JP2014038667A - ベッド上及び室内の見守りシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 室内にいる見守るべき対象者P1(P2,P3)の状態を、所定平面内で縦横方向に細分割された各フォーカスエリア内での平面位置情報と、所定のフォーカスエリアで得られた前記対象者P1他の合焦データからの高さ方向情報とで対象者情報を取得可能な3次元合焦距離検知手段10と、ベッド2と、ベッドサイド3と、フロア4に室内を区画し、3次元合焦距離検知手段10で得られた対象者P1の高さ方向情報を、各フォーカスエリアで設定された比較基準高さと合致する合焦データが占める領域比率を求める。データ処理手段で領域比率をもとに各領域内での対象者P1の状況を判断し、その結果を外部に対して通報する。
【選択図】図1
Description
室内1の天井面5のほぼ中央位置には、図2(c),(d)に示したように、ドーム状ケース13が取り付けられ、その内部に、対象者の状況の検知手段10としての人感センサ11と3次元距離検知手段12とが収容されている。人感センサ11としては、室内1内の見守り領域での動作物体を認識可能な赤外線センサが用いられている。赤外線センサは人の動きを検知して反応するため、ベッド2上で人(対象者)が寝ていて、まったく動きがない状態では対象者を検知できないが、寝返りをうったような場合にその動作を検知し、3次元距離検知手段12を動作させるトリガーとしての機能を果たすことができる。この3次元距離検知手段12としては、撮像領域内での多点合焦が可能なマルチフォーカス機能を有するCCDカメラが用いられている。
(初期設定)
各見守り領域(ベッド領域2A、ベッドサイド領域3A、フロア領域4A)において、3次元距離検知手段12で、対象とする領域に見守り対象者がいない状態での3次元距離データを計測し、各領域での各画素での高さ方向データhを初期値として登録する(ステップ100、以下S100と記す)。
(システムの起動)
人感センサ11で室内1での対象者Pの動きを常時観察する。そのシステムの起動としては、対象者Pとしての介助、介護を要する者が、看護師、介護士、付き添い家族等(以下、介護者と記す。)の介助によってベッドに横になった状態で、介護者がベッドを離れる際に手動でシステムONとしたり、人感センサ11で対象者Pがベッド上に横になったことが確認された場合に、システムが自動的に起動するように設定することもできる。その場合、介護者等が離室して、その後ベッド上に寝た対象者のトリガーとなる動きを、人感センサ11が最初に検知した時点から、見守りモードを開始することができる(S110,S120)。
見守り対象者Pがベッド上、ベッドサイド、病室内等のフロアでどのような状態にあるかを判断するために、本発明では、対象者の状態を判断する基準面からの高さを、比較基準高さHpi(p:場所,i:状況)と定義し、それぞれの状態に応じた比較基準高さHpiを以下の表のように設定した。表1の具体的な数値(設定値)は、複数の対象者の寝た状態、座った状態、立った状態から得られた計測データから設定したものである。なお、後述する判断手法2で適用する高さ調整値Hiは、対象者の身体情報に基づいて、比較基準高さHpiとは別個に設定されるものである。
見守りモード開始後は、人感センサ11で対象者Pの動きを認識した場合に、3次元距離検知手段としての検知カメラ12を起動して、対象とする空間を撮像し、対象者P等の3次元距離計測を行う。そして各領域内で集積された細分された各測定点での高さ方向データhと、比較用基準高さHpiとの差を検出する(S130,S140)。その結果から、以下の(1)〜(3)の見守り機能による対象者等の状況判断を行う。なお、図6に示したように、これらの状況判断はベッド領域2A、ベッドサイド領域3A、フロア領域4Aの各領域で並行して進められる(S200,S300,S400)以下、個々の領域での状況判断手順について説明する。
(1)ベッド領域2Aでの就寝、起床の判断(図6:(S200、S210),図7,図8各図の状況)
まず、上述したように、初期段階として、対象者P1が図7に示したように、初期高さH0がベッド領域2AのS%以上であることが確認されている間は、センサ等による巡回探索のような連続的な状況判断はなされない(S200)。ここで、対象者が動作したと確認された場合には、ベッド領域で、高さ方向の距離に着目し、高さ方向データhが表1の比較基準高さHb(設定値として、例えば0.5mに設定すれば、寝返りや布団の跳ね上がりなど0.5m未満の高さの変化の影響を受けないため、誤った状況判断を回避できる。)を超えた比率がX%を超えた場合、見守りの対象者P1がベッド2で起床したと状況認識を行える。たとえば、図8(a),(b)に示した状態では、高さ方向データhは比較基準高さHb以下であり、対象者P1はベッド2上で横になっている状況判断がなされる。また、図8(c)は対象者P1がベッド2のリクライニング2aを起こした着座状態を示している。図8(d)は対象者P1がベッド2の縁に座った状態を示している。これらの状況で3次元距離計測によって得られた高さ方向データh(各図のマトリクスで黒点表示された領域)が比較基準高さHbをX%以上超えた比率の状態にあり、ベッド2上に起床し、着座した状態と判断される。そして、必要に応じて、スピーカー、携帯電話、情報表示装置などによって、対象者P1が起床し、着座したことの通報を行う(S210,S250)。
