JP2014037960A - 水和物スラリー蓄熱装置、水和物スラリーの蓄熱方法、及び水和物蓄熱式空気調和システム - Google Patents

水和物スラリー蓄熱装置、水和物スラリーの蓄熱方法、及び水和物蓄熱式空気調和システム Download PDF

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Abstract

【課題】蓄熱槽内の蓄熱密度を確保しつつ、配管内の圧損の上昇や、配管の詰まりを回避する。
【解決手段】蓄熱槽100の上部には蓄熱熱交換器にTBAB水和物水溶液を輸送する第1輸送配管101aが連結され、蓄熱槽100の下部には蓄熱熱交換器で生成されたTBAB水和物スラリーを輸送する第2輸送配管101bが連結されている。制御部500により供給ポンプ102の流量を制御し、蓄熱槽100の下部にTBAB水和物スラリーの固相率が40%〜60%の範囲である潜熱密度の高いスラリー層を蓄積し、蓄熱槽100の上部に固相率が15%以下である流動性の高いTBAB水和物スラリー層を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水和物スラリーの蓄熱方法、水和物スラリー蓄熱装置に関する。また、蓄熱槽内に水和物を生成して冷熱を蓄える蓄冷運転と蓄熱槽内の水和物の冷熱を利用する冷熱利用冷房運転とを切り換えることが可能な水和物蓄熱式空気調和システムに関する。
従来より、深夜電力を利用して夜間に蓄熱材を生成して冷熱を蓄える蓄冷運転と、この蓄熱材に蓄えられた冷熱を昼間の冷房に利用する冷熱利用冷房運転とを切り換えることが可能な冷媒回路を有する蓄熱式空気調和システムが使用されている。このような蓄熱式空気調和システムでは、圧縮機と熱源側熱交換器とを有する熱源ユニットと、利用側熱交換器を有する利用ユニットとが、蓄熱材製造装置を介して接続されている。また、蓄熱材製造装置は、蓄熱材を溜める蓄熱槽と、蓄熱槽内の蓄熱材と冷媒とを熱交換させる蓄熱熱交換器とを有する。
このような蓄熱式空気調和システムとして、蓄熱材として水または氷を使用し、夜間における電力を利用して冷水、また氷を蓄え,この冷水、氷によって昼間における冷房等を行うようにする水蓄熱空気調和システムと、氷蓄熱空気調和システムがある。
しかし、水蓄熱の場合、水の顕熱密度は4.2kJ/kg・Kであり、比較的に低いため、所定の蓄熱量を得るためには、蓄熱材製造装置の容量が大型化し、蓄熱材の循環量を増大させるしかない。
また、氷蓄熱の場合、氷−水の潜熱を利用することができるため、水の顕熱を利用する水蓄熱の場合に比べて蓄熱材製造装置の容量を小さくすることができる。しかし、氷蓄熱システムでは、製氷のために運転温度を低く設定する必要があり、システム全体の成績係数が低下する。また、固体である氷はそのままシステム内で輸送できないため、最終的には低温冷水の顕熱に変化させて冷熱を使用するしかない。
そこで、蓄熱材として氷より高い温度で生成でき、蓄熱密度の高い臭化テトラn−ブチルアンモニウム(TBAB)の水和物スラリーを利用する蓄熱装置が知られている。TBAB水和物は、固液二相のスラリーであるため、固液二相流の輸送装置における固相の割合が多くなると、配管の分岐部等で閉塞しやすくなる。そこで、固液二相流輸送経路において、固相により閉塞される恐れのある個所の上流側に気体吹き込み装置を設置し、固相割合の高い固液二相流を輸送してエネルギーの輸送密度を上げる輸送方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、固液二相流輸送経路に例えば空気などの気体吹き込み装置を設置する場合、空気圧縮機や空気導入弁などを設置する必要があるため、装置の構造が複雑になり、制御も複雑になる。一方、固液二相流に含まれる固相割合を低めに制御することは、エネルギーの輸送密度が低く、輸送効率の点から好ましくない。
本発明の課題は、蓄熱システムにおける蓄熱密度を確保しつつ、固液二相流輸送経路が固相により閉塞されることを防止することにある。
水和物スラリー蓄熱装置であって、臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を溜める蓄熱槽と、冷媒回路を有する冷熱源と、蓄熱熱交換器と、第1配送管と、第2配送管と、を備え、前記第1配送管の一端は前記蓄熱層の上部に連結され、他端は前記蓄熱熱交換器に連結され、前記第2配送管の一端は前記蓄熱層の下部に連結され、他端は前記蓄熱熱交換器に連結され、前記第1輸送配管には、前記蓄熱槽の上部から前記蓄熱熱交換器に水和物水溶液を輸送する輸送ポンプが設けられ、前記第2輸送配管は、前記蓄熱熱交換器から前記蓄熱槽の下部に水和物スラリーを輸送する。
前記蓄熱槽内の水和物の固相率を検知する固相率検知部と、前記固相率検知部及び前記輸送ポンプと電気連結されている制御部と、をさらに備え、前記制御部は前記固相率検知部の検知結果に基づいて前記輸送ポンプの流量を制御する。
前記第2配管は、前記蓄熱槽の底面からの高さが0〜50%離れた位置に配置されている。
前記固相率検知部は少なくとも二つであり、そのうち、前記第1固相率検知部は前記蓄熱層において前記第1配送管の高さに対応する位置に設置され、前記第2固相率検知部は前記蓄熱層において前記第2配送管の高さに対応する位置に設置されている。
