JP2014047075A - 重送検知装置および画像形成装置および重送検知方法 - Google Patents

重送検知装置および画像形成装置および重送検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】重送判定の精度を有効に高め、不揮発性メモリに記憶されていないシート状記録媒体に対しても、有効な重送判定を可能ならしめることを課題とする。
【解決手段】重送検知装置は、超音波発振部23Aと、受信センサ23Bと、シート状記録媒体の重送を判定する重送判定回路209と、制御部とを有し、制御部は、不揮発性メモリ211と、外部入力部27と、閾値調整回路212とを有し、閾値調整回路212は、搬送されるシート状記録媒体の仕様情報に応じて、重送判定に用いる3つの閾値を初期設定するとともに、搬送途上のシート状記録媒体に関する受信レベルに応じて、3つの閾値のうち1以上を可変して設定する機能を持つ。
【選択図】図2

Description

この発明は、重送検知装置および画像形成装置および重送検知方法に関する。
この発明の画像形成装置は、アナログやデジタルの電子複写装置や、光プリンタ、光プロッタ、ファクシミリ装置等として実施できる。
さらには、これ等の装置の機能を複合させたMFP(マルチ・ファンクション・プリンタ)や、インクジェット方式の画像形成装置として実施できる。
電子複写機や光プリンタ、MFP、インクジェットプリンタ等の画像形成装置では、画像を記録する記録媒体は、紙や布、プラスチックシート等のシート状である。
このようなシート状の記録媒体を、この明細書中において「シート状記録媒体」と称する。
シート状記録媒体は、一般的に、画像形成装置内に積載状態で用意され、給紙機構により、積層された複数枚から1枚ずつ分離されて画像形成部へ搬送される。
積層されたシート状記録媒体は、静電気や湿度等の作用により相互に吸着することがあり、2枚以上が重なり合って搬送される場合がある。
このように複数枚のシート状記録媒体が「重なり合って搬送」されることを、シート状記録媒体の「重送」と称する。
重送は、勿論、画像形成プロセスに悪影響を与える。
このような「重送」の有無を、超音波を用いて検知することが、特許文献1、2等により従来から知られている。
シート状記録媒体に向けて超音波を発振し、シート状記録媒体を通過させると、通過した超音波の強度は、シート状記録媒体を通過することにより減衰している。
この減衰は、超音波が通過したシート状記録媒体の仕様により異なる。
特許文献1では、シート状記録媒体を通過した超音波を検出した検出レベルに「閾値」を設定し「検出レベルが閾値を下回った」ときに重送が生じたとする判定が行われている。
検出レベルは、シート状記録媒体の種類によっても変化するので、シート状記録媒体を静止状態にして超音波を通過させ、検出レベルに応じて閾値の調整が行われる。
特許文献2では、シート状記録媒体を通過した超音波の検出信号を増幅して積分し、積分された値を閾値と比較して、重送の判定を行っている。
これら特許文献1、2記載の重送判定では、シート状記録媒体の種類に応じて「単一の閾値」が変化させられる。
また、閾値は、搬送されるシート状記録媒体の種類に応じて異なるので、一般に、複数のシート状記録媒体に関する閾値が「不揮発性メモリ」に記憶されている。
そして、搬送されるシート状記録媒体の種類に応じ、記憶された閾値が設定されるようになっている。
実際には、用いられるシート状記録媒体の全種類について閾値を記憶させることは困難であり、不揮発性メモリに記憶されていないシート状記録媒体が用いられることもある。
また、超音波を発振する超音波発振部や受信センサに異物が付着したり、あるいは環境温度が大きく変化すると、感度が変化し、重送検知に誤差が生じ得る。
また、閾値が1つであると、シート状記録媒体が「超音波を通過させ易いか否か」によって、重送判定に誤りが発生する可能性がある。
この発明は、重送判定の精度を有効に高め、不揮発性メモリに記憶されていないシート状記録媒体に対しても、有効な重送判定を可能ならしめることを課題とする。
