JP2014043325A - 記録媒体搬送部材及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】未乾燥インクによる搬送ローラー対の汚染や画像面の汚れの発生を防止可能である簡易な構成の記録媒体搬送部材及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】従動側ローラー60bには、ローラー外周面に積層される接着層65と、接着層65に固着される多数の粒子63とで構成される凹凸層61が形成されている。凹凸層61は、粒子63の平均粒子径をR、粒子63によって形成される凹凸の平均突出量をRtaveとするとき、0.5>Rtave/R>0.2を満たす。
【選択図】図2

Description

本発明は、ファクシミリ、複写機、プリンター等の画像形成装置において、画像が形成された記録媒体を挟持して搬送する記録媒体搬送部材に関するものである。
ファクシミリ、複写機、プリンター等の画像形成装置は、紙、布、OHP用シート等のシート(記録媒体)に画像を形成するように構成されているが、画像が形成されたシートは一対の排出ローラー対で挟持され、所定の排出トレイ上に排出される構成が一般的である。
このような画像形成装置では、多数枚のシートに連続して画像を形成する場合、シート上に付着したインクが完全に乾燥する前に排出ローラー対によって挟持されると、シート上のインクが排出ローラー対の外周面に付着することがある。そして、次に搬送されてきたシートが排出ローラー対に挟持されたとき、排出ローラー対の外周面に付着したインクがシート上に再転写され、画像面の汚れ(オフセット)が発生するという問題があった。
上記の不具合は、シートの搬送に合わせて印字位置に対応した吐出ノズルからインクを吐出することにより画像の記録を行うインクジェット記録装置において、乾燥に時間を要する水系インクを使用した場合に発生し易い。また、顔料インクと染料インクではシートへの浸透性の傾向が異なり、比較的シート上に色材が残存し易い顔料インクを用いた場合にインクの再転写を引き起こしやすい。
上記のような不具合を解消するために、例えば特許文献1には、画像が記録された記録シートを画像形成装置の下流側にある排出部に排出する記録シート排出ローラーにおいて、記録シートを挟持する駆動側ローラーと従動側ローラーを対で備え、それらのうち従動ローラーの外周面には記録シートに対して多数箇所で点接触又は面接触する小面積接触外周層が形成されている記録シート排出ローラー装置が開示されている。また、耐磨耗粒子を50〜120μm、ローラー外周面に対する粒子分布密度を20%〜80%とすることも記載されている。
特開2008−302513号公報
特許文献1の構成によれば、従動側ローラーの外周面に小面積接触外周層を形成することでシートに対する従動側ローラーの接触面積が小さくなり、従動側ローラーの外周面にインク等が付着し難くなる。しかしながら、耐磨耗粒子の粒子径、及びローラー外周面に対する粒子分布密度を特許文献1に記載された範囲としても、十分な点接触効果が期待できず、ローラー外周面へのインクの付着及び後続の用紙への再転写を完全に防止できないおそれがあった。
なお、ここでは排出トレイ上にシートを排出する排出ローラー対を例に挙げて問題点を説明したが、画像を形成する画像形成部の下流側に配置され、記録媒体を挟持して搬送する搬送ローラー対等の記録媒体搬送部材であれば同様の問題が発生する。
本発明は、上記問題点に鑑み、未乾燥インクによる搬送ローラー対の汚染や画像面の汚れの発生を防止可能である簡易な構成の記録媒体搬送部材及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、記録媒体の画像形成面側に接触するローラーと、該ローラーに圧接されてニップ部を形成するニップ形成部材とで構成され、画像が形成された記録媒体を前記ニップ部に挟持した状態で前記ローラー及び前記ニップ形成部材が回転することにより記録媒体を搬送する記録媒体搬送部材において、前記ローラーには、前記ローラーの外周面に積層される接着層と、該接着層に固着される多数の粒子とで構成される凹凸層が形成されており、前記粒子の平均粒子径Rが30μm以上150μm以下であり、且つ、前記粒子によって形成される凹凸の平均突出量をRtaveとするとき、以下の式(1)を満たすことを特徴としている。
