JP2014051068A - 薬剤包装袋用シートの引き裂き用傷の不具合検出、同不具合修正、及びその機能を持った同シートの製造装置、並びに薬剤包装装置 - Google Patents

薬剤包装袋用シートの引き裂き用傷の不具合検出、同不具合修正、及びその機能を持った同シートの製造装置、並びに薬剤包装装置 Download PDF

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Abstract

【課題】傷痕16部分の毛羽立ち、髭及び切断縁の伸びの発生を未然に防止する。
【解決手段】折り重ねた2片11、11の開口縁部に引き裂き用傷痕16を形成した薬剤包装袋用シート10の製造装置である。シート走行経路途中にそのシートを介在してカットリング20とアンビルローラ22を圧接し、シートの走行に伴ってカットリングとアンビルローラを回転させ、カットリング周面の尖鋭突起21でシートを突き破ってアンビルローラ周面に突き当てて傷痕を形成する。傷痕形成後のシート走行経路にデジタルカメラ30を設け、その撮像によって傷痕形成が不適切か否かを判断する。「不適切」とされた警告によって、アンビルローラを取付軸22aの軸方向にカットリングの幅w以上移動させて固定する。この移動によって、カットリング20とアンビルローラ22の圧接位置は新しいものとなる。このため、傷痕16の形成を再開すれば適切な傷痕16の態様を得る。
【選択図】図1

Description

この発明は、散薬や錠剤等の薬剤を包装する薬剤包装袋用シートの引き裂き用傷の不具合検出、同不具合修正、及びその機能を持った同シートの製造装置、並びに薬剤包装装置に関するものである。
今日、各薬剤毎のみならず、朝、昼、晩等において服用する薬剤をその朝、昼、晩毎に一つの袋に分包して収納し患者に渡すことも行われている。それらの薬剤包装装置(分包機)は、例えば、図6に示すように、幅方向中央で折り重ねた2片11、11の長尺状シート10の走行経路に、展開ガイド1をその両片11、11間内に開口縁部から挿入し、その展開ガイド1によって両片11をV字状に拡げ、薬剤投入ホッパ2から所要の薬剤aをその両片11(シート10)内に投入する。この後、同図及び図7に示すように、ヒートシールローラ3でもって、その折り重ねた長尺状シート10(重ねた片11、11)の薬剤aの前後の全幅及び前記折り重ねた2片11、11の開口縁部全長を熱融着(前後全幅融着部:12、開口部融着部:13)して薬剤包装袋Aとし、その各薬剤包装袋Aをミシン目14を介して連続させたものが一般的である(特許文献1段落0002、図1参照)。
この薬剤包装袋Aは、図7に示す連続した袋群から、一回分に相当する一つの袋Aをミシン目14を介して引きちぎり、その袋Aの4辺の側縁の何れかに切り目を、手又はハサミ等によって入れ、その切り目を案内として袋Aを切り裂いて開口(開放)し、その開口から薬剤を取り出して服用するのが一般的である。
その側縁を切り裂く際、通常、袋A(シート10)はプラスチックフィルムでできているため、その切り目を手で入れることは容易ではない。特に、老人や子供、手の不自由な者等にとってはなおさらである。
このため、薬剤包装袋Aにも、図7に示すように、引き裂き用側縁部に多数の傷痕16を形成したものがある(特許文献1図1参照)。
その引き裂き用傷痕16は、周面全域に尖鋭突起を有するカットリングをシート10の側縁部に押し当て、その突起でもってシートを突き破って形成するのが一般的である。
このとき、カットリングの受け座が硬い物であると、時間経過とともに、突起が摩耗して突き破り(切り込み)が悪くなって、樹脂製シート(傷痕)の切断面が毛羽立ち、円滑に傷痕16が形成され難くなる。
このため、上記受け座として樹脂製のアンビルローラを使用し、そのアンビルローラをシート10を介在してカットリングに圧接し、シート10の走行に伴ってカットリングとアンビルローラを回転させ、カットリングの尖鋭突起をシート10を突き破ってアンビルローラに突き当てるようにした(押し切る)技術がある(特許文献1段落0018〜0021図3参照)。この技術では、突起がアンビルローラ周面に食込んでシートの厚さ以上にそのシートを突き破る(切り込む)ため、突起の摩耗も少なく、傷痕16を長時間に亘って安定して形成することができる。
WO2011/037021号国際公開公報 特許第4220568公報 特開2006−306419号公報 特開2000−318703号公報
上記カットリングとアンビルローラとによる引き裂き用傷痕16の形成は、それなりに優れたものであるが、従来、アンビルローラがカットリングの突起から受ける圧接位置(食い込み位置)が同じ(不動状態)となっている。このため、そのアンビルローラの受け面は徐々に荒れ、その荒れ面に突起が圧接すると、突起によるシート10の円滑な切り込みが行なわれず、切断面に毛羽立ちや髭が発生したり、無理な押し切りとなって切断縁が伸びたりするようになる(図5の符号b、c参照)。
この毛羽立ちbや髭cは、傷痕16の形成されたシート10がロール状に巻回された際、隣接するシート10間(巻回層の内外シート片11、11間)に介在することとなり、シート片間の幅方向の厚みに偏りを生じさせる(シート片11の左右のバランスがくずれる)。また、切断縁が伸びた場合もその伸びた部分が巻回時の幅方向の厚みに偏りを生じさせる。
