JP2014042876A - 塗布ノズル、塗布装置、および塗布方法 - Google Patents

塗布ノズル、塗布装置、および塗布方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 塗布効率を高めた塗布ノズル等を提供する。
【解決手段】 塗布ノズル10は、塗布液を吐出させる吐出口16と、塗布液に接触することで吐出口16に塗布液を留めさせ、この塗布液25を、1粒の液滴状態にして保持するアームキット11と、吐出口16に留まる液滴25Dに、芯体21を進入させるための通行路17とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、塗布ノズル、塗布装置、および塗布方法に関する。
狭心症または心筋梗塞等の治療では、冠状動脈の狭窄部に対して、経皮的冠動脈再建手術(PTCA)等が行われる。このPTCAでは、カテーテルのような長尺な芯体である医療器具が、血管に挿入される。そのため、このようなカテーテルには、例えば、接触時の抵抗による苦痛・生体への損傷を軽減させるために、潤滑性を有する表面コーティングが付与されることが多い。
長尺な芯体に対して表面コーティングとなる塗布液を塗布する方法は、種々存在する。例えば、特許文献1に記載のような、スプレー方式である。そして、この特許文献1に記載のスプレー方式では、複数の吐出口を有する塗布ノズルが用いられており、塗布液は、吐出口を通じて噴霧される。このような塗布ノズルを用いたスプレー方式は、膜厚の制御、または、部分的な塗布に向いている。
特開2012-65980号公報
しかしながら、スプレー方式の塗布効率は、噴射するすべての塗布液が被塗布物に付着しないという性質上、あまり高くない。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。そして、その目的は、吐出口から吐出される塗布液を無駄なく用いることで、塗布効率を高めた塗布ノズル、および、それを備える塗布装置、さらには、塗布方法を提供することにある。
塗布ノズルは、塗布液を吐出させる吐出口と、塗布液に接触することで吐出口に塗布液を留めさせ、塗布液を1粒の液滴状態にして保持する保持部と、液滴状態の塗布液に、芯体を進入させるための通行路と、を含む。
また、吐出口に塗布液を導く流路は、自身の全長方向を、吐出口から吐出される塗布液の垂れ下がる方向に沿わせる、と望ましい。
また、保持部は、塗布液に接触する保持片を、単数または複数含み、少なくとも1個以上の保持片は、少なくとも一部を、吐出口から吐出される塗布液の垂れ下がる方向に沿わせつつ、延びる、と望ましい。
また、少なくとも1個以上の保持片は、自身の一部を、水平方向に沿わせつつ、延びる、と望ましい。
また、保持片が複数有る場合、それら保持片の少なくとも一部の配置が、対向配置、または、円周多点配置である、と望ましい。
また、保持片が複数有る場合、保持片は、吐出口から放射状に拡がっている、と望ましい。
また、保持片が複数有る場合、保持片同士の間隔が、通行路となる、と望ましい。
また、吐出口は、保持片に形成される、と望ましい。
なお、以上のような塗布ノズルを含む塗布装置も、本発明といえる。そして、このような塗布装置は、塗布液を貯留する貯留部と、貯留部の塗布液を、流路に導く流通部と、流通部に塗布液を供給する供給部と、供給部による供給量を調整する制御部と、を含む、と望ましい。
また、塗布装置は、芯体と、塗布ノズルとを相対的に移動させる移動部を含む、と望ましい。
なお、以下に示すような、塗布ノズルで、芯体に塗布液を塗布させる塗布方法も本発明である。すなわち、塗布液を、塗布ノズルの吐出口にて、1粒の液滴状態に保持する第1工程と、塗布ノズルと芯体との相対的な移動によって、芯体に液滴状態の塗布液を塗布させる第2工程と、を含む塗布方法も、本発明である。
本発明の塗布ノズルは、吐出口から吐出される塗布液を1粒の液滴状態にすることで、比較的少量の塗布液を無駄なく用いて芯体を塗布し、スプレー式の塗布ノズルに比べて、塗布効率を高める。
は、塗布ノズルの斜視図である。 は、図1における断面図で、図2AはA−A’線矢視断面図、図2BはB−B’線矢視断面図、図2CはC−C’線矢視断面図、である。 は、塗布ノズルの斜視図である。 は、塗布ノズルの斜視図である。 は、塗布ノズルの斜視図である。 は、塗布ノズルの斜視図である。 では、図7Aは塗布ノズルの斜視図であり、図7Bは塗布ノズルの吐出口を平面視した平面図である。 では、図8Aは塗布ノズルの斜視図であり、図8Bは塗布ノズルの吐出口を平面視した平面図である。 では、図9Aは塗布ノズルの斜視図であり、図9Bは塗布ノズルの吐出口を平面視した平面図である。 は、塗布ノズルの吐出口を平面視した平面図である。 は、塗布ノズルの吐出口を平面視した平面図である。 では、図12Aは塗布ノズルの斜視図であり、図12Bは塗布ノズルの吐出口を平面視した平面図である。 は、塗布装置の構成図である。 は、塗布装置の構成図である。