水和物スラリーの蓄熱方法であって、次のステップを有する:蓄熱槽の上部から臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含有する水和物水溶液を取り出し、蓄熱熱交換器に輸送し、蓄熱熱交換器において冷熱源からの冷媒と蓄熱槽からの臭化テトラn−ブチルアンモニウム溶液または水和物水溶液との間で熱交換が行われ、水和物水溶液を冷却させて水和物スラリーを製造し、前記蓄熱熱交換器から排出された水和物スラリーを前記蓄熱槽の下部に輸送し、前記蓄熱槽の上部に固相率が15%以下の第1スラリー層を生成させ、前記蓄熱槽の下部に固相率が40%以上の第2スラリー層を蓄積させる。
水和物スラリーの蓄熱方法は、さらに、前記蓄熱槽と前記蓄熱熱交換器との間の水和物輸送配管における水和物の流量を制御し、水和物の流量を前記蓄熱槽における水和物が自然沈降するに必要な流量になるように制御する。
水和物蓄熱式空気調和システムであって、上記の水和物スラリー蓄熱装置と、冷媒回路とを備える。ここで、冷媒回路は冷媒を圧縮する圧縮機と、少なくとも冷媒の凝縮器として機能する熱源側熱交換器と、冷媒を減圧する第1及び第2膨張機構と、少なくとも冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器と、を含む。
前記水和物蓄熱式空調システムは、前記圧縮機から吐出される冷媒を前記熱源側熱交換器において凝縮させて前記第1膨張機構によって減圧した後に前記蓄熱熱交換器において蒸発させることによって前記蓄熱槽内に水和物スラリーを生成して冷熱を蓄える蓄熱運転と、前記圧縮機から吐出される冷媒を前記熱源側熱交換器において凝縮させてさらに前記蓄熱熱交換器において冷却して前記第2膨張機構によって減圧した後に前記利用側熱交換器において蒸発させることによって前記蓄熱槽内の水和物を融解して冷熱を利用する蓄熱利用冷房運転と、通常の冷暖房運転と、の三種類の運転状態を実現することができ、且つ前記三種類の運転状態を切り換えることができる。
前記冷媒回路は、前記冷媒回路の冷却循環方向を変更することにより、暖房用蓄熱運転と、蓄熱利用デフロスト運転と、通常の暖房運転の三種類の運転状態を切り換えることができる。
前記蓄熱利用冷房運転時において、前記水和物スラリー蓄熱式空調システムでは、前記蓄熱槽の上部から前記蓄熱熱交換器に水和物水溶液を輸送し、前記蓄熱熱交換器から前記蓄熱槽の下部に水和物スラリーを輸送する。
第1の側面にかかる水和物スラリーの蓄熱方法は、蓄熱槽の上部から臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含有する水和物水溶液を取り出し、蓄熱熱交換器に輸送し冷却させて水和物スラリーを製造し、蓄熱熱交換器から排出された水和物スラリーを蓄熱槽の下部に輸送し、蓄熱槽の上部に固相率の低い第1スラリー層を生成させ、蓄熱槽の下部に固相率の高い第2スラリー層を蓄積させる方法である。
ここでは、蓄熱材として臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物スラリーを製造し、蓄熱材として水または氷を使用する場合と比較して、性能の高い冷熱輸送媒体を得ることができる。
また、蓄熱槽の上部に固相率の低い第1スラリー層を生成させ、蓄熱槽の下部に固相率の高い第2スラリー層を蓄積させている。一方、蓄熱槽の上部から臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含有する水和物水溶液を取り出して蓄熱熱交換器に輸送し、蓄熱熱交換器から排出された水和物スラリーを蓄熱槽の下部に輸送している。
即ち、蓄熱槽内に水和物スラリー固相率の濃度成層を形成させる。蓄熱槽の上方に流動性の高い希薄層を、下方に潜熱密度の高い濃厚層を生成させ、蓄熱槽の上方より水和物スラリーを取り出し下方へ流入させることにより、蓄熱密度を確保しつつ、配管内スラリーの固相濃度を低レベルに維持することができ、圧損の上昇や、配管の詰まりを回避することができる。
第2の側面に係る水和物スラリー蓄熱方法は、第1側面に係る水和物スラリー蓄熱方法において、第1スラリー層の固相率が15%以下、第2スラリー層の固相率が40%以上になるように制御する。
ここで、蓄熱槽上部における第1スラリー層の固相率が15%以上である場合、いずれの流量条件においても、配管内面に付着する水和物結晶の成長が著しく,配管内に詰まりが発生し、配管内の圧力損失が顕著に上昇する。
ここでは、第1スラリー層の固相率を15%以下に制御することにより、配管内の圧力損失を抑制することができる。また、第2スラリー層の固相率を40%以上に制御することにより、水和物スラリー製造システムにおける潜熱密度を確保することができる。
第3の側面に係る水和物スラリー蓄熱方法は、第1側面または第2側面に係る水和物スラリー蓄熱方法において、蓄熱槽と蓄熱熱交換器との間の水和物流路における水和物の流量が、蓄熱槽における水和物が沈降する流量になるように制御する。
ここでは、蓄熱槽と蓄熱熱交換器との間の水和物流路における水和物の流量を制御し、蓄熱槽における水和物が密度差により沈降するように制御することで、濃度分布を形成することができる。
