JP2014041347A - 逆波長分散フィルム用樹脂組成物並びにこれからなる逆波長分散フィルム及び逆波長分散シート - Google Patents

逆波長分散フィルム用樹脂組成物並びにこれからなる逆波長分散フィルム及び逆波長分散シート Download PDF

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Abstract

【課題】耐けん化処理性、透明性、正の複屈折性及び逆波長分散性に優れた、新規な逆波長分散フィルム用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】多糖が有するヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1個の官能基が、ウレタン基、ウレア基、アミド基及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基に化学修飾されてなる修飾多糖類(A)を含有する逆波長分散フィルム用樹脂組成物であって、逆波長分散フィルム用樹脂組成物を80μmの膜厚に成形したフィルムのJIS−Z8729に準拠して求められる反射色度b*の絶対値が0〜1.0である逆波長分散フィルム用樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、逆波長分散フィルム用樹脂組成物並びにこれからなる逆波長分散フィルム及び逆波長分散シートに関する。
アセチルセルロースは、不燃性、透明性、表面外観及び電気絶縁性などに優れるので、様々な分野で用いられている。
アセチルセルロースフィルムの用途の一つである逆波長分散フィルム(位相差フィルム)としては、正の複屈折性と逆波長分散性を同時に満足する樹脂が求められており、アセチル基置換度2.5未満のアセチルセルロースが用いられている。ただし、アセチル基置換度2.5未満のアセチルセルロースは密着性を高める為のけん化処理にて、溶出するという課題があり、アセチル基置換度2.5未満のアセチルセルロースの表面を、アセチル基置換度2.5以上のアセチルセルロースで覆う等の提案がされている(例えば特許文献1)。しかし、逆波長分散フィルムの膜厚には限度があり、完全に耐けん化処理性を付与できるほど覆うのは困難である。上記課題の解決策として、アセチルセルロース以外の正の複屈折性を有する樹脂が求められている。また、逆波長分散性は、他の樹脂とのコンパウンドで達成できるが、透明性(相溶性)の観点からその選択は困難を極める。
特開2012−088408号公報
本発明の目的は、耐けん化処理性、透明性、正の複屈折性及び逆波長分散性に優れた、新規な逆波長分散フィルム用樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。即ち本発明は、多糖が有するヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1個の官能基が、ウレタン基、ウレア基、アミド基及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基に化学修飾されてなる修飾多糖類(A)を含有する逆波長分散フィルム用樹脂組成物であって、逆波長分散フィルム用樹脂組成物を80μmの膜厚に成形したフィルムのJIS−Z8729に準拠して求められる反射色度b*の絶対値が0〜1.0である逆波長分散フィルム用樹脂組成物;この逆波長分散フィルム用樹脂組成物から形成される逆波長分散フィルム又は逆波長分散シート;この逆波長分散フィルム用樹脂組成物から形成される位相差フィルム又は位相差シート;この逆波長分散フィルム用樹脂組成物から形成される円偏光フィルム又は円偏光シートである。
本発明の逆波長分散フィルム用樹脂組成物から形成されるフィルム及びシートは、透明性、耐けん化処理性、正の複屈折性及び逆波長分散性に優れる。
本発明の逆波長分散フィルム用樹脂組成物は、多糖が有するヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1個の官能基が、ウレタン基、ウレア基、アミド基及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基に化学修飾されてなる修飾多糖類(A)を含有する逆波長分散フィルム用樹脂組成物であって、逆波長分散フィルム用樹脂組成物を80μmの膜厚に成形したフィルムのJIS−Z8729に準拠して求められる反射色度b*の絶対値(透明性を表す物性)が0〜1.0である逆波長分散フィルム用樹脂組成物である。
逆波長分散フィルムとは、長波長になるほど位相差が大きくなる機能を持っているフィルムである。
本発明において、逆波長分散フィルム用樹脂組成物を80μmの膜厚に成形したフィルムのJIS−Z8729に準拠して求められる反射色度b*の絶対値は、0〜1.0であるが、透明性の観点から、0〜0.5が好ましく、さらに好ましくは0〜0.25であり、特に好ましくは0〜0.2である。
反射色度b*の絶対値は、後述する(A)の製造において、芳香族イソシアネート(芳香族ポリイソシアネート及び芳香族モノイソシアネート)の使用量を減らすことによって低くなり、芳香族イソシアネートの使用量を増やすことによって高くなる。また、芳香族ポリイソシアネート及び芳香族モノイソシアネートにおいて、イソシアネート基と芳香環との間に炭化水素基を導入することで反射色度b*を低減することも可能である。
逆波長分散フィルム用樹脂組成物を80μmの膜厚に成形したフィルムは、逆波長分散フィルム用樹脂組成物から下記方法により得る。
まず、逆波長分散フィルム用樹脂組成物を固形分が約10%となるように有機溶剤として1,3−ジオキソランに溶解する。有機溶剤に溶解した逆波長分散フィルム用樹脂組成物を、表面処理を施した厚さ120μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム[例えば、東洋紡(株)製「コスモシャイン」]に、アプリケーターを用いて膜厚80μmとなるように塗布する。塗布物を、80℃で2時間乾燥する。乾燥後、PETフィルムから剥離して反射色度b*測定に用いる。
本発明において、修飾多糖類(A)は、逆波長分散性の観点から、修飾多糖類(A)を構成する全ての単糖ユニットの平均の分子分散が0.50〜20.0であるものが好ましく、さらに好ましくは0.5〜15.0、次にさらに好ましくは0.5〜10.0、特に好ましくは0.5〜2.0である。
単糖ユニットの分子分散は、単糖ユニット中の各結合に対し、「Advances in Physical Organic Chemistry,3,1,1965」記載の原子分散の値を下記数式1の通り足し合わせた数値である。
単糖ユニットの分子分散=Σ(i番目の結合の原子分散) (数式1)
また、単糖ユニットの平均の分子分散は、下記数式2で表されるように、修飾多糖類(A)を構成する単糖ユニットの分子分散の値を全て足し合わせ、修飾多糖類(A)を構成する単糖ユニットの数で割って平均とした値である。
単糖ユニットの平均の分子分散={Σ(n番目の単糖ユニットの分子分散)}/((A)中の単糖ユニットの数) (数式2)
修飾多糖類(A)が、多糖(a)を後述する(y1)〜(y4)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物で化学修飾したものである場合、単糖ユニットの平均の分子分散は、1H−NMRによって求めた修飾多糖類(A)の変性率を用いて下記数式3により算出した値を単糖ユニットの平均の分子分散とする。
単糖ユニットの平均の分子分散={単糖ユニットの骨格の分子分散}+[Σ{(yi)で化学修飾されて導入された官能基の分子分散}×{(yi)での変性率}]−[{ヒドロキシル基(O−H)の分子分散}×{ヒドロキシル基の変性率}]−[{カルボキシル基(C(=O)−O−H)の分子分散}×{カルボキシル基の変性率}]−[{アミノ基(NH2)の分子分散}×{アミノ基の変性率}] (数式3)
数式3において、(yi)は(y1)〜(y4)を示す。
ここで、多糖(a)が置換された多糖(例えば、後述する(a1)〜(a3))である場合、各原料メーカーが提示する置換基導入率(DS)を用いて、下記式により単糖ユニットの骨格の分子分散を算出する。
単糖ユニットの骨格の分子分散={置換前の多糖を構成する単糖ユニットの骨格の分子分散}+[(置換により導入された官能基の分子分散)×DS]−[(置換により化学修飾される前の官能基の分子分散)×DS]
ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基の(y1)〜(y4)での変性率は、下記測定により求める。
<ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基の(y1)〜(y4)での変性率の測定方法>
下記条件で修飾多糖類(A)の1H−NMRを測定し、修飾多糖類(A)を作成する際に仕込んだ多糖(a)と(y1)〜(y4)との反応により化学修飾されて導入される官能基に由来するピーク積分値、並びに、多糖(a)中のヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基それぞれに由来するピーク積分値から、(y1)〜(y4)での変性率を算出する。