[実施の形態1]
実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。また、以降の説明で挙がる液滴は、便宜上、点線で図示するときもあるが、平面図では、省略する。
図13は、芯体(被塗布物)21に対して塗布液を塗布する塗布装置30を示す。塗布装置30は、タンク[貯留部]31、流通チューブ[流通部]32、シリンジポンプ[供給部]33、塗布ノズル10、ワーク固定治具34、スライダーユニット[移動部]36、およびパーソナルコンピューター[制御部]37を含む。
芯体21は、ワークとも称され、特に限定されるものではないが、全長1〜2メートル[m]程度、外径0.0〜2.0ミリメートル[mm]程度の細長い部材(円筒状または棒状等)を想定しており、例えば、カテーテルのカテーテルチューブ、またはカテーテルと併用するガイドワイヤーが挙げられる。
また、芯体21は、断面形状も、特に限定されない。また、芯体21の材料も、特に限定されず、例えば、金属であっても、ナイロン、ウレタン、またはポリエチレン系の樹脂であっても構わない。
塗布液(液体)25は、例えば親水性コーティング液が挙げられるが、特に限定されるものではない。なお、親水性コーティング液は、親水性の樹脂を、テトラヒドロフランまたはアセトン等の溶媒に一定量希釈したものが挙げられる。
タンク31は、塗布液25を、例えば1リットル[l]程度貯留する。そのため、このタンク31は、塗布液25の貯留に耐え得る材料で形成される。例えば、塗布液25が、親水性の樹脂を、テトラヒドロフランまたはアセトン等の溶媒に一定量希釈したものである場合、タンク31は、硝子または金属といった耐薬品性(耐久性)の有る材質で形成される。
なお、塗布液25が、含水量によって品質劣化を来すものであったり、揮発性の溶媒であったりする場合、塗布液25の品質維持のために、タンク31は、密封容器であると望ましい。
流通チューブ32は、塗布液25を塗布ノズル10に導く。そのため、流通チューブ32は、タンク31と塗布ノズル10との間に配置され、タンク31内の塗布液25を塗布ノズル10に向けて流す。なお、流通チューブ32は、タンク31同様に、塗布液25に対して耐久性を有する材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)で形成される。
シリンジポンプ33は、流通チューブ32につなげられたシリンジ(不図示)と、シリンジの押し子を制御するサーボモーター(不図示)とを含む。そして、このシリンジポンプ33は、タンク31から塗布液25を吸引するとともに、任意量を塗布ノズル10へと送り出す。なお、塗布ノズル10に供給される塗布液25の量は、例えばカテーテルチューブの場合、10〜50[ml/min]程度の範囲で制御される。
塗布ノズル10は、延びた芯体21に対して、塗布液25を塗布する(詳細は後述する)。そこで、この塗布ノズル10は、芯体21に対して移動しつつ塗布する。すなわち、図13に示される塗布装置30は、不動な芯体21に対して塗布ノズル10を移動させるタイプである。そのため、この塗布装置30には、芯体21を固定させるワーク固定治具34が搭載される。
ワーク固定治具34は、芯体21を固定させられれば、特に限定されるものではなく、例えば、クリップ34Cを内蔵する。ワーク固定治具34の個数は、特に限定されるものではないが、カテーテルチューブまたはガイドワイヤー等の重力方向に向けて撓みやすい芯体21の場合、複数個、ワーク固定治具34が搭載されると望ましい。なお、複数個のワーク固定治具34が、芯体21に対して配置される場合、ワーク固定治具34同士の間隔は、適宜変更されればよい。
また、ワーク固定治具34は、芯体21を直接把持することなく、例えば、芯体21の内腔に差し込まれ、内腔の端部から突き出たマンドレル34Mを把持しているが、これに限定されることなく、芯体21を把持しても構わない。また、必要に応じて、ワーク固定治具34同士の間隔を広げて、芯体21を、全長方向に沿って張らせる機構(張力供給機構)が、塗布装置30に内蔵されていてもよい。
スライダーユニット(一軸電動アクチュエータ)36は、塗布ノズル10を移動させるもので、レール36R、スライダー36S、およびサーボモーター36Mを含む。
