JP2014047385A - 水溶性防錆剤及びその塗布方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、乾燥性及びブロッキング性に優れ、さらに脱脂性も良好な水溶性防錆剤を提供することにある。
【解決手段】本発明は、ビニル変性アルキッド樹脂を水に溶解または分散させた水溶性防錆剤であって、前記水溶性防錆剤は、下記の計算式によって計算される計算ガラス転移温度(計算TG点)が−20℃〜35℃の範囲にある異なる値を有するビニル変性アルキッド樹脂を2種以上含有し、かつアクリル樹脂を含有しない、水溶性防錆剤。
Figure 2014047385

(TGは樹脂のガラス転移温度を表し、Wは樹脂の混合比率を表し、nは1〜3の整数である)
【選択図】なし

Description

本発明は、鋼材、特に鋼管等の表面に塗布される水溶性防錆剤、特にブロッキング性及び脱脂性に優れた水溶性防錆剤、及び、この水溶性防錆剤の塗布方法に関するものである。
従来、鋼材、とりわけ鋼管等は、出荷前の防錆並びに防食のため、合成樹脂を有機溶剤に溶解させた、いわゆるクリヤーワニス型の樹脂防錆剤を鋼管の外周面に塗布し、樹脂皮膜で被覆するのが一般的である。
しかしながら、合成樹脂を有機溶剤に溶解させた防錆剤は、有機溶剤を大量に使用するため、炭化水素排出量が多くなる。また、有機溶剤の使用により作業環境が悪化することが認められており、さらに近年、揮発性有機化合物(VOC)の排出が法律によって規制されたこともあり、その対策が求められている。
VOC規制対策として、水を大量に含んだ水溶性防錆剤を使用することが考えられる。水溶性防錆剤として、例えば、特許文献1には、水溶性アルキド樹脂及び水溶性アクリル樹脂を含有する水性コーティング組成物が開示されており、特許文献2には、水系アクリル変性アルキド樹脂及び水系アクリル変性エポキシ樹脂を含む水性被覆組成物が開示されている。
また、VOC規制対策に有効な樹脂成分として、ビニル変性アルキッド樹脂(TG点 0℃)を1種類だけ含有した水溶性防錆剤も使用されていた。
一方、水溶性防錆油の塗布方法としては、鋼材の温度を30〜50℃に予熱し、鋼材の表面に水溶性防錆油を15〜70kg/cm2の高圧下で塗布し、かつ、3kg/cm2以上の圧空を吹き付けて、余分に塗布した防錆油を除去するとともに、塗布量(膜厚)を均一にする方法が提案されている(特許文献3参照)。
特開平7-179813号公報 特開平7-300574号公報 特開平5-277434号公報
特許文献1及び2の水性組成物は、ともに脱脂不良の問題があった。また、ビニル変性アルキッド樹脂を1種類だけ含有した水溶性防錆剤は、鋼管に塗布した直後にスキット(傾斜台)上でパイプ同士が癒着し、乾燥性も悪かった。また、乾燥後の塗膜がベタつき、鋼管を結束した後、開梱できないという問題があった。即ち、ブロッキング性が悪いという欠点があった。
また、特許文献3の塗布方法では、余剰に付着した防錆油を除去するために複雑な装置を使用する必要があり、その装置を使用しても余剰防錆油を均一に除去することが難しいために膜厚が均一になりにくく、鋼材を加工後、付着している余剰防錆油を除去(脱脂)する際に脱脂不良を起こす恐れがあった。
本発明は、前述した事情に鑑みて創案されたもので、その主な目的は、乾燥性及びブロッキング性に優れ、さらに脱脂性も良好な水溶性防錆剤を提供することにある。また、本発明の別の目的は、容易に均一な塗布量(膜厚)で水溶性防錆油を塗布することができる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の水溶性防錆剤及びその塗布方法を完成するに至った。
1.ビニル変性アルキッド樹脂を水に溶解または分散させた水溶性防錆剤であって、前記水溶性防錆剤は、下記の計算式によって計算される計算ガラス転移温度(計算TG点)が−20℃〜35℃の範囲にある異なる値を有するビニル変性アルキッド樹脂を2種以上含有し、かつアクリル樹脂を含有しない、水溶性防錆剤。
