JP2022149308A - 医療用具の製造方法 - Google Patents

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Kazuo Iwaki
竜幸 前田
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Abstract

【課題】コーティング膜厚が均一化されやすい医療用具の製造方法を提供する。【解決手段】医療用の長尺部材40と、長尺部材40に塗布される液体50が吐出される吐出口15を有しており、軸方向を有するコーティング装置と、を準備するステップと、吐出口15から液体50を吐出させながら、長尺部材40をコーティング装置の軸xの周りに公転させるステップと、を有する医療用具の製造方法。【選択図】図12

Description

本発明は、長尺な医療用具の製造方法、特にコーティング工程を含む製造方法に関する。
カテーテルなどの医療用具は、生体管腔への挿入容易性、医療用具の表面保護や補強等の目的で、製造過程でその表面にコーティングが施される。
コーティング方法の一例として、特許文献1には医療器具をコーティングするための装置がコーティング塗布ユニットを備え、コーティング塗布ユニットがU字溝を形成するための連続的なU字型表面を備える接触流体アプリケータを備えていること、接触流体アプリケータがU字溝内で医療器具と接触するように構成されていること、接触流体アプリケータが流体オリフィスを備えること、が開示されている。
特許文献2には、バルーンコーティング装置が、バルーンを当該バルーンの軸心を中心として回転させる回転機構と、バルーンに対して当該バルーンの軸心方向へ相対的に移動し、薬剤を含むコーティング液をバルーンの外表面に塗布する塗布部と、塗布部の移動方向側でバルーンの外表面に接触して当該バルーンを支持するバルーン支持部と、を有することが開示されている。
特表2016-504058号公報 特開2015-119801号公報
特許文献1~2に記載されたコーティング方法は、コーティング膜厚の均一化の観点で改善の余地があった。そこで、本発明は、コーティング膜厚が均一化されやすい医療用具の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成し得た本発明の医療用具の製造方法の一実施態様は、医療用の長尺部材と、長尺部材に塗布される液体が吐出される吐出口を有しており、軸方向を有するコーティング装置と、を準備するステップと、吐出口から液体を吐出させながら、長尺部材をコーティング装置の軸周りに公転させるステップと、を有する点に要旨を有する。本発明に係る医療用具の製造方法は、長尺部材をコーティング装置の軸回りに公転させるステップを有していることにより、長尺部材に付着しすぎた液体を飛散させて長尺部材の表面に残る液滴を減らすことが可能であり、コーティング膜厚の均一化が図られる。
長尺部材を公転させるステップにおいて、長尺部材をその長手軸の軸心を中心に自転させながら、長尺部材をコーティング装置の軸周りに公転させてもよい。
長尺部材がその長手軸方向に延在している内腔を有し、コーティング装置が長尺部材の内腔に配される長尺な芯材をさらに有している場合、コーティング装置の軸の方向は、長尺部材を公転させる前における芯材の長手軸方向であってもよい。
コーティング装置は、長尺部材の長手軸方向の第1端側を保持する第1保持部と、長尺部材の長手軸方向の第2端側を保持する第2保持部と、をさらに有し、第1保持部と第2保持部の少なくともいずれか一方が、長尺部材を公転させる回転機構を有していてもよい。
コーティング装置は、長尺部材を支持可能な支持部をさらに有し、吐出口が支持部または支持部よりも上に配されていてもよい。
長尺部材を公転させるステップにおいて、吐出口から吐出された液体の液だまりに長尺部材が接触してもよい。
コーティング装置が、長尺部材を支持可能な支持部と、吐出口に接続されている液体供給部とをさらに有している場合、上記製造方法は、吐出口が支持部または支持部よりも上に配され、長尺部材を公転させるステップの後、液だまりの液体を液体供給部側に逆流させるステップをさらに有していてもよい。
液だまりの液体を逆流させるステップの後、吐出口から液体を吐出させて新たな液だまりを形成するステップを有していてもよい。
コーティング装置は、長尺部材を支持可能な支持部と、長尺部材を上から押さえる押さえ部と、を有していてもよい。支持部は長尺部材の長手軸方向に移動可能であり、長手軸方向において押さえ部は吐出口よりも支持部の進行方向側に配されていてもよい。押さえ部は、鉛直方向に移動可能であってもよい。
支持部が長尺部材の長手軸方向に移動可能である場合、コーティング装置は、支持部に接続されて、支持部の進行方向側に延出しており、支持部に押さえ部を取り付ける取り付け部をさらに有していてもよい。支持部は上面に凹部を有し、押さえ部が凹部の表面に配されている突起であってもよい。医療用具がカテーテルであってもよい。
本発明に係る医療用具の製造方法によれば、長尺部材をコーティング装置の軸回りに公転させるステップを有していることにより、長尺部材に付着しすぎた液体を飛散させて長尺部材の表面に残る液滴を減らすことが可能であり、コーティング膜厚の均一化が図られる。
本発明の一実施形態に係るコーティング装置と長尺部材の模式図である。 図1に示したコーティング装置と長尺部材のII-II線における切断部端面図(一部正面図)である。 図2に示した支持部および吐出口の平面図であり、支持部で長尺部材を支持していない状態を示している。 図2に示した支持部および吐出口の変形例を示す切断部端面図であり、支持部で長尺部材を支持していない状態を示している。 図1に示したコーティング装置と長尺部材の変形例を示す模式図である。 図5に示したコーティング装置と長尺部材のVI-VI線における切断部端面図(一部正面図)である。 図3に示した支持部および吐出口の変形例を示す平面図であり、支持部で長尺部材を支持している状態を示している。 図7に示した支持部、吐出口および長尺部材のVIII-VIII線における断面図である。 図2に示した支持部および吐出口の他の変形例を示す模式図であり、支持部で長尺部材を支持していない状態を示している。 図2に示した支持部および吐出口の他の変形例を示す切断部端面図であり、支持部で長尺部材を支持していない状態を示している。 図10に示した支持部および吐出口の平面図である。 本発明の一実施形態に係る医療用具の製造方法を示す切断部端面図である。 本発明の一実施形態に係る医療用具の製造方法を示す切断部端面図である。
