JP2014048237A - 磁気ホールセンサー - Google Patents

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崇 下原
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Abstract

【課題】ホール素子のバックバイアス電圧を調整する事により、消費電流の増大を回避しつつ、磁気ホールセンサーの応力による磁気感度の変動を補正する。
【解決手段】印加磁場に比例する起電力を出力する磁気ホールセンサー1であって、磁気センサー部110のセンサーホール素子111と、このセンサーホール素子と同一形状、同一サイズ、および同一構造のホール素子である応力検知ホール素子121を有する、若しくはセンサーホール素子111そのものを兼用する応力検知部120と、センサーホール素子111にかかる機械的応力による磁気感度の変動を補正するために前記応力検知ホール素子121からの応力検知信号を受けて、この応力検知信号に基づき応力変動に依存したバックバイアス電圧を生成する信号処理部130と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気ホールセンサーに関し、特に、シリコン基板上に形成されたホール素子にかかる機械的応力の影響を低減するための技術に関する。
磁気ホールセンサーは、携帯電話の開閉スイッチや電流センサー等の様々な分野で使用されている。磁気ホールセンサーの特徴として、非接触型であること、汚れに強いこと、等が挙げられる。
図6は、一般的な磁気ホールセンサーの構成を示す図であって、図6(a)は定電流駆動型の磁気ホールセンサー、図6(b)は定電圧駆動型の磁気ホールセンサーである。
図6(a)に示すように、定電流駆動型の磁気ホールセンサーは、ホール素子の電源端子が定電流源と直列に接続されて電源および接地間に接続されてなる。ホール素子の出力端子は図示しない制御回路に接続され、出力端子間の電圧が、ホール素子の起電力Vとなる。そして、定電流源により駆動電流Iがホール素子に供給される。
定電圧駆動型の磁気ホールセンサーは、図6(b)に示すように、定電圧源とホール素子とが直列に接続されてなり、定電圧源により駆動電圧Vが供給される。そして、ホール素子の出力端子間の電圧がホール素子の起電力Vとなる。
ホール素子の起電力Vは、定電流駆動型の磁気ホールセンサーの場合には、駆動電流Iと印加磁場Bとを用いて次式(1)で表され、定電圧駆動型の磁気ホールセンサーの場合には、駆動電圧Vと印加磁場Bとを用いて、次式(1)で表される。
=S×I×B=S×V×B ……(1)
(1)式中のSはホール素子を定電流駆動した場合の磁気感度(定電流磁気感度)である。Sはホール素子を定電圧駆動した場合の磁気感度(定電圧磁気感度)である。Bはホール素子に印加される磁場強度である。
ところで、ホール素子には様々な形状があり、例えば、図8に示されるSquare型、図9に示されるGreek−Cross型などがある。
これらのホール素子は形状により磁気感度Sが異なるが、いずれも、対向して位置する電源端子Cp、Cnに電流を印加し、これら電源端子CpおよびCnを結ぶ直線と直交する線分上に設けられている出力端子Vp、Vnから起電力を取り出す構成となっている。
磁気ホールセンサーは、各種分野で使用され普及してきているが、磁気検出精度の正確さへの要求はますます厳しくなっている。
ここで問題となるのは、磁気ホールセンサーに使用されているホール素子の機械的応力の影響である。機械的応力は、製造、パッケージング、経年劣化等で生じる。ホール素子に機械的応力がかかると、磁気感度Sの変化(ピエゾホール効果)により、起電力Vが変化し、所望の精度を得ることが困難となる。
ここで、ピエゾ抵抗効果およびピエゾホール効果について説明する。
ある抵抗体の長手方向に応力σ、長手方向に直交する方向に応力σがそれぞれ印加された場合、長手方向の抵抗値は次式(2)のように表される。
R=R×(1+π×σ+π×σ) ……(2)