例えば、多糖(a)としてセルロースを用いて、(y1)としてメチルイソシアネートを反応させた場合、セルロース中のヒドロキシル基(−OH)が変性されて導入される官能基は(−O−CO−NH−CH3)である。修飾多糖類(A)中のウレタン基の水素原子の積分値及びセルロース中のヒドロキシル基に由来する水素原子の積分値(単糖ユニット当たり3H)から、下記式により変性率を算出する。
変性率=(ウレタン基の水素原子の積分値)/{(ウレタン基の水素原子の積分値)+(セルロース中のヒドロキシル基に由来する水素原子の積分値)}
溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド
装置:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)
周波数:300MHz
(A)を構成する全ての単糖ユニットの平均の分子分散は、吸収極大波長が小さい結合を有する置換基を導入することによって低くなり、吸収極大波長が大きい結合を有する置換基を導入することによって高くなる。
本発明における修飾多糖類(A)は、多糖が有するヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1個の官能基が、エーテル基、ウレタン基、ウレア基、アミド基及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基に化学修飾されてなる修飾多糖類である。
修飾多糖類(A)は、逆波長分散性の観点から、(メタ)アクリロイル基を有していないことが好ましい。
多糖としては、従来知られている多糖が含まれ、特に制限はなく使用できる。具体的には下記多糖(a)が含まれる。
多糖(a)としては、デンプン(アミロース及びアミロペクチンを含む)、グリコーゲン、セルロース、キチン、キトサン、アガロース、カラギーナン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ペクチン、キシログルカン及びキサンタンガム並びにこれらの有する官能基をウレタン基、ウレア基及びアミド基以外に置換した多糖からなる群より選ばれる少なくとも1種の多糖が含まれる。
多糖としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
置換した多糖としては、置換した公知の多糖が含まれる。置換した多糖として、複屈折性、逆波長分散性及び耐水性の観点から、置換した公知のセルロースが好ましい。置換した公知のセルロースとしては、アシル化セルロース(a1)、エーテル化セルロース(a2)及びエーテル化アシル化セルロース(a3)が含まれる。
アシル化セルロース(a1)としては、水酸基で一部置換されていてもよい炭素数が2〜19のアシル基で置換されたアシル化セルロースが含まれ、例えば、セルロースとカルボン酸又はラクトンとの反応物が挙げられる。
カルボン酸としては、炭素数2〜19のものが含まれ、例えば、酢酸、酪酸、2−エチルヘキサン酸、n−オクチル酸、ネオデカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸及びフタル酸等が挙げられる。カルボン酸は、酸クロライド等の酸ハロゲン化物{ハロゲンとしては、例えば、F、Cl及びBr等}であってもよい。また、これらは、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
ラクトンとしては、炭素数2〜19のものが含まれ、β−ラクトン(β−プロピオラクトン等)、γ−ラクトン(γ−ブチロラクトン等)、δ−ラクトン(δ−バレロラクトン等)、ε−ラクトン(ε−カプロラクトン等)、大環状ラクトン(エナントラクトン、ウンデカノラクトン、ドデカラクトン等)及び芳香族ラクトン(3,4−ジヒドロクマリン)等が挙げられる。これらは、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
水酸基で一部置換されていてもよい炭素数が2〜19のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、6−ヒドロキシヘキサノイル基(HO−C510−CO−)及び3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオニル基等が挙げられる。
(a1)として、具体的には、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセチルブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース及びアセチル3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオニルセルロース等が挙げられる。
(a1)のうち、耐水性の観点から、水酸基で一部置換されていてもよい炭素数が2〜19のアシル基で置換されたアシル化セルロースが好ましく、さらに好ましくはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、6−ヒドロキシヘキサノイル基(HO−C510−CO−)及び3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するアシル化セルロースであり、次にさらに好ましくはジアセチルセルロース、アセチル6−ヒドロキシヘキサノイルセルロース及びアセチル3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオニルセルロースであり、最も好ましくはジアセチルセルロース、アセチルベンゾイルセルロース、アセチル6−ヒドロキシヘキサノイルセルロース及びアセチル3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオニルセルロースである。
エーテル化セルロース(a2)としては、水酸基又はカルボキシル基で一部置換されていてもよいアルキルの炭素数が1〜18のアルキルエーテル基で置換されたエーテル化セルロースが含まれる。
アルキルエーテル基としては、水酸基又はカルボキシル基で一部置換されていてもよいアルキルの炭素数が1〜18のアルキルエーテル基が含まれ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシメトキシル基、ヒドロキシエトキシル基、1−フェニルエトキシ基、2−フェニルエトキシ基及びカルボキシメトキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するものが含まれる。
アルキルエーテル基としては、耐水性の観点から、水酸基又はカルボキシル基で一部置換されていてもよいアルキルの炭素数が1〜18のアルキルエーテル基が好ましく、さらに好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシメトキシル基、1−フェニルエトキシ基、2−フェニルエトキシ基及びヒドロキシエトキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基である。
(a2)として、具体的には、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、1−フェニルエチルセルロース、2−フェニルエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
(a2)のうち、耐水性の観点から、アルキルの炭素数が1〜18のアルキルエーテル化セルロース及びアルキルの炭素数が1〜18のオキシアルキルエーテル化セルロースが好ましく、次にさらに好ましくはエチルセルロース、(1−フェニルエチル)エチルセルロース、(2−フェニルエチル)エチルセルロース及びメチルセルロースであり、最も好ましくはエチルセルロース、(1−フェニルエチル)エチルセルロース及び(2−フェニルエチル)エチルセルロースである。
エーテル化アシル化セルロース(a3)としては、水酸基又はカルボキシル基で一部置換されていてもよいアルキルの炭素数が1〜18のアルキルエーテル基及び水酸基で一部置換されていてもよい炭素数が2〜19のアシル基を有するセルロースが含まれ、具体的には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート及びヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート等が挙げられる。
エーテル基及びアシル基として好ましいものは、(a1)及び(a2)と同様である。
(a3)のうち、耐水性の観点から、1−フェニルエチルセルロースアセテート、2−フェニルエチルセルロースアセテート、エチルセルロースベンゾエート、エチルセルロース6−ヒドロキシヘキサノエート及びエチルセルロース3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。
