JP2014046546A - 液体噴射装置、圧電アクチュエータ、及び、液体噴射装置の製造方法 - Google Patents

液体噴射装置、圧電アクチュエータ、及び、液体噴射装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電アクチュエータにおいて、圧電素子と配線基板との接続構造を簡素化すること。
【解決手段】圧電アクチュエータ21は、圧電素子40と、圧電素子40の一表面に配置される第1電極42と、第1電極42と導通する配線47が形成され、且つ、圧電素子40の前記一表面に接合される配線基板41を有する。配線基板41の圧電素子40との接合面には複数の充填溝42が形成され、複数の充填溝42内に導電性インクが充填されることによって、第1電極42が、圧電素子40と配線基板41の両方に接して形成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、液体噴射装置、圧電アクチュエータ、及び、液体噴射装置の製造方法に関する。
従来から、様々な用途に使用される圧電アクチュエータとして、圧電素子の表面電極に、前記圧電素子を駆動するための信号を供給する配線基板が接合された構成のものが知られている。
特許文献1には、インクジェットヘッドにおける液滴噴射用の圧電アクチュエータが開示されている。特許文献1のインクジェットヘッドは、複数のノズルを含むインク流路が形成された流路ユニット(流路構造体)と、この流路ユニットに設けられた圧電アクチュエータとを備えている。また、圧電アクチュエータは、圧電層と、複数のノズルにそれぞれ対応して圧電層の表面に形成された複数の個別電極を有する。
上記の圧電アクチュエータの複数の個別電極には、可撓性を有する配線基板(COF)が接続される。配線基板にはドライバICが実装されるとともに、このドライバICに接続された複数の配線が形成されている。また、配線基板には、複数の個別電極にそれぞれ対応する複数の電極(基板側接点)が設けられ、これら複数の電極は、上記配線を介してドライバICと接続されている。そして、圧電層の表面の複数の個別電極と、配線基板の前記複数の電極とが、金属材料と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂のバンプによってそれぞれ接続される。これにより、配線基板に実装されたドライバICから、複数の個別電極にそれぞれ駆動電圧が印加される。
特開2012−69548号公報
前記特許文献1では、圧電層の表面に電極(個別電極)が形成される一方で、配線基板にも電極(基板側接点)が形成され、その上で、双方の電極が導電性樹脂のバンプで接合された構成となっている。そのため、配線基板と圧電層(圧電素子)との接続構造が複雑なものとなっていた。また、圧電層と配線基板の双方に電極を形成する必要があり、その分、製造工程が増えるため、コスト面でも不利であった。
本発明の目的は、圧電素子と配線基板との接続構造を簡素化することである。
第1の発明の液体噴射装置は、液体を噴射するノズルを含む液体流路が形成された流路構造体と、前記流路構造体に設けられて前記液体流路内の液体に噴射エネルギーを付与する圧電アクチュエータとを備え、
前記圧電アクチュエータは、圧電素子と、前記圧電素子の一表面に配置される第1電極と、前記第1電極と導通する配線が形成され、且つ、前記圧電素子の前記一表面に接合される配線基板を有し、前記第1電極が、前記圧電素子と前記配線基板の両方に接して形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、圧電素子の一表面に配置される第1電極が、前記圧電素子の一表面に接合される配線基板にも接している。つまり、従来構成における、圧電素子と配線基板にそれぞれ形成されていた2つの電極のうちの一方が省略された構成であることから、圧電素子と配線基板の接続構造が簡素化される。また、一方の電極の形成工程が省略される分、製造工程も簡略化できる。
第2の発明の液体噴射装置は、前記第1の発明において、前記配線基板の前記第1電極と接する部分は、それ以外の部分よりも薄く形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、配線基板の第1電極と接する部分が局所的に薄く形成されていることから、圧電素子の変形が、この圧電素子に接合される配線基板によって阻害されにくくなる。
第3の発明の液体噴射装置は、前記第1又は第2の発明において、前記配線基板の前記圧電素子との接合面に複数の充填溝が形成され、前記複数の充填溝内に液状の導電性材料が充填されることによって、前記第1電極が形成されていることを特徴とするものである。
本発明では、配線基板に形成された複数の充填溝に液状の導電性材料を充填することで、第1電極を簡単に形成することができる。また、複数の充填溝に導電性材料が充填されてなる第1電極は、平坦な面に印刷等の他の方法で形成された場合と比べて、電極材料の配線基板に対する接触面積が大きくなるために密着性が高く、配線基板から剥離しにくいという利点もある。
第4の発明の液体噴射装置は、前記第3の発明において、前記配線基板の前記圧電素子との接合面と反対側の面には、前記充填溝よりも溝幅の大きい供給溝が形成され、前記供給溝は、前記配線基板を厚み方向に貫通する貫通孔を介して前記複数の充填溝と連通し、前記導電性材料が、前記供給溝から前記貫通孔を介して前記複数の充填溝に充填されることによって、前記配線基板の接合面に前記第1電極が形成されるとともに、前記接合面と反対側の面に、前記第1電極に導通する配線が形成されていることを特徴とするものである。
本発明では、配線基板の表面側(接合面と反対側)に溝幅の広い供給溝が形成されている。そして、供給溝に液状の導電性材料を供給し、この供給溝から、貫通孔を介して複数の充填溝へ液状の導電性材料を浸透させる。これによれば、溝幅の小さい複数の充填溝への導電性材料の充填が容易である。また、供給溝にも導電性材料を充填することで、第1電極に導通する配線も同時に形成することができる。
