本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による制御システムの概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による制御システム10は、無線装置1と、機器2〜4とを備える。
無線装置1は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて自己の位置情報を取得する。そして、無線装置1は、その取得した位置情報に基づいて、後述する方法によって、自己の周辺に存在する機器2〜4と、機器2〜4を制御するための制御識別子CIDとを取得する。その後、無線装置1は、その取得した機器2〜4と、制御識別子CIDとに基づいて、制御対象の機器である制御対象機器(機器2〜4の少なくとも1つ)と、制御対象機器の制御識別子CIDとを決定する。
そうすると、無線装置1は、制御対象機器の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームを生成し、その生成した無線フレームを無線通信によって制御対象機器に搭載された受信機(図1では図示せず)へ送信する。
機器2〜4の各々は、照明、スピーカ、モニター、カメラおよびモータ等のいずれかからなる電気機器を備える。機器2〜4の各々は、自己が制御対象機器である場合、無線装置1から無線フレームの電波を受信し、その受信した受信電波に基づいて、後述する方法によってビット列を検出する。そして、機器2〜4(制御対象機器)の各々は、その検出したビット列が自己の制御識別子CIDに一致するとき、制御識別子CIDに基づいて、自己に備えられた電気機器(照明等)を制御する。
[実施の形態1]
図2は、図1に示す無線装置1の実施の形態1における構成を示す概略図である。図2を参照して、無線装置1は、入出力手段11と、中央演算装置12と、無線モジュール13と、アンテナ14,15と、GPS16と、記憶部17と、タイマー18とを含む。
入出力手段11は、表示装置を備える。入出力手段11は、機器2〜4の少なくとも1つに装着された電気機器を制御することを指示するための指示信号Comd1を無線装置1の利用者から受け付け、その受け付けた指示信号Comd1を中央演算装置12へ出力する。
また、入出力手段11は、中央演算装置12から機器2〜4およびその機器2〜4の制御内容を受けると、その受けた機器2〜4および制御内容を表示装置によって表示する。そして、入出力手段11は、機器2〜4のうちのいずれを制御対象機器とするかを指示する指示信号Comd2と、その制御対象機器の制御内容を指示する指示信号Comd3とを無線装置1の利用者から受け付け、その受け付けた指示信号Comd2,Comd3を中央演算装置12へ出力する。
中央演算装置12は、指示信号Comd1〜Comd3を入出力手段11から受ける。また、中央演算装置12は、無線装置1の位置情報をGPS16から受ける。更に、中央演算装置12は、時刻情報をタイマー18から受ける。
中央演算装置12は、指示信号Comd1を入出力手段11から受け、無線装置1の位置情報をGPS16から受けると、記憶部17に格納されたデータベースDBを検索し、無線装置1の位置情報に基づいて無線装置1の周辺に存在する機器2〜4と、機器2〜4を制御するための制御識別子CIDとを取得する。そして、中央演算装置12は、機器2〜4と、機器2〜4の制御内容とを入出力手段11へ出力する。その後、中央演算装置12は、指示信号Comd2,Comd3を入出力手段11から受けると、その受けた指示信号Comd2,Comd3に基づいて、機器2〜4の中から制御対象機器を決定するとともに、その決定した制御対象機器の制御内容を決定する。そうすると、中央演算装置12は、その決定した制御対象機器および制御内容に基づいて、制御対象機器の制御識別子CIDを生成する。
無線モジュール13は、制御対象機器の制御識別子CIDを中央演算装置12から受け、その受けた制御識別子CIDをアンテナ14を介して制御対象機器の受信機へ後述する方法によって送信する。この場合、無線モジュール13は、所望の周波数で制御識別子CIDを制御対象機器の受信機へ送信する。
GPS16は、アンテナ15を介して無線装置1の位置情報を計測し、その計測した位置情報を中央演算装置12へ出力する。
記憶部17は、無線装置1の位置情報と、機器2〜4と、機器2〜4の制御識別子CIDとを相互に対応付けた構成からなるデータベースDBを記憶する。
タイマー18は、時刻情報を中央演算装置12へ出力する。
図3は、図1に示す機器2の実施の形態1における構成を示す概略図である。図3を参照して、機器2は、受信機21と、被制御部22とを含む。受信機21は、アンテナ211と、RFフィルタ212と、包絡線検波回路213と、ビット判定器214と、マイクロコンピュータ215と、記憶部216と、タイマー217と、制御回路218とを含む。
受信機21は、例えば、100μWの電力を電源(図示せず)から受け、その受けた電力によって駆動される。また、受信機21は、アンテナ211を介して無線装置1から無線フレームの電波を受信し、その受信した受信電波に基づいて、後述する方法によってビット列を検出し、その検出したビット列が機器2の制御識別子CIDに一致するか否かを判定する。受信機21は、ビット列が機器2の制御識別子CIDに一致すると判定したとき、制御識別子CIDに基づいて被制御部22を制御する。
一方、受信機21は、ビット列が機器2の制御識別子CIDに一致しないとき、ビット列を破棄する。そして、受信機21は、無線フレームの受信を待つ状態になる。
なお、受信機21は、機器2を制御するための無線フレームを受信する機能のみを有し、無線フレームを送信する機能を有しない。
被制御部22は、照明、スピーカ、モニター、カメラおよびモータ等のいずれかからなる。そして、被制御部22は、受信機21からの制御に従って、電源がオフされたり、電源がオンされたり、調光されたりする。
アンテナ211は、RFフィルタ212に接続される。RFフィルタ212は、アンテナ211を介して電波を受信し、その受信した受信電波から無線フレームの周波数を有する信号を抽出する。そして、RFフィルタ212は、その抽出した信号を包絡線検波回路213へ出力する。
包絡線検波回路213は、RFフィルタ212から受けた信号を一定周期(例えば、10μs)ごとに包絡線検波し、その検波した検波信号をビット判定器214へ出力する。
ビット判定器214は、包絡線検波回路213から受けた検波信号を“0”または“1”のビット値に変換し、その変換後のビット列をマイクロコンピュータ215へ出力する。
マイクロコンピュータ215は、フレーム長検出処理、IDマッチング処理および制御処理を順次実行する。
マイクロコンピュータ215は、フレーム長検出処理において、ビット判定器214から受けたビット列に基づいて無線フレームのフレーム長を検出する。より具体的には、マイクロコンピュータ215は、“1”のビット値の個数を累計し、“0”のビット値が入力されると、“0”のビット値が入力されたときの累計値を、後述する方法によって、ビット列に変換する。その後、マイクロコンピュータ215は、累計値をリセットする。
マイクロコンピュータ215は、累計値をビット列に変換すると、記憶部216から機器2の制御識別子CIDを読み出し、ビット列が制御識別子CIDに一致するか否かを判定する。即ち、マイクロコンピュータ215は、IDマッチング処理を実行する。
マイクロコンピュータ215は、ビット列が制御識別子CIDに一致すると判定したとき、制御識別子CIDに基づいて、被制御部22の制御内容を制御回路218へ出力する。即ち、マイクロコンピュータ215は、制御処理を実行する。
一方、マイクロコンピュータ215は、ビット列が制御識別子CIDに一致しないと判定したとき、ビット列を破棄する。
記憶部216は、機器2の制御識別子CIDを記憶する。
タイマー217は、時刻情報をマイクロコンピュータ215へ出力する。
制御回路218は、マイクロコンピュータ215から制御内容を受け、その受けた制御内容に基づいて被制御部22を制御する。
なお、実施の形態1においては、図1に示す機器3,4の各々も、図3に示す機器2と同じ構成からなる。
図4は、制御識別子CIDの構成を示す概略図である。図4を参照して、制御識別子CIDは、制御対象と、制御種別と、制御値とを含む。
制御対象、制御種別および制御値は、相互に対応付けられる。制御対象は、制御する対象を表す。制御種別は、各機器2〜4の具体的な制御項目を表す。制御値は、制御種別の具体的な制御内容を表す。そして、制御対象および制御種別は、制御対象機器を特定する特定情報を構成し、制御値は、制御対象機器の制御内容を示す制御情報を構成する。また、制御対象、制御種別および制御値の各々は、例えば、4ビットのビット値によって表される。
図5は、データベースDBの概念図である。図5を参照して、データベースDBは、経度緯度と、場所と、名前と、制御対象と、制御種別と、制御値とを含む。経度緯度、場所、名前、制御対象、制御種別および制御値は、相互に対応付けられる。そして、経度緯度および場所は、位置情報を構成し、制御対象、制御種別および制御値は、上述したように制御識別子CIDを構成する。
北緯x度、緯度y度には、例えば、4丁目Aビルが存在する。そして、4丁目Aビルの天井には、天井照明がある。この天井照明は、経度緯度(=北緯x度、緯度y度)と、場所(=4丁目Aビル)とからなる位置情報に対応付けられ、制御対象としての対象1を表す“0001”は、経度緯度(=北緯x度、緯度y度)と、場所(=4丁目Aビル)とからなる位置情報に対応付けられ、制御種別としての照明スイッチを表す“0001”は、経度緯度(=北緯x度、緯度y度)と、場所(=4丁目Aビル)とからなる位置情報に対応付けられ、制御値としてのONを表す“0001”は、経度緯度(=北緯x度、緯度y度)と、場所(=4丁目Aビル)とからなる位置情報に対応付けられる。また、同様にして、制御対象(“0001”)および制御種別(“0001”)は、経度緯度(=北緯x度、緯度y度)と、場所(=4丁目Aビル)とからなる位置情報に対応付けられ、制御値としてのOFFを表す“0000”は、経度緯度(=北緯x度、緯度y度)と、場所(=4丁目Aビル)とからなる位置情報に対応付けられる。従って、北緯x度、緯度y度の4丁目Aビルにある天井照明の制御内容は、天井照明の照明スイッチをONすること、または天井照明の照明スイッチをOFFすることからなる。
フロア空調、壁の間接照明および西門施錠に関しても、同様にして、名前、制御対象、制御種別および制御値が位置情報に対応付けられる。
そして、フロア空調に関しては、空調温度を上昇させること、または空調温度を下降させることが制御内容になり、壁の間接照明に関しては、調光を大にすること、または調光を中にすること、または調光を小にすることが制御内容になり、西門施錠に関しては、門開閉を開けること、または門開閉を閉じることが制御内容になる。
このように、データベースDBは、制御対象、制御種別および制御値からなる制御識別子CIDを位置情報に対応付けた構成からなる。そして、データベースDBは、無線装置1の記憶部17に格納されている。
また、機器2〜4の各々が天井照明である場合、機器2〜4の各々の記憶部216は、“000100010000”からなる制御識別子と、“000100010001”からなる制御識別子とを記憶する。更に、機器2〜4の各々がフロア空調である場合、機器2〜4の各々の記憶部216は、“001000100000”からなる制御識別子と、“001000100001”からなる制御識別子とを記憶する。更に、機器2〜4の各々が壁の間接照明である場合、機器2〜4の各々の記憶部216は、“001100110000”からなる制御識別子と、“001100110001”からなる制御識別子と、“001100110010”からなる制御識別子とを記憶する。更に、機器2〜4の各々が西門施錠である場合、機器2〜4の各々の記憶部216は、“000101000000”からなる制御識別子と、“000101000001からなる制御識別子とを記憶する。
なお、データベースDBにおいて、西門施錠の制御対象が対象1になっているのは、西門施錠が天井照明等の場所(4丁目)と無線による制御が同時に行われない離れた場所(5丁目)に存在するからである。
図6は、ビット列と無線フレームの時間長であるフレーム長Lとの変換表を示す図である。図6を参照して、変換表TBL1は、ビット列とフレーム長とを含む。ビット列およびフレーム長は、相互に対応付けられる。
230μsのフレーム長Lは、“000100010000”のビット列に対応付けられる。260(μs)のフレーム長Lは、“000100010001”のビット列に対応付けられる。290(μs)のフレーム長Lは、“001000100000”のビット列に対応付けられる。320(μs)のフレーム長Lは、“001000100001”のビット列に対応付けられる。350(μs)のフレーム長Lは、“001100110000”のビット列に対応付けられる。380(μs)のフレーム長Lは、“001100110001”のビット列に対応付けられる。410(μs)のフレーム長Lは、“001100110010”のビット列に対応付けられる。440(μs)のフレーム長Lは、“000101000000”のビット列に対応付けられる。470(μs)のフレーム長Lは、“000101000001”のビット列に対応付けられる。
“000100010000”等のビット列は、“A1A2A3A4B1B2B3B4C1C2C3C4”の形式からなり、制御対象機器の制御識別子CIDである。そして、左側の4ビット(=A1A2A3A4)は、制御対象を表し、中央の4ビット(=B1B2B3B4)は、制御種別を表し、右側の4ビット(=C1C2C3C4)は、制御値を表す。
無線装置1の中央演算装置12は、変換表TBL1を保持している。そして、中央演算装置12は、“000100010000”からなる制御識別子CIDに対して、変換表TBL1を参照してフレーム長L=230(μs)を割り当てる。
そうすると、中央演算装置12は、フレーム長がL=230(μs)に最も近くなるようにペイロードサイズを決定し、その決定したペイロードサイズを有するペイロードを生成し、その生成したペイロードを無線モジュール13へ出力する。そして、無線モジュール13は、中央演算装置12からペイロードを受け、その受けたペイロードを含む無線フレームを生成し、その生成した無線フレームを制御対象機器(機器2〜4のいずれか)の受信機21へ送信する。
また、中央演算装置12は、“000100010000”からなる制御識別子CIDにフレーム長L=230(μs)を割り当てると、“000100010000”からなる制御識別子CIDを含む無線フレームの時間長が230(μs)になるように送信するための伝送レートを決定し、その決定した伝送レートと“000100010000”からなる制御識別子CIDとを無線モジュール13へ出力する。無線モジュール13は、“000100010000”からなる制御識別子CIDと、伝送レートとを中央演算装置12から受ける。そして、無線モジュール13は、“000100010000”からなる制御識別子CIDを含む無線フレームを生成し、その生成した無線フレームを中央演算装置12から受けた伝送レートで制御対象機器(機器2〜4のいずれか)の受信機21へ送信する。
更に、中央演算装置12は、“000100010000”からなる制御識別子CIDにフレーム長L=230(μs)を割り当てると、フレーム長がL=230(μs)に最も近くなるようにペイロードサイズを決定し、その決定したペイロードサイズを有するペイロードを生成する。また、中央演算装置12は、その生成したペイロードを含む無線フレームの時間長が230(μs)になるように送信するための伝送レートを決定する。そして、中央演算装置12は、その生成したペイロードと、その決定した伝送レートとを無線モジュール13へ出力する。無線モジュール13は、ペイロードおよび伝送レートを中央演算装置12から受け、その受けたペイロードを含む無線フレームを生成する。そして、無線モジュール13は、その生成した無線フレームを中央演算装置12から受けた伝送レートで制御対象機器(機器2〜4のいずれか)の受信機21へ送信する。
このように、無線モジュール13は、フレーム長がL=230(μs)になるようにペイロードサイズおよび伝送レートの少なくとも一方を制御し、その制御したペイロードサイズおよび伝送レートの少なくとも一方を用いて無線フレームを制御対象機器(機器2〜4のいずれか)の受信機21へ送信する。
なお、ペイロードとなるデータの中身は、乱数値でもよいし、特定の値に設定されてもよい。
中央演算装置12は、“000100010001”等からなる制御識別子CIDを送信する場合も、同様にしてペイロードおよび/または伝送レートを無線モジュール13へ出力する。
変換表TBL1において、フレーム長Lが30μsごとに区切られているのは、受信機21のクロック周波数を低くし、受信機21が無線フレームの切れ目を識別できるようにするためである。
上述したように、無線装置1は、制御識別子CIDをフレーム長によって表した無線フレームを制御対象機器(機器2〜4のいずれか)の受信機21へ送信する。
図7は、包絡線検波およびビット判定の概念図である。図7を参照して、受信機21の包絡線検波回路213は、無線フレームFRをRFフィルタ212から受ける。無線フレームFRは、例えば、230(μs)のフレーム長Lを有する((a)参照)。
包絡線検波回路213は、無線フレームFRの包絡線EVLを検出し、その検出した包絡線EVLを10(μs)毎に検波し、検波値I1〜I24を検出する((b)参照)。
そして、包絡線検波回路213は、検波値I1〜I24をビット判定器214へ出力する。ビット判定器214は、検波値I1〜I24をビット判定し、“111・・・1110”のビット列を得る。そして、ビット判定器214は、“111・・・1110”のビット列をマイクロコンピュータ215へ出力する。
マイクロコンピュータ215は、“111・・・1110”のビット列の先頭から“1”のビット値の個数を累積し、“23”の累積値を検出する。そして、マイクロコンピュータ215は、24個目のビット値が“0”であるので、“23”の累積値をビット列に変換し、その後、累積値をリセットする。