多糖のうち、透明性、耐けん化処理性、正の複屈折性及び逆波長分散性の観点から、多糖(a)が好ましく、さらに好ましくはセルロース及び置換したセルロースであり、次にさらに好ましくはセルロース、アシル化セルロース(a1)、エーテル化セルロース(a2)及びエーテル化アシル化セルロース(a3)である。
修飾多糖類(A)において、多糖が有するヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1個の官能基を、エーテル基、ウレタン基、ウレア基、アミド基及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基に化学修飾するには、多糖を構成する単糖ユニットのうち、少なくとも1個の単糖ユニットにおいて、単糖ユニットの有するヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の少なくとも1つの官能基を、イソシアネート化合物(y1)、アミノ化合物(y2)、酸ハロゲン化合物(y3)及び酸無水物(y4)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物で化学修飾したものが含まれる。
イソシアネート化合物(y1)としては、化合物1分子中にイソシアネート基を2つ以上有する有するポリイソシアネート化合物(y11)及び化合物1分子中にイソシアネート基を1つ有するモノイソシアネート化合物(y12)が含まれる。
(y11)としては、一般にウレタン樹脂の製造に用いられる有機ポリイソシアネートが含まれ、例えば芳香族ポリイソシアネート、鎖状脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート及びこれらの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等)が挙げられる。(y11)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のポリイソシアネートも同様)が6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物等が挙げられる。具体例としては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート及びトリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート等が挙げられる。
鎖状脂肪族ポリイソシアネートとしては、脂肪族基の炭素数1〜10の鎖状脂肪族ジイソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びリジンジイソシアネート等)等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート及びビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート等)等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート(キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等)等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
(y11)のうち、耐けん化処理性、透明性、正の複屈折性及び逆波長分散性の観点から、鎖状脂肪族ポリイソシアネートが好ましい。
(y11)を用いて修飾多糖類(A)を作成する場合、活性水素基を少なくとも1つ有する化合物(z)を用いてもよい。
(z)としては、炭素数4〜100の活性水素基を少なくとも1つ有する化合物が含まれる。
活性水素基としては、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基及びリン酸基等が含まれる。
(z)として、具体的には、ヒドロキシル基を有するもの{メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−オクタノール及びフェノール等}、アミノ基を有するもの{エチルアミン等}、カルボキシル基を有するもの{ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸及びベヘン酸等}、チオール基を有するもの{オクタンチオール等}及びリン酸基を有するもの{上記ヒドロキシル基を有するもの(メタノール等)と無水リン酸との反応生成物等}等が挙げられる。
(z)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(z)のうち、表面硬度、樹脂強度、破断伸び、可とう性及び正の複屈折性の観点から、炭素数4〜100のヒドロキシル基を有する化合物が好ましく、さらに好ましくは炭素数4〜10のヒドロキシル基を有する化合物である。
(y12)としては、芳香族モノイソシアネート、アルキルモノイソシアネート、脂環式モノイソシアネート及びジイソシアネート化合物と活性水素基を1つ有する化合物とのモル比1:1の反応生成物等が挙げられる。
芳香族モノイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様。)6〜20の芳香族モノイソシアネートが含まれ、具体的には、フェニルイソシアネート、トリレンイソシアネート、キシリレンイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンイソシアネート及びナフチレンイソシアネート等が挙げられる。
アルキルモノイソシアネートとしては、炭素数1〜100のアルキル(直鎖又は分岐)モノイソシアネートが含まれ、具体的には、炭素数1〜18のもの{メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、n−プロピルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、sec−ブチルイソシアネート、t−ブチルイソシアネート、n−ヘキシルイソシアネート、2−エチルヘキシルイソシアネート、n−オクチルイソシアネート、n−ドデシルイソシアネート、n−ステアリルイソシアネート等}等が挙げられる。アルキルモノイソシアネートとしては、透明性、耐けん化処理性、正の複屈折性及び逆波長分散性の観点から、炭素数1〜18のものが好ましい。
脂環式モノイソシアネートとしては、炭素数4〜15の脂環式モノイソシアネートが含まれ、具体的には、シクロブチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、シクロオクチルイソシアネート、シクロデシルイソシアネート、シクロドデシルイソシアネート、シクロテトラデシルイソシアネート、シクロテトラデシルイソシアネート、イソホロンイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4−イソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、メチルシクロヘキシルイソシアネート及びノルボルナンイソシアネート等が挙げられる。
ジイソシアネート化合物と活性水素基を1つ有する化合物とのモル比1:1の反応生成物において、ジイソシアネート化合物としては上記(y11)のうちイソシアネート基を2個有するジイソシアネート化合物が含まれ、具体的には、芳香族ジイソシアネート{1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びナフチレン−1,5−ジイソシアネート等}、アルキル(直鎖又は分岐)ジイソシアネート{1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びリジンジイソシアネート等}、脂環式ジイソシアネート{イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート及びノルボルナンジイソシアネート等}及び芳香脂肪族ジイソシアネート{キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等}等が挙げられる。
また、活性水素基を1つ有する化合物としては、上記化合物(z)のうち、活性水素基を1つ有するもの等が挙げられ、具体的には、炭素数1〜100のモノアルコール{メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−オクタノール及びフェノール等、表面硬度、樹脂強度、破断伸び、可とう性及び正の複屈折性の観点から好ましくは炭素数1〜10のモノアルコール}、炭素数1〜100のモノアミン{エチルアミン等}、炭素数1〜100の1価のカルボン酸{ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸及びベヘン酸等}等が挙げられる。