対象者P1がベッド2上にいないと判断された場合には、ベッドサイド領域3A(図3(b))での状況判断がなされる。得られた高さ方向データhと、床面からの比較基準高さHs1,Hs2との比較が行われる。高さ方向データhがベッドサイド3での比較基準高さHs1(たとえば1.0m)で領域比率がZ%を超えた場合、図9(a)に示したように、対象者P2がベッドサイド3が床に立っていると判断でき、その状態(ベッドサイド3からの離床)を通報する(S310,S350)。一方、ベッドサイド領域で高さ方向データhがベッドサイド3での比較基準高さHs2(たとえば0.2m)の領域比率がY%を超えた場合、図9(b)に示したように、対象者P2がベッド2からベッドサイド3の床に転落し、床上に倒れていると判断し、対象者P2が危機的状況にあることを通報する(S320,S360)。
(3-1) 対象者がフロア領域に居ることが確認された場合には、対象者P1がベッド2上で寝ているかを確認する。ベッドに寝ていないと判断された場合(S410:No)には、フロア領域4A(図3(c))での状況判断がなされる。具体的には高さ方向データhと、床面からの比較基準高さHf1,Hf2との比較が行われる。高さ方向データhがフロア内4での比較基準高さHf1(たとえば1.0m)で領域比率がZ%を超えた場合、図10(a)に示したように、対象者P3がベッドから離れてフロアに立っていると判断でき、その状態(フロア在室して歩行中)を通報する(S420,S460)。一方、状況の図示はないが、フロア領域4Aで高さ方向データhが比較基準高さHf2(たとえば0.2m)の領域比率がY%を超えた場合、図9(b)と類似した状況が発生したと判断される。すなわち、対象者P3がフロアを歩行中に転倒し、起き上がれない状態にあると判断し、対象者P3が危機的状況にあることを通報する(S440,S470)。
この状況判断手法2の特徴は、対象者の身体情報をもとにして設定した、比較基準高さの調整値と、しきい値表(表2)を参照した状況判断を行う点にある。
具体的には、表2に示したように、対象者の体重(W)、身長(Ta)(病院や介護施設等の施設では、定期的に身体測定データをとっているので、その保有データを利用できる。)をもとに、体重が重く背が高い人の場合と、軽く背が小さい人の場合等、身体的特徴を考慮して、比較基準高さの調整値H1、H2を設け、表1に示した比較基準高さHpiに対して高さ調整を行う。さらに対象者Pの領域比率の判断のためのしきい値も変化させている。一般に、体重と身長は正の相関にあるが、小柄ながら太っている人はセンサが状況変化を捉えにくいので、高めのしきい値を設定し、逆に背の高い人は動きが大きく現れがちなので、低めのしきい値に設定することが実情にあう。これにより、個人の身体的特徴を考慮した判定をして、状況判断の信頼性を向上させることができる。
以下、上述した調整値、しきい値を用いた状況判断について、図11を参照して説明する。
(1)ベッド領域での就寝、起床の判断(図11:(S200、S210),図7,図8各図の状況)
まず、上述したように、初期段階として、対象者が図7に示したように、初期高さH0がベッド領域2AのS%以上であることが確認されている間は、具体的な状況判断はなされない(S200)。ここで、対象者が動作したと確認された場合には、ベッド領域で、高さ方向の距離に着目し、高さ方向データhが表1の比較基準高さHb+Hiと比較される。その場合、太った体形の対象者では、判断手法1で設定した固定値に比べ、より正確な高さ判断および、領域比率の判定を行うことができる。具体的には、図8(c)、(d)に示したように、対象者P1がベッド2のリクライニング2aを起こした着座し、あるいはベッド2の縁に座った状態の場合にその対象者の体形情報を考慮した調整値、しきい値を適用し、高さ方向データhが比較基準高さ(Hb+Hi)をXi%を超えた領域比率の状態が確認され、ベッド2上に起床し、着座した状態と判断される。そして、必要に応じて、スピーカー、携帯電話、情報表示装置などによって、対象者P1が起床し、着座したことの通報を行う(S210,S250)。
対象者P1がベッド2上にいないと判断された場合には、ベッドサイド領域3A(図3(b))での状況判断がなされる。得られた高さ方向データhと、床面からの比較基準高さHs1+Hi,Hs2+Hiとの比較が行われる。高さ方向データhがベッドサイド3での比較基準高さHs1+Hi(対象者の身体情報を考慮した値)で領域比率がZi%を超えた場合、図9(a)に示したように、対象者P2がベッドサイド3が床に立っていると判断でき、その状態(ベッドサイド3からの離床)を通報する(S310,S350)。一方、ベッドサイド領域で高さ方向データhがベッドサイド3での比較基準高さHs2+Hiの領域比率がYi%を超えた場合、図9(b)に示したように、対象者P2がベッド2からベッドサイド3の床に転落し、床上に倒れていると判断し、対象者P2が危機的状況にあることを通報する(S320,S360)。
