JP2014045015A - 複数の活性層を有する窒化物半導体素子、窒化物半導体発光素子、窒化物半導体受光素子、及び、窒化物半導体素子の製造方法 - Google Patents

複数の活性層を有する窒化物半導体素子、窒化物半導体発光素子、窒化物半導体受光素子、及び、窒化物半導体素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】p型半導体層側の発光層のみならずn型半導体層側の活性層においても電流注入による発光、又は、受光が行われる新規な窒化物半導体素子を提供すること。
【解決手段】n型半導体層2n及びp型半導体層2pを備えた窒化物半導体素子において、窒化物半導体により形成された発光又は受光のための活性層がn型半導体層2nとp型半導体層2pとの間に複数配置され、アクセプタ不純物を添加した窒化物半導体により形成された中間層が前記活性層同士の間に配置されている。前記複数の活性層は、電流と光とを変換するようにされている。前記窒化物半導体素子には、発光層11,12,13を有する窒化物半導体発光素子1A、及び、受光層21,22を有する窒化物半導体受光素子1Bが含まれる。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体素子、窒化物半導体発光素子、窒化物半導体受光素子、及び、窒化物半導体素子の製造方法に関する。
窒化物半導体素子として、LED(発光ダイオード)、半導体レーザ、太陽電池、等が知られている。近年開発された白色LEDは、例えば、青色発光層を備えた青色LEDの周囲に黄色蛍光体粉末が塗布されている。この種の白色LEDは、青色LEDから発せられた青色光で黄色蛍光体を励起させ、これにより発生する黄色光と前記青色光とを混色する。青色発光層及び黄色蛍光体から発せられる光は波長に対して決まったEL(エレクトロルミネッセンス)スペクトルを有している。
また、特許文献1に記載の白色LEDは、サファイア基板上に、GaNバッファ層、窒化物エピタキシャル発光層、非化学量論組成を有するn型窒化物半導体発光層、n型GaNコンタクト層、及び、n型電極層が順に積層されている。窒化物エピタキシャル発光層は、GaNバッファ層上に、p型GaNコンタクト層、p型GaNクラッド層、化学量論組成を有するInGaN活性層、及び、n型GaNクラッド層が順に積層されている。すなわち、n型窒化物半導体発光層は、n型GaNクラッド層上に直接、積層されている。p型GaNクラッド層とn型GaNクラッド層とで挟まれた窒化物エピタキシャル発光層は、電流注入によって波長400〜485nmの青色光を発する。n型GaNクラッド層上のn型窒化物半導体発光層は、前記青色光を吸収し、いわゆる深い準位の発光により波長550〜580nmの黄色光を発する。窒化物エピタキシャル発光層及びn型窒化物半導体発光層から発せられる光は波長に対して決まったELスペクトルを有している。
近年、白色光源や太陽電池のように、スペクトル幅の広い発光あるいは受光素子が望まれている。
特開2004−335716号公報
上記黄色蛍光体は、白色LEDの寿命を低下させることがある。また、特許文献1に記載の白色LEDは、半導体のみによる完全固体素子であるものの、一度発光した光を再度吸収させて、エネルギー的に低い光を発光させているという多数の工程を踏むことから、効率の面で不利である。さらに、黄色蛍光体を用いた白色LEDにしても、特許文献1に記載の白色LEDにしても、n型クラッド層とp型クラッド層との間に一種類の青色発光層しかないため、発光量に限界がある。従って、スペクトル幅の広い発光あるいは受光を半導体のみによる完全固体素子として実現することができると、長寿命化、高効率化、及び、低コスト化が期待される。
しかし、単にn型クラッド層とp型クラッド層との間に複数の発光層を配置しても、n型クラッド層側の発光層まで正孔が移動せず、n型クラッド層側の発光層から光が発せられない。これは、窒化物半導体の場合、正孔の有効質量が他の一般的な半導体と比べて非常に大きいためと考えられる。
なお、上述した問題は、青色光を黄色光に変換する白色LED以外のLEDや半導体レーザといった窒化物半導体発光素子、太陽電池といった窒化物半導体受光素子、等の窒化物半導体素子に存在する。
本発明は、上述した課題を解決する新規な窒化物半導体素子、及び、その製造方法を提供するものである。
本発明は、n型半導体層及びp型半導体層を備えた窒化物半導体素子において、
窒化物半導体により形成された発光又は受光のための活性層が前記n型半導体層と前記p型半導体層との間に複数配置され、
アクセプタ不純物を添加した窒化物半導体により形成された中間層が前記活性層同士の間に配置され、
前記複数の活性層が電流と光とを変換するようにされた、態様を有する。
すなわち、n型半導体層とp型半導体層との間に配置された活性層同士の間には、アクセプタ不純物を添加した窒化物半導体により形成された中間層が配置されている。本窒化物半導体素子は、p型半導体層側の活性層のみならずn型半導体層側の活性層でも電流と光とを変換する。従って、本態様は、n型半導体層側の活性層においても電流注入による発光、又は、受光が行われる新規な窒化物半導体素子を提供することができる。
ここで、前記活性層は発光層でもよく、前記窒化物半導体素子は窒化物半導体発光素子を含む。
すなわち、本発明は、n型半導体層及びp型半導体層を備えた窒化物半導体発光素子において、
窒化物半導体により形成された発光層が前記n型半導体層と前記p型半導体層との間に複数配置され、
アクセプタ不純物を添加した窒化物半導体により形成された中間層が前記発光層同士の間に配置され、
前記複数の発光層が発光するようにされた、態様を有する。
本態様は、n型半導体層側の発光層においても電流注入により光を発する新規な窒化物半導体発光素子を提供することができる。
また、前記活性層は受光層でもよく、前記窒化物半導体素子は窒化物半導体受光素子を含む。
すなわち、本発明は、n型半導体層及びp型半導体層を備えた窒化物半導体受光素子において、
窒化物半導体により形成された受光層が前記n型半導体層と前記p型半導体層との間に複数配置され、
アクセプタ不純物を添加した窒化物半導体により形成された中間層が前記受光層同士の間に配置され、
前記複数の受光層が光電変換を行うようにされた、態様を有する。
本態様は、n型半導体層側の受光層においても光が電流に変換される新規な窒化物半導体受光素子を提供することができる。
さらに、本発明は、n型半導体層及びp型半導体層を形成する工程を備えた窒化物半導体素子の製造方法において、
窒化物半導体である発光又は受光のための複数の活性層に含まれる第一活性層を前記n型半導体層と前記p型半導体層との間となる部分に形成する工程と、
アクセプタ不純物を前記複数の活性層が電流と光とを変換する濃度で添加した窒化物半導体である中間層を前記第一活性層上に形成する工程と、
前記複数の活性層に含まれる第二活性層を前記中間層上に形成する工程とを備えた、態様を有する。
本態様は、n型半導体層側の活性層においても電流注入による発光、又は、受光が行われる新規な窒化物半導体素子の製造方法を提供することができる。
