JP2014049704A - 熱処理方法および熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フラッシュ光照射時における基板の厚さ方向の温度分布を調節することができる熱処理方法および熱処理装置を提供する。
【解決手段】最初に長波長のフラッシュ光照射によって半導体ウェハーの表面を第1目標温度にまで昇温する。シリコンの吸収係数が低い長波長のフラッシュ光照射によって、半導体ウェハーの表面から厚さ方向に沿って深くなるにつれて、徐々に温度が低下する緩やかな温度勾配が形成される。次に、半導体ウェハーの表面に短波長のフラッシュ光照射を行うことによって当該表面を第2目標温度にまで昇温する。シリコンの吸収係数が高い短波長のフラッシュ光照射によって、半導体ウェハーの表面近傍のみを高温に加熱することができる。長波長のフラッシュ光照射と短波長のフラッシュ光照射とを組み合わせ、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーの厚さ方向の温度分布を調整することができる。
【選択図】図11

Description

本発明は、半導体ウェハーや液晶表示装置用ガラス基板等の薄板状の精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法および熱処理装置に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、不純物導入は半導体ウェハー内にpn接合を形成するための必須の工程である。現在、不純物導入は、イオン打ち込み法とその後のアニール法によってなされるのが一般的である。イオン打ち込み法は、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)といった不純物の元素をイオン化させて高加速電圧でシリコンの半導体ウェハーに衝突させて物理的に不純物注入を行う技術である。注入された不純物はアニール処理によって活性化される。この際に、アニール時間が数秒程度以上であると、打ち込まれた不純物が熱によって深く拡散し、その結果接合深さが要求よりも深くなり過ぎて良好なデバイス形成に支障が生じるおそれがある。
そこで、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するアニール技術として、近年フラッシュランプアニール(FLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、不純物が注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。
キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。
このようなキセノンフラッシュランプを使用した熱処理装置として、特許文献1,2には、半導体ウェハーの表面側にフラッシュランプ等のパルス発光ランプを配置し、裏面側にハロゲンランプ等の連続点灯ランプを配置し、それらの組み合わせによって所望の熱処理を行うものが開示されている。特許文献1,2に開示の熱処理装置においては、ハロゲンランプ等によって半導体ウェハーをある程度の温度まで予備加熱し、その後フラッシュランプからのパルス加熱によって所望の処理温度にまで昇温している。
特開昭60−258928号公報 特表2005−527972号公報
一方、不純物の活性化率をさらに向上させるべく、半導体ウェハーの表面のみをより高温に加熱したいという要望がある。従来のフラッシュランプアニールによって半導体ウェハーの表面をより高温に加熱するためには、予備加熱温度からの上昇温度(ジャンプ温度)を大きくする必要があり、そのためにはフラッシュランプの発光強度を大きくする必要があった。
しかしながら、回路の抵抗や容量による制限によって短時間のうちに急激にフラッシュランプの発光強度を大きく上昇させることには限界がある。また、フラッシュランプの発光強度を強くした場合には、半導体ウェハーの表面のみならず裏面も相応に昇温するおそれがある。半導体ウェハーの裏面にもデバイスが形成されている場合、その裏面温度が上昇するとデバイスに熱ダメージを与えるという問題が生じる。或いは、半導体ウェハーの表面のみを高温に加熱できたとしても、表面に薄膜が形成されているような場合には、その薄膜が剥離するという問題も生じる。
このように、従来のフラッシュランプアニールでは、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーの厚さ方向の温度分布を適切に制御することができなかったために、裏面デバイスへのダメージや表面の膜剥離といった問題が生じることとなっていたのである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フラッシュ光照射時における基板の厚さ方向の温度分布を調節することができる熱処理方法および熱処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法において、基板の表面に第1の波長域のフラッシュ光を照射する第1フラッシュ工程と、基板の表面に前記第1の波長域よりも短波長の第2の波長域のフラッシュ光を照射する第2フラッシュ工程と、を備え、前記第1フラッシュ工程および前記第2フラッシュ工程は少なくとも一部期間にて重なり合うことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理方法において、前記第1フラッシュ工程によって基板の表面が所定温度に昇温した時点にて前記第2フラッシュ工程を開始することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明に係る熱処理方法において、前記第2フラッシュ工程によって基板の表面が所定温度に昇温した時点にて前記第1フラッシュ工程を開始することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された基板の表面に第1の波長域のフラッシュ光を照射する第1フラッシュ光照射手段と、前記基板の表面に前記第1の波長域よりも短波長の第2の波長域のフラッシュ光を照射する第2フラッシュ光照射手段と、前記第1の波長域のフラッシュ光を照射する期間と前記第2の波長域のフラッシュ光を照射する期間とが少なくとも一部にて重なるように前記第1フラッシュ光照射手段および前記第2フラッシュ光照射手段の発光を制御する発光制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係る熱処理装置において、前記発光制御手段は、前記第1の波長域のフラッシュ光照射によって前記基板の表面が所定温度に昇温した時点にて前記第2フラッシュ光照射手段によるフラッシュ光照射を開始することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項4の発明に係る熱処理装置において、前記発光制御手段は、前記第2の波長域のフラッシュ光照射によって前記基板の表面が所定温度に昇温した時点にて前記第1フラッシュ光照射手段によるフラッシュ光照射を開始することを特徴とする。
請求項1から請求項3の発明によれば、基板の表面に第1の波長域のフラッシュ光を照射する第1フラッシュ工程と、基板の表面に第1の波長域よりも短波長の第2の波長域のフラッシュ光を照射する第2フラッシュ工程と、が少なくとも一部期間にて重なり合うため、基板の吸収係数が異なる第1の波長域のフラッシュ光と第2の波長域のフラッシュ光とが組み合わされることとなり、フラッシュ光照射時における基板の厚さ方向の温度分布を調節することができる。
また、請求項4から請求項6の発明によれば、第1の波長域のフラッシュ光を照射する期間と前記第2の波長域のフラッシュ光を照射する期間とが少なくとも一部にて重なるようにしているため、基板の吸収係数が異なる第1の波長域のフラッシュ光と第2の波長域のフラッシュ光とが組み合わされることとなり、フラッシュ光照射時における基板の厚さ方向の温度分布を調節することができる。
本発明に係る熱処理装置の構成を示す縦断面図である。 保持部の全体外観を示す斜視図である。 保持部を上面から見た平面図である。 保持部を側方から見た側面図である。 移載機構の平面図である。 移載機構の側面図である。 複数のハロゲンランプの配置を示す平面図である。 フラッシュランプの発光回路を示す図である。 第1実施形態における複数のフラッシュランプの配置構成を示す図である。 半導体ウェハーの表面温度の変化を示す図である。 第1実施形態における長波長および短波長のフラッシュランプの発光強度プロファイルを示す図である。 フラッシュ光照射時における半導体ウェハーの表面温度の変化を示す図である。 第1実施形態における半導体ウェハーの厚さ方向の温度分布である。 シリコンの吸収係数の波長依存性を示す図である。 第2実施形態における長波長および短波長のフラッシュランプの発光強度プロファイルを示す図である。 第2実施形態における半導体ウェハーの厚さ方向の温度分布である。 フラッシュランプの配置構成の他の例を示す図である。 フラッシュランプの配置構成の他の例を示す図である。 フラッシュランプにフィルターを設けた例を示す図である。 フラッシュランプにフィルターを設けた例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
