本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による制御システムの概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による制御システム10は、無線装置1と、機器2〜4とを備える。
無線装置1は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて自己の位置情報を取得する。そして、無線装置1は、その取得した位置情報に基づいて、後述する方法によって、自己の周辺に存在する機器2〜4と、機器2〜4を制御するための制御識別子CIDとを取得する。その後、無線装置1は、その取得した機器2〜4と、制御識別子CIDとに基づいて、制御対象の機器である制御対象機器(機器2〜4の少なくとも1つ)と、制御対象機器の制御識別子CIDとを決定する。
そうすると、無線装置1は、制御対象機器の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームを生成し、その生成した無線フレームを無線通信によって制御対象機器に搭載された受信機(図1では図示せず)へ送信する。また、無線装置1は、制御対象機器に搭載された受信機(図1では図示せず)における無線フレームの検出タイミング間の時間間隔が制御対象機器の制御識別子CIDを表す複数の信号検出間隔のうちの1つの信号検出間隔になるように1つの無線フレームを送信する処理を繰り返し実行することによって制御対象機器の制御識別子CIDを制御対象機器に搭載された受信機(図1では図示せず)へ送信する。
無線装置1は、制御対象機器(=機器2〜4の少なくとも1つ)に格納された機器2〜4の制御識別子CIDを変更するか否かを判定する。そして、無線装置1は、制御対象機器(=機器2〜4の少なくとも1つ)の制御識別子CIDを変更すると判定したとき、制御対象機器(=機器2〜4の少なくとも1つ)のモードを制御識別子CIDを変更するための変更モードに切り替えることを指示する変更コマンドComd1を機器2〜4に搭載された受信機(図1では図示せず)へ無線通信によって送信する。なお、変更コマンドComd1は、「第1の変更コマンド」を構成する。
また、無線装置1は、後述する方法によって、機器2〜4のモードが変更モードに切り替わったことを検出する。
更に、無線装置1は、機器2〜4のモードが変更モードに切り替わると、制御識別子CIDの変更を指示する変更コマンドComd2を機器2〜4に搭載された受信機(図1では図示せず)へ無線通信によって送信する。なお、変更コマンドComd2は、「第2の変更コマンド」を構成する。
更に、無線装置1は、機器2〜4の制御識別子CIDが新しい制御識別子CID_NEWに変更されたことを確認するための確認コマンドComd3を機器2〜4に搭載された受信機(図1では図示せず)へ無線通信によって送信する。
更に、無線装置1は、後述する方法によって、機器2〜4の制御識別子CIDが新しい制御識別子CID_NEWに変更されたことを検出する。
機器2〜4の各々は、照明、スピーカ、モニター、カメラおよびモータ等のいずれかからなる電気機器を備える。機器2〜4の各々は、自己が制御対象機器である場合、無線装置1から無線フレームを受信し、その受信した無線フレームの受信電波に基づいて、後述する方法によってビット列を検出する。そして、機器2〜4(制御対象機器)の各々は、その検出したビット列が自己の制御識別子CIDに一致するとき、制御識別子CIDに基づいて、自己に備えられた電気機器を制御する。
また、機器2〜4の各々は、無線装置1から受信した変更コマンドComd1に応じて変更モードへ移行する。そして、機器2〜4の各々は、自己のモードが変更モードへ切り替わると、自己のモードが変更モードへ切り替わったことを示すモード切替信号MCHGを無線通信以外の方法で無線装置1へ送信する。
更に、機器2〜4の各々は、新しい制御識別子CID_NEWを無線装置1から受信する。そして、機器2〜4の各々は、変更モードにおいて、無線装置1から受信した変更コマンドComd2に応じて、制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに変更する。
更に、機器2〜4の各々は、無線装置1から受信した確認コマンドComd3に応じて、新しい制御識別子CID_NEWを示す識別子信号CID_Sを無線通信以外の方法によって無線装置1へ送信する。
[実施の形態1]
図2は、図1に示す無線装置1の実施の形態1における構成を示す概略図である。図2を参照して、無線装置1は、入出力手段11と、中央演算装置12と、無線モジュール13と、アンテナ14,15と、GPS16と、記憶部17と、検出器18とを含む。
入出力手段11は、表示装置を備える。入出力手段11は、機器2〜4に装着された電気機器を制御することを指示するための指示信号Comd4を無線装置1の利用者から受け付け、その受け付けた指示信号Comd4を中央演算装置12へ出力する。
また、入出力手段11は、中央演算装置12から機器2〜4および機器2〜4の制御内容を受けると、その受けた機器2〜4および制御内容を表示装置によって表示する。そして、入出力手段11は、機器2〜4のうちのいずれを制御対象機器とするかを指示する指示信号Comd5と、その制御対象機器の制御内容を指示する指示信号Comd6とを無線装置1の利用者から受け付け、その受け付けた指示信号Comd5,Comd6を中央演算装置12へ出力する。
更に、入出力手段11は、機器2〜4の制御識別子CIDを変更することを指示するための指示信号Comd7と新しい制御識別子CID_NEWとを無線装置1の利用者から受け付け、その受け付けた指示信号Comd7および新しい制御識別子CID_NEWを中央演算装置12へ出力する。
中央演算装置12は、指示信号Comd4〜Comd7および新しい制御識別子CID_NEWを入出力手段11から受ける。また、中央演算装置12は、無線装置1の位置情報をGPS16から受ける。なお、中央演算装置12は、タイマーを内蔵している。
中央演算装置12は、指示信号Comd4を入出力手段11から受け、無線装置1の位置情報をGPS16から受けると、記憶部17に格納されたデータベースDBを検索し、無線装置1の位置情報に基づいて無線装置1の周辺に存在する機器2〜4と機器2〜4を制御するための制御識別子CIDとを取得する。そして、中央演算装置12は、機器2〜4と、機器2〜4の制御内容とを入出力手段11へ出力する。その後、中央演算装置12は、指示信号Comd5,Comd6を入出力手段11から受けると、その受けた指示信号Comd5,Comd6に基づいて、機器2〜4の中から制御対象機器を決定するとともに、その決定した制御対象機器の制御内容を決定する。そうすると、中央演算装置12は、その決定した制御対象機器および制御内容に基づいて、制御対象機器の制御識別子CIDを生成する。そして、中央演算装置12は、後述する方法によって、その生成した制御識別子CIDを表わすフレーム長を有する無線フレームを無線モジュール13およびアンテナ14を介して制御対象機器(機器2〜4の少なくとも1つ)の受信機へ無線通信によって送信する。
また、中央演算装置12は、入出力手段11から指示信号Comd7を受けると、記憶部216に格納されたデータベースDB中の制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに変更する。そして、中央演算装置12は、変更コマンドComd1を表わすフレーム長を有する無線フレームを無線モジュール13およびアンテナ14を介して制御対象機器(機器2〜4の少なくとも1つ)へ無線通信によって送信する。
更に、中央演算装置12は、光強度PL1を検出器18から受ける。そして、中央演算装置12は、光強度PL1をディジタル信号に変換し、その変換したディジタル信号列DS1に基づいて、機器2〜4のモードが変更モードに切り替わったか否かを判定する。より具体的には、中央演算装置12は、機器2〜4のモードが変更モードに切り替わったことを示す光の点滅パターンをディジタル信号に変換したディジタル信号列DS_standardを予め保持している。そして、中央演算装置12は、ディジタル信号列DS1がディジタル信号列DS_standardに一致すれば、機器2〜4のモードが変更モードに切り替わったと判定し、ディジタル信号列DS1がディジタル信号列DS_standardに一致しなければ、機器2〜4のモードが変更モードに切り替わっていないと判定する。
中央演算装置12は、機器2〜4のモードが変更モードに切り替わったと判定したとき、変更コマンドComd2を表わすフレーム長を有する無線フレームを無線モジュール13およびアンテナ14を介して制御対象機器(機器2〜4の少なくとも1つ)へ無線通信によって送信する。
更に、中央演算装置12は、変更コマンドComd2を送信すると、新しい制御識別子CID_NEWを表わすフレーム長を有する無線フレームを無線モジュール13およびアンテナ14を介して制御対象機器(機器2〜4の少なくとも1つ)へ無線通信によって送信する。
更に、中央演算装置12は、新しい制御識別子CID_NEWを送信すると、確認コマンドComd3を表わすフレーム長を有する無線フレームを無線モジュール13およびアンテナ14を介して制御対象機器(機器2〜4の少なくとも1つ)へ無線通信によって送信する。
更に、中央演算装置12は、光強度PL2を検出器18から受ける。そして、中央演算装置12は、光強度PL2をディジタル信号に変換し、その変換したディジタル信号列DS2に基づいて、機器2〜4の制御識別子CIDが新しい制御識別子CID_NEWに切り替わったか否かを判定する。より具体的には、中央演算装置12は、ディジタル信号列DS2が新しい制御識別子CID_NEWのビットパターンに一致すれば、機器2〜4の制御識別子CIDが新しい制御識別子CID_NEWに切り替わったと判定し、ディジタル信号列DS2が新しい制御識別子CID_NEWのビットパターンに一致しなければ、機器2〜4の制御識別子CIDが新しい制御識別子CID_NEWに切り替わっていないと判定する。
無線モジュール13は、制御対象機器の制御識別子CIDを中央演算装置12から受け、その受けた制御識別子CIDをアンテナ14を介して制御対象機器(機器2〜4の少なくとも1つ)へ後述する方法によって送信する。この場合、無線モジュール13は、所望の周波数で制御識別子CIDを制御対象機器(機器2〜4の少なくとも1つ)へ送信する。
また、無線モジュール13は、変更コマンドComd1,Comd2および確認コマンドComd3を無線フレームのフレーム長によって表わして制御対象機器(機器2〜4の少なくとも1つ)へ送信する。
更に、無線モジュール13は、新しい制御識別子CID_NEWをフレーム長によって表わして制御対象機器(機器2〜4の少なくとも1つ)へ送信する。
GPS16は、アンテナ15を介して無線装置1の位置情報を計測し、その計測した位置情報を中央演算装置12へ出力する。
記憶部17は、無線装置1の位置情報と、機器2〜4と、機器2〜4の制御識別子CIDとを相互に対応付けた構成からなるデータベースDBを記憶する。
検出器18は、例えば、光センサーからなる。検出器18は、機器2〜4から放射された光の点滅を受信し、光強度PL1,PL2を検出する。そして、検出器18は、その検出した光強度PL1,PL2を中央演算装置12へ出力する。
図3は、図1に示す機器2の実施の形態1における構成を示す概略図である。図3を参照して、機器2は、受信機21と、被制御部22とを含む。受信機21は、アンテナ211と、RFフィルタ212と、包絡線検波回路213と、ビット判定器214と、マイクロコンピュータ215と、記憶部216と、タイマー217と、制御回路218と、送信器219とを含む。
受信機21は、例えば、100μWの電力を電源(図示せず)から受け、その受けた電力によって駆動される。そして、受信機21は、無線通信による送信機能を有さず、無線通信による受信機能のみを有する。
また、受信機21は、アンテナ211を介して無線装置1から無線フレームの電波を受信し、その受信した受信電波に基づいて、後述する方法によってビット列を検出し、その検出したビット列が機器2の制御識別子CIDに一致するか否かを判定する。受信機21は、ビット列が機器2の制御識別子CIDに一致すると判定したとき、制御識別子CIDに基づいて被制御部22を制御する。
一方、受信機21は、ビット列が機器2の制御識別子CIDに一致しないとき、ビット列を破棄する。そして、受信機21は、無線フレームの受信を待つ状態になる。
更に、受信機21は、アンテナ211を介して無線装置1から受信した無線フレームの受信電波に基づいて、後述する方法によって、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを復号する。
そして、受信機21は、変更コマンドComd1を復号すると、自己のモードを機器2の制御識別子CIDを変更する変更モードへ切り替える。その後、受信機21は、自己のモードを変更モードへ切り替えると、光を点滅させることによって、受信機21のモードが変更モードへ切り替わったことを示すモード切替信号MCHGを無線通信以外の方法で送信する。
また、受信機21は、変更コマンドComd2を復号すると、機器2の制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに変更する。その後、受信機21は、確認コマンドComd3を復号すると、新しい制御識別子CID_NEWのビットパターンに従って光を点滅させることによって、新しい制御識別子CID_NEWを表わす識別子信号CID_Sを無線通信以外の方法で送信する。
被制御部22は、受信機21からの制御に従って、電源がオフされたり、電源がオンされたり、調光されたりする。
アンテナ211は、RFフィルタ212に接続される。RFフィルタ212は、アンテナ211を介して電波を受信し、その受信した受信電波から無線フレームの周波数を有する信号を抽出する。そして、RFフィルタ212は、その抽出した信号を包絡線検波回路213へ出力する。
包絡線検波回路213は、RFフィルタ212から受けた信号を一定周期(例えば、10μs)ごとに包絡線検波し、その検波した検波信号をビット判定器214へ出力する。
ビット判定器214は、包絡線検波回路213から受けた検波信号を“0”または“1”のビット値に変換し、その変換後のビット列をマイクロコンピュータ215へ出力する。
マイクロコンピュータ215は、フレーム長検出処理、IDマッチング処理および制御処理を順次実行する。
マイクロコンピュータ215は、フレーム長検出処理において、ビット判定器214から受けたビット列に基づいて無線フレームのフレーム長を検出する。より具体的には、マイクロコンピュータ215は、“1”のビット値の個数を累計し、“0”のビット値が入力されると、“1”のビット値の個数の累積を停止し、“0”のビット値が入力されたときの累計値cを保持する。そして、マイクロコンピュータ215は、後述する方法によって累積値cをビット列に変換する。
マイクロコンピュータ215は、累積値cのしきい値ACM_th1,ACM_th2を予め保持している。しきい値ACM_th1は、例えば、20に設定され、しきい値ACM_th2は、例えば、50に設定される。マイクロコンピュータ215は、累積値cをしきい値ACM_th1と比較し、累積値cがしきい値ACM_th1よりも小さいとき、累積値cから変換されたビット列が変更コマンドComd1,Comd2および確認コマンドComd3のいずれかであると判定する。また、マイクロコンピュータ215は、累積値cをしきい値ACM_th1,ACM_th2と比較し、ACM_th1<c<ACM_th2であるとき、累積値cから変換されたビット列が制御識別子CIDであると判定する。更に、マイクロコンピュータ215は、累積値cをしきい値ACM_th2と比較し、累積値cがしきい値ACM_th2よりも大きいとき、累積値cから変換されたビット列が新しい制御識別子CID_NEWであると判定する。そして、マイクロコンピュータ215は、しきい値ACM_th1,ACM_th2を用いた判定が終了すると、累積値cをリセットする。
マイクロコンピュータ215は、その変換したビット列が制御識別子CIDであるとき、記憶部216から機器2の制御識別子CIDを読み出し、ビット列が制御識別子CIDに一致するか否かを判定する。即ち、マイクロコンピュータ215は、IDマッチング処理を実行する。
マイクロコンピュータ215は、ビット列が制御識別子CIDに一致すると判定したとき、制御識別子CIDに基づいて、被制御部22の制御内容を制御回路218へ出力する。
一方、マイクロコンピュータ215は、ビット列が制御識別子CIDに一致しないと判定したとき、ビット列を破棄する。
また、マイクロコンピュータ215は、その変換したビット列が変更コマンドComd1であるとき、受信機21のモードを変更モードに切り替えるように受信機21を制御する。これによって、受信機21は、変更モードへ移行する。そして、マイクロコンピュータ215は、受信機21のモードを変更モードに切り替えたことを示すモード切替信号MCHGを送信するように送信器219を制御する。
更に、マイクロコンピュータ215は、その変換したビット列が変更コマンドComd2を表わすとき、ビット列が変更コマンドComd2であることを検知したときの時刻t_baseをタイマー217からの時刻情報に基づいて取得する。そして、マイクロコンピュータ215は、その後、累積値cから変換されたビット列を新しい制御識別子CID_NEWとして取得し、その取得した新しい制御識別子CID_NEWによって、記憶部216に格納された制御識別子CIDを書き換える。一方、マイクロコンピュータ215は、時刻t_baseから一定時間内に次の制御を受信できない場合、記憶部216に格納された新しい制御識別子CID_NEWを変更前の制御識別子CIDに戻す。
更に、マイクロコンピュータ215は、その変換したビット列が確認コマンドComd3を表わすとき、新しい制御識別子CID_NEWのビットパターンに応じて光を点滅させることによって、新しい制御識別子CIDを表わす識別子信号CID_Sを送信するように送信器219を制御する。
記憶部216は、機器2の制御識別子CIDを記憶する。
タイマー217は、時刻情報をマイクロコンピュータ215へ出力する。
制御回路218は、マイクロコンピュータ215から制御内容を受け、その受けた制御内容に基づいて被制御部22を制御する。
送信器219は、例えば、LED(Light Emitting Device)を含む。そして、送信器219は、マイクロコンピュータ215からの制御に従って、LEDを点滅させることによってモード切替信号MCHGおよび識別子信号CID_Sを無線装置1へ送信する。即ち、受信機21は、無線通信以外の方法によってモード切替信号MCHGおよび識別子信号CID_Sを無線装置1へ送信する。
なお、実施の形態1においては、図1に示す機器3,4の各々も、図3に示す機器2と同じ構成からなる。
図4は、制御識別子CIDの構成を示す概略図である。図4を参照して、制御識別子CIDは、制御対象と、制御種別と、制御値とを含む。
制御対象、制御種別および制御値は、相互に対応付けられる。制御対象は、制御する対象を表す。制御種別は、各機器2〜4の具体的な制御項目を表す。制御値は、制御種別の具体的な制御内容を表す。そして、制御対象および制御種別は、制御対象機器を特定する特定情報を構成し、制御値は、制御対象機器の制御内容を示す制御情報を構成する。また、制御対象、制御種別および制御値の各々は、例えば、4ビットのビット値によって表される。
