JP2014048162A - 距離測定装置 - Google Patents

距離測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014048162A
JP2014048162A JP2012191443A JP2012191443A JP2014048162A JP 2014048162 A JP2014048162 A JP 2014048162A JP 2012191443 A JP2012191443 A JP 2012191443A JP 2012191443 A JP2012191443 A JP 2012191443A JP 2014048162 A JP2014048162 A JP 2014048162A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
frequency
distance
pulse
pulsed light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012191443A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5949341B2 (ja
Inventor
Yasuhiro Takemura
安弘 竹村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Osaka Cement Co Ltd filed Critical Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority to JP2012191443A priority Critical patent/JP5949341B2/ja
Publication of JP2014048162A publication Critical patent/JP2014048162A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5949341B2 publication Critical patent/JP5949341B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)

Abstract

【課題】パルス光を用いて測定対象までの距離を高分解能かつ高速度で測定することが可能な距離測定装置を提供する。
【解決手段】本発明の距離測定装置1は、コヒーレントでありかつ一定の周期で繰り返す繰り返し周波数を掃引可能なパルス光を出射するパルス光源2と、パルス光源2から出射するパルス光を分岐するビームスプリッタ3と、分岐された一方のパルス光に遅延を付与する遅延光路4と、このパルス光を対象物12に入射して対象物12にて反射する反射パルス光とビームスプリッタ3にて分岐され反射パルス光と異なるパルス光とを合波するビームスプリッタ6と、得られた合波光を受光し、この合波光の干渉によるビート成分を検出する光検出器7と、光検出器7から出力されるビート成分が最大となったときに得られる情報に基づき対象物1までの距離を算出する演算装置8とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、距離測定装置に関し、特に詳しくは、パルス光を用いて測定対象までの距離を測定する距離測定装置に関するものである。
従来より、レーザ光を用いて対象物までの距離を測定する装置としては、パルス光を測定対象となる対象物に照射するレーザダイオード(光源)と、この対象物からの反射光を検出しパルス信号に変換するアバランシェホドダイオード(APD)と、このパルス光及び反射光を基に対象物までの距離を測定する距離測定手段とを備え、レーザダイオードがパルス光を出射してからアバランシェホドダイオード(APD)が対象物からの反射光を検出するまでの時間を測定することにより、対象物までの距離を測定する光波距離計が提案されている(特許文献1参照)。
また、光に限らず、電磁波を周波数変調して、出射波と対象物からの反射波のビートを検出し、このビート周波数により対象物までの距離を測定する装置も提案されている(特許文献2参照)。
特開平5−232229号公報 特開平7−103714号公報
ところで、従来のいずれの距離測定装置においても、サブミリメートルの距離分解能を得るためには、数百GHzの周波数帯域を有する処理回路が必要である。しかしながら、この様な処理回路は構成が複雑であり、しかも高額であることから、従来の距離測定装置に搭載することが難しく、したがって、従来の距離測定装置を用いて、対象物までの距離をサブミリメートルの距離分解能で測定することはできないという問題点があった。
また、周波数変調によって発生するビートを検出する装置では、距離分解能を高めるためには、ビート周波数の検出分解能を高めると共に、周波数変調における高速な周波数変化が求められることから、これらの点が高い距離分解能の実現を妨げる要因となっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、パルス光を用いて測定対象までの距離を高分解能かつ高速度で測定することが可能な距離測定装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、コヒーレントでありかつ一定の周期で繰り返す繰り返し周波数を掃引可能なパルス光を出射する光源と、当該光源から出射するパルス光を分岐する分岐手段と、分岐された2つのパルス光のうちいずれか一方のパルス光に遅延を付与する遅延手段と、前記2つのパルス光のうちいずれか一方のパルス光を対象物に入射して該対象物にて反射する反射パルス光と前記分岐手段にて分岐され前記反射パルス光と異なるパルス光とを合波する合波手段と、得られた合波光を受光し、この合波光の干渉によるビート成分を検出する検出手段と、該検出手段から出力されるビート成分が最大となったときに得られる情報に基づき前記対象物までの距離を算出する演算手段とを備えた構成とすれば、パルス光を用いて測定対象までの距離を高分解能かつ高速度で測定することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の距離測定装置は、コヒーレントでありかつ一定の周期で繰り返す繰り返し周波数を掃引可能なパルス光を出射する光源と、当該光源から出射するパルス光を分岐する分岐手段と、分岐された2つのパルス光のうちいずれか一方のパルス光に遅延を付与する遅延手段と、前記2つのパルス光のうちいずれか一方のパルス光を対象物に入射して該対象物にて反射する反射パルス光と前記分岐手段にて分岐され前記反射パルス光と異なるパルス光とを合波する合波手段と、得られた合波光を受光し、この合波光の干渉によるビート成分を検出する検出手段と、該検出手段から出力されるビート成分が最大となったときに得られる情報に基づき前記対象物までの距離を算出する演算手段とを備えたことを特徴とする。