(2)式において、π、πは、それぞれ、長手方向のピエゾ抵抗係数、長手方向と直交する方向のピエゾ抵抗係数である。ピエゾ抵抗係数とは、応力に対する抵抗の変動を係数にしたものである。一般的にIC製造に使用されているSi(シリコン)の(100)ウェハでは、ピエゾ抵抗係数π、πは、<001>方向とのなす角θを用いて、次式(3)のように表される。
π=π11−2×(π11−π12−π44)×cosθ×sinθ
π=π12−2×(π11−π12−π44)×cosθ×sinθ
……(3)
(3)式中の、π11、π12、π44は、それぞれ応力テンソル成分である。
ホール素子の<001>方向の抵抗をR、<010>方向の抵抗をRとし、抵抗Rの長手方向、この抵抗Rの長手方向に直交する方向に、応力σ、σがそれぞれ印加された場合、各抵抗R、Rの応力変動ΔR、ΔRは、次式(4)で表すことができる。
ΔR/R10=π11×σ+π12×σ
ΔR/R20=π11×σ+π12×σ ……(4)
(4)式中のR10、R20は、R、Rそれぞれの無応力時の抵抗値である。
各抵抗RおよびRの応力変動を加算すると次式(5)となる。
(ΔR/R10)+(ΔR/R20)=(π11+π12)(σ+σ
……(5)
また、上記と同様に、ホール素子の<001>方向の抵抗をR、<010>方向の抵抗をRとし、抵抗Rの長手方向、この抵抗Rの長手方向に直交する方向に、応力σ、σがそれぞれ印加された場合、定電流感度Sの応力変動ΔSは次式(6)で表すことができる。
ΔS/SI0=P12×(σ+σ) ……(6)
(6)式において、SI0は無応力時の定電流感度である。P12はピエゾホール係数である。ピエゾホール係数とは、応力に対する磁気感度の変動を係数化したものである。
次式(7)に示すように、前記(6)式を(5)式で割り算した(5)式と(6)式との商を補正係数とすることで、応力補正が可能となる。
(ΔS/SI0)/{(ΔR/R10)+(ΔR/R20)}
=P12/(π11+π12) ……(7)
ここで、図10は、特許文献1に開示されている磁気ホールセンサーの回路構成を簡略化して示す図である。
特許文献1の磁気ホールセンサー900は、応力により抵抗値が変動する効果(ピエゾ抵抗効果)を用い、応力による磁気ホールセンサー900の磁気感度の変動をキャンセリングするように構成されている。
この磁気ホールセンサー900は、ホール素子910を2方向から駆動し、応力による抵抗値の変動に比例関係をもたせるように電流源920を調整する構成となっている。ホール素子910を2方向から駆動する理由は、前述の式(7)で示した。すなわち、抵抗Rの長手方向と抵抗Rの長手方向に直交する方向と、に応力σ、σがそれぞれ印加された場合に前記(7)式が成り立ち、その結果、(7)式を補正係数として用いることによって、応力補正を行うことができるためである。
圧縮応力が印加された場合、ホール素子910の抵抗値は増加し、感度は減少する。逆に引っ張り応力が印加された場合、ホール素子910の抵抗値は減少し、感度は増加する。
この関係を用い、ホール素子910の抵抗値と駆動電流源920とに比例関係をもたせることで、応力による磁気感度変動を補正するようになっている。
特許文献1の磁気ホールセンサー900は、以上のようにして機械的応力の影響を低減した所望の起電力を取り出すことができる構成となっている。
米国特許第6483301号明細書
しかしながら、図10に示すように、応力による感度変動を駆動電流によって補正する方法にあっては、その分、消費電流が増えてしまう。また、IC(ホール素子910)の消費電流は、磁気感度精度同様、重要なパラメータであり、応力により消費電流が増減することは、大きな問題となる。
そこで、本発明は、上記した問題点に着目してなされたものであり、機械的応力の影響を、消費電流を変えることなく的確に低減することの可能な磁気ホールセンサーを提供することを目的としている。
本発明の一態様は、印加磁場に比例する起電力を出力する磁気ホールセンサー(例えば、図1の磁気ホールセンサー1)であって、センサーホール素子(例えば図1のセンサーホール素子111)と、応力検知ホール素子(例えば図1の応力検知ホール素子121)を用いて前記センサーホール素子にかかる機械的応力を検知する応力検知部(例えば図1の応力検知部120)と、前記応力検知部で検知された前記機械的応力に基づいて前記センサーホール素子のバックバイアス電圧を調整する信号処理部(例えば図1の信号処理部130)と、を備えることを特徴とする磁気ホールセンサーである。
