JP2014040060A - プラスチック光学部品のプレス成形型及びプラスチック光学部品の製造方法 - Google Patents

プラスチック光学部品のプレス成形型及びプラスチック光学部品の製造方法 Download PDF

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【課題】 装置のコストアップを抑えて、高速加熱及び冷却が可能なプラスチック光学部品のプレス成形型およびそのプレス成形型を用いたプラスチック光学部品の製造方法を提供する。
【解決手段】 成形素材をプレスするための上型と、下型と、胴型と、前記胴型を冷却するための胴型冷却手段とを有するプレス成形型において、前記胴型は外周面の少なくとも一部分にツバを有し、前記胴型冷却手段は前記胴型の動作によって前記ツバと当接して、前記胴型を冷却するように配置されているプラスチック光学部品のプレス成形型およびそのプレス成形型を用いたプラスチック光学部品の製造方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レンズ等のプラスチック光学部品のプレス成形型及びそれを用いたプラスチック光学部品の製造方法に関するものである。
プラスチックレンズを製造する方法の一つとして、プレス成形が一般的に行われている。プレス成形のプロセスは、まず、光学面を有する一対の型(上型、下型)と胴型を用意する。上型、下型及び胴型は成形素材のガラス転移温度以上まで事前に加熱されている。次に上型、下型の間に成形素材が配置され、胴型に対して、上型、下型を摺動させることでプレスが行われる。プレスにより上型、下型の成形型の形状が成形素材に転写されるのと同時に、成形型及び成形素材はガラス転移温度以下まで冷却され、成形素材は固化させられる。最後に再び胴型に対し、上型、下型を摺動させて型開きが行われることで、成形品が取り出される。
冷却の際、上型、下型及び胴型の温度を制御して、成形素材の急冷や温度分布の発生を抑制することで、密度分布や複屈折といった内部歪のない、高品質のプラスチックレンズが製造される。
このようなプロセスで成形する場合、上型、下型及び胴型を加熱・冷却するために、成形型に温度調整手段を設ける必要がある。例えば特許文献1において、胴型温度調整手段で胴型を挟み、胴型温度調整手段の内部に冷却媒体を流したり、胴型温度調整手段から胴型に冷却媒体を吹き付けたりすることにより、胴型を冷却している。また上型、下型の近辺に加熱手段を設けることで、上型、下型及び胴型が加熱される。
特開2007−238389号公報
プレス成形は、成形型の全体を加熱冷却する必要があるため、成形サイクルが長くなりやすく、生産効率が上がらないという問題点を有する。そのため、上型、下型や胴型にそれぞれ温度調整手段を設けて、加熱冷却にかかる時間を短縮することが一般的に行われている。
上型、下型及び胴型に加熱手段を設けることで、成形型全体の高速加熱が可能となるが、それだけでは冷却速度を上げることができない。また上記特許文献1のように胴型に冷却ユニットを設置し、冷却ユニットの内部に冷却媒体を流すことで、冷却速度を多少向上することは可能であるが、成形型の熱容量が冷却ユニット分増加するため、加熱・冷却ともに効率が落ちる欠点を有する。
さらに冷却ユニットを胴型から分離して、冷却時に冷却ユニットを動かして胴型に押し当てることで、成形型の熱容量を増加させず、高速加熱及び高速冷却を行うことが可能になるが、冷却ユニットを動作させる駆動機構が必要になる。そのために、装置のコストアップや、駆動機構を設置するための装置スペースの増加につながるといった課題があった。
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであり、プレス成形型及び装置のコストアップを抑え、かつプレス成形型の高速加熱及び高速冷却が可能なプラスチック光学部品のプレス成形型およびそのプレス成形型を用いたプラスチック光学部品の製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決するプラスチック光学部品のプレス成形型は、成形素材をプレスするための上型と、下型と、胴型と、前記胴型を冷却するための胴型冷却手段とを有するプレス成形型において、前記胴型は外周面の少なくとも一部分にツバを有し、前記胴型冷却手段は前記胴型の動作によって前記ツバと当接して、前記胴型を冷却するように配置されていることを特徴とする。
