以下に添付図面を参照して、伝送端末、通信システムおよびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
<<実施形態の全体構成>>
以下、図1乃至図39を用いて、通信システムおよびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。図1は、実施の形態にかかる通信システムとしての伝送システム1の概略図であり、まずは図1を用いて、本実施形態の概略を説明する。
伝送システム1には、伝送管理システムを介して一方の伝送端末から他方の伝送端末に一方向でコンテンツデータを伝送するデータ提供システムや、伝送管理システムを介して複数の伝送端末間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。このコミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理システム(「伝送管理システム」に相当)を介して複数のコミュニケーション端末(「伝送端末」に相当)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、テレビ会議システムやテレビ電話システム、音声会議システム、音声電話システム、PC(Personal Computer)画面共有システム等が例として挙げられる。
本実施形態では、コミュニケーションシステムの一例としてのテレビ会議システム、コミュニケーション管理システムの一例としてのテレビ会議管理システム、及びコミュニケーション端末の一例としてのテレビ会議端末を想定した上で、伝送システム1、伝送管理システム50、及び伝送端末10について説明する。即ち、本発明の通信システムは、テレビ会議システムに適用されるだけでなく、コミュニケーションシステムや伝送システムなどにも適用される。
図1に示す伝送システム1は、複数の伝送端末(10aa,10ab,…)、各伝送端末(10aa,10ab,…)用のディスプレイ(120aa,120ab,…)、複数の中継装置(30a,30b,30c,30d,30e)、及び伝送管理システム50、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100によって構築されている。なお、以下では、「伝送端末」を単に「端末」として表し、「伝送管理システム」を単に「管理システム」として表す。
なお、本実施形態では、伝送端末(10aa,10ab,…)のうち任意の伝送端末を示す場合には「伝送端末10」を用い、ディスプレイ(120aa,120ab,…)のうち任意のディスプレイを示す場合には「ディスプレイ120」を用い、中継装置(30a,30b,30c,30d,30e)のうち任意の中継装置を示す場合には「中継装置30」を用いる。
伝送端末10は、他の装置との間で、各種情報を送受信する。伝送端末10は、例えば、他の端末10との間でセッションを確立し、確立したセッションにおいて、音声データおよび画像データを含むコンテンツデータの送受信による通話を行う。これにより、伝送システム1において、複数の端末10間のテレビ会議が実現される。
以下、「画像データおよび音声データ」を「コンテンツデータ」として表す。なお、端末10間で伝送されるデータは、実施の形態に限定されるものではなく、他の例としては、コンテンツデータは、テキストデータであってもよく、また、他の例としては、コンテンツデータは、音声データ、画像データに加えてテキストデータを含むものであってもよい。また、画像データは、動画であってもよく、静止画であってもよい。また、画像データは、動画と静止画の両方を含んでいてもよい。
また、本実施の形態にかかる伝送システム1において、テレビ会議を開始する場合、開始を希望するユーザが、所定の端末10を操作することにより、操作された端末10は、開始要求情報を管理システム50に送信する。
ここで、開始要求情報とは、テレビ会議に用いるセッションの開始を要求する情報であって、セッション相手としての端末10を指定する情報を含んでいる。以下、開始要求情報を送信する端末10を開始要求端末と称することとする。また、セッション相手として指定された相手の端末10を宛先端末と称することとする。
なお、宛先端末(セッション相手)は、1つの端末10であってもよく、2以上の端末10であってもよい。すなわち、伝送システム1においては、2つの端末10間だけでなく、3以上の端末10間で確立されたセッションを用いたテレビ会議を実現することができる。
さらに、本実施の形態にかかる伝送システム1においては、既にセッションが確立され、開始しているテレビ会議に、途中から他のユーザが参加することも可能である。参加を希望するユーザが、所定の端末10を操作することにより、操作された端末10は、参加を希望するテレビ会議に用いられている、確立中のセッション(以下、確立中セッションと称する)を指定した、参加要求情報を管理システム50に送信する。以下、参加要求情報を送信する端末10を参加要求端末と称することとする。
管理システム50は、端末10及び中継装置30を一元的に管理する。管理システム50は、端末10間でのセッションを確立することにより、端末10間における通話等によるテレビ会議を実現する。
管理システム50は、所定の端末10からセッションの開始要求情報を受信した場合に、開始要求情報を送信した端末10(開始要求端末)と宛先端末の間のセッションを確立し、テレビ会議を開始させる。管理システム50は、また、所定の端末10から既に確立しているセッション(以下、確立中セッションと称する)への参加要求情報を受信した場合に、参加要求端末を、確立中セッションに参加させるか否かを判断する。
また、図1に示されている複数のルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)は、コンテンツデータの最適な経路の選択を行う。なお、本実施形態では、ルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)のうち任意のルータを示す場合には「ルータ70」を用いる。中継装置30は、複数の端末10の間で、コンテンツデータの中継を行う。
プログラム提供システム90は、端末10に各種機能又は各種手段を実現させるための端末用プログラムが記憶された、不図示のHD(Hard Disk)を備えており、端末10に、端末用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム90のHDには、中継装置30に各種機能又は各種手段を実現させるための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置30に、中継装置用プログラムを送信することができる。更に、プログラム提供システム90のHDには、管理システム50に各種機能又は各種手段を実現させるための伝送管理用プログラムも記憶されており、管理システム50に、伝送管理用プログラムを送信することができる。
メンテナンスシステム100は、端末10、中継装置30、管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、又は保守を行うためのコンピュータである。例えば、メンテナンスシステム100が国内に設置され、端末10、中継装置30、管理システム50、又はプログラム提供システム90が国外に設置されている場合、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介して遠隔的に、端末10、中継装置30、管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、保守等のメンテナンスを行う。また、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介さずに、端末10、中継装置30、管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つにおける機種番号、製造番号、販売先、保守点検、又は故障履歴の管理等のメンテナンスを行う。
また、端末(10aa,10ab,10ac,10a…)、中継装置30a、及びルータ70aは、LAN2aによって通信可能に接続されている。端末(10ba,10bb,10bc,10b…)、中継装置30b、及びルータ70bは、LAN2bによって通信可能に接続されている。また、LAN2a及びLAN2bは、ルータ70abが含まれた専用線2abによって通信可能に接続されており、所定の地域A内で構築されている。例えば、地域Aは日本であり、LAN2aは東京の事業所内で構築されており、LAN2bは大阪の事業所内で構築されている。
一方、端末(10ca,10cb,10cc,10c…)、中継装置30c、及びルータ70cは、LAN2cによって通信可能に接続されている。端末(10da,10db,10dc,10d…)、中継装置30d、及びルータ70dは、LAN2dによって通信可能に接続されている。また、LAN2c及びLAN2dは、ルータ70cdが含まれた専用線2cdによって通信可能に接続されており、所定の地域B内で構築されている。例えば、地域Bはアメリカであり、LAN2cはニューヨークの事業所内で構築されており、LAN2dはワシントンD.C.の事業所内で構築されている。地域A及び地域Bは、それぞれルータ(70ab,70cd)からインターネット2iを介して通信可能に接続されている。
また、管理システム50、及びプログラム提供システム90は、インターネット2iを介して、端末10、及び中継装置30と通信可能に接続されている。管理システム50、及びプログラム提供システム90は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
また、中継装置30eは、インターネット2を介して端末10と通信可能に接続されている。この中継装置30eは、常時稼動しており、地域A又は地域Bのローカルエリア内の通信量の影響を受けにくくするために、これら以外の地域に設置されている。これにより、端末10が他のローカルエリアに設置された端末と通話する場合に、コンテンツデータを中継するための中継装置として中継装置30eが用いられる。また、同一のローカルエリアの端末間で通話を行う際に、このローカルエリアに設置された中継装置が稼動していない場合にも、緊急用の中継装置として中継装置30eが用いられる。
なお、本実施形態では、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、LAN2c、及びLAN2dによって、本実施形態の通信ネットワーク2が構築されている。この通信ネットワーク2には、有線だけでなく無線による通信が行われる箇所があってもよい。
また、図1において、各端末10、各中継装置30、管理システム50、各ルータ70、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、端末10aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
<<実施形態のハードウェア構成>>
次に、本実施形態のハードウェア構成を説明する。図4は、端末10の外観図である。以下、端末10の長手方向をX軸方向、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向として説明する。
図4に示されているように、端末10は、筐体1100、アーム1200、及びカメラハウジング1300を備えている。このうち、筐体1100の前側壁面1110には、複数の吸気孔によって形成された不図示の吸気面が設けられており、筐体1100の後側壁面1120には、複数の排気孔が形成された排気面1121が設けられている。これにより、筐体1100に内蔵された冷却ファンの駆動によって、不図示の吸気面を介して端末10の後方の外気を取り込み、排気面1121を介して端末10の後方へ排気することができる。筐体1100の右側壁面1130には、収音用孔1131が形成され、後述する内蔵型のマイク114によって音声、物音、雑音等の音が収音可能となっている。
筐体1100の右側壁面1130側には、操作パネル1150が形成されている。この操作パネル1150には、後述の複数の操作ボタン(108a〜108e)、後述の電源スイッチ109、及び後述のアラームランプ119が設けられていると共に、後述の内蔵型のスピーカ115からの出力音を通すための複数の音声出力孔によって形成された音出面1151が形成されている。また、筐体1100の左側壁面1140側には、アーム1200及びカメラハウジング1300を収容するための凹部としての収容部1160が形成されている。筐体1100の右側壁面1130には、後述の外部機器接続I/F118に対して電気的にケーブルを接続するための複数の接続口(1132a〜1132c)が設けられている。一方、筐体1100の左側壁面1140には、後述の外部機器接続I/F118に対して電気的にディスプレイ120用のケーブル120cを接続するための不図示の接続口が設けられている。
なお、以下では、操作ボタン(108a〜108e)のうち任意の操作ボタンを示す場合には「操作ボタン108」を用い、接続口(1132a〜1132c)のうち任意の接続口を示す場合には「接続口1132」を用いて説明する。
次に、アーム1200は、トルクヒンジ1210を介して筐体1100に取り付けられており、アーム1200が筐体1100に対して、135度のチルト角θ1の範囲で、上下方向に回転可能に構成されている。図4は、チルト角θ1が90度の状態を示している。
カメラハウジング1300には、後述の内蔵型のカメラ112が設けられており、利用者、書類、及び部屋等を撮像することができる。また、カメラハウジング1300には、トルクヒンジ1310が形成されている。カメラハウジング1300は、トルクヒンジ1310を介して、アーム1200に取り付けられている。そして、カメラハウジング1300は、トルクヒンジ1310を介してアーム1200に取り付けられており、カメラハウジング1300がアーム1200に対して、図4で示されている状態を0度として±180度のパン角θ2の範囲で、且つ、±45度のチルト角θ3の範囲で、上下左右方向に回転可能に構成されている。
なお、他の例としては、端末10は、一般の汎用コンピュータであってもよい。端末10として用いるコンピュータに、マイクやカメラが備わっていない場合には、外付けのマイクおよびカメラをコンピュータに接続させることとする。これにより、汎用コンピュータを、本実施の形態にかかる端末10として利用することができる。また、端末10として汎用コンピュータを用いる場合には、当該コンピュータに後述する端末10の処理を実行するためのアプリケーションをインストールしておくこととする。
なお、中継装置30、管理システム50、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100は、それぞれ一般のサーバ・コンピュータの外観と同じであるため、外観の説明を省略する。
図2は、本発明の一実施形態に係る端末10のハードウェア構成図である。図2に示されているように、本実施形態の端末10は、端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、端末用プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、画像データや音声データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107、端末10の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン108、端末10の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ109、後述の通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F(Interface)111を備えている。
また、端末10は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ112、このカメラ112の駆動を制御する撮像素子I/F113、音声を入力する内蔵型のマイク114、音声を出力する内蔵型のスピーカ115、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F116、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを伝送するディスプレイI/F117、各種の外部機器を接続するための外部機器接続I/F118、端末10の各種機能の異常を知らせるアラームランプ119、及び上記各構成要素を図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110を備えている。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示部である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
