JP2014040523A - タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱疲労性、破壊強度、接着性、低燃費性をバランスよく改善できるタイヤ用ゴム組成物、およびこれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】イソプレン系ゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られた樹脂とを含有し、樹脂100質量%中のフェノール系化合物(a)の共重合割合が5〜20質量%、テルペン系化合物(b)の共重合割合が80〜95質量%であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、およびそれを用いた空気入りタイヤに関する。
高性能タイヤのカーカスやバンド等に使用されるコードトッピング用ゴム組成物には、耐熱疲労性、破壊強度、接着性、低燃費性等、種々の性能が要求され、これらの性能を確保するため、従来より様々な工夫がなされている。
例えば、耐熱疲労性の向上を図るため、硫黄の配合量を減らし、加硫促進剤の配合量を増やすこと(EV加硫)が知られている。しかし、破壊強度が大きく低下してしまうという問題がある。
一方、硫黄の配合量を増やし、加硫促進剤の配合量を減らすこと(CV加硫)によって、優れた破壊強度が得られる。しかし、耐熱疲労性が劣ることが知られている。また、接着性も低下する傾向がある。このように、耐熱疲労性、破壊強度、接着性、低燃費性をバランスよく得ることは、非常に困難であり、これらすべての性能を充分に満足させるゴム組成物は未だに得られていないのが現状である。
特許文献1には、天然ゴム及び/又はイソプレンゴム、エポキシ化天然ゴム、硫黄並びに1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン等のリバージョン防止剤からなるゴム組成物を使用することで、リバージョン及び熱老化によるゴム物性の低下を抑制し、低燃費性及び破壊強度を向上できることが開示されている。しかしながら、耐熱疲労性、破壊強度、接着性、低燃費性をバランスよく改善するという点については、未だに改善の余地を残している。
特開2006−45471号公報
本発明は、前記課題を解決し、耐熱疲労性、破壊強度、接着性、低燃費性をバランスよく改善できるタイヤ用ゴム組成物、およびこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、イソプレン系ゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られた樹脂とを含有し、樹脂100質量%中のフェノール系化合物(a)の共重合割合が5〜20質量%、テルペン系化合物(b)の共重合割合が80〜95質量%であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記樹脂の重量平均分子量が1100以上であることが好ましい。
フェノール系化合物(a)がフェノールおよび/またはアルキルフェノールであり、テルペン系化合物(b)が水酸基を持たない環状不飽和炭化水素であることが好ましい。
テルペン系化合物(b)がα−ピネン、β−ピネン、3−カレン、リモネンおよびジペンテンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、樹脂の配合量が、ゴム成分100質量部に対して0.5〜10質量部であることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、チッ素吸着比表面積が30〜300m/gのカーボンブラックを20〜70質量部含むことが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、コードトッピング用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、JIS K6251:2010に基づいて、試験片としてダンベル状3号形試験片を使用し、25℃雰囲気下において引張試験を実施して測定した破断強度TB(MPa)、破断時伸びEB(%)から算出されるTB×EBが4500以上であることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
上記空気入りタイヤは、高性能タイヤであることが好ましい。
本発明によれば、イソプレン系ゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られた樹脂とを含有し、樹脂100質量%中のフェノール系化合物(a)の共重合割合が5〜20質量%、テルペン系化合物(b)の共重合割合が80〜95質量%であるタイヤ用ゴム組成物であるので、該ゴム組成物をタイヤ部材(特に、カーカス、バンド、ブレーカー)に使用することにより、耐熱疲労性、破壊強度、接着性、低燃費性がバランスよく優れた空気入りタイヤを提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、イソプレン系ゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られた樹脂とを含有し、樹脂100質量%中のフェノール系化合物(a)の共重合割合が5〜20質量%、テルペン系化合物(b)の共重合割合が80〜95質量%である。
本発明では、ゴム成分として、イソプレン系ゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含むゴム組成物において、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られた、特定の共重合割合の樹脂を含有するため、耐熱疲労性、破壊強度、接着性、低燃費性をバランスよく改善できる。