以下、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
本発明の医療用具の製造方法の一実施態様は、医療用の長尺部材と、長尺部材に塗布される液体が吐出される吐出口を有しており、軸方向を有するコーティング装置と、を準備するステップと、吐出口から液体を吐出させながら、長尺部材をコーティング装置の軸周りに公転させるステップと、を有する点に要旨を有する。本発明に係る医療用具の製造方法は、長尺部材をコーティング装置の軸回りに公転させるステップを有していることにより、長尺部材に付着しすぎた液体を飛散させて長尺部材の表面に残る液滴を減らすことが可能であり、コーティング膜厚の均一化が図られる。
本発明に係る医療用具の製造方法に含まれるコーティング方法は、所定量の液体を長尺部材に塗布することで任意のコーティング膜厚にすることができる前計量方式に分類される。したがって、浸漬コーティング等の後計量方式とは異なるものである。図1~図13を参照しながら医療用具の製造方法について説明する。図1は本発明の一実施形態に係るコーティング装置と長尺部材の模式図である。図2は図1に示したコーティング装置と長尺部材のII-II線における切断部端面図(一部正面図)である。図3は図2に示した支持部および吐出口の平面図であり、支持部で長尺部材を支持していない状態を示している。図4および図10は、図2に示した支持部および吐出口の変形例を示す切断部端面図であり、支持部で長尺部材を支持していない状態を示している。図5は図1に示したコーティング装置と長尺部材の変形例を示す模式図である。図6は図5に示したコーティング装置と長尺部材のVI-VI線における切断部端面図(一部正面図)である。図7は図3に示した支持部および吐出口の変形例を示す平面図であり、支持部で長尺部材を支持している状態を示している。図8は図7に示した支持部、吐出口および長尺部材のVIII-VIII線における断面図である。図9は、図2に示した支持部および吐出口の他の変形例を示す模式図であり、支持部で長尺部材を支持していない状態を示している。図11は図10に示した支持部および吐出口の平面図である。図12~図13は本発明の一実施形態に係る医療用具の製造方法を示す切断部端面図である。なお、図7では吐出口から吐出される液体が省略して描かれている。
まず、コーティング対象の長尺部材40について説明する。長尺部材40は医療用具を形成するための部材であれば特に限定されない。医療用具は、例えばカテーテル、ガイドワイヤ、チューブ、ステント、パイプ、ロッドと称されるものが含まれる。カテーテルとしては例えば、バルーンカテーテル、カニューレ、ステントデリバリーカテ-テル、マイクロカテーテル等が挙げられる。
長尺部材40は、長手軸方向uに第1端41と第2端42を有している。長尺部材40はその長手軸方向uの全体に亘って外径が一定であってもよく、長手軸方向uの位置によって外径が異なっていてもよい。例えば、図1のように長尺部材40は大径部43と小径部44を有していてもよい。図1ではバルーンカテーテル形成用の長尺部材40を示しているため、大径部43は直管部431と、直管部431の両側にテーパー部432を有している。
長尺部材40は、一または複数の内腔を有する筒形状であってもよい。また長尺部材40は中実形状を有していてもよい。長尺部材40は可撓性を有していてもよい。また長尺部材40は弾性を有していてもよい。
長尺部材40は樹脂または金属から構成されていることが好ましい。長尺部材40を構成する樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、天然ゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。長尺部材40を構成する金属としては、例えば、SUS304、SUS316等のステンレス鋼、白金、ニッケル、コバルト、クロム、チタン、タングステン、金、Ni-Ti合金、Co-Cr合金、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
長尺部材40に塗布される液体、すなわちコーティング液の種類は特に限定されず、例えば、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、あるいはこれらの混合物等を溶媒によって希釈したものを用いることができる。液体は薬剤や添加剤を含んでいてもよい。液体の種類は、コーティングに求められる機能、例えば長尺部材40の摺動性等の操作性向上、長尺部材40の保護および補強、コーティング時の取り扱いの容易性等を考慮して選択することができる。
次に、医療用具の製造に使用するコーティング装置1の構成例について説明する。図2に示すように、コーティング装置1は、長尺部材40に塗布される液体が吐出される吐出口15を有している。コーティング装置1は1つの吐出口15を有していてもよく、複数の吐出口15を有していてもよい。
吐出口15は、後述する支持部2に配されていてもよく、支持部2とは別の部材に配されていてもよい。
吐出口15の形状は特に限定されず、円形状、長円形状、多角形状、またはこれらを組み合わせた形状とすることができる。長円形状には楕円形状、卵形状、角丸長方形状が含まれる。
吐出口15から液体は液状のまま吐出されてもよく、霧状で吐出されてもよい。液体は、例えば0.05mL/分以上1mL/分以下の流速で吐出させることができる。
吐出口15は長尺部材40の長手軸方向uに移動可能であることが好ましい。これにより、長尺部材40の長手軸方向uに沿ってコーティングを行うことができる。吐出口15は、図1の矢印Aのように長尺部材40の第1端41側から第2端42側に向かって移動してもよく、第2端42側から第1端41側に向かって移動してもよい。
吐出口15は長尺部材40の径方向に移動可能であってもよい。吐出口15を長尺部材40の形状に沿って移動させやすくなり、コーティング膜厚が均一化されやすくなる。
図1~図3に示すように、コーティング装置1は長尺部材40を支持可能な支持部2を有していてもよい。支持部2は、長尺部材40を鉛直方向nの下側から支えるものである。支持部2に長尺部材40の少なくとも一部を置いたときにその置かれた部分が支持部2から脱落せずに支持部2上に留まるものが含まれる。なお、本発明には、支持部2が長尺部材40に常に接触していない態様、例えば長尺部材40を回転させながらコーティングを施したときに遠心力によって支持部2から長尺部材40が一時的に離れることで非接触となる態様も含まれる。