前記応力検知部は前記機械的応力に応じた応力検知信号を生成し、前記信号処理部は前記応力検知信号に基づき前記バックバイアス電圧を調整するものであってよい。
前記応力検知部は、前記応力検知ホール素子を駆動する駆動部(例えば図1の応力検知ホール駆動源122)を有し、当該駆動部により前記応力検知ホール素子を駆動したときの当該応力検知ホール素子の抵抗値に応じた前記応力検知信号を生成し、前記駆動部は、前記応力検知信号が、応力に対して比例関係または反比例関係の特性で変動するように、前記応力検知ホール素子を駆動するものであってよい。
前記信号処理部は、前記応力検知信号に基づき、当該応力検知信号の応力による変動に依存した前記センサーホール素子の前記バックバイアス電圧を生成するものであってよい。
前記信号処理部は、前記センサーホール素子のバックバイアス係数およびピエゾホール係数とピエゾ抵抗係数との比と、無応力時の前記応力検知ホール素子の抵抗値と、が格納されたメモリ(例えば図5のメモリ131)と、前記応力検知ホール素子への駆動電流または駆動電圧の印加方向が異なる複数の前記応力検知信号を加算する加算部(例えば図5の加算部132)と、前記メモリに格納された信号と前記加算部の出力とをもとに演算して前記バックバイアス電圧を生成する演算部(例えば図5の演算部133)と、を備えていてよい。
前記応力検知部は、前記応力検知ホール素子への駆動電流または駆動電圧の印加方向が異なる複数の前記応力検知信号を加算する加算部、を有し、前記信号処理部は、前記センサーホール素子のバックバイアス係数およびピエゾホール係数とピエゾ抵抗係数との比と、無応力時の前記応力検知ホール素子の抵抗値と、が格納されたメモリと、前記メモリに格納された信号と前記加算部の出力とをもとに演算して前記バックバイアス電圧を生成する演算部と、を備えていてよい。
前記応力検知ホール素子のピエゾ抵抗係数と前記センサーホール素子のピエゾホール係数との比は、前記応力検知ホール素子の抵抗の変動と前記センサーホール素子の感度の変動との比と比例する関係を有するものであってよい。
前記センサーホール素子と前記応力検知ホール素子とは同一の機能構成を有するものであってよい。
前記応力検知ホール素子は前記センサーホール素子と同一形状、同一サイズ、および同一構造のホール素子であってよい。
前記応力検知ホール素子として前記センサーホール素子を兼用してよい。
本発明によれば、応力検知ホール素子により検知したセンサーホール素子にかかる機械的応力に基づき、センサーホール素子のバックバイアス電圧を調整する構成としたため、消費電流の増大を回避しつつ、磁気ホールセンサーの応力による磁気感度の変動を補正することができる。
本発明の一実施形態に係る磁気ホールセンサーの構成の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る磁気ホールセンサーのホール素子の断面図である。 本発明の一実施形態に係る磁気ホールセンサーの応力検知部の具体的な回路構成の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る磁気ホールセンサーの磁気センサー部の具体的な回路構成の一例を示す図である。 発明の一実施形態に係る磁気ホールセンサーの信号処理部に関する具体的な回路構成の一例を示す図である。 一般的な磁気ホールセンサーの構成を示す図である。 応力検知部のその他の例である。 ホール素子の形状の一例を示す図である。 ホール素子の形状の一例を示す図である。 特許文献1に記載の磁気ホールセンサーの回路構成を簡略化して示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示される。
図1は、本実施形態に係る磁気ホールセンサーの一例を示す構成図である。
本実施形態に係る磁気ホールセンサー1は、図1に示すように、磁気センサー部110と、応力検知部120と、信号処理部130と、を含んで構成される。
磁気センサー部110は、センサーホール素子111と、当該センサーホール素子111を駆動するセンサーホール駆動源112と、を備える。
