JP2012176551A - マット剤付与装置およびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷ジョブ中、通紙枚数に応じてマット剤の付与量を制御することでマット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止するマット剤付与装置およびインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】重圧の大きくなる印刷物積載物の下部でスタッカーブロッキングが発生し易いことに着目し、印刷ジョブ中、通紙枚数が少ない時点では積載束の下部に位置するため十分にマット剤を供給し、通紙枚数が終わりに近付くほど積載束の上部に位置するためマット剤の付与量を少なくするように制御することで、マット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止することができる。ジョブ中の通紙枚数の増加に応じてマット剤付与量を減少させていくことで、マット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止するマット剤付与装置とすることができる。
【選択図】図4
【解決手段】重圧の大きくなる印刷物積載物の下部でスタッカーブロッキングが発生し易いことに着目し、印刷ジョブ中、通紙枚数が少ない時点では積載束の下部に位置するため十分にマット剤を供給し、通紙枚数が終わりに近付くほど積載束の上部に位置するためマット剤の付与量を少なくするように制御することで、マット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止することができる。ジョブ中の通紙枚数の増加に応じてマット剤付与量を減少させていくことで、マット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止するマット剤付与装置とすることができる。
【選択図】図4
Description
本発明はマット剤付与装置およびインクジェット記録装置に関する。
従来よりインクジェット印刷装置では、画像部の乾燥不足、及び定着不足により集積された印刷物のインク同士が付着(固着)するブロッキングという現象により、処理を終えた印刷物に損傷を与えてしまうという問題があった。特に高生産性のインクジェット印刷機では乾燥・定着時間が短くなる傾向があるため乾燥不足、及び定着不足が生じやすく、さらに厚い紙に印刷を行った場合にブロッキングが発生し易くなる。
上記のブロッキングはインクジェット印刷装置以外でも、例えばオフセット印刷装置でも発生する場合があり、オフセット印刷装置では用紙同士の付着防止用のパウダーを用紙表面に噴霧することによってブロッキングを防止している。
しかし、パウダー噴霧方式では余剰パウダーの拡散、及び両面印刷時には印刷物に供給したパウダーが裏面印刷時に脱離することによって印刷機内を汚染してしまうという問題が発生する。特に、用紙に前処理液を塗布して印刷を行う方式のインクジェット印刷機では前処理液塗布部にパウダーが混入する、あるいはインクジェットヘッドにパウダーが付着して吐出不良を発生させる可能性がある点で問題となり得る。
そこで、印刷直後で乾燥前の印刷物のインクによるブロッキングを防止するために、回転ローラの外周面に吸着保持させた粉体を印刷物の印刷画像面のインク上にインクの粘性により転移させる画像記録装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
あるいは表面に凹部を有する貼り付けローラでマット剤を用紙上に所定間隔で貼り付け、マット剤が印刷機内に拡散することを防止し、さらに接着性のある溶媒にマット剤を分散することによってマット剤の脱離を防止する方法(例えば、特許文献2参照)や、接着性のない溶媒にマット剤を分散し、印刷物に塗布後に加熱することによって溶媒を蒸発させマット剤を溶融定着する方式によりマット剤の脱離を防止する方法が開示されている。
上記の特許文献1に記載の構成では、粉体は印刷物の印刷画像面のみに供給されるので、印刷後の印刷物から粉体がこぼれ落ちることなく、必要最小限の粉体のみが使用され、粉体の節約になる効果があるとしている。
また、特許文献2に記載の構成では、接着性機能のある水溶性溶媒にマット剤を分散することによってマット剤の脱離を防止する方法が開示されている。
しかし印刷物の積載束中におけるスタッカーブロッキングの発生レベルには上下方向で差があり、積載束の下部に位置する印刷物(ジョブ通紙枚数初期に印刷した印刷物)ほど、上に積載された印刷物の重量が大きくなることにより、スタッカーブロッキングが悪化する傾向がある。その発生レベルに応じてマット剤の付与量を調節する思想に関しては、言及されていない。
例えば印刷ジョブ中に一定量のマット剤を付与するのでは、スタッカーブロッキングを抑止することはできるが、ジョブ後半では積載される印刷物の量が少なくなるため必要以上のマット剤を付与してしまい、消費されるマット剤がムダとなる虞がある。またマット剤の一定付与量自体が少なければ、ジョブ前半のスタッカーブロッキング防止性能が不足してしまう。
そこで重圧の大きくなる印刷物積載物の下部でスタッカーブロッキングが発生し易いことに着目し、印刷ジョブ中、通紙枚数が少ない時点では積載束の下部に位置するため十分にマット剤を供給し、通紙枚数が終わりに近付くほど積載束の上部に位置するためマット剤の付与量を少なくするように制御することで、マット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止することができる。
本発明は上記事実を考慮し、印刷ジョブ中、通紙枚数に応じてマット剤の付与量を制御することでマット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止するマット剤付与装置およびインクジェット記録装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載のマット剤付与装置は、マット剤粒子を記録媒体表面に付与する付与手段を有し、前記付与手段から前記記録媒体表面に付与される前記マット剤粒子の付与量を、ジョブ枚数または印刷ジョブ中の通紙枚数に応じて制御することを特徴とする。
上記の発明によれば、スタッカーブロッキングが悪化する印刷物積載物の下部(ジョブ序盤)で十分なマット剤を付与すると共に、積載される印刷物の量が少なくなるジョブ後半でマット剤の過剰な消費を抑えることでマット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止することができる。
請求項2に記載のマット剤付与装置は、請求項1に記載の構成において、前記マット剤粒子の付与量制御は、ジョブ枚数が少なくなるに従って付与量を減少させることを特徴とする。
上記の発明によれば、ジョブ単位で、その印刷枚数に応じてマット剤付与量を制御することにより、マット剤の過剰な消費を抑えることでマット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止することができる。
請求項3に記載のマット剤付与装置は、請求項1または請求項2に記載の構成において、前記マット剤粒子の付与量制御は、印刷ジョブ中の通紙枚数が増えるにしたがって付与量を減少させることを特徴とする
上記の発明によれば、積載される印刷物の量が少なくなるジョブ後半でマット剤の過剰な消費を抑えることでマット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止することができる。
請求項4に記載のマット剤付与装置は、請求項1または請求項2に記載の構成において、前記マット剤粒子の付与量制御は、印刷ジョブ中の特定の通紙枚数までは付与量を一定に維持し、特定枚数の通紙以降は付与量を減少させることを特徴とする。
上記の発明によれば、積載される印刷物の量が少なくなるジョブ後半でマット剤の過剰な消費を抑えることでマット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止することができる。
請求項5に記載のマット剤付与装置は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の構成において、前記マット剤粒子の付与量制御は、両面印刷時において、表面印刷時よりも裏面印刷時にマット剤付与量を多くすることを特徴とする。
上記の発明によれば、両面印刷の際には裏面に印刷部分のない表面印刷でマット剤を少なく抑え、両面に印刷部分のある裏面印刷時には十分なマット剤を付与することでマット剤粒子の消費量を最小限に抑え、表面印刷時に付着したマット剤による装置汚染を低減しつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止することができる。
請求項6に記載のマット剤付与装置は、マット剤粒子を記録媒体表面に付与する付与手段を有し、前記付与手段から前記記録媒体表面に付与される前記マット剤粒子の付与量を、印刷ジョブ中の画像データのインク量に応じて制御することを特徴とする。
上記の発明によれば、同一ジョブ中に異なる画像を印刷する所謂バリアブル印刷の際に、吐出されるインクの量によって生じるスタッカーブロッキング性の差に対応して効果的にスタッカーブロッキングを防止することができる。
請求項7に記載のマット剤付与装置は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の構成において、外周面に供給されたマット剤粒子を記録媒体表面に押圧付与する付与ローラと、前記付与ローラの外周面にマット剤粒子を供給するマット剤供給手段と、を備えたことを特徴とする。
