JP2014047218A - ポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents

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武志 東原
Kenichi Okunaga
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

【課題】重合時のポリアリーレンスルフィドオリゴマーや重合副生物の生成を大幅に抑制し、重合後に溶剤での洗浄を施すことなく高品質・高粘度のポリアリーレンスルフィドを効率よく得ることを課題とする。
【解決手段】ポリアリーレンスルフィドの製造方法において、<工程1>スルフィド化剤1モルに対し塩基性化合物0.95モル以上1.03モル未満、有機極性溶媒2.0モル以上5.0モル未満存在させ、230℃以上280℃未満で反応させてプレポリマーを生成させ、<工程2>スルフィド化剤1モルに対し有機極性溶媒が1.0モル以上2.5モル未満となるまで230℃以上で脱液・濃縮し、<工程3>濃縮後、スルフィド化剤1モルに対し塩基性化合物0.95モル以上1.03モル未満、有機極性溶媒1.0モル以上2.5モル未満存在させ、230℃以上280℃未満で反応を継続する。
【選択図】なし

Description

本発明は、重合時のポリアリーレンスルフィドオリゴマーや重合副生物の生成を大幅に抑制し、重合後に溶剤での洗浄を施すことなく高品質・高粘度のポリアリーレンスルフィドを効率よく製造する方法に関するものである。
ポリフェニレンスルフィド(以下PPSと略す)に代表されるポリアリーレンスルフィド(以下PASと略す)は、優れた耐熱性、バリア性、耐薬品性、電気絶縁性、耐湿熱性などエンジニアリングプラスチックとして好適な性質を有しており、射出成形、押出成形用途を中心として各種電気・電子部品、機械部品、自動車部品、フィルム、繊維などに使用されている。
PASの代表的な製造方法としては、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)などの有機極性溶媒中で硫化ナトリウムなどのスルフィド化剤とp−ジクロロベンゼンなどのジハロゲン化芳香族化合物とを反応させる方法が知られている。本製造方法では、PAS以外に低分子量成分やオリゴマー成分が副生するため、これまで各種手法により副生物を低減する手法が開示されている。例えば、反応後に得られたPASを含むスラリーをアセトンやNMPなどの有機溶媒で洗浄する方法が一般に知られているが、有機溶剤使用によるコストアップや、有機溶剤を回収・再利用する操作が新たに必要となるなどの問題を有していた。そのため、有機溶剤での洗浄を行わず簡便・低コストであり、なおかつ低分子量成分やオリゴマー成分などの副生物を低減した高品質PASを製造する方法が試みられている。
例えば、特許文献1や特許文献2ではアルカリ金属硫化物とポリハロ芳香族化合物とを極性有機溶媒中で反応させてポリアリーレンスルフィドを製造する方法において、反応終了時の溶媒比(溶媒比とは、アルカリ金属硫化物の仕込量に対する溶媒のモル比をいう)を反応開始時の溶媒比よりも小さくして反応させることで、重合反応段階で低分子量成分やオリゴマー成分の少ないPASを得る方法が開示されている。本方法で得られたPASに含まれるオリゴマー成分についてはテトラヒドロフラン(THF)抽出率で評価し、確かにTHF抽出率は3.12〜4.35%→1.81〜2.51%まで低減しているものの、その低減量は満足いくものでなかった。
また、特許文献1は水酸化ナトリウムを使用したアルカリ状態での反応であり、水酸化ナトリウム、NMP、p−ジクロロベンゼンから重合副生物が生成する反応系である。この重合副生物は射出成形時の金型汚れやガス発生などの問題を引き起こす。反応終了時の溶媒比を反応開始時より小さくすることは反応終了時の系内アルカリ濃度が反応開始時に比べ高くなることを意味しており、重合副生物も増大することが予想されるため、反応系内のアルカリ濃度を適した範囲に制御する必要があるが、特許文献1や特許文献2には重合副生物とアルカリ濃度の関係は何ら開示されていない。また、特許文献1や特許文献2の反応開始時のアルカリ金属水酸化物量は、硫黄1モルに対し1.066〜1.096モルと多量に使用しており、重合副生物が多量に生成することが予想される。
特開平5−230214号公報(請求項、実施例) 特開平6−49208号公報(請求項、実施例)
本発明は、重合時のポリアリーレンスルフィドオリゴマーや重合副生物の生成を大幅に抑制し、重合後に溶剤での洗浄を施すことなく高品質・高粘度のポリアリーレンスルフィドを効率よく得ることを課題として検討した結果達成されたものである。
本発明は、かかる課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、有機極性溶媒中で、スルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物とを反応させる際、特定のアルカリ条件で反応を行った後に有機極性溶媒を脱液しPASが濃縮された状態で反応を継続することで、オリゴマーや重合副生物の生成を大幅に抑制した高品質ポリアリーレンスルフィドの製造方法を見出したものである。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)有機極性溶媒中で、スルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物とを200℃以上280℃未満の温度範囲内で反応させるポリアリーレンスルフィドの製造方法において、少なくとも下記の工程1〜3を行うことを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法。
工程1:スルフィド化剤1モルに対し、塩基性化合物0.95モル以上1.03モル未満、有機極性溶媒2.0モル以上4.0モル未満存在させ、230℃以上280℃未満の温度範囲で反応させてポリアリーレンスルフィドのプレポリマーを生成させる工程、
工程2:スルフィド化剤1モルに対し、有機極性溶媒が1.0モル以上2.5モル未満となるまで230℃以上で脱液し、反応系内を濃縮する工程、
