JP2014041567A - 電磁波シールド用光透過性フィルム、その製造方法及びそれを含有する表示装置付きタッチパネル - Google Patents

電磁波シールド用光透過性フィルム、その製造方法及びそれを含有する表示装置付きタッチパネル Download PDF

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Katsunori Muto
勝紀 武藤
Morio Takizawa
守雄 滝沢
Osamu Tanaka
治 田中
Yasuhiro Nakatani
康弘 中谷
Hideki Hayashi
秀樹 林
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Abstract

【課題】タッチパネルとして構成しようとしたときに、隣接する他層との密着性が従来のものに比べてより優れている電磁波シールド用光透過性フィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】(a)光透過性支持層;及び
(b)光透過性導電層
を含有する、ヘイズ2%以下の電磁波シールド用光透過性フィルムであって、
前記光透過性導電層(b)が、前記光透過性支持層(a)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
少なくとも一方の前記光透過性導電層(b)の、光透過性支持層(a)とは反対側の面が、
i)平均表面粗さRaが、4nm以上であり、
ii)最大高さ粗さRzが、50nm以上である
ことを特徴とする、
電磁波シールド用光透過性フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波シールド用光透過性フィルム、その製造方法及びそれを含有する表示装置付きタッチパネルに関する。
画面上の表示を叩く(タップ)及びずらす(ドラッグ)等のいわゆる感覚的な入力により、携帯電話(スマートフォン)及びタブレット型コンピューター等の電子機器(以下、「被操作電子機器」という。)を操作できるタッチパネルが人気を集めている。タッチパネルとは、指等で接触することにより入力が可能な光透過性窓部を有する入力装置のことをいい、これを液晶ディスプレイ等の表示装置と組み合わせたうえで使用される。本明細書では、前記入力装置及び前記表示装置を組み合わせたものを表示装置付きタッチパネルという。通常、ユーザーからみて光透過性窓部の向こう側に液晶ディスプレイ等の表示装置、さらにその向こう側に被操作電子機器がそれぞれ位置することとなる。ユーザーは、表示装置が表示するボタン等の各種表示を、光透過性窓部を通して確認することができ、さらに、光透過性窓部の表面を指で触るなどすることにより、タップ等の各種入力を行い、これを指令として送ることにより被操作電子機器を操作できる。
タッチパネルと組み合わせて用いられる液晶ディスプレイ等の表示装置は、電磁波を発生することが知られている。また、被操作電子機器自体もその多くが電磁波を発生するものである。近年、表示装置及び被操作電子機器に由来する電磁波がタッチパネルの光透過性窓部を通って人体へと与えうる影響が懸念されている。
タッチパネルの光透過性窓部は、通常、光透過性導電性フィルムを含有する積層化フィルムで構成される。光透過性導電性フィルムは、通常、光透過性導電層を含有する積層体である。
そこで、電磁波を遮蔽することを目的として、電磁波を遮蔽する性質を有する層を含有する、光透過性導電性フィルムが種々報告されている(特許文献1及び2)。
特開2005−018551号公報 特開2009−301830号公報
しかしながら、本発明者らが検討したところ、従来の電磁波シールド用光透過性フィルムにおいては、他の層と互いに隣接するようにして積層化することによりタッチパネルとして構成しようとしたときに、隣接する他層との密着性が十分ではないという問題があった。
したがって、本発明は、タッチパネルとして構成しようとしたときに、隣接する他層との密着性が従来のものに比べてより優れている電磁波シールド用光透過性フィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、従来の電磁波シールド用光透過性フィルムの種々の特性に関して様々な設計変更を行い、他層との密着性を改善できるものがないか検討した。その結果、偶然にも、他層と隣接する面の平均表面粗さRa及び最大高さ粗さRzを所定の値以下とすることにより、他層との密着性が改善されることを本発明者らは突き止めた。
本発明は上記の新しい知見に基づいてさらなる研究を重ねることにより完成されたものである。本発明の要旨を以下に示す。
項1
(a)光透過性支持層;及び
(b)光透過性導電層
を含有する、ヘイズ2%以下の電磁波シールド用光透過性フィルムであって、
前記光透過性導電層(b)が、前記光透過性支持層(a)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
少なくとも一方の前記光透過性導電層(b)の、光透過性支持層(a)とは反対側の面が、
i)平均表面粗さRaが、4nm以上であり、かつ
ii)最大高さ粗さRzが、50nm以上である
ことを特徴とする、
電磁波シールド用光透過性フィルム。
項2
前記光透過性導電層(b)が、酸化インジウムスズを含有する、項1に記載の電磁波シールド用光透過性フィルム。
項3
さらに、少なくとも1層からなる
(c)光学調整層
を含有し、かつ