第4の側面に係る水和物スラリー蓄熱装置は、臭化テトラn−ブチルアンモニウムの水和物を製造する水和物スラリー蓄熱装置であって、臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を溜める蓄熱槽と、冷媒回路を有する冷熱源と、冷熱源からの冷媒と蓄熱槽からの水和物との熱交換を行う蓄熱熱交換器と、蓄熱槽の上部から蓄熱熱交換器に水和物水溶液を輸送する輸送ポンプを備えた第1輸送配管と、蓄熱熱交換器から前記蓄熱槽の下部に水和物スラリーを輸送する第2輸送配管とを備えている。
ここでは、蓄熱熱交換器において、冷熱源からの冷媒と蓄熱槽からの臭化テトラn−ブチルアンモニウム水溶液または水和物スラリーとの間で熱交換を行う。また、蓄熱槽の上方より水和物スラリーを取り出し下方へ流入させることにより蓄熱密度を確保しつつ、配管内スラリーの固相濃度を低レベルに維持することができ、圧損の上昇や、配管の詰まりを回避することができる。
第5の側面に係る水和物スラリー蓄熱装置は、第4側面に係る水和物スラリー蓄熱装置において、輸送ポンプの流量を制御する制御部と、蓄熱槽内の水和物の固相率を検知する検知部とをさらに備え、検知部で測定された水和物の固相率を、第1スラリー層の固相率が15%以下、第2スラリー層の固相率が40%以上になるよう、制御部により輸送ポンプの流量を制御する。
蓄熱槽上部における第1スラリー層の固相率が15%以上である場合、いずれの流量条件においても、TBAB輸送配管内面に付着する水和物結晶の成長が著しく,TBAB輸送配管内に詰まりが発生し、TBAB輸送配管内の圧力損失が顕著に上昇する。
ここでは、第1スラリー層の固相率を15%以下に制御することにより、TBAB輸送配管内の圧力損失を抑制することができる。また、第2スラリー層の固相率を40%以上に制御することにより、水和物スラリー製造システムにおける潜熱密度を確保することができる。
また、固相率検知部で水和物の固相率を測定し、固相率に基づいて輸送ポンプの流量を制御し、蓄熱槽と蓄熱熱交換器との間の水和物流路における水和物の流量が、蓄熱槽における水和物が沈降する流量になるように制御する。
ここでは、蓄熱槽と蓄熱熱交換器との間の水和物流路における水和物の流量を制御し、蓄熱槽における水和物が密度差により沈降するように制御することで、濃度分布を形成することができる。
第6の側面に係る水和物スラリー蓄熱装置は、第4側面または第5側面に係る水和物スラリー蓄熱装置において、第2輸送配管は蓄熱槽の底面から所定高さ離れた位置に配置されている。
ここでは、蓄熱槽の底面には、固相率が高い水和物スラリーが蓄積されているため、第2輸送配管を蓄熱槽の底面に連結した場合、蓄熱熱交換器から輸送された水和物スラリーが蓄熱槽の底面に固まり、第2輸送配管から蓄熱槽底面への水和物スラリーの供給部が詰まる恐れがある。ここでは、蓄熱槽の下部に水和物スラリーを輸送する第2輸送配管を蓄熱槽の底面から所定高さ離れた位置に配置することにより、第2輸送配管から蓄熱槽底面への水和物スラリーの供給をスムーズにさせることができる。
第7〜第9の側面に係る水和物蓄熱式空気調和システムは、蓄熱槽と、空気調和装置の冷媒回路とを備えている。ここで、冷媒回路は、冷媒を圧縮する圧縮機と、少なくとも冷媒の凝縮器として機能する熱源側熱交換器と、冷媒を減圧する第1及び第2膨張機構と、少なくとも冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器と、冷媒と蓄熱槽内の水和物及び水和物スラリーを製造する水溶液とを熱交換させる熱交換器として機能する蓄熱熱交換器とを含み、圧縮機から吐出される冷媒を熱源側熱交換器において凝縮させて第1膨張機構によって減圧した後に蓄熱熱交換器において蒸発させることによって蓄熱槽内に水和物を生成して冷熱を蓄える蓄冷運転と、圧縮機から吐出される冷媒を熱源側熱交換器において凝縮させてさらに蓄熱熱交換器において冷却させ、または圧縮機から吐出される冷媒を蓄熱熱交換器において凝縮させて、第2膨張機構によって減圧した後に利用側熱交換器において蒸発させることによって蓄熱槽内の水和物の冷熱を利用する冷熱利用冷房運転と、及び通常の冷房運転とを切り換えることが可能である。また、蓄熱槽と蓄熱熱交換器とにより、第4〜第6のいずれかの側面に係る水和物スラリー蓄熱装置を構成する。
この水和物蓄熱式空気調和システムでは、蓄冷運転、冷熱利用冷房運転、及び通常の冷房運転を切り換えることができ、深夜電力を利用して夜間に蓄熱材を生成して冷熱を蓄える蓄冷運転と、この蓄熱材に蓄えられた冷熱を昼間の冷房に利用する冷熱利用冷房運転とを切り換えることで、エネルギーの有効利用を図ることができる。
この水和物蓄熱式空気調和システムの冷媒回路は、蓄冷運転、冷熱利用冷房運転、及び通常の冷房運転を切り換えることができるが、冷媒回路の冷媒の循環方向を変更することにより、暖房用蓄熱運転、蓄熱を利用したデフロスト運転、及び通常の暖房運転を切り換えることができる冷媒回路に変更することもできる。
また、蓄熱槽と蓄熱熱交換器とにより、第4〜第6のいずれかの側面に係る水和物スラリー蓄熱装置を構成する。即ち、蓄熱槽の上方より水和物スラリーを取り出し下方へ流入させることにより蓄熱密度を確保しつつ、配管内スラリーの固相濃度を低レベルに維持することができ、圧損の上昇や、配管の詰まりを回避することができる。