<1.第1実施形態>
図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。本実施形態の熱処理装置1は、基板としてφ300mmの円板形状の半導体ウェハーWに対してフラッシュ光照射を行うことによってその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。熱処理装置1に搬入される前の半導体ウェハーWには不純物が注入されており、熱処理装置1による加熱処理によって注入された不純物の活性化処理が実行される。
熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容するチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュ加熱部5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲン加熱部4と、シャッター機構2と、を備える。チャンバー6の上側にフラッシュ加熱部5が設けられるとともに、下側にハロゲン加熱部4が設けられている。また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と装置外部との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う移載機構10と、を備える。さらに、熱処理装置1は、シャッター機構2、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。
チャンバー6は、筒状のチャンバー側部61の上下に石英製のチャンバー窓を装着して構成されている。チャンバー側部61は上下が開口された概略筒形状を有しており、上側開口には上側チャンバー窓63が装着されて閉塞され、下側開口には下側チャンバー窓64が装着されて閉塞されている。チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュ加熱部5から出射されたフラッシュ光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。また、チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英により形成された円板形状部材であり、ハロゲン加熱部4からの光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。
また、チャンバー側部61の内側の壁面の上部には反射リング68が装着され、下部には反射リング69が装着されている。反射リング68,69は、ともに円環状に形成されている。上側の反射リング68は、チャンバー側部61の上側から嵌め込むことによって装着される。一方、下側の反射リング69は、チャンバー側部61の下側から嵌め込んで図示省略のビスで留めることによって装着される。すなわち、反射リング68,69は、ともに着脱自在にチャンバー側部61に装着されるものである。チャンバー6の内側空間、すなわち上側チャンバー窓63、下側チャンバー窓64、チャンバー側部61および反射リング68,69によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。
チャンバー側部61に反射リング68,69が装着されることによって、チャンバー6の内壁面に凹部62が形成される。すなわち、チャンバー側部61の内壁面のうち反射リング68,69が装着されていない中央部分と、反射リング68の下端面と、反射リング69の上端面とで囲まれた凹部62が形成される。凹部62は、チャンバー6の内壁面に水平方向に沿って円環状に形成され、半導体ウェハーWを保持する保持部7を囲繞する。
チャンバー側部61および反射リング68,69は、強度と耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。また、反射リング68,69の内周面は電解ニッケルメッキによって鏡面とされている。
また、チャンバー側部61には、チャンバー6に対して半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ185によって開閉可能とされている。搬送開口部66は凹部62の外周面に連通接続されている。このため、ゲートバルブ185が搬送開口部66を開放しているときには、搬送開口部66から凹部62を通過して熱処理空間65への半導体ウェハーWの搬入および熱処理空間65からの半導体ウェハーWの搬出を行うことができる。また、ゲートバルブ185が搬送開口部66を閉鎖するとチャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。
また、チャンバー6の内壁上部には熱処理空間65に処理ガス(本実施形態では窒素ガス(N))を供給するガス供給孔81が形設されている。ガス供給孔81は、凹部62よりも上側位置に形設されており、反射リング68に設けられていても良い。ガス供給孔81はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間82を介してガス供給管83に連通接続されている。ガス供給管83は窒素ガス供給源85に接続されている。また、ガス供給管83の経路途中にはバルブ84が介挿されている。バルブ84が開放されると、窒素ガス供給源85から緩衝空間82に窒素ガスが送給される。緩衝空間82に流入した窒素ガスは、ガス供給孔81よりも流体抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れてガス供給孔81から熱処理空間65内へと供給される。
一方、チャンバー6の内壁下部には熱処理空間65内の気体を排気するガス排気孔86が形設されている。ガス排気孔86は、凹部62よりも下側位置に形設されており、反射リング69に設けられていても良い。ガス排気孔86はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間87を介してガス排気管88に連通接続されている。ガス排気管88は排気部190に接続されている。また、ガス排気管88の経路途中にはバルブ89が介挿されている。バルブ89が開放されると、熱処理空間65の気体がガス排気孔86から緩衝空間87を経てガス排気管88へと排出される。なお、ガス供給孔81およびガス排気孔86は、チャンバー6の周方向に沿って複数設けられていても良いし、スリット状のものであっても良い。また、窒素ガス供給源85および排気部190は、熱処理装置1に設けられた機構であっても良いし、熱処理装置1が設置される工場のユーティリティであっても良い。
また、搬送開口部66の先端にも熱処理空間65内の気体を排出するガス排気管191が接続されている。ガス排気管191はバルブ192を介して排気部190に接続されている。バルブ192を開放することによって、搬送開口部66を介してチャンバー6内の気体が排気される。
図2は、保持部7の全体外観を示す斜視図である。また、図3は保持部7を上面から見た平面図であり、図4は保持部7を側方から見た側面図である。保持部7は、基台リング71、連結部72およびサセプター74を備えて構成される。基台リング71、連結部72およびサセプター74はいずれも石英にて形成されている。すなわち、保持部7の全体が石英にて形成されている。
基台リング71は円環形状の石英部材である。基台リング71は凹部62の底面に載置されることによって、チャンバー6の壁面に支持されることとなる(図1参照)。円環形状を有する基台リング71の上面に、その周方向に沿って複数の連結部72(本実施形態では4個)が立設される。連結部72も石英の部材であり、溶接によって基台リング71に固着される。なお、基台リング71の形状は、円環形状から一部が欠落した円弧状であっても良い。
平板状のサセプター74は基台リング71に設けられた4個の連結部72によって支持される。サセプター74は石英にて形成された略円形の平板状部材である。サセプター74の直径は半導体ウェハーWの直径よりも大きい。すなわち、サセプター74は、半導体ウェハーWよりも大きな平面サイズを有する。サセプター74の上面には複数個(本実施形態では5個)のガイドピン76が立設されている。5個のガイドピン76はサセプター74の外周円と同心円の周上に沿って設けられている。5個のガイドピン76を配置した円の径は半導体ウェハーWの径よりも若干大きい。各ガイドピン76も石英にて形成されている。なお、ガイドピン76は、サセプター74と一体に石英のインゴットから加工するようにしても良いし、別途に加工したものをサセプター74に溶接等によって取り付けるようにしても良い。