この幅方向の厚みの偏りは、図6で示した上記薬剤包装(分包)の際、シート10に張力が加わると、その張力が幅方向全長に亘って均等に加わらず、傷痕16の形成部分が伸びる場合がある。この伸びて張力が幅方向全長に均等に加わらないことは、走行するシート10の張力のバランスが取れなくなることであって、耳ズレが発生する。耳ズレは、折り重ねた2片11、11の開口縁部が綺麗に重ならずにズレた状態となることであり、これにより融着部12、13のシールが完全に達成されずに、図6に示す皺4などが生じ、特に散薬aを包装している場合ではその薬漏れが発生するという重大な事態が発生する。
この発明は、上記毛羽立ち、髭及び切断縁の伸びの発生を未然に防止することを課題とする。
上記課題を解決するために、この発明は、まず、上記傷痕の観察を撮像器によって撮像し、その撮像によって引き裂き用傷痕の適否を判断するようにしたのである。
この撮像は、拡大が容易であり、拡大すれば、その引き裂き用傷痕の適否判断も容易かつ確実となる。
この発明の引き裂き用傷痕の不具合検出方法の構成としては、幅方向中央で折り重ねられた2片からなるシートの走行経路途中に、そのシートの前記折り重ねた2片の開口縁部を介在してカットリングとアンビルローラをその周面が対向するように圧接し、前記シートの走行に伴ってカットリングとアンビルローラを回転させ、カットリング周面の尖鋭突起を前記2片を突き破ってアンビルローラ周面に突き当て、その突き破りによって、前記折り重ねた2片の開口縁部に、その長さ方向全長に亘って多数の微細な引き裂き用傷痕を形成する際、前記引き裂き用傷痕の形成後のシートのその引き裂き用傷痕を撮像器によって撮像し、その撮像によって引き裂き用傷痕の形成が不適切か否かを判断するようにした構成を採用することができる。
この構成において、幅方向中央で折り重ねられ、その折り重ねた2片のシートに代えて、幅方向両端縁部に長さ方向全長に亘って引き裂き用傷痕を形成するシートとすることができる。この場合、そのシートの走行経路途中のシートの幅方向両端縁部に、それぞれ、その各端縁を介在してカットリングとアンビルローラをその周面が対向するように圧接する構成とすることができる。
上記引き裂き用傷痕形成が不適切か否かの判断は、上記撮像器による撮像と許容される引き裂き用傷痕の撮像との比較による個体識別法によって行なようにすることができる。
撮像器は、デジタル撮像器が好ましく、例えば、CCDカメラ、デジタルマイクロスコープ等であって、その撮像素子としては、CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー等が考えられる。
つぎに、この発明は、その傷痕を観察し、その傷痕に毛羽立ち、髭、又は切断面の伸びが生じて傷痕が不適切になると、カットリングとアンビルローラの一方を他方に対し軸方向に移動させて、カットリングとアンビルローラの圧接位置をずらして新しい位置とすることとしたのである。
このように圧接位置がズレれば、今までのアンビルローラの受け面が荒れていても、受け面は荒れていない新しい面となるため、カットリングの尖鋭突起によるシートの切り込み作用も円滑となる(復活する)。
この発明の薬剤包装袋用シートの製造装置の構成としては、幅方向中央で折り重ねられ、その折り重ねた2片の開口縁部に、その長さ方向全長に亘って多数の微細な引き裂き用傷痕を形成した長尺状の薬剤包装袋用シートの製造装置において、前記幅方向中央で折り重ねられた2片からなるシートの走行経路途中に、そのシートの折り重ねた2片の開口縁部を介在してカットリングとアンビルローラをその周面が対向するように圧接し、前記シートの走行に伴ってカットリングとアンビルローラを回転させ、カットリング周面の尖鋭突起を前記2片を突き破ってアンビルローラ周面に突き当て、その突き破りによって引き裂き用傷痕を形成し、その引き裂き用傷痕の形成が不適切になると、カットリングとアンビルローラの一方を他方に対し、その軸方向に移動させて前記圧接位置を移動可能とした構成を採用することができる。
この構成において、上記引き裂き用傷痕の不具合検出方法の発明と同様に、幅方向中央で折り重ねられ、その折り重ねた2片のシートに代えて、幅方向両端縁部に長さ方向全長に亘って引き裂き用傷痕を形成するシートとすることができる。この場合も、そのシートの走行経路途中のシートの幅方向両端縁部に、それぞれ、その各端縁を介在してカットリングとアンビルローラをその周面が対向するように圧接する構成とすることができる。
これらの薬剤包装袋用シートの製造装置において、移動可能とするのは、カットリングとアンビルローラのどちらでも良いが、カットリングを移動可能とすると、シートの走行経路を変更しなくてはならず(カットリングのその軸方向の移動に合わせてシートの走行経路もその移動幅を移動する必要があり)、その設定が煩雑となる。これに対し、アンビルローラのその軸方向の移動は、カットリングとシート走行経路の対応位置の変更を伴わないため、その変更設定も容易である。