少なくとも一方の前記光透過性導電層(b)が、前記光透過性支持層(a)の面に、少なくとも光学調整層(c)を介して配置されている、
項1又は2に記載の電磁波シールド用光透過性フィルム。
項4
タッチパネル;
項1〜3のいずれかに記載の電磁波シールド用光透過性フィルム;及び
表示装置
を含有する、表示装置付きタッチパネル。
項5
さらに、光学用透明粘着(OCA)層を含有し、前記電磁波シールド用光透過性フィルムが、前記光透過性導電層(b)と前記OCA層が隣接するように配置されている、項4に記載の表示装置付きタッチパネル。
本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムを用いてタッチパネルを構成することによって、電磁波シールド用光透過性フィルムと他の層との間の密着性が従来のものよりも改善されたタッチパネルを提供できる。
光透過性支持層(a)の片面に光透過性導電層(b)が隣接して配置されている、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(a)の両面に光透過性導電層(b)が隣接して配置されている、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(a)の片面に光学調整層(c1)及び光透過性導電層(b)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(a)の両面に光学調整層(c1)及び光透過性導電層(b)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(a)の片面に第二の光学調整層(c2)、第一の光学調整層(c1)及び光透過性導電層(b)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(a)の両面に第二の光学調整層(c2)、第一の光学調整層(c1)及び光透過性導電層(b)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(a)の片面にハードコート層(d)、第二の光学調整層(c2)、第一の光学調整層(c1)及び光透過性導電層(b)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(a)の両面にハードコート層(d)、第二の光学調整層(c2)、第一の光学調整層(c1)及び光透過性導電層(b)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(a)の一方の面にハードコート層(d)、第二の光学調整層(c2)、第一の光学調整層(c1)及び光透過性導電層(b)がこの順で互いに隣接して配置されており、かつ、光透過性支持層(a)の他方の面にハードコート層(d)が直接配置されている、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムを示す断面図である。
1. 電磁波シールド用光透過性フィルム
本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムは、
(a)光透過性支持層;及び
(b)光透過性導電層
を含有する、ヘイズ2%以下の電磁波シールド用光透過性フィルムであって、
前記光透過性導電層(b)が、前記光透過性支持層(a)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
少なくとも一方の前記光透過性導電層(b)の、光透過性支持層(a)とは反対側の面が、
i)平均表面粗さRaが、4nm以上であり、かつ
ii)最大高さ粗さRzが、50nm以上である
ことを特徴とする、
電磁波シールド用光透過性フィルムである。
本発明において「光透過性」とは、光を透過させる性質を有する(translucent)ことを意味する。「光透過性」には、透明(transparent)が含まれる。本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムは、全光線透過率が、特に限定されないが、例えば80%以上であり、好ましくは85%以上、より好ましくは87%以上である。本発明において全光線透過率は、ヘーズメーター(日本電色社製、商品名:NDH−2000、またはその同等品)を用いてJIS−K−7105に基づいて測定する。
本発明において「ヘイズ」は、以下のようにして測定する。JISK 7105のヘイズ(曇度)に準じ、日本電色工業株式会社、商品名「NDH2000」又はその同等品を用いて測定する。
本明細書において、光透過性支持層(a)の一方の面に配置される複数の層のうち二つの層の相対的な位置関係について言及する場合、光透過性支持層(a)を基準にして、光透過性支持層(a)からの距離が大きい一方の層を「上層」又は「上方に位置する」等といい、光透過性支持層(a)からの距離が小さい他方の層を「下層」又は「下方に位置する」等ということがある。
図1に、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(a)の片面に光透過性導電層(b)が互いに隣接して配置されている。
図2に、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムの別の態様を示す。この態様では、光透過性支持層(a)の両面に光透過性導電層(b)が互いに隣接して配置されている。
1.1 光透過性支持層(a)