上記の発明によれば、マット剤を押圧付与することで装置内での飛散を防止し、マット剤粒子の消費量を最小限に抑え、装置汚染を低減しつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止することができる。
請求項8に記載のマット剤付与装置は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の構成において、マット剤粒子を含むマット液を含浸した付与部材を付与ローラに接触させ、前記付与ローラ表面に転写したマット剤粒子を前記記録媒体表面に転写する、または前記記録媒体表面に前記付与部材からマット剤粒子を直接転写することを特徴とする。
上記の発明によれば、マット液を含浸した付与部材からマット液を付与ローラまたは記録媒体に供給することで、装置内での飛散を防止し、マット剤粒子の消費量を最小限に抑え、装置汚染を低減しつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止することができる。
請求項9に記載のマット剤付与装置は、請求項8に記載の構成において、前記付与部材には印刷動作前に予め前記マット液を含浸させておくことを特徴とする。
上記の発明によれば、付与部材にマット液を供給する手段を必要とせず、付与部材の更新のみでマット液を付与ローラまたは記録媒体に付与することができる。
請求項10に記載のマット剤付与装置は、請求項8に記載の構成において、前記付与部材には印刷動作中に供給手段より前記マット液を供給することを特徴とする。
上記の発明によれば、付与部材にマット液を含浸させておく必要がないので、少ないスペースで安定してマット液を付与ローラまたは記録媒体に付与することができる。
請求項11に記載のマット剤付与装置は、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の構成において、粉体のマット剤粒子を供給する付与部材を付与ローラに接触させ、前記付与ローラ表面に転写したマット剤粒子を前記記録媒体表面に転写する、または前記記録媒体表面に前記付与部材からマット剤粒子を直接転写することを特徴とする。
上記の発明によれば、粉体のマット剤を直接押圧転写することで、装置内での飛散を防止し、マット剤粒子の消費量を最小限に抑え、装置汚染を低減しつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止することができる。
請求項12に記載のマット剤付与装置は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の構成において、粉体のマット剤、またはマット剤粒子を含むマット液を、前記付与ローラ表面あるいは前記記録媒体の表面に直接噴霧あるいは滴下させる付与手段を備えたことを特徴とする。
上記の発明によれば、マット液の噴射量は液の噴射圧、液の供給流量などのパラメータで制御でき、粉体のマット剤粒子噴霧量はヘッド開口部の噴射圧で制御しても良いし、供給ヘッド開口部を振動させ、その周波数によって制御することもできるので簡易な方法でマット剤の付与量を制御できる。
請求項13に記載のマット剤付与装置は、請求項7〜請求項11の何れか1項に記載の構成において、前記マット剤粒子の付与量制御は、前記付与部材が前記付与ローラまたは前記記録媒体表面に接触する時間あるいは接触面積いずれかの制御であることを特徴とする。
上記の発明によれば、簡易な方法でマット剤の付与量を制御することができる。
請求項14に記載のマット剤付与装置は、請求項7〜請求項11の何れか1項に記載の構成において、前記マット剤粒子の付与量制御は、粉体の前記マット剤粒子の供給量あるいはマット剤粒子を含む前記マット液の供給量制御であることを特徴とする。
上記の発明によれば、簡易な方法でマット剤の付与量を制御することができる。
請求項15に記載のマット剤付与装置は、請求項13に記載の構成において、前記付与部材が前記付与ローラ表面あるいは前記記録媒体の表面に接触する部分は所定のタイミングで更新され、更新1回ごとの前記付与部材の送り量、または更新1回あたりの通紙枚数で前記マット剤粒子の付与量制御を行うことを特徴とする。
上記の発明によれば、ジョブ内の通紙枚数に応じて簡易な方法でマット剤の付与量を制御することができる。
請求項16に記載のマット剤付与装置は、請求項15に記載の構成において、前記付与部材は供給ロールに巻き取られており、前記付与部材を巻き取る巻取りロールの巻取り量に応じて一回ごとの前記付与部材の送り出し量を補正することを特徴とする。
上記の発明によれば、付与部材を巻き取るにつれて巻取りロールの径が拡大することに対して、ジョブ内の通紙枚数に応じて簡易な方法でマット剤の付与量を制御することができる。
請求項17に記載のインクジェット記録装置は、請求項1〜請求項16の何れか1項に記載のマット剤付与装置を備えたことを特徴とする。
上記の発明によれば、スタッカーブロッキングが悪化する印刷物積載物の下部(ジョブ序盤)で十分なマット剤を付与すると共に、積載される印刷物の量が少なくなるジョブ後半でマット剤の過剰な消費を抑えることでマット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止することができる。
本発明は上記構成としたので、マット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止するマット剤付与装置およびインクジェット記録装置とすることができる。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の一例について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成を示した概略構成図である。
このインクジェット記録装置100は、描画部116の圧胴(描画ドラム170)に保持された記録媒体Pの記録面にインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから複数色の熱可塑性樹脂と色材とを含んだ水性インクを打滴して所望のカラー画像を形成する圧胴直描方式のインクジェット記録装置であり、インクの打滴前に記録媒体P上に処理液(インク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含む)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体P上に画像形成を行う2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
すなわち、図1に示すように、インクジェット記録装置100は、主として、給紙部112、処理液付与部114、描画部116、乾燥部118、定着部120、及び排紙部122を備えて構成されている。
給紙部112は、記録媒体Pを処理液付与部114に供給する機構であり、当該給紙部112には、枚葉紙である記録媒体Pが積層されている。給紙部112には、給紙トレイ150が設けられ、この給紙トレイ150から記録媒体Pが一枚ずつ処理液付与部114に給紙されるようになっている。記録媒体Pの浮き上がりを防止するために、給紙トレイ150は外面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。
本実施形態のインクジェット記録装置100においては、記録媒体Pとして、紙種や大きさ(用紙サイズ)の異なる複数種類の記録媒体Pを使用することができる。給紙部112において各種の記録媒体をそれぞれ区別して集積する複数の用紙トレイ(図示省略)を備え、これら複数の用紙トレイの中から給紙トレイ150に送る用紙を自動で切り換える態様も可能であるし、必要に応じてオペレータが用紙トレイを選択し、若しくは交換する態様も可能である。なお、本例では、記録媒体Pとして、枚葉紙(カット紙)を用いるが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
処理液付与部114は、記録媒体Pの記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部116で付与されるインク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含み、処理液とインクとが接触することによりインクと凝集反応を起こし、インクは色材と溶媒との分離が促進され、インク着弾後の滲みや着弾干渉(合一)あるいは混色が発生せず高品位画像の形成が可能となる。なお、処理液としては、凝集剤の他に必要に応じてさらに他の成分を用いて構成することもできる。インク組成物と共に処理液を用いることで、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い描画性(例えば、細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
図1に示すように、処理液付与部114は、給紙胴152、処理液ドラム154、及び処理液塗布装置156を備えている。処理液ドラム154は、記録媒体Pを保持し、回転搬送させるドラムである。処理液ドラム154は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)155を備え、この保持手段155の爪と処理液ドラム154の周面の間に記録媒体Pを挟み込むことによって記録媒体Pの先端を保持できるようになっている。処理液ドラム154は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体Pを処理液ドラム154の周面に密着保持することができる。
処理液ドラム154の外側には、その周面に対向して処理液塗布装置156が設けられる。記録媒体Pは、処理液塗布装置156によって記録面に処理液が塗布される。
処理液付与部114で処理液が付与された記録媒体Pは、処理液ドラム154から中間搬送部126(第1渡し胴搬送手段)を介して描画部116の描画ドラム170へ受け渡される。
