JP2014047997A - ルームエアコン用アルミニウム製熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の熱媒体流路を有するアルミニウム製扁平状熱交換チューブ3は、Feが0.15〜0.35質量%、Siが0.15質量%以下、Cuが0.35〜0.55質量%、Zrが0.02〜0.05質量%、Tiが0.003〜0.010質量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有する。アルミニウム製コルゲートフィン4は、心材4aと、該心材の両面に皮材4bがクラッドされたブレージングシートからなり、心材はZnが1.3〜2.2質量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有し、皮材はZnが0.7〜1.3質量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有する。
【選択図】 図4
Description
この発明における微細な熱媒体流路3aを有する薄肉小型の押出扁平管からなる熱交換チューブ3は、耐久性や工業的な見地からの生産性が課題となる。一般的に押出扁平管としてJIS A 1000系の純アルミ材やJIS A 3000系のAl−Mn系材料が使用されるが、純アルミ材では耐腐食性の見地から課題があり、一方Al−Mn系材料では薄肉で小型の押出性という点では生産性に課題がある。そこで、この発明では、押出性及び合金自身の耐腐食性の点から優れた合金が使用される。以下その特性を説明する。なお、以下の元素の添加量はいずれも質量%である。
Feは、強度を向上させる働きがあり、0.15%以上で適切な強度になる、一方0.35%を超えると、Al-Fe化合物を結晶粒界に生じさせ、耐腐食性に影響を及ぼすおそれがあるのでこれを上限とする。
Siは、母材として混入する不可避的不純物であるが、Al-Fe-Si化合物を生成し押出性を低下させることになるので、上限値を0.15%とする。
Cuは、孔食電位の保持に寄与するとともに、深い孔食を抑制する元素であり、孔食電位の確保には0.35%以上含有させることが必要である。但しCu量が多くなるとAl-Cu化合物を形成し、粒界腐食を促進するおそれや、押出圧力増加により押出性を低下させるので、上限値は0.55%とする。
Zrは、微量添加においても材料の高温強度を向上させ、また微細再結晶となり高速押出での表面肌荒れ防止に効果がある。一方、0.05%を超えると他元素との化合物を形成し、押出圧力を増大させ押出性を低下させるので、上限値は0.05%とする。
Tiは、結晶粒の微細化を図ると共に組織を安定化する上で重要であり、0.003%以上を含有させることが好ましい。しかし、その含有量が多くなると、粗大な金属間化合物を生成して押出性を低下させるので上限値を0.010%とする。
・その他は、アルミニウム及び不可避的不純物である。
フィン4は、心材4aとろう材である皮材4bが両面にクラッドされているブレージングシートであり、工業的見地及びコスト面を考慮し、汎用性がある規格合金が使用されることが望ましい。
<試験条件(ダクトでの単体性能評価)>
・冷媒:ハイドロフルオロカーボン(HFC)
・凝縮圧力(入口):1.08MPa
・前面空気温度:30℃
・前面風速:1.5m/s〜4m/s
上述した通り、Cu管を使用するフィンチューブ型熱交換器では、アルミニウム製フィンが早期に腐食するがCu管は長期に亘ってガス漏れに至る腐食の発生は見られず、特殊な環境を除いて長期耐久性と言う観点では良好な熱交換器と言える。
アルミニウム製品のろう付け方法として、上述したように、フラックスを使用しない真空ろう付け法とフラックスを用いる炉中ろう付け法が広く実用化されている。何れもアルミニウムろう付けにおいて必須であるアルミニウム表面の酸化皮膜を除去する方法の違いによるが、真空ろう付け法の場合は、真空度が約1×10-2Pa以下の雰囲気でのろう付け加熱に伴い、構成材料の一部に添加されるMg元素が蒸発することで、表面の酸化皮膜は破壊され、接合が可能となる。
熱交換チューブについて、表4に示す成分組成を有する各種アルミニウム合金(発明合金1〜5,比較合金6〜11)について、押出成形性、強度を検証した。
次に、熱交換チューブの検証で総合評価が○のチューブ材と、ブレージングシートを加工したコルゲートフィン及びヘッダーパイプを組付けてろう付し、図1に示すような熱交換器を作製し、塩水噴霧試験(JIS Z2371)で耐食性の評価をした。表5に各種熱交換器の構成と評価結果を示す。
・コアサイズ:300H×400Lmm
・熱交換チューブ:13.85W×1.93Hmm
・コルゲートフィン:ブレージングシート、7.9H×14Wmm、厚さ0.85mm
・フラックス:ノコロックフラックス(フルオロアルミン酸カリウム系フラックス)
塗布量 約5g/台
・ろう付:N2ガス雰囲気メッシュベルト式連続ろう付炉
ろう付温度600℃
ろう付性については、フィンと熱交換チューブの接合が全接合面の98%以上を○、98%未満を×とした。
2a,2b ヘッダーパイプ
3 熱交換チューブ
4 コルゲートフィン
4a 心材
4b 皮材(ろう材)
4c フィレット(接合部)
Claims (3)
- 複数の熱媒体流路を有するアルミニウム製押出形材からなる扁平状熱交換チューブと、アルミニウム製コルゲートフィンが並列状に複数配置され、上記扁平状熱交換チューブの両端が、対峙する一対のアルミニウム製ヘッダーパイプに連通接続され、フッ化物系フラックスで一体ろう付けされてなるルームエアコン用アルミニウム製熱交換器であって、
上記扁平状熱交換チューブは、Feが0.15〜0.35質量%、Siが0.15質量%以下、Cuが0.35〜0.55質量%、Zrが0.02〜0.05質量%、Tiが0.003〜0.010質量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有し、
上記コルゲートフィンは、心材と、該心材の両面に皮材がクラッドされたブレージングシートからなり、心材はZnが1.3〜2.2質量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有し、皮材はZnが0.7〜1.3質量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有する、ことを特徴とするルームエアコン用アルミニウム製熱交換器。 - 請求項1記載のルームエアコン用アルミニウム製熱交換器において、
上記扁平状熱交換チューブの表面には、防食を目的とするZnが塗布されていない、ことを特徴とするルームエアコン用アルミニウム製熱交換器。 - 請求項1又は2に記載のルームエアコン用アルミニウム製熱交換器において、
上記フッ化物系フラックスが非腐食性のフルオロアルミン酸カリウム系フラックスである、ことを特徴とするルームエアコン用アルミニウム製熱交換器。
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