上記の課題を解決するプラスチック光学部品の製造方法は、成形素材をプレスするための上型と、下型と、外周面の少なくとも一部分にツバを有する胴型と、前記胴型を冷却するための胴型冷却手段とを有するプレス成形型を用いてプラスチック光学部品を成形する方法であって、加熱された成形素材を上型と下型と胴型の中に配置する型閉じ動作を行う工程と、前記胴型を動作させて前記ツバを前記胴型冷却手段に当接させて前記胴型を冷却すると共に、前記ツバに設けられた加熱手段の出力制御により、前記胴型の温度制御を行う工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、プレス成形型及び装置のコストアップを抑え、かつプレス成形型の高速加熱及び高速冷却が可能なプラスチック光学部品のプレス成形型およびそのプレス成形型を用いたプラスチック光学部品の製造方法を提供することができる。
本発明のプレス成形型の第一の実施形態を表わす概略図である。 本発明のプラスチック光学部品の製造方法の第一の実施形態を表わす概略図である。 本発明のプレス成形型の第二の実施形態を表わす概略図である。 本発明のプレス成形型の第二の実施形態の他の形態を表わす概略図である。 本発明のプレス成形型の第三の実施形態を表わす概略図である。 比較例1に係る成形型を表わす概略図である。 参考例1に係る成形型を表わす概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るプラスチック光学部品のプレス成形型は、成形素材をプレスするための上型と、下型と、胴型と、前記胴型を冷却するための胴型冷却手段とを有するプレス成形型において、前記胴型は外周面の少なくとも一部分にツバを有し、前記胴型冷却手段は前記胴型の動作によって前記ツバと当接して、前記胴型を冷却するように配置されていることを特徴とする。
以下、本発明に係るプラスチック光学部品のプレス成形型について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のプラスチック光学部品を製造するプレス成形型の第一の実施形態を表わす概略図である。図中において、1は成形素材、2は上型、3は下型、4は胴型、4aは胴型のツバ、5は胴型冷却ユニットからなる胴型冷却手段、6は加熱手段、7はバネである。また、20はプレス成形型である。
本発明に係るプラスチック光学部品のプレス成形型20は、成形素材1をプレスするための上型2と、下型3と、胴型4と、前記胴型を冷却するための胴型冷却手段5と、加熱手段6及びバネ7を有する。
成形素材1を上型2と下型3、胴型4を用いてプレスし、型の形状を成形素材1に転写する。上型2及び下型3の成形素材1側の面は光学面となっている。胴型4は円筒形状をしており、円筒形状の内部を上型2と下型3が摺動する様に構成されている。胴型4は、外周面の少なくとも一部分にツバ4aを有している。ツバ4aは、胴型4の成形面の反対側になる位置に外周面の全周にわたって設けられているのが好ましい。
胴型のツバ4aには、胴型を加熱するための加熱手段6が設置されている。またツバ4aの下方には、空間を置いて胴型冷却手段5が配置されている。胴型4が動作して下方に移動すると、胴型冷却手段5はツバ4aと当接して、胴型4を冷却するように配置されている。胴型冷却手段5で胴型の熱を奪いつつ、加熱手段6で出力制御しながら胴型に適当な熱を与えることで、胴型4の温度制御を行うことが可能になる。
胴型冷却手段5はツバ4aの形状に合わせてリング形状をしており、ツバ4aから均一に熱を奪えるように構成されている。胴型冷却手段5の内部には、管路が設けられており、管路内に冷却媒体を流すことで胴型冷却手段5の冷却を行う。胴型冷却手段5は、成形素材のガラス転移温度以下に保持されているのが好ましい。