描画部116は、描画ドラム170、及びインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yを備えている。なお、図1では図示を省略しているが、描画ドラム170に対してインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yの手前側に記録媒体Pの皺をとるための用紙抑えローラを配置するようにしても良い。
描画ドラム170は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)171を備え、記録媒体の先端部を保持固定するようになっている。また、描画ドラム170は、外周面に複数の吸引孔を有し、負圧によって記録媒体Pを描画ドラム170の外周面に吸着させる。これにより、用紙浮きによるヘッドとの接触が回避され、用紙ジャムが防止される。また、ヘッドとのクリアランス変動による画像ムラが防止される。
このように描画ドラム170に固定された記録媒体Pは、記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから熱可塑性樹脂と色材とを含んだ水性インクが打滴される。
インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yは、それぞれ記録媒体Pにおける画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)であり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yは、記録媒体Pの搬送方向(描画ドラム170の回転方向)と直交する方向に延在するように設置されている。
描画ドラム170上に密着保持された記録媒体Pの記録面に向かって各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから、対応する色インクの液滴が吐出されることにより、処理液付与部114で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体P上での色材流れなどが防止され、記録媒体Pの記録面に画像が形成されるようになっている。
なお、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定されない。
以上のように構成された描画部116により、記録媒体Pに対してシングルパスで描画を行うことができる。これにより、高速記録及び高速出力が可能であり、生産性を高めることができる。
描画部116で画像が形成された記録媒体Pは、描画ドラム170から中間搬送部128(第2渡し胴搬送手段)を介して、乾燥部118の乾燥ドラム176へ受け渡される。
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、図1に示すように、乾燥ドラム176及び溶媒乾燥装置178を備えている。乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)177を備え、この保持手段177によって記録媒体Pの先端を保持するとともに、ドラム外周表面に吸引孔(図示省略)を有し、負圧により記録媒体Pを乾燥ドラム176に吸着できるようになっている。また乾燥ドラム176の外周面に対向するように、送風手段180(吸着補助手段)と溶媒乾燥装置178が設けられている。
送風手段180は、記録媒体Pの乾燥ドラム176への吸着を補助するためのものであり、記録媒体Pの幅方向の端部側に向かって斜めに風を当てて、保持手段177によってその先端を保持された記録媒体Pが、先端側から後端側に向かって、皺が発生することなく確実に吸着されるようにするものである。
溶媒乾燥装置178は、乾燥ドラム176の外周面に対向する位置に配置され、IRヒータ等とファンの組み合わせを複数配置した熱風乾燥手段182で構成されている。熱風乾燥手段182の各熱風噴出しノズルから記録媒体Pに向けて吹き付けられる熱風の温度と風量を適宜調節することにより、様々な乾燥条件を実現することができる。記録媒体Pは記録面が外側を向くように、乾燥ドラム176の外周面に吸着拘束されて搬送され、この記録面に対して上記IRヒータ及び温風噴出しノズルによる乾燥処理が行われる。
また、乾燥ドラム176は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を有している。これにより記録媒体Pを乾燥ドラム176の周面に密着保持することができる。また、負圧吸引を行うことにより、記録媒体Pを乾燥ドラム176に拘束することができるので、記録媒体Pのカックルを防止することができる。
乾燥部118で乾燥処理が行われた記録媒体Pは、乾燥ドラム176から中間搬送部130(第3渡し胴搬送手段)を介して定着部120の定着ドラム184に受け渡される。
定着部120は、定着ドラム184、押圧ローラ188(平滑化手段)で構成される。定着ドラム184は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)185を備え、この保持手段185によって記録媒体Pの先端を保持できるようになっている。
定着ドラム184の回転により、記録媒体Pは記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して、押圧ローラ188による平滑化処理・定着が行われる。
押圧ローラ188は、インクが乾燥された記録媒体Pを加圧することによって記録媒体Pを平滑化、及びインクの定着を行うものである。
なお、定着ドラム184の外周面に対向して記録媒体Pに形成された画像の検査を行うインラインセンサを設けてもよい。インラインセンサは、記録媒体Pに定着された画像について、チェックパターンや水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段であり、例えばCCDラインセンサを好適に用いることができる。
押圧ローラ188には、後述するようにマット液塗布部80が設けられ、押圧ローラ188の外周面にマット液200Lを供給している。マット液塗布部80はマット剤粒子200Pを所定濃度で分散した液(シリコンオイルなど)からなるマット液200Lを染み込ませたウェブ82を第1ロッド84Aと第2ロッド84Bとに巻きかけ、押圧ローラ188の外周面に沿うように当接させ、マット液200Lを一旦押圧ローラ188の外周面に転写し、ローラ表面に付着したマット剤粒子200Pを記録媒体Pの表面に再度転写する。
これにより表面にマット剤粒子200Pを付与された状態となる記録媒体Pは排紙部122に搬送され、排紙ユニット192内で多数重ねられた状態となった際にブロッキング(固着)を防止する。
さらに、これらに続いて排紙部122が設けられている。排紙部122には、排紙ユニット192が設置される。定着部120の定着ドラム184から排紙ユニット192までの間に、渡し胴194、搬送チェーン196が設けられている。搬送チェーン196は、張架ローラ198に巻き掛けられている。定着ドラム184を通過した記録媒体Pは、渡し胴194を介して、搬送チェーン196に送られ、搬送チェーン196から排紙ユニット192へと受け渡される。
また、図1には示されていないが、本例のインクジェット記録装置100は、上記構成の他、各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yにインクを供給するインク貯蔵/装填部、処理液付与部114に対して処理液を供給する手段を備えるとともに、各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行うヘッドメンテナンス部や、用紙搬送路上における記録媒体Pの位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
<各部の詳細>
図2に、本実施形態のインクジェット記録装置100の主要部である処理液付与部114、描画部116、乾燥部118及び定着部120を拡大して示し、本発明に係るインクジェット記録装置についてさらに詳しく説明する。
図2に示すように、処理液ドラム154、中間搬送部126(第1渡し胴搬送手段)、描画ドラム170、中間搬送部128(第2渡し胴搬送手段)、乾燥ドラム176、中間搬送部130(第3渡し胴搬送手段)及び定着ドラム184が、並んで配置され、それぞれのドラムにより記録媒体Pが搬送され、搬送されるうちに処理液付与、描画、乾燥、定着が順に行われるようになっている。
各中間搬送部(第1渡し胴搬送手段、第2渡し胴搬送手段、第3渡し胴搬送手段)は、それぞれリブ付きのガイド部材127、129、131を備え、回転軸を挟んで180度対向する方向に延びたアームの先端部の保持爪(図示省略)が記録媒体Pの先端部を把持して回転軸の回りを回転し、記録媒体Pの後端部はフリーの状態で、それぞれガイド部材(127、129、131)に沿って記録媒体Pを記録面の裏面側が凸になるようにして搬送するように構成されている。
なお、中間搬送部126、128、130は、チェーングリッパを用いて、記録媒体Pを掴んで、裏面側を凸にして搬送するように構成してもよい。
本実施形態のインクジェット記録装置100は、記録媒体Pの記録面上に画像を記録するものであり、記録媒体Pとしては、特に制限はないが、一般のオフセット印刷などに用いられる、所謂上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。セルロースを主体とする一般印刷用紙は、水性インクを用いた一般のインクジェット法による画像記録においては比較的インクの吸収、乾燥が遅く、打滴後に色材移動が起こりやすく、画像品質が低下しやすいが、本実施形態のインクジェット記録装置100では、凝集により色材移動を抑制して色濃度、色相に優れた高品位の画像記録が可能である。