この距離測定装置では、分岐された前記2つのパルス光のうちいずれか一方のパルス光の周波数をシフトする周波数シフト手段を設け、前記検出手段の周波数帯域を、前記周波数シフト手段により前記周波数をシフトすることが可能な周波数の範囲を含むように設定したことが好ましい。
前記周波数シフト手段によりシフトする前記周波数の範囲を、10MHz以上かつ300MHz以下に設定したことが好ましい。
前記情報は、前記ビート成分が最大となったときの繰り返し周波数を含むことが好ましい。
前記情報は、前記検出手段から出力される前記ビート成分の内、前記周波数をシフトしたシフト周波数に、前記反射パルス光と前記反射パルス光となるパルス光以外のパルス光との繰り返し周波数差、または、前記繰り返し周波数差とその整数倍の繰り返し周波数差を加えた周波数成分を含むことが好ましい。
前記光源は、干渉型の光変調器の互いに干渉する各々の光の変調条件を調節することにより光周波数コムを発生する光周波数コム光源を含むことが好ましい。
前記光源が出射するパルス光のパルス幅は、100フェムト秒以上かつ3ピコ秒以下であることが好ましい。
前記分岐手段及び前記遅延手段のパルス光の出射側に、これらから出射する2つのパルス光を合波する第2の合波手段と、得られた第2の合波光を受光する第2の検出手段とを設け、前記演算手段は、前記第2の検出手段から出力されるビート成分が最大となったときに得られる情報と、前記検出手段から出力されるビート成分が最大となったときに得られる情報とに基づき、前記対象物までの距離を算出することが好ましい。
本発明の距離測定装置によれば、コヒーレントでありかつ一定の周期で繰り返す繰り返し周波数を掃引可能なパルス光を出射する光源と、当該光源から出射するパルス光を分岐する分岐手段と、分岐された2つのパルス光のうちいずれか一方のパルス光に遅延を付与する遅延手段と、前記2つのパルス光のうちいずれか一方のパルス光を対象物に入射して該対象物にて反射する反射パルス光と前記分岐手段にて分岐され前記反射パルス光と異なるパルス光とを合波する合波手段と、得られた合波光を受光し、この合波光の干渉によるビート成分を検出する検出手段と、該検出手段から出力されるビート成分が最大となったときに得られる情報に基づき前記対象物までの距離を算出する演算手段とを備えたので、パルス光を用いることで、対象物までの距離をサブミリメートルの距離分解能で精度よくかつ安定して測定することができる。したがって、パルス光を用いて測定対象までの距離を、高分解能かつ高速度で測定することができる。
これにより、構成が簡単で、しかも高分解能かつ高速度な距離測定装置を実現することができる。
本発明の第1の実施形態の距離測定装置を示す概略構成図である。 本発明の第1の実施形態の距離測定装置における測定レンジを拡張した場合の距離の求め方を説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態の距離測定装置を示す概略構成図である。 本発明の第3の実施形態の距離測定装置を示す概略構成図である。 本発明の第4の実施形態の距離測定装置を示す概略構成図である。
本発明の距離測定装置を実施するための形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態の距離測定装置を示す概略構成図であり、この距離測定装置1は、パルス光源2と、ビームスプリッタ(分岐手段)3と、遅延光路(遅延手段)4と、周波数シフタ(周波数シフト手段)5と、ビームスプリッタ(合波手段)6と、光検出器(検出手段)7と、演算装置(演算手段)8と、制御装置9と、可動ミラー(光路切替手段)10と、基準ミラー11とを備えている。なお、12は距離を測定する対象となる対象物である。
パルス光源2は、コヒーレントでありかつ一定の周期で繰り返す繰り返しパルス光を出射するパルス光源、例えば、コヒーレントでありかつ繰り返し周波数が10GHz±0.1GHzの範囲で繰り返し可変な超短パルス光を繰り返し周波数掃引可能とする超短パルス光源が好適に用いられる。
このような超短パルス光源としては、キャビティの光学長が可変のモードロックレーザ、マッハツェンダ型光変調器の変調歪を用いた超短パルス光源(以下、単に「変調歪方式の超短パルス光源」と称する)が挙げられる。ここで、変調歪方式の超短パルス光源は、高い繰り返し周波数が得られ、繰り返し周波数が容易且つ安定に制御できる点で好ましい。
この変調歪方式の超短パルス光源は、干渉型の光変調器の互いに干渉する各々の光の変調条件を調節することにより光周波数コムを発生するもので、光周波数コム光源とも称されるものである。光周波数コムについては、既に、特許4771216号公報、特開2011−221366等で報告されているので、詳細な説明は省略する。
この変調歪方式の超短パルス光源は、マッハツェンダ型LN変調器の駆動条件を適切に選択することにより、平坦な光周波数コムを発生させ、さらに、この平坦な光周波数コムを分散補償することで数ピコ秒の超短パルスを発生させることができる。さらに、この数ピコ秒の超短パルスにパルス圧縮を行うことにより、さらに周波数の高いサブピコ秒の超短パルスを発生させることができる。
例えば、パルス圧縮を行わない場合には、2〜3ピコ秒(ps)程度のパルス幅の超短パルスを発生させることができる。さらに、超短パルスにパルス圧縮を行った場合には、100〜300フェムト秒(fs)程度のパルス幅の超短パルスを発生させることができる。
この変調歪方式の超短パルス光源においては、超短パルスの繰り返し周波数をLN変調器の変調周波数で制御することにより、超短パルスの繰り返し周波数を安定かつ高分解能で、容易に制御することができる。
例えば、ベースとなる変調周波数(繰り返し周波数)が10GHzのとき、0.1GHzの範囲で10kHzの周波数分解能で掃引を行えば、測定距離範囲が15mmの場合に3μmの分解能で距離検出が可能である。この場合、変調周波数を大きく変化させることが難しいので、遅延光路4を設けることにより、小さい変調周波数変化で十分な掃引ができる。
なお、空間光学系では、通常、パルス光源2は、コリメータレンズやビームエキスパンダ等を用いて適宜適切なビーム径の平行光束として用いられる。
ビームスプリッタ3は、パルス光源2から出射する繰り返しパルス光Lを2つの繰り返しパルス光L、Lに分岐するもので、伝搬中の偏光状態が保存される無偏光ビームスプリッタが好ましい。ビームスプリッタ3として偏光ビームスプリッタを用いた場合については後述する。