また胴型冷却手段5のツバ4aと当接しない位置にはバネ7が取り付けられており、バネ7の他方は図示しない製造装置に固定されている。バネ7は、プレス動作時に胴型が下降してきた際、ツバ4aの下面と胴型冷却手段5の上面が密着するように長さやバネ定数が調整されている。
上型2と胴型4には、図示しない昇降手段が取り付けられており、上型2と胴型4を一体で上下動させたり、それぞれ独立で動作させたりすることが可能な構成になっている。また上型2には図示しない上型温度制御手段が設けられており、胴型4と独立して上型の温度制御が可能となっている。
下型3は容易に着脱可能な構造になっており、成形開始前に成形素材1を載せた状態でプレス成形型20に搬入される。そして所定の場所に位置決めされ、図示しない下型固定手段によりプレス動作時や型開き動作時に下型が動かないよう、固定される。下型固定手段には、下型温度制御手段が設けられており、上型2と同じく、胴型4と独立して下型の温度制御が可能となっている。
本発明のプレス成形型によれば、成形型の型閉じ動作で胴型のツバに胴型冷却手段が当接することで、胴型冷却手段に駆動機構を設けることなく胴型の高速冷却が可能になる。また、プレス成形型の型開き動作で胴型のツバから胴型冷却手段が離れることで、上型2と、下型3と、胴型4の必要な部分のみを高速に加熱することができる。
次に、本発明のプラスチック光学部品の製造方法について説明する。
本発明に係るプラスチック光学部品の製造方法は、成形素材をプレスするための上型と、下型と、外周面の少なくとも一部分にツバを有する胴型と、前記胴型を冷却するための胴型冷却手段とを有するプレス成形型を用いてプラスチック光学部品を成形する方法であって、加熱された成形素材を上型と下型と胴型の中に配置する型閉じ動作を行う工程と、前記胴型を動作させて前記ツバを前記胴型冷却手段に当接させて前記胴型を冷却すると共に、前記ツバに設けられた加熱手段の出力制御により、前記胴型の温度制御を行う工程を有することを特徴とする。
図2は、本発明のプラスチック光学部品の製造方法の第一の実施形態を表わす概略図である。図中において、1は成形素材、10は下型3を加熱する下型加熱手段、13は下型3を搬送する搬送手段、14は胴型冷却手段5に接続しており、冷却媒体が流れている冷却媒体管、15は冷却媒体の温度制御を行うチラーである。
プレス成形型20の胴型冷却手段5の管路は、冷却媒体管14に接続しており、内部に冷却媒体が流れている。冷却媒体管14はチラー15に接続されており、冷却媒体の温度制御が行われる。またプレスの前工程として、下型加熱手段10が配置されている。下型3及び成形素材1は、搬送手段13を用いて下型加熱手段10からプレス成形型20に搬送される。
次に、図1および図2により、プレス成形のプロセスについて説明する。
下型3は、下型加熱手段10にてプレス開始温度に事前に加熱される。プレスプレス成形型20内の上型2及び胴型4もプレス開始温度に事前に加熱される。事前加熱を完了した下型3に、ガラス転移温度以上まで加熱された成形素材1が置載され、搬送手段13によりプレス成形型20に搬送される。
次に、加熱された成形素材1を、上型2と下型3と胴型4の中に配置する型閉じ動作を行う。下型3を図1(a)のようにプレス成形型20内に設置した後、上型2と胴型4を下降させて型閉じ動作を行い、図1(b)に示すように、ツバ4aを胴型冷却手段5に当接させることで、胴型4の冷却を開始する。
続けて、図1(c)に示すように、上型2を下降させ、成形素材1のプレスを行う。胴型4を動作させてツバ4aを胴型冷却手段5に当接させて胴型を冷却すると共に、ツバ4aに設けられた加熱手段6の出力制御により、胴型4の温度制御を行う。冷却中は加熱手段6の出力制御をすることで、冷却速度の制御を行う。
冷却完了後、上型2及び胴型4を上昇させ、成形素材1と上型2及び胴型4を離型させ、型開き動作を行う。最後に下型3から成形素材1を離型させることで、目的の形状に成形された成形素材1からなるプラスチック光学部品を得ることができる。
本発明の製造方法によれば、胴型冷却手段で胴型の熱を奪いつつ、加熱手段で出力制御しながら胴型に適当な熱を与えることで、胴型の温度制御を行うことが可能になる。また、型閉じ動作により胴型のツバが胴型冷却手段に当接することで、胴型冷却手段に駆動機構を設けることなく胴型の高速冷却が可能になる。