Figure 2014047385
(TGは樹脂のガラス転移温度を表し、Wは樹脂の混合比率を表し、nは1〜3の整数である)
2.前記ビニル変性アルキッド樹脂の計算TG点が0℃〜15℃の範囲にある、上記項1に記載の水溶性防錆剤。
3.水溶性防錆剤を鋼管の表面に塗布する方法であって、鋼管を25℃〜70℃に予熱し、この鋼管の表面に35℃〜45℃に加温した上記項1に記載の水溶性防錆剤を2.5MPa〜7.5MPaの圧力で塗布することを特徴とする塗布方法。
4.上記項3に記載の塗布方法を用いて塗布された水溶性防錆剤の塗膜を有する鋼管。
本発明の水溶性防錆剤は、−20℃〜35℃の範囲に含まれる異なる計算ガラス転移温度のビニル変性アルキッド樹脂を2種以上含有し、アクリル樹脂を含有しないので、乾燥性、ブロッキング性及び脱脂性が良好である。また、本発明の防錆剤は、水溶性であって、溶媒に有機溶剤を含まないので、VOC規制に対する問題も解消される。さらに、本発明の塗布方法によれば、水溶性防錆剤の被膜を均一な膜厚で速く形成することができる。
本発明の、鋼管への水溶性防錆剤の塗布方法を実施する際に使用することができる塗布装置を示す概略図である。 本発明の塗布方法を実施する際に使用することができる塗布装置の塗布設備室を示す概略平面図である。 本発明の塗布方法を実施する際に使用することができる塗布装置における、水溶性防錆剤吹き付けノズルの配置及びブローパターンを示す概略図である。
以下、本発明の水溶性防錆剤について説明する。
本発明で「水溶性」とは、水に溶解または分散することを言う。
本発明の水溶性防錆剤は、ビニル変性アルキッド樹脂を水に溶解または分散させたものである。
ビニル変性アルキッド樹脂は、アルキッド樹脂を、カルボキシル基を有するビニル基含有化合物の重合物を用いてエステル化させたものである。
本発明に使用できるアルキッド樹脂は、アルキッド樹脂の製造に通常用いられる成分を含んでおり、例えば、多塩基酸(酸無水物を含む)、多価アルコール及び油脂脂肪酸から構成されたアルキッド樹脂、及び多塩基酸(酸無水物を含む)と多価アルコールとで構成されたオイルフリーのアルキッド樹脂がある。
前記多塩基酸として、炭素数が、例えば2〜30程度のものを使用することができる。このような多塩基酸には、例えば、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などの脂肪族又は脂環式飽和多塩基酸;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物などの脂肪族又は脂環式不飽和多塩基酸;フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの芳香族多塩基酸などが含まれる。これらの中で、好ましくは脂肪族又は脂環式不飽和多塩基酸であり、より好ましくは脂肪族又は脂環式不飽和二塩基酸であり、特に、マレイン酸等の脂肪族不飽和二塩基酸が好ましい。多塩基酸は1種であってもよく2種以上の組み合わせであってもよい。
前記多価アルコールとして、炭素数が、例えば2〜30程度のものを使用することができる。このような多価アルコールには、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAビスヒドロキシプロピルエーテルなどの2価アルコール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタンなどの3価アルコール;ジグリセリン、トリグリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトールなどの4価以上のアルコールが含まれる。多価アルコールは1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。多価アルコールとして、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコールを少なくとも1種用いるのが好ましい。