第10の側面に係る水和物蓄熱式空気調和システムは、第7の側面に係る水和物蓄熱式空気調和システムにおいて、蓄熱利用冷房運転時に、蓄熱槽の上部から蓄熱熱交換器に水和物水溶液を輸送し、蓄熱熱交換器から蓄熱槽の下部に水和物スラリーを輸送する。
通常、水和物スラリーの蓄熱利用運転時には、蓄熱槽の下部から固相割合の高い水和物スラリーを取り出し、蓄熱熱交換器に輸送する。その際、輸送配管の閉塞を防止するための装置を別途設けている。
この水和物蓄熱式空気調和システムでは、水和物スラリーの製造時のみならず、蓄熱槽の上部から蓄熱熱交換器に水和物水溶液を輸送し、蓄熱熱交換器から蓄熱槽の下部に水和物スラリーを輸送する。
ここでは、蓄熱槽の上方より水和物スラリーを取り出し下方へ流入させることにより、蓄熱密度を確保しつつ、配管内スラリーの固相濃度を低レベルに維持することができ、圧力損失の上昇や、配管の詰まりを回避することができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
蓄熱槽内に水和物スラリー固相率の濃度成層を形成させる。蓄熱槽の上方に流動性の高い希薄層を、下方に潜熱密度の高い濃厚層を生成させ、蓄熱槽の上方より水和物スラリー/水和物水溶液を取り出して蓄熱交換器に輸送し、蓄熱交換器から取り出した水和物スラリーを蓄熱槽の下方へ流入させることにより、蓄熱密度を確保しつつ、配管内スラリーの固相濃度を低レベルに維持することができ、圧損の上昇や、配管の詰まりを回避することができる。
水和物スラリーの蓄熱装置である。 蓄熱槽内の水和物スラリーの濃度と温度との関係を表わすグラフである。 蓄熱槽への水和物スラリー供給濃度と配管内の圧力損失との関係を示すグラブである。 水和物蓄熱式空気調和システムの通常冷房運転における動作を説明する概略図である。 水和物蓄熱式空気調和システムの一実施形態にかかる蓄冷運転における動作を説明する概略図である。 水和物蓄熱式空気調和システムの冷熱利用冷房運転における動作を説明する概略図である。
以下、図面に基づいて、本発明にかかる水和物スラリーの蓄熱方法、水和物スラリー蓄熱装置、及び水和物蓄熱式空気調和システムの実施形態について説明する。
<水和物スラリー蓄熱装置>
図1に示す水和物スラリー蓄熱装置1は、臭化テトラn−ブチルアンモニウム(TBAB)水和物スラリーを製造する装置であり、主として、蓄熱槽100と、冷媒回路を有する冷熱源300と、蓄熱熱交換器400と、蓄熱熱交換器400と蓄熱槽100との間に設けられた供給ポンプ102と、蓄熱槽に設けられた水和物固相率を検出する第1センサ105と、第2センサ106とを備えている。
蓄熱槽100は、蓄熱材としてのTBAB水和物及び/またはTBAB水溶液を溜める容器であり、TBAB輸送配管101を有する。TBAB輸送配管101は、蓄熱槽100の上部に連結された第1輸送配管101aと、蓄熱槽100の下部に連結された第2輸送配管101bとを備えている。第1輸送配管101aには、蓄熱槽100内のTBAB水和物及び/またはTBAB水溶液を蓄熱熱交換器400に輸送するための供給ポンプ102が設けられている。
蓄熱熱交換器400において、冷熱源300の冷媒と蓄熱槽100からの水和物との熱交換を行う。冷熱源300は、冷凍機301と冷媒配管302とを有している。蓄熱熱交換器400において、冷媒配管302内の冷媒とTBAB配管内のTBAB水和物及び/またはTBAB水溶液と熱交換を行う。
蓄熱熱交換器400から流出するTBAB水和物は、第2輸送配管101bにより蓄熱槽100の下部に輸送される。ここで、第1センサ105は蓄熱槽の第1輸送配管101aの高さと対応する位置に配置され、第2センサ106は蓄熱槽の第2輸送配管101bの高さと対応する位置に配置されている。
第1センサ105、第2センサ106、水和物供給ポンプ200は制御部500に電気的に連結されている。
<水和物スラリーの蓄熱方法>
まず、蓄熱槽100内にTBAB水溶液を収容する。冷凍機301を起動すると、冷凍機301で冷却された冷媒(例えば、冷水)が冷媒配管302を介して蓄熱熱交換器400に送られる。一方、供給ポンプ102を起動すると、蓄熱槽100の上部からのTBAB水溶液は、第1輸送配管101aにより蓄熱熱交換器400に輸送され、冷媒配管302内の冷媒と熱交換が行われる。
第1輸送配管101aから送られたTBAB水溶液は、蓄熱熱交換器400において冷却されて水和物に相変化が生じ、水和物スラリーが生成される。水和物スラリーは、第2輸送配管101bにより蓄熱槽100に輸送される。この過程が繰り返され、冷却が進むと水和物スラリーの固相率が上昇する。
図2に示すように、初期濃度が10%〜30%のいずれの濃度範囲においても、TBAB水溶液を冷却すると、水和物スラリーの固相率が上昇する。固相率が上昇した水和物スラリーは、第2輸送配管101bにより蓄熱槽100の下部に輸送され、密度差により水和物スラリーが沈降し、蓄熱槽100内において濃度分布が形成される。
ここでは、制御部500により供給ポンプ102の流量を制御して、蓄熱槽100における水和物を沈降させる。また、TBAB配管内の水和物の流量を制御することにより、蓄熱槽の第1輸送配管101aの高さと対応する位置に配置された第1センサ105により検出される固相率が15%以下に維持し、蓄熱槽の第2輸送配管101bの高さと対応する位置に配置されている第2センサ106により検出される固相率が40%以上に維持するように制御する。図1に示すように、Aは固相率<15%、Bは固相率>40%を示す。