なお、記録媒体の中でも、一般のオフセット印刷などに用いられる所謂塗工紙が好ましい。塗工紙は、セルロースを主体とした一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。塗工紙は、通常の水性インクジェットによる画像形成においては、画像の光沢や擦過耐性など、品質上の問題を生じやすいが、本実施形態のインクジェット記録装置100では、光沢ムラが抑制されて光沢性、耐擦性の良好な画像を得ることができる。特に、原紙と無機顔料を含むコート層とを有する塗工紙を用いるのが好ましく、原紙とカオリン及び/又は重炭酸カルシウムを含むコート層とを有する塗工紙を用いるのがより好ましい。具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙、又は微塗工紙がより好ましい。
前述したように、処理液付与部114は、記録媒体Pの記録面に処理液を付与するものである。
処理液塗布装置156によって記録面に処理液が塗布される処理液の膜厚は、描画部116のインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから打滴されるインクの液滴径より充分に小さいことが望ましい。例えば、インクの打滴量が2pl(ピコリットル)のときには、液滴の平均直径は15.6μmである。このとき、処理液の膜厚が大きい場合には、インクドットが記録媒体Pの表面に接触することなく、処理液内で浮遊する。そこで、インクの打滴量が2plのときに着弾ドット径を30μm以上得るためには、処理液の膜厚を3μm以下にすることが望ましい。
処理液塗布装置156は、主として処理液容器、計量ローラ、塗布ローラによって構成されている(図示せず)。処理液容器には、処理液が貯留されており、この処理液に計量ローラの一部が浸漬される。計量ローラとしては、金属ローラ及び金属ローラ表面にセラミックコーティングを施したローラ周面に一定の線数で規則正しく多数のセルが形成されたアニロックスローラが好適に用いられる。金属ローラの材質としては鉄及びSUS等が用いられる。材質として鉄を用いた場合には、表面の親水性の向上、耐磨耗性の向上及び防錆性を向上させるため、表面にクロム等のメッキを施してもよい。アニロックスローラのセル構造としては、例えば、線数150線以上400線以下、セル深さ20μm以上75μm以下、セル容量30cm3/m2以上60cm3/m2以下のものを好適に用いることができる。計量ローラの直径は、例えば20mm以上100mm以下で形成される。
計量ローラは回動自在に支持されるとともに不図示のモータに連結され、一定の速度で回転駆動される。従って、処理液容器内の処理液を計量ローラの表面に付着させ、この処理液を塗布ローラの表面に転移させることができる。計量ローラの回転方向は塗布ローラと同方向であり、ローラ外周の周速度は塗布ローラと同速、もしくは速度差を設けてもよい。速度差を設ける場合には塗布ローラの周速度に対して計量ローラの周速度を80%以上140%以下が好適に用いられる。塗布ローラと計量ローラとの周速度を調整することにより、計量ローラから塗布ローラへの転移率を調整することが可能であり、記録媒体Pへの塗布膜厚を調整することができる。
計量ローラの表面には、計量用のドクターブレードが当接するように設けられている。ドクターブレードは、計量ローラと塗布ローラとの接触位置に対して、計量ローラの回転方向の上流側に配置され、計量ローラの表面の塗布液を掻き落として計量できるようになっている。これにより、ドクターブレードで計量された塗布液を塗布ローラに供給することができる。
塗布ローラはEPDMやシリコンなどのゴム層を表面に有するゴムローラが好適に用いられる。塗布ローラは回動自在に支持されるとともに不図示のモータに連結され、一定の速度で回転駆動される。塗布ローラの回転方向は処理液ドラム154と同方向であり、ローラ外周の周速度も処理液ドラム154と同速度で回転する。これによって計量ローラから塗布ローラへ転移された処理液が処理液ドラム154上に保持された記録媒体Pに塗布される。
このように、処理液塗布装置156はローラで処理液を塗布するようにしたため、処理液を均一に、かつ塗布量を少なく記録媒体Pに塗布することが可能である。また、処理液塗布装置156は、処理液塗布の搬送胴(処理液ドラム154)を汚さないようにするために、処理液塗布手段のローラを記録媒体毎に接触及び離間させるようになっていることが好ましい。処理液ドラム154は、記録媒体Pの先端を保持する保持爪で記録媒体Pを搬送する。これにより、記録媒体Pの高速搬送が可能であり、また用紙搬送ジャムの発生を低減することができる。
なお、処理液ドラム154の外周に、その周面に対向してIRヒータ及び温風噴出しノズルを設けて、記録媒体Pに塗布された処理液を乾燥するようにしてもよい。IRヒータや温風噴出しノズルを設けた場合には、IRヒータは高温(例えば180℃)に制御され、温風噴出しノズルは高温(例えば70℃)の温風を一定の風量(例えば9m3/分)で記録媒体Pに向けて吹き付けるように構成される。このIRヒータ及び温風噴出しノズルによる加熱によって、処理液の溶媒中の水分が蒸発され、処理液の薄膜層が記録媒体Pの記録面に形成される。このように処理液を薄層化することによって、描画部116で打滴するインクのドットが記録媒体Pの記録面と接触し、必要なドット径が得られるとともに、薄層化した処理液成分と反応して色材凝集が起こり、記録媒体Pの記録面に固定する作用が得られやすい。なお、処理液ドラム154を所定の温度(例えば50℃)に制御するようにしてもよい。
また、処理液は、描画部116で付与されるインク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含んでいる。凝集剤としては、インク組成物のpHを変化させることができる化合物であっても、多価金属塩であっても、ポリアリルアミン類であってもよい。本実施形態においては、インク組成物の凝集性の観点から、インク組成物のpHを変化させることができる化合物が好ましく、インク組成物のpHを低下させ得る化合物がより好ましい。インク組成物のpHを低下させ得る化合物としては、水溶性の高い酸性物質(リン酸、シュウ酸、マロン酸、クエン酸、もしくはこれらの化合物の誘導体又はこれらの塩など)が好適に挙げられる。
このように、凝集剤としては、水溶性の高い酸性物質が好ましく、凝集性を高め、インク全体を固定化させる点で、有機酸が好ましく、2価以上の有機酸がより好ましい。さらに、2価以上3価以下の酸性物質が特に好ましい。この2価以上の有機酸としては、その第1pKaが3.5以下の有機酸が好ましく、さらに3.0以下の有機酸がより好ましく、具体的には、リン酸、シュウ酸、マロン酸、クエン酸などが好適に挙げられる。
凝集剤で、酸性物質は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これにより、凝集性を高め、インク全体を固定化することができる。インク組成物を凝集させる凝集剤の処理液中における含有量としては、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは、3〜45質量%であり、さらに好ましくは、5〜40質量%の範囲である。また、インク組成物のpH(25℃)が8.0以上であって、処理液のpH(25℃)が0.5〜4の範囲が好ましい。これにより、画像濃度、解像度及びインクジェット記録の高速化を図ることができる。
また、処理液には、その他の添加物を分有することができる。この添加物としては、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤などの公知の添加剤が挙げられる。
上述したように本実施形態では、ローラによる塗布方式を適用した構成を例示したが、処理液の付与は、塗布法に限定されず、インクジェット法や浸漬法などの公知の方法を適用して行うことができる。なお、塗布法としては、バーコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター等を用いた公知の塗布方法によって行うことができる。
なお、処理液付与工程は、インク組成物を用いたインク付与工程の前又は後のいずれに設けてもよい。本実施形態においては、処理液付与工程で処理液を付与した後にインク付与工程を設けた態様が好ましい。具体的には、記録媒体P上に、インク組成物を付与する前に、予めインク組成物中の顔料及び/又は自己分散性ポリマーの粒子を凝集させるための処理液を付与しておき、記録媒体P上に付与された処理液に接触するようにインク組成物を付与して画像化する態様が好ましい。これにより、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い画像を得ることができる。
また処理液の付与量としては、インク組成物を凝集可能であれば特に制限はないが、好ましくは、凝集剤の付与量が0.1g/m2以上となる量とすることができる。中でも、凝集剤の付与量が0.2〜0.7g/m2となる量が好ましい。凝集剤は、付与量が0.1g/m2以上であるとインク組成物の種々の使用形態に応じ良好な高速凝集性が保てる。また、凝集剤の付与量が0.7g/m2以下であることは、付与した記録媒体の表面性に悪影響(光沢の変化等)を与えない点で好ましい。
処理液付与部114は、処理液ドラム154の外周面に設けられた保持手段155により記録媒体Pの先端部を保持して搬送しながら、処理液塗布装置156により、処理液を計量しつつ記録媒体Pに処理液を塗布する。
処理液付与部114で処理液が付与された記録媒体Pは、中間搬送部(第1渡し胴搬送手段)126によって次の描画部116へ搬送される。記録媒体Pは、第1渡し胴搬送手段126の保持爪(図示省略)によってその先端部を保持されて、記録面が内側を向き、裏面側がガイド部材127に沿って凸形状となるように搬送される。
