JP2014047103A - 多結晶シリコンの回収方法 - Google Patents

多結晶シリコンの回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014047103A
JP2014047103A JP2012191198A JP2012191198A JP2014047103A JP 2014047103 A JP2014047103 A JP 2014047103A JP 2012191198 A JP2012191198 A JP 2012191198A JP 2012191198 A JP2012191198 A JP 2012191198A JP 2014047103 A JP2014047103 A JP 2014047103A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycrystalline silicon
silicon
carbon
carbon electrode
anisotropic etching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012191198A
Other languages
English (en)
Inventor
Kohei Okamoto
宏平 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYO CHRO CO Ltd
KYO-CHRO CO Ltd
MITANI KAKOU CO Ltd
MITANI-KAKOU CO Ltd
Mebius Advanced Technology Ltd
Original Assignee
KYO CHRO CO Ltd
KYO-CHRO CO Ltd
MITANI KAKOU CO Ltd
MITANI-KAKOU CO Ltd
Mebius Advanced Technology Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KYO CHRO CO Ltd, KYO-CHRO CO Ltd, MITANI KAKOU CO Ltd, MITANI-KAKOU CO Ltd, Mebius Advanced Technology Ltd filed Critical KYO CHRO CO Ltd
Priority to JP2012191198A priority Critical patent/JP2014047103A/ja
Publication of JP2014047103A publication Critical patent/JP2014047103A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Compounds (AREA)

Abstract

【課題】 反応炉内で気相成長させて得られる多結晶シリコン棒における、カーボン電極を含む端部から、簡素な工程で高コスト化を招くことなく、多結晶シリコンを良好に回収することが可能な多結晶シリコンの回収方法を提供する。
【解決手段】 多結晶シリコン棒20から切断した端部であるカーボンエンド22を、アルカリ性の異方性エッチング溶液32によりエッチング処理することにより、カーボン電極16から多結晶シリコンを分離させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、多結晶シリコンの回収方法に関し、特に、反応炉内で気相成長させた多結晶シリコン棒の端部から多結晶シリコンを回収する方法に関する。
多結晶シリコン(ポリシリコン)は、各種の半導体装置を製造するための単結晶シリコンの原料、あるいは、太陽電池素子の原料として広く用いられている。この多結晶シリコンは、一般に、シーメンス法により製造される。シーメンス法では、反応炉内にカーボン電極により支持されたシリコン芯線(種棒)を加熱し、その状態で、クロロシランを含む原料ガスを水素雰囲気下で接触させる。これにより、当該シリコン芯線の表面に多結晶シリコンが気相成長(析出)し、多結晶シリコン棒が製造される。
ここで、多結晶シリコン棒の両端部では、カーボン電極に接してその一部を内包する程度まで多結晶シリコンが析出している。そこで、シリコン純度の低下を回避するために、カーボン電極に接する端部はワイヤソー等により切断されて廃棄される。この端部には、かなりの量の多結晶シリコンが残存している。なお、説明の便宜上、この端部を「カーボンエンド」と称する。
そこで、カーボンエンドから多結晶シリコンをリサイクルするために、一般に、ハンマー等によりカーボンエンドを機械的に破砕して、カーボン電極を除去して多結晶シリコンを回収することが行われている。