基台リング71に立設された4個の連結部72とサセプター74の周縁部の下面とが溶接によって固着される。すなわち、サセプター74と基台リング71とは連結部72によって固定的に連結されており、保持部7は石英の一体成形部材となる。このような保持部7の基台リング71がチャンバー6の壁面に支持されることによって、保持部7がチャンバー6に装着される。保持部7がチャンバー6に装着された状態においては、略円板形状のサセプター74は水平姿勢(法線が鉛直方向と一致する姿勢)となる。チャンバー6に搬入された半導体ウェハーWは、チャンバー6に装着された保持部7のサセプター74の上に水平姿勢にて載置されて保持される。半導体ウェハーWは、5個のガイドピン76によって形成される円の内側に載置されることにより、水平方向の位置ずれが防止される。なお、ガイドピン76の個数は5個に限定されるものではなく、半導体ウェハーWの位置ずれを防止できる数であれば良い。
また、図2および図3に示すように、サセプター74には、上下に貫通して開口部78および切り欠き部77が形成されている。切り欠き部77は、熱電対を使用した接触式温度計130のプローブ先端部を通すために設けられている。一方、開口部78は、放射温度計120がサセプター74に保持された半導体ウェハーWの下面から放射される放射光(赤外光)を受光するために設けられている。さらに、サセプター74には、後述する移載機構10のリフトピン12が半導体ウェハーWの受け渡しのために貫通する4個の貫通孔79が穿設されている。
図5は、移載機構10の平面図である。また、図6は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね円環状の凹部62に沿うような円弧形状とされている。それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。各移載アーム11は水平移動機構13によって回動可能とされている。水平移動機構13は、一対の移載アーム11を保持部7に対して半導体ウェハーWの移載を行う移載動作位置(図5の実線位置)と保持部7に保持された半導体ウェハーWと平面視で重ならない退避位置(図5の二点鎖線位置)との間で水平移動させる。水平移動機構13としては、個別のモータによって各移載アーム11をそれぞれ回動させるものであっても良いし、リンク機構を用いて1個のモータによって一対の移載アーム11を連動させて回動させるものであっても良い。
また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって水平移動機構13とともに昇降移動される。昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて上昇させると、計4本のリフトピン12がサセプター74に穿設された貫通孔79(図2,3参照)を通過し、リフトピン12の上端がサセプター74の上面から突き出る。一方、昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて下降させてリフトピン12を貫通孔79から抜き取り、水平移動機構13が一対の移載アーム11を開くように移動させると各移載アーム11が退避位置に移動する。一対の移載アーム11の退避位置は、保持部7の基台リング71の直上である。基台リング71は凹部62の底面に載置されているため、移載アーム11の退避位置は凹部62の内側となる。なお、移載機構10の駆動部(水平移動機構13および昇降機構14)が設けられている部位の近傍にも図示省略の排気機構が設けられており、移載機構10の駆動部周辺の雰囲気がチャンバー6の外部に排出されるように構成されている。
図1に戻り、チャンバー6の上方に設けられたフラッシュ加熱部5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、フラッシュ加熱部5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュ加熱部5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状の石英窓である。フラッシュ加熱部5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLはチャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して熱処理空間65にフラッシュ光を照射する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。
図8は、フラッシュランプFLの発光回路を示す図である。フラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサ93に接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)92と、該ガラス管92の外周面上に付設されたトリガー電極91とを備える。コンデンサ93には、電源ユニット95によって所定の電圧が印加され、その印加電圧(充電電圧)に応じた電荷が蓄積される。また、コンデンサ93とガラス管92の両端電極とを接続する回路にはコイル94が設けられている。
キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサ93に電荷が蓄積されてガラス管92の両端電極に高電圧が印加されたとしても、通常の状態ではガラス管92内に電気は流れない。しかしながら、トリガースイッチSWをON状態にしてトリガー電極91に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、両端電極間の放電によってコンデンサ93に蓄えられた電気がガラス管92内に瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。つまり、キセノンフラッシュランプFLの発光開始タイミングはトリガースイッチSWをOFF状態からON状態に切り換えるタイミングで定まる。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサ93に蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。なお、トリガースイッチSWとしては例えばサイリスター等の電気的なスイッチ素子を用いる。
ところで、本実施形態においては、30本のフラッシュランプFLが設けられており、これらが15本ずつの2つのフラッシュランプ群に区分されている。2つのフラッシュランプ群のうち、第1のフラッシュランプ群は、出射するフラッシュ光の分光分布が相対的に長波長域に偏在している15本の長波長のフラッシュランプFL1にて構成される。一方、第2のフラッシュランプ群は、出射するフラッシュ光の分光分布が相対的に短波長域に偏在している15本の短波長のフラッシュランプFL2にて構成される。ここで、「相対的に」としているのは、長波長のフラッシュランプFL1と短波長のフラッシュランプFL2との比較における長短という意味である。具体的には、長波長のフラッシュランプFL1から出射されるフラッシュ光の分光分布は、短波長のフラッシュランプFL2との比較において、より長波長側に強い強度を有している。逆に、短波長のフラッシュランプFL2から出射されるフラッシュ光の分光分布は、長波長のフラッシュランプFL1との比較において、より短波長側に強い強度を有している。長波長のフラッシュランプFL1の放射分光分布と短波長のフラッシュランプFL2の放射分光分布とは一部波長域においてオーバーラップしていても良い。
このように、フラッシュランプFL1とフラッシュランプFL2とでフラッシュ光の放射分光分布を異ならせるためには、例えば、石英ガラスのガラス管92に金属の不純物を含有させることにより短波長域または長波長域の光成分を吸収させるようにすれば良い。フラッシュランプFL1のガラス管92が短波長域の成分を吸収することにより、フラッシュランプFL1の放射分光分布は相対的に長波長域に偏在することとなる。一方、フラッシュランプFL2のガラス管92が長波長域の成分を吸収することにより、フラッシュランプFL2の放射分光分布は相対的に短波長域に偏在することとなる。
また、金属の不純物を含有させるのに代えて、ガラス管92の表面にフィルター成分を塗布して焼結させることによってフラッシュランプFLの放射分光分布を異ならせるようにしても良い。或いは、ガラス管92に封入されているキセノンガスの圧力を調整することによって、フラッシュ光の放射分光分布を異ならせるようにしても良い。フラッシュランプFL1のガラス管92の内部に封入されているキセノンガスのガス圧を低くすると、放射分光分布が長波長側にシフトする。その結果、フラッシュランプFL1の放射分光分布は相対的に長波長域に偏在することとなる。逆に、フラッシュランプFL2のガラス管92の内部に封入されているキセノンガスのガス圧を高くすると、放射分光分布が短波長側にシフトする。その結果、フラッシュランプFL2の放射分光分布は相対的に短波長域に偏在することとなる。もっとも、キセノンガスのガス圧を変化させると、フラッシュ光の強度が低くなったり、或いはフラッシュランプFL(長波長のフラッシュランプFL1と短波長のフラッシュランプFL2とを特に区別して示す必要のないときは単に「フラッシュランプFL」と総称する)自体にダメージを与えることがあるため、上記のようにガラス管92によって所定の波長域の光成分を吸収するのが望ましい。