前記油脂脂肪酸としては、例えば、大豆油、アマニ油、キリ油、ヒマシ油、ヤシ油、パーム核油、サフラワー油、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油などの油脂脂肪酸が例示される。これらの中で、大豆油脂肪酸が好ましい。
アルキッド樹脂と反応させるビニル基含有化合物は、カルボキシル基を有するビニル基含有化合物の重合物であり、例えば、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸等の重合物であるアクリル樹脂などが挙げられる。
ビニル変性アルキッド樹脂は、下記の計算式によって計算される計算ガラス転移温度(計算TG点)が−20℃〜35℃であるものを使用し、計算TG点が0℃〜15℃であるビニル変性アルキッド樹脂が好ましい。
計算ガラス転移温度の計算式
Figure 2014047385
(TGは樹脂のガラス転移温度を表し、Wは樹脂の混合比率を表し、nは1〜3の整数である)
本発明は、上記計算ガラス転移温度が異なるビニル変性アルキッド樹脂を2種以上含有する。例えば、0℃と15℃の2種類のビニル変性アルキッド樹脂を用いることができる。
上記ビニル変性アルキッド樹脂を水中に分散又は水溶化させるために、塩基性化合物で中和する。塩基性化合物として、例えば、アンモニア;メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン等のアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。
水溶性防錆剤は、ビニル変性アルキッド樹脂を固形分として20〜35重量%、好ましくは25〜30重量%の割合で含有する。
本発明の水溶性防錆剤は、必要に応じて他の水溶性樹脂を併用することができる。他の水溶性樹脂として、脂肪酸変性アルキッド樹脂を用いることができる。しかし、アクリル樹脂は脱脂不良の原因となるため、本発明の水溶性防錆剤には使用しない。
本発明の水溶性防錆剤は、さらに脂肪酸塩、ナフテン酸塩などのドライヤー、他の防錆剤、消泡剤などを配合してもよい。
本発明は、上述した水溶性防錆剤を鋼管の表面に塗布する方法を提供する。本発明の塗布方法は、鋼管を25℃〜70℃に予熱し、この鋼管の表面に35℃〜45℃に加温した上記水溶性防錆剤を2.5MPa〜7.5MPaの圧力で塗布することを特徴とする。
特定の温度に予熱した鋼管の表面に、35℃〜45℃に加温した水溶性防錆剤を特定の圧力で塗布することにより、水溶性防錆剤の塗布量(膜厚)を均一にすることができる。また、この方法を用いれば、水溶性防錆剤及び鋼管が常温である場合と比較して水溶性防錆剤被膜の形成時間を短縮することができる。例えば、スプレー式塗布方式では、スプレー時の膨張により防錆剤の温度が下がるので、防錆剤の温度を35℃〜45℃に加温し、かつ、鋼管の温度を25℃〜70℃に予熱することによって、水溶性防錆剤の水分の蒸発を促し、防錆剤の被膜形成時間を短縮することができる。また、高圧下で塗布することにより防錆剤を均一に付着させ、また防錆剤の温度を35℃〜45℃に加温することにより、液垂れ等の障害もなく、鋼管表面に均一な皮膜を形成させることができる。
本発明の塗布方法は、上述した特許文献3のように機械的な防錆油除去装置を使用することなく、塗布の操業条件を変更することで容易に防錆剤の塗布量(膜厚)を均一にすることができる方法である。また、水溶性防錆剤の温度を35℃〜45℃に加温することで、夏季と冬季の周辺温度の変化による塗布条件のバラツキを解消することにつながる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
下記に示す比率(重量比)で樹脂を混合し、水を配合して水溶性防錆剤を調整し、以下に示す性能評価試験を行った。その結果を表1に示す。
(各成分)
樹脂A・・・水溶性ビニル変性アルキッド樹脂(ウォーターゾールBCD−3130(商品名、DIC社製)、TG点15℃、固形分38重量%)