本発明において光透過性支持層とは、光透過性導電層を含有する電磁波シールド用光透過性フィルムにおいて、光透過性導電層を含む層を支持する役割を果たすものをいう。光透過性支持層(a)としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用光透過性フィルム(電磁波シールド用に限らず、タッチパネル電極用として用いられるものも含む)において、光透過性支持層として通常用いられるものを用いることができる。
光透過性支持層(a)の素材は、特に限定されないが、例えば、各種の有機高分子等を挙げることができる。有機高分子としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂及びポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられる。ポリエーテル系樹脂としては、ポリエーテルスルホン系樹脂等が挙げられる。光透過性支持層(a)の素材は、ポリエステル系樹脂が好ましく、中でも特にPETが好ましい。光透過性支持層(a)は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。
光透過性支持層(a)の厚さは、特に限定されないが、好ましくは2〜300μm、より好ましくは20〜200μmである。光透過性支持層(a)の厚さをこれらの下限値以上とすることによって、電磁波シールド用光透過性フィルムに十分な機械的強度を付与できる。また、電磁波シールド用光透過性フィルムとしては通常、ある程度の厚さ以下であることが要求される。このように電磁波シールド用光透過性フィルムとして通常要求される厚さを達成するためには、光透過性支持層(a)の厚さを上記の上限値以下とすることが好ましい。
1.2 光透過性導電層(b)
光透過性導電層(b)は、前記光透過性支持層(a)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されている。
光透過性導電層(b)は導電性物質を含有する。導電性物質としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用光透過性フィルム(電磁波シールド用に限らず、タッチパネル電極用として用いられるものも含む)において通常用いられる導電性物質を用いることができる。
光透過性導電層(b)に含有される導電性物質としては、特に限定されないが、例えば、金属が挙げられる。金属としては、金属酸化物が好ましい。金属酸化物としては、特に限定されないが、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫及び酸化チタン等が挙げられる。これらのうちいずれか単独を光透過性導電層(b)に含有される導電性物質として用いてもよいし、これらから選択される複数種を光透過性導電層(b)に含有される導電性物質として用いてもよい。光透過性導電層(b)に含有される導電性物質としては、透明性と導電性を両立する点でスズをドープした酸化インジウムが好ましい。この場合において、スズをドープした酸化インジウムとしては、酸化インジウム(III)(In)と酸化スズ(IV)(SnO)を用いて得られた無機化合物である酸化インジウムスズ(あるいはスズドープ酸化インジウム、tin−dopedindium oxide、又はITOとも呼ばれる)が好ましい。この場合における、SnOの添加量としては、特に限定されないが、例えば、1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%、より好ましくは3〜8重量%等が挙げられる。
光透過性導電層(b)の、光透過性支持層(a)とは反対側の面の平均表面粗さRaは、4nm以上である。これにより隣接する他層との密着性が改善される。光透過性導電層(b)の、光透過性支持層(a)とは反対側の面の平均表面粗さRaは、隣接する他層との密着性がより改善されるという点で、5nm以上であればより好ましい。なお、前記面の平均表面粗さRaは、特に限定されないが、通常、6nm以下である。
光透過性導電層(b)の、光透過性支持層(a)とは反対側の面の最大高さ粗さRzは、50nm以上である。光透過性導電層(b)の、光透過性支持層(a)とは反対側の面の最大高さ粗さRzは、隣接する他層との密着性がより改善されるという点で、80nm以上であればより好ましい。なお、前記面の最大高さ粗さRzは、特に限定されないが、通常、150nm以下である。
特に限定されないが、光透過性導電層(b)の、光透過性支持層(a)とは反対側の面の10点平均粗さRzjisが60nm以下であれば、隣接する他層との密着性がより改善されるため好ましい。光透過性導電層(b)の、光透過性支持層(a)とは反対側の面の10点平均粗さRzjisは、隣接する他層との密着性がより改善されるという点で、60nm以下であればより好ましく、54nm以下であればさらに好ましい。なお、前記面の10点平均粗さRzjisは、特に限定されないが、通常、30nm以上である。