0.5>Rtave/R>0.2 ・・・(1)
また本発明は、上記構成の記録媒体搬送部材において、前記粒子によって形成される凹凸の平均間隔をSmとするとき、以下の式(2)を満たすことを特徴としている。
Rtave/Sm>0.15 ・・・(2)
また本発明は、記録媒体の画像形成面側に接触するローラーと、該ローラーに圧接されてニップ部を形成するニップ形成部材とで構成され、画像が形成された記録媒体を前記ニップ部に挟持した状態で前記ローラー及び前記ニップ形成部材が回転することにより記録媒体を搬送する記録媒体搬送部材において、前記ローラーには、前記ローラーの外周面に積層される接着層と、該接着層に固着される多数の粒子とで構成される凹凸層が形成されており、前記粒子の平均粒子径Rが30μm以上150μm以下であり、且つ、前記粒子によって形成される凹凸の平均突出量をRtave、前記粒子によって形成される凹凸の平均間隔をSmとするとき、以下の式(2)を満たすことを特徴としている。
Rtave/Sm>0.15 ・・・(2)
なお、本明細書中における「平均間隔Sm」とは、凹凸の断面形状をピーク側と谷側とで等しい領域(面積)を占めるように分割する直線を平均ラインとし、一定間隔中で凹凸のプロファイル(稜線)が平均ラインを上から下(若しくは下から上)へ横切るときの交点の間隔の平均値をいう。
また本発明は、記録媒体上に液体状のインクを吐出して画像を形成する画像形成部と、該画像形成部において画像が形成された記録媒体を搬送する上記構成の記録媒体搬送部材と、を備えた画像形成装置である。
本発明の第1の構成によれば、記録媒体搬送部材を構成するローラーの外周面に凹凸層が形成され、凹凸層を構成する粒子の平均粒子径Rが30μm以上150μm以下であり、且つ、凹凸の平均高さをRtaveとするとき、式(1)を満たすことにより、記録媒体に対する凹凸層の点接触状態を維持してローラーへのインク付着を効果的に防止するとともに、凹凸層からの粒子の脱落も防止することができる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の記録媒体搬送部材において、粒子によって形成される凹凸の平均間隔をSmとするとき、式(2)を満たすことにより、凹凸間の平坦部分への記録媒体の接触が抑制され、ローラー外周面と記録媒体との接触面積が増加しないため、ローラー外周面へのインク付着を一層効果的に防止することができる。
また、本発明の第3の構成によれば、記録媒体搬送部材を構成するローラーの外周面に凹凸層が形成され、凹凸層を構成する粒子の平均粒子径Rが30μm以上150μm以下であり、且つ、凹凸の平均高さをRtave、粒子によって形成される凹凸の平均間隔をSmとするとき、式(2)を満たすことにより、凹凸間の平坦部分への記録媒体の接触が抑制され、ローラー外周面と記録媒体との接触面積が増加しないため、ローラー外周面へのインク付着を防止することができる。
また、本発明の第4の構成によれば、記録媒体上に液体状のインクを吐出して画像を形成する画像形成部と、該画像形成部において画像が形成された記録媒体を搬送する上記第1乃至第3のいずれかの構成の記録媒体搬送部材と、を備えることにより、記録媒体の搬送速度を必要以上に低下させることなく、画像形成部の下流側に配置された記録媒体搬送部材を構成するローラーの外周面への未乾燥インクの付着、及び後続する記録媒体へのインクの再転写による画像面の汚れを確実に防止できる画像形成装置となる。
本発明の画像形成装置の一例である、インクジェット式プリンター100の内部構成を示す側面断面図 図1における、排出ローラー対60周辺の部分拡大図 従動側ローラー60bに形成された凹凸層61の凹凸の断面形状を示す模式図 粒子63の平均粒子径Rと凹凸の平均高さRtaveとの関係を示す模式図 粒子63の平均粒子径Rと凹凸の平均間隔Smとの関係を示す模式図 Rtave/R及びRtave/Smの2つのパラメーターの組み合わせで決定される凹凸の形状を示す模式図 Rtave/R、Rtave/Smと従動側ローラー60bへのインク転写性との関係を示すグラフ 表面粗さ測定器による凹凸層61の表面形状解析結果の一例を示す図