ところで、多結晶シリコンをリサイクルする技術は、従来から種々提案されている。例えば特許文献1および2には、シリコン単結晶を引き上げた後の石英ルツボに融着した残留多結晶シリコンを回収する方法が開示されており、特許文献3には、多結晶シリコンのインゴットをワイヤソーで切断した後の使用済みスラリーからシリコンを回収する方法が開示されている。
特許文献1に開示の回収方法では、石英ルツボに融着した残留多結晶シリコンを、不活性ガス雰囲気下で加熱して石英ルツボから溶融分離している。また、特許文献2に開示の回収方法では、シリコン単結晶の引上げを終了した後、黒鉛ルツボを機械的に左右に開かせ、黒鉛ルツボ内に支持されていた石英ルツボと、この石英ルツボ内の多結晶シリコンを回収容器内に落下させている。
また、特許文献3に開示の回収方法では、使用済みスラリーを液体部分と固体部分とに分離し、分離した固体部分を、ポリタングステン酸ナトリウム溶液からなる比重分離重液に混ぜて懸濁液を調製し、この懸濁液を比重分離することで多結晶シリコンを回収している。
特開平10−273310号公報 特開2009−040654号公報 特開2011−088805号公報
しかしながら、カーボンエンドを機械的に破砕してカーボン電極を除去する方法では、多結晶シリコンだけでなくカーボン電極も破砕される可能性があり、破砕の過程でカーボンあるいはその他の異物が混入する可能性が高くなる。その結果、回収される多結晶シリコンの純度は低下してしまう。また、破砕の過程で、多結晶シリコンが過剰に微細化されてしまうおそれもある。
さらに、カーボンエンドを破砕することも破砕されたカーボンエンドの破片を分類することも基本的には人手で行うことになる。それゆえ、作業そのものの効率性が低くなるとともに、多結晶シリコンの回収コストの大半が人件費となって高コスト化を招くことにもなる。
一方、特許文献1ないし3に開示される従来の回収方法は、いずれもカーボンエンドから多結晶シリコンを回収する方法ではない。また、特許文献1および2に開示の回収方法は、単結晶シリコンの製造過程で石英ルツボに残留する多結晶シリコンを回収することを目的としており、特許文献3に開示の回収方法は、インゴットを切断した後の使用済みスラリーから多結晶シリコンを回収することを目的としているため、カーボンエンドからの多結晶シリコンの回収に転用することもできない。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、簡素な工程で高コスト化を招くことなく、カーボンエンドから多結晶シリコンを良好に回収することが可能な多結晶シリコンの回収方法を提供することを目的とする。
本発明に係る多結晶シリコンの回収方法は、前記の課題を解決するために、反応炉内で気相成長させて製造される多結晶シリコン棒における、カーボン電極を含む端部から多結晶シリコンを回収する方法であって、前記多結晶シリコン棒から切断した前記端部を、アルカリ性の異方性エッチング溶液によりエッチング処理することにより、前記カーボン電極から前記多結晶シリコンを分離させる構成である。
前記構成の多結晶シリコンの回収方法においては、前記異方性エッチング溶液は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、ヒドラジン、アンモニア、およびエチレンジアミンピロカテコールからなるアルカリ性化合物の群から選択される少なくとも1種の化合物の水溶液であってもよい。
また、前記構成の多結晶シリコンの回収方法においては、前記エッチング処理は、切断した前記端部を、前記異方性エッチング溶液中に浸漬して静置することにより行われる構成であってもよい。
本発明に係る多結晶シリコンの回収方法では、以上の構成により、簡素な工程で高コスト化を招くことなく、カーボンエンドから多結晶シリコンを良好に回収することができる、という効果を奏する。
本発明の適用対象となる多結晶シリコン棒の製造に用いられる、製造装置の模式的な構成を示す概略断面図である。 本発明に係る多結晶シリコンの回収方法の一例を示す模式図である。 (a)は、本発明の一実施例に用いられたカーボンエンドの外観を示す図であり、(b)は、(a)に示すカーボンエンドを異方性エッチング溶液で処理した後の状態を示す図であり、(c)は、本発明の一比較例においてカーボンエンドを機械的に破砕した状態を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
[多結晶シリコン棒の製造例]
まず、本発明に係る多結晶シリコンの回収方法の適用対象となる多結晶シリコン棒の製造の一例について、図1を参照して説明する。図1に示す多結晶シリコン棒の製造装置10は、シーメンス法により多結晶シリコン棒20を製造するための装置であり、反応炉11、原料ガス供給部12、水素ガス供給部13、および窒素ガス供給部14等を備えており、反応炉11内で多結晶シリコン棒20が製造される。