また、30本のフラッシュランプFLのそれぞれについて、図8の如き発光回路が1つ設けられている。フラッシュランプFLの発光時間はコンデンサ93のキャパシタンス(容量)およびコイル94のインダクタンスによって定まる。フラッシュランプFLから出射されるフラッシュ光のパルスの周期、すなわちフラッシュ光照射1回あたりのフラッシュランプFLの発光時間は、コンデンサ93の容量とコイル94のインダクタンスとの積の1/2乗に比例することが知られており、コンデンサ93の容量が大きくなるほど、またコイル94のインダクタンスが大きくなるほど、フラッシュランプFLの発光時間は長くなる。
本実施形態においては、コイル94のインダクタンスが異なる2種類の発光回路を使用しており、30本のフラッシュランプFLのそれぞれは2種のうちのいずれかの発光回路に接続されている。図9は、本実施形態における複数のフラッシュランプFLの配置構成を示す図である。図9に示すように、15本の長波長のフラッシュランプFL1のそれぞれは第1パルス回路PL1に接続されている。一方、15本の短波長のフラッシュランプFL2のそれぞれは第2パルス回路PL2に接続されている。
第1パルス回路PL1および第2パルス回路PL2は、いずれも図8の構成を有する発光回路であるが、コイル94のインダクタンスが異なる。第1実施形態においては、第1パルス回路PL1のコイル94のインダクタンスは、第2パルス回路PL2のコイル94のインダクタンスよりも大きい。よって、第1パルス回路PL1におけるコンデンサ93の容量とコイル94のインダクタンスとの積の1/2乗は、第2パルス回路PL2におけるそれよりも大きい。このため、第1パルス回路PL1に接続された長波長のフラッシュランプFL1の発光時間は、第2パルス回路PL2に接続された短波長のフラッシュランプFL2(理解の容易のために図9にはハッチングを付している)の発光時間よりも長い。なお、コイル94のインダクタンスに代えて、または、それに加えて第1パルス回路PL1および第2パルス回路PL2におけるコンデンサ93の容量を異ならせるようにしても良い。
ここで、本実施形態においては、図9に示すように、第1パルス回路PL1に接続された長波長のフラッシュランプFL1と第2パルス回路PL2に接続された短波長のフラッシュランプFL2とが交互に一列に配列されている。このため、15本のフラッシュランプFL1により構成されるフラッシュランプ群から保持部7に保持された半導体ウェハーWの表面の全領域にフラッシュ光が照射されるとともに、15本のフラッシュランプFL2により構成されるフラッシュランプ群からも半導体ウェハーWの表面の全領域にフラッシュ光が照射される。なお、図9では図示の便宜上、15本のフラッシュランプFL1が1つの第1パルス回路PL1に接続され、15本のフラッシュランプFL2が1つの第2パルス回路PL2に接続されているが、上述のように1つのフラッシュランプFLには1つの発光回路が設けられており、図9の第1パルス回路PL1および第2パルス回路PL2はそれぞれ15個の発光回路を包括して記載したものである。
また、図1のリフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射された光を保持部7の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。
チャンバー6の下方に設けられたハロゲン加熱部4の内部には複数本(本実施形態では40本)のハロゲンランプHLが内蔵されている。複数のハロゲンランプHLはチャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して熱処理空間65への光照射を行う。図7は、複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。本実施形態では、上下2段に各20本ずつのハロゲンランプHLが配設されている。各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。
また、図7に示すように、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、ランプ配列の中央部よりも端部側の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、ハロゲン加熱部4からの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部により多い光量の照射を行うことができる。
また、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段の各ハロゲンランプHLの長手方向と下段の各ハロゲンランプHLの長手方向とが直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。
ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメントに通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の半導体ウェハーWへの放射効率が優れたものとなる。
また、図1に示すように、熱処理装置1は、ハロゲン加熱部4およびチャンバー6の側方にシャッター機構2を備える。シャッター機構2は、シャッター板21およびスライド駆動機構22を備える。シャッター板21は、ハロゲン光に対して不透明な板であり、例えばチタン(Ti)にて形成されている。スライド駆動機構22は、シャッター板21を水平方向に沿ってスライド移動させ、ハロゲン加熱部4と保持部7との間の遮光位置にシャッター板21を挿脱する。スライド駆動機構22がシャッター板21を前進させると、チャンバー6とハロゲン加熱部4との間の遮光位置(図1の二点鎖線位置)にシャッター板21が挿入され、下側チャンバー窓64と複数のハロゲンランプHLとが遮断される。これによって、複数のハロゲンランプHLから熱処理空間65の保持部7へと向かう光は遮光される。逆に、スライド駆動機構22がシャッター板21を後退させると、チャンバー6とハロゲン加熱部4との間の遮光位置からシャッター板21が退出して下側チャンバー窓64の下方が開放される。
また、制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えて構成される。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。また、制御部3は、図示省略のトリガー制御回路を制御することによって、所定のタイミングにて第1パルス回路PL1および第2パルス回路PL2のそれぞれのトリガースイッチSWをON状態とする。すなわち、制御部3は、第1パルス回路PL1に接続されたフラッシュランプFL1および第2パルス回路PL2に接続されたフラッシュランプFL2のそれぞれを所定のタイミングにて発光させる。制御部3と第1パルス回路PL1および第2パルス回路PL2とによって、フラッシュランプFL1およびフラッシュランプFL2の発光を制御する発光制御手段が構成される。
上記の構成以外にも熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にハロゲンランプHLおよびフラッシュランプFLから発生する熱エネルギーによるハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6の壁体には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ハロゲン加熱部4およびフラッシュ加熱部5は、内部に気体流を形成して排熱する空冷構造とされている。また、上側チャンバー窓63とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、フラッシュ加熱部5および上側チャンバー窓63を冷却する。
次に、熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順について説明する。ここで処理対象となる半導体ウェハーWはイオン注入法により不純物(イオン)が導入されたシリコンの半導体基板である。その導入された不純物の活性化が熱処理装置1によるフラッシュ光照射加熱処理(アニール)により実行される。以下に説明する熱処理装置1の処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。
まず、給気のためのバルブ84が開放されるとともに、排気用のバルブ89,192が開放されてチャンバー6内に対する給排気が開始される。バルブ84が開放されると、ガス供給孔81から熱処理空間65に窒素ガスが供給される。また、バルブ89が開放されると、ガス排気孔86からチャンバー6内の気体が排気される。これにより、チャンバー6内の熱処理空間65の上部から供給された窒素ガスが下方へと流れ、熱処理空間65の下部から排気される。
また、バルブ192が開放されることによって、搬送開口部66からもチャンバー6内の気体が排気される。さらに、図示省略の排気機構によって移載機構10の駆動部周辺の雰囲気も排気される。なお、熱処理装置1における半導体ウェハーWの熱処理時には窒素ガスが熱処理空間65に継続的に供給されており、その供給量は処理工程に応じて適宜変更される。
