JP2014038283A - プラスチックラベル - Google Patents

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Abstract

【課題】安価で簡便な手法により、蛍光インキ層に割れやシワが発生することなく蛍光色を発現し意匠性の高いプラスチックラベルを提供する。
【解決手段】ラベル10は、ラベル基材11と、ラベル基材11上に形成された蛍光インキ層12と、ラベル基材11上に形成されたカラーインキ層13とを備える。カラーインキ層13は、蛍光インキ層12が形成された領域の裏面側に重なって形成され、蛍光インキ層12の蛍光色とカラーインキ層13の反射色とが、互いに同系色である。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチックラベルに関する。
容器等の被着体に装着されるプラスチックラベルとしては、例えば、シュリンクラベル、ストレッチラベル、ストレッチシュリンクラベル、タックラベル等が用いられる。これらのプラスチックラベルには、商品名やデザイン、使用上の注意等を表示するための印刷層(デザイン印刷層)がラベル基材上に設けられる。
プラスチックラベルのデザイン印刷層は、通常、所望の顔料や染料等の色材を含むカラーインキを用いて形成される。かかるカラーインキに含まれる色材は、特定波長の光を吸収して、それ以外の波長の光を反射することにより発色する。一方、特定波長の光を吸収して発光する蛍光色材が知られている。近年、かかる蛍光色材を含む蛍光インキをラベルのデザイン印刷層に適用してラベルの意匠性を高めることが求められている。
なお、蛍光インキ層が設けられたラベルとして、特許文献1には、偽変造防止用ICラベルが開示されている。
特開2011‐227668号公報
ところで、プラスチックラベルの分野では、偽変造防止等の一部の用途において蛍光インキが使用されているが、一般的なデザイン印刷層に蛍光インキが適用された事例は知られていない。これは、蛍光色材の発色力が弱いことに起因する。蛍光感を高めるためには蛍光色材の濃度を上げることが考えられるが濃度消光の点から限界がある。また、蛍光インキを厚塗りする方法も考えられるが、この方法では、例えば、大幅なコスト増に繋がり、またラベルを容器等の被着体に装着する際に、蛍光インキ層に割れやシワが発生する恐れがある。
即ち、本発明の目的は、安価で簡便な手法により、蛍光インキ層に割れやシワが発生することなく蛍光色を発現し意匠性の高いプラスチックラベルを提供することである。
本発明に係るプラスチックラベルは、ラベル基材と、前記ラベル基材上に形成された蛍光インキ層と、前記ラベル基材上に形成された非蛍光カラーインキ層とを備え、前記非蛍光カラーインキ層は、前記蛍光インキ層が形成された領域の裏面側に重なって形成され、前記蛍光インキ層の蛍光色と前記非蛍光カラーインキ層の反射色とが、互いに同系色であることを特徴とする。
上記構成によれば、蛍光インキ層の蛍光感を損なうことなく、蛍光色の色濃度を高めることができ、また色目再現範囲(表現性)を広げることが可能となる。
また、前記蛍光インキ層は、前記ラベル基材の表面側に形成され、前記非蛍光カラーインキ層は、前記ラベル基材の裏面側に形成されることが好適である。
当該構成によれば、蛍光インキ層の蛍光感をさらに高めることができる。これは、蛍光インキ層を透過した光の一部が蛍光インキ層とラベル基材との界面、又はラベル基材と非蛍光カラーインキ層との界面で反射して再び蛍光インキ層に入射することに起因する。なお、反射しない光は非蛍光カラーインキ層に入射して、蛍光色の色濃度の向上、色目再現範囲の拡大に寄与する。
また、前記蛍光インキ層と前記非蛍光カラーインキ層との間に、透明メジウム層が形成されることが好適である。
当該構成によれば、蛍光インキ層を透過した光が透明メジウム層との界面で反射するため、蛍光インキ層の蛍光感をさらに高めることができる。
本発明によれば、安価で簡便な手法により、蛍光インキ層に割れやシワが発生することなく蛍光色を発現し意匠性の高いプラスチックラベルを提供することができる。
本発明の実施形態の一例であるプラスチックラベルを模式的に示す断面図である。 図1に例示する形態の変形例を示す断面図である。 図1に例示する形態の変形例を示す断面図である。 図1に例示する形態の変形例を示す断面図である。 図1に例示する形態の変形例を示す断面図である。
図面を参照しながら、本発明の実施形態の一例であるプラスチックラベル10(以下、「ラベル10」という)について以下詳細に説明する。
