JP2014044160A - 測位装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】TDOA相関演算部2a,2bで各受信センサペアの受信信号間でTDOA相関演算を行い、ピーク検出部3a,3bで相関ピークを検出する。TDOA内積行列計算部4は、複数のTDOAが得られ、その数が受信センサペア毎に異なる場合、TDOA内積行列を計算する。信号数推定部5は、TDOA内積行列の計算結果に基づいて各受信センサペアで受信されている信号数を推定する。TDOAペアリング部6は、信号数推定部5で推定された信号数に基づいて、各受信センサペアで得られたTDOAを、同一電波源からのもの同士でペアリングする。
【選択図】図4
Description
(1)両受信センサペアで共通して受信されている信号数が不明である。
(2)両受信センサペアで共通して受信されている信号のTDOAが不明であり、また、受信センサペア間でのTDOAのペアリングも不明である。
図4は、この発明の実施の形態1による測位装置を示す構成図である。
図4に示す測位装置は、受信センサRx1〜Rx3、受信部1a〜1c、TDOA相関演算部2a,2b、ピーク検出部3a,3b、TDOA内積行列計算部4、信号数推定部5、TDOAペアリング部6、TDOA測位演算部7a,7bを備えている。受信センサRx1〜Rx3は、3箇所に配置され、電波源からの電波を受信するためのセンサである。受信部1a〜1cは、それぞれ受信センサRx1〜Rx3からの受信信号を入力し、図示しないA/D変換部によりアナログ/デジタル変換を行う演算部である。ピーク検出部3a,3bは、TDOA相関演算部2a,2bから出力された相関ピークを検出する処理部である。TDOA内積行列計算部4は、ピーク検出部3a,3bで検出された相関ピーク値に基づいてTDOA内積行列を求めるための計算部である。信号数推定部5は、TDOA内積行列計算部4の内積行列の結果に基づいて、信号数を推定する処理部である。また、これらTDOA内積行列計算部4と信号数推定部5とで信号数推定手段が構成されている。
まず、3箇所に配置した受信センサRx1,Rx2,Rx3により得られた受信信号x1,x2,x3は、受信部1a〜1cにおいて、A/Dコンバータにより離散化された離散信号、すなわち、xi=xi(tk) k=0,…,K−1,i=1,2,3に変換する。ここで、tkは第kサンプル時刻、Kはサンプル総数である。次にTDOA相関演算部2a,2bにおいて、受信信号x1及びx2のペア、及び、受信信号x2とx3のペアで、式(1)及び式(2)で示したTDOA相関演算により、以下のTDOAが得られたとする。
ここでは、受信信号x1及びx3のペアでは2つのTDOA,受信信号x2とx3のペアでは3つのTDOAが得られた例を示している。また、図4においても、ピーク検出部3aからは2つ、ピーク検出部3bからは3つのピークが検出された場合を矢印の本数で示している。
ここで、DFTは離散フーリエ変換、IDFTは逆離散フーリエ変換である。また、fmは、周波数領域での第m周波数ビンの周波数である。
例えば、CCFx1,x3(τ)で2本の相関ピーク、CCFx2,x3(τ)で3本の相関ピーク得られた場合、TDOA内積行列Sは以下の2行3列の行列となる。ここで、a,bは、ある大きい値を示しており、大きい内積値が得られたことを意味している。その他の0は、小さい内積値が得られたことを意味している。実際には0ではなく、何らかの小さな値であるが、ここでは、表記を簡単にするため、0としている。式(11)は、明らかに、大きい固有値の数が2であり、これを信号数推定とする。このように、ST HSTの固有値を計算し、それがある閾値以上となる数をカウントすることで、信号数が推定できる。
図5に電波源と受信センサ配置例、図6に相関演算結果例、図7にST HSTの固有値を小さい順に並べた図を示す。
図5に示すように、本例では、Rx1,Rx2及びRx3の3つの受信センサと、2波の電波源Tx1及びTx2が存在しているとする。よって、理想的には、CCFx1,x3(τ),CCFx2,x3(τ)の両受信センサペアの相関演算で、2本ずつ相関ピークが立つはずである。しかしながら、図6に示すように、CCFx1,x3(τ)では相関ピークが3本得られており、CCFx2,x3(τ)では相関ピークが4本得られている。
このような状況で、本実施の形態の測位装置は、先ず、両受信センサペアで共有に得られている信号数を推定する。図7では、信号数を推定するために、ST HSTの固有値を計算し、昇順に並べた状態を示している。図7に示すように、大きな固有値が2個得られているため、2波と判定できる。