レール36Rは、スライダー36Sの軌道部材で、例えば、不動の芯体21の全長方向(軸方向、1つの軸方向)に沿うように、延びた形状である。スライダー36Sは、塗布ノズル10を固定するためのクリップ36C等を有し、かつ、レール36Rに装着されて、レール36Rの全長方向に沿って移動する。サーボモーター36Mは、スライダー36Sにレール36Rを移動するための駆動力を供給する駆動源である。
なお、レール36Rへのスライダー36Sの装着機構および移動機構、並びに、スライダー36Sに対する動力伝達機構は、特に限定されるものではないが、これら機構は、レール36Rの全長方向(一軸方向)に対する交差方向に、スライダー36Sを変位させない仕組みである。このようになっていると、塗布ノズル10と芯体21との距離が均一なままで、塗布ノズル10がレール36Rに沿ってスライドするため、芯体21に対する塗布液25の付着量が一定となり、芯体21への塗布状態が良好になるためである。
パーソナルコンピューター(PC)37は、搭載されたCPU(Central Processing Unit)を用いて、シリンジポンプ33およびスライダー36Sの動作を制御する(例えば、PC37がシーケンサ制御する)。詳説すると、PC37は、シリンジポンプ33の動作を制御することで、塗布ノズル10への塗布液25の供給量を調整する(例えば、20ml/min程度)。また、PC37は、サーボモーター36Mの駆動を制御することで、スライダー36Sの移動速度(例えば、10mm/sec程度)または移動距離(例えば、1.5mの芯体21の先端から0.5m程度)を調整する。
なお、塗布ノズル10への塗布液25の供給量、または、スライダー36Sの移動速度若しくは移動距離は、芯体21に対する膜厚を所望値にすべく、塗布液25の材料または芯体21の寸法等を考慮して、設定される。
また、PC37は、カメラ等のセンサー38で、塗布ノズル10の吐出口16付近の塗布液25を画像撮影し、その画像を画像処理等することで、塗布液25状態を把握し、その状態に応じて、塗布ノズル10への塗布液25の供給量、または、スライダー36Sの移動速度若しくは移動距離を、リアルタイムで決定してもよい(いわゆる、フィードバック制御を、PC37が行ってもよい)。
ここで、塗布ノズル10について、図1および図2を用いて詳説する。図1は、塗布ノズル10の部分拡大図で、図2A、図2B、図2Cは、図1におけるA−A’線矢視断面図、B−B’線矢視断面図、C−C’線矢視断面図である。
図1に示すように、塗布ノズル10は、流路15、吐出口16、アームキット[保持部]11、および通行路17を含む。
流路15は、塗布ノズル10の筐体10Hに形成された内腔で、流通チューブ32から流れ出る塗布液25を流す通行路である。流路15の形状は、特に限定されるものではないが、例えば、円形の内径を延ばした円柱部分が含まれていると望ましい。
このような円柱部分を含む形状の場合、流路15を流れる塗布液25に対して、過剰な圧力または摩擦抵抗がかからず、シリンジポンプ33への負荷が軽減されるためである。なお、図1に示される流路15の端部は、他部分に比べて小径の内径を延ばした円柱部分を含み、この部分は吐出路15Aと称される。
また、塗布ノズル10の筐体10Hの材料は、流通チューブ32またはタンク31同様に、塗布液25に対して耐久性を有する材料で形成される。例えば、加工容易で、耐薬品性も高いステンレスが、一例として挙げられる。また、塗布ノズル10に対して、芯体21が触れることもあり得るので、塗布ノズル10の表面に、芯体21に対してダメージを与えないような、表面加工が施されていてもよい。
吐出口16は、流路15の先端の口部分で、流路15内の塗布液25を、外部に向けて吐き出す出口である。そして、この吐出口16の開口面積は、吐出量制御のため、適切な面積に設定される。例えば、開口面積が小さすぎると、塗布液25がスプレー状に噴出してしまい、吐出量を所望量に制御できない。一方で、開口面積が大きすぎると、塗布液25が多量に流れ出て、吐出量を所望量に制御できない。なお、吐出口16の個数は、単数でも複数でも構わない。
アームキット11は、例えば2本のアーム[保持片]12・12で形成されており、塗布液25に接触することで、吐出口16に塗布液25を留めさせ、この塗布液25を1粒の液滴25Dにして保持する(ここでの液適25Dとは、吐出口16に連なりつつ、塊状になって、その吐出口16付近に留まっている状態を意味する)。