支持部2は一または複数の部材から構成することができる。支持部2は、ブロック状、板状、台状等の形状を有していてもよい。支持部2は、長尺部材40が接触する支持面3を有していてもよい。支持面3は、平面であってもよく、曲面であってもよい。支持面3が平面の場合、支持面3が水平方向mと平行であってもよく、水平方向mに対して傾斜していてもよい。支持面3が曲面の場合、支持面3は湾曲していてもよく、屈曲していてもよい。支持部2では、長尺部材40を点で支持していてもよく、面で支持してもよい。支持面3は長尺部材40の外面形状に沿う形状を有していてもよい。
支持部2は、長尺部材40の長手軸方向uの少なくとも一部を支持するように構成されていればよく、長尺部材40の長手軸方向u全体を支持する必要はない。例えば、支持部2は、長尺部材40の第1端41と第2端42の間を支持可能であることが好ましい。支持部2は、長尺部材40の長手軸方向uの一箇所を支持してもよく、複数箇所を支持してもよい。
支持部2は、長尺部材40の長手軸方向uに移動可能であることが好ましい。支持部2の上または下にレールが配されており、支持部2がレールに沿って移動してもよい。支持部2は、長尺部材40の径方向に移動可能であってもよい。支持部2は、水平方向mに移動可能であってもよく、鉛直方向nに移動可能であってもよい。支持部は、長尺部材40の周方向に移動可能であってもよい。コーティング装置1が複数の支持部2を有している場合、複数の支持部2は一緒に移動可能であってもよく、別々に移動可能であってもよい。
支持部2を移動させるために、支持部2は駆動機構10を有していてもよい。駆動機構10は制御部35に接続されており、制御部35によって支持部2の移動が制御される。駆動機構10は支持部2を駆動する1軸以上のアクチュエータを含むことが好ましい。アクチュエータは、モータ、リニアガイド、ボールねじ、タイミングベルト・プーリ、スライダ、ラックアンドピニオン等の機械要素を含むことができる。
コーティング装置1は、1つの支持部2を有していてもよく、複数の支持部2を有していてもよい。1つの支持部2で1つの長尺部材40を支持してもよく、複数の支持部2で1つの長尺部材40を支持してもよい。コーティング装置1が複数の支持部2を有している場合、複数の支持部2がそれぞれ1つの長尺部材40を支持していることが好ましい。複数の支持部2は長尺部材40の長手軸方向uに垂直な方向に並んでいることが好ましい。複数の支持部2は水平方向mに並んでいてもよい。
図2~図3では支持部2は上面に凹部5を有している。凹部5の表面6の一部が支持面3として機能する。凹部5は、深さ方向と長さ方向と幅方向を有している。凹部5の深さ方向は鉛直方向nと平行である。凹部5の長さ方向はコーティング装置1の軸xの方向と平行である。凹部5の幅方向は、深さ方向および長さ方向に垂直な方向であり、図2の紙面左右方向である。凹部5に長尺部材40を配置することで、凹部5で長尺部材40を支持することができる。詳細には、凹部5の内底面7によって長尺部材40が支持される。
凹部5の表面6は、少なくとも一部が曲げられて凹形状に形成されていればよく、湾曲していてもよく、屈曲していてもよい。図2に示すように凹部5の表面6がU字形状に形成されていてもよい。凹部5の表面6は、凹部5の幅方向の両側に鉛直方向nに延在している部分を有していてもよい。鉛直方向nに延在している部分により、凹部5の幅方向への長尺部材40の動きを規制することができる。図4に示すように、凹部5の表面6は、凹部5の表面6の幅方向の両側に、鉛直方向nの下側から上側に向かって幅方向の内側から外側に延在している部分を有していてもよい。
支持部2は、複数の凹部5を有していてもよい。その場合、複数の凹部5は、長尺部材40の長手軸方向uに並んでいてもよい。この構成により複数の凹部5によって1つの長尺部材40を支持することができる。また、支持部2が駆動機構10を有し、支持部2が複数の凹部5を有している場合には、1つの駆動機構10で複数の凹部5を一斉に移動させることもできる。なお、複数の凹部5は長尺部材40の長手軸方向uに垂直な方向、例えば水平方向mに並んでいてもよい。この構成により、複数の長尺部材40を、それぞれ1つの凹部5によって支持することができる。
支持部2を構成する材料は特に限定されず、金属または樹脂から構成することができる。支持部2を構成する材料としては、長尺部材40を構成する材料の説明を参照することができる。
コーティング装置1が複数の支持部2を有している場合、複数の支持部2にはそれぞれ吐出口15が配されていることが好ましい。この構成により、複数の長尺部材40を一斉にコーティングすることができる。なお、1つの支持部2に対して複数の吐出口15が配されてもよい。複数の吐出口15を用いることで1本の長尺部材40の複数の箇所を一斉にコーティングすることができるため、塗布時間を短縮することができる。
吐出口15は、支持部2または支持部2よりも上に配されることが好ましい。この構成により、支持部2と吐出口15を近接させることができる。吐出口15の近くで長尺部材40を支持可能であるため、液体の塗布中に長尺部材40が動いたとしても支持部2によってその動きを規制することができる。その結果、コーティング膜厚のばらつきが生じにくくなり、均一化されやすくなる。
図2~図3では支持部2に吐出口15が配されている。詳細には、支持部2は上面に凹部5を有し、吐出口15が凹部5の表面6に配されている。この構成により、支持部2によって長尺部材40の動きを規制しながら長尺部材40に液体を吐出することができる。
吐出口15は凹部5のどの位置に配されていてもよいが、図2に示すように吐出口15が凹部5の内底面7の最下点を含む位置に配されていることが好ましい。支持部2のうち長尺部材40が接触しやすい部分に吐出口15が配されていることにより、長尺部材40に液体を付着させやすくなる。
図2から理解できるように、吐出口15から液体が上方に向かって吐出されることが好ましい。この構成により、長尺部材40に適量の液体を塗布しやすくなり、コーティング膜厚の均一化が図られやすくなる。
図5~図6に示すように、支持部2よりも上に吐出口15が配されていてもよい。その場合、吐出口15は支持部2の鉛直方向nの上側に配されていることが好ましく、吐出口15は支持部2の真上に配されていることがより好ましい。支持部2よりも上に吐出口15が配されている場合には、吐出口15から液体が下方に向かって吐出されることが好ましい。
図1~図2から理解できるように吐出口15が支持部2とともに移動可能であることが好ましい。吐出口15が支持部2の動きに追従することで、支持部2によって長尺部材40の動きを規制しながら液体を長尺部材40に吐出しやすくなる。
