JP2011027649A - 位置決め装置及び位置決め方法 - Google Patents

位置決め装置及び位置決め方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011027649A
JP2011027649A JP2009175887A JP2009175887A JP2011027649A JP 2011027649 A JP2011027649 A JP 2011027649A JP 2009175887 A JP2009175887 A JP 2009175887A JP 2009175887 A JP2009175887 A JP 2009175887A JP 2011027649 A JP2011027649 A JP 2011027649A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
measurement
distance
signal processing
processing unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009175887A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5421013B2 (ja
Inventor
Kazuhiro Imai
一宏 今井
Motonobu Korogi
元伸 興梠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Optical Comb Inc
Original Assignee
Optical Comb Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Optical Comb Inc filed Critical Optical Comb Inc
Priority to JP2009175887A priority Critical patent/JP5421013B2/ja
Publication of JP2011027649A publication Critical patent/JP2011027649A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5421013B2 publication Critical patent/JP5421013B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Instruments For Measurement Of Length By Optical Means (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

【課題】測定対象となる物体の位置や姿勢を非接触で高精度に計測、制御する位置決め装置を提供する。
【解決手段】位置決め装置1は、参照光としての光周波数コムと測定光としての光周波数コムとを出射する光源10と、光源10から出射された測定光を測定対象40に取り付けられた反射体42に照射するヘッド部30と、光源10から出射された参照光が入射される参照面31と、反射体42で反射されヘッド部30を介して戻された測定光と、参照面31から戻された参照光との干渉光に基づく干渉信号を検出する検出部20と、検出部20により検出した干渉信号に基づいて参照面31までの距離を基準にした反射体42までの距離を求める信号処理部60と、測定対象40の位置を変化させるアクチュエータ50と、信号処理部60で求めた距離に応じてアクチュエータ50を制御する制御部70とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象の位置や姿勢を非接触で高精度に計測して測定対象を制御可能な位置決め装置及び位置決め方法に関する。
従来のレーザ干渉計は、分解能が極めて高く、ナノメートルのレベルの位置決めに使用されている。この従来のレーザ干渉計は、絶対距離測定が可能な距離、すなわち、光が遮光された状態から遮光状態が回復した直後に曖昧さなく測定可能なレンジが、半波長程度である。そのため、従来のレーザ干渉計は、絶対距離測定に応用するためには、原点からの変位量の積算が必要である。しかし、従来のレーザ干渉計は、半波長以下の変位を積算することによって長距離の測定に使用できるが、光の波長が短いため、例えば数メートルの距離を測定するためには光の波長の数千倍の変位を積算する必要がある。したがって、従来のレーザ干渉計は、一度光線が遮られた場合には、絶対距離の測定を再開することが難しく、変位量の積算を開始した位置(原点)に戻さないと、正確な位置情報を得ることができない。
一方、変調された光の飛行時間又は変調波の位相から距離を求める距離計は、絶対距離測定が可能である(例えば、特許文献1を参照)。絶対距離測定が可能な距離計は、光線が遮られた場合でも原点まで戻すことなく距離を測定することが可能である。そのため、絶対距離を測定可能な距離計は、測定対象となる物体から離れた場所から物体に向かってレーザを照射して物体の位置を計測、制御する応用に適している。しかし、従来の距離計は、分解能が高いものでも数十マイクロメートルであるため、上述したレーザ干渉計のように分解能が十分ではない。
特開2001−343234公報
そこで、本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、光線が遮られた場合でも原点復帰することなく高精度に測定対象までの絶対距離を測定し、物体の位置又は姿勢を制御可能な位置決め装置及び位置決め方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る位置決め装置は、互いに位相同期され干渉性のある参照光としての光周波数コムと、測定光としての光周波数コムとを出射する光源と、上記光源から出射された測定光を、測定対象に取り付けられ該測定光を反射する反射体に照射するヘッド部と、上記光源から出射された参照光が入射される参照面と、上記反射体で反射され上記ヘッド部を介して戻された測定光と、上記参照面から戻された参照光との干渉光に基づく干渉信号を検出する検出部と、上記検出部により検出した干渉信号に基づいて、上記参照面までの距離を基準にした上記反射体までの距離を求める信号処理部と、上記測定対象の位置を変化させるアクチュエータと、上記信号処理部で求めた距離に応じて上記アクチュエータを制御する制御部とを備える。
また、本発明に係る位置決め装置は、互いに位相同期され干渉性のある参照光としての光周波数コムと、測定光としての光周波数コムとを出射する光源と、上記光源から出射された上記参照光及び上記測定光を複数の出力チャネルに分波する分波器と、上記分波器で分波された測定光を、測定対象に取り付けられ該測定光を反射する複数の反射体に対して上記出力チャネルごとに照射する複数のヘッド部と、上記分波器で分波された参照光が出力チャネルごとに入射される複数の参照面と、上記反射体で反射され上記ヘッド部を介して戻された各測定光と該測定光に対応する上記参照面で反射された各参照光との各干渉光に基づく干渉信号を検出する複数の検出部と、上記複数の検出部で検出した各干渉信号に基づいて、上記参照面までの距離を基準にした上記反射体までの距離を検出し、該距離と上記反射体間の距離とから測定対象の傾斜又は回転角を検出する信号処理部と、上記測定対象の位置を変化させるアクチュエータと、上記信号処理部で検出した距離、傾斜角又は回転角に応じて上記アクチュエータを制御する制御部とを備える。
また、本発明に係る位置決め方法は、光源が、互いに位相同期され干渉性のある参照光としての光周波数コムと、測定光としての光周波数コムとを出射する出射ステップと、ヘッド部が、上記光源から出射された測定光を、測定対象に取り付けられ該測定光を反射する反射体に照射する照射ステップと、検出部が、上記反射体で反射され上記ヘッド部を介して戻された測定光と、上記光源から出射された参照光が入射される参照面から戻された参照光との干渉光に基づく干渉信号を検出する干渉信号検出ステップと、信号処理部が、上記検出部により検出した干渉信号に基づいて、上記参照面までの距離を基準にした上記反射体までの距離を求める距離算出ステップと、制御部が、上記信号処理部で求めた距離に応じて、上記測定対象の位置を変化させるアクチュエータを制御する制御ステップとを有する。
また、本発明に係る位置決め方法は、光源が、互いに位相同期され干渉性のある参照光としての光周波数コムと、測定光としての光周波数コムとを出射する出射ステップと、分波器が、上記光源から出射された上記参照光及び上記測定光を複数の出力チャネルに分波する分波ステップと、複数のヘッド部が、上記分波器で分波された測定光を、測定対象に取り付けられ該測定光を反射する複数の反射体に対して上記出力チャネルごとに照射する照射ステップと、複数の検出部が、上記反射体で反射され上記ヘッド部を介して戻された各測定光と、上記分波器で分波された参照光が出力チャネルごとに入射される複数の参照面で反射された該測定光に対応する参照光との各干渉光に基づく干渉信号を検出する干渉信号検出ステップと、信号処理部が、上記複数の検出部で検出した各干渉信号に基づいて、上記参照面までの距離を基準にした上記反射体までの距離を求め、該距離と上記反射体間の距離とから測定対象の傾斜又は回転角を求める傾斜・回転角検出ステップと、制御部が、上記信号処理部で求めた距離、傾斜角及び回転角のうち少なくともいずれか1つに応じて上記測定対象の位置を変化させるアクチュエータを制御する制御ステップとを有する。