外部機器接続I/F118には、図4に示されている筐体1100の接続口1132に差し込まれたUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ電気的に接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
なお、記録メディア106は、端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
更に、上記端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルによって、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(記録メディア106等)に記録されて流通されるようにしてもよい。また、上記端末用プログラムは、フラッシュメモリ104ではなくROM102に記憶させるようにしてもよい。
図3は、本発明の一実施形態に係る管理システムのハードウェア構成図である。管理システム50は、管理システム50全体の動作を制御するCPU201、伝送管理用プログラムを記憶したROM202、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM203、各種データを記憶するHD(Hard Disk)204、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)205、フラッシュメモリ等の記録メディア206に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ207、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ208、後述の通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F209、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード211、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス212、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)213に対するデータの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ214、及び、上記各構成要素を図3に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン210を備えている。
なお、上記伝送管理用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
また、中継装置30は、上記管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、ROM202には、中継装置30を制御するための中継装置用プログラムが記録されている。この場合も、中継装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
更に、プログラム提供システム90は、上記管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、ROM202には、プログラム提供システム90を制御するためのプログラム提供用プログラムが記録されている。この場合も、プログラム提供用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
また、メンテナンスシステム100は、上記管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、ROM202には、メンテナンスシステム100を制御するためのメンテナンス用プログラムが記録されている。この場合も、メンテナンス用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
なお、上記着脱可能な記録媒体の他の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
<<実施形態の機能構成>>
次に、本実施形態の機能構成について説明する。図5は、本実施形態の伝送システム1を構成する各端末、装置及びシステムの機能ブロック図である。図5では、端末10、中継装置30、及び管理システム50が、通信ネットワーク2を介してデータ通信することができるように接続されている。また、図1に示されているプログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100は、テレビ会議の通信において直接関係ないため、図5では省略されている。
<端末の機能構成>
端末10は、通信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14、音声入力部15a、音声出力部15b、表示制御部16、遅延検出部18、記憶・読出処理部19、及び宛先リスト作成部20を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、ROM102に記憶されているプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、端末10は、図2に示されているRAM103によって構築される揮発性記憶部1002、及び図2に示されているフラッシュメモリ104によって構築される不揮発性記憶部1000を有している。
<端末の各機能部>
次に、端末の各部を詳細に説明する。端末10の通信部11は、図2に示されているネットワークI/F111によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
通信部11は、当該端末10が他の端末10とセッションを確立し、通話によるテレビ会議を開始する前から、管理システム50より、宛先端末候補としての各端末10の状態を示す各状態情報の受信を開始する。
ここで、宛先端末候補とは、当該端末10が、テレビ会議を行う相手、すなわちセッション相手として指定可能な端末10である。すなわち、当該端末10は、宛先端末候補として予め設定されていない端末とは、セッションを確立することができず、したがってテレビ会議を行うことができない。なお、宛先端末候補は、テレビ会議を行う相手端末の候補、すなわち相手端末候補である。
なお、この状態情報は、各端末10の稼動状態(ONラインかOFFラインかの状態)と、ONラインにおいては更に通話中であるか、待受け中であるか等の詳細な状態(以下、通信状態と称する)を示す。また、この状態情報は、各端末10の稼動状態および通信状態だけでなく、ケーブルが端末10から外れている、音声を出力できるが画像は出力できない、音声を出力させないよう設定されている(MUTE)等、様々な状態を示す。以下では、一例として、状態情報が稼動状態および通信状態を示す場合について説明する。
通信部11はまた、当該端末10が開始要求端末として動作する場合には、開始要求情報を管理システム50に送信する。ここで、開始要求情報は、テレビ会議に用いられるセッションの開始を要求する情報である。開始要求情報は、具体的には、開始を要求する旨を示す情報と、開始要求情報の送信元である開始要求端末の端末IDと、セッションの相手となる宛先端末を識別する端末IDと、宛先端末以外の端末の当該セッションへの参加制限の有無を示す制限情報を含んでいる。なお、端末IDは、端末10を識別するための情報である。
開始要求情報は、具体的には、「Invite」または「Private Invite」を含んでいる。ここで、「Invite」は、開始を要求する旨の情報であって、かつ参加制限なしを示す制限情報である。一方、「Private Invite」は、開始を要求する旨を示す情報であって、かつ参加制限ありを示す制限情報である。
ここで、制限情報について詳述する。本実施の形態にかかる伝送システム1においては、既に確立しているセッションへの他の端末10の参加が可能である。しかしながら、機密性の高い会議を行う場合など、他の端末10の参加を認めないことが望ましい会議も存在する。そこで、伝送システム1においては、制限情報に示される参加制限の有無に応じて、確立中セッションへの他の端末10の参加を制限する。
なお、本実施の形態では、制限情報が参加制限有りのセッションを確立することを前提としている。このため、本実施の形態では、開始要求情報には、「Private Invite」の制限情報のみが用いられる。
通信部11はまた、当該端末10が参加要求端末として動作する場合には、参加要求情報を管理システム50に送信する。ここで、参加要求情報は、既に開始されたテレビ会議に用いられている確立中セッションへの参加を要求する情報である。参加要求情報は、具体的には、参加要求情報であることを示す情報「Call」と、参加要求情報の送信元である参加要求端末の端末IDと、参加を希望する確立中セッションに参加中の端末である参加中端末の端末IDとを含む情報である。ここで、参加中端末は、具体的には、確立中セッションを開始する際に送信された、開始要求情報に示される開始要求端末または宛先端末である。ここで、通信部11は、開始要求情報を取得する開始要求情報取得部および参加要求情報を取得する参加要求情報取得部として機能する。
操作入力受付部12は、図2に示されている操作ボタン108、及び電源スイッチ109によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。例えば、利用者が、図2に示されている電源スイッチ109をONにすると、図5に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする。
ログイン要求部13は、図2に示されているCPU101からの命令によって実現され、上記電源ONの受け付けを契機として、通信部11から通信ネットワーク2を介して管理システム50に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報、及び当該端末10の現時点のIPアドレスを自動的に送信する。また、利用者が電源スイッチ109をONの状態からOFFにすると、通信部11は、管理システム50へ、電源をOFFする旨の状態情報を送信してから、操作入力受付部12が電源を完全にOFFにする。これにより、管理システム50側では、端末10が電源ONから電源OFFになったことを把握することができる。
撮像部14は、図2に示されているCPU101からの命令、並びに図2に示されているカメラ112、及び撮像素子I/F113によって実現され、被写体を撮像して、この撮像して得た画像データを出力する。音声入力部15aは、図2に示されている音声入出力I/F116によって実現され、マイク114によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音声データを入力する。音声出力部15bは、図2に示されているCPU101からの命令、並びに図2に示されている音声入出力I/F116によって実現され、音声データに係る音声信号をスピーカ115に出力し、スピーカ115から音声を出力させる。
表示制御部16は、図2に示されているディスプレイI/F117によって実現され、外付けのディスプレイ120に対して画像データを送信するための制御を行う。表示制御部16は、要求元としての端末10が所望の宛先としての端末10とテレビ会議の通話を開始する前に、通信部11による受信の開始後に受信された状態情報を反映させて各宛先名が含まれた宛先リストをディスプレイ120に表示させる。
遅延検出部18は、図2に示されているCPU101からの命令によって実現され、他の端末10から中継装置30を介して送られて来る画像データ又は音声データの遅延時間(ms)を検出する。
また、記憶・読出処理部19は、図2に示されているCPU101からの命令、並びに一例として図2に示すSSD105によって実行され、不揮発性記憶部1000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部1000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。この不揮発性記憶部1000には、端末10を識別するための端末ID(Identification)、及びパスワード等が記憶される。更に、記憶・読出処理部19は、揮発性記憶部1002に各種データを記憶したり、揮発性記憶部1002に記憶された各種データを読み出す処理も行う。この揮発性記憶部1002には、宛先端末との通話を行う際に受信されるコンテンツデータが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ120に画像が表示され、上書きされる前の音声データによってスピーカ115から音声が出力される。
宛先リスト作成部20は、管理システム50から受信した、後述の宛先リスト情報及び後述の各宛先候補としての端末10の状態情報に基づいて、図23に示されているような宛先候補の状態がアイコンで示された宛先リストの作成及び更新を行う。
(中継装置の機能構成)
次に、中継装置30の機能又は手段について説明する。中継装置30は、通信部31、状態検知部32、データ品質確認部33、変更品質管理部34、データ品質変更部35、及び記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202に記憶されているプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、中継装置30は、図3に示されているHD204により構築され、中継装置30の電源をOFFにしても各種データや情報の記憶が維持される不揮発性記憶部3000を有している。
(変更品質管理テーブル)
不揮発性記憶部3000には、図7に示されているような変更品質管理テーブルによって構成されている変更品質管理DB(Data Base)3001が構築される。なお、図7は、変更品質管理テーブルを示す概念図である。変更品質管理テーブルでは、画像データの中継先としての端末10のIPアドレス、及びこの中継先に中継装置30が中継する画像データの画質が関連付けられて管理される。
ここで、図8を用いて本実施形態で扱われる画像データの画像の解像度について説明する。図8は、画像データの画質を説明する概念図である。図8(a)に示されているように、横が160画素、縦が120画素から成り、ベース画像となる低解像度の画像と、図8(b)に示されているように、横が320画素、縦が240画素から成る中解像度の画像と、図8(c)に示されているように、横が640画素、縦が480画素から成る高解像度の画像とがある。このうち、狭帯域経路を経由する場合には、ベース画像となる低解像度の画像データのみから成る低画質の画像データが中継される。帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データ、及び中解像度の画像データから成る中画質の画像データが中継される。また、帯域が非常に広い場合には、ベース画質となる低解像度の画像データ、中解像度の画像データ、及び高解像度の画像データから成る高画質の画像データが中継される。例えば、図7に示されている変更品質管理テーブルにおいて、中継装置30が、IPアドレス「1.3.2.4」の宛先端末に対して画像データを中継する場合には、この中継される画像データの画質(画像の品質)は「高画質」である。
<中継装置の各機能部>
次に、中継装置30の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、中継装置30の各部を説明するにあたって、図3に示されている各構成要素のうち、中継装置30の各部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図5に示されている中継装置30の通信部31は、図3に示されているネットワークI/F209によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。状態検知部32は、図3に示されているCPU201からの命令によって実現され、この状態検知部32を有する中継装置30の稼動状態を検知する。稼動状態としては、「ONライン」、「OFFライン」、又は「故障中」の状態がある。