遅延光路4は、ビームスプリッタ3にて分岐された一方のパルス光Lに、他方のパルス光Lと比較して時間的な遅延を付与するもので、光路4a上に反射用のミラー4bが複数設けられた構成である。
周波数シフタ5は、ビームスプリッタ3、6間の光路上に設けられ、ビームスプリッタ3にて分岐された他方のパルス光Lの周波数をシフトさせて周波数シフトされたパルス光L’とするもので、バルク型のAO変調器、ニオブ酸リチウム(LN)基板上に光導波路が形成された導波路型光素子、光ファイバを用いた方向性結合器型光素子等が好適に用いられる。
この周波数シフタ5では、シフトする周波数の範囲が周波数シフタ5によるシフト周波数を中心とした狭い範囲内に設定されている。
例えば、このシフト周波数の中心周波数は、パルス光源2の繰り返し周波数0.5〜100GHzや周波数を掃引する周波数1〜1000kHzと分離することができ、かつ周波数シフタ5が入手し易いやすい10MHz以上かつ300MHz以下の範囲となるように設定されている。
ビームスプリッタ6は、遅延光路4を通過するパルス光Lを透過させて対象物12に入射させ、この対象物12にて反射する反射パルス光L’と周波数シフトパルス光L’とを合波するもので、伝搬中の偏光状態が保存される無偏光ビームスプリッタが好ましい。
なお、ビームスプリッタ3、6として偏光ビームスプリッタを用いた場合、ビームスプリッタ3で反射した繰り返しパルス光Lがビームスプリッタ6で透過するように遅延光路4中に1/2波長板を配置した構成を取ることができる。
なお、このように配置した場合、ビームスプリッタ6を透過して対象物12へ向かったパルス光Lが、対象物12で反射して反射パルス光L’となった後にビームスプリッタ6で反射するように、このビームスプリッタ6から対象物12までの光路中に1/4波長板を設置するとよい。
光検出器7は、合波された反射パルス光L’及び周波数シフトパルス光L’から合波光の干渉によるビート成分を検出するもので、例えば、アバランシェホドダイオード(APD)等が好適に用いられる。この光検出器7では、その周波数帯域を、周波数シフタ5により周波数をシフトすることが可能な周波数の範囲を含むように設定することが好ましい。
演算装置8は、光検出器7から出力される合波光の干渉によるビート成分に基づき、このビート成分が最大となったときに得られる情報を基に対象物12までの距離を算出する。
上記の情報としては、次の(1)、(2)のいずれか一方、あるいは双方を含むのが好ましい。
(1)ビート成分が最大となったときの繰り返し周波数(すなわち、変調周波数)。
(2)光検出器7から出力されるビート成分の内、反射パルス光L’と、ビームスプリッタ3にて分岐された反射パルス光L’と異なる繰り返しパルス光(ここでは、周波数シフトパルス光L’)との繰り返し周波数差の周波数成分を含む情報、または、この繰り返し周波数差とその整数倍の周波数成分を含む情報。
制御装置9は、パルス光源2及び演算装置8各々の動作を制御する。
可動ミラー10は、ビームスプリッタ6と対象物12との間の光軸とは異なる一つの軸を回転軸として回転することにより、この光軸を伝搬するパルス光が対象物12あるいは基準ミラー11のいずれかに入射するように切り替える。なお、ここでは光路切替手段として可動ミラー10を用いたが、可動ミラー10の替わりにAO変調器や液晶等を用いた光スイッチ素子を光路切換手段としてもよい。
基準ミラー11は、コーナーリフレクタ等により構成されており、距離計測の基準面となる。
この距離測定装置1では、ビームスプリッタ6の対象物12側に可動ミラー10を配置し、基準面となる基準ミラー11までの距離(遅延量)を測定し、この距離(遅延量)を対象物12までの距離から差し引くことにより、この基準ミラー11の位置を基準として、対象物12までの距離を正確に求めることができる。
また、ビームスプリッタ6と対象物12との間の光路上にパルス光Lを2次元状にて走査する走査光学系を配置することにより、対象物12の三次元における形状測定を行うことができる。
なお、図1では、ビームスプリッタ6の対象物12側に可動ミラー10と基準ミラー11とを配置する構成としたが、可動ミラー10を配置せず、この基準ミラー11を移動させることにより、ビームスプリッタ6と対象物12との間の光路に挿入したり、あるいは取り出したり等してもよい。
次に、この距離測定装置1の動作について説明する。
まず、パルス光源2により、繰り返し周波数が10GHz±0.1GHzの範囲内の所望の値に設定された繰り返しパルス光Lを出射する。
ビームスプリッタ3では、この繰り返しパルス光Lを反射/透過により2つの繰り返しパルス光L、Lに分岐し、反射した一方のパルス光L(物体光)を遅延光路4に入射し、透過した他方のパルス光L(参照光)を周波数シフタ5に入射する。
パルス光L(物体光)は、遅延光路4を通過する間に遅延距離Dだけ遅延が付与され、次いで、ビームスプリッタ6を透過し、対象物12に入射する。対象物12に入射したパルス光Lは、この対象物12にて反射されることで反射パルス光L’となり、この反射パルス光L’はビームスプリッタ6にて反射され、光検出器7に入射する。
一方、パルス光L(参照光)は、周波数シフタ5にて周波数が所定の周波数、例えば50MHzシフトされた周波数シフトパルス光L’となり、この周波数シフトパルス光L’はビームスプリッタ6を透過し、光検出器7に入射する。
ここでは、パルス光源2からビームスプリッタ3までの光路と、ビームスプリッタ6から光検出器7までの光路とは、パルス光L(物体光)とパルス光L(参照光)とで共通であるから、この共通の光路長をDc、遅延光路4による光路長差をDd、ビームスプリッタ6から対象物12までの光路長をDtとすると、パルス光L(物体光)とパルス光L(参照光)との光路長差Da(=Dd+2Dt)は次の式(1)にて表される。
Figure 2014048162
式(1)中、Naは、ある瞬間に光路長差Daの内に含まれるパルス数、θaはパルス光L(参照光)のパルス列とパルス光L(物体光)のパルス列の1周期に満たない位相差成分、cは光速、fは繰り返し周波数である。
このとき、f≧fにおいて、Naが変化せず、かつ、θa≒0となる繰り返し周波数fが存在する。
θa≒0の場合、光検出器7には、パルス光L(物体光)とパルス光L(参照光)とがほぼ同時に入射し、これらのビート周波数(周波数シフタでシフトした周波数)の出力が観測され、θa=0の時にビート成分が最大となる。
ここで、Naが光学系の設計上既知であれば、Daを求めることができ、さらに、この光路の中で、測定の基準となる位置が既知であれば、対象物12までの距離を求めることができる。
