの当接圧であることを特徴とする請求項1あるいは4に記載の画像形成装置。
- 被帯電体へ画像露光して静電潜像を形成し、この潜像を現像手段により現像剤を用いて現像・可視化して得られた可視画像を、転写手段により転写材に転写するプロセスを有する画像形成装置において、上記プロセス設定条件は、上記現像に関するパラメータである現像条件であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 上記プロセス設定条件は、上記現像手段に印加する現像バイアスであることを特徴とする請求項1および8に記載の画像形成装置。
- 上記プロセス設定条件は、上記現像手段の単位時間スリーブ回転数であることを特徴とする請求項1および8に記載の画像形成装置。
- 像担持体などの被帯電体に残留した帯電電位を前記帯電手段による帯電動作に先立って、消去・低減するために被帯電体に光を照射する前露光手段を有する画像形成装置において、上記プロセス設定条件は、該前露光の光量であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 上記プロセス設定条件は、画像形成装置への入力画像信号に対するガンマ特性(補正量)であることを特徴とする請求項1の記載の画像形成装置。
- 該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加する時には、現像手段に印加する現像バイアス、転写バイアスのいずれかあるいは両方をオフとすることを特徴とする請求項1〜12に記載の画像形成装置。
- 像担持体などの被帯電体に該被帯電体面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、
該被帯電体の帯電処理手段は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置であり、
該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体層厚に応じた電流量を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、
前記検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を記憶する記憶装置を有し、画像形成装置の使用状態や置かれている環境条件の変化などの時間推移に基づいて変化する過去の複数の検知結果から、近似線をもとに最新の検知電流量や膜厚を補正することを特徴とする請求項1〜13に記載の画像形成装置。 - 像担持体などの被帯電体に該被帯電体面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、
該被帯電体の帯電処理手段は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電体面を帯電する接触式帯電装置であり、
該帯電部材が被帯電体の非画像形成領域に対応しているときに該帯電部材に検知用バイアスを印加し、そのときの被帯電体層厚に応じた電流量を検知し、その結果に応じて画像形成装置内のプロセス設定条件を制御する画像形成装置において、
該検知電流量あるいはそれから求められる被帯電体の膜厚を、測定の度ごとに画像形成装置の使用状態や置かれている環境条件の変化などに基づいてその時々の検知結果を補正し、さらにそれらの近似曲線をもとに最新の検知結果を補正することを特徴とする請求項1〜14に記載の画像形成装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060801 |