図5は、データベースDBの概念図である。図5を参照して、データベースDBは、経度緯度と、場所と、名前と、制御対象と、制御種別と、制御値とを含む。経度緯度、場所、名前、制御対象、制御種別および制御値は、相互に対応付けられる。そして、経度緯度および場所は、位置情報を構成し、制御対象、制御種別および制御値は、上述したように制御識別子CIDを構成する。
北緯x度、緯度y度には、例えば、4丁目Aビルが存在する。そして、4丁目Aビルの天井には、天井照明がある。この天井照明は、経度緯度(=北緯x度、緯度y度)と、場所(=4丁目Aビル)とからなる位置情報に対応付けられ、制御対象としての対象1を表す“0001”は、経度緯度(=北緯x度、緯度y度)と、場所(=4丁目Aビル)とからなる位置情報に対応付けられ、制御種別としての照明スイッチを表す“0001”は、経度緯度(=北緯x度、緯度y度)と、場所(=4丁目Aビル)とからなる位置情報に対応付けられ、制御値としてのONを表す“0001”は、経度緯度(=北緯x度、緯度y度)と、場所(=4丁目Aビル)とからなる位置情報に対応付けられる。また、同様にして、制御対象(“0001”)および制御種別(“0001”)は、経度緯度(=北緯x度、緯度y度)と、場所(=4丁目Aビル)とからなる位置情報に対応付けられ、制御値としてのOFFを表す“0000”は、経度緯度(=北緯x度、緯度y度)と、場所(=4丁目Aビル)とからなる位置情報に対応付けられる。従って、北緯x度、緯度y度の4丁目Aビルにある天井照明の制御内容は、天井照明の照明スイッチをONすること、または天井照明の照明スイッチをOFFすることからなる。
フロア空調、壁の間接照明および西門施錠に関しても、同様にして、名前、制御対象、制御種別および制御値が位置情報に対応付けられる。
そして、フロア空調に関しては、空調温度を上昇させること、または空調温度を下降させることが制御内容になり、壁の間接照明に関しては、調光を大にすること、または調光を中にすること、または調光を小にすることが制御内容になり、西門施錠に関しては、門開閉を開けること、または門開閉を閉じることが制御内容になる。
このように、データベースDBは、制御対象、制御種別および制御値からなる制御識別子CIDを位置情報に対応付けた構成からなる。そして、データベースDBは、無線装置1の記憶部17に格納されている。
また、機器2〜4の各々が天井照明である場合、機器2〜4の各々の記憶部216は、“000100010000”からなる制御識別子と、“000100010001”からなる制御識別子とを記憶する。更に、機器2〜4の各々がフロア空調である場合、機器2〜4の各々の記憶部216は、“001000100000”からなる制御識別子と、“001000100001”からなる制御識別子とを記憶する。更に、機器2〜4の各々が壁の間接照明である場合、機器2〜4の各々の記憶部216は、“001100110000”からなる制御識別子と、“001100110001”からなる制御識別子と、“001100110010”からなる制御識別子とを記憶する。更に、機器2〜4の各々が西門施錠である場合、機器2〜4の各々の記憶部216は、“000101000000”からなる制御識別子と、“000101000001からなる制御識別子とを記憶する。
なお、データベースDBにおいて、西門施錠の制御対象が対象1になっているのは、西門施錠が天井照明等の場所(4丁目)と無線による制御が同時に行われない離れた場所(5丁目)に存在するからである。
図6は、ビット列と無線フレームの時間長であるフレーム長Lとの変換表を示す図である。図6を参照して、変換表TBL1は、ビット列とフレーム長とを含む。ビット列およびフレーム長は、相互に対応付けられる。
230μsのフレーム長Lは、“000100010000”のビット列に対応付けられる。260(μs)のフレーム長Lは、“000100010001”のビット列に対応付けられる。290(μs)のフレーム長Lは、“001000100000”のビット列に対応付けられる。320(μs)のフレーム長Lは、“001000100001”のビット列に対応付けられる。350(μs)のフレーム長Lは、“001100110000”のビット列に対応付けられる。380(μs)のフレーム長Lは、“001100110001”のビット列に対応付けられる。410(μs)のフレーム長Lは、“001100110010”のビット列に対応付けられる。440(μs)のフレーム長Lは、“000101000000”のビット列に対応付けられる。470(μs)のフレーム長Lは、“000101000001”のビット列に対応付けられる。
000100010000”等のビット列は、“A1A2A3A4B1B2B3B4C1C2C3C4”の形式からなり、制御対象機器の制御識別子CIDである。そして、左側の4ビット(=A1A2A3A4)は、制御対象を表し、中央の4ビット(=B1B2B3B4)は、制御種別を表し、右側の4ビット(=C1C2C3C4)は、制御値を表す。
無線装置1の中央演算装置12は、変換表TBL1を保持している。そして、中央演算装置12は、“000100010000”からなる制御識別子CIDに対して、変換表TBL1を参照してフレーム長L=230(μs)を割り当てる。
そうすると、中央演算装置12は、フレーム長がL=230(μs)に最も近くなるようにペイロードサイズを決定し、その決定したペイロードサイズを有するペイロードを生成し、その生成したペイロードを無線モジュール13へ出力する。そして、無線モジュール13は、中央演算装置12からペイロードを受け、その受けたペイロードを含む無線フレームを生成し、その生成した無線フレームを制御対象機器(機器2〜4のいずれか)の受信機21へ無線通信によって送信する。
また、中央演算装置12は、“000100010000”からなる制御識別子CIDにフレーム長L=230(μs)を割り当てると、“000100010000”からなる制御識別子CIDを含む無線フレームの時間長が230(μs)になるように送信するための伝送レートを決定し、その決定した伝送レートと“000100010000”からなる制御識別子CIDとを無線モジュール13へ出力する。無線モジュール13は、“000100010000”からなる制御識別子CIDと、伝送レートとを中央演算装置12から受ける。そして、無線モジュール13は、“000100010000”からなる制御識別子CIDを含む無線フレームを生成し、その生成した無線フレームを中央演算装置12から受けた伝送レートで制御対象機器(機器2〜4のいずれか)の受信機21へ無線通信によって送信する。
更に、中央演算装置12は、“000100010000”からなる制御識別子CIDにフレーム長L=230(μs)を割り当てると、フレーム長がL=230(μs)に最も近くなるようにペイロードサイズを決定し、その決定したペイロードサイズを有するペイロードを生成する。また、中央演算装置12は、その生成したペイロードを含む無線フレームの時間長が230(μs)になるように送信するための伝送レートを決定する。そして、中央演算装置12は、その生成したペイロードと、その決定した伝送レートとを無線モジュール13へ出力する。無線モジュール13は、ペイロードおよび伝送レートを中央演算装置12から受け、その受けたペイロードを含む無線フレームを生成する。そして、無線モジュール13は、その生成した無線フレームを中央演算装置12から受けた伝送レートで制御対象機器(機器2〜4のいずれか)の受信機21へ無線通信によって送信する。
このように、無線モジュール13は、フレーム長がL=230(μs)になるようにペイロードサイズおよび伝送レートの少なくとも一方を制御し、その制御したペイロードサイズおよび伝送レートの少なくとも一方を用いて無線フレームを制御対象機器(機器2〜4のいずれか)の受信機21へ無線通信によって送信する。
なお、ペイロードとなるデータの中身は、乱数値でもよいし、特定の値に設定されてもよい。
中央演算装置12は、“000100010001”等からなる制御識別子CIDを送信する場合も、同様にしてペイロードおよび/または伝送レートを無線モジュール13へ出力する。
変換表TBL1において、フレーム長Lが30μsごとに区切られているのは、受信機21のクロック周波数を低くし、受信機21が無線フレームの切れ目を識別できるようにするためである。
上述したように、無線装置1は、制御識別子CIDをフレーム長によって表した無線フレームを制御対象機器(機器2〜4のいずれか)の受信機21へ無線通信によって送信する。
図7は、包絡線検波およびビット判定の概念図である。図7を参照して、受信機21の包絡線検波回路213は、無線フレームFRをRFフィルタ212から受ける。無線フレームFRは、例えば、230(μs)のフレーム長Lを有する((a)参照)。
包絡線検波回路213は、無線フレームFRの包絡線EVLを検出し、その検出した包絡線EVLを10(μs)毎に検波し、検波値I1〜I24を検出する((b)参照)。
そして、包絡線検波回路213は、検波値I1〜I24をビット判定器214へ出力する。ビット判定器214は、検波値I1〜I24をビット判定し、“111・・・1110”のビット列を得る。そして、ビット判定器214は、“111・・・1110”のビット列をマイクロコンピュータ215へ出力する。
マイクロコンピュータ215は、“111・・・1110”のビット列の先頭から“1”のビット値の個数を累積し、“23”の累積値を検出する。そして、マイクロコンピュータ215は、24個目のビット値が“0”であるので、“23”の累積値をビット列に変換し、その後、累積値をリセットする。
図8は、累積値とビット列との変換表を示す図である。図8を参照して、変換表TBL2は、累積値とビット列とを含む。累積値およびビット列は、相互に対応付けられる。
“000100010000”のビット列は、22≦c≦24の累積値cに対応付けられる。“000100010001”のビット列は、25≦c≦27の累積値cに対応付けられる。“001000100000”のビット列は、28≦c≦30の累積値cに対応付けられる。“001000100001”のビット列は、31≦c≦33の累積値cに対応付けられる。“001100110000”のビット列は、34≦c≦36の累積値cに対応付けられる。“001100110001”のビット列は、37≦c≦39の累積値cに対応付けられる。“001100110010”のビット列は、40≦c≦42の累積値cに対応付けられる。“000101000000”のビット列は、43≦c≦45の累積値cに対応付けられる。“000101000001”のビット列は、46≦c≦48の累積値cに対応付けられる。
マイクロコンピュータ215は、変換表TBL2を保持している。そして、マイクロコンピュータ215は、“23”の累積値cを求めると、変換表TBL2を参照して、“23”の累積値cを“000100010000”のビット列に変換する。
そして、マイクロコンピュータ215は、その変換した“000100010000”のビット列が機器2の制御識別子CIDに一致する場合、制御識別子CIDの制御値を参照して制御内容を検出し、その検出した制御内容を制御回路218へ出力する。
一方、マイクロコンピュータ215は、その変換した“000100010000”のビット列が機器2の制御識別子CIDに一致しない場合、“000100010000”のビット列を破棄し、制御回路218へ何も出力しない。
図9は、図1に示す無線装置1の入出力手段11における表示装置の表示画面の例を示す図である。
機器2が図5に示すデータベースDBの天井照明であり、機器3が図5に示すデータベースDBのフロア空調であり、機器2,3が無線装置1の周辺に存在することを前提として入出力手段11における表示装置の表示画面について説明する。
無線装置1の中央演算装置12は、指示信号Comd1を入出力手段11から受け、経度緯度(=北緯x度、経度y度)および場所(=4丁目Aビル)からなる位置情報をGPS16から受けると、記憶部17に記憶されたデータベースDBを検索し、位置情報に基づいて、無線装置1の周辺に存在する天井照明およびフロア空調と、天井照明の制御識別子([0001(対象1)、0001(照明スイッチ)、0001(ON)],[0001(対象1)、0001(照明スイッチ)、0000(OFF)])と、フロア空調の制御識別子([0010(対象2)、0010(空調温度)、0001(上昇)],[0010(対象2)、0010(空調温度)、0000(下降)])とを取得する。
そして、中央演算装置12は、その取得した天井照明およびフロア空調と、天井照明の制御識別子([0001(対象1)、0001(照明スイッチ)、0001(ON)],[0001(対象1)、0001(照明スイッチ)、0000(OFF)])と、フロア空調の制御識別子([0010(対象2)、0010(空調温度)、0001(上昇)],[0010(対象2)、0010(空調温度)、0000(下降)])と、無線装置1の現在の場所(4丁目Aビル)とを入出力手段11へ出力する。
入出力手段11は、天井照明およびフロア空調と、天井照明の制御識別子([0001(対象1)、0001(照明スイッチ)、0001(ON)],[0001(対象1)、0001(照明スイッチ)、0000(OFF)])と、フロア空調の制御識別子([0010(対象2)、0010(空調温度)、0001(上昇)],[0010(対象2)、0010(空調温度)、0000(下降)])と、無線装置1の現在の場所(4丁目Aビル)とを中央演算装置12から受ける。
そして、入出力手段11は、無線装置1の現在の場所(4丁目Aビル)を表示装置に表示する。また、入出力手段11は、天井照明の制御識別子([0001(対象1)、0001(照明スイッチ)、0001(ON)],[0001(対象1)、0001(照明スイッチ)、0000(OFF)])に基づいて、制御対象1としての“天井照明”と、“ONボタン”および“OFFボタン”とを表示装置に表示する。更に、入出力手段11は、フロア空調の制御識別子([0010(対象2)、0010(空調温度)、0001(上昇)],[0010(対象2)、0010(空調温度)、0000(下降)])に基づいて、制御対象2としての“フロア空調”と、温度の“上下ボタン”とを表示装置に表示する。
そうすると、無線装置1の利用者は、入出力手段11の表示画面を見て、制御したい制御対象と、制御内容とを選択する。例えば、無線装置1の利用者は、“天井照明”を“OFF”したいのであれば、制御対象1の“天井照明”の部分をタップするとともに、“OFFボタン”を押す。
入出力手段11は、“天井照明”の部分がタップされると、“天井照明”を制御対象機器とすることを指示する指示信号Comd5を受け付け、“OFFボタン”が押されると、制御対象機器(“天井照明”)の制御内容(“OFF”)を指示する指示信号Comd6を受け付ける。
そして、入出力手段11は、その受け付けた指示信号Comd5,Comd6を中央演算装置12へ出力する。
中央演算装置12は、指示信号Comd5,Comd6を入出力手段11から受けると、指示信号Comd5に基づいて、無線装置1の周辺に存在する機器2,3のうち、機器2を制御対象機器として決定し、指示信号Comd6に基づいて、制御対象機器(=機器2)の制御内容(=照明スイッチの“OFF”)を決定する。そして、中央演算装置12は、その決定した制御対象機器および制御内容に基づいて、“000100010000”からなる制御識別子CIDを生成し、その生成した制御識別子CID(=“000100010000”)に対応するフレーム長(=230μs)をテーブルTBL1を参照して検出する。
その後、中央演算装置12および無線モジュール13は、上述した方法によって、ペイロードサイズおよび伝送レートの少なくとも一方を制御して、230μsのフレーム長を有する無線フレームを機器2の受信機21へ送信する。
無線装置1の利用者が“フロア空調”を制御対象として選択した場合、中央演算装置12は、“フロア空調”を制御対象機器とする指示信号Comd5を入出力手段11から受ける。また、中央演算装置12は、最初に表示した温度(28度)よりも温度が上昇されれば、空調温度を上昇させる指示信号Comd6を入出力手段11から受け、最初に表示した温度(28度)よりも温度が下げられれば、空調温度を下降させる指示信号Comd6を入出力手段11から受ける。そして、中央演算装置12は、指示信号Comd5,Comd6に基づいて、上述した方法によって“フロア空調”の制御識別子CIDを生成する。その後、中央演算装置12および無線モジュール13は、上述した方法によって、“フロア空調”の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームを機器3の受信機21へ送信する。
また、無線装置1の利用者が“天井照明”および“フロア空調”の両方を制御対象として選択した場合、中央演算装置12は、“天井照明”および“フロア空調”の各々について、指示信号Comd5,Comd6を入出力手段11から受け、その受けた指示信号Comd5,Comd6に基づいて、上述した方法によって、“天井照明”の制御識別子CIDと“フロア空調”の制御識別子CIDとを生成する。そして、中央演算装置12および無線モジュール13は、上述した方法によって、“天井照明”の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームを機器2の受信機21へ送信し、“フロア空調”の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームを機器3の受信機21へ送信する。
図10は、ビット列とフレーム長との別の変換表を示す図である。図10を参照して、変換表TBL3は、ビット列とフレーム長とを含む。ビット列およびフレーム長は、相互に対応付けられる。
110μsのフレーム長Lは、“0000”のビット列に対応付けられ、140μsのフレーム長Lは、“0001”のビット列に対応付けられ、170μsのフレーム長Lは、“0010”のビット列に対応付けられる。
そして、ビット列“0000”は、変更コマンドComd1を表わし、ビット列“0001”は、変更コマンドComd2を表わし、ビット列“0010”は、確認コマンドComd3を表わす。
また、530μsのフレーム長Lは、“010000100100”のビット列に対応付けられ、560μsのフレーム長Lは、“010000100101”のビット列に対応付けられ、以下、同様にして、530+30(k−1)(kは2以上の整数)μsのフレーム長Lは、“010100110111”のビット列に対応付けられる。
ビット列“010000100100”,“010000100101”,・・・,“010100110111”は、それぞれ、新しい制御識別子CID_NEW1,CID_NEW2,・・・,CID_NEWkを表わす。
このように、変更コマンドComd1,Comd2および確認コマンドComd3は、図6に示す制御識別子CIDを表わすフレーム長Lよりも短いフレーム長Lによって表わされる。また、新しい制御識別子CID_NEW1,CID_NEW2,・・・,CID_NEWkは、図6に示す制御識別子CIDを表わすフレーム長Lよりも長いフレーム長Lによって表わされる。
無線装置1の中央演算装置12は、変換表TBL3を保持しており、変換表TBL3を参照して、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEW1,CID_NEW2,・・・,CID_NEWkをそれぞれ対応するフレーム長Lに変換する。