(y12)のうち、耐けん化処理性、透明性、表面硬度、樹脂強度、破断伸び、可とう性及び正の複屈折性の観点から、アルキルモノイソシアネート及び脂環式モノイソシアネートが好ましく、さらに好ましくは、アルキルの炭素数1〜18のアルキルモノイソシアネート及び炭素数4〜15の脂環式モノイソシアネートであり、特に好ましくはメチルイソシアネート、エチルイソシアネート、n−プロピルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、sec−ブチルイソシアネート、t−ブチルイソシアネート、n−ヘキシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、2−エチルヘキシルイソシアネート、n−オクチルイソシアネート、n−ドデシルイソシアネート及びn−ステアリルイソシアネートである。
(y1)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(y1)のうち、耐けん化処理性、透明性、表面硬度、樹脂強度、破断伸び、可とう性及び正の複屈折性の観点から、モノイソシアネート化合物(y12)が好ましく、さらに好ましくはアルキルモノイソシアネート及び脂環式モノイソシアネートであり、次にさらに好ましくはアルキルの炭素数1〜18のアルキルモノイソシアネート及び炭素数4〜15の脂環式モノイソシアネートであり、特に好ましくはメチルイソシアネート、エチルイソシアネート、n−プロピルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、sec−ブチルイソシアネート、t−ブチルイソシアネート、n−ヘキシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、2−エチルヘキシルイソシアネート、n−オクチルイソシアネート、n−ドデシルイソシアネート及びn−ステアリルイソシアネートである。
アミノ化合物(y2)としては、アンモニア、第1級アミン及び第2級アミンが含まれる。
第1級アミンとしては、炭素数1〜20のモノアミン{アルキル(直鎖又は分岐)モノアミン、脂環式モノアミン、芳香脂肪族モノアミン、芳香族モノアミン及びアルカノールアミン}及び炭素数1〜20のポリアミン{ジアミン及びトリアミン等}が含まれる。
モノアミンとしては、例えば、アルキルモノアミン{モノアルキル(アルキルの炭素数1〜20)アミン(例えばメチルアミン、エチルアミン、n−ブチルアミン及びオクチルアミン等)等}、脂環式モノアミン{例えばシクロヘキシルアミン等}、芳香脂肪族アミン{例えばベンジルアミン等}、芳香族アミン{例えばアニリン、トルイジン及びナフチルアミン等)及びアルカノールアミン{モノアルカノールアミン(ヒドロキシアルキル基の炭素数1〜20のものが含まれ、例えば、エタノールアミン等)等}等が挙げられる。
第2級アミンとしては、炭素数1〜20の炭化水素基及び/又は炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基を有するアミンが含まれる。
炭化水素基としては、アルキル基(直鎖又は分岐)(メチル基、エチル基及びプロピル基等)、脂環式基(シクロへキシル基等)及び芳香族炭化水素(フェニル基及びナフチル基等)等が挙げられる。
第2級アミンとして、具体的には、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン及びジエタノールアミン等が含まれる。
(y2)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(y2)のうち、耐けん化処理性、透明性、表面硬度、樹脂強度、破断伸び、可とう性及び正の複屈折性の観点から、アルキルモノアミン及び脂環式モノアミンが好ましい。
酸ハロゲン化合物(y3)としては、炭素数1〜20のカルボン酸のハロゲン化物(ハロゲン化アシル)が含まれ、カルボン酸として具体的には、炭素数1〜20の脂肪族モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸及びステアリン酸等)、炭素数7〜20の芳香族モノカルボン酸(安息香酸、ケイ皮酸及びナフトエ酸等)、炭素数3〜20の脂肪族ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸及びセバシン酸等)並びに炭素数8〜20の芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びピロメリット酸等)等が挙げられる。
ハロゲン化物としては、フッ化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物等が挙げられる。
(y3)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(y3)のうち、耐けん化処理性、透明性、表面硬度、樹脂強度、破断伸び、可とう性及び正の複屈折性の観点から、炭素数1〜20の脂肪族モノカルボン酸ハロゲン化物が好ましい。
酸無水物(y4)としては、1,3−ジオキソ−2−オキサアルキレン基を有する炭素数3〜20の化合物が含まれ、ジカルボン酸{脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸及びマレイン酸等)及び芳香族ジカルボン酸(フタル酸等)等}の酸無水物等が含まれる。
(y4)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(y4)のうち、耐けん化処理性、透明性、表面硬度、樹脂強度、破断伸び、可とう性及び正の複屈折性の観点から、脂肪族ジカルボン酸の酸無水物が好ましい。
修飾多糖類(A)は、上記多糖(a)とイソシアネート化合物(y1)、アミノ化合物(y2)、酸ハロゲン化合物(y3)及び酸無水物(y4)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることにより製造することができる。
多糖(a)とイソシアネート化合物(y1)とを用いて修飾多糖類(A)を製造する場合、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する化合物とイソシアネート化合物とを反応させる公知の方法を用いることができる。
また、多糖(a)とアミノ化合物(y2)とを用いて修飾多糖類(A)を製造する場合、カルボキシル基を有する化合物とアミノ化合物とを反応させてアミド化合物を得る公知の方法を用いることができる。
また、多糖(a)と酸ハロゲン化合物(y3)とを用いて修飾多糖類(A)を製造する場合、アミノ基を有する化合物と酸ハロゲン化合物とを反応させてイミド化合物を得る公知の方法を用いることができる。
また、多糖(a)と酸無水物(y4)とを用いて修飾多糖類(A)を製造する場合、アミノ基を有する化合物と酸無水物とを反応させてアミド化合物及び/又はイミド化合物を得る公知の方法を用いることができる。
修飾多糖類(A)のうち、透明性、耐けん化処理性、正の複屈折性及び逆波長分散性の観点から、多糖が上記多糖(a)であり、多糖類を構成する単糖ユニットの少なくとも1つが下記一般式(1)〜(6)からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造であり、下記一般式(7)で表される置換基を少なくとも1つ含有する修飾多糖類(A1)が好ましい。
Figure 2014041347
上記式中、X1〜X13はそれぞれ独立に、水素原子又は下記一般式(7)で表される置換基であり;X1〜X3の内、少なくとも1つが下記一般式(7)で表される置換基であり;X4〜X6の内、少なくとも1つが下記一般式(7)で表される置換基であり;X7及びX8の内、少なくとも1つは下記一般式(7)で表される置換基であり;X10及びX11の内、少なくとも1つが下記一般式(7)で表される置換基であり;X12及びX13の内、少なくとも1つが下記一般式(7)で表される置換基であり;Yは酸素原子又はNH基であり、Zはヒドロキシル基又は(8)で表される置換基である。
Figure 2014041347
上記式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜18の1価の炭化水素基であり;*は、それが付された結合により一般式(7)で表される置換基が、前記一般式(1)〜(6)におけるXと隣接する酸素原子又は窒素原子と結合することを表す。
Figure 2014041347
上記式中、R2は、炭素数1〜18の1価の炭化水素基又はアルキルポリオキシアルキレン基であり;*は、それが付された結合により一般式(8)で表される置換基が、前記一般式(5)におけるZと隣接する炭素原子と結合することを表す。
(A1)において、一般式(1)〜(6)の構造のうち、表面硬度、密着性及び可とう性の観点から、好ましいのは一般式(1)又は(6)であり、更に好ましいのは一般式(1)である。