詳説すると、アーム12・12は、弓状部材等で、吐出口16付近にて、対向配置される(なお、図1に示される塗布ノズル10の場合、吐出口16を挟むように、アーム12・12が対向配置される)。また、アーム12は、少なくとも一部を、吐出口16から吐出される塗布液25の垂れ下がる方向(例えば、重力方向G)に沿わせている(この重力方向Gに延びた部分を、アーム水平部12Gとも称する)
このようになっていると、吐出口16から流れてきた塗布液25は、吐出口16付近に形成されるアーム12・12に触れる(なお、吐出口16に対する各アーム12の距離は、吐出する塗布液25に触れるような距離に設定される)。さらに、アーム12・12は、対向配置されているため、吐出口16から流れ出る塗布液25を挟む。
この結果、アームキット11は、吐出口16に塗布液25を留めさせ、この塗布液25を1粒の液滴状態にして保持する(なお、このように、塗布液25を、塗布ノズル10の吐出口16にて、1粒の液滴状態に保持する工程を、第1工程と称する)。
通行路17は、アーム12とアーム12との間の空間であり、液滴状態の塗布液25が位置する部分である。そして、例えば図1に示される塗布液25のような場合、通行路17に位置する塗布液25の液滴25Dに対して、芯体21が進入することで、この芯体21に塗布液25が塗布される(なお、塗布ノズル10と芯体21との相対的な移動によって、芯体21に、液滴状態の塗布液25を塗布させる工程を、第2工程と称する)。
すなわち、塗布ノズル10における通行路17に、芯体21が収まり(要は、芯体21がアーム12・12に挟まる状態で)、アーム12・12の並ぶ方向(対向方向)に対して交差する方向Pに、塗布ノズル10がスライダー36Sによって移動する。そして、この方向Pが芯体21の全長方向に沿っていると、塗布ノズル10は、塗布液25を、芯体21の全長方向の必要範囲に亘って塗り付ける(なお、必要範囲は、芯体21の全長の範囲であったり、例えば1.5mの芯体21の先端から0.5mまでの範囲であったりして構わない)。
以上のような塗布ノズル10は、塗布液25を吐出させる吐出口16を含む。さらに、塗布ノズル10は、塗布液25に接触することで吐出口16に塗布液25を留めさせ、この塗布液25を、1粒の液滴状態にして保持するアームキット11を含むとともに、液滴状態の塗布液25Dに、芯体21を進入させるための通行路17も含む。
このような塗布ノズル10であれば、通行路17に収まる芯体21と、塗布ノズル10とが相対的に移動すると、垂れ流れることなく吐出口16に留まった塗布液25が、芯体21に塗布される。すなわち、この塗布ノズル10は、吐出口16から吐出される塗布液25を無駄なく用いることで(要は、塗布液25を捨てることなく)、比較的少量の塗布液25だけで、芯体21を塗布する。よって、この塗布ノズル10は、塗布液の一部を捨てつつ芯体を塗布するスプレー式の塗布ノズルに比べて、塗布効率を高めている。
なお、芯体21が通行路17に収まるタイミングは、特に限定されない。例えば、アーム12・12の間隔(すなわち通行路17)に、液滴25Dが形成された後に、芯体21が、通行路17に収められてもよい。また、アーム12・12の間隔に、液滴25Dが形成される前に、芯体21が通行路17に収められ、液滴25Dが芯体21に重なるようにして、形成されてもよい。
要は、アーム12・12の間隔に液滴25Dが保持される状態になるのであれば、この間隔(通行路17)における芯体21の挿入タイミングは、いつであっても構わない。例えば、塗布液25が比較的高い表面張力を有する場合には、通行路17に液滴25Dが形成された後に、芯体21が収められてもよい。一方で、塗布液25が比較的低い表面張力を有する場合には、通行路17に芯体21が収められた状態にされ、この芯体21およびアーム12・12に塗布液25が付着することで、効率よく、液滴25Dが形成されてもよい。
また、吐出口16に塗布液25を導く流路15は、自身の全長方向を、吐出口16から吐出される塗布液25の垂れ下がる方向、すなわち重力方向Gに沿わせている。このようになっていると、塗布液25が流れやすくなってアームキット11に到達しやすくなり、さらにアームキット11が、塗布液25を効率よく受けて、吐出口16に塗布液25を留めさせ、その塗布液25を1粒の液滴状態にして保持しやすくなる。
その上、吐出路15Aを含む流路15が、重力方向Gに沿って延びているだけでなく、吐出口16の開口面が水平面に向いていると、より一層、塗布液25がアームキット11に到達しやすくなる。
また、アームキット11は、塗布液25に接触するアーム12を含む。このアーム12は、少なくとも一部を、吐出口16から吐出される塗布液25の垂れ下がる方向に沿わせつつ、延びる。