ここで、n型半導体層とp型半導体層のいずれか一方と活性層とは、接していてもよいし、これらの層とは別の層を介して配置されてもよい。
中間層は、単層のみならず、複数の層とされてもよい。
中間層に添加されるアクセプタ不純物は、中間層の一部に偏って存在してもよい。
前記活性層が量子井戸構造又は量子ドット構造を有する窒化物半導体により形成されている態様は、n型半導体層側の活性層でも発光又は受光が行われる好ましい窒化物半導体素子を提供することができる。
複数の活性層の波長に対する発光又は受光の強度スペクトルは同じでもよいが、複数の活性層に含まれる第一活性層及び第二活性層の発光又は受光の強度スペクトルが互いに異なっていてもよい。本態様は、窒化物半導体素子全体として発光又は受光の強度スペクトルのバリエーションを増やすことができる。
ここで、発光又は受光の強度スペクトルが異なることには、発光又は受光のピーク強度が異なること、発光又は受光のピーク波長が異なること、発光又は受光の強度スペクトルの半値幅が異なること、が含まれる。第一活性層及び第二活性層の発光又は受光のピーク波長が互いに異なる態様は、広い波長域の発光又は受光の強度スペクトルを有する新規な窒化物半導体素子を提供することができる。
前記中間層のアクセプタ不純物は、短周期型周期表のII族元素が好ましい。具体的にいうと、前記中間層のアクセプタ不純物は、Mg(マグネシウム)、Zn(亜鉛)、Be(ベリリウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、及び、Ba(バリウム)の中から選ばれる一種以上の不純物が好ましい。本態様は、n型半導体層側の活性層でも発光又は受光が行われる好ましい窒化物半導体素子を提供することができる。
前記中間層のアクセプタ不純物の添加濃度は、前記p型半導体層のアクセプタ不純物の添加濃度よりも小さい添加濃度が好ましい。本態様も、n型半導体層側の活性層でも発光又は受光が行われる好ましい窒化物半導体素子を提供することができる。
前記中間層の厚さは、前記活性層の厚さ以上が好ましく、具体的には、40nm以上が好ましく、70nm以上がより好ましい。本態様も、n型半導体層側の活性層でも発光又は受光が行われる好ましい窒化物半導体素子を提供することができる。
窒化物半導体発光素子1Aの構造を模式的に例示する図である。 窒化物半導体発光素子1Aの製造方法の例を説明するための図である。 窒化物半導体受光素子1Bの構造を模式的に例示する図である。 発光層を3層有する窒化物半導体発光素子1Aの構造を模式的に例示する図である。 面発光レーザの概念を模式的に例示する図である。 実施例1のInとMgの濃度プロファイルの測定結果を示す図である。 比較例2のInとMgの濃度プロファイルの測定結果を示す図である。 各素子サンプルの発光スペクトルの測定結果を示す図である。 比較例に係る窒化物半導体発光素子の構造を模式的に示す図である。 別の比較例に係る窒化物半導体発光素子の構造を模式的に示す図である。
まず、実施形態に内在する種々の発明に想到した背景を説明する。
近年、白色光源や太陽電池のように、スペクトル幅の広い発光あるいは受光素子が望まれている。多くの白色LEDに用いられている黄色蛍光体は白色LEDの寿命を低下させることがあり、発光効率、寿命、及び、コストの面で不利である。従って、窒化物半導体素子において、スペクトル幅の広い発光あるいは受光を半導体のみによる完全固体素子として実現すれば、高効率、長寿命、及び、低コストの新規な窒化物半導体素子を提供することができる。
しかし、単にn型半導体層とp型半導体層との間に複数の発光層を配置しても、他の一般的な半導体と比べて有効質量が非常に大きい正孔のために、n型半導体層側の発光層まで正孔が移動せず、p型半導体層側の発光層しか発光しない。この技術常識を打破することが課題である。
なお、特開2004-335716号公報に記載の白色LEDは、一度発光した光を半導体に吸収させて、エネルギー的に低い光を発光させているという多数の工程を踏むことから、効率の面で不利である。また、同公報には、各波長における発光強度比(バランス)を所望の値に調整する具体的な手段の開示がない。
以上の背景の下、本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態に内在する技術は、一つの素子の活性層、すなわち、n型半導体層とp型半導体層とに直接挟まれた活性層が一つであるという技術常識を覆す点で極めて高い新規性を有する。むろん、以下の実施形態は、本発明を例示するものに過ぎない。
なお、化学式で表される組成比は化学量論比を示し、化学式で表される物質には化学量論比から外れたものも含まれる。
(1)窒化物半導体素子の構造:
図1は、窒化物半導体素子の第一の例である窒化物半導体発光素子1Aの構造を模式的に示している。この窒化物半導体発光素子1Aは、窒化物半導体により形成された発光層(活性層)11,12がn型半導体層2nとp型半導体層2pとの間に配置され、アクセプタ不純物を添加した窒化物半導体により形成された中間層16が発光層11,12の間に配置されている。これにより、窒化物半導体発光素子1Aは、複数の発光層11,12が発光するようにされている。また、n型半導体層2n上にn−電極3nが形成され、p型半導体層2p上にp−電極3pが形成されている。
図1に示すn型半導体層2nは、複数の活性層に含まれる第一発光層(第一活性層)11を被覆するn型クラッド層である。n型半導体層には、例えば、窒化ガリウム(GaN)や窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)といったIII族窒化物半導体AlaGabIncd(化学量論比で0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1、d=1)等を用いることができる。n型伝導を示すように半導体に添加するドナー不純物は、例えば、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)などの中から選ばれる一種以上の元素等を用いることができる。ドナー不純物の添加濃度は、例えば、5×1018cm-3程度といった5×1017cm-3〜5×1019cm-3程度とすることができる。n型半導体層2nは、発光した光の吸収が少なく、電子を発光層11,12へ供給するように、発光層11,12よりバンドギャップが大きければよい。n型半導体層の厚さは、例えば、2〜3μm程度とすることができる。
図1に示すp型半導体層2pは、複数の活性層に含まれる第二発光層(第二活性層)12を被覆するp型クラッド層である。p型半導体層には、例えば、GaNやAlGaNといったIII族窒化物半導体AlaGabIncd(化学量論比で0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1、d=1)等を用いることができる。p型伝導を示すように半導体に添加するアクセプタ不純物は、例えば、Mg(マグネシウム)、Zn(亜鉛)、Be(ベリリウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、及び、Ba(バリウム)の中から選ばれる一種以上の元素等を用いることができる。アクセプタ不純物の添加濃度は、例えば、2×1019cm-3程度といった1×1019cm-3〜5×1019cm-3程度とすることができる。p型半導体層2pは、発光した光の吸収が少なく、正孔を発光層11,12へ供給するように、発光層11,12よりバンドギャップが大きければよい。p型半導体層の厚さは、例えば、50〜1000nm程度とすることができる。