図1は、ラベル基材11と、ラベル基材11上に形成された蛍光インキ層12と、ラベル基材11上に形成された非蛍光カラーインキ層13(以下、「カラーインキ層13」という)とを備え、カラーインキ層13は、蛍光インキ層12が形成された領域の裏面側に重なって形成され、蛍光インキ層12の蛍光色とカラーインキ層13の反射色とが、互いに同系色であるラベル10の断面構造を模式的に示す。
なお、蛍光色と反射色とが「同系色」とは、互いに同じ色又は類似する色であることを意味する。具体的には、2つの色が、色相環におけるそれぞれの色相が90度差の範囲、マンセル等色相断面図におけるそれぞれの彩度が2〜14の範囲、それぞれの明度の差が±3の範囲にあることを意味し、より好ましくは色相が75度差の範囲、特に好ましくは色相が60度差の範囲であり、彩度が4〜14、明度差が±2の範囲である。
また、ラベル10を容器等の被着体に装着(貼着を含む)したときに、被着体側を向く面がラベル10の「裏面」であり、裏面と反対側の面(ラベル10のデザインが視認できる側の面)がラベル10の「表面」である。
図1に示すラベル10は、ラベル基材11の一方の面側に形成された蛍光インキ層12と、ラベル基材11の他方の面側に形成されたカラーインキ層13とを備える。ラベル10では、蛍光インキ層12が形成された一方の面が表面、カラーインキ層13が形成された他方の面が裏面となる。即ち、蛍光インキ層12の裏面側には、ラベル基材11を介してカラーインキ層13が重ね刷りされている。この場合、ラベル基材11は、透明であることが好ましい。
蛍光インキ層12及びカラーインキ層13は、例えば、ラベル基材11上に油性インキ(溶剤系インキ)又は水性インキを塗工、乾燥して形成され、塗膜を構成するバインダ樹脂と、バインダ樹脂中に分散された色材と、必要により添加される添加剤とで構成されている。蛍光インキ層12は、上記色材として、特定波長の光を吸収して発光する蛍光色材を含む。なお、蛍光には、燐光が含まれる。カラーインキ層13は、上記色材として、特定波長の光を吸収して他の波長の光を反射する非蛍光色材を含む。
蛍光インキ層12及びカラーインキ層13により、例えば、商品名やイラスト、使用上の注意等(以下、これらを「デザイン」という)を表示するためのデザイン印刷層が構成される。蛍光インキ層12は、デザインに応じて任意のパターンで形成することができる。そして、カラーインキ層13は、その反射色が蛍光インキ層12の蛍光色と同系色であり、蛍光インキ層12が形成された領域に対応するように重ねて形成される。
カラーインキ層13は、蛍光インキ層12が形成された領域全体を裏面側から覆うように形成されることが好適である。即ち、少なくとも蛍光インキ層12の裏には、カラーインキ層13が存在することが好ましく、例えば、ラベル10を平面視したときに蛍光インキ層12のパターンとカラーインキ層13のパターンとが重なり合う。
なお、カラーインキ層13は、蛍光インキ層12よりも広い範囲に形成されてもよい。ラベル10は、蛍光インキ層12とカラーインキ層13とが重なっている領域を有していれば、例えば、蛍光インキ層12と重なることなく、カラーインキ層13のみで形成されるデザインを含んでいてもよい。或いは、蛍光インキ層12をカラーインキ層13よりも広い範囲に形成してもよく、蛍光インキ層12のみで形成されたデザインが存在してもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、蛍光インキ層12とカラーインキ層13とが重なる領域に、上記反射色と蛍光色とが異なる部分が形成されてもよい。
蛍光インキ層12は、1種の蛍光インキを用いて形成することができる。或いは、ラベル基材11上の領域によって複数の異なる蛍光色を発色する領域を有する形態としてもよく、例えば、デザインに応じたパターン毎に異なる色の複数種の蛍光インキを用いて蛍光インキ層12を形成する。この場合、蛍光インキ層12の各蛍光色のパターンに合わせて、カラーインキ層13の反射色を調整する。具体的には、上記のように、蛍光インキ層12の蛍光色とカラーインキ層13の反射色とが、全てのパターンで互いに同系色となるようにカラーインキ層13を形成することが好ましい。
また、ラベル10は、蛍光インキ層12とラベル基材11との間に形成された透明メジウム層14、及びラベル基材11とカラーインキ層13との間に形成された透明メジウム層15を備える。透明メジウム層14,15は、蛍光インキ層12の蛍光感を高める機能を有する。透明メジウム層14,15は、蛍光インキ層12のパターンに対応して形成されてもよいし、ラベル基材11上の全域に形成されてもよい。
