JP2014042096A - キャブオーバー型車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】キャビン1のフロントパネル5と左側のドアパネル4との間にコーナーパネル11を装着し、コーナーパネル11の上部に前方に向けて膨出する膨出部12を形成して、この膨出部12と車体パネルとの間に収容空間13を形成する。収容空間13内にGPSアンテナ14を配設してブラケット16により車体パネルのネジ孔15に固定すると共に、GPSアンテナ14の信号線14aを車体パネルの貫通孔18を介して車室内に引き込む。
【選択図】図2
Description
例えばGPSアンテナは衛星からGPS信号を受信し、このGPS信号に基づきナビゲーション装置により自車位置が特定されて目的地までの経路案内などに利用される。また撮像装置は、運転者にとって死角になる自車の左斜め前方且つ斜め下方、または右斜め前方且つ斜め下方の領域を撮像し、その撮像画像が運転支援のために車室内のディスプレイなどに表示される。またレーダー装置は自車の前方を走行中の先行車などを検知し、その検知情報から算出された相対距離や相対速度などに基づき車間距離が不適切と判断された場合には、必要に応じて警報や自動ブレーキが実行される。
GPSアンテナの設置構造としては、例えば特許文献1に記載された技術を挙げることができる。当該特許文献1の技術では、車両の金属製のルーフの一部に開口部を形成して合成樹脂製の外装材で覆い、外装材の車室内側にGPSアンテナを設置している。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、本来の性能を最大限に発揮でき、且つ悪戯防止や雨漏り防止などの要件も満たすことができる最適な位置に情報取得装置を設置することができるキャブオーバー型車両を提供することにある。
請求項3の発明は、請求項1または2において、情報取得装置を、衛星からのGPS情報を受信するGPSアンテナとしたものである。
請求項4の発明は、請求項1または2において、情報取得装置を、車両の外部を撮像する撮像装置としたものである。
請求項5の発明は、請求項1または2において、情報取得装置を、車両の前方の物体を検知するレーダー装置としたものである。
請求項7の発明は、請求項6において、車体パネルの箇所に、取付部と共に情報取得装置と電動格納ユニットとに共通する貫通孔を貫設し、貫通孔を介して情報取得装置または電動格納ユニットの信号線を車室内に引き込み可能としたものである。
GPSアンテナがコーナーパネル内に配設されることにより、例えば車室内に配設した場合に比較してGPSアンテナがより前方に位置し、上方のルーフにより遮られる領域が減少することから良好な受信感度を確保することができる。
コーナーパネルを介して撮像装置により車両の外部を容易に撮像できる。特にコーナーパネルは運転者の死角に最も近い位置に配設されるため、車体パネルに遮られて死角となる領域を的確に撮像してディスプレイなどに表示することができる。
コーナーパネルを介してレーダー装置により車両の前方の物体を容易に検知できる。特に一組のレーダー装置をキャビンの前面の左右両側に離間配置する場合には、灯火類などを避けてレーダー装置の設置場所を確保する必要があるが、左右のコーナーパネル内を利用することにより、周辺部材に影響を及ぼすことなく適切位置にレーダー装置を配設することができる。
例えば車両の仕向地に応じて情報取得装置と電動格納ユニットとを選択的に収容空間内に配設する場合であっても、それに応じて車体側に専用の取付部を設ける必要がなくなり、例えば必要に応じてコーナーパネルだけ専用品を用いて対応できる。よって、車両製造時の作業工程を簡略化でき、ひいては車両の製造コストを低減することができる。
従って、情報取得装置と電動格納ユニットとに応じて、車体側に専用の貫通孔を設ける必要がなくなり、車両製造時の作業工程を一層簡略化することができる。
図1は本実施形態のGPSアンテナの設置構造が適用されるキャブオーバー型トラックのキャビンを示す斜視図である。
車両のキャビン1は全体としてボックス状をなすように鋼板製の車体パネルで構成され、図示しない車体フレームの前部に設置されている。キャビン1に開口形成された開口部1a,1bにはフロントウィンドウ2やサイドミラー3を備えた左右のドアパネル4などの外装部材が取り付けられ、キャビン1の車室内にはインストルメントパネルや運転席などが配設されている。
図2は図1中のA箇所に相当するGPSアンテナの配設状態を示す斜視図、図3は同じくGPSアンテナの配設状態を示す分解斜視図である。
また、このようにコーナーパネル11の膨出部12は前方に向けて膨出しているが、車両の最前端に相当するフロントバンパ8の前面よりは車両後方に位置している。これにより、車長を延長することなく膨出部12を形成できるので、車両全体の設計を調整することなく膨出部12を形成するコーナーパネル11を容易に車両に搭載できる。