工程3:濃縮後、スルフィド化剤1モルに対し、塩基性化合物0.95モル以上1.03モル未満、有機極性溶媒1.0モル以上2.5モル未満存在させ、230℃以上280℃未満の温度範囲で反応を継続する工程。
(2)前記工程1の塩基性化合物が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、有機カルボン酸金属塩、および有機塩基から選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする(1)のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
(3)前記工程1終了時点でのジハロゲン化芳香族化合物の反応率が85%以上100%未満であることを特徴とする(1)または(2)いずれか記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
(4)前記工程1終了時点の温度が230℃以上であり、工程2の脱液を230℃以上280℃未満の温度範囲で行うことを特徴とする、(1)〜(3)いずれか記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
(5)前記工程1を、230℃以上245℃未満の温度範囲では昇降温時間を含めて30分以上3.5時間未満、245℃以上280℃未満の温度範囲内では昇降温時間を含めて5分以上1時間未満反応させることを特徴とする、(1)〜(4)いずれか記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
本発明によれば、重合時のポリアリーレンスルフィドオリゴマーや重合副生物の生成を大幅に抑制し、重合後に溶剤での洗浄を施すことなく高品質・高粘度のポリアリーレンスルフィドを効率よく得ることができる。
本発明におけるPASとは、式、−(Ar−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とする、好ましくは当該繰り返し単位を80モル%以上含有するホモポリマーまたはコポリマーである。Arとしては下記の式(A)〜式(K)などであらわされる単位などがあるが、なかでも式(A)が特に好ましい。
Figure 2014047218
(R1,R2は水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基から選ばれた置換基であり、R1とR2は同一でも異なっていてもよい)
この繰り返し単位を主要構成単位とする限り、下記の式(L)〜式(N)などで表される少量の分岐単位または架橋単位を含むことができる。これら分岐単位または架橋単位の共重合量は、−(Ar−S)−の単位1モルに対して0〜1モル%の範囲であることが好ましい。
Figure 2014047218
また、本発明におけるPASは上記繰り返し単位を含むランダム共重合体、ブロック共重合体及びそれらの混合物のいずれかであってもよい。
これらの代表的なものとして、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリフェニレンスルフィドエーテル、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体及びそれらの混合物などが挙げられる。特に好ましいPASとしては、ポリマーの主要構成単位としてp−フェニレンスルフィド単位
Figure 2014047218
を80モル%以上、特に90モル%以上含有するポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリフェニレンスルフィドエーテルが挙げられ、ポリフェニレンスルフィドが特に好ましい。
本発明でのPASの製造方法について、以下、スルフィド化剤・塩基性化合物、有機極性溶媒、ジハロゲン化芳香族化合物、重合助剤、分岐・架橋剤、分子量調整剤、前工程、重合工程、ポリマー回収、及び用途の順に詳述する。
(1)スルフィド化剤、塩基性化合物
本発明で用いるスルフィド化剤としては、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、および硫化水素が挙げられ、単独で用いても2種以上同時に用いても良い。アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物から、反応系においてin situで調製されるスルフィド化剤も用いることができる。
本発明で用いる塩基性化合物としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、有機カルボン酸金属塩、有機塩基が挙げられ、単独で用いても2種以上同時に用いても良い。本発明では、工程1〜3を通して、スルフィド化剤1モルに対し、塩基性化合物0.95モル以上1.03モル未満用いることが必要であり、0.98モル以上1.03モル未満が好ましく、1.00モル以上1.02モル未満が特に好ましい。本発明では、反応途中で脱液して系内のポリマー濃度を高めた上で反応を継続するが、脱液後は塩基性化合物の濃度も高まるため、重合副生物が増大する傾向にある。そのため、塩基性化合物の使用量が極めて重要な要素である。塩基性化合物量を本範囲に調整することで、分子量の低下を引き起こすことなく、射出成形時の金型汚れやガスの発生因子である重合副生物を抑制できる。塩基性化合物が1.03モル以上の場合は重合副生物が大幅に増大する傾向にあり、0.95モル未満の場合は反応系内のアルカリ濃度が低すぎることで分解が発生し、分子量が低下する。
スルフィド化剤としてのアルカリ金属硫化物の具体例は、例えば硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウムおよびこれら2種以上の混合物を挙げることができ、なかでも硫化ナトリウムが好ましく用いられる。これらのアルカリ金属硫化物は、水和物または水性混合物として、あるいは無水物の形で用いることができる。無水物の場合は固形のスルフィド化剤となる。アルカリ金属硫化物は水との接触によりアルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物が生成することがあるが、このとき生成するアルカリ金属水酸化物も塩基性化合物である。