また、ラベル10は、蛍光インキ層12の表面を覆って形成されたオーバーコート層16、及びカラーインキ層13の裏面を覆って形成されたオーバーコート層17を備える。オーバーコート層16,17は、それぞれ蛍光インキ層12、カラーインキ層13を保護して、各層の傷や剥離を防止する機能を有する。オーバーコート層16は、最表面を構成する透明な層であり、透明性を損なわない範囲で滑剤を有していてもよい。オーバーコート層17は、最裏面を構成し、通常、被着体に装着されたときに被着体に接触するため、滑り性を改善する機能を有する(滑剤を有する)ことが好適である。また、オーバーコート層17は、必要により色材を含み、背景印刷層として機能させることもできる。
ラベル10を構成するラベル基材11及び各層の厚みは、特に限定されないが、好適な厚みは以下の通りである。ラベル基材11の厚みは、好ましくは10〜100μmであり、より好ましくは15〜80μm、特に好ましくは20〜60μmである。蛍光インキ層12及びカラーインキ層13の厚みは、0.3〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。透明メジウム層14,15及びオーバーコート層16,17の厚みは、0.1〜5μmが好ましく、0.5〜3μmがより好ましい。
図2〜図5に、図1に例示する形態と層構造が異なる他の形態を示す。ここでは、上述の各層と同じ機能を有する層には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図2に例示する形態は、透明メジウム層14,15が設けられていない点で図1に例示する形態と異なる。この場合も、蛍光インキ層12のパターンに対応して、その裏側にカラーインキ層13が重なって形成されている。
図3に例示する形態では、ラベル基材11の表面上にカラーインキ層13が形成され、カラーインキ層13上に蛍光インキ層12が形成されている。図1,2に例示する形態では、蛍光インキ層12とカラーインキ層13とがラベル基材11を介して重なり合っているが、図3に例示する形態では、蛍光インキ層12とカラーインキ層13とがラベル基材11の表面側において互いに接して形成されている。この場合も、蛍光インキ層12のパターンに対応してカラーインキ層13が形成されている。また、カラーインキ層13上を含むラベル基材11上の全域を覆ってオーバーコート層16が形成されている。この場合、ラベル基材11には、透明性の低い基材、例えば、白色フィルムや白色インキ層が形成された透明フィルムからなる基材を用いることができる。
図4に例示する形態は、蛍光インキ層12とカラーインキ層13との間に透明メジウム層14が設けられている点で図3に例示する形態と異なる。この場合、蛍光インキ層12のパターンに対応してカラーインキ層13が形成され、蛍光インキ層12とカラーインキ層13との間に透明メジウム層を有するので、図3に示す形態に比して蛍光感を得ることができる。またラベル基材11には、上記白色フィルム等からなる基材を用いることができる。
図5に例示する形態は、蛍光インキ層12、カラーインキ層13、及び透明メジウム層14がラベル基材11の裏面側に形成されている点で図4に例示する形態と異なる。この場合、ラベル基材11側から順に、蛍光インキ層12、透明メジウム層14、カラーインキ層13となる。また、この場合は、ラベル基材11として透明性の高い基材を用いることが好適である。
なお、ラベル10の形態は、図1〜図5に例示する形態に限定されない。例えば、図1に例示する形態において、透明メジウム層14,15及びオーバーコート層16,17の一部又は全部を設けない形態としてもよい。また、図3に例示する形態において、ラベル基材11の裏面上に蛍光インキ層12、カラーインキ層13、及びオーバーコート層を設けた形態としてもよい。この場合、ラベル基材11側から蛍光インキ層12、カラーインキ層13、オーバーコート層の順で形成される。また、ラベル10の最裏面に接着層を設けてタックラベルとしてもよい。
さらに、ラベル10に蛍光インキ層及びカラーインキ層以外のインキ層を設けて、デザインを形成してもよい。カラーインキ層の裏面側に背景のためのインキ層(白色等の背景印刷)を形成してもよい。
以下、ラベル10の構成要素の各々について詳説する。
<ラベル基材11>
ラベル基材11には、例えば、熱収縮性(シュリンク特性)を有するシュリンク基材、伸縮性(ストレッチ特性)を有するストレッチ基材、熱収縮性と伸縮性とを有する所謂ストレッチシュリンク基材を用いることができる。但し、ラベル基材11は、これに限定されず、熱収縮性や伸縮性を有さない基材、例えば、後述のシュリンク基材と同様の樹脂組成からなる基材であって延伸処理を行わない基材や延伸処理後に熱収縮しないように熱固定された基材等であってもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、金属蒸着層やホログラム層、発泡樹脂層、不織布層等の他の層を有していてもよい。