応力検知部120は、応力検知ホール素子121と、前記応力検知ホール素子121を駆動する応力検知ホール駆動源122と、を備える。ここで、応力検知ホール素子121は、前記センサーホール素子111と兼用しても良いし、前記センサーホール素子と同一形状、同一サイズ、および同一構造のホール素子を用いても良い。
信号処理部130は、DSP(Digital Signal Processor)などを用いたデジタル演算処理を行う演算部として構成してもよく、あるいはアナログ回路を組み合わせてアナログ演算処理を行う演算部として構成してもよい。
信号処理部130の出力電圧VCOMPは、前記センサーホール素子111の一端に入力される。電圧VCOMPを増加させると、バックバイアス効果でセンサーホール素子111の感度が増加する。信号処理部130では、この関係を用いて応力補正を行う。すなわち、電圧VCOMPをバックバイアス電圧として用いて、センサーホール素子111の感度を調整する。
図2は、図1のセンサーホール素子111および応力検知ホール素子121の具体的構成の一例を示す断面図である。ここではホール素子2として説明する。
図2に示すように、まずP型Si基板(P−Sub)210の上に、N型ウェル層220を形成している。
一方、P型Si基板210に形成された積層構造の表面には、酸化膜240が形成され、保護膜として用いられている。酸化膜240とP型Si基板210との界面には、ダングリングボンドが形成されているため、1/fノイズを発生する。この1/fノイズを回避するために、酸化膜240の直下にP型カバー層250を形成し、PN接合面に発生する空乏層を活用している。
前記P型カバー層250には、接地電圧VGNDが入力される、また図2において、230はN型コンタクト層であり外部接続端子となる高濃度領域であって、一方の外部接続端子は例えば電圧値可変の電圧源Vvに接続される。他方の外部接続端子は、センサーホール素子111として用いられる場合には、図2に示すように、前記信号処理部130の出力電圧VCOMPが入力される。一方、ホール素子2が応力検知ホール素子121として用いられる場合には、ホール素子2の一方のN型コンタクト層230は例えば電圧値可変の電圧源Vvに接続され、他方のN型コンタクト層230には接地電圧VGNDが入力される。
ここで、N型ウェル層220は、熱により拡散させて形成するため、表面では濃く、深いほど薄いという濃度勾配が発生する。
このホール素子2において、P型カバー層250とN型ウェル層220との間の電圧差を変えると空乏層幅Wが変化する。この関係は次式(8)で与えられる。
Figure 2014048237
(8)式中の、Wは空乏層幅、kSiはシリコン誘導率、εは真空の誘電率、qは電子素量、Nはドナー密度、Nはアクセプター密度、Vは拡散電位、VBiasは外部バイアス電圧であって、電圧源Vvの電圧とP型カバー層250への入力電圧(VCOMP:センサーホール素子111の場合、またはVGND:応力検知ホール素子121の場合)とにより決まる電圧である。
(8)式から、外部バイアス電圧VBiasを大きくすると、空乏層幅Wは広がる事が分かる。
前述の通り、N型ウェル層220は、表面から深くなるほど、濃度は薄くなる。また、外部バイアス電圧VBiasを大きくすると、濃度が薄い所を電流は流れる事となる。ここでホール素子2を定電流駆動した場合の磁気感度Sは、次式(9)で表すことができる。
=G×{γ/(q×n×d)}×IB ……(9)
(9)式中のGはホール素子2の形状によって決まる形状ファクタ、γは散乱因子、nはキャリア濃度、dはホール素子2の実効厚み、である。
つまり、外部バイアス電圧VBiasを大きくすると、キャリア濃度nは小さくなるので、定電流感度Sは増加する。
図3は、図1の応力検知部120の具体的な回路構成の一例を示す図である。
応力検知部120は、一般的なV−I変換回路、若しくは定電流源で実現できる。