データ品質確認部33は、図3に示されているCPU201からの命令によって実現され、宛先端末のIPアドレスを検索キーとして、変更品質管理テーブル(図7参照)を検索し、対応した中継される画像データの画質を抽出することで、中継される画像データの画質を確認する。変更品質管理部34は、図3に示されているCPU201からの命令によって実現され、管理システム50から送られて来る、後述の品質情報に基づいて、変更品質管理DB3001の変更品質管理テーブルの内容を変更する。例えば、端末IDが「01aa」である開始要求端末(端末10aa)と、端末IDが「01db」である宛先端末(端末10db)との間で高画質の画像データを送受信することによってテレビ会議を行っている最中に、他のテレビ会議を行う開始要求端末(端末10bb)と宛先端末(端末10ca)が通信ネットワーク2を介してテレビ会議を開始すること等によって、宛先端末(端末10db)で画像データの受信の遅延が生じた場合には、中継装置30は今まで中継していた画像データの画質を、高画質から中画質に下げる必要がある。このような場合に、中画質を示す品質情報に基づいて、中継装置30が中継する画像データの画質を高画質から中画質に下げるように、変更品質管理DB3001の変更品質管理テーブルの内容が変更される。
データ品質変更部35は、図3に示されているCPU201からの命令によって実現され、送信元の端末10から送られて来た画像データの画質を、上記変更された変更品質管理DB3001の変更品質管理テーブルの内容に基づいて変更する。記憶・読出処理部39は、図3に示されているHDD205によって実現され、不揮発性記憶部3000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部3000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
<管理システムの機能構成>
次に、管理システム50の機能又は手段について説明する。管理システム50は、通信部51、端末認証部52、状態管理部53、端末抽出部54、端末状態取得部55、中継装置選択部56、セッション管理部57、品質決定部58、記憶・読出処理部59、遅延時間管理部60、変更要求情報判断部61、宛先判断部62、及び参加判断部63を有している。これら各部は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202に記憶されているプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、管理システム50は、図3に示されているHD204により構築され、管理システム50の電源をOFFにしても各種データや情報の記憶が維持される不揮発性記憶部5000を有している。この不揮発性記憶部5000には、各種情報が記憶されている。更に、管理システム50は、図3に示されているRAM203によって構築される揮発性記憶部5100を有している。
(中継装置管理テーブル)
不揮発性記憶部5000には、図9に示されているような中継装置管理テーブルによって構成されている中継装置管理DB5001が構築されている。なお、図9は、中継装置管理テーブルを示す概念図である。この中継装置管理テーブルでは、各中継装置30を識別する中継装置ID毎に、各中継装置30の稼動状態、稼動状態が示される状態情報が管理システム50で受信された受信日時、中継装置30のIPアドレス、及び中継装置30における最大データ伝送速度(Mbps)が関連付けられて管理される。例えば、図9に示されている中継装置管理テーブルにおいて、中継装置IDが「111a」の中継装置30aは、稼動状態が「ONライン」で、管理システム50で状態情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時00分」で、この中継装置30aのIPアドレスが「1.2.1.2」で、この中継装置30aにおける最大データ伝送速度が100Mbpsであることが示されている。
(端末認証管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、図10に示されているような端末認証管理テーブルによって構成されている端末認証管理DB5002が構築されている。なお、図10は、端末認証管理テーブルを示す概念図である。この端末認証管理テーブルでは、管理システム50によって管理される全ての端末10の各端末IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。ここで、端末IDは、端末10を識別する情報であり、パスワードは、端末10を認証するために利用される情報である。例えば、図10に示されている端末認証管理テーブルにおいて、端末10aaの端末IDは「01aa」で、パスワードは「aaaa」であることが示されている。
なお、本実施形態の端末IDおよび中継装置IDは、それぞれ端末10、及び中継装置30を一意に識別するために使われる言語、文字、記号、又は各種のしるし等の識別情報を示す。また、端末ID、及び中継装置IDは、上記言語、文字、記号、及び各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた識別情報であってもよい。
(端末管理テーブル)
また、不揮発性記憶部5000には、図11に示されているような端末管理テーブルによって構成されている端末管理DB5003が構築されている。なお、図11は、端末管理テーブルを示す概念図である。この端末管理テーブルでは、各端末10の端末ID毎に、端末名、各端末10の稼動状態、他の端末との通信状態、後述のログイン要求情報が管理システム50で受信された受信日時、及び端末10のIPアドレスが関連付けられて管理される。
ここで、稼動状態としては、電源がオンされ、通信が可能または通信中の状態であるONラインと、電源がオンされていないなど、通信が可能でない状態であるOFFラインとがある。
また、通信状態としては、他の端末10を呼び出している状態、すなわち、他の端末10に対しテレビ会議に用いられるセッションの開始要求情報を送信し、応答を待っている状態を示す「Calling」、他の端末10から呼び出されている状態、すなわち、他の端末10から開始要求情報を受信し、受信した開始要求情報に対する応答が完了していない状態を示す「Ringing」、他の端末10からの開始要求情報に対し許可の応答が完了しているが、セッションの確立が完了していない状態および自端末が送信した開始要求情報に対し許可の応答の受信が完了しているが、セッションの確立が完了していない状態を示す「Accepted」、他の端末10とのセッションが確立し、TV会議におけるコンテンツデータを伝送中の状態を示す「Busy」、他の端末と通信しておらず、待ち受け中の状態を示す「None」がある。
なお、以上の通信状態は、参加制限なしを示す制限情報が含まれる開始要求情報に応じて確立された、参加制限のないセッションに対応する通信状態である。さらに、本実施の形態にかかる管理システム50においては、参加制限ありを示す制限情報が含まれる開始要求情報に応じて確立された、参加制限のあるセッションに対応する通信状態を、参加制限のないセッションに対応する通信状態とは異なる通信状態として管理している。すなわち、参加制限のないセッションに対する「Calling」、「Ringing」、「Accepted」、「Busy」それぞれに対応し、参加制限のあるセッションに対する通信状態として、「Private Calling」、「Private Ringing」、「Private Accepted」、「Private Busy」がある。このように、参加制限の有無に応じて、通信状態を区別して管理するので、本実施の形態にかかる管理システム50においては、通信状態により参加制限の有無を特定することができる。
なお、本実施の形態では、制限情報が参加制限有りのセッションを確立することを前提としているため、本実施の形態では、「None」以外の通信状態として、「Private Calling」、「Private Ringing」、「Private Accepted」、「Private Busy」のみが使用される。
例えば、図11に示されている端末管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」の端末10aaは、端末名が「日本 東京事業所 AA端末」で、稼動状態が「ONライン」で、通信状態が他の端末と通信しておらず待受け中の状態を示す「None」で、管理システム50でログイン要求情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時40分」で、この端末10aaのIPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。
また、図11に示されている端末管理テーブルにおいて、通信状態に着目すると、端末IDが「01ba」の端末は、通信状態が「Private Calling」、端末IDが「01bb」の端末は、通信状態が「Private Busy」、端末IDが「01da」の端末は、通信状態が「Private Busy」となっている。
(宛先リスト管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、図12に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB5004が構築されている。なお、図12は、宛先リスト管理テーブルを示す概念図である。この宛先リスト管理テーブルでは、管理システム50で管理される通話を含むテレビ会議において用いられるセッションの開始要求情報の要求元としての端末10である開始要求端末の端末IDに対して、この端末10から送信されるコンテンツデータの宛先の候補となる端末10である宛先端末候補を識別する端末IDが関連付けられて管理される。例えば、図12に示されている宛先リスト管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」である端末(端末10aa)からテレビ会議の開始を要求することができる宛先端末候補は、端末IDが「01ab」の端末10ab、端末IDが「01ba」の端末10ba、端末IDが「01db」の端末10db、及び端末IDが「01dc」の端末10dcであることが示されている。この宛先端末候補は、開始要求端末から管理システム50に対する追加又は削除の要請により、追加又は削除されることで更新される。
(セッション管理テーブル)
また、この不揮発性記憶部5000には、図13に示されているようなセッション管理テーブルによって構成されているセッション管理DB5005が構築されている。なお、図13は、セッション管理テーブルを示す概念図である。このセッション管理テーブルでは、端末間でコンテンツデータが伝送されるセッションを識別するためのセッションID毎に、このセッションでコンテンツデータの中継に使用される中継装置30の中継装置ID、セッションの開始要求情報の送信元である開始要求端末の端末ID、セッションの開始要求情報において相手先として指定された宛先端末の端末ID、宛先端末において画像データが受信される際の受信の遅延時間(ms)、及びこの遅延時間が示されている遅延情報を宛先端末から送られて来て管理システム50で受信された受信日時が関連付けられて管理される。例えば、図13に示されているセッション管理テーブルにおいて、セッションID「se1」を用いて実行されたセッションで選択された中継装置30e(中継装置ID「111e」)は、端末IDが「01aa」の開始要求端末(端末10aa)と、端末IDが「01db」の宛先端末(端末10db)との間で、コンテンツデータを中継しており、宛先端末(端末10db)において「2009年11月10日の14時00分」時点における画像データの遅延時間が200(ms)であることが示されている。なお、2つの端末10の間でテレビ会議を行う場合には、上記宛先端末ではなく開始要求端末から送信されてきた遅延情報に基づいて、遅延情報の受信日時を管理してもよい。但し、3つ以上の端末10の間でテレビ会議を行う場合には、コンテンツデータの受信側の端末10から送信されてきた遅延情報に基づいて、遅延情報の受信日時を管理する。
(品質管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、図14に示されているような品質管理テーブルによって構成されている品質管理DB5007が構築されている。なお、図14は、品質管理テーブルを示す概念図である。この品質管理テーブルでは、開始要求端末又は宛先端末における画像データの遅延時間(ms)に応じて、中継装置30で中継させる画像データの画質(画像の品質)が関連付けられて管理される。
(中継装置選択管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、図15に示されているような中継装置選択管理テーブルによって構成されている中継装置選択管理DB5008が構築されている。なお、図15は、中継装置選択管理テーブルを示す概念図である。この中継装置選択管理テーブルでは、管理システム50によって管理される全ての端末10の各端末IDに対して、コンテンツデータの中継に使用される中継装置30の中継装置IDが関連付けられて管理される。
(状態変更管理テーブル)
また、不揮発性記憶部5000には、図16及び図17に示されているような状態変更管理テーブルによって構成されている状態変更管理DB5009が構築されている。なお、図16及び図17は、状態変更管理テーブルを示す概念図である。図16の状態変更管理テーブルでは、端末間の通信の状態を変更する要求を示す変更要求情報と、後述の状態管理部53によって変更される前の通信状態を示す変更前状態情報と、状態管理部53によって変更された後の通信状態を示す変更情報とが関連付けられて管理される。また、図17の状態変更管理テーブルでは、変更要求情報と、開始要求端末と宛先端末とを識別するための端末情報と、変更前状態情報と、変更情報とが関連付けられて管理される。
図17の状態変更管理テーブルでは、管理システム50は、変更要求情報「Private Invite」を受信した場合に、開始要求端末の変更前の通信状態「None」を「Private Calling」に変更し、かつ宛先端末の変更前の通信状態「None」を「Private Ringing」に変更することが示されている。尚、変更要求情報には、図17に示す、「Invite」、「Private Invite」、「Accept」や、図16に示す「Join」、「Call」、「Leave」等が含まれる。
なお、本実施の形態では、制限情報が参加制限有りのセッションを確立することを前提としているため、図16、図17においては、「Private Accepted」、「Private Busy」、「Private Calling」、「Private Ringing」、「Private Accepted」、「Private Busy」の変更前状態情報、変更情報のみが使用される。また、同様の理由により、本実施の形態では、図17における「Invite」の変更要求情報は使用されない。
「Invite」は、開始要求情報に含まれる情報であり、開始要求情報の送信に伴う変更要求情報である。「Accept」は、開始要求情報に対する応答の受信に伴う変更要求情報であり、通信開始、すなわちセッション確立を許可する旨を示している。「Join」は、開始要求情報に対応するセッションの確立完了に伴う変更要求情報であり、コンテンツデータの中継開始を要求する旨を示している。「Call」は、参加要求に含まれる情報であり、参加要求の送信に伴う変更要求情報であり、確立中セッションへの参加を要求する旨を示している。「Leave」は、セッションの終了を要求する旨の変更要求情報である。
(管理システムの各機能部)
次に、管理システム50の各機能部について詳細に説明する。なお、以下では、管理システム50の各部を説明するにあたって、図3に示されている各構成要素のうち、管理システム50の各部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
通信部51は、図3に示されているネットワークI/F209によって実行され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。端末認証部52は、通信部51を介して受信されたログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとし、不揮発性記憶部5000の端末認証管理テーブル(図10参照)を検索し、端末認証管理テーブルに同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う。