本発明において、プラスチック光学部品には、レンズ、フレネルレンズ、プリズム、ミラー等が挙げられる。
次に本発明のプラスチック光学部品を製造するプレス成形型の第二の実施形態について説明する。
図3は、本発明のプレス成形型の第二の実施形態を表わす概略図である。図2と同一部分には同一記号を付し、その詳細な説明については省略する。
本実施形態については、プレス成形型20を複数個を有し、各胴型冷却手段5の管路に流す冷却媒体を共通化することで、各胴型に高速温度制御の能力を持たせつつ、装置全体のコストアップを抑えた形態について説明する。
本実施形態では、上型2、下型3、胴型4並びに胴型冷却手段等を有する複数個のプレス成形型20Aから20Eが配置されている。
プレス成形型20の胴型冷却手段5の管路は、冷却媒体管14に繋がっており、内部を冷却媒体が流れている。冷却媒体はすべてのプレス成形型20で共通であり、冷却媒体管14は1系統にまとめられる。冷却媒体管14はチラー15に接続されており、冷却媒体の温度制御が行われる。その他の構成及びプロセスについては、第一の実施形態と同様である。
図4は、本発明のプレス成形型の第二の実施形態の他の形態を表わす概略図である。図3では、胴型冷却手段5から引き出した冷却媒体管14を1系統にまとめて、チラー15に接続しているが、図4に示す様に、冷却媒体管14を直列で接続しても良い。複数個のプレス成形型20Aから20Eの胴型冷却手段を直列で接続し、両端のプレス成形型20Aと20Eの胴型冷却手段5の管路を冷却媒体管14に接続し、冷却媒体管14は1系統にまとめられてチラー15に接続されており、冷却媒体の温度制御が行われる。その他の構成及びプロセスについては、第一の実施形態と同様である。
次に本発明のプラスチック光学部品を製造するプレス成形型の第三の実施形態について説明する。
図5は、本発明のプレス成形型の第三の実施形態を表わす概略図である。図1と同一部分には同一記号を付し、その詳細な説明については省略する。
本実施形態は、胴型のツバの上方には、胴型の動作によって胴型のツバまたは加熱手段と当接し、胴型を加熱するための胴型加熱ユニットが設けられていることを特徴とする。ツバ4aの上方に胴型加熱ユニット8を設けることにより、胴型4の事前加熱にかかる時間を更に短縮することができる。
図5において、胴型加熱ユニット8は、ツバ4aの形状に合わせてリング形状をしており、ツバ4aに均一に熱を与えるように構成されている。胴型加熱ユニット8の内部には、管路が設けられており、管路内に加熱媒体を流すことで胴型加熱ユニット8の加熱を行う。
胴型加熱ユニット8の管路は、図示しない加熱媒体管に繋がっている。加熱媒体管は同じく図示しない温度調節機に接続されており、加熱媒体の温度制御が行われる。また胴型加熱ユニット8にはバネ7aが取り付けられており、バネ7aの他方は図示しない製造装置に固定されている。バネ7aは、型開き動作時に胴型が上昇してきた際、ツバ4aの上面と胴型加熱ユニット8の下面が密着するように長さやバネ定数が調整されている。
その他の構成及びプロセスについては、第一の実施形態と同様である。
次に、本発明の実施例を示し、さらに具体的に説明する。
(実施例1)
本発明のプレス成形型を用いてプラスチック光学部品を製造する具体的な方法について、図1及び図2を用いて説明する。
本実施例で製造するプラスチック光学部品は外径20mmのレンズであり、部品形状に合わせた上型2、下型3、胴型4を用意した。上型2と胴型4はプレス成形型20内に組み込まれており、下型3は搬送可能な状態となっている。
成形素材1には光学プラスチック材料であるシクロオレフィンポリマー(COP)を使用した。COPのガラス転移温度は139℃である。
まず下型3を下型加熱手段10に設置し、成形素材1のガラス転移温度以上である250℃まで事前加熱を行った。事前加熱完了後、下型3にガラス転移温度以上である260℃に加熱された成形素材1を載置した。
一方、プレス成形型20でも、上型2及び胴型4の事前加熱を行った。上型2は成形素材1のガラス転移温度以上である150℃まで、図示しない上型温度制御手段を用いて温めた。同様に胴型4でも150℃まで、加熱手段6を用いて加熱した。今回用いた加熱手段6の出力は400Wであり、製造する光学部品の大きさやプレス成形型20の熱容量に合わせて出力を決定した。