スルフィド化剤としてのアルカリ金属水硫化物の具体例は、例えば水硫化リチウム、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、およびこれら2種以上の混合物を挙げることができ、なかでも水硫化ナトリウムが好ましく用いられる。これらのアルカリ金属水硫化物は、水和物または水性混合物として、あるいは無水物の形で用いることができる。
塩基性化合物としてのアルカリ金属水酸化物の具体例は、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられ、アルカリ土類金属水酸化物の具体例は、例えば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが挙げられる。アルカリ金属炭酸塩の具体例としては炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられ、アルカリ土類金属炭酸塩の具体例は、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどが挙げられる。有機カルボン酸金属塩の具体例は、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、プロピオン酸ナトリウム、吉草酸リチウム、安息香酸ナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、p−トルイル酸カリウムなどが挙げられる。これらは単独で用いても2種以上同時に用いても良い。
なお、本発明において、スルフィド化剤の量は、脱水操作などにより重合反応開始前にスルフィド化剤の一部損失が生じる場合には、実際の仕込み量から当該損失分を差し引いた残存量を意味するものとする。
(2)有機極性溶媒
本発明では重合溶媒として有機極性溶媒を用いる。具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンなどのN−アルキルピロリドン類、N−メチル−ε−カプロラクタムなどのカプロラクタム類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホキシドなどに代表されるアプロチック有機溶媒、およびこれらの混合物などが反応の安定性が高いために好ましく使用される。これらのなかでも、特にN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が好ましい。
(3)ジハロゲン化芳香族化合物
本発明で用いるジハロゲン化芳香族化合物としては、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベンゼンなどのジハロゲン化ベンゼン、および1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼン、3,5−ジクロロ安息香酸などのハロゲン以外の置換基をも含むジハロゲン化芳香族化合物などを挙げることができる。なかでも、p−ジクロロベンゼンに代表されるp−ジハロゲン化ベンゼンを主成分にするジハロゲン化芳香族化合物が好ましい。また、PAS共重合体を製造するために異なる2種以上のジハロゲン化芳香族化合物を組み合わせて用いることも可能である。
(4)重合助剤
本発明においては、重合助剤を用いることも好ましい態様の一つである。重合助剤を用いる目的はPASを所望の溶融粘度に調整するためである。このような重合助剤の具体例としては、例えば有機カルボン酸金属塩、水、アルカリ金属塩化物、有機スルホン酸金属塩、硫酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属リン酸塩およびアルカリ土類金属リン酸塩などが挙げられる。これらは単独で用いても2種以上同時に用いても差し障りない。なかでも、有機カルボン酸金属塩および/または水が好ましく用いられ、有機カルボン酸金属塩は重合助剤としてのみならず前記塩基性化合物としても作用するため、より好ましく用いられる。
有機カルボン酸金属塩とは、一般式R(COOM)n(式中、Rは、炭素数1〜20を有するアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基である。Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムから選ばれるアルカリ金属である。nは1〜3の整数である。)で表される化合物を好ましい例として挙げることができる。有機カルボン酸金属塩は、水和物、無水物または水溶液としても用いることができる。有機カルボン酸金属塩の具体例としては、例えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、吉草酸リチウム、安息香酸ナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、p−トルイル酸カリウム、およびそれらの混合物などを挙げることができ、安価でかつ反応系への適度な溶解性を有する酢酸ナトリウムが好ましく用いられる。
上記有機カルボン酸金属塩を用いる場合の使用量は、仕込みスルフィド化剤1モルに対し0.01モル以上0.5モル未満の範囲が好ましく、0.02モル以上0.4モル未満の範囲がより好ましく、0.02モル以上0.3モル未満の範囲がいっそう好ましい。
重合助剤として有機カルボン酸金属塩を使用する場合、その添加時期には特に制限はなく、後述する前工程時、重合開始時、重合途中のいずれの時点で添加してもよく、また複数回に分けて添加してもよいが、添加の容易性からすると、前工程開始時或いは重合開始時に同時に添加することが好ましい。
重合助剤として水を用いる場合、水単独で用いることも可能であるが、有機カルボン酸金属塩を同時に用いることが好ましく、これにより重合助剤としての効果をより高めることができ、より少ない重合助剤の使用量でも短時間で所望の溶融粘度のPASを得ることができる傾向にある。この場合の重合系内の好ましい水分量の範囲は、スルフィド化剤1モルに対し0.8モル以上3モル未満であり、0.85モル以上1.8モル未満がより好ましい。水分量が多すぎると反応器内圧の上昇が大きく、高い耐圧性能を有した反応器が必要となるため、経済的にも安全性の面でも好ましくない傾向にある。水の添加時期は、工程1〜3いずれかの段階でジハロゲン化芳香族化合物の転化率が60モル%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上であることが好ましい。