図1に示す発光層11,12は、計3層の井戸層14に計2層の隔壁層15が挿入された、すなわち、井戸層14同士が障壁層15を介して積層された量子井戸構造S1を有する窒化物半導体により形成されている。発光層は、電流注入、すなわち、電子と正孔を注入して再結合させることで光を発生させる活性層である。発光層は、量子ドット構造を有する窒化物半導体により形成されてもよい。
井戸層14は、III族窒化物半導体により形成される量子井戸の層であり、例えば、窒化ガリウムインジウムGaxInyz(化学量論比で0≦x≦1、0≦y≦1、x+y=1、z=1)等を用いることができる。Inの組成比yを変化させると、発光層の中心波長を変えることができる。井戸層14の厚さは、例えば、2〜5nm程度とすることができる。
隔壁層15には、例えば、窒化ガリウム(GaN)といったIII族窒化物半導体を用いることができる。隔壁層15の厚さは、例えば、6〜15nm程度とすることができる。
発光層の材料、組成、層厚、井戸数、等は、必要な発光波長に応じて各々決定すれば良い。例えば、GaInN井戸数が3層、各井戸層厚が3nm、各GaN隔壁層厚が15nmである場合、発光層を中心波長410nm(紫色)、460nm(青色)、520nm(緑色)、570nm(黄色)、600nm(赤色)で発光させるためには、それぞれ、In組成比yを約0.1(10%)、約0.15(15%)、約0.2(20%)、約0.3(30%)、約0.35(35%)にすればよい。
本窒化物半導体発光素子1Aは、n型半導体層2nとp型半導体層2pとで挟まれた複数の発光層11,12が電流注入によりそれぞれ発光する。図9に示す比較例の窒化物半導体発光素子のようにn型半導体層2nとp型半導体層2pとの間に1層の発光層11しか無い場合、発光量に限界がある。本窒化物半導体発光素子1Aは、n型半導体層2nとp型半導体層2pとの間に複数の発光層11,12があるため、図9に示す比較例と比べて発光量を増やすことが可能になる。これは、n型半導体層2nとp型半導体層2pとの間で各発光層11,12が並列接続されたような状態となり、各発光層11,12が図9に示す比較例の発光層と同等の発光量で発光することが可能になるためと推測される。
図1に示す中間層16は、発光層11,12の間に配置され、各発光層を区画する。中間層は、発光波長を吸収しない程度の大きさのバンドギャップを持つ材料を選択すればよく、例えば、窒化ガリウム(GaN)、窒化ガリウムインジウム(GaInN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、といったIII族窒化物半導体を用いることができる0。例えば、365nm以上の波長を吸収しないようにするためには、GaNを用いることができる。発光波長が長い場合には、バンドギャップのより小さいGaInNを用いてもよい。発光波長が短い場合には、バンドギャップの大きいAlGaNを用いてもよい。
n型半導体層2n側の発光層(活性層)11が電流注入により発光するためには、中間層16にアクセプタ不純物を添加する必要がある。
まず、中間層にアクセプタ不純物を添加しない場合に生じる現象を図10の比較例を用いて説明する。
各発光層11,12が発光するためには、p型半導体層2pから移動してくる正孔とn型半導体層2nから移動してくる電子とが各発光層11,12で結合する必要がある。ここで、正孔を丸で囲んだ「+」で模式的に示し、電子を丸で囲んだ「−」で模式的に示している。
正孔は、電子と比べて有効質量が大きく移動度が低い。特に、窒化物半導体の場合、他の一般的な半導体と比べて、正孔の有効質量が非常に大きい。従って、中間層916にアクセプタ不純物を添加しない場合、正孔と電子とがp型半導体層2p側の発光層12で結合して発光層12のみ発光し、n型半導体層2n側の発光層11に正孔が供給されず、発光層11は発光しない。
一方、図1に示す窒化物半導体発光素子1Aのように、中間層16にアクセプタ不純物を添加すると、p型半導体層2p側の発光層12のみならず、n型半導体層2n側の発光層11も発光する。これは、正孔がp型半導体層側の発光層12のみならずn型半導体層側の発光層11にまで移動して電子と結合するためと推測される。
中間層16に添加するアクセプタ不純物は、Mg、Zn、Be、Ca、Sr、及び、Baの中から選ばれる一種以上の元素が好ましく、Mg、Zn、及び、Beの中から選ばれる一種以上の元素がさらに好ましい。このようなアクセプタ不純物を中間層16に添加すると、n型半導体層側の発光層11を好ましく発光させることができる。
窒化物半導体に用いるアクセプタ不純物は、通常、Mgが良く用いられる。これは、アクセプタ不純物となるII族元素においては、Mgが最も小さい活性化エネルギーを示し、比較的高い正孔濃度を実現できるからである。本発明者らは、このような技術常識に反し、窒化物半導体中間層にアクセプタ不純物としてZnを添加することにより良好な素子が得られる可能性を見い出している。ZnはMgに比べ、活性化エネルギーが大きいため、アクセプタ不純物としてみれば、正孔濃度の観点で劣る。一方で、Mgは非発光センターを形成して発光効率を低下させるが、Znは発光センターを形成するため、発光効率の低下が生じない。本発明では、活性層付近へのアクセプタ不純物添加が必要であり、Znが、活性層の品質を低下させずにアクセプタ不純物が添加できるという点で期待される。
中間層16のアクセプタ不純物の添加濃度(C1cm-3とする。)は、中間層16を好ましくp型にする点から1×1017cm-3以上であればよく、n型半導体層側の発光層11を好ましく発光させる点から1×1018cm-3以上が好ましい。また、アクセプタ不純物の添加濃度C1は、p型半導体層2p側の発光層12を発光させる点からp型半導体層2pのアクセプタ不純物の添加濃度(C0cm-3とする。)よりも小さい添加濃度が好ましく、具体的には7×1018cm-3以下が好ましく、5×1018cm-3以下がより好ましい。ただし、長周期型周期表の2族元素とは異なるZnの添加濃度は、1×1020cm-3以下が好ましく、7×1019cm-3以下がより好ましく、5×1019cm-3以下がさらに好ましい。Znの下限側の添加濃度は、1×1018cm-3以上が好ましく、1×1019cm-3以上がさらに好ましい。