左右のコーナーパネル11は左右対称の同一構成であり、車体パネルへの取付についても共通する。但し、右側のコーナーパネル11が意匠的な機能を果たすだけであるのに対し、左側のコーナーパネル11内の収容空間13はGPSアンテナの設置にも利用されており、以下、その詳細を説明する。
GPSアンテナ14は収容空間13内に配設された上で、これらのネジ孔15に対してブラケット16を介して取り付けられている。なお、ブラケット16を用いることなくGPSアンテナ14を車体パネルに直接取り付けてもよいし、ネジ孔15以外の取付部を設けてもよい。
一方、本実施形態のキャブオーバー型トラックでは、左側のコーナーパネル11内にGPSアンテナ14に代えてサイドミラー21の電動格納ユニット22を配設できるように構成されている。そのためにGPSアンテナ14と同じく、電動格納ユニット22も車体パネルのネジ孔15に対して取付可能に構成されている。なお、左側のコーナーパネル11内に電動格納ユニット22を配設する場合には、左側のドアパネル4に設けられたサイドミラー3が廃止される。また、右側のコーナーパネル11内にも電動格納ユニット22を配設してもよい。
電動格納ユニット22の信号線22bは車体パネルの貫通孔18を介して車室内に引き込まれ、サイドミラー21を格納操作するための図示しない格納スイッチ及び電源に接続されている。
電動格納ユニット22にはモータ及びギヤ機構が内蔵され、モータの駆動によりギヤ機構を介してステー23と共にサイドミラー21が水平方向に回転駆動されるようになっている。車庫入れなどのようにサイドミラー21が周囲の障害物に干渉する虞がある場合に格納スイッチが操作され、その操作に応じて電動格納ユニット22によりサイドミラー21が通常角度から図4中に矢印で示す前方に回転し、これにより障害物との干渉によるサイドミラー21の破損が防止される。
これに対して例えばブラジルでは、車両が盗難されたときに追跡できるように、自動的に自車位置を発信する追尾システムを車両に搭載することが法規で義務付けられており、必然的にGPS信号を受信するためのGPSアンテナ14の装備が必須となる。そこで、ブラジル向けの車両では左側のコーナーパネル11内にGPSアンテナ14を配設すればよい。また、顧客の希望に応じて、GPSアンテナ14と電動格納ユニット22との何れを搭載するかを選択するようにしてもよい。
周知のようにGPSアンテナ14は衛星からGPS信号を受信し、このGPS信号に基づきナビゲーション装置により自車位置が特定されて、例えば目的地までの経路案内などの運転支援が車室内の図示しないディスプレイやスピーカによって行われる。
GPSアンテナ14が本来の機能を発揮するには良好なGPS信号の受信感度が確保されている必要があり、そのためにはGPSアンテナ14の上方が車体を構成する部材、例えばキャビン1のルーフ部分などに遮られない必要がある。特に[背景技術]でも述べたようにフロントウィンドウ2の傾斜が少ないキャブオーバー型車両では、車室内のインストルメントパネル上にGPSアンテナ14を設置すると、金属製のルーフに遮られてGPSアンテナ14の受信感度が低下してしまう。
従って、車両の仕向地に応じてGPSアンテナ14と電動格納ユニット22とを選択的に搭載する場合であっても、それに応じて車両(キャビン1)側に専用のネジ孔15及び貫通孔18を設ける必要がなくなり、コーナーパネル11のみ専用品(ステー孔11aの有無)を用いるだけで対応できる。よって、車両製造時の作業工程を簡略化でき、ひいては車両の製造コストを低減できるという効果も得られる。
GPSアンテナ14の場合と同じく、撮像装置31も左側のコーナーパネル11の膨出部12により形成された収容空間13内に配設され、ブラケット16により車体パネルに取り付けられる。そして、撮像装置31の信号線31aは車体パネルの貫通孔18を介して車室内に引き込まれ、図示しないディスプレイに接続される。
ブラケット16の基本構成はGPSアンテナ14用のものと同様であり、車体パネルに取付部として設けられた共通するネジ孔15に対してビス17により取り付けられる。コーナーパネル11の膨出部12には撮像装置31と対応する位置にレンズ孔11bが貫設され、このレンズ孔11bを介して撮像装置31による撮像が行われる。
撮像装置31が載置・固定されるブラケット16の載置面16aは、撮像装置31を所定の撮像方向に指向させるために角度設定されている。
具体的には、図6,7に示すように運転者の左斜め前方への視界は、略水平方向には良好であるものの、図中に矢印で示す斜め下方にはキャビン1を構成する車体パネルによりほとんど遮られてしまう。この運転者にとって死角となる領域を撮像装置31により撮像すべく、撮像装置31を矢印で示す左斜め前方且つ斜め下方に指向させるようにブラケット16の載置面16aの角度が設定されている。撮像画像は信号線31aを経てディスプレイに入力され、車両の走行中にディスプレイ上に撮像画像が表示される。