この発明の重送検知装置は、複数枚から分離されて搬送されるシート状記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、前記シート状記録媒体の重送を検知する重送検知装置であって、シート状記録媒体の搬送路の定位置において、搬送途上のシート状記録媒体に向けて超音波を発振する超音波発振部と、前記搬送路を介して前記超音波発振部と逆側に配置され、前記シート状記録媒体を通過して減衰した超音波を受信する超音波受信センサと、該超音波受信センサが受信する超音波信号の受信レベルにより、前記シート状記録媒体の重送の有無を判定する重送判定回路と、前記超音波発振部と、超音波受信センサと、重送判定回路とを、前記シート状記録媒体の搬送に同期して制御する制御部とを有し、前記制御部は、不揮発性メモリと、外部入力部と、閾値調整回路とを有し、前記不揮発性メモリは、複数種のシート状記録媒体の仕様情報と、該仕様情報ごとに、重送判定に用いる1以上の閾値を保存しており、前記外部入力部は、搬送されるシート状記録媒体の仕様情報を外部から入力するものであり、前記閾値調整回路が、搬送されるシート状記録媒体の仕様情報に応じて、重送判定に用いる3つの閾値:VthH、VthM、VthLを初期設定するとともに、搬送途上の前記シート状記録媒体に関する受信レベルに応じて、前記3つの閾値のうち1以上を可変して設定する機能を持つことを特徴とする。
この発明の重送検知方法は、複数枚から分離されて搬送されるシート状記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、前記シート状記録媒体の重送を検知する重送検知方法であって、搬送されるシート状記録媒体に関する使用情報を外部入力可能とするとともに、複数のシート状記録媒体に関する使用情報と、3つの閾値:VthH、VthM、VthLを不揮発性メモリに記憶させ、前記搬送されるシート状記録媒体の仕様情報に応じて、3つの閾値:VthH、VthM、VthLを初期設定し、シート状記録媒体の搬送路の定位置において、搬送途上のシート状記録媒体に向けて超音波発振部により超音波を発振し、前記搬送路を介して前記超音波発振部と逆側に配置された超音波受信センサにより、前記シート状記録媒体を通過して減衰した超音波を受信し、搬送途上の前記シート状記録媒体に関する受信レベルに基づき、必要に応じて、前記3つの閾値のうちの1以上を可変して再設定し、再設定された前記3つの閾値を用いて、重送の有無を判定することを特徴とする。
この発明の画像形成装置は、複数枚から分離されて搬送されるシート状記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、シート状記録媒体の重送を検知する重送検知装置として、上記のものを有することを特徴とする。
この発明の重送検知装置によれば、重送判定に3つの閾値を用い、これら閾値を可変設定できるので、精度の良い重送判定が可能である。
また、搬送されるシート状記録媒体の仕様情報を、外部から入力可能であるので、不揮発性メモリに記憶されないシート状記録媒体の重送判定も有効に行うことができる。
画像形成装置の実施の1形態を説明するための図である。 重送検知回路を説明するための図である。 重送閾値:VthHとその調整について説明するための図である。 重送閾値:VthMとその調整について説明するための図である。 重送閾値:VthLとその調整について説明するための図である。 シート状記録媒体Sの搬送に「重送あり」と判定されるときのフローチャートである。 重送検知の条件設定について説明するフローチャートである。
以下、実施の形態を説明する。
図1は、画像形成装置の実施の1形態を示す図である。
図1に示す画像形成装置1は、タンデム型のカラー光プリンタである。
図1において、画像形成装置1の装置中央付近に、無端ベルト状の中間転写ベルト2が設けられている。
中間転写ベルト2は、複数の支持ローラ28及び駆動ローラ8、2次転写対向ローラ10に掛け回され、駆動ローラ8により時計回りに回転駆動される。
中間転写ベルト2の上部には、4つの画像形成手段3が、図の左右方向に配設されて、タンデム画像形成装置4を構成している。
タンデム画像形成装置4の上には露光装置5が設けられている。
タンデム画像形成装置4の各画像形成手段3は、各色トナー像を担持する像担持体としてドラム状の感光体6を有している。