続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介してイオン注入後の半導体ウェハーWがチャンバー6内の熱処理空間65に搬入される。搬送ロボットによって搬入された半導体ウェハーWは保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12が貫通孔79を通ってサセプター74の上面から突き出て半導体ウェハーWを受け取る。
半導体ウェハーWがリフトピン12に載置された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出し、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖される。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構10から保持部7のサセプター74に受け渡されて水平姿勢に保持される。半導体ウェハーWは、イオン注入がなされた表面を上面としてサセプター74に保持される。また、半導体ウェハーWは、サセプター74の上面にて5個のガイドピン76の内側に保持される。サセプター74の下方にまで下降した一対の移載アーム11は水平移動機構13によって退避位置、すなわち凹部62の内側に退避する。
半導体ウェハーWが保持部7のサセプター74に載置されて保持された後、ハロゲン加熱部4の40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して予備加熱(アシスト加熱)が開始される。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64およびサセプター74を透過して半導体ウェハーWの裏面から照射される。ハロゲンランプHLからの光照射を受けることによって半導体ウェハーWの温度が上昇する。なお、移載機構10の移載アーム11は凹部62の内側に退避しているため、ハロゲンランプHLによる加熱の障害となることは無い。
図10は、半導体ウェハーWの表面温度の変化を示す図である。半導体ウェハーWが搬入されてサセプター74に載置された後、制御部3が時刻t0に40本のハロゲンランプHLを点灯させてハロゲン光照射によって半導体ウェハーWを800℃以下の予備加熱温度T1(本実施形態では500℃)にまで昇温している。
ハロゲンランプHLによる予備加熱を行うときには、半導体ウェハーWの温度が接触式温度計130によって測定されている。すなわち、熱電対を内蔵する接触式温度計130がサセプター74に保持された半導体ウェハーWの下面に切り欠き部77を介して接触して昇温中のウェハー温度を測定する。測定された半導体ウェハーWの温度は制御部3に伝達される。制御部3は、ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する半導体ウェハーWの温度が所定の予備加熱温度T1に到達したか否かを監視しつつ、ハロゲンランプHLの出力を制御する。すなわち、制御部3は、接触式温度計130による測定値に基づいて、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1となるようにハロゲンランプHLの出力をフィードバック制御している。なお、ハロゲンランプHLからの光照射によって半導体ウェハーWを昇温するときには、放射温度計120による温度測定は行わない。これは、ハロゲンランプHLから照射されるハロゲン光が放射温度計120に外乱光として入射し、正確な温度測定ができないためである。
半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した後、制御部3は半導体ウェハーWをその予備加熱温度T1に暫時維持する。具体的には、接触式温度計130によって測定される半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した時刻t1にて制御部3がハロゲンランプHLの出力を制御して半導体ウェハーWの温度をほぼ予備加熱温度T1に維持している。
このようなハロゲンランプHLによる予備加熱を行うことによって、半導体ウェハーWの全体を予備加熱温度T1に均一に昇温している。ハロゲンランプHLによる予備加熱の段階においては、より放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部の温度が中央部よりも低下する傾向にあるが、ハロゲン加熱部4におけるハロゲンランプHLの配設密度は、半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域の方が高くなっている。このため、放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部に照射される光量が多くなり、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一なものとすることができる。さらに、チャンバー側部61に装着された反射リング69の内周面は鏡面とされているため、この反射リング69の内周面によって半導体ウェハーWの周縁部に向けて反射する光量が多くなり、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布をより均一なものとすることができる。
次に、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達して所定時間が経過した時刻t2にフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射することによるフラッシュ加熱処理を実行する。なお、半導体ウェハーWの温度が室温から予備加熱温度T1に到達するまでの時間(時刻t0から時刻t1までの時間)および予備加熱温度T1に到達してからフラッシュランプFLが発光するまでの時間(時刻t1から時刻t2までの時間)はいずれも数秒程度である。フラッシュランプFLがフラッシュ光照射を行うに際しては、予め電源ユニット95によってコンデンサ93に電荷を蓄積しておく。そして、コンデンサ93に電荷が蓄積された状態にて、制御部3の制御によってトリガースイッチSWがON状態となる。
図11は、第1実施形態におけるフラッシュランプFL1およびフラッシュランプFL2の発光強度の時間波形(強度プロファイル)を示す図である。同図において、実線は長波長のフラッシュランプFL1の発光強度を示し、点線は短波長のフラッシュランプFL2の発光強度を示す。第1実施形態においては、制御部3がまず第1パルス回路PL1のトリガースイッチSWをON状態として時刻t21に長波長のフラッシュランプFL1の発光を開始させる。上述したように、フラッシュランプFL1の発光時間は、第1パルス回路PL1のコンデンサ93の容量とコイル94のインダクタンスとによって規定されており、長波長のフラッシュランプFL1は時刻t21から時刻t24まで発光する。長波長のフラッシュランプFL1から出射されたフラッシュ光は、保持部7のサセプター74に載置された半導体ウェハーWの表面に照射される。上述したように、長波長のフラッシュランプFL1と短波長のフラッシュランプFL2とが交互に一列に配列されているため、15本のフラッシュランプFL1からは半導体ウェハーWの表面の全領域にフラッシュ光が照射される。
図12は、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの表面温度の変化を示す図である。時刻t21に発光を開始した長波長のフラッシュランプFL1からの第1のフラッシュ光照射によって、半導体ウェハーWの表面は予備加熱温度T1から第1目標温度T2にまで昇温される。この第1目標温度T2は、フラッシュランプFL1からのフラッシュ光照射によるウェハー表面の最高到達温度である。
次に、半導体ウェハーWの表面温度が第1目標温度T2に到達した時刻t22に、制御部3が第2パルス回路PL2のトリガースイッチSWをON状態としてフラッシュランプFL2の発光を開始させる。フラッシュランプFL2の発光時間は、第2パルス回路PL2のコンデンサ93の容量とコイル94のインダクタンスとによって規定されており、短波長のフラッシュランプFL2は時刻t22から時刻t23まで発光する。上述したように、第1実施形態では長波長のフラッシュランプFL1の発光時間は、短波長のフラッシュランプFL2の発光時間よりも長く、フラッシュランプFL1による第1のフラッシュ光照射を行っている間に、フラッシュランプFL2による第2のフラッシュ光照射が開始されて完了する。15本のフラッシュランプFL2から出射されたフラッシュ光もサセプター74に載置された半導体ウェハーWの表面の全領域に照射される。
フラッシュランプFL1とフラッシュランプFL2とは相互に隣り合うように配置されているため、時刻t22から時刻t23の間は半導体ウェハーWの表面の全領域において、フラッシュランプFL1から照射された長波長のフラッシュ光とフラッシュランプFL2から照射された短波長のフラッシュ光とが相互に均一に重なり合う。これにより、半導体ウェハーWの表面は第1目標温度T2から第2目標温度T3にまで昇温される。第2目標温度T3は、フラッシュランプFL2からの第2のフラッシュ光照射によるウェハー表面の最高到達温度である。半導体ウェハーWの表面が第2目標温度T3にまで昇温されることによって、その表面に注入されていた不純物が活性化される。