また、通信部51は、後述する参加判断部63により、確立中セッションが参加制限ありであって、参加が不可能であると判断された場合には、参加失敗の通知を、参加要求を行った端末に送信する通知部としての機能を有する。
状態管理部53は、図11に示される端末管理テーブルの稼動状態および通信状態を管理する。状態管理部53は、ログイン要求してきた端末10(ログイン要求端末)の稼動状態を管理すべく、端末管理テーブル(図11参照)に、このログイン要求端末の端末ID、ログイン要求端末の稼動状態、管理システム50でログイン要求情報が受信された受信日時、及びログイン要求端末のIPアドレスを関連付けて記憶して管理する。状態管理部53は、端末10の利用者が端末10の電源スイッチ109をOFFの状態からONにすることで、この端末10から送られてきた電源をONする旨の情報に基づいて、端末管理テーブル(図11参照)のOFFラインを示す稼動状態をONラインに設定する。また、利用者が端末10の電源スイッチ109をONの状態からOFFにすることで、この端末10から送られてきた電源をOFFする旨の情報に基づいて、端末管理テーブル(図11参照)のONラインを示す稼動状態をOFFラインに設定する。
状態管理部53は、テレビ会議の開始要求情報の開始要求端末又は宛先端末によって送信された変更要求情報が通信部51によって受信されると、変更要求情報に基づいて、端末管理テーブル(図11参照)における、開始要求端末および宛先端末のうち少なくとも一方の端末の、通信状態および稼動状態のうち少なくとも一方の状態を適宜変更する。
図18および図19は、状態管理部53により管理される通信状態の状態遷移図である。状態管理部53は、図16および図17に示す状態変更管理テーブルを参照することにより実現される通信状態の変更の規則(図18および図19参照)に従い端末10の通信状態を変更する。なお、本実施の形態では、制限情報が参加制限有りのセッションを確立することを前提としているため、図18は使用されず、図19が使用される。
例えば、変更要求情報「Accept」を受信した場合には、図19に示すように、端末10の通信状態が「Private Ringing」、又は「Private Calling」であれば、状態管理部53は、通信状態「Private Accepted」に変更し、端末10の通信状態が「Private Accepted」であれば、通信状態を「Private Accepted」のままとする。
本実施形態では、状態管理部53による状態の変更を実現するために、状態変更管理テーブル(図16,17参照)を用いる例を説明するが、このような形態には限定されない。この場合、図18および図19の状態遷移図によって示される通信状態の遷移の規則に従い状態管理部53が通信状態を変更できるよう管理システム用プログラムによって規定されていれば良い。
端末抽出部54は、ログイン要求した端末10など、処理対象となる対象端末の端末IDを検索キーとして、宛先リスト管理テーブル(図12参照)を検索し、対象端末と通話することができる、すなわちセッションを確立することのできる宛先端末候補の端末IDを読み出すことで、端末IDを抽出する。具体的には、端末抽出部54は、宛先リスト管理テーブル(図12参照)において、対象端末の端末IDと一致する開始要求端末の端末IDに対応付けられている、宛先端末候補の端末IDを読み出す。
また、端末抽出部54は、対象端末の端末IDをキーとして、宛先リスト管理テーブルを検索し、対象端末の端末IDを宛先端末候補として登録している他の端末10の端末IDも抽出する。具体的には、端末抽出部54は、宛先リスト管理テーブル(図12参照)において、対象端末の端末IDと一致する宛先端末候補の端末IDに対応付けられている、開始要求端末の端末IDを読み出す。
端末状態取得部55は、端末IDを検索キーとして、端末管理テーブル(図11参照)を検索し、端末ID毎に稼動状態および通信状態を読み出す。これにより、端末状態取得部55は、ログイン要求してきた端末と通話することができる宛先端末の候補の稼動状態を取得することができる。また、端末状態取得部55は、端末管理テーブルを検索し、ログイン要求してきた端末の稼動状態も取得する。
中継装置選択部56は、複数の中継装置30から1つの中継装置30を選択するための処理を行う。そのため、中継装置選択部56は、図3に示されているCPU201からの命令によって、図6に示されるセッションID生成部56a、中継装置抽出部56b、選択部56cを実現する。なお、図6は、図5の中継装置選択部56が詳細に示された機能ブロック図である。
このうち、セッションID生成部56aは、端末間でコンテンツデータが伝送されるセッションを識別するためのセッションIDを生成する。中継装置抽出部56bは、開始要求端末から送られてきた開始要求情報に含まれている開始要求端末の端末IDと宛先端末の端末IDに基づいて、中継装置選択管理テーブル(図15参照)を検索することにより、対応するそれぞれの中継装置IDを抽出する。選択部56cは、中継装置管理テーブル(図9参照)で管理されている中継装置30のうち、稼動状態が「ONライン」となっている中継装置30の中継装置IDを選択することにより、中継装置30の選択を行う。
セッション管理部57は、不揮発性記憶部5000のセッション管理テーブル(図13参照)に、セッションID生成部56aで生成されたセッションID、要求元端末の端末ID、及び宛先端末の端末IDを関連付けて記憶して管理する。また、セッション管理部57は、セッション管理テーブルに対して、セッションID毎に、最終的に1つに選択された中継装置30の中継装置IDを記憶して管理する。
更に、セッション管理部57は、参加要求情報に含まれる、参加要求の対象となるセッションに既に参加している参加中端末の端末IDを検索キーとして、セッション管理テーブル(図13参照)を検索し、参加要求の対象となるセッションのセッションIDを抽出する。具体的には、セッション管理テーブル(図13)において、参加中端末の端末IDに一致する開始要求端末の端末IDまたは宛先端末の端末IDを検索する。そして、一致する端末IDに対応付けられているセッションIDを抽出する。
品質決定部58は、上記遅延時間を検索キーとして、品質管理テーブル(図14参照)を検索し、対応する画像データの画質を抽出することで、中継装置30に中継させる画像データの画質を決定する。記憶・読出処理部59は、図3に示されているHDD205によって実行され、不揮発性記憶部5000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部5000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。更に、記憶・読出処理部59は、揮発性記憶部5100に各種データを記憶したり、揮発性記憶部5100に記憶された各種データを読み出す処理も行う。
遅延時間管理部60は、上記宛先端末のIPアドレスを検索キーとして、端末管理テーブル(図11参照)を検索することで、対応する端末IDを抽出し、更に、セッション管理テーブル(図13参照)において、上記抽出した端末IDが含まれるレコードにおける遅延時間のフィールド部分に、上記遅延情報で示されている遅延時間を記憶して管理する。
変更要求情報判断部61は、変更要求情報を参照し、変更要求情報が、特定の変更要求情報であるか否かを判断する。ここで、特定の変更要求情報は、「Invite」、「Private Invite」、「Accept」である。すなわち、特定の変更要求情報は、図17に示す状態変更管理テーブルに記憶されている変更要求情報である。
宛先判断部62は、宛先リスト管理テーブル(図12参照)を参照し、端末抽出部54によって抽出されたコンテンツデータ用セッションsedに参加している端末10の宛先端末IDに、参加を要求する端末10の宛先端末IDが含まれているか否かを判断する。
参加判断部63は、通信部51が所定の端末から確立中セッションへの参加要求を受信した場合に、確立中セッションに対応する制限情報を参照し、参加要求情報の送信元の端末である参加要求端末の、確立中セッションへの参加の許否を判断する。
具体的には、参加判断部63は、参加要求情報の取得に応じて、制限情報に参加制限ありが指定されている場合には、参加要求端末の確立中セッションへの参加を禁止する。
<<実施形態の処理・動作>>
以上が、本実施形態に係る伝送システム1の構成及び機能(又は手段)の説明であり、続いて、図20乃至図38を用いて、本実施形態に係る伝送システム1における処理方法を説明する。なお、図20は、各中継装置の稼動状態を示す状態情報を管理する処理を示したシーケンス図である。図21は、伝送システムにおける画像データ、音声データ、及び各種管理情報の送受信の状態を示した概念図である。図22は、端末間で通話を開始する準備段階の処理を示したシーケンス図である。図23は、本実施形態の宛先リストの表示例を示す図である。図24は、通信の開始を要求する処理を示したシーケンス図である。図25は、宛先選択処理における開始要求端末の詳細な処理を示すフロー図である。図26は、発信確認ダイアログの表示例を示す図である。図27は、通信の状態を変更する処理を示した処理フロー図である。図28は、通信の開始の要求を許可する処理を示したシーケンス図である。図29は、開始要求受付画面の表示例を示す図である。図30は、コンテンツデータの中継を要求する処理を示したシーケンス図である。図31は、通信の状態を変更する処理を示した処理フロー図である。図32は、伝送端末間でコンテンツデータを送受信する処理を示したシーケンス図である。図33は、コンテンツデータ用セッションへの参加要求情報を送信する処理を示したシーケンス図である。図34は、宛先リストの表示例を示す図である。図35は、通信状態に基づく、参加の判断処理を示した処理フロー図である。図36は、コンテンツデータ用セッションからの退出を要求する処理を示したシーケンス図である。図37は、端末による参加判断処理の手順を示すフローチャートである。図38は、発信できない旨のメッセージを示す表示画面の一例を示す図である。
なお、以下の説明では、制限情報が参加制限ありのセッションを確立し、この参加制限ありの確立中セッションに他の端末が参加要求することを前提として説明する。
まず、図20を用いて、各中継装置30から管理システム50に送信された各中継装置30の状態を示す状態情報を管理する処理を説明する。まず、各中継装置30では、図5に示されている状態検知部32が、自装置である中継装置30の稼動状態を定期的に検知している(ステップS1−1〜S1−4)。そして、管理システム50側で各中継装置30の稼動状態をリアルタイムで管理させるべく、各中継装置30の通信部31は、定期的に通信ネットワーク2を介して管理システム50へ各状態情報を送信する(ステップS2−1〜S2−4)。これら各状態情報には、中継装置30毎の中継装置IDと、これら各中継装置IDに係る中継装置30の状態検知部32で検知された稼動状態とが含まれている。なお、本実施形態では、図9に示すように、中継装置(30a,30b,30d)は、正常に稼動して「ONライン」となっている一方で、中継装置30cは稼働中ではあるが、中継装置30cの中継動作を実行するためのプログラムに何らかの不具合が生じて、「OFFライン」となっている場合が示されている。
次に、管理システム50では、各中継装置30から送られて来た各状態情報を通信部51が受信し、記憶・読出処理部59を介して不揮発性記憶部5000の中継装置管理テーブル(図9参照)に、中継装置ID毎に状態情報を記憶して管理する(ステップS3−1〜S3−4)。これにより、図9に示されるような中継装置管理テーブルに対して、中継装置ID毎に「ONライン」、「OFFライン」、又は「故障中」のいずれかの稼動状態が記憶されて管理される。またこの際に、中継装置ID毎に、管理システム50で状態情報が受信された受信日時も記憶されて管理される。なお、中継装置30から状態情報が送られない場合には、図9に示されている中継装置管理テーブルの各レコードにおける稼動状態のフィールド部分及び受信日時のフィールド部分が空白になるか、又は、前回の受信時の稼動状態及び受信日時をそれぞれ示す。
次に、図21を用いて、伝送システム1におけるコンテンツデータ及び各種管理情報の送受信の状態を示した概念を説明する。図21に示されているように、伝送システム1では、開始要求端末と宛先端末Aと宛先端末Bとの間では、管理システム50を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションseiが確立される。また、開始要求端末と宛先端末Aと宛先端末Bとの間では、中継装置30を介して、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データ、及び音声データの4つの各データを送受信するための4つのセッションが確立される。ここでは、これら4つのセッションをまとめて、コンテンツデータ用セッションsedとして示している。すなわち、コンテンツデータ用セッションsedは、テレビ会議に用いられるセッションである。
次に、図22を用いて、端末10aaが通話を開始する前の準備段階における各管理情報の送受信処理について説明する。なお、図22では、全て管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される処理が示されている。
まず、端末10aaの利用者が、図2に示されている電源スイッチ109をONにすると、図5に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする(ステップS21)。そして、ログイン要求部13は、上記電源ONの受信を契機とし、通信部11から通信ネットワーク2を介して管理システム50に、ログイン要求を示すログイン要求情報を自動的に送信する(ステップS22)。このログイン要求情報には、要求元としての自端末である端末10aaを識別するための端末ID、及びパスワードが含まれている。これら端末ID、及びパスワードは、記憶・読出処理部19を介して不揮発性記憶部1000から読み出されて、通信部11に送られたデータである。なお、端末10aaから管理システム50へログイン要求情報が送信される際は、受信側である管理システム50は、送信側である端末10aaのIPアドレスを把握することができる。
次に、管理システム50の端末認証部52は、通信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、不揮発性記憶部5000の端末認証管理テーブル(図10参照)を検索し、端末認証管理DB5002に同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(ステップS23)。
この端末認証部52によって、同一の端末ID及びパスワードが管理されているため、正当な利用権限を有する端末10aaからのログイン要求であると判断された場合には、状態管理部53は、端末管理テーブル(図11参照)に、端末10aaの端末ID及び端末名で示されるレコード毎に、上記ログイン要求情報が受信された受信日時、及び端末10aaのIPアドレスを関連付けて記憶する(ステップS24−1)。これにより、図11に示されている端末管理テーブルには、端末ID「01aa」に、受信日時「2009.11.10.13:40」及び端末IPアドレス「1.2.1.3」が関連付けて管理されることになる。
続いて、状態管理部53が、端末10aaの稼動状態「ONライン」と通信状態「None」を設定し、端末管理テーブル(図11参照)に、端末10aaの端末ID及び端末名で示されるレコード毎に、稼動状態、及び通信状態を関連付けて記憶する(ステップS24−2)。これにより、図11に示されている端末管理テーブルには、端末ID「01aa」に、稼動状態「ONライン」及び通信状態「None」が関連付けて管理されることになる。
そして、管理システム50の通信部51は、上記端末認証部52によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク2を介して、上記ログイン要求してきたログイン要求端末(端末10aa)に送信する(ステップS25)。本実施形態では、端末認証部52によって正当な利用権限を有する端末であると判断された場合につき、以下続けて説明する。