また、第1渡し胴搬送手段126は、その内部(回転軸付近)に熱風乾燥手段(図示省略)を有し、搬送中内側を向いている記録媒体Pの記録面(表面)側に熱風を当てて、表面に付与された処理液を乾燥させる。これにより、描画部116において記録媒体Pにインクが打滴されたとき、インク付着時における記録媒体P上での着弾インクの移動が防止される。
描画部116の描画ドラム170は、第1渡し胴搬送手段126によって搬送されてきた記録媒体Pの先端部を、描画ドラム170外周面に設けられた保持手段171により保持するとともに、描画ドラム170外周面に設けられた吸引孔によって記録媒体Pを描画ドラム170外周面に吸着、固定して搬送する。そして、描画ドラム170の外周面に固定された記録媒体Pの、処理液が付与されている表面(記録面)に向けて、インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから熱可塑性樹脂と色材とを含んだ水性インクが打滴される。
<描画部>
図2に示す描画部116において、描画ドラム170上に密着保持された記録媒体Pの記録面に向かって各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから、対応する色インクの液滴が吐出されることにより、処理液付与部114で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体P上での色材流れなどが防止され、記録媒体Pの記録面に画像が形成されるようになっている。
なお、各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから吐出されるインクの液滴量としては、高精細な画像を得る観点で、1〜10pl(ピコリットル)が好ましく、1.5〜6plがより好ましい。また、画像のムラ、連続階調のつながりを改良する観点で、異なる液滴量を組み合わせて吐出することも有効であり、このような場合でも本発明は好適に適用される。
なお、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定されない。
以上のように構成された描画部116により、記録媒体Pに対してシングルパスで描画を行うことができる。
<乾燥部>
描画部116で画像が形成された記録媒体Pは、描画ドラム170から中間搬送部(第2渡し胴搬送手段)128を介して乾燥部118の乾燥ドラム176へ受け渡される。第2渡し胴搬送手段128は、描画ドラム170から受け取った記録媒体Pを、保持爪(図示せず)によってその先端部を保持して、記録媒体Pの記録面が内側を向き、裏面側がガイド部材129に沿って凸形状となるようにして搬送する。
なお、第2渡し胴搬送手段128は、その内部に不図示の熱風乾燥手段(乾燥手段)を有し、搬送中内側を向いている記録媒体Pの記録面側に熱風を吹き付けて、表面に打滴されたインクを乾燥させる構成とされていてもよい。これにより、インク打滴直後に、インクを乾燥することができるので、インク浸透による記録媒体Pのカックルを低減しやすくなり、乾燥部118における乾燥ドラム176における吸引拘束時の吸着皴の発生を抑止しやすくなる。
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、乾燥ドラム176、及び乾燥ドラム176の外周面に対向する位置にIRヒータ等とファンの組み合わせを複数配置した熱風乾燥手段182が構成されている。
また、乾燥ドラム176の外周に対向して、複数の熱風乾燥手段182の(乾燥ドラム176の回転方向の)上流側に送風手段180(吸着補助手段)が設けられている。
乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)177を備え、この保持手段177によって記録媒体Pの先端を保持できるようになっている。また、乾燥ドラム176は、その外周面に複数の吸引孔を有し、負圧により記録媒体Pを乾燥ドラム176外周面に吸着し、密着するように拘束して搬送する。このように乾燥ドラム176に拘束された記録媒体Pに対して、熱風乾燥手段182の熱風噴出ノズルから熱風を当てて記録媒体Pを乾燥する。
これにより、カックルの発生が防止される。また、記録媒体Pを乾燥ドラム176外周面に密着させることで、熱風乾燥手段182に記録媒体Pが接触することによるジャムの発生や用紙燃えを防止することができる。
熱風乾燥手段182の熱風噴出しノズルは、所定の温度に制御された温風を一定の風量で記録媒体Pに向けて吹き付けるように構成され、IRヒータは、それぞれ所定の温度に制御される。これらの熱風噴出しノズル及びIRヒータによって、乾燥ドラム176に保持された記録媒体Pの記録面に含まれる水分が蒸発され、乾燥処理が行われる。その際、乾燥部118の乾燥ドラム176は、描画部116の描画ドラム170に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yにおいて、熱乾燥によるヘッドメニスカス部の乾燥によるインクの不吐出を低減することができる。また、乾燥部118の温度設定に自由度があり、最適な乾燥温度を設定することができる。
なお、蒸発した水分は図示を省略した排出手段によりエアとともに機外に排出することが好ましい。また、回収されたエアを冷却器(ラジエータ)などで冷却して液体として回収してもよい。
また、乾燥ドラム176は、その外周面を所定の温度に制御することが好ましい。記録媒体Pの裏面から加熱を行うことによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができる。
乾燥ドラム176の表面温度の範囲は、50℃以上が好ましく 、より好ましくは60℃以上である。また、上限については、特に限定されるものではないが、乾燥ドラム176の表面に付着したインクをクリーニングするなどのメンテナンス作業の安全性(高温による火傷防止)の観点から75℃以下が好ましい。
また、乾燥ドラム176は、記録媒体Pが搬送される前に所定の温度に加熱しておくことが好ましい。乾燥ドラム176を加熱しておくことで、乾燥を促進させることができるので、画像破壊を防止するとともに、カックルを防止することができる。加熱温度は、上記乾燥ドラム176の表面温度と同じ温度範囲とすることが好ましい。
加熱は、吸引した際の温度低下を防止するため、吸引した状態で所定の温度とすることが好ましい。また、吸引しないで加熱を行う場合は、吸引した際の温度低下を考慮して、所定の温度より高い温度になるように加熱することが好ましい。また、記録媒体Pの記録面が外側を向くように(すなわち、記録媒体Pの記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥することで、記録媒体Pの皺や浮きの発生を防止でき、これらに起因する乾燥ムラを確実に防止することができる。
また、熱風乾燥手段182の上流側に設けられた送風手段180(吸着補助手段)は、乾燥ドラム176への記録媒体Pの吸着を補助するためのものである。送風手段180は、記録媒体P後端側に向かって斜め方向に送風し、記録媒体P幅方向の端部側に向かって斜めに当てるようにし、さらに後端で風力が大きくなるように制御する。これにより、記録媒体P後端での用紙浮きが防止されるとともに、記録媒体Pの吸着皺を取り、均一乾燥と均一吸着を可能とする。このように送風手段180という記録媒体Pに対して非接触な吸着補助手段を用いることで、接触手段を用いて吸着補助を行った場合に、記録媒体Pのまだ乾燥していないインクが接触手段に転写されて画像不良が発生するのを防止することができる。
乾燥ドラム176の吸引力は(開口面積)×(単位面積あたりの圧力)で表すことができる。吸引力は、記録媒体吸着保持領域における吸引孔の占める面積、すなわち、開口率を高くすることで吸引力をより高くすることができる。
また、乾燥ドラム176の外周面に設けられた吸引孔の開口率は、乾燥ドラム176外周面と記録媒体Pとの接触面積に対して、1%以上75%以下であることが好ましい。これは、開口率が1%未満であると、記録後の吸水による記録媒体Pの膨張変形を充分に抑止することができず、また、乾燥ドラム176自体も温まっており記録媒体Pはこれに接することによっても乾燥が促進されるが、開口率が75%を超えると、記録媒体Pの裏面と乾燥ドラム176外周面との接触面積が低下するため、記録媒体Pを吸着保持した状態であっても充分な乾燥性能を得ることができず、カックルも悪化する虞がある。
従って、乾燥ドラム176の外周面における吸引孔の開口率を1%以上75%以下とすることで、カックルの抑制防止及び乾燥性能の向上を図ることができる。
なお、開口率は、吸引孔の径、孔ピッチ、孔の形状及び配置により設定される。孔径は、0.4mm以上、また負圧吸引による記録媒体Pの凹み痕(吸着痕)がつかないように、1.5mm以下に設計することが好ましい。孔ピッチは、乾燥ドラム176外周面の熱変形の防止や剛性確保のため、0.1mm以上5mm以下が好ましい。孔の間隔があまり離れすぎると記録媒体の変形抑止効果が不足し、皺の発生をそれほど抑制できないからである。また、吸引孔の形状は、角(鋭角)形状があると、角部に応力が集中するので、角部を丸めた形状が好ましい。
また、回転搬送体では、吸着圧力による記録媒体Pの変形量は周方向よりも軸方向の方が大きくなる。従って、吸引孔は、周方向を長軸方向、軸方向を短軸方向とした楕円形状又は長穴形状とすることで、記録媒体Pの周方向の変形と軸方向の変形を均等にすることもできる。
また、乾燥ドラム176の外周面に、記録媒体Pの記録面が外側を向くように(すなわち、記録媒体Pの記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥することで、記録媒体Pの皺や浮きの発生を防止でき、これらに起因する乾燥ムラを確実に防止することができる。