また、工程3終了後に水を添加することも好ましい様態の一つであり、水添加後の重合系内の水分量の好ましい範囲は、スルフィド化剤1モルに対して1〜15モルであり、1.5〜10モルがより好ましい。
(5)分岐・架橋剤、分子量調整剤
本発明では、分岐または架橋重合体を形成させるために、トリハロゲン化以上のポリハロゲン化合物(必ずしも芳香族化合物でなくともよい)、活性水素含有ハロゲン化芳香族化合物及びハロゲン化芳香族ニトロ化合物などの分岐・架橋剤を併用することも可能である。ポリハロゲン化合物としては通常に用いられる化合物を用いることができるが、中でもポリハロゲン化芳香族化合物が好ましく、具体例としては、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、1,4,6−トリクロロナフタレン等を挙げることができ、中でも1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンが好ましい。前記、活性水素含有ハロゲン化芳香族化合物としては、例えばアミノ基、メルカプト基及びヒドロキシル基などの官能基を有するハロゲン化芳香族化合物を挙げることができる。具体例としては2,5−ジクロロアニリン、2,4−ジクロロアニリン、2,3−ジクロロアニリン、2,4,6−トリクロロアニリン、2,2’−ジアミノ−4,4’−ジクロロジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノ−2’,4−ジクロロジフェニルエーテルなどを挙げることができる。前記、ハロゲン化芳香族ニトロ化合物としては、例えば2,4−ジニトロクロロベンゼン、2,5−ジクロロニトロベンゼン、2−ニトロ−4,4’−ジクロロジフェニルエーテル、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2,5−ジクロロ−2−ニトロピリジン、2−クロロ−3,5−ジニトロピリジンなどを挙げることができる。
また、PASの分子量を調整する目的でモノハロゲン化化合物(必ずしも芳香族化合物でなくともよい)を併用することも可能である。モノハロゲン化化合物としては、モノハロゲン化ベンゼン、モノハロゲン化ナフタレン、モノハロゲン化アントラセン、ベンゼン環を2個以上含むモノハロゲン化化合物、モノハロゲン化複素環式化合物、などを挙げることができる。なかでも、経済性の観点からするとモノハロゲン化ベンゼンが好ましい。また、異なる2種以上のモノハロゲン化化合物を組み合わせて用いることも可能である。
(6)前工程
本発明のPASの製造方法において、スルフィド化剤を水和物の形で使用する場合は、ジハロゲン化芳香族化合物を添加する前に、有機極性溶媒、スルフィド化剤、塩基性化合物を含む混合物を昇温し、過剰量の水を系外に除去することが好ましい。なお、この操作により水を除去し過ぎた場合には、不足分の水を添加して補充することが好ましい。
また、上述したように、スルフィド化剤としてアルカリ金属水硫化物を、塩基性化合物としてアルカリ金属水酸化物を用い、反応系においてin situで調製されるアルカリ金属硫化物も用いることができる。この方法には特に制限はないが、望ましくは不活性ガス雰囲気下、常温〜150℃、好ましくは常温〜100℃の温度範囲で、有機極性溶媒にアルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物を加え、常圧または減圧下、少なくとも150℃以上、好ましくは180℃〜260℃まで昇温し、水分を留去させる方法が挙げられる。この段階で重合助剤を加えてもよい。また、水分の留去を促進するために、トルエンなどを加えて反応を行ってもよい。
前工程が終了した段階での系内の水分量は、仕込みスルフィド化剤1モル当たり0.9〜1.1モルであることが好ましい。ここで系内の水分量とは前工程で仕込まれた水分量から系外に除去された水分量を差し引いた量である。また、仕込まれる水は、水、水溶液、結晶水などのいずれの形態であってもよい。
(7)重合工程
本発明では、有機極性溶媒中で、スルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物とを反応させる際、工程1で特定のアルカリ条件で反応を行った後、工程2で有機極性溶媒を脱液・濃縮し、工程3ではPASが濃縮された状態で反応を継続することで、オリゴマーや重合副生物の生成を大幅に抑制した高品質ポリアリーレンスルフィドを得ることが出来る。本工程は不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。具体的な工程1〜3は以下の通りである。
<工程1>スルフィド化剤1モルに対し、塩基性化合物0.95モル以上1.03モル未満、有機極性溶媒2.0モル以上5.0モル未満存在させ、230℃以上280℃未満の温度範囲で反応させてポリアリーレンスルフィドのプレポリマーを生成させる工程。
<工程2>スルフィド化剤1モルに対し、有機極性溶媒が1.0モル以上2.5モル未満となるまで230℃以上で脱液し、反応系内を濃縮する工程。
<工程3>濃縮後、スルフィド化剤1モルに対し、塩基性化合物0.95モル以上1.03モル未満、有機極性溶媒1.0モル以上2.5モル未満存在させ、230℃以上280℃未満の温度範囲で反応を継続する工程。
以下に工程1〜工程3について詳述する。
<工程1>工程3での濃縮反応時の高分子量化、低オリゴマー化を効率よく進行させるために工程1ではPASプレポリマーを生成させるが、上述のとおり、工程1での塩基性化合物量が多いと、工程3で系内のアルカリ濃度が大幅に上昇し、例えば、有機極性溶媒にNMPを、塩基性化合物にアルカリ金属水酸化物を使用したときにはアルカリ金属アルキルアミノアルキルカルボキシレートが増大し、これがジハロゲン化芳香族化合物と反応することで生成する重合副生物が増大しPASに含有することで、射出成形時の金型汚れやガス発生などの問題を引き起こす。一方、塩基性化合物量が少ないと、重合途中で生成するSH末端の一部が金属チオレート末端に変換することができず、重合中にPASの分解を引き起こす傾向にある。そのため、工程1での塩基性化合物量はスルフィド化剤1モルに対し塩基性化合物0.95モル以上1.03モル未満の限られた範囲で用いることが必要であり、0.98モル以上1.03モル未満が好ましく、1.00モル以上1.02モル未満が特に好ましい。