以下、図面を参照しながら本発明に係る記録媒体搬送部材について説明する。図1は、本発明の記録媒体搬送部材を備えた画像形成装置の一例であるインクジェット式プリンター100の内部構成を示す側面断面図である。
図1に示すように、プリンター100は、プリンター本体2の内部下方に用紙収容部である給紙カセット3が配置されている。給紙カセット3の内部には、記録媒体の一例である印字前のカットペーパーなどの用紙Pが所定枚数(例えば500枚程度)積載して収容されている。給紙カセット3の用紙搬送方向下流側、すなわち図1における給紙カセット3の右側の上方には給紙装置4が配置されている。この給紙装置4により、用紙Pは図1において給紙カセット3の右上方に向け、1枚ずつ分離されて送り出される。給紙カセット3はプリンター本体2の正面側から水平に引き出して用紙Pを補充することが可能である。
プリンター本体2の右側面外部には手差し給紙トレイ5が備えられている。手差し給紙トレイ5には給紙カセット3内の用紙Pとは異なるサイズの用紙や、厚紙、OHPシート、封筒、ハガキ、送り状のように屈曲した搬送経路を通過するのが困難な記録媒体、1枚ずつ手で送り込みたい記録媒体などが載置される。手差し給紙トレイ5の用紙搬送方向下流側、すなわち図1における手差し給紙トレイ5の左側には給紙装置6が配置されている。この給紙装置6により、手差し給紙トレイ5上の用紙は図1において左方に向け、1枚ずつ分離されて送り出される。
また、プリンター100はその内部に第1用紙搬送路7を備えている。第1用紙搬送路7は、給紙カセット3に関して言えばその給紙方向である右上方に位置し、手差し給紙トレイ5に関して言えばその左方に位置する。給紙カセット3から送り出された用紙Pは第1用紙搬送路7によりプリンター本体2の側面に沿って垂直上方に、手差し給紙トレイ5から送り出された用紙は略水平左方に向けて搬送される。
用紙搬送方向に対し第1用紙搬送路7の下流端にはレジストローラー対8が備えられている。さらにレジストローラー対8の下流側直近には第1ベルト搬送部20及び記録部30が配置されている。記録部30には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の画像を形成する4つの記録ヘッド(ラインヘッド)が配置されている。給紙カセット3(または手差し給紙トレイ5)から送り出された用紙Pは第1用紙搬送路7を通ってレジストローラー対8に到達する。レジストローラー対8は用紙Pの斜め送りを矯正しつつ記録部30が実行するインク吐出動作とのタイミングを計り、第1ベルト搬送部20に向かって用紙Pを送り出す。なお、第1用紙搬送路7には用紙Pを搬送するための搬送ローラー対13aが適所に設けられている。
また、記録部30は、記録ヘッドの乾燥や目詰まりによるインクの吐出不良を防止するために、長期間停止後の印字開始時は全ての記録ヘッドのインク吐出ノズルから、また印字動作の合間にはインク吐出量が規定値以下のインク吐出ノズルから、ノズル内の粘度が高くなったインクを吐出するパージを実行して、次の印字動作に備える。
用紙搬送方向に対し第1ベルト搬送部20の下流側(図1の左側)には第2ベルト搬送部40が配置されている。記録部30にてインク画像が記録された用紙Pは第2ベルト搬送部40へと送られ、第2ベルト搬送部40を通過する間に用紙P表面に吐出されたインクが乾燥される。
用紙搬送方向に対し第2ベルト搬送部40の下流側であってプリンター本体2の左側面近傍にはデカーラー部9が備えられている。第2ベルト搬送部40にてインクが乾燥された用紙Pはデカーラー部9へと送られ、用紙幅方向の略全域に亘って配置されるローラーと、用紙搬送方向に並ぶ複数のローラーに掛け回される無端状のベルトとのニップ部に用紙Pが挟持されることで用紙Pのカールが矯正される。
用紙搬送方向に対しデカーラー部9の下流側(図1の上方)には第2用紙搬送路10が備えられている。デカーラー部9を通過した用紙Pは両面記録を行わない場合、第2用紙搬送路10から記録媒体搬送部材の一例である排出ローラー対60を介してプリンター100の左側面外部に設けられた用紙排出トレイ11に排出される。なお、第2用紙搬送路10には、第1用紙搬送路7と同様に、用紙Pを搬送するための搬送ローラー対13bが適所に設けられている。