本発明によれば、光線が遮断されても反射体を基準面まで戻すことなく高精度に測定対象までの距離を測定し、測定した距離を用いて測定対象の位置又は姿勢を制御することが可能となる。
第1の実施の形態に係る位置決め装置の構成例を示すブロック図である。 2台の光周波数コム発生器を用いた場合の位置決め装置の構成例を示すブロック図である。 光周波数コムの出力を模式的に示す図である。 測定対象の位置を測定して測定対象の位置を制御する場合の位置決め装置の構成例を模式的に示す図である。 測定対象の位置を測定して測定対象の位置を制御する場合の位置決め装置の構成例を模式的に示す図である。 測定対象の位置を測定して測定対象の位置を制御する場合の位置決め装置の構成例を模式的に示す図である。 位置決め方法を説明するためのフローチャートである。 迷光データ取得モードを説明するためのフローチャートである。 絶対距離測定モードを説明するためのフローチャートである。 高速測定モードを説明するためのフローチャートである。 第2の実施の形態に係る位置決め装置の構成例を示すブロック図である。 分波器の構成例を模式的に示す図である。 測定対象の傾斜を測定して測定対象の姿勢を制御する場合の位置決め装置の構成例を模式的に示す図である。 測定対象の回転角度を測定して測定対象の姿勢を制御する場合の位置決め装置の構成例を模式的に示す図である。 ヘッド部の内部に検出部を内蔵した位置決め装置の構成例を示すブロック図である。 1台の光周波数コム発生器を用いた場合の位置決め装置の構成例を示すブロック図である。 1台の光周波数コム発生器を用いた場合の位置決め装置の構成例を示すブロック図である。
以下、発明を実施するための形態(以下、実施の形態とする)について説明する。
<第1の実施の形態>
本実施の形態に係る位置決め装置1は、図1に示すように、互いに位相同期され干渉性のある参照光としての光周波数コムと、測定光としての光周波数コムとを出射する光源10と、測定光を反射する反射体42で反射された測定光と後に詳述する参照面31から戻された参照光との干渉光に基づく干渉信号を検出する検出部20と、光源10から出射された測定光を反射体42に照射するヘッド部30と、測定対象40の位置を変化させるアクチュエータ50と、検出部20で検出した干渉信号に基づいて参照面31までの距離を基準にした反射体42までの距離を求める信号処理部60と、信号処理部60で求めた距離に応じてアクチュエータ50を制御する制御部70とを備える。
光源10は、互いに変調周波数及び中心周波数が異なり、互いに位相同期され干渉性のある参照光と測定光とを出射する光源10として2台の光周波数コム発生器を備える。位置決め装置1は、光源10として光周波数コム発生器を用いることにより、後に詳述するように、基準面から反射体42までの絶対距離を測定するとともに、光線が遮断されても反射体42を基準面まで戻すことなく絶対距離の測定を再開することが可能となる。また、位置決め装置1は、光源10として2台の光周波数コム発生器を用いることにより、測定光と参照光との間で光周波数コムの周波数をモード毎にずらすことが可能となる。これにより、位置決め装置1は、干渉信号の周波数をモードによって違った値にできるため、光検出の際に波長分割しなくても、干渉信号の周波数解析により各モードの位相情報を分離することが可能となる。
光源10は、図2に示すように、周波数がνのレーザ光を出射するレーザ光源11と、光周波数コム発生器12,13と、発振器14,15,16と、周波数をシフトさせる周波数シフタ(AOFS)17と、1/2波長板(λ/2板)18と、偏光ビームスプリッタ(PBS)19とを備える。
光周波数コム発生器12,13は、例えばレーザ外部で光の強度や位相を変調する電気光学変調器(EOM)と、このEOMを挟むように対向して配設された反射鏡とからなり、電気光学変調器と反射鏡とで光発振器を構成するファブリペロー型電気光学変調方式のものが用いられる。なお、光周波数コム発生器12,13としては、この他にも、LiNbO結晶を使用した位相変調器、強度変調器、半導体の吸収や位相の変化を利用する変調器等を用いてもよい。
光周波数コム発生器12,13は、互いに異なる周波数により駆動される。例えば、光周波数コム発生器12は、周波数fで発振する発振器14により駆動し、光周波数コム発生器13は、周波数f+Δfで発振する発振器15により駆動する。発振器14,15は、図示しない共通の基準発振器により位相同期されることで、f+Δfとfとの相対周波数が安定になる。
光周波数コム発生器13の前段には、周波数シフタ17が設けられている。周波数シフタ17は、例えば内部に発生した超音波により音響光学相互作用で参照光の位相を変化させる音響光学変調器(AOM:acoustooptic modulator)で構成される。周波数シフタ17は、発振器16の出力により動作し、レーザ光源11から出射されたレーザ光の周波数を例えばfaだけシフトさせて光周波数コム発生器13に出射する。
光源10は、光周波数コム発生器12,13により、レーザ光源11から出射されたレーザ光に基づいて一定間隔の離散的な周波数成分からなる光である光周波数コムを発生して出射する。光周波数コムは、光周波数νを中心にマイクロ波周波数(変調信号の周波数)fに一致する等周波数間隔で発生させた側波帯(サイドバンド)を有する光であり、光周波数コムの中心周波数が、入射されるレーザの光周波数νに一致している。光周波数νは、数百THzの領域であるため、光の位相情報を直接取り扱うことが難しいが、fは高くても数十GHzの領域なので、従来の電子回路技術で位相情報を容易に扱うことができる。位置決め装置1は、光周波数コムを用いることにより、相対的な光の周波数や位相の情報を光周波数コムが存在している帯域内で電気的に取り扱うことができる。
光源10は、光周波数コム発生器12,13により、例えば図3に示すような周波数の光周波数コム(OFC1、OFC2)を出射する。図3(A)は、光周波数コム発生器12から出射された測定光としての光周波数コム(OFC1)を表している。また、図3(B)は、周波数シフタ17で周波数がシフトされた参照光としての光周波数コム(OFC2)を表している。図3に示す光周波数コムは、光パルスの繰り返し周波数に一致したコム状のモードを持っており、図3(A)に示す測定光のモード間隔がfであり、図3(B)に示す参照光のモード間隔がf+△fである。
図3に示す光周波数コムの例は、スペクトル中央のモードを中心にモード番号を付け、N=0のモード間の干渉信号の周波数をfと仮定している。図3に示す光周波数コムの例において、中心周波数成分を0番目として数えてモードにつけた番号をNとすると、N番目のビート周波数=fa+N△fとなり、N番目のビート周波数が光周波数コムのモードによって異なる周波数に出る。
偏光ビームスプリッタ19は、光周波数コム発生器12から入射された測定光と半波長板18を介して光周波数コム発生器13から入射した参照光とを混合して、参照光と測定光を直交する偏光で重ね合わせる。偏光ビームスプリッタ19は、参照光と測定光とが重ね合わされた干渉光を検出部20のビームスプリッタ21に入射する。
以上説明したように、光源10は、単一レーザ光を入力とし、駆動周波数がそれぞれ異なる2台の光周波数コム発生器12,13を備えることにより、同じビート周波数に複数の光周波数コムの情報が重ならないようにする。
なお、光源10としては、それぞれ周期的に強度又は位相が変調され、かつ、キャリア周波数が安定化された2台の光源、例えばモード同期レーザを用いてもよい。また、光源10は、上述したように光周波数コム発生器12,13からの測定光及び参照光の出力を偏光ビームスプリッタ19で直交した偏光状態で光を束ねた状態、すなわち、測定光及び参照光が干渉しない状態で共通の出力とせずに、別の出力となるようにしてもよい。
検出部20は、図2に示すように、ビームスプリッタ21と、偏光子22a,22bと、基準光検出器23aと、測定光検出器23bとを備える。検出部20は、後に詳述するように、参照面31から戻された参照光と測定対象40の反射体42から戻された測定光との干渉光に基づく干渉信号を検出するとともに、光源10から出射された参照光と測定光との干渉光に基づく干渉信号を検出する。
ビームスプリッタ21は、光源10の偏光ビームスプリッタ19から入射された測定光と参照光との混合光を偏光子22aに向かう光と、後に詳述する偏光ビームスプリッタ32に向かう光とに分離する。