また、工程1での安定した反応性および効率的なプレポリマー合成には、スルフィド化剤1モルに対し有機極性溶媒2.0モル以上5.0モル未満必要であり、好ましくは2.5モル以上4モル未満、より好ましくは2.5モル以上3.0モル未満の範囲が選択される。この量が少ないとモノマー消費速度が遅く、この量が多いと希薄条件下での反応となるためプレポリマーの分子量が上がらないとともに環状ポリアリーレンスルフィド量が増大する傾向にある。プレポリマー合成での有機極性溶媒を上記範囲とすることで、プレポリマー中の環状ポリアリーレンスルフィド量は5重量%未満となる。
更に、工程1の反応温度は230℃以上280℃未満であることが必要である。反応温度が低いほうが反応中のプレポリマーの分解や重合副生物の生成が抑制されるため、工程3で得られたPASの分子量が上がる傾向にあるものの、反応温度230℃未満の反応では反応速度が遅いためジハロゲン化芳香族化合物の転化率が上がりにくく、転化率を上げるには長時間の反応を要し、生産効率上好ましくない。そのため、反応速度が速い230℃以上280℃未満の温度範囲での反応が必要であり、230℃以上260℃未満の温度範囲が好ましい。その際の反応時間は、昇降温時間を含めて30分以上4時間未満が好ましく、30分以上3.5時間未満がより好ましい。230℃以上280℃未満であれば一定温度で行う一段反応、段階的に温度を上げていく多段階反応、あるいは連続的に温度を変化させていく形式の反応のいずれでもかまわないが、効率的かつ少ない重合副生物、少ないオリゴマー、高粘度のPASを得るには、230℃以上245℃未満の温度範囲において、昇降温時間を含めた重合時間が30分以上3.5時間未満であり、工程終了時点でのジハロゲン化芳香族化合物の転化率が80〜98モル%になるように反応させた後、245℃以上280℃未満の温度範囲内において、昇降温時間を含めた重合時間が5分以上1時間未満で反応させる多段階反応が好適である。
工程1開始時のジハロゲン化芳香族化合物量は、PASプレポリマーの効率的な合成や分解抑制の観点から、スルフィド化剤1モルに対し0.8モル以上1.1モル未満、好ましくは0.9モル以上1.05モル未満、更に好ましくは、0.95モル以上1.03モル未満の範囲が例示できる。工程1でのジハロゲン化芳香族化合物が多いと、塩素末端のPASプレポリマーが増大するため、工程3の濃縮状態での重合時にプレポリマー同士の鎖連結反応が抑制され、得られたPAS中にはオリゴマーが増大するとともに、PASの分子量も小さいものとなる傾向にある。また、ジハロゲン化芳香族化合物が少なすぎると、工程1のPASプレポリマー合成時に分解反応が進行する。
工程1を以上のような特定の条件で反応させることで、工程1終了時点でのジハロゲン化芳香族化合物の反応率は85%以上100%未満となることが好ましく、90%以上100%未満がより好ましい。反応率が低いと、後述の工程2で未反応のジハロゲン化芳香族化合物が有機極性溶媒や水の脱液とともに多量に留出するため、工程3で所望のPASを得る目的で、工程3開始前や工程3の途中でジハロゲン化芳香族化合物を追加で適宜添加する必要があり、効率的な生産が望めない。なお、ジハロゲン化芳香族化合物(以下DHAと略す)の反応率は、以下の式で算出した値である。DHA残存量は、通常、ガスクロマトグラフ法によって求めることができる。
(a)ジハロゲン化芳香族化合物をスルフィド化剤に対しモル比で過剰に添加した場合
反応率=[〔DHA仕込み量(モル)−DHA残存量(モル)〕/〔DHA仕込み量(モル)−DHA過剰量(モル)〕]×100%
(b)上記(a)以外の場合
反応率=[〔DHA仕込み量(モル)−DHA残存量(モル)〕/〔DHA仕込み量(モル)〕]×100%。
<工程2>工程3の濃縮反応を行うには、工程1で得たPASプレポリマーを含む反応液から有機極性溶媒を脱液する工程2が必要である。生産性の観点からすると工程1と工程2は連続で行うことが好ましく、その際の脱液方法としては、有機極性溶媒の沸点以上の温度に加熱して蒸留する方法や、沸点未満の温度で減圧蒸留する方法が挙げられるが、有機極性溶媒の脱液・濃縮による反応系内のポリマー濃度の上昇により反応溶液の粘度が上昇し、撹拌トルクの大幅な上昇や、場合によっては撹拌不能となるため230℃以上で脱液を行うことが必要である。また、工程1は230℃以上280℃未満で行うことから、工程2を230℃以上で行うことで、工程1から工程2移行時に冷却などの操作が不要となる。また高温ほど脱液速度も高く生産効率の観点からも良好であり、脱液時間は1時間未満で完了することが好ましく、30分未満がより好ましい。
工程3での濃縮反応時の高分子量化、低オリゴマー化を効率よく進行させるため、工程2ではスルフィド化剤1モルに対し有機極性溶媒が1.0モル以上2.5モル未満となるまで脱液を行う必要があり、好ましく1.2モル以上2.0モル未満、より好ましく1.3モル以上1.9モル未満である。本発明は、重合途中の工程2で脱液し、ポリマーが濃縮した状態で工程3の反応を継続することで、濃縮効果によるPASオリゴマーの反応・ポリマー化が促進されオリゴマーが少ないPASが得られ、ガソリンタンクなど溶剤と接触する用途において、オリゴマーの溶出が少ない利点を有する。工程2の脱液後の有機極性溶媒が多いと濃縮効果が少なく、オリゴマー低減効果が小さい。また、脱液後の有機極性溶媒量が少なすぎるとポリマーが析出し撹拌不能となる。なお、工程2の脱液時に反応系内の有機極性溶媒が所望量より少なくなった場合は、工程3開始前や工程3の途中に追加で添加することも可能である。また、系内のアルカリ濃度を調整するため、工程2の脱液後、工程3開始前や工程3の途中に、本発明の効果を損なわない範囲で塩基性化合物を添加したり、酸性化合物を添加することも可能である。酸性化合物としては、酢酸、プロピオン酸、塩酸、硫酸、リン酸、蟻酸等が例示できる。
脱液は一定温度で行う1段階脱液、段階的に温度を上げていく多段脱液、あるいは連続的に温度を変化させていく形式の脱液のいずれでもかまわない。