一般式(7)及び(8)において、表面硬度、密着性及び可とう性の観点から、好ましいR1及びR2は炭素数1〜18の炭化水素基であり、特に好ましいR1及びR2は、それぞれ独立にメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基及びn−ステアリル基である。
修飾多糖類(A1)は、着色性、透明性、耐けん化処理性、正の複屈折性及び逆波長分散性の観点から、下記数式(4)により求められるウレタン基、ウレア基、アミド基及びイミド基の合計導入率が0.01〜3の多糖類であることが好ましく、さらに好ましくは0.04〜3であり、次にさらに好ましくは0.06〜2であり、特に好ましくは0.11〜1.4である。
ウレタン基、ウレア基、アミド基及びイミド基の合計導入率=P/T’ (4)
P:修飾多糖類(A1)を構成する単糖ユニットの有するヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基が置換されたウレタン基の水素原子のNMR積分値(P1)、ウレア基の水素原子のNMR積分値(P2)、アミド基の水素原子のNMR積分値(P3)及びイミド基の水素原子のNMR積分値(P4)を下記数式(5)に当てはめて得た合計積分値
P=P1+P2/2+P3+P4(5)
なお、アミド基が{−C(=O)−NH−R(Rは水素原子以外)}でなく(−C(=O)−NH2)である場合は、P3をP3/2とする。
T’:修飾多糖類(A1)を構成する単糖ユニットの4位の炭素原子に直接結合している水素原子のNMR積分値
<ウレタン基、ウレア基、アミド基及びイミド基の合計導入率の測定方法>
溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド
装置:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)
周波数:300MHz
上記導入率が0.01よりも大きいと、透明性、耐けん化処理性、及び逆波長分散性がさらに良好であり、上記導入率が3以下であると正の複屈折性がさらに良好である。
修飾多糖類(A)の分子量(数平均分子量(Mn)、単一の化合物の場合は分子量)は、(A)の溶剤溶解性、逆波長分散フィルム及びシートの耐熱性及び密着性の観点から、好ましくは3000〜700万、更に好ましくは3500〜600万、特に好ましくは4000〜500万である。
本発明における数平均分子量(Mn)とは、下記条件にて測定されるものである。
装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
溶媒 :N,N−ジメチルホルムアミド
基準物質 :ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel MIXED−B
カラム温度 :40℃
検出器:RI検出器
本発明の逆波長分散フィルム用樹脂組成物は、エステル化セルロース(C)を含有することができる。修飾多糖類(A)は、逆波長分散性が非常に高いので、逆波長分散性の低い(C)を含有することにより、逆波長分散性を適宜調整することができる。
本発明におけるエステル化セルロース(C)としては、公知のエステル化セルロースが含まれ、例えば、アルキルエステル化セルロース(アルキルの炭素数1〜18)等が挙げられ、アルキルエステル基としては、例えばアセテート基、プロピオネート基及びブチレート基等が挙げられる。(C)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
エステル化セルロース(C)のエステル化率(単糖ユニットあたりのセルロースに直接結合する水酸基の内、エステル基で置換された平均個数)は、透明性、耐けん化処理性、正の複屈折性及び逆波長分散性の観点から、0.1〜3が好ましい。
エステル化セルロースのエステル化率は、NMRによって求める。
エステル化セルロース(C)のMnは、透明性、耐けん化処理性、正の複屈折性及び逆波長分散性の観点から、300〜1000万が好ましく、さらに好ましくは500〜800万である。
これらの(C)の内、逆波長分散性の観点から、炭素数1〜18のアルキルエステル化セルロースが好ましく、さらに好ましくはアセテート基、プロピオネート基及びブチレート基からなる群より選ばれる少なくとも1種のエステル基を有するエステル化セルロースであり、次にさらに好ましくはセルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートである。
本発明の逆波長分散フィルム用樹脂組成物において、エステル化セルロース(C)を含有する場合、逆波長分散フィルム用樹脂組成物中の修飾多糖類(A)の含有量は、透明性、耐けん化処理性、正の複屈折性及び逆波長分散性の観点から、(A)及び(C)の合計重量を基準として、1〜99.9重量%が好ましく、さらに好ましくは3〜95重量%である。
本発明の逆波長分散フィルム用樹脂組成物において、エステル化セルロース(C)を含有する場合、逆波長分散フィルム用樹脂組成物中のエステル化セルロース(C)の含有量は、(A)及び(C)の合計重量を基準として、透明性、耐けん化処理性、正の複屈折性及び逆波長分散性の観点から、0.1〜99重量%が好ましく、さらに好ましくは5〜97重量%である。
本発明の逆波長分散フィルム用樹脂組成物は、必要により有機溶剤及びレベリング剤等を添加することができる。
有機溶剤としては、グリコールエーテル(エチレングリコールモノアルキルエーテル及びプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等)、エステル(エチルアセテート、ブチルアセテート、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、乳酸メチル及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン及びメシチレン等)、アルコール(メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ゲラニオール、リナロール及びシトロネロール等)、アミド(N,N−ジメチルアセトアミド及びN,N−ジメチルホルムアミド等)、スルホキシド(ジメチルスルホキシド)及びエーテル(テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン及び1,8−シネオール等)等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
有機溶剤の添加量は、逆波長分散フィルム用樹脂組成物の成形性及び粘度の観点から、逆波長分散フィルム用樹脂組成物の重量に対して0〜400重量%であることが好ましく、更に好ましくは3〜350重量%、特に好ましくは5〜300重量%である。
レベリング剤としては、フッ素系のレベリング剤(パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等)、シリコーン系のレベリング剤(アミノポリエーテル変性シリコーン、メトキシ変性シリコーン及びポリエーテル変性シリコーン等)が挙げられる。レベリング剤の添加量は、逆波長分散フィルム用樹脂組成物の重量に対して、添加効果及び透明性の観点から好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%である。
本発明の逆波長分散フィルム用樹脂組成物は、更に、使用目的に合わせて、無機微粒子、分散剤、消泡剤、チクソトロピー性付与剤、スリップ剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤及び紫外線吸収剤等、逆波長分散フィルム組成物に添加可能な公知の添加剤を添加することができる。具体的には、公知文献(特開2012−088408等)等に記載のものが挙げられる。
本発明の逆波長分散フィルム用樹脂組成物は、エーテル基、ウレタン基、ウレア基、アミド基及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する修飾多糖類(A)、並びに必要により、エステル化セルロース(C)及び有機溶剤その他の成分等を、ディスパーサー等で混合することで得られる。混合温度は、作業性の観点から、10℃〜40℃が好ましく、さらに好ましくは20℃〜30℃である。
本発明の逆波長分散フィルム用樹脂組成物は、塗料及びインキ等に従来使用されている顔料を添加できる。顔料の添加量は、逆波長分散フィルム用樹脂組成物の重量に対して、隠蔽性の観点から、好ましくは0〜300重量%、更に好ましくは0〜200重量%である。
顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、アルミナ、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト及びチタンブラック等が挙げられる。
本発明の逆波長分散フィルム用樹脂組成物は、顔料を用いる場合その分散性及び逆波長分散フィルム用樹脂組成物の保存安定性を向上させるために、顔料分散剤を添加できる。