したがって、繰り返し周波数fを掃引し、ビートが観察される繰り返し周波数を求めることにより、基準点から対象物12までの距離を求めることができる。
なお、測定の基準となる位置と測定光学系の相対位置や、遅延光路の光路長が温度変動等により求められる精度に比較して無視できない変動を持つ場合には、上述のように基準位置に設定された基準ミラー11を用いて、対象物の測定距離と基準位置の測定距離を差し引くことにより、精度の高い測定を行うことができる。
ビートが観察されるのは、パルス光Lとパルス光Lが重なったタイミングだけであるから、例えば、パルス光のパルス幅が1psの場合、光速を3×10m/秒とすれば、3×10−4m以内にタイミングがあった場合のみである。したがって、ビート信号が最大となるタイミングは、更に1桁から2桁狭い範囲で求められ、10−6m程度の分解能を得ることができる。この分解能は、従来の周波数変調によって発生するビートを検出する方式と異なり、繰り返し周波数の掃引速度に影響されないので、高分解能の距離検出が実現できる。
この場合、繰り返し周波数の掃引を、パルス光Lとパルス光Lのタイミングのズレが3×10−4m程度のステップで変化するように、ステップ上に行い、ビートが観察される繰り返し周波数が見つかったら、その近傍で繰り返し周波数を変化させるステップを細かくして、最大のビート成分が得られる繰り返し周波数を求めるのが好適である。
このときの掃引の範囲、すなわち、繰り返し周波数の下限fに対する繰り返し周波数の上限fは、パルス光のタイミングが1つ分ずれるまでで設定すればよく、次の式(2)から求められる。
Figure 2014048162
一方、上記の式(1)において、fの変化量に対するθの変化量は次の式(3)にて表される。
Figure 2014048162
この式(3)によれば、fの変化量に対するθの変化量は、Da、すなわちNaが大きいほど大きくなることが分かる。
したがって、繰り返し周波数の小さい変化で十分な範囲を検出しようとする場合には、Daを大きく取るために、遅延光路4の光学距離を検出距離範囲よりも十分長い距離に設定することが好ましい。
例えば、f=10GHzとすると、空気中のパルス間隔(距離)は30mmであり、この時、遅延光路4の光学距離を3mと設定することにより、測定対象が極至近の距離にあったとしても、光路長差に含まれるパルス数(Na)は100となる。この時、繰り返し周波数を+100MHz変化させ、f=10.1GHzとすると、光路長差に含まれるパルス数は101となり、パルス光Lとパルス光Lの間でパルス1周期分(30mm)のずれを発生させる掃引を行うことができ、この30mmの範囲の距離測定を行うことができる。
ここで、例えばパルス幅が数psとして、パルス光Lとパルス光Lのタイミングが1ps(3×10−4m)ずつステップ状にずれるようにするには、100MHz×(3×10−4m/30mm)=1MHzにより、1MHzステップで繰り返し周波数を変化させていけば良い。また、各ステップにおいては、同じ繰り返し周波数のパルス列が光検出器7に到達する時間(ここでは光路長差3mから10−8秒)の測定待ち時間とパルスの繰り返し時間(ここでは繰り返し周波数10GHzにより10−10秒)に相当する測定時間が測定に際して最低限必要である。
ここで、上記の式(1)から測定距離を求める手順について説明する。
上記パルス1周期分のずれを発生させる繰り返し周波数掃引によって測定を行う場合の測定対象の距離をDmとすると、この測定対象距離Dmと、全光路長差Daと、遅延光路4による光路長差Ddとの間には、
Da=2×Dm+Dd
の関係が成り立つ。そこで、測定可能範囲の全光路長差Daの最大値をDamax、最少値をDaminとし、これを、一定パルス数Naで繰り返し周波数Fの最少値Fminから最大値Fmaxまで掃引するものとすると、パルス数Naとは、次の式(4)の関係が成り立つ。
Figure 2014048162
したがって、この式(4)から、繰り返し周波数Fの最大値Fmaxと最少値Fminとの関係は次の式(5)で表されることとなる。
Figure 2014048162
この式(4)により、繰り返し周波数Fは、最少値Fminから最大値Fmaxまでの範囲で掃引すればよいことが分かる。
このときのパルス数Naは固定されているので、実際の測定においては、繰り返し周波数Fでビートが検出されたとすると、このときの全光路長差Daは、次の式(6)で表される。
Figure 2014048162
したがって、測定対象の距離Dmmは、光路長差Daと遅延光路4による光路長差Ddを用いて、次の式(7)で表される。
Figure 2014048162
例えば、測定距離Dmの最大値を、繰り返し周波数10GHzにおけるパルス間隔の半分の15mm、測定距離Dmの最小値を0mm、遅延光路4による光路長差Ddを3.00mとすると、光路長差Daの最大値Damaxは3.03m、最少値Daminは3.00mとなる。ここで、パルス間隔がこの測定範囲をカバーできるように、繰り返し周波数の最大値を10.0GHzと設定し、式(5)により繰り返し周波数の最小値を求め、周波数Fの最少値Fmin(=9.901GHz)から最大値Fmax(=10.0GHz)まで掃引して9.95GHzにてビート信号が検出された場合、光路長差Daは、
Da=3.03×9.901/9.95=3.00×10.0/9.95=3.01508m
となる。したがって、測定対象の距離Dmmは、
Dmm=(3.01508−3.000)/2=0.007539m
となる。
なお、必ずしもパルス1周期分のみのずれの範囲で測定を行わなければならないわけではなく、繰り返し周波数掃引により、パルス1周期分を超えるずれ(遅延)が生じる範囲の距離検出を行うことも可能である。その場合には、繰り返し周波数の掃引にともなって、ビート信号の極大が複数回観測される。光路長差は、極大の都度繰り返し周波数を記録し、その繰り返し周波数から、(1)式を連立させた連立方程式によりそれぞれの繰り返し周波数におけるパルス数Na、Daを求めることができる。例えば、繰り返し周波数faの時にビート信号が極大となった場合、(1)式は、Da=Na(c/fa)、次に、繰り返し周波数fbの時にビート信号が極大となった場合、(1)式は、Da=(Na−1)(c/fb)となるので、これらの連立方程式により、未知数Da、faを確定することができる。
2種類の繰り返し周波数をベースに用いて逐次上記のパルス1周期分の繰り返し周波数掃引測定をすることにより、測定範囲を拡張することもできる。