上記引き裂き用傷痕形成が不適切か否かの判断は、目視でも良いが、上記引き裂き用傷痕の不具合検出方法の発明と同様に、例えば、引き裂き用傷痕の形成後のシート走行経路に、その引き裂き用傷痕の撮像器を設け、その撮像器による撮像によって引き裂き用傷痕形成が不適切か否かを判断すれば、その撮像を拡大等できるため、その判別も容易になる。このとき、その撮像器による撮像と許容される引き裂き用傷痕の撮像との比較によって行なうようにすれば、その判別がより容易になるとともに、その判別を個体識別法等を用いて電算機によって行なうようにすれば、自動判別が可能となる。
さらに、この発明は、上記カットリングとアンビルローラの一方の取付軸周面の軸方向にネジ穴を傷痕の幅以上ズラして形成し、そのネジ穴に前記一方をねじ止めするようにして、その一方を軸方向に移動させて、カットリングとアンビルローラの圧接位置をずらして新しい位置とするようにすることができる。
このようなねじ止めであると、その構造も簡単であり、既成構造の簡単な改良によってカットリングとアンビルローラの圧接位置を新しい位置とすることができる。
この発明の薬剤包装袋用シートの製造装置の構成としては、上記のその製造装置において、上記アンビルローラの取付軸の周面軸方向に、上記傷痕の幅以上の間隔でネジ穴を形成し、その各ネジ穴にアンビルローラに設けたビスをねじ込むことによって、その取付軸の軸方向に傷痕幅間隔以上でアンビルローラを移動させて固定可能として、前記アンビルローラに突き当たる周面を新たな部分とするようにした構成とすることができる。
また、この発明の薬剤包装袋用シートの引き裂き用傷痕の不具合修正方法の構成としては、上記不具合検出方法の発明によって引き裂き用傷痕の不具合が検出されると、上記アンビルローラをその軸方向に移動させ、上記カットリング周面の尖鋭突起が上記シートを突き破って前記アンビルローラに突き当たる周面を新たな部分とするようにした構成を採用することができる。
そのアンビルローラのその軸方向への移動手段としては、上記剤包装袋用シートの製造装置と同様に、上記アンビルローラの取付軸の周面軸方向に、上記傷痕の幅以上の間隔でネジ穴を形成し、その各ネジ穴にアンビルローラに設けたビスをねじ込むことによって、その取付軸の軸方向に傷痕幅間隔以上でアンビルローラを移動させて固定可能として、前記アンビルローラに突き当たる周面を新たな部分とするようにした構成を採用することができる。
さらに、上記各不具合検出方法の発明、上記各製造装置の発明及び上記各不具合修正方法の発明において、撮像器からの信号による自動判別等によって「不適切」とされた信号によって、警告したり、自動的にアンビルローラ等を移動させたりし得る。そのアンビルローラ等の自動的な移動は、ボールネジ等のねじ送り機構でもってアンビルローラ等をその取付軸に対しその軸方向に移動可能とし、前記不適切信号に基づき、ねじ機構のねじをパルスモータなどによって回転させることによって行なうことができる。
また、上記カットリングとアンビルローラとによる傷痕の形成手段及びその各不具合検出手段並びに不具合修正手段は、ロールから薬剤包装袋用シートを繰り出し、その薬剤包装袋用シートを幅方向中央で2つ折りの状態で、その折り重ねた2片の開口から薬剤が送り込まれ、つづいて、その薬剤を閉じ込めるように前記薬剤包装袋用シートをシールして1回服用分づつ包装して払い出す薬剤包装装置にも採用することができる。
例えば、幅方向中央で折り重ねられた2片からなるシートによって薬剤aを分包する薬剤包装装置にあっては、その薬剤包装袋用シートの走行経路における上記薬剤が送り込まれる前段に(図6において、展開ガイド1の前段、展開ガイド1が無ければ、薬剤投入ホッパ2の前段)、又は上記シールがなされた後段に(同図において、ヒートシールローラ3の後段)、上記折り重ねた2片の開口縁部を介在してカットリングとアンビルローラをその周面が対向するように圧接し、前記シートの走行に伴ってカットリングとアンビルローラを回転させ、カットリング周面の尖鋭突起を前記2片を突き破って前記アンビルローラ周面に突き当て、その突き破りによって、前記折り重ねた2片の開口縁部に、その長さ方向全長に亘って多数の微細な引き裂き用傷痕を形成する構成を採用することができる。
一方、長尺状シートを幅方向中央で折り重ね、その重ねたシートによって薬剤aを分包する薬剤包装装置にあっては、その薬剤包装袋用シートの走行経路における折り重ね2片とされる前段の走行経路途中のシートの幅方向両端縁部に、それぞれ、その各端縁を介在してカットリングとアンビルローラをその周面が対向するように圧接したり、薬剤包装袋用シートの走行経路における折り重ね2片とされて薬剤が送り込まれる前段の、又は上記シールがなされた後段の、その折り重ねた2片の開口縁部を介在してカットリングとアンビルローラをその周面が対向するように圧接したりし、前記シートの走行に伴ってカットリングとアンビルローラを回転させ、カットリング周面の尖鋭突起を前記2片又はシート側縁を突き破ってアンビルローラ周面に突き当て、その突き破りによって、前記折り重ねた2片の開口縁部又はシート側縁に、その長さ方向全長に亘って多数の微細な引き裂き用傷痕を形成する構成を採用することができる。
これらの傷痕形成手段を組み込んだ薬剤包装装置において、引き裂き用傷痕の形成が不適切になると、上記カットリングとアンビルローラの一方を他方に対し、その軸方向に移動させて前記圧接位置を移動可能とした構成を採用することができる。