第5の発明の液体噴射装置は、前記第4の発明において、前記配線基板の前記複数の充填溝が形成された領域の一部が、前記圧電素子からはみ出しており前記圧電素子と接合されていないことを特徴とするものである。
本発明では、配線基板の複数の充填溝が形成された領域の一部が圧電素子からはみ出している。このはみ出した部分において充填溝が大気に開放されている。そのため、配線基板が圧電素子に接触した状態で供給溝から複数の充填溝に導電性材料が供給されたときに、複数の充填溝内の空気が、前記はみ出し部分から外部へ放出される。従って、複数の充填溝の隅々まで導電性材料を充填することが可能となる。
第6の発明の液体噴射装置は、前記第5の発明において、前記複数の充填溝は、前記貫通孔との連通部分から、前記圧電素子からはみ出した部分に向けて延びていることを特徴とするものである。
本発明によれば、供給溝から複数の充填溝に流れ込んだ液状の導電性材料が、前記充填溝の、大気との連通部分である、圧電素子からはみ出した部分に向けて流れるため、充填溝から空気が抜けやすくなる。
第7の発明の液体噴射装置は、前記第5又は第6の発明において、前記流路構造体は、少なくとも前記圧電素子が配置された部分において導電性を有し、前記圧電素子が配置された前記流路構造体の、前記配線基板の前記複数の充填溝が前記圧電素子からはみ出した部分と対向する領域に、絶縁膜が形成されていることを特徴とするものである。
第1電極を形成するために複数の充填溝に液状の導電性材料を充填したときに、配線基板の複数の充填溝が形成された領域の一部が圧電素子からはみ出していると、このはみ出し部分から導電性材料が垂れ落ちることが考えられる。その場合、この垂れ落ちた導電性材料によって、流路構造体の金属部分と第1電極が短絡する虞がある。本発明では、流路構造体の、前記充填溝の圧電素子からはみ出した部分と対向する領域に、絶縁膜が形成されていることから、前記はみ出した部分から導電性材料が垂れ落ちたとしても、第1電極と流路構造体の金属部分とが短絡することが確実に防止される。
第8の発明の液体噴射装置は、前記第5〜第7の何れかの発明において、前記圧電アクチュエータは、前記第1電極との間で前記圧電素子を挟むように、前記圧電素子の前記一表面とは反対側の面に配置される第2電極を有し、前記圧電素子の前記一表面と直交する方向から見て、前記第2電極の大きさが前記圧電素子よりも小さく、前記圧電素子の側面のうち、少なくとも、前記配線基板の前記複数の充填溝が前記圧電素子からはみ出す側の側面部分において、前記第2電極が露出していないことを特徴とするものである。
配線基板の複数の充填溝が形成された領域の一部が圧電素子からはみ出していると、このはみ出し部分から導電性材料が垂れ落ちて、圧電素子の第1電極と第2電極とが短絡する虞がある。この点、本発明では、圧電素子の側面のうちの、充填溝が圧電素子からはみ出す側の側面部分においては、第2電極が露出していないため、充填溝から、圧電素子の側面に沿って導電性材料が垂れ落ちたとしても、第1電極と第2電極の短絡は防止される。尚、本発明において、「圧電素子の側面」とは、第1電極及び第2電極が配置される圧電素子の二面とそれぞれ交差する面のことを言う。
第9の発明の圧電アクチュエータは、圧電素子と、前記圧電素子の一表面に配置される第1電極と、前記第1電極と導通する配線が形成され、且つ、前記圧電素子の前記一表面に接合される配線基板を有し、前記第1電極が、前記圧電素子と前記配線基板の両方に接して形成されていることを特徴とするものである。
本発明では、従来の圧電アクチュエータにおいて、圧電素子と配線基板にそれぞれ形成されていた2つの電極のうちの一方が省略された構成であることから、接続構造が簡素化される。また、一方の電極の形成工程が省略される分、製造工程も簡略化できる。
第10の発明の液体噴射装置の製造方法は、液体を噴射するノズルを含む液体流路が形成された流路構造体と、前記流路構造体に設けられて前記液体流路内の液体に噴射エネルギーを付与する圧電アクチュエータとを備え、前記圧電アクチュエータが、圧電素子と、前記圧電素子の一表面に配置される第1電極と、前記第1電極と導通する配線が形成され、且つ、前記圧電素子の前記一表面に接合される配線基板を有する、液体噴射装置の製造方法であって、
前記配線基板の前記圧電素子との接合面に複数の充填溝を形成する溝形成工程と、前記複数の充填溝に液状の導電性材料を充填することにより、前記接合面に前記第1電極を形成する電極形成工程と、前記配線基板の前記接合面を前記圧電素子に接合する接合工程と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明の製造方法によって得られた圧電アクチュエータにおいては、第1電極が圧電素子と配線基板の両方に接することになるため、圧電素子と配線基板の接続構造が簡素化される。また、圧電素子側に電極を形成する工程を省略できるために製造工程が簡略化される。さらに、配線基板の圧電素子との接合面に複数の充填溝を形成してから、複数の充填溝に液状の導電性材料を毛管力による浸透作用を利用して充填することで、第1電極を簡単に形成することができる。また、このようにして形成された第1電極は、平坦な面に印刷等の方法で形成された場合と比べて、配線基板に対する接触面積が大きくなるために密着性が高く、配線基板から剥離しにくい。
第11の発明の液体噴射装置の製造方法は、前記第10の発明において、前記複数の充填溝が形成された前記配線基板の前記接合面を、前記圧電素子の前記一表面に接触させた状態で、前記電極形成工程において、前記複数の充填溝に前記導電性材料を充填して、前記圧電素子と前記配線基板の両方に接するように前記第1電極を形成することを特徴とするものである。