本発明において平均表面粗さRa、最大高さRz及び十点平均粗さRzjisは、市販の走査型プローブ顕微鏡(株式会社島津製作所、SPM−9700、又はその同等品)および市販の走査型プローブ顕微鏡用マイクロカンチレバー(オリンパス社、OMCL−NCHR−10、バネ定数42N/m、またはその同等品)を用いて、所定のダイナミックモードで10μm×10μm平方の測定面を探針で走査して得られる512×512画素の形状像から求める。本発明における平均面粗さRaは走査型プローブ顕微鏡を用いて測定される粗さの算術平均を意味する。上記方法にて得られた形状像の全領域における平均線からの絶対偏差を平均した値である。また、最大高さRzはRaと同様にして得られた形状像の全領域内における最大高さの値である。さらに、十点平均粗さRzjisは、Raと同様にして得られた形状像の全領域内における粗さ曲線で最高の山頂から高い順に5番目までの山頂の高さの平均値と、最深の谷底から深い順に5番目までの谷の深さの平均値との和を求めた値である。なお、Ra、Rz及びRzjisは2次元に拡張する。また、Ra、Rz及びRzjisは市販のAFM装置に付属する解析ソフトを用いて求める。より詳細には、上記方法にて観察する形状像の全領域に対して、株式会社島津製作所、SPM−9700、又はその同等品の解析ソフトを用いて求める。
光透過性導電層(b)の厚さは、特に限定されないが、通常は5〜50nmであり、好ましくは10〜40nm、より好ましくは12〜35nm、さらに好ましくは15〜30nmである。
光透過性導電層(b)を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、イオンプレーティング法、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、及びパルスレーザーデポジション法等が挙げられる。これらのうち、タッチパネル用途に低抵抗で大面積の均質な膜を安定に生産するという観点において、スパッタリング法が好ましい。
光透過性導電層(b)を形成する方法としては、導電性物質を焼成する工程を含有する方法が好ましい。焼成方法としては、特に限定されないが、例えばスパッタリング等を行う際のドラム加熱や、熱風式焼成炉、遠赤外線焼成炉などを例として挙げることができる。焼成温度は、特に限定されないが、通常は30〜250℃であり、好ましくは50〜200℃、より好ましくは80〜180℃、さらに好ましくは100〜160℃である。焼成時間は、好ましくは3分〜180分、より好ましくは5分〜120分、さらに好ましくは10分〜90分である。焼成を行う雰囲気としては、真空下、大気、窒素やアルゴンなどの不活性ガス、酸素、若しくは水素添加窒素等、又はこれらのうち二種以上の組合せが挙げられる。導電性物質を焼成することにより、導電性物質の結晶化が促進される。
光透過性導電層(b)の、光透過性支持層(a)とは反対側の面の平均表面粗さRa等を所望の範囲内とするためには、特に限定されないが、光透過性導電層(b)の下地となる層をあらかじめエッチングすることにより、平均表面粗さRaがより低下する傾向があること、また、スパッタ出力を上げることにより平均表面粗さRaをより低下させることができる傾向があること等を利用して適宜所望の平均表面粗さRaを前記面に付与することができる。
1.3 光学調整層(c)
本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムは、さらに、少なくとも1層からなる光学調整層(c)を含有し、かつ少なくとも一方の前記光透過性導電層(b)が、前記光透過性支持層(a)の面に、少なくとも光学調整層(c)を介して配置されていてもよい。
図3に、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(a)の一方の面に直接、光学調整層(c1)が配置されており、さらに、光透過性導電層(b)が直接、光学調整層(c1)の上に配置されている。
図4に、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(a)の両面に直接、光学調整層(c1)が配置されており、さらに、光透過性導電層(b)が直接、光学調整層(c1)の上に配置されている。
光学調整層(c)は、光学干渉作用により電磁波シールド用光透過性フィルムの透過率を向上させる機能を有する層である。
光学調整層(c)としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用光透過性フィルム(電磁波シールド用に限らず、タッチパネル電極用として用いられるものも含む)において通常用いられる光学調整層を用いることができる。
特に限定されないが、例えば、相対的に高い屈折率を有する第一の光学調整層(高屈折率層)(c1)及び相対的に低い屈折率を有する第二の光学調整層(低屈折率層)(c2)をこの順で下層側(光透過性支持層(a)側)から順に互いに隣接して配置することにより、上記機能を有する二層構造の光学調整層を構成することができる。
図5に、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(a)の一方の面に直接、光学調整層(c2)が配置されており、光学調整層(c1)が直接、光学調整層(c2)の上に配置されており、さらに、光透過性導電層(b)が直接、光学調整層(c1)の上に配置されている。
図6に、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(a)の両面に直接、光学調整層(c2)が配置されており、光学調整層(c1)が直接、光学調整層(c2)の上に配置されており、さらに、光透過性導電層(b)が直接、光学調整層(c1)の上に配置されている。
上記二層構造の光学調整層(c1)及び(c2)の具体例としては、特に限定されないが、例えば、高屈折率層として屈折率1.6〜1.69のものを用い、さらに低屈折率層として屈折率1.30〜1.55のものを用いることができる。左記においては、高屈折率層は低屈折率層よりも高い屈折率を有する。