また、第2ベルト搬送部40の下方にはメンテナンスユニット50が配置されている。メンテナンスユニット50は、上述したパージを実行する際に記録部30の下方に移動し、記録部30に設けられた記録ヘッドのインク吐出ノズル(図示せず)から吐出されたインクを拭き取り、拭き取られたインクを回収する。
プリンター本体2の上部であって記録部30及び第2ベルト搬送部40の上方には両面記録を行うための反転搬送路12が備えられている。両面記録を行う場合には第一面への記録が終了して第2ベルト搬送部40及びデカーラー部9を通過した用紙Pが第2用紙搬送路10を通って反転搬送路12へと送られる。反転搬送路12へ送られた用紙Pは、続いて第二面の記録のために搬送方向が切り替えられ、プリンター本体2の上部を通過して右側に向かって送られ、第1用紙搬送路7、及びレジストローラー対8を経て第二面を上向きにした状態で再度第1ベルト搬送部20へと送られる。なお、反転搬送路12には、第1用紙搬送路7、第2用紙搬送路10と同様に、用紙Pを搬送するための搬送ローラー対13cが適所に設けられている。
図2は、本発明の記録媒体搬送部材の一例である、図1における排出ローラー対60周辺の部分拡大図である。排出ローラー対60の詳細な構成について、図1に加えて図2を用いて説明する。プリンター本体2の用紙排出口2aには駆動側ローラー60aと従動側ローラー60bとから成る排出ローラー対60が用紙幅方向(図2の紙面と垂直な方向)に沿って複数対配置されている。従動側ローラー60bは用紙排出口2aの上方のフレーム(図示せず)に支持されており、コイルバネ等の付勢部材(図示せず)によって駆動側ローラー60aに所定の押圧力で圧接されている。
従動側ローラー60bの外周面には、用紙に対して多数箇所で点接触又は面接触する凹凸層61が形成されている。凹凸層61は、ローラー外周面に積層される接着層65と、接着層65に固着される多数の粒子63(図4参照)とで構成される。凹凸層61を従動側ローラー60bに形成する方法としては、ローラー表面にバインダー(接着剤)を塗布した後、粒子を吹き付けたり、バインダーと粒子を混合したものをローラー表面に吹き付けたりする方法が挙げられる。粒子の種類としては、例えばセラミック(アルミナ、炭化珪素等)やガラスビーズ等が挙げられる。バインダーの種類としては、例えばアクリル系接着剤やエポキシ系接着剤等が挙げられる。ローラー外周面に固着される粒子63の個数としては、粒子63の粒子径にもよるが、10個/mm2以上200個/mm2以下が好ましく、30個/mm2以上80個/mm2以下がさらに好ましい。
凹凸層61を形成する目的である、従動側ローラー60bへのインク転写防止効果に影響する要素として、凹凸層61の凹凸の平均高さ(平均突出量)と凹凸の平均間隔がある。そこで、これらのパラメーターを表現するために、図3に凹凸層61の凹凸の断面形状を模式的に表す。
図3において、中央の平均ラインLaveは凹凸のピーク値と谷の中央を通る直線で、凹凸の断面形状はこの平均ラインLaveの上下で等しい領域(面積)を占めるように分割される。一定間隔W中に存在する凹凸の最大高低差をRtとし、一定間隔W中で凹凸のプロファイル(稜線)が平均ラインLaveを横切るとき、上から下(若しくは下から上)へ横切る交点の間隔をそれぞれS1、S2・・・とする。また、これらの間隔S1、S2・・・の平均値をSmとする。
Wの長さは凹凸の形状によって変更する必要がある。例えばガラスビーズのような球形の粒子を用いた場合、セラミックのような不定形粒子と異なり凹凸の高さはある程度揃っているため、Wはある程度小さくても問題はない。Rtに関しては、一定間隔W毎にRtの計算を行い、従動側ローラー60bのローラー幅になるまで繰り返した後、平均化した値を平均突出量Rtaveとする。
次に、これらのパラメーターを説明する簡易的なモデルを図4〜図6に示す。なお、説明の便宜のため、図4〜図6では粒子63を同一径の完全な球体としている。平均粒子径Rに対する凹凸の平均突出量Rtaveの比(Rtave/R)は、粒子63が接着層65の表面からどれだけ突出しているかを表すパラメーターである。
例えば、図4(a)に示すように、従動側ローラー60bの外周面に粒子63のみが固着しているモデル、即ち、凹凸層61が粒子63のみで構成されているようなモデルを考えた場合、凹凸の平均突出量Rtave(=Rt)と平均粒子径Rは等しくなる。従って、Rtave/R=1となる。