アクセプタ不純物の添加濃度C1を上述した範囲内にすると、p型半導体層側の発光層12のみならずn型半導体層側の発光層11も発光させることができる。0<C1<C0において、添加濃度C1を大きくするほどn型半導体層側の発光層11の発光量が多くなってp型半導体層側の発光層12の発光量が少なくなる傾向があり、添加濃度C1を小さくするほどn型半導体層側の発光層11の発光量が少なくなってp型半導体層側の発光層12の発光量が多くなる傾向がある。従って、添加濃度C1を調節することにより、各発光層11,12の発光量を調整することができる。例えば、中間層16の両隣の発光層11,12に電子と正孔がバランスよく供給されるように中間層16のアクセプタ不純物の添加濃度を調節すると、発光層11,12をバランスよく発光させることができる。
中間層16の厚さT1は、各発光層11,12を明瞭に区別する点から発光層1層分の厚さと同等以上が好ましく、具体的には、40nm以上が好ましい。特に、中間層の厚さを70nm以上にすると、アクセプタ不純物であるMgのメモリー効果の影響を十分抑制することができるのでさらに好ましい。また、中間層16の厚さを200nm以下にすると、素子抵抗が増えすぎず、駆動電圧の上昇が抑制される。
中間層16を挟む発光層11,12の波長に対する発光の強度スペクトルは同じでもよいが、発光層11,12の発光の強度スペクトルが互いに異なっていてもよい。この強度スペクトルには、ピーク強度、ピーク波長、及び、半値幅が含まれる。各発光層11,12の強度スペクトルが互いに異なると、窒化物半導体発光素子全体として発光の強度スペクトルのバリエーションを増やすことができる。特に、各発光層11,12の発光のピーク波長が互いに異なると、窒化物半導体発光素子から発せられる光を広波長域化することができる。例えば、発光層11,12の一方のピーク波長を400〜500nmに設定し、他方のピーク波長を500〜700nmに設定すると、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)蛍光体といった蛍光体を用いない超寿命、高効率、及び、低コストの白色LEDを提供することができる。
なお、図1に示すn−電極3nには、例えば、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)などを組み合わせた一種以上の導電体等を用いることができる。図1に示すp−電極3pには、例えば、Au(金)、Ni(ニッケル)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)などを組み合わせた一種以上の導電体等を用いることができる。電極3n,3pは、単層のみならず、複数の層とされてもよい。また、p−電極3pにはITO(酸化インジウムスズ)などの透明導電膜を用いてもよい。
図2は、製造に好適な窒化物半導体発光素子1Aの構造例を模式的に示している。この窒化物半導体発光素子1Aは、基板41上に低温堆積緩衝層42、アンドープ半導体層43、n型半導体層2n、第一発光層11、中間層16、第二発光層12、p型半導体層2p、p型コンタクト層44、及び、p−電極3pが順に積層されている。基板41には、例えば、窒化ガリウム(GaN)単結晶基板、サファイア単結晶基板、等を用いることができる。低温堆積緩衝層42には、例えば、窒化アルミニウム(AlN)や窒化ガリウム(GaN)といったIII族窒化物半導体等を用いることができる。アンドープ半導体層43には、例えば、窒化ガリウム(GaN)や窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)といったIII族窒化物半導体等を用いることができる。p型コンタクト層44には、例えば、窒化ガリウム(GaN)や窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)といったIII族窒化物半導体等を用いることができる。
(2)窒化物半導体素子の製造方法:
次に、図2を参照して、窒化物半導体素子の製造方法の例を説明する。
基板41上の各層は、例えば、有機金属化合物気相成長法(MOVPE法)といった気相成長法や、分子線エピタキシー法(MBE法)といった物理的蒸着法、等により形成することができる。
基板41上に、低温堆積緩衝層42、アンドープ半導体層43、及び、n型半導体層2nを順に設定厚さまで気相成長法により結晶成長させた後には、n型半導体層2n上に、井戸層14、障壁層15、井戸層14、障壁層15、井戸層14を順に設定厚さまで気相成長法により結晶成長させることができる(第一活性層形成工程)。第一発光層11上に中間層16を設定厚さまで気相成長法により結晶成長させる際には、複数の発光層11,12が発光する濃度のアクセプタ不純物を窒化物半導体に添加する(中間層形成工程)。第二発光層12を形成する際には、中間層16上に、井戸層14、障壁層15、井戸層14、障壁層15、井戸層14を順に設定厚さまで気相成長法により結晶成長させることができる(第二活性層形成工程)。第二発光層12上にp型半導体層2p及びp型コンタクト層44を順に設定厚さまで気相成長法により結晶成長させた後には、例えば、以下の手順で、p型層の活性化、およびn−電極3n及びp−電極3pを形成することができる。
まず、p型コンタクト層44上にエッチングマスクを形成し、所定領域のマスクを除去して、マスクで覆われていない部分のp型コンタクト層44、p型半導体層2p、第二発光層12、中間層16、及び、第一発光層11を反応性イオンエッチングによりエッチングして、n型半導体層2nの表面の一部を露出させる。エッチングマスクを除去した後、p型層活性化のために窒素あるいは酸素雰囲気下で500〜700℃において5〜30分熱処理を行う。続いて、このウエハの表面にフォトレジストを一様に塗布し、フォトリソグラフィにより、n−電極3n及びp−電極3pの形成部分のフォトレジストを除去する。次いで、露出したn型半導体層2n及びp型コンタクト層44の表面にそれぞれ真空蒸着法で設定厚さのn−電極3n及びp−電極3pを形成する。その後、フォトレジストを除去することで電極の形成が完了する。
以上により、窒化物半導体発光素子1Aを形成することができる。
なお、各層の厚みは、蒸着装置の処理時間等を変えることにより調整することができる。
(3)窒化物半導体素子の作用及び効果:
以下、窒化物半導体素子の作用及び効果を説明する。
図1,2に示す窒化物半導体発光素子1Aは、図10で示した比較例とは異なり、p型半導体層2p側の発光層12のみならず、n型半導体層2n側の発光層11も電流注入により発光する。これは、添加されたアクセプタ不純物により中間層16がp型になり、n型半導体層側の発光層11に供給される電子と正孔とのバランスが調整されるためと推測される。
本窒化物半導体発光素子1Aは、蛍光体を使用していないため、蛍光体を用いた窒化物半導体発光素子と比べて寿命を延ばすことができる。また、一度発光した光の一部を吸収させてエネルギー的に低い光に変換するという多数の工程が無いため、発光効率を向上させることができる。さらに、p型半導体層2p側の発光層12のみならずn型半導体層2n側の発光層11も発光するため、図9,10で示した比較例と比べて発光量を増やすことが可能になる。各発光層11,12の発光のピーク波長が互いに異なる場合、発せられる光を広波長域化することができる。従って、本窒化物半導体発光素子1Aは、超寿命化、高効率化、広波長域化、低コスト化、等の有用な効果を得ることが可能である。