端末10aaでは、正当な利用権限を有する端末であると判断された結果が示された認証結果情報を受信すると、通信部11が通信ネットワーク2を介して管理システム50へ、宛先リストを要求する旨が示された宛先リスト要求情報を送信する(ステップS26)。これにより、管理システム50の通信部51は、宛先リスト要求情報を受信する。
次に、端末抽出部54は、ログイン要求したログイン要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理テーブル(図12参照)を検索し、ログイン要求端末(端末10aa)が開始要求端末として通話することができる、すなわちセッションを確立することのできる宛先端末候補の端末IDを読み出すことによって抽出する(ステップS27)。また、端末抽出部54は、抽出された端末IDを検索キーとして、端末管理テーブル(図11参照)を検索し、この端末IDに対応する端末名、すなわち宛先端末候補の端末名を読み出すことによって抽出する。ここでは、開始要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」に対応する宛先端末候補(端末(10ab,10ba,10db,10dc))のそれぞれの端末ID(「01ab」、「01ba」、「01db」、「01dc」)と、これらに対応する端末名(「日本 東京事業所 AB端末」、「日本 大阪事業所 BA端末」、「アメリカ ワシントン事業所 DB端末」、「アメリカ ワシントン事業所 DC端末」)が抽出される。
次に、管理システム50の通信部51は、記憶・読出処理部59を介して不揮発性記憶部5000から宛先リスト枠のデータ(図23で示されている宛先リスト枠1100−1部分のデータ)を読み出す(ステップS28)と共に、この宛先リスト枠並びに上記端末抽出部54によって抽出された、宛先端末候補の端末ID及び端末名を含めた「宛先リスト情報(宛先リスト枠、端末ID、端末名)」を、開始要求端末(端末10aa)に送信する(ステップS29)。これにより、開始要求端末(端末10aa)では、通信部11が宛先リスト情報を受信し、記憶・読出処理部19が揮発性記憶部1002へ宛先リスト情報を記憶する(ステップS30)。
このように、本実施形態では、各端末10で宛先リスト情報を管理するのではなく、管理システム50が全ての端末の宛先リスト情報を一元管理している。よって、伝送システム1に新たな端末10が含まれるようになったり、既に含まれている端末10に替えて新機種の端末10を含めるようになったり、宛先リスト枠の見栄え等を変更することになった場合でも、管理システム50側で一括して対応するため、各端末10側で宛先リスト情報の変更を行う手間を省くことができる。
また、管理システム50の端末状態取得部55は、上記端末抽出部54によって抽出された宛先端末候補の端末ID(「01ab」、「01ba」、「01db」、「01dc」)を検索キーとして、端末管理テーブル(図11参照)を検索し、上記端末抽出部54によって抽出された端末ID毎に、対応する稼動状態および通信状態を読み出すことにより、宛先端末候補としての端末(10ab,10ba,10db,10dc)それぞれの稼動状態および通信状態を取得する(ステップS31)。
次に、通信部51は、上記ステップS31で使用された検索キーとしての端末IDと、対応する宛先端末候補の稼動状態および通信状態とを含む状態情報を、通信ネットワーク2を介してログイン要求端末に送信する(ステップS32)。具体的には、ステップS32においては、検索キーとしての端末ID「01ab」と、宛先端末候補(端末10ab)の稼動状態「OFFライン」とを含む状態情報を、ログイン要求端末(端末10aa)に送信する。なお、稼動状態が「OFFライン」の場合には、状態情報には、通信状態は含まれない。また、同じくステップS32の一環として、通信部51は、端末ID「01ba」と、対応する宛先端末候補(端末10ba)の稼動状態「ONライン」と、通通信状態「Private Calling」とを含む状態情報等、宛先端末候補すべてに対する状態情報それぞれをログイン要求端末(端末10aa)へ送信する。
次に、ログイン要求端末(端末10aa)の記憶・読出処理部19は、順次、管理システム50から受信した状態情報を揮発性記憶部1002に記憶する(ステップS33)。よって、ログイン要求端末(端末10aa)は、上記各端末の状態情報を受信することで、開始要求端末としてのログイン要求端末(端末10aa)と通話することができる宛先端末候補である端末10ab等の現時点のそれぞれの稼動状態および通信状態を取得することができる。
次に、ログイン要求端末(端末10aa)の宛先リスト作成部20は、揮発性記憶部1002に記憶されている宛先リスト情報、及び端末の状態情報に基づいて、宛先端末候補としての端末10の稼動状態および通信状態を反映させた宛先リストを作成する。そして、表示制御部16は、図1に示されているディスプレイ120aaに、所定のタイミングで宛先リストを表示する(ステップS34)。
図23は、宛先リストの表示例を示す図である。図23に示されているように、宛先リストは、宛先リスト枠1100−1に宛先端末候補の端末ID1100−2と、端末名1100−3と、状態情報を反映させたアイコン1100−4a〜1100−4cなどを含む表示画面である。
アイコンとしては、OFFラインで通話できないことを示すOFFラインアイコン1100−4aと、ONラインで通話可能であることを示す通話可能アイコン1100−4bと、ONラインで通話中であることを示す通話中アイコン1100−4cとがある。
宛先リスト作成部20は、宛先端末候補の稼動状態が「ONライン」であり、通信状態が「None」である場合には、この宛先端末候補に対し、通話可能アイコン1100−4bを割り当てる。宛先リスト作成部20はまた、宛先端末候補の稼動状態が「ONライン」であり、通信状態が「None」以外である場合には、この宛先端末候補に対し、通話中アイコン1100−4cを割り当てる。宛先リスト作成部20はまた、宛先端末候補の稼動状態が「OFFライン」である場合には、この宛先端末候補に対し、OFFラインアイコン1100−4aを割り当てる。
一方、図22に戻って、管理システム50の端末抽出部54は、ログイン要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理テーブル(図12参照)を検索し、上記ログイン要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」を宛先端末候補として登録している他の端末(開始要求端末)の端末IDを抽出する(ステップS35)。図12に示されている宛先リスト管理テーブルでは、抽出される他の要求元端末の端末IDは、「01ab」、「01ba」、「01cb」、及び「01db」である。
次に、管理システム50の端末状態取得部55は、上記ログイン要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」を検索キーとして、端末管理テーブル(図11参照)を検索し、ログイン要求端末(端末10aa)の稼動状態と通信状態を取得する(ステップS36)。
そして、通信部51は、上記ステップS35で抽出された端末ID(「01ab」、「01ba」、「01cb」、及び「01db」)に係る端末(10ab,10ba,10cb,10db)のうち、端末管理テーブル(図11参照)で稼動状態が「ONライン」となっている端末(ここでは、端末10baおよび端末10dbの稼動状態が「ONライン」となっていることとする)に、上記ステップS36で取得されたログイン要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」と、稼動状態「ONライン」と、通信状態「None」とを含む状態情報を送信する(ステップS37−1,S37−2)。次に、端末10baおよび端末10dbは、それぞれ宛先端末候補の状態情報をディスプレイ120に表示する(ステップS38−1,S38−2)。なお、通信部51が端末(10ba,10db)に状態情報を送信する際に、各端末ID(「01ba」、「01db」)に基づいて、図11に示されている端末管理テーブルで管理されている端末のIPアドレスを参照する。これにより、ログイン要求端末(端末10aa)を宛先として通話することができる端末(端末(10ba,10db))ぞれぞれに、上記ログイン要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」と、稼動状態「ONライン」と、通信状態「None」とを伝えることができる。
一方、他の端末10でも、上記ステップS21と同様に、利用者が図2に示されている電源スイッチ109をONにすると、図5に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付け、上記ステップS22〜S38−1,S38−2の処理と同様の処理を行うため、その説明を省略する。
続いて、図24を用いて、端末が他の端末との通信の開始を要求する場合の処理を説明する。なお、図24では、全て管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される処理が示されている。
図24においては、図22においてログインが許可された端末10aaが、開始要求情報を送信する例、すなわち、端末10aaが開始要求端末として動作する例について説明する。開始要求端末としての端末10aaは、図22において説明したステップS32において受信した宛先端末候補の状態情報に基づいて、宛先端末候補のうち、稼動状態が「ONライン」であり、通信状態が「None」である端末のうち少なくとも1つの端末と通信を行うことができる。
また、本実施形態においては、開始要求端末(端末10aa)は、宛先端末候補としての端末(10ab,10ba,10db,10dc)のうち、上記ステップS32によって受信した端末の状態情報により、稼動状態が「ONライン」であり通信状態が「None」である端末10dbと通話を行うことができる。そこで、以下では、開始要求端末(端末10aa)の利用者が、宛先端末(端末10db)と通話を開始することを選択した場合について説明する。
なお、図24に示す処理が開始する前の状態において、開始要求端末としての端末10aaのディスプレイ120aaには、図23に示した宛先リストが表示されている。そして、開始要求端末の利用者は、宛先リストから所望の通話相手、すなわちセッション相手を選択することができる。
図24に示す処理においては、まず、開始要求端末の利用者が図2に示されている操作ボタン108を押下して宛先端末(端末10db)を選択すると宛先選択処理が行われる(ステップS41)。
図25は、宛先選択処理(ステップS41)における開始要求端末の詳細な処理を示すフローチャートである。宛先リストに対し、上述のように利用者の操作ボタン108の押下により宛先端末(10db)が選択されると、図5に示されている操作入力受付部12は、宛先端末(端末10db)を指定した通話を開始する要求、すなわちセッションの開始要求を受け付ける(ステップS41−1)。次に、表示制御部16は、図26に示す発信確認ダイアログ1200−1を宛先リストに重畳して表示する(ステップS41−2)。
発信確認ダイアログ1200−1は、ステップS41−1において受け付けた開始要求の確認を指定するためのユーザインターフェースである。発信確認ダイアログ1200−1には、開始要求情報の送信を確定するための「はい」ボタン1200−2と、開始要求情報の送信をキャンセルするための「いいえ」ボタン1200−3とが含まれている。
本実施の形態では、参加制限ありのセッションを確立することを前提としているため、開始要求にかかるセッションに参加する端末を制限するか否か指定するための項目はないが、参加制限なしのセッションを確立することも可能にする場合には、例えば、「参加者を制限して発信する」ボタンを設けるように構成してもよい。
ここで、「はい」ボタン1200−2が選択された場合には、通信部11は、参加制限ありの制限情報を含む開始要求情報を生成する(ステップS41−3)。ステップS41−3において生成された開始要求情報には、開始を要求する旨の情報であって、かつ参加制限ありの制限情報である「Private Invite」と、開始要求端末の端末ID「01aa」と、宛先端末の端末ID「01db」とを含んでいる。
図24に戻り、端末10aaの通信部11は、開始要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、宛先端末(端末10db)の端末ID「01db」、及び参加制限ありを示す制限情報を含み開始を要求することを示す「Private Invite」が含まれる開始要求情報を、開始要求端末のIPアドレスとともに管理システム50へ送信する(ステップS42)。これにより、管理システム50の通信部51は、上記開始要求情報を受信すると共に、送信元である開始要求端末(端末10aa)のIPアドレス「1.2.1.3」を把握することになる。
そして、状態管理部53は、開始要求情報に含まれる開始要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、及び宛先端末(端末10db)の端末ID「01db」に基づき、端末管理DB5003(図11参照)の端末管理テーブルにおいて、上記端末ID「01aa」、及び端末ID「01db」がそれぞれ含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を変更する(ステップS43)。
ここで、図27を用いて、ステップS43における処理を詳細に説明する。先ず、図5に示されている状態管理部53は、端末管理DB5003で管理される端末の通信状態を取得する(ステップS43−1)。この場合、通信部51によって受信された開始要求情報に含まれる「Private Invite」が通信状態の変更要求情報として特定される。変更要求情報「Private Invite」は、変更要求情報判断部61によって特定の変更要求情報であると予め判断される。これに基づき状態管理部53は、開始要求端末(端末10aa)のみでなく、宛先端末(端末10db)の通信状態を取得する。この場合、状態管理部53は、開始要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」を検索キーとして、端末管理テーブル(図11参照)を検索し、開始要求情報を送信した開始要求端末(端末10aa)の通信状態「None」を取得する。同様にして、宛先端末(端末10db)の通信状態「None」を取得する。
次に、状態管理部53は、変更要求情報「Private Invite」に対応する開始要求端末及び宛先端末の変更前状態情報を取得する(ステップS43−2)。この場合、状態管理部53は、変更要求情報「Private Invite」及び端末情報「開始要求端末」を検索キーとして、状態変更管理テーブル(図17参照)を検索し、開始要求端末の変更前状態情報「None」を取得する。同様にして、状態管理部53は、変更要求情報「Private Invite」及び端末情報「宛先端末」を検索キーとして、状態変更管理テーブル(図17参照)を検索し、宛先端末の変更前状態情報「None」を取得する。
次に、状態管理部53は、取得した通信状態と変更前状態情報とを比較し、これらが同一であるか否かを判断する(ステップS43−3)。この場合、状態管理部53は、取得した開始要求端末(端末10aa)の通信状態「None」と、取得した開始要求端末の変更前状態情報「None」を比較し、これらが同一であるか否かを判断する。同様にして、状態管理部53は、取得した宛先端末(端末10db)の通信状態のそれぞれと、取得した宛先端末の変更前状態情報を比較し、これらが同一であるか否かを判断する。
ステップS43−3で開始要求端末の通信状態と変更前状態情報が同一であり、且つ、宛先端末の通信状態と変更前状態情報とがいずれも同一であると判断された場合には(ステップS43−3のYes)、状態管理部53は、変更要求情報「Private Invite」に対応する開始要求端末及び宛先端末の変更情報を取得する(ステップS43−4)。この場合、状態管理部53は、変更要求情報「Private Invite」及び端末情報「開始要求端末」を検索キーとして、状態変更管理テーブル(図17参照)を検索し、それぞれ開始要求端末の変更情報「Private Calling」を取得する。同様にして、状態管理部53は、変更要求情報「Private Invite」及び端末情報「宛先端末」を検索キーとして、状態変更管理テーブル(図17参照)を検索し、それぞれ宛先端末の変更情報「Private Ringing」を取得する。