しかし、実際に従動側ローラー60bの外周面に粒子63を固着するためには、図4(b)、(c)に示すように、凹凸層61を粒子63と接着層65とで構成する必要がある。図4(b)では粒子63の上半分が接着層65から突出しているため、Rtave/R=0.5となる。図4(c)では粒子63の上部2割が接着層65から突出しているため、Rtave/R=0.2となる。
凹凸の平均間隔(平均粒子間隔)Smに対する凹凸の平均突出量Rtaveの比(Rtave/Sm)は、凹凸の間隔と凹凸の高さとの比を表すパラメーターである。図5のように従動側ローラー60bの外周面に粒子63のみが付着しているモデルでは、例えば、図5(a)に示すように、従動側ローラー60bの外周面に各粒子63が隙間なく固着している場合、凹凸の平均間隔(平均粒子間隔)Smは平均粒子径Rと等しくなる。また、Rtave(=Rt)と平均粒子径Rも等しくなる。従って、Rtave/Sm=1となる。
また、図5(b)に示すように、各粒子63が粒子1個分ずつ隔てて固着している場合、凹凸の平均間隔Smは平均粒子径Rの2倍になる。従って、Rtave/Sm=0.5となる。また、図5(c)に示すように、各粒子63が粒子2個分ずつ隔てて固着している場合、凹凸の平均間隔Smは平均粒子径Rの3倍になる。従って、Rtave/Sm=0.33となる。
そして、上述したRtave/R及びRtave/Smの2つのパラメーターの組み合わせで最終的な凹凸の形状が決定される。例えば、図6(a)に示すように、粒子63の上半分が接着層65から突出しており、各粒子63が粒子1個分ずつ隔てて固着している場合、Rtave=0.5R、Sm=2Rであるから、Rtave/R=0.5、Rtave/Sm=0.5R/2R=0.25となる。
また、図6(b)に示すように、粒子63の上部2割が接着層65から突出しており、各粒子63が隙間なく固着している場合、Rtave=0.2R、Sm=Rであるから、Rtave/R=0.2、Rtave/Sm=0.2R/R=0.2となる。
図7は、Rtave/R、Rtave/Smと従動側ローラー60bへのインク転写性との関係を示すグラフである。図7では横軸にRtave/R、Rtave/Smの値をとり、縦軸にインク転写性をとっている。即ち、縦軸の値が大きくなるほどインク転写量が大きく、画像劣化することを意味する。
図7から明らかなように、Rtave/Rが0.2以下である場合、従動側ローラー60bへのインク転写量が急激に増加している。これは、粒子63によって形成される凹凸の高さ(突出量)が不十分であり、用紙に対する凹凸層61の点接触状態が維持できないためであると考えられる。一方、Rtave/Rが0.5以上である場合、粒子63は粒子径の1/2以下しか接着層65に埋没していないため、凹凸層61から粒子63が脱落する可能性が高まる。
そこで、本発明では、Rtave/Rが以下の式(1)を満たすような凹凸層61を従動側ローラー60bの外周面に形成することとした。
0.5>Rtave/R>0.2 ・・・(1)
また、図7から明らかなように、Rtave/Smが0.15以下である場合、従動側ローラー60bへのインク転写量が急激に増加している。これは、凹凸の平均間隔Smに対する凹凸の平均高さRtaveの比が小さくなると、凹凸間の平坦部分にも用紙が接触し、ローラー外周面と用紙との接触面積が増加するためであると考えられる。
そこで、本発明では、Rtave/Smが以下の式(2)を満たすような凹凸層61を従動側ローラー60bの外周面に形成することとした。
Rtave/Sm>0.15 ・・・(2)
従動側ローラー60bの表面形状(凹凸層61の形状)を確認する方法としては、表面粗さ測定器(例えば、Veeco社製、WYKO VISION32等)を用いる方法が挙げられる。解析結果の例を図8に示す。
表面形状の測定結果は図8に示すように2次元で得られるが、Rt、Smの計算を行う際は軸方向に平均ラインLave(図3参照)を引き、そのライン上での凹凸から計算する。これは排出ローラー対60が用紙を挟み込む際、軸方向に1次元(厳密にはニップを考慮する必要があるので2次元)で接触するからである。