各感光体6から中間転写ベルト2にトナー像を転写する1次転写位置には、1次転写手段の構成要素として1次転写ローラ7が設けられている。
各1次転写ローラ7は、中間転写ベルト2を介して各感光体6と対向するように配されている。
画像形成すべき印刷データは、例えば、コンピュータ等の「図示されない上位装置」からコントローラボックス25内のコントローラボード26に送信される。
コントローラボード26は、受信した印刷データを「画像形成装置1で印刷するための画像データ」に編集し、画像形成装置1に送信する。
画像形成装置1は、画像データを受信すると、駆動ローラ8を回転駆動し、中間転写ベルト2を回転させる。
これに同期して、個々の画像形成手段3により、各感光体6上に、所定の色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色)の単色画像が形成される。
これら各色の単色画像は、中間転写ベルト2上に順次、重ね合わせて転写され、中間転写ベルト2上にカラー画像が形成される。
中間転写ベルト2を介して、タンデム画像形成装置4と反対側には、2次転写装置9が配置されている。
2次転写装置9は、2次転写対向ローラ10に2次転写ローラ11を押し当てて転写電界を印加する。
これにより、中間転写ベルト2上の画像が、ローラ10、11間を通過するシート状記録媒体Sに転写される。
2次転写装置9の左方には、シート状記録媒体S上のカラー画像を定着する定着機構部12が設けられている。
定着機構部12は、無端ベルト状の定着ベルト13に加圧ローラ14を押圧させた構成となっている。
画像形成装置1の上部には、印刷方法、カラー/モノクロ印刷、用紙サイズ、紙種等の印刷設定を行うための外部入力部であるオペレータパネル27が設けられている。
このオペレータパネル27の操作により、オペレータが任意に印刷設定を変更できる。
シート状記録媒体Sは、図中の破線、一点鎖線が示す搬送経路に沿って搬送される。
破線は「片面印刷時の搬送経路」、一点鎖線は「両面印刷を行う場合に片面印刷完了後のシート状記録媒体Sの搬送経路」を示す。
給紙カセット18に格納されるシート状記録媒体Sは「サイズおよび向き」を、ユーザが任意に設定可能である。
そして、シート格納時に自動的に認識され「認識されたサイズと向き」がオペレータパネル27に表示される。
シートの種別は、ユーザがオペレータパネル27を操作し、予め登録されている「シートの種類」から選択するか、未登録のシートの場合は「仕様情報を追加登録」する。
「仕様情報」は、シート状記録媒体に関する「厚さや坪量等」である。
印刷時には、給紙カセット18内のシート状記録媒体Sを、自動またはオペレータによる操作により選定する。
そして、選定されたサイズのシート状記録媒体を格納している給紙テーブル16の給紙ローラ17の1つを回転し、最上部のシート状記録媒体を定期的に繰り出す。
繰出されたシート状記録媒体Sは、搬送経路上に配置された各搬送ローラ19を適時駆動することにより搬送される。
各搬送ローラ19には、搬送経路下流側直近に搬送センサ(図示されず)が配置され、シート状記録媒体Sの搬送を監視している。
給紙カセット18から搬送されたシート状記録媒体Sは、搬送経路上に配置された重送センサ23により重送の有無を監視されている。
1枚ずつ搬送されたシート状記録媒体Sは、タイミングローラ20に先端を銜えられて待機する。
そして、中間転写ベルト2上の画像の移動にタイミングを合わせて、2次転写装置9に送り込まれ、中間転写ベルト2上のカラー画像を転写される。
カラー画像を転写されたシート状記録媒体Sは、搬送ベルト15により定着機構部12へ搬送され、同機構部12において熱と圧力とを加えられてカラー画像を定着される。
両面印刷時には、この後、シート状記録媒体Sを表裏反転し、定着機構部12下側から搬送経路の上流側へ搬送し、他方の面を同様に印刷する。
印刷が完了したシート状記録媒体Sは、排出ローラ21により、デカーラユニット22へ搬送される。
デカーラユニット22は、印刷動作によりカールしているシート状記録媒体Sのカールを改善し、排紙トレイ24上に排出積載する。
次に、図2を参照して重送検知回路を説明する。