なお、図1は、多結晶シリコン棒20も含めて模式的な断面図として図示しているため、反応炉11、原料ガス供給部12、水素ガス供給部13、および窒素ガス供給部14等の位置関係も模式的に示しており、実際の製造装置10において、各ガス供給部12,13,14が図1に示すような位置に配置しているわけではない。反応炉11内の構成についても同様である。
製造装置10が備える反応炉11は、その内部が気相成長反応を行うための反応空間となっている。この反応空間内には、一対の金属電極15が設けられ、これら金属電極15のそれぞれにカーボン電極16が取り付けられている。なお、反応炉11には、各ガス供給部12,13,14から供給されるガスを内部に導入するためのノズル、排気ガスを排気する排気口、反応炉11内の温度を測定する温度計、あるいはその他公知の計器または部材等も設けられているが、図1には示していない。
多結晶シリコン棒20は、種棒であるシリコン芯線21の表面に、多結晶シリコンを蒸着させることにより気相成長させる。図1に示す例では、シリコン芯線21は、例えば3本用いられ、そのうち2本は、カーボン電極16の芯線ホルダ16bによって一端が支持されることにより反応空間内で垂直に立設される。また、残りの1本は、立設支持されているシリコン芯線21の間で水平となるように、各シリコン芯線21の他端に固定される。このように、シリコン芯線21は、逆U字状(あるいはギリシャ文字の「Π」字(大文字)状、もしくは「鳥居」型)となるように反応容器内で組み立てられる。
金属電極15は、反応炉11の外部に設けられる電源に接続されているため、この金属電極15により反応炉11内のシリコン芯線21に電力供給が可能となっている。なお、この金属電極15および反応炉11は、図示しない冷却装置により冷却される。カーボン電極16は、金属電極15に電気的に接続されるとともに、逆U字状のシリコン芯線21を支持するように構成されている。本実施の形態では、カーボン電極16は、図1に示すように、金属電極15に対して電気的に接続されるカーボン電極本体16aと、このカーボン電極本体16aに保持される芯線ホルダ16bから構成されている。芯線ホルダ16bは、3本のシリコン芯線21のうち立設されるものを固定支持する。
各カーボン電極本体16aは各金属電極15に接続されるとともに各芯線ホルダ16bを保持しており、各芯線ホルダ16bは立設するシリコン芯線21を1本ずつ支持し、2本の立設するシリコン芯線21は、他端同士で水平のシリコン芯線21により架橋されている。これにより一対の金属電極15の間に、カーボン電極16およびシリコン芯線21により逆U字状の「電気回路」を形成することになる。そこで、外部の電源から金属電極15に電流が供給されることにより、シリコン芯線21に電流が流れる。なお、カーボン電極16の具体的な構成は、カーボン電極本体16aおよび芯線ホルダ16bの組合せに限定されず、公知の他の構成も好適に用いることができる。
金属電極15は、公知の金属で構成されており、カーボン電極本体16aおよび芯線ホルダ16bは、高純度のグラファイトカーボン(黒鉛)から構成されている。グラファイトカーボンは導電性に優れるだけでなく、一般的な金属よりも化学的に不活性である。そのため、反応炉11内で気層成長する多結晶シリコンを汚染することがない。それゆえ、シリコン芯線21を固定する電極を高純度のグラファイトカーボンで形成することにより、得られる多結晶シリコンの純度低下を抑えることができる。
原料ガス供給部12は、トリクロロシラン(SiHCl3 )等といった、多結晶シリコン析出のための原料ガスを反応炉11内に供給する。また、水素ガス供給部13は、水素ガス(H2 )を反応炉11内に供給し、窒素ガス供給部14は、窒素ガス(N2 )を反応炉11内に供給する。原料ガス供給部12、水素ガス供給部13、または窒素ガス供給部14は、公知の配管およびバルブ(あるいはノズル)等を介して反応炉11に接続されており、各ガス供給部12,13,14は、条件に応じてこれらガスを反応炉11に供給する。
次に、図1に示す製造装置10により多結晶シリコン棒20を製造する方法について簡単に説明する。まず、窒素ガス供給部14により反応炉11内に窒素ガスが供給され、これにより反応空間の雰囲気が空気から窒素に置換される。次に、水素ガス供給部13により反応炉11内に水素ガスが供給され、反応空間の雰囲気が窒素ガスにから水素ガスに置換される。次に、シリコン芯線21の導電性を良好なものとするために、図示しないヒータを用いてシリコン芯線21を予備加熱する。
次に、図示しない電源から金属電極15およびカーボン電極16を介してシリコン芯線21に電流を供給する。これにより、シリコン芯線21は、通常900〜1200℃の範囲に加熱される。次に、電流を供給しつつ水素ガスとともにトリクロロシランガス等の原料ガスを低流量で供給し、多結晶シリコンの気相成長反応を開始させる。その後、シリコン芯線21の表面で多結晶シリコンが十分に成長すると、逆U字状の多結晶シリコン棒20が得られる。この多結晶シリコン棒は、高い純度を有しているため、単結晶シリコンの製造あるいは多結晶シリコンのインゴットの製造等に用いられる。