<工程3>工程2で脱液・濃縮した後、工程3では230℃以上280℃未満の温度範囲で反応を継続する必要があり、生産性の観点からすると工程2と工程3は連続で行うことが好ましい。工程3は濃縮状態での反応であり、ポリマーが析出しやすくなるため工程1と同じかそれ以上の温度範囲で反応を行うことが好ましいが、温度が高すぎると反応中にPASの分解が生じやすくなるため、245℃以上280℃未満が好ましく、250℃以上270℃未満がより好ましい反応温度である。反応時間は特に制限は無いが、PASオリゴマーの低減および高分子量化を効率的に行うとともに、アルカリ金属アルキルアミノアルキルカルボキシレートとジハロゲン化芳香族化合物の反応による重合副生物の増大を抑制するには、昇降温時間を含めて10分以上3時間未満が好ましく、30分以上2時間未満がより好ましい。230℃以上280℃未満であれば一定温度で行う一段反応、段階的に温度を上げていく多段階反応、あるいは連続的に温度を変化させていく形式の反応のいずれでもかまわない。
工程3では有機極性溶媒が1.0モル以上2.5モル未満で反応を継続することが必要であり、好ましく1.2モル以上2.0モル未満、より好ましく1.3モル以上1.9モル未満である。
工程3では濃縮効果でアルカリ濃度が高まるため、重合副生物の生成量を抑制するには、スルフィド化剤1モルに対し塩基性化合物0.95モル以上1.03モル未満の限られた範囲で用いることが必要であり、0.98モル以上1.03モル未満が好ましく、1.00モル以上1.02モル未満が特に好ましい。
また、工程2の脱液時に未反応のジハロゲン化芳香族化合物が有機極性溶媒や水の脱液とともに留出する傾向にあるため、工程3で所望のPASを得る目的で、工程3開始前や工程3の途中でジハロゲン化芳香族化合物を追加で適宜添加しても良く、添加後の工程3でのジハロゲン化芳香族化合物は、スルフィド化剤1モルに対し0.8モル以上1.05モル未満、好ましくは0.9モル以上1.03モル未満、更に好ましくは0.95モル以上1.02モル未満の範囲が例示できる。工程3の濃縮状態でジハロゲン化芳香族化合物が多いと、ジハロゲン化芳香族化合物がエンドキャップとして作用し、PASオリゴマーの残存やPASの高分子量化が抑制される。また、ジハロゲン化芳香族化合物が少なすぎると、工程3で分解反応が進行する。
本発明では、工程1開始から工程3終了までの全反応時間を10時間未満にすることが好ましく、8時間未満にすることが更に好ましく、6時間未満にすることがいっそう好ましい。重合時間の長時間化は生産効率の低下につながるとともに、重合副生物の増大につながる傾向にある。
本発明の重合には、バッチ方式、連続方式など公知の各重合方式を採用することができる。また、重合の際における雰囲気は非酸化性雰囲気下が望ましく、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、特に、経済性及び取扱いの容易さの面からは窒素が好ましい。反応圧力については、使用した原料及び溶媒の種類や量、あるいは反応温度等に依存し一概に規定できないので、特に制限はない。
(8)ポリマー回収
本発明のPASの製造においては、重合工程終了後に、重合工程で得られたPAS成分および溶剤などを含む重合反応物からPASを回収する。回収方法としては、例えばフラッシュ法、すなわち重合反応物を高温高圧(通常250℃以上、0.8MPa以上)の状態から常圧もしくは減圧の雰囲気中へフラッシュさせ溶媒回収と同時に重合体を粉粒状にして回収する方法や、クエンチ法、すなわち重合反応物を高温高圧の状態から徐々に冷却して反応系内のPAS成分を析出させ、かつ70℃以上、好ましくは100℃以上の状態で濾別することでPAS成分を含む固体を回収する方法等が挙げられる。
本発明ではクエンチ法、フラッシュ法いずれかに限定されるものではないが、フラッシュ法は、溶媒回収と同時に固形物の回収が可能であること、回収時間が比較的短いこと、クエンチ法に比較して得られる回収物量が多いことなど、経済的に優れた回収方法であることから、本発明における好ましい回収方法である。
フラッシュ法の好ましい態様としては、重合工程で得られた高温高圧の重合反応物を常圧中の窒素または水蒸気などの雰囲気にノズルから噴出させる方法が例示できる。フラッシュ法では、高温高圧状態から常圧状態に重合反応物をフラッシュしたときの溶媒の気化熱を利用して効率よく溶媒回収することができる。常圧中にフラッシュさせるときの窒素または水蒸気などの雰囲気の温度は通常150〜250℃が選択され、重合反応物からの溶媒回収が不足する場合は、フラッシュ後に150〜250℃の窒素または水蒸気などの雰囲気下で加熱を継続しても良い。
かかるフラッシュ法で得られたPASには重合副生物であるアルカリ金属ハロゲン化物やアルカリ金属有機物などのイオン性不純物を含んでいるため、洗浄を行うことが通例である。洗浄条件としては、かかるイオン性不純物を除去するに足る条件であれば特に限定されるものではない。洗浄液としては例えば水や有機溶媒を用いて洗浄する方法が挙げられ、簡便かつ安価にPASを得る点で、水を用いた洗浄が好ましい方法として例示できる。使用する水の種類としてはイオン交換水、蒸留水が好ましく用いられる。
PASを水で洗浄する際の洗浄温度は50℃以上200℃以下が好ましく、150℃以上200℃以下がより好ましく、さらには170℃以上200℃以下がより好ましい。100℃以上の液体での処理の操作は、通常、所定量の液体に所定量のPASを投入し、常圧であるいは圧力容器内で加熱、攪拌することにより行われる。洗浄は複数回行ってもよく、各洗浄での洗浄温度が異なっていても良いが、イオン性不純物の少ないPASを得るには、150℃以上の温度で少なくとも1回、好ましくは2回以上洗浄を行うのが良く、各洗浄の間にはポリマーと洗浄液を分離する濾過工程を経ることがより好ましい方法である。
本発明では洗浄時に洗浄添加剤を用いてもよく、かかる洗浄添加剤として酸、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が例示できる。酸を用いる場合、上記水に有機酸または無機酸等を添加して酸性にした水溶液中にPASを浸漬させ、加熱洗浄後の水溶液のpHが2〜8であることが好ましい。有機酸、無機酸としては、酢酸、プロピオン酸、塩酸、硫酸、リン酸、蟻酸等が例示でき、これらに限定されるものではないが、酢酸、塩酸が好ましい。洗浄添加剤としてアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を用いる場合、上記水にアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を添加した水溶液にPASを浸漬させる方法が例示でき、かかるアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の量はPASに対し、0.01〜5重量%が好ましく、0.1〜0.7重量%が更に好ましい。アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩としては、上記有機酸または無機酸のカルシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