具体的には、図3(a)に示すように、例えば、応力検知部120は、応力検知ホール素子121と、オペアンプ1221と、Nチャネル型MOSトランジスタ1222(以下、単に「トランジスタ1222」という)と、を備える。オペアンプ1221とトランジスタ1222とで応力検知ホール駆動源122を構成している。そして、オペアンプ1221の一方の入力端およびトランジスタ1222のソース端子が応力検知ホール素子121の電源端子(前記図2の電圧源Vvに接続されるN型コンタクト層230に対応)と接続され、他方の電源端子(前記図2の接地電圧VGNDに接続されるN型コンタクト層230に対応)は接地される。
オペアンプ1221は、一方の入力端に定電圧源1221aにより定電圧VINが入力され、他方の入力端には電圧Vが入力される。この電圧Vは、トランジスタ1222のソース端電圧である。
トランジスタ1222のソース端子には、前記オペアンプ1221の仮想接地により定電圧VINと等しい電圧Vが印加され、電圧Vと応力検知ホール素子121の抵抗値Rとで決まる電流を、トランジスタ1222のドレイン端子から信号SSTRESSとして出力するように構成されている。
また、図3(b)に示すように、応力検知ホール駆動源122を定電流源1223で構成することも可能である。具体的には、電源−接地間に、定電流源1223と直列に接続した応力検知ホール素子121とを接続する。
定電流源1223から供給される電流IINと、応力検知ホール素子121の抵抗値Rとで決まる電圧を、信号SSTRESSとして出力するように構成されている。
図3で示す回路構成を有する応力検知部120の場合、信号SSTRESSは、次式(10)で表すことができる。
STRESS=VIN/{R×(1+π×σ)}=IIN×R×(1+π×σ)
……(10)
(10)式中、Rは応力検知ホール素子121の無応力時の抵抗値、πは応力検知ホール素子121のピエゾ抵抗係数を簡易的に表した係数、σは応力検知ホール素子121の応力テンソルを簡易的に表したものである。
(10)式では、オペアンプ1221の入力が近似的に等しくみなせるために、電圧VINと電圧Vを同じ値としている。
(10)式のように、応力検知ホール素子121の抵抗Rの変動に、比例関係、反比例関係を持たせることが可能である。
図4は、図1の磁気センサー部110の具体的な回路構成の一例を示す図である。
磁気センサー部110は、前述のようにセンサーホール素子111と、センサーホール駆動源112と、を備える。センサーホール駆動源112は、一般的な定電流源で構成される。センサーホール素子111の一方の電源端子には、センサーホール駆動源112が接続され、他方の電源端子には信号処理部130の出力であるVCOMPが接続される。
センサーホール素子111は、応力検知ホール素子121と兼用しても良いし、センサーホール素子111と同一形状、同一サイズ、および同一構造のホール素子を隣接してレイアウトしても良い。
図4の構成を有する磁気センサー部110の場合、センサーホール素子111の出力である電圧Vは次式(11)で表される。
=I×B×SI0×{1+P12×(σ+σ)}
×(1+kBB×VCOMP
……(11)
(11)式中のIはセンサーホール駆動源112より供給される電流、Bは印加磁場、SI0は無応力時の定電流感度、P12はセンサーホール素子111のピエゾホール係数、σX、σはセンサーホール素子111の応力テンソル、kBBはセンサーホール素子111のバックバイアス係数、である。
(11)式から、電圧VCOMPを調整すれば、応力補正が可能であることが分かる。(11)式において、ピエゾホール係数の項と電圧VCOMPの項と、の積が「1」となれば補正できるので、(11)式を電圧VCOMPについて式変形をする。
{1+P12×(σ+σ)}×(1+kBB×VCOMP)=1
COMP
={−P12×(σ+σ)}/[kBB×{1+P12×(σ+σ)}]
={−Q×(π11+π12)×(σ+σ)}
/{kBB×(1+Q×(π11+π12)×(σ+σ))}
……(12)
(12)式中のQはセンサーホール素子111のピエゾホール係数とピエゾ抵抗係数との比であって、次式(13)で表される。
Q=P12/(π11+π12) ……(13)
図5は、図1の信号処理部130の一例を示す具体的な回路構成図である。
信号処理部130は、メモリ131と、加算部132と、演算部133と、を備える。
メモリ131には、センサーホール素子111のバックバイアス係数kBB、センサーホール素子111のピエゾホール係数とピエゾ抵抗係数との比Q、および応力検知ホール素子121の無応力時の抵抗値Rが格納されている。