図5~図6のように吐出口15が支持部2とは別の部材に配されている場合には、吐出口15に連通している供給管23が、支持部2が接続されている駆動機構10、またはこれとは別の第2の駆動機構(図示せず)に接続されていてもよい。その場合、吐出口15は、支持部2とは別々に移動可能であってもよい。
図2、図7~図8に示すように支持部2は、吐出口15の周囲に配され、吐出口15から吐出された液体が溜まる液だまり部20を有していてもよい。液だまり部20にある液だまり52に長尺部材40が接触することで長尺部材40へのコーティングが行いやすくなる。
図2に示すように、液だまり部20において、吐出口15から吐出された液体は液滴状になっていることが好ましい。液滴は、例えば半球形状であってもよい。
図7~図8に示すように、支持部2の凹部5の表面6であって吐出口15よりも凹部5の長さ方向の両端部にそれぞれ凸部9が配されていてもよい。2つの凸部9に挟まれた部分、すなわち2つの凸部9よりも低くなっている部分が液だまり部20であってもよい。図7では液だまり部20を交差するハッチングで示している。凸部9は支持部2上に液だまり52を形成するための壁として機能する。このように凸部9を設けて液だまり部20を形成することで、吐出口15よりも広範囲に液体を溜めることができるため、長尺部材40が液だまり52に接触しやすくなり、より一層塗り残しを防ぐことができる。凸部9は鉛直方向nの上方向に延在するように凹部5の表面6から突出していてもよく、表面6の法線方向に延在するように凹部5の表面6から突出していてもよい。凸部9の表面が長尺部材40の支持面3として機能していてもよい。その場合、凸部9の表面は長尺部材40の外面形状に沿う形状を有していてもよい。
図1では、コーティング装置1は、吐出口15に接続されている液体供給部21を有している。液体供給部21は、コーティング用の液体50を貯留している貯留部22と、貯留部22に接続されている供給管23とを有している。貯留部22および供給管23はポンプ24に接続されていてもよい。ポンプ24は制御部35に接続されて、供給管23側に所定量の液体50を供給する。ポンプ24としては例えばシリンジポンプ、チューブポンプが挙げられる。図2では、支持部2の内部かつ吐出口15よりも下側に内部流路8が設けられている。内部流路8の第1端側が吐出口15に連通しており、内部流路8の第2端側が供給管23に接続されている。図5では、支持部2の上に供給管23が配されており、供給管23の第1端側が吐出口15に連通しており、供給管23の第2端側が貯留部22に接続されている。
内部流路8や供給管23の内径は特に限定されないが、例えば0.1mm以上3.0mm以下に設定することができる。
図1および図5に示すように、コーティング装置1は、長尺部材40に付着しなかった残液51を回収するための回収部30を有していてもよい。回収部30は、残液51を受け入れ可能な受け皿やトレイ等の容器、槽、ピット等の溝であってもよい。回収部30は、残液51を一時的に貯留するために壁を有していることが好ましい。
回収部30は、吐出口15よりも下に配される。回収部30は、吐出口15の長手軸方向uへの移動に伴って移動してもよい。その場合、回収部30も駆動機構10に接続されていることが好ましい。
回収部30は吐出口15と連通していることが好ましい。この構成により、回収部30で回収された液体を吐出口15側へ移送することで再利用することができる。
回収部30は、回収部30で回収した残液が排出される排出部31を有していてもよい。排出部31の構成は特に限定されないが、回収部30の底部または側部に形成された開閉可能な開口であってもよい。回収部30で回収した残液を液体供給部21に移送するために、排出部31が液体供給部21に接続されていてもよい。排出部31は、配管やポンプを介して液体供給部21に接続することができる。
回収部30は液体調整部32に接続されていることが好ましく、回収部30は排出部31を介して液体調整部32に接続されていることがより好ましい。残液51は、液体調整部32で濃度等のパラメータが調整された後に、液体供給部21に移送されることが好ましい。
コーティング装置1は、長尺部材40の長手軸方向uの第1端41側を保持する第1保持部25と、長尺部材40の長手軸方向uの第2端42側を保持する第2保持部26と、をさらに有していてもよい。この構成により、コーティング中に長尺部材40が安定して保持されるため、吐出口15に対する長尺部材40の位置ずれを防ぐことができる。
第1保持部25と第2保持部26は、長尺部材40または後述する芯材28の保持および解除が可能な機構を有していればよく、例えば、長尺部材40または芯材28を摘まむ、挟む、握る、吸引する、嵌める等の方法で保持することができる。第1保持部25または第2保持部26は、一または複数の部材から構成することができる。第1保持部25と第2保持部26はそれぞれ水平方向mまたは鉛直方向nに対向しているチャック片を有していてもよい。図1では第1保持部25がチャック片251,252を有し、第2保持部26がチャック片261,262を有している。
第1保持部25と第2保持部26の少なくともいずれか一方が、長尺部材40を公転させる回転機構27を有していることが好ましい。この構成により、長尺部材40を公転させながらコーティングを施すことができる。なお、図1では第2保持部26が回転機構27を有している例を示したが、第1保持部25が回転機構27を有していてもよく、第1保持部25と第2保持部26がそれぞれ回転機構27を有していてもよい。回転機構27は、長尺部材40をコーティング装置1の軸xの周りに公転させることができる。
回転機構27は、長尺部材40をその長手軸の軸心を中心に自転させてもよい。回転機構27は、第1保持部25または第2保持部26を駆動するモータ等のアクチュエータを含む。アクチュエータの構成については、駆動機構10の説明を参照することができる。
第1保持部25と第2保持部26は、長尺部材40を直接保持してもよく、別の部材を介して間接的に保持してもよい。図1では、第1保持部25が長尺部材40の第1端41側の端部を直接保持し、第2保持部26が長尺部材40の第2端42側の端部を直接保持している。長尺部材40のうち第1保持部25によって保持された第1被保持部47や、第2保持部26によって保持された第2被保持部48には液体が塗布されないため、塗布終了後には第1,第2被保持部47,48が除去されてもよい。