この各構成の薬剤包装装置において、上記薬剤包装用袋シートの製造装置の発明と同様に、上記アンビルローラをその軸方向に移動可能とし、その移動によって上記圧接位置を移動可能としたり、上記引き裂き用傷痕の形成後のシート走行経路に、その引き裂き用傷痕の撮像器を設け、その撮像器による撮像によって前記引き裂き用傷痕の形成が不適切か否かを判断するようにしたり、そのき裂き用傷痕形成が不適切か否かの判断を、前記撮像器による撮像と許容される引き裂き用傷痕の撮像との比較による個体識別法によって行なうようにしたりすることができる。さらに、アンビルローラの移動固定手段も、同様に、アンビルローラの取付軸の周面軸方向に、傷痕の幅以上の間隔でネジ穴を形成し、その各ネジ穴にアンビルローラに設けたビスをねじ込むことによって、その取付軸の軸方向に傷痕幅間隔以上でアンビルローラを移動させて固定可能として、前記アンビルローラに突き当たる周面を新たな部分とする構成とすることができる。
この発明は、以上のように構成したので、引き裂き傷痕の不具合を検出でき、その傷痕形成が不適切になれば、アンビルローラ等をその軸方向にズラしてカットリングとアンビルローラの圧接位置を変更することができる。このため、毛羽立ち、髭及び切断縁の伸びの発生が長く続いて不良品が多く生じることを未然に防止することができる。また、その防止も簡単な構造によって得ることができる。
この発明に係る一実施形態の引き裂き用傷痕形成説明図であり、(a)は概略正面図、(b)は同斜視図 同引き裂き用傷痕形成用リングを示し、(a)は正面図、(b)は要部斜視図、(c)は同要部正面図 他の実施形態の引き裂き用傷痕部形成説明図 幅方向中央で折り重ねた2片シートにおける許容傷痕を示し、(a)はカットリング側シート片の表面側、(b)は同裏面(内面)側、(c)はアンビルロール側シート片の表面側、(d)は同裏面(内面)側 幅方向中央で折り重ねた2片シートにおける不適切傷痕を示し、(a)はカットリング側シート片の表面側、(b)は同裏面(内面)側、(c)はアンビルロール側シート片の表面側、(d)は同裏面(内面)側 薬剤包装装置の分包作用説明用概略図 薬剤包装袋の一例図
この発明に係る薬剤包装袋Aは、従来と同様に、図7で示す、長尺状シート10をその幅方向中央で折り重ねるとともに、その折り重ねた2片11、11の間に薬剤aを投入し、その長尺状シート10の薬剤aの前後の全幅及び前記折り重ねた2片の開口縁部全長を熱融着(前後全幅融着部:12、開口部融着部:13)し、その各薬剤包装袋Aをミシン目14を介して連続させたものである。その開口部融着部13は、例えば、前記開口縁部の端縁17からL=4mm分内側に形成する。
シート10は、基材層のセロハンフィルムに熱融着性ポリプロピレンフィルムを重ねた厚み:20μの複合フィルムであり、その熱融着性ポリプロピレンフィルムが内側になるように折り重ねられている。
因みに、このシート10は、セロハンフィルムにアンカーコート剤(接着剤)を塗布し、そのフィルムに、接着剤となるポリエチレンとシール層となるポリエチレンの両者を前者をアンカーコート剤としてTダイスから押出し被覆して形成することができる。
この薬剤包装袋Aを作る長尺状シート10は、その幅方向中央で折り重ねたものを巻回したものであり、図1に示すカットリング20によって、その折り重ねた2片11、11の開口縁部に多数の微細な引き裂き用傷痕16が形成される。
そのカットリング20は、図2(a)〜(c)に示すように、その全周囲に楕円錐状の尖鋭突起21が一定間隔で設けられており、図1に示すように、ロールから送られて(引き出されて)きたシート(フィルム)10がそのカットリング20と樹脂製アンビルローラ22との間に送り込まれる。
カットリング20は揺動片23に回転自在に設けられ、この揺動片23はばね24によって下方に付勢されていると共に、把手25でもって上下に移動可能となっている。このため、カットリング20はそのシート10を介在してアンビルローラ22に適度な力で圧接する。この圧接により、カットリング20の各突起21は両折り重ねた2片11、11を貫通して(突き破って)アンビルローラ22に至る。このとき、アンビルローラ22はその突起21が差し込まれる程度の柔軟性を有している。
カットリング20のシート走行方向前後に案内又は駆動ローラ26、26が設けられ、下流側の駆動ローラ26(図1において左側)は上流側の案内ローラ26に対して幅狭とされて、下流側ローラ26でもってシート10を走行させる。このシート10の走行に伴ってアンビルローラ22にシート10を介して圧接したカットリング20が回転する。
このカットリング20が回転すると、その周面の尖鋭突起21のシート貫通により(突き破りにより)、両折り重ねた2片11、11にはその貫通孔からなる傷痕16がその折り重ねた2片11、11の開口縁部に形成され、シート10の走行に伴ってその長さ方向全長全域に亘ってその傷痕16が多数形成される。例えば、その引き裂き用傷痕16は、前記開口縁部の端縁からt=1mm内側に、幅4mmでシート10の長さ方向全長全域に亘って形成される。カットリング20をモータで回転させ、この回転によってシート10を走行するようにすることができる。このとき、アンビルローラ22を従動ローラとしても良いが、モータでもってカットリング20に同期して同一周速度で回転させることもできる。