次に、状態管理部53は、開始要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、及び宛先端末(端末10db)の端末ID「01db」に基づき、端末管理テーブル(図11参照)において、上記端末ID「01aa」、及び端末ID「01db」がそれぞれ含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を変更する(ステップS43−5)。この場合、端末管理テーブルの端末ID「01aa」が含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を、取得された開始要求端末の変更情報に基づき「Private Calling」に変更する。同様にして、端末ID「01db」が含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を、取得された宛先端末の変更情報に基づき「Private Ringing」に変更する。
尚、ステップS43−3で要求元端末の通信状態と変更前状態情報が同一ではなく、或は、宛先端末の通信状態と変更前状態情報とが同一でないと判断された場合には(ステップS43−3のNo)、状態管理部53は、端末管理テーブル(図11参照)において、上記端末ID「01aa」、及び端末ID「01db」がそれぞれ含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を変更しない。これは、開始要求端末(端末10aa)、宛先端末(端末10db)のいずれかが通話を開始できる状態ではないためである。この場合、通信部51は、所定のエラーメッセージを作成して、これを開始要求端末(端末10aa)に送信することにより処理を完了する(ステップS43−6)。なお、このとき、開始要求端末においては、エラーメッセージがディスプレイ120に表示される。
次に、図24に戻って、ステップS43−5で通信状態が変更された場合について、その後の処理を説明する。先ず、セッションID生成部56aは、開始要求端末(端末10aa)によって要求された宛先端末との間の通信を実行するためのセッション(コンテンツデータ用セッションsed)を識別するためのセッションID「se1」を生成する(ステップS44)。セッションIDが生成されると、セッション管理部57は、セッションID「se1」を揮発性記憶部5100に記憶する。
続いて、管理システム50の中継装置選択部56は、開始要求端末(端末10aa)と、宛先端末(端末10db)との間のコンテンツデータ用セッションsedでコンテンツデータを中継するための中継装置30の選択を行う(ステップS45)。この場合、まず、中継装置抽出部56bは、開始要求端末(10aa)から送られてきた開始要求情報に含まれている開始要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、宛先端末(端末10db)の端末ID「01db」に基づいて、中継装置選択管理テーブル(図15参照)を検索することにより、端末(10aa,10db)に対応する中継装置ID(「111a」,「111d」)を抽出する。
抽出された各中継装置IDが同一であれば、選択部56cは、中継装置管理テーブル(図9参照)で管理されている中継装置30の稼動状態のうち、抽出された中継装置IDの稼動状態を参照する。ここで中継装置IDの稼動状態が「ONライン」である場合には、選択部56cは、抽出された中継装置を、コンテンツデータを中継するための中継装置として選択する。抽出された各中継装置IDが同一でない場合、又は、上記の参照の結果、中継装置IDの稼動状態が「OFFライン」である場合には、中継装置ID「111e」の中継装置30eを、コンテンツデータを中継するための中継装置として選択する。本実施形態では、選択部56cによって中継装置30eが選択された場合につき、以下続けて説明する。
中継装置30の選択処理が完了すると、セッション管理部57は、不揮発性記憶部5000のセッション管理テーブル(図13参照)において、セッションID「se1」が含まれるレコードの中継装置ID、開始要求端末の端末ID、及び宛先端末の端末IDのフィールド部分に、選択された中継装置の中継装置ID「111e」、開始要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、宛先端末(端末10db)の端末ID「01db」を記憶して管理する(ステップS46)。
次に、図5に示されている通信部51は、通信ネットワーク2を介して、開始要求端末(端末10aa)へ、セッションID生成部56aで生成されたセッションIDと、選択部56cで選択された中継装置30eに接続するために用いられる中継装置接続情報を送信する(ステップS47)。この中継装置接続情報には、中継装置30eのIPアドレス「1.1.1.3」、認証情報、ポート番号等を含めることができる。これにより、端末10aaは、セッションID「se1」におけるセッションの実行において、コンテンツデータの中継に用いられる中継装置30eに接続するために用いられる中継装置接続情報を把握することができる。
次に、通信部51は、開始要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、「Private Invite」と、セッションID「se1」を含む開始要求情報と、中継装置30eに接続するために用いられる上記の中継装置接続情報と、管理システム50のIPアドレスとを宛先端末(端末10db)へ送信する(ステップS48)。これにより、宛先端末(端末10db)の通信部11は、上記開始要求情報を受信すると共に、コンテンツデータの中継に用いられる中継装置30eに接続するために用いられる中継装置接続情報、及び送信元である管理システム50のIPアドレス「1.1.1.2」を把握することになる。
続いて、図28および図27を用いて、上記の開始要求情報を受信した宛先端末(端末10db)の利用者が、図2に示されている操作ボタン108を押下することにより、開始要求端末(端末10aa)との間の通信の開始(セッションの確立)を許可する旨の応答が受け付けられた場合の処理について説明する。
図28に示す送受信処理の開始時には、宛先端末(端末10db)のディスプレイ120dbには、開始要求情報を受信したことを示す開始要求受信画面が表示されている(ステップS49−1)。図29に示すように、開始要求受付画面1300−1には、開始要求情報を受信した旨が示されている。さらに、開始要求情報が、参加制限ありを示す制限情報を含んでいる場合には、例えば「この会議は、参加制限会議です。」など、参加制限ありであることを示す旨が示されている。
利用者は、この開始要求受信画面を閲覧することにより、開始要求を受信したことを確認することができ、さらに、開始要求されているセッションにかかるテレビ会議が、参加制限ありが指定された参加制限会議であるか否かを確認することができる。なお、本実施の形態では、参加制限ありを前提としているので、参加制限ありであることを示す旨の表示を行わなくてもよい。
宛先端末の利用者による宛先端末(端末10db)の操作ボタン108の操作によって、操作入力受付部12は、開始要求端末(端末10aa)との間の通信の開始(セッション確立)を許可する旨の応答を受け付ける(ステップS49−2)。次に、宛先端末(端末10db)の通信部11は、宛先端末(端末10db)の端末ID「01db」、開始要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、セッションの確立を許可する旨を示す変更要求情報「Accept」、セッションID「se1」が含まれる開始応答情報を、管理システム50へ送信する(ステップS50)。
管理システム50の通信部51がこの開始応答情報を受信すると、状態管理部53は、要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」及び宛先端末(端末10db)の端末ID「01db」に基づき、端末管理テーブル(図11参照)において、上記端末ID「01aa」及び端末ID「01db」がそれぞれ含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を変更する(ステップS51)。
ここで、図27を用いて、ステップS51における処理を詳細に説明する。先ず、管理システム50の通信部51がこの開始応答情報を受信すると、状態管理部53は、ステップS43−1の処理と同様にして端末管理テーブル(図11参照)で管理される端末の通信状態を取得する(ステップS51−1)。この場合、通信部51によって受信された変更要求情報「Accept」は、変更要求情報判断部61によって特定の変更要求情報であると予め判断される。これに基づき状態管理部53は、宛先端末(端末10db)の通信状態「Private Ringing」のみでなく、開始要求端末(端末10aa)の通信状態「Private Calling」を取得する。
続いて、状態管理部53は、ステップS43−2の処理と同様にして状態変更管理テーブル(図17参照)で管理される変更要求情報「Accept」に対応する開始要求端末の変更前状態情報「Private Calling」、及び「Private Accepted」を取得する。
同様にして、状態管理部53は、状態変更管理テーブル(図17参照)で管理される変更要求情報「Accept」に対応する宛先端末の変更前状態情報「Private Ringing」を取得する(ステップS51−2)。
次に、状態管理部53は、取得した通信状態と変更前状態情報とを比較し、これらが同一であるか否かを判断する(ステップS51−3)。この場合、状態管理部53は、取得した開始要求端末(端末10aa)の通信状態「Private Calling」が、開始要求端末の変更前状態情報「Private Calling」、および「Private Accepted」のいずれかと同一であるか否かを判断する。同様にして、状態管理部53は、取得した宛先端末(端末10db)の通信状態「Private Ringing」が、宛先端末の変更前状態情報「Private Ringing」と同一であるか否かを判断する。
ステップS51−3で開始要求端末の通信状態と変更前状態情報とが同一であり、且つ、宛先端末の通信状態と変更前状態情報とが同一であると判断された場合には(ステップS51−3のYes)、状態管理部53は、応答情報「Accept」に対応する開始要求端末及び宛先端末の変更情報を取得する(ステップS51−4)。この場合、状態管理部53は、応答情報「Accept」、開始要求端末を示す端末情報「開始要求端末」、開始要求端末の変更前の通信状態を示す変更前状態「Private Calling」を検索キーとして、状態変更管理テーブル(図17参照)を検索し、それぞれ開始要求端末の変更情報「Private Accepted」を取得する。同様にして、状態管理部53は、応答情報「Accept」、宛先端末を示す端末情報「宛先端末」、宛先端末の変更前の通信状態を示す変更前状態情報「Private Ringing」を検索キーとして、状態変更管理テーブル(図17参照)を検索し、宛先端末の変更情報「Private Accepted」を取得する。
次に、状態管理部53は、開始応答情報に含まれる開始要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」及び宛先端末(端末10db)の端末ID「01db」に基づき端末管理テーブル(図11参照)において、上記端末ID「01aa」及び端末ID「01db」がそれぞれ含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を変更する(ステップS51−5)。この場合、端末管理テーブルの端末ID「01aa」が含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を、取得された開始要求端末の変更情報に基づき「Private Accepted」に変更する。同様にして、端末管理テーブルの端末ID「01db」が含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を、取得された宛先端末の変更情報に基づき「Private Accepted」に変更する。
尚、ステップS51−3で開始要求端末(10aa)の通信状態と変更前状態情報が同一ではなく、或は、宛先端末(端末10db)の通信状態と変更前状態情報とが同一でないと判断された場合には(ステップS51−3のNo)、状態管理部53は、端末管理テーブル(図11参照)において、上記端末ID「01aa」、端末ID「01db」がそれぞれ含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を変更しない。この場合、通信部51は、このエラーメッセージを作成して、これを宛先端末(端末10db)に送信することにより処理を完了する(ステップS51−6)。
次に、図28に戻って、ステップS51−5で通信状態が変更された場合について、その後の処理を説明する。通信部51は、宛先端末(端末10db)の端末ID「01db」、宛先端末との通話の開始の要求を許可する旨を示す変更要求情報「Accept」、セッションID「se1」が含まれる開始応答情報を開始要求端末(端末10aa)へ送信する(ステップS52)。この開始応答情報を受信すると、開始要求端末(端末10aa)は、通信部11によってセッションID「se1」と、ステップS47で取得した中継装置接続情報とを中継装置30eに送信することにより、中継装置30eと接続する(ステップS53)。一方、宛先端末(端末10db)は、通信部11によってセッションID「se1」と、ステップS48で取得した中継装置接続情報とを中継装置30eに送信することにより、中継装置30eと接続する(ステップS54)。
続いて、図30を用いて、中継装置30eが開始要求端末(端末10aa)と宛先端末(端末10db)との間で伝送されるコンテンツデータの中継を開始する処理を説明する。なお、図30では、全て管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される処理が示されている。
まず、開始要求端末(端末10aa)は、中継装置30eと接続した後(ステップS53参照)の所定のタイミングで、通信部11によって、開始要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、セッションID「se1」、及び中継の開始を要求する旨を示す変更要求情報「Join」が含まれる中継要求情報を管理システム50へ送信する(ステップS71−1)。
管理システム50の通信部51が中継要求情報を受信すると、状態管理部53は、中継要求情報に含まれる開始要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」に基づき、端末管理テーブル(図11参照)において、上記端末ID「01aa」が含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を変更する(ステップS72−1)。
ここで、図31を用いて、ステップS72−1における処理を詳細に説明する。なお、図31においては、開始要求端末を、中継要求情報の送信元として、中継要求端末と称する。まず、図5に示されている状態管理部53は、端末管理DB5003で管理される端末の通信状態を取得する(ステップS72−1−1)。この場合、通信部51によって受信された変更要求情報「Join」は、変更要求情報判断部61によって特定の変更要求情報ではないと予め判断される。これに基づき状態管理部53は、中継要求端末(端末10aa)の通信状態のみを取得する。この場合、状態管理部53は、中継要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」を検索キーとして、端末管理テーブル(図11参照)を検索し、中継を開始する要求をしてきた中継要求端末(端末10aa)の通信状態「Private Accepted」を取得する。
次に、状態管理部53は、変更要求情報「Join」に対応する変更前状態情報を取得する(ステップS72−1−2)。この場合、状態管理部53は、変更要求情報「Join」を検索キーとして、状態変更管理テーブル(図16参照)を検索し、変更前状態情報「Private Accepted」を取得する。
次に、状態管理部53は、取得された通信状態と変更前状態情報とを比較し、これらが同一であるか否かを判断する(ステップS72−1−3)。この場合、状態管理部53は、取得した中継要求端末(端末10aa)の通信状態「Private Accepted」と、状態管理部53によって取得された変更前状態情報「Private Accepted」を比較し、これらが同一であるか否かを判断する。