図5では、長尺部材40はその長手軸方向に延在している内腔を有し、コーティング装置1は、長尺部材40の内腔に配される長尺な芯材28をさらに有している。芯材28は、その長手軸方向に第1端281と第2端282を有している。長尺部材40の内腔に芯材28が通されて、長尺部材40の第1端41から芯材28の第1端281側が延出しており、長尺部材40の第2端42から芯材28の第2端282側が延出している。そして、第1保持部25は芯材28の第1端281側の端部を保持しており、第2保持部26は芯材28の第2端282側の端部を保持している。このように芯材28を介して長尺部材40を保持することで、長尺部材40の長手軸方向u全体へのコーティングが可能となる。また長尺部材40を直接保持していないため、長尺部材40の表面に傷が付くことも抑制することができる。
芯材28は、長尺な棒状の部材である。芯材28は中実状でも中空状でもよい。芯材28を構成する材料としては、長尺部材40を構成する材料の説明を参照することができる。
コーティング装置1は、コーティング装置1を構成する各部の動作を制御する制御部35を有していることが好ましい。詳細には、制御部35は、液体供給部21、第1保持部25または第2保持部26の少なくともいずれかが備える回転機構27、支持部2を駆動させる駆動機構10、回収部30、排出部31、液体調整部32の少なくともいずれか1つに接続される。なお、図5では図1と異なり、回収部30と液体調整部32が制御部35に接続されていることが省略して描かれている。
制御部35の機能は、ハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアによって実現されてもよい。ハードウェアとしては集積回路に形成された論理回路を挙げることができる。
コーティング装置1は、制御部35の機能を実現するためのソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えていてもよい。コンピュータは、プロセッサと、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えていることが好ましい。プロセッサがコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されたプログラムを実行することによって、上記機能が実現される。プロセッサとしては、CPU(Central Processing Unit)を用いることができる。記録媒体としては、ROM(Read Only Memory)等を用いることができる。また、記録媒体には、RAM(Random Access Memory)を含むこともできる。上記プログラムは、このプログラムを伝送可能な任意の伝送媒体を介して上記コンピュータに供給されてもよい。伝送媒体としては、通信ネットワークや通信回線等が挙げられる。
コーティング装置1には、鉛直方向nの下方向以外の方向への長尺部材40の動きを規制するための要素が設けられていてもよい。例えば、図9~図11に示すように、コーティング装置1は、長尺部材40を上から押さえる押さえ部11をさらに有していることが好ましい。押さえ部11により、支持部2とは異なる方向から押さえ部11で長尺部材40を押さえることができるため、長尺部材40の動きを規制しやすくなる。
押さえ部11は長尺部材40と接触する部分である。押さえ部11は、長尺部材40に対して点接触してもよく、線接触してもよく、面接触してもよい。押さえ部11は、図9に示すように支持部2とは別の部材に取り付けられていてもよく、図10~図11に示すように支持部2に配されていてもよい。
押さえ部11は、長尺部材40の長手軸方向uに延在していてもよく、長手軸方向uに垂直な方向に延在していてもよい。また押さえ部11は、長尺部材40の周方向に延在していてもよい。
押さえ部11では、押さえ部11に接続されているモータの駆動を利用して長尺部材40を押さえてもよく、自重によって長尺部材40を押さえてもよい。また、押さえ部11をばねやゴム等の弾性体から構成することで、弾性体の付勢力を利用して押さえ部11で長尺部材40を押さえてもよい。
押さえ部11を構成する材料としては、長尺部材40を構成する材料の説明を参照することができる。長尺部材40に対する滑りを良好にするために、押さえ部11は、SUS304、SUS316等のステンレス鋼等の金属から構成されていることが好ましい。また、長尺部材40に傷が付くことを防ぐために、押さえ部11はゴムやエラストマーから構成されていてもよい。押さえ部11と支持部2の構成材料は同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
支持部2が長尺部材40の長手軸方向uに移動可能である場合、長手軸方向uにおいて押さえ部11は吐出口15よりも支持部2の進行方向A側に配されていることが好ましい。このように押さえ部11を配することで、長尺部材40の未コーティング部分を押さえ部11で押さえることができる。押さえ部11は長尺部材40のコーティング部分に接触しにくくなるため、コーティングの剥がれ防止やコーティング膜厚の均一化の効果を高めることができる。
押さえ部11は、長尺部材40の長手軸方向uに移動可能であることが好ましい。また押さえ部11は、長尺部材40の径方向に移動可能であることが好ましい。さらに、押さえ部11は、鉛直方向nに移動可能であることが好ましい。押さえ部11を長尺部材40の形状に沿って移動させやすくなる。図9では押さえ部11が最も下方に位置しているため、押さえ部11が上方向Bに移動可能であることが示されているが、押さえ部11は下方向に移動可能であっても勿論よい。
押さえ部11は、支持部2とともに移動可能であることが好ましい。押さえ部11が支持部2の動きに追従することで、長尺部材40の動きをより一層規制しやすくなる。また、押さえ部11は、吐出口15とともに移動可能であることが好ましい。押さえ部11が吐出口15の動きに追従することで、押さえ部11によって長尺部材40の動きを規制しながら液体を長尺部材40に吐出しやすくなる。
支持部2が長尺部材40の長手軸方向uに移動可能である場合、図9に示すように、コーティング装置1は、支持部2に接続されて、支持部2の進行方向A側に延出しており、支持部2に押さえ部11を取り付ける取り付け部12をさらに有することが好ましい。取り付け部12を介して支持部2に押さえ部11を取り付けることができる。また、取り付け部12が支持部2の進行方向A側に延出していることにより、押さえ部11によって長尺部材40の未コーティング部分を押さえやすくなる。
取り付け部12は、支持部2から支持部2の進行方向側に延出している形状を有していればよく、例えば、板形状、ブロック形状、アーム形状を有していてもよい。取り付け部12は、圧着、接着、係合、嵌合等の方法で押さえ部11や支持部2に取り付けられていてもよい。