各熱風乾燥手段182の上側にはこれらを覆うように、また熱風乾燥手段182から吹き出された熱風が再度乾燥ドラム176側に向かうように整流板181が形成される。このときさらに各熱風乾燥手段182の乾燥ドラム176回転方向下流側にガイド板183を設けて、各熱風乾燥手段182から吹き出され一度乾燥ドラム176表面にあたった熱風が流れ、再び乾燥ドラム176側に向かって流れるようにするとよい。このように整流板181を設けることにより、熱効率を向上させるとともに、排気性の向上をも図ることができる。
また、乾燥部118内には温度センサ(図示せず)および湿度センサが設けられており、検出された温度および湿度は図示しない制御部にデータとして送られる。この温度および湿度情報に基づいて熱風乾燥手段182のON/OFFあるいは風量を制御する構成とされていてもよい。加えて、記録媒体P上に吐出されたインクの総量、すなわち吐出密度を熱風乾燥手段182の制御に用いてもよい。吐出密度は記録媒体P1枚当たりのインク吐出量であり、記録される画像やパターンなどの内容からデータとして算出することができる。
<定着部>
乾燥部118で乾燥処理が行われた記録媒体Pは、乾燥ドラム176から中間搬送部(第3渡し胴搬送手段)130を介して定着部120の定着ドラム184に受け渡される。
定着ドラム184は、第3渡し胴搬送手段130から記録媒体Pを受け取ると、定着ドラム184の外周面に設けられた保持手段185で記録媒体Pの先端部を保持して記録媒体Pを外周面に巻きつけて搬送する。
定着ドラム184の外周面に巻きつけられて搬送される記録媒体Pは、定着ドラム184に対向して配置された押圧ローラ(平滑化手段)188により加圧され、定着ドラム184に押しつけられてカールが矯正され皺が取り除かれる。
押圧ローラ188は、定着ドラム184に対して圧接するように配置されており、定着ドラム184との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、記録媒体Pは、押圧ローラ188と定着ドラム184との間に挟まれ、所定のニップ圧(例えば、0.15MPa)でニップされ、平滑化処理が行われる。
また、押圧ローラ188は、加熱ローラであってもよい。例えば、押圧ローラ188を、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラとして構成し、所定の温度(例えば、60〜80℃)で制御するようにしてもよい。この加熱ローラとして構成した押圧ローラ188で記録媒体Pを加熱するとともに押圧することによって、インクに含まれるラテックスのTg温度(ガラス転移点温度)以上の熱エネルギーが付与され、ラテックス粒子が溶融され、記録媒体Pの画像表面の凹凸がレベリングされ、光沢性が得られる。
<マット液塗布部>
図3には本実施形態に係るマット液塗布部が示されている。本願発明のマット液供給方式では、前述のようにマット液塗布部80が押圧ローラ188の外周面にマット液200Lを供給している。マット液塗布部80はマット剤粒子200Pを所定濃度で分散した液(シリコンオイルなど)からなるマット液200Lを染み込ませた不織布などのウェブ82を第1ロッド84Aと第2ロッド84Bとに巻きかけ、押圧ローラ188の外周面に沿うように当接させ、マット液200Lを一旦押圧ローラ188の外周面に転写し、ローラ表面に付着したマット剤粒子200Pを記録媒体Pの表面に再度転写する。
これにより表面にマット剤粒子200Pを付与された状態となる記録媒体Pは排紙部122に搬送され、排紙ユニット192内で多数重ねられた状態となった際にブロッキング(固着)を防止する。
マット剤粒子200Pとしては、例えばアクリル樹脂粉末、澱粉粉末、PVAなど種々の素材が考えられるが、平均粒径5〜50μm程度の粉末が好適であり、さらに望ましくは平均粒径10〜30μm程度の粉末を好適に使用することができる。
図3に示すようにウェブ82は供給側芯金83Aに巻き付けられ、巻取側芯金83Bに巻きとられる状態で供給され、図3のように第1ロッド84Aと第2ロッド84Bとで背面から支持され、押圧ローラ188の外周面に当接するように装着される。
第1ロッド84Aと第2ロッド84Bとウェブ82を巻きつけた供給側芯金83Aと巻取側芯金83B、および側板80Aからなるウェブユニット280は、任意のタイミングで付与ローラ(押圧ローラ188)に対して当接、離間を実施する。任意の当接タイミングとは、例えば印刷開始直後であってもよく、任意の離間タイミングとは、例えば印刷終了直後あるいは、印刷中止時であってもよい。ウェブユニット280の当接/離間は、例えば、図示しないギアあるいはカムにて実施する。
ウェブ82は、供給側芯金83Aから巻取側芯金83Bへ巻き取られる搬送路中で押圧ローラ188に巻きかけられ、マット液200Lを供給する。ここでウェブ82の同じ面が押圧ローラ188に接触し続けると、含浸されたマット液200Lが消費され、マット剤粒子200Pが十分に押圧ローラ188の表面に供給されなくなるため、所定のタイミングでウェブ82を巻きとる必要がある。
図3に示すマット剤付与方式では、マット剤付与量は、ウェブ82の送り量(図示しない駆動モータのpulse量)の制御によって調整でき、具体的には1回ごとに送る量の設定、送り実行の枚数間隔(何枚通紙おきにウェブ82の送りを実施するか)の設定を、通紙枚数に応じて変更することが望ましい。
また、ウェブ82の使用量により、ウェブ82が巻きつけられている供給側芯金83Aの最大外径が変化することで、ウェブ82の使用前半と後半とでは、設定送り量に対する実効送り量にズレが生じ、使用後半ほど、実効送り量は大きくなる。よって、マット剤付与量の精密な制御の観点からは、ウェブ82の使用量に応じて設定送り量を、適宜補正することがより好ましい。
また別の方法として、第1ロッド84Aと第2ロッド84Bとの位置を可動にし、ウェブ82の押圧ローラ188への接触幅(接触面積)を調整することによって、マット剤付与量を調節してもよい。このときウェブ82の送り方向は押圧ローラ188と逆向きに送るのが好ましいが、一方向に限定するものではない。
<マット剤塗布部の変形例>
本願発明では図3に示すマット剤塗布部に限定されず、種々の形態のマット剤塗布部を適用することができる。図14(A)には図3に示すマット剤塗布部の概念図が示されている。
図14(B)に示す実施例2は、ウェブ82を支持する第1ロッド84Aと第2ロッド84Bに代えてローラ部材84Cに変更した形態である。マット剤付与量の制御は図3に示す実施例と同様の方法で実施する。
図14(C)に示す実施例3は、ウェブ82に予めマット液200Lを含浸しておくのではなく、押圧ローラ188との接触部近傍のウェブ82背面に設置された供給部材(供給ヘッド85)からマット液200Lを供給する形態である。付与量の制御はマット液200Lの供給量に加え、ウェブ82の送り量の両方で制御することができる。また、ウェブ82に予めマット液200Lを含浸させておくことで、ジョブ初期のマット剤付与量を安定させることができる。
図15(A)〜(C)に示す実施例4〜6は、押圧ローラ188を介さずに、ウェブ82を直接記録媒体Pに接触付与する形態である。押圧ローラ188を介さないので、マット剤付与量の安定性及び少量付与の面では劣るが、装置構成を簡略化でき、さらに絶対付与量を大きくすることができる利点がある。各々実施例1〜3に対応している。付与量の制御は実施例1〜3と同様の方法で実施する。
図15(D)に示す実施例7は、ウェブ82にマット液200Lを含浸させておくのではなく、マット剤粒子200Pをウェブ82に保持させておく形態である。マット剤粒子200Pが飛散しないようにウェブ82は、より目の細かいものが好ましく、必要に応じて分散液成分を微量加えて(例えばマット剤を粘土状にして)付与しても良い。
図15(E)に示す実施例8は付与ローラを介さずに、マット液200Lあるいはマット剤粒子200Pを噴霧あるいは滴下する形態である。押圧ローラ188を介さないので、付与量の安定性及び少量付与の面では劣るが、装置構成を簡略化でき、絶対付与量を大きくすることができる利点がある。
図16(A)、(C)に示す実施例9、11は、マット液200Lを供給ヘッド85から噴霧あるいは滴下する形態である。実施例9の場合、噴射量は液の噴射圧、液の供給流量などのパラメータで制御でき、実施例11の場合、滴量は吐出圧などで制御できる。
図16(B)、(D)に示す実施例10・12は、マット剤粒子200Pの粉末を供給ヘッド85から噴霧あるいは滴下する形態である。噴霧量はヘッド開口部の噴射圧で制御しても良いし、供給ヘッド85の開口部を振動させ、その周波数によって制御しても良い。また、供給部にアニロクスローラのような計量ローラを設けてもよいし、計量ブレードで付与量を制御するようにしてもよい。
図17(A)、(C)に示す実施例13、15は、マット液200Lを供給ヘッド85から記録媒体Pへ噴霧あるいは滴下する形態である。実施例13の場合、噴射量は液の噴射圧、液の供給流量などのパラメータで制御でき、実施例15の場合、滴量は吐出圧などで制御できる。
図17(B)、(D)に示す実施例14、16は、マット剤粒子200Pの粉末を供給ヘッド85から記録媒体Pへ噴霧あるいは滴下する形態である。噴霧量はヘッド開口部の噴射圧で制御しても良いし、供給ヘッド85の開口部を振動させ、その周波数によって制御しても良い。また、供給部にアニロクスローラのような計量ローラを設けてもよいし、計量ブレードで付与量を制御するようにしてもよい。
上記の実施例1〜3、7、9〜12はいずれも、マット液200Lあるいはマット剤粒子200Pの粉末を、押圧ローラ188を介して記録媒体Pの表面に付与する形態である。押圧ローラ188上に計量ブレードを設けて、さらに付与量を調整できるようにしてもよい。また、ウェブ82による残留マット剤の回収機能がない実施例9〜12においては、押圧ローラ188にクリーニング機構を設けるのがより好ましい。