ステップS72−1−3で中継要求端末の通信状態と変更前状態情報が同一であると判断された場合には(ステップS72−1−3のYes)、状態管理部53は、変更要求情報「Join」に対応する変更情報を取得する(ステップS72−1−4)。この場合、状態管理部53は、変更要求情報「Join」を検索キーとして、状態変更管理テーブル(図16参照)を検索し、変更情報「Private Busy」を取得する。
次に、状態管理部53は、開始要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」に基づき、端末管理テーブル(図11参照)において、上記端末ID「01aa」が含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を変更する(ステップS72−1−5)。この場合、端末管理テーブルの端末ID「01aa」が含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を、取得された変更情報に基づき「Private Busy」に変更する。
尚、ステップS72−1−3で要求元端末の通信状態と変更前状態情報が同一ではないと判断された場合には(ステップS72−1−3のNo)、状態管理部53は、端末管理テーブル(図11参照)において、上記端末ID「01aa」が含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を変更しない。この場合、通信部51は、このエラーメッセージを開始要求端末(端末10aa)に送信することにより処理を完了する(ステップS72−1−6)。
次に、図30に戻って、ステップS72−1−5で通信状態が変更された場合について、その後の処理を説明する。先ず、管理システム50は、中継要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、及びセッションID「se1」が含まれる中継開始要求情報を中継装置30eへ送信する(ステップS73−1)。この中継開始要求情報を受け付けると、中継装置30eは、中継の開始を許可する旨を示す通知情報「OK」を含む中継開始許可情報を、管理システム50へ送信する(ステップS74−1)。この応答を受信すると管理システム50の通信部51は、この中継開始許可情報を中継要求端末(端末10aa)に送信する(ステップS75−1)。これにより、中継要求端末(端末10aa)と中継装置30eとの間のコンテンツデータ用セッションsedが確立される(ステップS76−1)。
一方、宛先端末(端末10db)は、中継装置30eと接続した後(図28のステップS54参照)の所定のタイミングで、通信部11によって、宛先端末(端末10db)の端末ID「01db」、セッションID「se1」、及び中継の開始を要求する旨を示す変更要求情報「Join」が含まれる中継要求情報を管理システム50へ送信する(ステップS71−2)。
続いて、管理システム50及び中継装置30eによってステップS72−1,S73−1,S74−1,S75−1と同様の処理が実行されることにより、宛先端末(端末10db)と中継装置30eとの間のコンテンツデータ用セッションsedが確立される(ステップS72−2,S73−2,S74−2,S75−2,S76−2)。なお、ステップS72−2においては、宛先端末を、中継要求情報の送信元、すなわち中継要求端末として扱う。中継要求端末(端末10aa)と中継装置30eとの間のコンテンツデータ用セッションsed及び宛先端末(端末10db)と中継装置30eとの間のコンテンツデータ用セッションsedが確立されると、中継装置30eは、端末(10aa,10db)の間で、低解像度、中解像度、及び高解像度の3つ画像データ、並びに、音声データを中継することができる。これにより、端末(10aa,10db)は、テレビ会議を開始することができる。
続いて、図5及び図32を用いて、開始要求端末(端末10aa)と宛先端末(端末10db)との間で、テレビ会議の通話を行うために、コンテンツデータを送受信する処理を説明する。なお、端末10aaから端末10dbにコンテンツデータを送信する一方向の処理と、端末10dbから端末10aaにコンテンツデータを送信する逆方向の処理とで、コンテンツデータの送受信や後述の遅延時間の検出等は同じ処理であるため、上記一方向の通信について説明し、上記逆方向の通信は省略する。
まず、開始要求端末(端末10aa)は、コンテンツデータ用セッションsedによって、撮像部14で撮像された被写体の画像データ、及び音声入力部15aで入力された音声の音声データを、通信部11から通信ネットワーク2を介して中継装置30eへ送信する(ステップS81)。なお、本実施形態では、図21に示されている低解像度、中解像度、及び高解像度の3つから成る高画質の画像データ、並びに、音声データを送信している。これにより、中継装置30eでは、通信部31で上記3つの解像度の画像データ及び音声データを受信する。
そして、データ品質確認部33が、宛先端末(端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」を検索キーとして、変更品質管理テーブル(図7参照)を検索し、対応した中継する画像データの画質を抽出することで、中継する画像データの画像の品質を確認する(ステップS82)。本実施形態では、確認された画像データの画像の画質が「高画質」であり、通信部31で受信した画像データの画質と同じであるため、中継装置30eは、コンテンツデータ用セッションsedによって、そのままの画質の画像データ、及びそのままの音質の音声データで、宛先端末(端末10db)に転送する(ステップS83)。これにより、宛先端末(端末10db)は、通信部11でコンテンツデータを受信し、表示制御部16がディスプレイ120に上記画像データに基づく画像を表示させると共に、音声出力部15bが音声データに基づく音声を出力させることができる。
次に、端末10dbの遅延検出部18は、通信部11で受信された画像データの受信の遅延時間を一定時間毎(例えば、1秒毎)に検出する(ステップS84)。なお、本実施形態では、遅延時間が200(ms)である場合について、以下説明を続ける。
宛先端末(端末10db)の通信部11は、管理情報用セッションseiによって、通信ネットワーク2を介して管理システム50へ、遅延時間「200(ms)」を示す遅延情報を送信する(ステップS85)。これにより、管理システム50は、遅延時間を把握すると共に、遅延情報の送信元である端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を把握することができる。
次に、管理システム50の遅延時間管理部60は、上記宛先端末(端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」を検索キーとして、端末管理テーブル(図11参照)を検索することで、対応する端末ID「01db」を抽出し、更に、セッション管理テーブル(図13参照)において、上記端末ID「01db」のレコードにおける遅延時間のフィールド部分に、上記遅延情報で示されている遅延時間「200(ms)」を記憶して管理する(ステップS86)。
次に、品質決定部58は、上記遅延時間「200(ms)」を検索キーとして、品質管理テーブル(図14参照)を検索し、対応する画像データの画質「中画質」を抽出することで、画質を「中画質」に決定する(ステップS87)。
次に、通信部51は、セッション管理テーブル(図13参照)において、上記端末ID「01db」に関連付けられている中継装置ID「111e」を検索キーとして、中継装置管理テーブル(図9参照)を検索し、対応する中継装置30eのIPアドレス「1.1.1.3」を抽出する(ステップS88)。
そして、通信部51は、管理情報用セッションseiによって、通信ネットワーク2を介して中継装置30eへ、上記ステップS87によって決定された画像データの画質「中画質」を示す品質情報を送信する(ステップS89)。この品質情報には、上記ステップS86において検索キーとして用いた宛先端末(端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」が含まれている。これにより、中継装置30eでは、変更品質管理部34が、変更品質管理テーブル(図7参照)に、送信先の端末10(ここでは、宛先端末(端末10db))のIPアドレス「1.3.2.4」、及び中継される画像データの画質「中画質」を関連付けて記憶して管理する(ステップS90)。
次に、端末10aaは、引き続き上記ステップS81と同様に、コンテンツデータ用セッションsedによって、中継装置30eへ、低画質、中画質、及び高画質の3つから成る高画質の画像データ、並びに、音声データを送信する(ステップS91)。これにより、中継装置30eでは、上記ステップS82と同様に、データ品質確認部33が、宛先端末(端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」を検索キーとして、変更品質管理テーブル(図7参照)を検索し、対応した中継する画像データの画質「中画質」を抽出することで、中継される画像データの画像の品質を確認する(ステップS92)。
本実施形態では、確認された画像データの画質が「中画質」であり、通信部31で受信された画像データの画質「高画質」よりも低くなるため、データ品質変更部35は、画像データの画質を「高画質」から「中画質」に抑制することで、画像データの画像の品質を変更する(ステップS93)。そして、通信部31は、コンテンツデータ用セッションsedによって、通信ネットワーク2を介して端末10dbへ、上記画像データの画質が「中画質」に変更された画像データ、及び音声の音質が変更されていない音声データを送信する(ステップS94)。このように、画像データを受信する宛先端末(端末10db)で、受信の遅延が生じた場合には、中継装置30eは画像の品質を変更し、テレビ会議に参加している人に違和感を与えないようにすることができる。
なお、テレビ会議中、テレビ会議に参加している端末10、すなわち確立中セッションに参加している端末10のディスプレイ120に、参加制限ありのセッションを利用したテレビ会議であるか、参加制限なしのセッションを利用したテレビ会議であるかを表示するなどして、参加者が、テレビ会議の参加制限の有無を認識できるようにしてもよい。
続いて、図33を用いて、開始要求端末(端末10aa)と宛先端末(端末10db)との間でコンテンツデータ用セッションが確立された後に、端末10cbがこのコンテンツデータ用セッションへの参加を要求する参加要求情報を送信する処理を説明する。すなわち、端末10cbは、参加要求情報を送信する参加要求端末として動作する。なお、図33では、全て管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される処理が示されている。
既に確立しているセッションである確立中セッションに参加して、このセッションを用いたテレビ会議に参加したい場合には、利用者は、自身が利用する端末(この場合には、端末10cb)において、図22を参照しつつ説明したログイン処理により、端末10cdのディスプレイ120cdに、宛先リストを表示させる(ステップS101)。
図34に示すように、端末10cdのディスプレイ120cdには、開始要求端末としての端末10cdがセッションを確立することのできる宛先端末が一覧表示された宛先リスト1400が表示される。
参加要求端末(端末10cb)の利用者は、図2に示されている操作ボタン108を操作することにより、宛先リスト1400から参加を希望するセッションに既に参加している端末(以下、参加中端末)を選択する。これに対応して、操作入力受付部12は、既に確立中のコンテンツデータ用セッションへの参加要求を受け付ける(ステップS104)。以下、参加中端末としての端末10dbが選択された場合について説明する。
これにより、参加を要求する参加要求端末(端末10cb)の通信部11は、参加要求端末(端末10cb)の端末ID「01cb」、コンテンツデータ用セッションに参加することを要求する旨を示す変更要求情報「Call」及び選択された参加中端末の端末ID「01db」が含まれる参加要求情報を管理システム50に送信する(ステップS105)。
管理システム50は、セッション参加要求情報を受信すると、宛先リスト管理テーブル(図12)を用いて、参加要求端末(端末10cb)と、コンテンツデータ用セッションsedに参加している参加中端末(端末10aa,10db)と、を接続するための処理を継続するか判断する(ステップS107)。ここで、図35を用いて、ステップS107における処理を詳細に説明する。図35は、通信状態に基づく、参加の判断処理を示した処理フロー図である。
まず、状態管理部53は端末管理テーブル(図11)を参照し、参加要求情報に示される、選択された参加中端末(端末10db)の端末ID「01db」を検索キーとして、参加中端末(端末10db)の通信状態を取得する(ステップS106−1)。次に、参加判断部63は、取得した通信状態を参照する。取得した通信状態が、「Private Busy」以外である場合には(ステップS106−2のPrivate Busy以外)、そのまま終了する。
一方、参加制限ありのセッションが確立されている本実施の形態のように、取得した通信状態が、「Private Busy」である場合には(ステップS106−2のPrivate Busy)、参加判断部63は、参加要求端末の確立中セッションへの参加を禁止する(ステップS106−4)。そして、通信部11は、セッションに参加できないことを通知するための参加失敗の通知を参加要求端末(端末10cd)に送信する(ステップS106−5、図33のステップS109)。なお、参加要求端末(端末10cd)においては、エラーメッセージを受信すると、これをディスプレイ120に表示させる。
続いて、図36を用いて、端末(10aa,10cb,10db)との間でコンテンツデータ用セッションが確立された後に、端末10aaがこのコンテンツデータ用セッションから退出する処理を説明する。なお、図36では、全て管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される処理が示されている。
まず、端末10aaの利用者が図2に示されている操作ボタン108を押下すことにより、コンテンツデータ用セッションからの退出要求が受け付けられる(ステップS121)。そして、端末10aaの通信部11は、端末10aaの端末ID「01aa」、コンテンツデータ用セッションからの退出要求を示す変更要求情報「Leave」、及びセッションID「se1」が含まれる、退出要求情報を管理システム50へ送信する(ステップS122)。以下、退出要求情報の送信元となる端末を、退出要求端末と称する。
この退出要求情報を受信すると、管理システム50の状態管理部53は、セッション退出要求情報に含まれる端末10aaの端末ID「01aa」に基づき、端末管理テーブル(図11参照)において、上記端末ID「01aa」が含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を変更する(ステップS123)。
ここで、図31を用いて、ステップS123における処理を詳細に説明する。なお、ここでは、図31に示される「中継要求端末」を「退出要求端末」に読み替えることとする。まず、図5に示されている状態管理部53は、端末管理DB5003で管理される端末の通信状態を取得する(ステップS123−1)。この場合、通信部51によって受信された変更要求情報「Leave」は、変更要求情報判断部61によって特定の変更要求情報ではないと予め判断される。これに基づき状態管理部53は、退出要求端末(端末10aa)の通信状態のみを取得する。この場合、状態管理部53は、端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、端末管理テーブル(図11参照)を検索し、退出要求端末(端末10aa)の通信状態「Private Busy」を取得する。
次に、状態管理部53は、変更要求情報「Leave」に対応する変更前状態情報を取得する(ステップS123−2)。この場合、状態管理部53は、変更要求情報「Leave」を検索キーとして、状態変更管理テーブル(図16参照)を検索し、変更前状態情報「Private Busy」を取得する。
次に、状態管理部53は、取得した通信状態と、変更前状態情報とを比較し、これらが同一であるか否かを判断する(ステップS123−3)。この場合、状態管理部53は、取得した退出要求端末(端末10aa)の通信状態「Private Busy」と変更前状態情報「Private Busy」を比較し、これらが同一であるか否かを判断する。