図2において、符号23Aは「超音波発振部」、符号23Bは「超音波受信センサ」、符号201は「画像形成装置制御部」、符号202は「駆動パルス生成回路」を示す。
なお、以下においては図2に合わせて、超音波発振部23Aを「送信センサ」、超音波受信センサ23Bを「受信センサ」と称する。
これら送信センサ23A、受信センサ23Bは、図1に示した「重送センサ23」を構成する。
また、符号203は「フィルタ回路」、符号204は「増幅回路」、符号205は「検波回路B」を示す。
さらに、符号206は「比較回路H」、符号207は「比較回路M」、符号208は「比較回路L」、符号209は「重送判定回路」を示す。
符号210は「CPU」、符号211は「不揮発性メモリ」を示し、さらに、符号212は「閾値調整回路」を示す。
画像形成装置制御部201は、搬送途上のシート状記録媒体Sの重送状態を検知するため、送信センサ23Aを駆動する。
送信センサ23Aで発生する超音波は、搬送途上のシート状記録媒体Sに向けて発振され、シート状記録媒体Sを通過し、受信センサ23Bにより受信される。
なお、送信センサ23Aから「連続でパルス出力」した場合、超音波の干渉による反射波を誤検知する恐れがある。
これを避けるため、超音波パルスは「一定のサンプリング周期で断続的に超音波を送信するバースト波」で出力する。
また、この実施の形態では、発信した超音波の反射波の影響を受けないように、超音波の発振方向をシート状記録媒体Sの搬送路に対して傾けて設定している。
なお、超音波周波数は300kHz、バースト波数は6波としている。
画像形成装置制御部201内のCPU210は、シート状記録媒体Sの搬送と同期して送信センサ23Aの駆動タイミングを生成する。
生成された駆動タイミング信号は、駆動パルス生成回路202で、駆動パルスに変換され、送信センサ23Aに入力し、超音波パルスを発振させる。
送信センサ23Aから発振された超音波パルスは、受信センサ23Bで受信される。
受信センサ23Bが受信する超音波パルスは、シート状記録媒体Sを通過することにより減衰するが、減衰率は「シート状記録媒体Sの種類」により異なる。
受信センサ23Bが受信した超音波パルスは、フィルタ回路203に入力され「送信された超音波パルスの周波数を中心とした帯域」を抽出される。
帯域抽出された超音波パルスは、増幅回路204にて「重送検知を判別し易いレベル」まで増幅され、検波回路205で「増幅された超音波パルスの増幅分」が取り出される。
検波された「増幅された超音波パルスの増幅分」は、比較回路H206、比較回路M207、比較回路L208に送られる。
そして、比較回路H206、比較回路M207、比較回路L208において、それぞれ重送閾値:VthH、VthM、VthLとの比較判定を行う。
比較判定の判定結果はCPU210に送られる。
重送閾値:VthH、VthM、VthLは「シート状記録媒体Sの仕様情報によって設定」される。
そして、CPU210は、閾値調整回路212で「それぞれが最適な閾値」となるように制御する。
図3〜図6を参照して、重送閾値:VthH、VthM、VthLとその調整について説明する。
図3〜図6は「シート状記録媒体Sの重送検知」に関するタイミングチャートである。
これら図3〜図6において(A)〜(H)は、図2に例示する回路上の信号波形であり、(A)、(B)、(D)〜(G)は、図2のブロック図にも示してある。
駆動パルス生成回路202によって生成される駆動パルス(波形(A))は「バースト波パルス」となっている。
このバースト波パルスを送信センサ23Aに入力すると、送信センサ23Aから超音波パルスが出力される。
受信センサ23Bは、シート状記録媒体Sを通過した超音波パルスを受信する。
受信された超音波パルスは、シート状記録媒体Sを通過することにより減衰しているが、その減数率はシート状記録媒体Sの種類に応じて異なる。
前述の如く、受信した超音波パルスから「超音波周波数を中心とした帯域」をフィルタ回路203で抽出し、増幅回路204で信号増幅すると波形(B)が得られる。
波形(B)をもつ信号から、検波回路205によってパルス増幅分の信号(波形(C)を持つ信号)を抽出し、積分化すると波形(D)を持つ信号が得られる。
この波形(D)を持つ信号の最大値を「検波レベルD」と呼ぶ。