上型2、下型3及び胴型4をガラス転移温度以上まで温めることで、面精度を光学面に必要なレベルまで向上させるとともに、内部歪である複屈折を低減することができる。
プレス成形型20の事前加熱完了後、搬送手段13を用いて、成形素材1を載置した下型3をプレス成形型20に搬送した。下型3は図1(a)のように設置し、図示しない下型固定手段により位置決め、そして固定を行った。
下型3の設置後、上型2と胴型4を一体で下降させて型閉じ動作を行い、図1(b)に示すように、ツバ4aを胴型冷却手段5に接触させた。胴型4と胴型冷却手段5の接触により、バネ7が収縮し、バネ7の弾性力により胴型4と胴型冷却手段5が密着することで、胴型4と胴型冷却手段5間の熱伝導がスムーズに行われる。胴型冷却手段5内の管路には、冷却媒体として25℃の一定温度に制御された水を常時流しており、胴型冷却手段5を常に冷却し続けている。
続けて図1(c)に示すように上型2を下降し、成形素材1を1kNの荷重でプレスして成形を開始した。プレス開始後、またはツバ4aと胴型冷却手段5の接触後に、加熱手段6の出力制御を行った。胴型冷却手段5に奪われる熱量に対し、加熱手段6からの発熱量を調整することで、胴型4の温度を30℃/minの一定速度で降下させた。同様に上型2についても、上型温度制御手段を用いて、30℃/minの速度で冷却を行った。下型3は下型温度制御手段を用いて上型2と同温度になるまで急冷した後、30℃/minの速度で冷却を行った。冷却中も成形素材1は1kNの一定荷重でプレスし続けた。
一定速度で均一に型全体を冷却することで、成形素材1内の温度分布を小さくして、内部歪である密度分布の発生を抑え、高品質な光学部品を製造することができる。
上型2、下型3及び胴型4の温度が、プレス終了温度である、成形素材1のガラス転移温度以下の120℃になった時点で、上型2と胴型4を上昇させ、上型2及び胴型4から成形素材1を離型し、型開き動作を行った。型開き動作後に、上型2と胴型4は、加熱手段6及び上型温度制御手段を用いて、次サイクルの成形に向けて事前加熱を開始した。
成形素材1と下型3を、搬送手段13を用いてプレス成形型20から搬出した。最後に下型3から成形素材1を離型させ、目的の光学部品の形状に成形された成形素材1を得た。
成形素材1を図示しない収納容器に移動させた後、下型3を搬送手段13を用いて下型加熱手段10まで搬送し、次の成形に向けて事前加熱を開始した。
ここでは、成形素材1の材料にCOPを用いたが、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロオレフィンコポリマー(COC),メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS)等の他の光学プラスチック材料でも良い。使用する材料のガラス転移温度に合わせて、上型2、下型3及び胴型4の事前加熱温度や冷却速度、プレス終了温度、成形素材1の下型載置温度等を調整する。
また図1において、加熱手段6はツバ4aの上側で、ツバ4aに対し胴型冷却手段5の反対側に設けてあるが、ツバ4aの下側に設置しても良い。他にもツバ4aの内部に設置しても良いし、上記いずれかの組み合わせでも良い。
更に、図1(c)で示すプレス時に、ツバ4aと胴型冷却手段5を密着させるために、バネ7の代わりに熱伝導性の高いグリスやマットをツバ4aと胴型冷却手段5の界面に設けても良い。もちろんバネ7と高熱伝導性グリスやマットを併用しても良い。
(実施例2)
本発明のプレス成形型を用いてプラスチック光学部品を製造する方法について、図1及び図3を用いて説明する。
プレス成形型20の台数は、下型3の事前加熱や、プレス成形型20でのプレスの1サイクルにかかる時間、搬送手段13の動作タイミングに合わせて、装置全体のプロセスが最適となるように調整される。
事前加熱を完了し成形素材1を載置した下型3を、搬送手段13を用いて、上型2及び胴型4の事前加熱が完了している成形型(図3では20D)に搬送し、図1(a)のように設置した。下型3は図示しない下型固定手段により位置決め、そして固定を行った。