顔料分散剤としては、ビックケミー社製顔料分散剤(Anti−Terra−U、Disperbyk−101、103、106、110、161、162、164、166、167、168、170、174、182、184及び2020等)、味の素ファインテクノ社製顔料分散剤(アジスパーPB711、PB821、PB814、PN411及びPA111等)、ルーブリゾール社製顔料分散剤(ソルスパーズ5000、12000、32000、33000及び39000等)が挙げられる。
これらの顔料分散剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
顔料分散剤の添加量は、逆波長分散フィルム用樹脂組成物の重量に対して、隠蔽性の観点から好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0〜10重量%である。
本発明の逆波長分散フィルム用樹脂組成物が有機溶剤で希釈されている場合の基材への塗布方法としては、スピンコート、ロールコート及びスプレーコート等の公知のコーティング法並びに平版印刷、カルトン印刷、金属印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷及びグラビア印刷といった公知の印刷法を適用できる。また、微細液滴を連続して吐出するインクジェット方式の塗布も適用できる。
塗工膜厚は、乾燥後の膜厚として、乾燥性、耐摩耗性、耐溶剤性及び耐汚染性の観点から、0.5〜300μmが好ましく、さらに好ましくは1〜250μmである。
本発明の逆波長分散フィルム用樹脂組成物が有機溶剤で希釈されている場合は、塗工後に乾燥することが好ましい。乾燥方法としては、例えば熱風乾燥(ドライヤー等)が挙げられる。乾燥温度は、通常10〜200℃、塗膜の平滑性及び外観の観点から好ましい上限は150℃、乾燥速度の観点から好ましい下限は30℃である。
また、逆波長分散フィルム用樹脂組成物が有機溶剤を含まない場合は、溶融混合しても良い。また、フィルム及びシートの成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法及びインフレーション法等)等が挙げられ成形できる。
本発明の逆波長分散フィルム及びシートは透明であることが好ましい。
逆波長分散フィルム及びシートのへーズ値は透明性の観点から、3%以下であることが好ましい。
逆波長分散フィルム及びシートの全光線透過率は着色性及び透明性の観点から、85%以上であることが好ましい。
本発明の位相差フィルム及びシートは、前記した逆波長分散フィルム用樹脂組成物からなるフィルム又はシートを成形し、または成形後に延伸(配向)することによって製造することができる。フィルム及びシートの成形法としては上述の方法が用いられる。
本発明の位相差フィルム及びシートは透明であることが好ましい。
位相差フィルム及びシートのへーズ値は透明性の観点から、3%以下であることが好ましい。
位相差フィルム及びシートの全光線透過率は着色性及び透明性の観点から、85%以上であることが好ましい。
本発明の円偏光フィルム及びシートは、公知の溶融成膜法又はキャスト成膜法によって製造することができる。
本発明の円偏光フィルム及びシートは透明であることが好ましい。
円偏光フィルム及びシートのへーズ値は透明性の観点から、3%以下であることが好ましい。
円偏光フィルム及びシートの全光線透過率は着色性及び透明性の観点から、85%以上であることが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に規定しない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
製造例1〜51及び比較製造例1〜32
[修飾多糖類(A)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計を備えた反応容器に、表1〜8に記載の多糖及びをジメチルアセトアミド150部に加えを入れ、150℃で1時間撹拌した。100℃まで冷却し、反応溶液にリチウムクロライド15部、ジブチルスズラウリレート0.1部を加え、温度を100±20℃に保ちながら24時間撹拌した。その後、0℃まで冷却し、反応溶液にピリジン100部、表1〜8に記載の通り化合物(y1)又は(y)’を加え、温度を0±5℃に保ちながら2時間撹拌した。反応溶液を水2000部に加え、析出物を濾取し、水2000部で洗浄し、100℃で20時間、減圧乾燥することで表1〜8に記載の修飾多糖類(A−1)〜(A−51)及び比較用修飾多糖類(A’−1)〜(A’−32)を得た。
表5中、(a’1)〜(a’8)は下記製造例52〜59で製造したものを用いた。
<製造例52>
[安息香酸クロライドとアセチルセルロースとの反応物(a’1){アセチルベンゾイルセルロース}]
アセチルセルロース((株)ダイセル製「酢酸セルロースL−20」)5部をトルエン100部に加え80℃で1時間撹拌した。25℃まで冷却後、反応溶液に安息香酸クロライド(東京化成工業(株)製「B0105」)3部およびトリエチルアミン0.02部加え、温度を80±10℃に保ちながら5時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、反応溶液をアセトン500部に加える事で、析出した白色固体である反応物を濾取し、アセトン1000部にて洗浄した。40℃、3時間、減圧乾燥することで安息香酸クロライドとアセチルセルロースとの反応物(a’1)を得た。
<製造例53>
[安息香酸クロライドとエチルセルロースとの反応物(a’2){エチルセルロースベンゾエート}]
上記製造例52において、「アセチルセルロース((株)ダイセル製「酢酸セルロースL−20」)5部」を「エチルセルロース(ダウケミカル(株)社製「エトセル10cps」)3.5部」に変更した以外は同様の方法にて、安息香酸クロライドとエチルセルロースの反応物(a’2)を得た。
<製造例54>
[スチレンとアセチルセルロースとの反応物(a’3){1−フェニルエチルセルロースアセテート及び2−フェニルエチルセルロースアセテート}]
アセチルセルロース((株)ダイセル製「酢酸セルロースL−20」)5部をトルエン100部に加え80℃、窒素還流下にて1時間撹拌した。反応溶液にアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.02部を添加後、スチレン5部を3時間かけて滴下し、80℃±10℃に保ちながら12時間撹拌した。その後、反応溶液をヘキサン500部に加えることで白色析出物を濾取し、ヘキサン1000部にて洗浄した。60℃、3時間、減圧乾燥することでスチレンとアセチルセルロースとの反応物(a’3)を得た。
<製造例55>
[スチレンとエチルセルロースとの反応物(a’4){(1−フェニル)エチル)エチルセルロース、(2−フェニル)エチル)エチルセルロース}]
上記製造例54において、「アセチルセルロース((株)ダイセル社製「酢酸セルロースL−20」)5部」を「エチルセルロース(ダウケミカル(株)製「エトセル(10cps)」)3.5部」に変更した以外は同様の方法にて、スチレンとエチルセルロースとの反応物(a’4)を得た。
<製造例56>
[3,4−ジヒドロクマリンとアセチルセルロースとの反応物(a’5){アセチル3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオニルセルロース}]
アセチルセルロース((株)ダイセル社製「酢酸セルロースL−20」)5部をトルエン100部に加え、110℃、トルエン還流下にて3時間、反応系中の脱水を行った。脱水後、3,4−ジヒドロクマリン(東京化成工業(株)社製「D1223」)を4部と2−エチルへキサン酸スズ(II)0.02部加え、80℃±10℃に保ちながら12時間反応を行った。その後、25℃まで冷却し、反応溶液をアセトン500部に加える事で、析出した白色固体である反応物を濾取し、アセトン1000部にて洗浄した。40℃、3時間、減圧乾燥することで3,4−ジヒドロクマリンとアセチルセルロースとの反応物(a’5)を得た。
<製造例57>
[3,4−ジヒドロクマリンとエチルセルロースとの反応物(a’6){エチルセルロース3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}]
上記製造例56において、「アセチルセルロース((株)ダイセル製「酢酸セルロースL−20」)5部」を「エチルセルロース(ダウケミカル(株)製「エトセル(10cps)」)3.5部」に変更した以外は同様の方法にて、3,4−ジヒドロクマリンとエチルセルロースとの反応物(a’6)を得た。
<製造例58>
[ε−カプロラクトンとアセチルセルロースとの反応物(a’7){アセチル6−ヒドロキシヘキサノイルセルロース}]
アセチルセルロース((株)ダイセル製「酢酸セルロースL−20」)5部をトルエン100部に加え、110℃、トルエン還流下にて3時間、反応系中の脱水を行った。脱水後、ε−カプロラクトン(東京化成工業(株)製「C0702」)を4部と2−エチルへキサン酸スズ(II)0.02部加え、80℃±10℃に保ちながら12時間反応を行った。その後、25℃まで冷却し、反応溶液をアセトン500部に加える事で、析出した白色固体である反応物を濾取し、アセトン1000部にて洗浄した。40℃、3時間、減圧乾燥することでε−カプロラクトンとアセチルセルロースとの反応物(a’7)を得た。