変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEW1,CID_NEW2,・・・,CID_NEWkは、制御識別子CIDをフレーム長Lによって表わして送信する方法と同じ方法によって、フレーム長Lによって表わされて送信される。
図11は、累積値とビット列との別の変換表である。図11を参照して、変換表TBL4は、累積値とビット列とを含む。累積値およびビット列は、相互に対応付けられる。
“0000”のビット列は、10≦c≦12の累積値cに対応付けられ、“0001”のビット列は、13≦c≦15の累積値cに対応付けられ、“0010”のビット列は、16≦c≦18の累積値cに対応付けられる。
また、“010000100100”のビット列は、52≦c≦54の累積値cに対応付けられ、“010000100101”のビット列は、55≦c≦57の累積値cに対応付けられ、以下、同様にして、“010100110111”のビット列は、52+3(k−1)≦c≦54+3(k−1)の累積値cに対応付けられる。
このように、変更コマンドComd1,Comd2および確認コマンドComd3は、20(=しきい値ACM_th1)よりも小さい累積値cに対応付けられ、新しい制御識別子CID_NEW1〜CID_NEWkは、50(=しきい値ACM_th2)よりも大きい累積値cに対応付けられる。なお、制御識別子CIDは、20<c<50の累積値cに対応付けられる(図8参照)。
従って、受信機21のマイクロコンピュータ215は、演算した累積値cをしきい値ACM_th1、ACM_th2と比較することによって、累積値cから変換されたビット列が変更コマンドComd1,Comd2および確認コマンドComd3であるか、制御識別子CIDであるか、新しい制御識別子CID_NEWであるかを容易に判定できる。
なお、受信機21のマイクロコンピュータ215は、変換表TBL4を予め保持している。
図12は、図1に示す制御システム10の実施の形態1における動作を説明するためのプローチャートである。
なお、図12においては、機器2が制御対象機器であることを前提として制御システム10の動作を説明する。
図12を参照して、一連の動作が開始されると、無線装置1の中央演算装置12は、入出力手段11から指示信号Comd4を受けると(ステップS1)、記憶部17に格納されたデータベースDBを検索し、GPS16から受けた無線装置1の位置情報に基づいて無線装置1の周辺に存在する機器と、その機器の制御識別子とを取得する(ステップS2)。
そして、中央演算装置12は、その取得した機器と、機器の制御識別子とを入出力手段11へ出力し、入出力手段11は、上述した方法によって、機器と、その機器の制御内容とを表示装置に表示する(ステップS3)。
その後、中央演算装置12は、指示信号Comd5,Comd6を入出力手段11から受け、その受けた指示信号Comd5,Comd6に基づいて、上述した方法によって、制御対象機器(=機器2)と、その制御対象機器の制御内容とを決定し、制御識別子CIDを生成する(ステップS4)。
そして、中央演算装置12および無線モジュール13は、上述した方法によって、制御識別子を表すフレーム長を有する無線フレームを制御対象機器(=機器2)の受信機21へ送信する(ステップS5)。
制御対象機器(=機器2)の受信機21において、RFフィルタ212は、アンテナ211を介して電波を受信し、その受信した受信電波から無線フレームの周波数を有する信号を抽出する。これによって、受信機21は、無線フレームを受信する(ステップS6)。そして、RFフィルタ212は、その抽出した信号を包絡線検波回路213へ出力する。
包絡線検波回路213は、RFフィルタ212から受けた信号を一定周期ごとに包絡線検波し(ステップS7)、その検波した検波信号をビット判定器214へ出力する。
ビット判定器214は、包絡線検波回路213から受けた検波信号を“0”または“1”のビット値に変換して包絡線をビット判定する(ステップS8)。そして、ビット判定器214は、その変換後のビット列をマイクロコンピュータ215へ出力する。
マイクロコンピュータ215は、ビット判定器214から受けたビット列における“1”のビット値の個数を累計し、“0”のビット値が入力されると、“1”の累積を停止し、そのときの累積値を“1”の累積値cとして演算する(ステップS9)。そして、マイクロコンピュータ215は、テーブルTBL2を参照して、その演算した累計値をビット列に変換する(ステップS10)。
マイクロコンピュータ215は、累積値cをしきい値ACM_th1、ACM_th2と比較し、累積値cから変換されたビット列が制御識別子CIDを表わすことを検知する。
そうすると、マイクロコンピュータ215は、記憶部216から制御対象機器(=機器2)の制御識別子CIDを読み出し、ビット列が制御識別子CIDに一致するか否かを判定する(ステップS11)。
例えば、機器2が図5に示す“天井照明”である場合、機器2の記憶部216は、“000100010000”からなる制御識別子CID_Aと、“000100010001”からなる制御識別子CID_Bとを記憶する。従って、マイクロコンピュータ215は、2つの制御識別子CID_A,CID_Bを記憶部216から読み出し、ビット列が2つの制御識別子CID_A,CID_Bの各々と一致するか否かを判定する。
ステップS11において、ビット列が制御識別子CIDに一致すると判定されたとき、マイクロコンピュータ215は、制御識別子CIDに基づいて、制御内容を制御回路218へ出力し、制御回路218は、マイクロコンピュータ215から受けた制御内容に従って被制御部22を制御する(ステップS12)。
例えば、機器2が図5に示す“天井照明”であり、ビット列が制御識別子CID_A(=“000100010000”)に一致すると判定されたとき、マイクロコンピュータ215は、制御識別子CID_A(=“000100010000”)の左側の4ビット(=“0001”)を参照して、制御対象が対象1であることを検出し、機器2が制御対象になっていることを検知する。また、マイクロコンピュータ215は、制御識別子CID_A(=“000100010000”)の中央部の4ビット(=“0001”)を参照して、制御種別が照明スイッチであることを検出し、制御識別子CID_A(=“000100010000”)の右側の4ビット(=“0000”)を参照して、照明スイッチをオフすることを検出する。そして、マイクロコンピュータ215は、機器2の照明スイッチをオフする制御内容を制御回路218へ出力し、制御回路218は、マイクロコンピュータ215からの制御内容に従って、被制御部22の照明スイッチをオフする。
一方、ステップS11において、ビット列が制御識別子CIDに一致しないと判定されたとき、マイクロコンピュータ215は、ビット列を破棄し、制御回路218へ何も出力しない。
そして、ステップS11において、ビット列が制御識別子CIDに一致しないと判定されたとき、またはステップS12の後、一連の動作が終了する。
このように、無線装置1の中央演算装置12は、無線装置1の位置情報と、各機器の制御識別子CIDとを対応付けた構成からなるデータベースDBを検索し、制御対象機器を決定するとともに、その決定した制御対象機器の制御識別子CIDを生成するので(ステップS1〜ステップS4参照)、無線装置1は、制御対象である機器2を特定し、かつ、機器2を制御するための制御識別子CIDを容易に取得できる。
また、無線装置1は、制御識別子CIDを制御対象の機器2へ無線通信によって送信し、制御対象の機器2は、制御識別子CIDが自己の制御識別子に一致するとき、制御識別子CIDに基づいて被制御部22を制御するので(ステップS5,S11,S12参照)、無線装置1は、制御対象機器(=機器2)を容易に制御できる。
従って、制御対象機器を特定し、かつ、制御対象機器を制御するための制御識別子CIDを容易に取得して制御対象機器を容易に制御できる。
また、無線装置1の利用者は、無線装置1の周辺に存在する機器2〜4を制御できるので、例えば、無線装置1としてのスマートホーンの利用者は、自己が公共施設の近くに居れば、自己のスマートホーンを用いて図12に示すフローチャートに従って公共施設に設置された機器2〜4を制御できる。その結果、自己のスマートホーンをリモコンとして利用でき、リモコンの取り合いを防止できる。
なお、図12においては、1つの機器2が制御対象である場合について説明したが、2以上の機器が制御対象である場合も、制御システム10の動作は、図12に示すフローチャートに従って実行される。この場合、無線装置1は、上述したステップS1〜S5を2以上の機器について並列または直列に実行し、2以上の機器の各々は、上述したステップS6〜S12を実行する。
図13は、機器2〜4の制御識別子CIDを変更するときの制御システム10の動作を示すフローチャートである。
なお、図13においては、機器2の制御識別子CIDを変更するときの制御システム10の動作を説明する。
図13を参照して、制御識別子CIDの変更が開始されると、無線装置1は、変更コマンドComd1を機器2の受信機21へ送信する(ステップS21)。
機器2の受信機21は、変更コマンドComd1を受信し、その受信した変更コマンドComd1に応じて、自己のモードを変更モードに切り替え、送信器219のLEDを点滅させてモードを変更モードへ切り替えたことを無線装置1へ通知する(ステップS22)。
無線装置1は、機器2の受信機21のモードが変更モードに切り替えたことを検出器18によって検出すると、変更コマンドComd2を機器2の受信機21へ無線通信によって送信する(ステップS23)。その後、無線装置1は、新しい制御識別子CID_NEWを機器2の受信機21へ無線通信によって送信する(ステップS24)。
そうすると、機器2の受信機21は、変更コマンドComd2に応じて、制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに変更する。
ステップS24の後、無線装置1は、確認コマンドComd3を機器2の受信機21へ無線通信によって送信する(ステップS25)。機器2の受信機21は、確認コマンドComd3に応じて、LEDを新しい制御識別子CID_NEWに従って点滅させることによって、制御識別子CIDが新しい制御識別子CID_NEWへ切り替えられたことを無線装置1へ通知する(ステップS26)。
そして、無線装置1は、機器2の制御識別子CIDが新しい制御識別子CID_NEWへ切り替えられたこと検出器18によって検出する。
なお、受信機21は、変更コマンドComd1の受信から変更コマンドComd2の受信までの間、受信機21のモードが変更モードに切り替わったことを通知するLEDの点滅を継続する。
また、受信機21は、変更コマンドComd2の受信から一定期間内に次の制御を受信しなければ、制御識別子CIDを変更前の制御識別子CIDに戻す。
なお、機器3,4の制御識別子CIDを変更するときの制御システム10の動作も図13に示すフローチャートに従って実行される。
図14は、機器2〜4の制御識別子CIDを変更するときの制御元の無線装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
図14を参照して、無線装置1の中央演算装置12は、入出力手段11から変更コマンドComd1を受けたか否かを判定することによって、機器2〜4の制御識別子CIDを変更するか否かを判定する(ステップS31)。
ステップS31において、機器2〜4の制御識別子CIDを変更すると判定されたとき、中央演算装置12は、変換表TBL3を参照して、変更コマンドComd1(=“0000”)を110μsのフレーム長Lに変換する。
そして、中央演算装置12は、フレーム長が110μsになるように無線フレームを送信するときのペイロードサイズおよび伝送レートの少なくとも一方を決定する。
中央演算装置12は、フレーム長が110μsになるように無線フレームを送信するときのペイロードサイズのみを決定したとき、その決定したペイロードサイズを有するペイロードを生成し、その生成したペイロードを無線モジュール13へ出力する。そして、無線モジュール13は、中央演算装置12から受けたペイロードを有する無線フレームを生成し、その生成した無線フレームを機器2〜4の受信機21へ無線通信によって送信する。
また、中央演算装置12は、フレーム長が110μsになるように無線フレームを送信するときの伝送レートのみを決定したとき、制御識別子CIDと伝送レートとを無線モジュール13へ出力する。そして、無線モジュール13は、中央演算装置12から受けた制御識別子CIDを含む無線フレームを生成し、その生成した無線フレームを中央演算装置12から受けた伝送レートで機器2〜4の受信機21へ無線通信によって送信する。
更に、中央演算装置12は、フレーム長が110μsになるように無線フレームを送信するときのペイロードサイズおよび伝送レートを決定したとき、その決定したペイロードサイズを有するペイロードを生成し、その生成したペイロードと、その決定した伝送レートとを無線モジュール13へ出力する。そして、無線モジュール13は、中央演算装置12から受けたペイロードを有する無線フレームを生成し、その生成した無線フレームを中央演算装置12から受けた伝送レートで機器2〜4の受信機21へ無線通信によって送信する。
このように、無線装置1は、変更コマンドComd1を表わすフレーム長を有する無線フレームを機器2〜4の受信機21へ無線通信によって送信する(ステップS32)。
その後、無線装置1の中央演算装置12は、検出器18から受けた光強度PL1をディジタル信号に変換したディジタル信号列DS1がディジタル信号列DS_standardに一致するか否かを判定することによって、受信機21のモードが変更モードへ切り替えられたことを確認したか否かを判定する(ステップS33)。
ステップS33において、受信機21のモードが変更モードへ切り替えられたことを確認したと判定されたとき、中央演算装置12は、変換表TBL3を参照して、変更コマンドComd2(=“0001”)を140μsのフレーム長Lに変換する。そして、中央演算装置12および無線モジュール13は、ステップS32における方法と同じ方法によって、変更コマンドComd2(=“0001”)を表わす140μsのフレーム長Lを有する無線フレームを機器2〜4の受信機21へ無線通信によって送信する(ステップS34)。
その後、中央演算装置12は、変換表TBL3を参照して、新しい制御識別子CID_NEW(例えば、“010000100100”)を530μsのフレーム長Lに変換する。そして、中央演算装置12および無線モジュール13は、ステップS32における方法と同じ方法によって、新しい制御識別子CID_NEW(例えば、“010000100100”)を表わす530μsのフレーム長Lを有する無線フレームを機器2〜4の受信機21へ無線通信によって送信する(ステップS35)。
引き続いて、中央演算装置12は、変換表TBL3を参照して確認コマンドComd3(=“0010”)を170μsのフレーム長Lに変換する。そして、中央演算装置12および無線モジュール13は、ステップS32における方法と同じ方法によって、確認コマンドComd3(=“0010”)を表わす170μsのフレーム長Lを有する無線フレームを機器2〜4の受信機21へ無線通信によって送信する(ステップS36)。
その後、中央演算装置12は、検出器18から受けた光強度PL2をディジタル信号に変換したディジタル信号列DS2が新しい制御識別子CID_NEWのビットパターンに一致するか否かを判定することによって、機器2〜4の制御識別子CIDの新しい制御識別子CID_NEWへの切替を確認したか否かを判定する(ステップS37)。
ステップS33において、受信機21のモードが変更モードへ切り替えられたことを確認できなかったとき、またはステップS37において、機器2〜4の制御識別子CIDの新しい制御識別子CID_NEWへの切替を確認できなかったとき、中央演算装置12は、制御識別子CIDの変更を失敗したことを検出する(ステップS38)。
一方、ステップS31において、制御識別子CIDを変更しないと判定されたとき、中央演算装置12は、入出力手段11から指示信号Comd4を受けたか否かを判定することによって、制御対象(=機器2〜4)の状態を変化させるか否かを判定する(ステップS39)。この場合、中央演算装置12は、入出力手段11から指示信号Comd4を受けると、制御対象(=機器2〜4)の状態を変化させると判定し、入出力手段11から指示信号Comd4を受けないと、制御対象(=機器2〜4)の状態を変化させないと判定する。
ステップS39において、制御対象(=機器2〜4)の状態を変化させると判定されたとき、中央演算装置12は、例えば、“ON”の制御内容を含む制御識別子CIDを表わすフレーム長を有する無線フレームを機器2〜4の受信機21へ無線通信によって送信する(ステップS40)。
一方、ステップS39において、制御対象(=機器2〜4)の状態を変化させないと判定されたとき、中央演算装置12は、例えば、“OFF”の制御内容を含む制御識別子CIDを表わすフレーム長を有する無線フレームを機器2〜4の受信機21へ無線通信によって送信する(ステップS41)。
そして、ステップS37において、機器2〜4の制御識別子CIDの新しい制御識別子CID_NEWへの切替を確認できたと判定されたとき、またはステップS38,S40,S41のいずれかの後、一連の動作が終了する。
このように、制御元の無線装置1は、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを無線通信によって機器2〜4の受信機21へ送信し(ステップS32,S34〜S36参照)、受信機21から放射された光の点滅を検出して、受信機21のモードが変更モードに切り替わったことを確認するとともに、機器2〜4の制御識別子CIDが新しい制御識別子CID_NEWに切り替わったことを確認する(ステップS33,S37参照)。
従って、機器2〜4の受信機21が無線通信による送信機能を備えていなくても、機器2〜4の制御識別子CIDの変更を制御できる。
図15は、機器2〜4の受信機21における制御識別子CIDの変更の動作を説明するためのフローチャートである。
図15を参照して、一連の動作が開始されると、受信機21のRFフィルタ212は、無線装置1からの電波を受信し、その受信した受信電波のうち、変更コマンドComd1の周波数を有する信号を包絡線検波回路213へ出力する。そして、包絡線検波回路213は、RFフィルタ212から受けた信号を包絡線検波し、その検波した包絡線をビット判定器214へ出力する。ビット判定器214は、包絡線を一定周期でビット判定し、ビット列をマイクロコンピュータ215へ出力する。
マイクロコンピュータ215は、ビット列の“1”のビット値の個数を累積し、累積値cを演算する。そして、マイクロコンピュータ215は、変換表TBL4を参照して、累積値cをビット列BT1に変換し、その変換したビット列BT1に基づいて、変更コマンドComd1を受信したか否かを判定する(ステップS51)。この場合、マイクロコンピュータ215は、ビット列BT1が“0000”であれば、変更コマンドComd1を受信したと判定し、ビット列BT1が“0000”でなければ、変更コマンドComd1を受信しなかったと判定する。