(3-1) 対象者がフロア領域に居ることが確認された場合、対象者P1がベッド2上で寝ているかを確認する。ベッドに寝ていないと判断された場合(S410:No)には、フロア領域4A(図3(c))での状況判断がなされる。具体的には高さ方向データhと、床面からの比較基準高さHf1+Hi,Hf2+Hiとの比較が行われる。高さ方向データhがフロア内4での比較基準高さHf1+Hiで領域比率がZi%を超えた場合、図10(a)に示したように、対象者P3がベッドから離れてフロアに立っていると判断でき、その状態(フロア在室して歩行中)を通報する(S420,S460)。一方、状況の図示はないが、フロア領域で高さ方向データhが比較基準高さHf2+Hiの領域比率がYi%を超えた場合、類似した状況である、図9(b)に示したように、対象者P3がフロアを歩行中に転倒し、起き上がれない状態にあると判断し、対象者P3が危機的状況にあることを通報する(S440,S470)。
2 ベッド
3 ベッドサイド
4 フロア
5 天井面
10 対象者状況検知手段
11 人感センサ
12 3次元距離検知手段(検知カメラ)
20 データ処理手段
30 結果出力手段
2A ベッド領域
3A ベッドサイド領域
4A フロア領域
P,P1,P2,P3 対象者
Claims (9)
- 室内にいる見守るべき対象者の状態を、所定平面内で縦横方向に細分割された各フォーカスエリア内での平面位置情報と、所定のフォーカスエリアで得られた前記対象者の合焦データからの高さ方向情報とで対象者情報を取得可能な3次元合焦距離検知手段と、
ベッド領域と、該ベッド領域を囲むように帯状に設けられたベッドサイド領域と、該ベッドサイド領域の外周であって前記室内の残余範囲をフロア領域として前記室内を区画し、
前記3次元合焦距離検知手段で得られた前記対象者の高さ方向情報を、それぞれの領域に対応する各フォーカスエリアで設定された比較基準高さと比較して前記フォーカスエリアでの比較基準高さに合致する合焦データが占める領域比率を求め、該領域比率をもとに前記各領域内での前記対象者の状況を判断するデータ処理手段と、
該データ処理手段での判断結果により、前記対象者の状況に応じて、外部に前記対象者の状況通報を行う判断結果出力手段とを備えたことを特徴とするベッド上及び室内の見守りシステム。 - 前記ベッド領域における所定高さ平面内で設定された各フォーカスエリアの比較基準高さと、前記合焦データによる対象者の高さ方向情報とから得られる前記領域比率から前記対象者がベッド上で起床していると判断し、必要に応じてその状況通報を行うようにした請求項1に記載のベッド上及び室内の見守りシステム。
- 前記ベッドサイド領域の所定高さの平面内で設定された各フォーカスエリアの比較基準高さと、前記合焦データによる対象者の高さ方向情報とから得られる前記領域比率から前記対象者がベッドから離床したか、ベッドから転落し、ベッドサイドで転倒しているかを区別判断し、必要に応じてその状況通報を行うようにした請求項1に記載のベッド上及び室内の見守りシステム。
- 前記ベッドサイド領域の外周のフロア領域における所定高さの平面内で設定された各フォーカスエリアの比較基準高さと、前記合焦データによる対象者の高さ方向情報とから得られる前記領域比率から前記対象者がフロア内に在室しているか、フロア内で転倒しているかを区別判断し、必要に応じてその状況通報を行うようにした請求項1に記載のベッド上及び室内の見守りシステム。
- 前記ベッド領域に、前記対象者が居ることが確認された後に、前記ベッドサイド領域の外周のフロア領域における所定高さの平面内で設定された各フォーカスエリアの比較基準高さと、前記合焦データによる対象者の高さ方向情報とから得られる前記領域比率から、他の対象者が在室していると判断し、必要に応じてその状況通報を行うようにした請求項1に記載のベッド上及び室内の見守りシステム。
- 前記比較基準高さおよび前記状況の区別判断のしきい値は、前記対象者の身体情報を加味して設定されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のベッド上及び室内の見守りシステム。
- 前記状況の区別判断において、前記対象者の行動所要時間情報をもとに区分設定されたしきい値との比較判断を加えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のベッド上及び室内の見守りシステム。
- 人感センサが配置され、対象者が室内にいることを検知することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のベッド上及び室内の見守りシステム。
- 前記3次元合焦距離検知手段による対象者の高さ方向情報の検知は、前記人感センサが、対象者が室内にいることを検知した後に行われることを特徴とする請求項8に記載のベッド上及び室内の見守りシステム。
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