このようなアーム12であれば、吐出口16から流れ落ちようとする塗布液25が効率よく付着し、吐出口16から落ちない。また、図1に示される塗布ノズル10であれば、アーム12が2個有るため、1個に比べて、一層、塗布液25が吐出口16に留まりやすくなる。
なお、アーム12が複数有る場合、それらは対向して配置されると望ましい。例えば、図1および図2Cに示されるように、吐出口16を挟んで対向し、アーム12・12が配置されてもよい。
このようになっていると、塗布液25は、アーム12・12に挟み込まれるように付着するので、これらアーム12・12に効率よく保持され、その結果、塗布液25が吐出口16から落ちない。
また、アーム12・12同士の間隔が、通行路17になっており、その通行路17を芯体21が通る場合、吐出口16から落ちることなく、アーム12・12に強固に保持された液滴状態の塗布液25に対して、芯体21が進入、進行していく。そのため、塗布液25が、延びた芯体21の全域に、安定して、塗布される。
なお、アーム12・12同士の間隔は、芯体21の外径よりも長いと望ましい。このようになっていると、これらアーム12・12の間に位置する塗布液25は、芯体21の断面積{芯体21全長方向に対する交差断面積(例えば、直交断面積)}よりも、広面積な膜を形成しながら、吐出口16にぶら下がる。すると、アーム12とアーム12との間に、芯体21が挟まれる場合、芯体21の周方向全域に対して塗布液25が、効率よく塗布される。
さらには、各アーム12の先端から末端までを結ぶ長さが、芯体21の外径よりも長いと、芯体21の周方向全域に対して塗布液25が、一層効率よく塗布される。
なお、塗布ノズル10は、多々種類がある。例えば、図3に示されるように、アームキット11が、リングになっていてもよい{別表現すると、2つのアーム12・12が連なって、リング(英字のO状)になっていてもよい}。
また、図4に示されるように、アームキット11における一方のアーム12の先端と、他方のアーム12の先端との空き口13が、図1に示される塗布ノズル10のように下方(重力方向G)に向かず、左右方向に向いていてもよい(別表現すると、空き口13が水平方向に向いて、アームキット11が英字のC状になっていてもよい)。
なお、図4に示されるように、吐出口16は、アーム12に形成されていてもよい。詳説すると、吐出口16は、水平方向に沿うようにして、空き口13に対向配置されていてもよい。
以上のような図3および図4に示されるような塗布ノズル10であっても、吐出口16、アームキット11、およびアーム12・12同士の間隔で形成される通行路17、を含む。さらに、アーム12・12は、少なくとも一部を、吐出口16から吐出される塗布液25の垂れ下がる方向に沿わせているし、アーム12・12は向かい合う。そのため、これら塗布ノズル10は、図1に示される塗布ノズル10同様の作用効果を奏ずる。
さらに、図3および図4におけるアームキット11は、自身の一部を、水平方向Hに沿わせつつ、延ばす(この水平方向Hに延びた部分を、アーム水平部12Hとも称する)。詳説すると、アーム水平部12Hは、吐出口16から流れてくる塗布液25の移動をせき止めるように、水平方向Hに延びる(すなわち、アーム水平部12Hは、重力方向Gにおいて吐出口16よりも下方に、位置する)。
すると、このアーム水平部12Hを含むアームキット11は、付着する液滴状態の塗布液25を、反重力方向側から受け止める。そのため、このアームキット11は、より強固に、塗布液25に接触することで、その塗布液25を吐出口16に確実に留めさせ、さらには、この塗布液25を、容易に1粒の液滴状態にして保持する。
また、図5に示されるように、空き口13は重力方向Gに向くものの、流路15は水平方向Hに向いた塗布ノズル10であっても構わない(なお、このような塗布ノズル10は横型と称され、図1〜図4のような塗布ノズル10は縦型と称される)。
なお、以上のような塗布ノズル10またはその他形状の塗布ノズル10は、塗布液25の材料、空き口13を通じた芯体21の配置のやりやすさ、芯体21の構造(太さ、形状、または硬さ等)、または、シリンジポンプ33の配置等の様々な点を考慮して、最適なものが選択される。
また、芯体21の構造に応じて、通行路17への芯体21の配置のしやすさが変わるので、それに応じて、空き口13の配置が、重力方向に向いていてもよいし、水平方向に向いていてもよい(なお、空き口13の間隔は、芯体21の外径よりも長い)。