例えば、繰り返し周波数FがF及びFの2種類の繰り返し周波数を用いて、F1a、F2aでそれぞれビート成分最大を得た場合、Da=Na(c/F1a)、Da=Na(c/F2a)の連立方程式から、Na=Na=Naの場合にDa、Naを確定することができる。このようにNa、Naが等しくなる条件は、F1a<F2aであれば、Da≦c/(F2a−F1a)であり、この範囲の測定レンジを得ることができる。
ここで、上記のように繰り返し周波数がF及びFの2種類の繰り返し周波数を用いて測定レンジを拡張した場合の距離の求め方について、さらに図2に基づき説明する。
パルス光源2としては、繰り返し周波数がF及びFの2種類の繰り返し周波数を複数のパルス光源を用いて逐次出射させることのできるアレイ型パルス光源、または、繰り返し周波数がF及びFの2種類の繰り返し周波数を1つのパルス光源から逐次出射させることのできる周波数可変型のパルス光源が好適に用いられる。
2つの繰り返し周波数(パルス間隔)F及びFを用いたばあい、2つの繰り返し周波数F及びFのパルスタイミング(パルス位置)が最初に一致してから、次に一致するまでの期間における双方の測定値から距離を特定することが可能である。
ここで、繰り返し周波数Fの単体での測定最大距離(掃引範囲)LはL=c/Fで表され、繰り返し周波数Fの単体での測定最大距離(掃引範囲)LはL=c/Fで表される。このとき、測定可能範囲は、パルス数の差が1以下の範囲であり、F<Fとすると、L×L/(L−L)で表される。
ここで、繰り返し周波数Fでは、Pという測定距離が得られ、繰り返し周波数FではPという測定距離が得られたとすると、実際の距離Lは、
L=P+L×(P−P)/(L−L
=P+L×(P−P)/(L−L
となる。
次に、掃引速度が対象物12までの距離(光束の伝搬時間)と比較して速い場合には、干渉するパルス光L(物体光)とパルス光L(参照光)との間に繰り返し周波数差が生じる。そのため、ビート信号は、周波数シフタの周波数に繰り返し周波数差を加えた周波数成分を持つことになる。
したがって、ビート信号から得られる上記の繰り返し周波数差と掃引速度から、パルス光L(物体光)とパルス光L(参照光)との伝搬時間の差を求めることができ、この伝搬時間の差を基に実際の距離を求めることができる。例えば、繰り返し周波数差がΔfr(Hz)、掃引速度がΔfs(Hz/秒)とすれば、物体光と参照光の時間差は、Δfr/Δfsで表され、これと光速により、対象物の距離が求められる。
また、パルス光L(参照光)及びパルス光L(物体光)それぞれの光の周波数成分が、基本周波数に対して繰り返し周波数の整数倍ずれた成分を有するので、ビート成分には、周波数シフタ5によりシフトされた周波数に、繰り返し周波数差の整数倍の周波数を加えた成分の信号が加わる。
これらの成分は、それぞれ、対応するパルス光の周波数成分の位相情報を含んでおり、その位相情報は周波数解析により求めることができる。この位相情報は、パルス光L(物体光)とパルス光L(参照光)の伝搬距離の差によるものであるから、パルス光の周波数差に比例する。したがって、ビート信号の周波数成分とその位相情報とに基づき、対象物12までの距離を求めることができる。
ただし、このように、繰り返し周波数差と掃引速度に基づいて距離を求める場合には、掃引速度が遅い場合や物体光と参照光の距離差が小さい場合に、繰り返し周波数差が小さくなり、測定分解能が低くなる。このような場合は、まず、繰り返し周波数差と掃引速度に基づいて概ねの距離を求め、その距離に対応する繰り返し周波数の近傍で、低速で繰り返し周波数を掃引することにより、周波数シフタによるビート信号成分が最大になる繰り返し周波数を求め、この繰り返し周波数から、式(6)に基づいて精度よく対象物の距離を求めることができる。
以上説明したように、本実施形態の距離測定装置1によれば、パルス光源2と、ビームスプリッタ3と、遅延光路4と、周波数シフタ5と、ビームスプリッタ6と、光検出器7と、演算装置8と、制御装置9と、可動ミラー10と、基準ミラー11とを備えたので、対象物までの距離を精度よくかつ安定して測定することができる。したがって、超短パルス光を用いて測定対象までの距離を、高分解能かつ高速度で測定することができる。
パルス光源2として変調歪方式の超短パルス光源を用いることにより、数ピコ秒の超短パルスを容易に得ることができ、対象物までの距離をサブミリメートルの距離分解能で精度よくかつ安定して測定することができる。この超短パルスは、繰り返し周波数が高度に安定しており、精度の高い距離測定を実現することができる。
以上により、構成が簡単で、しかも高分解能かつ高速度な距離測定装置を実現することができる。
[第2の実施形態]
図3は、本発明の第2の実施形態の距離測定装置を示す概略構成図であり、この距離測定装置21が第1の実施形態の距離測定装置1と異なる点は、第1の実施形態の距離測定装置1が、分岐された一方のパルス光L(物体光)に遅延を付与する遅延光路4を設ける一方、他方のパルス光L(参照光)の周波数をシフトさせる周波数シフタ5を設けたのに対し、本実施形態の距離測定装置21が、分岐された他方のパルス光L(参照光)に遅延を付与する遅延光路4を設け、さらに、このパルス光L(参照光)の周波数をシフトさせる周波数シフタ5を設けた点である。
この距離測定装置21では、まず、パルス光源2により、繰り返し周波数が10GHz±0.1GHzの範囲内の所望の値に設定された繰り返しパルス光Lを出射する。
ビームスプリッタ3では、この繰り返しパルス光Lを反射/透過により2つの繰り返しパルス光L、Lに分岐する。
分岐した一方のパルス光L(物体光)は、ビームスプリッタ6を透過し、対象物12にて反射されることで反射パルス光L’となり、この反射パルス光L’はビームスプリッタ6にて反射され、光検出器7に入射する。
一方、分岐した他方のパルス光L(参照光)は、遅延光路4を通過する間に遅延が付与され、次いで、周波数シフタ5にて周波数が所定の周波数、例えば50MHzシフトされたパルス光L’となり、このパルス光L’はビームスプリッタ6を透過し、光検出器7に入射する。
光検出器7では、反射パルス光L’及び周波数シフトパルス光L’から合波光の干渉によるビート成分を検出し、演算装置8では、光検出器7から出力されるビート成分に基づき、このビート成分が最大となったときに得られる情報を基に対象物12までの距離を算出する。なお、周波数シフタは、全ての実施形態において、参照光の光路に配置することも、物体光の光路に配置することも、いずれも可能である。
本実施形態の距離測定装置21においても、第1の実施形態の距離測定装置1と同様の作用、効果を奏することができる。