本発明では、先に配線基板を圧電素子に接触させて、配線基板と圧電素子との間に微小な隙間を形成してから液状の導電性材料を充填する。この場合、配線基板が圧電素子に接触する前の充填溝が開放されている状態と比べて、液状の導電性材料に強い毛管力が作用する。従って、複数の充填溝の隅々まで導電性材料が充填されやすくなる。また、液状の導電性材料が、配線基板と圧電素子の両方に接触した状態のまま硬化するため、形成された第1電極の、圧電素子に対する密着性も高い。従って。第1電極が形成された配線基板を圧電素子に貼り付けるような方法と比べて、第1電極が圧電素子に対して剥離しにくい。
第12の発明の液体噴射装置の製造方法は、前記第10又は第11の発明において、前記溝形成工程において、前記配線基板の前記接合面と反対側の面に、前記複数の充填溝に連通する供給溝を形成し、前記電極形成工程において、インクジェットヘッドにより前記供給溝に導電性インクを吐出して、前記供給溝から前記複数の充填溝に前記導電性インクを充填させることを特徴とするものである。
本発明では、配線基板の接合面と反対側に形成された、溝幅の大きい供給溝に、インクジェットヘッドから導電性インクを吐出し、着弾した導電性インクを供給溝から複数の充填溝へ毛管力の作用で浸透させる。これによれば、溝幅の小さい複数の充填溝への導電性材料の充填が容易である。
第13の発明の液体噴射装置の製造方法は、前記第12の発明において、前記配線基板の前記複数の充填溝が形成された領域の一部が前記圧電素子の前記一表面からはみ出すように、前記配線基板を前記圧電素子に接触させることを特徴とするものである。
本発明では、供給溝から液状の導電性材料が複数の充填溝に流れ込むとともに、複数の充填溝内の空気が、圧電素子からはみ出した部分から外部へ放出される。従って、複数の充填溝の隅々まで導電性材料を充填することが可能となる。
第14の発明の液体噴射装置の製造方法は、前記第12又は第13の発明において、前記電極形成工程において、前記供給溝の、前記複数の充填溝と連通する側の端部に向けて、前記インクジェットヘッドから前記導電性インクを吐出させることを特徴とするものである。
本発明では、供給溝の、充填溝に近い部分に導電性インクを着弾させることで、溝幅の小さい複数の充填溝に、導電性インクを浸透させやすくなる。
本発明では、圧電素子の一表面に配置される第1電極が、前記圧電素子の一表面に接合される配線基板にも接している。つまり、従来構成における、圧電素子と配線基板にそれぞれ形成されていた2つの電極のうちの一方が省略された構成であることから、圧電素子と配線基板の接続構造が簡素化される。また、一方の電極の形成工程が省略される分、製造工程も簡略化できる。
本実施形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 図2のA部拡大図である。 図3のIV-IV線断面図である。 図3のV-V線断面図である。 配線基板の一部拡大平面図であり、(a)は上面図、(b)は下面図である。 第1電極の形成に関する工程の説明図である。 変更形態に係る配線基板の一部拡大下面図である。 別の変更形態に係る配線基板の一部拡大下面図である。 さらに別の変更形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。まず、図1を参照してインクジェットプリンタ1の概略構成について説明する。尚、以下では、図1の紙面手前側を上方、紙面向こう側を下方と定義して、適宜、「上」「下」の方向語を使用して説明する。図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、プラテン2と、キャリッジ3と、インクジェットヘッド4と、搬送機構5等を備えている。
プラテン2の上面には、被記録媒体である記録用紙100が載置される。また、プラテン2の上方には、図1の左右方向(走査方向)に平行に延びる2本のガイドレール10,11が設けられる。キャリッジ3は、プラテン2と対向する領域において2本のガイドレール10,11に沿って走査方向に往復移動可能に構成されている。また、キャリッジ3には、2つのプーリ12,13間に巻き掛けられた無端ベルト14が連結されており、キャリッジ駆動モータ15によって無端ベルト14が走行駆動されたときに、キャリッジ3は、無端ベルト14の走行に伴って走査方向に移動する。
インクジェットヘッド4(液体噴射装置)は、キャリッジ3に取り付けられており、キャリッジ3とともに走査方向に移動する。インクジェットヘッド4の下面(図1の紙面向こう側の面)には、複数のノズル16が形成されている。また、図1に示すように、プリンタ1のプリンタ本体1aにはホルダ9が設けられている。ホルダ9には4色のインク(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)がそれぞれ貯留された4つのインクカートリッジ17が装着される。図示は省略するが、キャリッジ3に搭載されたインクジェットヘッド4とホルダ9とが4本のチューブ(図示省略)で接続されている。4つのインクカートリッジ17の4色のインクが、4本のチューブを介してインクジェットヘッド4にそれぞれ供給される。インクジェットヘッド4は、インクカートリッジ17から供給されたインクを、複数のノズル16からプラテン2に載置された記録用紙100に対して噴射する。
搬送機構5は、搬送方向にプラテン2を挟むように配置された2つの搬送ローラ18,19を有し、これら2つの搬送ローラ18,19は、図示しないモータによって回転駆動される。搬送機構5は、2つの搬送ローラ18,19によって、プラテン2に載置された記録用紙100を搬送方向に搬送する。
インクジェットプリンタ1は、プラテン2上に載置された記録用紙100に対して、キャリッジ3とともに走査方向(図1の左右方向)に往復移動するインクジェットヘッド4からインクを噴射させる。これとともに、2つの搬送ローラ18,19によって記録用紙100を搬送方向(図1の下方)に搬送する。以上の動作によって記録用紙100に画像や文字等が記録される。