その他、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、本発明の記録媒体搬送部材の一例として、用紙を用紙排出トレイ11に排出する排出ローラー対60について説明したが、第2用紙搬送路10、反転搬送路12(いずれも図1参照)に配置される搬送ローラー対13b、13c等、記録部30の下流側において用紙を搬送する搬送ローラー対にも同様の構成を用いることで、搬送ローラー対へのインク転写、及び後続の用紙の画像面へのインク再転写を効果的に防止可能となる。
また、上記実施形態では、駆動側ローラー60aと従動側ローラー60bの2つのローラーを圧接させてニップ部を形成したローラー対状の記録媒体搬送部材において、従動側ローラー60bに凹凸層61を形成した例について説明したが、用紙の画像形成面が駆動側ローラー60aに接触する場合は、駆動側ローラー60aに凹凸層61を形成すれば良い。
また、本発明はローラー対状の記録媒体搬送部材に限らず、例えば図1のデカーラー部9に示すような、ローラーと、複数のローラーに掛け回された無端状のベルトとを圧接させてニップ部を形成したベルト・ローラー式の記録媒体搬送部材において、ローラーの外周面に凹凸層61を形成しても良い。
また、上記実施形態においては、フルカラー画像を得るためにイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色のインクを用いたラインヘッド型のインクジェットプリンター100について説明を行ったが、別の色相の着色インクを備えたインクジェット記録装置や、色数が異なるインクジェット記録装置、或いは、記録ヘッドが記録媒体上を走査しながら記録を行うシリアル型のインクジェット記録装置にも利用することができる。
また、本発明の記録媒体搬送部材は、インクジェット式の記録装置に限らず、記録媒体上に液体状のインクを吐出して画像を形成する画像形成部を備えた他の画像形成装置にも利用することができる。以下、実施例により本発明の効果について更に詳細に説明する。
ローラー外周面に、粒子63の平均粒子径及び接着層65の塗布方法を変化させて凹凸層61を形成した11種類の従動側ローラー60b(サンプルA〜K)を作製した。これらの従動側ローラー60bを、図1に示したインクジェット記録式のプリンター100に装着し、印字を行った場合のインク転写性を評価した。
サンプルA〜Kのうち、サンプルA、B、G、Kについては粒子63としてガラスビーズを、サンプルC〜F、H〜Jについては粒子63としてセラミック粒子を使用し、それぞれアクリル系接着剤をバインダーとして樹脂製の従動側ローラー60bの外周面にコーティングして凹凸層61を形成した。このようにして作製した従動側ローラー60bと、EPDM製の駆動側ローラー60aとを組み合わせて排出ローラー対60とし、記録部9(図1参照)の直後に排出ローラー対60を配置して試験機とした。なお、駆動側ローラー60aと従動側ローラー60bとの圧接力(ニップ幅1mm当たりの線圧)を12.5g/mmとした。
評価方法としては、記録部9において印字率200%のベタ画像(例えばイエロー、マゼンタの2色の単色ベタ画像を重ねた画像)を印字したA4横サイズの用紙と、印字を行わないA4横サイズの用紙とを、連続して排出ローラー対60を通過させた。印字を行わない用紙へのインクの転写(オフセット)を目視により観察し、インクの転写が全く認められない場合を○、インクの転写が僅かに認められる場合を△、インクの転写が顕著に認められる場合を×とした。結果を表1に示す。
また、サンプルA〜Kの各ローラー60bの凹凸層61の形状を表面粗さ測定器(Veeco社製、WYKO VISION32)を用いて測定した。この表面粗さ測定器は、測定原理として位相シフト干渉方式(PSI方式)と垂直走査型干渉方式(VSI方式)の選択が可能であるが、観察対象である凹凸層61の表面形状に1nm以下の分解能は必要ないので垂直走査型干渉方式で測定を行った。対物レンズは10倍を選択し、1.15×0.97mmの範囲を測定した。測定は各サンプルA〜Kの軸方向に複数回行い、測定結果を平均した。
図8に示したような表面形状の測定結果に基づいて、軸方向に平均ラインLave(図3参照)を引き、そのライン上での凹凸からRt、Smを計算する。サンプルA〜Kの各ローラー60bについてRtave、Smを測定し、Rtave/R、Rtave/Smを算出した。算出結果をインク転写性の評価結果と併せて表1に示す