しかも、パルス光L(参照光)に、遅延光路4により遅延を付与することにより、対象物12までの最大距離が、遅延光路4と比べて短く、光路長差Daの正負が対象物12の距離によって逆転する可能性が無い場合においては、参照光と物体光の距離差を比較的小さく抑えることができ、物体光と参照光との可干渉性が向上する。その結果、干渉による検出光の変調度が高くなることにより、ビート振幅のピークを高精度に検出できるようになり、対象物までの距離をサブミリメートルの距離分解能でより精度よくかつ安定して測定することができる。したがって、超短パルス光を用いて測定対象までの距離を、高分解能かつ高速度で測定することができる。
[第3の実施形態]
図4は、本発明の第3の実施形態の距離測定装置を示す概略構成図であり、この距離測定装置31は、光導波路を光ファイバに替えた点が第1の実施形態の距離測定装置1と異なる点である。
この距離測定装置31は、パルス光源2と、分岐カプラ(分岐手段)32と、偏波面保存光ファイバ(PMF)を用いた遅延光路(遅延手段)33と、光導波路型周波数シフタ(周波数シフト手段)34と、サーキュレータ35と、合波カプラ(合波手段)36と、光検出器(検出手段)7と、演算装置(演算手段)8と、制御装置9と、光スイッチ(光路切替手段)37と、光ファイバの端面を反射面とした光ファイバ38と、コリメータレンズ39とを備えている。
遅延光路33は、偏波面保存光ファイバ(PMF)を用いたもので、分岐カプラ32にて分岐された一方のパルス光Lに遅延距離Dを付与するものである。
光導波路型周波数シフタ34は、分岐カプラ32と合波カプラ36との間の偏波面保存光ファイバ(PMF)に設けられ、分岐カプラ32にて分岐された他方のパルス光Lの周波数をシフトさせて周波数シフトされたパルス光L’とするもので、バルク型のAO変調器、ニオブ酸リチウム(LN)基板上に光導波路が形成された導波路型光素子等が好適に用いられる。
ここでは、偏波面保存光ファイバ(PMF)と光導波路型周波数シフタ34(例えば、ニオブ酸リチウム(LN)基板上に光導波路が形成された導波路型光素子)を透過させた後に、再度偏波面保存光ファイバ(PMF)にカップリングしているが、コリメータレンズを用いて、バルク型のAO変調器等のバルク型の周波数シフタを用いても良い。
この距離測定装置31では、まず、パルス光源2により、繰り返し周波数が10GHz±0.1GHzの範囲内の所望の値に設定された繰り返しパルス光Lを出射する。
分岐カプラ32では、この繰り返しパルス光Lを2つの繰り返しパルス光L、Lに分岐する。ここで、分岐された一方のパルス光L(物体光)は、偏波面保存光ファイバ(PMF)を用いた遅延光路33に入射し、他方のパルス光L(参照光)は、偏波面保存光ファイバ(PMF)を経て光導波路型周波数シフタ34に入射する。
パルス光L(物体光)は、遅延光路33を通過する間に遅延距離Dだけ遅延が付与され、次いで、サーキュレータ35、光スイッチ37、コリメータレンズ39を順次透過し、対象物12に入射する。対象物12に入射したパルス光Lは、この対象物12にて反射されることで反射パルス光L’となり、この反射パルス光L’は、コリメータレンズ39、光スイッチ37を順次透過する。
一方、パルス光L(参照光)は、光導波路型周波数シフタ34にて周波数が所定の周波数、例えば50MHzシフトされた周波数シフトパルス光L’となり、この周波数シフトパルス光L’は、合波カプラ36にて反射パルス光L’と合波され、光検出器7に入射する。
光検出器7では、合波された反射パルス光L’及び周波数シフトパルス光L’から合波光の干渉によるビート成分を検出し、演算装置8では、光検出器7から出力されるビート成分に基づき、このビート成分が最大となったときに得られる情報を基に対象物12までの距離を算出する。
本実施形態の距離測定装置31においても、第1の実施形態の距離測定装置1と同様の作用、効果を奏することができる。
しかも、遅延光路33に光ファイバを用いたので、狭い空間内においても遅延距離を長く取ることができ、したがって、狭い繰り返し周波数掃引範囲においても、十分な検出範囲を高い距離分解能で精度よくかつ安定して測定することができる。
[第4の実施形態]
図5は、本発明の第4の実施形態の距離測定装置を示す概略構成図であり、この距離測定装置41は、光検出器(検出手段)を、基準面までの距離を測定する基準用の光検出器と、対象物までの距離を測定する対象物用の光検出器とにより構成した点が第3の実施形態の距離測定装置31と異なる点である。
この距離測定装置41は、パルス光源2と、分岐カプラ(分岐手段)32と、光ファイバを用いた遅延光路(遅延手段)33と、光導波路型周波数シフタ(周波数シフト手段)34と、分岐カプラ(分岐手段)42、43と、サーキュレータ35と、合波カプラ(合波手段)36、44と、基準用の光検出器45と、対象物用の光検出器46と、演算装置(演算手段)8と、制御装置9と、コリメータレンズ39とを備えている。
この距離測定装置41では、まず、パルス光源2により、繰り返し周波数が10GHz±0.1GHzの範囲内の所望の値に設定された繰り返しパルス光Lを出射する。
分岐カプラ32では、この繰り返しパルス光Lを2つのパルス光L、Lに分岐する。ここで、分岐された一方のパルス光L(物体光)は、偏波面保存光ファイバ(PMF)を用いた遅延光路33に入射し、他方のパルス光L(参照光)は、偏波面保存光ファイバ(PMF)を経て光導波路型周波数シフタ34に入射する。
パルス光L(物体光)は、遅延光路33を通過する間に遅延距離Dだけ遅延が付与され、分岐カプラ42にてパルス光L11とパルス光L12とに分岐される。
一方、パルス光L(参照光)は、光導波路型周波数シフタ34にて周波数が所定の周波数、例えば50MHzシフトされた周波数シフトパルス光L’となり、この周波数シフトパルス光L’は、分岐カプラ43にてパルス光L21とパルス光L22とに分岐される。
このようにして分岐されたパルス光L11とパルス光L21とは、合波カプラ44にて合波され、この合波されたパルス光は、基準用の光検出器45に入射する。
また、分岐されたパルス光L12は、サーキュレータ35、コリメータレンズ39を順次透過し、対象物12に入射する。対象物12に入射したパルス光L12は、この対象物12にて反射されることで反射パルス光L12’となり、この反射パルス光L12’は、コリメータレンズ39を透過し、合波カプラ36にてパルス光L22と合波され、この合波されたパルス光は、対象物用の光検出器46に入射する。
光検出器45では、パルス光L11とパルス光L21とから合波光の干渉による基準面までの距離を測定するための基準となるビート成分を検出し、基準面までの測定データとして出力する。
一方、光検出器46では、反射パルス光L12’とパルス光L22とから合波光の干渉による対象物までの距離を測定するための測定用のビート成分を検出し、対象物の測定データとして出力する。
