JP2014043614A - Ni又はNi合金スパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱間鍛造したNi又はNi合金を、加工率を多段階に変化させて冷間圧延を繰り返し、所定厚さの板体を形成した後、該板体に熱処理を施し、所定形状に加工して、ターゲットが作製される。そのターゲットは、漏れ磁束の面内バラツキが、12%以下である。
【選択図】図1
Description
(1)本発明による薄膜形成用Ni又はNi合金スパッタリングターゲットは、Ni又はNi合金の結晶粒からなる組織を有する板体であって、前記板体における漏れ磁束の面内バラツキが、12%以下であることを特徴とする。
(2)本発明による薄膜形成用Ni又はNi合金スパッタリングターゲットの製造方法では、熱間鍛造したNi又はNi合金に、最初に加工率8%以上の冷間圧延を実施し、さらに加工率を多段階に変化させて冷間圧延を繰り返し、所定厚さの板体を形成した後、該板体に熱処理を施し、機械加工したことを特徴とする。
なお、本発明の薄膜形成用Ni又はNi合金スパッタリングターゲットにおいて、前記板体における硬度の面内バラツキは、10%以下であることが好ましい。この理由は、素材の板体全体における硬度の面内バラツキが10%を超えると、漏れ磁束のバラツキも大きくなって、漏れ磁場を均一に生成することができなくなるためである。
これとは逆に、最初の加工圧力を小さくしてしまうと、素材の板体の表面側と裏面側のみが加工されてしまうため、その表面が加工硬化されてしまう。その後に加工を施しても、中心部まで加工されない可能性があり、素材の板体における硬度の面内バラツキを10%以下とするためにも、最初(1段目)の加工率を最も大きくする必要がある。
冷間圧延前の板材の厚さは、8〜15mmであることが好ましい。8mm未満の板材に上述の冷間圧延を施すとスパッタリングターゲットとしては厚さが薄くなりすぎる。また、15mmを超えると冷間圧延後の厚さが厚すぎてスパッタができなくなるおそれがある。
先ず、高純度のNi塊、又は、Fe、Vなどを含むNi合金塊を用意し、真空溶解し、鋳造し、鋳造したインゴットを1180℃で熱処理の後に、これを熱間鍛造して、1180℃で熱処理後、今度は、熱間圧延により、150mm厚さから、11mm厚さまで圧延する。この圧延の途中において、3回、1180℃で中間焼鈍が行われる。この熱間圧延されたNi又はNi合金の板体を、Ni又はNi合金スパッタリングターゲットを作製するための原材料の板体とした。ここで、得られた原材料の板体から、140mm×330mmの矩形と、230mm×230mmの正方形との2種類の加工形状を有する複数の加工素材を切り出した。切り出されたいずれの加工素材も、厚さは、11mmである。
表1に示されるように、素材形状に応じて、加工条件A〜Dの加工率プロファイルを設定した。素材形状が140mm×330mmの矩形である加工素材に対しては、矩形の短辺方向に冷間圧延を行うこととし、素材形状が230mm×230mmの正方形である加工素材に対しては、正方形の直交する2辺に沿って交互に冷間圧延を行うこととした。そして、加工条件A〜Dの加工率プロファイルのいずれにおいても、最初(1段目)の圧延における加工率が最も大きく設定され、これ以降には、それより小さい複数段の加工率が設定されている。加工率プロファイルにおける圧延段数は、表1から分かるように、加工条件A〜Dの間で異なっている。なお、冷間圧延は、常温で行われる。
実施例との比較のため、比較例1〜5の加工素材を用意した。これらの加工素材は、140mm×330mmの矩形の加工形状を有している。比較例1〜5の加工素材は、実施例1〜5の加工材料の場合と同様にして、熱間圧延されたNiの板体を、Niスパッタリングターゲットを作製するための原材料とし、この原材料の板体から、140mm×330mmの矩形の加工形状を有する加工素材を切り出した。
この比較例1〜5の加工素材からNiスパッタリングターゲットを製造するために、表1に示されるように、加工条件EとZを用意した。加工条件Eは、常温で実施される冷間圧延とし、加工率の異なる多段回の冷間圧延の工程b1と、熱処理の工程cとが用意された。また、加工条件Zでは、850℃の温度で熱間圧延が実施される場合であり、順次、熱処理の工程a、加工率の異なる多段回の熱間圧延の工程b2、熱処理の工程c、矯正の工程dが用意された。この工程aにおいて、800℃の温度で、1時間の熱処理が施された後に、工程b1では、加工条件Eで設定された冷間圧延が行われ、工程b2では、加工条件Zで設定された熱間圧延が行われる。次に、圧延が完了した後に所定形状に加工したターゲット板体を、工程cで、450℃の温度で、1.5時間の熱処理を施した。そして、工程dにおいて、熱処理されたターゲット板体の反りを測定したところ、加工条件Eによる比較例1の板体には、反りはほぼ無しと判定できたが、加工条件Zによる板体は、いずれも、その反りが1mmを超えていたので、「反り大」と判定した。そこで、矯正を施し、スパッタリングに支障が無い状態にした。以上で、比較例1〜5のNiスパッタリングターゲットが得られ、その様子が、表2に示されている。
平均結晶粒径の測定では、先ず、光学顕微鏡にて撮影して写真上において、図4に示されるように、任意の場所に、60mm×60mmの範囲に、20mm間隔の格子を設定する。その格子中におけるA、B、C、Dのライン上にある結晶粒の個数を測定し、測定したA、B、C、Dの個数から平均値を算出する。そして、以下に示す計算式により、推定の平均結晶粒径を算出する。
平均結晶粒径d=3/2×60×1000/(写真の実倍率×結晶粒の個数の平均値)
磁束測定用の装置には、非磁性体の材質(例えば、アルミニウム)からなり、スパッタリングターゲットを載せるテーブルと、その下側には、スパッタリングターゲットの表面に磁束を発生させるための磁石(馬蹄形磁石:Dexter社製アルニコ磁石5K215)とが配置されている。そして、テーブルに載置されたスパッタリングターゲットの上側に、相対的な測定位置を調整できるホールプローブを置き、このホールプローブに、ガウスメーターが接続されている。
この様な測定用装置を用いて、図2に示されるように、スパッタリングターゲットの上側表面における17点(図中では、黒点で表示され、中心点と、中心から放射状に延びる45度間隔の線上の各々にある2点との合計)について、磁束量(KG)を測定した。その17点における磁束量に基づいて、平均値を算出し、以下に示す式により、漏れ磁束のバラツキ(%)を求めた。
漏れ磁束のバラツキ(%)=(平均値から最も離れた測定値−平均値)/平均値×100
スパッタリングターゲットについて、図5に示されるように、ターゲット表面における5点(黒点:P1〜P5)について、ビッカース硬度を測定した。ビッカース硬度の測定には、ビッカース硬度計(MVK−G13)を用いて、SPEEDダイヤル:3、荷重100gにて、5回測定し、その測定値の平均値を測定結果とした。
Claims (2)
- Ni又はNi合金の結晶粒からなる組織を有する板体であって、
前記板体における漏れ磁束の面内バラツキが、12%以下であることを特徴とする薄膜形成用Ni又はNi合金スパッタリングターゲット。 - 熱間鍛造したNi又はNi合金に、最初に加工率8%以上の冷間圧延を実施し、さらに加工率を多段階に変化させて冷間圧延を繰り返し、所定厚さの板体を形成した後、該板体に熱処理を施し、機械加工したことを特徴とする薄膜形成用Ni又はNi合金スパッタリングターゲットの製造方法。
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