その結果、蓄熱槽100の下部には、図2の符号Hで示す水和物スラリーの固相率が40%〜60%の範囲である潜熱密度の高い第1スラリー層が蓄積される。一方、蓄熱槽100の上部には、図2の符号Lで示す固相率が15%以下である流動性の高い第2スラリー層が形成され、この流動性の高い水和物スラリーをTBAB配管内に供給することができる。
図3では、第1輸送配管101aの入口における水和物スラリーの濃度、供給流量と配管内の圧力損失の上昇を示している。図3に示すように、水和物スラリーの生成を開始した初期段階においては、いずれの流量条件においても、TBAB輸送配管101内の圧力損失は一定である。水和物スラリーの生成が進行し、第1輸送配管101aの入口における水和物スラリーの濃度が10%を超えると、TBAB輸送配管101内の圧力損失が上昇する。この場合、TBAB輸送配管内の水溶液/水和物流量が5kg/minの状態での配管内の圧力損失の上昇が、TBAB輸送配管内の水溶液/水和物流量が15kg/minの状態での配管内の圧力損失の上昇より低い。しかし、第1輸送配管101aの入口における水和物スラリーの濃度が15%を超えると、いずれの流量条件においても配管101内の圧力損失の上昇が顕著になる。即ち、第1輸送配管101aの入口における水和物スラリーの濃度が15%を超えると、配管101内面に付着する水和物結晶の成長が著しくなり、配管詰まりが発生しやすくなる。この実施例では、第1輸送配管101aの入口における水和物スラリーの濃度を15%以下に制御して、TBAB輸送配管内の圧力損失の上昇や、配管の詰まりを回避することができる。また、蓄熱槽100の下部には、水和物スラリーの固相率を40%〜60%の範囲の潜熱密度の高い層を維持することにより、蓄熱密度を確保することができる。
また、第2輸送配管101bと蓄熱槽100との連結位置は、蓄熱槽100の底面から所定高さ離れた位置に配置することにより、蓄熱熱交換器400で冷却された水和物スラリーを蓄熱槽100に戻しやすいようにしている。その一例として、高さが1600mmの蓄熱槽100を採用し、第2輸送配管101bと蓄熱槽100との連結位置は、蓄熱槽100の底面から300mm離れた位置に配置した。
<水和物蓄熱式空気調和システムの構成>
図4は、本発明の一実施形態にかかる水和物蓄熱式空気調和システム10の概略図である。水和物蓄熱式空気調和システム10は、主として、熱源ユニット2と、利用ユニット4と、熱源ユニット2と利用ユニット4との間に介在する水和物スラリー蓄熱装置1と、熱源ユニット2、水和物スラリー蓄熱装置1及び利用ユニット4を接続する液冷媒連絡配管7及びガス冷媒連絡配管8とを備えている。本実施形態において、液冷媒連絡配管7は、熱源ユニット2と水和物スラリー蓄熱装置1とを接続する液冷媒連絡配管7aと、利用ユニット4と水和物スラリー蓄熱装置1とを接続する液冷媒連絡配管7bとを有している。また、ガス冷媒連絡配管8は、熱源ユニット2と水和物スラリー蓄熱装置1とを接続するガス冷媒連絡配管8aと、利用ユニット4と水和物スラリー蓄熱装置1とを接続するガス冷媒連絡配管8bとを有している。
<利用ユニット>
利用ユニット4は、屋内の天井に埋め込みや吊り下げ等、又は、屋内の壁面に壁掛け等により設置されている。利用ユニット4は、冷媒連絡配管7b、8bを介して水和物スラリー蓄熱装置1及び熱源ユニット2に接続されている。利用ユニット4は、主として、第2利用側膨張弁41(第2膨張機構)と、利用側熱交換器42とを備えている。利用側膨張弁41は、利用側熱交換器42の液側に接続されており、利用側冷媒回路10a内を流れる冷媒を減圧することが可能な電動膨張弁である。利用側熱交換器42は、冷媒と屋内空気との熱交換により、冷媒の蒸発器又は冷媒の凝縮器として機能する熱交換器である。
<熱源ユニット>
熱源ユニット2は、屋外等に設置されており、冷媒連絡配管7a、8bを介して水和物スラリー蓄熱装置1及び利用ユニット4に接続されている。熱源ユニット2は、主として、圧縮機21と、四路切換弁22と、熱源側熱交換器23と、液側閉鎖弁24と、ガス側閉鎖弁25とを備えている。四路切換弁22は、熱源側熱交換器23を凝縮器として機能させる際(以下、冷房運転切換状態とする)には圧縮機21の吐出側と熱源側熱交換器23のガス側とを接続し、熱源側熱交換器23を蒸発器として機能させる際(以下、暖房運転切換状態とする)には圧縮機21の吸入側と熱源側熱交換器23のガス側とを接続するように、熱源側冷媒回路10c内における冷媒の流路を切り換えることが可能な弁である。より具体的には、四路切換弁22は、その第1ポート22aが圧縮機21の吐出側に接続されており、その第2ポート22bが熱源側熱交換器23のガス側に接続されており、その第3ポート22cが圧縮機21の吸入側に接続されており、第4ポート22dがガス側閉鎖弁25に接続されており、第1ポート22aと第2ポート22bとを接続するとともに、第3ポート22cと第4ポート22dとを接続(冷房運転切換状態に対応)したり、第2ポート22bと第3ポート22cとを接続するとともに、第1ポート22aと第4ポート22dとを接続(暖房運転切換状態に対応)する切り換えを行うことが可能である。