次に、インクジェットヘッド4について説明する。図2はインクジェットヘッドの平面図、図3は図2のA部拡大図、図4は、図3のIV-IV線断面図、図5は図3のV-V線断面図である。尚、図2、図3においては、図面の簡単のため、図4、図5には詳細に示されているCOF50が二点鎖線で簡易的に示されている。また、図5では、図3には図示されていないドライバIC(図2参照)も示されている。図2〜図4に示すように、インクジェットヘッド4は、流路ユニット20(流路構造体)と、圧電アクチュエータ21を備えている。
図4に示すように、流路ユニット20は、それぞれ多数の流路形成孔が形成された5枚のプレート30〜34が積層された構造を有する。これら5枚のプレート30〜34が積層されたときに多数の流路形成孔が連通することによって、流路ユニット20には、以下に述べるようなインク流路が形成されている。5枚のプレート30〜34の材質は特に限定はされないが、本実施形態においては、ステンレス鋼やニッケル合金鋼等の金属材料で形成されている。また、図4、図5では、インク流路内に充填されているインクを符号“I”で示している。
図2に示すように、流路ユニット20の上面(最上層に位置するプレートである振動板30の上面)には、4つのインクカートリッジ17(図1参照)とそれぞれ接続される4つのインク供給孔26が形成されている。流路ユニット20の内部には、それぞれ搬送方向に延在する4本のマニホールド25が形成されている。4本のマニホールド25は4つのインク供給孔26にそれぞれ接続されており、4本のマニホールド25には、4つのインクカートリッジ17にそれぞれ貯留された4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクが供給される。
また、図2〜図5に示すように、流路ユニット20は、複数のノズル16と、複数のノズル16にそれぞれ連通した複数の圧力室24を有する。複数のノズル16は、流路ユニット20の下面(ノズルプレート34)に形成されている。複数の圧力室24は、走査方向に長い略楕円形の平面形状を有し、5枚のプレート30〜34のうちの最上層に位置する振動板30によって覆われている。図2に示すように、複数のノズル16及び複数の圧力室24は、4色のインクがそれぞれ供給される4本のマニホールド25に対応して4列に配列されている。
図4に示すように、複数の圧力室24の各々は、圧力室24の長手方向に延びる絞り流路28を介して、対応するマニホールド25に連通している。また、1つの圧力室24に1つのノズル16が連通している。これにより、図4に示すように、流路ユニット20には、マニホールド25から分岐し、絞り流路28、圧力室24を経てノズル16に至る、個別インク流路27が複数形成されている。
次に、圧電アクチュエータ21について説明する。圧電アクチュエータ21は、流路ユニット20の振動板30の上面に配置されている。図2〜図5に示すように、圧電アクチュエータ21は、複数の圧電素子40と、複数の圧電素子40に接続された配線基板41とを有する。
複数の圧電素子40は、それぞれ、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体である、強誘電性のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料からなる。各圧電素子40は、圧力室24よりも一回り小さい略楕円形の平面形状を有する。また、圧電素子40は厚み方向に分極されている。複数の圧電素子40は、振動板30の上面の、複数の圧力室24の中央部とそれぞれ対向する領域に配置されている。また、図5からも分かるように、複数の圧電素子40は互いに分離して配置されている。
各圧電素子40の上面(振動板30と反対側の面)には後述の配線基板41が接合されるが、圧電素子40と配線基板41との間には第1電極42が設けられている。即ち、第1電極42は、圧電素子40の上面と配線基板41の下面の両方に接して配置されている。第1電極42は、圧電素子40と同様に略楕円の平面形状を有する。各第1電極42には、配線基板41に実装されたドライバIC45から駆動電圧が印加される。第1電極42の詳細については後述する。
各圧電素子40の下面には第2電極43が配置されている。図4、図5に示すように、金属製の振動板30の上面には、合成樹脂材料などからなる絶縁膜44がほぼ全面的に形成されている。この絶縁膜44によって、圧電素子40の下面の第2電極43と、金属製の振動板30との間が絶縁されている。第2電極43は、上方から見て、圧電素子40よりもやや小さい平面形状を有する。より詳細には、図4に示すように、第2電極43は、圧電素子40の長手方向において圧電素子40よりも小さく形成され、圧電素子40の長手方向における側面部分(図4における左右の側面部分)には露出していない。一方、図5に示すように、第2電極43は、圧電素子40の短手方向においては圧電素子40とほぼ同じ長さを有し、この第2電極43は、圧電素子40の短手方向における側面部分(図5における左右の側面部分)には一部露出している。
また、図5に示すように、各第2電極43の圧電素子40から露出した部分が、絶縁膜44上に形成された導電パターン46に接続されている。そして、この導電パターン46によって複数の圧電素子40の第2電極43が互いに導通している。また、図示は省略するが、導電パターン46は、配線基板41に形成されたグランド配線(図示省略)と、ハンダ等によって電気的に接続されている。以上の構成によって、全ての圧電素子40の第2電極43が常にグランド電位に保持されることになる。
ドライバIC45から、ある圧電素子40の第1電極42に駆動電圧が印加されると、この第1電極42と、グランド電位の第2電極43の間に電位差が生じて、その圧電素子40には厚み方向の電界が作用する。この電界の方向は、圧電素子40の分極方向と平行であるから、圧電素子40は厚み方向に伸長するとともに面方向に収縮する。この圧電素子40の収縮によって、圧力室24を覆っている振動板30が圧力室24側に凸となるように撓み、圧力室24の容積が減少する。その際に圧力室24内のインクに圧力(噴射エネルギー)が付与され、ノズル16からインクの液滴が噴射される。