[シュリンク基材]
シュリンク基材は、ラベル10の強度や剛性、熱収縮特性に主たる影響を及ぼす。シュリンク基材は、特に限定されず、従来公知の樹脂フィルムを用いることができる。シュリンク基材に適用される樹脂フィルムとしては、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)、ポリ乳酸など)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリスチレン系樹脂(スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合体など)、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂から選択される1種単独又は2種以上の混合物からなるフィルムが例示できる。また、2種以上のフィルムを積層した積層フィルムであってもよい。これらのうち、柔軟性等の観点から、ポリエチレンテレフタレート系樹脂(PET系樹脂)、ポリスチレン系樹脂(PS系樹脂)、ポリプロピレン系樹脂(PP系樹脂)、及びこれらの積層体を用いることが好ましく、PET系樹脂、PS系樹脂を用いることが特に好ましい。
シュリンク基材は、良好な熱収縮性を発現するために、少なくとも一方向に延伸(一軸延伸)されていることが好ましい。延伸温度は、フィルムを構成する樹脂の種類によっても異なるが、例えば、70〜100℃の温度範囲である。延伸倍率は、例えば、フィルムの主延伸方向に2〜6倍程度であることが好ましい。主延伸方向と直交する方向の収縮、膨張を抑えるために、場合によっては、当該方向にも1.01〜2倍程度の倍率で延伸(二軸延伸)することができる。シュリンク基材の熱収縮率は、主延伸方向に対して、20〜80%であることが好ましく、30〜80%であることが特に好ましい(加熱処理条件:90℃の温水に10秒間浸漬)。主延伸方向に直交する方向に対しては、好ましくは−3〜15%、さらに好ましくは−1〜10%、特に好ましくは−1〜5%である(加熱処理条件:同上)。延伸方式は、ロール方式、テンター方式及びチューブ方式等を使用できる。
[ストレッチ基材]
ストレッチ基材は、ラベル10の強度や剛性、伸縮特性に主たる影響を及ぼす。ストレッチ基材は、特に限定されず、従来公知のストレッチフィルムを用いることができる。ストレッチ基材に適用される樹脂フィルムとしては、柔軟性の高いものが例示できる。好適な樹脂フィルムは、例えば、ポリエチレン系樹脂(低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン系触媒を用いた重合により得られるメタロセン系LLDPE、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、エチレン‐(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン‐(メタ)アクリル酸共重合体など)などの熱可塑性樹脂から選択される1種単独又は2種以上の混合物からなるフィルムである。ストレッチ基材は、シュリンク基材と同様に、積層フィルムを用いてもよい。
ストレッチ基材は、少なくとも一方向に対して、好ましくは25%以上、より好ましくは40%以上、特に好ましくは60%以上伸張できる。そして、伸張後の残留歪み(瞬間歪み)が10%以下であることが好ましく、9%以下であることが特に好ましい。
<蛍光インキ層12>
蛍光インキ層12は、従来公知の溶剤系蛍光インキ又は水性蛍光インキを用いて形成できる。これらインキは、例えば、バインダ樹脂と、蛍光色材と、任意の添加剤と、溶媒又は分散媒(以下、溶媒等という)とを含有し、バインダ樹脂や蛍光色材が溶媒等に溶解又は分散したインキである。溶媒等は、バインダ樹脂等を溶解又は分散させることができれば特に限定されない。また、蛍光インキ層12は、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、凸版輪転印刷法、及びインクジェット印刷法などの従来公知の印刷法により形成することができる。これらの印刷法により、ラベル基材11上に蛍光インキを塗工した後、溶媒等を揮発除去して、バインダ樹脂と、蛍光色材と、任意の添加剤とを含む蛍光インキ層12を形成する。
[バインダ樹脂]
バインダ樹脂は、蛍光インキ層12の塗膜を形成し、蛍光色材を保持する。バインダ樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂などから選択される1種単独又は2種以上の混合物が例示できる。
[蛍光色材]