[多結晶シリコンの回収方法]
次に、本発明に係る多結晶シリコンの回収方法の代表的な一例について、図2を参照して具体的に説明する。
前述した製造装置10により製造された多結晶シリコン棒20は、図2に示すように、その両端部にカーボン電極16が付着した状態となっている。これは、前述したように、多結晶シリコン棒20の種棒であるシリコン芯線21がカーボン電極16(本実施の形態では芯線ホルダ16b)により固定支持されているためである。得られた多結晶シリコン棒20の両端部は、図2に示すように、端面から長さHとなる位置で切断される。これは、カーボン電極16のグラファイトカーボンがシリコンに混入することを防ぐためである。なお、端面からの長さHは具体的に限定されず、カーボン電極16の先端(シリコン芯線21を支持する部位)を確実に含まない程度の長さに設定されればよい。
両端部を切断することにより得られた、カーボン電極16を有さない多結晶シリコン棒20は、図2に枠で囲んで示すように、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンインゴットの原料として用いられることになる。
ここで、切断された多結晶シリコン棒20の端部(カーボン電極16を含む端部)を、図2に示すように「カーボンエンド22」とし、カーボンエンド22を構成する端部のシリコンを、説明の便宜上、「エンドシリコン23」と称する。エンドシリコン23は、カーボン電極16の先端が含まれない程度の長さHで切断されているので、カーボンエンド22は多量の多結晶シリコンが残存していることになる。
そこで、本発明では、このカーボンエンド22から多結晶シリコンを回収するために、図2に示すように、当該カーボンエンド22をアルカリ性(塩基性)の異方性エッチング溶液32によりエッチング処理する。図2では、エッチング槽31に蓄積された異方性エッチング溶液32中にカーボンエンド22を浸漬して静置している状態を示している。これにより、エンドシリコン23が異方性エッチングされるため、エンドシリコン23には、割れ目のようなエッチング溝が生じる。その結果、湿式処理であるにもかかわらず、エンドシリコン23は、機械的に破砕されたような多結晶シリコンの断片となる。
しかも、カーボン電極16は前述したようにグラファイトカーボン製であるので、異方性エッチング溶液32によってほぼ侵食されない。それゆえ、異方性エッチングの進行により、カーボン電極16とエンドシリコン23との間でシリコンのみがエッチングされることで、多結晶シリコンの断片をカーボン電極16から容易に脱離(分離)することができるとともに、多結晶シリコンの断片にカーボンが混入することを実質的に回避することが可能となる。加えてエッチングが異方性で進行することから、エンドシリコン23は全体的に溶解することがないので、回収に際して多結晶シリコンの損失を少なくすることができる。
本発明で用いられる異方性エッチング溶液32は、単結晶シリコンの微細加工に用いられるアルカリ性のエッチング溶液を好適に用いることができる。具体的には、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、ヒドラジン、アンモニア、エチレンジアミンピロカテコール等といったアルカリ性化合物の水溶液を挙げることができる。異方性エッチング溶液32としては、これらアルカリ性化合物を1種のみ用いた水溶液であってもよいし、2種以上を適宜組み合わせた水溶液であってもよい。これらアルカリ性化合物の水溶液は、シリコンの結晶面方位によってエッチング速度に例えば100倍近い差が生じるため、異方性エッチングが可能となっている。
カーボンエンド22のエッチング条件は特に限定されず、カーボンエンド22を構成するエンドシリコン23の大きさ、重量、結晶状態、カーボン電極16の形状、大きさ、あるいはエンドシリコン23とカーボン電極16との接触状態等に応じて、適宜設定することができる。代表的なエッチング条件としては、アルカリ性化合物の濃度、エッチング温度、エッチング時間等が挙げられる。
アルカリ性化合物の一般的な濃度としては、0.1重量%〜50重量%の範囲内を挙げることができるが、もちろんこの範囲内に限定されない。また、エッチング温度は、常温(室温)であってもよいし、ヒータ等の加熱装置によって異方性エッチング溶液32を加熱してもよい。一般的な加熱温度としては、溶媒である水が沸騰しない程度、例えば60〜80℃の範囲内を挙げることができるが、もちろんこの範囲内に限定されない。
また、エッチング時間は、機械的な手法を用いずにカーボン電極16からエンドシリコン23を分離できる程度の時間であって、エンドシリコン23が過剰に溶解されず、多結晶シリコンの回収効率を低下させない程度の時間に適宜設定すればよい。