ステップS51において、変更コマンドComd1を受信したと判定されたとき、マイクロコンピュータ215は、受信機21のモードを変更モードに移行し(ステップS52)、受信機21のモードが変更モードに切り替わったことを示す光の点滅パターンに従ってLEDを点滅させるように送信器219を制御する。そして、送信器219は、受信機21のモードが変更モードに切り替わったことを示す光の点滅パターンに従ってLEDを点滅させ、その後、元の状態に戻る(ステップS53)。
引き続いて、マイクロコンピュータ215は、ビット判定器214から受けたビット列に基づいて累積値cを演算し、その演算した累積値cを変換表TBL4を参照してビット列BT2に変換し、その変換したビット列BT2に基づいて、期間内に変更コマンドComd2を受信したか否かを判定する(ステップS54)。
この場合、マイクロコンピュータ215は、ビット列BT2が変更コマンドComd2を表わさないとき、またはビット列BT2が変更コマンドComd2を表わすが、期間を経過した後にビット列BT2を受信したとき、期間内に変更コマンドComd2を受信しなかったと判定する。また、マイクロコンピュータ215は、ビット列BT2が変更コマンドComd2を表わし、かつ、期間内にビット列BT2を受信したとき、期間内に変更コマンドComd2を受信したと判定する。
ステップS54において、期間内に変更コマンドComd2を受信したと判定されたとき、マイクロコンピュータ215は、期間内に新しい制御識別子CID_NEWを受信したか否かを更に判定する(ステップS55)。
この場合、マイクロコンピュータ215は、累積値cから変換されたビット列BT3が新しい制御識別子CID_NEWを表わさないとき、またはビット列BT3が新しい制御識別子CID_NEWを表わすが、期間を経過した後にビット列BT3を受信したとき、期間内に新しい制御識別子CID_NEWを受信しなかったと判定する。また、マイクロコンピュータ215は、ビット列BT3が新しい制御識別子CID_NEWを表わし、かつ、期間内にビット列BT3を受信したとき、期間内に新しい制御識別子CID_NEWを受信したと判定する。
ステップS55において、期間内に新しい制御識別子CID_NEWを受信したと判定されたとき、マイクロコンピュータ215は、記憶部216に格納された機器2〜4の制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに変更する(ステップS56)。
そして、マイクロコンピュータ215は、期間内に確認コマンドComd3を受信したか否かを判定する(ステップS57)。
この場合、マイクロコンピュータ215は、累積値cから変換されたビット列BT4が確認コマンドComd3を表わさないとき、またはビット列BT4が確認コマンドComd3を表わすが、期間を経過した後にビット列BT4を受信したとき、期間内に確認コマンドComd3を受信しなかったと判定する。また、マイクロコンピュータ215は、ビット列BT4が確認コマンドComd3を表わし、かつ、期間内にビット列BT4を受信したとき、期間内に確認コマンドComd3を受信したと判定する。
ステップS57において、期間内に確認コマンドComd3を受信したと判定されたとき、マイクロコンピュータ215は、新しい制御識別子CID_NEWのビットパターンに従ってLEDを点滅させるように送信器219を制御し、送信器219は、新しい制御識別子CID_NEWのビットパターンに従ってLEDを点滅させ、その後、元の状態に戻る(ステップS58)。この場合、送信器219は、新しい制御識別子CID_NEWの“1”のビット値に応じてLEDをオン(点灯)し、新しい制御識別子CID_NEWの“0”のビット値に応じてLEDをオフすることによって、LEDを点滅させる。
一方、ステップS57において、期間内に確認コマンドComd3を受信しなかったと判定されたとき、マイクロコンピュータ215は、記憶部216に格納された新しい制御識別子CID_NEWを変更前の制御識別子CIDに戻す(ステップS59)。
一方、ステップS51において、変更コマンドComd1を受信しなかったと判定されたとき、マイクロコンピュータ215は、その後に、ビット判定器214から受けたビット列の“1”のビット値の個数を累積して累積値cを演算し、変換表TBL2を参照して、その演算した累積値cをビット列BT5に変換する。
そして、マイクロコンピュータ215は、記憶部216から制御識別子CIDを読み出し、その変換したビット列BT5が制御識別子CIDに一致するか否かを判定する(ステップS60)。
ステップS60において、ビット列BT5が制御識別子CIDに一致すると判定されたとき、マイクロコンピュータ215は、制御識別子CIDの制御値が“ON”を表わすか否かを更に判定する(ステップS61)。
ステップS61において、制御識別子CIDの制御値が“ON”を表わすと判定されたとき、マイクロコンピュータ215は、被制御部22をオンするように制御回路218を制御し、制御回路218は、マイクロコンピュータ215からの制御に従って、被制御部22をオンする(ステップS62)。
一方、ステップS61において、制御識別子CIDの制御値が“ON”を表わないと判定されたとき、マイクロコンピュータ215は、被制御部22をオフするように制御回路218を制御し、制御回路218は、マイクロコンピュータ215からの制御に従って、被制御部22をオフする(ステップS63)。
そして、ステップS54において、期間内に変更コマンドComd2を受信しなかったと判定されたとき、またはステップS55において、期間内に新しい制御識別子CID_NEWを受信しなかったと判定されたとき、またはステップS60において、ビット列BT5が制御識別子CIDに一致しない判定されたとき、またはステップS58,S62,S63のいずれかの後、一連の動作は終了する。
このように、受信機21は、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを無線装置1から無線通信によって受信し(ステップS51,S54,S55,S57参照)、自己のモードを変更モードへ切り替えたこと、および制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに変更したことを光を点滅させることによって無線装置1へ知らせる(ステップS52,S53,S56,S58参照)。
従って、受信機21が無線通信による送信機能を備えていなくても、制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに容易に変更できる。
なお、ステップS60〜ステップS63においては、ビット列BT5が制御識別子CIDに一致する場合に制御対象をオンまたはオフしているが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、ビット列BT5が制御識別子CIDに一致する場合、制御対象が照明であれば、照明の光量を調整してもよく、制御対象がスピーカであれば、音量を調整してもよく、制御対象をオン/オフする以外の制御を行うようにしてもよい。
(付加機能)
変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを受信機21へ無線通信によって送信する際、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを誤って受信機21へ伝送することを抑制する必要がある。
そこで、この発明の実施の形態においては、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを、複数回、受信機21へ無線通信によって送信し、受信機21は、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを、複数回、受信すると、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを受け付けるようにする。
変更コマンドComd1等を、複数回、受信機21へ送信する場合、無線装置1の動作は、図14に示すフローチャートに従って実行される。
この場合、無線装置1の中央演算装置12および無線モジュール13は、ステップS32において、変更コマンドComd1を表わすフレーム長を有する無線フレームをペイロードサイズおよび伝送レートの少なくとも1つを制御して、複数回、受信機21へ無線通信によって送信する。
また、無線装置1の中央演算装置12および無線モジュール13は、ステップS34において、変更コマンドComd2を表わすフレーム長を有する無線フレームをペイロードサイズおよび伝送レートの少なくとも1つを制御して、複数回、受信機21へ無線通信によって送信する。
更に、無線装置1の中央演算装置12および無線モジュール13は、ステップS35において、新しい制御識別子CID_NEWを表わすフレーム長を有する無線フレームをペイロードサイズおよび伝送レートの少なくとも1つを制御して、複数回、受信機21へ無線通信によって送信する。
更に、無線装置1の中央演算装置12および無線モジュール13は、ステップS36において、確認コマンドComd3を表わすフレーム長を有する無線フレームをペイロードサイズおよび伝送レートの少なくとも1つを制御して、複数回、受信機21へ無線通信によって送信する。
変更コマンドComd1等を、複数回、受信機21へ送信する場合、受信機21の動作は、図15に示すフローチャートに従って実行される。
この場合、受信機21のマイクロコンピュータ215は、ステップS51において、変換表TBL4を参照して、複数の累積値を複数のビット列に変換し、その変換した複数のビット列の全てが変更コマンドComd1のビット列“0000”に一致する場合、変更コマンドComd1を受信したと判定し、複数のビット列の少なくとも1つが変更コマンドComd1のビット列“0000”に一致しない場合、変更コマンドComd1を受信しなかったと判定する。
また、受信機21のマイクロコンピュータ215は、ステップS54において、変換表TBL4を参照して、複数の累積値を複数のビット列に変換し、その変換した複数のビット列の全てが変更コマンドComd2のビット列“0001”に一致する場合、変更コマンドComd2を受信したと判定し、複数のビット列の少なくとも1つが変更コマンドComd2のビット列“0001”に一致しない場合、変更コマンドComd2を受信しなかったと判定する。
更に、受信機21のマイクロコンピュータ215は、ステップS55において、変換表TBL4を参照して、複数の累積値を複数のビット列に変換し、その変換した複数のビット列の全てが新しい制御識別子CID_NEWのビット列“010000100100”等に一致する場合、新しい制御識別子CID_NEWを受信したと判定し、複数のビット列の少なくとも1つが新しい制御識別子CID_NEWのビット列“010000100100”に一致しない場合、新しい制御識別子CID_NEWを受信しなかったと判定する。
更に、受信機21のマイクロコンピュータ215は、ステップS57において、変換表TBL4を参照して、複数の累積値を複数のビット列に変換し、その変換した複数のビット列の全てが確認コマンドComd3のビット列“0010”に一致する場合、確認コマンドComd3を受信したと判定し、複数のビット列の少なくとも1つが確認コマンドComd3のビット列“0010”に一致しない場合、確認コマンドComd3を受信しなかったと判定する。
このように、無線装置1が変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを、複数回、受信機21へ送信し、受信機21が変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを、複数回、受信した場合に変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを受け付けることによって、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWの受信機21への伝送誤りを抑制できる。
また、この発明の実施の形態においては、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWの受信機21への伝送誤りを抑制するために、無線装置1は、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを差分フレーム長によって表わして送信する際、送信する回数毎にフレーム長のオフセット値を変えて変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを受信機21へ送信する。
図16は、差分フレーム長によって変更コマンド、確認コマンドおよび新しい制御識別子を送信する場合の概念図である。
図16を参照して、無線フレームFR1〜FR3は、それぞれ、フレーム長L1〜L3を有する。そして、2つのフレーム長L1,L2から差分フレーム長L2−L1を演算し、2つのフレーム長L2,L3から差分フレーム長L3−L2を演算する。そうすると、変更コマンドComd1等を差分フレーム長L2−L1,L3−L2によって表わす。
そこで、無線装置1は、変更コマンドComd1等を差分フレーム長L2−L1,L3−L2によって表して受信機21へ送信する場合、1回目、複数の無線フレームFR1〜FR3を受信機21へ順次送信する。
そして、無線装置1は、2回目、複数の無線フレームFR4〜FR6を受信機21へ順次送信する。無線フレームFR4のフレーム長は、無線フレームFR1のフレーム長L1にオフセット長さOF1を加算した長さであり、無線フレームFR5のフレーム長は、無線フレームFR2のフレーム長L2にオフセット長さOF1を加算した長さであり、無線フレームFR6のフレーム長は、無線フレームFR3のフレーム長L3にオフセット長さOF1を加算した長さである。なお、オフセット長さOF1は、例えば、40μsに設定される。
また、無線装置1は、3回目、複数の無線フレームFR7〜FR9を受信機21へ順次送信する。無線フレームFR7のフレーム長は、無線フレームFR1のフレーム長L1にオフセット長さOF2を加算した長さであり、無線フレームFR8のフレーム長は、無線フレームFR2のフレーム長L2にオフセット長さOF2を加算した長さであり、無線フレームFR9のフレーム長は、無線フレームFR3のフレーム長L3にオフセット長さOF2を加算した長さである。なお、オフセット長さOF2は、例えば、80μsに設定される。
このように、無線装置1は、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを差分フレーム長によって表わして送信する際、送信する回数毎にフレーム長のオフセット値を変えて複数の無線フレームを受信機21へ送信する。
図17は、累積値とフレーム長との変換表を示す図である。図17を参照して、変換表TBL5は、累積値とフレーム長とを含む。累積値およびフレーム長は、相互に対応付けられる。
c1−1≦c≦c1+1の累積値は、L1のフレーム長に対応付けられ、c2−1≦c≦c2+1の累積値は、L2のフレーム長に対応付けられ、c3−1≦c≦c3+1の累積値は、L3のフレーム長に対応付けられる。
受信機21のマイクロコンピュータ215は、オフセット長さOF1,OF2に相当する累積値c_OF1,c_OF2および変換表TBL5を保持している。そして、マイクロコンピュータ215は、無線フレームFR1〜FR3のビット列BTT1〜BTT3をビット判定器214から受けると、ビット列BTT1〜BTT3に基づいて累積値cを演算し、変換表TBL5を参照して、累積値cをフレーム長L1〜L3に変換する。
また、マイクロコンピュータ215は、無線フレームFR4〜FR6のビット列BTT4〜BTT6をビット判定器214から受けると、ビット列BTT4〜BTT6に基づいて累積値c’を演算し、その演算した累積値c’から累積値c_OF1を減算して累積値cを演算する。そして、マイクロコンピュータ215は、変換表TBL5を参照して、累積値cをフレーム長L1〜L3に変換する。
更に、マイクロコンピュータ215は、無線フレームFR7〜FR9のビット列BTT7〜BTT9をビット判定器214から受けると、ビット列BTT7〜BTT9に基づいて累積値c”を演算し、その演算した累積値c”から累積値c_OF2を減算して累積値cを演算する。そして、マイクロコンピュータ215は、変換表TBL5を参照して、累積値cをフレーム長L1〜L3に変換する。
このように、受信機21は、オフセット長さOF1,OF2を除去してフレーム長L1〜L3を求める。
図18は、差分フレーム長と伝送ビットとの変換表を示す図である。図18を参照して、変換表TBL6は、差分フレーム長と伝送ビットとを含む。差分フレーム長および伝送ビットは、相互に対応付けられる。
“00”の伝送ビットは、±0(μs)の差分フレーム長に対応付けられ、“01”の伝送ビットは、±40(μs)の差分フレーム長に対応付けられ、“10”の伝送ビットは、±80(μs)の差分フレーム長に対応付けられ、“00”の伝送ビットは、±120(μs)の差分フレーム長に対応付けられる。
無線装置1の中央演算装置12は、変換表TBL6を保持しており、変換表TBL6を参照して、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWのビット列を複数の差分フレーム長に変換し、その変換した複数の差分フレーム長が得られる複数のフレーム長を演算する。そして、中央演算装置12は、その演算した複数のフレーム長を有する複数の無線フレームを、上述したようにペイロードサイズおよび伝送レートの少なくとも一方を制御して無線モジュール13を介して受信機21へ送信する。
受信機21のマイクロコンピュータ215は、変換表TBL6を保持している。マイクロコンピュータ215は、変換表TBL5を参照して累積値cをフレーム長へ変換すると、その変換したフレーム長を用いて差分フレーム長を演算する。そして、マイクロコンピュータ215は、変換表TBL6を参照して差分フレーム長を伝送ビットに変換し、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを取得する。
変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを差分フレーム長を用いて受信機21へ送信する場合、無線装置1の動作は、図14に示すフローチャートに従って実行される。
この場合、無線装置1は、ステップS32において、差分フレーム長が変更コマンドComd1のビット列を表わすように複数の無線フレームを、複数回、受信機21へ送信する。より具体的には、変更コマンドComd1は、“0000”のビット列からなるので、無線装置1は、1回目、w(μs)のフレーム長L1を有する無線フレームFR1と、w(μs)のフレーム長L2を有する無線フレームFR2と、w(μs)のフレーム長L3を有する無線フレームFR3とを受信機21へ送信する。差分フレーム長L2−L1=w−w=0(μs)であり、差分フレーム長L3−L2=w−w=0(μs)であるので、2つの差分フレーム長L2−L1,L3−L2は、それぞれ“00”,“00”の伝送ビットに対応付けられ、変更コマンドComd1のビット列“0000”を表わすからである。また、無線装置1は、2回目、フレーム長L1(=w(μs))にオフセット長さOF1を加算した長さを有する無線フレームFR4と、フレーム長L2(=w(μs))にオフセット長さOF1を加算した長さを有する無線フレームFR5と、フレーム長L3(=w(μs))にオフセット長さOF1を加算した長さを有する無線フレームFR6とを受信機21へ送信する。更に、無線装置1は、3回目、フレーム長L1(=w(μs))にオフセット長さOF2を加算した長さを有する無線フレームFR7と、フレーム長L2(=w(μs))にオフセット長さOF2を加算した長さを有する無線フレームFR8と、フレーム長L3(=w(μs))にオフセット長さOF2を加算した長さを有する無線フレームFR9とを受信機21へ送信する。