下型3設置後の、プレス成形型20内のプレス工程については、実施例1と同様である。
下型3をプレス成形型20に搬送完了した搬送手段13は、次に成形を完了して型開きした成形型(図3では20A)に移動し、成形素材1と下型3を、搬送手段13を用いてプレス成形型20から搬出した。搬送手段13は、下型加熱手段10における下型3の事前加熱、プレス成形型20の事前加熱及び成形完了後の型開きのタイミングに合わせて、適時下型3の搬入出及び搬送を行う。
(実施例3)
本発明のプレス成形型を用いてプラスチック光学部品を製造する方法について、図1及び図5を用いて説明する。
前サイクルの成形が終了したプレス成形型20では、上型2及び胴型4の事前加熱を行う。型開き状態のプレス成形型20では、胴型4のツバ4aと胴型加熱ユニット8が加熱手段6を介して接している(図5(a))。胴型4と胴型加熱ユニット8の接触により、バネ7aが収縮し、バネ7aの弾性力により胴型4と胴型加熱ユニット8が密着することで、胴型4と胴型加熱ユニット8間の熱伝導がスムーズに行われる。
まず上型2を成形素材1のガラス転移温度以上である150℃まで、図示しない上型温度制御手段を用いて温めた。同様に胴型4も150℃まで、加熱手段6及び胴型加熱ユニット8を用いて高速で加熱した。胴型加熱ユニット8内の管路には、加熱媒体として150℃の一定温度に制御された水を常時流しており、胴型加熱ユニット8を一定温度に保ち続けている。
プレス成形型20の事前加熱完了後、搬送手段13を用いて、成形素材1を載置した下型3をプレス成形型20に搬送した。下型3は図5(a)のように設置し、図示しない下型固定手段により位置決め、そして固定を行った。
下型3の設置後、上型2と胴型4を一体で下降させて型閉じ動作を行い、図5(b)に示すように、ツバ4aを胴型冷却手段5に接触させた。胴型4と胴型冷却手段5の接触により、バネ7が収縮し、バネ7の弾性力により胴型4と胴型冷却手段5が密着することで、胴型4と胴型冷却手段5間の熱伝導がスムーズに行われる。胴型冷却手段5内の管路には、冷却媒体として25℃の一定温度に制御された水が常時流れており、胴型冷却手段5を常に冷却し続けた。
続いて図5(c)に示すように上型2を下降し、成形素材1を1kNの荷重でプレスして成形を開始した。その他の製造工程については、第一の実施形態と同様である。
ここでは、胴型加熱ユニット8の温度は、胴型4の加熱完了温度である150℃としたが、加熱完了温度よりも高い値に設定しても良い。その場合は、胴型4の温度が加熱完了温度付近に到達した時点で、ツバ4aが胴型冷却手段5に当接しない程度に、昇降手段を用いて胴型4を下降させ、ツバ4aを胴型加熱ユニット8から離間させておく。
(比較例1)
図6は、比較例1に係る成形型を表わす概略図である。図6は、従来技術の成形型であり、胴型冷却手段自身を動作させる駆動機構を有さない成形型を示す。図6のように胴型冷却手段に駆動機構を有さない場合、胴型冷却手段5aと加熱手段6aは胴型4に対して固定されることになる。そのため胴型4を加熱する際は、胴型冷却手段5aも併せて加熱する必要があり、本発明に比較して加熱時間が延びてしまう。また冷却の際は、150℃まで加熱された胴型冷却手段5自身も冷却する必要があり、同様に本発明に比較して冷却時間が延長される。
(参考例1)
図7は、参考例1に係る成形型を表わす概略図である。図7は、従来技術の成形型であり、胴型冷却手段自身を動作させる駆動機構を有する成形型を示す。図7のように胴型冷却手段5bに駆動機構を有する場合、本発明と同等の加熱冷却動作を行うことが可能になる。図7(a)は胴型4の加熱時の構成を示しており、図7(b)は冷却時の構成を示している。加熱手段6bは胴型4に対して固定されている。胴型冷却手段5bは図示しない駆動機構によって、胴型4に対し接触及び離間動作が行われる。加熱時は胴型冷却手段5bを胴型4に対して離間させておくことで、胴型4の加熱を効率的に行い、冷却時は胴型冷却手段5bを加熱手段6bを介して胴型4に接触させることで、冷却を短時間で完了させることができる。