なお、塗布ノズル10の作成方法は、特に限定されるものではない。例えば、図1〜図5に示されるような塗布ノズル10の場合、ステンレスパイプ(筐体10Hとなる部材)の端部を、内腔を塞ぐ程度に側面から押し潰し、その後、所望の空間(通行路17)が得られるように切削する。そして、通行路17を形成するステンレスパイプの一部に、流路15につながる吐出路15Aを、ドリル等で開ける。これにより、塗布ノズル10は完成する。
また、図6に示されるように、ステンレスパイプ等の円筒部材の端部を押しつぶすことなく、その円筒部材の端部の縁に、2つの切欠17・17(例えば、弓状の切欠17・17)を形成させた塗布ノズル10であっても構わない。このような塗布ノズル10では、切欠17・17が通行路17、通行路17の縁となる円筒部材の一部がアーム12・12、円筒部材の内腔が流路15、流路15の先端が吐出口16になる。
したがって、図6に示されるような塗布ノズル10であっても、吐出口16、アームキット11、およびアーム12・12同士の間隔で形成される通行路17、を含む。さらに、アーム12・12は、少なくとも一部を、吐出口16から吐出される塗布液25の垂れ下がる方向に沿わせているし、アーム12・12は向かい合う。そのため、これら塗布ノズル10は、図1に示される塗布ノズル10同様の作用効果を奏ずる。
なお、図1〜図5と図6とに示される塗布ノズル10の吐出口16の開口面積は、異なるが、問題は無い。通常、シリンジポンプ33からの塗布液25の供給量が一定である場合、吐出口16の開口面積が小さいほど、吐出に要する圧力が高くなる。そのため、吐出口16の開口面積が小さすぎると、塗布液25はスプレー状に噴霧される一方、吐出口16の開口面積が大きすぎると、塗布液25が液滴にならずに落下してしまう。そこで、塗布液25の供給量および塗布液25の表面張力等も考慮した上で、塗布液25を液滴状態にするために適した開口面積が設定されていればよい。
また、以上では、アームキット11は、筐体10Hと一体構造(筐体10Hとアームキット11とが、製造段階から完成に至るまで一体不可分な構造)であったが、これに限定されるものではない。例えば、図7〜図9に示されるように、アームキット11と筐体10Hとが別体で、これらが、製造段階にて連結された別体構造であっても構わない(連結は、例えば、溶接、接着剤による接着、その他種々接合が挙げられる)。
なお、図7〜図9(これら図におけるA図は斜視図、B図は吐出口16を平面視した平面図である)の塗布ノズル10において、筐体10Hは円筒状部材で、内腔が流路15、流路15の先端が吐出口16となる。
図7は、羽根状のアーム12・12を、筐体10Hの吐出口16付近に取り付けた塗布ノズル10を示す。そして、羽根状のアーム12・12は、板状部材の一角をR加工することで、曲線状の縁とし、この曲線状の縁が、吐出口16を挟んで対向配置される。
図8は、湾曲棒のアーム12・12を、筐体10Hの吐出口16付近に取り付けた塗布ノズル10を示す。そして、湾曲棒のアーム12・12は、湾曲の内側を吐出口16を挟んで対向配置される。なお、湾曲棒のアーム12・12、湾曲の度合いを強めることで、アーム12・12の一部を、水平方向Hに沿わせてもよい。
図9は、直線棒のアーム12・12を筐体10Hに取り付けた塗布ノズル10を示す。そして、直線棒のアーム12・12は、吐出口16を挟んで対向配置される。
そして、図7〜図9に示されるような塗布ノズル10であっても、吐出口16、アームキット11、およびアーム12・12同士の間隔で形成される通行路17、を含む。さらに、アーム12・12は、少なくとも一部を、吐出口16から吐出される塗布液25の垂れ下がる方向に沿わせているし、アーム12・12は向かい合う。そのため、これら塗布ノズル10は、図1に示される塗布ノズル10同様の作用効果を奏ずる。
ところで、以上で説明した塗布ノズル10では、アーム12・12が吐出口16を挟んで対向配置されているが、これに限定されるものではない。例えば、吐出口16を平面視した平面図である図10に示されるように、直線棒のアーム12・12が、吐出口16を挟むことなく、対向配置されていてもよい。このようになっていても、吐出口16から流れ出る塗布液25は、アーム12・12に付着するので、この付着の影響で、吐出口16に塗布液25が留まり、塗布液25が1粒の液滴状態になるためである。
また、塗布ノズル10は、吐出口16に塗布液25を留まらせ、塗布液25を1粒の液滴状態にできるのであれば、アーム12の本数を、1個にしても3個以上の多数にしてもよい(要は、アーム12は、少なくとも1個以上あればよい)。例えば、図11の平面図に示されるように、アーム12が4個あり、それらが、吐出口16の周囲に、4点配置(円周4点配置)されていてもよい。このような塗布ノズル10であれば、アーム12の個数が多い影響で、吐出口16に塗布液25が一層留まりやすくなり、高確率で、塗布液25が1粒の液滴状態になるためである。