アンビルローラ22の取付軸22aはその軸方向に、カットリング20の幅w以上の間隔でネジ穴(図示せず)が形成されており、その各ネジ穴にアンビルローラ22に設けたビス(図示しないが、例えば、芋螺子)をねじ込むことによって、その取付軸22aの軸方向にカットリング20の幅w間隔以上でアンビルローラ22を移動させて固定可能となっている。ネジ穴間隔は、カットリング20の各突起21が移動前の他の突起21の圧接位置に対応しない(臨まない)ように幅w以上を適宜に設定する。
また、引き裂き用傷痕16の形成後のシート10走行経路にデジタルマイクロスコープからなる撮像器30が設けられている。その撮像位置のシート走行経路裏面にはローラ31が設けられて、撮像位置の傷痕16にシート幅方向の動きがないようになっている。ローラ31に代えて、図3に示す、断面ソリ状のガイド板31’を採用することができる。このガイド板31’であると、傷痕16の撮像面がフラット状となるため、その撮像精度が向上する。
マイクロスコープ30は、撮像素子によってレンズから入射した光を取り込み、電気信号(デジタル信号)に変換するものであって、そのデジタル情報を、撮像した傷痕16の個体識別情報とする。この識別情報の倍率が45倍から360倍と高くなるにしたがって、傷痕16の適否の判別が明確となる。このため、デジタル化によって識別できる限りにおいてその倍率を適宜に、例えば、360倍として、そのデジタル情報を当該傷痕16の個体識別情報とする。
このマイクロスコープ30で撮像した傷痕16部分の顕微鏡写真を図4、図5に示し、図4の傷痕16の態様が、張力の偏りが生じない(傷痕16が正常に形成されている)場合であり、図5が毛羽立ちb、髭c又は切断縁の伸びの発生が生じた不適切な状態のものであり、各図(a)はカットリング側シート片の表面側、同(b)は同裏面(内面)側、同(c)はアンビルロール側シート片の表面側、同(d)は同裏面(内面)側である。
この図4の傷痕16の個体識別情報をベースにし、傷痕16の形成時において撮像した撮影情報と前記記録された(ベース)個体識別情報とを照合させることによって(指紋認証と同様な手法によって照合させることによって)、傷痕16の適否を判別する。
この判別によって、例えば、図5に示す傷痕16の態様が発見されれば、警報を発する。この警報に基づき、作業者は、傷痕16の形成を中止し、アンビルローラ22のビスを緩め、アンビルローラ22をその取付軸22aの軸方向に、カットリング20の幅w以上移動させてビス(ねじ)止めする。このアンビルローラ22の移動によって、カットリング20とアンビルローラ22の圧接位置は新しいものとなる。このため、再度、傷痕16の形成を開始すれば(本製造装置を駆動すれば)、図4に示す傷痕16の態様を得ることができる。
なお、尖鋭突起21が摩耗したことによって不適切な傷痕16が形成されている場合は、カットリング20の突起(刃)21を研磨し、又は、カットリング20自体を交換することによって安定した傷痕16の形状を維持することは勿論である。
このように、二つ折り分包紙は重ねた状態で傷痕16を入れる場合、図4、図5に示すように、照合を、重ねた一枚目の表と裏、重ねる相方の表と裏の合計4箇所の傷跡画像を比較することで不適切な傷痕形成部位(位置)が特定でき、異常を正確に把握出来る。
この傷痕16付きの長尺状シート10は、図6で示した従来と同様に、その巻回ロールから薬剤包装位置に引き出して薬剤投入と製袋(包装)を行う。例えば、長尺状シート10は巻回されてロール状とされて薬剤包装機(分包機)にセットされ、そのロールからシート10を送りローラにより間欠的に送りだし、その長尺状シート10の走行経路において、展開ガイド1により両片11、11をV字状に拡げ、薬剤投入ホッパ2から所要の薬剤aをその両片11(シート10)内に投入する。この後、ヒートシールローラ3でもって、シート10の幅方向全幅及び開口縁部全長(シート10の長さ方向)を熱融着する(特許文献2段落0060、図12、図15参照)。この作用によって、図7に示す各薬剤包装袋Aはミシン目14を介して連続させたものとされる。
この薬剤包装袋Aは、従来と同様に、図7に示す連続した袋群から、服用一回分に相当する一つの袋Aをミシン目14を介して引きちぎり、その袋の4辺の側縁の何れかに切り目を、手又はハサミ等によって入れ、その切り目を案内として袋Aを切り裂いて開口し、その開口から薬剤aを取り出して服用する。
この実施形態では、折り重ねた2片11、11のシート10に同時に引き裂き用傷痕16を形成したが、折り重ねることなく、図3に示すように、一枚のシート10の幅方向両端縁部に、その長さ方向全長に亘って多数の微細な引き裂き用傷痕16を形成したものとし得る。この場合、カットリング20とアンビルローラ22はその幅方向両端縁部の両者に設けることとなる。このとき、ガイド31’に代えてローラ31とし得ることは勿論である。
このシート幅方向両端縁部に引き裂き用傷痕16を形成したシート10においては、薬剤aを投入する前に、そのシート10を幅中央から二つ折りする三角板からなるフォーマによって二つ折りする(特許文献4 図5符号20参照)。