図8は、累積値とビット列との変換表を示す図である。図8を参照して、変換表TBL2は、累積値とビット列とを含む。累積値およびビット列は、相互に対応付けられる。
“000100010000”のビット列は、22≦c≦24の累積値cに対応付けられる。“000100010001”のビット列は、25≦c≦27の累積値cに対応付けられる。“001000100000”のビット列は、28≦c≦30の累積値cに対応付けられる。“001000100001”のビット列は、31≦c≦33の累積値cに対応付けられる。“001100110000”のビット列は、34≦c≦36の累積値cに対応付けられる。“001100110001”のビット列は、37≦c≦39の累積値cに対応付けられる。“001100110010”のビット列は、40≦c≦42の累積値cに対応付けられる。“000101000000”のビット列は、43≦c≦45の累積値cに対応付けられる。“000101000001”のビット列は、46≦c≦48の累積値cに対応付けられる。
マイクロコンピュータ215は、変換表TBL2を保持している。そして、マイクロコンピュータ215は、“23”の累積値cを求めると、変換表TBL2を参照して、“23”の累積値cを“000100010000”のビット列に変換する。
そして、マイクロコンピュータ215は、その変換した“000100010000”のビット列が機器2の制御識別子CIDに一致する場合、制御識別子CIDの制御値を参照して制御内容を検出し、その検出した制御内容を制御回路218へ出力する。
一方、マイクロコンピュータ215は、その変換した“000100010000”のビット列が機器2の制御識別子CIDに一致しない場合、“000100010000”のビット列を破棄し、制御回路218へ何も出力しない。
図9は、図1に示す無線装置1の入出力手段11における表示装置の表示画面の例を示す図である。
機器2が図5に示すデータベースDBの天井照明であり、機器3が図5に示すデータベースDBのフロア空調であり、機器2,3が無線装置1の周辺に存在することを前提として入出力手段11における表示装置の表示画面について説明する。
無線装置1の中央演算装置12は、指示信号Comd1を入出力手段11から受け、経度緯度(=北緯x度、経度y度)および場所(=4丁目Aビル)からなる位置情報をGPS16から受けると、記憶部17に記憶されたデータベースDBを検索し、位置情報に基づいて、無線装置1の周辺に存在する天井照明およびフロア空調と、天井照明の制御識別子([0001(対象1)、0001(照明スイッチ)、0001(ON)],[0001(対象1)、0001(照明スイッチ)、0000(OFF)])と、フロア空調の制御識別子([0010(対象2)、0010(空調温度)、0001(上昇)],[0010(対象2)、0010(空調温度)、0000(下降)])とを取得する。
そして、中央演算装置12は、その取得した天井照明およびフロア空調と、天井照明の制御識別子([0001(対象1)、0001(照明スイッチ)、0001(ON)],[0001(対象1)、0001(照明スイッチ)、0000(OFF)])と、フロア空調の制御識別子([0010(対象2)、0010(空調温度)、0001(上昇)],[0010(対象2)、0010(空調温度)、0000(下降)])と、無線装置1の現在の場所(4丁目Aビル)とを入出力手段11へ出力する。
入出力手段11は、天井照明およびフロア空調と、天井照明の制御識別子([0001(対象1)、0001(照明スイッチ)、0001(ON)],[0001(対象1)、0001(照明スイッチ)、0000(OFF)])と、フロア空調の制御識別子([0010(対象2)、0010(空調温度)、0001(上昇)],[0010(対象2)、0010(空調温度)、0000(下降)])と、無線装置1の現在の場所(4丁目Aビル)とを中央演算装置12から受ける。
そして、入出力手段11は、無線装置1の現在の場所(4丁目Aビル)を表示装置に表示する。また、入出力手段11は、天井照明の制御識別子([0001(対象1)、0001(照明スイッチ)、0001(ON)],[0001(対象1)、0001(照明スイッチ)、0000(OFF)])に基づいて、制御対象1としての“天井照明”と、“ONボタン”および“OFFボタン”とを表示装置に表示する。更に、入出力手段11は、フロア空調の制御識別子([0010(対象2)、0010(空調温度)、0001(上昇)],[0010(対象2)、0010(空調温度)、0000(下降)])に基づいて、制御対象2としての“フロア空調”と、温度の“上下ボタン”とを表示装置に表示する。
そうすると、無線装置1の利用者は、入出力手段11の表示画面を見て、制御したい制御対象と、制御内容とを選択する。例えば、無線装置1の利用者は、“天井照明”を“OFF”したいのであれば、制御対象1の“天井照明”の部分をタップするとともに、“OFFボタン”を押す。
入出力手段11は、“天井照明”の部分がタップされると、“天井照明”を制御対象機器とすることを指示する指示信号Comd2を受け付け、“OFFボタン”が押されると、制御対象機器(“天井照明”)の制御内容(“OFF”)を指示する指示信号Comd3を受け付ける。
そして、入出力手段11は、その受け付けた指示信号Comd2,Comd3を中央演算装置12へ出力する。
中央演算装置12は、指示信号Comd2,Comd3を入出力手段11から受けると、指示信号Comd2に基づいて、無線装置1の周辺に存在する機器2,3のうち、機器2を制御対象機器として決定し、指示信号Comd3に基づいて、制御対象機器(=機器2)の制御内容(=照明スイッチの“OFF”)を決定する。そして、中央演算装置12は、その決定した制御対象機器および制御内容に基づいて、“000100010000”からなる制御識別子CIDを生成し、その生成した制御識別子CID(=“000100010000”)に対応するフレーム長(=230μs)をテーブルTBL1を参照して検出する。
その後、中央演算装置12および無線モジュール13は、上述した方法によって、ペイロードサイズおよび伝送レートの少なくとも一方を制御して、230μsのフレーム長を有する無線フレームを機器2の受信機21へ送信する。
無線装置1の利用者が“フロア空調”を制御対象として選択した場合、中央演算装置12は、“フロア空調”を制御対象機器とする指示信号Comd2を入出力手段11から受ける。また、中央演算装置12は、最初に表示した温度(28度)よりも温度が上昇されれば、空調温度を上昇させる指示信号Comd3を入出力手段11から受け、最初に表示した温度(28度)よりも温度が下げられれば、空調温度を下降させる指示信号Comd3を入出力手段11から受ける。そして、中央演算装置12は、指示信号Comd2,Comd3に基づいて、上述した方法によって“フロア空調”の制御識別子CIDを生成する。その後、中央演算装置12および無線モジュール13は、上述した方法によって、“フロア空調”の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームを機器3の受信機21へ送信する。
また、無線装置1の利用者が“天井照明”および“フロア空調”の両方を制御対象として選択した場合、中央演算装置12は、“天井照明”および“フロア空調”の各々について、指示信号Comd2,Comd3を入出力手段11から受け、その受けた指示信号Comd2,Comd3に基づいて、上述した方法によって、“天井照明”の制御識別子CIDと“フロア空調”の制御識別子CIDとを生成する。そして、中央演算装置12および無線モジュール13は、上述した方法によって、“天井照明”の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームを機器2の受信機21へ送信し、“フロア空調”の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームを機器3の受信機21へ送信する。
図10は、図1に示す制御システム10の実施の形態1における動作を説明するためのプローチャートである。
なお、図10においては、機器2が制御対象機器であることを前提として制御システム10の動作を説明する。
図10を参照して、一連の動作が開始されると、無線装置1の中央演算装置12は、入出力手段11から指示信号Comd1を受けると(ステップS1)、記憶部17に格納されたデータベースDBを検索し、GPS16から受けた無線装置1の位置情報に基づいて無線装置1の周辺に存在する機器と、その機器の制御識別子CIDとを取得する(ステップS2)。
そして、中央演算装置12は、その取得した機器と、機器の制御識別子CIDとを入出力手段11へ出力し、入出力手段11は、上述した方法によって、機器と、その機器の制御内容とを表示装置に表示する(ステップS3)。
その後、中央演算装置12は、指示信号Comd2,Comd3を入出力手段11から受け、その受けた指示信号Comd2,Comd3に基づいて、上述した方法によって、制御対象機器(=機器2)と、その制御対象機器の制御内容とを決定し、制御識別子CIDを生成する(ステップS4)。
そして、中央演算装置12および無線モジュール13は、上述した方法によって、制御対象機器(=機器2)の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームを制御対象機器(=機器2)の受信機21へ送信する(ステップS5)。
制御対象機器(=機器2)の受信機21において、RFフィルタ212は、アンテナ211を介して電波を受信し、その受信した受信電波から無線フレームの周波数を有する信号を抽出する。これによって、受信機21は、無線フレームを受信する(ステップS6)。そして、RFフィルタ212は、その抽出した信号を包絡線検波回路213へ出力する。
包絡線検波回路213は、RFフィルタ212から受けた信号を一定周期ごとに包絡線検波し(ステップS7)、その検波した検波信号をビット判定器214へ出力する。
ビット判定器214は、包絡線検波回路213から受けた検波信号を“0”または“1”のビット値に変換して包絡線をビット判定する(ステップS8)。そして、ビット判定器214は、その変換後のビット列をマイクロコンピュータ215へ出力する。
マイクロコンピュータ215は、ビット判定器214から受けたビット列における“1”のビット値の個数を累積し、“0”のビット値が入力されると、“1”の累積を停止し、そのときの累積値を“1”の累積値として演算する(ステップS9)。そして、マイクロコンピュータ215は、テーブルTBL2を参照して、その演算した累計値をビット列に変換する(ステップS10)。
マイクロコンピュータ215は、累計値をビット列に変換すると、記憶部216から制御対象機器(=機器2)の制御識別子CIDを読み出し、ビット列が制御識別子CIDに一致するか否かを判定する(ステップS11)。
例えば、機器2が図5に示す“天井照明”である場合、機器2の記憶部216は、“000100010000”からなる制御識別子CID_Aと、“000100010001”からなる制御識別子CID_Bとを記憶する。従って、マイクロコンピュータ215は、2つの制御識別子CID_A,CID_Bを記憶部216から読み出し、ビット列が2つの制御識別子CID_A,CID_Bの各々と一致するか否かを判定する。
ステップS11において、ビット列が制御識別子CID(=制御識別子CID_A,CID_Bのいずれか)に一致すると判定されたとき、マイクロコンピュータ215は、制御識別子CIDに基づいて、制御内容を制御回路218へ出力し、制御回路218は、マイクロコンピュータ215から受けた制御内容に従って被制御部22を制御する(ステップS12)。
例えば、機器2が図5に示す“天井照明”であり、ビット列が制御識別子CID_A(=“000100010000”)に一致すると判定されたとき、マイクロコンピュータ215は、制御識別子CID_A(=“000100010000”)の左側の4ビット(=“0001”)を参照して、制御対象が対象1であることを検出し、機器2が制御対象になっていることを検知する。また、マイクロコンピュータ215は、制御識別子CID_A(=“000100010000”)の中央部の4ビット(=“0001”)を参照して、制御種別が照明スイッチであることを検出し、制御識別子CID_A(=“000100010000”)の右側の4ビット(=“0000”)を参照して、照明スイッチをオフすることを検出する。そして、マイクロコンピュータ215は、機器2の照明スイッチをオフする制御内容を制御回路218へ出力し、制御回路218は、マイクロコンピュータ215からの制御内容に従って、被制御部22の照明スイッチをオフする。
一方、ステップS11において、ビット列が制御識別子CIDに一致しないと判定されたとき、マイクロコンピュータ215は、ビット列を破棄する。
そして、ステップS11において、ビット列が制御識別子CIDに一致しないと判定されたとき、またはステップS12の後、一連の動作が終了する。
このように、無線装置1の中央演算装置12は、無線装置1の位置情報と、各機器2〜4の制御識別子CIDとを対応付けた構成からなるデータベースDBを検索し、無線装置1の周辺に存在する機器2〜4の中から制御対象機器(=機器2)を決定するとともに、その決定した制御対象機器(=機器2)の制御識別子CIDを生成するので(ステップS1〜ステップS4参照)、無線装置1は、制御対象である機器2を特定し、かつ、機器2を制御するための制御識別子CIDを容易に取得できる。
また、無線装置1は、制御識別子CIDを制御対象機器(=機器2)へ送信し、制御対象機器(=機器2)の受信機21は、制御識別子CIDが制御対象機器(=機器2)の制御識別子に一致するとき、制御識別子CIDに基づいて被制御部22を制御するので(ステップS5,S11,S12参照)、無線装置1は、制御対象機器(=機器2)を容易に制御できる。
従って、制御対象機器を特定し、かつ、制御対象機器を制御するための制御識別子CIDを容易に取得して制御対象機器を容易に制御できる。
また、無線装置1の利用者は、無線装置1の周辺に存在する機器2〜4を制御できるので、例えば、無線装置1としてのスマートホーンの利用者は、自己が公共施設の近くに居れば、自己のスマートホーンを用いて図10に示すフローチャートに従って公共施設に設置された機器2〜4を制御できる。その結果、自己のスマートホーンをリモコンとして利用でき、リモコンの取り合いを防止できる。
更に、無線装置1は、制御識別子CIDをフレーム長によって表して制御対象機器の受信機21へ送信するので、受信機21は、100μWという低電力で駆動する場合も、受信電波に基づいて制御識別子CIDを復調できる。
なお、図10においては、1つの機器2が制御対象である場合について説明したが、2以上の機器が制御対象である場合も、制御システム10の動作は、図10に示すフローチャートに従って実行される。この場合、無線装置1は、上述したステップS1〜S5を2以上の機器について並列または直列に実行し、2以上の機器の各々は、上述したステップS6〜S12を実行する。
また、図10に示すステップS1〜S5は、無線装置1において制御対象機器の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを構成する。この場合、ステップS1〜S5からなるプログラムは、記憶部17に格納されており、中央演算装置12は、記憶部17に格納されたプログラムを読み出して実行する。そして、プログラムに従ってステップS2を実行する中央演算装置12は、「検索/取得手段」を構成し、プログラムに従ってステップS4を実行する中央演算装置12は、「決定/生成手段」を構成し、プログラムに従ってステップS5を実行する中央演算装置12および無線モジュール13は、「送信手段」を構成する。
更に、上記においては、データベースDBは、無線装置1の記憶部17に記憶されると説明したが、実施の形態1においては、これに限らず、データベースDBは、クラウドサーバに記憶されていてもよい。この場合、中央演算装置12は、指示信号Comd1を入出力手段11から受けると、無線モジュール13およびアンテナ14を用いて無線アクセス網(3G)を介してクラウドサーバにアクセスしてデータベースDBを検索し、無線装置1の位置情報に基づいて無線装置1の周辺に存在する機器2〜4と、機器2〜4の制御識別子CIDとを取得する。その他については、上述した内容に従って、制御対象機器(=機器2〜4の少なくとも1つ)の制御が実行される。
(実施例1)
実施例1においては、無線装置1の具体例としてスマートホーンが用いられる。利用者は、機器2〜4に装着された電気機器を制御するための制御アプリケーションプログラムを自己のスマートホーン(携帯電話)にインストールする。
そして、インストールされた制御アプリケーションプログラムは、上述したデータベースDBを保持しており、データベースDBとともにスマートホーンの記憶部に記憶される。
スマートホーンの入出力手段は、スマートホーンの利用者から制御アプリケーションプログラムの起動指示を受け付けると、指示信号Comd1をスマートホーンの中央演算装置へ出力し、中央演算装置は、指示信号Comd1に応じて、記憶部から制御アプリケーションプログラムを読み出し、その読み出した制御アプリケーションプログラムを実行する。
中央演算装置は、制御アプリケーションプログラムの起動時に、パスワード等で認証を行い、スマートホーンの利用者を正しく認証した場合、次の操作を実行する。この場合、中央演算装置は、制御アプリケーションプログラムの起動時に、パスワードの入力欄をスマートホーンの表示画面に表示し、入力されたパスワードが正規のパスワードであることを確認すると、スマートホーンの利用者が正しく認証されたと判断する。
また、中央演算装置は、制御アプリケーションプログラムに従って、GPSを用いてスマートホーンの位置情報を取得する。なお、中央演算装置は、制御アプリケーションプログラムに従って、位置情報(住所およびビル名等)を入出力手段を介して利用者から取得してもよい。