これに対して実施例4〜6、8、13〜16は、押圧ローラ188を介さずに、マット液200Lあるいはマット剤粒子200Pを、噴霧あるいは滴下する形態である。押圧ローラ188を介さないので、付与量の安定性及び少量付与の面では劣るが、装置構成を簡略化でき、絶対付与量を大きくすることができる利点がある。
<ウェブ、マット液の組成と性能評価>
以下のようにマット液200L、ウェブ82を調整し、実機(本実施形態に係るインクジェット記録装置100)で性能評価を行った。
1:ウェブ部材1の作成
・シリコーンオイル(「KF−96−100cs」、信越化学工業(株)製)70.0質量%
・ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子(日本触媒(株)製、「ケミスノーMX‐2000」、体積平均粒径20μm)30.0質量%
・シリコーンオイル(「KF−96−100cs」、信越化学工業(株)製)70.0質量%
・ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子(日本触媒(株)製、「ケミスノーMX‐2000」、体積平均粒径20μm)30.0質量%
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、粉末粒子分散液1を作製した。粉末粒子分散液1を不織布に150g/m2になるように含浸させ、ウェブ部材1を作製した。不織布は、呉羽テック(株)製KYS80(繊維1本あたりの空隙径85μm)を用いた。
<試験1:印刷ジョブ中の通紙枚数に応じたマット剤付与レベル設定(表面印刷時)>
上記のウェブ82を用いて、本願実施形態に係る印刷機にて、OKトップコート157gsm(王子製紙(株)製)に50mm幅のストライプ画像を、インク量5pLで、1,000枚表面印刷し、スタック、6時間経時後のスタッカーブロッキングの発生状態、マット剤(あるいは保持部材)の使用量について評価した。
以下に用いる、マット剤付与レベルの値とウェブ82の送り量、マット液200Lの供給液量の具体的な数値については図18にその一例を示す。
また1,000枚通紙中のマット剤付与レベル(付与量)のプロファイルは、図4のプロファイルを用いた。具体的なマット剤付与機構は図3、付与レベルの調整はウェブ82の送り量の設定変更で実施した。実機による評価結果を図5、図6に示す。なお、評価基準は以下の通りである。
(スタッカーブロッキング発生レベルの評価)
○:視認されず問題なし
○△:ミクロン単位で観察されるがほぼ問題なし
△:わずかに視認され、許容外
△×:部分的に視認される
×:顕著に視認される
○:視認されず問題なし
○△:ミクロン単位で観察されるがほぼ問題なし
△:わずかに視認され、許容外
△×:部分的に視認される
×:顕著に視認される
次いで、上記条件でオモテ面印刷を実施した1,000枚をマット剤未付与の条件で、裏面印刷し、装置内の汚染状況(オイル及びマット剤粒子の付着状態)を確認し、装置汚染レベルを評価した。さらに、上記汚染状態を維持したまま、マット剤未付与の条件で再度オモテ面印刷を1,000枚実施し、その後裏面印刷を実施し、オモテ/裏面画像の画像欠陥状態を評価した。
上記の「スタッカーブロッキング性能」、「マット剤使用量」、「装置汚染レベル」、及び、「画像欠陥」の各評価項目をまとめた評価結果を図7に示す。なお、評価基準は、以下のとおりである。
(スタッカーブロッキング性能)B以上が実施例
A:1,000枚通じて、全枚数○のみ
B:1,000枚通じて、全枚数○△以上のみ
C:1,000枚通じて、全枚数1枚でも△が存在
A:1,000枚通じて、全枚数○のみ
B:1,000枚通じて、全枚数○△以上のみ
C:1,000枚通じて、全枚数1枚でも△が存在
(マット剤使用量) B以上が実施例
A:使用量少なく、問題なし
B:使用量やや多いが、許容内
C:使用量が多く、許容外
A:使用量少なく、問題なし
B:使用量やや多いが、許容内
C:使用量が多く、許容外
(装置汚染レベル) B以上が実施例
A:装置汚染ほとんどなく、問題なし
B:装置汚染が少しあるが、許容内
C:装置汚染がひどく、許容外
A:装置汚染ほとんどなく、問題なし
B:装置汚染が少しあるが、許容内
C:装置汚染がひどく、許容外
(画像欠陥) B以上が実施例
A:画像欠陥なし
B:画像欠陥はミクロレベルにわずかに確認されるが許容内
C:画像欠陥がはっきり視認され、許容外
画像欠陥レベルが許容外(C)の比較例は、画像部分にオイルやマット剤粒子が付着し、インクハジキが発生していた。
A:画像欠陥なし
B:画像欠陥はミクロレベルにわずかに確認されるが許容内
C:画像欠陥がはっきり視認され、許容外
画像欠陥レベルが許容外(C)の比較例は、画像部分にオイルやマット剤粒子が付着し、インクハジキが発生していた。
上記評価結果のとおり、ジョブ中の通紙枚数の増加に応じてマット剤付与量を減少させていくことで、マット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止するマット剤付与装置とすることができることがわかった。
<試験2:ジョブ枚数に応じたマット剤付与レベル設定(表面印刷時)>
上記の試験1と同様の評価方法で、100〜2,000枚表面印刷し、スタック、6時間経時後のスタッカーブロッキングの発生状態を評価した。ジョブ枚数に応じて、図8に示すマット剤付与レベル(付与量)のプロファイルを用いた。
全ての実施例においてスタッカーブロッキング性能、マット剤消費量、装置汚染レベル、画像欠陥レベルは問題ないレベル(A)であった。
すなわち、1ジョブの通紙枚数の増加に応じてマット剤付与量を減少させていくことで、マット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止するマット剤付与装置とすることができることがわかった。
<試験3:インク量に応じたマット剤付与レベル設定(表面印刷時)1>
上記の試験1と同様の評価方法で、1,000枚表面印刷し、スタック、6時間経時後のスタッカーブロッキングの発生状態を評価した。画像データ中のベタ画像部の最大インク打滴量に応じて、図9に示すマット剤付与レベル(付与量)のプロファイルを用いた。この試験では、ジョブ中の画像データは1ジョブを通じてすべて同じ画像(非バリアブル)である。
全ての実施例においてスタッカーブロッキング性能、マット剤消費量、装置汚染レベル、画像欠陥レベルは問題ないレベル(A)であった。
すなわち、1ジョブの通紙枚数の増加に応じてマット剤付与量を減少させていくことで、インク吐出量を1〜5pLまで変化させてもマット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止するマット剤付与装置とすることができることがわかった。
<試験4:インク量に応じたマット剤付与レベル設定(表面印刷時)2>
上記の試験1と同様の評価方法で、1,000枚表面印刷し、6時間経時後のスタッカーブロッキングの発生状態を評価した。画像データ中のベタ画像部の最大インク打滴量に応じて、図10、図11に示すマット剤付与レベル(付与量)のプロファイルを用いた。この試験では、ジョブ中の画像データは200枚ごとに、ベタ画像部の最大インク打滴量を変更した。また、図10、図11に示すとおり、インク打滴量の変更に応じて、マット剤付与量も変化させている。
全ての実施例においてスタッカーブロッキング性能、マット剤消費量、装置汚染レベル、画像欠陥レベルは問題ないレベル(A)であった。
すなわち、1ジョブの通紙枚数の増加及びインク打滴量に応じてマット剤付与量を変化させていくことで、インク吐出量を1〜5pLあるいは5〜1pLまで変化させてもマット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止するマット剤付与装置とすることができることがわかった。
<試験5:印刷ジョブ中の通紙枚数に応じたマット剤付与レベル設定(両面印刷時)>
上記の試験1と同様の評価条件で、1,000枚表面印刷直後に、100枚ずつ10束に分けて10分間シーズニング(調湿)を実施、給紙部に裏面(印刷していない方の面)を上向きに、1〜100枚目の束が一番上になるように(901〜1,000枚目の束が一番下になるように)、束毎に順次セットし、直ちに裏面印刷を実施した。
次いで印刷終了後、スタック状態で6時間経時後に、両面スタッカーブロッキング(インク膜同士の接着)の発生状態を評価した。1,000枚通紙中のマット剤付与レベル(付与量)のプロファイルは、図12のプロファイルを用いた。
両面スタッカーブロッキングは、インク膜同士が接着するので、<試験1>のインク膜と紙面とが接着する片面スタッカーブロッキングよりも、発生レベルが厳しくなる。
図13に示す表の中において、実施例23は表面のマット剤付与量を減らし(プロファイルCを採用)、その分裏面のマット剤付与量を増やす(プロファイルBを採用)ことによって表裏面の総付与量を実施例18と同程度に維持し、実施例18(表裏ともプロファイルAを採用)と同等のスタッカーブロッキング性能を維持しつつ、装置汚染蓄積による画像欠陥を低減した実施例である。
逆に表面のマット剤付与量を増やし、裏面の付与量を減らすと、実施例22のように、装置汚染レベルが悪化する。
実施例24は実施例19〜21に対して装置汚染レベル、画像欠陥を低減した同様の例である。但し、表裏面でのマット剤200Pの総付与量が必要量に満たないと、比較例4〜6のように、スタッカーブロッキング性能が満足できない結果となる。
上記の結果から、両面印刷時においては表に付与するマット剤200Pの量を減らしても裏面に付与する量を増やすことで、マット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止するマット剤付与装置とすることができることがわかった。