図6,7に示すように、運転者の左斜め前方且つ斜め下方への視界は、コーナーパネル11の位置に相当する車体パネルにより遮られて死角を形成している。このため、コーナーパネル11内に配設された撮像装置31は、図中に矢印で示す運転者の視線上に位置することになり、且つ上記のように運転者の視線方向(左斜め前方且つ斜め下方)に指向している。このため、必然的に運転者が肉眼で視認した光景と同様の角度で死角となる領域が撮像装置31により撮像される。
なお、この例では左側のコーナーパネル11のみに撮像装置31を配設したが、右側のコーナーパネル11内にも撮像装置31を配設してもよい。図示はしないが、右側の撮像装置31は運転者の右方の死角、即ち右斜め前方且つ斜め下方の領域を撮像するように角度設定される。よって、上記した左側の撮像装置31と同じく、運転者が肉眼で視認した光景と同様の角度で死角となる領域を撮像して表示でき、運転者が直感的に状況を把握可能となる。
この例では、一組のレーダー装置41をキャビン1の前面の左右両側に離間配置し、両レーダー装置41からの検知信号に基づき車両前方の物体を認識する原理を採っている。キャビン1前面の左右位置には法規に基づき灯火類7などの設置が義務付けられている。このため、灯火類7などを避けてレーダー装置41の設置場所を確保する必要があると共に、レーダー装置41の特性上、高所への設置は検知機能の低下の要因になる。
レーダー装置41の具体的な配設状態は上記したGPSアンテナ14や撮像装置31と同様である。左右のコーナーパネル11の収容空間13内にレーダー装置41が配設され、ブラケット16により車体パネルに取り付けられる。レーダー装置41の信号線41aは車体パネルの貫通孔18を介して車室内に引き込まれ、図示しない車間距離制御用の制御回路やディスプレイに接続される。
例えば、レーダー装置41は自車の前方を走行中の先行車などを検知し、その検知情報に基づき制御回路により相対距離や相対速度などが算出され、車間距離が不適切と判断された場合には必要に応じてディスプレイ上での警報や自動ブレーキが実行される。
なお、周知のように、この種の車間距離制御にはレーダー装置41に代えて撮像装置を利用する手法も存在する。当該手法では、キャビン1前面に左右に撮像装置を離間配置して、それぞれの撮像装置により撮像された画像を解析することで車間距離などを割り出して車間距離制御に利用している。このような場合でも左右の撮像装置を左右のコーナーパネル11内に配設すれば、上記レーダー装置41と同様の作用効果が得られる。
また上記実施形態では、電動格納ユニット22やGPSアンテナ14の間でネジ孔15及び貫通孔18を共通化したが、必ずしも共通化する必要はなく、コーナーパネル内に配設する装置に応じて車体パネルにネジ孔15及び貫通孔18を設けるようにしてもよい。
2 フロントウィンドウ
4 ドアパネル
5 フロントパネル
11 コーナーパネル
12 膨出部
13 収容空間
14 GPSアンテナ(情報取得装置)
14a 信号線
15 ネジ孔(取付部)
21 サイドミラー
22 電動格納ユニット
22b 信号線
31 撮像装置(情報取得装置)
31a 信号線
41 レーダー装置(情報取得装置)
41a 信号線
Claims (7)
- フロントウィンドウの下側に位置するフロントパネルと左右のドアパネルとの間にそれぞれコーナーパネルを配設し、キャビンを構成する車体パネルの一部を上記コーナーパネルにより隠蔽したキャブオーバー型車両において、
少なくとも上記左右何れかのコーナーパネルに、上記フロントパネルの表面と上記ドアパネルの表面とを連続させる面よりも車両前方側に向けて膨出する膨出部を形成して、該コーナーパネルの膨出部と上記車体パネルとの間に収容空間を画成し、該収容空間内に外部から情報を取得する情報取得装置を配設したことを特徴とするキャブオーバー型車両。 - 前記膨出部は、さらに車両最前端よりも後方に位置することを特徴とする請求項1に記載のキャブオーバー型車両。
- 上記情報取得装置は、衛星からのGPS情報を受信するGPSアンテナであることを特徴とする請求項1または2に記載のキャブオーバー型車両。
- 上記情報取得装置は、上記車両の外部を撮像する撮像装置であることを特徴とする請求項1または2に記載のキャブオーバー型車両。
- 上記情報取得装置は、上記車両の前方の物体を検知するレーダー装置であることを特徴とする請求項1または2に記載のキャブオーバー型車両。
- 上記コーナーパネルにより隠蔽される上記車体パネルの箇所に、上記情報取得装置とミラーの電動格納ユニットとに共通する取付部を設け、上記収容空間内に上記情報取得装置と電動格納ユニットの何れかを選択的に配設して上記取付部に固定可能としたことを特徴する請求項1乃至5の何れか記載のキャブオーバー型車両。
- 上記車体パネルの箇所に、上記取付部と共に上記情報取得装置と上記電動格納ユニットとに共通する貫通孔を貫設し、該貫通孔を介して上記情報取得装置または電動格納ユニットの信号線を車室内に引き込み可能としたことを特徴する請求項6記載のキャブオーバー型車両。
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