次に、配線基板41について説明する。配線基板41は、ポリイミド等の合成樹脂材料からなる可撓性を有する基板である。この配線基板41は、ドライバIC45と、ドライバIC45に接続された複数の配線47とを有する。図2〜図5に示すように、配線基板41は、圧電アクチュエータ21の複数の圧電素子40を覆うように配置され、これら複数の圧電素子40の上面と接合されている。
ドライバIC45は、インクジェットヘッド4の動作を制御する、図示しない制御基板と接続されている。また、ドライバIC45は、複数の配線47を介して複数の圧電素子40の第1電極42とそれぞれ接続されている。ドライバIC45は、制御基板からの指令に基づき、所望のノズル16からインクが噴射されるように、複数の圧電素子40に対して個別に駆動電圧を印加する。
先にも述べたように、配線基板41の、複数の圧電素子40と接合される下面(以下、接合面ともいう)と、複数の圧電素子40の上面との間に、複数の第1電極42がそれぞれ設けられており、各第1電極42が配線基板41と圧電素子40の両方に接した構造となっている。この構成は、従来では圧電素子40と配線基板41にそれぞれ形成されていた2つの電極のうちの一方が省略された構成となっており、圧電素子40と配線基板41の接続構造が簡素化されている。また、上記のように一方の電極の形成工程が省略される分、製造工程も簡略化できる。
また、図4、図5に示すように、配線基板41の、各圧電素子40と接合される部分51(第1電極42と接する部分)の上面には凹部50が形成され、この接合部分51ではそれ以外の部分と比べて厚さが薄くなっている。このように、圧電素子40と接合される部分51において配線基板41が局所的に薄くなっていることから、駆動電圧が印加されたときの圧電素子40の変形が、配線基板41によって阻害されにくくなる。
次に、第1電極42と、この第1電極42に導通する配線47の構造について詳細に説明する。図6は、配線基板の一部拡大平面図であり、(a)は上面図、(b)は下面図である。尚、配線基板41の圧電素子40に対する位置関係が理解されやすいように、図6において圧電素子40を二点鎖線で示してある。図4、図5、図6(b)に示すように、配線基板41の下面(接合面)の、各圧電素子40と対向する領域には、複数の充填溝52が形成されている。複数の充填溝52は、溝幅が数μm程度の、非常に幅の狭い溝である。図6(b)に示すように、複数の充填溝52には、略楕円形の圧電素子40の短手方向に延びる第1充填溝52aと、第1充填溝52aにそれぞれ連通し且つ圧電素子40の長手方向に延びる複数の第2充填溝52bが含まれる。第1充填溝52aは、配線基板41を厚み方向に貫通する貫通孔54と連通している。尚、図6(b)に示すように、貫通孔54は、圧電素子40の中央部に対して、圧電素子40の長手方向にずれた位置に形成されている。また、図4、図6(a)、(b)に示すように、配線基板41の下面の、充填溝52が形成された領域53は、対応する圧電素子40に対して、その長手方向両側にはみ出している。そして、複数の第2充填溝52bは、貫通孔54との連通部分である第1充填溝52aから、圧電素子40からはみ出した部分53aに向けてそれぞれ延びている。
図4、図6(a)、(b)に示すように、配線基板41の上面(圧電素子40との接合面とは反対側の面)には、複数の圧電素子40にそれぞれ対応した複数の供給溝55が形成されている。1つの圧電素子40に対応した供給溝55は、凹部50の底面に形成された第1供給溝55aと、配線基板41の凹部50が形成されていない領域に形成された第2供給溝55bとを含む。第1供給溝55aは、前述した貫通孔54と連通している。第2供給溝55bは、凹部50の側面に形成された縦溝55cを介して第1供給溝55aと連通している。この第2供給溝55bは、配線基板41の上面において、縦溝55cとの連通部からドライバIC45が設置される領域まで延びている。また、第2供給溝55bの、圧電素子40(縦溝55c)側の端部には、局所的に溝幅(及び溝深さ)が大きくなった液溜め部55dが形成されている。さらに、各供給溝55を構成している第1供給溝55a、第2供給溝55b、液溜め部55d、及び、縦溝55cは、それぞれ、供給溝55に連通する前述の充填溝52と比べると、溝幅及び溝の深さ(即ち、溝の、長さ方向と直交する面における断面積)がかなり大きくなっている。例えば、前記の充填溝52の溝幅が数μmであるのに対して、第2供給溝55bの溝幅は数十μmである。
上記の溝構成を有する配線基板41において、各供給溝55に液状の導電性インク(導電性材料)が供給されると、供給溝55から、これよりも溝幅(溝断面積)が小さい複数の充填溝52へ、毛管力の作用によって導電性インクが流れ込む。尚、充填溝52の断面積が小さいほど導電性インクに強い毛管力が作用し、充填溝52に導電性インクが浸透しやすい。このようにして、複数の充填溝52及び供給溝55に導電性インクが充填されることで、第1電極42及びこれに導通する配線47が形成される。尚、図4、図5、及び、図6においては、充填溝52や供給溝55に導電性材料(導電性インク)が充填されている状態を、これらの溝にハッチングをかけることによって示してある。
以下、上記の第1電極42を形成する具体的な方法について説明する。図7は、第1電極42の形成に関する工程の説明図である。
(溝形成工程)