更に、中央演算装置は、制御アプリケーションプログラムに従って、記憶部に記憶されたデータベースDBを検索し、スマートホーンの位置情報に基づいてスマートホーンの周辺に存在する機器2〜4と、機器2〜4の制御識別子CIDとを取得する。そして、中央演算装置は、制御アプリケーションプログラムに従って、機器2〜4と、機器2〜4の制御内容とを入出力手段の表示装置に表示する。
中央演算装置は、制御アプリケーションプログラムに従って、その他、上述した中央演算装置12および無線モジュール13の動作と同じ動作を実行し、制御対象機器の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームを制御対象機器の受信機21へ送信する。
図11は、スマートホーンと機器2〜4とからなる制御システム10Aの実施例1における動作を説明するためのフローチャートである。
なお、図11においては、機器2が制御対象機器であることを前提として制御システム10Aの動作を説明する。また、図11に示すフローチャートは、図10に示すフローチャートのステップS1〜ステップS5をステップS21〜ステップS25に代えたものであり、その他は、図10に示すフローチャートと同じである。
図11を参照して、一連の動作が開始されると、データベースDBを保持した制御アプリケーションプログラムがスマートホーンにインストールされる(ステップS21)。
そして、データベースDBおよび制御アプリケーションプログラムがスマートホーンの記憶部に記憶される(ステップS22)。
その後、制御アプリケーションプログラムが起動され(ステップS23)、制御アプリケーションプログラムは、CPU(Central Processing Unit)にパスワードの入力欄をスマートホーンの表示画面に表示させる。そうすると、スマートホーンの利用者は、パスワードを入力し、制御アプリケーションプログラムは、CPUに利用者のパスワードを受け付けさせる。
そして、制御アプリケーションプログラムは、その受け付けたパスワードが正規のパスワードに一致するか否かをCPUに判定させることによって利用者が正規であるか否かをCPUに判定させる(ステップS24)。
ステップS24において、パスワードが正規のパスワードに一致すると判定されたとき、即ち、利用者が正規であると判定されたとき、制御アプリケーションプログラムは、図10のステップS1〜S5と同じステップをCPUに順次実行させる(ステップS25)。
その後、制御対象機器(=機器2)は、上述したステップS6〜S12を順次実行する。
一方、ステップS24において、パスワードが正規のパスワードに一致しないと判定されたとき、即ち、利用者が正規でないと判定されたとき、一連の動作は、終了する。
このように、図11に示すフローチャートに従えば、正しく認証された利用者だけが制御対象機器(=機器2)の制御識別子CIDを制御対象機器の受信機21へ送信する。
従って、正しく認証された利用者だけが制御対象機器を制御できる。例えば、マンションの住人だけがマンションに設置された照明を制御でき、オフィスの利用者だけがオフィスに設置された照明を制御できる。
なお、図11においては、1つの機器2を制御する場合について説明したが、実施例1においては、これに限らず、2以上の機器を制御してもよい。
また、図11に示すステップS24を実行するCPUは、「制御手段」を構成し、制御手段は、ステップS24において、スマートホーンの利用者が正規の利用者であると判定すると、図10に示すステップS1〜ステップS5を実行するように、上述した「検索/取得手段」、「決定/生成手段」、および「送信手段」をそれぞれ制御する。
上述したように、実施例1は、一般的に、利用者を正規の利用者に制限して機器を制御する場合に適用される。
(実施例2)
実施例2においては、データベースDBは、無線装置1の記憶部17に記憶されず、例えば、クラウドサーバに格納される。そして、無線装置1の中央演算装置12は、無線モジュール13およびアンテナ14を用いて無線アクセス網(例えば、3G回線)を介してクラウドサーバにアクセスし、データベースDBを検索する。
図12は、制御システム10の実施例2における動作を説明するためのフローチャートである。
図12に示すフローチャートは、図10に示すフローチャートのステップS2をステップS2Aに代えたものであり、その他は、図10に示すフローチャートと同じである。
図12を参照して、一連の動作が開始されると、上述したステップS1が実行され、無線装置1の中央演算装置12は、無線モジュール13およびアンテナ14を用いて無線アクセス網(3G)を介してリモートのサーバ(例えば、クラウドサーバ)にアクセスしてデータベースDBを検索し、無線装置1の周辺に存在する機器2〜4と、その機器2〜4の制御識別子CIDとを取得する(ステップS2A)。
その後、上述したステップS3〜S12が順次実行され、一連の動作が終了する。
このように、実施例2においては、データベースDBを、無線装置1ではなく、リモートのサーバに格納するので、データベースDBを一元的に管理できる。
なお、実施例2においては、リモートのサーバが無線装置1の利用者を認証する機能を有していてもよい。これによって、データベースDBにアクセスできる利用者を正規の利用者に制限できる。その結果、セキュリティを向上できる。
上述したように、実施例2は、一般的に、データベースDBがリモートのサーバに記憶される場合に適用される。
(実施例3)
実施例1,2においては、無線装置1の利用者の操作によってデータベースDBの検索および制御対象機器の制御を行っているが、実施例3では、無線装置1にインストールした制御アプリケーションプログラムがデータベースDBの検索および制御対象機器の制御を中央演算装置12に自動的に実行させる。
この場合、無線装置1の利用者は、予め、所望の制御内容を制御アプリケーションプログラムに設定しておく。例えば、無線装置1の利用者は、予め、“夜20:00以降、自宅近辺の照明をオンする”との制御内容を制御アプリケーションプログラムに設定しておく。
無線装置1の入出力手段11は、制御アプリケーションプログラムを無線装置1の利用者から受け付け、その受け付けた制御アプリケーションプログラムを中央演算装置12へ出力する。
中央演算装置12は、入出力手段11から受けた制御アプリケーションプログラムを記憶部17に記憶する。
そして、中央演算装置12は、記憶部17から制御アプリケーションプログラムを読み出し、その読み出した制御アプリケーションプログラムを、常時、実行する。その結果、無線装置1は、自己の周辺に制御対象機器が存在するときだけ、制御対象機器を制御する。
図13は、制御システム10の実施例3における動作を説明するためのフローチャートである。
図13に示すフローチャートは、図10に示すフローチャートのステップS1,S3を削除し、ステップS4をステップS4Aに代えたものであり、その他は、図10に示すフローチャートと同じである。
図13を参照して、一連の動作が開始されると、上述したステップS2が実行され、中央演算装置12は、予め設定された所望の制御内容に基づいて、制御対象機器と、その制御対象機器の制御内容を決定し、制御識別子CIDを生成する(ステップS4A)。この場合、中央演算装置12は、例えば、“夜20:00以降、自宅近辺の照明をオンする”との制御値を有する制御識別子CIDを生成する。
そして、ステップS4Aの後、上述したステップS5〜S12が順次実行される。
図13に示すフローチャートに従えば、無線装置1にインストールされた制御アプリケーションプログラムがデータベースDBの検索および制御対象機器の制御を中央演算装置12に自動的に実行させるので、無線装置1の利用者は、移動するだけで自己の周辺に存在する機器を自動的に制御できる。
なお、図13は、ステップS11の“NO”またはステップS12の後、一連の動作が終了するように図示されているが、実際には、ステップS2,S4A,S5〜S12が繰り返し実行される。
また、制御対象の機器は、1つに限らず、複数であってもよい。制御対象の機器が複数である場合、無線装置1の利用者は、複数の機器を制御する複数の制御内容を予め制御アプリケーションプログラムに設定しておく。
従って、実施例3は、一般的に、定常的に決まった位置に存在する機器を制御する場合に適用される。そして、無線装置1の利用者が、定常的に決まった位置に存在する機器の近くへ移動することによって、その機器を予め決定された制御内容で自動的に制御できる。
(付加機能)
制御識別子CIDをフレーム長で表す場合、無線フレームをモニターし、フレーム長を取得することによって、同じ制御識別子CIDを再現できる可能性がある。そのため、悪意のある利用者が制御権限の無い制御対象を制御できてしまうという問題がある。
そこで、制御識別子CIDを時間的に変更させ、データベースDBを検索しないと、制御対象機器を制御する時に有効な制御識別子CIDを取得できない仕組みにする。
制御識別子CIDを時間的に変更する要素は、制御識別子CIDのビット値、制御識別子CIDのビット長、および制御識別子CIDを送信する無線の周波数である。
また、制御識別子CIDを時間的に変更する変更ルールは、各制御対象ごとに異なるようにする。
更に、変更ルールは、無線装置1の記憶部17、機器2〜4の記憶部216およびクラウドサーバの記憶部に記憶されており、認証された利用者だけが変更ルールを参照できる。
更に、制御元の無線装置1は、無線装置1の位置情報および機器2〜4の制御識別子CIDに加え、制御識別子CIDの時間的な変化を参照して場所および時刻に基づいて制御識別子CIDを取得し、その取得した制御識別子CIDを用いて制御対象機器を制御する。
この場合、無線装置1の入出力手段11は、変更ルールを無線装置1の利用者から受け付け、その受け付けた変更ルールを中央演算装置12へ出力する。そして、中央演算装置12は、変更ルールを入出力手段11から受け、その受けた変更ルールを記憶部17に格納する。
更に、機器2〜4の各々は、自己の記憶部216に変更ルールを保持し、有効な制御識別子CIDを所定の時刻に変更する。
図14は、制御識別子CIDの時間的な変化を示す概念図である。図14を参照して、制御対象1の制御識別子CIDは、時刻t1から時刻t2までの間、“001000001000”に設定され、時刻t2から時刻t3までの間、“000100000100”に設定され、時刻t3から時刻t4までの間、“000010000010”に設定され、時刻t4から時刻t5までの間、“000001000001”に設定される。そして、時刻t1から時刻t2までの時間長、時刻t2から時刻t3までの時間長、時刻t3から時刻t4までの時間長、および時刻t4から時刻t5までの時間長は、相互に異なる。
また、制御対象2の制御識別子CIDは、時刻t6から時刻t7までの間、“001010001000”に設定され、時刻t7から時刻t8までの間、“001001001000”に設定され、時刻t8から時刻t9までの間、“001000011000”に設定され、時刻t9から時刻t10までの間、“111000001000”に設定され、時刻t10から時刻t11までの間、“001000001011”に設定され、時刻t11から時刻t12までの間、“001000011000”に設定され、時刻t12から時刻t13までの間、“001000001010”に設定され、時刻t13から時刻t14までの間、“011000001000”に設定される。そして、時刻t6から時刻t7までの時間長、時刻t7から時刻t8までの時間長、時刻t8から時刻t9までの時間長、時刻t9から時刻t10までの時間長、時刻t10から時刻t11までの時間長、時刻t11から時刻t12までの時間長、時刻t12から時刻t13までの時間長、および時刻t13から時刻t14までの時間長は、相互に等しい。
このように、制御識別子CIDの変更ルールは、制御対象1,2ごとに異なる。
図14に示す制御識別子CIDの変更ルールは、例示であり、制御識別子CIDは、制御対象ごとに異なれば、どのような変更ルールに従って変更されてもよい。
図15は、制御識別子CIDを時間的に変更する変更ルールの具体例を示す図である。図15を参照して、図5に示すデータベースDBの北緯x度、経度y度に存在する4丁目Aビルに設置された“天井照明”、および北緯a度、経度b度に存在する4丁目Aビルに設置された“フロア空調”の制御識別子CIDの変更ルールについて説明する。
“天井照明”に関しては、照明スイッチのONの制御情報について説明し、“フロア空調”に関しては、空調温度の上昇の制御情報について説明する。
“天井照明”の制御識別子CIDは、9:30に初期値を1ビットだけシフトさせた制御識別子に変更される。制御識別子CIDの初期値は、“000100010001”からなるので(図5参照)、“天井照明”の制御識別子CIDは、9:30に“100010001000”に変更される。
そして、“天井照明”の制御識別子CIDは、12:45に前回値をビット反転させた制御識別子に変更される。即ち、“天井照明”の制御識別子CIDは、12:45に“011101110111”に変更される。
引き続いて、“天井照明”の制御識別子CIDは、13:00に初期値をビット反転させた制御識別子に変更される。即ち、“天井照明”の制御識別子CIDは、13:00に“111011101110”に変更される。
更に、“天井照明”の制御識別子CIDは、17:10に“010011101111”に変更される。
そして、“天井照明”の制御識別子CIDは、21:35に前回値をビット反転させた制御識別子に変更される。即ち、“天井照明”の制御識別子CIDは、21:35に“101100010000”に変更される。
また、“天井照明”の制御識別子CIDは、3:00に前回値を3ビットだけシフトさせた制御識別子に変更される。即ち、“天井照明”の制御識別子CIDは、3:00に“000101100010”に変更される(図15の(a)参照)。
その結果、制御対象の対象1、制御種別の照明スイッチおよび制御値のONは、各時刻に応じて、異なる4ビットによって表される。
“フロア空調”の制御識別子CIDは、8:30に“010111101111”に変更され、8:45に“010010101111”に変更され、9:00に“010011101011”に変更され、以降、15分ごとに変更され、17:00に“010011101111”に変更され、17:15に“011011101111”に変更され、17:30に“010111101101”に変更され、17:45に翌日の8:30まで制御識別子無し(制御不可)に変更される(図15の(b)参照)。
その結果、制御対象の対象2、制御種別の空調温度および制御値の上昇は、各時刻に応じて、異なる4ビットによって表される。
このように、制御識別子CIDの変更は、制御識別子CIDを構成する制御対象、制御種別および制御値を表わすビット値を時間的に変更することである。
図16は、制御識別子CIDを時間的に変更するときの制御システム10の動作を説明するためのフローチャートである。
図16に示すフローチャートは、図10に示すフローチャートのステップS1とステップS2との間にステップS31,S32を追加し、ステップS5とステップS6との間にステップS33,S34を追加したものであり、その他は、図10に示すフローチャートと同じである。
図16を参照して、一連の動作が開始されると、上述したステップS1が実行される。そして、無線装置1の中央演算装置12は、入出力手段11から指示信号Comd1を受けると、記憶部17から変更ルールを読み出し、タイマー18からの時刻情報に基づいて制御識別子CIDを変更するか否かを判定する(ステップS31)。この場合、中央演算装置12は、タイマー18から受けた時刻情報によって示される時刻が変更ルールの時刻に一致する場合、制御識別子CIDを変更すると判定し、タイマー18から受けた時刻情報によって示される時刻が変更ルールの時刻に一致しない場合、制御識別子CIDを変更しないと判定する。
ステップS31において、制御識別子CIDを変更すると判定されたとき、中央演算装置12は、変更ルールに従ってデータベースDBの制御識別子CIDを変更する(ステップS32)。
そして、ステップS31において、制御識別子CIDを変更しないと判定されたとき、またはステップS32の後、無線装置1は、上述したステップS2〜ステップS5を順次実行する。
この場合、一連の動作がステップS32からステップS2へ移行した場合、中央演算装置12は、ステップS2において、無線装置1の周辺に存在する機器2〜4と、その機器2〜4の変更後の制御識別子CIDとを取得する。
ステップS5の後、制御対象機器(=機器2)のマイクロコンピュータ215は、記憶部216から変更ルールを読み出し、タイマー217からの時刻情報に基づいて制御識別子CIDを変更するか否かを判定する(ステップS33)。この場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS31における中央演算装置12の判定方法と同じ判定方法に従って制御識別子CIDを変更するか否かを判定する。
ステップS33において、制御識別子CIDを変更すると判定されたとき、マイクロコンピュータ215は、変更ルールに従って記憶部216に記憶された制御識別子CIDを変更する(ステップS34)。この場合、制御識別子CIDは、ステップS32における制御識別子CIDの変更時刻と同じ時刻にステップS32における制御識別子CIDの変更と同じように変更される。
そして、ステップS33において、制御識別子CIDを変更しないと判定されたとき、またはステップS34の後、制御対象機器(=機器2)は、上述したステップS6〜ステップS12を順次実行する。これによって、一連の動作が終了する。
なお、一連の動作がステップS34からステップS6へ移行した場合、制御対象機器(=機器2)は、変更後の制御識別子CIDを用いてビット列が制御識別子CIDに一致するか否かを判定する(ステップS11参照)。
このように、図16に示すフローチャートに従えば、無線装置1および制御対象機器(=機器2)は、同じ時刻に同じ変更ルールに従って制御識別子CIDを変更し、無線装置1は、その変更後の制御識別子CIDに基づいて制御対象機器(=機器2)を制御する。従って、変更ルールを保持した無線装置1の利用者だけが制御対象機器を制御でき、セキュリティを向上できる。