基準光検出器23aは、遅延時間を計測するための基準を生成するために用いられる。位置決め装置1は、光源10として2台の光周波数コム発生器を用いるため、光周波数コムを発生する過程、すなわち、ビームスプリッタで分岐してから偏光ビームスプリッタ19で重ねるまでの間で遅延時間に差が生じてしまう可能性がある。そこで、位置決め装置1は、測定光及び参照光を別々の光周波数コム発生器で発生する場合には、光周波数コムを発生する過程での時間差を計測するための光検出器23aを備える。
基準光検出器23aは、偏光子22aを介してビームスプリッタ21から出射された測定光と参照光との干渉光を受光し、この受光した干渉光に基づく干渉信号を得る。ここで、ビームスプリッタ21から基準光検出器23aに導かれる干渉光S1に含まれる基準光及び測定光は、偏光が直交しているため、そのまま基準光検出器23aに入射しても干渉信号が得られない。そこで、検出部20は、ビームスプリッタ21からの基準光と測定光との偏光に対して斜めになるように向きを調整した偏光子22aを、ビームスプリッタ21と基準光検出器23aとの間に備える。これにより、基準光検出器23aは、偏光子22aの透過成分としての基準光と測定光との干渉光を受光して、偏光子22aの透過成分としての干渉光に基づく干渉信号を得ることができる。
測定光検出器23bは、偏光子22bを介して、ビームスプリッタ21から出射された、参照面31から戻された参照光と反射体42から戻された測定光との干渉光S2を受光し、この受光した干渉光S2に基づく干渉信号を得る。ここで、干渉光S2に含まれる基準光及び測定光は、上述した干渉光S1と同様に偏光が直交している。そのため、検出部20は、干渉光S2から干渉信号を得るために、ビームスプリッタ21からの基準光と測定光との偏光に対して斜めになるように向きを調整した偏光子22bをビームスプリッタ21と測定光検出器23bとの間に備える。
ヘッド部30は、図2に示すように、参照面31と、偏光ビームスプリッタ32とを備える。偏光ビームスプリッタ32には、ビームスプリッタ21で分岐された測定光及び参照光が、光ファイバ33を介して入射される。偏光ビームスプリッタ32は、光ファイバ33を介して、ビームスプリッタ21で分離された測定光と参照光との干渉光S1を入射し、偏光に応じて測定光と参照光とに分離する。偏光ビームスプリッタ32は、干渉光S1から分離した測定光を反射体42に向けて照射するとともに、干渉光S1から分離した参照光を参照面31に入射する。また、偏光ビームスプリッタ32は、反射体42で反射された測定光と、参照面31で反射された参照光とを重ね合わせた干渉光S2を生成し、生成した干渉光S2を光ファイバ33を介してビームスプリッタ21に戻す。なお、反射体42で反射された測定光と参照面31で反射された参照光とを重ね合わせた干渉光S2は、検出部20で生成されるようにしてもよい。
参照面31は、光を反射する材料で構成され、偏光ビームスプリッタ32から入射された参照光を反射して偏光ビームスプリッタ32に戻す。なお、参照面31は、測定対象40や位置決め装置1の構成に応じて任意の場所に配置することができる。例えば、参照面31は、後に詳述するようにヘッド部30の内部や検出部20の内部に配置してもよく、また、測定対象40の近傍に配置してもよい。反射体42は、光を反射する材料で構成され、偏光ビームスプリッタ32から入射された参照光を反射して偏光ビームスプリッタ32に戻す。
信号処理部60は、基準光検出器23aで検出した干渉信号が供給される信号処理部60aと、測定光検出器23bで検出した干渉信号が供給される信号処理部60bを有する。信号処理部60は、後に詳述するように、信号処理部60bにより、測定光検出器23bで検出した干渉信号と、基準光検出器23aで検出した干渉信号との時間差に基づいて、参照面31までの距離と反射体42までの距離との差を光が伝搬する時間を求める。そして、信号処理部60は、参照面31までの距離と反射体42までの距離との差を光が伝搬する時間に光速をかけた値を測定波長における屈折率で割ることにより、基準点から測定対象40までの絶対距離を求めることができる。
ここで、絶対距離を求めるための原理について説明する。
<検出部20で得られる位相情報について>
図2に示すように、周波数fで変調した測定光側の光周波数コム、すなわち、光周波数コム発生器12から出射された光周波数コムのk次のサイドバンドの電場強度Etとする。また、周波数シフタ17で周波数シフトされた周波数ν+faomのレーザ光を周波数f’(f’=f+δf)で変調して発生した参照側の光周波数コム、すなわち、光周波数コム発生器13からの光周波数コムのk次のサイドバンドの電場強度をErとする。これらの電場強度Et及び電場強度Erは、(1)式及び(2)式のように表現される。
Figure 2011027649
Figure 2011027649
(1)、(2)式において、A、Bは、k次のサイドバンドの複素振幅である。τは、検出部20の基準点であるビームスプリッタ21から反射体42までの往復遅延時間である。τは、ビームスプリッタ21から参照面31までの往復遅延時間である。ここで、測定したい遅延時間をτとすると、τ=τ+τの関係が成立する。
電場強度E及びEが干渉すると、測定光検出器23bにより検出し、例えばFFT(Fast Fourier Transform)等の周波数解析をすることによって得られるk次のサイドバンドのビート信号の成分S(ターゲット)は、faom+kδfの周波数の信号として、(3)式ように表わされる。
Figure 2011027649
また、(3)式において、τ=τ=0、すなわち、基準光検出器23aにより検出した干渉信号のk次のサイドバンドのビート信号を周波数解析することによって得られる成分S(基準点)は、(4)式ように表わされる。
Figure 2011027649
(3)式で示されるS (ターゲット)に、(4)式で示されるS(基準点)を掛けると、(5)式に示すS(基準点)が得られる。
Figure 2011027649
位相は、(5)式に基づいて(6)式のように表わされる。
Figure 2011027649
(6)式において、φは、測定できる2πの範囲の位相成分であり、Pは、整数である。
このように、信号処理部60は、基準光検出器23aにより検出した干渉光S1に基づく干渉信号のk次のサイドバンドのビート信号の成分S(基準点)と、測定光検出器23bにより検出した干渉光S2に基づくk次のサイドバンドのビート信号の成分S(ターゲット)とに基づいて位相を求める。
<往復遅延時間τのキャリブレーションについて>
次に、参照側の光周波数コムの変調周波数を変えて測定することによる往復遅延時間τのキャリブレーションについて説明する。上記(6)式における往復遅延時間τは、距離測定の誤差を与えることになる。そこで、信号処理部60は、キャリブレーションにより往復遅延時間τに依存しない位相の式を導出する。信号処理部60は、上記(6)式における往復遅延時間τの項をキャリブレーションするために、参照側の光周波数コムの変調周波数を(f+δf)から(f−δf)に変更した状態で再度位相を測定する。これにより、信号処理部60は、−k次のサイドバンドのビート信号が(faom+kδf)の周波数の信号として得ることができる。この−k次のサイドバンドのビート信号に基づく位相φ’−kは、(7)式のように表わされる。
Figure 2011027649
また、信号処理部60は、上記(6)式及び(7)式から、(8)式に示す往復時間τを求める。
Figure 2011027649
ここで、検出部20とヘッド部30との間を接続する光ファイバ33のファイバ長を5mとした場合の往復時間τは、およそ50ns程度である。また、δf=500kHzとした場合、(7)式における2πδfτの取り得る値は、0.15rad程度と1よりも小さい。したがって、信号処理部60は、(8)式の整数値(Pk−1+P’‐k+1−P−P’‐k)を一義的に求めることができる。このように、信号処理部60は、整数値(Pk−1+P’‐k+1−P−P’‐k)を一義的に求めることができるため、(8)式によって往復時間τを求めることができる。
ここで、(6)式に2π(faom+kδf)τを加えたものを新たにφと定義する。すなわち、φは、(9)式のように表わされる。
Figure 2011027649
<キャリアの位相とモード間の相対位相について>
キャリアの位相φは、(9)式においてk=0の場合に得られ、(10)式のように表わされる。
Figure 2011027649
また、モード間の相対位相ψは、k次と(k−1)次との差分を取ることで得られ、(11)式のように表わされる。
Figure 2011027649
信号処理部60は、(11)式で示されるモード間の相対位相ψを計算する際に、(12)式及び(13)式で表わされる平均値をとる。
Figure 2011027649
Figure 2011027649
(12)式において、Wは、重みづけ関数であり、1=ΣWに規格化されている。
<群屈折率nの考慮について>
次に、群屈折率nを考慮に入れた場合の往復遅延時間τの計算方法について説明する。大気の屈折率には、波長依存性がある。信号処理部60は、屈折率が波長に対して一定ではなく往復遅延時間τが光の波長の関数になることから、上述した(11)式を群遅延時間τ(τ=τn/n)を用いて(14)式のように補正する。