洗浄添加剤は洗浄工程のいずれの段階で使用してもよいが、少量の添加剤で効率的に洗浄を行うには、フラッシュ法にて回収した固形物を水にて洗浄を数回行い、その後洗浄添加剤を添加した水溶液にPASを含浸させ、好ましくは150℃以上、より好ましくは170℃以上で処理する方法が好ましい。
かくして得られたPASは常圧下および/または減圧下に乾燥する。かかる乾燥温度としては120〜280℃の範囲が好ましく、溶融粘度の上昇を抑えるには窒素、ヘリウム、減圧下などの不活性雰囲気下で行うことが好ましい。乾燥時間は、0.5〜20時間が好ましい。
乾燥中または乾燥後に、揮発性成分を除去するために、或いは架橋高分子量化するために、酸素含有雰囲気下130〜260℃の温度で乾式熱処理することも可能である。
本発明により得られたPASを後記する多種多様な用途に展開する上で、意匠性は重要な要素である。高い意匠性を提供するにはPASの白色度は高い方がよく、白色度の高さを示すL値は80以上が好ましく、83以上がより好ましい。通常、PASの後処理において加熱処理を行うと、熱履歴や酸化架橋により着色する傾向にあるため、乾式熱処理を行う場合はかかる白色度を維持できる範囲内で行うのが好ましい。
(9)用途
本発明により得られたPASは、耐熱性、耐薬品性、難燃性、電気的性質並びに機械的性質に優れ、射出成形、射出圧縮成形、ブロー成形用途のみならず、押出成形により、シート、フィルム、繊維及びパイプなどの押出成形品に成形することができる。中でも射出成形用途に適しており、電気・電子部品、家庭・事務電気製品部品、機械関連部品、光学機器・精密機械関連部品、水廻り部品、自動車・車両関連部品、その他の各種用途に好適であり、耐薬品性が求められる用途に最も適している。
以下、本発明の方法を実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、各種測定法は以下の通りである。
[重合副生物、オリゴマーの同定]
有機極性溶媒としてNMPを、アルカリ金属水酸化物として水酸化ナトリウムを、ジハロゲン化芳香族化合物としてp−ジクロロベンゼン(p−DCB)を使用した場合、ポリマーとしてPPSが得られ、重合副生物としてN−メチル−N−パラクロロフェニルアミノ酪酸(以下MCABと略す)が生成する。該副生物は、分取液体クロマトグラフ(分取LC)、液体クロマトグラフ質量分析計(LC−MS)、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)および核磁気共鳴装置(H−NMR、C13−NMR)を用いて同定した。
また、PPSオリゴマーについては、反応中間体である2量体(ビス4−クロロフェニルスルフィド、以下BCPSと略す)を評価した。BCPSの同定はMCABと同様の方法で行った。
[PPS中のMCAB量およびBCPSの測定]
腹部が100mm×25mm、首部が255mm×12mm、肉厚が1mmのガラスアンプルにサンプル3gを計り入れてから真空封入した。このガラスアンプルの胴部のみを、アサヒ理化製作所製のセラミックス電気管状炉ARF−30Kに挿入して320℃で2時間加熱した。アンプルを取り出した後、管状炉によって加熱されておらず揮発ガスの付着したアンプル首部をヤスリで切り出し、次いで付着ガスを5gのクロロホルムで溶解、採取した後、島津製作所社製ガスクロマトグラフGC−14B(カラム:J&W社製DB−5(0.32mmφ×30m、膜厚0.25μm)、カラム最高温度300℃、検出器:FID、検出器温度320℃)を用いてMCABおよびBCPSを定量した。なお、別途分取LCにて分取したMCABおよびBCPSを用いて作成した検量線から定量を行った。
[溶融粘度]
東洋精機社製キャピログラフ1Cを用い、孔長10.00mm、孔直径0.50mmのダイスを用いた。300℃に設定したシリンダーにサンプル約20gを投入し、5分保持した後、剪断速度1216sec−1で溶融粘度の測定を行った。
[実施例1]
撹拌機および底栓弁付きの1リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム118.02g(1.0モル)、97%水酸化ナトリウム39.90g(0.968モル)、NMP208.17g(2.1モル)、およびイオン交換水45gを仕込み、常圧で窒素を通じながら225℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水106gおよびNMP3gを留出した時点で加熱を終え冷却を開始した。この時点での硫化水素の飛散量は0.024モルであったため、本脱水操作後の系内のスルフィド化剤は0.976モルであった。また、硫化水素の飛散に伴い、系内には水酸化ナトリウムが新たに0.024モル生成している。
その後200℃まで冷却し、p−DCB144.91g(0.986モル)、NMP79.30g(0.8モル)を加えた後に反応容器を窒素ガス下に密封し、400rpmで撹拌しながら以下の反応条件で工程1〜工程3を行った。
<工程1>200℃から255℃までを1℃/分で昇温した後255℃で1.5時間反応を行い、PPSプレポリマーを調製した。工程1終了時に反応物をサンプリングし、サンプル中に残存するp−DCB量をガスクロマトグラフにて定量した結果、p−DCBの反応率は98.3%であった。また、サンプル中に存在する環状ポリアリーレンスルフィドを高速液体クロマトグラフィー(装置:島津株式会社製LC−10Avpシリーズ、カラム:Mightysil RP−18 GP 150−4.6(5μm)、検出器:フォトダイオードアレイ検出器(UV=270nm))にて定量した結果、プレポリマーに対し環状ポリフェニレンスルフィドは3.0重量%であった。