なお、シート10の幅方向及び長さ方向を熱融着する手段としては、上記ヒートシールローラ3以外に、L字状(三又状)のヒートパックによるものもある(特許文献3図2符号13等参照)。このため、これらのシート10は、前記ヒートシールローラ3による熱融着に限らず、そのL字状のヒートパックによる熱融着の薬剤包装装置に採用できて、この発明の作用効果を得ることができることは勿論である。
また、シート10の厚みは、20μに限らず、30μ等の現在使用されているもののみならず、他の厚みのシートでも採用することができ、その材質も上記セロハンとポリエチレンの複合フィルムに限らず、グラシンと呼ばれるもの等でもよい。グラシンは透明でも蒸着したものでもよいことは言うまでもない。
さらに、上記引き裂き用傷痕部16は、図6で示す薬剤包装装置(分包機)のシート10の走行経路において、ヒートシールローラ(ヒートパック)3のシート走行方向の前又は後にカットリング20とアンビルローラ22を設けて、その熱融着(ヒートシール)の前段又は後段において、そのカットリング20等の回転によって形成するようにすることもできる。この場合、シート10が薬剤包装部の手前までに、傷痕16によって引き裂かれてその走行に支障が出る恐れがない。特に、後段の場合は、熱融着が行われた後であるため、その熱融着によってシート10の耐引き裂かれ力が増しているため、より有効である。これらの場合、当然に、撮像器30等を設けて傷痕16の適否を判別し得ることは勿論である。
因みに、薬剤包装袋(分包紙)に傷痕16を入れる目的は、開封しやすくする為の手段である。しかし、傷痕16を入れた場合、逆の要素として分包紙(シート10)を薬剤投入後にシールする際、二つ折りされた分包紙(シート10)は、薬剤を分包紙内に投入するために投入ホッパ部分(図6の符号2参照)を包みこむため、外側に向かって相応に広がる必要がある(特許文献2図19、図23参照)。このとき、カットリング20や突起21で押さえられて両片11の傷痕16が噛み合ったり、さらに切断面の荒さなどによりその噛み合いがきつくなったりして、通常の二つ折り分包紙より剥離性が悪化する傾向になる。
そのような剥離性の悪いシート10の急激な剥離を行えば、引張強度の低下した傷痕(スパットカット)16部分が破れて分包(薬剤投入)出来ない事態が発生する。
この事態を無くす手段として、上記のように、分包紙(シート10)が送られる力を利用してそのシート10の走行経路において、図6に示す、剥離が必要な部分よりも前の部分に薄いガイド1を二つ折りの分包紙の中(片11、11の間)に抵抗を起こさない角度で挟み込み(挿入し)、そのガイド1でもって浅い角度で両片11、11を剥離することで急激な剥離を押さえ、また破れを防止する事が好ましい。この剥離手段は、分包機1台毎に設けることも可能で有るが、この実施形態の傷痕16の加工工程(形成工程)の後段に設けて前もって行っておくと、その分包機において、その剥離を行なう必要がなくなったり、ガイドによる剥離手段を設けた場合にあってもその剥離効率が向上したりする。
このガイド1による剥離は、図1、図3に示す傷痕16の形成するシート製造装置において、撮像器30の後段にガイド1を設けて2片11、11の間に挿入して行なうことができる。
なお、上記実施形態では、カットリング20の周面の全幅に亘って尖鋭突起21が形成されて、そのカットリング20の幅wと傷痕16の幅が同一となるため、ネジ穴をカットリング20の幅w以上の間隔をあけて形成したが、尖鋭突起21がカットリング20の周面の全幅に亘って形成されず、その周面の幅方向の中程部分に形成されている場合は、その尖鋭突起21の形成幅、すなわち、傷痕16の幅以上の間隔でネジ穴を形成することは勿論である。
また、実施形態では、撮像器30によって、傷痕16を連続的に観察するようにしたが、その際、ディスプレイに表示してモリタリングするようにすることができる。連続的でなくても、一定時間間隔毎に、観察・モリタリングするようにすることもできる。さらに、一定時間間隔毎に、傷痕16が形成されたシート10又は薬aの包装された薬袋を切り出し(サンプリングし)、そのサンプルをマイクロスコープ等によって観察することによって、傷痕16の不具合を検出するようにすることもできる。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 薬剤包装袋用シート(フィルム)
11 シートの折り重なり片
12、13 熱融着部
14 ミシン目
16 引き裂き用傷痕
17 開口縁部端縁
20 カットリング
21 傷痕形成用尖鋭突起
22 アンビルローラ
22a アンビルローラ取付軸
30 撮像器(デジタルマイクロスコープ)
A 薬剤包装袋
a 薬剤
b 毛羽立ち
c 髭

Claims (17)

  1. 幅方向中央で折り重ねられた2片(11、11)からなるシート(10)の走行経路途中に、そのシート(10)の前記折り重ねた2片(11、11)の開口縁部を介在してカットリング(20)とアンビルローラ(22)をその周面が対向するように圧接し、前記シート(10)の走行に伴ってカットリング(20)とアンビルローラ(22)を回転させ、カットリング(20)周面の尖鋭突起(21)を前記2片(11、11)を突き破って前記アンビルローラ(22)周面に突き当て、その突き破りによって、前記折り重ねた2片(11、11)の開口縁部に、その長さ方向全長に亘って多数の微細な引き裂き用傷痕(16)を形成する際、