また、無線装置1は、ステップS34において、差分フレーム長が変更コマンドComd2のビット列を表わすように複数の無線フレームを、複数回、受信機21へ送信する。より具体的には、変更コマンドComd2は、“0001”のビット列からなるので、無線装置1は、1回目、w(μs)のフレーム長L1を有する無線フレームFR1と、w(μs)のフレーム長L2を有する無線フレームFR2と、w+40(μs)のフレーム長L3を有する無線フレームFR3とを受信機21へ送信する。差分フレーム長L2−L1=w−w=0(μs)であり、差分フレーム長L3−L2=w+40−w=40(μs)であるので、2つの差分フレーム長L2−L1,L3−L2は、それぞれ“00”,“01”の伝送ビットに対応付けられ、変更コマンドComd2のビット列“0001”を表わすからである。また、無線装置1は、2回目、フレーム長L1(=w(μs))にオフセット長さOF1を加算した長さを有する無線フレームFR4と、フレーム長L2(=w(μs))にオフセット長さOF1を加算した長さを有する無線フレームFR5と、フレーム長L3(=w+40(μs))にオフセット長さOF1を加算した長さを有する無線フレームFR6とを受信機21へ送信する。更に、無線装置1は、3回目、フレーム長L1(=w(μs))にオフセット長さOF2を加算した長さを有する無線フレームFR7と、フレーム長L2(=w(μs))にオフセット長さOF2を加算した長さを有する無線フレームFR8と、フレーム長L3(=w+40(μs))にオフセット長さOF2を加算した長さを有する無線フレームFR9とを受信機21へ送信する。
更に、無線装置1は、ステップS35において、差分フレーム長が新しい制御識別子CID_NEWのビット列(例えば、“010000100100”)を表わすように複数の無線フレームを、複数回、受信機21へ送信する。より具体的には、新しい制御識別子CID_NEWは、“010000100100”のビット列からなるので、無線装置1は、1回目、w(μs)のフレーム長L11を有する無線フレームFR11と、w+40(μs)のフレーム長L12を有する無線フレームFR12と、w+40(μs)のフレーム長L13を有する無線フレームFR13と、w+40(μs)のフレーム長L14を有する無線フレームFR14と、w+120(μs)のフレーム長L15を有する無線フレームFR15と、w+80(μs)のフレーム長L16を有する無線フレームFR16と、w+80(μs)のフレーム長L17を有する無線フレームFR17とを受信機21へ送信する。差分フレーム長L12−L11=w+40−w=40(μs)であり、差分フレーム長L13−L12=w+40−(w+40)=0(μs)であり、差分フレーム長L14−L13=w+40−(w+40)=0(μs)であり、差分フレーム長L15−L14=w+120−(w+40)=80(μs)であり、差分フレーム長L16−L15=w+80−(w+120)=−40(μs)であり、差分フレーム長L17−L16=w+80−(w+80)=0(μs)であるので、6個の差分フレーム長L12−L11,L13−L12,L14−L13,L15−L14,L16−L15,L17−L16は、それぞれ“01”,“00”,“00”,“10”,“01”,“00”の伝送ビットに対応付けられ、制御識別子CID_NEWのビット列“010000100100”を表わすからである。また、無線装置1は、2回目、フレーム長L11(=w(μs))にオフセット長さOF1を加算した長さを有する無線フレームFR18と、フレーム長L12(=w+40(μs))にオフセット長さOF1を加算した長さを有する無線フレームFR19と、フレーム長L13(=w+40(μs))にオフセット長さOF1を加算した長さを有する無線フレームFR20と、フレーム長L14(=w+40(μs))にオフセット長さOF1を加算した長さを有する無線フレームFR21と、フレーム長L15(=w+120(μs))にオフセット長さOF1を加算した長さを有する無線フレームFR22と、フレーム長L16(=w+80(μs))にオフセット長さOF1を加算した長さを有する無線フレームFR23と、フレーム長L17(=w+80(μs))にオフセット長さOF1を加算した長さを有する無線フレームFR24とを受信機21へ送信する。更に、無線装置1は、3回目、フレーム長L11(=w(μs))にオフセット長さOF2を加算した長さを有する無線フレームFR25と、フレーム長L12(=w+40(μs))にオフセット長さOF2を加算した長さを有する無線フレームFR26と、フレーム長L13(=w+40(μs))にオフセット長さOF2を加算した長さを有する無線フレームFR27と、フレーム長L14(=w+40(μs))にオフセット長さOF2を加算した長さを有する無線フレームFR28と、フレーム長L15(=w+120(μs))にオフセット長さOF2を加算した長さを有する無線フレームFR29と、フレーム長L16(=w+80(μs))にオフセット長さOF2を加算した長さを有する無線フレームFR30と、フレーム長L17(=w+80(μs))にオフセット長さOF2を加算した長さを有する無線フレームFR31とを受信機21へ送信する。
更に、無線装置1は、ステップS36において、差分フレーム長が確認コマンドComd3のビット列を表わすように複数の無線フレームを、複数回、受信機21へ送信する。より具体的には、確認コマンドComd3は、“0010”のビット列からなるので、無線装置1は、1回目、w(μs)のフレーム長L1を有する無線フレームFR1と、w(μs)のフレーム長L2を有する無線フレームFR2と、w+80(μs)のフレーム長L3を有する無線フレームFR3とを受信機21へ送信する。差分フレーム長L2−L1=w−w=0(μs)であり、差分フレーム長L3−L2=w+80−w=80(μs)であるので、2つの差分フレーム長L2−L1,L3−L2は、それぞれ“00”,“10”の伝送ビットに対応付けられ、確認コマンドComd3のビット列“0010”を表わすからである。また、無線装置1は、2回目、フレーム長L1(=w(μs))にオフセット長さOF1を加算した長さを有する無線フレームFR4と、フレーム長L2(=w(μs))にオフセット長さOF1を加算した長さを有する無線フレームFR5と、フレーム長L3(=w+80(μs))にオフセット長さOF1を加算した長さを有する無線フレームFR6とを受信機21へ送信する。更に、無線装置1は、3回目、フレーム長L1(=w(μs))にオフセット長さOF2を加算した長さを有する無線フレームFR7と、フレーム長L2(=w(μs))にオフセット長さOF2を加算した長さを有する無線フレームFR8と、フレーム長L3(=w+80(μs))にオフセット長さOF2を加算した長さを有する無線フレームFR9とを受信機21へ送信する。
変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを差分フレーム長を用いて受信機21へ送信する場合、受信機21の動作は、図15に示すフローチャートに従って実行される。
この場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS51において、オフセット長さOF1,OF2を除去してフレーム長L1〜L3を、3回、受信したことを確認すると、差分フレーム長L2−L1,L3−L2を演算する。そして、マイクロコンピュータ215は、“±0”の差分フレーム長L2−L1と、“±0”の差分フレーム長L3−L2とを、複数回、受信したか否かによって、変更コマンドComd1を受信したか否かを判定する。“±0”の差分フレーム長L2−L1は、“00”に変換され、“±0”の差分フレーム長L3−L2は、“00”に変換され(変換表TBL6参照)、2つの差分フレーム長L2−L1,L3−L2は、変更コマンドComd1のビット列“0000”を表わすからである。
また、マイクロコンピュータ215は、ステップS54において、オフセット長さOF1,OF2を除去してフレーム長L1〜L3を、3回、受信したことを確認すると、差分フレーム長L2−L1,L3−L2を演算する。そして、マイクロコンピュータ215は、“±0”の差分フレーム長L2−L1と、“±40”の差分フレーム長L3−L2とを、複数回、受信したか否かによって、変更コマンドComd2を受信したか否かを判定する。“±0”の差分フレーム長L2−L1は、“00”に変換され、“±40”の差分フレーム長L3−L2は、“01”に変換され(変換表TBL6参照)、2つの差分フレーム長L2−L1,L3−L2は、変更コマンドComd2のビット列“0001”を表わすからである。
更に、マイクロコンピュータ215は、ステップS55において、オフセット長さOF1,OF2を除去してフレーム長L11〜L17を、3回、受信したことを確認すると、差分フレーム長L12−L11,L13−L12,L14−L13,L15−L14,L16−L15,L17−L16を演算する。そして、マイクロコンピュータ215は、“±40”の差分フレーム長L12−L11と、“±0”の差分フレーム長L13−L12と、“±0”の差分フレーム長L14−L13と、“±80”の差分フレーム長L15−L14と、“±40”の差分フレーム長L16−L15と、“±0”の差分フレーム長L17−L16とを、複数回、受信したか否かによって、新しい制御識別子CID_NEWを受信したか否かを判定する。“±40”の差分フレーム長L12−L11は、“01”に変換され、“±0”の差分フレーム長L13−L12は、“00”に変換され、“±0”の差分フレーム長L14−L13は、“00”に変換され、“±80”の差分フレーム長L15−L14は、“10”に変換され、“±40”の差分フレーム長L16−L15は、“01”に変換され、“±0”の差分フレーム長L17−L16は、“00”に変換され(変換表TBL6参照)、6個の差分フレーム長L12−L11,L13−L12,L14−L13,L15−L14,L16−L15,L17−L16は、新しい制御識別子CID_NEWのビット列“010000100100”を表わすからである。
更に、マイクロコンピュータ215は、ステップS57において、オフセット長さOF1,OF2を除去してフレーム長L1〜L3を、3回、受信したことを確認すると、差分フレーム長L2−L1,L3−L2を演算する。そして、マイクロコンピュータ215は、“±0”の差分フレーム長L2−L1と、“±80”の差分フレーム長L3−L2とを、複数回、受信したか否かによって、確認コマンドComd3を受信したか否かを判定する。“±0”の差分フレーム長L2−L1は、“00”に変換され、“±80”の差分フレーム長L3−L2は、“10”に変換され(変換表TBL6参照)、2つの差分フレーム長L2−L1,L3−L2は、確認コマンドComd3のビット列“0010”を表わすからである。
なお、マイクロコンピュータ215は、2回目以降に送信された複数の無線フレームの受信電波に基づいて、累積値cを求める場合、上述したように累積値c_OF1,c_OF2を減算して累積値cを求める。
このように、変更コマンドComd1等を差分フレーム長によって表わして、複数回、送信する場合、その差分フレーム長を表わす複数のフレーム長に送信回数毎に長さを変えてオフセット長さを追加して複数のフレーム長を送信することによって、送信回数毎にフレーム長が変動しても、差分フレーム長は、変動しない。従って、変更コマンドComd1,Com2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWが誤って受信されるのを抑制できる。
なお、上記においては、受信電波に基づいて累積値c’を演算し、その演算した累積値c’から累積値c_OF1を減算して累積値cを求め、その求めた累積値cをフレーム長L1〜L3に変換すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、累積値c’をフレーム長L1’〜L3’に変換し、その変換したフレーム長L1’〜L3’からオフセット長さOF1(=40μs)を減算してフレーム長L1〜L3を求めてもよい。オフセット長さOF2を付加して無線フレームFR1〜FR3を送信した場合も、同様にして、フレーム長L1〜L3を求める。
また、変更コマンドComd1,Com2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを、差分フレーム長ではなく、フレーム長によって表わして、複数回、送信してもよい。
この場合、無線装置1は、変換表TBL3を参照して、変更コマンドComd1を110μsのフレーム長L1に変換する。そして、無線装置1は、1回目、その変換したフレーム長L1を有する無線フレームFR1を送信し、2回目、フレーム長L1にオフセット長さOF1を付加した長さを有する無線フレームFR4を送信し、3回目、フレーム長L1にオフセット長さOF2を付加した長さを有する無線フレームFR7を送信する。即ち、無線装置1は、図16において、無線フレームFR2,FR3,FR5,FR6,FR8,FR9を削除した方法によって無線フレームFR1,FR4,FR7を送信する。
変更コマンドCom2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWをフレーム長によって表わして送信する場合も、同様である。
このように、無線装置1は、差分(=オフセット長さOF1,OF2)を付加して同じ情報(=変更コマンドComd1,Com2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWのいずれか)を送信してもよい。
変更コマンドComd1,Com2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWをフレーム長によって表わして、複数回、送信する場合、無線装置1の動作は、図14に示すフローチャートに従って実行され、機器2〜4の受信機21の動作は、図15に示すフローチャートに従って実行される。
そして、無線装置1は、ステップS32において、変換表TBL3を参照して、変更コマンドComd1を110μsのフレーム長L1に変換し、1回目、その変換したフレーム長L1を有する無線フレームFR1を送信し、2回目、フレーム長L1にオフセット長さOF1を付加した長さを有する無線フレームFR4を送信し、3回目、フレーム長L1にオフセット長さOF2を付加した長さを有する無線フレームFR7を送信する。
また、無線装置1は、ステップS34において、変換表TBL3を参照して、変更コマンドComd2を140μsのフレーム長L1に変換し、1回目、その変換したフレーム長L1を有する無線フレームFR1を送信し、2回目、フレーム長L1にオフセット長さOF1を付加した長さを有する無線フレームFR4を送信し、3回目、フレーム長L1にオフセット長さOF2を付加した長さを有する無線フレームFR7を送信する。
更に、無線装置1は、ステップS35において、変換表TBL3を参照して、新しい制御識別子CID_NEW(=“010000100100”)を530μsのフレーム長L1に変換し、1回目、その変換したフレーム長L1を有する無線フレームFR1を送信し、2回目、フレーム長L1にオフセット長さOF1を付加した長さを有する無線フレームFR4を送信し、3回目、フレーム長L1にオフセット長さOF2を付加した長さを有する無線フレームFR7を送信する。“010000100100”以外の新しい制御識別子CID_NEWをフレーム長によって表わして送信する場合も同様である。
更に、無線装置1は、ステップS36において、変換表TBL3を参照して、確認コマンドComd3を170μsのフレーム長L1に変換し、1回目、その変換したフレーム長L1を有する無線フレームFR1を送信し、2回目、フレーム長L1にオフセット長さOF1を付加した長さを有する無線フレームFR4を送信し、3回目、フレーム長L1にオフセット長さOF2を付加した長さを有する無線フレームFR7を送信する。
一方、機器2〜4の受信機21において、マイクロコンピュータ215は、ステップS51において、110μsのフレーム長L1を、複数回、受信したか否かによって、変更コマンドComd1を受信したか否かを判定する。110μsのフレーム長L1は、変更コマンドComd1のビット列“0000”を表わすからである。
また、マイクロコンピュータ215は、ステップS54において、140μsのフレーム長L1を、複数回、受信したか否かによって、変更コマンドComd2を受信したか否かを判定する。140μsのフレーム長L1は、変更コマンドComd2のビット列“0001”を表わすからである。
更に、マイクロコンピュータ215は、ステップS55において、530μsのフレーム長L1を、複数回、受信したか否かによって、新しい制御識別子CID_NEW(=“010000100100”)を受信したか否かを判定する。530μsのフレーム長L1は、新しい制御識別子CID_NEWのビット列“010000100100”を表わすからである。
更に、マイクロコンピュータ215は、ステップS57において、170μsのフレーム長L1を、複数回、受信したか否かによって、確認コマンドComd3を受信したか否かを判定する。170μsのフレーム長L1は、確認コマンドComd3のビット列“0010”を表わすからである。
なお、上記においては、フレーム長L1〜L3の各々を3回送信すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、フレーム長L1〜L3の各々は、送信回数毎にオフセット長さを変えて4回以上送信されてもよく、一般的には、送信回数毎にオフセット長さを変えて複数回送信されればよい。
以下、制御システム10の応用例について説明する。
(応用例1)
無線装置1の周囲に複数の機器2〜4が存在する場合、機器2〜4のうち、特定の機器だけを制御したい場合がある。
そこで、応用例1においては、機器2〜4の受信機21は、無線装置1から無線フレームを受信したときの受信信号強度RSSIがしきい値RSSI_th以上である場合に変更コマンドComd1,Com2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを受け付ける。
図19は、一部の機器を制御するときの制御システム10の概念図である。なお、図19において、機器2,3のうち、機器2のみを制御する場合について説明する。
図19を参照して、無線装置1は、上述したように、変更コマンドComd1を送信する(ステップS21)。
そして、機器2の受信機21は、変更コマンドComd1を表わすフレーム長を有する無線フレームを受信したときの受信号強度RSSI1を検出し、その検出した受信信号強度RSSI1がしきい値RSSI_th以上であるため、変更モードへ移行する。
一方、機器3の受信機21は、変更コマンドComd1を表わすフレーム長を有する無線フレームを受信したときの受信号強度RSSI2を検出し、その検出した受信信号強度RSSI2がしきい値RSSI_thよりも低いため、変更モードへ移行しない。
その後、上述したステップS22が実行され、無線装置1は、上述したように、変更コマンドComd2および新しい制御識別子CID_NEWを送信する(ステップS23,S24)。