蛍光色材としては、従来公知の蛍光染料や蛍光顔料を用いることが可能である。蛍光染料としては、フルオレセイン系、クマリン系、ローダミン系、オキサゾール系、ピラゾリン系、チアジアゾール系、スピロピラン系、ピレンスルホン酸系、ベンゾイミダゾール系、ジアミノスチルベン系等の染料が例示できる。蛍光顔料としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、アルキド樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等にフルオレセイン系、ローダミン系等の蛍光染料を溶解して粉砕した有機系顔料、銅、銀、マンガン等で活性化した硫化亜鉛、マンガン等で活性化したケイ酸亜鉛、銀、銅等で活性化した硫化亜鉛、カドミウム、ビスマス等で活性化した硫化カルシウム、サマリウム、セリウム等で活性化した硫化ストロンチウム、鉛等で活性化したタングステン酸カルシウム等の無機系蛍光顔料が挙げられる。1つの蛍光インキに含有される蛍光色材は、2種以上を混合して用いることも可能であるが、蛍光感向上等の観点から1種のみを用いることが好適である。
上記蛍光色材の含有量は、蛍光色材の種類や目的の色の濃度等に応じて任意に設計できるが、カラーインキ層13の全構成材料に対して、1〜40重量%が好ましく、より好ましくは2〜30重量%である。
[添加剤]
蛍光インキ層12には、必要に応じて、可塑剤、滑剤、沈降防止剤、分散剤、安定剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色別れ防止剤、香料、消臭剤等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で含まれていてもよい。
<カラーインキ層13>
カラーインキ層13は、従来公知の溶剤系カラーインキ又は水性カラーインキを用いて形成できる。カラーインキ層13を形成するインキは、例えば、バインダ樹脂と、非蛍光色材と、溶媒等とを含有し、バインダ樹脂や非蛍光色材が溶媒等に溶解又は分散したインキである。バインダ樹脂には、例えば、蛍光インキ層12を構成するバインダ樹脂と同様の樹脂を適用することができる。そして、カラーインキ層13は、蛍光インキ層12と同様に、グラビア印刷法などの従来公知の印刷法により形成することができる。カラーインキ層13には、蛍光インキ層12と同様に、必要に応じて、可塑剤、滑剤、沈降防止剤、分散剤、安定剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色別れ防止剤、香料、消臭剤等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で含まれていてもよい。
[非蛍光色材]
非蛍光色材としては、従来公知の非蛍光染料や非蛍光顔料を用いることが可能であり、特に非蛍光顔料を用いることが好適である。非蛍光顔料としては、無機顔料又は有機顔料を用いることができ、銅フタロシアニンブルー等の藍(青色)顔料、縮合アゾ系顔料などの赤顔料、アゾレーキ系顔料等の黄顔料等が例示できる。非蛍光顔料は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
カラーインキ層13の非蛍光色材は、その反射色が蛍光インキ層12の蛍光色材の蛍光色と同系色となるものが選択されるが、例えば、カラーインキ層13や蛍光インキ層12以外のインキ層については任意の反射色を発現するものを用いてもよい。例えば、酸化チタン等の白顔料、カーボンブラック等の黒顔料、その他アルミフレーク、雲母(マイカ)等を非蛍光色材として用いることができる。
上記非蛍光顔料の含有量は、顔料の種類や目的の色の濃度等に応じて任意に設計できるが、カラーインキ層13の全構成材料に対して、1〜50重量%が好ましく、より好ましくは2〜40重量%である。
<蛍光色材と非蛍光色材との組み合わせ>
上記のように、蛍光インキ層12の蛍光色とカラーインキ層13の反射色とは、互いに同系色とされる。かかる同系色を実現する蛍光色材と非蛍光色材との組み合わせの一例を以下に示す。
[例1]
蛍光色材;ローダミンB(蛍光色;赤橙色)
非蛍光色材;ベンズイミダゾロオレンジHL(Pigment Orange36)
[例2]
蛍光色材;フルオレセイン(蛍光色;黄緑色)
非蛍光色材;フタロシアニングリーン(Pigment Green7)
<透明メジウム層14,15>