なお、データベースDBがリモートのサーバ(例えば、クラウドサーバ)に格納されている場合、制御システム10の動作は、図12に示すフローチャートのステップS1とステップS2Aとの間に図16に示すステップS31,S32を追加し、ステップS5とステップS6との間に図16に示すステップS33,S34を追加したフローチャートに従って実行される。
この場合、ステップS32においては、中央演算装置12は、無線モジュール13およびアンテナ14を用いて無線アクセス網(3G回線)を介してリモートのサーバ(例えば、クラウドサーバ)にアクセスし、データベースDBの制御識別子CIDを変更ルールに従って変更する。
以下、制御システム10の応用例について説明する。
[応用例]
(応用例1)
図17は、応用例1における制御システムの構成を示す概略図である。図17を参照して、応用例1における制御システム10Bは、スマートホーン20と、鍵30とを備える。
スマートホーン20は、図1に示す無線装置1の構成を備える。鍵30は、スマートホーン20の利用者によって保有され、持ち運ばれる。
鍵30は、鍵部31と、リング部材32と、タブ部材33とを含む。鍵部31は、リング部材32を介してタブ部材33に連結される。
タブ部材33は、受信機330を備え、受信機330は、上述した受信機21と同じ構成からなる。
スマートホーン20は、例えば、GPSを用いて、現在の位置と現在の時刻とを取得する。そして、スマートホーン20は、スマートホーン20の利用者が制御対象である鍵30を保有しているという情報に基づいて機器(=鍵30)の制御識別子CIDを取得する。この場合、スマートホーン20は、利用者によって保有される鍵30等の機器と、その機器の制御識別子CIDとを対応付けて記憶部17に予め保持している。そして、スマートホーン20は、利用者が鍵30を保有していることを受け付けると、鍵30に対応する制御識別子CIDを記憶部17から読み出して制御識別子CIDを取得する。
スマートホーン20は、制御識別子CIDを取得すると、鍵30の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームと、現在の位置と、現在の時刻とを鍵30の受信機330へ送信する。
受信機330は、スマートホーン20から無線フレームと、現在の位置と、現在の時刻とを受信する。そして、受信機330は、受信電波に基づいて、上述した方法によってビット列を検出し、その検出したビット列が鍵30の制御識別子CIDに一致するとき、受信した現在の位置と現在の時刻とを相互に対応付けて記憶部216に記憶する。
一方、受信機330は、検出したビット列が鍵30の制御識別子CIDに一致しないとき、現在の位置および現在の時刻を破棄する。
このように、応用例1においては、スマートホーン20は、現在の位置と現在の時刻とを定期的に取得し、その取得した現在の位置と現在の時刻とを鍵30の制御識別子CIDとともに鍵30の受信機330へ送信し、受信機330は、鍵30の制御識別子CIDをスマートホーン20から受信した場合に限り、スマートホーン20の現在の位置と現在の時刻とを相互に対応付けて記憶部216に記憶する。
その結果、スマートホーン20の利用者は、万一、スマートホーン20を無くした場合、鍵30の受信機330に記憶された現在の位置と現在の時刻とを取得すれば、スマートホーン20を無くした場所および時刻を把握できる。つまり、受信機330に記憶された最後の現在の位置および現在の時刻がスマートホーン20を無くした場所および時刻になる。スマートホーン20が無ければ、スマートホーン20の現在の位置および現在の時刻を受信機330に記憶できなくなるからである。
このように、応用例1においては、鍵30の制御識別子CIDに加えてスマートホーン20が保有している情報(例えば、時刻および位置)を鍵30の受信機330へ送信することによって、スマートホーン20を無くした場所および時刻を把握できる。
なお、応用例1においては、鍵30に代えて時計を用いてよく、一般的には、スマートホーン20の利用者が保有している物であれば、どのような物であってもよい。
上述したように、応用例1は、スマートホーン20を無くした場所および時刻を把握できる情報をスマートホーン20の利用者が保有している物に装着された受信機330へ送信することを特徴とし、受信機330に記憶される情報は、スマートホーン20を無くした場所および時刻を把握できる情報であれば、どのような情報であってもよい。
従って、応用例1は、一般的には、スマートホーン20を無くした場所および時刻を把握する場合に適用される。
なお、応用例1においては、スマートホーン20は、上述したデータベースDBを保持していなくてもよく、鍵30の制御識別子CIDを設定するプログラムを記憶部17に格納しており、そのプログラムを記憶部17から読み出して鍵30の制御識別子CIDを取得してもよい。また、スマートホーン20の利用者が鍵30の制御識別子CIDをスマートホーン20に設定するようにしてもよい。
また、応用例1においては、スマートホーン20は、現在の場所および現在の時刻に代えて現在の時刻のみを鍵30へ送信し、受信機330は、スマートホーン20から受信した現在の時刻のみを記憶部216に記憶するようにしてもよい。受信機330がスマートホーン20から時刻情報を受信しなくなった時刻が解れば、スマートホーン20の利用者は、その時刻に自己がどこに居たのかを推測してスマートホーン20を探し出すことができるからである。
(応用例2)
図18は、応用例2における制御システムの構成を示す概略図である。図18を参照して、応用例2における制御システム10Cは、スマートホーン40と、基地局50と、クラウドサーバ60と、雨具70とを備える。
スマートホーン40は、上述した無線装置1の構成を備える。
雨具70は、傘71と、受信機72と、LED(Light Emitting Device)73とを含む。受信機72は、上述した受信機21と同じ構成からなる。そして、受信機72およびLED73は、傘71に装着される。
スマートホーン40は、インストールされたアプリケーションプログラムによって、自動的に、基地局50の無線アクセス網(3G回線)を介してクラウドサーバ60にアクセスし、クラウドサーバ60から天気予報を取得する。
また、スマートホーン40は、無線装置1と同じようにして、データベースDBを検索し、自己の位置情報に基づいて自己の周辺に存在する機器(=雨具70)と、その機器(=雨具70)の制御識別子CIDとを取得する。
そうすると、スマートホーン40は、雨具70の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームと、天気予報とを雨具70の受信機72へ送信する。
受信機72は、スマートホーン40から無線フレームと天気予報とを受信する。そして、受信機72は、受信電波に基づいて、上述した方法によってビット列を検出し、その検出したビット列が雨具70の制御識別子CIDに一致するとき、受信した天気予報の内容を調べ、天気予報が雨であれば、制御回路218によって、点灯するようにLED73を制御する。そして、LED73は、受信機72の制御回路218からの制御に従って点灯する。
一方、受信機72は、検出したビット列が雨具70の制御識別子CIDに一致しないとき、天気予報を破棄する。
このように、スマートホーン40は、雨具70の制御識別子CIDに加え、ネットワークで取得した別の情報(天気予報)を制御対象の雨具70に送信する。これによって、スマートホーン40の利用者は、雨具70を忘れずに持って出かけることができる。
なお、応用例2においては、天気予報が雨である場合、LED73が点灯することに代えて、傘71が開くようにしてもよい。
上述したように、応用例2は、一般的には、スマートホーン40の利用者が出かけるときに持って行かなければならない物を忘れないようにする場合に適用される。
なお、スマートホーン40は、上述したデータベースDBを保持していなくてもよく、機器(=雨具70)の制御識別子CIDを設定するプログラムを記憶部17に格納しており、そのプログラムを記憶部17から読み出して機器(=雨具70)の制御識別子CIDを取得してもよい。また、スマートホーン40の利用者が機器(=雨具70)の制御識別子CIDをスマートホーン40に設定するようにしてもよい。
(応用例3)
図19は、応用例3における制御システムの構成を示す概略図である。図19を参照して、応用例3における制御システム10Dは、スマートホーン80と、アクセスポイント90と、スマートメーター100と、照明110,120と、制御線130とを備える。
アクセスポイント90、スマートメーター100および照明110,120は、制御線130に接続される。制御線130の規格は、任意である。
スマートホーン80は、上述した無線装置1の構成を備える。照明110は、受信機111を備え、照明120は、受信機121を備える。受信機111,121の各々は、上述した受信機21と同じ構成からなる。
スマートホーン80は、無線装置1と同じようにして、データベースDBを検索し、自己の位置情報に基づいて自己の周囲に存在する機器(=照明110,120)と、その機器(=照明110,120)の制御識別子CIDとを取得する。
また、スマートホーン80は、通常の方法によって、アクセスポイント90と無線リンクを確立する。そして、スマートホーン80は、アクセスポイント90にアクセスして自己の認証情報をアクセスポイント90へ送信し、照明110,120を制御可能か否かをアクセスポイント90に問い合わせる。
アクセスポイント90は、スマートホーン80からの問合せに応じて、2つの照明110,120に供給可能な電力を自己に送信するようにスマートメーター100に要求する。スマートメーター100は、アクセスポイント90からの要求に応じて、2つの照明110,120に供給可能な電力をアクセスポイント90へ送信する。
アクセスポイント90は、2つの照明110,120に供給可能な電力をスマートメーター100から受信する。また、アクセスポイント90は、2つの照明110,120を点灯させることができる電力を予め保持している。更に、アクセスポイント90は、スマートホーン80から受信した認証情報に基づいてスマートホーン80が正規であるか否かを判定する。そして、アクセスポイント90は、スマートホーン80が正規であると判定すると、2つの照明110,120に供給可能な電力が2つの照明110,120を点灯させることができる電力よりも多いか否かを判定する。そして、アクセスポイント90は、供給可能な電力が2つの照明110,120を点灯させることができる電力よりも多いとき、スマートホーン80に照明110,120の制御を許可する。そうすると、アクセスポイント90は、スマートホーン80から照明110,120を制御可能となる信号を制御線130を介して照明110,120へ送信する。これによって、制御線130は、制御可の状態になる。
スマートホーン80は、アクセスポイント90によって照明110,120の制御を許可されると、無線装置1と同じ動作によって、照明110の制御識別子CID_Aを表すフレーム長を有する無線フレームを受信機111へ送信し、照明120の制御識別子CID_Bを表すフレーム長を有する無線フレームを受信機121へ送信する。この場合、制御識別子CID_A,CID_Bは、それぞれ、照明110,120の調光を制御する制御内容を含む。
受信機111は、スマートホーン80から無線フレームを受信する。そして、受信機111は、受信電波に基づいて、上述した方法によってビット列を検出し、その検出したビット列が照明110の制御識別子CID_Aに一致するとき、制御識別子CID_Aに基づいて照明110の調光を制御する。
また、受信機121は、スマートホーン80から無線フレームを受信する。そして、受信機121は、受信電波に基づいて、上述した方法によってビット列を検出し、その検出したビット列が照明120の制御識別子CID_Bに一致するとき、制御識別子CID_Bに基づいて照明120の調光を制御する。
このように、応用例3においては、スマートホーン80は、照明110,120を制御するとき、照明110,120の制御識別子CID_A,CID_Bを取得することに加え、アクセスポイント90に帰属すること、およびアクセスポイント90から照明110,120の制御の許可を取得することを条件に照明110,120を制御できる。
これによって、制御識別子CID_A,CID_Bの取得という本来の条件と異なる条件(照明110,120の電力条件)を追加することによって照明110,120の制御を制限できる。
また、スマートホーン80による照明110,120の制御を制御線130が制御可の状態になっている期間にだけ制限できる。
上述したように、応用例3は、一般的に、制御識別子CID_A,CID_Bの取得という本来の条件に加え、スマートメーター100が保有するローカルな情報と、アクセスポイント90が保有するスマートホーン80の認証情報とによって制御対象機器(=照明110,120)の制御を制限する場合に適用される。
(応用例4)
図20は、応用例4における制御システムの構成を示す概略図である。図20を参照して、応用例4における制御システム10Eは、スマートホーン140と、プリンタ150とを備える。
スマートホーン140は、上述した無線装置1と同じ構成からなる。プリンタ150は、受信機151を備える。受信機151は、上述した受信機21と同じ構成からなる。
スマートホーン140およびプリンタ150は、同じ部屋内に配置される。即ち、プリンタ150は、スマートホーン140の周辺に配置される。そして、プリンタ150は、一定期間(例えば、10分)、使用されていないとき、低消費電力で待機する。低消費電力は、例えば、通常動作時の消費電力の10%〜30%の消費電力からなり、一般的には、通常動作時の消費電力よりも少ない任意の消費電力からなる。
スマートホーン140は、無線装置1と同じようにして、データベースDBを検索し、自己の位置情報に基づいて自己の周囲に存在する機器(=プリンタ150)と、その機器(=プリンタ150)の制御識別子CIDとを取得する。この場合、制御識別子CIDは、プリンタ150を起動する制御内容を含む。
そして、スマートホーン140は、その取得した制御識別子CIDを表わすフレーム長を有する無線フレームをプリンタ150の受信機151へ送信する。
受信機151は、スマートホーン140から無線フレームを受信する。そして、受信機151は、受信電波に基づいて、上述した方法によってビット列を検出し、その検出したビット列がプリンタ150の制御識別子CIDに一致するとき、制御識別子CIDに基づいてプリンタ150を起動する。
プリンタ150は、受信機151からの制御に従って起動した後、スマートホーン140の持ち主による使用が終了し、一定時間が経過すると、低消費電力で待機する。
このように、応用例4においては、スマートホーン140は、自己の周辺に配置されたプリンタ150を起動する。これによって、スマートホーン140の持ち主は、プリンタ150を使用したい時にプリンタ150を遠隔で起動して各種のデータをプリントできる。また、プリンタ150の消費電力を節約できる。
なお、応用例4においては、制御システム10Eは、スマートホーン140に代えてパーソナルコンピュータを備えていてもよい。この場合、パーソナルコンピュータは、スマートホーン140と同じ動作によってプリンタ150を起動する。
また、プリンタ150は、スマートホーン140(=無線装置)の位置情報から関連付けられる位置に存在すればよい。
(応用例5)
図21は、応用例5における制御システムの構成を示す概略図である。図21を参照して、応用例5における制御システム10Fは、スマートホーン160と、VTR170と、ゲーム機180と、テレビジョン190とを備える。
スマートホーン160、VTR170、ゲーム機180およびテレビジョン190は、1つの家の内部に配置される。
スマートホーン160は、上述した無線装置1と同じ構成からなる。VTR170は、受信機171を備える。ゲーム機180は、受信機181を備える。テレビジョン190は、受信機191を備える。受信機171,181,191の各々は、上述した受信機21と同じ構成からなる。
スマートホーン160は、無線装置1と同じようにして、データベースDBを検索し、自己の位置情報に基づいて自己の周囲に存在する機器(=VTR170)と、その機器(=VTR170)の制御識別子CID−Vとを取得する。この場合、制御識別子CID−Vは、VTR170をオンする制御内容、VTR170をオフする制御内容、VTR170のボリュームを大きくする制御内容およびVTR170のボリュームを小さくする制御内容のいずれかを含む。
また、スマートホーン160は、無線装置1と同じようにして、データベースDBを検索し、自己の位置情報に基づいて自己の周囲に存在する機器(=ゲーム機180)と、その機器(=ゲーム機180)の制御識別子CID−Gとを取得する。この場合、制御識別子CID−Gは、ゲーム機180をオンする制御内容、ゲーム機180をオフする制御内容、ゲーム機180のボリュームを大きくする制御内容およびゲーム機180のボリュームを小さくする制御内容のいずれかを含む。
更に、スマートホーン160は、無線装置1と同じようにして、データベースDBを検索し、自己の位置情報に基づいて自己の周囲に存在する機器(=テレビジョン190)と、その機器(=テレビジョン190)の制御識別子CID−Tとを取得する。この場合、制御識別子CID−Tは、テレビジョン190をオンする制御内容、テレビジョン190をオフする制御内容、テレビジョン190のボリュームを大きくする制御内容およびテレビジョン190のボリュームを小さくする制御内容のいずれかを含む。
スマートホーン160は、VTR170を制御する場合、制御識別子CID−Vを表わすフレーム長を有する無線フレームをVTR170の受信機171へ送信する。
VTR170の受信機171は、スマートホーン160から無線フレームを受信する。そして、受信機171は、受信電波に基づいて、上述した方法によってビット列を検出し、その検出したビット列がVTR170の制御識別子CID−Vに一致するとき、制御識別子CID−Vに基づいて、VTR170をオンし、またはVTR170をオフし、またはVTR170のボリュームを大きくし、またはVTR170のボリュームを小さくする。