<製造例59>
[ε−カプロラクトンとエチルセルロースとの反応物(a’8){エチルセルロース6−ヒドロキシヘキサノエート}]
上記製造例58において、「アセチルセルロース((株)ダイセル社製「酢酸セルロースL−20」)5部」を「エチルセルロース(ダウケミカル(株)製「エトセル(10cps)」)3.5部」に変更した以外は同様の方法にて、ε−カプロラクトンとエチルセルロースとの反応物(a’8)を得た。
表2中、(y1)は、下記製造例60〜64で製造したものを用いた。
製造例60
[1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとメタノールとの反応生成物であるモノイソシアネート化合物(y141)]
撹拌機、冷却管および温度計を備えた反応容器に、メタノール[東京化成工業(株)製]を32部、ヘキサメチレンジイソシアネート[[商品名:デュラネートHDI、旭化成ケミカルズ(株)製]を168部、触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液)1部を仕込み、70℃で5時間反応させ、ウレタン化物(y141)を得た。
製造例61
[イソホロンジイソシアネートとエタノールとの反応生成物であるモノイソシアネート化合物(y142)]
製造例60において、「メタノール32部」に代えて「エタノール[東京化成工業(株)製]46部」、「ヘキサメチレンジイソシアネート168部」に代えて「イソホロンジイソシアネート[商品名:デスモジュールI、住化バイエルウレタン製]222部」を用いる以外は同様にしてモノイソシアネート化合物(y142)を得た。
製造例62
[4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートとn−ブタノールとの反応生成物であるモノイソシアネート化合物(y143)]
製造例60において、「メタノール32部」に代えて「n−ブタノール[東京化成工業(株)製]74部」、「ヘキサメチレンジイソシアネート168部」に代えて「ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート[商品名:デスモジュールW、住化バイエルウレタン製]262部」を用いる以外は同様にしてモノイソシアネート化合物(y143)を得た。
製造例63
[トリレンジイソシアネートとn−オクタノールとの反応生成物であるモノイソシアネート化合物(y144)]
製造例60において、「メタノール32部」に代えて「オクタノール[東京化成工業(株)製]130部」を用いて、「ヘキサメチレンジイソシアネート168部」に代えて「トリレンジイソシアネート[商品名:スミジュールT−80、住化バイエルウレタン製]174部」を用いる以外は同様にしてモノイソシアネート化合物(y144)を得た。
製造例64
[キシリレンジイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるモノイソシアネート化合物(y145)]
製造例60において、「メタノール32部」に代えて「フェノール[東京化成工業(株)製]94部」、「ヘキサメチレンジイソシアネート168部」に代えて「キシリレンジイソシアネート[商品名:デスモジュール15、住化バイエルウレタン製]118部」を用いる以外は同様にしてモノイソシアネート化合物(y145)を得た。
Figure 2014041347
Figure 2014041347
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Figure 2014041347
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Figure 2014041347
なお、表1〜8の各成分は下記を用いた。
○多糖
セルロース:日本製紙ケミカル(株)製、「KCフロックW−50GK」
ジアセチルセルロース−1:(株)ダイセル製、「酢酸セルロースL−20」
ジアセチルセルロース−2:(株)ダイセル製、「酢酸セルロースL−50」
ジアセチルセルロース−3:イーストマンケミカル(株)製、「CA−394」
アセチルブチリルセルロース−1:イーストマンケミカル製、「CAB551−0.2」
アセチルブチリルセルロース−2:イーストマンケミカル製、「CAB381−0.5」
アセチルプロピオニルセルロース−1:イーストマンケミカル製、「CAP482−0.5」
アセチルプロピオニルセルロース−2:イーストマンケミカル製、「CAP482−2.0」
カルボキシメチルセルロース:日本製紙ケミカル(株)製、「サンローズF1400MC」
カルボキシメチルエチルセルロース:三洋化成工業(株)製、「CMEC」
セルロースアセテートフタレート:和光純薬工業(株)製
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート:信越化学(株)製、「HPMCP HP−50」
ヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート:信越化学(株)製、「HPMCHHP」
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート:信越化学(株)製、「HPMCAP」
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート:信越化学(株)製、「AQOAT AS−MG」
ヒドロキシエチルセルロース−1:(株)ダイセル製、「HEC−SP900」
ヒドロキシエチルセルロース−2:住友精化(株)製、「HEC AX−15」
ヒドロキシプロピルセルロース:日本曹達(株)製、「NISOO HPC」
低置換ヒドロキシプロピルセルロース:信越化学(株)製、「LH−31」
メチルセルロース−1:信越化学(株)製、「METOLOSE SM−8000」
メチルセルロース−2:松本油脂製薬(株)製、「マーポローズM−4000」
エチルセルロース−1:ダウケミカル(株)製、「エトセル」
エチルセルロース−2:関東化学(株)製、「エチルセルロース45CP」
ヒドロキシプロピルメチルセルロース−1:信越化学(株)製、「METOLOSE 90SH−4000」
ヒドロキシプロピルメチルセルロース−2:松本油脂製薬(株)製、「マーポローズ60MP−4000」
ヒドロキシエチルメチルセルロース:信越化学(株)製、「METOLOSE SNB60T」
デンプン:日本コーンスターチ(株)製、「コーンスターチホワイト」
アミロース:(株)林原製、「アミロースEX−I」
アミロペクチン:和光純薬工業(株)製
グリコーゲン:和光純薬工業(株)製、「グリコーゲン(カキ由来)」
キチン:和光純薬工業(株)製
キトサン:和光純薬工業(株)製、「キトサン1000」
アガロース:和光純薬工業(株)製、「アガロース1600」
カラギーナン:和光純薬工業(株)製、「アイリッシュモス(カラギーナン)」
ヘパリン:和光純薬工業(株)製、「ヘパリンナトリウム」
ヒアルロン酸:キューピー(株)製、「HA−F」
ペクチン:和光純薬工業(株)製
キシログルカン:大日本住友製薬(株)製、「グロリード6C」
キサンタンガム:和光純薬工業(株)製
また、表1〜8中のウレタン基、ウレア基、アミド基及びイミド基の合計導入率は下記により求めた。
<ウレタン基、ウレア基、アミド基及びイミド基の合計導入率の算出方法>
ウレタン基、ウレア基、アミド基及びイミド基の合計導入率=P/T’ (4)
P:修飾多糖類(A)を構成する単糖ユニットの有するヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基が置換されたウレタン基の水素原子のNMR積分値(P1)、ウレア基の水素原子のNMR積分値(P2)、アミド基の水素原子のNMR積分値(P3)及びイミド基の水素原子のNMR積分値(P4)を下記数式(5)に当てはめて得た合計積分値
P=P1+P2/2+P3+P4(5)
T’:修飾多糖類(A)を構成する単糖ユニットの4位の炭素原子に直接結合している水素原子のNMR積分値
<ウレタン基、ウレア基、アミド基及びイミド基の合計導入率の測定方法>
溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド
装置:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)
周波数:300MHz
表1〜8中、修飾多糖類(A)のMnは、下記条件にて測定した。
装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
[「Alliance GPC V2000」、Waters(株)製]
検出器:RI検出器
溶媒 :N,N−ジメチルホルムアミド
