JP2014051473A - 血糖上昇抑制組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】小麦由来α−アミラーゼインヒビターにアルギン酸またはその塩もしくはそのエステルを添加することによる、α−アミラーゼインヒビターの活性向上方法。小麦由来α−アミラーゼインヒビターとアルギン酸またはその塩もしくはそのエステルとを有効成分とする血糖上昇抑制剤。
【選択図】なし
Description
また本発明は、経口摂取することにより効果的に食後の血糖上昇を抑制することができる血糖上昇抑制剤を提供することを課題とする。
また本発明は、小麦由来α−アミラーゼインヒビターとアルギン酸またはその塩もしくはそのエステルとを有効成分とする血糖上昇抑制剤を提供する。
(b)好ましくは、上記で得られた目的のα−アミラーゼインヒビターを含む溶液を、精密濾過膜を通過せしめて除菌する。
(c)得られたα−アミラーゼインヒビター含有液を、限外濾過膜(好ましくは、分子量10万カットの膜)を用いて濃縮する。これにより、無機塩類、糖類、アミノ酸類、および不要な低分子物質は除去され、目的のα−アミラーゼインヒビターを含む濃縮液を得ることができる。さらに必要に応じて、得られた濃縮液を、噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥等の処理に付してもよい。
以上の手順により、小麦由来のα−アミラーゼインヒビターを高含有する調製物を得ることができる。当該調製物は、本願発明の血統上昇抑制剤の原料として使用することができる。
小麦胚乳部由来のα−アミラーゼインヒビター(日清ファルマ株式会社製 NA−1;α-amylase inhibitor 0.19を20〜40%含有)粉末およびアルギン酸ナトリウム(キミカアルギン(重量平均分子量20,000〜40,000);株式会社キミカ)粉末を、質量比50:50で混合し、均一になるよう攪拌混合して実施例1の粉末組成物を得た。
(比較例1)
セルロース系高分子であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(NE−4000;信越化学工業株式会社)50質量部を水100質量部に分散し、50℃に温めながら攪拌溶解した。ここに小麦胚乳部由来のα−アミラーゼインヒビター(NA−1)粉末50質量部を加えて溶解した。溶解液を凍結乾燥後に粉砕し、比較例1の粉末組成物を得た。
(比較例2)
有機溶剤耐性材料である水溶性セラック(GH−26;岐阜セラツク製造所)50質量部を水100質量部に分散し、50℃に温めながら攪拌溶解した。ここに小麦胚乳部由来のα−アミラーゼインヒビター(NA−1)粉末50質量部を加えて溶解した。溶解液を凍結乾燥後に粉砕し、比較例2の粉末組成物を得た。
(比較例3)
硬化油(菜種硬化油)50質量部を80℃にて融解し、ここに小麦胚乳部由来のα−アミラーゼインヒビター(NA−1)粉末50質量部を加えて均一に分散し、冷却して比較例3の粉末組成物を得た。
(比較例4)
水溶性セラック(GH−26)30質量部を水60質量部に分散し、50℃に温めながら攪拌溶解した。ここに小麦胚乳部由来のα−アミラーゼインヒビター(NA−1)粉末50質量部を加えて溶解した。溶解液を凍結乾燥後に粉砕し、粉末を得た。別に、硬化油(菜種硬化油)20質量部を80℃にて融解し、ここに上記粉末を加えて均一に分散し、冷却して比較例4の粉末組成物を得た。
実施例1および比較例1〜4の各粉末組成物を人工胃液中に浸漬し、その後のα−アミラーゼ阻害活性を測定した。
(1)Y. Kido, J. Nutr. 2003 Jun;133(6):1887-91に従い、ブタ胃粘膜由来ペプシン(P6887;Sigma Aldrich)を添加した人工胃液(1g/L 100mM KCl−HCl(pH2.0))を調製した。人工胃液を5mLずつ試験管にとり、実施例1および比較例1〜4の各粉末組成物を、α−アミラーゼインヒビター量として10mg/mLの濃度になるように人工胃液に添加し、攪拌後に37℃の恒温槽で5分間消化処理した。消化処理後、HEPES緩衝液(pH7.0)を加えてペプシンを失活させ、α−アミラーゼインヒビターが当初量として30μg/mLになるように希釈した。