また、スマートホーン160は、ゲーム機180を制御する場合、制御識別子CID−Gを表わすフレーム長を有する無線フレームをゲーム機180の受信機181へ送信する。
ゲーム機180の受信機181は、スマートホーン160から無線フレームを受信する。そして、受信機181は、受信電波に基づいて、上述した方法によってビット列を検出し、その検出したビット列がゲーム機180の制御識別子CID−Gに一致するとき、制御識別子CID−Gに基づいて、ゲーム機180をオンし、またはゲーム機180をオフし、またはゲーム機180のボリュームを大きくし、またはゲーム機180のボリュームを小さくする。
更に、スマートホーン160は、テレビジョン190を制御する場合、制御識別子CID−Tを表わすフレーム長を有する無線フレームをテレビジョン190の受信機191へ送信する。
テレビジョン190の受信機191は、スマートホーン160から無線フレームを受信する。そして、受信機191は、受信電波に基づいて、上述した方法によってビット列を検出し、その検出したビット列がテレビジョン190の制御識別子CID−Tに一致するとき、制御識別子CID−Tに基づいて、テレビジョン190をオンし、またはテレビジョン190をオフし、またはテレビジョン190のボリュームを大きくし、またはテレビジョン190のボリュームを小さくする。
このように、応用例5においては、スマートホーン160は、家庭内の家電のオン/オフおよびボリュームの大/小を制御する。従って、スマートホーン160を家電のリモコン(リモートコントローラ)として使用できる。
そして、VTR170、ゲーム機180およびテレビジョン190は、スマートホーン160(=無線装置)の位置情報から関連付けられる位置に存在すればよい。
(応用例6)
図22は、応用例6における制御システムの構成を示す概略図である。図22を参照して、応用例6における制御システム10Gは、スマートホーン230と、空調240と、照明250とを備える。
スマートホーン230は、オフィスまたは商業施設で働く人によって保持される。空調240および照明250は、オフィスまたは商業施設内に設置される。
スマートホーン230は、上述した無線装置1と同じ構成からなる。空調240は、受信機241を備える。照明250は、受信機251を備える。受信機241,251の各々は、上述した受信機21と同じ構成からなる。
スマートホーン230は、無線装置1と同じようにして、データベースDBを検索し、自己の位置情報に基づいて自己の周囲に存在する機器(=空調240)と、その機器(=空調240)の制御識別子CID−ACとを取得する。この場合、制御識別子CID−ACは、空調240を節電する制御内容、またはスマートホーン230の持ち主の好みに応じた制御内容を含む。そして、スマートホーン230の持ち主の好みに応じた制御内容としては、例えば、送風を強めにする、送風を弱めにする、温度を高めに設定する、温度を低めに設定する、および送風がスマートホーン230の持ち主に直接当たらないようにする等である。
また、スマートホーン230は、無線装置1と同じようにして、データベースDBを検索し、自己の位置情報に基づいて自己の周囲に存在する機器(=照明250)と、その機器(=照明250)の制御識別子CID−Lとを取得する。この場合、制御識別子CID−Lは、照明250を節電する制御内容、またはスマートホーン230の持ち主の好みに応じた制御内容を含む。そして、スマートホーン230の持ち主の好みに応じた制御内容としては、例えば、光を明るくする、および光を暗くする等である。
スマートホーン230は、空調240を制御する場合、制御識別子CID−ACを表わすフレーム長を有する無線フレームを空調240の受信機241へ送信する。
空調240の受信機241は、スマートホーン230から無線フレームを受信する。そして、受信機241は、受信電波に基づいて、上述した方法によってビット列を検出し、その検出したビット列が空調240の制御識別子CID−ACに一致するとき、制御識別子CID−ACに基づいて、空調240の送風を強くし、または空調240の送風を弱くし、または空調240の温度を高く設定し、または空調240の温度を低く設定する。
また、スマートホーン230は、照明250を制御する場合、制御識別子CID−Lを表わすフレーム長を有する無線フレームを照明250の受信機251へ送信する。
照明250の受信機251は、スマートホーン230から無線フレームを受信する。そして、受信機251は、受信電波に基づいて、上述した方法によってビット列を検出し、その検出したビット列が照明250の制御識別子CID−Lに一致するとき、制御識別子CID−Lに基づいて、照明250の光を明るくし、または照明250の光を暗くする。
このように、応用例6においては、オフィスまたは商業施設で働く人は、自己のスマートホーン230を用いて自分の席から、空調240および照明250を節電したり、自分の好みに応じて空調240および照明250を制御する。
従って、オフィスまたは商業施設における省エネを実現できる。また、オフィスまたは商業施設内を快適にできる。
なお、応用例6においては、制御システム10Gは、空調240および照明250以外の電気機器を備えていてもよく、オフィスまたは商業施設に設置される電気機器であれば、どのような電気機器を備えていてもよい。
そして、受信機241,251は、建物内または施設内または施設上に設置され、建物または施設を利用する人の好みに応じてそれぞれ空調240および照明250(被制御部)を制御するものであればよい。
(応用例7)
図23は、応用例7における制御システムの構成を示す概略図である。図23を参照して、応用例7における制御システム10Hは、スマートホーン260と、シャッター270と、照明280とを備える。
スマートホーン260は、住人が居住する居住空間と共用部とを含む建物(例えば、マンション)の住人によって保持される。シャッター270および照明280は、この建物の共用部に設置される。
スマートホーン260は、上述した無線装置1と同じ構成からなる。シャッター270は、受信機271を備える。照明280は、受信機281を備える。受信機271,281の各々は、上述した受信機21と同じ構成からなる。
スマートホーン260は、無線装置1と同じようにして、データベースDBを検索し、自己の位置情報に基づいて自己の周囲に存在する機器(=シャッター270)と、その機器(=シャッター270)の制御識別子CID−Sとを取得する。この場合、制御識別子CID−Sは、シャッター270を開く制御内容、またはシャッター270を閉じる制御内容を含む。
また、スマートホーン260は、無線装置1と同じようにして、データベースDBを検索し、自己の位置情報に基づいて自己の周囲に存在する機器(=照明280)と、その機器(=照明280)の制御識別子CID−Lとを取得する。この場合、制御識別子CID−Lは、照明280をオンする制御内容、または照明280をオフする制御内容を含む。
スマートホーン260は、シャッター270を制御する場合、制御識別子CID−Sを表わすフレーム長を有する無線フレームをシャッター270の受信機271へ送信する。
シャッター270の受信機271は、スマートホーン260から無線フレームを受信する。そして、受信機271は、受信電波に基づいて、上述した方法によってビット列を検出し、その検出したビット列がシャッター270の制御識別子CID−Sに一致するとき、制御識別子CID−Sに基づいて、シャッター270を開き、またはシャッター270を閉じる。
また、スマートホーン260は、照明280を制御する場合、制御識別子CID−Lを表わすフレーム長を有する無線フレームを照明280の受信機281へ送信する。
照明280の受信機281は、スマートホーン260から無線フレームを受信する。そして、受信機281は、受信電波に基づいて、上述した方法によってビット列を検出し、その検出したビット列が照明280の制御識別子CID−Lに一致するとき、制御識別子CID−Lに基づいて、照明280をオンし、または照明280をオフする。
このように、応用例7においては、マンション等の住人は、自己のスマートホーン260を用いてマンション等の共用部に設置されたシャッター270および照明280を制御する。
従って、マンション等の共用部に設置された電気機器を節電できる。また、マンション等の共用部に設置された電気機器を自由に制御できるので、マンション等における生活を快適にできる。
なお、応用例7においては、制御システム10Hは、シャッター270および照明280以外の電気機器を備えていてもよく、一般的には、マンション等の共用部に設置される電気機器であれば、どのような電気機器を備えていてもよい。
そして、電気機器は、複数の人が所持する複数のスマートホーン260(=複数の無線装置)によって制御されればよい。
(応用例8)
図24は、応用例8における制御システムの構成を示す概略図である。図24を参照して、応用例8における制御システム10Iは、スマートホーン290と、鞄300と、鍵310とを備える。
スマートホーン290は、上述した無線装置1と同じ構成からなる。鞄300および鍵310は、スマートホーン290の利用者の携帯品からなる。鞄300は、受信機301を備え、鍵310は、受信機311を備える。そして、受信機301,311の各々は、上述した受信機21と同じ構成からなる。この場合、受信機301が制御する被制御部22(図3参照)は、LED(Light Emitting Device)またはスピーカからなる。また、受信機311が制御する被制御部22は、表示装置からなる。
図25は、応用例8におけるデータベースの概念図である。図25を参照して、応用例8におけるデータベースDB−1は、データベースDB(図5参照)と同じ構成からなる。そして、データベースDB−1は、鞄300および鍵310が誰の機器であるかを示す識別情報ID1を制御対象として含み、“呼出される物”または“監視する物”を制御種別として含む。制御機種が“呼出される物”である場合、制御値は、“LEDを点灯”または“音を発する”であり、制御機種が“監視する物”である場合、制御値は、“時間および場所を監視”である。
スマートホーン290は、データベースDB−1を記憶部17に記憶している。
鞄300を制御する場合、スマートホーン290は、無線装置1と同じ方法によって、データベースDB−1を検索し、自己の位置情報に基づいて自己の周囲に存在する機器(=鞄300)と、その機器(=鞄300)の制御識別子CID−BGとを取得する。
そして、スマートホーン290は、制御識別子CID−BGを表わすフレーム長を有する無線フレームを鞄300の受信機301へ送信する。
鞄300の受信機301は、スマートホーン290から無線フレームを受信する。そして、受信機301は、受信電波に基づいて、上述した方法によってビット列を検出し、その検出したビット列が鞄300の制御識別子CID−BGに一致するとき(即ち、鞄300がスマートホーン290の利用者の携帯品であるとき)、制御識別子CID−BGに基づいて、被制御部22としてのLEDを点灯する。
これによって、スマートホーン290の利用者は、LEDの点灯を見て自己の携帯品である鞄300が何処にあるかを知ることができる。
なお、受信機301が制御する被制御部22がスピーカからなる場合、受信機301は、検出したビット列が鞄300の制御識別子CID−BGに一致するとき、音を発するように被制御部22としてのスピーカを制御する。これによって、スマートホーン290の利用者は、スピーカが発する音を聞いて自己の携帯品である鞄300が何処にあるかを知ることができる。
また、鍵310を制御する場合、スマートホーン290は、例えば、GPSを用いて、現在の位置と現在の時刻とを取得する。そして、スマートホーン290は、無線装置1と同じ方法によって、データベースDB−1を検索し、自己の位置情報に基づいて自己の周囲に存在する機器(=鍵310)と、その機器(=鍵310)の制御識別子CID−Kとを取得する。
そうすると、スマートホーン290は、制御識別子CID−Kを表すフレーム長を有する無線フレームと、現在の位置と、現在の時刻とを鍵310の受信機311へ送信する。
鍵310の受信機311は、スマートホーン290から無線フレームと、現在の位置と、現在の時刻とを受信する。そして、受信機311は、受信電波に基づいて、上述した方法によってビット列を検出し、その検出したビット列が鍵310の制御識別子CID−Kに一致するとき(即ち、鍵310がスマートホーン290の利用者の携帯品であるとき)、受信した現在の位置と現在の時刻とを相互に対応付けて記憶部216に記憶するとともに、現在の位置と現在の時刻とを被制御部22としての表示装置に表示する。
これによって、スマートホーン290の利用者は、自己の携帯品である鍵310を監視することができる。
このように、応用例8においては、スマートホーン290によって“呼出される物”またはスマートホーン290によって“監視する物”を制御対象とすることを特徴とする。
なお、制御システム10Iは、スマートホーン290によって“呼出される物”またはスマートホーン290によって“監視する物”であれば、鞄300および鍵310以外の物を備えていてもよい。
[実施の形態2]
図26は、実施の形態2による制御システムの構成を示す概略図である。図26を参照して、実施の形態2による制御システム400は、無線装置410と、転送装置420,430,440とを備える。
処理サーバ401、表示機器402、照明403〜405および転送装置420,430,440は、有線ケーブル450に接続される。そして、転送装置420,430,440は、それぞれ、受信機421,431,441を備える。
無線装置410は、例えば、スマートホーンからなり、無線装置410の利用者に携帯される。そして、無線装置410は、自己を特定できる情報(ID)を表わすフレーム長を有する無線フレームを任意のタイミングで送信する。
転送装置420,430,440の受信機421,431,441は、無線装置410から無線フレームを受信し、その受信した無線フレームの受信電波に基づいて、上述した方法によってビット列を検出する。そして、受信機421,431,441は、その検出したビット列が無線装置410のIDに一致するか否かを判定する。また、受信機421,431,441は、無線フレームを受信したときの受信信号強度RSSIを検出する。
そうすると、受信機421,431,441は、検出したビット列が無線装置410のIDに一致するとき、無線装置410のIDおよび受信信号強度RSSIをそれぞれ転送装置420,430,440へ出力する。転送装置420,430,440の各々は、無線装置410のIDおよび受信信号強度RSSIを受けると、自己の識別情報と、無線装置410のIDと、受信信号強度RSSIとを有線ケーブル450を介して処理サーバ401へ送信する。
処理サーバ401は、有線ケーブル450を介して、転送装置(転送装置420,430,440のいずれか)の識別情報、無線装置410のIDおよび受信信号強度RSSIを受信する。そして、処理サーバ401は、受信信号強度RSSIに基づいて、無線装置410と転送装置(転送装置420,430,440のいずれか)との間の距離Lを検出する。この場合、処理サーバ410は、公知である受信信号強度RSSIと距離との関係を参照して、受信信号強度RSSIに対する距離を検出することによって距離Lを検出する。
そうすると、処理サーバ401は、転送装置(転送装置420,430,440のいずれか)からの距離が距離Lである位置を無線装置410の位置として検出し、その検出した位置と無線装置410のIDとを対応付けて表示機器402へ送信する。
また、処理サーバ401は、識別情報、無線装置410のIDおよび受信信号強度RSSIを送信した転送装置(転送装置420,430,440のいずれか)の近くに設置された照明(照明403〜405のいずれか)をオン/オフする。
このように、処理サーバ401は、無線装置410のIDの受信に応じて、無線装置410の位置とIDとを表示機器402に表示すると言う制御、または転送装置420,430,440の近くに設置された照明403〜405をオン/オフすると言う制御を行う。従って、無線装置410のIDは、上述した制御識別子CIDに相当する。
表示機器402は、無線装置410の位置とIDとを処理サーバ401から受けると、その受けた無線装置410の位置とIDとを対応付けて表示する。
図27は、図26に示す無線装置410の構成を示す概略図である。図27を参照して、無線装置410は、図2に示す無線装置1のアンテナ15、GPS16、記憶部17およびタイマー18を削除し、入出力手段11および中央演算装置12をそれぞれ入出力手段411および中央演算装置412に代えたものであり、その他は、無線装置1と同じである。
入出力手段411は、無線装置410のIDを送信するための指示信号Comd4を無線装置410の利用者から受け付け、その受け付けた指示信号Comd4を中央演算装置412へ出力する。
中央演算装置412は、無線装置410のIDを予め保持している。そして、中央演算装置12は、指示信号Comd4を入出力手段411から受けると、無線装置410のIDを無線モジュール13へ出力する。
なお、無線装置410においては、無線モジュール13は、無線装置410のIDを中央演算装置412から受けると、その受けた無線装置410のIDを表わすフレーム長を有する無線フレームをアンテナ14を介して送信する。
図28は、図26に示す受信機421の構成を示す概略図である。図28を参照して、受信機421は、図3に示す受信機21のマイクロコンピュータ215をマイクロコンピュータ215Aに代え、強度検出回路219を追加したものであり、その他は、受信機21と同じである。
強度検出回路219は、包絡線検波回路213から検波信号を受け、その受けた検波信号の強度を受信信号強度RSSIとして検出する。そして、強度検出回路219は、その検出した受信信号強度RSSIを制御回路218へ出力する。
マイクロコンピュータ215Aは、マイクロコンピュータ215におけるフレーム長検出処理、IDマッチング処理および制御処理のうち、フレーム長検出処理およびIDマッチング処理を行う。そして、マイクロコンピュータ215Aは、IDマッチング処理が終了すると、無線装置410のIDを制御回路218へ出力する。