表1から明らかなように、Rtave/Rが0.2を超え、Rtave/Smが0.15を超えるサンプルA〜Fのローラーではインク転写防止性能が良好であった。また、サンプルAとG、サンプルC〜EとH、サンプルFとI、Jの比較で、凹凸層61の形成に用いた粒子63の平均粒子径Rが同じであるにも関わらず、インク転写性が異なるのは塗布条件が違うためであり、粒子63が接着層65に埋没している割合や、粒子63同士の間隔が異なることによると考えられる。
また、サンプルA〜Fのように、Rtave/R>0.2、Rtave/Sm>0.15の両方を満たす場合、良好なインク転写防止効果が得られるが、サンプルKのようにRtave/R>0.2のみを満たす場合でも実用上問題のないインク転写防止効果が確認された。なお、ここには記載しないが、Rtave/Sm>0.15のみを満たす場合にも実用上問題のないインク転写防止効果が確認されている。
本発明は、インクジェット記録装置のように用紙等の記録媒体に液体状のインクを吐出することによって画像形成を行う画像形成装置に利用することができる。本発明の利用により、画像形成部の下流側に配置される搬送ローラー対等の記録媒体搬送部材への未乾燥インクの付着、及び記録媒体搬送部材から後続の記録媒体へのインク転写による画像不良を防止可能な画像形成装置を簡単な構成で提供することができる。
11 排出トレイ
13a〜13b 搬送ローラー対
20 第1ベルト搬送部
21 第1搬送ベルト
30 記録部(画像形成部)
40 第2ベルト搬送部
41 第2搬送ベルト
50 メンテナンスユニット
60 排出ローラー対(記録媒体搬送部材)
60a 駆動側ローラー(ニップ形成部材)
60b 従動側ローラー(ローラー)
61 凹凸層
63 粒子
65 接着層
100 プリンター(画像形成装置)
P 用紙(記録媒体)

Claims (4)

  1. 記録媒体の画像形成面側に接触するローラーと、該ローラーに圧接されてニップ部を形成するニップ形成部材とで構成され、画像が形成された記録媒体を前記ニップ部に挟持した状態で前記ローラー及び前記ニップ形成部材が回転することにより記録媒体を搬送する記録媒体搬送部材において、
    前記ローラーには、前記ローラーの外周面に積層される接着層と、該接着層に固着される多数の粒子とで構成される凹凸層が形成されており、前記粒子の平均粒子径Rが30μm以上150μm以下であり、且つ、前記粒子によって形成される凹凸の平均突出量をRtaveとするとき、以下の式(1)を満たすことを特徴とする記録媒体搬送部材。
    0.5>Rtave/R>0.2 ・・・(1)
  2. 前記粒子によって形成される凹凸の平均間隔をSmとするとき、以下の式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体搬送部材。
    Rtave/Sm>0.15 ・・・(2)
  3. 記録媒体の画像形成面側に接触するローラーと、該ローラーに圧接されてニップ部を形成するニップ形成部材とで構成され、画像が形成された記録媒体を前記ニップ部に挟持した状態で前記ローラー及び前記ニップ形成部材が回転することにより記録媒体を搬送する記録媒体搬送部材において、
    前記ローラーには、前記ローラーの外周面に積層される接着層と、該接着層に固着される多数の粒子とで構成される凹凸層が形成されており、前記粒子の平均粒子径Rが30μm以上150μm以下であり、且つ、前記粒子によって形成される凹凸の平均突出量をRtave、前記粒子によって形成される凹凸の平均間隔をSmとするとき、以下の式(2)を満たすことを特徴とする記録媒体搬送部材。
    Rtave/Sm>0.15 ・・・(2)
  4. 記録媒体上に液体状のインクを吐出して画像を形成する画像形成部と、該画像形成部において画像が形成された記録媒体を搬送する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の記録媒体搬送部材と、を備えた画像形成装置。
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