透明メジウム層14,15は、従来公知の溶剤系インキ又は水性インキを用いて、グラビア印刷法などの従来公知の印刷法により形成できる。透明メジウム層14,15を形成するインキは、例えば、バインダ樹脂と、溶剤等とを含有し、色材を有さないインキ、又は透明性を損なわない色材を含有するインキである。バインダ樹脂には、例えば、蛍光インキ層12を構成するバインダ樹脂と同様の樹脂を適用することができる。透明メジウム層14,15には、必要に応じて、可塑剤、滑剤、沈降防止剤、分散剤、安定剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色別れ防止剤、香料、消臭剤等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で含まれていてもよい。なお、透明メジウム層14,15は、同じインキを用いて形成することができる。
<オーバーコート層16,17>
オーバーコート層16,17は、従来公知の溶剤系インキ又は水性インキを用いて、グラビア印刷法などの従来公知の印刷法により形成できる。当該インキに含まれるバインダ樹脂には、蛍光インキ層12等と同種の樹脂を適用することができる。なお、オーバーコート層17には、滑り性を付与することが好ましく、各種ワックス等の滑剤を添加することが好ましい。また、オーバーコート層17を背面印刷層として機能させる場合には、例えば、酸化チタン等の白顔料を添加することができる。また、オーバーコート層16にも、上記のように、透明性を損なわない範囲で滑剤を添加することができる。
上記構成を備えるラベル10は、例えば、筒状体に成形されて、ペットボトル等の容器に装着される。ラベル基材11としてシュリンク基材を用いた場合は、容器よりも直径が大きな筒状体に成形されて容器に外嵌され、その状態でスチームトンネル等を用いて加熱処理されることで熱収縮し、容器の形状に追従して装着される。ラベル基材11としてストレッチ基材を用いた場合は、ストレッチラベラーを用いて容器に装着できる。ストレッチラベラーは、ラベル10の筒状体を径方向に引っ張って伸張させた状態で容器に外嵌する。ラベル10を容器に外嵌して引っ張り力を取り除くと、ラベル10が弾性的に収縮し容器に追従して装着される。
なお、ラベル10では、蛍光インキ層12を厚塗りすることなく、例えば、10μm以下の薄膜層とすることができるため、蛍光インキ層12がラベル基材11の変形に容易に追従することができるので、シュリンクラベルやストレッチラベルのようなラベルには特に好ましい。但し、ラベル10は、これに限定されるものではなく、感圧接着剤を有するタックラベル、感熱接着剤を有する感熱ラベル、その他インモールドラベル、グル―ラベル、ロールラベル等であってもよい。
以上のように、ラベル10は、カラーインキ層13を蛍光インキ層12が形成された領域の裏面側に重ねて形成し、蛍光インキ層12の蛍光色とカラーインキ層13の反射色とを同系色とした構成を備える。当該構成により、蛍光インキ層12を厚塗りすることなく蛍光インキ層12の蛍光色を発現させることができる。即ち、蛍光インキ層12に重ね刷りされるカラーインキ層13によって、蛍光色の色濃度が高くなり、また色目再現範囲が拡大して、意匠性の高いラベルを得ることができる。
また、蛍光インキ層12とカラーインキ層13との間に、ラベル基材11や透明メジウム層(14,15)が設けられることにより、蛍光インキ層12を透過した光の一部が蛍光インキ層12とラベル基材11や透明メジウム層との界面、又はラベル基材11や透明メジウム層とカラーインキ層13との界面で反射して再び蛍光インキ層12に入射する光の量を増やすことができる。これにより、蛍光インキ層12の蛍光色材の光吸収効率が向上し、蛍光感をさらに高めることができる。
10 プラスチックラベル、11 ラベル基材、12 蛍光インキ層、13 カラーインキ層、14,15 透明メジウム層、16,17 オーバーコート層。

Claims (3)

  1. ラベル基材と、
    前記ラベル基材上に形成された蛍光インキ層と、
    前記ラベル基材上に形成された非蛍光カラーインキ層と、
    を備え、
    前記非蛍光カラーインキ層は、前記蛍光インキ層が形成された領域の裏面側に重なって形成され、
    前記蛍光インキ層の蛍光色と前記非蛍光カラーインキ層の反射色とが、互いに同系色であることを特徴とするプラスチックラベル。
  2. 請求項1に記載のプラスチックラベルにおいて、
    前記蛍光インキ層は、前記ラベル基材の表面側に形成され、
    前記非蛍光カラーインキ層は、前記ラベル基材の裏面側に形成されることを特徴とするプラスチックラベル。
  3. 請求項1又は2に記載のプラスチックラベルにおいて、
    前記蛍光インキ層と前記非蛍光カラーインキ層との間に、透明メジウム層が形成されることを特徴とするプラスチックラベル。
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