受信機421においては、記憶部216は、無線装置410のIDを記憶し、制御回路218は、無線装置410のIDと受信信号強度RSSIとを転送装置420へ出力する。
なお、図26に示す受信機431,441の各々も、図28に示す受信機421と同じ構成からなる。
図29は、図26に示す制御システム400における動作を示すフローチャートである。なお、図29に示す転送装置Tは、転送装置420,430,440のいずれかからなる。
図29を参照して、制御システム400における動作が開始されると、無線装置410の中央演算装置412は、指示信号Comd4を受けたか否かを判定する(ステップS41)。そして、無線装置410の中央演算装置412は、指示信号Comd4を受けると、無線装置410のIDを無線モジュール13へ出力し、無線モジュール13は、無線装置410のIDを表わすフレーム長を有する無線フレームをアンテナ14を介して送信する(ステップS42)。
そして、転送装置Tは、図10のステップS6,S7を順次実行する(ステップS43,S44)。転送装置Tは、ステップS44の後、受信信号強度RSSIを検出する(ステップS45)。
その後、転送装置Tは、図10のステップS8〜S10を順次実行する(ステップS46,S47,S48)。
転送装置Tは、ステップS48の後、ビット列が無線装置410のIDに一致するか否かを判定する(ステップS49)。
ステップS49において、ビット列が無線装置410のIDに一致しないと判定されたとき、一連の動作が終了する。
一方、ステップS49において、ビット列が無線装置410のIDに一致すると判定されたとき、転送装置Tは、無線装置410のID、転送装置Tの識別情報および受信信号強度RSSIを処理サーバ401へ送信する(ステップS50)。
処理サーバ401は、無線装置410のID、転送装置Tの識別情報および受信信号強度RSSIを受信し(ステップS51)、受信信号強度RSSIに基づいて、上述した方法によって無線装置410の位置を検出する(ステップS52)。
そして、処理サーバ401は、無線装置410の位置に基づいて表示機器402または照明403〜405を制御する(ステップS53)。
即ち、処理サーバ401は、無線装置410の位置を表示機器402に表示する場合、無線装置410の位置と無線装置410のIDとを表示機器402へ送信する。
一方、処理サーバ401は、無線装置410の近くの照明(照明403〜405のいずれか)を制御する場合、無線装置410の近くの照明(照明403〜405のいずれか)をオンするように制御する。
ステップS53の後、表示機器402または照明403〜405は、制御内容を実行する(ステップS54)。即ち、表示機器402は、無線装置410の位置と無線装置410のIDとを処理サーバ401から受信すると、無線装置410の位置と無線装置410のIDとを対応付けて表示する。また、照明403〜405は、処理サーバ401からの制御に従ってオンする。そして、ステップS54の後、一連の動作は、終了する。
なお、処理サーバ401が無線装置410の近くの照明(照明403〜405のいずれか)を制御する場合、転送装置Tは、ステップS45を実行せず、ステップS50において、受信信号強度RSSIを送信せず、処理サーバ401は、ステップS51において、受信信号強度RSSIを受信せず、処理サーバ401は、ステップS52において、無線装置410のIDおよび転送装置Tの識別情報を送信した転送装置Tの位置を無線装置410の位置として検出する。処理サーバ401は、予め、転送装置420,430,440の配置位置と転送装置420,430,440の識別情報とを対応付けて保持しているので、転送装置T(転送装置420,430,440のいずれか)の識別情報に基づいて、無線装置410のIDおよび転送装置Tの識別情報を送信した転送装置Tの位置を無線装置410の位置として検出できる。
このように、処理サーバ401は、無線装置410のIDを受信したことに応じて制御を行う。従って、送信元を特定する情報(無線装置410のID)に基づいて機器(表示機器402または照明403〜405)を制御することができる。
また、無線装置410は、無線装置410の利用者によって携帯されているので、利用者の移動に伴って移動する。また、無線装置410は、自己のIDを表わすフレーム長を有する無線フレームを任意のタイミングで送信するので(ステップS42参照)、転送装置420,430,440のいずれかが無線フレームを無線装置410から受信する。即ち、転送装置420が無線装置410の通信範囲内に存在すれば、転送装置420が無線フレームを無線装置410から受信し、転送装置430が無線装置410の通信範囲内に存在すれば、転送装置430が無線フレームを無線装置410から受信し、転送装置440が無線装置410の通信範囲内に存在すれば、転送装置440が無線フレームを無線装置410から受信する。
そして、処理サーバ401は、無線装置410のIDを受信したことに応じて、無線装置410のIDを表示機器402によって表示し、または無線装置410の位置に近い照明(照明403〜405のいずれか)をオンする。
従って、無線装置410の利用者の位置を知ることができる。即ち、制御システム400を用いれば、利用者を特定する人感センサを実現できる。
なお、上記においては、受信機421,431,441の各々は、無線装置410のIDを記憶部216に記憶すると説明したが、実施の形態2においては、これに限らず、複数の無線装置のIDを受信機421,431,441の記憶部216に記憶するようにしてもよい。これによって、複数の無線装置の複数の利用者の位置を知ることができる。
なお、制御システム400においては、転送装置420,430,440の各々は、「通信装置」を構成し、処理サーバ401は、「制御装置」を構成し、表示機器402または照明403〜405は、「被制御機器」を構成する。
図30は、実施の形態2による別の制御システムの構成を示す概略図である。実施の形態2による制御システムは、図30に示す制御システム500であってもよい。
図30を参照して、制御システム500は、無線装置510〜512と、機器521〜52n(nは2以上の整数)とを備える。
処理サーバ501、表示機器502および機器521〜52nは、有線ケーブル530に接続される。
無線装置510〜512の各々は、図27に示す無線装置410と同じ構成からなる。そして、無線装置510〜512の各々は、自己のIDを表わすフレーム長を有する無線フレームを一定周期または任意の間隔で送信する。
機器521〜52nの各々は、予め決定された位置に配置されている。機器521〜52nの各々は、受信機520を備える。受信機520は、図28に示す受信機421において、強度検出回路219を削除した構成からなる。そして、受信機520は、無線装置510〜512のいずれかから無線フレームを受信し、その受信した無線フレームの受信電波に基づいて、上述した方法によってビット列を検出する。
そして、受信機520は、検出したビット列が無線装置510〜512のいずれかのIDに一致するとき、無線装置510〜512のいずれかのIDを機器521〜52nへ出力する。
なお、受信機520の記憶部216は、無線装置510〜512のIDを記憶する。
機器521〜52nの各々は、受信機520が無線装置510〜512のいずれかのIDを検出すると、無線装置510〜512のいずれかのIDと、自己の識別情報とを有線ケーブル530を介して処理サーバ501へ送信する。
処理サーバ501は、機器521〜52nの識別情報と機器521〜52nの位置との対応表TBL3を予め保持している。処理サーバ501は、無線装置510〜512のIDと、機器(機器521〜52nのいずれか)の識別情報とを受信する。そして、処理サーバ501は、対応表TBL3を参照して、機器(機器521〜52nのいずれか)の識別情報に対応する機器(機器521〜52nのいずれか)の位置を検出する。
そうすると、処理サーバ501は、無線装置510〜512のIDと、検出した位置とを表示機器502へ送信し、無線装置510〜512のIDと、検出した位置とを表示するように表示機器502を制御する。
表示機器502は、無線装置510〜512のIDと位置とを処理サーバ501から受信すると、その受信した無線装置510〜512のIDと位置とを対応付けて表示する。
図31は、図30に示す制御システム500における動作を示すフローチャートである。図31に示すフローチャートは、図29に示すフローチャートのステップS50〜ステップS54をそれぞれステップS50A〜ステップS54Aに代えたものであり、その他は、図29に示すフローチャートと同じである。
図31を参照して、制御システム500における動作が開始されると、上述したステップS41〜ステップS49が順次実行される。この場合、ステップS42において、無線装置510〜512の各々は、自己のIDを表わすフレーム長を有する無線フレームを一定間隔または任意の間隔で送信する。
また、ステップS43〜ステップS49においては、機器521〜52nの各々は、無線装置510〜512のいずれかから無線フレームを受信し、その受信した無線フレームの受信電波に基づいてビット列を検出する。
そして、ステップS49において、その検出したビット列が無線装置510〜512のいずれかのIDに一致すると判定されたとき、各機器521〜52nは、無線装置(無線装置510〜512のいずれか)のIDと、自己の識別情報とを処理サーバ501へ送信する(ステップS50A)。
処理サーバ501は、無線装置(無線装置510〜512のいずれか)のIDと、機器(機器521〜52nのいずれか)の識別情報とを受信する(ステップS51A)。
そして、処理サーバ501は、対応表TBL3を参照して、機器(機器521〜52nのいずれか)の識別情報に対応する機器(機器521〜52nのいずれか)の位置を検出する(ステップS52A)。
その後、処理サーバ501は、無線装置(無線装置510〜512のいずれか)のIDと、機器(機器521〜52nのいずれか)の位置とを表示機器502へ送信し(ステップS53A)、表示機器502は、無線装置(無線装置510〜512のいずれか)のIDと、機器(機器521〜52nのいずれか)の位置とを対応付けて表示する(ステップS54A)。これによって、一連の動作が終了する。
制御システム500を用いることによって、処理サーバ501は、無線装置510〜512のIDを受信すると、無線装置510〜512のIDと、無線装置510〜512のIDを送信した機器(機器521〜52nのいずれか)の位置とを対応付けて表示するように表示機器502を制御する。従って、送信元を特定する情報(無線装置510〜512のID)に基づいて機器(表示機器502)を制御できる。
また、無線装置510〜512のIDは、機器521〜52nのいずれかによって受信されるので、各無線装置510〜512は、機器521〜52nのいずれかの近くに存在する。
従って、制御システム500においては、無線装置510〜512のIDを受信した機器(機器521〜52nのいずれか)の位置を無線装置510〜512の位置として表示機器502に表示する。
制御システム500は、例えば、病院内に設置され、無線装置510〜512は、医師または看護士によって携帯される。
その結果、医師または看護士の位置を表示機器502に表示することによって、医師または看護士の位置を知ることができる。
制御システム500は、病院内に限らず、学校内に配置されてもよく、一般的には、複数の人が働く施設内に配置されていればよい。
なお、制御システム500においては、機器521〜52nの各々は、「通信装置」を構成し、処理サーバ501は、「制御装置」を構成し、表示機器502は、「被制御機器」を構成する。
[実施の形態3]
図32は、図1に示す無線装置1の実施の形態3における構成を示す概略図である。実施の形態2においては、無線装置1は、図20に示す無線装置1Aからなる。
無線装置1Aは、制御対象機器を制御するとき、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)の無線通信方式に従って、制御対象機器の制御識別子CIDが制御対象機器の受信機で検出されるように複数の周波数チャネルを含む所望の周波数帯で無線フレームを制御対象機器の受信機へ送信する。即ち、無線装置1Aは、制御対象機器に搭載された受信機における無線フレームの検出タイミング間の時間間隔が制御対象機器の制御識別子CIDを表す1つまたは複数の信号検出間隔のうちの1つの信号検出間隔になるように1つの無線フレームを送信する処理を繰り返し実行することによって制御対象機器の制御識別子CIDを制御対象機器に搭載された受信機へ送信する。
なお、所望の周波数帯は、例えば、ISM帯からなる。また、CSMA/CAの無線通信方式とは、キャリアセンスを行い、無線通信空間が空いているとき無線信号を送信し、無線通信空間が空いていないとき無線信号の送信を待機する無線通信方式を言う。
図32を参照して、無線装置1Aは、図2に示す無線装置1の中央演算装置12を中央演算装置12Aに代え、無線モジュール13を無線モジュール13Aに代えたものであり、その他は、無線装置1と同じである。
中央演算装置12Aは、キャリアセンスを行うように無線モジュール13Aを制御する。また、中央演算装置12Aは、中央演算装置12と同じようにして制御対象機器(=機器2〜4の少なくとも1つ)の制御識別子CIDを生成する。そして、中央演算装置12Aは、無線モジュール13Aからのキャリアセンスの結果に基づいて、無線通信空間が空いていると判定すると、その生成した制御識別子CIDを表す信号検出間隔が制御対象機器(=機器2〜4の少なくとも1つ)の受信機で検出されるように無線モジュール13Aにおける無線フレームの送信タイミングを制御する。一方、中央演算装置12Aは、無線モジュール13Aからのキャリアセンスの結果に基づいて、無線通信空間が空いていないと判定したとき、無線モジュール13Aにおける無線フレームの送信タイミングを制御しない。
中央演算装置12Aは、その他、中央演算装置12と同じ機能を果たす。
無線モジュール13Aは、中央演算装置12Aからの制御に従ってアンテナ14を介してキャリアセンスを行い、そのキャリアセンスの結果を中央演算装置12Aへ出力する。また、無線モジュール13Aは、中央演算装置12Aによって制御された送信タイミングで無線フレームをアンテナ14を介して制御対象機器(=機器2〜4の少なくとも1つ)の受信機へ送信する。
無線モジュール13Aは、その他、無線モジュール13と同じ機能を果たす。
図33は、図1に示す機器2〜4の実施の形態3における構成を示す概略図である。実施の形態2においては、機器2〜4の各々は、図33に示す機器2Aからなる。
機器2Aは、複数の周波数チャネルを含む所望の周波数帯で無線フレームを無線装置1Aから受信し、その受信した無線フレームが自己の制御識別子CIDに一致するとき、制御識別子CIDに基づいて被制御部22を制御する。
図33を参照して、機器2Aは、図3に示す機器2の受信機21を受信機21Aに代えたものであり、その他は、機器2と同じである。
受信機21Aは、図3に示す受信機21のRFフィルタ212を広帯域RFフィルタ220に代え、ビット判定器214を信号検出回路221に代え、マイクロコンピュータ215をマイクロコンピュータ215Bに代えたものであり、その他は、受信機21と同じである。
受信機21Aにおいては、アンテナ211は、広帯域RFフィルタ220に接続される。広帯域RFフィルタ220は、アンテナ211を介して無線フレームの受信信号を受信し、その受信した受信信号のうち、所望の周波数帯に含まれる受信信号だけを包絡線検波回路213へ出力する。
信号検出回路221は、包絡線を包絡線検波回路213から受ける。そして、信号検出回路221は、サンプリング周期で包絡線をサンプリングしてディジタル信号列に変換し、その変換したディジタル信号列をマイクロコンピュータ215Bへ出力する。
マイクロコンピュータ215Bは、IDマッチング処理および制御処理を順次実行する。マイクロコンピュータ215Bは、IDマッチング処理において、信号検出回路221からディジタル信号列を受け、記憶部216から機器2Aの制御識別子CIDを読み出す。そして、マイクロコンピュータ215Bは、ディジタル信号列が機器2Aの制御識別子CIDに一致するか否かを判定する。
マイクロコンピュータ215Bは、ディジタル信号列が制御識別子CIDに一致すると判定したとき、制御識別子CIDに基づいて、被制御部22の制御内容を制御回路218へ出力する。即ち、マイクロコンピュータ215Bは、制御処理を実行する。
一方、マイクロコンピュータ215Bは、ディジタル信号列が制御識別子CIDに一致しないと判定したとき、ディジタル信号列を破棄する。
マイクロコンピュータ215Bは、その他、マイクロコンピュータ215と同じ機能を果たす。
図34は、図33に示すマイクロコンピュータ215BにおけるIDマッチング処理を行うマッチング処理手段の機能ブロックを示す図である。
図34を参照して、マイクロコンピュータ215Bのマッチング処理手段MTCHは、保持手段41〜4i(iは正の整数),51〜5j(jは正の整数),p1〜pk(pは、機器2Aの制御識別子CIDを構成する信号検出間隔の個数に等しい整数、kは、正の整数)と、演算手段61〜6pとを含む。
保持手段41〜4i,51〜5j,p1〜pkは、直列に接続される。保持手段41〜4i,51〜5j,p1〜pkの各々は、クロックCLKに同期して動作する。なお、クロックCLKの周期は、機器2Aにおけるサンプリング周期Tと同じである。
保持手段41〜4i,51〜5j,p1〜pk−1は、それぞれ、保持手段42〜4i,51,52〜5j,p1,p2〜pkから信号を受ける。保持手段pkは、信号検出回路221からディジタル信号を受ける。そして、保持手段42〜4i,51〜5j,p1〜pkは、信号をクロックCLKの一周期分保持し、その保持した信号をそれぞれ保持手段41〜4i−1,4i,51〜5j−1,5j,p1〜pk−1へ出力する。また、保持手段41は、信号を演算手段61へ出力し、保持手段51は、信号を演算手段62へも出力し、以下、同様にして、保持手段p1は、信号を演算手段6pへも出力する。