本発明では、ゴム成分として、イソプレン系ゴムおよびスチレンブタジエンゴム(SBR)が使用される。
イソプレン系ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム等が挙げられる。NRには、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)も含まれ、改質天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。また、NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、NR、IRが好ましい。
イソプレン系ゴムの含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。50質量%未満であると、破壊強度が低下するおそれがある。また、イソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。90質量%を超えると、耐熱疲労性が低下するおそれがある。イソプレン系ゴムの含有量が上記範囲内であると、耐熱疲労性、破壊強度、接着性、低燃費性がバランスよく得られる。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。なかでも、本発明の効果が好適に得られるという理由から、E−SBRが好ましい。
SBR中のスチレン含有率は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。30質量%を超えると、転がり抵抗が悪化する傾向がある。
SBRの含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。10質量%未満では、充分な耐熱疲労性が得られないおそれがある。また、SBRの含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。50質量%を超えると、低燃費性が悪化するおそれがある。SBRの含有量が上記範囲内であると、耐熱疲労性、破壊強度、接着性、低燃費性がバランスよく得られる。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴム、SBRの合計含有量は、60質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。60質量%未満であると、充分な耐熱疲労性、破壊強度、接着性、低燃費性が得られない傾向がある。また、該合計含有量の上限は特に限定されず、100質量%でもよい。
本発明で使用できるイソプレン系ゴム、SBR以外のゴム成分としては、特に限定されないが、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明では、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られ、樹脂100質量%中のフェノール系化合物(a)の共重合割合が5〜20質量%、テルペン系化合物(b)の共重合割合が80〜95質量%である樹脂が使用される。
(a)フェノール系化合物としては、フェノール性水酸基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、フェノール、アルキルフェノール、アルコキシフェノール(アルコキシ基の炭素原子数はアルキル基と同様である。)、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子を含有するハロゲン化フェノール、不飽和炭化水素基含有フェノールなどの1価のフェノール類が挙げられる。なかでも、耐熱疲労性、破壊強度、接着性、低燃費性をバランス良く改善できる点から、フェノール、o、m、p位の少なくとも1つがアルキル基で置換されたアルキルフェノールが好ましく、アルキルフェノール(特に、p位がアルキル基で置換されたアルキルフェノール)がより好ましい。
アルキルフェノールにおけるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5である。
アルキルフェノールの具体例としては、例えば、メチルフェノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、デシルフェノール、ジノニルフェノールが挙げられ、o、m、p位のいずれが置換されたものでもよい。なかでも、t−ブチルフェノールが好ましい。
アルコキシフェノールとしては、前述のアルキルフェノールのアルキル基に対応するアルコキシ基で置換されたメトキシフェノールなどが挙げられる。
ハロゲン化フェノールとしては、例えば、クロロフェノール、ブロモフェノールが挙げられる。
不飽和炭化水素基含有フェノールとしては、1分子中に少なくとも1個のヒドロキシフェニル基を含み、かつフェニル基の水素原子のうちの少なくとも1個が不飽和炭化水素基で置換された化合物が挙げられる。不飽和炭化水素基における不飽和結合としては、二重結合、三重結合が挙げられる。不飽和炭化水素基としては、炭素原子数2〜10のアルケニル基が挙げられる。不飽和置換基含有フェノールの具体例としては、イソプロペニルフェノール、ブテニルフェノールなどが挙げられる。これらのフェノール系化合物は単独でも2種以上を併用してもよい。