そして、機器2の受信機21は、変更コマンドComd2を表わすフレーム長を有する無線フレームを受信したときの受信号強度RSSI3がしきい値RSSI_th以上であり、新しい制御識別子CID_NEWを表わすフレーム長を有する無線フレームを受信したときの受信号強度RSSI4がしきい値RSSI_th以上であるため、変更コマンドComd2および新しい制御識別子CID_NEWを受け付ける。
この場合、機器3の受信機21は、変更モードへ移行していないので、変更コマンドComd2を表わすフレーム長を有する無線フレーム、および新しい制御識別子CID_NEWを表わすフレーム長を有する無線フレームの受信処理を行わない。
無線装置1は、ステップS24の後、上述したように、確認コマンドComd3を送信する(ステップS25)。
そして、機器2の受信機21は、確認コマンドComd3を表わすフレーム長を有する無線フレームを受信したときの受信号強度RSSI5を検出し、その検出した受信信号強度RSSI5がしきい値RSSI_th以上であるため、確認コマンドComd3を受け付ける。
この場合も、機器3の受信機21は、変更モードへ移行していないので、確認コマンドComd3を表わすフレーム長を有する無線フレームの受信処理を行わない。
図20は、機器2〜4の応用例1における構成を示す概略図である。応用例1においては、機器2〜4の各々は、図20に示す機器2Aからなる。
図20を参照して、機器2Aは、図3に示す機器2の受信機21を受信機21Aに代えたものであり、その他は、機器2と同じである。
受信機21Aは、図3に示す受信機21のマイクロコンピュータ215をマイクロコンピュータ215Aに代え、検出器220を追加したものであり、その他は、受信機21と同じである。
検出器220は、アンテナ211に接続される。そして、検出器220は、アンテナ211を介して無線フレームを受信し、無線フレームを受信したときの受信信号強度RSSIを検出する。そして、検出器220は、その検出した受信信号強度RSSIをマイクロコンピュータ215Aへ出力する。
マイクロコンピュータ215Aは、しきい値RSSI_thを保持しており、検出器220から受信信号強度RSSIを受ける。そして、マイクロコンピュータ215Aは、受信信号強度RSSIをしきい値RSSI_thと比較する。
マイクロコンピュータ215Aは、受信信号強度RSSIがしきい値RSSI_th以上である場合、ビット判定器214から受けたビット列に基づいて累積値cを演算する。
一方、マイクロコンピュータ215Aは、受信信号強度RSSIがしきい値RSSI_thよりも低い場合、ビット判定器214から受けたビット列に基づいて累積値cを演算しない。
マイクロコンピュータ215Aは、その他、マイクロコンピュータ215と同じ機能を果たす。
複数の機器のうちの特定の機器を制御する場合、無線装置1の動作は、図14に示すフローチャートに従って実行される。
図21は、複数の機器のうちの特定の機器を制御する場合の受信機21Aの動作を説明するためのフローチャートである。
図21に示すフローチャートは、図15に示すフローチャートにステップS71〜S74を追加したものであり、その他は、図15に示すフローチャートと同じである。
図21を参照して、一連の動作が開始されると、受信機21Aの検出器220は、アンテナ211を介して無線フレームを受信し、無線フレームを受信したときの受信信号強度RSSI1を検出し、その検出した受信信号強度RSSI1をマイクロコンピュータ215Aへ出力する。
そして、マイクロコンピュータ215Aは、受信信号強度RSSI1がしきい値RSSI_th以上であるか否かを判定する(ステップS71)。
ステップS71において、受信信号強度RSSI1がしきい値RSSI_thよりも低いと判定されたとき、一連の動作は、上述したステップS60へ移行する。
一方、ステップS71において、受信信号強度RSSI1がしきい値RSSI_th以上であると判定されたとき、上述したステップS52,S53が順次実行される。
ステップS53の後、受信機21Aの検出器220は、アンテナ211を介して無線フレームを受信し、無線フレームを受信したときの受信信号強度RSSI2を検出し、その検出した受信信号強度RSSI2をマイクロコンピュータ215Aへ出力する。
そして、マイクロコンピュータ215Aは、受信信号強度RSSI2がしきい値RSSI_th以上であるか否かを判定する(ステップS72)。
ステップS72において、受信信号強度RSSI2がしきい値RSSI_th以上であると判定されたとき、上述したステップS54が実行される。
一方、ステップS72において、受信信号強度RSSI2がしきい値RSSI_thよりも低いと判定されたとき、一連の動作は、終了する。
ステップS54において、期間内に変更コマンドComd2を受信したと判定されたとき、受信機21Aの検出器220は、アンテナ211を介して無線フレームを受信し、無線フレームを受信したときの受信信号強度RSSI3を検出し、その検出した受信信号強度RSSI3をマイクロコンピュータ215Aへ出力する。
そして、マイクロコンピュータ215Aは、受信信号強度RSSI3がしきい値RSSI_th以上であるか否かを判定する(ステップS73)。
ステップS73において、受信信号強度RSSI3がしきい値RSSI_th以上であると判定されたとき、上述したステップS55,S56が順次実行される。
一方、ステップS73において、受信信号強度RSSI3がしきい値RSSI_thよりも低いと判定されたとき、一連の動作は、終了する。
ステップS56の後、受信機21Aの検出器220は、アンテナ211を介して無線フレームを受信し、無線フレームを受信したときの受信信号強度RSSI4を検出し、その検出した受信信号強度RSSI4をマイクロコンピュータ215Aへ出力する。
そして、マイクロコンピュータ215Aは、受信信号強度RSSI4がしきい値RSSI_th以上であるか否かを判定する(ステップS74)。
ステップS74において、受信信号強度RSSI4がしきい値RSSI_th以上であると判定されたとき、上述したステップS57が実行される。
一方、ステップS74において、受信信号強度RSSI4がしきい値RSSI_thよりも低いと判定されたとき、上述したステップS59が実行される。
このように、受信信号強度RSSIがしきい値RSSI_th以上である場合に、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを受け付けることによって、複数の機器のうちの特定の機器だけにおいて、制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに変更できる。
また、無線装置1の利用者は、制御したい機器2A(機器2〜4のいずれか)に近づくことによって機器2Aだけにおいて、制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに変更できる。
(応用例2)
複数の機器2〜4が存在するとき、複数の機器2〜4の全てを同時に制御したい場合がある。
そこで、応用例2では、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを複数の機器2〜4に同時に送信する同報モードを設ける。
図22は、複数の機器2〜4の全てを同時に制御する場合の制御システム10の概念図である。
なお、図22においては、機器2,3の全てを同時に制御する場合の制御システム10の動作を説明する。
図22を参照して、制御識別子CIDの変更が開始されると、無線装置1は、変更コマンドComd1を機器2,3の受信機21へ送信する(ステップS81)。
機器2の受信機21は、変更コマンドComd1を受信し、その受信した変更コマンドComd1に応じて、自己のモードを変更モードへ切り替え、送信器219のLEDを点滅させてモードを変更モードへ切り替えたことを無線装置1へ通知する(ステップS82)。また、機器3の受信機21は、変更コマンドComd1を受信し、その受信した変更コマンドComd1に応じて、自己のモードを変更モードへ切り替え、送信器219のLEDを点滅させてモードを変更モードへ切り替えたことを無線装置1へ通知する(ステップS83)。
無線装置1は、機器2,3の受信機21のモードが変更モードに切り替えられたことを検出器18によって検出すると、変更コマンドComd2を機器2,3の受信機21へ送信する(ステップS84)。その後、無線装置1は、新しい制御識別子CID_NEWを機器2,3の受信機21へ送信する(ステップS85)。
そうすると、機器2の受信機21は、変更コマンドComd2に応じて、制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに変更する。また、機器3の受信機21は、変更コマンドComd2に応じて、制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに変更する。
ステップS85の後、無線装置1は、確認コマンドComd3を機器2,3の受信機21へ送信する(ステップS86)。機器2の受信機21は、確認コマンドComd3に応じて、LEDを新しい制御識別子CID_NEWのビット列に従って点滅させることによって、制御識別子CIDが新しい制御識別子CID_NEWへ切り替えられたことを無線装置1へ通知する(ステップS87)。また、機器3の受信機21は、確認コマンドComd3に応じて、LEDを新しい制御識別子CID_NEWのビット列に従って点滅させることによって、制御識別子CIDが新しい制御識別子CID_NEWへ切り替えられたことを無線装置1へ通知する(ステップS88)。
そして、無線装置1は、機器2,3の制御識別子CIDが新しい制御識別子CID_NEWへ切り替えられたことを検出器18によって検出する。
なお、機器2,3の受信機21は、変更コマンドComd1の受信から変更コマンドComd2の受信までの間、受信機21のモードが変更モードに切り替わったことを通知するLEDの点滅を継続する。
また、機器2,3の受信機21は、変更コマンドComd2の受信から一定期間内に次の制御を受信しなければ、制御識別子CIDを変更前の制御識別子CIDに戻す。
なお、3個以上の機器の全てを制御する場合の制御システム10の動作も図22に示すフローチャートに従って実行される。
また、無線装置1は、図22のステップS85において、{機器2の個別識別子,新しい制御識別子}および{機器3の個別識別子,新しい制御識別子}のように、各機器2,3の個別識別子と新しい制御識別子との組として変更対象を明示して送信してもよい。この場合、個別識別子は、各機器2,3を特定するものである。これによって、無線装置1からの電波が届く範囲内に複数の機器が存在する場合に、変更対象である複数の機器を特定することができる。
更に、応用例2における無線装置1の詳細な動作は、図14に示すフローチャートに従って実行され、応用例2における機器2,3の受信機21の詳細な動作は、図15に示すフローチャートに従って実行される。
従って、図22に示すフローチャート(図14および図15に示すフローチャートを含む)に従って複数の機器の全ての制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに変更することによって、複数の機器の全てに対して初期設定を一度に行うことができる。
なお、上記においては、受信機21,21Aの送信器219は、LEDを点滅させることによって、自己のモードを変更モードに切り替えたこと、および制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに変更したことを無線装置1,1Aへ送信すると説明したが、実施の形態1においては、これに限らず、受信機21,21Aの送信器219は、音声信号(例えば、音の強弱)によって、自己のモードを変更モードに切り替えたこと、および制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに変更したことを無線装置1,1Aへ送信してもよく、一般的には、無線通信以外の方法であれば、どのような方法によって、自己のモードを変更モードに切り替えたこと、および制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに変更したことを無線装置1,1Aへ送信してもよい。音の強弱によって、制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに変更したことを無線装置1,1Aへ送信する場合、受信機21,21Aの送信器219は、新しい制御識別子CID_NEWのビット値に応じて音を強弱させる。例えば、受信機21,21Aの送信器219は、新しい制御識別子CID_NEWを構成する“1”のビット値に応じて音を強くし、“0”のビット値に応じて音を弱くして新しい制御識別子CID_NEWを表わす音声信号を無線装置1,1Aへ送信する。
また、この発明の実施の形態による無線装置は、図13および図14に示すフローチャートに従って、制御対象機器(=機器2〜4の少なくとも1つ)の制御識別子CIDを変更することを実行するものであってもよく、図12から図14に示すフローチャートに従って、制御識別子CIDを用いた制御対象機器(=機器2〜4の少なくとも1つ)の制御と、制御対象機器(=機器2〜4の少なくとも1つ)の制御識別子CIDの変更とを実行するものであってもよい。
[実施の形態2]
図23は、図1に示す無線装置1の実施の形態2における構成を示す概略図である。実施の形態2においては、無線装置1は、図23に示す無線装置1Aからなる。
無線装置1Aは、制御対象機器を制御するとき、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)の無線通信方式に従って、制御対象機器の制御識別子CIDが制御対象機器の受信機で検出されるように複数の周波数チャネルを含む所望の周波数帯で無線フレームを制御対象機器の受信機へ送信する。なお、所望の周波数帯は、例えば、ISM帯からなる。また、CSMA/CAの無線通信方式とは、キャリアセンスを行い、無線通信空間が空いているとき無線信号を送信し、無線通信空間が空いていないとき無線信号の送信を待機する無線通信方式を言う。
図23を参照して、無線装置1Aは、図2に示す無線装置1の中央演算装置12を中央演算装置12Aに代え、無線モジュール13を無線モジュール13Aに代えたものであり、その他は、無線装置1と同じである。
中央演算装置12Aは、キャリアセンスを行うように無線モジュール13Aを制御する。また、中央演算装置12Aは、中央演算装置12と同じようにして制御対象機器(=機器2〜4の少なくとも1つ)の制御識別子CIDを生成する。そして、中央演算装置12Aは、無線モジュール13Aからのキャリアセンスの結果に基づいて、無線通信空間が空いていると判定すると、その生成した制御識別子CIDを表す信号検出間隔が制御対象機器(=機器2〜4の少なくとも1つ)の受信機で検出されるように無線モジュール13Aにおける無線フレームの送信タイミングを制御する。一方、中央演算装置12Aは、無線モジュール13Aからのキャリアセンスの結果に基づいて、無線通信空間が空いていないと判定したとき、無線モジュール13Aにおける無線フレームの送信タイミングを制御しない。
中央演算装置12Aは、その他、中央演算装置12と同じ機能を果たす。
無線モジュール13Aは、中央演算装置12Aからの制御に従ってアンテナ14を介してキャリアセンスを行い、そのキャリアセンスの結果を中央演算装置12Aへ出力する。また、無線モジュール13Aは、中央演算装置12Aによって制御された送信タイミングで無線フレームをアンテナ14を介して制御対象機器(=機器2〜4の少なくとも1つ)の受信機へ送信する。
無線モジュール13Aは、その他、無線モジュール13と同じ機能を果たす。
図24は、図1に示す機器2〜4の実施の形態2における構成を示す概略図である。実施の形態2においては、機器2〜4の各々は、図24に示す機器2Bからなる。
機器2Bは、複数の周波数チャネルを含む所望の周波数帯で無線フレームを無線装置1Aから受信し、その受信した無線フレームが自己の制御識別子CIDに一致するとき、制御識別子CIDに基づいて被制御部22を制御する。
図24を参照して、機器2Bは、図3に示す機器2の受信機21を受信機21Bに代えたものであり、その他は、機器2と同じである。
受信機21Bは、図3に示す受信機21のRFフィルタ212を広帯域RFフィルタ221に代え、ビット判定器214を信号検出回路222に代え、マイクロコンピュータ215をマイクロコンピュータ215Bに代えたものであり、その他は、受信機21と同じである。
受信機21Bにおいては、アンテナ211は、広帯域RFフィルタ221に接続される。広帯域RFフィルタ221は、アンテナ211を介して無線フレームの受信信号を受信し、その受信した受信信号のうち、所望の周波数帯に含まれる受信信号だけを包絡線検波回路213へ出力する。
信号検出回路222は、包絡線を包絡線検波回路213から受ける。そして、信号検出回路222は、サンプリング周期で包絡線をサンプリングしてディジタル信号列に変換し、その変換したディジタル信号列をマイクロコンピュータ215Bへ出力する。
マイクロコンピュータ215Bは、IDマッチング処理および制御処理を順次実行する。マイクロコンピュータ215Bは、IDマッチング処理において、信号検出回路222からディジタル信号列を受け、記憶部216から機器2Bの制御識別子CIDを読み出す。そして、マイクロコンピュータ215Bは、ディジタル信号列が機器2Bの制御識別子CIDに一致するか否かを判定する。
マイクロコンピュータ215Bは、ディジタル信号列が制御識別子CIDに一致すると判定したとき、制御識別子に基づいて、被制御部22の制御内容を制御回路218へ出力する。即ち、マイクロコンピュータ215Bは、制御処理を実行する。
一方、マイクロコンピュータ215Bは、ディジタル信号列が制御識別子CIDに一致しないと判定したとき、ディジタル信号列を破棄する。
マイクロコンピュータ215Bは、その他、マイクロコンピュータ215と同じ機能を果たす。
図25は、図24に示すマイクロコンピュータ215BにおけるIDマッチング処理を行うマッチング処理手段の機能ブロックを示す図である。
図25を参照して、マイクロコンピュータ215Bのマッチング処理手段MTCHは、保持手段41〜4i(iは正の整数),51〜5j(jは正の整数),p1〜pk(pは、機器2Aの制御識別子CIDを構成する信号検出間隔の個数に等しい整数、kは、正の整数)と、演算手段61〜6pとを含む。
保持手段41〜4i,51〜5j,p1〜pkは、直列に接続される。保持手段41〜4i,51〜5j,p1〜pkの各々は、クロックCLKに同期して動作する。なお、クロックCLKの周期は、機器2Aにおけるサンプリング周期Tと同じである。
保持手段41〜4i,51〜5j,p1〜pk−1は、それぞれ、保持手段42〜4i,51,52〜5j,p1,p2〜pkから信号を受ける。保持手段pkは、信号検出回路222からディジタル信号を受ける。そして、保持手段42〜4i,51〜5j,p1〜pkは、信号をクロックCLKの一周期分保持し、その保持した信号をそれぞれ保持手段41〜4i−1,4i,51〜5j−1,5j,p1〜pk−1へ出力する。また、保持手段41は、信号を演算手段61へ出力し、保持手段51は、信号を演算手段62へも出力し、以下、同様にして、保持手段p1は、信号を演算手段6pへも出力する。