<工程2>工程1終了後、255℃を維持した状態でオートクレーブ上部に設けたバルブを開放し、NMP、p−DCB、水の混合液150gを25分かけて留出させた段階でバルブを閉じた。ガスクロマトグラフで定量した留出液の組成は、NMP128.9g、p−DCB2.8g、水18.3gであった。
<工程3>留出終了後、直ちにp−DCB2.8g、NMP19.8gをオートクレーブに投入し、255℃で1時間反応を行った。
工程1〜3終了後、直ちにオートクレーブの底栓弁を開放し、内容物を撹拌機付き装置にフラッシュさせ、重合時に使用したNMPの95%以上が揮発除去されるまで230℃の撹拌機付き装置内で乾固し、PPSと塩類を含む固形物を回収した。
得られた回収物をイオン交換水1リットルで75℃、15分洗浄した後、フィルターで濾過し、ケークを得た。得られたケークを75℃のイオン交換水1リットルで15分洗浄、濾過する操作を3回行った後、ケークおよびイオン交換水1リットル、酢酸10gを攪拌機付きオートクレーブに入れ、オートクレーブ内部を窒素で置換した後、195℃まで昇温した。その後、オートクレーブを冷却し、内容物を取り出した。内容物をフィルターで濾過し、ケークを得た。得られたケークを窒素気流下、120℃で乾燥することで、乾燥PPSを得た。
[実施例2]
工程3でp−DCBを添加しなかったこと以外は実施例1と同様に重合、ポリマー回収を行った。プレポリマー比環状PPS量は3.0重量%であった。
[実施例3]
仕込時の水酸化ナトリウム量を39.34g(0.954モル)としたこと以外は実施例1と同様に重合、ポリマー回収を行った。プレポリマー比環状PPS量は3.0重量%であった。
[実施例4]
工程1および工程2を以下の通り行ったこと以外は実施例1と同様に重合、ポリマー回収を行った。
<工程1>200℃から238℃までを1℃/分で昇温した後238℃で1.5時間反応を行い、続けて238℃から255℃までを1℃/分で昇温してPPSプレポリマーを調製した。工程1終了時のp−DCB反応率は98.3%であった。プレポリマー比環状PPS量は2.8重量%であった。
<工程2>工程1で255℃到達直後に留出を開始し、その後は実施例1と同様に重合、ポリマー回収を行った。
[比較例1]
工程2および工程3を行わなかったこと以外は実施例1と同様に重合、ポリマー回収を行った。プレポリマー比環状PPS量は3.0重量%であった。
[比較例2]
工程2および工程3を行わず、工程1の255℃重合時間を3時間としたこと以外は実施例1と同様に重合、ポリマー回収を行った。プレポリマー比環状PPS量は3.0重量%であった。
[比較例3]
仕込時の水酸化ナトリウム量を41.27g(1.001モル)としたこと以外は実施例1と同様に重合、ポリマー回収を行った。プレポリマー比環状PPS量は3.0重量%であった。
[比較例4]
仕込時の水酸化ナトリウム量を36.84g(0.893モル)としたこと以外は実施例1と同様に重合、ポリマー回収を行った。プレポリマー比環状PPS量は3.0重量%であった。
重合条件および得られたPPSの溶融粘度、MCAB量、BCPS量の測定結果を表1に示す。反応途中で脱液・濃縮反応を行わなかった比較例1、比較例2に比べ、濃縮反応を行った実施例1、実施例2では高粘度化しつつ、重合副生物のMCAB量やオリゴマーのBCPSが大幅に低減したPPSが得られることがわかる。また、比較例3、比較例4に比べ、塩基性化合物(実施例、比較例では水酸化ナトリウム)をスルフィド化剤1モルに対し0.95モル以上1.03モル未満に制御してプレポリマー合成および濃縮反応を行った実施例1〜3では、高粘度を達成しながらMCAB量やBCPSが大幅に低減したPPSが得られることがわかる。工程1の重合温度を238℃に低温化した実施例4では、さらなる高粘度化が達成できることがわかる。
Figure 2014047218

Claims (5)

  1. 有機極性溶媒中で、スルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物とを200℃以上280℃未満の温度範囲内で反応させるポリアリーレンスルフィドの製造方法において、少なくとも下記の工程1〜3を行うことを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法。
    工程1:スルフィド化剤1モルに対し、塩基性化合物0.95モル以上1.03モル未満、有機極性溶媒2.0モル以上5.0モル未満存在させ、230℃以上280℃未満の温度範囲で反応させてポリアリーレンスルフィドのプレポリマーを生成させる工程。
    工程2:スルフィド化剤1モルに対し、有機極性溶媒が1.0モル以上2.5モル未満となるまで230℃以上で脱液し、反応系内を濃縮する工程。
    工程3:濃縮後、スルフィド化剤1モルに対し、塩基性化合物0.95モル以上1.03モル未満、有機極性溶媒1.0モル以上2.5モル未満存在させ、230℃以上280℃未満の温度範囲で反応を継続する工程。
  2. 前記工程1の塩基性化合物が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、有機カルボン酸金属塩、および有機塩基から選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする請求項1記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  3. 前記工程1終了時点でのジハロゲン化芳香族化合物の反応率が85%以上100%未満であることを特徴とする請求項1または2いずれか記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  4. 前記工程1終了時点の温度が230℃以上であり、工程2の脱液を230℃以上280℃未満の温度範囲で行うことを特徴とする、請求項1〜3いずれか記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  5. 前記工程1を、230℃以上245℃未満の温度範囲では昇降温時間を含めて30分以上3.5時間未満、245℃以上280℃未満の温度範囲内では昇降温時間を含めて5分以上1時間未満反応させることを特徴とする、請求項1〜4いずれか記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
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