演算装置8では、光検出器45から出力される基準面までの測定データと、光検出器46から出力される対象物の測定データとの差を対象物12までの距離として算出する。
本実施形態の距離測定装置41においても、第3の実施形態の距離測定装置31と同様の作用、効果を奏することができる。
しかも、光検出器を、基準用の光検出器45と、対象物用の光検出器46とにより構成したので、超短パルス光を用いて基準面から測定対象までの距離を、高分解能かつ高速度で測定することができる。
1 距離測定装置
2 パルス光源
3 ビームスプリッタ(分岐手段)
4 遅延光路(遅延手段)
5 周波数シフタ(周波数シフト手段)
6 ビームスプリッタ(合波手段)
7 光検出器(検出手段)
8 演算装置(演算手段)
9 制御装置
10 可動ミラー(光路切替手段)
11 基準ミラー
12 対象物
21 距離測定装置
31 距離測定装置
32 分岐カプラ(分岐手段)
33 遅延光路(遅延手段)
34 光導波路型周波数シフタ(周波数シフト手段)
35 サーキュレータ
36 合波カプラ(合波手段)
37 光スイッチ(光路切替手段)
38 光ファイバ
39 コリメータレンズ
41 距離測定装置
42、43 分岐カプラ(分岐手段)
44 合波カプラ(合波手段)
45 基準用の光検出器(検出手段)
46 対象物用の光検出器(検出手段)
、L、L 繰り返しパルス光
’ 反射パルス光
’ 周波数シフトパルス光
11、L12、L21、L22 パルス光
11’、L12’ 合波されたパルス光

Claims (8)

  1. コヒーレントでありかつ一定の周期で繰り返す繰り返し周波数を掃引可能なパルス光を出射する光源と、当該光源から出射するパルス光を分岐する分岐手段と、分岐された2つのパルス光のうちいずれか一方のパルス光に遅延を付与する遅延手段と、前記2つのパルス光のうちいずれか一方のパルス光を対象物に入射して該対象物にて反射する反射パルス光と前記分岐手段にて分岐され前記反射パルス光と異なるパルス光とを合波する合波手段と、得られた合波光を受光し、この合波光の干渉によるビート成分を検出する検出手段と、該検出手段から出力されるビート成分が最大となったときに得られる情報に基づき前記対象物までの距離を算出する演算手段とを備えたことを特徴とする距離測定装置。
  2. 分岐された前記2つのパルス光のうちいずれか一方のパルス光の周波数をシフトする周波数シフト手段を設け、
    前記検出手段の周波数帯域を、前記周波数シフト手段により前記周波数をシフトすることが可能な周波数の範囲を含むように設定したことを特徴とする請求項1記載の距離測定装置。
  3. 前記周波数シフト手段によりシフトする前記周波数の範囲を、10MHz以上かつ300MHz以下に設定したことを特徴とする請求項2記載の距離測定装置。
  4. 前記情報は、前記ビート成分が最大となったときの繰り返し周波数を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の距離測定装置。
  5. 前記情報は、前記検出手段から出力される前記ビート成分の内、前記周波数をシフトしたシフト周波数に、前記反射パルス光と前記反射パルス光となるパルス光以外のパルス光との繰り返し周波数差、または、前記繰り返し周波数差とその整数倍の繰り返し周波数差を加えた周波数成分を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の距離測定装置。
  6. 前記光源は、干渉型の光変調器の互いに干渉する各々の光の変調条件を調節することにより光周波数コムを発生する光周波数コム光源を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の距離測定装置。
  7. 前記光源が出射するパルス光のパルス幅は、100フェムト秒以上かつ3ピコ秒以下であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載の距離測定装置。
  8. 前記分岐手段及び前記遅延手段のパルス光の出射側に、これらから出射する2つのパルス光を合波する第2の合波手段と、得られた第2の合波光を受光する第2の検出手段とを設け、
    前記演算手段は、前記第2の検出手段から出力されるビート成分が最大となったときに得られる情報と、前記検出手段から出力されるビート成分が最大となったときに得られる情報とに基づき、前記対象物までの距離を算出することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項記載の距離測定装置。
JP2012191443A 2012-08-31 2012-08-31 距離測定装置 Active JP5949341B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012191443A JP5949341B2 (ja) 2012-08-31 2012-08-31 距離測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012191443A JP5949341B2 (ja) 2012-08-31 2012-08-31 距離測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014048162A true JP2014048162A (ja) 2014-03-17
JP5949341B2 JP5949341B2 (ja) 2016-07-06

Family

ID=50607988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012191443A Active JP5949341B2 (ja) 2012-08-31 2012-08-31 距離測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5949341B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016001143A (ja) * 2014-06-12 2016-01-07 株式会社東京精密 多点距離測定装置及び形状測定装置
JP2016080409A (ja) * 2014-10-10 2016-05-16 新日鐵住金株式会社 距離測定装置
CN109521435A (zh) * 2017-09-19 2019-03-26 株式会社东芝 距离计测装置
CN111337936A (zh) * 2015-01-20 2020-06-26 托里派因斯洛基股份有限责任公司 单孔激光测距仪