熱源側熱交換器23は、冷媒と熱源としての屋外空気や冷却水との熱交換により、冷媒の蒸発器及び冷媒の凝縮器として機能する熱交換器である。液側閉鎖弁24及びガス側閉鎖弁25は、外部の機器・配管(具体的には、冷媒連絡配管7a、8a)との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁24は、熱源側熱交換器23に接続されている。ガス側閉鎖弁25は、四路切換弁22の第4ポート22dに接続されている。
<蓄熱側冷媒回路>
水和物スラリー蓄熱装置1は、屋外等に設置されており、熱源ユニット2及び利用ユニット4に冷媒連絡配管7a、7b、8a、8bを介して接続されている。蓄熱槽100、蓄熱熱交換器400、過冷却解消手段200、供給ポンプ102については、上述の構造と同じなので、説明を省略する。
蓄熱側冷媒回路60は、主として、第1管〜第6管及び第1電磁弁〜第5電磁弁とを備えている。第1管60aは、その両端が液冷媒連絡配管7a、7bに接続されており、第1電磁弁62は、第1管60aに設けられている。
第2管60eは、蓄熱熱交換器400と第6管60hとを接続している。第2電磁弁66は、第2管60eに設けられている。
第3管60gは、蓄熱熱交換器400と第5管60jとの接続部と、第1管60a(具体的には、第1電磁弁62の液冷媒連絡配管7a側の部分)とを接続している。第3電磁弁68は、第3管60gに設けられている。
第4管60cは、第5管60jとの接続部と第7管60iとの接続部と、第1管60a(具体的には、第1電磁弁62の液冷媒連絡配管7b側の部分)とを接続している。蓄熱側膨張弁64は、第4管60cに設けられており、蓄熱熱交換器400を通過する冷媒を減圧することが可能な電動膨張弁である。
第5管60jは、その一端が蓄熱熱交換器400及び第3管60gに接続され、他端が第4管60c及び第7管60iに接続されている。
第6管60hは、その両端がガス冷媒連絡配管8a、8bに接続されており、第6電磁弁63は、第6管60hに設けられている。
第7管60iは、その一端が蓄熱熱交換器400及び第2管60eに接続され、他端が第5管60j及び第4管60cに接続されている。
<水和物蓄熱式空気調和システムの運転>
(冷熱を利用しない通常の運転)
このような水和物蓄熱式空気調和システム1においては、図4に示すように、四路切換弁22を冷房運転切換状態にして、圧縮機21から吐出される冷媒を、熱源側熱交換器23において凝縮させて利用側膨張弁41によって減圧した後に、利用側熱交換器42において蒸発させて、再び、圧縮機21に戻すことで、冷房運転を行うことができる。
(蓄冷運転と冷熱利用冷房運転)
水和物蓄熱式空気調和システム1においては、蓄熱槽100内に水和物を生成して冷熱を蓄える蓄冷運転と、蓄熱槽100内の水和物の冷熱を利用する蓄冷利用冷房運転とを切り換えて行うことが可能である。ここで、蓄冷運転は図5に示すように、圧縮機21から吐出される冷媒を熱源側熱交換器23において凝縮させ、蓄熱側膨張弁64によって減圧し、その後蓄熱熱交換器400において蒸発させることによって蓄熱槽100内に水和物を生成して冷熱を蓄える。また冷熱利用冷房運転は、図6に示すように、圧縮機21から吐出される冷媒を熱源側熱交換器23において凝縮させ、さらに蓄熱熱交換器400において冷却し、利用側膨張弁41によって減圧した後、利用側熱交換器42において蒸発させることによって、蓄熱槽100内の水和物の冷熱を利用する運転である。ここで、図5に示す蓄冷運転においては、四路切換弁22は冷房運転切換状態、利用側膨張弁41、及び第3電磁弁68は全閉、そして、第1電磁弁62及び第2電磁弁66、第5電磁弁67j、蓄熱側膨張弁64は全開状態にして、蓄熱熱交換器400を冷媒の蒸発器として機能させる回路構成にしておく必要がある。また、図6に示す冷熱利用冷房運転においては、四路切換弁22は冷房運転切換状態、第1電磁弁62及び第2電磁弁66は全閉、そして、第3電磁弁68、第6電磁弁63、第7電磁弁65及び蓄熱側膨張弁64は全開状態にして、蓄熱熱交換器400を冷媒の過冷却器として機能させる回路構成にしておく必要がある。
蓄冷運転は、例えば、夜間の安価な電気を用いて蓄熱槽100に水和物を生成して冷熱を蓄える運転である。まず、蓄冷運転時の動作について、図5を用いて説明する。ここで、図5は、空気調和装置の蓄冷運転における動作を説明する概略の冷媒回路図である。蓄冷運転時の冷媒の流れについては、図5の冷媒回路に付された矢印を参照されたい。具体的には、四路切換弁22が冷房運転切換状態(図5に示される四路切換弁22が実線で示された状態)に切り換えられて、熱源側熱交換器23が凝縮器として機能するようになっている。また、利用側膨張弁41及び第3電磁弁68は全閉状態にし、第1電磁弁62及び第2電磁弁66は全開状態にして、蓄熱熱交換器400が冷媒の蒸発器として機能するようになっている。そして、蓄熱側膨張弁64は、例えば、冷蓄熱熱交換器400の出口側における冷媒の過熱度に基づいて開度制御が行われている。