Figure 2011027649
(14)式において、Nは、P−Pk−1の補正された整数である。以下の説明では、信号処理部60は、整数値N、或いはPを求め、上記(10)式又は(14)式により、往復遅延時間τ又は群遅延時間τを求めることで絶対距離を計算するものとする。
<モード間の相対位相を用いた距離の計算について>
次に、モード間の相対位相を用いた距離の計算について説明する。具体的に、信号処理部60は、上記(14)式を用いて絶対距離を計算する場合、整数値Nを求めなければならないため、変調周波数fを変えて測定を行う。なお、以下の説明では、遅延時間τのキャリブレーションが既に行われているものとする。
位置決め装置1において、測定対象40に照射される測定光の変調周波数をf、参照光の変調周波数をf’とする。位置決め装置1は、絶対距離を計測するモードにおいて、変調周波数fを複数の周波数に切り替えることが可能である。例えば、位置決め装置1は、変調周波数fを次のようなケース1及びケース2に切り替える。
ケース1:f=fm1 (例)25.0035GHz f’=f+/−δf(δf=500kHz)
ケース2:f=fm2 (例)24.9965GHz f’=f+/−δf(δf=500kHz)
ここで、ケース1で測定されたデータから計算された光周波数コムのモード間の相対位相をψ、ケース2で測定されたデータから計算された光周波数コムのモード間の相対位相をψとする。この場合、群遅延時間τは、(15)式又は(16)式のように表わされる。
Figure 2011027649
Figure 2011027649
また、(15)式又は(16)式で表わされる群遅延時間τは、(17)式のように表すことができる。
Figure 2011027649
(17)式において、0<τ<1/(fm1−fm2)の範囲を仮定すると、信号処理部60は、整数N−N’を一義的に求めることができる。(17)式において、0<τ<1/(fm1−fm2)の範囲を仮定した場合において、群遅延時間τの誤差δτは、(18)式のように表わされる。
Figure 2011027649
(18)式において、δψ及びδψは、ψとψとの測定誤差である。さらに、信号処理部60は、上述したケース1及びケース2を交互に連続して測定し、ψ及びψに関して位相接続しながら連続した測定データを求める。信号処理部60は、連続した多数の測定データから、平均値により誤差δτが、|δτ|<<1/(2xfm1)又は−1/(2xfm2)に収束するまで測定する。位相接続された連続したデータ内では、整数N及びN’が一定であり、整数N−N’が既知である。したがって、信号処理部60は、上述した(1)式、(2)式及び(3)式から、(19)式及び(20)式を計算することで、整数N、N’を求めることができる。
Figure 2011027649
Figure 2011027649
(19)式及び(20)において、端数処理とは、小数点以下を四捨五入することである。信号処理部60は、端数処理したN、N’を用いることにより、(15)式、(16)式から群遅延時間τを再計算する。あるいは、信号処理部60は、(15)式と(16)式の計算の平均である(21)式から群遅延時間τを再計算する。
Figure 2011027649
ここで、信号処理部60が(21)式を計算することで得られる遅延時間τの誤差δτは、(22)式のように表わされる。
Figure 2011027649
以上説明したように、信号処理部60は、真空中の光速度c及び大気の群屈折率n及び群遅延時間τを用いることで、反射体42までの絶対距離Lを(23)式によって求めることができる。
Figure 2011027649
<光のキャリアの位相を用いた距離の計算について>
次に、光周波数コムのキャリアの波長が安定化された場合の光のキャリアの位相を利用した、高精度測定における計算方法について説明する。信号処理部60は、測定された干渉信号からキャリアの位相を読むことにより、キャリアの光の位相を連続的に測定する。位置決め装置1は、干渉信号を処理してキャリア位相を得たものとする。なお、位置決め装置1は、変位計と同様に、ハードウェア的にキャリアの周波数成分だけ分離させた光の位相測定器を用いるようにしてもよい。
上記(10)式を用いて、光周波数コムの入力光の波長(真空波長λ=c/ν)による光の位相ψとすると、片道の絶対距離Lは、(24)式のように表わされる。
Figure 2011027649
(24)式において、nは大気の屈折率である。また、(24)式におけるLの値は、上述した式(23)の値に等しくなければならない。したがって、信号処理部60は、(23)式の誤差、すなわち、|δτcn/n|が(25)式を満たす場合に、(26)式としてPの整数を求めることができる。
Figure 2011027649
Figure 2011027649
信号処理部60は、(26)式によってPを決定することにより、(24)式を用いて反射体42までの絶対距離を求めることができる。信号処理部60で求められる絶対距離の精度は、光の位相ψの測定精度で決定される。光の位相ψの測定精度は、一般的に1/10000程度であるので、変位計モードとの連結された絶対距離の精度は、波長の1/10000程度のサブnmのオーダーとなる。
<迷光のキャリブレーションについて>
次に、迷光のキャリブレーションについて説明する。ヘッド部30の内部には偏光素子が存在し、偏光素子の消光比の影響で反射が微量に存在する。そのため、位置決め装置1においては、反射体42からの反射光量が少ない場合に、上述した(3)式で表わされるk次のサイドバンドのビート信号の成分S(ターゲット)の測定誤差が大きくなる問題が発生する。そこで、信号処理部60は、以下に説明する方法によりS(ターゲット)の測定誤差を低減する。
反射点での遅延時間をτとすると、光周波数コムの迷光のk次のサイドバンドの電場強度Emkは、(27)式のように表わされる。
Figure 2011027649
ここで、信号処理部60がS(ターゲット)を測定する場合には、(28)式に示すように、迷光に起因する第2項の影響が発生する。
Figure 2011027649
そこで、信号処理部60は、(28)式における第2項をキャンセルするために、反射体42側への光を遮光して、遮光時の干渉信号を測定し、(30)式で表わされる伝達関数Hを求める。
Figure 2011027649
Figure 2011027649
(30)式において、伝達関数Hは、τが変化しない限り一定となる。そのため信号処理部60は、(H*Sk(基準点))を(28)式から差し引くことにより、(28)式の迷光に起因する第2項をキャンセルすることができる。なお、信号処理部60は、偏光素子等の消光比による反射点での遅延時間τが略一定であるため、上述した迷光のキャリブレーション処理を測定開始時に一度行えばよい。
以上説明したように、信号処理部60は、検出部20により検出した干渉信号に基づいて、ビームスプリッタ21から参照面31までの距離を基準にしたときのビームスプリッタ21から反射体42までの距離を求めることができる。
制御部70は、信号処理部60で求めた反射体42までの絶対距離に応じてアクチュエータ50を制御することにより、測定対象42の位置を変化させる。
ここで、図4〜図6に示す位置決め装置1の構成例を参照しながら、制御部70の制御動作について説明する。
図4に示す例において、測定対象40として、略矩形状のステージ40aと、ステージ40a上に配置され反射体42が取り付けられたステージ40bとが配置されている。ステージ40aには、ステージ40bと接する一面側に、溝部43が形成されている。溝部43は、ステージ40aに固定されたヘッド部30から出射されるビームと平行な方向に、ステージ40aの一端から他端側にかけて形成されている。制御部70は、信号処理部60で求めた絶対距離に応じて、ヘッド部30から出力されるビームと平行な方向にステージ40bの位置が移動するように、ステージ40bに取り付けられた図示しないアクチュエータ50を制御する。
また、図5に示す位置決め装置1の構成例は、図4に示す構成例と比較して、ヘッド部30が、ステージ40a、40bとは別のステージ40c上に固定されている点で異なる。図5に示す位置決め装置1は、ステージ40cを絶対距離を求める際の位置決めの基準とし、ステージ40cに対するステージ40bの位置を絶対距離測定によって計測する。なお、図4及び図5に示す位置決め装置1において、参照面31は、ヘッド部30の内部に設けられているが、図6に示すように、ヘッド部30から出射される参照光を反射可能な位置であってステージ40a上に参照面31を配置してもよい。
次に、位置決め装置1を用いた位置決め方法について図7〜図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。図7に示すステップS1において、信号処理部60は、各種パラメータの初期設定、例えば発振器周波数の初期設定や1回目の環境設定を行う。