次に、表1は、本発明の実施例、比較例および参考例の場合の、100℃から150℃まで成形型を加熱するのに要した時間(秒)と、150℃から100℃まで温度制御を行わずに成形型を冷却するのに要した時間(秒)を示したものである。
Figure 2014040060
表1に示すように、胴型冷却手段の駆動機構がない比較例1に対し、各実施例とも、加熱冷却に要する時間をどちらも大幅に短縮することができた。参考例1のように胴型冷却手段が駆動機構を有する場合と比較すると、加熱時間および冷却時間は同等であるが、各実施例では駆動機構が不要な分、装置コストを抑えることができる。
特に実施例2のように複数の成形型を有する装置構成の場合、不要となる駆動機構の数が増えるため、コストの優位差が顕著になる。更に胴型冷却手段内の管路を流れる冷却媒体を共通化することで、装置のコストを抑えることもできる。
以上の実施例で説明した様に、本発明では、従来の型構造と比べて、プレス成形型のプレス動作に対応して、胴型のツバに胴型冷却手段が当接するので、胴型冷却手段に駆動機構を設けることなく、胴型の高速冷却が可能になる。また成形型の型開き動作に対応して、胴型のツバから胴型冷却手段が離れるので、必要な部分(上下型、胴型)のみを高速に加熱することができる。
加えて型開き動作で胴型のツバに胴型加熱ユニットが当接することで、胴型加熱ユニットに駆動機構を設けることなく、胴型を更に高速に加熱することができる。
胴型冷却手段の内部を流れる冷却媒体の温度を制御する装置を別に用意する必要がないので、成形型及び装置のコストアップを抑えることができる。更に成形型を多数個有する装置構成の場合、冷却媒体を共通化して1系統で引き回すことが可能で、装置のコストアップを抑えることができる。
本発明に係るプレス成形型は、コストアップを抑え、かつプレス成形型の高速加熱及び高速冷却が可能なので、レンズ等のプラスチック光学部品の製造方法に利用することができる。
1 成形素材
2 上型
3 下型
4 胴型
4a ツバ
5、5a、5b 胴型冷却手段
6、6a、6b 加熱手段
7、7a バネ
8 胴型加熱ユニット
10 下型加熱手段
13 搬送手段
14 冷却媒体管
15 チラー
20 プレス成形型

Claims (7)

  1. 成形素材をプレスするための上型と、下型と、胴型と、前記胴型を冷却するための胴型冷却手段とを有するプレス成形型において、前記胴型は外周面の少なくとも一部分にツバを有し、前記胴型冷却手段は前記胴型の動作によって前記ツバと当接して、前記胴型を冷却するように配置されていることを特徴とするプラスチック光学部品のプレス成形型。
  2. 前記胴型冷却手段は、前記胴型のツバの下方に設けられていることを特徴とする請求項1記載のプラスチック光学部品のプレス成形型。
  3. 前記胴型冷却手段は、成形素材のガラス転移温度以下に保持されていることを特徴とする請求項1または2記載のプラスチック光学部品のプレス成形型。
  4. 前記胴型のツバには、胴型を加熱するための加熱手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載のプラスチック光学部品のプレス成形型。
  5. 前記胴型のツバの上方には、前記胴型の動作によって前記胴型のツバまたは前記加熱手段と当接し、前記胴型を加熱するための胴型加熱ユニットが設けられていることを特徴とする請求項1または4に記載のプラスチック光学部品のプレス成形型。
  6. 成形素材をプレスするための上型と、下型と、外周面の少なくとも一部分にツバを有する胴型と、前記胴型を冷却するための胴型冷却手段とを有するプレス成形型を用いてプラスチック光学部品を成形する方法であって、加熱された成形素材を上型と下型と胴型の中に配置する型閉じ動作を行う工程と、前記胴型を動作させて前記ツバを前記胴型冷却手段に当接させて前記胴型を冷却すると共に、前記ツバに設けられた加熱手段の出力制御により、前記胴型の温度制御を行う工程を有することを特徴とするプラスチック光学部品の製造方法。
  7. 前記胴型冷却手段は、前記胴型を下降させて型閉じ動作をしたときに、前記ツバに当接することを特徴とする請求項6記載のプラスチック光学部品の製造方法。
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