JP2012144643A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Koji Fujisawa
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Abstract

【課題】走行初期の適度な剛性を維持しつつダンピング性能を向上できるタイヤ用ゴム組成物、及び該タイヤ用ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、サイドウォール)に用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】イソプレン系ゴムとブタジエンゴムを含むゴム成分と、軟化点が70〜170℃のクマロンインデン樹脂と、軟化点が70〜150℃のテルペン系樹脂とを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、乗用車や自動二輪車の高性能化に伴い、タイヤに対して高速で安全に走行できる性能が求められるようになっている。高性能の乗用車や自動二輪車に使用される高性能タイヤ、特にオフロードで使用されるタイヤ(例えば、モトクロス競技用タイヤ)には、高いダンピング性能(タイヤの振動の収まり易さ)を有することが求められる。
ダンピング性能を改善する方法としては、ビード部のビードコアから半径方向外方にのびるビードエーペックスゴムの動的弾性率を規制すること、トレッド部を減衰性能に優れるゴム層を用いて形成すること、カーカス層内側に内貼りされるゴムシートを所定の物性とすること等、種々の手法が提案されているが、サイドウォール部に対する更なる改善も求められている。
一方、特許文献1には、クマロンインデン樹脂を配合したゴム組成物が開示されている。しかしながら、ここではサイドウォールへの適用については詳細に検討されていないし、また、走行初期の適度な剛性を維持しつつダンピング性能を向上する点については改善の余地がある。
特開2004−137463号公報
本発明は、前記課題を解決し、走行初期の適度な剛性を維持しつつダンピング性能を向上できるタイヤ用ゴム組成物、及び該タイヤ用ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、サイドウォール)に用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、ダンピング性能を向上させるために、様々な樹脂を用いる試みを行った結果、クマロンインデン樹脂を用いることにより、ダンピング性能を向上できることを見出した。しかし、更なるダンピング性能の向上を目的としてクマロンインデン樹脂を増量すると、ゴム組成物の温度依存性が高くなり、低温での硬さが硬くなりすぎて、サイドウォールに必要とされる適切な剛性(柔らかさ)(特に、走行初期のタイヤが暖まっていない状態での剛性)を損なうという問題が新たに生じた。そこで、本発明者らは、鋭意検討を行った結果、テルペン系樹脂が他の樹脂よりも温度依存性が低いことを見出し、更に、特定のゴム成分と共に、特定の軟化点を有するクマロンインデン樹脂と、特定の軟化点を有するテルペン系樹脂とを併用することで、ダンピング性能を向上させつつ、低温での硬さが硬くなりすぎることを防止でき、走行初期の適度な剛性を維持しつつダンピング性能を向上できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、イソプレン系ゴムとブタジエンゴムを含むゴム成分と、軟化点が70〜170℃のクマロンインデン樹脂と、軟化点が70〜150℃のテルペン系樹脂とを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、上記クマロンインデン樹脂を1〜20質量部、上記テルペン系樹脂を1〜20質量部含むことが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを20〜80質量部含むことが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、サイドウォール用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
上記空気入りタイヤは、モトクロス競技用タイヤであることが好ましい。
本発明によれば、イソプレン系ゴムとブタジエンゴムを含むゴム成分と、特定の軟化点を有するクマロンインデン樹脂と、特定の軟化点を有するテルペン系樹脂とを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、走行初期の適度な剛性を維持しつつダンピング性能を向上できる。該ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、サイドウォール)に使用することにより、上記性能に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、イソプレン系ゴムとブタジエンゴムを含むゴム成分と、特定の軟化点を有するクマロンインデン樹脂と、特定の軟化点を有するテルペン系樹脂とを含む。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム(IR)等が挙げられる。なかでも、走行初期の適度な剛性を維持しつつダンピング性能をより向上できるという理由から、NRが好ましい。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは25質量%以上、より好ましくは35質量%以上である。25質量%未満であると、必要なゴム強度が得られないおそれがある。該イソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは65質量%以下、より好ましくは55質量%以下である。65質量%を超えると、走行中に適切な剛性を得られないおそれがある。
BRとしては特に限定されず、例えば、高シス含有量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBRなどを使用できる。なかでも、シス含有量が95質量%以上のBRが好ましい。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは35質量%以上、より好ましくは45質量%以上である。35質量%未満であると、走行中に適切な剛性を得られないおそれがある。該BRの含有量は、好ましくは75質量%以下、より好ましくは65質量%以下である。75質量%を超えると、十分な耐亀裂成長性が得られないおそれがある。
イソプレン系ゴム、BR以外に本発明に使用されるゴム成分としては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明では、それぞれ特定の軟化点を有するクマロンインデン樹脂及びテルペン系樹脂が使用される。これにより、走行初期の適度な剛性を維持しつつダンピング性能を向上できる。
本発明で使用するクマロンインデン樹脂は、以下の軟化点を有するクマロンインデン樹脂である。ここで、クマロンインデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成するモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂であり、クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエン等が挙げられる。
クマロンインデン樹脂の軟化点は、70℃以上、好ましくは90℃以上、より好ましくは110℃以上である。70℃未満であると、充分なダンピング性能の向上効果が得られないおそれがある。また、該軟化点は、170℃以下、好ましくは160℃以下である。170℃を超えると、混合工程において十分にクマロンインデン樹脂が分散せず、本発明の効果が好適に得られないおそれがある。
なお、クマロンインデン樹脂の軟化点は、JIS K 6220に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
クマロンインデン樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。1質量部未満では、充分なダンピング性能の向上効果が得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは6質量部以下である。20質量部を超えると、走行初期の適度な剛性が得られないおそれがある。
本発明で使用するテルペン系樹脂は、以下の軟化点を有するテルペン系樹脂である。ここで、テルペン系樹脂は、テルペン化合物をモノマーとして重合された樹脂を意味する。テルペン化合物は、一般にイソプレン(C)の重合体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物であり、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオールなどが挙げられる。
テルペン系樹脂としては、上述したテルペン化合物を原料とするα−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、β−ピネン/リモネン樹脂などのテルペン樹脂(ポリテルペン樹脂)の他、テルペン樹脂に水素添加処理した水素添加テルペン樹脂も挙げられる。