ステップS2において、信号処理部60は、環境計測を行うかどうかを判断し、環境計測を行う場合にはステップS3の処理に進み、環境計測を行わない場合にはステップS4の処理に進む。環境計測とは、例えば温度、湿度、気圧等を測定することをいう。
ステップS3において、信号処理部60は、温度、湿度及び気圧を測定する。
ステップS4において、信号処理部60は、迷光測定を行うかどうかを判断し、迷光測定を行う場合にはステップS5の処理に進み、迷光測定を行わない場合にはステップS6の処理に進む。
ステップS5において、信号処理部60は、迷光測定を行う。具体的に、信号処理部60は、図8に示すステップS20〜ステップS25の処理を行う。ステップS20において、信号処理部60は、測定対象40への光が遮光されているかどうかを判断する。信号処理部60は、測定対象40への光が遮光されていると判断した場合にはステップS21の処理に進み、測定対象40への光が遮光していないと判断した場合にはエラーを返してステップS6の処理に進む。
ステップS21〜ステップS24において、信号処理部60は、使用する全ての変調周波数fのケースにおいて、測定対象40への光を遮光した状態で干渉信号を計測し、基準光検出器23aにより検出した干渉信号への伝達関数Hを上記(30)式により求める。すなわち、信号処理部60は、参照側の干渉信号から、測定対象40側へ漏れている干渉信号への伝達関数Hを求める。信号処理部60は、伝達関数Hを求めることにより、以後の絶対距離測定モード又は高速測定モードにおいて、求めた伝達関数Hを用いて測定対象40側の干渉信号に含まれる迷光の波形を予測してキャンセルする。
このように、位置決め装置1は、反射体42へ入射される測定光が遮光した状態で測定光検出器23bが遮光時の干渉信号を検出し、信号処理部60が、測定光検出器bにより検出した遮光時の干渉信号と、基準光検出器23aにより検出した干渉信号とに基づいて、上記(28)式乃至(30)式により伝達関数Hを求める。位置決め装置1は、上記(28)式のS(ターゲット)から伝達関数Hと上記(4)式のS(基準点)との積を引くことにより、上記(28)式の第2項をキャンセルすることができる。これにより、位置決め装置1は、反射体42からの反射光量が少ない場合に、上記(3)式で表わされるS(ターゲット)の測定誤差を小さくすることができるため、高精度で絶対距離を求めることができる。
図7に戻り、ステップS6において、信号処理部60は、光周波数コムの変調周波数を切り替えて上述した(23)式により絶対距離Lを計算する。信号処理部60は、発振周波数の設定及び干渉信号の計測を行う際に、以下の4つのケースを順繰りに行う。
ケース1:f=fm1 ’=f+δf
ケース2:f=fm2 ’=f+δf
ケース3:f=fm2 ’=f−δf
ケース4:f=fm1 ’=f−δf
具体的に、信号処理部60は、ステップS6において、図9のフローチャートに示すステップS30〜ステップS42の処理を実行する。
ステップS30において、制御部70は、測定対象40を静止させる。
ステップS31において、信号処理部60は、発振器14の周波数設定をf=fm1とするとともに、発振器15の周波数設定をf’=f+δfとする。
ステップS32において、信号処理部60は、測定回数が所定回数N以上となったか否かを判断し、所定回数以上である場合にはステップS7の処理に進み、所定回数より少ない場合にはステップS33に進む。ステップS33において、信号処理部60は、ステップS31で設定した発振器周波数で干渉信号を測定する。
ステップS34において、信号処理部60は、発振器14の周波数設定をf=fm2に変更するとともに、発振器15の周波数設定をf’=f+δfに変更する。ステップS35において、信号処理部60は、干渉信号を測定する。
ステップS36において、信号処理部60は、発振器14の周波数設定をf=fm2とするとともに、発振器15の周波数設定をf’=f−δfとする。ステップS37において、信号処理部60は、ステップS34で設定した発振器周波数で干渉信号を測定する。
ステップS38において、信号処理部60は、発振器14の周波数設定をf=fm1に変更するとともに、発振器15の周波数設定をf’=f−δfとする。ステップS39において、信号処理部60は、ステップS38で設定した発振器周波数で干渉信号を測定する。
ステップS40において、信号処理部60は、発振器14の周波数設定をf=fm1とするとともに、発振器15の周波数設定をf’=f+δfに変更する。
ステップS41において、信号処理部60は、相対位相φ及び相対位相φを計算して、(17)式により群遅延時間τを計算する。
ステップS42において、信号処理部60は、上記(19)式及び(20)式のN、N’が整数値に収束したかどうかを判断し、N、N’が整数値に収束した場合にはステップS7の処理に進む。一方、ステップS42において、信号処理部60は、ある特定回数を測定してもN、N’が整数値に収束していない場合には、エラーを返してステップS32の処理に戻る。
このように、信号処理部60は、発振器14,発振器15を複数の変調周波数に切り替えて測定光検出器23bにより検出した干渉信号及び基準光検出器23aにより検出した干渉信号に基づいて、上記(15)式乃至(22)式から遅延時間τ、相対位相ψ1、相対位相ψ2を求めることにより、上記(23)式から絶対距離Lを求めることができる。
なお、発振周波数の設定及び干渉信号の計測の順番は、上述の例に限定されず、例えば以下のケース1’〜ケース4’ を順繰りに行うようにしてもよい。
ケース1’:f=fm1 ’=f+δf
ケース2’:f=fm1 ’=f−δf
ケース3’:f=fm2 ’=f+δf
ケース4’:f=fm2 ’=f−δf
また、往復遅延時間τのキャリブレーションデータが蓄積されているのであれば、信号処理部60は、次の2つのケース、すなわち、ケース1”及びケース2”のみについて、発振周波数の設定及び干渉信号の計測を行うようにしてもよい。
ケース1”:f=fm1 ’=f+δf
ケース2”:f=fm2 ’=f+δf
ステップS7において、信号処理部60は、高速測定を行うかどうかを判断し、高速測定を行う場合にはステップS8の処理に進み、高速測定を行わない場合にはステップS9の処理に進む。
ステップS8において、信号処理部60は、高速測定を行う。信号処理部60は、上述したステップS6の絶対距離測定モードにおいて発振周波数fを切り替えるので、発振器の位相同期の安定時間まで待つ必要がある。そのため、信号処理部60は、周波数を切り替えている間、干渉信号を測定することができない。したがって、位置決め装置1は、周波数を切り替えている間、測定対象40を静止する必要がある。そこで、ステップS8において、信号処理部60は、図10のステップS50〜ステップS52に示す高速測定モードによって、測定対象40が動いている場合でも距離を測定することを可能とする。
信号処理部60は、高速測定モードにおいて、発振周波数fを一定にして測定する。絶対距離測定モード終了時点において、発振周波数fは、図9のステップS40に示すケース1(f=fm1、f’=f+δf)の状態になっている。
ステップS50において、信号処理部60は、ステップS6の絶対距離測定モードから、続けて相対位相φ及び相対位相φに関して位相接続しながら連続する測定データを得る。
ステップS51において、信号処理部60は、ステップS50において相対位相φ及び相対位相ψに関して位相接続しながら連続する測定データを得ているため、上述した整数値NやPが変化しないため、上述した(23)式から絶対距離を求めることができる。また、ステップS51において、信号処理部60は、キャリア位相についても連続データから位相接続しながら測定できるため、整数値Pの値が変化せず、(24)式により絶対距離を求めることができる。
ステップS52において、信号処理部60は、光が中断されたか否かを判断し、光が中断された場合にはステップS9の処理に進み、光が中断されていない場合にはステップS50の処理を再び実行する。
このように、位置決め装置1は、信号処理部60が、基準光検出器23bで検出した干渉信号と基準光検出器aで検出した干渉信号との時間差による絶対距離を求めるとともに、キャリア周波数成分の位相による変位測定を行う。このように、位置決め装置1は、絶対距離測定モードから続けてキャリア位相φ及び相対位相ψに関して位相接続しながら連続の測定データを得ることにより、上記(24)乃至(26)式から、測定対象40が動いている場合でも絶対距離を測定することが可能となる。すなわち、位置決め装置1は、ステップS8の高速測定モードを実行することにより、絶対距離測定モードにおいて発振周波数fを切り替える際の、発振器の位相同期の安定時間を待つ必要がなくなるため、絶対距離を高精度かつ高速で求めることが可能となる。
ステップS9において、信号処理部60は、一連の処理を終了するかどうかを判断し、一連の処理を終了する場合にはステップS10の処理に進み、一連の処理を終了しない場合にはステップS2の処理に戻る。
ステップS10において、信号処理部60は、後処理として測定したデータをメモリ(図示せず)に記憶する。