樹脂B・・・水溶性ビニル変性アルキッド樹脂(ウォーターゾールBCD−3050(商品名、DIC社製)、TG点0℃、固形分41重量%)
樹脂C・・・水溶性アクリル樹脂(ボンコートEC−740EF(商品名、DIC社製)、TG点18℃、固形分40重量%)
水・・・・・・イオン交換水
(防錆剤)
実施例1 樹脂A:樹脂B=14:1、固形分が防錆剤全体の25重量%になるように水で調整した。
比較例1 樹脂A:樹脂B:樹脂C=17:3:10、固形分が防錆剤全体の25重量%になるように水で調整した。
比較例2 樹脂B:樹脂C=2:1、固形分が防錆剤全体の25重量%になるように水で調整した。
比較例3 樹脂B=1、固形分が防錆剤全体の25重量%になるように水で調整した。
比較例4 有機溶剤に溶解させた樹脂型防錆剤(大同化学工業社製 ダイラスト K−330)
(性能評価試験)
(1)防錆性試験
試験片として、脱脂済みの冷延鋼板(0.8×80×100mm)に実験サンプルを浸漬塗布し、7日間放置したものを試験に供した。
防錆試験項目
(i) 塩水噴霧試験(SST);層内温度:35±1℃、塩水濃度:5%NaCl、試験時間;24hr
(ii) 湿潤箱試験(HCT);層内温度:49±1℃、層内湿度:95%以上、試験時間;168hr
*判定表示: ○ 0%〜10%以下の錆発生
△ 11%〜25%以下の錆発生
× 26%以上の錆発生
(2)ブロッキング性試験
(i) 脱脂済みの冷延鋼板(0.8×80×100mm)2枚に実験サンプルを塗布した。
(ii) 20分間放置して指触乾燥後、塗布板2枚を面積の半分が重なるように置き、重なり部に1kgの重石を載せた。
(iii) 重石を載せた状態で下記の箇所に16hr放置した。
1)実験室内(10℃)、2)恒温槽内(50℃)
(iv) 取り出してから1hr放冷後、手の力で板を剥がした。
その時の力加減によってブロッキング性を以下のように判定した。
*判定表示: ○ 微力で剥がせる
□ 少しの力で剥がせる
△ 強めの力で剥がせる
× 剥がせない
(3)乾燥性試験
(i) 70℃に板温を調整した脱脂済みの熱延鋼板(2.0×80×100mm)に40℃に加温した実験サンプルを浸漬塗布した。
(ii) 塗布後、指触乾燥時間を測定し、以下のように判定した。
*判定表示: ○ 65秒以下
△ 66秒〜120秒以下
× 121秒以上
(4)脱脂性試験
試験片
(i) 脱脂済の冷延鋼板(SPCC−SB板・0.8×80×100mm)を薄膜用に使用した。
(ii) 脱脂済の熱延鋼板(SPCC−SB板・1.6×80×100mm)を厚膜用に使用した。
塗布方法
(i) 薄膜は、室温にて冷延鋼板に浸漬塗布し、膜厚を6〜7μmにした。
(ii) 厚膜は、80℃に加温した熱延鋼板に40℃の試験サンプルを浸漬塗布し、膜厚を約12μmにした。
上記塗布した後、7日間放置させた試験片を脱脂性試験に供した。
脱脂性試験方法
(i) 80℃の苛性ソーダ、5%液500mlが入ったビーカーに試験片を入れた。
(ii) そのビーカーを80℃の恒温槽に40分間静置した。
(iii) 静置終了後、試験片を取り出し水槽に1分間置いた後に脱脂の状態を以下のように判定した。
*判定表示: ○ 完全に脱脂された
× 白化膜が残存した
Figure 2014047385
以下、本発明の鋼管への水溶性防錆油の塗布方法を、具体的に説明する。
まず、本発明の塗布方法を実施する塗布設備について説明する。塗布設備室1(図1及び図2参照)は、ライン上流側の、鋼管製造設備から供給された鋼管7を予熱する、鋼管予熱装置3と、この鋼管予熱装置3によって予熱された鋼管7に、水溶性防錆剤を塗布する設備と、余剰水溶性防錆剤を回収して再利用する、防錆油回収タンク8からなる。
そして、この塗布設備室1は、図示しない水溶性防錆剤をポンプで圧縮して吹きだす防錆剤吹き付けノズル4が、鋼管7の周囲位置に複数本設置されている。
防錆剤回収タンク8は、塗布設備室1の底部に設置されており、鋼管7に防錆剤吹き付けノズル4から吹きつけられた、余剰防錆剤を、加温付き防錆剤調合タンク5に送る図示しない回収ポンプからなる。