このような構成において、圧縮機21の吸入側の低圧のガス冷媒は、圧縮機21において圧縮され吐出されて高圧のガス冷媒になり、四路切換弁22に送られる。そして、四路切換弁22に送られた高圧のガス冷媒は、四路切換弁22の第1ポート22a及び第2ポート22bを通じて、熱源側熱交換器23に送られる。そして、熱源側熱交換器23に送られた高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器23において、熱源としての屋外空気や冷却水と熱交換を行うことによって凝縮する。そして、熱源側熱交換器23において凝縮した冷媒は、液側閉鎖弁24、34を通じて液冷媒連絡配管7aに送られて合流し、水和物スラリー蓄熱装置1の蓄熱側冷媒回路60に送られる。
そして、水和物スラリー蓄熱装置1に送られた冷媒は、第1電磁弁62を通じて蓄熱側膨張弁64に送られて減圧される。この蓄熱側膨張弁64によって減圧された冷媒は、蓄熱熱交換器400において蓄熱槽100から送られたTBAB水溶液との間で熱交換を行って蒸発するとともに、蓄熱槽100から送られてきたTBAB水溶液を冷却して水和物を生成する。また蒸発した冷媒は、第2電磁弁66を通じてガス冷媒連絡配管8aに送られて、熱源ユニット2に送られる。
一方、熱源ユニット2に送られた冷媒は、ガス側閉鎖弁25と、四路切換弁22の第4ポート22d及び第3ポート22cを通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。このようにして、蓄冷運転における冷媒循環動作が行われて、蓄熱槽100内に水和物を生成して冷熱を蓄えるようにしている。
この蓄冷運転時において、制御部500により供給ポンプ102の流量を制御して、蓄熱槽の第1輸送配管101aの高さと対応する位置に配置された第1センサ105により検出される固相率が15%以下に維持し、蓄熱槽の第2輸送配管101bの高さと対応する位置に配置されている第2センサ106により検出される固相率が40%以上に維持するように制御する。
<冷熱利用冷房運転>
冷熱利用冷房運転は、例えば、昼間のような電力需要のピーク時に、蓄熱槽100に生成された水和物の冷熱を利用する冷房運転である。次に、冷熱利用冷房運転時の動作について、図6を用いて説明する。冷熱利用冷房運転時には、四路切換弁22が冷房運転切換状態に切り換えられて、熱源側熱交換器23が凝縮器として機能するようになっている。また、第1電磁弁62及び第2電磁弁66は全閉状態にし、蓄熱側膨張弁64及び第3電磁弁68は全開状態にして、蓄熱熱交換器400が冷媒の過冷却器として機能するようになっている。そして、利用側膨張弁41は、例えば、利用側熱交換器42の出口側における冷媒の過熱度が一定になるように開度制御が行われている。このような構成において、圧縮機21の吸入側の低圧のガス冷媒は、圧縮機21において圧縮され吐出されて高圧のガス冷媒になり、四路切換弁22に送られる。そして、四路切換弁22に送られた高圧のガス冷媒は、四路切換弁32の第1ポート22a及び第2ポート22bを通じて、熱源側熱交換器23に送られる。そして、熱源側熱交換器23に送られた高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器23において、熱源としての屋外空気や冷却水と熱交換を行うことによって凝縮する。そして、熱源側熱交換器23において凝縮した冷媒は、液側閉鎖弁24を通じて液冷媒連絡配管7aに送られて合流し、水和物スラリー蓄熱装置1の蓄熱側冷媒回路60に送られる。
そして、水和物スラリー蓄熱装置1に送られた冷媒は、第3電磁弁68を通じて蓄熱熱交換器400に送られる。蓄熱熱交換器400に送られた冷媒は、蓄熱熱交換器400において蓄熱槽100内の水和物との間で熱交換を行って過冷却されるとともに、蓄熱槽100内の水和物を加熱し、蓄熱側膨張弁64を通じて、液冷媒連絡配管7bに送られて、利用ユニット4に送られる。
利用ユニット4に送られた冷媒は、利用側膨張弁41に送られて減圧される。この利用側膨張弁41によって減圧された冷媒は、利用側熱交換器42において屋内空気との間で熱交換を行って蒸発するとともに、屋内空気を冷却する。この蒸発した冷媒は、ガス冷媒連絡配管8bに送られて合流し、水和物スラリー蓄熱装置1の蓄熱側冷媒回路60(具体的には、第6管60h)を通じて、ガス冷媒連絡配管8aに送られる。
そして、熱源側の冷媒は、ガス側閉鎖弁25、35と、四路切換弁22の第4ポート22d及び第3ポート22cを通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。このようにして、冷熱利用冷房運転における冷媒循環動作が行われて、蓄熱槽100内の水和物の冷熱を利用するようにしている。
この冷熱利用運転時において、蓄熱槽100の上部に溜められた固相率が15%以下の水和物スラリーは、第1輸送配管101aを介して供給ポンプ102により蓄熱熱交換器400に輸送され、冷媒配管302内の冷媒と熱交換が行われる。ここで、制御部500による供給ポンプ102の流量を制御して、第1輸送配管101aの高さと対応する位置に配置された第1センサ105により検出される固相率が15%以下に維持することで、TBAB輸送配管内の圧力損失の上昇を抑制することができる。
ここでは、圧縮機21において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器23で凝縮され、それから蓄熱熱交換器で過冷却される運転について述べた。また、熱源側熱交換器23での凝縮過程を省き、蓄熱熱交換器で凝縮させる運転方法も考えられる。