取り付け部12は長尺部材40には接触しないことが好ましい。支持部2に対する取り付け部12の取り付け位置は特に限定されないが、長尺部材40との接触を防ぐため、取り付け部12は支持部2の上部に配されていることが好ましい。
図9に示すように、コーティング装置1が鉛直方向nに延在しているシャフト13をさらに有し、押さえ部11がシャフト13の下端部に配されていてもよい。その場合、シャフト13が鉛直方向nに移動可能であることが好ましい。シャフト13が支持部2に対して鉛直方向nに移動することで、押さえ部11を長尺部材40の形状に沿って移動させやすくなる。
シャフト13は一または複数配されていてもよい。例えば長尺部材40の長手軸方向uに垂直な方向に2本のシャフト13が並んでおり、2本のシャフト13の下端部同士を繋ぐように押さえ部11が長手軸方向uに垂直な方向に延在していてもよい。
コーティング装置1が鉛直方向nに延在しているシャフト13をさらに有し、押さえ部11がシャフト13の下端部に配されている場合、取り付け部12は、鉛直方向nに貫通している貫通孔121を有し、貫通孔121にシャフト13が挿通されていることが好ましい。取り付け部12によってシャフト13が保持されやすくなるため、押さえ部11の移動を安定して行うことができる。
貫通孔121は、取り付け部12のうち支持部2よりも進行方向A側に延出している部分に配されていることが好ましい。これにより貫通孔121にシャフト13を挿通しやすくなる。
貫通孔121からのシャフト13の抜けを防ぐために、シャフト13の上端部には貫通孔121よりも外径が大きい大径部131が配されていてもよい。
図10~図11に示すように、コーティング装置1が支持部2を有し、支持部2が上面に凹部5を有している場合、押さえ部11が凹部5の表面6に配されている突起14であることが好ましい。このように突起14を設けることによっても凹部5内の幅を狭めることができるため、コーティング中の長尺部材40の動きを支持部2と突起14で規制することができる。
支持部2に対して、突起14は1つのみ配されてもよく、複数配されてもよい。図10~図11では2つの突起14が配されている。支持部2に複数の突起14が配される場合、複数の突起14の突出方向はそれぞれ同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
突起14は、その先端に向かって幅が小さくなっていてもよく、先端に向かって同じ幅を有していてもよい。
複数の突起14は、それらの先端が互いに対向するように配されていることが好ましい。複数の突起14を対向させることによって、凹部5内の幅を狭めやすくなるため、長尺部材40の動きを規制しやすくなる。
2つの突起14が対向している場合、突起14の先端同士の距離は、長尺部材40の最大外径よりも小さいことが好ましい。突起14によって長尺部材40の動きを規制しやすくなる。
突起14の突出方向は特に限定されないが、図10~図11に示すように、突起14は、水平方向mまたは凹部5の表面6の法線方向に延在するように凹部5の表面6から突出していることが好ましい。この構成により、コーティング中に動いた長尺部材40が突起14に当接しやすくなり、長尺部材40の動きを規制しやすくなる。
突起14は、支持部2の凹部5の一部分であってもよく、支持部2とは別の要素によって構成されてもよい。
突起14は、凹部5の表面6から突没可能に構成されていてもよい。これにより、コーティング中には凹部5の表面6から突起14を突出させて長尺部材40の動きを規制し、コーティング前後には突起14を支持部2内に収納することができるため、長尺部材40のセッティングおよび取り出しが行いやすくなる。
突起14は、凹部5の内底面7の最下点よりも上側かつ支持部2の最上点よりも下側に配されていればよい。凹部5の表面6の最上点から最下点までの領域を鉛直方向nにおいて二等分割したときの上側に突起14が配されていることが好ましい。
支持部2で長尺部材40の最大外径を有する部分を支持したときに、突起14の下方端は、長尺部材40の上方端よりも上側に配されていることが好ましい。
支持部2の凹部5の表面6に突起14が配されており、かつ突起14よりも支持部2の進行方向A側で長尺部材40を押さえる押さえ部11が配されていてもよい。
次に、上述したコーティング装置1を用いて、医療用具を製造する方法について説明する。まず、図1に示すように医療用の長尺部材40と、長尺部材40に塗布される液体が吐出される吐出口15を有しており、軸方向を有するコーティング装置1と、を準備する(ステップ1)。図1においてコーティング装置1は軸xを有している。
コーティング装置1の軸xの方向は、水平方向mに平行でもよく、鉛直方向nに平行でもよい。軸xの方向は、第1保持部25から第2保持部26に向かう方向でもよい。軸xの方向は、長尺部材40の長手軸方向uに平行でもよい。図5に示すように、長尺部材40がその長手軸方向uに延在している内腔を有し、コーティング装置1は、長尺部材40の内腔に配される長尺な芯材28をさらに有している場合には、コーティング装置1の軸xの方向は、長尺部材を公転させる前における芯材28の長手軸方向であることが好ましい。このように軸xの方向を定めることで、後述する長尺部材40の公転操作が行いやすくなる。
コーティング装置1で長尺部材40を保持することが好ましい(ステップ2)。詳細には、図1に示すように長尺部材40の第1端41側を第1保持部25で、長尺部材40の第2端42側を第2保持部26で保持することがより好ましい。図1のように長尺部材40を直接保持してもよく、図5のように芯材28を介して間接的に保持してもよい。
コーティング装置1が支持部2を有している場合、ステップ2では、図1~図2に示すように支持部2の上に長尺部材40の一部を置くことが好ましい。このとき支持部2の支持面3に長尺部材40が接していることが好ましい。
支持部2が吐出口15を有している場合、ステップ2の前に吐出口15から液体を吐出させて、図2に示すように液だまり52を形成してもよい。その場合、ステップ2において長尺部材40が液だまり52に接触するように支持部2の上に長尺部材40の一部を置くことが好ましい。