上記の解が、両受信センサペア間でのTDOAペアリング結果となる。
この場合、下線を引いた2つの要素の組み合わせで、式(13)が最大であるので、TDOA13(1)とTDOA23(4)がペアであり(検出ピークが、25.144040[μsec],65.037503[μsec]),また、TDOA13(2)とTDOA23(1)がペアであり(検出ピークが、−64.096761[μsec],−45.387498[μsec])、という結果が得られた。これは、図6に示す正解と同じ値であり、正しくペアリングができていることがわかる。
実施の形態1では、TDOA内積行列計算部4において、TDOA内積行列STは、信号x1及びx2をそれぞれτ1,τ2及びτa,τb,τcだけ時間シフトさせて後、内積を計算することにより求めていた。これに対して、実施の形態2では、TDOA内積行列STを求める方法として、x1とx2の相関演算CCFx1,x2(τ)を実施し、τ1−τa,τ1−τb,τ1−τc,τ2−τa,τ2−τb,τ2−τcにおけるCCFx1,x2(τ)の値を用いる、すなわち、各TDOAの組み合わせの差の値におけるTDOA相関値をCCFx1,x2(τ)の計算結果から読むことにより、TDOA内積行列STの各要素を求めることができる。
図8は、実施の形態2の概念図である。例えば、式(7)は次式(15)により得られる。
式(15)を用いることにより、実施の形態1と同様に、信号数推定及びペアリングを行うことができる。
実施の形態1,2では受信センサ数が3つの場合を説明したが、受信センサ数が4つ以上存在する場合でも適用可能である。図9に本実施の形態の概念図、図10に本実施の形態の測位装置の構成図を示す。
実施の形態4は、受信センサ数が4つ以上存在する場合でも適用可能な例を示している。図11に本実施の形態の概念図、図12に本実施の形態の測位装置の構成図を示す。
上記実施の形態1〜4ではTDOA測位について説明したが、本発明はドップラー周波数差(FDOA:Frequency Difference Of Arrival)測位にも適用可能であり、これを実施の形態5として説明する。
ここで、fは周波数である。この場合、TDOA内積行列STの代わりに、FDOA内積行列SFを計算する必要がある。TDOAでは時間シフトさせた信号を用いていたのに対し、FDOAでは、周波数シフトさせた信号を用いる。信号x(tk)を、周信号数軸上で任意の周信号数fだけシフトさせた信号は、次式で計算できる。
例えば、CCFx1,x3(f)でf1,f2、CCFx2,x3(f)でfa,fb,fcが得られたとすると、式(7)のTDOA内積行列Sは、FDOA内積行列となり、次式となる。
上記式(19)を用いれば、TDOAの場合と同様に、信号数推定、及び、FDOAのペアリングが可能である。
ここで、λは電波源の信号の波長、vTGTは電波源の移動速度ベクトルであり、既知とする。この場合も、連立方程式の数は2、未知変数xTGTの数も2である。よって、未知変数xTGTについて解くことができる。上記方程式は、勾配法など、公知の手法で解くことができるので、詳細は割愛する。
なお、実施の形態1〜4で説明した考え方は、TDOAをFDOAに入れ替えれば、そのままFDOAにも踏襲できる。考え方は明らかであるので、その詳細は省略する。
本発明は、実施の形態1〜4で説明したTDOA測位のみ、あるいは、実施の形態5で説明したFDOA測位のみだけでなく、TDOA及びFDOAの両方を用いた測位にも適用可能であり、これを実施の形態5として次に説明する。
この場合、TDOAとFDOAの2次元相関により、TDOA及びFDOAを計算し、受信信号を時間方向及び周波数方向の両方にシフトさせてT/FDOA内積行列STFを計算すればよい。例えば、CCFx1,x3(τ,f)で(τ1,f1),(τ2,f2)が得られ、CCFx2,x3(τ,f)で(τa,fa),(τb,fb),(τc,fc)が得られた場合、以下の2×3行列をT/FDOA内積行列は次式となる。
なお、実施の形態1〜4で説明した考え方は、TDOAをT/FDOAに入れ替えれば、そのままT/FDOAにも踏襲できる。考え方は明らかであるので、その詳細は省略する。
Claims (10)
- 3つ以上の受信センサによって受信された電波の到来時間差(TDOA:Time Difference of Arrival)を用いて電波源を測位する測位装置において、
前記受信センサ間の電波の到来時間差を計測するために、各受信センサペアの受信信号間でTDOA相関演算を行った場合に、複数のTDOAが得られ、かつ、その数が、受信センサペア毎に異なる場合、各受信センサペアで受信されている信号数を推定する信号数推定手段と、