さらに本発明で用いられる異方性エッチング溶液32には、アルカリ性化合物以外に他の成分が含まれていてもよい。代表的な成分としては、低級アルコールまたは高分子ポリエーテル等が挙げられる。これら成分は、単結晶シリコンの異方性エッチングにおいてアンダーカットを抑制する添加剤として知られている。
単結晶シリコンの異方性エッチングにおいては、エッチング深さを大きくするほど、その深さに比例する程度に、広がり方向(深さ方向を「縦方向」とすると横方向)への不要な侵食も大きくなること、すなわちアンダーカットが発生することが知られている。単結晶シリコンの場合には、アンダーカットの発生は微細加工の精度低下につながるが、本発明においては、アンダーカットの発生は多結晶シリコンの回収率の低下につながる。
本発明では、異方性エッチング溶液32によってエンドシリコン23に割れ目となるようなエッチング溝を生じさせることで、カーボン電極16からエンドシリコン23を分離させているので、エッチング溝は、その溝幅ができる限り小さいままで深く形成されることが好ましい。しかしながら、アンダーカットが有意に生じると、エッチング溝が深くなるほど溝幅も大きくなるので、結果的に多結晶シリコンが過剰に溶解されて回収できないことになる。そこで、低級アルコールまたは高分子ポリエーテル等の添加剤を加えてアンダーカットの抑制を図ることが好ましい。
異方性エッチング溶液32に添加される低級アルコールとしては、例えば、1−プロパノール(n−プロピルアルコール)、2−プロパノール(イソプロピルアルコール,IPA)等が挙げられるが特に限定されない。また、高分子ポリエーテルとしては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)等が挙げられるが特に限定されない。これら低級アルコールまたは高分子ポリエーテルは1種のみを添加してもよいし、2種以上を適宜組み合わせて添加してもよい。また、これらの添加量も特に限定されず、異方性エッチングを妨げることなくアンダーカットの抑制効果を得られる程度の公知の範囲内であればよい。また、高分子ポリエーテルの分子量も特に限定されず、異方性エッチング溶液32に溶解可能でアンダーカットの抑制効果を得られる程度の分子量であればよい。
なお、本発明に係る多結晶シリコンの回収方法では、多結晶シリコンのエッチングに用いられる処理溶液は、異方性エッチングを呈する処理溶液(異方性エッチング溶液)であって、等方性を呈する処理溶液(等方性エッチング溶液)ではない。これは、等方性エッチング溶液を用いた場合、カーボンエンド22からエンドシリコン23(多結晶シリコン)のみを効率的に分離できないためである。
等方性エッチング溶液としては、例えば、フッ酸、硝酸、酢酸等の酸を含有する酸水溶液を挙げることができる。これら酸性エッチング液は、シリコンの結晶面方位に関係なくエッチングは等方性を呈する。ここで、前述したようにカーボンは不活性であることから、カーボン電極16よりも多結晶シリコンの方が溶解されやすい。そこで、もし酸水溶液によりカーボン電極16とエンドシリコン23との間で等方性のエッチングを行うことができるのであれば、エンドシリコン23をカーボン電極16から脱離させて回収することが可能である。
しかしながら、実際には、酸性水溶液は、カーボンエンド22の表面から多結晶シリコンを全体的に溶解していくので、エッチング時間を長くしても、エンドシリコン23が表面から溶解するのみで、結果的に、多結晶シリコンの多くが処理溶液に溶け出してしまうことになる。それゆえ、多結晶シリコンを有効に回収することができず、最終的には、エンドシリコン23が除去されたカーボン電極16のみが得られてしまうことになりかねない。
これに対して本発明では、カーボンエンド22を異方性エッチングすることにより、結晶面方位に応じた一部のみに割れ目となるようなエッチング溝を形成することができる。それゆえ、エンドシリコン23の表面からカーボン電極16までエッチング溝が達すれば、今度は、エンドシリコン23とカーボン電極16との間でもエッチングを進行させることができる。それゆえ、エンドシリコン23を断片化できるだけでなく、カーボン電極16からも良好に分離させることができる。その結果、エンドシリコン23を過剰に溶解させることなく、断片化して回収することができるので、不純物の混入を有効に抑制した上で多結晶シリコンを良好に回収することができる。
また、図2に示すように、本発明では、基本的に、カーボンエンド22を異方性エッチング溶液32中に浸漬して静置していればよい。そのため、複雑な工程が不要であるとともに、実質的に所定時間放置するだけで多結晶シリコンを回収することができる。それゆえ、簡素な工程で高コスト化を招くことなく、多結晶シリコンを良好に回収することが可能となる。