アプリケーションによっては、各発光層11,12の発光強度が等しくなく、様々な発光強度比を必要とする場合がある。この場合も、中間層16のアクセプタ不純物濃度を適宜調整することで実現可能となる。具体的には、n側に存在する第一発光層11の発光の強度比を高めたい場合にはアクセプタ不純物濃度を高めに設定し、p側に存在する第二発光層12の発光の強度比を高めたい場合にはアクセプタ不純物濃度を低めに設定すればよい。
これまでLED等の発光素子では一つの発光層からの発光しか得られなかったが、本技術により二つ以上の発光層からの発光を得ることができる。このため、これまでLEDが苦手としてきた広い発光スペクトルを必要とするアプリケーションへの応用が可能になる。
(4)第二の例:
次に、二つの発光層を有する窒化物半導体発光素子の第二の例である白色LEDについて説明する。本白色LEDの基本的な構造は図1,2と同様であるので、図1,2を参照して説明する。また、各層の材料も第一の例で述べた材料を用いることができ、各層の厚さも第一の例で述べた厚さにすることができる。以下、より具体的な例を述べる。
発光層11,12は、例えば、三つの窒化ガリウムインジウム(GaInN)量子井戸層14と二つのGaN障壁層15で構成されるGaInN/GaN量子井戸発光層により形成することができる。例えば、第一発光層11は中心波長460nm(青色)で発光し、第二発光層12は中心波長570nm(黄色)で発光するように形成する。第一発光層11のGaInN井戸層のIn組成比は、約15%にすればよい。第二発光層12のGaInN井戸層のIn組成比は、約30%にすればよい。むろん、第一発光層が中心波長570nmで発光し、第二発光層が中心波長460nmで発光してもよい。黄色の発光層においては、発光効率をより高くできる量子ドット発光層を用いてもよい。
中間層16は、例えば、アクセプタ不純物としてZnを添加したGaInN層により形成することができる。GaInN層のInの組成比は、約2%にすればよい。Znは、Mgに比べ、活性化エネルギーが大きく、同じアクセプタ不純物濃度でも正孔を生成しにくいため、Mgに比べ多めのアクセプタ不純物濃度にすると良い。このことを考慮して、Znの添加濃度は、1×1018cm-3以上(より好ましくは1×1019cm-3以上)、かつ、1×1020cm-3以下(より好ましくは7×1019cm-3以下、さらに好ましくは5×1019cm-3以下)が好ましい。Znは、Mgに比べメモリー効果が少なくため、残留Znの取り込みが少ない。さらに、Znは、発光層に取り込まれても発光層の品質を低下させることがほとんどない。従って、層構造によってはZnがMgより使いやすい場合がある。
以上の素子構造の白色LEDは、蛍光体を全く使用しないため、効率、寿命、及び、コストの全ての面で優れた白色光源となる。
(5)第三の例:
図3は、窒化物半導体素子の第三の例である窒化物半導体受光素子1Bの構造を模式的に示している。この窒化物半導体受光素子1Bは、窒化物半導体により形成された受光層(活性層)21,22がn型半導体層2nとp型半導体層2pとの間に配置され、アクセプタ不純物を添加した窒化物半導体により形成された中間層26が受光層21,22の間に配置されている。これにより、窒化物半導体受光素子1Bは、複数の受光層21,12が光電変換を行うようにされている。また、n型半導体層2n上にn−電極3nが形成され、p型半導体層2p上にp−電極3pが形成されている。
n型半導体層2n、p型半導体層2p、n−電極3n、及び、p−電極3pは、第一の例と同様であるので、説明を省略する。
受光層21,22には、例えば、窒化ガリウムインジウムGaxInyz(化学量論比で0≦x≦1、0≦y≦1、x+y=1、z=1)といったIII族窒化物半導体AlaGabIncd(化学量論比で0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1、d=1)等を用いることができる。受光層21,22の厚さは、例えば、20〜80nm程度とすることができる。
受光層の材料、組成、層厚、等は、必要な受光波長に応じて各々決定すれば良い。例えば、GaInN受光層を中心波長410nm(紫色)、460nm(青色)、520nm(緑色)、570nm(黄色)、600nm(赤色)で受光させるためには、それぞれ、In組成比yを約0.1(10%)、約0.15(15%)、約0.2(20%)、約0.3(30%)、約0.35(35%)にすればよい。
中間層26は、受光層21,22の間に配置され、各受光層を区画する。受光層には、例えば、窒化ガリウム(GaN)、窒化ガリウムインジウム(GaInN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、といったIII族窒化物半導体を用いることができる。中間層26に添加するアクセプタ不純物は、Mg、Zn、Be、Ca、Sr、及び、Baの中から選ばれる一種以上の元素が好ましく、Mg、Zn、及び、Beの中から選ばれる一種以上の元素がさらに好ましい。このようなアクセプタ不純物を中間層26に添加すると、n型半導体層側の受光層21で光を電流に好ましく変換することができる。
中間層26のアクセプタ不純物の添加濃度C1は、中間層26を好ましくp型にする点から1×1017以上であればよく、n型半導体層側の受光層21で光を電流に好ましく変換する点から1×1018cm-3以上が好ましい。また、アクセプタ不純物の添加濃度C1は、p型半導体層2p側の受光層22に光電変換を行わせる点からp型半導体層2pのアクセプタ不純物の添加濃度C0よりも小さい添加濃度が好ましく、具体的には7×1018cm-3以下が好ましく、5×1018cm-3以下がより好ましい。ただし、Znの添加濃度は、1×1020cm-3以下が好ましく、7×1019cm-3以下がより好ましく、5×1019cm-3以下がさらに好ましい。Znの下限側の添加濃度は、1×1018cm-3以上が好ましく、1×1019cm-3以上がさらに好ましい。
アクセプタ不純物の添加濃度C1を上述した範囲内にすると、n型半導体層側の受光層21で光を電流に好ましく変換することができる。添加濃度C1を調節することにより、各受光層21,22の光電変換効率を調整することができる。
中間層26の厚さT1は、各受光層21,22を明瞭に区別する点から受光層1層分の厚さと同等以上が好ましく、具体的には、40nm以上が好ましい。特に、中間層の厚さを70nm以上にすると、アクセプタ不純物であるMgのメモリー効果の影響を十分抑制することができるのでさらに好ましい。また、中間層26の厚さを200nm以下にすると、素子抵抗が増えすぎない。
中間層26を挟む受光層21,22の波長に対する受光の強度スペクトルは同じでもよいが、受光層21,22の受光の強度スペクトルが互いに異なっていてもよい。この強度スペクトルには、ピーク強度、ピーク波長、及び、半値幅が含まれる。各受光層21,22の強度スペクトルが互いに異なると、窒化物半導体発光素子全体として受光の強度スペクトルのバリエーションを増やすことができる。特に、各受光層21,22の受光のピーク波長が互いに異なると、窒化物半導体受光素子で光電変換される光を広波長域化することができる。