(b)テルペン系化合物は、(Cの組成で表される炭化水素およびその含酸素誘導体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物が挙げられる。テルペン系化合物は特に限定されないが、環状不飽和炭化水素が好ましく、また、水酸基を持たない化合物が好ましい。
テルペン系化合物の具体例としては、α−ピネン、β−ピネン、3−カレン(δ−3−カレン)、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオールなどが挙げられる。なかでも、耐熱疲労性、破壊強度、接着性、低燃費性をバランス良く改善できる点から、α−ピネン、β−ピネン、3−カレン(δ―3―カレン)、ジペンテン、リモネンが好ましく、α−ピネン、β−ピネン、3−カレンがより好ましく、α−ピネン、β−ピネンが更に好ましい。これらのテルペン系化合物は単独でも2種以上を併用してもよい。
前記樹脂(100質量%)におけるフェノール系化合物(a)の共重合割合は、5〜20質量%であり、10〜20質量%が好ましい。5質量%未満では、充分な耐熱疲労性、破壊強度、接着性が得られず、20質量%を超えると、充分な破壊強度が得られない傾向がある。
なお、共重合割合とは、樹脂(100質量%)を構成する各共重合成分の比率(質量%)を意味する。
テルペン系化合物(b)の共重合割合は、80〜95質量%であり、80〜90質量%が好ましい。80質量%未満では、充分な低燃費性が得られず、95質量%を超えると、充分な接着性が得られない傾向がある。
前記樹脂の軟化点は特に限定されないが、30〜180℃が好ましく、40〜160℃がより好ましく、50〜150℃がさらに好ましい。軟化点が30℃未満であれば、充分な接着性が得られない傾向となり、180℃を超えると、充分な接着性が得られない傾向がある。
なお、樹脂の軟化点は、JIS K6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
前記樹脂の重量平均分子量Mwは特に限定されないが、1100〜3000が好ましく、1150〜1500がより好ましく、1200〜1400が更に好ましい。Mwが1100未満であれば、充分な破壊強度、接着性、低燃費性(特に、破壊強度、低燃費性)が得られない傾向となり、3000を超えると、充分な接着性が得られない傾向がある。
なお、本明細書において、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、標準ポリスチレンより換算した値である。
前記樹脂は、(a)および(b)を公知の方法で共重合することにより合成できる。例えば、トルエンなどの有機溶媒中に、BFなどの触媒存在下において、フェノール系化合物およびテルペン系化合物を任意の順序で滴下し、所定の温度および時間反応させることにより調製できる。
樹脂の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましく、1〜8質量部がより好ましく、4〜8質量部がさらに好ましい。0.5質量部未満では、充分な耐熱疲労性、接着性が得られない傾向となり、10質量部を超えると、低燃費性が低下する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、補強用充填剤として、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルクなど、従来タイヤ用ゴム組成物において慣用されるもののなかから任意に選択して用いることができるが、なかでも、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックを使用することにより、破壊強度、接着性を向上できる。カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、ISAF、SAFなど、タイヤ工業において一般的なものを用いることができる。なお、カーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は好ましくは30m/g以上、より好ましくは60m/g以上である。NSAが30m/g未満では、充分な破壊強度が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは好ましくは300m/g以下、より好ましくは120m/g以下、更に好ましくは90m/g以下である。NSAが300m/gを超えると、カーボンブラックの分散性が悪く、破壊強度、低燃費性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30量部以上である。20質量部未満では、充分な破壊強度が得られない傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。70質量部を超えると、発熱が大きくなり、低燃費性、耐熱疲労性が悪化する傾向がある。また、カーボンブラックの分散性が悪く、破壊強度、低燃費性が低下する傾向がある。
シリカとカーボンブラックの合計100質量%中のカーボンブラックの含有量は、本発明の効果が好適に得られるという理由から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
本発明のゴム組成物には、上記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、粘着付与剤、ワックス、軟化剤、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