検波レベルDは、比較回路H206、比較回路M207、比較回路L208において、それぞれ、重送閾値:VthH、VthM、VthLと比較される。
比較回路H206、比較回路M207、比較回路L208は、比較結果をCPU210に向けて出力する。
上記重送閾値:VthH、VthM、VthLの大小関係は、
VthH>VthM>VthL
となっている。
これら3つの閾値のうち、重送閾値:VthMは「シート状記録媒体Sの仕様」により定義される。
更に、送信センサ23A、受信センサ23Bの送・受信感度のばらつき、センサ表面の異物付着、周囲温度等によるばらつきを考慮する。
このばらつきによる、検波レベルDの最大をVthH、最小をVthLと定義する。
図3の(D)〜(H)は、検波レベルDが「VthM≦D<VthH」のときのタイミングチャートである。
検波レベルDがこの領域にあれば「受信センサ23Bで受信したシート状記録媒体Sにより減衰した超音波信号」が期待値通りであり、正確な重送検知を行うことができる。
図4の(D)〜(H)は、検波レベルDが「VthH≦D」のときのタイミングチャートである。
検波レベルDがこの領域にある場合、シート状記録媒体Sによる「減衰量のばらつき」によっては、重送状態を見逃してしまう可能性がある。
即ち、検波レベルDが「大きく」減衰率が小さいので、実際に重送が生じていても「重送なし」と判定される可能性がある。
この場合、正確な重送検知を行えるように、重送閾値:VthHを「より大きく」設定しなおし、図3のように「VthH≧D」となるようにする必要がある。
図5は、検波レベルDが「VthL≦D<VthM」のときのタイミングチャートである。
検波レベルDがこの領域にある場合「シート状記録媒体Sの仕様によっては、重送状態でないにも関わらず重送と誤検知をしてしまう可能性」がある。
即ち、検波レベルDが「小さく」減衰率が大きいので、実際に重送が生じていなくても「重送あり」と判定される可能性がある。
そこで、この場合には、正確な重送検知を行えるように、重送閾値:VthMを「より小さく」設定しなおし、図3のように「D≧VthM」となるようにする必要がある。
また、重送閾値:VthLも下げる必要がある。
図6は、検波レベルDが「VthL>D」のときのタイミングチャートである。検波レベルDがこの領域にある場合、シート状記録媒体Sの搬送に「重送あり」と判定される。
図7は、重送検知の条件設定について説明するフローチャートである。
図2のブロック回路図との関連で説明する。
画像形成装置制御部201は重送検知の閾値設定を行うために、給紙テーブル16に格納されているシート状記録媒体Sのサイズを確認する(STEP1)。
次いで、画像形成装置制御部201は「オペレータによりオペレータパネル27で設定されたシート状記録媒体Sの仕様情報」について確認する(STEP2)。
次に、使用するシート状記録媒体S、モノクロ印刷、カラー印刷、両面印刷、片面印刷等の印刷モードの設定を確認する(STEP3)。
次いで、シート状記録媒体Sが「画像形成装置制御部201内の不揮発性メモリ211に登録済のシート状記録媒体か否か」を判断する(STEP4)。
「未登録のシート状記録媒体S」である場合、オペレータパネル27上のLDC等の告知手段にて「登録のない」ことをオペレータに告知する。
そして、シート状記録媒体Sの仕様情報の入力を促す(STEP13)。
オペレータが仕様情報を入力すると、入力された情報から「登録済のシート状記録媒体Sに類似する仕様」で条件設定を行う(STEP12)。
「オペレータにより入力すべき仕様情報」は、シート状記録媒体の「坪量や厚さ等」である。
オペレータがこのような仕様情報を持たない場合には、例えば、質問形式により仕様情報の入力を促すことができる。
例えば、シート状記録媒体が「転写紙」であれば、「転写紙は厚紙ですか?」、「転写紙の目が詰んでいますか?」、「転写紙は重いですか?」等の質問を表示する。
これ等の質問に対する回答も、例えば、2択形式や3択形式で表示して、オペレータに選択させる。このようにして、転写紙に対する「必要な仕様情報」を取得する。
このように取得された仕様情報に「最も近い仕様情報の既登録シート状記録媒体」を選択し、「登録済のシート状記録媒体Sに類似する仕様」とする。