図13は、半導体ウェハーWの表面温度が第2目標温度T3に到達した時刻t25における半導体ウェハーWの厚さ方向の温度分布である。同図において、実線は長波長のフラッシュランプFL1からの寄与による温度分布を示し、点線は短波長のフラッシュランプFL2からの寄与による温度分布を示す。第1実施形態においては、まず長波長のフラッシュランプFL1からの第1のフラッシュ光照射によって半導体ウェハーWの表面は第1目標温度T2にまで昇温される。そして、第1目標温度T2にまで昇温された半導体ウェハーWの表面に短波長のフラッシュランプFL2から第2のフラッシュ光照射を行うことによって当該表面は第2目標温度T3にまで昇温される。
図14は、シリコンの吸収係数の波長依存性を示す図である。同図に示すように、半導体ウェハーWの基材であるシリコンは波長が短くなるほど吸収係数が大きくなる。このことは、波長の短い光は半導体ウェハーWの表面近傍のみで吸収され、逆に波長の長い光は表面から相当の深さにまで到達することを意味している。従って、半導体ウェハーWの表面に短波長のフラッシュランプFL2からフラッシュ光照射を行ったときには、表面近傍のみを加熱することができる。一方、半導体ウェハーWの表面に長波長のフラッシュランプFL1からフラッシュ光照射を行ったときには、表面から相当の深さ位置まで加熱することができ、加熱によって生じる温度勾配は短波長のフラッシュランプFL2によるよりも緩やかとなる。
第1実施形態においては、最初に長波長のフラッシュランプFL1からのフラッシュ光照射を行うことによって半導体ウェハーWの表面が第1目標温度T2にまで昇温される。この長波長のフラッシュ光照射によって、半導体ウェハーWの表面から厚さ方向に沿って深くなるにつれて、第1目標温度T2から徐々に温度が低下する緩やかな温度勾配が形成される。次に、半導体ウェハーWの表面に短波長のフラッシュランプFL2からフラッシュ光照射を行うことによって当該表面が第2目標温度T3にまで昇温される。この短波長のフラッシュ光照射によって、半導体ウェハーWの表面近傍のみを高温に加熱することができる。
ここで、2段階のフラッシュ光照射を全て短波長とすれば、第1実施形態よりもさらに半導体ウェハーWの表面近傍のみを高温に加熱することはできる。しかしながら、短波長のフラッシュ光の吸収率は、長波長のフラッシュ光に比較して、半導体ウェハーWの表面に形成されたパターンに対する依存性が大きいことが知られている。よって、短波長のフラッシュ光照射のみによって半導体ウェハーWを加熱した場合には、半導体ウェハーWの表面温度分布が不均一となるおそれがある。また、短波長のフラッシュ光照射のみによって半導体ウェハーWを加熱すると、表面近傍のみが過度に加熱された結果、表面に形成された薄膜の剥離が生じることもある。
一方、2段階のフラッシュ光照射を全て長波長とすれば、第1実施形態よりも半導体ウェハーWの厚さ方向に形成される温度勾配をさらに緩やかなものとすることができる。しかし、この場合、半導体ウェハーWの表面近傍のみを加熱することが難しくなるため、表面温度を第2目標温度T3にまで昇温させるのにより大きなエネルギーが必要となる。また、第1実施形態と比較して、半導体ウェハーWの全体がより高温に加熱されることとなるため、フラッシュ光照射後の表面における冷却も遅くなる。
第1実施形態では、長波長のフラッシュ光照射と短波長のフラッシュ光照射とを組み合わせ、長波長のフラッシュ光照射によって半導体ウェハーWの表面を第1目標温度T2にまで昇温してから短波長のフラッシュ光照射によって当該表面を第2目標温度T3にまで昇温している。このため、パターン依存性の影響を少なくしつつも半導体ウェハーWの表面近傍のみを均一に高温に加熱することができる。また、第1のフラッシュ光照射を長波長のフラッシュ光にて行っているため、半導体ウェハーWの表面近傍のみが過度に加熱されることも防がれる。また、第2のフラッシュ光照射を短波長のフラッシュ光にて行っているため、比較的小さなエネルギーで半導体ウェハーWの表面を第2目標温度T3にまで昇温することができる。さらに、半導体ウェハーWの表面近傍よりも深い領域はそれほど昇温していないため、この領域がヒートシンクとして機能し、フラッシュ光照射後の表面における冷却速度を高めることができる。その結果、フラッシュ光照射後の不純物の不要な拡散を抑制することができる。
図11に戻り、時刻t23に短波長のフラッシュランプFL2の発光が停止する。フラッシュランプFL2の発光が停止することにより、半導体ウェハーWの表面温度は第2目標温度T3から降温を開始する。このとき、半導体ウェハーWの表面近傍よりも深い領域はそれほど昇温していないため、表面から当該領域への熱伝導によって表面の冷却速度を高いものとすることができる。
その後、時刻t24に長波長のフラッシュランプFL1の発光が停止する。フラッシュランプFL1の発光が停止することにより、半導体ウェハーWの表面温度は第1目標温度T2からも急速に降温する。このようにしてフラッシュランプFL1およびフラッシュランプFL2の発光が停止することによって、フラッシュ加熱処理が終了する。なお、図10の時刻スケールは秒であるのに対して、図11の時刻スケールはミリ秒であるため、図11のt21からt24はいずれも図10では概ねt2に重ねて表示されるものである。
フラッシュランプFL1の発光が停止した後、所定時間が経過した時刻t3にハロゲンランプHLが消灯する(図10)。これにより、半導体ウェハーWが予備加熱温度T1から降温を開始する。また、ハロゲンランプHLが消灯するのと同時に、シャッター機構2がシャッター板21をハロゲン加熱部4とチャンバー6との間の遮光位置に挿入する。ハロゲンランプHLが消灯しても、すぐにフィラメントや管壁の温度が低下するものではなく、暫時高温のフィラメントおよび管壁から輻射熱が放射され続け、これが半導体ウェハーWの降温を妨げる。シャッター板21が挿入されることによって、消灯直後のハロゲンランプHLから熱処理空間65に放射される輻射熱が遮断されることとなり、半導体ウェハーWの降温速度を高めることができる。
また、シャッター板21が遮光位置に挿入された時点で放射温度計120による温度測定を開始する。すなわち、保持部7に保持された半導体ウェハーWの下面からサセプター74の開口部78を介して放射された赤外光の強度を放射温度計120が測定して降温中の半導体ウェハーWの温度を測定する。測定された半導体ウェハーWの温度は制御部3に伝達される。
消灯直後の高温のハロゲンランプHLからは多少の放射光が放射され続けるのであるが、放射温度計120はシャッター板21が遮光位置に挿入されているときに半導体ウェハーWの温度測定を行うため、ハロゲンランプHLからチャンバー6内の熱処理空間65へと向かう放射光は遮光される。従って、放射温度計120は外乱光の影響を受けることなく、サセプター74に保持された半導体ウェハーWの温度を正確に測定することができる。
制御部3は、放射温度計120によって測定される半導体ウェハーWの温度が所定温度まで降温したか否かを監視する。そして、半導体ウェハーWの温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12がサセプター74の上面から突き出て熱処理後の半導体ウェハーWをサセプター74から受け取る。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された半導体ウェハーWが装置外部の搬送ロボットにより搬出され、熱処理装置1における半導体ウェハーWの加熱処理が完了する。
<2.第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、長波長のフラッシュランプFL1の発光時間が短波長のフラッシュランプFL2の発光時間よりも長かったが、第2実施形態では逆に長波長のフラッシュランプFL1の発光時間が短波長のフラッシュランプFL2の発光時間よりも短い。具体的には、長波長のフラッシュランプFL1に接続された第1パルス回路PL1のコイル94のインダクタンスが、短波長のフラッシュランプFL2に接続された第2パルス回路PL2のコイル94のインダクタンスよりも小さい。よって、第1パルス回路PL1におけるコンデンサ93の容量とコイル94のインダクタンスとの積の1/2乗は、第2パルス回路PL2におけるそれよりも小さい。このため、第1パルス回路PL1に接続された長波長のフラッシュランプFL1の発光時間は、第2パルス回路PL2に接続された短波長のフラッシュランプFL2の発光時間よりも短くなる。第2実施形態における熱処理装置の残余の構成は第1実施形態と同様であり、フラッシュランプFL1およびフラッシュランプFL2の配置も図9と同様である。
第2実施形態における半導体ウェハーWの処理手順も概ね第1実施形態と同じである(図10参照)。但し、第2実施形態では、フラッシュランプFL1およびフラッシュランプFL2の発光タイミングと発光時間が第1実施形態とは異なる。図15は、第2実施形態におけるフラッシュランプFL1およびフラッシュランプFL2の発光強度の時間波形(強度プロファイル)を示す図である。同図において、実線は長波長のフラッシュランプFL1の発光強度を示し、点線は短波長のフラッシュランプFL2の発光強度を示す。