まず、配線基板41の複数の圧電素子40とそれぞれ接合される部分51に、プレス加工やレーザー加工等によって複数の凹部50を形成しておく。その上で、図7(a)に示すように、配線基板41の、各圧電素子40と接合される部分51の下面に、複数の充填溝52(第1充填溝52a、第2充填溝52b)を形成する。ここで、配線基板41の、複数の充填溝52が形成される領域53が、対応する圧電素子40の上面よりもその長手方向に大きくなるようにする。また、配線基板41に、第1充填溝52aに連通する貫通孔54を形成する。さらに、配線基板41の圧電素子40との接合面とは反対側の面に、供給溝55(第1供給溝55a、第2供給溝55b、縦溝55c、液溜め部55d)を形成する。尚、これらの溝は、レーザー加工で形成することができる。
(接合工程及び電極形成工程)
次に、図7(b)に示すように、配線基板41を複数の圧電素子40の上面に接触させる。ここで、配線基板41の複数の充填溝52が形成された領域53が、圧電素子40に対して長手方向両側にはみ出すように配線部材41を配置する。また、配線部材41を上から押さえる、あるいは、配線部材41を接着剤や適宜の固定手段を用いて仮止めするなどして、配線部材41が複数の圧電素子40に接触した状態を維持し、また、複数の圧電素子40に対する位置がずれないようにしておく。
次に、図7(c)に示すように、導電性インク61を吐出するインクジェットヘッド60を、配線基板41の上方に設置する。そして、インクジェットヘッド60から、各圧電素子40に対応する供給溝55の液溜め部55dに導電性インク61を吐出させる。導電性インクは、不飽和ポリエステル樹脂、二液混合型ポリオレフィン樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂に、Ag等の金属粒子が配合されたものを使用できる。すると、液溜め部55dに供給された導電性インク61が、毛管力による浸透作用によって、第1供給溝55aから貫通孔54を介して、溝幅(溝断面積)が小さい複数の充填溝52にそれぞれ流れ込む。また、複数の充填溝52は、圧電素子40からはみ出した部分で大気に開放されている。これにより、複数の充填溝52の隅々まで導電性インクが充填されて、配線基板41と圧電素子40の間に第1電極42が形成される。また、第1供給溝55aだけでなく、第2供給溝55bにも導電性インクが充填されることで、配線基板41の上面に、第1電極42とドライバIC45とを接続する配線47が形成される。その後、充填された導電性インクを硬化させることによって、配線部材41と複数の圧電素子40とを接合する。例えば、熱硬化性樹脂を主成分とする導電性インクを使用した場合は、充填後に加熱工程を行う。
このように、本実施形態では、配線基板41に形成された複数の充填溝52に、毛管力による浸透作用を利用して液状の導電性インクを充填することで、配線基板41と圧電素子40の両方に接する第1電極42を簡単に形成することができる。また、複数の充填溝52に導電性インクが充填されてなる第1電極42は、凹凸の少ない平坦な面に印刷等の方法で形成された場合と比べて、電極材料の配線基板41に対する接触面積が大きくなるために密着性が高く、剥離しにくいという利点もある。
また、図7(c)に示すように、配線基板41を圧電素子40に接触させて、配線基板41の充填溝52と圧電素子40の上面との間に微小な隙間を形成してから、この隙間に導電性インク61を充填している。この場合、配線基板41が圧電素子40に接触する前の、充填溝52が開放されている状態と比べて、導電性インク61に強い毛管力が作用するため、複数の充填溝52の隅々まで導電性インク61が充填されやすくなる。また、液状の導電性インク61が、配線基板41と圧電素子40の両方に接触した状態のまま硬化することで、形成された第1電極42の、圧電素子40に対する密着性も高くなる。従って。第1電極42が形成された配線基板41を圧電素子40に貼り付けるような場合と比べて、第1電極42が圧電素子40に対して剥離しにくい。
また、図4、図6に示すように、配線基板41の複数の充填溝52が形成された領域53の一部が、圧電素子40からその長手方向両側にはみ出しており、これらのはみ出した部分53aは圧電素子40の上面とは接合されていない。つまり、はみ出した部分53aにおいて複数の充填溝52が大気に開放されている。そのため、供給溝55から複数の充填溝52に導電性インクが供給されたときに、複数の充填溝52内の空気が、前記はみ出し部分53aから外部へ放出される。従って、複数の充填溝52の隅々まで導電性材料を充填することが可能となる。さらに、複数の充填溝52は、供給溝55側の貫通孔54との連通部分から、圧電素子40からはみ出した部分53aに向けて延びている。そのため、供給溝55から複数の充填溝52に流れ込んだ導電性インクが、前記充填溝52の、大気との連通部分である、圧電素子40からはみ出しはみ出した部分53aに向けて流れるため、一層充填溝52から空気が抜けやすくなる。
但し、配線基板41の複数の充填溝52が形成された領域53の一部が圧電素子40からはみ出していると、このはみ出した部分53aから導電性インク61が垂れ落ちることが考えられる。この点、本実施形態では、図4に示すように、金属製の流路ユニット20の振動板30の、前記圧電素子40からはみ出した部分53aと対向する領域に、絶縁膜44が形成されている。従って、たとえ前記はみ出した部分53aから導電性インク61が垂れ落ちたとしても、第1電極42と金属製の振動板30とが短絡することが確実に防止される。また、各圧電素子40において、第1電極42と対向する第2電極43は、圧電素子40の短手方向の側面部分には露出しているものの(図5参照)、図4に示すように、圧電素子40の長手方向における側面部分(充填溝52が圧電素子40からはみ出す側の側面部分)には、第2電極43は露出していない。従って、充填溝52から、圧電素子40の側面に沿って導電性インク61が垂れ落ちたとしても、第1電極42と第2電極43の短絡が防止される。
本実施形態では、配線基板41の接合面と反対側に、複数の充填溝52よりも溝幅の大きい供給溝55が形成されている。そして、この溝幅の大きい供給溝55に向けて、インクジェットヘッド60から導電性インク61を吐出することで、供給溝55から複数の充填溝52へ、導電性インク61を毛管力の作用で浸透させる。これによれば、溝幅の小さい複数の充填溝52への導電性材料の充填が容易である。また、供給溝55にも導電性インクを充填させることで、第1電極42に導通する配線47も同時に形成することができる。