CN111913186A (zh) * 2019-05-09 2020-11-10 株式会社爱德万测试 光学试验用装置及半导体试验装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001227911A (ja) * 2000-02-18 2001-08-24 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 干渉検出装置、トモグラフィー装置
JP2002082045A (ja) * 2000-09-08 2002-03-22 Japan Science & Technology Corp 光計測システム
JP2006126168A (ja) * 2004-09-30 2006-05-18 Univ Nagoya 距離測定装置および距離測定方法
JP2008002815A (ja) * 2006-06-20 2008-01-10 Univ Nagoya 波長変化パルス光発生装置およびこれを用いた光断層計測装置
US20120086932A1 (en) * 2010-10-11 2012-04-12 Seung Woo Kim High resolution time-of-flight distance measurement device based on femtosecond laser

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001227911A (ja) * 2000-02-18 2001-08-24 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 干渉検出装置、トモグラフィー装置
JP2002082045A (ja) * 2000-09-08 2002-03-22 Japan Science & Technology Corp 光計測システム
JP2006126168A (ja) * 2004-09-30 2006-05-18 Univ Nagoya 距離測定装置および距離測定方法
JP2008002815A (ja) * 2006-06-20 2008-01-10 Univ Nagoya 波長変化パルス光発生装置およびこれを用いた光断層計測装置
US20120086932A1 (en) * 2010-10-11 2012-04-12 Seung Woo Kim High resolution time-of-flight distance measurement device based on femtosecond laser

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016001143A (ja) * 2014-06-12 2016-01-07 株式会社東京精密 多点距離測定装置及び形状測定装置
JP2016080409A (ja) * 2014-10-10 2016-05-16 新日鐵住金株式会社 距離測定装置
CN111337936A (zh) * 2015-01-20 2020-06-26 托里派因斯洛基股份有限责任公司 单孔激光测距仪
CN109521435A (zh) * 2017-09-19 2019-03-26 株式会社东芝 距离计测装置
CN109521435B (zh) * 2017-09-19 2023-05-02 株式会社东芝 距离计测装置
CN111913186A (zh) * 2019-05-09 2020-11-10 株式会社爱德万测试 光学试验用装置及半导体试验装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5949341B2 (ja) 2016-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6005302B2 (ja) レーザレーダ装置
JP5752040B2 (ja) 対チャープfmcwコヒーレントレーザレーダー用の小型の光ファイバ配置
JP5336921B2 (ja) 振動計測装置及び振動計測方法
JP7152748B2 (ja) 距離計及び距離測定方法並びに光学的三次元形状測定機
KR101645274B1 (ko) 표면 측정을 위한 간섭계 거리 측정 방법, 및 상기 측정 구조
JP5949341B2 (ja) 距離測定装置
WO2010001809A1 (ja) 距離計及び距離測定方法並びに光学的三次元形状測定機
JP2017015681A (ja) テラヘルツ波を用いたリアルタイム非接触非破壊厚さ測定装置
JP2011174920A (ja) 光干渉計測方法および光干渉計測装置
CN104914444B (zh) 一种远距离激光外差干涉测距结构
CN109031340B (zh) 一种测量物体运动速度的连续调频激光雷达装置
JP2020008496A (ja) 距離測定装置、距離測定方法、及び立体形状測定装置
JP5421013B2 (ja) 位置決め装置及び位置決め方法
JP2016048188A (ja) 距離測定装置
JP2014185956A (ja) 距離測定装置
JP5468836B2 (ja) 測定装置及び測定方法
CN210400290U (zh) 飞秒激光器分布式干涉仪系统
KR101727091B1 (ko) 브릴루앙 동적 격자의 주파수 영역 반사 측정을 이용한 분포형 광섬유 센서 장치 및 그 센싱방법
JP4459961B2 (ja) レーザ位相差検出装置およびレーザ位相制御装置
JP2013152118A (ja) レーザ光特性測定方法及び測定装置
JP2012132711A (ja) パルス間位相ズレ測定装置、オフセット周波数制御装置、パルス間位相ズレ測定方法、オフセット周波数制御方法
KR102598511B1 (ko) 초고속 카메라 시스템, 그리고 이의 측정 방법
JP2009031040A (ja) ブリルアン散乱測定装置
JPS63196829A (ja) 光導波路障害点探索方法および装置
Brinkmeyer et al. Fiber optic CW doppler lidar using a synthetic broadband source

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160523

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5949341

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150