特に限定されないが、上記二層構造の光学調整層(c1)としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化シラン、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ジルコニウム及び酸化インジウム錫等が挙げられる。またウェットコート法で形成する場合、前記金属酸化物の超微粒子及び硬化成分の混合物を用いることが好ましい。硬化成分としては、特に限定されないが、例えば多官能又は単官能の(メタ)アクリレートエステル、並びにテトラエトキシシラン等の珪素化合物等を用いることができる。具体的には、高屈折率樹脂としては、例えば、スチロール樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルカルバゾール及びビスフェノールA等のポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリテトラブロモビスフェノールAグリシジルエーテル、ポリビスフェノールSグリシジルエーテル及びポリビニルピリジン等が挙げられる。高屈折率微粒子としては、例えばZnO、TiO、CeO、Sb、SnO、ITO、Y、La、ZrO、Al等が挙げられる。上記二層構造の光学調整層(c2)としては、例えば、酸化珪素、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム及びフッ化セリウム等の無機物、並びに含フッ素有機化合物等が挙げられる。またウェットコート法で形成する場合、パーフルオロアルキル基を含有する金属アルコキシド等の金属アルコキシド、並びにアクリレートオリゴマー等の有機樹脂を硬化成分とし、フッ素含有微粒子や珪素含有微粒子を分散させた混合物を用いることが好ましい。
光学調整層(c)を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、イオンプレーティング法、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、及びパルスレーザーデポジション法等が挙げられる。
1.4 ハードコート層(d)
本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムは、さらに、ハードコート層(d)を含有し、かつ少なくとも一方の光透過性導電層(b)が、少なくともハードコート層(d)を介して光透過性支持層(a)の面に配置されていてもよい。言い換えれば、少なくとも一方の光透過性導電層(b)が、ハードコート層(d)のみを介して光透過性支持層(a)の面に配置されていてもよいし、あるいは、ハードコート層(d)及びその他の少なくとも1種の層を介して光透過性支持層(a)の面に配置されていてもよい。後者の場合においては、当該光透過性導電層(b)が、当該ハードコート層(d)と隣接して配置されていてもよいし、さらにその他の少なくとも1種の層を介して当該ハードコート層(d)の面に配置されていてもよい。
ハードコート層(d)は、光透過性支持層(a)の少なくとも一方の面に、直接又はその他の少なくとも1種の層を介して配置されている。
ハードコート層(d)は、好ましくは光透過性支持層(a)の少なくとも一方の面に隣接して配置されている。
ハードコート層(d)は、一層が配置されていてもよい。あるいは二層以上が互いに隣接して、または他の層を介して互いに離間して配置されていてもよい。
ハードコート層(d)は、光透過性支持層(a)の両面にそれぞれ配置されていてもよい。この場合、ハードコート層(d)は、光透過性支持層(a)の両面に直接配置されていてもよい。この場合、ハードコート層(d)は、光透過性支持層(a)面に一層だけ配置されていてもよい。
図7に、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(a)の一方の面に直接、ハードコート層(d)が配置されており、光学調整層(c2)が直接、ハードコート層(d)の上に配置されており、光学調整層(c1)が直接、光学調整層(c2)の上に配置されており、さらに、光透過性導電層(b)が直接、光学調整層(c1)の上に配置されている。
図8に、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(a)の両面に直接、ハードコート層(d)が配置されており、光学調整層(c2)が直接、ハードコート層(d)の上に配置されており、光学調整層(c1)が直接、光学調整層(c2)の上に配置されており、さらに、光透過性導電層(b)が直接、光学調整層(c1)の上に配置されている。
図9に、本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(a)の一方の面に直接、ハードコート層(d)が配置されており、光学調整層(c2)が直接、ハードコート層(d)の上に配置されており、光学調整層(c1)が直接、光学調整層(c2)の上に配置されており、さらに、光透過性導電層(b)が直接、光学調整層(c1)の上に配置されており、かつ、光透過性支持層(a)の他方の面に直接、ハードコート層(d)が配置されている。