テルペン系樹脂としては、たとえばアリゾナケミカル社製のSylvares TRB115、Sylvares TR1115T、Sylvares TR90、Sylvares TR1135などの市販品を好適に用いることができる。
テルペン系樹脂の軟化点は、70℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上である。70℃未満であると、充分なダンピング性能の向上効果が得られないおそれがある。また、該軟化点は、150℃以下、好ましくは145℃以下である。150℃を超えると、混合工程において十分にテルペン系樹脂が分散せず、本発明の効果が好適に得られないおそれがある。
なお、テルペン系樹脂の軟化点は、JIS K 6220に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
テルペン系樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは6質量部以上である。1質量部未満では、充分なダンピング性能の向上効果が得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは12質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。20質量部を超えると、走行初期の適度な剛性が得られないおそれがある。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含むことが好ましい。これにより、走行初期の適度な剛性、ゴム強度をより好適に確保でき、より好適に走行初期の適度な剛性を維持しつつダンピング性能を向上できる。
カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、ISAF、SAFなどを用いることができる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は100m/g以上が好ましく、120m/g以上がより好ましい。また、カーボンブラックのNSAは180m/g以下が好ましく、160m/g以下がより好ましい。NSAが上記範囲内であると、走行初期の適度な剛性、ゴム強度をより好適に確保できる。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、90ml/100g以上が好ましく、100ml/100g以上がより好ましい。また、カーボンブラックのDBPは、135ml/100g以下が好ましく、125ml/100g以下がより好ましい。DBPが上記範囲内であると、走行初期の適度な剛性、ゴム強度をより好適に確保できる。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4の測定方法によって求められる。
カーボンブラックを配合する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは40質量部以上である。20質量部未満では、走行初期の適度な剛性、ゴム強度が充分に得られないおそれがある。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは80質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。80質量部を超えると、硬くなりすぎて走行初期の適度な剛性が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカ等の充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、オイル等の軟化剤、ワックス、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材(特に、サイドウォール)に好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材(特に、サイドウォール)の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、高性能の乗用車や自動二輪車に使用される高性能タイヤ、特にオフロードで使用されるモトクロス競技用タイヤに好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS#3
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含有量:97質量%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN550(NSA:143m/g、DBP:113ml/100g)
酸化亜鉛:ハクスイテック(株)製の酸化亜鉛3種(平均一次粒子系1.0μm)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH−24
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
クマロンインデン樹脂(1):ルトガーケミカル社製のNOVARES C100(クマロンインデン樹脂、軟化点:100℃)
クマロンインデン樹脂(2):ルトガーケミカル社製NOVARES C150(クマロンインデン樹脂、軟化点:150℃)
テルペン系樹脂(1):アリゾナケミカル社製のSylvares TR90(テルペン系樹脂(ポリテルペン樹脂)、軟化点:90℃)
テルペン系樹脂(2):アリゾナケミカル社製のSylvares TR1135(テルペン系樹脂(ポリテルペン樹脂)、軟化点:135℃)
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ
実施例1〜6及び比較例1〜7
表1に示す配合処方にしたがい、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を140℃で5分間混練した。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加して90℃で3分間混練し、未加硫ゴム組成物を得た。未加硫ゴム組成物を170℃で12分間加硫することにより加硫ゴム組成物を得た。
次に、得られた未加硫ゴム組成物をタイヤ成型機上でサイドウォール形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせて未加硫タイヤを作製した。未加硫タイヤを150℃で30分間加硫することにより試験用モトクロス競技用タイヤを製造した。
得られた加硫ゴム組成物、試験用モトクロス競技用タイヤについて下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(粘弾性試験)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度30℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で、各加硫ゴム組成物の複素弾性率Eを測定した。Eが大きいほど、硬いことを示す。
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で、各加硫ゴム組成物のtanδを測定した。tanδが大きいほどダンピング性能に優れることを示す。
(実車評価)
モトクロス車両に試験用モトクロス競技用タイヤを装着し、1周約2kmのコースを8周走行して以下の基準により評価した。
ダンピング性能:比較例1のタイヤのダンピング性能のフィーリングを3点とし、5点満点で評価した。
走行初期の剛性感:比較例1のタイヤの走行初期(最初の4周)の剛性感のフィーリングを3点とし、5点満点で評価した。評価が高いほど、走行初期の適度な剛性が確保されていることを示す。
Figure 2012144643
イソプレン系ゴムとブタジエンゴムを含むゴム成分と、特定の軟化点を有するクマロンインデン樹脂と、特定の軟化点を有するテルペン系樹脂とを含む実施例は、走行初期の適度な剛性を維持しつつダンピング性能を向上できた。

Claims (6)

  1. イソプレン系ゴムとブタジエンゴムを含むゴム成分と、軟化点が70〜170℃のクマロンインデン樹脂と、軟化点が70〜150℃のテルペン系樹脂とを含むタイヤ用ゴム組成物。
  2. ゴム成分100質量部に対して、前記クマロンインデン樹脂を1〜20質量部、前記テルペン系樹脂を1〜20質量部含む請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを20〜80質量部含む請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. サイドウォール用ゴム組成物として用いられる請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
  6. モトクロス競技用タイヤである請求項5記載の空気入りタイヤ。
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