演算部133の出力はVCOMPとして、磁気センサー部110へ出力される。加算部132は、応力検知部120からの出力信号SSTRESS1とSSTRESS2とを加算する。なお、加算部132は、応力検知部120側に設けても良い。演算部133には、入力信号として、センサーホール素子111のバックバイアス係数kBBに関する信号SkBBと、センサーホール素子111のピエゾホール係数とピエゾ抵抗係数の比Qに関する信号Sと、応力検知ホール素子121の無応力時の抵抗値Rに関する信号SR0と、加算部132からの出力信号SSUMと、が入力される。信号SR0は、加算部132で演算してもよく、また、演算部133と加算部132とは、一つのブロックとして構成し、一つのブロック内で演算してもよい。
応力検知部120からの出力信号SSTRESS1およびSSTRESS2は、それぞれ電流方位を変えた信号である。例えば、図3において、応力検知ホール素子121を2つ設けることによって、電流方位を替えてもよいし、チョッパ−スイッチ回路を設け、1つの応力検知ホール素子121において電流方位を切り替えるように構成してもよい。また、例えば図7に示すように、図3(a)に示す応力検知部120において、応力検知ホール素子121の隣接する端子どうしを端子対とし、一方の端子対(t11、t21)は応力検知ホール駆動源122に接続し、他方の端子対(t12、t22)は接地することにより、応力検知ホール駆動源122および接地間に、端子2つずつ、すなわち端子t11およびt12と、端子t21およびt22とを並列に接続し、これら端子に同時に電流供給を行って並列駆動するようにしてもよい。なお、このように並列駆動する場合には、応力検知部120からの出力信号SSTRESSとして、電流方位の異なる2つの出力信号の和が出力されることになる。
応力検知部120からの出力信号SSTRESS1およびSSTRESS2を加算部132で加算すると、前記(5)式と同様、加算部132の出力信号SSUMは、次式(14)で表される。
SUM=R+R=R×{2+(π+π)×(σ+σ)}
(π+π)×(σ+σ)=(R+R−2R)/R
……(14)
演算部133で、(12)式を満足するような信号処理をすればよく、またセンサーホール素子111と応力検知ホール素子121とは同一特性を有するため、(12)式と(14)式とを組み合わせると、次式(15)を得ることができる。
COMP={−Q×((R+R−2R)/R)}
/[kBB×{1+Q×((R+R−2R)/R)}]
……(15)
このように、本実施形態では、センサーホール素子111のバックバイアスを調整することにより、応力によるセンサーホール素子111の磁気感度の変化を抑制する構成とした。そのため、消費電流の増加を回避しつつ、磁気感度の変動を抑制することができる。
また、本実施形態では、応力検知部120では、応力検知ホール素子121に定電圧または定電流を印加し、応力検知ホール素子の抵抗値の変動を、定電圧または定電流の変動とすることで応力検知を行っているため、応力変動を容易に検知することができる。
また、応力検知ホール素子121として、センサーホール素子111と同一形状、同一サイズおよび同一構造のホール素子を用いること、すなわち特性が等しいホール素子を用いることによって、形状、サイズ、構造などが異なるホール素子を用いることによる製造バラツキによる応力検知の精度低下を軽減することができる。
なお、上記実施形態では、センサーホール素子111と応力検知ホール素子121とを同一機能構成を有するホール素子で構成した場合について説明したが、これに限るものではない。前記信号処理部130の出力であるVCOMPは、前記センサーホール素子111の特性で決まる(12)式と、前記応力検知ホール素子121で決まる(14)式とから決まる前記(15)式で表すことができるため、例えば、前記センサーホール素子111と応力検知ホール素子121との特性の差により生じる電圧VCOMPの変動分相当を例えば補正係数として求めておき、この補正係数を考慮して、電圧VCOMPを演算するようにすればよい。
本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