前記信号数推定手段で推定された信号数に基づいて、各受信センサペアで得られたTDOAを、同一電波源からのもの同士でペアリングを行うペアリング手段とを備えたことを特徴とする測位装置。 - 信号数推定手段は、TDOA内積行列を計算し、その行列、または、対称化された行列の固有値を計算し、予め定めた閾値より大きい固有値の数を計算し、その数を信号数の推定値とすることを特徴とする請求項1記載の測位装置。
- ペアリング手段は、TDOA内積行列を用いて、同一のTDOAが異なる複数のTDOAに重複してペアリングされることなく、かつ、TDOA内積行列の要素の大きさの和が大きくなるように各相関演算で得られたTDOAのペアを求め、これを、同一の電波源から得られたTDOAのペアとすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の測位装置。
- 信号数推定手段は、受信センサが3機である場合、TDOA内積行列を計算するために、二つの受信センサペアとは異なる第3の受信センサペア間のTDOA相関演算を行っておき、前記二つの受信センサペアで得られた複数のTDOA間の差の値における前記第3の受信センサペアのTDOA相関値を読み取り、その値をTDOA内積行列の各要素として用いることを特徴とする請求項2記載の測位装置。
- 信号数推定手段及びペアリング手段は、受信センサが4機以上の場合、第1の受信センサと第2の受信センサ、第2の受信センサと第3の受信センサで信号数推定及びペアリングを行い、次に、第2の受信センサと第3の受信センサ、第3の受信センサと第4の受信センサで同様に信号数推定及びペアリングを行い、これを最後の受信センサまで順次行うことにより、全受信センサで共通して受信されている信号数推定と、受信センサペア毎に得られる複数のTDOAを、同一の電波源のTDOAとしてペアリングを行うことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の測位装置。
- 信号数推定手段及びペアリング手段は、受信センサが4機以上の場合、特定の受信センサを基準受信センサとして、第1の受信センサと前記基準受信センサ、第2の受信センサと前記基準受信センサで信号数推定及びペアリングを行い、次に、第2の受信センサと前記基準受信センサ、第3の受信センサと前記基準センサで信号数推定及びペアリングを行い、これを前記基準センサ以外のすべての受信センサまで行うことにより、全受信センサで共通して受信されている信号数推定と、受信センサペア毎に得られる複数のTDOAを、同一の電波源のTDOAとしてペアリングを行うことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の測位装置。
- 3つ以上の受信センサによって受信された電波のドップラー周波数差(FDOA:Frequency Difference Of Arrival)を用いて電波源を測位する測位装置において、
前記受信センサ間の電波の到来時間差を計測するために、各受信センサペアの受信信号間でFDOA相関演算を行った場合に、複数のFDOAが得られ、かつ、その数が、受信センサペア毎に異なる場合、各受信センサペアで受信されている信号数を推定する信号数推定手段と、
前記信号数推定手段で推定された信号数に基づいて、各受信センサペアで得られたFDOAを、同一電波源からのもの同士でペアリングを行うペアリング手段とを備えたことを特徴とする測位装置。 - TDOAに代えてFDOAとしたことを特徴とする請求項2から請求項6のうちのいずれか1項記載の測位装置。
- 3つ以上の受信センサによって受信された電波の到来時間差(TDOA:Time Difference of Arrival)と、ドップラー周波数差(FDOA:Frequency Difference Of Arrival)とを用いて電波源を測位する測位装置において、
前記受信センサ間の電波の到来時間差を計測するために、各受信センサペアの受信信号間でTDOA及びFDOA相関演算を行った場合に、複数のTDOA及びFDOAが得られ、かつ、その数が、受信センサペア毎に異なる場合、各受信センサペアで受信されている信号数を推定する信号数推定手段と、
前記信号数推定手段で推定された信号数に基づいて、各受信センサペアで得られたTDOA及びFDOAを、同一電波源からのもの同士でペアリングを行うペアリング手段とを備えたことを特徴とする測位装置。 - TDOAに代えてTDOA及びFDOAとしたことを特徴とする請求項2から請求項6のうちのいずれか1項記載の測位装置。
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