さらに、カーボンエンド22は、通常廃棄物として取り扱われているので、廃棄物として流通すると、その表面に異物が付着しやすい。しかしながら、本発明では、カーボンエンド22を異方性エッチング溶液32中に浸漬してエッチングするので、異物は異方性エッチング溶液32により溶解したり、エンドシリコン23の表面から異方性エッチング溶液32中に遊離させたりすることができる。それゆえ、本発明によれば不純物の混入をさらに一層抑制することが可能となる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
(実施例)
図3(a)に示す、廃棄された重量850g(内、カーボン電極16の重量100g)のカーボンエンド22を、濃度40重量%の水酸化カリウム水溶液(異方性エッチング溶液32)に浸漬し、48時間静置した。その後、水酸化カリウム水溶液中から固形分を回収し、十分に水洗して乾燥させた。
その結果、図3(b)に示すように、カーボン電極16から多結晶シリコン(エンドシリコン23)が断片化して分離(回収)された。なお、回収された多結晶シリコンの重量は600gであった。
(比較例1)
廃棄された重量850g(内、カーボン電極16の重量100g)のカーボンエンド22をハンマーにより破砕した。
その結果、図3(c)に示すように、エンドシリコン23とともにカーボン電極16も破砕されたため、多結晶シリコンにカーボンが混入することを回避できなかった。またエンドシリコン23をカーボン電極16から十分に分離することができなかった。なお、回収した多結晶シリコンの重量は300gであり、実施例に比べて少なかった。
(比較例2)
廃棄された重量850g(内、カーボン電極16の重量100g)のカーボンエンド22を、濃度30重量%のフッ酸と濃度30重量%の硝酸との混合水溶液(等方性エッチング溶液)に浸漬し、実施例と同じ時間静置した。
その結果、エンドシリコン23(多結晶シリコン)のみが全体的にエッチングされただけで、エンドシリコン23をカーボン電極16から全く分離することができなかった。また、処理後のカーボンエンド22を、実施例と同様に十分に水洗して乾燥させてから重量を測定したが、その重量は650gであり、約200gの多結晶シリコンが回収できずにフッ酸・硝酸の混合水溶液(等方性エッチング溶液)に溶解されてしまった。
なお、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、多結晶シリコン棒から切断して得られる、カーボン電極を含む端部から、多結晶シリコンを回収する分野に広く好適に用いることができる。
10 多結晶シリコン棒の製造装置
11 反応炉
15 金属電極
16 カーボン電極
16a カーボン電極本体
16b 芯線ホルダ
20 多結晶シリコン棒
22 カーボンエンド(カーボン電極を含む端部)
23 エンドシリコン(多結晶シリコン)
32 異方性エッチング溶液


Claims (3)

  1. 反応炉内で気相成長させて製造される多結晶シリコン棒における、カーボン電極を含む端部から多結晶シリコンを回収する方法であって、
    前記多結晶シリコン棒から切断した前記端部を、アルカリ性の異方性エッチング溶液によりエッチング処理することにより、前記カーボン電極から前記多結晶シリコンを分離させることを特徴とする、
    多結晶シリコンの回収方法。
  2. 前記異方性エッチング溶液は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、ヒドラジン、アンモニア、およびエチレンジアミンピロカテコールからなるアルカリ性化合物の群から選択される少なくとも1種の化合物の水溶液であることを特徴とする、
    請求項1に記載の多結晶シリコンの回収方法。
  3. 前記エッチング処理は、切断した前記端部を、前記異方性エッチング溶液中に浸漬して静置することにより行われることを特徴とする、
    請求項1に記載の多結晶シリコンの回収方法。

JP2012191198A 2012-08-31 2012-08-31 多結晶シリコンの回収方法 Pending JP2014047103A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012191198A JP2014047103A (ja) 2012-08-31 2012-08-31 多結晶シリコンの回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012191198A JP2014047103A (ja) 2012-08-31 2012-08-31 多結晶シリコンの回収方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014047103A true JP2014047103A (ja) 2014-03-17