本発明で使用できる軟化剤としては、特に限定するものではないが、例えば、オイルであればアロマチックオイル、プロセスオイル、パラフィンオイル等の鉱物油が挙げられる。これら軟化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明では、本発明の効果が好適に得られるという理由から、オイルの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。なお、オイルの配合量には、油展ゴムに含まれるオイルも含まれる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。該ゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、コードトッピング用ゴム組成物(タイヤコードに被覆するゴム組成物)として好適に使用でき、具体的には、タイヤコードにゴム組成物を被覆して得られる部材であるカーカス、ブレーカー、バンドに好適に使用できる。
カーカスとは、トレッドの内部で、かつインナーライナーの半径方向外側に配される部材であり、具体的には、特開2004−67027号公報の図1等に示される部材である。
ブレーカーとは、トレッドの内部で、かつカーカスの半径方向外側に配される部材であり、具体的には、特開2003−94918号公報の図3、特開2004−67027号公報の図1、特開平4−356205号公報の図1〜4等に示される部材である。
バンドとは、ブレーカーと接するようにブレーカーのタイヤ半径方向外側に設けられている部材であり、例えば、特開2009−138043号公報の図1等に示される部材である。
本発明のタイヤ用ゴム組成物(加硫後)は、JIS K6251:2010に基づいて、試験片としてダンベル状3号形試験片を使用し、25℃雰囲気下において引張試験を実施して測定した破断強度TB(MPa)、破断時伸びEB(%)から算出されるTB×EB(MPa・%)が、4500以上であることが好ましく、4600以上であることがより好ましい。該TB×EBの上限は特に限定されず、高ければ高いほどよい。
TB×EBが上記範囲内であると、良好な破壊強度を確保できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でカーカス、バンド、ブレーカーなどの形状(カーカスの場合は、未加硫の段階でタイヤコードに被覆してカーカスの形状、バンドの場合は、未加硫の段階でタイヤコードに被覆してバンドの形状、ブレーカーの場合は、未加硫の段階でタイヤコードに被覆してブレーカーの形状)に成形した後、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
本発明で使用できるタイヤコードとしては、有機繊維コード、スチールコード、有機繊維とスチールのハイブリッドコードなどが挙げられる。具体的には、タイヤ用スチールコード、2+2/0.23(線経0.23mmの2本と2本のコードを和して撚り合せたタイヤコード)、黄銅メッキ付高張力コードなどが挙げられる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等として用いられ、特に、高性能タイヤとして好適に用いられる。なお、本明細書における高性能タイヤとは、グリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
製造例1、2
<使用薬品>
レジンの合成に使用した薬品を以下に示す。なお、薬品は必要に応じて定法に従い精製を行った。
トルエン:関東化学(株)製
α−ピネン:東京化成工業(株)製
p−tブチルフェノール:和光純薬工業(株)製
三フッ化ホウ素(BF):東京化成工業(株)製
炭酸ナトリウム:東京化成工業(株)製
<合成方法>
温度計、攪拌装置、冷却器、Dean−Starkトラップを備えた三口フラスコを十分に窒素置換し、そこにトルエン200gを添加した。これにp−tブチルフェノールを5g添加し、攪拌、還流を2時間行った。触媒としてBFガスを1.2g添加し、α−ピネン95gを90分程度の時間で滴下し、40℃において60分間窒素下で攪拌しながら重合を行った。反応終了後、炭酸ナトリウム1.2gを100mlの水に溶解したものを添加して反応を停止させ、水洗を繰り返すことで触媒を除去した。減圧蒸留することでトルエン、未反応モノマーを除去し目的とするレジンAを得た。
表1の添加量に変更する他は、レジンAとほぼ同様の方法でレジンBを合成した。
合成したレジンの組成、軟化点、分子量を表1に示す。なお、分子量、軟化点は以下の方法で測定した。
(重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)の測定)
Mw、Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めた。
(軟化点)
軟化点は、JIS K6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度を軟化点とした。
Figure 2014040523
実施例および比較例
<使用薬品>
実施例および比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS#3
SBR:Nipol9548(日本ゼオン(株)製、E−SBR、スチレン含有率:35質量%、ゴム成分100質量部に対して、オイル分を37.5質量部含有)
カーボンブラック:N330(キャボットジャパン(株)製、NSA:75m/g)
オイル:ダイアナプロセスAH−24(出光興産(株)製プロセスオイル)
レジンA、B:製造例1、2で合成
レジンC:YSレジンPX1250(テルペン樹脂、ヤスハラケミカル(株)製)
レジンD:Koresin(p−tブチルフェノール樹脂、BASF社製)