ステップS123−3で端末の通信状態と変更前状態情報が同一であると判断された場合には(ステップS123−3のYes)、状態管理部53は、変更要求情報「Leave」に対応する変更情報を取得する(ステップS123−4)。この場合、状態管理部53は、変更要求情報「Leave」を検索キーとして、状態変更管理テーブル(図16参照)を検索し、変更情報「None」を取得する。
次に、状態管理部53は、退出要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」に基づき、端末管理テーブル(図11参照)において、上記端末ID「01aa」が含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を変更する(ステップS123−5)。この場合、端末管理テーブルの端末ID「01aa」が含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を、取得された変更情報に基づき「None」に変更する。
尚、ステップS123−3で退出要求端末の通信状態と変更前状態情報が同一ではないと判断された場合には(ステップS123−3のNo)、状態管理部53は、端末管理テーブル(図11参照)において、上記端末ID「01aa」が含まれるレコードの通信状態のフィールド部分を変更しない。この場合、エラーメッセージを退出要求端末(端末10aa)に送信することにより処理を完了する(ステップS123−6)。
次に、図36に戻って、ステップS123−5で通信状態が変更された場合について、その後の処理を説明する。先ず、セッション管理部57は、不揮発性記憶部5000のセッション管理テーブル(図13参照)において、セッションID「se1」が含まれるレコードの退出要求端末のフィールド部分から端末10aaの端末ID「01aa」を削除する(ステップS124)。管理システム50は、セッションの退出要求を中継装置30eへ送信する(ステップS125)。ここで、退出要求は、セッションからの退出を要求する旨の通知であり、退出要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」と、セッションID「se1」とを含んでいる。これにより、中継装置30eは、端末10aaとの間のコンテンツデータ用セッションを停止するとともに、端末10aaとの間の接続を切断する。続いて、中継装置30eは、セッションの退出許可を管理システム50へ送信する(ステップS126)。ここで、退出許可は、退出要求を許可する旨の通知であり、退出要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」と、セッションID「se1」とを含んでいる。
管理システム50が退出の要求を許可する旨の通知を受信すると、通信部51は、退出要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、変更要求情報「Leave」、セッションID「se1」、退出の要求を許可する旨の通知情報「OK」が含まれるセッション退出許可情報を端末10aaに送信する(ステップS127)。セッション退出許可情報を受信すると、退出要求端末(端末10aa)は、図2に示されている電源スイッチ109を押下することにより、電源OFFの要求を受け付ける(ステップS128)。電源OFFの要求が受け付けられると、通信部11は退出要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」と管理システム50との間の接続を切断する旨の通知情報とを含む切断要求情報を管理システム50へ送信する(ステップS129)。
管理システム50の通信部51がこの切断要求情報を受信すると、状態管理部53は、切断要求情報に含まれる退出要求端末(端末10aa)の端末ID「01aa」に基づき、端末管理テーブル(図11参照)において、上記端末ID「01aa」が含まれるレコードの通信状態のフィールド部分の記録を削除する(ステップS130)。続いて、通信部51は、切断の要求を許可する旨の切断許可情報を退出要求端末(端末10aa)に送信する(ステップS131)。これにより、管理システム50は、退出要求端末(端末10aa)との間の管理データ用セッションを停止するとともに、退出要求端末(端末10aa)との間の接続を切断する。
切断許可情報を受け付けると、退出要求端末(端末10aa)は、電源OFFを実行して処理を完了する(ステップS132)。端末10cb、端末10dbも、退出要求端末(端末10aa)のステップS121乃至S132の処理と同様にしてコンテンツデータ用セッションsedから退出して端末間の通話を完了することができる。
<<実施形態の主な効果>>
以上説明したように本実施形態によれば、管理システム50の通信部51は、第1の端末(端末10aa)と第2の端末(端末10db)との間でコンテンツデータを伝送するセッションが確立されている場合に、第3の端末(端末10cb)からこのセッションへの参加の要求を受け付ける。そして参加判断部63は、確立されているセッションが、参加制限ありのセッションである場合には、第3の端末のセッションへの参加を禁止する。これにより、管理システム50は、機密性の高い情報のやり取りを伴う会議等に利用されるセッションへの途中参加を制限することができる。
また、管理システム50は、第1の端末(端末10aa)と、第2の端末(端末10db)と、第3の端末(端末10cb)とを接続するための制御を行う。この場合、通信部51が、第1の端末から送信されたコンテンツデータを第2の端末に中継する中継装置30eに接続するための中継装置接続情報を、第3の端末に送信する。これにより、第3の端末は、この中継装置接続情報を用いて中継装置30eに接続することができる。
上記実施の形態では、図33を用いて説明したように、参加要求端末である端末10cdが宛先リストから参加要求する参加制限ありのコンテンツデータ用セッションに参加している端末を選択して、参加要求情報を管理システム50に送信し、管理システム50が参加の可否判断を行っているが、端末10cd側に参加判断部(不図示)を設け、端末10cdの参加判断部で参加の可否判断を行うように構成することが好ましい。
この場合には、図33のステップS104において、端末10cdが、ユーザから既に確立中のコンテンツデータ用セッションへの参加要求を受け付けた場合に、端末10cdの参加判断部により参加判断処理を実行する。
図37は、端末10cdによる参加判断処理の手順を示すフローチャートである。本変形例でも、上記実施の形態と同様に、参加制限ありのコンテンツデータ用セッションに参加している開始要求端末の稼働状態は「ONライン(通信中)」で、通信状態は「Private Busy」となっている。そして、上記実施の形態と同様に、図22のステップS37−1、S37−2において開始要求端末の稼働状態および通信状態が事前に受信され、図34に示した宛先リストに、稼働状態および通信状態に対応するアイコンとして表示されているものとする。より具体的には、開始要求端末は、宛先リストにおいて、「ONライン(通信中)」のアイコンが表示されているものとする。
まず、端末10cdは、図34の宛先リストで、ユーザにより、参加を希望するセッションに既に参加している宛先端末(以下、参加中端末)を選択すると(図33のステップS101)、参加判断部は、この選択を受け付ける(ステップS104−1)。そして、選択された参加中端末の通信状態を宛先リストで確認する(ステップS104−2)。
そして、通信状態が「OFFライン」である場合には(ステップS104−2:OFFライン)、通信部11は、管理システム50に参加要求情報を送信しない(ステップS104−3)。
また、通信状態が「ONライン(通話中)」である場合には(ステップS104−2:ONライン(通話中))、参加判断部は、セッションが参加制限ありであると判断し、通信部11は、管理システム50に参加要求情報を送信せず、通話中であり発信できない旨のメッセージをディスプレイ装置に表示する(ステップS104−4)。
図38は、発信できない旨のメッセージを示す表示画面の一例を示す図である。これにより、ユーザは、参加しようとしたセッションが参加制限ありであることを把握することが可能となる。
また、通信状態が「ONライン(通話可能)」である場合には(ステップS104−2:ONライン(通話可能))、参加判断部は、セッションが参加制限ありでないと判断し、通信部11は、要求元端末に発信すべく、管理システム50に参加要求情報を送信する(ステップS104−5)。
このように本実施の形態では、端末10cd側に参加判断部(不図示)を設け、端末10cdの参加判断部で参加の可否判断を行って、参加制限ありの場合には管理システム50に参加要求情報を発信しないので、さらに、管理システム50の処理負担の軽減を図ることができる。
例えば、上記実施の形態において、参加制限ありのセッションに参加している参加中端末の稼働状態を、OFFラインに変更して宛先リスト等に表示することにより、セッションが参加制限ありである旨を秘匿することも考えられる。
しかしながら、参加者が制限された会議に参加中端末をOFFラインで表示すると、場合によっては表示される宛先が全てOFFライン状態の場合、このような状態が続くとシステム自体が故障して、OFFラインになっているのか、常に通話中のためオフラインになっているのかユーザは判別することが難しくなり、不要な誤解を招く場合がある。
また、ユーザが接続を希望する端末が参加制限ありのセッションで会議中のため、OFFラインとなっているのか、あるいは、単にサービスに接続していない状態であるためOFFラインになっているのかをユーザが判別することが困難である。
このため、ユーザは、このようなセッションの会議が終了するまで待機すべきか、あるいは、接続を希望する端末をサービスに接続してもらうようにシステム管理者等に依頼するべきなのか等、適切な対応方法をとることが困難となってしまう。
このため、本実施の形態では、参加者が制限された参加制限ありの会議のセッションの参加中端末を、宛先リスト上でONライン(通話中)の稼働状態・通信状態で表示し、この端末がユーザにより選択された場合には、図38に示すように、参加要求情報を発信できないことをユーザに通知しているので、ユーザに対して、宛先リストで選択された端末が、参加者が制限された参加制限ありの会議のセッションに参加中の端末であることを、明確に判別させることが可能となる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができる。
<<実施形態の補足>>
上記実施の形態において、端末10を識別するための端末IDは、必要に応じて端末10の利用者を識別するためのユーザIDに置き換えることができる。この場合、管理システム50は、端末IDに変えてユーザIDによりログイン要求を受け付け(ステップS22)、以後の処理において、端末IDに変えてユーザIDを管理することになる。
上記各実施の形態における管理システム50、及びプログラム提供システム90は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。また、プログラム提供システム90が単一のコンピュータによって構築されている場合には、プログラム提供システム90によって送信されるプログラムは、複数のモジュールに分けて送信されるようにしてもよいし、分けないで送信されるようにしてもよい。更に、プログラム提供システム90が複数のコンピュータによって構築されている場合には、複数のモジュールが分けられた状態で、各コンピュータから送信されるようにしてもよい。
また、上記本実施形態の端末用プログラム、中継装置用プログラム、及び伝送管理用プログラムが記憶された記録媒体、並びに、これらプログラムが記憶されたHD204、及びこのHD204を備えたプログラム提供システム90は、いずれもプログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ、上記端末用プログラム、中継装置用プログラム、及び伝送管理用プログラムが利用者等に提供される場合に用いられる。
更に、上記実施形態では、図7に示されている変更品質管理テーブル、及び図14に示されている品質管理テーブルによって、中継装置30で中継される画像データの画像の品質の一例として、画像データの画像の解像度に着目して管理したが、これに限られるものではなく、品質の他の例として、画像データの画質の深度、音声データの音声におけるサンプリング周波数、音声データの音声におけるビット長などに着目して管理してもよい。
また、図9に示されている中継装置管理テーブル、図11に示されている端末管理テーブル、及び図13に示されているセッション管理テーブルでは、受信日時について管理しているが、これに限るものではなく、受信日時のうち少なくとも受信時間を管理すればよい。
更に、上記実施形態では、図9に示されている中継装置管理テーブルにおいて中継装置のIPアドレスを管理し、図11に示されている端末管理テーブルにおいて端末のIPアドレスを管理することとしたが、これに限るものではなく、通信ネットワーク2上で中継装置30を特定するための中継装置特定情報、又は通信ネットワーク2上で端末10を特定するための端末特定情報であれば、それぞれのFQDN(Fully Qualified Domain Name)を管理してもよい。この場合、周知のDNS(Domain Name System)サーバによって、FQDNに対応するIPアドレスが取得されることになる。なお、「通信ネットワーク2で中継装置30を特定するための中継装置特定情報」だけでなく、「通信ネットワーク2上における中継装置30への接続先を示した中継装置接続先情報」、又は「通信ネットワーク2上における中継装置30への宛先を示した中継装置宛先情報」と表現してもよい。同じく、「通信ネットワーク2で端末10を特定するための端末特定情報」だけでなく、「通信ネットワーク2上における端末10への接続先を示した端末接続先情報」、又は「通信ネットワーク2上における端末10への宛先を示した端末宛先情報」と表現してもよい。
本実施形態において、「テレビ会議」は、「ビデオ会議」と置き換え可能な用語として用いられている。
また、上記実施形態では、伝送システム1の一例として、テレビ会議システムの場合について説明したが、これに限るものではなく、IP(Internet Protocol)電話や、インターネット電話等の電話システムであってもよい。また、伝送システム1は、カーナビゲーションシステムであってもよい。この場合、例えば、端末10の一方が自動車に搭載されたカーナビゲーション装置に相当し、端末10の他方が、カーナビゲーションを管理する管理センターの管理端末若しくは管理サーバ、又は他の自動車に搭載されているカーナビゲーション装置に相当する。更に、伝送システム1は、音声会議システム、又はPC(Personal Computer)画面共有システムであっても良い。
更に、伝送システム1は、携帯電話機の通信システムであってもよい。この場合、例えば、端末10は携帯電話機に相当する。この場合の宛先リストの表示例は、図39に示されている。図39は、他の実施形態の宛先リストを示す概念図である。即ち、携帯電話機としての端末10は、携帯電話機の本体1110−1、この本体1110−1に設けられたメニュー画面表示ボタン1110−2、本体1110−1に設けられた表示部1110−3、本体1110―1の下部に設けられたマイク1110−4、本体1110−1に設けられたスピーカ1110−5を備えている。このうち、「メニュー画面表示ボタン」1110−2は、各種アプリケーションを示すアイコンが表示されているメニュー画面を表示させるためのボタンである。表示部1110−3は、タッチパネルになっており、利用者が宛先名を選択することで、相手の携帯電話機と通話を行うことができる。
また、上記実施形態では、コンテンツデータの一例として、画像データ及び音声データについて説明したが、これに限るものではなく、触覚(touch)データであってもよい。この場合、一方の端末側でユーザが接触した感覚が、他方の端末側に伝達される。更に、コンテンツデータは、嗅覚(smell)データであってもよい。この場合、一方の端末側の匂い(臭い)が、他の端末側に伝達される。また、コンテンツデータは、画像データ、音声データ、触覚データ、及び嗅覚データのうち、少なくとも1つのデータであればよい。
また、上記実施形態では、伝送システム1によってテレビ会議をする場合について説明したが、これに限るものではなく、打ち合わせ、家族間や友人間等の一般的な会話、又は、一方向での情報の提示に使用されても構わない。