演算手段61は、保持手段41からの信号と演算手段62からの信号との論理積を演算し、その演算結果をマイクロコンピュータ215Bへ出力する。演算手段62は、保持手段51からの信号と、演算手段63(図示せず)からの信号との論理積を演算し、その演算結果を演算手段61へ出力する。以下、同様にして、演算手段6pは、保持手段p1からの信号と信号検出回路222からの信号との論理積を演算し、その演算結果を演算手段6p−1(図示せず)へ出力する。
機器2Bの制御識別子CIDを信号検出間隔によって表した場合、保持手段41〜4iは、制御識別子CIDを構成する複数の信号検出間隔のうち、最初の信号検出間隔に相当する時間間隔を検出し、保持手段51〜5jは、制御識別子CIDを構成する複数の信号検出間隔のうち、2番目の信号検出間隔に相当する時間間隔を検出し、以下、同様にして、保持手段p1〜pkは、制御識別子CIDを構成する複数の信号検出間隔のうち、最後の信号検出間隔に相当する時間間隔を検出する。
図26は、周波数帯の概念図である。図26を参照して、周波数帯BWは、ISM帯の周波数帯である。そして、周波数帯BWは、チャネルCH1〜CH14を含む。
スペクトラムSP1は、所望波のスペクトラムであり、スペクトラムSP2は、他チャネルの所望波以外のスペクトラムである。
このように、周波数帯BWは、複数の周波数チャネルを含む周波数帯である。
無線装置1Aは、チャネルCH1の周波数帯でキャリアセンスし、チャネルCH1の周波数帯が空いていれば、無線フレームを送信する。
図24に示す広帯域RFフィルタ221は、無線信号の受信信号のうち、周波数帯BWの信号を通過させる。従って、受信機21Bは、無線装置1Aが送信する無線フレーム以外にも、チャネルCH1と異なるチャネルCH9等で送信される無線フレームを受信する。
図27は、受信機21Bの制御識別子CIDを表す信号検出間隔の概念図である。図27を参照して、受信機21Bの制御識別子CIDは、例えば、3個の信号検出間隔S1,S2,S3のパターン[S1S2S3]からなる。受信機21Bにおける包絡線のサンプリング周期をTとすると、信号検出間隔S1は、2Tからなり、信号検出間隔S2は、3Tからなり、信号検出間隔S3は、4Tからなる。なお、サンプリング周期Tは、例えば、500μsである。
3個の信号検出間隔S1,S2,S3を検出するためには、4個の検出タイミングDT1〜DT4において受信信号が“1”であることを検出する必要がある。
そこで、検出タイミングの個数をk(kは、2以上の整数)とすると、受信機21Bの制御識別子CIDは、k−1個の信号検出間隔S1〜Sk−1によって表される。例えば、k=n、0≦Si≦mT(i=1,2,・・・,n−1、mは正の整数)とすると、表1に示すmn−1個の制御識別子CIDを信号検出間隔S1〜Sn−1によって表すことができる。
従って、実施の形態2においては、制御したい機器2Bの制御識別子CIDを表1に示すmn−1個の制御識別子CIDのいずれかによって表す。
図28は、図23に示す無線装置1Aにおける無線フレームの送信方法を説明するための図である。
図28の(a)は、受信機21Bにおける信号検出間隔の検出タイミングを示し、図28の(b)は、無線装置1Aにおける無線フレームの送信制御基準タイミングを示す。
図28を参照して、受信機21Bの制御識別子CIDは、上述した信号検出間隔のパターン[S1S2S3]からなる。無線装置1Aは、受信機21Bが検出タイミングDT1〜DT4において受信信号が“1”であることを検出することによって、2Tの信号検出間隔S1、3Tの信号検出間隔S2、および4Tの信号検出間隔S3を検出できるように、4個の無線フレームFR1〜FR4を順次送信する。
より具体的に説明する。無線装置1Aは、Tのフレーム長を有する無線フレームFR1を送信する。そして、無線装置1Aは、無線フレームFR1の送信終了時刻を無線フレームFR2〜FR4の送信基準時刻とする(図28の(b)参照)。
受信機21Bは、無線フレームFR1を受信することによって、検出タイミングDT1で受信信号が“1”であることを検出できる。その結果、信号検出間隔S1,S2,S3を検出する基準が決定されることになる。
その後、無線装置1Aは、受信機21Bが検出タイミングDT2で受信信号が“1”であることを検出できるように、無線フレームFR2を送信する。即ち、無線装置1Aは、送信予備時刻dだけ送信制御基準タイミングよりも前から無線フレームFR2の送信を試み、無線フレームFR2が検出タイミングDT2を跨ぐように送信する。なお、送信予備時刻dは、例えば、100μsである。
引き続いて、無線装置1Aは、同様にして、無線フレームFR3,FR4を順次送信する(図28の(b)参照)。
図29は、図23に示す無線装置1Aにおける無線フレームの送信方法を示すフローチャートである。なお、図29に示すフローチャートは、下位レイヤ(MAC層および物理層)で実行されるフローチャートである。
図29を参照して、無線フレームの送信が開始されると、無線装置1Aにおいて、中央演算装置12Aは、無線フレームの長さLをL=Tに設定する(ステップS91)。
そして、中央演算装置12Aは、キャリアセンスを行うように無線モジュール13Aを制御し、無線モジュール13Aは、例えば、チャネルCH1の周波数帯でキャリアセンスを行い(ステップS92)、そのキャリアセンスの結果を中央演算装置12Aへ出力する。
そして、中央演算装置12Aは、無線モジュール13Aから受けたキャリアセンスの結果に基づいて、チャネルCH1の周波数帯が空いているか否かを判定する(ステップS93)。
ステップS93において、チャネルCH1の周波数帯が空いていないと判定されたとき、ステップS92,S93が繰り返し実行される。即ち、無線装置1Aは、無線フレームの送信を待機する。
そして、ステップS93において、チャネルCH1の周波数帯が空いていると判定されると、中央演算装置12Aは、Tのフレーム長を有する無線フレームを送信するように無線モジュール13Aを制御し、無線モジュール13Aは、中央演算装置12Aからの制御に従って、無線フレームをアンテナ14を介して送信する(ステップS94)。
そうすると、中央演算装置12Aは、内蔵したタイマーの時刻tをt=0に設定し(ステップS95)、フレーム送信終了時刻yをy=0に設定する(ステップS96)。
そして、中央演算装置12Aは、i=1を設定し(ステップS97)、y=y+Siを設定する(ステップS98)。
その後、中央演算装置12Aは、t≧y−T−dであるか否かを判定する(ステップS99)。ステップS99において、t≧y−T−dであると判定されると、中央演算装置12Aは、t≧yであるか否かを更に判定する(ステップS100)。ステップS100において、t≧yであると判定されると、一連の動作は、ステップS105へ移行する。
一方、ステップS100において、t<yであると判定されると、中央演算装置12Aは、キャリアセンスを行うように無線モジュール13Aを制御し、無線モジュール13Aは、例えば、チャネルCH1の周波数帯でキャリアセンスを行い(ステップS101)、そのキャリアセンスの結果を中央演算装置12Aへ出力する。
中央演算装置12Aは、無線モジュール13Aから受けたキャリアセンスの結果に基づいて、チャネルCH1の周波数帯が空いているか否かを判定する(ステップS102)。
ステップS102において、チャネルCH1の周波数帯が空いていないと判定されたとき、ステップS100において、再度、t<yであると判定されると、ステップS101,S102が繰り返し実行される。即ち、無線装置1Aは、無線フレームの送信を待機する。一方、ステップS100において、再度、t≧yであると判定されると、一連の動作は、ステップS105へ移行する。
ステップS102において、チャネルCH1の周波数帯が空いていると判定されたとき、中央演算装置12Aは、フレーム長LをL=y−tに設定し(ステップS103)、L=y−tのフレーム長を有する無線フレームを送信するように無線モジュール13Aを制御する。そして、無線モジュール13Aは、中央演算装置12Aからの制御に従って、無線フレームを送信する(ステップS104)。
そうすると、ステップS100において、t≧yであると判定されたとき、またはステップS104の後、中央演算装置12Aは、i=n−1であるか否かを判定する(ステップS105)。
ステップS105において、i=n−1でないと判定されたとき、中央演算装置12Aは、i=i+1を設定する(ステップS106)。その後、一連の動作は、ステップS98へ戻り、ステップS105において、i=n−1であると判定されるまで、上述したステップS98〜ステップS106が繰り返し実行される。そして、ステップS105において、i=n−1であると判定されると、無線装置1Aにおける無線フレームの送信動作は、終了する。
上述したステップS91〜ステップS94によって、図28の(b)に示す無線フレームFR1が送信される。そして、無線フレームFR1の送信終了時刻がタイマー時刻tの基準(=0)に設定される(ステップS95参照)。その後、フレーム送信終了時刻yが“0”に設定される(ステップS96)。
ステップS98〜ステップS104が1回目に実行されることによって、無線フレームFR2が送信される。より具体的に説明する。S1=2Tであるので、フレーム送信終了時刻yは、ステップS98のy=y+S1によって、無線フレームFR1の送信終了時刻から2T経過後の送信制御基準タイミングt1に設定される(図28の(b)参照)。
また、y−T−dは、タイミングt2である(図28の(b)参照)。従って、ステップS99において、t≧y−T−dであるか否かを判定することは、タイマー時刻tがタイミングt2に達しているか否かを判定することに相当する。そして、t≧y−T−dであると判定されることは、無線フレームFR2を送信するタイミングに達していると判定することに相当する。
更に、ステップS100において、t≧yであるか否かを判定するのは、タイマー時刻tがフレーム送信終了時刻y(=送信制御基準タイミングt1)に達しているか否かを判定するためである。そして、タイマー時刻tがフレーム送信終了時刻y(=送信制御基準タイミングt1)に達していないとき、キャリアセンスが行われ、チャネルCH1の周波数帯が空いているとき、フレーム長L=y−t(=t1−t2)の無線フレームFR2が送信される(ステップS100の“NO”,ステップS101〜ステップS104参照)。
ステップS98〜ステップS104が2回目に実行されることによって、無線フレームFR3が送信される。S2=3Tであるので、フレーム送信終了時刻yは、ステップS98のy=y+S2によって、無線フレームFR2の送信終了時刻(=t1)から3T経過後の送信制御基準タイミングt3に設定される(図28の(b)参照)。
また、y−T−dは、タイミングt4である(図28の(b)参照)。従って、タイマー時刻tがタイミングt4に達し、かつ、送信制御基準タイミングt3を経過していないとき、無線フレームFR3が送信される(ステップS99の“YES”,ステップS100の“NO”,ステップS101〜ステップS104参照)。
それ以降、同様にして、無線フレームFR4が送信される。
なお、無線フレームFR1〜FR4が図29に示すフローチャートに従って送信される場合、無線フレームFR1は、Tのフレーム長を有し、無線フレームFR2〜FR4の各々は、y−tのフレーム長を有する。
図30は、図23に示す無線装置1Aにおける無線フレームの他の送信方法を説明するための図である。
図30の(a)は、受信機21Bにおける信号検出間隔の検出タイミングを示し、図30の(b)は、無線装置1Aにおける無線フレームの送信制御基準タイミングを示す。
図30を参照して、機器2Bの制御識別子CIDは、上述した信号検出間隔のパターン[S1S2S3]からなる。無線装置1Aは、受信機21Bが検出タイミングDT1〜DT4において受信信号が“1”であることを検出することによって、2Tの信号検出間隔S1、3Tの信号検出間隔S2、および4Tの信号検出間隔S3を検出できるように、4個の無線フレームFR1〜FR4を順次送信する。
より具体的に説明する。無線装置1Aは、任意の送信制御基準タイミング(=送信基準時刻)に同期して無線フレームFR1を送信する。そして、無線装置1Aは、送信基準時刻から2Tの信号検出間隔S1に相当する時間が経過すると、無線フレームFR2を送信する。更に、無線装置1Aは、無線フレームFR2の送信開始時刻から3Tの信号検出間隔S2に相当する時間が経過すると、無線フレームFR3を送信する。更に、無線装置1Aは、無線フレームFR3の送信開始時刻から4Tの信号検出間隔S3に相当する時間が経過すると、無線フレームFR4を送信する(図30の(b)参照)。
受信機21Bは、無線フレームFR1〜FR4を受信することによって、それぞれ、検出タイミングDT1〜DT4で受信信号が“1”であることを検出できる。その結果、信号検出間隔S1,S2,S3が検出される。
無線フレームFR1〜FR4の各々は、T+M以上のフレーム長を有する。ここで、Mは、CSMA/CAの無線通信方式によって無線フレームを送信するときの無線装置1Aと受信機21Bとの間におけるタイミングの最大のずれ量であり、M=50(DIFS)+15×20(バックオフ)=350μsである。
従って、無線フレームFR1〜FR4の各々のフレーム長をT+M以上に設定することによって、無線フレームFR1〜FR4は、それぞれ、受信機21Bにおける検出タイミングDT1〜DT4を跨ぐように送信されるので、受信機21Bが3個の信号検出間隔S1,S2,S3を安定して検出できる。
図31は、図23に示す無線装置1Aにおける無線フレームの他の送信方法を示すフローチャートである。なお、図31に示すフローチャートは、上位レイヤ(アプリケーション層)で実行されるフローチャートである。
図31を参照して、無線フレームの送信が開始されると、中央演算装置12Aは、タイマー時刻tをt=0に設定し(ステップS111)、最初の無線フレームFR1を送信する(ステップS112)。
そして、中央演算装置12Aは、i=1を設定し(ステップS113)、タイマー時刻tが信号検出間隔Si以上であるか否かを判定する(ステップS114)。
ステップS114において、タイマー時刻tが信号検出間隔Si以上であると判定されると、中央演算装置12Aは、無線フレームFR2を送信する(ステップS115)。
その後、中央演算装置12Aは、i=n−1であるか否かを判定する(ステップS116)。ステップS116において、i=n−1でないと判定されたとき、中央演算装置12Aは、i=i+1を設定する(ステップS117)。その後、一連の動作は、ステップS114へ戻り、ステップS116において、i=n−1であると判定されるまで、上述したステップS114〜ステップS117が繰り返し実行される。そして、ステップS116において、i=n−1であると判定されると、無線装置1Aにおける無線フレームの送信動作は、終了する。
上述したステップS112によって、図30の(b)に示す無線フレームFR1が送信される。そして、ステップS114,S115を1回目に実行するとき、無線フレームFR1の送信開始時刻から信号検出間隔S1に相当する時間が経過すると、無線フレームFR2が送信される(図30の(b)参照)。
また、ステップS114,S115を2回目に実行するとき、無線フレームFR2の送信開始時刻から信号検出間隔S2に相当する時間が経過すると、無線フレームFR3が送信される(図30の(b)参照)。
更に、ステップS114,S115を3回目に実行するとき、無線フレームFR3の送信開始時刻から信号検出間隔S3に相当する時間が経過すると、無線フレームFR4が送信される(図30の(b)参照)。
図31に示すフローチャートは、上述したように上位レイヤ(アプリケーション層)で実行されるので、キャリアセンスを行うステップと、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いているか否かを判定するステップとが図31に示されていないが、無線装置1Aの上位レイヤ(アプリケーション層)がステップS115において無線フレームを送信した後、無線装置1Aの下位レイヤ(MAC層および物理層)が、キャリアセンスを行い、無線通信空間が空いているときに無線フレームを送信し、無線通信空間が空いていないとき無線フレームの送信を待機する。
従って、無線装置1Aは、図31に示すフローチャートに従って無線フレームを送信する場合も、無線通信空間が空いているとき無線フレームを送信し、無線通信空間が空いていないとき無線フレームの送信を待機する。
図32は、無線信号および包絡線の概念図である。受信機21Bの広帯域RFフィルタ221は、アンテナ211を介して無線フレームの受信信号を受信し、その受信した受信信号のうち、上述した周波数帯BWの受信信号RF(図32の(a)参照)を包絡線検波回路213へ出力する。
そして、包絡線検波回路213は、受信信号RFを包絡線検波し、包絡線EVL(図32の(b)参照)を信号検出回路222へ出力する。
信号検出回路222は、包絡線EVLをサンプリング周期Tでサンプリングして包絡線EVLをディジタル信号に変換する。そして、信号検出回路222は、ディジタル信号をマイクロコンピュータ215Bへ出力する。
図33は、マイクロコンピュータ215Bにおけるマッチング処理手段MTCHの具体例を示す機能ブロック図である。機器2Bの制御識別子CIDが信号検出間隔のパターン[S1S2S3]からなる場合、マッチング処理手段MTCHは、図33に示すマッチング処理手段MTCH−1からなる。
図33を参照して、マッチング処理手段MTCH−1は、保持手段41,42,51〜53,p1〜p4と、演算手段61〜63とを含む。
保持手段41,42,51〜53,p1〜p4は、直列に接続される。保持手段41,42,51〜53,p1〜p3は、それぞれ、保持手段42,51〜53,p1〜p4から信号を受け、その受けた信号をそれぞれ演算手段61、保持手段41,42,51〜53,p1,p2へ出力する。また、保持手段51は、信号を演算手段62へも出力し、保持手段p1は、信号を演算手段63へも出力する。更に、保持手段p4は、信号検出回路222から信号を受け、その受けた信号を保持手段p3へ出力する。
演算手段61は、保持手段41からの信号と演算手段62からの信号との論理積を演算し、その演算結果をマイクロコンピュータ215Bへ出力する。演算手段62は、保持手段51からの信号と演算手段63からの信号との論理積を演算し、その演算結果を演算手段61へ出力する。演算手段63は、保持手段p1からの信号と信号検出回路222からの信号との論理積を演算し、その演算した論理積を演算手段62へ出力する。
機器2Bの制御識別子CIDが信号検出間隔のパターン[S1S2S3]からなる場合、信号検出回路222は、検出タイミングDT1で包絡線EVLをサンプリングし、“1”からなる信号をマッチング処理手段MTCH−1へ出力する(図28の(a)参照)。
その後、信号検出回路222は、サンプリング周期Tで包絡線EVLをサンプリングし、“0”からなる信号をマッチング処理手段MTCH−1へ出力する(図28の(a)参照)。
引き続いて、信号検出回路222は、検出タイミングDT2で“1”からなる信号をマッチング処理手段MTCH−1へ出力し、検出タイミングDT2と検出タイミングDT3との間の2つのサンプリングタイミングでは、“0”からなる信号をマッチング処理手段MTCH−1へ出力する(図28の(a)参照)。