演算手段61は、保持手段41からの信号と演算手段62からの信号との論理積を演算し、その演算結果をマイクロコンピュータ215Bへ出力する。演算手段62は、保持手段51からの信号と、演算手段63(図示せず)からの信号との論理積を演算し、その演算結果を演算手段61へ出力する。以下、同様にして、演算手段6pは、保持手段p1からの信号と信号検出回路221からの信号との論理積を演算し、その演算結果を演算手段6p−1(図示せず)へ出力する。
機器2Aの制御識別子CIDを信号検出間隔によって表した場合、保持手段41〜4iは、制御識別子CIDを構成する複数の信号検出間隔のうち、最初の信号検出間隔に相当する時間間隔を検出し、保持手段51〜5jは、制御識別子CIDを構成する複数の信号検出間隔のうち、2番目の信号検出間隔に相当する時間間隔を検出し、以下、同様にして、保持手段p1〜pkは、制御識別子CIDを構成する複数の信号検出間隔のうち、最後の信号検出間隔に相当する時間間隔を検出する。
図35は、周波数帯の概念図である。図35を参照して、周波数帯BWは、ISM帯の周波数帯である。そして、周波数帯BWは、チャネルCH1〜CH14を含む。
スペクトラムSP1は、所望波のスペクトラムであり、スペクトラムSP2は、他チャネルの所望波以外のスペクトラムである。
このように、周波数帯BWは、複数の周波数チャネルを含む周波数帯である。
無線装置1Aは、チャネルCH1の周波数帯でキャリアセンスし、チャネルCH1の周波数帯が空いていれば、無線フレームを送信する。
図33に示す広帯域RFフィルタ220は、無線信号の受信信号のうち、周波数帯BWの信号を通過させる。従って、受信機21Aは、無線装置1Aが送信する無線フレーム以外にも、チャネルCH1と異なるチャネルCH9等で送信される無線フレームを受信する。
図36は、機器2Aの制御識別子CIDを表す信号検出間隔の概念図である。図36を参照して、機器2Aの制御識別子CIDは、例えば、3個の信号検出間隔S1,S2,S3のパターン[S1S2S3]からなる。受信機21Aにおける包絡線のサンプリング周期をTとすると、信号検出間隔S1は、2Tからなり、信号検出間隔S2は、3Tからなり、信号検出間隔S3は、4Tからなる。なお、サンプリング周期Tは、例えば、500μsである。
3個の信号検出間隔S1,S2,S3を検出するためには、4個の検出タイミングDT1〜DT4において受信信号が“1”であることを検出する必要がある。
そこで、検出タイミングの個数をk(kは、2以上の整数)とすると、機器2Aの制御識別子CIDは、k−1個の信号検出間隔S1〜Sk−1によって表される。例えば、k=n、0≦Si≦mT(i=1,2,・・・,n−1、mは正の整数)とすると、表1に示すmn−1個の制御識別子CIDを信号検出間隔S1〜Sn−1によって表すことができる。
従って、実施の形態2においては、制御したい機器2Aの制御識別子CIDを表1に示すmn−1個の制御識別子CIDのいずれかによって表す。
図37は、図32に示す無線装置1Aにおける無線フレームの送信方法を説明するための図である。
図37の(a)は、受信機21Aにおける信号検出間隔の検出タイミングを示し、図37の(b)は、無線装置1Aにおける無線フレームの送信制御基準タイミングを示す。
図37を参照して、機器2Aの制御識別子CIDは、上述した信号検出間隔のパターン[S1S2S3]からなる。無線装置1Aは、受信機21Aが検出タイミングDT1〜DT4において受信信号が“1”であることを検出することによって、2Tの信号検出間隔S1、3Tの信号検出間隔S2、および4Tの信号検出間隔S3を検出できるように、4個の無線フレームFR1〜FR4を順次送信する。
より具体的に説明する。無線装置1Aは、Tのフレーム長を有する無線フレームFR1を送信する。そして、無線装置1Aは、無線フレームFR1の送信終了時刻を無線フレームFR2〜FR4の送信基準時刻とする(図37の(b)参照)。
受信機21Aは、無線フレームFR1を受信することによって、検出タイミングDT1で受信信号が“1”であることを検出できる。その結果、信号検出間隔S1,S2,S3を検出する基準が決定されることになる。
その後、無線装置1Aは、受信機21Aが検出タイミングDT2で受信信号が“1”であることを検出できるように、無線フレームFR2を送信する。即ち、無線装置1Aは、送信予備時刻dだけ送信制御基準タイミングよりも前から無線フレームFR2の送信を試み、無線フレームFR2が検出タイミングDT2を跨ぐように送信する。なお、送信予備時刻dは、例えば、100μsである。
引き続いて、無線装置1Aは、同様にして、無線フレームFR3,FR4を順次送信する(図37の(b)参照)。
図38は、図32に示す無線装置1Aにおける無線フレームの送信方法を示すフローチャートである。なお、図38に示すフローチャートは、下位レイヤ(MAC層および物理層)で実行されるフローチャートである。
図38を参照して、無線フレームの送信が開始されると、無線装置1Aにおいて、中央演算装置12Aは、無線フレームの長さLをL=Tに設定する(ステップS61)。
そして、中央演算装置12Aは、キャリアセンスを行うように無線モジュール13Aを制御し、無線モジュール13Aは、例えば、チャネルCH1の周波数帯でキャリアセンスを行い(ステップS62)、そのキャリアセンスの結果を中央演算装置12Aへ出力する。
そして、中央演算装置12Aは、無線モジュール13Aから受けたキャリアセンスの結果に基づいて、チャネルCH1の周波数帯が空いているか否かを判定する(ステップS63)。
ステップS63において、チャネルCH1の周波数帯が空いていないと判定されたとき、ステップS62,S63が繰り返し実行される。即ち、無線装置1Aは、無線フレームの送信を待機する。
そして、ステップS63において、チャネルCH1の周波数帯が空いていると判定されると、中央演算装置12Aは、Tのフレーム長を有する無線フレームを送信するように無線モジュール13Aを制御し、無線モジュール13Aは、中央演算装置12Aからの制御に従って、無線フレームをアンテナ14を介して送信する(ステップS64)。
そうすると、中央演算装置12Aは、タイマー18の時刻tをt=0に設定し(ステップS65)、フレーム送信終了時刻yをy=0に設定する(ステップS66)。
そして、中央演算装置12Aは、i=1を設定し(ステップS67)、y=y+Siを設定する(ステップS68)。
その後、中央演算装置12Aは、t≧y−T−dであるか否かを判定する(ステップS69)。ステップS69において、t≧y−T−dであると判定されると、中央演算装置12Aは、t≧yであるか否かを更に判定する(ステップS70)。ステップS70において、t≧yであると判定されると、一連の動作は、ステップS75へ移行する。
一方、ステップS70において、t<yであると判定されると、中央演算装置12Aは、キャリアセンスを行うように無線モジュール13Aを制御し、無線モジュール13Aは、例えば、チャネルCH1の周波数帯でキャリアセンスを行い(ステップS71)、そのキャリアセンスの結果を中央演算装置12Aへ出力する。
中央演算装置12Aは、無線モジュール13Aから受けたキャリアセンスの結果に基づいて、チャネルCH1の周波数帯が空いているか否かを判定する(ステップS72)。
ステップS72において、チャネルCH1の周波数帯が空いていないと判定されたとき、ステップS70において、再度、t<yであると判定されると、ステップS71,S72が繰り返し実行される。即ち、無線装置1Aは、無線フレームの送信を待機する。一方、ステップS70において、再度、t≧yであると判定されると、一連の動作は、ステップS75へ移行する。
ステップS72において、チャネルCH1の周波数帯が空いていると判定されたとき、中央演算装置12Aは、フレーム長LをL=y−tに設定し(ステップS73)、L=y−tのフレーム長を有する無線フレームを送信するように無線モジュール13Aを制御する。そして、無線モジュール13Aは、中央演算装置12Aからの制御に従って、無線フレームを送信する(ステップS74)。
そうすると、ステップS70においてt≧yであると判定されたとき、またはステップS74の後、中央演算装置12Aは、i=n−1であるか否かを判定する(ステップS75)。
ステップS75において、i=n−1でないと判定されたとき、中央演算装置12Aは、i=i+1を設定する(ステップS76)。その後、一連の動作は、ステップS68へ戻り、ステップS75において、i=n−1であると判定されるまで、上述したステップS68〜ステップS76が繰り返し実行される。そして、ステップS75において、i=n−1であると判定されると、無線装置1Aにおける無線フレームの送信動作は、終了する。
上述したステップS61〜ステップS74によって、図37の(b)に示す無線フレームFR1が送信される。そして、無線フレームFR1の送信終了時刻がタイマー時刻tの基準(=0)に設定される(ステップS65参照)。その後、フレーム送信終了時刻yが“0”に設定される(ステップS66)。
ステップS68〜ステップS74が1回目に実行されることによって、無線フレームFR2が送信される。より具体的に説明する。S1=2Tであるので、フレーム送信終了時刻yは、ステップS68のy=y+S1によって、無線フレームFR1の送信終了時刻から2T経過後の送信制御基準タイミングt15に設定される(図37の(b)参照)。
また、y−T−dは、タイミングt16である(図37の(b)参照)。従って、ステップS69において、t≧y−T−dであるか否かを判定することは、タイマー時刻tがタイミングt16に達しているか否かを判定することに相当する。そして、t≧y−T−dであると判定されることは、無線フレームFR2を送信するタイミングに達していると判定することに相当する。
更に、ステップS70において、t≧yであるか否かを判定するのは、タイマー時刻tがフレーム送信終了時刻y(=送信制御基準タイミングt15)に達しているか否かを判定するためである。そして、タイマー時刻tがフレーム送信終了時刻y(=送信制御基準タイミングt15)に達していないとき、キャリアセンスが行われ、チャネルCH1の周波数帯が空いているとき、フレーム長L=y−t(=t15−t16)の無線フレームFR2が送信される(ステップS70の“NO”,ステップS71〜ステップS74参照)。
ステップS68〜ステップS74が2回目に実行されることによって、無線フレームFR3が送信される。S2=3Tであるので、フレーム送信終了時刻yは、ステップS68のy=y+S2によって、無線フレームFR2の送信終了時刻(=t15)から3T経過後の送信制御基準タイミングt17に設定される(図37の(b)参照)。
また、y−T−dは、タイミングt18である(図37の(b)参照)。従って、タイマー時刻tがタイミングt18に達し、かつ、送信制御基準タイミングt17を経過していないとき、無線フレームFR3が送信される(ステップS69の“YES”,ステップS70の“NO”,ステップS71〜ステップS74参照)。
それ以降、同様にして、無線フレームFR4が送信される。
なお、無線フレームFR1〜FR4が図38に示すフローチャートに従って送信される場合、無線フレームFR1は、Tのフレーム長を有し、無線フレームFR2〜FR4の各々は、y−tのフレーム長を有する。
図39は、図32に示す無線装置1Aにおける無線フレームの他の送信方法を説明するための図である。
図39の(a)は、受信機21Aにおける信号検出間隔の検出タイミングを示し、図39の(b)は、無線装置1Aにおける無線フレームの送信制御基準タイミングを示す。
図39を参照して、機器2Aの制御識別子CIDは、上述した信号検出間隔のパターン[S1S2S3]からなる。無線装置1Aは、受信機21Aが検出タイミングDT1〜DT4において受信信号が“1”であることを検出することによって、2Tの信号検出間隔S1、3Tの信号検出間隔S2、および4Tの信号検出間隔S3を検出できるように、4個の無線フレームFR1〜FR4を順次送信する。
より具体的に説明する。無線装置1Aは、任意の送信制御基準タイミング(=送信基準時刻)に同期して無線フレームFR1を送信する。そして、無線装置1Aは、送信基準時刻から2Tの信号検出間隔S1に相当する時間が経過すると、無線フレームFR2を送信する。更に、無線装置1Aは、無線フレームFR2の送信開始時刻から3Tの信号検出間隔S2に相当する時間が経過すると、無線フレームFR3を送信する。更に、無線装置1Aは、無線フレームFR3の送信開始時刻から4Tの信号検出間隔S3に相当する時間が経過すると、無線フレームFR4を送信する(図39の(b)参照)。
受信機21Aは、無線フレームFR1〜FR4を受信することによって、それぞれ、検出タイミングDT1〜DT4で受信信号が“1”であることを検出できる。その結果、信号検出間隔S1,S2,S3が検出される。
無線フレームFR1〜FR4の各々は、T+M以上のフレーム長を有する。ここで、Mは、CSMA/CAの無線通信方式によって無線フレームを送信するときの無線装置1Aと受信機21Aとの間におけるタイミングの最大のずれ量であり、M=50(DIFS)+15×20(バックオフ)=350μsである。
従って、無線フレームFR1〜FR4の各々のフレーム長をT+M以上に設定することによって、無線フレームFR1〜FR4は、それぞれ、受信機21Aにおける検出タイミングDT1〜DT4を跨ぐように送信されるので、受信機21Aが3個の信号検出間隔S1,S2,S3を安定して検出できる。
図40は、図32に示す無線装置1Aにおける無線フレームの他の送信方法を示すフローチャートである。なお、図40に示すフローチャートは、上位レイヤ(アプリケーション層)で実行されるフローチャートである。
図40を参照して、無線フレームの送信が開始されると、中央演算装置12Aは、タイマー時刻tをt=0に設定し(ステップS81)、最初の無線フレームFR1を送信する(ステップS82)。
そして、中央演算装置12Aは、i=1を設定し(ステップS83)、タイマー時刻tが信号検出間隔Si以上であるか否かを判定する(ステップS84)。
ステップS84において、タイマー時刻tが信号検出間隔Si以上であると判定されると、無線フレームFR2を送信する(ステップS85)。
その後、中央演算装置12Aは、i=n−1であるか否かを判定する(ステップS86)。ステップS86において、i=n−1でないと判定されたとき、中央演算装置12Aは、i=i+1を設定する(ステップS87)。その後、一連の動作は、ステップS84へ戻り、ステップS86において、i=n−1であると判定されるまで、上述したステップS84〜ステップS87が繰り返し実行される。そして、ステップS86において、i=n−1であると判定されると、無線装置1Aにおける無線フレームの送信動作は、終了する。
上述したステップS82によって、図39の(b)に示す無線フレームFR1が送信される。そして、ステップS84,S85を1回目に実行するとき、無線フレームFR1の送信開始時刻から信号検出間隔S1に相当する時間が経過すると、無線フレームFR2が送信される(図39の(b)参照)。
また、ステップS84,S85を2回目に実行するとき、無線フレームFR2の送信開始時刻から信号検出間隔S2に相当する時間が経過すると、無線フレームFR3が送信される(図39の(b)参照)。
更に、ステップS84,S85を3回目に実行するとき、無線フレームFR3の送信開始時刻から信号検出間隔S3に相当する時間が経過すると、無線フレームFR4が送信される(図39の(b)参照)。
図40に示すフローチャートは、上述したように上位レイヤ(アプリケーション層)で実行されるので、キャリアセンスを行うステップと、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いているか否かを判定するステップとが図40に示されていないが、無線装置1Aの上位レイヤ(アプリケーション層)がステップS85において無線フレームを送信した後、無線装置1Aの下位レイヤ(MAC層および物理層)が、キャリアセンスを行い、無線通信空間が空いているときに無線フレームを送信し、無線通信空間が空いていないとき無線フレームの送信を待機する。
従って、無線装置1Aは、図40に示すフローチャートに従って無線フレームを送信する場合も、無線通信空間が空いているとき無線フレームを送信し、無線通信空間が空いていないとき無線フレームの送信を待機する。
図41は、無線信号および包絡線の概念図である。受信機21Aの広帯域RFフィルタ220は、アンテナ211を介して無線フレームの受信信号を受信し、その受信した受信信号のうち、上述した周波数帯BWの受信信号RF(図41の(a)参照)を包絡線検波回路213へ出力する。
そして、包絡線検波回路213は、受信信号RFを包絡線検波し、包絡線EVL(図41の(b)参照)を信号検出回路221へ出力する。
信号検出回路221は、包絡線EVLをサンプリング周期Tでサンプリングして包絡線EVLをディジタル信号に変換する。そして、信号検出回路221は、ディジタル信号をマイクロコンピュータ215Bへ出力する。
図42は、マイクロコンピュータ215Bにおけるマッチング処理手段MTCHの具体例を示す機能ブロック図である。機器2Aの制御識別子CIDが信号検出間隔のパターン[S1S2S3]からなる場合、マッチング処理手段MTCHは、図42に示すマッチング処理手段MTCH−1からなる。
図42を参照して、マッチング処理手段MTCH−1は、保持手段41,42,51〜53,p1〜p4と、演算手段61〜63とを含む。
保持手段41,42,51〜53,p1〜p4は、直列に接続される。保持手段41,42,51〜53,p1〜p3は、それぞれ、保持手段42,51〜53,p1〜p4から信号を受け、その受けた信号をそれぞれ演算手段61、保持手段41,42,51〜53,p1,p2へ出力する。また、保持手段51は、信号を演算手段62へも出力し、保持手段p1は、信号を演算手段63へも出力する。更に、保持手段p4は、信号検出回路221から信号を受け、その受けた信号を保持手段p3へ出力する。