窒化物半導体受光素子1Bは、窒化物半導体発光素子1Aと同様の製造方法により製造することができる。
本窒化物半導体受光素子1Bは、p型半導体層2p側の受光層22のみならずn型半導体層2n側の受光層21で光が電流に変換されるため、受光量を増やすことが可能になる。各受光層21,22の受光のピーク波長が互いに異なる場合、電流に変換される光を広波長域化することができる。このように、本技術は、広いスペクトル及び十分な吸収量に対応した複数の受光層を形成することができる。従って、本窒化物半導体受光素子1Bは、高効率化、広波長域化、低コスト化、等の有用な効果を得ることが可能であり、例えば、太陽電池としても高い変換効率を有する受光素子となる。
(6)第四の例:
図4は、窒化物半導体素子の第四の例である窒化物半導体発光素子1Aの構造を模式的に示している。この窒化物半導体発光素子1Aは、窒化物半導体により形成された発光層11,12,13がn型半導体層2nとp型半導体層2pとの間に配置され、アクセプタ不純物を添加した窒化物半導体により形成された中間層16,17が発光層同士の間に配置されている。これにより、窒化物半導体発光素子1Aは、複数の発光層11,12,13が発光するようにされている。なお、各層の材料は第一の例で述べた材料を用いることができ、発光層13の材料は発光層11,12に使用可能な材料を用いることができ、中間層17の材料は中間層16に使用可能な材料を用いることができる。また、各層の厚さも第一の例で述べた厚さにすることができ、発光層13の厚さも発光層11,12に適用可能な厚さにすることができ、中間層17の厚さも中間層16に適用可能な厚さにすることができる。以下、より具体的な例を述べる。
発光層11,12,13は、例えば、二つの窒化ガリウムインジウム(GaInN)量子井戸層14と一つのGaN障壁層15で構成されるGaInN/GaN量子井戸発光層により形成することができる。例えば、発光層11は中心波長460nm(青色)で発光し、発光層12は中心波長520nm(緑色)で発光し、発光層13は中心波長600nm(赤色)で発光するように形成する。発光層11のGaInN井戸層のIn組成比は、約15%にすればよい。発光層12のGaInN井戸層のIn組成比は、約20%にすればよい。発光層13のGaInN井戸層のIn組成比は、約35%にすればよい。むろん、発光層11が中心波長520又は600nmで発光してもよいし、発光層12が中心波長460又は600nmで発光してもよいし、発光層13が中心波長460又は520nmで発光してもよい。これらの中心波長の光はRGB三原色に相当するので、より演色性の高い白色LEDが実現できる。
中間層16のアクセプタ不純物の添加濃度C1、及び、中間層17のアクセプタ不純物の添加濃度C2は、例えば、各発光層11,12,13の発光バランスを考慮して、0<C1<C2<C0に設定してもよい。ここで、C0は、p型半導体層2pのアクセプタ不純物の添加濃度である。むろん、各中間層のアクセプタ不純物濃度は、各発光層の発光強度比に従って設定すればよい。
本例の窒化物半導体発光素子も、第一の例の窒化物半導体発光素子と同様の製造方法により製造することができる。なお、本例の製造方法の場合、複数の発光層に含まれる第一発光層は、発光層11でもよいし、発光層12でもよい。第一発光層が発光層11である場合、複数の発光層に含まれる第二発光層は、発光層12でもよいし、発光層13でもよい。
本例は、n型半導体層とp型半導体層との間に3層の発光層があるため、発光量をさらに増やすことが可能になる。また、各発光層の発光のピーク波長が互いに異なる場合、発せられる光をさらに広波長域化することができる。
なお、窒化物半導体受光素子についても、中間層を介した3層以上の受光層をn型半導体層とp型半導体層との間に形成すると、受光量をさらに増やすことが可能になる。また、各受光層の受光のピーク波長が互いに異なる場合、電流に変換する光をさらに広波長域化することができる。
(7)第五の例:
図5は、窒化物半導体素子の第五の例である面発光レーザ(窒化物半導体発光素子)の概念を模式的に示している。面発光レーザは、原理的にはLEDのような発光層を有する発光素子に多層膜反射鏡等で形成する垂直共振器を加えた構造であり、垂直方向にレーザ発振可能な半導体レーザである。垂直方向に光を共振させることから、利得を生じる発光層を垂直方向に多数配置することで、レーザとしての性能が向上する。実際には、図5の概念図に示すように共振器内では光の定在波が存在し、周期的な光の強度分布が生じる。この強度分布のため、発光層をやみくもに多数配置しても、光強度が存在しない領域(定在波の節)に配置された発光層はレーザ発振に寄与しない。よって、共振器内に存在する光強度のピーク(定在波の腹)位置に発光層を配置して光とキャリアの相互作用を高める必要がある。ゆえに、活性層間に光強度分布に応じた適切な厚さの中間層を設ける必要がある。
図5に示すように発光層を二つ配置する場合を考えると、発光層間の距離は、その中心位置間においてλ/2nだけ離す必要がある。ここで、λは発振波長、nはその波長における屈折率である。例えば、発振波長が400nmである場合、その波長でのGaNの屈折率は2.5であることから、発光層間の距離は80nmになる。発振波長400nmで発光する発光層として、GaInN井戸層の厚さが3nm、GaN障壁層の厚さが6nmであるGaInN/GaN三重量子井戸発光層を用いた場合、発光層厚は21nmである。この場合、発光層の端から端の厚さ、いわゆる中間層の厚さは59nmになる。
本例は、二つの発光層の発光波長が同じ400nmであり、同じ発光層構造である。また、中間層全体にMgといったアクセプタ不純物を添加する必要はない。中間層において発光層と隣接する領域16a、例えば10nm程度はアクセプタ不純物を添加しない領域を設けて、中間層の中間領域16bのみにアクセプタ不純物を添加することでアクセプタ不純物の不必要な拡散を防いでも良い。
アクセプタ不純物を添加した中間層を設けない場合、十分な電子と正孔が供給されずに発光しない発光層が生じる。この場合、発光しない発光層は他の発光層で発光した光を吸収する吸収層となってしまうため、共振器内での大きな光損失になり、発振しきい値電流の増大や外部微分量子効率の低下、すなわちレーザ素子の性能低下の原因となってしまう。本例は、複数の発光層からの発光が実現し、利得を生じる発光層厚を実質的に厚くすることが可能になり、レーザ素子の性能向上が実現する。
(8)実施例:
以下、実施例を示して具体的に本発明を説明するが、本発明は以下の例により限定されるものではない。