また、供給溝55は、局所的に溝幅が大きくなった液溜め部55dを含んでいることから、この液溜め部55dに導電性インク61を吐出させることで、供給溝55への導電性インク61の供給が容易である。さらに、液溜め部55dは、供給溝55の、複数の充填溝52と連通する側の端部に位置している。このように、供給溝55の、充填溝52に近い側の端部に導電性インク61を着弾させることで、溝幅の小さい複数の充填溝52に導電性インクを浸透させやすくなる。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]第1電極42を形成するための充填溝52の形状は、前記実施形態のものには限られない。例えば、全ての充填溝52が、導電性インクの供給先である貫通孔54に接続され、貫通孔54から放射状に延びていてもよい。あるいは、図8に示すように、複数の充填溝52が交差して網目状に形成されてもよい。
また、前記実施形態では、配線基板41の充填溝52が形成された領域53の一部が、圧電素子40に対して、その長手方向にはみ出していたが(図4、図6(b))、圧電素子40の短手方向にはみ出していてもよい。さらには、圧電素子40の全周にわたって充填溝52がはみ出していてもよい。
あるいは、図9に示すように、配線基板41の充填溝52が形成された領域53の大きさが、圧電素子40と同じかそれよりも小さく、充填溝52が圧電素子40からはみ出していなくてもよい。配線基板41が圧電素子40に接触した状態であっても、両者の間が完全に密封されることはあり得ず、多少の隙間は存在することから、充填溝52が圧電素子40からはみ出していなくとも、導電性インクの充填に伴って充填溝52内の空気を外部に排出することは可能である。また、この図9のような構成では、充填溝52が圧電素子40からはみ出していないことから、前記実施形態の構成とは異なり、充填溝52に充填された導電性インクが垂れ落ちるという問題は生じない。
2]前記実施形態では、図5に示すように、複数の圧力室24にそれぞれ対応する複数の圧電素子40が互いに分離されていた。これに対して、図10に示すように、圧電アクチュエータ21が、複数の圧力室24に跨って平面的に配置された圧電層70を有し、複数の圧力室24に対応する複数の圧電素子40が一体化された構造であってもよい。
3]充填溝52へ導電性インクを充填するための供給溝55の構成も、前記実施形態に対して適宜変更が可能である。例えば、インクジェットヘッド60から吐出された導電性インク61が着弾する液溜め部55dの位置や形状を適宜変更できる。また、第2供給溝55bが、インクジェットヘッド60から吐出された導電性インク61を着弾させることができる程度に、十分大きな溝幅を有するのであれば、液溜め部55dを省略することも可能である。また、供給溝55が、配線基板41の、圧電素子40との接合面と反対側の面に形成されている必要もなく、第1電極42からどのように配線47を引き回すかに応じて、供給溝55の配置を適宜決めてもよい。例えば、配線基板41の圧電素子40との接合面側であっても、供給溝55を、圧電素子40から離れた位置まで延びるように形成すれば、インクジェットヘッド60から導電性インク61を供給溝55に吐出させつつ、圧電素子40には吹きかからないようにすることは十分可能である。
4]充填溝52への液状の導電性材料の充填は、インクジェットヘッド60による導電性インク61の吐出には限られない。例えば、液体注入用ニードルを備えたディスペンサーで所定量の液状導電性材料を注入する方法を採用することも可能である。
5]前記実施形態では、充填溝52に充填した導電性インクを硬化させることで、配線基板41と圧電素子40とを接合していたが、導電性インクとは別の接着剤を用い、導電性インクの充填(第1電極の形成)とは別の工程で、配線基板41を圧電素子40に接合してもよい。
6]前記実施形態では、配線基板41と圧電素子40とを接触させた状態で、圧電素子40で塞がれた充填溝52に液状の導電性材料(導電性インク)を充填していたが、圧電素子40に接触させる前に配線基板41の充填溝52に液状の導電性材料を充填して硬化させ、配線基板41側に第1電極42を形成してから、第1電極42を圧電素子40に接触させて配線基板41を圧電素子40に接合してもよい。
7]前記実施形態では配線基板41側に複数の充填溝52を形成していたが、配線基板41と接合される圧電素子40の上面に複数の充填溝52を形成し、これらに液状の導電性材料を充填することによって第1電極42を形成してもよい。
8]第1電極42は、前述した、配線基板41(又は圧電素子40)に形成した充填溝52に液状の導電性材料が充填されることによって形成されたものには限られない。例えば、配線基板41と圧電素子40の何れか一方の接合面に、スクリーン印刷やスパッタリング等の公知の方法で第1電極42を形成してから、これを、配線基板41と圧電素子40の他方に、前記の第1電極42を接触させた状態で接合されてもよい。この形態でも、配線基板41と圧電素子40との間で、第1電極42が両方に接した状態で配置されることになり、両者の接続構成が簡素化される。また、配線基板41と圧電素子40の両方に電極を形成する必要がないため、製造工程も簡略化できる。
以上説明した実施形態及びその変更形態は、液体噴射装置であるインクジェットヘッドに本発明を適用した一例であるが、本発明の圧電アクチュエータは、液体に圧力を付与する用途で使用されるものには限られない。例えば、固体物に変位や振動等を生じさせる用途に使用するものであってもよい。
4 インクジェットヘッド
16 ノズル
20 流路ユニット
21 圧電アクチュエータ
30 振動板
40 圧電素子
41 配線基板
42 第1電極
43 第2電極