使用する転写紙が「登録済シート状記録媒体」である場合、不揮発性メモリ211に記憶されている条件設定を行い、給紙を開始する。
登録済みのシート状記録媒体が搬送される場合には、不揮発性メモリ211には、既に、重送閾値:VthH、VthM、VthLが記憶されている。
従って、この場合、これら閾値:VthH、VthM、VthLを設定して、重送判定を開始すれば良い(STEP5)。
搬送されるシート状記録媒体が「未登録」である場合には、前述の如く、オペレータにより「仕様情報」が、オペレータパネル27上で入力されている。
そして、入力された仕様情報により「登録済のシート状記録媒体Sに類似する仕様」が選択され、選択された仕様に応じた閾値:VthH、VthM、VthLを初期設定する。
これら「初期設定された閾値」は、必ずしも適切であるとは限らない。
そこで、STEP6以下で、閾値の調整を行う。
以下、選択された「登録済のシート状記録媒体Sに類似する仕様」に基づき、閾値:VthMは適正に設定されている場合を説明する。
上述したように、検波レベルDを求め、最初に「閾値:VthH」と比較する(STEP6)。
比較の結果が「VthH≦D」のときは、閾値:VthHは低すぎるので、その値を上昇させる(STEP14)。このときの上昇量を「シフト1」とする。
「シフト」1は、例えば「初期設定された閾値:VthHとVthLの範囲を、n分割した分割量」とする。上記nは適宜の整数であるが「5〜10程度が適当」である。
前記「比較の結果」が「VthH>D」である場合は、閾値:VthHは適正であるとして、次ステップに移行する。
即ち、検波レベルDと閾値:VthMとを比較する(STEP7)。
「VthM≦D」のとき、検波レベル:Dは最適な範囲にあることになり、閾値調整は終了する(STEP16)。「VthM>D」のときは次ステップに移行する。
即ち、検波レベルDと閾値:VthLとを比較する(STEP8)。「VthL≦D」のときは閾値シフト1ダウンさせる(STEP15)。
「シフト1」の幅は、上記と同様である。
「VthL>D」のときは「閾値を最大シフト量分シフト」させる(STEP9)。
次に検波レベル:Dと閾値:VthL(最大シフト量分シフトされている。)を再比較する(STEP10)。「VthL≦D」のとき閾値調整終了する(STEP16)。
「VthL>D」のときは「シート状記録媒体Sは重送状態」であり、重送判定を行う(STEP11)。
なお、上記閾値の再調整は、搬送されつつある同一のシート状記録媒体に対し、適正な閾値が設定されるまで、必要に応じて2回以上行われる。
このようにして、閾値調整が終了した後、次のシート状記録媒体Sの搬送ありの場合、検波レベルを検出し閾値比較を行っていく(STEP17)。
このようにして、適正な重送検知を行うことができる。
上の説明から明らかなように上記実施の形態において、オペレータパネル27は「外部入力部」を構成する。
場合によっては、搬送されるシート状記録媒体の仕様情報が、オペレータに知られていない場合も考えられる。
この場合に対処するために、外部入力部には、この場合に「標準仕様」を選択する選択肢を設けておく。
「標準仕様」は例えば、最も頻繁に使用される転写紙に対する仕様であり、この場合の重送閾値:VthH、VthM、VthLを不揮発性メモリ211に記憶させておく。
「標準仕様」が外部入力された場合には、標準仕様用の閾値:VthH、VthM、VthLを設定して、上記の閾値調整を実行する。
この場合には、閾値:VthH、VthM、VthLの何れも、仕様されるシート状記録媒体に適合していないことが考えられる。
従って、検波レベルDとの比較により、閾値:VthH、VthLのみならず、閾値:VthMについても調整する場合がありうるが、上記と同様の方法で良い。
上記実施の形態の説明において、画像形成装置としてタンデム型のカラー光プリンタの例を説明した。
しかしこれに限らず、画像形成装置はアナログやデジタルの電子複写装置、光プリンタ、光プロッタ、ファクシミリ装置、MFPやインクジェットプリンタとして実施できる。
23A 送信センサ(超音波発振部)
23B 受信センサ(超音波受信センサ)
209 重送判定回路
201 画像形成装置制御部
210 CPU
27 外部入力部
211 不揮発性メモリ
212 閾値調整回路