    上記引き裂き用傷痕(16)の形成後のシート(10)のその引き裂き用傷痕(16)を撮像器(30)によって撮像し、その撮像によって前記引き裂き用傷痕(16)の形成が不適切か否かを判断するようにしたことを特徴とする薬剤包装袋用シートの引き裂き用傷痕の不具合検出方法。
  2. 長尺状の薬剤包装袋用シート(10)の走行経路途中のそのシート(10)の幅方向両端縁部に、それぞれ、その各端縁を介在してカットリング(20)とアンビルローラ(22)をその周面が対向するように圧接し、前記シート(10)の走行に伴ってカットリング(20)とアンビルローラ(22)を回転させ、カットリング(20)周面の尖鋭突起(21)を前記シート(10)を突き破って前記アンビルローラ(22)周面に突き当て、その突き破りによって、前記シート(10)の両側縁長さ方向全長に亘って多数の微細な引き裂き用傷痕(16)を形成する際、
    上記引き裂き用傷痕(16)の形成後のシート(10)のその引き裂き用傷痕(16)を撮像器(30)によって撮像し、その撮像によって前記引き裂き用傷痕(16)の形成が不適切か否かを判断するようにしたことを特徴とする薬剤包装袋用シートの引き裂き用傷痕の不具合検出方法。
  3. 上記引き裂き用傷痕形成が不適切か否かの判断を、上記撮像器(30)による撮像と許容される引き裂き用傷痕の撮像との比較による個体識別法によって行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤包装袋用シートの引き裂き用傷痕の不具合検出方法。
  4. 幅方向中央で折り重ねられ、その折り重ねた2片(11、11)の開口縁部に、その長さ方向全長に亘って多数の微細な引き裂き用傷痕(16)を形成した長尺状の薬剤包装袋用シート(10)の製造装置であって、
    上記幅方向中央で折り重ねられた2片(11、11)からなるシート(10)の走行経路途中に、そのシート(10)の上記折り重ねた2片(11、11)の開口縁部を介在してカットリング(20)とアンビルローラ(22)をその周面が対向するように圧接し、前記シート(10)の走行に伴ってカットリング(20)とアンビルローラ(22)を回転させ、カットリング(20)周面の尖鋭突起(21)を前記2片(11、11)を突き破って前記アンビルローラ(22)周面に突き当て、その突き破りによって上記引き裂き用傷痕(16)を形成し、
    その引き裂き用傷痕(16)の形成が不適切になると、上記カットリング(20)とアンビルローラ(22)の一方を他方に対し、その軸方向に移動させて前記圧接位置を移動可能としたことを特徴とする薬剤包装袋用シートの製造装置。
  5. 幅方向両端縁部に長さ方向全長に亘って多数の微細な引き裂き用傷痕(16)を形成した長尺状の薬剤包装袋用シート(10)の製造装置であって、
    上記引き裂き用傷痕(16)の形成前のシート(10)の走行経路途中のシート(10)の幅方向両端縁部に、それぞれ、その各端縁を介在してカットリング(20)とアンビルローラ(22)をその周面が対向するように圧接し、前記シート(10)の走行に伴ってカットリング(20)とアンビルローラ(22)を回転させ、カットリング(20)周面の尖鋭突起(21)を前記シート(10)を突き破って前記アンビルローラ(22)周面に突き当て、その突き破りによって上記裂き用傷痕(16)を形成し、
    その引き裂き用傷痕(16)の形成が不適切になると、上記カットリング(20)とアンビルローラ(22)の一方を他方に対し、その軸方向に移動させて前記圧接位置を移動可能としたことを特徴とする薬剤包装袋用シートの製造装置。
  6. 上記アンビルローラ(22)をその軸方向に移動可能とし、その移動によって上記圧接位置を移動可能としたことを特徴とする請求項4又は5に記載の薬剤包装袋用シートの製造装置。
  7. 上記引き裂き用傷痕(16)の形成後のシート走行経路に、その引き裂き用傷痕(16)の撮像器(30)を設け、その撮像器(30)による撮像によって前記引き裂き用傷痕(16)の形成が不適切か否かを判断するようにしたことを特徴とする請求項4乃至6の何れか一つに記載の薬剤包装袋用シートの製造装置。
  8. 上記引き裂き用傷痕形成が不適切か否かの判断を、上記撮像器(30)による撮像と許容される引き裂き用傷痕の撮像との比較による個体識別法によって行なうことを特徴とする請求項7に記載の薬剤包装袋用シートの製造装置。
  9. 上記アンビルローラ(22)の取付軸(22a)の周面軸方向に、上記傷痕(16)の幅(w)以上の間隔でネジ穴を形成し、その各ネジ穴にアンビルローラ(22)に設けたビスをねじ込むことによって、その取付軸(22a)の軸方向に傷痕幅(w)間隔以上でアンビルローラ(22)を移動させて固定可能として、前記アンビルローラ(22)に突き当たる周面を新たな部分とするようにしたことを特徴とする請求項4乃至8の何れか一つに記載の薬剤包装袋用シートの製造装置。