本発明においてハードコート層とは、プラスチック表面の傷つきを防止する役割を果たすものをいう。ハードコート層(d)としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用光透過性フィルム(電磁波シールド用に限らず、タッチパネル電極用として用いられるものも含む)においてハードコート層として通常用いられるものを用いることができる。
ハードコート層(d)の素材は、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂及びアルキド系樹脂等が挙げられる。ハードコート層(d)の素材としては、さらに、シリカ、ジルコニア、チタニア及びアルミナ等のコロイド粒子等を上記樹脂中に分散させたものも挙げられる。ハードコート層(d)は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。ハードコート層(d)としては、ジルコニア粒子を分散したアクリル樹脂が好ましい。
ハードコート層(d)の一層あたりの厚さは、特に限定されないが、例えば0.1〜10μm、1〜7μm、及び2〜6μm等が挙げられる。二層以上が互いに隣接して配置されている場合は互いに隣接している全てのハードコート層(d)の合計厚さが上記範囲内であればよい。左記の例示列挙においては後出のものが前出のものよりも好ましい。
ハードコート層(d)を配置する方法としては、特に限定されないが、例えば、フィルムに塗布して、熱で硬化する方法、紫外線や電子線などの活性エネルギー線で硬化する方法等が挙げられる。生産性の点で、紫外線により硬化する方法が好ましい。
1.5 その他の層
本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムは、光透過性支持層(a)の少なくとも一方の面に、光透過性導電層(b)に加えて、光学調整層(c)、ハードコート層(d)及びそれらと異なる少なくとも1種のその他の層(e)からなる群より選択される少なくとも1種の層がさらに配置されていてもよい。
その他の層(e)としては、特に限定されないが、例えば、接着層等が挙げられる。
接着層とは、二層の間に当該二層と互いに隣接して配置され、当該二層間を互いに接着するために配置される層である。接着層としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用電磁波シールド用光透過性フィルムにおいて接着層として通常用いられるものを用いることができる。接着層は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。
1.8 本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムの用途
本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムは、表示装置付きタッチパネルのための電磁波シールド用光透過性フィルムとして用いることができる。具体的には、タッチパネルと組み合わせて用いられる液晶ディスプレイ等の表示装置、又はタッチパネルにより操作される電子機器等から発生する電磁波をシールドする目的のために用いられる。表示装置付きタッチパネルについて詳細は、2で説明する通りである。
2.本発明の表示装置付きタッチパネル
本発明の表示装置付きタッチパネルは、タッチパネル、表示装置及び本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムを含む。以下に、本発明の表示装置付きタッチパネルの具体的構成例としては、特に限定されないが、例えば次のようなものが挙げられる。
2.1 構成例1
上からカバーガラス、OCA、導電性フィルム、OCA、ITOフィルム、OCA、本発明の電磁波シールドフィルム、OCA及び液晶表示パネルが積層されてなる構成
2.2 構成例2
上から導電層付きカバーガラス、OCA、導電性フィルム、OCA、本発明の電磁波シールドフィルム、OCA及び液晶表示パネルが積層されてなる構成
2.3 構成例3
上からカバーガラス、OCA、両面導電層付きガラス、OCA、本発明の電磁波シールドフィルム及びOCA液晶表示装置が積層されてなる構成
3. 本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムの製造方法
本発明の電磁波シールド用光透過性フィルムの製造方法は、光透過性支持層(a)の少なくとも一方の面に、光透過性導電層(b)を配置する工程を含む。
本発明の光透過性導電性フィルムの製造方法は、光透過性支持層(a)の少なくとも一方の面に、光透過性導電層(b)に加えて、光学調整層(c)、ハードコート層(d)及びそれらと異なる少なくとも1種のその他の層(e)からなる群より選択される少なくとも1種の層をそれぞれ配置する工程をそれぞれ含んでいてもよい。
上記において、それぞれの層を配置する工程は、それぞれの層について説明した通りである。それぞれの層を配置する順番については、特に限定されない。例えば、光透過性支持層(a)の少なくとも一方の面に光透過性支持層(a)側から順次配置させてもよい。あるいは、例えば、最初に光透過性支持層(a)ではない層(例えば、光透過性導電層(b))の一方の面に他の層を配置させてもよい。あるいは、一方で2種以上の層を互いに隣接するように配置させることにより1種の複合層を得てから、又はそれと同時に、他方で同様に2種以上の層を互いに隣接するように配置させることにより1種の複合層を得て、これらの2種の複合層をさらに互いに隣接するように配置させてもよい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