以上説明したように、位置決め装置1は、光線が遮られた場合でも原点復帰することなく信号処理部60によりに測定対象までの絶対距離を高精度に測定し、制御部70が絶対距離に応じてアクチュエータ50を制御することにより測定対象40の位置を変化させることが可能となる。
<第2の実施の形態>
図11に示す第2の実施の形態に係る位置決め装置1’は、第1の実施の形態に係る位置決め装置1の構成と比較して次の3点が異なる。すなわち、1点目として、位置決め装置1’は、光源10から出射される参照光及び測定光としての光周波数コムの全波長を各出力チャネルに分配する分波器90を備える。分波器90は、光周波数コムの各チャネルが、コム状スペクトルのままとなるように、光源10から出射された光周波数コムのパワーを分配する。2点目として、位置決め装置1’は、出力チャネルの数に対応した数の検出部20及びヘッド部30を備える。3点目として、位置決め装置1’は、検出部20が、光周波数コム干渉計27と、信号処理部28とを有する。
分波器90は、例えば図12に示すように光フィルタ91a〜91fを有し、各光フィルタの光透過率を調整することで、コム状スペクトルのままとなるように光源10から出射された光周波数コムのパワーを分配する。
光周波数コム干渉計27は、分波器90で分配された測定光をヘッド部30に入射するとともに分波器90で分配された参照光を図示しない参照面に入射する。また、光周波数コム干渉計27は、ヘッド部30を介して反射体42から戻された測定光と参照面から戻された参照光とを重ね合わせた干渉光に基づく干渉信号を検出する。信号処理部28は、光周波数コム干渉計27で検出した干渉信号に基づいて、参照面までの距離を基準にした反射体42までの距離を求める。信号処理部60は、複数の検出部20から供給された距離の結果に基づいて測定対象40の傾斜又は回転角を検出し、測定対象40の傾斜又は回転角に関する検出結果を制御部70に出力する。
図13に示すように、位置決め装置1’において、測定の基準となる略矩形状のステージ40dは、例えば、ヘッド部30a、30b、30cのように2以上のヘッド部をステージ40dの角に搭載している。また、位置決め装置1’において、測定対象となるステージ40eは、反射体42としての複数の反射体である反射体42a、42b、42cがステージ40eの角にそれぞれ取付けられている。反射体42としては、例えば、ヘッド部30aから入射する測定光を正確に逆の方向、すなわち、ヘッド部30a側に反射することが可能なもの、例えばレトロリフレクタ(逆反射器)が用いられる。位置決め装置1’は、異なる2点以上でステージ40dとステージ40eとの間の距離測定を行うことによって、ステージ40eの傾斜を測定することができる。したがって、位置決め装置1’は、光線が遮断されても反射体42を基準面まで戻すことなく高精度で測定対象40までの距離を測定し、測定した測定対象40までの距離を用いて測定対象40の姿勢を制御することが可能となる。
具体的に、位置決め装置1’は、ステージ40eに取り付けられた反射体42aと反射体42bとの距離(Lx)、ヘッド部30aと反射体42aとの距離L1及びヘッド部30bと反射体42bとの距離L2に基づいて、ステージ40eの傾斜角αを求めることができる。同様に、位置決め装置1’は、反射体42bと反射体42cとの距離(Ly)、ヘッド部30bと反射体42bとの距離L2及びヘッド部30cと反射体42cとの距離L3に基づいて、ステージ40eの傾斜角βを求めることができる。したがって、位置決め装置1’は、信号処理部60により求めたステージ40eの傾斜角αやステージ40eの傾斜角βを用いて、制御部70によりステージ40eの姿勢を制御することが可能となる。
また、位置決め装置1’は、例えば図14に示す構成を用いることにより、測定対象40の回転角を測定することができる。位置決め装置1’において、測定の基準となるステージ40fは、例えば、ヘッド部30d、30eのように2以上のヘッド部を搭載している。測定対象となるステージ40gには、反射体42としての反射体42d、42eが、ステージ40gの角であってステージ40fと対向する部位にそれぞれ取り付けられている。ヘッド部30dは、反射体42dに測定光を照射するとともに反射体42dから戻される測定光を入射する。また、ヘッド部30eは、反射体42eに測定光を照射するとともに反射体42eから戻される測定光を入射する。
位置決め装置1’は、ヘッド部30dと反射体42dとの間の距離(L1)及びヘッド部30eと反射体42eとの間の距離(L2)を測定し、距離L1及び距離L2と、ヘッド部30c及びヘッド部30dから出射される測定光の間隔(Ly)とに基づいて、ステージ40gの回転角θを求めることができる。したがって、位置決め装置1’は、信号処理部60により求めたステージ40gの回転角θを用いて、制御部70によりステージ40gの姿勢を制御することが可能となる。なお、図14において、ヘッド部30c及びヘッド部30dから出射される測定光の間隔(Ly)は、予め求めておくものとする。
以上説明したように、位置決め装置1‘は、光線が遮られた場合でも原点復帰することなく信号処理部60によりに測定対象までの絶対距離を高精度に測定し、制御部70が絶対距離に応じてアクチュエータ50を制御することにより測定対象40の位置を変化させることが可能となる。
<変形例>
なお、本実施形態に係る位置決め装置1は、上述した例に限定されるものではなく例えば、図15に示す位置決め装置1”のように、ヘッド部30と検出部20とを一体化してもよい。また、位置決め装置1は、図16及び図17に示す位置決め装置1”’のように、光源10として1台の光周波数コム発生器を用いるようにしてもよい。
図15に示す位置決め装置1”は、ヘッド部30が、図2に示す偏光子22a、22bと、基準光検出器23aと、測定光検出器23bと、参照面31とを内部に備えている。また、位置決め装置1”は、偏光ビームスプリッタ21aと、ビームスプリッタ21bと、1/4波長板(λ/4板)34a,34bとを備えている。
ビームスプリッタ21bは、光源10から出射された測定光と参照光との干渉光を偏光子22aに向かう光と、偏光ビームスプリッタ21aに向かう光とに分岐する。偏光ビームスプリッタ21aは、ビームスプリッタ21bから入射された測定光と参照光との干渉光を、1/4波長板34aに向かう参照光と、1/4波長板34bに向かう測定光とに分岐する。また、偏光ビームスプリッタ21aは、1/4波長板34bを介して参照面31から戻された参照光を偏光子22bに入射するとともに、1/4波長板34aを介して反射体42から戻された測定光を偏光子22bに入射する。
また、図16及び図17に示すように、位置決め装置1”’は、1台の光周波数コム発生器を用いる場合、波長分割機能を有する光検出器を備える。位置決め装置1”’は、1台の光周波数コム発生器を用いる場合には、光周波数コムの全ての周波数成分の干渉信号が同じ周波数になるため、光検出の際に波長分割することにより、光周波数コムの各モードの位相情報を分離する。光周波数コム発生器が1台の場合、1つの光周波数コムが、測定光と参照光とを兼ねる。なお、図16及び図17に示す位置決め装置1”’において、上述した位置決め装置1と同一の構成については同一の符号を付して詳細の説明を省略する。
図16に示す位置決め装置1”’は、検出部20が、それぞれ2個の分光器25a,25bと、光検出器アレイ26a,26bを備える。また、位置決め装置1”’は、ビームスプリッタ21と参照面31との間に1/8波長板(λ/8板)34を備え、光周波数コム発生器12からの光周波数コム出力の偏光を1/8波長板34の結晶軸に一致した成分と直交した成分を持つように調整しておく。1/8波長板34は、ビームスプリッタ21から入射された参照光の一方の偏光成分に往復で1/4波長の位相シフトを与える。さらに、検出部20は、1/8波長板34により1/4波長の位相シフトされた成分の干渉光を分離する偏光ビームスプリッタ24を備え、偏光ビームスプリッタ24により分離した干渉光Pca,Pcbを分光器25aと分光器25bに入射する。検出部20は、分光器25bにより干渉光Pcaに含まれる光スペクトルを分離して光検出器アレイ26aで検出するとともに、分光器25bにより干渉光Pcbに含まれる光スペクトルを分離して光検出器アレイ26bで検出する。
信号処理部60は、信号処理部60aにより光検出器アレイ26aによる検出出力に基づいて、干渉光Pcaのacosθn成分の電圧を算出するとともに、信号処理部60bにより光検出器アレイ26bによる検出出力に基づいて、干渉光Pcbのasinθn成分の電圧を算出する。信号処理部60は、算出した干渉信号のsin成分とcos成分との電圧から距離を求める。このように、位置決め装置1”’は、干渉信号のsin成分とcos成分の電圧を計測することにより、位相と振幅を測定し、絶対距離を求めることができる。