本発明を利用すれば、蓄熱槽の上方に流動性の高い希薄層を、下方に潜熱密度の高い濃厚層を生成させることができる。また、この方法で生成したTBAB水和物を水和物蓄熱式空気調和システムに利用することができる。
1 水和物スラリー蓄熱装置
2 熱源ユニット
4 利用ユニット
10 水和物蓄熱式空気調和システム
100 蓄熱槽
101 TBAB配管
101a 第1輸送配管
101b 第2輸送配管
105 第1固相率センサ
106 第2固相率センサ
300 冷熱源
400 蓄熱熱交換器
500 制御部
中国特許第3391254号

Claims (10)

  1. 水和物スラリー蓄熱装置であって、
    臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を溜める蓄熱槽と、冷媒回路を有する冷熱源と、蓄熱熱交換器と、第1配送管と、第2配送管と、を備え、
    前記第1配送管の一端は前記蓄熱層の上部に連結され、他端は前記蓄熱熱交換器に連結され、
    前記第2配送管の一端は前記蓄熱層の下部に連結され、他端は前記蓄熱熱交換器に連結され、
    前記第1輸送配管には、前記蓄熱槽の上部から前記蓄熱熱交換器に水和物水溶液を輸送する輸送ポンプが設けられ、
    前記第2輸送配管は、前記蓄熱熱交換器から前記蓄熱槽の下部に水和物スラリーを輸送する、
    水和物スラリー蓄熱装置。
  2. 前記蓄熱槽内の水和物の固相率を検知する固相率検知部と、
    前記固相率検知部及び前記輸送ポンプと電気連結されている制御部と、をさらに備え、
    前記制御部は前記固相率検知部の検知結果に基づいて前記輸送ポンプの流量を制御して水和物スラリーの固相率を制御する、
    請求項1に記載の水和物スラリー蓄熱装置。
  3. 前記第2配管は、前記蓄熱槽の底面からの高さが0〜50%離れた位置に配置されている、
    請求項1または2に記載の水和物スラリー蓄熱装置。
  4. 前記固相率検知部は少なくとも二つであり、そのうち、前記第1固相率検知部は前記蓄熱層において前記第1配送管の高さに対応する位置に設置され、前記第2固相率検知部は前記蓄熱層において前記第2配送管の高さに対応する位置に設置されている、
    請求項2に記載の水和物スラリー蓄熱装置。
  5. 蓄熱槽の上部から臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含有する水和物水溶液を取り出し、蓄熱熱交換器に輸送し、蓄熱熱交換器において冷熱源からの冷媒と蓄熱槽からの臭化テトラn−ブチルアンモニウム溶液または水和物スラリーとの間で熱交換が行われ、水和物水溶液を冷却させて水和物スラリーを製造し、
    前記蓄熱熱交換器から排出された水和物スラリーを前記蓄熱槽の下部に輸送し、
    前記蓄熱槽の上部に固相率が15%以下の第1スラリー層を生成させ、前記蓄熱槽の下部に固相率が40%以上の第2スラリー層を蓄積させる、
    水和物スラリーの蓄熱方法。
  6. 前記蓄熱槽と前記蓄熱熱交換器との間の水和物輸送配管における水和物の流量を制御し、水和物の流量を前記蓄熱槽における水和物が自然沈降するに必要な流量になるように制御する、
    請求項5に記載の水和物スラリーの蓄熱方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の水和物スラリー蓄熱装置と、
    臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を溜める蓄熱槽と、
    冷媒を圧縮する圧縮機と、少なくとも冷媒の凝縮器として機能する熱源側熱交換器と、冷媒を減圧する第1及び第2膨張機構と、少なくとも冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器と、を含む冷媒回路と、
    を備えた、水和物蓄熱式空気調和システム。
  8. 前記空調システムは、前記圧縮機から吐出される冷媒を前記熱源側熱交換器において凝縮させて前記第1膨張機構によって減圧した後に前記蓄熱熱交換器において蒸発させることによって前記蓄熱槽内に水和物スラリーを生成して冷熱を蓄える蓄熱運転と、前記圧縮機から吐出される冷媒を前記熱源側熱交換器において凝縮させてさらに前記蓄熱熱交換器において冷却して前記第2膨張機構によって減圧した後に前記利用側熱交換器において蒸発させることによって前記蓄熱槽内の水和物を融解して冷熱を利用する蓄熱利用冷房運転と、通常の冷暖房運転と、の三種類の運転状態を実現することができ、且つ前記三種類の運転状態を切り換えることができる、
    請求項7に記載の水和物蓄熱式空気調和システム。
  9. 前記冷媒回路は、前記冷媒回路の冷却循環方向を変更することにより、暖房用蓄熱運転と、蓄熱利用デフロスト運転と、通常の暖房運転の三種類の運転状態を切り換えることができる、
    請求項8に記載の水和物蓄熱式空気調和システム。
  10. 前記蓄熱利用冷房運転時において、前記蓄熱槽の上部から前記蓄熱熱交換器に水和物水溶液を輸送し、前記蓄熱熱交換器から前記蓄熱槽の下部に水和物スラリーを輸送する、
    請求項8に記載の水和物蓄熱式空気調和システム。
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