1. 光透過性導電性フィルムの製造のための材料の調製
以下の製法により、それぞれ光透過性導電性フィルムを得た。
1.1 ハードコート用材料の調製
光重合剤含有アクリル系オリゴマーに、トルエンとメチルイソブチルケトン(MIBK)とを5:5(重量比)の割合にて混合してなる混合溶媒を加えて、液状のハードコート用材料(固形分濃度:40重量%)を調製した。
1.2 高屈折率層用材料の調製
平均粒子径が20〜40nmである酸化ジルコニウム16重量部、ウレタンアクリレートオリゴマー5重量部、光重合開始剤3重量部、並びにメチルイソブチルケトン(MIBK)及びメチルエチルケトン(MEK)を5:5(重量比)の割合にて混合してなる混合溶媒(以下、MIBK/MEK混合溶媒という)を用いて、液状の高屈折率層用材料(固形分濃度:5重量%)を調製した。
1.3 低屈折率層用材料の調製
平均粒子径が10〜20nmであるコロイダルシリカ:100重量部と、光重合剤含有ウレタンアクリレートオリゴマー20重量部と、MIBK/MEK混合溶媒とを用いて、液状の低屈折率層用材料(固形分濃度:5重量%)を調製した。
このようにして得られた各材料を用いて、以下に述べる手法にしたがい、光学調製フィルム及び透明導電性フィルムを作製した。
2. 光透過性導電性フィルムの製造及び特性評価
2.1 実施例1
厚さ125μmの易接着性ポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名:A4300)の一方の面に、液状のハードコート用材料をロールコーターで塗工し、その塗工膜を、ドライヤーオーブンを用いて、100℃×1分の条件で加熱乾燥した。次いで、乾燥後の塗工膜に対して紫外線を照射することにより(照射量:300mJ/cm)、ポリエステルフィルム上に厚さ約2μmのハードコートを設けた。ポリエステルフィルムの他方の面に対しても同一の作業を施すことにより、ポリエステルフィルムの両面に厚さ約2μmのハードコートが設けられてなるハードコートフィルムを得た。
得られたハードコートフィルムの一方の面に、別途調製した液状の高屈折率層用材料を、ロールコーターを用いて塗工し、その塗工膜を、ドライヤーオーブンを用いて100℃×1分の条件で加熱乾燥した。次いで、乾燥後の塗工膜に対して、窒素パージ下において紫外線を照射して(照射量:300mJ/cm)、塗工膜に含まれるウレタンアクリレートオリゴマーを架橋することにより、ポリエステルフィルムのハードコート上に高屈折率層を設けた。なお、最終的に得られる高屈折率層の光学膜厚が70nmとなるように、高屈折率層材料からなる塗工膜の厚さを調整した。
また、別途調製した液状の低屈折率層用材料を、ロールコーターを用いて高屈折率層上に塗工し、その塗工膜を、ドライヤーオーブンを用いて100℃×1分の条件で加熱乾燥した。次いで、乾燥後の塗工膜に対して、窒素パージ下において紫外線を照射して(照射量:300mJ/cm)、塗工膜に含まれるウレタンアクリレートオリゴマーを架橋して低屈折率層を形成せしめることにより、光学調整フィルムを作製した。なお、最終的に得られる低屈折率層の光学膜厚が50nmとなるように、低屈折率層材料からなる塗工膜の厚さを調整し、光学調整フィルムを得た。得られた膜の全光線透過率は90%、ヘイズは1%であった。
上記のようにして得られた光学調整フィルムの最外層である低屈折率層の表面に、酸化インジウム97重量%及び酸化スズ3重量%からなる焼結体材料をターゲット材として用いて、DCマグネトロンスパッタリング法により、低屈折率層の全面を覆う透明導電層を形成した。具体的には、チャンバー内を5×10-4Pa以下となるまで真空排気した後に、かかるチャンバー内にArガス95%及び酸素ガス5%からなる混合ガスを導入し、チャンバー内圧力を0.2〜0.3Paとしてスパッタリングを実施した。なお、最終的に得られる透明導電層の光学膜厚が50nmとなるように、スパッタリングを実施した。得られた膜のシート抵抗値は200Ω/□、全光線透過率は90%、ヘイズは1%であった。
2.3 比較例1
厚さ125μmの易接着性ポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名:A4300)の一方の面に、液状のハードコート用材料をロールコーターで塗工し、その塗工膜を、ドライヤーオーブンを用いて、100℃×1分の条件で加熱乾燥した。次いで、乾燥後の塗工膜に対して紫外線を照射することにより(照射量:200mJ/cm)、ポリエステルフィルム上に厚さ:約3μmのハードコートを設けた。ポリエステルフィルムの他方の面に対しても同一の作業を施すことにより、ポリエステルフィルムの両面に厚さ約2μmのハードコートが設けられてなるハードコートフィルムを得た。得られた膜の全光線透過率は88%、ヘイズは0.2%であった。
上記のようにしてHCフィルムの表面に、酸化インジウム97重量%及び酸化スズ3重量%からなる焼結体材料をターゲット材として用いて、DCマグネトロンスパッタリング法により、低屈折率層の全面を覆う透明導電層を形成した。具体的には、チャンバー内を5×10-4Pa以下となるまで真空排気した後に、かかるチャンバー内にArガス95%及び酸素ガス5%からなる混合ガスを導入し、チャンバー内圧力を0.2〜0.3Paとしてスパッタリングを実施した。なお、最終的に得られる透明導電層の光学膜厚が50nmとなるように、スパッタリングを実施した。得られた膜の抵抗値は200Ω/□、全光線透過率は90%、ヘイズは0.2%であった。