なお、図11に示されるアーム12は、等間隔で配置されているが、これに限定されるものではなく、不均等間隔で配置されていてもよい。また、アーム12の全てが、対向配置または円周多点配置されている必要はなく、複数のアーム12は、それらの少なくとも一部の配置が、対向配置、または、円周多点配置であればよい。
また、塗布ノズル10におけるアーム12の形状も多々種類ある。例えば、図12に示されるように(A図は斜視図、B図は吐出口16を平面視した平面図である)、アーム12が、4個取り付けられ、それらが、吐出口16から放射状に拡がっていてもよい(放射方向Rに、アーム12が延びていてもよい)。その上、これらアーム12は、放射方向Rに延びるだけでなく、少なくとも一部を、吐出口16から吐出される塗布液25の垂れ下がる方向に沿わせている。
このようなアーム12は、塗布液25の液滴形状に沿いやすい。そのため、アーム12は、比較的広面積で、液滴状態の塗布液25に接触し、安定してその塗布液25を保持する。なお、アーム12の形状は、以上のようなものに限定されるものではなく、塗布液25の表面張力若しくは粘度、または、芯体21の構造によって、塗布液25を保持しやすい最適な形状が設計されればよい。
例えば、図12に示される塗布ノズル10のアーム12の先端付近が、内側に湾曲することで、これらアーム12が、自身の一部を、水平方向Hに沿わせてもよい。
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
例えば、以上では、図13に示されるように、塗布ノズル10が芯体21に対して移動する塗布装置30を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、図14に示されるように、塗布ノズル10が固定され、芯体21が2つのリール[移動部]39・39に架け渡され、塗布ノズル10に対して移動してもよい(なお、リール39・39は、付随するサーボモーター39Mによって回転させられる)。すなわち、塗布装置30は、芯体21と、塗布ノズル10とを相対的に移動させられればよい。
そして、図14に示されるような塗布装置30は、比較的長い芯体21に塗布液25を塗布する場合に好適である。ただし、シリンジポンプ33は、連続的に塗布液25を塗布ノズル10に供給しなくてはならないので、ダブルシリンジタイプのシリンジポンプ33が望ましい。
なお、芯体21の周方向全域に対して塗布液25が効率よく塗布されるために、芯体21の全長方向に対する交差断面(直交断面等)での芯体21の外周が、塗布液25の液滴に接触していると望ましい。そのために、シリンジポンプ33は、塗布ノズル10への塗布液25の供給量を少なすぎないように調整する。なぜなら、塗布ノズル10への塗布液25が少なすぎると、芯体21の外周に、塗布液25が行きわたらないためである。
一方で、シリンジポンプ33は、塗布ノズル10への塗布液25の供給量を多すぎないように調整する。なぜなら、塗布ノズル10への塗布液25が多すぎると、塗布液25がアームキット11で保持しきれなくなり、落下してしまうためである。
なお、塗布ノズル10のスライド(図14参照)または芯体21のスライド(図13参照)によって、塗布液25が芯体21に塗布される過程では、塗布ノズル10に貯まる液量が次第に減少する。そのため、吐出口16付近にて、塗布液25を最適な液滴状態にして維持するためには、スライダー36Sの移動速度または芯体21の移動速度と、シリンジポンプ33の吐出量とが、精度よく、適切に調整される。
また、リール39・39の回転によって、移動する芯体21は、自身の軸方向に対して交差する方向に変位しやすい。そこで、リール39・39における上流側のリール39の近くに、例えば、芯体21を通すリング状の変位抑制部41が取り付けられてもよい。このような変位抑制部41であれば、リングの内壁で、芯体21の変位を規制するので、塗布液25が、芯体21に対して安定的に塗布される。
ところで、以上で説明した動力源(シリンジポンプ33、スライダー36S若しくはリール39に駆動力を与えるモーター、または、カメラのようなセンサー38)は、制御プログラムで制御される。そのため、塗布装置30は、例えば、種々機能を実現する制御プログラムの命令を実行するPC37のCPUの他、図示しないものの、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、制御プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、または、制御プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)を含む(これらは、PC37の内部に含まれていても外部に含まれていてもよい)。