44 絶縁膜
47 配線
52 充填溝
54 貫通孔
55 供給溝
60 インクジェットヘッド
61 導電性インク
70 圧電層

Claims (14)

  1. 液体を噴射するノズルを含む液体流路が形成された流路構造体と、前記流路構造体に設けられて前記液体流路内の液体に噴射エネルギーを付与する圧電アクチュエータとを備え、
    前記圧電アクチュエータは、
    圧電素子と、
    前記圧電素子の一表面に配置される第1電極と、
    前記第1電極と導通する配線が形成され、且つ、前記圧電素子の前記一表面に接合される配線基板を有し、
    前記第1電極が、前記圧電素子と前記配線基板の両方に接して形成されていることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記配線基板の前記第1電極と接する部分は、それ以外の部分よりも薄く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記配線基板の前記圧電素子との接合面に複数の充填溝が形成され、
    前記複数の充填溝内に液状の導電性材料が充填されることによって、前記第1電極が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記配線基板の前記圧電素子との接合面と反対側の面には、前記充填溝よりも溝幅の大きい供給溝が形成され、
    前記供給溝は、前記配線基板を厚み方向に貫通する貫通孔を介して前記複数の充填溝と連通し、
    前記導電性材料が、前記供給溝から前記貫通孔を介して前記複数の充填溝に充填されることによって、前記配線基板の接合面に前記第1電極が形成されるとともに、前記接合面と反対側の面に、前記第1電極に導通する配線が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
  5. 前記配線基板の前記複数の充填溝が形成された領域の一部が、前記圧電素子からはみ出しており前記圧電素子と接合されていないことを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
  6. 前記複数の充填溝は、前記貫通孔との連通部分から、前記圧電素子からはみ出した部分に向けて延びていることを特徴とする請求項5に記載の液体噴射装置。
  7. 前記流路構造体は、少なくとも前記圧電素子が配置された部分において導電性を有し、
    前記圧電素子が配置された前記流路構造体の、前記配線基板の前記複数の充填溝が前記圧電素子からはみ出した部分と対向する領域に、絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の液体噴射装置。
  8. 前記圧電アクチュエータは、
    前記第1電極との間で前記圧電素子を挟むように、前記圧電素子の前記一表面とは反対側の面に配置される第2電極を有し、
    前記圧電素子の前記一表面と直交する方向から見て、前記第2電極の大きさが前記圧電素子よりも小さく、
    前記圧電素子の側面のうち、少なくとも、前記配線基板の前記複数の充填溝が前記圧電素子からはみ出す側の側面部分において、前記第2電極が露出していないことを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の液体噴射装置。
  9. 圧電素子と、
    前記圧電素子の一表面に配置される第1電極と、
    前記第1電極と導通する配線が形成され、且つ、前記圧電素子の前記一表面に接合される配線基板を有し、
    前記第1電極が、前記圧電素子と前記配線基板の両方に接して形成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  10. 液体を噴射するノズルを含む液体流路が形成された流路構造体と、前記流路構造体に設けられて前記液体流路内の液体に噴射エネルギーを付与する圧電アクチュエータとを備え、前記圧電アクチュエータが、圧電素子と、前記圧電素子の一表面に配置される第1電極と、前記第1電極と導通する配線が形成され、且つ、前記圧電素子の前記一表面に接合される配線基板を有する、液体噴射装置の製造方法であって、
    前記配線基板の前記圧電素子との接合面に複数の充填溝を形成する溝形成工程と、
    前記複数の充填溝に液状の導電性材料を充填することにより、前記接合面に前記第1電極を形成する電極形成工程と、
    前記配線基板の前記接合面を前記圧電素子に接合する接合工程と、を備えていることを特徴とする液体噴射装置の製造方法。
  11. 前記複数の充填溝が形成された前記配線基板の前記接合面を、前記圧電素子の前記一表面に接触させた状態で、前記電極形成工程において、前記複数の充填溝に前記導電性材料を充填して、前記圧電素子と前記配線基板の両方に接するように前記第1電極を形成することを特徴とする請求項10に記載の液体噴射装置の製造方法。
  12. 前記溝形成工程において、前記配線基板の前記接合面と反対側の面に、前記複数の充填溝に連通する供給溝を形成し、
    前記電極形成工程において、インクジェットヘッドにより前記供給溝に導電性インクを吐出して、前記供給溝から前記複数の充填溝に前記導電性インクを充填させることを特徴とする請求項10又は11に記載の液体噴射装置の製造方法。
  13. 前記配線基板の前記複数の充填溝が形成された領域の一部が前記圧電素子の前記一表面からはみ出すように、前記配線基板を前記圧電素子に接触させることを特徴とする請求項12に記載の液体噴射装置の製造方法。
  14. 前記電極形成工程において、前記供給溝の、前記複数の充填溝と連通する側の端部に向けて、前記インクジェットヘッドから前記導電性インクを吐出させることを特徴とする請求項12又は13に記載の液体噴射装置の製造方法。
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