なお、上記のようにして得られた各フィルムのそれぞれについて、Ra、Rz及びRzjisを次のとおり求めた。
市販の走査型プローブ顕微鏡(株式会社島津製作所、SPM−9700)及び市販の走査型プローブ顕微鏡用マイクロカンチレバー(オリンパス社、OMCL−NCHR−10、バネ定数42N/m)を用いて、所定のダイナミックモードで10μm×10μm 平方の測定面を探針で走査して得られる512×512画素の形状像から、株式会社島津製作所、SPM−9700の解析ソフトを用いて求めた。
以上のようにして得られた各フィルムについての各種特性を表1に示す。なお、実施例1のフィルムを三種、比較例1のフィルムを四種ずつそれぞれ製造したうえでそれぞれについて各種評価を行った。
3.気泡発生状態(耐発泡性試験)
得られた光学部材用両面粘着テープを45mm×60mmの平面形状を有するように裁断した。裁断された光学部材用両面粘着テープの一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、光学部材用両面粘着テープの露出した面を厚みが0.5mmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に貼り合わせた。さらに、光学部材用両面粘着テープのもう一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、光学部材用両面粘着テープの露出した面を厚みが2.0mmの平面形状を有するポリカーボネート板(PC板)上に貼り合わせることにより、ポリカーボネート板(PC板)上に、光学部材用両面粘着テープとポリエチレンテレフタレートフィルムとがこの順で積層されている積層サンプルを得た。その後、得られた積層サンプルを温度85℃の条件、又は、温度60℃かつ相対湿度(RH)90%の条件で24時間静置し、試験サンプルを得た。
得られた試験サンプルの接着界面における気泡発生状態を目視により観察した。
0.01mm以上の大きさの気泡が全く観察されなかった場合を「〇」と、0.01mm以上の大きさの気泡が1つの試験サンプル当たり1〜5個観察された場合を「△」と、0.01mm以上の大きさの気泡が1つの試験サンプル当たり6個以上観察された場合を「×」として、気泡発生状態を評価した。
結果を表1に示す。なお、上記2.でそれぞれ得た実施例1のフィルム三種、比較例1のフィルム四種それぞれについて各種試験を行った。
4.密着性試験
長さ45mm、幅60mm、厚さ50μmの透明粘着テープの一方の表面を透明導電フィルムのITO面あるいは基材面に貼り合わせた。さらに、粘着テープのもう一方の表面を厚みが1mmの平面形状を有するポリカーボネート板(PC板)上に貼り合わせた。得られた、ポリカーボネート板(PC板)上に粘着テープと透明導電フィルムとがこの順で積層されている積層サンプルを23℃、0.5MPaのオートクレーブにて15分間処理を行った後、温度85℃かつ85%RHの条件で240時間静置し、試験サンプルを得た。得られた試験サンプルの接着界面における気泡発生状態を観察した。
気泡が全く観察されなかった場合を「〇」、試験サンプルの端部分に気泡が1個以上観察された場合を「×」として、気泡発生状態を評価した。
結果を表1に示す。なお、上記2.でそれぞれ得た実施例1のフィルム三種、比較例1のフィルム四種それぞれについて各種試験を行った。
Figure 2014041567
1 電磁波シールド用光透過性フィルム
11 光透過性支持層(a)
12 光透過性導電層(b)
13 光学調整層(c1)
14 光学調整層(c2)
15 ハードコート層(d)

Claims (5)

  1. (a)光透過性支持層;及び
    (b)光透過性導電層
    を含有する、ヘイズ2%以下の電磁波シールド用光透過性フィルムであって、
    前記光透過性導電層(b)が、前記光透過性支持層(a)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
    少なくとも一方の前記光透過性導電層(b)の、光透過性支持層(a)とは反対側の面が、
    i)平均表面粗さRaが、4nm以上であり、かつ
    ii)最大高さ粗さRzが、50nm以上である
    ことを特徴とする、
    電磁波シールド用光透過性フィルム。
  2. 前記光透過性導電層(b)が、酸化インジウムスズを含有する、請求項1に記載の電磁波シールド用光透過性フィルム。
  3. さらに、少なくとも1層からなる
    (c)光学調整層
    を含有し、かつ
    少なくとも一方の前記光透過性導電層(b)が、前記光透過性支持層(a)の面に、少なくとも光学調整層(c)を介して配置されている、
    請求項1又は2に記載の電磁波シールド用光透過性フィルム。
  4. タッチパネル;
    請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波シールド用光透過性フィルム;及び
    表示装置を含有する、表示装置付きタッチパネル。
  5. さらに、光学用透明粘着(OCA)層を含有し、前記電磁波シールド用光透過性フィルムが、前記光透過性導電層(b)と前記OCA層が隣接するように配置されている、請求項4に記載の表示装置付きタッチパネル。
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