図2で示したように、基板41上に、低温堆積緩衝層42、n型GaNコンタクト層43、厚さ2μmのn型GaN半導体層2n、厚さ約40nmの第一発光層11、厚さ40nmの中間層16、厚さ約40nmの第二発光層12、及び、厚さ100nmのp型GaN半導体層2pをMOVPE法にて順次結晶成長させた。n型GaN半導体層2nでは、Siをドナー不純物として1×1018cm-3添加した。p型GaN半導体層2pでは、Mgをアクセプタ不純物としてC0=2×1019cm-3を目標に添加した。発光層11,12は、厚さ3nmのGaInN井戸層の3層と厚さ15nmのGaN障壁層の2層で構成し、各層をMOVPE法にて順次結晶成長させた。第一発光層の各井戸層のIn組成比を約10%にして第一発光層が中心波長410nmで発光するようにした。また、第二発光層の各井戸層のIn組成比を約15%にして第二発光層が中心波長460nmで発光するようにした。中間層は、下記濃度を目標としてMgを添加したGaNで形成した。
Figure 2014045015
各層の結晶成長終了後、p型活性化アニール、エッチング、電極蒸着、等を行って、電流注入によって発光する窒化物半導体発光素子サンプルを形成した。
図6,7は、実施例1及び比較例2の素子サンプルについてSIMS(二次イオン質量分析)による深さ方向のInとMgの濃度プロファイルの分析結果を示している。ここで、横軸はp型GaN半導体層表面からの深さ(単位:nm)、右側の縦軸は強度(単位:カウント)、左側の縦軸は元素濃度(単位:cm-3)を示し、「1E+n」(nは整数)は1×10nを意味する。また、Inの濃度プロファイルを破線で示し、Mgの濃度プロファイルを実線で示している。各発光層には各井戸層に対応した3つのIn濃度ピークがみられ、実施例1の中間層のMg濃度は5×1018cm-3程度、比較例2の中間層のMg濃度は1×1019cm-3程度であった。Mgのメモリー効果により、中間層上に形成される第二発光層には、Mgの供給を実質的に停止しているにも関わらず、不必要なMgが取り込まれていることもわかる。図6より、中間層の厚さが約70nmあれば、不必要なMgの取り込みが大きく低減することがわかった。
図8は、各素子サンプルの発光スペクトルの測定結果を示す図である。実施例1と比較例2のMg添加濃度は実測データであり、実施例2,3と比較例1のMg添加濃度は成長条件により類推したデータである。発光スペクトルとして、光励起によるフォトルミネッセンス(PL)スペクトルと電流注入によるエレクトロルミネッセンス(EL)スペクトルの双方を各素子サンプルについて示した。ここで、横軸は波長(単位:nm)、縦軸は発光強度(相対値)を示し、PLスペクトルを細線で示し、ELスペクトルを太線で示している。光励起では光によって電子と正孔が同じ場所に生成されるため、PLスペクトルは、ELスペクトルにおける電子及び正孔注入の影響がない発光スペクトルになる。五つの素子サンプルは、ほぼ同一のPLスペクトルが得られている。このことは、五つの素子サンプルの第一発光層及び第二発光層自体に大きな違いが無いことを意味する。ピーク波長が微妙に異なっているのは、結晶成長中に発光層の成長温度がずれ、それによりIn組成が若干異なったためと考えられる。また、第一発光層のPL強度が第二発光層のPL強度に比べて弱いのは、第一発光層がn型半導体層側に存在するため、光励起による電子及び正孔生成量が第二発光層に比べて少なかったためと考えられる。
電子及び正孔注入の影響を受けるELスペクトルをみると、比較例1ではp側に存在する第二発光層(中心波長460nm)が強く発光し、n側に存在する第一発光層(中心波長410nm)の発光がみられなかった。これは、中間層のMg濃度が0であるため、素子駆動時には中間層の電子濃度が正孔濃度を大幅に上回り、n側の第一発光層への正孔供給量が少ないためと考えられる。また、比較例2では、n側の第一発光層のみ発光した。これは、中間層のMg濃度が1×1019cm-3と高いため、素子駆動時に中間層の正孔濃度が電子濃度を大幅に上回り、p側の第二活性層への電子供給量が少ないためと考えられる。
一方、実施例1では、第一発光層と第二発光層の双方で明瞭な発光が観測された。実施例2も、第一発光層と第二発光層の双方で明瞭な発光が観測された。実施例3は、第二発光層の発光が弱いものの、第一発光層と第二発光層の双方で発光が観測された。
以上のことから、中間層のMg濃度が1×1017〜7×1018cm-3程度であれば、素子駆動時に中間層で電子と正孔がバランスよく存在し、両隣の発光層に電子と正孔をバランスよく供給できると考えられる。特に、中間層のMg濃度が2×1018〜5×1018cm-3程度であれば、よりバランスよく電子と正孔を両発光層に供給できる。
以上より、発光層同士の間に配置された中間層にアクセプタ不純物を添加した窒化物半導体発光素子は、p型半導体層側の発光層のみならずn型半導体層側の発光層においても電流注入により光を発する新規な発光素子であることが確認された。
(9)具体的に実施するための例:
次に、具体的に実施するための例をさらに示して本発明を説明するが、本発明は以下の例により限定されるものではない。
[上記第二の例を具体的に実施するための例]
第一発光層のGaInN井戸層のIn組成比を約15%として第一発光層が中心波長460nm(青色)で発光するようにし、第二発光層のGaInN井戸層のIn組成比を約30%として中心波長570nm(黄色)で発光するようにし、中間層にZnを1×1019cm-3程度添加したIn組成比2%のGaInNを用いる以外は、実施例1と同じ条件で窒化物半導体発光素子サンプルを形成する。すなわち、各発光層は厚さ3nmのGaInN井戸層の3層と厚さ15nmのGaN障壁層の2層で構成し、GaInN中間層の厚さは40nmである。
本素子サンプルは、白色LEDサンプルであり、電極間に電圧を印加することにより、第二発光層からの黄色光と第一発光層からの青色光とを混色した白色光を発する。
[上記第三の例を具体的に実施するための例]
図2,3に示すように、基板上に、低温堆積緩衝層、n型GaNコンタクト層、厚さ2μmのn型GaN半導体層2n、厚さ約40nmの第一受光層21、厚さ40nmの中間層26、厚さ約40nmの第二受光層22、及び、厚さ100nmのp型GaN半導体層2pをMOVPE法にて順次結晶成長させる。第一受光層にIn組成比約15%のGaInNを用いて中心波長460nm(青色)のPLスペクトルを持たせ、第二受光層にIn組成比約30%のGaInNを用いて中心波長570nm(黄色)のPLスペクトルを持たせる以外は、実施例1と同様にして窒化物半導体受光素子サンプルを形成する。
本素子サンプルは、入射する黄色光を第二受光層で電流に変換して外部へ出力可能であるとともに、入射する青色光を第一受光層で電流に変換して外部へ出力可能である。
[上記第四の例を具体的に実施するための例]
図2,4に示すように、基板上に、低温堆積緩衝層、n型GaNコンタクト層、厚さ2μmのn型GaN半導体層2n、厚さ約20nmの発光層11、厚さ70nmの中間層16、厚さ約20nmの発光層12、厚さ70nmの中間層17、厚さ約20nmの発光層13、及び、厚さ100nmのp型GaN半導体層2pをMOVPE法にて順次結晶成長させる。発光層11,12,13は、厚さ3nmのGaInN井戸層の2層と厚さ15nmのGaN障壁層の1層で構成し、各層をMOVPE法にて順次結晶成長させる。発光層11の各井戸層のIn組成比を約15%にして発光層11が中心波長460nm(青色)で発光するようにする。発光層12の各井戸層のIn組成比を約20%にして発光層12が中心波長520nm(緑色)で発光するようにする。発光層13の各井戸層のIn組成比を約35%にして発光層13が中心波長600nm(赤色)で発光するようにする。中間層16は、MgをC1=1×1018cm-3を目標に添加したGaNで形成する。中間層17は、MgをC2=7×1018cm-3を目標に添加したGaNで形成する。他は、実施例1と同じ条件で窒化物半導体発光素子サンプルを形成する。