塗布設備室1の防錆剤吹き付けノズル4は、図1〜図3に示すように、加温装置付き防錆剤供給タンク2から図示しない供給ポンプを介して高圧状態の防錆剤が送られ、図示しない塗布時圧空供給部から圧空が送られることにより、防錆剤吹き付けノズル4が開いて、図2、図3に示すようなブローパターンで、鋼管7に水溶性防錆剤が吹きつけられる。また、塗布を停めるときは、同様にして、防錆剤吹き付けノズルが閉まって停められるように構成されている。
このような構成からなる塗布設備室1を使用して、本発明の水溶性防錆剤の塗布方法を実施するには、次に述べるようにして行う。
まず、水溶性防錆剤の塗布作業前に、塗布する水溶性防錆剤を加温装置付き防錆剤調合タンク2及び供給タンク5において、35℃〜45℃に加温しておく。そして、水溶性防錆剤を塗布する前に、塗布しようとする鋼管7の温度を、鋼管予熱装置3で25℃〜70℃に昇温させる。この水溶性防錆剤の温度が35℃以下、及び鋼管7の温度が25℃以下では、水溶性防錆油の水分を蒸発させる効果が小さい。また、水溶性防錆剤の温度が45℃以上、及び鋼管7の温度が70℃以上では、水溶性防錆剤の損傷がおこり、防錆性能を悪化させる。
次に、この予熱した鋼管7を塗布設備室1に、鋼管搬送ローラー6で送り、図示しないセンサーで鋼管を検出したら、この鋼管7へ、塗布設備室1における防錆剤吹き付けノズル4から、2.5MPa〜7.5MPaの圧力で噴射して塗布する。この防錆剤噴射圧力は、圧力が低いとミスト径が大きくなり、防錆油剤が鋼管に衝突する際発生する凝集効果が小さく、油膜が形成されずに流れる。また、圧力が高すぎると、ミスト径が小さくなり過ぎて、防錆剤付着効率が悪化する。
次いで、図示しないセンサーで鋼管7の通過を検出して、防錆剤吹き付けノズルを停止させて、一動作を完了する。
また、オーバースプレーした余剰の水溶性防錆剤は、防錆剤回収タンク8で回収して再利用する。
このようにして、本発明の塗布方法により、水溶性防錆剤の鋼管への均一な塗布が行われる。
水溶性防錆剤及び鋼管が常温であれば、被膜の形成に2〜5日かかるが、本方法によれば1〜2時間に短縮することができる。そのため、防錆性能を発揮する時間が短縮でき、製品を即出荷することができる。
更に、鋼管への防錆塗膜を、薄く均一に行うことができ、原単位を20〜30%向上させることができて、コストダウンが達成できる。
また、鋼管を加工後、脱脂を行う際も、薄く、均一な塗膜のため、容易に除去することができ、これにより脱脂時間が短縮され、脱脂後の塗装品質を向上させることができる。
1・・・塗布設備室
2・・・加温装置付き防錆剤供給タンク
3・・・鋼管予熱装置
4・・・防錆剤吹き付けノズル
5・・・加温装置付き防錆剤調合タンク
6・・・鋼管搬送ローラー
7・・・鋼管
8・・・防錆剤回収タンク

Claims (4)

  1. ビニル変性アルキッド樹脂を水に溶解または分散させた水溶性防錆剤であって、前記水溶性防錆剤は、下記の計算式によって計算される計算ガラス転移温度(計算TG点)が−20℃〜35℃の範囲にある異なる値を有するビニル変性アルキッド樹脂を2種以上含有し、かつアクリル樹脂を含有しない、水溶性防錆剤。
    Figure 2014047385
    (TGは樹脂のガラス転移温度を表し、Wは樹脂の混合比率を表し、nは1〜3の整数である)
  2. 前記ビニル変性アルキッド樹脂の計算TG点が0℃〜15℃の範囲にある、請求項1に記載の水溶性防錆剤。
  3. 水溶性防錆剤を鋼管の表面に塗布する方法であって、鋼管を25℃〜70℃に予熱し、この鋼管の表面に35℃〜45℃に加温した請求項1に記載の水溶性防錆剤を2.5MPa〜7.5MPaの圧力で塗布することを特徴とする塗布方法。
  4. 請求項3に記載の塗布方法を用いて塗布された水溶性防錆剤の塗膜を有する鋼管。
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