Family

ID=50607138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012191198A Pending JP2014047103A (ja) 2012-08-31 2012-08-31 多結晶シリコンの回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014047103A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5875744B1 (ja) * 2014-08-29 2016-03-02 株式会社トクヤマ シリコン単結晶の製造方法
WO2016178454A1 (ko) * 2015-05-06 2016-11-10 김국광 다결정 실리콘 제조용 카본 부품과 실리콘의 분리방법
CN114212794A (zh) * 2021-12-30 2022-03-22 新疆大全新能源股份有限公司 制备电子级方硅芯的原生多晶硅棒的生产方法及还原炉

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5875744B1 (ja) * 2014-08-29 2016-03-02 株式会社トクヤマ シリコン単結晶の製造方法
WO2016031891A1 (ja) * 2014-08-29 2016-03-03 株式会社トクヤマ シリコン単結晶の製造方法
KR101762220B1 (ko) * 2014-08-29 2017-07-27 가부시끼가이샤 도꾸야마 실리콘 단결정의 제조 방법
US10287704B2 (en) 2014-08-29 2019-05-14 Tokuyama Corporation Process for producing silicon single crystal
WO2016178454A1 (ko) * 2015-05-06 2016-11-10 김국광 다결정 실리콘 제조용 카본 부품과 실리콘의 분리방법
KR101811690B1 (ko) * 2015-05-06 2017-12-26 김국광 다결정 실리콘 제조용 카본 부품과 실리콘의 분리방법
CN114212794A (zh) * 2021-12-30 2022-03-22 新疆大全新能源股份有限公司 制备电子级方硅芯的原生多晶硅棒的生产方法及还原炉

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5751748B2 (ja) 多結晶シリコン塊群および多結晶シリコン塊群の製造方法
JP5903474B2 (ja) カスケードプロセスを利用してシリコンを精製する方法
CN106115717A (zh) 一种去除冶金级硅中杂质的方法
JP2014047103A (ja) 多結晶シリコンの回収方法
CN101775650B (zh) 一种太阳能多晶硅铸锭的制备方法
US20090074650A1 (en) Method for the production of silicon suitable for solar purposes
JP2013256445A (ja) 単結晶シリコンの製造方法
WO2012144161A1 (ja) シリコン芯線の製造方法
CN112441588A (zh) 一种金刚石线切割硅废料的脱氧方法
WO2009081725A1 (ja) シリコン再生方法
CN101935040A (zh) 一种利用真空电弧熔炼法除去硅中低温杂质的方法
CN103042009B (zh) 一种多晶硅料生产还原炉用电极保护罩的清洗方法
CN211247691U (zh) 一种高温清洗防漂片夹具
CN104495853B (zh) 一种工业硅精炼提纯方法
CN113697815A (zh) 一种利用复合亲硼添加剂去除冶金级硅中硼的方法
JP4554917B2 (ja) シリコンウエハーエッチング用苛性アルカリ水溶液の回収再生方法およびそれによって回収された苛性アルカリ水溶液
JP2010173890A (ja) シリコンスラッジ回収方法およびシリコン加工装置
JP4732219B2 (ja) 高純度シリコン製造方法及び高純度シリコン製造装置
CN103693647A (zh) 一种低温去除硅中硼磷的方法
CN102392297A (zh) 一种锌电解回收装置及处理方法
JP5942899B2 (ja) シリコンの製造方法
CN210897223U (zh) 一种改进的承片篮
CN114988413B (zh) 一种高纯多孔硅制备的方法
JP5173013B1 (ja) シリコンの精製方法、結晶シリコン材料の製造方法、および、太陽電池の製造方法
TW201137192A (en) Production method used to produce solar grade silicon