本素子サンプルは、白色LEDサンプルであり、電極間に電圧を印加することにより、発光層13からの赤色光と発光層12からの緑色光と発光層11からの青色光とを混色した演色性の高い白色光を発する。
[上記第五の例を具体的に実施するための例]
図2,5に示すように、基板上に、低温堆積緩衝層、n型GaNコンタクト層、厚さ2μmのn型GaN半導体層、厚さ21nmの第一発光層、厚さ59nmの中間層、厚さ21nmの第二発光層、及び、厚さ100nmのp型GaN半導体層をMOVPE法にて順次結晶成長させる。各発光層は、厚さ3nmのGaInN井戸層の3層と厚さ6nmのGaN障壁層の2層で構成し、各層をMOVPE法にて順次結晶成長させる。各発光層の各井戸層のIn組成比を約9%にして発光層が中心波長400nmで発光するようにする。中間層は、MgをC1=5×1018cm-3を目標に添加したGaNで形成する。他は、実施例1と同様にして窒化物半導体発光素子サンプルを形成する。
本素子サンプルは、面発光レーザサンプルであり、電極間に電圧を印加することにより、複数の発光層からの発光が実現し、利得を生じる発光層厚を実質的に厚くすることが可能になる。
(10)結び:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、n型半導体層がp型半導体層よりも基板側に配置される以外にも、p型半導体層がn型半導体層よりも基板側に配置されてもよい。従って、例えば、p型半導体層上に第一活性層を形成してもよい。
n型半導体層とp型半導体層との間に配置される活性層は、4層以上でもよい。従って、活性層同士の間に配置される中間層は、3層以上でもよい。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、p型半導体層側の発光層のみならずn型半導体層側の活性層においても電流注入による発光、又は、受光が行われる新規な窒化物半導体素子、その製造方法、等の技術を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1A…窒化物半導体発光素子(窒化物半導体素子)、
1B…窒化物半導体受光素子(窒化物半導体素子)、
2n…n型半導体層、2p…p型半導体層、
3n…n−電極、3p…p−電極、
11,12,13…発光層(活性層)、14…井戸層、15…障壁層、
16,17…中間層、
21,22…受光層(活性層)、26…中間層、
41…基板、42…低温堆積緩衝層、
43…アンドープ半導体層、44…p型コンタクト層、
S1…量子井戸構造。

Claims (13)

  1. n型半導体層及びp型半導体層を備えた窒化物半導体素子において、
    窒化物半導体により形成された発光又は受光のための活性層が前記n型半導体層と前記p型半導体層との間に複数配置され、
    アクセプタ不純物を添加した窒化物半導体により形成された中間層が前記活性層同士の間に配置され、
    前記複数の活性層が電流と光とを変換するようにされた、窒化物半導体素子。
  2. 前記活性層が量子井戸構造又は量子ドット構造を有する窒化物半導体により形成されている、請求項1に記載の窒化物半導体素子。
  3. 前記複数の活性層に含まれる第一活性層及び第二活性層の波長に対する発光又は受光の強度スペクトルが互いに異なっている、請求項1又は請求項2に記載の窒化物半導体素子。
  4. 前記第一活性層及び前記第二活性層の発光又は受光のピーク波長が互いに異なり、
    前記第一活性層と前記第二活性層の一方の前記ピーク波長が400〜500nmであり、他方の前記ピーク波長が500〜700nmである、請求項3に記載の窒化物半導体素子。
  5. 前記中間層のアクセプタ不純物は、マグネシウム、亜鉛、ベリリウム、カルシウム、ストロンチウム、及び、バリウムの中から選ばれる一種以上の不純物である、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の窒化物半導体素子。
  6. 前記p型半導体層にアクセプタ不純物が添加され、
    前記中間層のアクセプタ不純物の添加濃度が前記p型半導体層のアクセプタ不純物の添加濃度よりも小さい、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の窒化物半導体素子。
  7. 前記中間層のアクセプタ不純物の添加濃度が7×1018cm-3以下である、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の窒化物半導体素子。
  8. 前記中間層の厚さが前記活性層の厚さ以上である、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の窒化物半導体素子。
  9. 前記中間層の厚さが40nm以上である、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の窒化物半導体素子。
  10. 前記中間層の厚さが70nm以上である、請求項9に記載の窒化物半導体素子。
  11. n型半導体層及びp型半導体層を備えた窒化物半導体発光素子において、
    窒化物半導体により形成された発光層が前記n型半導体層と前記p型半導体層との間に複数配置され、
    アクセプタ不純物を添加した窒化物半導体により形成された中間層が前記発光層同士の間に配置され、
    前記複数の発光層が発光するようにされた、窒化物半導体発光素子。
  12. n型半導体層及びp型半導体層を備えた窒化物半導体受光素子において、
    窒化物半導体により形成された受光層が前記n型半導体層と前記p型半導体層との間に複数配置され、
    アクセプタ不純物を添加した窒化物半導体により形成された中間層が前記受光層同士の間に配置され、
    前記複数の受光層が光電変換を行うようにされた、窒化物半導体受光素子。
  13. n型半導体層及びp型半導体層を形成する工程を備えた窒化物半導体素子の製造方法において、
    窒化物半導体である発光又は受光のための複数の活性層に含まれる第一活性層を前記n型半導体層と前記p型半導体層との間となる部分に形成する工程と、
    アクセプタ不純物を前記複数の活性層が電流と光とを変換する濃度で添加した窒化物半導体である中間層を前記第一活性層上に形成する工程と、
    前記複数の活性層に含まれる第二活性層を前記中間層上に形成する工程とを備えた、窒化物半導体素子の製造方法。
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