  10. 請求項1乃至3の何れか一つに記載の不具合検出方法によって引き裂き用傷痕の不具合が検出されると、上記アンビルローラ(22)をその軸方向に移動させ、上記カットリング(20)周面の尖鋭突起(21)が上記シート(10)を突き破って前記アンビルローラ(22)に突き当たる周面を新たな部分とするようにしたことを特徴とする薬剤包装袋用シートの引き裂き用傷痕の不具合修正方法。
  11. 上記アンビルローラ(22)の取付軸(22a)の周面軸方向に、上記傷痕幅(w)以上の間隔でネジ穴を形成し、その各ネジ穴にアンビルローラ(22)に設けたビスをねじ込むことによって、その取付軸(22a)の軸方向に傷痕幅(w)間隔以上でアンビルローラ(22)を移動させて固定可能として、前記アンビルローラ(22)に突き当たる周面を新たな部分とするようにしたことを特徴とする請求項10に記載の薬剤包装袋用シートの引き裂き用傷痕の不具合修正方法。
  12. ロールから薬剤包装袋用シート(10)を繰り出し、その薬剤包装袋用シートを幅方向中央で2つ折りの状態で、その折り重ねた2片(11、11)の開口から薬剤(a)が送り込まれ、つづいて、その薬剤(a)を閉じ込めるように前記薬剤包装袋用シート(10)をシールして1回服用分づつ包装して払い出す薬剤包装装置において、
    上記薬剤包装袋用シート(10)の走行経路における上記薬剤(a)が送り込まれる前段、又は上記シールがなされた後段に、上記折り重ねた2片(11、11)の開口縁部を介在してカットリング(20)とアンビルローラ(22)をその周面が対向するように圧接し、前記シート(10)の走行に伴ってカットリング(20)とアンビルローラ(22)を回転させ、カットリング(20)周面の尖鋭突起(21)を前記2片(11、11)を突き破って前記アンビルローラ(22)周面に突き当て、その突き破りによって、前記折り重ねた2片(11、11)の開口縁部に、その長さ方向全長に亘って多数の微細な引き裂き用傷痕(16)を形成し、
    その引き裂き用傷痕(16)の形成が不適切になると、上記カットリング(20)とアンビルローラ(22)の一方を他方に対し、その軸方向に移動させて前記圧接位置を移動可能としたことを特徴とする薬剤包装装置。
  13. ロールから長尺状薬剤包装袋用シート(10)を繰り出し、その薬剤包装袋用シートを幅方向中央で2つ折りに重ねた状態で、その折り重ねた2片(11、11)の開口から薬剤(a)が送り込まれ、つづいて、その薬剤(a)を閉じ込めるように前記薬剤包装袋用シート(10)をシールして1回服用分づつ包装して払い出す薬剤包装装置において、
    上記薬剤包装袋用シート(10)の走行経路における折り重ね2片(11、11)とされる前段の走行経路途中のシート(10)の幅方向両端縁部に、それぞれ、その各端縁を介在してカットリング(20)とアンビルローラ(22)をその周面が対向するように圧接し、
    又は、上記薬剤包装袋用シート(10)の走行経路における折り重ね2片(11、11)とされて上記薬剤(a)が送り込まれる前段の、又は上記シールがなされた後段の、その折り重ねた2片(11、11)の開口縁部を介在してカットリング(20)とアンビルローラ(22)をその周面が対向するように圧接し、
    上記シート(10)の走行に伴ってカットリング(20)とアンビルローラ(22)を回転させ、カットリング(20)周面の尖鋭突起(21)を前記2片(11、11)を突き破って前記アンビルローラ(22)周面に突き当て、その突き破りによって、前記折り重ねた2片(11、11)の開口縁部に、その長さ方向全長に亘って多数の微細な引き裂き用傷痕(16)を形成し、
    その引き裂き用傷痕(16)の形成が不適切になると、上記カットリング(20)とアンビルローラ(22)の一方を他方に対し、その軸方向に移動させて前記圧接位置を移動可能としたことを特徴とする薬剤包装装置。
  14. 上記アンビルローラ(22)をその軸方向に移動可能とし、その移動によって上記圧接位置を移動可能としたことを特徴とする請求項12又は13に記載の薬剤包装装置。
  15. 上記引き裂き用傷痕(16)の形成後のシート走行経路に、その引き裂き用傷痕(16)の撮像器(30)を設け、その撮像器(30)による撮像によって前記引き裂き用傷痕(16)の形成が不適切か否かを判断するようにしたことを特徴とする請求項12乃至14の何れか一つに記載の薬剤包装装置。
  16. 上記引き裂き用傷痕形成が不適切か否かの判断を、上記撮像器(30)による撮像と許容される引き裂き用傷痕の撮像との比較による個体識別法によって行なうことを特徴とする請求項15に記載の薬剤包装装置。
  17. 上記アンビルローラ(22)の取付軸(22a)の周面軸方向に、上記傷痕(16)の幅(w)以上の間隔でネジ穴を形成し、その各ネジ穴にアンビルローラ(22)に設けたビスをねじ込むことによって、その取付軸(22a)の軸方向に傷痕幅(w)間隔以上でアンビルローラ(22)を移動させて固定可能として、前記アンビルローラ(22)に突き当たる周面を新たな部分とするようにしたことを特徴とする請求項12乃至16の何れか一つに記載の薬剤包装装置。
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