基準物質 :ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel MIXED−B
[ポリマーラボラトリーズ(株)製]
カラム温度 :40℃
実施例1〜51及び比較例1〜32
製造例1〜51で製造した(A−1)〜(A−51)又は比較製造例1〜32で製造した(A’−1)〜(A’−32)をそれぞれ100部と、有機溶剤として1,3−ジオキソラン1000部とをそれぞれ一括で配合し、ディスパーサーで均一に混合撹拌し、実施例1〜51及び比較例1〜32の逆波長分散フィルム用樹脂組成物を作製した。
[逆波長分散フィルムの作成]
実施例1〜51及び比較例1〜32で得た各逆波長分散フィルム用樹脂組成物を、表面処理を施した厚さ120μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム[東洋紡(株)製「コスモシャイン」]に、アプリケーターを用いて膜厚80μmとなるように塗布して、80℃で2時間乾燥した。乾燥後、PETフィルムから剥離することで、逆波長分散フィルムを得た。
[フィルムの性能評価]
作成したフィルムを用いて、下記(1)および(2)の評価を行った。結果を表9及び10に示す。
(1)透過率及びヘイズ(透明性)
JIS−K7136に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」BYK gardner製]を用いて透過率及びヘイズを測定した。透過率及びヘイズは、いずれも単位は%である。
(2)正の複屈折性及び逆波長分散性
大塚電子(株)製「RETS−100」にて波長450nm、590nm及び630nmの光に対する面内リタデーション(Re)を測定した。
正の複屈折性としては、波長590nmでのリタデーション値をフィルム膜厚で割った値を示す。なお、この値が大きいほど、正の複屈折性が高いことを示す。
逆波長分散性としては、Re(450)/Re(590)及びRe(630)/Re(590)の値を示す。なお、Re(450)、Re(590)及びRe(630)はそれぞれ波長450nm、550nm及び630nmでの面内リタデーションを指す。Re(450)/Re(590)=0.88±0.03かつRe(630)/Re(590)=1.06±0.03であるものが、逆波長分散性が特に良好であるものであり、上記範囲内でRe(450)/Re(590)の値とRe(630)/Re(590)の値との差が大きいものが、逆波長分散性がさらに特に良好であるものである。
下記製造方法により反射色度b*測定用フィルムを製造し、JIS−Z8729に準拠して反射色度b*を測定した。
<反射色度b*測定用フィルムの製造方法>
逆波長分散フィルム用樹脂組成物を、表面処理を施した厚さ120μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム[東洋紡(株)製「コスモシャイン」]に、アプリケーターを用いて膜厚80μmとなるように塗布した。塗布物を、80℃で2時間乾燥した。乾燥後、PETフィルムから剥離して反射色度b*測定用フィルムとした。
<反射色度b*の測定>
下記測定条件により、反射色度b*を測定した。
標準;白色標準板
装置;スガ試験機(株)製「多光源分光側色計MSC−2」
Figure 2014041347
Figure 2014041347
表9、10の結果から、本発明の実施例1〜51の逆波長分散フィルム用樹脂組成物は、耐けん化処理性、透明性、正の複屈折性及び逆波長分散性を同時に兼ね備えていることが分かる。このことから、フィルム用及びシート用の組成物として優れていることが分かる。
本発明の逆波長分散フィルム用樹脂組成物は、耐けん化処理性、透明性、正の複屈折性及び逆波長分散性に優れているため、特に逆波長分散フィルム又はシート、位相差フィルム又はシート及び円偏光フィルム又は円偏光シートとして有用である。

Claims (11)

  1. 多糖が有するヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1個の官能基が、ウレタン基、ウレア基、アミド基及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基に化学修飾されてなる修飾多糖類(A)を含有する逆波長分散フィルム用樹脂組成物であって、逆波長分散フィルム用樹脂組成物を80μmの膜厚に成形したフィルムのJIS−Z8729に準拠して求められる反射色度b*の絶対値が0〜1.0である逆波長分散フィルム用樹脂組成物。
  2. 修飾多糖類(A)が、下記多糖(a)が化学修飾された多糖類であって、この修飾多糖類(A)を構成する単糖ユニットの少なくとも1つが下記一般式(1)〜(6)からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造である請求項1に記載の逆波長分散フィルム用樹脂組成物。
    多糖(a):デンプン、グリコーゲン、セルロース、キチン、キトサン、アガロース、カラギーナン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ペクチン、キシログルカン及びキサンタンガム並びにこれらの有する官能基をウレタン基、ウレア基、アミド基及びイミド基以外に置換した多糖からなる群より選ばれる少なくとも1種の多糖。
    Figure 2014041347
    [式中、X1〜X13はそれぞれ独立に、水素原子又は下記一般式(7)であり;X1〜X3の内、少なくとも1つが下記一般式(7)で表される置換基であり;X4〜X6の内、少なくとも1つが下記一般式(7)で表される置換基であり;X7及びX8の内、少なくとも1つが下記一般式(7)で表される置換基であり;X10及びX11の内、少なくとも1つが下記一般式(7)で表される置換基であり;X12及びX13の内、少なくとも1つが下記一般式(7)で表される置換基であり;Yは酸素原子又はNH基であり、Zはヒドロキシル基又は(8)で表される置換基である。]
    Figure 2014041347
    [式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜18の1価の脂肪族炭化水素基であり;*は、それが付された結合により一般式(7)で表される置換基が、前記一般式(1)〜(6)におけるXと隣接する酸素原子又は窒素原子と結合することを表す。]
    Figure 2014041347
    [式中、R2は、炭素数1〜12の1価の脂肪族炭化水素基又はアルキルポリオキシアルキレン基であり;*は、それが付された結合により一般式(8)で表される置換基が、前記一般式(5)におけるZと隣接する炭素原子と結合することを表す。]
  3. 一般式(7)中のR1がメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基及びn−ステアリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基である請求項2に記載の逆波長分散フィルム用樹脂組成物。
  4. 多糖(a)が、セルロース、アシル化セルロース(a1)、エーテル化セルロース(a2)及びエーテル化アシル化セルロース(a3)からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2又は3に記載の逆波長分散フィルム用樹脂組成物。
  5. エステル化セルロース(C)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の逆波長分散フィルム用樹脂組成物。
  6. エステル化セルロース(C)が、アルキルエステル化セルロースであって、アルキルの炭素数が1〜18である請求項5に記載の逆波長分散フィルム用樹脂組成物。
  7. エステル化セルロース(C)が、アセテート基、プロピオネート基及びブチレート基からなる群より選ばれる少なくとも1種のエステル基を有するエステル化セルロースである請求項5又は6に記載の逆波長分散フィルム用樹脂組成物。
  8. 逆波長分散フィルム用樹脂組成物の重量を基準として、修飾多糖類(A)の含有量が1〜99.9重量%、エステル化セルロース(C)の含有量が0.1〜99重量%である請求項5〜7のいずれかに記載の逆波長分散フィルム用樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の逆波長分散フィルム用樹脂組成物から形成される逆波長分散フィルム又は逆波長分散シート。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の逆波長分散フィルム用樹脂組成物から形成される位相差フィルム又は位相差シート。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の逆波長分散フィルム用樹脂組成物から形成される円偏光フィルム又は円偏光シート。
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