<他の実施形態>
上記実施形態においては、印刷ジョブ中の通紙枚数に応じてマット剤付与量を制御する形態であったが、ジョブ単位でこれを制御する形態としても良い。例えば、印刷枚数100枚のジョブと、印刷枚数300枚のジョブの場合、前者の方がスタッカーブロッキングが生じ難いので、後者よりもマット剤付与量を減少させる等の形態が考えられる。
上記実施形態においては、印刷ジョブ中の通紙枚数に応じてマット剤付与量を制御する形態であったが、ジョブ単位でこれを制御する形態としても良い。例えば、印刷枚数100枚のジョブと、印刷枚数300枚のジョブの場合、前者の方がスタッカーブロッキングが生じ難いので、後者よりもマット剤付与量を減少させる等の形態が考えられる。
この際、ジョブ単位のマット剤付与量は一定にしても良く、また、上記実施形態のように、ジョブ中の通紙枚数の増加に応じて付与量を減少させる等しても良い。
<まとめ>
以上説明したように、通紙枚数の増加(ジョブ内、および積算)に対してマット剤付与量が減少するように制御することによって、マット剤粒子の消費量を最小限に抑えつつ、効果的にスタッカーブロッキングを防止するマット剤付与装置とすることができることがわかった。
しかし通紙枚数に対するマット剤付与量のプロファイルは上記各実施例に限定されることなく、スタッカーブロッキング性能が破綻しない範囲で、なるべくマット剤使用量を節約できるプロファイルを設定するのが望ましく、通紙枚数/紙種/インク量、各々の組み合わせに応じて、適切なプロファイルを設定、選択することが好ましい。
また紙種(紙坪量含む)とインク量との組み合わせにより、最適な結果を得るのに必要なマット剤粒子200Pの付与量は異なるため、適宜プロファイルを選択できるようにしておくことが好ましい。すなわち紙厚が厚いほど、スタッカ内で積載時の印刷物重量が大きくなるので、マット剤付与量は多く設定する必要がある。
さらにジョブ枚数自体によっても、必要付与量を調整することが好ましい。ジョブ枚数が少ないほど、マット剤付与量を少なくするのが好ましい。そのような場合、例えば、標準ジョブ枚数が1000枚の紙種で、300枚のジョブを実施するときは、1000枚中の後半300枚のプロファイルを使用すれば良い。
また両面スタッカーブロッキングは、インク膜同士が接着するので、インク膜と紙面が接着する片面スタッカーブロッキングよりも、発生レベルが厳しくなる。両面印刷時のマット剤付与量の目安は片面スタッカーブロッキングの倍であるが、紙厚の厚い、インク量が多いといった場合は、倍以上の付与量が必要となる場合がある。
さらに両面印刷時は、表面印刷時のマット剤付与量よりも、裏面印刷時のマット剤付与量を多くすることが望ましい。表面印刷時にマット剤を多量に付与してしまうと、裏面通紙時に搬送体表面がマット剤及び分散媒(オイル)によって汚染され易くなり、次ジョブの表面印刷時に用紙裏面に汚染物が付着し、裏面印刷時にインクハジキなどの画像欠陥を誘発する懸念があるためである。また、汚れが装置内の塗布ローラや用紙抑えローラなどに付着し、用紙表面に再転写すると、これも画像欠陥の原因となる虞がある。
<その他>
以上、本発明の実施例について記述したが、本発明は上記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
例えば上記実施形態では熱可塑性樹脂と色材とを含んだ水性インクを用いたインクジェット記録装置の構成を例に挙げたが、これに限定せず例えば紫外線硬化インクを用いた構成、及び普通紙に通常のインクを吐出するインクジェット方式の構成であれば本発明の実施形態が適用される機構とされていてもよい。
80 マット液塗布部
82 ウェブ(付与部材)
83A 供給側芯金
83B 巻取側芯金
84A ロッド
84B ロッド
84C ローラ部材
85 供給ヘッド
100 インクジェット記録装置
184 定着ドラム
200L マット液
200P マット剤粒子
P 記録媒体
82 ウェブ(付与部材)
83A 供給側芯金
83B 巻取側芯金
84A ロッド
84B ロッド
84C ローラ部材
85 供給ヘッド
100 インクジェット記録装置
184 定着ドラム
200L マット液
200P マット剤粒子
P 記録媒体
Claims (17)
- マット剤粒子を記録媒体の印刷面に付与する付与手段を有し、
前記付与手段から前記記録媒体の印刷面に付与される前記マット剤粒子の付与量を、印刷ジョブ枚数または印刷ジョブ中の通紙枚数に応じて制御することを特徴とする、マット剤付与装置
- 前記マット剤粒子の付与量制御は、印刷ジョブ枚数が少なくなるに従って付与量を減少させることを特徴とする請求項1に記載のマット剤付与装置。
- 前記マット剤粒子の付与量制御は、印刷ジョブ中の通紙枚数が増えるにしたがって付与量を減少させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマット剤付与装置。
- 前記マット剤粒子の付与量制御は、印刷ジョブ中の特定の通紙枚数までは付与量を一定に維持し、特定枚数の通紙以降は付与量を減少させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマット剤付与装置。
- 前記マット剤粒子の付与量制御は、両面印刷時において、表面印刷時よりも裏面印刷時にマット剤付与量を多くすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のマット剤付与装置。
- マット剤粒子を記録媒体の印刷面に付与する付与手段を有し、
前記付与手段から前記記録媒体の印刷面に付与される前記マット剤粒子の付与量を、
印刷ジョブ中の画像データのインク量に応じて制御することを特徴とするマット剤付与装置。
- 外周面に供給されたマット剤粒子を記録媒体の印刷面に押圧付与する付与ローラと、前記付与ローラの外周面にマット剤粒子を供給するマット剤供給手段と、を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のマット剤付与装置。
- マット剤粒子を含むマット液を含浸した付与部材を付与ローラに接触させ、前記付与ローラ表面に転写したマット剤粒子を前記記録媒体の印刷面に転写する、または前記記録媒体の印刷面に前記付与部材からマット剤粒子を直接転写することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のマット剤付与装置。
- 前記付与部材には印刷動作前に予め前記マット液を含浸させておくことを特徴とする請求項8に記載のマット剤付与装置。
- 前記付与部材には印刷動作中に供給手段より前記マット液を供給することを特徴とする請求項8に記載のマット剤付与装置。
- 粉体のマット剤粒子を供給する付与部材を付与ローラに接触させ、前記付与ローラ表面に転写したマット剤粒子を前記記録媒体の印刷面に転写する、または前記記録媒体の印刷面に前記付与部材からマット剤粒子を直接転写することを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のマット剤付与装置。
- 粉体のマット剤、またはマット剤粒子を含むマット液を、前記付与ローラ表面あるいは前記記録媒体の表面に直接噴霧あるいは滴下させる付与手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のマット剤付与装置。
- 前記マット剤粒子の付与量制御は、前記付与部材が前記付与ローラまたは前記記録媒体の印刷面に接触する時間あるいは接触面積いずれかの制御であることを特徴とする請求項7〜請求項11の何れか1項に記載のマット剤付与装置。
- 前記マット剤粒子の付与量制御は、粉体の前記マット剤粒子の供給量あるいはマット剤粒子を含む前記マット液の供給量制御であることを特徴とする請求項7〜請求項11の何れか1項に記載のマット剤付与装置。
- 前記付与部材が前記付与ローラ表面あるいは前記記録媒体の表面に接触する部分は所定のタイミングで更新され、更新1回ごとの前記付与部材の送り量、または更新1回あたりの通紙枚数で前記マット剤粒子の付与量制御を行うことを特徴とする請求項13に記載のマット剤付与装置。
- 前記付与部材は供給ロールに巻き取られており、前記付与部材を巻き取る巻取りロールの巻取り量に応じて一回ごとの前記付与部材の送り出し量を補正することを特徴とする請求項15に記載のマット剤付与装置。
- 請求項1〜請求項16の何れか1項に記載のマット剤付与装置を備えたインクジェット記録装置。
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JP2011040703A JP2012176551A (ja) | 2011-02-25 | 2011-02-25 | マット剤付与装置およびインクジェット記録装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017165064A (ja) * | 2016-03-18 | 2017-09-21 | 株式会社リコー | 画像形成方法、噴霧装置、画像形成装置 |
JP2019031019A (ja) * | 2017-08-08 | 2019-02-28 | 株式会社リコー | 搬送装置、画像形成装置、液体を吐出する装置 |
JP2020175665A (ja) * | 2020-07-02 | 2020-10-29 | 株式会社リコー | 画像形成装置、画像形成方法 |
-
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- 2011-02-25 JP JP2011040703A patent/JP2012176551A/ja not_active Withdrawn
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