次いで、吐出口15から液体50を吐出させながら、図12に示すように長尺部材40をコーティング装置1の軸xの周りに公転させる(ステップ3)。ステップ3を行うことで長尺部材40の表面にコーティングを施すことができる。この製造方法では、長尺部材40の公転により長尺部材40に遠心力が働くことで、長尺部材40に付着しすぎた液体を飛散させて長尺部材40の表面に液滴を残りにくくすることが可能であり、コーティング膜厚の均一化が図られる。また、公転操作により、長尺部材40の表面に付着した液体中の溶媒が揮発しやすくなり、コーティング後の乾燥工程や全体のリードタイムの短縮化が図られ、生産性の向上に寄与する。
第1保持部25と第2保持部26の少なくともいずれかが好ましく備える回転機構27によって、ステップ3において長尺部材40を公転させることができる。
ステップ3では、長尺部材40の長手軸方向uの一部を公転させればよく、長手軸方向uの全体を公転させることは必須ではない。例えば、縄跳びの縄のように、長尺部材40の長手軸方向uのうち第1被保持部47と第2被保持部48の間の区間を公転させて、第1被保持部47よりも第1端41側の区間および第2被保持部48よりも第2端42側の区間は公転させなくてもよい。
ステップ3では、吐出口15から液体50の吐出を開始した後に長尺部材40の公転を開始してもよいが、長尺部材40を公転開始した後に、吐出口15から液体50の吐出を開始することが好ましい。
ステップ3において、長尺部材40の公転半径Rは一定であってもよく、経時的に変化させてもよい。
ステップ3において、長尺部材40の公転半径Rは、長尺部材40の外径の2倍以上であることが好ましく、3倍以上、5倍以上、また30倍以下、20倍以下、10倍以下であってもよい。長尺部材40に働く遠心力が大きくなり、長尺部材40に付着しすぎた液体を飛散させる効果が高められる。ここで公転半径Rは、公転前の長尺部材40の長手軸中心と、公転中の長尺部材40の長手軸中心との距離である。
ステップ3において、長尺部材40の公転速度は一定であってもよく、経時的に変化させてもよい。
ステップ3において、長尺部材40の最大公転速度は、例えば、50回転/分以上、100回転/分以上、200回転/分以上、また、1200回転/分以下、1100回転/分以下、1000回転/分以下であってもよい。
コーティング装置1が支持部2を有し、吐出口15が支持部2に配されている場合、ステップ3において吐出口15から液体が上方に向かって吐出されることが好ましい。
ステップ3では、長尺部材40の長手軸方向に吐出口15を移動させながら液体50を吐出させることが好ましく、長尺部材40の長手軸方向uに支持部2と吐出口15を移動させながら液体50を吐出させることがより好ましい。またステップ3では、長尺部材40の長手軸方向uに長尺部材40を移動させながら液体を吐出させることが好ましい。これにより、長尺部材40の長手軸方向の広範囲にコーティングを施すことができる。
ステップ3では、長尺部材40の径方向に吐出口15を移動させながら液体50を吐出してもよい。また、ステップ3では長尺部材40の周方向に吐出口15を移動させながら液体50を吐出してもよい。
ステップ3において、図13に示すように、長尺部材40をその長手軸の軸心cを中心に自転させながら、長尺部材40をコーティング装置1の軸xの周りに公転させることが好ましい。長尺部材40の全周にわたって均一にコーティングを施しやすくなる。
第1保持部25と第2保持部26の少なくともいずれかが好ましく備える回転機構27によって長尺部材40を自転させることができる。
長尺部材40の自転速度は、公転速度よりも速くてもよく、公転速度よりも遅くてもよい。長尺部材40の最大自転速度は、例えば、50回転/分以上、100回転/分以上、200回転/分以上、また、1200回転/分以下、1100回転/分以下、1000回転/分以下であってもよい。
ステップ3において、長尺部材40に付着させる液体の膜厚(コーティングの膜厚)は、医療用具の用途に応じて設定することができるが、例えば0.01μm以上100μm以下であってもよい。
コーティング装置1が、吐出口15よりも下に配され残液51を回収する回収部30を有している場合、ステップ3において回収部30で残液51を回収することが好ましく、残液51のうち排出された液体を回収部30で回収することがより好ましい。これにより残液51を再利用することができるため、液体の廃棄量を減らすことができる。
コーティング装置1において、回収部30が吐出口15と連通しており、ステップ3において回収部30で回収された液体を吐出口15から吐出することが好ましい。これにより残液51を再利用することができるため、液体の廃棄量を減らすことができる。
ステップ3において、回収部30で回収された液体は液体調整部32に移送されることが好ましい。液体調整部32において、残液の濃度等のパラメータを調整することができる。
ステップ3において、回収部30で回収された液体と貯留部22で貯留されていた液体の混合物が、吐出口15から吐出されてもよい。
ステップ3では、吐出口15の移動に伴い回収部30も移動してもよい。
図12に示すように、ステップ3では、吐出口15から液体50を吐出させて液だまり52を形成してもよい。吐出口15が支持部2に配されている場合には、図2に示すように吐出口15から吐出された液体50に表面張力が働いて、吐出口15の上に液だまり52が形成されてもよい。また、図7~図8に示すように支持部2上の凸部9によって形成された液だまり部20内に残液51のうち排出されない液体が溜められて液だまり52が形成されてもよい。
ステップ3では、液だまり52に長尺部材40が接触することが好ましい。液だまりに長尺部材40を接触させることで、液だまりにある液体がこぼれやすくなるため、吐出口15からフレッシュな液体が常に吐出されやすくなる。また、長尺部材40の表面の広範囲に液体が付着しやすくなり、コーティング時間の短縮化が図られる。さらに、長尺部材40が公転することによって液だまり52に接触することで液だまり52にある液体の攪拌が促進されて、液だまり52にある液体のコーティング濃度の均一化も図られやすくなる。なお、ステップ3において、長尺部材40の公転中、長尺部材40は常に液だまり52に接触することが好ましい。常に液だまり52に接触することで、長尺部材40の表面の広範囲に液体が付着しやすくなり、塗り残しを防いで膜厚が均一化されやすくなるとともに、コーティング時間を短縮することができる。
長尺部材40の公転中、長尺部材40は常に液だまり52に接触しなくてもよく、一定の時間間隔(例えば1秒毎等)で液だまりに接触したり、ランダムな時間間隔で接触したりする製法を採用してもよい。
長尺部材40の外周の一部が液だまり52に接触してもよく、長尺部材40の外周全体が液だまり52に接触してもよい。図1に示すように長尺部材40が大径部43と小径部44を有している場合、大径部43では外周の一部が液だまり52に接触し、小径部44では外周全体が液だまり52に接触してもよい。