対照として、α−アミラーゼインヒビター(NA−1)粉末のみを添加して同様に消化処理を行った。
HEPES緩衝液は以下のように調製した。
50mM HEPES(pH7.0)の調製:HEPES 2.38g、CaCl2 22.3mg、NaCl 350mgを約180mLの水に溶解し、0.5M NaOH(2g/100mL)を適量加えてpH7.0に調整し、さらに水を加えて200mLとした。
(2)(1)で人工胃液処理したα−アミラーゼインヒビターの各サンプルを57μLずつ試験管にとり、ここにα−アミラーゼ溶液(2μg/mL)57μLを添加し、37℃で20分間反応させた。反応後、(3)に従ってα−アミラーゼ活性を測定した。別途、人工胃液を加えなかった以外は上記(1)と同様の手順で各α−アミラーゼインヒビターの未消化サンプルを調製し、同様にα−アミラーゼ活性を測定した。
(3)各サンプルの残存α−アミラーゼ活性は、α−アミラーゼ測定キット(キッコーマン株式会社)を用いて測定した。具体的には、基質としてN3−G5−β−CNP(2−クロロ−4−ニトロフェニル65−アジド−65−デオキシ−β−マルトペンタオシド)を用い、これをα−アミラーゼに消化させ、次いで共役酵素として加えたグルコアミラーゼとβ−グルコシダーゼによって発色性のCNP(2−クロロ−4−ニトロフェノール)を生成させ、生成したCNP量を400nmの吸光度で定量して、α−アミラーゼ活性とした。
(4)人工胃液処理した各サンプルの残存α−アミラーゼ活性を、未消化サンプルの活性を100%とした場合の比率として、下記式に基づいて算出した。
残存α−アミラーゼ活性(%)
=(人工胃液処理サンプルのα−アミラーゼ活性)/(未消化サンプルのα−アミラー ゼ活性)×100
動物は雄性SD系ラット7〜10週齢(体重200〜350g)を用い、MF飼料(オリエンタル酵母株式会社)と水を自由に摂取させた。試験前日から絶食させ、翌日の午後に試験食を投与した。試験食の投与前および投与45分後に尾静脈から採血を行い、ヘパリン処理後、遠心分離(3000g、10分、4℃)して血漿を分離し、血漿中のグルコース量をグルコースCIIテストワコー(和光純薬工業株式会社)を用いて測定した。
試験食としては、小麦胚乳部由来のα−アミラーゼインヒビター(NA−1;日清ファルマ株式会社)、アルギン酸ナトリウム(キミカアルギン;株式会社キミカ)または澱粉(溶性でんぷん;和光純薬工業株式会社)を表2の量で混合したものを用いた。対照食としては澱粉のみを用いた。試験食および対照食は、水に分散させた後、ゾンデを用いて経口投与した。比較例7の試験食は、水に溶解すると流動性がほとんどない硬いゲル状になったため、投与に時間がかかった。
試験食の投与前に対する投与45分後の血糖値の上昇率を下記式に従って算出した。
血糖値上昇率(%)
=(試験食投与45分後の血糖値−対照食の投与前血糖値)/(対照食の投与45分後 の血糖値−対照食の投与前血糖値)×100
Claims (4)
- 小麦由来α−アミラーゼインヒビターにアルギン酸またはその塩もしくはそのエステルを添加することによる、α−アミラーゼインヒビターの活性向上方法。
- 小麦由来α−アミラーゼインヒビターとアルギン酸またはその塩もしくはそのエステルとの質量比が1:0.1〜1:5である請求項1記載の方法。
- 小麦由来α−アミラーゼインヒビターとアルギン酸またはその塩もしくはそのエステルとを有効成分とする血糖上昇抑制剤。
- 小麦由来α−アミラーゼインヒビターとアルギン酸またはその塩もしくはそのエステルとの質量比が1:0.1〜1:5である請求項3記載の血糖上昇抑制剤。
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- 2012-09-10 JP JP2012198130A patent/JP2014051473A/ja active Pending
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