また、図17に示す位置決め装置1”’は、ビームスプリッタ21と参照面31との間に、発振器37の出力により動作する周波数シフタ36を備える。図17に示す位置決め装置1”’は、周波数シフタ36が、ビームスプリッタ21から参照面31に向けて出射された参照光の周波数をシフトしてビームスプリッタ21に戻す。図17に示す位置決め装置1”’は、ビームスプリッタ21と参照面31との間に周波数シフタ36を挿入することにより、光検出器アレイ26で観測される干渉信号の周波数シフトがfaとなるため、信号処理部60での信号処理による位相比較が行いやすくなる。また、図17に示す位置決め装置1”’は、交流成分を観測しているので、1モードあたり1個の検出器で干渉信号の位相と振幅を測定することができる。
1 位置決め装置、10 光源、12,13 光周波数コム発生器、14,15,16 発振器、17 周波数シフタ、20 検出部、23a 基準光検出器、23b 測定光検出器、30 ヘッド部、31 参照面、40 測定対象、42 反射体、50 アクチュエータ、60 信号処理部、70 制御部、90 分波器

Claims (8)

  1. 互いに位相同期され干渉性のある参照光としての光周波数コムと、測定光としての光周波数コムとを出射する光源と、
    上記光源から出射された測定光を、測定対象に取り付けられ該測定光を反射する反射体に照射するヘッド部と、
    上記光源から出射された参照光が入射される参照面と、
    上記反射体で反射され上記ヘッド部を介して戻された測定光と、上記参照面から戻された参照光との干渉光に基づく干渉信号を検出する検出部と、
    上記検出部により検出した干渉信号に基づいて、上記参照面までの距離を基準にした上記反射体までの距離を求める信号処理部と、
    上記測定対象の位置を変化させるアクチュエータと、
    上記信号処理部で求めた距離に応じて上記アクチュエータを制御する制御部と
    を備える位置決め装置。
  2. 上記光源は、
    第1の発振器により、第1の変調周波数の変調信号でレーザ光を変調して上記測定光としての光周波数コムを生成する第1の光周波数コム発生器と、
    周波数をシフトする周波数シフタと、
    第2の発振器により、上記周波数シフタで周波数シフトしたレーザ光を上記第1の変調周波数とは異なる第2の変調周波数の変調信号で変調することにより、上記第1の光周波数コムとはモード周波数間隔が異なる上記参照光としての光周波数コムを生成する第2の光周波数コム発生器とを有し、
    上記検出部は、
    上記参照面から戻された参照光と上記測定対象から戻された測定光との第1の干渉光に基づく第1の干渉信号を検出する測定光検出器と、
    上記光源から出射された参照光と上記光源から出射された測定光との第2の干渉光に基づく第2の干渉信号を検出する基準光検出器とを有し、
    上記信号処理部は、上記測定光検出器で検出した第1の干渉信号と上記基準光検出器で検出した第2の干渉信号とに基づく時間差を検出し、該時間差と光速と測定波長における屈折率とに基づいて上記参照面までの距離と上記反射体までの距離との差を求めることで、該反射体までの距離を求める請求項1記載の位置決め装置。
  3. 上記第1の発振器及び上記第2の発振器は、複数の変調周波数に切り替えられ、
    上記信号処理部は、複数の変調周波数で上記測定光検出器により検出した上記第1の干渉信号と上記基準光検出器により検出した第2の干渉信号とに基づいて、上記反射体までの距離を求める請求項2記載の位置決め装置。
  4. 上記信号処理部は、上記基準光検出器で検出した第1の干渉信号と上記基準光検出器で検出した第2の干渉信号との時間差による上記反射体までの距離を求めるとともに、キャリア周波数成分の位相による変位測定を行う請求項3記載の位置決め装置。
  5. 上記測定光検出器は、上記反射体へ入射される測定光が遮光した状態で、遮光時の上記第1の干渉信号を検出し、
    上記信号処理部は、上記測定光検出器により検出した上記遮光時の第1の干渉信号と、上記基準光検出器により検出した第2の干渉信号とに基づいて、上記反射体までの距離を求める請求項2乃至4のうちいずれか1項に記載の位置決め装置。
  6. 互いに位相同期され干渉性のある参照光としての光周波数コムと、測定光としての光周波数コムとを出射する光源と、
    上記光源から出射された上記参照光及び上記測定光を複数の出力チャネルに分波する分波器と、
    上記分波器で分波された測定光を、測定対象に取り付けられ該測定光を反射する複数の反射体に対して上記出力チャネルごとに照射する複数のヘッド部と、
    上記分波器で分波された参照光が出力チャネルごとに入射される複数の参照面と、
    上記反射体で反射され上記ヘッド部を介して戻された各測定光と該測定光に対応する上記参照面で反射された各参照光との各干渉光に基づく干渉信号を検出する複数の検出部と、
    上記複数の検出部で検出した各干渉信号に基づいて、上記参照面までの距離を基準にした上記反射体までの距離を検出し、該距離と上記反射体間の距離とから測定対象の傾斜又は回転角を検出する信号処理部と、
    上記測定対象の位置を変化させるアクチュエータと、
    上記信号処理部で検出した距離、傾斜角及び回転角のうちいずれか1つに応じて上記アクチュエータを制御する制御部と
    を備える位置決め装置。
  7. 光源が、互いに位相同期され干渉性のある参照光としての光周波数コムと、測定光としての光周波数コムとを出射する出射ステップと、
    ヘッド部が、上記光源から出射された測定光を、測定対象に取り付けられ該測定光を反射する反射体に照射する照射ステップと、
    検出部が、上記反射体で反射され上記ヘッド部を介して戻された測定光と、上記光源から出射された参照光が入射される参照面から戻された参照光との干渉光に基づく干渉信号を検出する干渉信号検出ステップと、
    信号処理部が、上記検出部により検出した干渉信号に基づいて、上記参照面までの距離を基準にした上記反射体までの距離を求める距離算出ステップと、
    制御部が、上記信号処理部で求めた距離に応じて、上記測定対象の位置を変化させるアクチュエータを制御する制御ステップと
    を有する位置決め方法。
  8. 光源が、互いに位相同期され干渉性のある参照光としての光周波数コムと、測定光としての光周波数コムとを出射する出射ステップと、
    分波器が、上記光源から出射された上記参照光及び上記測定光を複数の出力チャネルに分波する分波ステップと、
    複数のヘッド部が、上記分波器で分波された測定光を、測定対象に取り付けられ該測定光を反射する複数の反射体に対して上記出力チャネルごとに照射する照射ステップと、
    複数の検出部が、上記反射体で反射され上記ヘッド部を介して戻された各測定光と、上記分波器で分波された参照光が出力チャネルごとに入射される複数の参照面で反射された該測定光に対応する参照光との各干渉光に基づく干渉信号を検出する干渉信号検出ステップと、
    信号処理部が、上記複数の検出部で検出した各干渉信号に基づいて、上記参照面までの距離を基準にした上記反射体までの距離を求め、該距離と上記反射体間の距離とから測定対象の傾斜又は回転角を求める傾斜・回転角検出ステップと、
    制御部が、上記信号処理部で求めた距離、傾斜角及び回転角のうち少なくともいずれか1つに応じて上記測定対象の位置を変化させるアクチュエータを制御する制御ステップと
    を有する位置決め方法。
JP2009175887A 2009-07-28 2009-07-28 位置決め装置及び位置決め方法 Active JP5421013B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009175887A JP5421013B2 (ja) 2009-07-28 2009-07-28 位置決め装置及び位置決め方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009175887A JP5421013B2 (ja) 2009-07-28 2009-07-28 位置決め装置及び位置決め方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011027649A true JP2011027649A (ja) 2011-02-10
JP5421013B2 JP5421013B2 (ja) 2014-02-19

Family

ID=43636560

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009175887A Active JP5421013B2 (ja) 2009-07-28 2009-07-28 位置決め装置及び位置決め方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5421013B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015137969A (ja) * 2014-01-23 2015-07-30 株式会社東京精密 ステージの位置制御装置及び方法
JP2015163863A (ja) * 2014-01-29 2015-09-10 株式会社東京精密 多点距離測定装置及び方法並びに形状測定装置