ステップ3において、小径部44をコーティングするときの吐出口15の長手軸方向uへの移動速度を、大径部43をコーティングするときの吐出口15の長手軸方向uへの移動速度よりも速くしてもよい。
ステップ3において、液だまり52から液体を溢れさせることが好ましい。このように液だまり52から液体を溢れさせることで、吐出口15から吐出される液体50が新しいものに入れ替わり、より一層、コーティング品質の安定化が図られやすくなる。なお、液だまりから溢れた液体は下に流れて回収部30で回収されることが好ましい。
コーティング装置1が、長尺部材40を支持可能な支持部2と、吐出口15に接続されている液体供給部21とをさらに有し、吐出口15が支持部2または支持部2よりも上に配されている場合、ステップ3の後、液だまり52の液体を液体供給部21側に逆流させることが好ましい(ステップ4)。ステップ4により、次バッチの長尺部材40のコーティングに備えることができる。また、コーティング完了後の吐出口15からの液体の溢れを抑制することができる。なお、ステップ4は、長尺部材40へのコーティングが完了した後に実施されることがより好ましい。
ステップ4の後、吐出口15から液体50を吐出させて新たな液だまり52を形成することが好ましい(ステップ5)。ステップ5は、次バッチの長尺部材40のコーティング開始前に行うことが好ましい。これにより、次バッチのコーティングをスムーズに開始することができる。
ステップ3の後、吐出口15から液体を吐出させない状態で、長尺部材40をコーティング装置1の軸xの周りに公転させてもよい(ステップ6)。この公転操作により、長尺部材40の表面に付着した液体中の溶媒が揮発しやすくなり、コーティング後の乾燥工程や全体のリードタイムの短縮化が図られる。
第1保持部25と第2保持部26で長尺部材40を直接保持している場合には、長尺部材40の第1被保持部47と第2被保持部48を除去することが好ましい(ステップ7)。
第1被保持部47と第2被保持部48の除去は、長尺部材40を切断することにより行うことができる。長尺部材40の切断には、ナイフ、カミソリ、ハサミ等の刃物、レーザー、超音波、ヒーター等の熱源を用いることができる。
1:コーティング装置
2:支持部
5:凹部
6:表面
11:押さえ部
12:取り付け部
13:シャフト
14:突起
15:吐出口
20:液だまり部
25:第1保持部
26:第2保持部
27:回転機構
40:長尺部材
50:液体
x:コーティング装置の軸
R:公転半径

Claims (14)

  1. 医療用の長尺部材と、前記長尺部材に塗布される液体が吐出される吐出口を有しており、軸方向を有するコーティング装置と、を準備するステップと、
    前記吐出口から前記液体を吐出させながら、前記長尺部材を前記コーティング装置の軸周りに公転させるステップと、を有する医療用具の製造方法。
  2. 前記長尺部材を公転させるステップにおいて、前記長尺部材をその長手軸の軸心を中心に自転させながら、前記長尺部材を前記コーティング装置の軸周りに公転させる請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記長尺部材はその長手軸方向に延在している内腔を有し、
    前記コーティング装置は、前記長尺部材の前記内腔に配される長尺な芯材をさらに有し、
    前記コーティング装置の前記軸の方向は、前記長尺部材を公転させる前における前記芯材の長手軸方向である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記コーティング装置は、
    前記長尺部材の長手軸方向の第1端側を保持する第1保持部と、
    前記長尺部材の長手軸方向の第2端側を保持する第2保持部と、をさらに有し、
    前記第1保持部と前記第2保持部の少なくともいずれか一方が、前記長尺部材を公転させる回転機構を有する請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記コーティング装置は、前記長尺部材を支持可能な支持部をさらに有し、前記吐出口が前記支持部または前記支持部よりも上に配される請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記長尺部材を公転させるステップにおいて、前記吐出口から吐出された前記液体の液だまりに前記長尺部材が接触する請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記コーティング装置は、前記長尺部材を支持可能な支持部と、前記吐出口に接続されている液体供給部とをさらに有し、前記吐出口が前記支持部または前記支持部よりも上に配され、
    前記長尺部材を公転させるステップの後、前記液だまりの液体を前記液体供給部側に逆流させるステップをさらに有する請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記液だまりの前記液体を逆流させるステップの後、前記吐出口から液体を吐出させて新たな液だまりを形成するステップを有する請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記コーティング装置は、前記長尺部材を支持可能な支持部と、前記長尺部材を上から押さえる押さえ部と、を有する請求項1~8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記支持部は前記長尺部材の長手軸方向に移動可能であり、
    前記長手軸方向において前記押さえ部は前記吐出口よりも前記支持部の進行方向側に配されている請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記押さえ部は、鉛直方向に移動可能である請求項9または10に記載の製造方法。
  12. 前記支持部は前記長尺部材の長手軸方向に移動可能であり、
    前記コーティング装置は、前記支持部に接続されて、前記支持部の進行方向側に延出しており、前記支持部に前記押さえ部を取り付ける取り付け部をさらに有する請求項9~11のいずれか一項に記載の製造方法。
  13. 前記支持部は上面に凹部を有し、前記押さえ部が前記凹部の表面に配されている突起である請求項9または10に記載の製造方法。
  14. 前記医療用具がカテーテルである請求項1~13のいずれか一項に記載の製造方法。
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