1 磁気ホールセンサー
2 ホール素子
110 磁気センサー部
111 センサーホール素子
112 センサーホール駆動源
120 応力検知部
121 応力検知ホール素子
122 応力検知ホール駆動源
1221 オペアンプ
1222 Nチャネル型MOSトランジスタ
1223 定電流源
130 信号処理部
131 メモリ
132 加算部
133 演算部
210 P型基板
220 N型ウェル層
230 N型コンタクト層
240 酸化膜
250 P型カバー層
900 磁気ホールセンサー
910 ホール素子(Hall Sensor)
920 電流源
930 計算回路(Evaluation Circuit)

Claims (9)

  1. 印加磁場に比例する起電力を出力する磁気ホールセンサーであって、
    センサーホール素子と、
    応力検知ホール素子を用いて前記センサーホール素子にかかる機械的応力を検知する応力検知部と、
    前記応力検知部で検知された前記機械的応力に基づいて前記センサーホール素子のバックバイアス電圧を調整する信号処理部と、
    を備えることを特徴とする磁気ホールセンサー。
  2. 前記応力検知部は前記機械的応力に応じた応力検知信号を生成し、
    前記信号処理部は前記応力検知信号に基づき前記バックバイアス電圧を調整することを特徴とする請求項1に記載の磁気ホールセンサー。
  3. 前記応力検知部は、前記応力検知ホール素子を駆動する駆動部を有し、当該駆動部により前記応力検知ホール素子を駆動したときの当該応力検知ホール素子の抵抗値に応じた前記応力検知信号を生成し、
    前記駆動部は、前記応力検知信号が、応力に対して比例関係または反比例関係の特性で変動するように、前記応力検知ホール素子を駆動することを特徴とする請求項2記載の磁気ホールセンサー。
  4. 前記信号処理部は、前記応力検知信号に基づき、当該応力検知信号の応力による変動に依存した前記センサーホール素子の前記バックバイアス電圧を生成することを特徴とする請求項2または請求項3記載の磁気ホールセンサー。
  5. 前記信号処理部は、
    前記センサーホール素子のバックバイアス係数およびピエゾホール係数とピエゾ抵抗係数との比と、無応力時の前記応力検知ホール素子の抵抗値と、が格納されたメモリと、
    前記応力検知ホール素子への駆動電流または駆動電圧の印加方向が異なる複数の前記応力検知信号を加算する加算部と、
    前記メモリに格納された信号と前記加算部の出力とをもとに演算して前記バックバイアス電圧を生成する演算部と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の磁気ホールセンサー。
  6. 前記応力検知部は、
    前記応力検知ホール素子への駆動電流または駆動電圧の印加方向が異なる複数の前記応力検知信号を加算する加算部、を有し、
    前記信号処理部は、
    前記センサーホール素子のバックバイアス係数およびピエゾホール係数とピエゾ抵抗係数との比と、無応力時の前記応力検知ホール素子の抵抗値と、が格納されたメモリと、
    前記メモリに格納された信号と前記加算部の出力とをもとに演算して前記バックバイアス電圧を生成する演算部と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の磁気ホールセンサー。
  7. 前記センサーホール素子と前記応力検知ホール素子とは同一の機能構成を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の磁気ホールセンサー。
  8. 前記応力検知ホール素子は前記センサーホール素子と同一形状、同一サイズ、および同一構造のホール素子であることを特徴とする請求項7に記載の磁気ホールセンサー。
  9. 前記応力検知ホール素子として前記センサーホール素子を兼用することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の磁気ホールセンサー。
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