演算手段61は、保持手段41からの信号と演算手段62からの信号との論理積を演算し、その演算結果をマイクロコンピュータ215Bへ出力する。演算手段62は、保持手段51からの信号と演算手段63からの信号との論理積を演算し、その演算結果を演算手段61へ出力する。演算手段63は、保持手段p1からの信号と信号検出回路221からの信号との論理積を演算し、その演算した論理積を演算手段62へ出力する。
機器2Aの制御識別子CIDが信号検出間隔のパターン[S1S2S3]からなる場合、信号検出回路221は、検出タイミングDT1で包絡線EVLをサンプリングし、“1”からなる信号をマッチング処理手段MTCH−1へ出力する(図37の(a)参照)。
その後、信号検出回路221は、サンプリング周期Tで包絡線EVLをサンプリングし、“0”からなる信号をマッチング処理手段MTCH−1へ出力する(図37の(a)参照)。
引き続いて、信号検出回路221は、検出タイミングDT2で“1”からなる信号をマッチング処理手段MTCH−1へ出力し、検出タイミングDT2と検出タイミングDT3との間の2つのサンプリングタイミングでは、“0”からなる信号をマッチング処理手段MTCH−1へ出力する(図37の(a)参照)。
更に、信号検出回路221は、検出タイミングDT3で“1”からなる信号をマッチング処理手段MTCH−1へ出力し、検出タイミングDT3と検出タイミングDT4との間の3つのサンプリングタイミングでは、“0”からなる信号をマッチング処理手段MTCH−1へ出力し、検出タイミングDT4で“1”からなる信号をマッチング処理手段MTCH−1へ出力する(図37の(a)参照)。
その結果、マッチング処理手段MTCH−1は、ディジタル信号列[1010010001]を信号検出回路221から受ける。
そして、検出タイミングDT4で検出された“1”からなる信号がマッチング処理手段MTCH−1へ入力された時点で、保持手段41,42,51〜53,p1〜p4は、それぞれ“1”,“0”,“1”,“0”,“0”,“1”,“0”,“0”,“0”からなる信号を出力する。
そうすると、演算手段63は、保持手段p1からの信号(=1)と、信号検出回路221からの信号(=1)との論理積を演算し、その演算結果(=1)を演算手段62へ出力する。
また、演算手段62は、保持手段51からの信号(=1)と、演算手段63からの信号(=1)との論理積を演算し、その演算結果(=1)を演算手段61へ出力する。
更に、演算手段61は、保持手段41からの信号(=1)と、演算手段62からの信号(=1)との論理積を演算し、その演算結果(=1)をマイクロコンピュータ215Bへ出力する。
このように、マッチング処理手段MTCH−1は、保持手段41,42によって2Tの信号検出間隔S1を検出し、保持手段51〜53によって3Tの信号検出間隔S2を検出し、保持手段p1〜p4によって4Tの信号検出間隔S3を検出することによって、無線装置1Aから受信した受信信号が制御識別子CID=[S1S2S3]に一致することを検知する。
従って、マッチング処理手段MTCH−1からマイクロコンピュータ215Bへ出力される信号が“1”からなる場合、無線装置1Aから受信した受信信号が制御識別子CID=[S1S2S3]に一致することを表し、マッチング処理手段MTCH−1からマイクロコンピュータ215Bへ出力される信号が“0”からなる場合、無線装置1Aから受信した受信信号が制御識別子CID=[S1S2S3]に一致しないことを表す。
なお、保持手段41が出力する“1”からなる信号は、検出タイミングDT1において検出された信号が“1”であることを表し、保持手段51が出力する“1”からなる信号は、検出タイミングDT2において検出された信号が“1”であることを表し、保持手段p1が出力する“1”からなる信号は、検出タイミングDT3において検出された信号が“1”であることを表し、保持手段p4および演算手段63へ入力される“1”からなる信号は、検出タイミングDT4において検出された信号が“1”であることを表す。
従って、保持手段41,51,p1の全てが“1”からなる信号を出力し、保持手段41,51,p1の全てが“1”からなる信号を出力した時点で“1”からなる信号がマッチング処理手段MTCH−1に入力されることは、ディジタル信号列[1010010001]に基づいて機器2Aの制御識別子CIDを表す複数の信号検出間隔S1,S2,S3を検出するための複数の検出タイミングDT1〜DT4の全てにおいて“1”からなる信号が検出されていると判定することに相当する。
図43は、非同期検波における受信信号の概念図である。図43を参照して、非同期検波においては、複数のチャネルで送信された複数の無線フレームの複数の受信信号が重なって検出される。
従って、受信機21Aは、無線装置1Aから送信された無線フレームと、無線装置1A以外の無線装置から送信された無線フレームとを受信する。
そこで、実施の形態3においては、図37に示す検出タイミングDT1〜DT4で検出される“1”からなる信号は、無線装置1Aから送信された無線フレームに基づいていなくてもよく、無線装置1A以外のいずれの無線装置から送信された無線フレームに基づいていてもよい。
つまり、実施の形態3においては、信号検出回路221は、検出タイミングDT1〜DT4で無線フレームの受信信号が有れば、“1”からなる信号を検出し、検出タイミングDT1〜DT4で無線フレームの受信信号が無ければ、“0”からなる信号を検出し、“1”からなる信号を受信することだけに意味を持たせる。
図44は、複数のチャネルからの無線フレームを受信する場合の概念図である。図44を参照して、無線装置1Aは、例えば、チャネルCH1で無線フレームを送信し、受信機21Aは、例えば、チャネルCH1,CH6,CH11で送信された複数の無線フレームを受信するものとする。
受信機21Aにおける検出タイミングDT1を跨ぐ無線フレームは、チャネルCH1で送信された無線フレームと、チャネルCH6で送信された無線フレームとが重ね合わされたものからなる。
また、受信機21Aにおける検出タイミングDT2を跨ぐ無線フレームは、チャネルCH1で送信された無線フレームと、チャネルCH6で送信された無線フレームと、チャネルCH11で送信された無線フレームとが重ね合わされたものからなる。
更に、受信機21Aにおける検出タイミングDT3を跨ぐ無線フレームは、チャネルCH6で送信された無線フレームと、チャネルCH11で送信された無線フレームとが重ね合わされたものからなる。
更に、受信機21Aにおける検出タイミングDT4を跨ぐ無線フレームは、チャネルCH1で送信された無線フレームと、チャネルCH6で送信された無線フレームと、チャネルCH11で送信された無線フレームとが重ね合わされたものからなる。
その結果、検出タイミングDT3においては、無線装置1Aから送信された無線フレームが存在しないにも拘わらず、受信機21Aは、検出タイミングDT1〜DT4の全てにおいて“1”からなる信号を検出し、受信した無線フレームの受信信号が機器2Aの制御識別子CID=[S1S2S3]に一致すると判定する。
このように、実施の形態3においては、受信機21Aは、無線装置1Aが送信した無線フレームと、無線装置1A以外の無線装置が送信した無線フレームとの両方に基づいて各検出タイミングDT1〜DT4において“1”からなる信号を検出するので、たとえ、無線装置1Aが検出タイミングDT1〜DT4を跨ぐように無線フレームを送信できなくても、無線装置1A以外の無線装置が検出タイミングDT1〜DT4を跨ぐように無線フレームを送信すれば、受信機21Aは、受信した無線フレームの受信信号が機器2Aの制御識別子CID=[S1S2S3]に一致すると判定する。
無線装置1Aは、複数の無線フレームを順次送信するときに、無線通信空間が空いていたので、最初の無線フレームを送信できたが、2番目の無線フレームを送信するときに無線通信空間が空いていなかったので2番目の無線フレームを送信できなくても、他の無線装置が無線フレームを送信すれば、受信機21Aは、機器2Aの制御識別子CIDを受信できることになる。このような場合、無線装置1Aが機器2Aを制御するために制御識別子CIDの送信を開始したので、制御識別子CIDを送信するための複数の無線フレームのうちの一部が他の無線装置から送信されたとしても、無線装置1Aが機器2Aを制御することになる。このような理由から、無線装置1Aが検出タイミングDT1〜DT4を跨ぐように無線フレームを送信できなくても、無線装置1A以外の無線装置が検出タイミングDT1〜DT4を跨ぐように無線フレームを送信すれば、受信機21Aは、受信した無線フレームの受信信号が機器2Aの制御識別子CID=[S1S2S3]に一致すると判定してもよい。
従って、制御したい時に、制御対象機器(=機器2A)を確実に制御できる。
特に、無線装置1Aにとっての隠れ端末が存在する場合、隠れ端末が送信した無線フレームを機器2Aの制御識別子CIDを検出するための無線フレームとして使用できる。
図45は、図1に示す制御システム10の実施の形態2における動作を説明するためのフローチャートである。
図45に示すフローチャートは、図10に示すフローチャートのステップS5をステップS91に代え、ステップS8〜S11をステップS92〜S94に代えたものであり、その他は、図10に示すフローチャートと同じである。
図45を参照して、一連の動作が開始されると、上述したステップS1〜ステップS4が順次実行される。そして、ステップS4の後、無線装置1Aは、図38または図40に示すフローチャートに従って複数の無線フレームを送信する(ステップS91)。
その後、上述したステップS6,S7が順次実行される。そして、ステップS7の後、信号検出回路221は、包絡線検波回路213から受けた包絡線をサンプリング周期でサンプリングして包絡線をディジタル信号列に変換し(ステップS92)、その変換したディジタル信号列をマイクロコンピュータ215Bへ出力する。
マイクロコンピュータ215Bのマッチング処理手段MTCHは、ディジタル信号列における“1”の間隔を、機器2Aの制御識別子CIDを表す1つまたは複数の信号検出間隔にマッチングする(ステップS93)。
そして、マイクロコンピュータ215Bは、“1”からなる信号をマッチング処理手段MTCHから受けたか否かを判定する(ステップS94)。
ステップS94において、マイクロコンピュータ215Bは、“1”からなる信号をマッチング処理手段MTCHから受けたと判定したとき、上述したステップS12が実行される。
そして、ステップS94において、マイクロコンピュータ215Bが“1”からなる信号をマッチング処理手段MTCHから受けなかったと判定したとき、またはステップS12の後、一連の動作は、終了する。
ステップS91において、無線装置1Aが図38または図40に示すフローチャートに従って複数の無線フレームを送信した結果、機器2Aの受信機21Aは、無線装置1Aから受信した受信信号が機器2Aの制御識別子CIDを表す複数の信号検出間隔のパターン[S1S2S3]に一致することを検出する(ステップS93参照)。ここで、受信機21Aは、検出タイミングDT1〜DT4の各々において受信信号が“1”であることを検出し、隣接する2つの検出タイミング(DT1,DT2等)間の時間間隔は、複数の信号検出間隔S1S2S3のうちの1つの信号検出間隔に等しくなる。また、無線装置1Aは、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いているとき、1つの無線フレームを送信する(図38のステップS71,S72の“YES”,S73,S74および図40のステップS85参照)。更に、無線装置1Aは、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いていると判定するまで、無線フレームの送信を待機する(図38のステップS71,S72の“NO”参照)。更に、上述したように、無線装置1Aは、図40に示すフローチャートに従って無線フレームを送信する場合も、無線通信空間が空いているとき無線フレームを送信し、無線通信空間が空いていないとき無線フレームの送信を待機する。
従って、無線装置1AがステップS91において図38または図40に示すフローチャートに従って複数の無線フレームを送信することは、無線装置1Aが、無線通信空間が空いているとき、制御対象である制御対象機器(=機器2A)における無線フレームの検出タイミング間の時間間隔が制御対象機器(=機器2A)の制御識別子CIDを表す1つまたは複数の信号検出間隔のうちの1つの信号検出間隔になるように1つの無線フレームを所望の周波数帯で送信し、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いていないとき、1つの無線フレームの送信を待機する送信処理をキャリアセンスを行う毎に実行することに相当する。
このように、図45に示すフローチャートに従えば、無線装置1Aは、データベースDBを検索し、自己の位置情報に基づいて自己の周辺に存在する機器2〜4(=機器2A)と、その機器2〜4(=機器2A)の制御識別子CIDとを取得するとともに、機器2〜4(=機器2A)の中から制御対象機器を決定し、その決定した制御対象機器の制御識別子CIDを制御対象機器の受信機21Aへ送信し、制御対象機器を制御する。
従って、制御したい機器(照明等)を特定し、かつ、その機器を制御するための制御識別子を容易に取得して制御対象の機器を制御できる。
また、実施の形態3による無線装置1Aは、無線通信空間が空いているとき、制御したい制御対象機器の受信機21Aにおける無線フレームの検出タイミング間の時間間隔が制御対象機器の制御識別子CIDを表す1つまたは複数の信号検出間隔のうちの1つの信号検出間隔になるように1つの無線フレームを所望の周波数帯で送信し、無線通信空間が空いていないとき、無線フレームの送信を待機する。そして、無線通信空間が空いていないとき、無線装置1A以外の無線装置が無線フレームを送信する。その結果、制御対象機器の受信機21Aは、無線通信空間が空いているとき、無線装置1Aからの無線フレームを受信し、無線通信空間が空いていないとき、無線装置1A以外の無線装置から無線フレームを受信する。そして、制御対象機器の受信機21Aは、制御対象機器の制御識別子CIDを表す1つまたは複数の信号検出間隔の各々を検出する検出タイミングにおいて“1”からなる信号を検出し、受信信号が制御対象機器の制御識別子CIDに一致すると判定して被制御部22を制御する。
従って、制御したい時に、制御対象機器を確実に制御できる。
実施の形態3においては、上述したように、制御対象機器(=機器2A)の制御識別子CIDを1つまたは複数の信号検出間隔によって表して制御対象機器(=機器2A)の受信機21Aへ送信し、実施の形態1においては、上述したように、制御対象機器(=機器2A)の制御識別子CIDをフレーム長によって表して制御対象機器(=機器2A)の受信機21Aへ送信する。即ち、実施の形態1と実施の形態3とは、制御対象機器(=機器2A)の制御識別子CIDの送信方法のみが異なるだけであり、その他の部分は、同じである。
従って、実施の形態3においては、実施の形態1における実施例1〜3と同じ実施例を実施してもよい。
この場合、図11に示すステップS25において実行されるステップS5は、図38または図40に示すフローチャートによって実行され、図12に示すステップS5は、図38または図40に示すフローチャートによって実行され、図13に示すステップS5は、図38または図40に示すフローチャートによって実行される。
また、実施の形態3においては、実施の形態1における応用例1〜8と同じ応用例を実施してもよい。
更に、実施の形態3においては、実施の形態1において説明した付加機能を無線装置1Aおよび機器2〜4(=機器2A)に更に追加してもよい。
更に、実施の形態3においては、実施の形態2を実施してもよい。この場合、無線装置410,510〜512のIDは、信号検出間隔によって表わされる。
実施の形態3におけるその他の説明は、実施の形態1,2における説明と同じである。
図46は、この発明の実施の形態による制御システムの概念図である。図46を参照して、制御元端末(例えば、スマートホーン)は、上述した無線装置1,1Aと同じようにして、自己の周辺に存在する制御対象の制御識別子CIDを制御対象へ送信し、制御対象を制御する。この場合、制御元端末は、制御対象が照明である場合、照明の照度を制御し、制御対象がスピーカである場合、スピーカのボリュームを制御する。
また、制御元端末は、サーバへアクセスし、サーバから制御対象の制御識別子CIDを取得して制御対象を制御する。この場合、制御元端末は、制御元端末の利用者が正規の利用者であると認証された場合に、サーバから制御対象の制御識別子CIDを取得してもよい。
更に、制御元端末は、サーバへアクセスし、サーバが有するリモート情報(例えば、天気予報)を取得し、その取得したリモート情報を制御対象の制御識別子CIDとともに制御対象へ送信して制御元端末の利用者が持って出かけなければならない物を忘れないようにする。
更に、制御元端末は、自己が保有する情報を制御対象の制御識別子CIDとともに制御対象へ送信して制御元端末が無くなった場所および時刻を把握できるようにする。
更に、制御元端末は、ローカル情報(アクセスポイントへの帰属情報、およびスマートメーターが保有する情報等)によって制御対象の制御を制限される。
このように、この発明の実施の形態による制御システムにおいては、制御元端末が自己の位置情報に基づいて自己の周辺に存在する制御対象の制御識別子CIDを取得して制御対象を制御することを基本とし、サーバが保有する情報、自己が保有する情報およびローカル情報を更に用いて制御元端末によって制御対象を制御し、または制御元端末による制御対象の制御を制限する。
なお、上記においては、制御対象機器の制御識別子CIDは、無線フレームのフレーム長、または受信機21Aにおける信号検出間隔によって送信されると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、制御対象機器の制御識別子CIDは、どのような方法によって、制御対象機器の受信機へ送信されてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。