第2実施形態においては、制御部3がまず第2パルス回路PL2のトリガースイッチSWをON状態として時刻t121に短波長のフラッシュランプFL2の発光を開始させる。短波長のフラッシュランプFL2は時刻t121から時刻t124まで発光する。15本のフラッシュランプFL2からはサセプター74に載置された半導体ウェハーWの表面の全領域にフラッシュ光が照射される。
次に、半導体ウェハーWの表面温度が第1目標温度T2に到達した時刻t122に、制御部3が第1パルス回路PL1のトリガースイッチSWをON状態として長波長のフラッシュランプFL1の発光を開始させる。長波長のフラッシュランプFL1は時刻t122から時刻t123まで発光する。第2実施形態では長波長のフラッシュランプFL1の発光時間が短波長のフラッシュランプFL2の発光時間よりも短く、フラッシュランプFL2によるフラッシュ光照射を行っている間に、フラッシュランプFL1によるフラッシュ光照射が開始されて完了する。15本のフラッシュランプFL1から出射されたフラッシュ光も半導体ウェハーWの表面の全領域に照射される。
フラッシュランプFL1とフラッシュランプFL2とは相互に隣り合うように配置されているため、時刻t122から時刻t123の間は半導体ウェハーWの表面の全領域において、フラッシュランプFL1から照射された長波長のフラッシュ光とフラッシュランプFL2から照射された短波長のフラッシュ光とが相互に均一に重なり合う。これにより、半導体ウェハーWの表面は第1目標温度T2から第2目標温度T3にまで昇温される。半導体ウェハーWの表面が第2目標温度T3にまで昇温されることによって、その表面に注入されていた不純物が活性化される。なお、第1目標温度T2および第2目標温度T3は、第1実施形態と異なる値であっても良い。
図16は、半導体ウェハーWの表面温度が第2目標温度T3に到達した時点における半導体ウェハーWの厚さ方向の温度分布である。同図において、実線は長波長のフラッシュランプFL1からの寄与による温度分布を示し、点線は短波長のフラッシュランプFL2からの寄与による温度分布を示す。第2実施形態においては、まず短波長のフラッシュランプFL2からの第1のフラッシュ光照射によって半導体ウェハーWの表面は第1目標温度T2にまで昇温される。そして、第1目標温度T2にまで昇温された半導体ウェハーWの表面に長波長のフラッシュランプFL1から第2のフラッシュ光照射を行うことによって当該表面は第2目標温度T3にまで昇温される。
第2実施形態では、第1のフラッシュ光照射を短波長のフラッシュランプFL2により行っている。この短波長のフラッシュ光照射によって、半導体ウェハーWの表面から厚さ方向に沿って深くなるにつれて第1目標温度T2から徐々に温度が低下する温度勾配が形成されるのであるが、その温度勾配の傾斜は第1実施形態よりも大きい(図13参照)。これは、シリコンの吸収係数に波長依存性があるため、短波長のフラッシュ光に比較して長波長のフラッシュ光の方がウェハー表面から深くまで到達しやすいことによるものである。
次に、第2のフラッシュ光照射を長波長のフラッシュランプFL1により行う。この長波長のフラッシュ光照射によって、半導体ウェハーWの表面を第2目標温度T3にまで昇温するとともに、表面近傍に第1実施形態と比較して緩やかな温度勾配を形成することができる。その結果、半導体ウェハーWの表面におけるデバイス形成領域を均一に加熱することができる。
第2実施形態は、長波長のフラッシュ光照射と短波長のフラッシュ光照射とを組み合わせる点は第1実施形態と同じであるが、第1実施形態とは逆に短波長のフラッシュ光照射によって半導体ウェハーWの表面を第1目標温度T2にまで昇温してから長波長のフラッシュ光照射によって当該表面を第2目標温度T3にまで昇温している。第2のフラッシュ光照射を長波長のフラッシュ光にて行っているため、パターン依存性の影響をより抑制しつつ半導体ウェハーWの表面を第2目標温度T3にまで昇温することができる。また、第1実施形態と比較して半導体ウェハーWの表面近傍における温度勾配を緩やかなものとしてデバイス形成領域を均一に加熱するとともに、薄膜の剥離を確実に防止することができる。
フラッシュランプFL1およびフラッシュランプFL2の発光タイミングと発光時間を除く残余の点については、第2実施形態は第1実施形態と同様である。
<3.本発明の意義>
以上のように、第1実施形態では第1のフラッシュ光照射を長波長のフラッシュ光にて行い、第2のフラッシュ光照射を短波長のフラッシュ光にて行うことにより、図13のような温度分布を形成している。一方、第2実施形態では第1のフラッシュ光照射を短波長のフラッシュ光にて行い、第2のフラッシュ光照射を長波長のフラッシュ光にて行うことにより、図16のような温度分布を形成している。
第1実施形態および第2実施形態のそれぞれの利点については既述した通りであるが、本発明は、長波長のフラッシュ光照射と短波長のフラッシュ光照射とを組み合わせ、長波長のフラッシュ光照射期間と短波長のフラッシュ光照射期間とが少なくとも一部期間にて重なり合うようにすることにより、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの厚さ方向の温度分布を制御している。このような温度分布の制御が可能となるのは、半導体ウェハーWの基材であるシリコンの吸収係数に図14の如き波長依存性が存在するためである。
すなわち、吸収係数の低い長波長のフラッシュ光は半導体ウェハーWの表面から相当深さまで到達するため、照射時に半導体ウェハーWの表面から緩やかな温度勾配を形成することができる。一方、吸収係数の高い短波長のフラッシュ光は半導体ウェハーWの表面近傍のみで吸収されるため、照射時に半導体ウェハーWの表面近傍のみを昇温することができる。本発明は、このような長波長および短波長のフラッシュ光の性質を組み合わせて半導体ウェハーWの厚さ方向の温度分布を適宜に調節しているのである。
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、長波長のフラッシュ光照射と短波長のフラッシュ光照射との組み合わせの形態は第1実施形態(図11)および第2実施形態(図15)に限定されるものではない。第1実施形態において、短波長のフラッシュ光照射の停止時刻t23は長波長のフラッシュ光照射の停止時刻t24より後であっても良いし、短波長のフラッシュ光照射の開始時刻t22は長波長のフラッシュ光照射の開始時刻t21と同じであっても良い。また、短波長のフラッシュ光照射の最高強度は長波長のフラッシュ光照射の最高強度より大きくても良い。同様に、第2実施形態において、長波長のフラッシュ光照射の停止時刻t123は短波長のフラッシュ光照射の停止時刻t124より後であっても良いし、長波長のフラッシュ光照射の開始時刻t122は短波長のフラッシュ光照射の開始時刻t121と同じであっても良い。また、長波長のフラッシュ光照射の最高強度は短波長のフラッシュ光照射の最高強度より大きくても良い。
このように、長波長のフラッシュ光照射と短波長のフラッシュ光照射との組み合わせ形態を変更することによって、半導体ウェハーWの厚さ方向の温度分布も図13および図16とは異なるものとなる。要するに、本発明は、長波長のフラッシュ光照射期間と短波長のフラッシュ光照射期間とが少なくとも一部期間にて重なり合うようにすることによって、半導体ウェハーWの厚さ方向の温度分布を調整するものであれば良い。
また、複数のフラッシュランプFLの配置態様は図9の例に限定されるものではない。図17は、複数のフラッシュランプFLの配置構成の他の例を示す図である。図17の例においては、長波長のフラッシュランプFL1と短波長のフラッシュランプFL2とが井桁状に交差して配列されている。すなわち、複数のフラッシュランプFLを同数の2つのフラッシュランプ群に区分し、そのうちの一方を構成する長波長のフラッシュランプFL1を第1パルス回路PL1に接続するとともに、他方を構成する短波長のフラッシュランプFL2を第2パルス回路PL2に接続する。複数の長波長のフラッシュランプFL1は水平方向に沿って互いに平行となるように平面状に配列されている。また、複数の短波長のフラッシュランプFL2も水平方向に沿って互いに平行となるように平面状に配列されている。そして、フラッシュランプFL1の配列面とフラッシュランプFL2の配列面とを、フラッシュランプFL1とフラッシュランプFL2とが井桁状に交差するように重ねるて配置するのである。なお、フラッシュランプFL1とフラッシュランプFL2との配列の上下関係はいずれが上であっても良い。
このようにしても、複数の長波長のフラッシュランプFL1から半導体ウェハーWの表面の全領域にフラッシュ光が照射されるとともに、複数の短波長のフラッシュランプFL2からも半導体ウェハーWの表面の全領域にフラッシュ光が照射される。このため、上記実施形態と同様の処理を行って同様の効果を奏することができる。