酸化亜鉛:酸化亜鉛(三井金属鉱業(株)製)
ステアリン酸:ステアリン酸「椿」(日油(株)製)
老化防止剤:アンチゲン6C(住友化学(株)製)(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:粉末硫黄(軽井沢硫黄(株)製)
加硫促進剤:ノクセラーCZ(大内新興化学工業(株)製、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
<ゴム組成物の製造法>
表2に示す配合処方にしたがって、神戸製鋼製1.7Lバンバリーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の材料を150℃で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて80℃で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫することにより、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表2に示す。
<評価方法>
(耐熱疲労性)
得られた加硫ゴム組成物を用いて、JIS K6265:2001に従って、グッドリッチ式発熱試験機を用いて、繰り返し圧縮変形を与えてゴムの自己発熱をさせることでブローアウトまでの時間を測定した。比較例1を100として指数表示をした。数値が大きいほど、耐熱疲労性に優れることを示す。
(破壊強度)
JIS K6251:2010に基づいて、得られた加硫ゴム組成物からダンベル状3号形試験片を作製し、該試験片を用いて25℃雰囲気下において、東洋精機(株)製の引張試験機を用いて引張試験を実施して破断強度TB(MPa)、破断時伸びEB(%)を測定した。そして、TB×EB(MPa・%)を算出した。TB×EBが大きいほど、破壊強度に優れることを示す。
(接着性)
得られた未加硫ゴム組成物でナイロンコードのすだれを挟み込み、所定のモールドで170℃12分間加硫し、試験用サンプルを得た。得られた試験用サンプルについて、東洋精機(株)製の引張試験機を用いて、25℃雰囲気下において、ゴムとコードの剥離を行い、コードへのゴム付き状態を観察した。結果は、比較例1を100として指数表示をした。指数が大きいほど、接着性に優れることを示す。
(低燃費性)
メトラビブ粘弾性試験機を用いて、50℃における各加硫ゴム組成物のtanδを測定した。結果は、比較例1を100として指数表示した。指数が大きいほど、転がり抵抗が低い(低燃費性に優れる)ことを示す。
Figure 2014040523
表2の結果から、テルペン、p−tブチルフェノールのレジンを配合した比較例2、3では、実施例に比べて性能バランスが劣っていた。また、これらをブレンドした比較例4でも性能バランスは悪かった。
一方、イソプレン系ゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られ、樹脂100質量%中のフェノール系化合物(a)の共重合割合が5〜20質量%、テルペン系化合物(b)の共重合割合が80〜95質量%である樹脂(レジンA、B)とを含有することで、耐熱疲労性、破壊強度、接着性、低燃費性が同時に改善され、これらの性能バランスを顕著に改善できることが明らかとなった。

Claims (10)

  1. イソプレン系ゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られた樹脂とを含有し、樹脂100質量%中のフェノール系化合物(a)の共重合割合が5〜20質量%、テルペン系化合物(b)の共重合割合が80〜95質量%であるタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記樹脂の重量平均分子量が1100以上である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. フェノール系化合物(a)がフェノールおよび/またはアルキルフェノールであり、テルペン系化合物(b)が水酸基を持たない環状不飽和炭化水素である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. テルペン系化合物(b)がα−ピネン、β−ピネン、3−カレン、リモネンおよびジペンテンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 樹脂の配合量が、ゴム成分100質量部に対して0.5〜10質量部である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. ゴム成分100質量部に対して、チッ素吸着比表面積が30〜300m/gのカーボンブラックを20〜70質量部含む請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. コードトッピング用ゴム組成物として用いられる請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. JIS K6251:2010に基づいて、試験片としてダンベル状3号形試験片を使用し、25℃雰囲気下において引張試験を実施して測定した破断強度TB(MPa)、破断時伸びEB(%)から算出されるTB×EBが4500以上である請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
  10. 高性能タイヤである請求項9記載の空気入りタイヤ。
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