また、制御プログラムは、PC37のようなコンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。なぜなら、記録媒体に記録されたプログラムは、持ち運び自在になるためである。
なお、この記録媒体としては、例えば分離される磁気テープやカセットテープ等のテープ系、磁気ディスクやCD−ROM等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)や光カード等のカード系、あるいはフラッシュメモリ等による半導体メモリ系が挙げられる。
また、塗布装置30は、通信ネットワークからの通信で制御プログラムを取得してもよい。なお、通信ネットワークとしては、有線無線を問わず、インターネット、赤外線通等が挙げられる。
10 塗布ノズル
11 アームキット[保持部]
12 アーム[保持片]
12G アームの一部で、重力方向に向いた部分
12H アームの一部で、水平方向に向いた部分
13 空き口
15 流路
15A 吐出路
16 吐出口
17 通行路
21 芯体[被塗布]
25 塗布液
25D 塗布液の液滴
30 塗布装置
31 タンク[貯留部]
32 流通チューブ[流通部]
33 シリンジポンプ[供給部]
34 ワーク固定治具
34C クリップ
34M マンドレル
36 スライダーユニット[移動部]
36R レール
36S スライダー
36M サーボモーター
36C クリップ
37 PC[制御部]
38 センサー
39 リール[移動部]
39M サーボモーター
41 変位抑制部
G 重力方向[塗布液の垂れ下がる方向]
H 水平方向
R 放射方向

Claims (12)

  1. 塗布液を吐出させる吐出口と、
    上記塗布液に接触することで上記吐出口に上記塗布液を留めさせ、上記塗布液を
    1粒の液滴状態にして保持する保持部と、
    上記の液滴状態の塗布液に、芯体を進入させるための通行路と、
    を含む塗布ノズル。
  2. 上記吐出口に上記塗布液を導く流路は、自身の全長方向を、上記吐出口から吐出される上記塗布液の垂れ下がる方向に沿わせる請求項2に記載の塗布ノズル。
  3. 上記保持部は、上記塗布液に接触する保持片を、単数または複数含み、
    少なくとも1個以上の上記保持片は、少なくとも一部を、上記吐出口から吐出される上記塗布液の垂れ下がる方向に沿わせつつ、延びる請求項1または2に記載の塗布ノズル。
  4. 少なくとも1個以上の上記保持片は、自身の一部を、水平方向に沿わせつつ、延びる請求項3に記載の塗布ノズル。
  5. 上記保持片が複数有る場合、
    それら上記保持片の少なくとも一部の配置が、対向配置、または、円周多点配置である請求項3または4に記載の塗布ノズル。
  6. 上記保持片が複数有る場合、
    上記保持片は、上記吐出口から放射状に拡がっている、請求項3〜5のいずれ1項に記載の塗布ノズル。
  7. 上記保持片が複数有る場合、
    上記保持片同士の間隔が、上記通行路となる請求項3〜6のいずれか一項に記載の塗布ノズル。
  8. 上記吐出口は、上記保持片に形成される、請求項3〜7のいずれか一項に記載のノズル。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の塗布ノズルを含む塗布装置。
  10. 上記塗布液を貯留する貯留部と、
    上記貯留部の上記塗布液を、上記流路に導く流通部と、
    上記流通部に上記塗布液を供給する供給部と、
    上記供給部による供給量を調整する制御部と、
    を含む請求項9に記載の塗布装置。
  11. 上記芯体と、上記塗布ノズルとを相対的に移動させる移動部を含む請求項9または10に記載の塗布装置。
  12. 塗布ノズルで、芯体に塗布液を塗布させる塗布方法において、
    上記塗布液を、上記塗布ノズルの吐出口にて、1粒の液滴状態に保持する第1
    工程と、
    上記塗布ノズルと上記芯体との相対的な移動によって、上記芯体に上記の液滴
    状態の塗布液を塗布させる第2工程と、
    を含む塗布方法。
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