更に、信号検出回路222は、検出タイミングDT3で“1”からなる信号をマッチング処理手段MTCH−1へ出力し、検出タイミングDT3と検出タイミングDT4との間の3つのサンプリングタイミングでは、“0”からなる信号をマッチング処理手段MTCH−1へ出力し、検出タイミングDT4で“1”からなる信号をマッチング処理手段MTCH−1へ出力する(図28の(a)参照)。
その結果、マッチング処理手段MTCH−1は、ディジタル信号列[1010010001]を信号検出回路222から受ける。
そして、検出タイミングDT4で検出された“1”からなる信号がマッチング処理手段MTCH−1へ入力された時点で、保持手段41,42,51〜53,p1〜p4は、それぞれ“1”,“0”,“1”,“0”,“0”,“1”,“0”,“0”,“0”からなる信号を出力する。
そうすると、演算手段63は、保持手段p1からの信号(=1)と、信号検出回路222からの信号(=1)との論理積を演算し、その演算結果(=1)を演算手段62へ出力する。
また、演算手段62は、保持手段51からの信号(=1)と、演算手段63からの信号(=1)との論理積を演算し、その演算結果(=1)を演算手段61へ出力する。
更に、演算手段61は、保持手段41からの信号(=1)と、演算手段62からの信号(=1)との論理積を演算し、その演算結果(=1)をマイクロコンピュータ215Bへ出力する。
このように、マッチング処理手段MTCH−1は、保持手段41,42によって2Tの信号検出間隔S1を検出し、保持手段51〜53によって3Tの信号検出間隔S2を検出し、保持手段p1〜p4によって4Tの信号検出間隔S3を検出することによって、無線装置1Aから受信した受信信号が制御識別子CID=[S1S2S3]に一致することを検知する。
従って、マッチング処理手段MTCHからマイクロコンピュータ215Bへ出力される信号が“1”からなる場合、無線装置1Aから受信した受信信号が制御識別子CID=[S1S2S3]に一致することを表し、マッチング処理手段MTCHからマイクロコンピュータ215Bへ出力される信号が“0”からなる場合、無線装置1Aから受信した受信信号が制御識別子CID=[S1S2S3]に一致しないことを表す。
なお、保持手段41が出力する“1”からなる信号は、検出タイミングDT1において検出された信号が“1”であることを表し、保持手段51が出力する“1”からなる信号は、検出タイミングDT2において検出された信号が“1”であることを表し、保持手段p1が出力する“1”からなる信号は、検出タイミングDT3において検出された信号が“1”であることを表し、保持手段p4および演算手段63へ入力される“1”からなる信号は、検出タイミングDT4において検出された信号が“1”であることを表す。
従って、保持手段41,51,p1の全てが“1”からなる信号を出力し、保持手段41,51,p1の全てが“1”からなる信号を出力した時点で“1”からなる信号がマッチング処理手段MTCH−1に入力されることは、ディジタル信号列[1010010001]に基づいて機器2Bの制御識別子CIDを表す複数の信号検出間隔S1,S2,S3を検出するための複数の検出タイミングDT1〜DT4の全てにおいて“1”からなる信号が検出されていると判定することに相当する。
図34は、非同期検波における受信信号の概念図である。図34を参照して、非同期検波においては、複数のチャネルで送信された複数の無線フレームの複数の受信信号が重なって検出される。
従って、受信機21Bは、無線装置1Aから送信された無線フレームと、無線装置1A以外の無線装置から送信された無線フレームとを受信する。
そこで、実施の形態2においては、図28に示す検出タイミングDT1〜DT4で検出される“1”からなる信号は、無線装置1Aから送信された無線フレームに基づいていなくてもよく、無線装置1A以外のいずれの無線装置から送信された無線フレームに基づいていてもよい。
つまり、実施の形態2においては、信号検出回路222は、検出タイミングDT1〜DT4で無線フレームの受信信号が有れば、“1”からなる信号を検出し、検出タイミングDT1〜DT4で無線フレームの受信信号が無ければ、“0”からなる信号を検出し、“1”からなる信号を受信することだけに意味を持たせる。
図35は、複数のチャネルからの無線フレームを受信する場合の概念図である。図35を参照して、無線装置1Aは、例えば、チャネルCH1で無線フレームを送信し、受信機21Bは、例えば、チャネルCH1,CH6,CH11で送信された複数の無線フレームを受信するものとする。
受信機21Bにおける検出タイミングDT1を跨ぐ無線フレームは、チャネルCH1で送信された無線フレームと、チャネルCH6で送信された無線フレームとが重ね合わされたものからなる。
また、受信機21Bにおける検出タイミングDT2を跨ぐ無線フレームは、チャネルCH1で送信された無線フレームと、チャネルCH6で送信された無線フレームと、チャネルCH11で送信された無線フレームとが重ね合わされたものからなる。
更に、受信機21Bにおける検出タイミングDT3を跨ぐ無線フレームは、チャネルCH6で送信された無線フレームと、チャネルCH11で送信された無線フレームとが重ね合わされたものからなる。
更に、受信機21Bにおける検出タイミングDT4を跨ぐ無線フレームは、チャネルCH1で送信された無線フレームと、チャネルCH6で送信された無線フレームと、チャネルCH11で送信された無線フレームとが重ね合わされたものからなる。
その結果、検出タイミングDT3においては、無線装置1Aから送信された無線フレームが存在しないにも拘わらず、受信機21Bは、検出タイミングDT1〜DT4の全てにおいて“1”からなる信号を検出し、受信した無線フレームの受信信号が機器2Bの制御識別子CID=[S1S2S3]に一致すると判定する。
このように、実施の形態2においては、受信機21Bは、無線装置1Aが送信した無線フレームと、無線装置1A以外の無線装置が送信した無線フレームとの両方に基づいて各検出タイミングDT1〜DT4において“1”からなる信号を検出するので、たとえ、無線装置1Aが検出タイミングDT1〜DT4を跨ぐように無線フレームを送信できなくても、無線装置1A以外の無線装置が検出タイミングDT1〜DT4を跨ぐように無線フレームを送信すれば、受信機21Bは、受信した無線フレームの受信信号が機器2Bの制御識別子CID=[S1S2S3]に一致すると判定する。
無線装置1Aは、複数の無線フレームを順次送信するときに、無線通信空間が空いていたので、最初の無線フレームを送信できたが、2番目の無線フレームするときに無線通信空間が空いていなかったので2番目の無線フレームを送信できなくても、他の無線装置が無線フレームを送信すれば、受信機21Bは、機器2Bの制御識別子CIDを受信できることになる。このような場合、無線装置1Aが機器2Bを制御するために制御識別子CIDの送信を開始したので、制御識別子CIDを送信するための複数の無線フレームのうちの一部が他の無線装置から送信されたとしても、無線装置1Aが機器2Bを制御することになる。このような理由から、無線装置1Aが検出タイミングDT1〜DT4を跨ぐように無線フレームを送信できなくても、無線装置1A以外の無線装置が検出タイミングDT1〜DT4を跨ぐように無線フレームを送信すれば、受信機21Bは、受信した無線フレームの受信信号が機器2Bの制御識別子CID=[S1S2S3]に一致すると判定してもよい。
従って、制御したい時に、制御対象機器(=機器2B)を確実に制御できる。
特に、無線装置1Aにとっての隠れ端末が存在する場合、隠れ端末が送信した無線フレームを機器2Bの制御識別子CIDを検出するための無線フレームとして使用できる。
図36は、図1に示す制御システム10の実施の形態2における動作を説明するためのフローチャートである。
図36に示すフローチャートは、図12に示すフローチャートのステップS5をステップS121に代え、ステップS8〜S11をステップS122〜S124に代えたものであり、その他は、図12に示すフローチャートと同じである。
図36を参照して、一連の動作が開始されると、上述したステップS1〜ステップS4が順次実行される。そして、ステップS4の後、無線装置1Aは、図29または図31に示すフローチャートに従って複数の無線フレームを送信する(ステップS121)。
その後、上述したステップS6,S7が順次実行される。そして、ステップS7の後、信号検出回路222は、包絡線検波回路213から受けた包絡線をサンプリング周期でサンプリングして包絡線をディジタル信号列に変換し(ステップS122)、その変換したディジタル信号列をマイクロコンピュータ215Bへ出力する。
マイクロコンピュータ215Bのマッチング処理手段MTCHは、ディジタル信号列における“1”の間隔を、機器2Bの制御識別子CIDを表す複数の信号検出間隔にマッチングする(ステップS123)。
そして、マイクロコンピュータ215Bは、“1”からなる信号をマッチング処理手段MTCHから受けたか否かを判定する(ステップS124)。
ステップS124において、マイクロコンピュータ215Bは、“1”からなる信号をマッチング処理手段MTCHから受けたと判定したとき、上述したステップS12が実行される。
そして、ステップS124において、マイクロコンピュータ215Bが“1”からなる信号をマッチング処理手段MTCHから受けなかったと判定したとき、またはステップS12の後、一連の動作は、終了する。
ステップS121において、無線装置1Aが図29または図31に示すフローチャートに従って複数の無線フレームを送信した結果、機器2Bの受信機21Bは、無線装置1Aから受信した受信信号が機器2Bの制御識別子CIDを表す複数の信号検出間隔のパターン[S1S2S3]に一致することを検出する(ステップS123参照)。ここで、受信機21Bは、検出タイミングDT1〜DT4の各々において受信信号が“1”であることを検出し、隣接する2つの検出タイミング(DT1,DT2等)間の時間間隔は、複数の信号検出間隔S1S2S3のうちの1つの信号検出間隔に等しくなる。また、無線装置1Aは、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いているとき、1つの無線フレームを送信する(図29のステップS101,S102の“YES”,S103,S104および図31のステップS115参照)。更に、無線装置1Aは、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いていると判定するまで、無線フレームの送信を待機する(図29のステップS101,S102の“NO”参照)。更に、上述したように、無線装置1Aは、図31に示すフローチャートに従って無線フレームを送信する場合も、無線通信空間が空いているとき無線フレームを送信し、無線通信空間が空いていないとき無線フレームの送信を待機する。
従って、無線装置1AがステップS121において図29または図31に示すフローチャートに従って複数の無線フレームを送信することは、無線装置1Aが、無線通信空間が空いているとき、制御対象である制御対象機器(=機器2B)における無線フレームの検出タイミング間の時間間隔が制御対象機器(=機器2B)の制御識別子CIDを表す複数の信号検出間隔のうちの1つの信号検出間隔になるように1つの無線フレームを所望の周波数帯で送信し、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いていないとき、1つの無線フレームの送信を待機する送信処理をキャリアセンスを行う毎に実行することに相当する。
このように、図36に示すフローチャートに従えば、無線装置1Aは、データベースDBを検索し、自己の位置情報に基づいて自己の周辺に存在する機器2〜4(=機器2B)と、その機器2〜4(=機器2B)の制御識別子CIDとを取得するとともに、機器2〜4(=機器2B)の中から制御対象機器を決定し、その決定した制御対象機器の制御識別子CIDを制御対象機器の受信機21Bへ送信し、制御対象機器を制御する。
従って、制御したい機器(照明等)を特定し、かつ、その機器を制御するための制御識別子を容易に取得して制御対象の機器を制御できる。
また、実施の形態2による無線装置1Aは、無線通信空間が空いているとき、制御したい制御対象機器の受信機21Bにおける無線フレームの検出タイミング間の時間間隔が制御対象機器の制御識別子CIDを表す複数の信号検出間隔のうちの1つの信号検出間隔になるように1つの無線フレームを所望の周波数帯で送信し、無線通信空間が空いていないとき、無線フレームの送信を待機する。そして、無線通信空間が空いていないとき、無線装置1A以外の無線装置が無線フレームを送信する。その結果、制御対象機器の受信機21Bは、無線通信空間が空いているとき、無線装置1Aからの無線フレームを受信し、無線通信空間が空いていないとき、無線装置1A以外の無線装置から無線フレームを受信する。そして、制御対象機器の受信機21Bは、制御対象機器の制御識別子CIDを表す複数の信号検出間隔の各々を検出する検出タイミングにおいて“1”からなる信号を検出し、受信信号が制御対象機器の制御識別子CIDに一致すると判定して被制御部22を制御する。
従って、制御したい時に、制御対象機器を確実に制御できる。
実施の形態2において、機器2〜4の制御識別子CIDを変更するときの制御システム10の動作は、図13に示すフローチャートに従って実行される。
図37は、機器2〜4の制御識別子CIDを変更するときの実施の形態2における無線装置1Aの動作を説明するためのフローチャートである。
図37に示すフローチャートは、図14に示すフローチャートのステップS32,S34,S35,S36をそれぞれステップS32A,S34A,S35A,S36Aに代えたものであり、その他は、図14に示すフローチャートと同じである。
図37を参照して、一連の動作が開始されると、上述したステップS31が実行される。そして、無線装置1Aの中央演算装置12Aおよび無線モジュール13Aは、図29または図31に示すフローチャートに従って変更コマンドComd1用の複数の無線フレームを送信する(ステップS32A)。
その後、上述したステップS33が実行される。そして、無線装置1Aの中央演算装置12Aおよび無線モジュール13Aは、図29または図31に示すフローチャートに従って変更コマンドComd2用の複数の無線フレームを送信する(ステップS34A)。
引き続いて、無線装置1Aの中央演算装置12Aおよび無線モジュール13Aは、図29または図31に示すフローチャートに従って新しい制御識別子CID_NEW用の複数の無線フレームを送信する(ステップS35A)。
そして、無線装置1Aの中央演算装置12Aおよび無線モジュール13Aは、図29または図31に示すフローチャートに従って確認コマンドComd3用の複数の無線フレームを送信する(ステップS36A)。
その後、上述したステップS37〜ステップS41が実行され、一連の動作が終了する。
なお、機器2〜4の制御識別子CIDを変更するときの実施の形態2における受信機21Bの動作は、原則的に図15に示すフローチャートに従って実行される。しかし、受信機21Bは、受信機21と異なり、図15に示すステップS51,S54,S55,S57において、それぞれ、信号検出間隔を検出して変更コマンドComd1,Comd2、新しい制御識別子CID_NEWおよび確認コマンドComd3を受信したか否かを判定する。そして、受信機21Bは、図36に示すステップS122〜ステップS124と同じステップを実行して、ディジタル信号列が変更コマンドComd1,Comd2、新しい制御識別子CID_NEWおよび確認コマンドComd3のビット列に一致するか否かを判定し、ディジタル信号列が変更コマンドComd1,Comd2、新しい制御識別子CID_NEWおよび確認コマンドComd3のビット列に一致すれば、変更コマンドComd1,Comd2、新しい制御識別子CID_NEWおよび確認コマンドComd3を受信したと判定し、ディジタル信号列が変更コマンドComd1,Comd2、新しい制御識別子CID_NEWおよび確認コマンドComd3のビット列に一致しなければ、変更コマンドComd1,Comd2、新しい制御識別子CID_NEWおよび確認コマンドComd3を受信しなかったと判定する。
実施の形態2においては、無線装置1Aによる変更コマンドComd1,Comd2、新しい制御識別子CID_NEWおよび確認コマンドComd3の送信方法および受信機21Bによる変更コマンドComd1,Comd2、新しい制御識別子CID_NEWおよび確認コマンドComd3の受信方法が実施の形態1における送信方法および受信方法と異なるだけである。従って、実施の形態2においては、実施の形態1における効果と同じ効果を享受できる。
また、実施の形態2においては、実施の形態1における応用例1,2と同じ実施例を実施してもよい。
更に、実施の形態2においては、実施の形態1において説明した付加機能を無線装置1Aおよび機器2〜4(=機器2B)に更に追加してもよい。
実施の形態2におけるその他の説明は、実施の形態1における説明と同じである。
この発明の実施の形態においては、変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWを送信する中央演算装置12(または中央演算装置12A)および無線モジュール13(または無線モジュール13A)は、「送信手段」を構成する。
また、この発明の実施の形態においては、受信機21,21A,21Bのモードが変更モードに切り替わったこと、および制御対象機器(=機器2〜4の少なくとも1つ)の制御識別子CIDが新しい制御識別子CID_NEWに変更されたことを検出する検出器18および中央演算装置12(または中央演算装置12A)は、「検出手段」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、受信電波に基づいて変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWのビット列を検出するRFフィルタ212、包絡線検波回路213、ビット判定器214およびマイクロコンピュータ215(またはマイクロコンピュータ215A)は、「受信手段」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、受信電波に基づいて変更コマンドComd1,Comd2、確認コマンドComd3および新しい制御識別子CID_NEWのビット列を検出する広帯域RFフィルタ221、包絡線検波回路213、信号検出回路222およびマイクロコンピュータ215Bは、「受信手段」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、変更コマンドComd1の受信に応じて、受信機21,21Aのモードを変更モードへ切り替えるように受信機21(または受信機21A、または受信機21B)を制御するマイクロコンピュータ215(またはマイクロコンピュータ215Aまたはマイクロコンピュータ215B)は、「制御手段」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、変更コマンドComd2に応じて、制御識別子CIDを新しい制御識別子CID_NEWに変更するマイクロコンピュータ215(またはマイクロコンピュータ215Aまたはマイクロコンピュータ215B)は、「変更手段」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、モード切替信号MCHGまたは識別子信号CID_Sを送信する送信器219は、「送信手段」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。