また、複数のフラッシュランプFLの配置態様は図18のようにしても良い。図9および図17ではフラッシュランプFLを円筒状のガラス管92を備えた棒状ランプとしていたが、図18の例においてはフラッシュランプFLを点光源ランプ(例えば球状ランプ)としている。点光源ランプである複数のフラッシュランプFLを同数の2つのフラッシュランプ群に区分し、そのうちの一方を構成する長波長のフラッシュランプFL1を第1パルス回路PL1に接続するとともに、他方を構成する短波長のフラッシュランプFL2を第2パルス回路PL2に接続している。そして、図18の配置構成においては、フラッシュランプFL1とフラッシュランプFL2とを縦方向および横方向の双方について交互に配列している。すなわち、長波長のフラッシュランプFL1と短波長のフラッシュランプFL2とを市松模様に配列しているのである。
このようにしても、複数の長波長のフラッシュランプFL1から半導体ウェハーWの表面の全領域にフラッシュ光が照射されるとともに、複数の短波長のフラッシュランプFL2からも半導体ウェハーWの表面の全領域にフラッシュ光が照射される。このため、上記実施形態と同様の処理を行って同様の効果を奏することができる。
また、フラッシュランプFLの配列態様は図9,17,18のパターンに限定されるものではなく、種々のパターンを採用することが可能である。但し、長波長のフラッシュランプFL1または短波長のフラッシュランプFL2が偏在する配置(例えば、図9において紙面右側半分にフラッシュランプFL1のみを配置し、左側半分にフラッシュランプFL2のみを配置)とすると、それぞれからのフラッシュ光が半導体ウェハーWの表面の全領域に均一に照射されないこととなる。このため、フラッシュランプFL1とフラッシュランプFL2とを均等な密度で配置した図9,17,18の如きランプ配置とする方が好ましい。
また、上記各実施形態においては、長波長のフラッシュランプFL1と短波長のフラッシュランプFL2とを同数としていたが、これに限定されるものではなく、いずれかの数が多くても良い。
また、上記各実施形態においては、フラッシュランプFLのガラス管92に金属の不純物を含有させることにより放射分光分布を調整するようにしていたが、これに代えて、フィルターを設けることによって半導体ウェハーWに照射されるフラッシュ光の分光分布を調整するようにしても良い。具体的には、図19に示すように、平面状に配列された複数のフラッシュランプFLの下方に近接してフィルター35を設ける。フィルター35は石英ガラスにて形成されており、これに金属の不純物を含有させることによって、短パス領域PP1(図19にはハッチングを付している)と長パス領域PP2とを交互に縞状に形成している。短パス領域PP1は、長波長域の光成分を吸収することによって透過するフラッシュ光の分光分布を相対的に短波長域に偏在させる。逆に、長パス領域PP2は、短波長域の光成分を吸収することによって透過するフラッシュ光の分光分布を相対的に長波長域に偏在させる。短パス領域PP1および長パス領域PP2の幅はフラッシュランプFLの配列間隔と整合する。このようにしても、保持部7に保持された半導体ウェハーWの表面の全領域に、長波長のフラッシュ光および短波長のフラッシュ光を照射することができる。なお、図19の例の場合、複数のフラッシュランプFL自体の放射分光特性は全て共通である。また、短パス領域PP1直上のフラッシュランプFLは第1パルス回路PL1に接続され、長パス領域PP2直上のフラッシュランプFLは第2パルス回路PL2に接続される。
また、短波長域および長波長域の双方をカットすることに限定されず、いずれか一方の波長域をカットすることによってフラッシュ光の分光分布を相対的に異ならせるようにしても良い。すなわち、フラッシュランプFL1のみについて短波長域の成分をカットする(フラッシュランプFL2については放射分光分布の調整を行わない)ことにより、フラッシュランプFL1の分光分布を相対的に長波長域に偏在させるようにしても良い。逆に、フラッシュランプFL2のみについて長波長域の成分をカットすることにより、フラッシュランプFL2の分光分布を相対的に短波長域に偏在させるようにしても良い。
このような手法に沿えば、図20に示すような構成としても良い。図20の例では、複数のフラッシュランプFLを上下2段に配置し、上段の配列と下段の配列との間にフィルター36を設ける。フィルター36は短波長域の光成分を吸収する。このため、上段のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光からは、フィルター36によって短波長域の光成分が吸収され、フィルター36を透過したフラッシュ光の分光分布は相対的に長波長域に偏在する。一方、下段のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光はそのまま半導体ウェハーWに照射される。その結果、上段のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光は下段のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光に比較して相対的に長波長域に偏在することとなる。なお、図20の例においても、複数のフラッシュランプFLの放射分光特性は全て共通である。また、上段のフラッシュランプFLは第1パルス回路PL1に接続され、下段のフラッシュランプFLは第2パルス回路PL2に接続される。
また、上記実施形態においては、フラッシュ加熱部5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。また、ハロゲン加熱部4に備えるハロゲンランプHLの本数も40本に限定されるものではなく、任意の数とすることができる。
また、上記実施形態においては、ハロゲンランプHLからのハロゲン光照射によって半導体ウェハーWを予備加熱するようにしていたが、予備加熱の手法はこれに限定されるものではなく、ホットプレートに載置することによって半導体ウェハーWを予備加熱するようにしても良い。
また、本発明に係る熱処理装置によって処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板や太陽電池用の基板であっても良い。特に、ガラス基板や樹脂基板のようにシリコンに比較して耐熱性に乏しい基板をフラッシュ加熱する場合には、本発明に係る技術によって基板上に形成された薄膜のみを所定温度に加熱することができる。さらに、基板の両面に回路が形成されている場合、本発明に係る技術によれば片面のみを所定温度に加熱することができるため好適である。
1 熱処理装置
2 シャッター機構
3 制御部
4 ハロゲン加熱部
5 フラッシュ加熱部
6 チャンバー
7 保持部
35,36 フィルター
65 熱処理空間
FL,FL1,FL2 フラッシュランプ
HL ハロゲンランプ
PL1 第1パルス回路
PL2 第2パルス回路
W 半導体ウェハー

Claims (6)

  1. 基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法であって、
    基板の表面に第1の波長域のフラッシュ光を照射する第1フラッシュ工程と、
    基板の表面に前記第1の波長域よりも短波長の第2の波長域のフラッシュ光を照射する第2フラッシュ工程と、
    を備え、
    前記第1フラッシュ工程および前記第2フラッシュ工程は少なくとも一部期間にて重なり合うことを特徴とする熱処理方法。
  2. 請求項1記載の熱処理方法において、
    前記第1フラッシュ工程によって基板の表面が所定温度に昇温した時点にて前記第2フラッシュ工程を開始することを特徴とする熱処理方法。
  3. 請求項1記載の熱処理方法において、
    前記第2フラッシュ工程によって基板の表面が所定温度に昇温した時点にて前記第1フラッシュ工程を開始することを特徴とする熱処理方法。
  4. 基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
    基板を収容するチャンバーと、
    前記チャンバー内にて基板を保持する保持手段と、
    前記保持手段に保持された基板の表面に第1の波長域のフラッシュ光を照射する第1フラッシュ光照射手段と、
    前記基板の表面に前記第1の波長域よりも短波長の第2の波長域のフラッシュ光を照射する第2フラッシュ光照射手段と、
    前記第1の波長域のフラッシュ光を照射する期間と前記第2の波長域のフラッシュ光を照射する期間とが少なくとも一部にて重なるように前記第1フラッシュ光照射手段および前記第2フラッシュ光照射手段の発光を制御する発光制御手段と、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  5. 請求項4記載の熱処理装置において、
    前記発光制御手段は、前記第1の波長域のフラッシュ光照射によって前記基板の表面が所定温度に昇温した時点にて前記第2フラッシュ光照射手段によるフラッシュ光照射を開始することを特徴とする熱処理装置。
  6. 請求項4記載の熱処理装置において、
    前記発光制御手段は、前記第2の波長域のフラッシュ光照射によって前記基板の表面が所定温度に昇温した時点にて前記第1フラッシュ光照射手段によるフラッシュ光照射を開始することを特徴とする熱処理装置。
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