特開2006−312527号公報 特開2012−56728号公報

Claims (5)

  1. 複数枚から分離されて搬送されるシート状記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、前記シート状記録媒体の重送を検知する重送検知装置であって、
    シート状記録媒体の搬送路の定位置において、搬送途上のシート状記録媒体に向けて超音波を発振する超音波発振部と、
    前記搬送路を介して前記超音波発振部と逆側に配置され、前記シート状記録媒体を通過して減衰した超音波を受信する超音波受信センサと、
    該超音波受信センサが受信する超音波信号の受信レベルにより、前記シート状記録媒体の重送の有無を判定する重送判定回路と、
    前記超音波発振部と、超音波受信センサと、重送判定回路とを、前記シート状記録媒体の搬送に同期して制御する制御部とを有し、
    前記制御部は、不揮発性メモリと、外部入力部と、閾値調整回路とを有し、
    前記不揮発性メモリは、複数種のシート状記録媒体の仕様情報と、該仕様情報ごとに、重送判定に用いる1以上の閾値を保存しており、
    前記外部入力部は、搬送されるシート状記録媒体の仕様情報を外部から入力するものであり、
    前記閾値調整回路が、搬送されるシート状記録媒体の仕様情報に応じて、重送判定に用いる3つの閾値:VthH、VthM、VthLを初期設定するとともに、搬送途上の前記シート状記録媒体に関する受信レベルに応じて、前記3つの閾値のうち1以上を可変して設定する機能を持つことを特徴とする重送検知装置。
  2. 請求項1記載の重送検知装置において、
    画像記録に使用されるシート状記録媒体が、不揮発性メモリに保存されていないものであるとき、該シート状記録媒体の仕様情報の入力手段による入力を促すと共に、
    入力された入力仕様情報に基づき、閾値調整回路が、前記不揮発性メモリ内に保存された保存仕様情報のうち、前記入力仕様情報に近いものを選択し、選択された保存仕様情報により、閾値の初期設定を行うことを特徴とする重送検知装置。
  3. 複数枚から分離されて搬送されるシート状記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
    シート状記録媒体の重送を検知する重送検知装置として、請求項1または2記載のものを有することを特徴とする画像形成装置。
  4. 複数枚から分離されて搬送されるシート状記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、前記シート状記録媒体の重送を検知する重送検知方法であって、
    搬送されるシート状記録媒体に関する使用情報を外部入力可能とするとともに、
    複数のシート状記録媒体に関する使用情報と、3つの閾値:VthH、VthM、VthLを不揮発性メモリに記憶させ、
    前記搬送されるシート状記録媒体の仕様情報に応じて、3つの閾値:VthH、VthM、VthLを初期設定し、
    シート状記録媒体の搬送路の定位置において、搬送途上のシート状記録媒体に向けて超音波発振部により超音波を発振し、
    前記搬送路を介して前記超音波発振部と逆側に配置された超音波受信センサにより、前記シート状記録媒体を通過して減衰した超音波を受信し、
    搬送途上の前記シート状記録媒体に関する受信レベルに基づき、必要に応じて、前記3つの閾値のうち1以上を可変して再設定し、
    再設定された前記3つの閾値を用いて、重送の有無を判定することを特徴とする重送検知方法。
  5. 請求項4記載の重送検知方法において、
    画像記録に使用されるシート状記録媒体が、不揮発性メモリに保存されていないものであるとき、該シート状記録媒体の仕様情報の入力手段による入力を促し、
    入力された入力仕様情報に基づき、前記不揮発性メモリ内に保存された保存仕様情報のうち、前記入力仕様情報に近いものを選択し、選択された保存仕様情報により、3つの閾値:VthH、VthM、VthLの初期設定を行うことを特徴とする重送検知方法。
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