JP2015178982A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 アイシン精機株式会社 形状測定装置及び形状測定方法
JP2017187507A (ja) * 2017-07-07 2017-10-12 株式会社東京精密 ステージの位置制御装置
JP2020508467A (ja) * 2017-01-20 2020-03-19 フォーカス センサーズ リミテッド. 分散型音響センシング
JP2020512551A (ja) * 2017-03-22 2020-04-23 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. 位置測定システム、ゼロ調整方法、リソグラフィ装置およびデバイス製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001227911A (ja) * 2000-02-18 2001-08-24 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 干渉検出装置、トモグラフィー装置
WO2006019181A1 (ja) * 2004-08-18 2006-02-23 National University Corporation Tokyo University Of Agriculture And Technology 形状測定方法、形状測定装置および周波数コム光発生装置
JP2006510199A (ja) * 2002-12-12 2006-03-23 ザイゴ コーポレーション フォトリソグラフィック露光サイクルの間のステージ・ミラー歪の工程内補正
JP2006106000A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Samsung Electronics Co Ltd 変位測定のための干渉計システム及びこれを利用した露光装置
JP2008051674A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 位置決め機構

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001227911A (ja) * 2000-02-18 2001-08-24 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 干渉検出装置、トモグラフィー装置
JP2006510199A (ja) * 2002-12-12 2006-03-23 ザイゴ コーポレーション フォトリソグラフィック露光サイクルの間のステージ・ミラー歪の工程内補正
WO2006019181A1 (ja) * 2004-08-18 2006-02-23 National University Corporation Tokyo University Of Agriculture And Technology 形状測定方法、形状測定装置および周波数コム光発生装置
JP2006106000A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Samsung Electronics Co Ltd 変位測定のための干渉計システム及びこれを利用した露光装置
JP2008051674A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 位置決め機構

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015137969A (ja) * 2014-01-23 2015-07-30 株式会社東京精密 ステージの位置制御装置及び方法
JP2015163863A (ja) * 2014-01-29 2015-09-10 株式会社東京精密 多点距離測定装置及び方法並びに形状測定装置
JP2015178982A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 アイシン精機株式会社 形状測定装置及び形状測定方法
JP2020508467A (ja) * 2017-01-20 2020-03-19 フォーカス センサーズ リミテッド. 分散型音響センシング
JP2020512551A (ja) * 2017-03-22 2020-04-23 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. 位置測定システム、ゼロ調整方法、リソグラフィ装置およびデバイス製造方法
US10883816B2 (en) 2017-03-22 2021-01-05 Asml Netherlands B.V. Position measurement system, zeroing method, lithographic apparatus and device manufacturing method
JP2017187507A (ja) * 2017-07-07 2017-10-12 株式会社東京精密 ステージの位置制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5421013B2 (ja) 2014-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8363226B2 (en) Optical interference measuring apparatus
WO2010001809A1 (ja) 距離計及び距離測定方法並びに光学的三次元形状測定機
US5106191A (en) Two-frequency distance and displacement measuring interferometer
US9506739B2 (en) Distance measurement by beating a varying test signal with reference signal having absolute frequency value predetermined with a specified accuracy
JP5421013B2 (ja) 位置決め装置及び位置決め方法
WO2014203654A1 (ja) 距離測定装置、形状測定装置、加工システム、距離測定方法、形状測定方法および加工方法
JP2010112768A (ja) 計測装置
US20150070685A1 (en) Multiscale distance measurement with frequency combs
JP6792933B2 (ja) 合成波レーザー測距センサ及び方法
JP7152748B2 (ja) 距離計及び距離測定方法並びに光学的三次元形状測定機
JP2010203860A (ja) 振動計測装置及び振動計測方法
EP0512450B1 (en) Wavelength variation measuring apparatus
US20130088722A1 (en) Measurement apparatus
JP5363231B2 (ja) 振動計測装置及び振動計測方法
JP5468836B2 (ja) 測定装置及び測定方法
JP2016048188A (ja) 距離測定装置
JP6264547B2 (ja) 光信号生成装置、距離測定装置、分光特性測定装置、周波数特性測定装置及び光信号生成方法
JP5949341B2 (ja) 距離測定装置
US6577400B1 (en) Interferometer
JP6628030B2 (ja) 距離測定装置及びその方法
JP2014149190A (ja) 計測装置、計測方法、光源装置および物品の製造方法
CN115031622A (zh) 用于干涉距离测量的装置
JP2004055775A (ja) 波長モニタ及びモータ駆動制御装置
Weimann et al. Synthetic-wavelength interferometry improved with frequency calibration and unambiguity range extension
Yang et al. Long-distance measurement applying two high-stability and synchronous wavelengths

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130702

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131022

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5421013

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533